JP2004192125A - プロジェクトマネジメントシステム及びそれに用いられるデータ構造、並びに、プロジェクトマネジメント方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プロジェクトをスムーズに遂行し、確実に目的を達成できるようにすると共に、容易に導入することができるプロジェクトマネジメントシステム等を提供する。
【解決手段】プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた第1群のプロセスと、問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた第2群のプロセスとに関連付けて、プロジェクトにおいて実行すべき項目を表すデータを端末に入力するために用いられる入力部と、入力手段を用いて入力されたデータを、第1群のプロセスと第2群のプロセスとに関連付けて記録する記録媒体と、記録媒体に記録されているデータに基づいて、第1群のプロセスを表す方向と第2群のプロセスを表す方向とが直交する2次元マトリクス状に項目を配置して表示する表示部とを含む。
【選択図】 図2
【解決手段】プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた第1群のプロセスと、問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた第2群のプロセスとに関連付けて、プロジェクトにおいて実行すべき項目を表すデータを端末に入力するために用いられる入力部と、入力手段を用いて入力されたデータを、第1群のプロセスと第2群のプロセスとに関連付けて記録する記録媒体と、記録媒体に記録されているデータに基づいて、第1群のプロセスを表す方向と第2群のプロセスを表す方向とが直交する2次元マトリクス状に項目を配置して表示する表示部とを含む。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクトを立ち上げてから完成させるまでの過程において、該プロジェクトを管理するために用いられるプロジェクトマネジメントシステムに関し、さらに、そのようなプロジェクトマネジメントシステムにおいて使用されるデータ構造及びプロジェクトマネジメント方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、企業等の組織における経営、生産、プロジェクト等を管理するために、様々な手法が検討されている。
例えば、米国のプロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute:PMI(商標))は、PMBOK(project management body of knowledge)(商標)と呼ばれるプロジェクトマネジメントのための標準知識体系を発行している(非特許文献1参照)。PMBOKにおいては、プロジェクトマネジメントにおいて用いられるマネジメント手法が、スコープ、時間、コスト、品質、組織、コミュニケーション、リスク、調達、統合の9つの知識領域に分類されている。また、プロジェクトマネジメントにおいて実行される複数のプロセスは、立ち上げ、計画(企画)、遂行(実行)、コントロール、終結の5つのプロセス群に区分されている。そして、上記の9つに分類された知識領域に含まれる具体的な知識から必要な知識を抽出して各マネジメントプロセスを構成することによって、プロジェクトマネジメントが行われる。
【0003】
このように、PMBOKに基づくプロジェクトマネジメントは、基本的な手法や手順を用いて組み立てられているので、様々な分野におけるプロジェクトマネジメントに適用することができる。また、具体的なマネジメント手法の要素は十分であるので、理論として受け入れ易い。しかしながら、知識体系を中心としているため、管理における優先順位の付け方等のノウハウについて卓越した技術の習得が必要であり、プロジェクトマネージャに高い能力が要求される。従って、このようなプロジェクトマネジメント手法を導入することが困難である場合が少なからず存在する。
【0004】
また、TQM(total quality management:総合的品質管理)と呼ばれる管理技術及び経営手法(非特許文献2参照)や、ISO(国際標準化機構)によって認証が行われる品質管理及び品質保証のための国際標準モデルISO9001(非特許文献3参照)はよく知られている。TQMやISO9001においては、製品の品質といった結果のみに注目して経営努力を行うのではなく、それらを生産するプロセスに着目し、PDCAサイクルと呼ばれる行動サイクルに従って日常の生産管理が行われる。ここで、PDCAサイクルとは、計画(plan)、実行(do)、分析(check)、処置(action)の4つのプロセスを表している。即ち、TQMやISO9001においては、目的を達成するための具体的な計画を立て、計画に従って仕事を行い、仕事の進捗状況や仕事を達成した結果を計画と比較検討及び評価し、その検討結果や評価に基づいて、目標や手段を含む計画全体を見直し、改善を図るというサイクルが、繰り返し行われる。
【0005】
このような経営手法に則って生産等の管理を行うことにより、企業等の組織運営を継続的に改善して経営の質そのものを向上させ、もって、企業力を強化することが可能になる。そのため、TQMを導入したり、ISO9001認証を取得する企業は年々増えている。一方、このような経営手法においては、改善されるまでのプロセスに多くの時間を要してしまうと共に、各プロセスにおける定義付けが弱いので、行動プロセスのいずれかにおいて具体的な問題が発生した場合に、問題の所在を発見することができないという欠点がある。
【0006】
さらに、シックスシグマと呼ばれる経営改革手法がある。ここで、シグマ(σ)とは、統計学における用語であり、分布のバラツキを示している。6σとは、100万回のオペレーションにおいて3.4回エラーが発生する程度のバラツキを表す。即ち、シックスシグマにおいては、エラーが極めて少ない状態になるようにビジネスプロセスを確立することを目指している。シックスシグマは、米国モトローラ社において品質管理の実践手法として開発され、ゼネラルエレクトリック(GE)社における経営変革に際し、応用して導入され、成果を上げたことで知られている。
【0007】
シックスシグマにおいては、DMAICと呼ばれるプロセスに基づいて改善が行われる。DMAICとは、定義(definition)、測定(measure)、分析(analyze)、改善(improve)、管理(control)の5つのプロセスを表している。即ち、プロジェクトの内容、目標、課題を明確に定義し、現状を測定して問題点を把握し、問題点を分析して原因を検討し、分析結果に基づいて改善案を策定及び実施し、改善された成果を維持するために管理を行う。
【0008】
シックスシグマにおいては、プロジェクトの各局面において定義付けが行われるため、ある問題を特定してその部分を改善するという点では大きな成果を上げることができる。一方、全体最適に向けた組織の継続的改善には適さない面もある。また、このような手法を導入する際には、専門的知識を有する指導者の育成が必要であり、導入が困難な場合がある。
【0009】
【非特許文献1】
プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute)著、和訳版「プロジェクトマネジメントの基礎知識体系(A Guide to the ProjectManagement Body of Knowledge)」、1997年、財団法人エンジニアリング振興協会プロジェクトマネジメント部会
【非特許文献2】
久米 均 著、「TQM推進のための手引」、日本規格協会
【非特許文献3】
日本規格協会 編集、「対訳ISO9001 品質マネジメントの国際規格 マネージメントシステムISOシリーズ(Management system ISO series)」、日本規格協会
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の経営管理、生産管理、プロジェクトマネジメント等を行うための手法は一長一短であり、また、導入に多くの準備を伴う場合が多い。
そこで、上記の点に鑑み、プロジェクトをスムーズに遂行し、確実に目的を達成できるようにすると共に、容易に導入することができるプロジェクトマネジメントシステム、及び、そのようなプロジェクトマネジメントシステムにおいて用いられるデータ構造、並びに、プロジェクトマネジメント方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明に係るプロジェクトマネジメントシステムは、プロジェクトをマネジメントするために用いられるシステムであって、プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた第1群のプロセスと、問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた第2群のプロセスとに関連付けて、プロジェクトにおいて実行すべき項目を表すデータを端末に入力するために用いられる入力手段と、該入力手段を用いて入力されたデータを、第1群のプロセスと第2群のプロセスとに関連付けて記録する記録手段と、該記録手段に記録されているデータに基づいて、第1群のプロセスを表す方向と第2群のプロセスを表す方向とが直交する2次元マトリクス状に、項目を配置して表示する表示手段とを具備する。
【0012】
また、本発明に係るプロジェクトマネジメントにおいて用いられるデータ構造は、プロジェクトをマネジメントするために用いられるシステムにおいて使用されるデータであって、プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた第1群のプロセスを表し、第1群のアドレスに対応して第1の記録領域に記録されている第1群のデータと、問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた第2群のプロセスを表し、第2群のアドレスに対応して第2の記録領域に記録されている第2群のデータと、プロジェクトにおいて実行すべき項目を表し、第1群のアドレスと第2群のアドレスとに関連付けられた第3群のアドレスに対応して第3の記録領域に記録されている第3群のデータとを具備する。
【0013】
さらに、本発明に係るプロジェクトマネジメント方法は、プロジェクトをマネジメントするために用いられる方法であって、プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた第1群のプロセスと、問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた第2群のプロセスとに関連付けて、プロジェクトにおいて実行すべき項目を表すデータを端末に入力するステップ(a)と、ステップ(a)において入力されたデータを、第1群のプロセスと第2群のプロセスとに関連付けて記録するステップ(b)と、ステップ(b)において記録されたデータに基づいて、第1群のプロセスを表す方向と第2群のプロセスを表す方向とが直交する2次元マトリクス状に、項目を配置して表示するステップ(c)とを具備する。
【0014】
