【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高灰分印刷古紙から脱墨パルプを製造する方法に関し、新聞、雑誌などを脱墨処理するに際し、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリカルボン酸塩、第４級アンモニウム塩型カチオンポリマー、スルホン基変性ポリビニルアルコールから選択される少なくとも一種の分散剤を離解工程（Ａ）、もしくは混練・分散する工程（Ｂ）に添加処理することにより、後工程である洗浄工程（Ｃ）での脱灰分性を飛躍的に向上させ、灰分の低い脱墨パルプを製造する方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、省資源或いは地球規模での環境保護といった観点から、古紙の再生利用率を上昇させることが求められている。しかしながら、古紙原料として多く使用されている新聞古紙がタイトな供給状態に陥る可能性があるため、雑誌古紙等の低級古紙を、有効に利用せざるを得ない状況にある。
【０００３】
雑誌等に多く使われる印刷用紙は、一般に灰分が非常に多く、雑誌古紙から灰分の低い脱墨パルプを製造する場合、問題になる可能性がある。脱墨パルプの製造工程の中で製品パルプの灰分を下げる場合には、灰分除去装置を洗浄設備として最終工程に組み入れるのが主流である。しかしながら、古紙原料の灰分が高くなると歩留が悪化し、原料古紙量が増えるため、設備処理能力以上の処理が求められることとなり、その結果、設備の洗浄性能が著しく低下して製品の残灰分が大きくなってしまう問題があった。これは、エキストラクター（商品名：栄工機製）、ダブルニップシックナー（石川島産業機械製）等の洗浄工程で洗浄／除去される灰分の粒径が大きいために、製品パルプ中に残留して灰分が高くなってしまうためと考えられる。また、コート印刷古紙の脱墨方法について、アルカリ浸漬の前後で機械的攪拌後、洗浄工程を行うことが知られているが製品中の残存灰分については全く記載がない（例えば、特許文献１参照）。
【０００４】
これらの問題を解決するために、脱墨パルプ製造工程に灰分除去装置を用いることがあるが多大な設備投資、設置場所等の問題がある（例えば、特許文献２参照）。また、脱墨工程において界面活性剤によって水中油として分散した乳濁液を添加することにより灰分を除去する方法があるが、十分な効果が得られていない（例えば、特許文献３参照）。
【０００５】
【特許文献１】
特開平２−２２１４８０号公報
【特許文献２】
特開２００２−１３８３８０号公報
【特許文献３】
特開２００１−３０３４６８号公報
【０００６】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、高灰分印刷古紙の脱墨方法における上記のような問題を解消させ、洗浄工程での脱灰分性を飛躍的に向上させ、灰分の低い脱墨パルプを製造する方法を提供するものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することができる本発明は、高灰分印刷古紙を離解する離解工程（Ａ）、もしくは離解した古紙懸濁液を混練・分散する工程（Ｂ）において、分散剤を添加することを特徴とする方法であり、以下の発明を包含する。
【０００８】
（１）灰分を全固形分中１５．０〜３５．０質量％含有する高灰分印刷古紙を離解する離解工程（Ａ）において、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリカルボン酸塩、第４級アンモニウム塩型カチオンポリマー、スルホン基変性ポリビニルアルコールから選択される少なくとも一種の分散剤を添加処理し、後工程の洗浄工程（Ｃ）においてパルプ中の灰分を低減させることを特徴とする脱墨パルプの製造方法。
【０００９】
（２）離解工程（Ａ）における前記分散剤の添加量が、対絶乾パルプ０．０５〜５．０質量％である前項（１）記載の脱墨パルプの製造方法。
【００１０】
（３）灰分を全固形分中１５．０〜３５．０質量％含有する高灰分印刷古紙を離解する離解工程（Ａ）、次いで離解した古紙懸濁液を混練・分散する工程（Ｂ）を有する脱墨パルプの製造において、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリカルボン酸塩、第４級アンモニウム塩型カチオンポリマー、スルホン基変性ポリビニルアルコール分散剤から選択される少なくとも一種の分散剤を離解工程（Ａ）および又は混練・分散する工程（Ｂ）に添加処理し、後工程の洗浄工程（Ｃ）においてパルプ中の灰分を低減させることを特徴とする脱墨パルプの製造方法。
【００１１】
（４）離解工程（Ａ）における前記分散剤の添加量が、対絶乾パルプ０．０５〜５．０質量％である前項（３）記載の脱墨パルプの製造方法。
【００１２】
（５）混練・分散する工程（Ｂ）における前記分散剤の添加量が、対絶乾パルプ０．０１〜５．０質量％である前項（３）記載の脱墨パルプの製造方法。
【００１３】
【発明の実施の形態】
高灰分印刷古紙の離解工程（Ａ）、もしくは混練・分散する工程（Ｂ）に分散剤を添加し、パルプ中に含まれる灰分の粒径を細かくすることにより、後工程である洗浄工程（Ｃ）に用いられるエキストラクター（商品名：栄工機製）、ダブルニップシックナー（石川島産業機械製）においてパルプ中の灰分を効率よく低減させることにより達成される。
【００１４】
添加される分散剤の使用量としては特に限定されないが、離解工程（Ａ）では対絶乾パルプ０．０５〜５．０質量％であることが好ましく、０．０５質量％未満になると灰分の分散効果が得られず、洗浄工程（Ｃ）で灰分の低減が認められない。また、５．０質量％を越えると、洗浄後のパルプに分散剤が残留し易くなり、フローテーションでの脱墨性低下、抄紙工程での歩留の低下が懸念される。また、パルプと分散剤との混合が効率的な混練・分散する工程（Ｂ）では対絶乾パルプ０．０１〜５．０質量％であることが好ましい。０．０１質量％未満になると灰分の分散効果が得られず、洗浄工程（Ｃ）で灰分の低減が認められない。また、５．０質量％を越えると、洗浄後のパルプに分散剤が残留し易くなり、フローテーションでの脱墨性低下、抄紙工程での歩留の低下が懸念される。