本発明によれば、プロジェクトに含まれる複数のプロセスを2次元的に関連付けられた構造を有するデータを用いるので、プロジェクトをスムーズに遂行できるプロジェクトマネジメントシステムを容易に導入することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステム10は、プロジェクトマネージャ端末11と、プロジェクトメンバー端末12a、12b、…と、データベースサーバ13と、アプリケーションサーバ14とを含んでいる。これらの端末及びサーバは、ネットワーク100により、互いに接続されている。ここで、ネットワーク100は、同一の建物内のように、狭い領域において専用線を利用して構築されるLAN(ローカルエリアネットワーク)でも良いし、電話回線やインターネット公衆回線等を利用したWAN(ワイドエリアネットワーク)でも良い。
【0016】
本実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステム10は、ネットワーク200を介して、取引先端末20a、20b、…や、顧客端末30a、30b、…と接続されている。取引先端末20a、20b、…は、業務上の取引がある企業等において用いられる端末である。また、顧客端末30a、30b、…は、顧客企業等において用いられる端末である。
【0017】
プロジェクトマネージャ端末11は、本実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステムが適用されるプロジェクト(以下、単にプロジェクトという)を総合的に管理するプロジェクトマネージャによって使用される端末である。また、プロジェクトメンバー端末12a、12b、…は、当該プロジェクトに参加し、それぞれが所定の任務を担うプロジェクトメンバーによって使用される端末である。プロジェクトメンバーの任務としては、財務、人事、生産、開発、購買等がある。
【0018】
プロジェクトマネージャ端末11及びプロジェクトメンバー端末12a、12b、…には、情報や命令を入力するために用いられる入力部と、情報や命令を表示するとが設けられている。入力部には、キーボート及びマウス等のポインティングデバイスが含まれる。また、表示部は、CRT等のディスプレイ装置である。
【0019】
データベースサーバ13は、中央演算装置(CPU)と、CPUに所定の処理を行わせるためのプログラムと、プロジェクトを管理するためのプロセスを表すデータベースが記録している記録媒体とを含んでいる。記録媒体としては、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、又は、DVD−ROM等を用いることができる。
【0020】
図2は、データベースサーバ13に含まれる記録媒体に記録されているデータベースのデータ構造を示している。図2に示すように、このデータ構造は、プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた複数のプロセスを表す第1群のデータと、問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた複数のプロセスを表す第2群のデータと、プロジェクトにおいて実行すべき項目を表す第3群のデータとを含んでいる。第3群のデータは、第1群のデータが記憶されている記憶領域を示すアドレスと、第2群のデータが記憶されている記憶領域を示すアドレスとに関連付けられた第3群のアドレスに対応する記憶領域に記憶されている。
【0021】
本実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステムにおいては、プロジェクトを時系列に5つのフェーズ(局面)に区分している。また、各フェーズは、4つの行動プロセスに区分されている。これらの行動プロセスの各々は、横軸に示す思考プロセスに沿って実行される。プロジェクトにおいて実行される具体的な項目は、行動プロセスが表す縦軸と思考プロセスが表す横軸とが直交する2次元マトリクス状に配置される。
【0022】
図2に示すように、時系列に区分される5つのフェーズには、立ち上げフェーズ1、企画フェーズ2、実行フェーズ3、コントロールフェーズ4、終結フェーズ5が含まれる。これらは、米国のプロジェクトマネジメント協会によるプロジェクトマネジメントのための知識体系、即ち、PMBOK(商標)に由来するものである。
【0023】
立ち上げフェーズ1は、プロジェクトの目的、ゴール、目指す範囲を明らかにし、大まかなスケジュール等を立て、プロジェクトの展望を明らかにするフェーズである。企画フェーズ2は、立ち上げフェーズ1において明らかになった内容に従って、プロジェクトを遂行するための具体的な計画を策定するフェーズである。実行フェーズ3は、企画フェーズ2において策定された計画に沿ってプロジェクトを実際に遂行するフェーズである。コントロールフェーズ4は、遂行されたプロジェクトの実行状況を監視し、計画と比較してずれが生じている場合にはその影響を調べ、実行状況を修正するフェーズである。終結フェーズ5は、プロジェクトを閉鎖すると共に、プロジェクトの成果を継続的に改善するフェーズである。
【0024】
これらのフェーズの各々は、TQMにおけるPDCAサイクル、即ち、計画(plan)、実行(do)、確認(check)、検証(action)の4つの行動プロセスに沿って活動が行われる。また、これらの行動プロセスは、ISO9001における要件定義によって規定される。
【0025】
計画プロセスは、各フェーズにおいて実行される内容について、達成すべき目標を明らかにすると共に、時期、実行主体、客体等に関する詳細な計画を立てるプロセスである。また、実行プロセスは、計画に沿って任務を遂行するプロセスである。さらに、確認プロセスは、計画プロセスにおいて明らかにされた目標や計画と実行された内容とを比較し、是正するプロセスである。検証プロセスは、計画から確認までのプロセスを確認し、その結果に基づいて目標や計画を見直すプロセスである。
【0026】
これらの行動プロセスの各々においては、シックスシグマにおける問題解決のプロセスであるDMAIC、即ち、定義(definition)、測定(measure)、分析(analyze)、改善(improve)、管理(control)のプロセスによって思考が為される。
【0027】
定義プロセスは、行動プロセスに対して、目標の設定、問題点の特定、要求の明確化等を行うことにより、プロジェクトの各フェーズ、各プロセスにおける本来あるべき姿を洗い出すプロセスである。また、測定プロセスは、現状を把握し、問題を確認するプロセスである。分析プロセスは、測定結果に基づいて、設計の評価、真の原因の推定及び検証し、因果関係を確立することにより、根本的な原因を見定めるプロセスである。改善プロセスは、分析結果に基づいて、問題の確認、目標の修正、人材、コスト、設備等を含む資源の有効性を見直し、要件の修正、真の原因の除去、解決策の標準化等を行うプロセスである。さらに、管理プロセスは、問題修正、測定項目の設定、改善策の有効性の確認等を行い、さらに、それらを水平転換するプロセスである。
【0028】
ここで、行動プロセスにおける定義付けが曖昧な状態では、続いて行われるプロセスに支障を来してしまう。また、プロジェクトマネジメントにおいて問題が生じたときに、問題の所在や解決手段を見出すことができなくなってしまう。しかしながら、本実施形態においては、仮に、行動プロセスにおける最初の定義付けが曖昧であっても、測定、分析、改善、管理といった思考プロセスを経ることにより、再び、定義プロセスに戻ってその行動プロセスを厳密に定義することができ、問題解決を図ることが可能になる。
【0029】
本実施形態においては、図2に示すプロジェクトマネジメントプロセスに従ってプロジェクトが遂行される。このプロジェクトマネジメントプロセスは、ネットワーク100を介して、プロジェクトマネージャ端末11及びプロジェクトメンバー端末12a、12b、…の間で共有される。また、このプロジェクトマネジメントプロセスを、ネットワーク200を介して、取引先端末20a、20b、…や、顧客端末30a、30b、…と共有するようにしても良い。
【0030】
再び、図1を参照すると、アプリケーションサーバ14には、図2に示す思考プロセスにおいて用いられる様々なツールのアプリケーションを実行するためのプログラムが記録されている。ツールとしては、統計的手法である多変量解析、相関回帰、ゲージR&R、品質管理等の際に用いられる手法であるパレート図、ヒストグラム、管理図、散布図、特性要因図、層別、親和図、連関図法、ツリーダイアグラム、マトリックス図法、アローダイアグラム法、PDPC、及び、マトリクス・データ解析法、潜在的な不具合を未然に防止するためのFTA及びFMEA、QFD、実験計画法等が挙げられる。また、アプリケーションサーバ14に、社内教育を行うための教育用プログラムを記録しても良い。
【0031】
ここで、ゲージR&Rとは、一回以上の繰り返し可能性と再現性の生成及び分析を行うことができる手法である。
また、パレート図(累積度数分布図)とは、項目別に層別にして、出現頻度を大きさの順に並べて棒グラフにより示すとともに、累積和を示した図のことである。ヒストグラム(柱状図)とは、計量特性の度数分布のグラフ表示の一つであり、測定値の存在する範囲をいくつかの区間に分け、各区間を底辺とし、その区間に属する測定値の度数に比例する面積をもつ長方形を並べた図のことである。管理図とは、連続した観測値もしくは群のある統計量の値を、通常は時間順またはサンプル番号順に打点した図である。散布図とは、二つの特性を横軸と縦軸とし、観測点を打点して示す図である。特性要因図とは、特定の結果と原因系の関係を系統的に表した図である。チェックシートとは、予め記入項目(印やレ点)を挙げておき、事務や工場等の現場においてチェックする手法である。層別とは、条件等が類似しているものをまとめにして、条件が異なるものと区別してデータを取得することである。
【0032】
また、親和図法とは、親和傾向のある言語データをグループ化し、さらに、共通な事項や新しい発想によりグループを統合して抽象化を進めることにより、活動の本質を見極める手法である。連関図法とは、発生の要因が複雑で絡みあった問題に対し、因果関係を明確にし、相互に関連する事項や原因の要因を探ることにより、最も影響が大きい要因を定める手法である。ツリーダイアグラム(系統図法)とは、問題を解決するために、手段や方策をツリー状に展開することにより最適手段を系統的に定める手法である。マトリックス図法とは、複数の目的や現象と、複数の手段や要因の対応関係をそれぞれ整理し、行列形式で並べることにより、相互の関連の程度を整理する手法である。アロー・ダイヤグラム法とは、工程順に矢印を引き、クリティカル・パス(critical pass)、即ち、最長の日程経路を定め、クリティカル・パス上の工程を重点的に管理することで、進捗(しんちょく)状況管理する手法である。PDPC(Process Decision Program Chart:過程計画決定図)とは、定められた日程計画に対し、問題や不測の事態が生じた場合における対応を予め検討しておき、それに沿って行動を規定したり、新しい方法を考えるという手法である。マトリクス・データ解析法とは、多くの数値データを2次元平面状(X−Y平面図のようなもの)に展開することにより、問題の所在や原因を明らかにする手法である。