【００１５】
分散剤の種類としては、前述の分散剤を単独使用、もしくは併用する以外に、他の分散剤との併用、界面活性剤である脱墨剤との併用も可能である。
【００１６】
離解工程（Ａ）で用いられる設備としては特に限定されないが、例えば低濃度パルパー、高濃度パルパー、ドラムパルパー、ツインドラムパルパー等が挙げられる。また、混練・分散する工程（Ｂ）として用いられる設備も特に限定されるものではなく、例えばニーダー、ディスパーザー、ホットディスパーザー、マイカプロセッサ、コニディスクディスパーザー、ディスクディスパーザー等が挙げられる。
【００１７】
界面活性剤の種類として、特に限定はされないが、公知の脱墨剤、例えば脂肪酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸などのアルキレンオキシド付加物など、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン界面活性剤を挙げられる。脱墨剤の添加場所については、特に限定されるものではないが、離解工程、もしくは混練・分散する工程で添加することが好ましい。
【００１８】
発明の脱墨方法が処理対象とする高灰分印刷古紙は、灰分を１５．０質量％以上含有する印刷古紙であり、一般的には灰分を１５．０〜３５．０質量％含有する印刷古紙である。灰分１５．０質量％未満であれば、通常のチラシ込み新聞と同等の灰分量であり、通常設備で処理できる。しかし、本発明の方法によれば、これらの古紙も高灰分印刷古紙と一緒に処理することが可能である。高灰分印刷古紙の例としては、塗工紙（アート紙、コート紙、軽量コート紙）に印刷がされている灰分を１５．０〜３５．０質量％含む印刷古紙及び非塗工紙であるが灰分を１５．０〜３５．０質量％含む模造古紙等も挙げられる。
【００１９】
本発明は、通常行われている脱墨、漂白工程と組み合わせることにより更に高品質な（例えば高白色度パルプ）脱墨パルプを得ることもできる。
【００２０】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特に断らない限り、原料濃度は灰分込みの固形分濃度を意味し、薬品添加率は質量％である。
【００２１】
実施例１
▲１▼パルプ懸濁液の調成
コート紙を主体とする高灰分上質印刷古紙（灰分含有量１８．９％）１００％の原料を離解工程（Ａ）として、試験用パルパー（商品名：ディスインテグレーター、熊谷理機工業社製）を用い、濃度４．０％、水酸化ナトリウム添加率対パルプ０．３％、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）を対パルプ１．０％添加し、離解時間１５分、離解温度３５℃で離解した。
【００２２】
▲２▼パルプ懸濁液の洗浄
得られたパルプ懸濁液を８０メッシュのワイヤーメッシュに移し、ワイヤー上で１５Ｋｇ／分の水量で３分間水洗浄を行い、脱墨パルプを得た。
【００２３】
実施例２
実施例１のパルプ懸濁液の調成において、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）の代わりに、ポリアクリル酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：Ｔ−４０、東亜合成社製）を用いて添加量を、対パルプ３．０％とした以外は、実施例１と同様にして脱墨パルプを得た。
【００２４】
実施例３
実施例１のパルプ懸濁液の調成において、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）の代わりに、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ディスパーザント５０４０、サンノプコ社製）を用いて添加量を、対パルプ３．０％とした以外は、実施例１と同様にして脱墨パルプを得た。
【００２５】
実施例４
実施例１のパルプ懸濁液の調成において、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）の代わりに、ジアルキルスルホコハク酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ペレックスＴＲＢ、花王社製）を用いて添加量を、対パルプ３．０％とした以外は、実施例１と同様にして脱墨パルプを得た。
【００２６】
実施例５
実施例１のパルプ懸濁液の調成において、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）の代わりに、強アルカリ性ケン化度８７であるスルホン基変性ポリビニルアルコールを主成分とする分散剤（商品名：ゴーセラン３２６６、日本合成社製）を用いて添加量を、対パルプ３．０％とした以外は、実施例１と同様にして脱墨パルプを得た。
【００２７】
実施例６
実施例１のパルプ懸濁液の調成において、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）の代わりに、第４級アンモニウム塩型カチオンポリマーを主成分とする分散剤（商品名：ディスパーザント７３４７−Ｃ、サンノプコ社製）を用いて添加量を、対パルプ３．０％とした以外は、実施例１と同様にして脱墨パルプを得た。
【００２８】
実施例７
実施例１のパルプ懸濁液の調成において、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）の添加量対パルプ１．０％を対パルプ５．０％とした以外は、実施例１と同様にして脱墨パルプを得た。
【００２９】
実施例８
実施例１のパルプ懸濁液の調成において、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）の添加量対パルプ１．０％を対パルプ０．０５％とした以外は、実施例１と同様にして脱墨パルプを得た。
【００３０】
実施例９
コート紙を主体とする高灰分上質印刷古紙（灰分含有量１８．９％）１００％の原料を試験用パルパー（商品名：ディスインテグレーター、熊谷理機工業社製）で濃度４．０％、水酸化ナトリウム添加率対パルプ０．３％、離解時間１５分、離解温度３５℃で離解したパルプを、混練・分散する工程（Ｂ）としてＰＦＩミル（商品名：ＰＦＩミル、熊谷理機工業社製）を用いてクリアランス０．６５ｍｍ、回転数５００回、温度３５℃、濃度２０．０％、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）を対パルプ０．０１％添加して処理した以外、実施例１と同様にして脱墨パルプを得た。
【００３１】
比較例１
実施例１のパルプ懸濁液の調成において、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）を用いなかった以外は、実施例１と同様にして脱墨パルプを得た。
【００３２】
比較例２
実施例１のパルプ懸濁液の調成において、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）の代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを主成分とする分散剤（商品名：メトローズ６０ＳＨ、信越化学社製）を用いて添加量を、対パルプ３．０％とした以外は、実施例１と同様にして脱墨パルプを得た。
【００３３】
比較例３
実施例１のパルプ懸濁液の調成において、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）の添加量対パルプ１．０％を対パルプ０．０１％とした以外は、実施例１と同様にして脱墨パルプを得た。
【００３４】
比較例４
実施例９のパルプ懸濁液の調成において、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）の添加量対パルプ１．０％を対パルプ０．００５％とした以外は、実施例１と同様にして脱墨パルプを得た。
【００３５】
かくして得られたパルプについて、Ｐ−８１２８に基づく灰分測定を行った結果を表１に示す。比較例１に対する灰分の減少幅を灰分低減効果とした。
【００３６】
【表１】
【００３７】
実施例１０
▲３▼填料歩留り評価試験
実施例１で得られたパルプを０．８％に希釈し、硫酸アルミニウム０．５％、カチオン化澱粉（商品名：エースＫ、王子コンスターチ社製）０．５％、ＡＳＡサイズ剤（商品名：ファイブラン８１、ナショナルスターチ社製）０．１％、歩留向上剤（商品名：ハイモロックＮＲ１１Ｌ、ハイモ社製）０．０２％、重質炭酸カルシウム（商品名：ソフトン２２００、備北粉化社製）２０％を添加してパルプスラリーを得た。填料歩留り測定は、ダイナミックドレネージジャー（ＤＤＪ）を使用し、ＴＡＰＰＩ Ｔ２６１ｐｍ−７９に従って行った。ＤＤＪテスト時の撹拌速度は８００ｒｐｍで、６０メッシュのワイヤーを使用して行った。
【００３８】
比較例５
実施例１のパルプ懸濁液の調成において、ポリカルボン酸ソーダを主成分とする分散剤（商品名：ＳＮ−２Ｘ ７３０６、サンノプコ社製）の添加量対パルプ１．０％を対パルプ６．０％とした以外は、実施例１と同様にして得られたパルプについて、実施例１０の填料歩留り評価を行った。
【００３９】
比較例６
比較例１で得られたパルプについて、実施例１０の填料歩留り評価を行った。
【００４０】
上記、填料歩留り評価試験を行った結果を表２に示す。
【００４１】
【表２】
【００４２】
【発明の効果】
上記表１、２から明らかなように本発明によれば、離解時もしくは、混練・分散時にジアルキルスルホコハク酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリカルボン酸塩、第４級アンモニウム塩型カチオンポリマー、スルホン基変性ポリビニルアルコールから選択される少なくとも一種の分散剤を添加することにより洗浄性が向上し、なおかつ歩留の低下がない灰分の低い脱墨パルプを製造することが可能となった。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing deinked pulp from waste paper printed with high ash content. In the process of deinking newspapers, magazines, etc., a dialkyl sulfosuccinate, polyacrylate, polycarboxylate, quaternary ammonium salt type is used. By adding at least one dispersant selected from a cationic polymer and a sulfone group-modified polyvinyl alcohol to the disintegration step (A) or the kneading / dispersing step (B), the dispersing agent is added in the subsequent washing step (C). The present invention relates to a method for producing a deinked pulp having a low ash content by remarkably improving the demineralization property of pulp.
[0002]
[Prior art]
In recent years, from the viewpoint of resource saving or environmental protection on a global scale, it has been required to increase the recycling rate of used paper. However, newspaper waste paper, which is often used as a raw material, may fall into a tight supply state, and low-grade waste paper such as magazine waste paper must be effectively used.