【0033】
FTA(Fault Tree Analysis:故障の木解析)とは、信頼性や安全上、発生が好ましくない事象について、論理記号を用いてその発生の経過をさかのぼって樹形図に展開し、発生経路、発生原因、及び、発生確率を解析する手法のことである。FMEA(Failure Mode Effects Analysis:潜在的故障モード影響解析)とは、製品設計や工程設計に関する問題を故障モードに基づいて摘出し,設計段階において使用時に発生する問題を明らかにする手法のことである。
SIPOCとは、機能横断的な活動を供給(supplier)、入力(Input)、プロセス(process)、出力(output)、顧客(customer)の5つの要素に分けて示した図のことである。
【0034】
また、QFD(Quality Function Deployment:品質機能展開)とは、顧客の満足が得られるような設計品質を設定し,その設計の意図を製造工程までに展開する手法であり、品質特性展開表,要求品質展開表等が用いられる。
実験計画法とは、ある結果
(効果)をもたらす複数の要因が、互いに均等に作用しあう(直交するという)条件で、最小限の回数の実験により、効果を予測する手法のことである。
これらのツールは、汎用のデータ処理アプリケーションや専用のソフトウェアを用いて運用される。
【0035】
次に、本実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステムの動作について、図3〜図7を参照しながら説明する。本実施形態においては、ウェブ(web)制作プロジェクトをマネジメントする場合について説明する。以下において、本実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステムを利用する企業のことをプロジェクト実施企業、プロジェクト実施企業の依頼によりウェブ制作を請け負う企業のことをウェブ構築企業という。
【0036】
図3は、図2の立ち上げフェーズ1の内容を詳しく示す図である。立ち上げフェーズは、プロジェクトを立ち上げてから決裁を得るまでのフェーズである。ここで、立ち上げフェーズの計画プロセスにおいては、プロジェクトマネージャはまだ仮のものである。
【0037】
まず、プロジェクトマネジメントの計画プロセスは、定義プロセスに入る。即ち、プロジェクトマネージャは、ウェブ制作プロジェクトについて定義を行うことにより、当該プロジェクトに与えられたミッション(使命)を把握する。把握すべき内容には、例えば、プロジェクトの目的、ゴール、プロジェクトの範囲(スコープ)、スケジュール、プロジェクトを遂行するにあっての前提条件や制約条件等がある。また、このプロセスにおいて、当該プロジェクトの最終決済者が決定され、プロジェクトを推進するためのプロジェクトマネージャが正式に任命される。
【0038】
定義プロセスにおいては、プロジェクトに関わる現状を把握するために、VOC(voice of customer)、競合企業の動向、市場の動向等が測定される。ここで、VOCとは、顧客の声の意味である。即ち、プロジェクトの推進にあたっては、顧客の声を出発点として、顧客の満足を得られるようにプロセス等を設計、開発する必要がある。このことは、シックスシグマにおいて重点を置かれている。このような測定を行う際には、図1に示すように、ネットワーク200によって接続されている顧客端末30a、30b、…に対して、アンケートを行っても良い。
【0039】
このように測定された結果は、ギャップ分析、多変量解析、相関回帰等のツールを用いて分析され、パレート図等によって表される。このようなツールを用いることにより、どのような問題点が大きな改善可能性を有しているが明らかになる。また、プロジェクトマネージャは、このようにして得られた結果に基づいて、現状の原因を検討する。
【0040】
さらに、プロジェクトマネージャは、分析結果に基づいて改善プロセスを行う。その際には、例えば、特性要因図、親和図法、QFD等のツールが用いられる。或いは、プロジェクトマネージャやプロジェクトメンバーを含む複数の者で意見を出し合うブレインストーミングを行っても良い。
【0041】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、実行プロセスに移る。実行プロセスにおいては、プロジェクト定義が作成される。これにより、当該プロジェクトに求められる成果は何かという目的、どの到達地点を目指すかというゴール、何をもってプロジェクトが成功と判断されるのかという範囲、活動手順や時間を表すスケジュール、プロジェクトを推進する際の前提条件や制約条件が、具体的に定義される。実行プロセスにおいては、分析を行う際に、例えば、SIPOCやツリーダイアグラムが用いられる。
【0042】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、確認プロセスに移る。確認プロセスにおいては、作成されたプロジェクト定義が文章化され記録される。これにより、目的、ゴール、スコープ、スケジュール、前提条件/制約条件、プロジェクトの最終決裁者及びプロジェクトマネージャが記載されたプロジェクト定義書が作成される。これは、プロジェクトチャーター(憲章)として取り扱われる。
【0043】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、検証プロセスに移る。検証プロセスにおいては、計画プロセスにおいて決定された採取決裁者によってプロジェクト定義の検証が行われ、決裁によりプロジェクト定義が決定される。
【0044】
再び、図2を参照すると、立ち上げフェーズ1が終了した後、プロジェクトマネジメントは企画フェーズ2に移行する。図4は、図2に示すプロジェクトマネジメントの企画フェーズ2を詳しく示す図である。企画フェーズ2は、ウェブ制作を発注するウェブ構築企業を決定するまでのフェーズである。
【0045】
まず、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、計画プロセスに入る。計画プロセスにおいては、品質計画、組織計画、経営資源計画、コミュニケーション計画、設備計画、既存サイトの規定、リスクマネジメント計画、ウェブ構築企業の選定、変更管理計画等を含むプロジェクト計画が定義される。その際に、図3に示す立ち上げフェースにおいて定義されたミッションと現状とのギャップの測定を行う。これにより、ウェブ制作を発注するウェブ構築企業との間で情報を共有できるツールがない等、ウェブプロジェクトの計画を妨げる要因が抽出される。
【0046】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、実行プロセスに移る。実行プロセスにおいては、プロジェクトマネージャとプロジェクトメンバーとで情報を共有しながら、計画プロセスにおいて定義されたプロジェクト計画が具体化される。例えば、品質計画については、マネジメントの品質の他、成果物、即ち、制作されたウェブの品質についても計画される。その際に、既存ウェブサイトの現状を測定してアクセスログを確認したり、競合企業のサイトを観察することにより、現状を把握する。このような測定結果に基づいて、アクセスログ、ユーザビリティ(利便性)、アクセシビリティ(接続容易性)等が分析され、QFD、特性要因図、SIPOC等を用いて改善策が検討される。或いは、リスクマネジメント計画については、リスクの識別、リスクのプライオリティ、制約や仮定を含むリスクの対応策の策定等が計画される。その際に、FTAや、FMEAや、実験計画法等を用いて分析が行われる。また、プロジェクトマネージャは、各計画内容について、義務なのか、希望なのかといった区別や、優先順位についても規定する。
【0047】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、確認プロセスに移る。確認プロセスにおいては、実行プロセスにおいて具体化されたプロジェクト計画を文章化して記録されると共に、その内容を各プロジェクトメンバーや、企業内において関連業務を行う者に浸透させるための自覚教育や手順教育の確認が行われる。ここで、自覚教育には、目的や方針の浸透、ウェブ構築の知識、情報セキュリティの知識、リスクマネジメントの知識、サーバ及びOS(オペレーティングシステム)に関する知識に関する教育が含まれる。また、手順教育には、情報伝達や報告を含むコミュニケーション方法の浸透、プロジェクト全体の流れの浸透等が含まれる。
【0048】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、検証プロセスに移る。検証プロセスにおいては、確認プロセスにおけるチェック項目が実行されたことを確認する監査や、ミッションに対するプロジェクト計画の妥当性、及び、ウェブ制作を発注するウェブ構築企業に配布される要件定義の妥当性が検証される。その際に、妥当でないと判断されれば、現状を分析することにより、改善策が策定される。また、ウェブ構築企業の潜在的リスクを洗い直し、ウェブ構築企業の企画案に対して妥当性を検証した後に、ウェブ構築企業が選定される。さらに、プロジェクト計画及びウェブ構築企業が決定される。
【0049】
再び、図2を参照すると、企画フェーズ2が終了した後、プロジェクトマネジメントは実行フェーズ3に移行する。図5は、図2に示すプロジェクトマネジメントの実行フェーズ3を詳しく示す図である。実行フェーズ3は、ウェブ制作をウェブ構築企業に発案し、契約を締結するまでのフェーズである。実行フェーズ以降において、プロジェクトはウェブ構築企業と共に進められる。
【0050】
まず、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、計画プロセスに入る。計画プロセスにおいては、ウェブ構築企業により、プロジェクト実行計画案が策定される。その中には、企画フェーズにおいて決定されたプロジェクト計画の確認、構築内容の詳細設計、プロジェクトプロセスの設計、リスクマネジメント計画、変更管理計画、プロジェクト体制等が含まれる。
【0051】
このようなプロセスに際しては、常に現状の事実を測定することにより、CTQ(critical of quality:経営成果に影響を与える重要な要因)が分析され、それに応じて改善策が策定されている。
【0052】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、実行プロセスに移る。このプロセスにおいては、ネットワーク200(図1参照)を介し、ウェブ構築企業により、プロジェクト実行計画案が解説される。即ち、まず、プロジェクト計画の確認が為され、ウェブ構築企業が設計した構築内容の詳細が解説される。詳細設計には、制作又は開発規定、ナビゲーション、ラベリング、及び、情報の組織化等の採用する構成要素、採用するインターフェース、グラフィックデザイン、アクティブコンテンツ、採用する開発システム又はプログラム、スケジューリング等が含まれる。また、コアプロセスやサポートプロセスを含むプロジェクトプロセス設計、情報セキュリティ計画の方針や、倫理法令に関する方針や、ユーザから苦情に対する対策方針等を含むリスクマネジメント計画、変更管理における対策方針、品質計画や、組織計画や、コミュニケーション計画を含むプロジェクト体制の方針についても解説が行われる。