[0003]
Printing paper frequently used for magazines and the like generally has a large amount of ash, which may be a problem when producing low-ash deinked pulp from used magazine paper. When reducing the ash content of product pulp in the deinking pulp manufacturing process, it is common to incorporate an ash removal device as a washing facility in the final process. However, when the ash content of the waste paper raw material increases, the yield deteriorates, and the amount of the raw material waste paper increases, so that processing exceeding the equipment processing capacity is required. As a result, the cleaning performance of the equipment is significantly reduced and the residual ash content of the product is reduced. There was a problem that became large. This is due to the large particle size of the ash that is washed / removed in the washing process of extractors (trade name: Sakaeki) and double nip thickeners (Ishikawajima Sangyo Kikai). Is considered to be high. It is known that a method of deinking coated printed waste paper is to perform a washing step after mechanical stirring before and after alkali immersion, but there is no description about residual ash in the product (for example, see Patent Document 1). ).
[0004]
In order to solve these problems, an ash removing device may be used in the deinking pulp manufacturing process, but there are significant problems such as capital investment and installation locations (for example, see Patent Document 2). In addition, there is a method of removing ash by adding an emulsion dispersed as an oil-in-water with a surfactant in a deinking process, but a sufficient effect has not been obtained (for example, see Patent Document 3).
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-2-221480 [Patent Document 2]
JP 2002-138380 A [Patent Document 3]
JP 2001-303468 A
[Problems to be solved by the present invention]
The present invention is to solve the above-mentioned problems in the deinking method of high-ash printed waste paper, to provide a method for producing deinked pulp having a low ash content by dramatically improving the deashing property in the washing step. It is.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention, which can achieve the above object, comprises adding a dispersant in the defibration step (A) for defibrating waste paper with high ash content or the step (B) for kneading and dispersing the defibrated waste paper suspension. The method is characterized by the following inventions.
[0008]
(1) In the disintegration step (A) for disintegrating high-ash printed waste paper containing 15.0 to 35.0% by mass of ash in the total solid content, dialkyl sulfosuccinate, polyacrylate, polycarboxylate, Deinking characterized by adding at least one dispersant selected from a quaternary ammonium salt type cationic polymer and a sulfone group-modified polyvinyl alcohol to reduce ash content in pulp in a subsequent washing step (C). Pulp manufacturing method.
[0009]
(2) The method for producing deinked pulp according to the above (1), wherein the amount of the dispersant added in the defibration step (A) is 0.05 to 5.0% by mass based on absolute dry pulp.
[0010]
(3) A disintegration step (A) for disintegrating high-ash printed waste paper containing 15.0 to 35.0% by mass of ash in the total solid content, and then a step (B) for kneading and dispersing the disintegrated waste paper suspension. In the production of deinked pulp having, disintegrating at least one dispersant selected from dialkyl sulfosuccinate, polyacrylate, polycarboxylate, quaternary ammonium salt type cationic polymer, and sulfone group-modified polyvinyl alcohol dispersant A method for producing deinked pulp, comprising adding to step (A) and / or kneading / dispersing step (B) to reduce ash content in pulp in a subsequent washing step (C).
[0011]
(4) The method for producing deinked pulp according to the above (3), wherein the amount of the dispersant added in the defibration step (A) is 0.05 to 5.0% by mass based on absolute dry pulp.
[0012]
(5) The method for producing deinked pulp according to the above (3), wherein the amount of the dispersant added in the kneading / dispersing step (B) is 0.01 to 5.0% by mass based on absolute dry pulp.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A dispersing agent is added to the disintegration step (A) of the high-ash printed waste paper or the kneading and dispersing step (B) to reduce the particle size of the ash contained in the pulp, so that the subsequent washing step (C) This is achieved by efficiently reducing the ash content in the pulp with an extractor (trade name: Sakae Kiki) and a double nip thickener (Ishikawajima Sangyo Kikai).
[0014]
The amount of the dispersant to be added is not particularly limited, but is preferably 0.05 to 5.0% by mass based on absolute dry pulp in the defibration step (A). No dispersion effect is obtained, and no reduction in ash content is observed in the washing step (C). On the other hand, when the content exceeds 5.0% by mass, the dispersant tends to remain in the pulp after washing, and there is a concern that the deinking property in flotation may decrease and the yield in the papermaking process may decrease. In the step (B) of mixing and dispersing the pulp and the dispersant efficiently, it is preferable that the absolute dry pulp be 0.01 to 5.0% by mass. If it is less than 0.01% by mass, the effect of dispersing ash cannot be obtained, and no reduction in ash is observed in the washing step (C). On the other hand, when the content exceeds 5.0% by mass, the dispersant tends to remain in the pulp after washing, and there is a concern that the deinking property in flotation may decrease and the yield in the papermaking process may decrease.
[0015]
As the kind of the dispersant, besides using the above-mentioned dispersant alone or in combination, the dispersant may be used in combination with another dispersant or in combination with a deinking agent which is a surfactant.
[0016]
The equipment used in the defibration step (A) is not particularly limited, and examples thereof include a low-concentration pulper, a high-concentration pulper, a drum pulper, and a twin-drum pulper. The equipment used as the kneading / dispersing step (B) is not particularly limited, and examples thereof include a kneader, a disperser, a hot disperser, a mica processor, a conidisk disperser, and a disk disperser.
[0017]
The type of the surfactant is not particularly limited, but includes known anionic deinking agents such as fatty acid salts, higher alkyl sulfates, alkylbenzene sulfonates, higher alcohols, alkylphenols, alkylene oxide adducts such as fatty acids, and the like. Surfactants, non-ionic surfactants, cationic surfactants are included. The place where the deinking agent is added is not particularly limited, but it is preferable to add it in the defibration step or the kneading / dispersing step.