【0053】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、確認プロセスに移る。即ち、プロジェクトマネージャは、ウェブ構築企業によるプロジェクト実行計画案を文章化して記録すると共に、確認を行う。また、そのような実行計画をプロジェクト実施企業内及び受注側となるウェブ構築企業のプロジェクトメンバー及び関連業務を行う者に浸透させるために、自覚教育及び手順教育の確認が行われる。ここで、自覚教育には、プロジェクトの詳細を理解させて浸透させること、担当者の各々の役割を理解させて浸透させること、情報セキュリティを厳守すべき事項を理解させて浸透させること、プロジェクトに内在するリスクを把握させ浸透させることが含まれる。また、手順教育には、プロジェクト実施企業とウェブ構築企業との間におけるコミュニケーション方法を浸透させることや、構築プロセスの時間軸と担当者の各々の役割を把握させることが含まれる。なお、このような教育を、アプリケーションサーバ14に記録されているプログラムを用い、ネットワーク100を介して行っても良い。
【0054】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、検証プロセスに移る。検証プロセスにおいては、確認プロセスにおけるチェック項目が実行されたことを確認する監査が行われる。また、ウェブ構築企業によるプロジェクト実行計画書の最終的な見直しが行われる。その際に、現状の事実を測定し、FTAやFMEAを用いて分析することにより、構築における潜在的リスクの洗い直しが行われる。さらに、ウェブ構築企業によるプロジェクト実行計画書について、プロジェクト実施企業とウェブ構築企業との間で合意が得られた場合には、ウェブ構築企業によるプロジェクト実行計画が決定され、契約書が締結される。
【0055】
再び、図2を参照すると、実行フェーズ3が終了した後、プロジェクトマネジメントはコントロールフェーズ4に移行する。図6は、図2に示すプロジェクトマネジメントのコントロールフェーズ4を詳しく示す図である。コントロールフェーズ4は、ウェブ構築企業がウェブの制作及び開発を開始してからサイトがオープンするまでのフェーズである。
【0056】
まず、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、計画プロセスに入る。計画プロセスにおいては、プロジェクト実行計画の管理や、全メンバーに対して行われるプロジェクト全体に関する教育等のコントロール項目が抽出される。プロジェクト実行計画の管理には、立ち上げフェーズにおいて定義された品質の管理、定義されたプロジェクトプロセスの管理、定義されたリスクの管理、プロジェクトメンバーの役割の管理、入稿管理、定義されたコミュニケーション方法の管理、変更管理等が含まれる。また、プロジェクト全体に関する教育には、プロジェクトの仕様書の配布、上記のコントロール項目の周知教育、指導やホットラインの設置、コントロール項目が機能しない場合の指示系統の決定等が含まれる。
【0057】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、実行プロセスに移る。実行プロセスにおいては、ウェブ構築企業によってウェブ制作及び開発が行われる。
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、確認プロセスに移る。確認プロセスにおいては、上記のコントロール項目の進捗が管理されると共に、成果物の品質チェックが行われる。
【0058】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、検証プロセスに移る。検証プロセスにおいては、コントロール項目の進捗判断が監査、及び、成果物の品質確認が行われる。即ち、ウェブ構築企業におけるボード会議によって出荷許可が下りた製品について、プロジェクト実施企業によって受け入れ検査が行われ、最終決済者による承認が為される。その後に、本番のサーバにウェブがアップされ、ウェブ構築企業及びプロジェクト実施企業の両者により、品質及び機能のチェックが行われる。さらに、チェックの結果問題がなければ、サイトがオープンする。
【0059】
再び、図2を参照すると、コントロールフェーズ4が終了した後、プロジェクトマネジメントは終結フェーズ5に移行する。図7は、図2に示すプロジェクトマネジメントの終結フェーズ5を詳しく示す図である。終結フェーズ5は、制作されたウェブについて評価し、プロジェクトの完了手続きを行うと共に、継続的な改善計画を策定するフェーズである。
【0060】
まず、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、計画プロセスに入る。計画プロセスにおいては、マネジメント品質の評価や成果物の評価等の反省が行われる。また、成果を測定するための測定手法の計画や、それを実行するための計画が行われる。さらに、プロジェクトを継続的に改善するための運用計画や、プロジェクトの水平展開計画が策定される。その際には、現状の事実が測定され、測定結果に基づいて、多変量解析や相関回帰、ヒストグラム、散布図、管理図等のツールを用いることにより分析が行われ、そのような分析結果に基づいて改善計画が策定される。
【0061】
また、計画プロセスにおいては、COPQについても分析される。COPQ(Cost of Poor Quality)とは、低品質な製品等が生み出すコストのことであり、内部的および外部的問題がプロセスに及ぼした影響が金額によって表される。このようなコストには、再生産コスト、検査コスト等の把握し易いコストの他に、設計変更コスト、期間が長期化することにより発生するコスト、売上機会損失、ブランド損傷等の把握し難いコストが含まれる。
【0062】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、実行プロセスに移る。実行プロセスにおいては、契約完了に伴う作業が遂行される。即ち、ウェブ構築企業からプロジェクト実施企業に、最終成果物であるウェブの設計書及び仕様書の提出、素材返却、納品書及び請求書の発送等が行われる。
【0063】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、確認プロセスに移る。確認プロセスにおいては、実行プロセスにおいて遂行されるべきことが実行されたについて確認される。
【0064】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、検証プロセスに移る。検証プロセスにおいては、最終決裁者のプロジェクト完了宣言により、プロジェクトが完了する。また、検証プロセスにおいては、今後の方向性について検証が行われる。即ち、計画プロセスにおいて策定された成果測定のための計画や、継続的改善のための計画について検証が行われる。
【0065】
本実施形態においては、ウェブ制作プロジェクトをマネジメントする場合について説明したが、本発明は、そのようなプロジェクトに限られず、様々なプロジェクトをマネジメントする場合に適用することができる。また、本発明は、プロジェクトマネジメントだけでなく、経営管理、生産管理等、組織を運営する際の様々な管理を行う場合に適用することも可能である。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によれば、プロジェクトマネージャ及びプロジェクトメンバー、並びに、ウェブ構築企業が情報を共有すると共に、同じツールを用いるので、プロジェクトの方向性を等しくし、認識の不一致や、確認の欠如や、コミュニケーションギャップを起こすことなく、スムーズにプロジェクトを遂行することができる。また、時系列が明確であるため、プロジェクトマネージャ及びプロジェクトメンバーが、次に為すべきことを予測して行動することができる。さらに、プロジェクトに含まれる各行動プロセスにおいて、必要項目が最初に定義付けされるので、ゴールを見失うことなくプロジェクトを遂行することができる。また、各行動プロセスは、段階的な思考プロセスを経て行われるので、プロジェクト遂行の過程で問題が発生しても、どのプロセスにおいて問題が発生し、何が問題であるかを、容易に理解することができる。同様に、セキュリティや、リスク、倫理法令についても、予め予防措置を策定することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、プロジェクトマネジメントシステムを容易に導入し、そのシステムを用いてプロジェクトをスムーズに遂行することにより、プロジェクトの目的を達成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すデータベースサーバに記録されているデータベースの内容を示す図である。
【図3】図2に示す立ち上げフェーズの内容を詳しく示す図である。
【図4】図2に示す企画フェーズの内容を詳しく示す図である。
【図5】図2に示す実行フェーズの内容を詳しく示す図である。
【図6】図2に示すコントロールフェーズの内容を詳しく示す図である。
【図7】図2に示す終結フェーズの内容を詳しく示す図である。
【符号の説明】
1 立ち上げフェーズ
2 企画フェーズ
3 実行フェーズ
4 コントロールフェーズ
5 終結フェーズ
10 プロジェクトマネジメントシステム
11 プロジェクトマネージャ端末
12a、12b、… プロジェクトメンバー端末
13 データベースサーバ
14 アプリケーションサーバ
20a、20b、… 取引先端末
30a、30b、… 顧客端末
100、200 ネットワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクトを立ち上げてから完成させるまでの過程において、該プロジェクトを管理するために用いられるプロジェクトマネジメントシステムに関し、さらに、そのようなプロジェクトマネジメントシステムにおいて使用されるデータ構造及びプロジェクトマネジメント方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、企業等の組織における経営、生産、プロジェクト等を管理するために、様々な手法が検討されている。
例えば、米国のプロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute:PMI(商標))は、PMBOK(project management body of knowledge)(商標)と呼ばれるプロジェクトマネジメントのための標準知識体系を発行している(非特許文献1参照)。PMBOKにおいては、プロジェクトマネジメントにおいて用いられるマネジメント手法が、スコープ、時間、コスト、品質、組織、コミュニケーション、リスク、調達、統合の9つの知識領域に分類されている。また、プロジェクトマネジメントにおいて実行される複数のプロセスは、立ち上げ、計画(企画)、遂行(実行)、コントロール、終結の5つのプロセス群に区分されている。そして、上記の9つに分類された知識領域に含まれる具体的な知識から必要な知識を抽出して各マネジメントプロセスを構成することによって、プロジェクトマネジメントが行われる。
【0003】
このように、PMBOKに基づくプロジェクトマネジメントは、基本的な手法や手順を用いて組み立てられているので、様々な分野におけるプロジェクトマネジメントに適用することができる。また、具体的なマネジメント手法の要素は十分であるので、理論として受け入れ易い。しかしながら、知識体系を中心としているため、管理における優先順位の付け方等のノウハウについて卓越した技術の習得が必要であり、プロジェクトマネージャに高い能力が要求される。従って、このようなプロジェクトマネジメント手法を導入することが困難である場合が少なからず存在する。
【0004】
また、TQM(total quality management:総合的品質管理)と呼ばれる管理技術及び経営手法(非特許文献2参照)や、ISO(国際標準化機構)によって認証が行われる品質管理及び品質保証のための国際標準モデルISO9001(非特許文献3参照)はよく知られている。TQMやISO9001においては、製品の品質といった結果のみに注目して経営努力を行うのではなく、それらを生産するプロセスに着目し、PDCAサイクルと呼ばれる行動サイクルに従って日常の生産管理が行われる。ここで、PDCAサイクルとは、計画(plan)、実行(do)、分析(check)、処置(action)の4つのプロセスを表している。即ち、TQMやISO9001においては、目的を達成するための具体的な計画を立て、計画に従って仕事を行い、仕事の進捗状況や仕事を達成した結果を計画と比較検討及び評価し、その検討結果や評価に基づいて、目標や手段を含む計画全体を見直し、改善を図るというサイクルが、繰り返し行われる。
【0005】
このような経営手法に則って生産等の管理を行うことにより、企業等の組織運営を継続的に改善して経営の質そのものを向上させ、もって、企業力を強化することが可能になる。そのため、TQMを導入したり、ISO9001認証を取得する企業は年々増えている。一方、このような経営手法においては、改善されるまでのプロセスに多くの時間を要してしまうと共に、各プロセスにおける定義付けが弱いので、行動プロセスのいずれかにおいて具体的な問題が発生した場合に、問題の所在を発見することができないという欠点がある。
【0006】
さらに、シックスシグマと呼ばれる経営改革手法がある。ここで、シグマ(σ)とは、統計学における用語であり、分布のバラツキを示している。6σとは、100万回のオペレーションにおいて3.4回エラーが発生する程度のバラツキを表す。即ち、シックスシグマにおいては、エラーが極めて少ない状態になるようにビジネスプロセスを確立することを目指している。シックスシグマは、米国モトローラ社において品質管理の実践手法として開発され、ゼネラルエレクトリック(GE)社における経営変革に際し、応用して導入され、成果を上げたことで知られている。
【0007】
シックスシグマにおいては、DMAICと呼ばれるプロセスに基づいて改善が行われる。DMAICとは、定義(definition)、測定(measure)、分析(analyze)、改善(improve)、管理(control)の5つのプロセスを表している。即ち、プロジェクトの内容、目標、課題を明確に定義し、現状を測定して問題点を把握し、問題点を分析して原因を検討し、分析結果に基づいて改善案を策定及び実施し、改善された成果を維持するために管理を行う。
【0008】
シックスシグマにおいては、プロジェクトの各局面において定義付けが行われるため、ある問題を特定してその部分を改善するという点では大きな成果を上げることができる。一方、全体最適に向けた組織の継続的改善には適さない面もある。また、このような手法を導入する際には、専門的知識を有する指導者の育成が必要であり、導入が困難な場合がある。
【0009】
【非特許文献1】
プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute)著、和訳版「プロジェクトマネジメントの基礎知識体系(A Guide to the ProjectManagement Body of Knowledge)」、1997年、財団法人エンジニアリング振興協会プロジェクトマネジメント部会
【非特許文献2】
久米 均 著、「TQM推進のための手引」、日本規格協会
【非特許文献3】
日本規格協会 編集、「対訳ISO9001 品質マネジメントの国際規格 マネージメントシステムISOシリーズ(Management system ISO series)」、日本規格協会
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の経営管理、生産管理、プロジェクトマネジメント等を行うための手法は一長一短であり、また、導入に多くの準備を伴う場合が多い。
そこで、上記の点に鑑み、プロジェクトをスムーズに遂行し、確実に目的を達成できるようにすると共に、容易に導入することができるプロジェクトマネジメントシステム、及び、そのようなプロジェクトマネジメントシステムにおいて用いられるデータ構造、並びに、プロジェクトマネジメント方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明に係るプロジェクトマネジメントシステムは、プロジェクトをマネジメントするために用いられるシステムであって、プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた第1群のプロセスと、問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた第2群のプロセスとに関連付けて、プロジェクトにおいて実行すべき項目を表すデータを端末に入力するために用いられる入力手段と、該入力手段を用いて入力されたデータを、第1群のプロセスと第2群のプロセスとに関連付けて記録する記録手段と、該記録手段に記録されているデータに基づいて、第1群のプロセスを表す方向と第2群のプロセスを表す方向とが直交する2次元マトリクス状に、項目を配置して表示する表示手段とを具備する。
【0012】
また、本発明に係るプロジェクトマネジメントにおいて用いられるデータ構造は、プロジェクトをマネジメントするために用いられるシステムにおいて使用されるデータであって、プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた第1群のプロセスを表し、第1群のアドレスに対応して第1の記録領域に記録されている第1群のデータと、問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた第2群のプロセスを表し、第2群のアドレスに対応して第2の記録領域に記録されている第2群のデータと、プロジェクトにおいて実行すべき項目を表し、第1群のアドレスと第2群のアドレスとに関連付けられた第3群のアドレスに対応して第3の記録領域に記録されている第3群のデータとを具備する。
【0013】
さらに、本発明に係るプロジェクトマネジメント方法は、プロジェクトをマネジメントするために用いられる方法であって、プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた第1群のプロセスと、問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた第2群のプロセスとに関連付けて、プロジェクトにおいて実行すべき項目を表すデータを端末に入力するステップ(a)と、ステップ(a)において入力されたデータを、第1群のプロセスと第2群のプロセスとに関連付けて記録するステップ(b)と、ステップ(b)において記録されたデータに基づいて、第1群のプロセスを表す方向と第2群のプロセスを表す方向とが直交する2次元マトリクス状に、項目を配置して表示するステップ(c)とを具備する。
【0014】
本発明によれば、プロジェクトに含まれる複数のプロセスを2次元的に関連付けられた構造を有するデータを用いるので、プロジェクトをスムーズに遂行できるプロジェクトマネジメントシステムを容易に導入することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステム10は、プロジェクトマネージャ端末11と、プロジェクトメンバー端末12a、12b、…と、データベースサーバ13と、アプリケーションサーバ14とを含んでいる。これらの端末及びサーバは、ネットワーク100により、互いに接続されている。ここで、ネットワーク100は、同一の建物内のように、狭い領域において専用線を利用して構築されるLAN(ローカルエリアネットワーク)でも良いし、電話回線やインターネット公衆回線等を利用したWAN(ワイドエリアネットワーク)でも良い。
【0016】
本実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステム10は、ネットワーク200を介して、取引先端末20a、20b、…や、顧客端末30a、30b、…と接続されている。取引先端末20a、20b、…は、業務上の取引がある企業等において用いられる端末である。また、顧客端末30a、30b、…は、顧客企業等において用いられる端末である。
【0017】
プロジェクトマネージャ端末11は、本実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステムが適用されるプロジェクト(以下、単にプロジェクトという)を総合的に管理するプロジェクトマネージャによって使用される端末である。また、プロジェクトメンバー端末12a、12b、…は、当該プロジェクトに参加し、それぞれが所定の任務を担うプロジェクトメンバーによって使用される端末である。プロジェクトメンバーの任務としては、財務、人事、生産、開発、購買等がある。
【0018】
プロジェクトマネージャ端末11及びプロジェクトメンバー端末12a、12b、…には、情報や命令を入力するために用いられる入力部と、情報や命令を表示するとが設けられている。入力部には、キーボート及びマウス等のポインティングデバイスが含まれる。また、表示部は、CRT等のディスプレイ装置である。
【0019】
データベースサーバ13は、中央演算装置(CPU)と、CPUに所定の処理を行わせるためのプログラムと、プロジェクトを管理するためのプロセスを表すデータベースが記録している記録媒体とを含んでいる。記録媒体としては、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、又は、DVD−ROM等を用いることができる。
【0020】
図2は、データベースサーバ13に含まれる記録媒体に記録されているデータベースのデータ構造を示している。図2に示すように、このデータ構造は、プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた複数のプロセスを表す第1群のデータと、問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた複数のプロセスを表す第2群のデータと、プロジェクトにおいて実行すべき項目を表す第3群のデータとを含んでいる。第3群のデータは、第1群のデータが記憶されている記憶領域を示すアドレスと、第2群のデータが記憶されている記憶領域を示すアドレスとに関連付けられた第3群のアドレスに対応する記憶領域に記憶されている。