[0018]
The high-ash printed waste paper to be processed by the deinking method of the invention is a printed waste paper containing 15.0% by mass or more of ash, and generally a printed waste paper containing 15.0% to 35.0% by mass of ash. It is. If the ash content is less than 15.0% by mass, the ash content is equivalent to that of a normal newspaper including a flyer, and the ash content can be processed by ordinary equipment. However, according to the method of the present invention, these waste papers can also be processed together with the high-ash printed waste paper. Examples of high ash printed waste paper include printed waste paper and uncoated paper containing 15.0 to 35.0% by mass of ash printed on coated paper (art paper, coated paper, lightweight coated paper). And imitation waste paper containing 15.0 to 35.0% by mass of ash.
[0019]
In the present invention, a higher quality (eg, high-whiteness pulp) deinked pulp can be obtained by combining the deinking and bleaching steps which are usually performed.
[0020]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples, but of course, the present invention is not limited thereto. Unless otherwise specified, the raw material concentration means the solid content concentration including ash content, and the chemical addition rate is mass%.
[0021]
Example 1
(1) Preparation of Pulp Suspension A high-ash high-quality printed waste paper (ash content: 18.9%) mainly composed of coated paper and a 100% raw material is used as a disintegration step (A) as a test pulper (trade name: DIS Using an integrator (manufactured by Kumagai Riki Kogyo Co., Ltd.), a concentration of 4.0%, a sodium hydroxide addition ratio to pulp of 0.3%, a dispersant containing sodium polycarboxylate as a main component (trade name: SN-2X 7306, 1.0% of pulp with respect to pulp, and defibrated at a defibration temperature of 35 ° C. for 15 minutes.
[0022]
(2) Washing of pulp suspension The obtained pulp suspension was transferred to an 80-mesh wire mesh, and washed with water at a rate of 15 kg / min for 3 minutes on a wire to obtain deinked pulp.
[0023]
Example 2
In preparing the pulp suspension of Example 1, instead of a dispersant (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco) containing sodium polycarboxylate as a main component, sodium polyacrylate was used as a main component. A deinked pulp was obtained in the same manner as in Example 1 except that the addition amount was 3.0% with respect to the pulp using a dispersant (trade name: T-40, manufactured by Toagosei Co., Ltd.).
[0024]
Example 3
In preparing the pulp suspension of Example 1, instead of a dispersant (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco) containing sodium polycarboxylate as a main component, sodium polycarboxylate was used as a main component. A deinked pulp was obtained in the same manner as in Example 1, except that the addition amount was 3.0% with respect to the pulp using a dispersant (trade name: Dispersant 5040, manufactured by San Nopco).
[0025]
Example 4
In preparing the pulp suspension of Example 1, sodium dialkyl sulfosuccinate was used as a main component instead of a dispersant (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco) containing sodium polycarboxylate as a main component. A deinked pulp was obtained in the same manner as in Example 1, except that the addition amount was 3.0% with respect to the pulp using a dispersant (trade name: Perex TRB, manufactured by Kao Corporation).
[0026]
Example 5
In preparing the pulp suspension of Example 1, sulfone having a strong alkaline saponification degree of 87 was used instead of a dispersant (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco) containing sodium polycarboxylate as a main component. Deinking was performed in the same manner as in Example 1 except that the addition amount was 3.0% with respect to the pulp using a dispersant (trade name: Goselan 3266, manufactured by Nippon Gosei Co., Ltd.) mainly containing a group-modified polyvinyl alcohol. Pulp was obtained.
[0027]
Example 6
In preparing the pulp suspension of Example 1, a quaternary ammonium salt-type cationic polymer was used instead of a dispersant (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco) containing sodium polycarboxylate as a main component. A deinked pulp was obtained in the same manner as in Example 1 except that the addition amount was 3.0% with respect to the pulp using a dispersant (trade name: Dispersant 7347-C, manufactured by San Nopco) as a main component. Was.
[0028]
Example 7
In preparing the pulp suspension of Example 1, the amount of the dispersant (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco) containing sodium polycarboxylate as a main component was added to 1.0% of pulp and 5 parts of pulp. A deinked pulp was obtained in the same manner as in Example 1 except that 0.0% was used.