【0021】
本実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステムにおいては、プロジェクトを時系列に5つのフェーズ(局面)に区分している。また、各フェーズは、4つの行動プロセスに区分されている。これらの行動プロセスの各々は、横軸に示す思考プロセスに沿って実行される。プロジェクトにおいて実行される具体的な項目は、行動プロセスが表す縦軸と思考プロセスが表す横軸とが直交する2次元マトリクス状に配置される。
【0022】
図2に示すように、時系列に区分される5つのフェーズには、立ち上げフェーズ1、企画フェーズ2、実行フェーズ3、コントロールフェーズ4、終結フェーズ5が含まれる。これらは、米国のプロジェクトマネジメント協会によるプロジェクトマネジメントのための知識体系、即ち、PMBOK(商標)に由来するものである。
【0023】
立ち上げフェーズ1は、プロジェクトの目的、ゴール、目指す範囲を明らかにし、大まかなスケジュール等を立て、プロジェクトの展望を明らかにするフェーズである。企画フェーズ2は、立ち上げフェーズ1において明らかになった内容に従って、プロジェクトを遂行するための具体的な計画を策定するフェーズである。実行フェーズ3は、企画フェーズ2において策定された計画に沿ってプロジェクトを実際に遂行するフェーズである。コントロールフェーズ4は、遂行されたプロジェクトの実行状況を監視し、計画と比較してずれが生じている場合にはその影響を調べ、実行状況を修正するフェーズである。終結フェーズ5は、プロジェクトを閉鎖すると共に、プロジェクトの成果を継続的に改善するフェーズである。
【0024】
これらのフェーズの各々は、TQMにおけるPDCAサイクル、即ち、計画(plan)、実行(do)、確認(check)、検証(action)の4つの行動プロセスに沿って活動が行われる。また、これらの行動プロセスは、ISO9001における要件定義によって規定される。
【0025】
計画プロセスは、各フェーズにおいて実行される内容について、達成すべき目標を明らかにすると共に、時期、実行主体、客体等に関する詳細な計画を立てるプロセスである。また、実行プロセスは、計画に沿って任務を遂行するプロセスである。さらに、確認プロセスは、計画プロセスにおいて明らかにされた目標や計画と実行された内容とを比較し、是正するプロセスである。検証プロセスは、計画から確認までのプロセスを確認し、その結果に基づいて目標や計画を見直すプロセスである。
【0026】
これらの行動プロセスの各々においては、シックスシグマにおける問題解決のプロセスであるDMAIC、即ち、定義(definition)、測定(measure)、分析(analyze)、改善(improve)、管理(control)のプロセスによって思考が為される。
【0027】
定義プロセスは、行動プロセスに対して、目標の設定、問題点の特定、要求の明確化等を行うことにより、プロジェクトの各フェーズ、各プロセスにおける本来あるべき姿を洗い出すプロセスである。また、測定プロセスは、現状を把握し、問題を確認するプロセスである。分析プロセスは、測定結果に基づいて、設計の評価、真の原因の推定及び検証し、因果関係を確立することにより、根本的な原因を見定めるプロセスである。改善プロセスは、分析結果に基づいて、問題の確認、目標の修正、人材、コスト、設備等を含む資源の有効性を見直し、要件の修正、真の原因の除去、解決策の標準化等を行うプロセスである。さらに、管理プロセスは、問題修正、測定項目の設定、改善策の有効性の確認等を行い、さらに、それらを水平転換するプロセスである。
【0028】
ここで、行動プロセスにおける定義付けが曖昧な状態では、続いて行われるプロセスに支障を来してしまう。また、プロジェクトマネジメントにおいて問題が生じたときに、問題の所在や解決手段を見出すことができなくなってしまう。しかしながら、本実施形態においては、仮に、行動プロセスにおける最初の定義付けが曖昧であっても、測定、分析、改善、管理といった思考プロセスを経ることにより、再び、定義プロセスに戻ってその行動プロセスを厳密に定義することができ、問題解決を図ることが可能になる。
【0029】
本実施形態においては、図2に示すプロジェクトマネジメントプロセスに従ってプロジェクトが遂行される。このプロジェクトマネジメントプロセスは、ネットワーク100を介して、プロジェクトマネージャ端末11及びプロジェクトメンバー端末12a、12b、…の間で共有される。また、このプロジェクトマネジメントプロセスを、ネットワーク200を介して、取引先端末20a、20b、…や、顧客端末30a、30b、…と共有するようにしても良い。
【0030】
再び、図1を参照すると、アプリケーションサーバ14には、図2に示す思考プロセスにおいて用いられる様々なツールのアプリケーションを実行するためのプログラムが記録されている。ツールとしては、統計的手法である多変量解析、相関回帰、ゲージR&R、品質管理等の際に用いられる手法であるパレート図、ヒストグラム、管理図、散布図、特性要因図、層別、親和図、連関図法、ツリーダイアグラム、マトリックス図法、アローダイアグラム法、PDPC、及び、マトリクス・データ解析法、潜在的な不具合を未然に防止するためのFTA及びFMEA、QFD、実験計画法等が挙げられる。また、アプリケーションサーバ14に、社内教育を行うための教育用プログラムを記録しても良い。
【0031】
ここで、ゲージR&Rとは、一回以上の繰り返し可能性と再現性の生成及び分析を行うことができる手法である。
また、パレート図(累積度数分布図)とは、項目別に層別にして、出現頻度を大きさの順に並べて棒グラフにより示すとともに、累積和を示した図のことである。ヒストグラム(柱状図)とは、計量特性の度数分布のグラフ表示の一つであり、測定値の存在する範囲をいくつかの区間に分け、各区間を底辺とし、その区間に属する測定値の度数に比例する面積をもつ長方形を並べた図のことである。管理図とは、連続した観測値もしくは群のある統計量の値を、通常は時間順またはサンプル番号順に打点した図である。散布図とは、二つの特性を横軸と縦軸とし、観測点を打点して示す図である。特性要因図とは、特定の結果と原因系の関係を系統的に表した図である。チェックシートとは、予め記入項目(印やレ点)を挙げておき、事務や工場等の現場においてチェックする手法である。層別とは、条件等が類似しているものをまとめにして、条件が異なるものと区別してデータを取得することである。
【0032】
また、親和図法とは、親和傾向のある言語データをグループ化し、さらに、共通な事項や新しい発想によりグループを統合して抽象化を進めることにより、活動の本質を見極める手法である。連関図法とは、発生の要因が複雑で絡みあった問題に対し、因果関係を明確にし、相互に関連する事項や原因の要因を探ることにより、最も影響が大きい要因を定める手法である。ツリーダイアグラム(系統図法)とは、問題を解決するために、手段や方策をツリー状に展開することにより最適手段を系統的に定める手法である。マトリックス図法とは、複数の目的や現象と、複数の手段や要因の対応関係をそれぞれ整理し、行列形式で並べることにより、相互の関連の程度を整理する手法である。アロー・ダイヤグラム法とは、工程順に矢印を引き、クリティカル・パス(critical pass)、即ち、最長の日程経路を定め、クリティカル・パス上の工程を重点的に管理することで、進捗(しんちょく)状況管理する手法である。PDPC(Process Decision Program Chart:過程計画決定図)とは、定められた日程計画に対し、問題や不測の事態が生じた場合における対応を予め検討しておき、それに沿って行動を規定したり、新しい方法を考えるという手法である。マトリクス・データ解析法とは、多くの数値データを2次元平面状(X−Y平面図のようなもの)に展開することにより、問題の所在や原因を明らかにする手法である。
【0033】
FTA(Fault Tree Analysis:故障の木解析)とは、信頼性や安全上、発生が好ましくない事象について、論理記号を用いてその発生の経過をさかのぼって樹形図に展開し、発生経路、発生原因、及び、発生確率を解析する手法のことである。FMEA(Failure Mode Effects Analysis:潜在的故障モード影響解析)とは、製品設計や工程設計に関する問題を故障モードに基づいて摘出し,設計段階において使用時に発生する問題を明らかにする手法のことである。
SIPOCとは、機能横断的な活動を供給(supplier)、入力(Input)、プロセス(process)、出力(output)、顧客(customer)の5つの要素に分けて示した図のことである。
【0034】
また、QFD(Quality Function Deployment:品質機能展開)とは、顧客の満足が得られるような設計品質を設定し,その設計の意図を製造工程までに展開する手法であり、品質特性展開表,要求品質展開表等が用いられる。
実験計画法とは、ある結果
(効果)をもたらす複数の要因が、互いに均等に作用しあう(直交するという)条件で、最小限の回数の実験により、効果を予測する手法のことである。
これらのツールは、汎用のデータ処理アプリケーションや専用のソフトウェアを用いて運用される。
【0035】
次に、本実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステムの動作について、図3〜図7を参照しながら説明する。本実施形態においては、ウェブ(web)制作プロジェクトをマネジメントする場合について説明する。以下において、本実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステムを利用する企業のことをプロジェクト実施企業、プロジェクト実施企業の依頼によりウェブ制作を請け負う企業のことをウェブ構築企業という。
【0036】
図3は、図2の立ち上げフェーズ1の内容を詳しく示す図である。立ち上げフェーズは、プロジェクトを立ち上げてから決裁を得るまでのフェーズである。ここで、立ち上げフェーズの計画プロセスにおいては、プロジェクトマネージャはまだ仮のものである。
【0037】
まず、プロジェクトマネジメントの計画プロセスは、定義プロセスに入る。即ち、プロジェクトマネージャは、ウェブ制作プロジェクトについて定義を行うことにより、当該プロジェクトに与えられたミッション(使命)を把握する。把握すべき内容には、例えば、プロジェクトの目的、ゴール、プロジェクトの範囲(スコープ)、スケジュール、プロジェクトを遂行するにあっての前提条件や制約条件等がある。また、このプロセスにおいて、当該プロジェクトの最終決済者が決定され、プロジェクトを推進するためのプロジェクトマネージャが正式に任命される。
【0038】
定義プロセスにおいては、プロジェクトに関わる現状を把握するために、VOC(voice of customer)、競合企業の動向、市場の動向等が測定される。ここで、VOCとは、顧客の声の意味である。即ち、プロジェクトの推進にあたっては、顧客の声を出発点として、顧客の満足を得られるようにプロセス等を設計、開発する必要がある。このことは、シックスシグマにおいて重点を置かれている。このような測定を行う際には、図1に示すように、ネットワーク200によって接続されている顧客端末30a、30b、…に対して、アンケートを行っても良い。
【0039】
このように測定された結果は、ギャップ分析、多変量解析、相関回帰等のツールを用いて分析され、パレート図等によって表される。このようなツールを用いることにより、どのような問題点が大きな改善可能性を有しているが明らかになる。また、プロジェクトマネージャは、このようにして得られた結果に基づいて、現状の原因を検討する。
【0040】
さらに、プロジェクトマネージャは、分析結果に基づいて改善プロセスを行う。その際には、例えば、特性要因図、親和図法、QFD等のツールが用いられる。或いは、プロジェクトマネージャやプロジェクトメンバーを含む複数の者で意見を出し合うブレインストーミングを行っても良い。
【0041】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、実行プロセスに移る。実行プロセスにおいては、プロジェクト定義が作成される。これにより、当該プロジェクトに求められる成果は何かという目的、どの到達地点を目指すかというゴール、何をもってプロジェクトが成功と判断されるのかという範囲、活動手順や時間を表すスケジュール、プロジェクトを推進する際の前提条件や制約条件が、具体的に定義される。実行プロセスにおいては、分析を行う際に、例えば、SIPOCやツリーダイアグラムが用いられる。
【0042】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、確認プロセスに移る。確認プロセスにおいては、作成されたプロジェクト定義が文章化され記録される。これにより、目的、ゴール、スコープ、スケジュール、前提条件/制約条件、プロジェクトの最終決裁者及びプロジェクトマネージャが記載されたプロジェクト定義書が作成される。これは、プロジェクトチャーター(憲章)として取り扱われる。
【0043】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、検証プロセスに移る。検証プロセスにおいては、計画プロセスにおいて決定された採取決裁者によってプロジェクト定義の検証が行われ、決裁によりプロジェクト定義が決定される。
【0044】
再び、図2を参照すると、立ち上げフェーズ1が終了した後、プロジェクトマネジメントは企画フェーズ2に移行する。図4は、図2に示すプロジェクトマネジメントの企画フェーズ2を詳しく示す図である。企画フェーズ2は、ウェブ制作を発注するウェブ構築企業を決定するまでのフェーズである。
【0045】
まず、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、計画プロセスに入る。計画プロセスにおいては、品質計画、組織計画、経営資源計画、コミュニケーション計画、設備計画、既存サイトの規定、リスクマネジメント計画、ウェブ構築企業の選定、変更管理計画等を含むプロジェクト計画が定義される。その際に、図3に示す立ち上げフェースにおいて定義されたミッションと現状とのギャップの測定を行う。これにより、ウェブ制作を発注するウェブ構築企業との間で情報を共有できるツールがない等、ウェブプロジェクトの計画を妨げる要因が抽出される。
【0046】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、実行プロセスに移る。実行プロセスにおいては、プロジェクトマネージャとプロジェクトメンバーとで情報を共有しながら、計画プロセスにおいて定義されたプロジェクト計画が具体化される。例えば、品質計画については、マネジメントの品質の他、成果物、即ち、制作されたウェブの品質についても計画される。その際に、既存ウェブサイトの現状を測定してアクセスログを確認したり、競合企業のサイトを観察することにより、現状を把握する。このような測定結果に基づいて、アクセスログ、ユーザビリティ(利便性)、アクセシビリティ(接続容易性)等が分析され、QFD、特性要因図、SIPOC等を用いて改善策が検討される。或いは、リスクマネジメント計画については、リスクの識別、リスクのプライオリティ、制約や仮定を含むリスクの対応策の策定等が計画される。その際に、FTAや、FMEAや、実験計画法等を用いて分析が行われる。また、プロジェクトマネージャは、各計画内容について、義務なのか、希望なのかといった区別や、優先順位についても規定する。
【0047】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、確認プロセスに移る。確認プロセスにおいては、実行プロセスにおいて具体化されたプロジェクト計画を文章化して記録されると共に、その内容を各プロジェクトメンバーや、企業内において関連業務を行う者に浸透させるための自覚教育や手順教育の確認が行われる。ここで、自覚教育には、目的や方針の浸透、ウェブ構築の知識、情報セキュリティの知識、リスクマネジメントの知識、サーバ及びOS(オペレーティングシステム)に関する知識に関する教育が含まれる。また、手順教育には、情報伝達や報告を含むコミュニケーション方法の浸透、プロジェクト全体の流れの浸透等が含まれる。
【0048】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、検証プロセスに移る。検証プロセスにおいては、確認プロセスにおけるチェック項目が実行されたことを確認する監査や、ミッションに対するプロジェクト計画の妥当性、及び、ウェブ制作を発注するウェブ構築企業に配布される要件定義の妥当性が検証される。その際に、妥当でないと判断されれば、現状を分析することにより、改善策が策定される。また、ウェブ構築企業の潜在的リスクを洗い直し、ウェブ構築企業の企画案に対して妥当性を検証した後に、ウェブ構築企業が選定される。さらに、プロジェクト計画及びウェブ構築企業が決定される。
【0049】
再び、図2を参照すると、企画フェーズ2が終了した後、プロジェクトマネジメントは実行フェーズ3に移行する。図5は、図2に示すプロジェクトマネジメントの実行フェーズ3を詳しく示す図である。実行フェーズ3は、ウェブ制作をウェブ構築企業に発案し、契約を締結するまでのフェーズである。実行フェーズ以降において、プロジェクトはウェブ構築企業と共に進められる。
【0050】
まず、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、計画プロセスに入る。計画プロセスにおいては、ウェブ構築企業により、プロジェクト実行計画案が策定される。その中には、企画フェーズにおいて決定されたプロジェクト計画の確認、構築内容の詳細設計、プロジェクトプロセスの設計、リスクマネジメント計画、変更管理計画、プロジェクト体制等が含まれる。
【0051】
このようなプロセスに際しては、常に現状の事実を測定することにより、CTQ(critical of quality:経営成果に影響を与える重要な要因)が分析され、それに応じて改善策が策定されている。
【0052】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、実行プロセスに移る。このプロセスにおいては、ネットワーク200(図1参照)を介し、ウェブ構築企業により、プロジェクト実行計画案が解説される。即ち、まず、プロジェクト計画の確認が為され、ウェブ構築企業が設計した構築内容の詳細が解説される。詳細設計には、制作又は開発規定、ナビゲーション、ラベリング、及び、情報の組織化等の採用する構成要素、採用するインターフェース、グラフィックデザイン、アクティブコンテンツ、採用する開発システム又はプログラム、スケジューリング等が含まれる。また、コアプロセスやサポートプロセスを含むプロジェクトプロセス設計、情報セキュリティ計画の方針や、倫理法令に関する方針や、ユーザから苦情に対する対策方針等を含むリスクマネジメント計画、変更管理における対策方針、品質計画や、組織計画や、コミュニケーション計画を含むプロジェクト体制の方針についても解説が行われる。
【0053】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、確認プロセスに移る。即ち、プロジェクトマネージャは、ウェブ構築企業によるプロジェクト実行計画案を文章化して記録すると共に、確認を行う。また、そのような実行計画をプロジェクト実施企業内及び受注側となるウェブ構築企業のプロジェクトメンバー及び関連業務を行う者に浸透させるために、自覚教育及び手順教育の確認が行われる。ここで、自覚教育には、プロジェクトの詳細を理解させて浸透させること、担当者の各々の役割を理解させて浸透させること、情報セキュリティを厳守すべき事項を理解させて浸透させること、プロジェクトに内在するリスクを把握させ浸透させることが含まれる。また、手順教育には、プロジェクト実施企業とウェブ構築企業との間におけるコミュニケーション方法を浸透させることや、構築プロセスの時間軸と担当者の各々の役割を把握させることが含まれる。なお、このような教育を、アプリケーションサーバ14に記録されているプログラムを用い、ネットワーク100を介して行っても良い。
【0054】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、検証プロセスに移る。検証プロセスにおいては、確認プロセスにおけるチェック項目が実行されたことを確認する監査が行われる。また、ウェブ構築企業によるプロジェクト実行計画書の最終的な見直しが行われる。その際に、現状の事実を測定し、FTAやFMEAを用いて分析することにより、構築における潜在的リスクの洗い直しが行われる。さらに、ウェブ構築企業によるプロジェクト実行計画書について、プロジェクト実施企業とウェブ構築企業との間で合意が得られた場合には、ウェブ構築企業によるプロジェクト実行計画が決定され、契約書が締結される。
【0055】
再び、図2を参照すると、実行フェーズ3が終了した後、プロジェクトマネジメントはコントロールフェーズ4に移行する。図6は、図2に示すプロジェクトマネジメントのコントロールフェーズ4を詳しく示す図である。コントロールフェーズ4は、ウェブ構築企業がウェブの制作及び開発を開始してからサイトがオープンするまでのフェーズである。
【0056】
まず、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、計画プロセスに入る。計画プロセスにおいては、プロジェクト実行計画の管理や、全メンバーに対して行われるプロジェクト全体に関する教育等のコントロール項目が抽出される。プロジェクト実行計画の管理には、立ち上げフェーズにおいて定義された品質の管理、定義されたプロジェクトプロセスの管理、定義されたリスクの管理、プロジェクトメンバーの役割の管理、入稿管理、定義されたコミュニケーション方法の管理、変更管理等が含まれる。また、プロジェクト全体に関する教育には、プロジェクトの仕様書の配布、上記のコントロール項目の周知教育、指導やホットラインの設置、コントロール項目が機能しない場合の指示系統の決定等が含まれる。
【0057】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、実行プロセスに移る。実行プロセスにおいては、ウェブ構築企業によってウェブ制作及び開発が行われる。