[0029]
Example 8
In the preparation of the pulp suspension of Example 1, the amount of the dispersant (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco Co.) containing sodium polycarboxylate as a main component was compared with 1.0% of the pulp to 0 pulp. A deinked pulp was obtained in the same manner as in Example 1 except that 0.05% was used.
[0030]
Example 9
A 100% raw material of high-quality, high-ash printed waste paper (ash content: 18.9%) consisting mainly of coated paper is used as a test pulper (trade name: Disintegrator, manufactured by Kumagaya Riki Kogyo Co., Ltd.) to a concentration of 4.0%, and water. PFI mill (trade name: PFI mill, manufactured by Kumagaya Riki Kogyo Co., Ltd.) is used as the step (B) for kneading and dispersing the pulp that has been disintegrated at a disintegration time of 15 minutes and a disintegration temperature of 35 ° C. ) With a dispersant (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco) having a clearance of 0.65 mm, a number of rotations of 500, a temperature of 35 ° C., a concentration of 20.0% and a sodium polycarboxylate as a main component. A deinked pulp was obtained in the same manner as in Example 1 except that the pulp was treated by adding 0.01%.
[0031]
Comparative Example 1
The preparation of the pulp suspension of Example 1 was carried out in the same manner as in Example 1 except that a dispersant containing sodium polycarboxylate as a main component (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco) was not used. To obtain deinked pulp.
[0032]
Comparative Example 2
In preparing the pulp suspension of Example 1, instead of the dispersant containing sodium polycarboxylate as a main component (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco), a dispersion containing hydroxypropyl methylcellulose as a main component was used. A deinked pulp was obtained in the same manner as in Example 1 except that the addition amount was 3.0% with respect to the pulp using an agent (trade name: Metroose 60SH, manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.).
[0033]
Comparative Example 3
In the preparation of the pulp suspension of Example 1, the amount of the dispersant (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco Co.) containing sodium polycarboxylate as a main component was compared with 1.0% of the pulp to 0 pulp. A deinked pulp was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount was 0.011%.
[0034]
Comparative Example 4
In preparing the pulp suspension of Example 9, the amount of the dispersant (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco) containing sodium polycarboxylate as a main component was added to 1.0% of pulp and 0% of pulp. Except for 0.005%, deinked pulp was obtained in the same manner as in Example 1.
[0035]
Table 1 shows the results of measuring the ash content of the pulp thus obtained based on P-8128. The width of reduction in ash relative to Comparative Example 1 was taken as the ash reduction effect.
[0036]
[Table 1]
Example 10
(3) Filler retention evaluation test The pulp obtained in Example 1 was diluted to 0.8%, aluminum sulfate 0.5%, cationized starch (trade name: Ace K, manufactured by Oji Constarch) 0.5% , ASA sizing agent (trade name: Fibran 81, manufactured by National Starch) 0.1%, retention agent (trade name: Himoloc NR11L, manufactured by Hymo) 0.02%, heavy calcium carbonate (trade name: 20% of Softon 2200 (manufactured by Bihoku Powder Chemical Co., Ltd.) was added to obtain a pulp slurry. Filler retention measurements were performed according to TAPPI T261 pm-79 using a dynamic drainage jar (DDJ). The stirring speed at the time of the DDJ test was 800 rpm using a 60 mesh wire.
[0038]
Comparative Example 5
In preparing the pulp suspension of Example 1, the amount of the dispersant (trade name: SN-2X 7306, manufactured by San Nopco Co.) containing sodium polycarboxylate as a main component was added to 1.0% of pulp and 6 parts of pulp. The pulp obtained in the same manner as in Example 1 except that the pulp content was set to 0.0% was evaluated for the filler yield in Example 10.
[0039]
Comparative Example 6
The pulp obtained in Comparative Example 1 was evaluated for filler retention in Example 10.
[0040]
Table 2 shows the results of the filler yield evaluation test.
[0041]
[Table 2]
【The invention's effect】
As is clear from Tables 1 and 2, according to the present invention, at the time of defibration or kneading / dispersing, a dialkyl sulfosuccinate, a polyacrylate, a polycarboxylate, a quaternary ammonium salt type cationic polymer, a sulfone group By adding at least one dispersant selected from modified polyvinyl alcohol, the detergency is improved, and deinked pulp with low ash content without lowering the yield can be produced.