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、確認プロセスに移る。確認プロセスにおいては、上記のコントロール項目の進捗が管理されると共に、成果物の品質チェックが行われる。
【0058】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、検証プロセスに移る。検証プロセスにおいては、コントロール項目の進捗判断が監査、及び、成果物の品質確認が行われる。即ち、ウェブ構築企業におけるボード会議によって出荷許可が下りた製品について、プロジェクト実施企業によって受け入れ検査が行われ、最終決済者による承認が為される。その後に、本番のサーバにウェブがアップされ、ウェブ構築企業及びプロジェクト実施企業の両者により、品質及び機能のチェックが行われる。さらに、チェックの結果問題がなければ、サイトがオープンする。
【0059】
再び、図2を参照すると、コントロールフェーズ4が終了した後、プロジェクトマネジメントは終結フェーズ5に移行する。図7は、図2に示すプロジェクトマネジメントの終結フェーズ5を詳しく示す図である。終結フェーズ5は、制作されたウェブについて評価し、プロジェクトの完了手続きを行うと共に、継続的な改善計画を策定するフェーズである。
【0060】
まず、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、計画プロセスに入る。計画プロセスにおいては、マネジメント品質の評価や成果物の評価等の反省が行われる。また、成果を測定するための測定手法の計画や、それを実行するための計画が行われる。さらに、プロジェクトを継続的に改善するための運用計画や、プロジェクトの水平展開計画が策定される。その際には、現状の事実が測定され、測定結果に基づいて、多変量解析や相関回帰、ヒストグラム、散布図、管理図等のツールを用いることにより分析が行われ、そのような分析結果に基づいて改善計画が策定される。
【0061】
また、計画プロセスにおいては、COPQについても分析される。COPQ(Cost of Poor Quality)とは、低品質な製品等が生み出すコストのことであり、内部的および外部的問題がプロセスに及ぼした影響が金額によって表される。このようなコストには、再生産コスト、検査コスト等の把握し易いコストの他に、設計変更コスト、期間が長期化することにより発生するコスト、売上機会損失、ブランド損傷等の把握し難いコストが含まれる。
【0062】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、実行プロセスに移る。実行プロセスにおいては、契約完了に伴う作業が遂行される。即ち、ウェブ構築企業からプロジェクト実施企業に、最終成果物であるウェブの設計書及び仕様書の提出、素材返却、納品書及び請求書の発送等が行われる。
【0063】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、確認プロセスに移る。確認プロセスにおいては、実行プロセスにおいて遂行されるべきことが実行されたについて確認される。
【0064】
次に、プロジェクトマネジメントの行動プロセスは、検証プロセスに移る。検証プロセスにおいては、最終決裁者のプロジェクト完了宣言により、プロジェクトが完了する。また、検証プロセスにおいては、今後の方向性について検証が行われる。即ち、計画プロセスにおいて策定された成果測定のための計画や、継続的改善のための計画について検証が行われる。
【0065】
本実施形態においては、ウェブ制作プロジェクトをマネジメントする場合について説明したが、本発明は、そのようなプロジェクトに限られず、様々なプロジェクトをマネジメントする場合に適用することができる。また、本発明は、プロジェクトマネジメントだけでなく、経営管理、生産管理等、組織を運営する際の様々な管理を行う場合に適用することも可能である。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によれば、プロジェクトマネージャ及びプロジェクトメンバー、並びに、ウェブ構築企業が情報を共有すると共に、同じツールを用いるので、プロジェクトの方向性を等しくし、認識の不一致や、確認の欠如や、コミュニケーションギャップを起こすことなく、スムーズにプロジェクトを遂行することができる。また、時系列が明確であるため、プロジェクトマネージャ及びプロジェクトメンバーが、次に為すべきことを予測して行動することができる。さらに、プロジェクトに含まれる各行動プロセスにおいて、必要項目が最初に定義付けされるので、ゴールを見失うことなくプロジェクトを遂行することができる。また、各行動プロセスは、段階的な思考プロセスを経て行われるので、プロジェクト遂行の過程で問題が発生しても、どのプロセスにおいて問題が発生し、何が問題であるかを、容易に理解することができる。同様に、セキュリティや、リスク、倫理法令についても、予め予防措置を策定することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、プロジェクトマネジメントシステムを容易に導入し、そのシステムを用いてプロジェクトをスムーズに遂行することにより、プロジェクトの目的を達成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプロジェクトマネジメントシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すデータベースサーバに記録されているデータベースの内容を示す図である。
【図3】図2に示す立ち上げフェーズの内容を詳しく示す図である。
【図4】図2に示す企画フェーズの内容を詳しく示す図である。
【図5】図2に示す実行フェーズの内容を詳しく示す図である。
【図6】図2に示すコントロールフェーズの内容を詳しく示す図である。
【図7】図2に示す終結フェーズの内容を詳しく示す図である。
【符号の説明】
1 立ち上げフェーズ
2 企画フェーズ
3 実行フェーズ
4 コントロールフェーズ
5 終結フェーズ
10 プロジェクトマネジメントシステム
11 プロジェクトマネージャ端末
12a、12b、… プロジェクトメンバー端末
13 データベースサーバ
14 アプリケーションサーバ
20a、20b、… 取引先端末
30a、30b、… 顧客端末
100、200 ネットワーク
Claims (8)
- プロジェクトをマネジメントするために用いられるシステムであって、
プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた第1群のプロセスと、問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた第2群のプロセスとに関連付けて、プロジェクトにおいて実行すべき項目を表すデータを端末に入力するために用いられる入力手段と、
前記入力手段を用いて入力されたデータを、前記第1群のプロセスと前記第2群のプロセスとに関連付けて記録する記録手段と、
前記記録手段に記録されているデータに基づいて、前記第1群のプロセスを表す方向と前記第2群のプロセスを表す方向とが直交する2次元マトリクス状に、前記項目を配置して表示する表示手段と、
を具備するプロジェクトマネジメントシステム。 - 前記第1群のプロセスが、プロジェクトの進行段階をプロジェクトマネジメント協会発行のPMBOKに規定される立ち上げ、企画、実行、コントロール、終結の5つのフェーズに区分し、さらに、前記5つのフェーズの各々を総合的品質管理に規定される計画、実行、確認、検証の4つのプロセスに区分することによって得られたものであり、
前記第2群のプロセスが、問題を解決するための思考過程をシックスシグマに規定される定義、測定、分析、改善、管理の5つのプロセスに区分することによって得られたものである、
請求項1記載のプロジェクトマネジメントシステム。 - 前記第2群のプロセスの内の少なくとも1つのプロセスに含まれる項目を実行するために用いられるデータを統計的に処理するデータ分析ツールを記録する第2の記録手段をさらに具備する請求項1又は2記載のプロジェクトマネジメントシステム。
- プロジェクトをマネジメントするために用いられるシステムにおいて使用されるデータであって、
プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた第1群のプロセスを表し、第1群のアドレスに対応して第1の記録領域に記録されている第1群のデータと、
問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた第2群のプロセスを表し、第2群のアドレスに対応して第2の記録領域に記録されている第2群のデータと、
プロジェクトにおいて実行すべき項目を表し、前記第1群のアドレスと前記第2群のアドレスとに関連付けられた第3群のアドレスに対応して第3の記録領域に記録されている第3群のデータと、
を具備するデータ構造。 - 前記第1群のプロセスが、プロジェクトの進行段階をプロジェクトマネジメント協会発行のPMBOKに規定される立ち上げ、企画、実行、コントロール、終結の5つのフェーズに区分し、さらに、前記5つのフェーズの各々を総合的品質管理に規定される計画、実行、確認、検証の4つのプロセスに区分することによって得られたものであり、
前記第2群のプロセスが、問題を解決するための思考過程をシックスシグマに規定される定義、測定、分析、改善、管理の5つのプロセスに区分することによって得られたものである、
請求項4記載のデータ構造。 - プロジェクトをマネジメントするために用いられる方法であって、
プロジェクトの進行段階を時系列に区分することによって得られた第1群のプロセスと、問題を解決するための思考過程を区分することによって得られた第2群のプロセスとに関連付けて、プロジェクトにおいて実行すべき項目を表すデータを端末に入力するステップ(a)と、
ステップ(a)において入力されたデータを、前記第1群のプロセスと前記第2群のプロセスとに関連付けて記録するステップ(b)と、
ステップ(b)において記録されたデータに基づいて、前記第1群のプロセスを表す方向と前記第2群のプロセスを表す方向とが直交する2次元マトリクス状に、前記項目を配置して表示するステップ(c)と、
を具備するプロジェクトマネジメント方法。 - 前記第1群のプロセスが、プロジェクトの進行段階をプロジェクトマネジメント協会発行のPMBOKに規定される立ち上げ、企画、実行、コントロール、終結の5つのフェーズに区分し、さらに、前記5つのフェーズの各々を総合的品質管理に規定される計画、実行、確認、検証の4つのプロセスに区分することによって得られたものであり、
前記第2群のプロセスが、問題を解決するための思考過程をシックスシグマに規定される定義、測定、分析、改善、管理の5つのプロセスに区分することによって得られたものである、
請求項6記載のプロジェクトマネジメント方法。 - 前記第2群のプロセスの内の少なくとも1つのプロセスに含まれる項目を実行するために用いられるデータを統計的に処理するステップをさらに具備する、請求項6又は7記載のプロジェクトマネジメント方法。
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