JP2004190152A - Antibacterial binder for fiber and antibacterial textile product - Google Patents
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Abstract
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既存のＮ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を繊維製品に長期に亘り密着させて効果を持続させることができる繊維用抗菌性バインダー及びかかる抗菌処理を施した繊維製品に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
【特許文献１】特公平８−２５８４７号公報
従来、人体及び環境に対する安全性が高い抗菌剤としては、ニーム油脂成分を含有するもの、ナリジクス酸を含有するもの、オキソリニック酸を含有するもの、竹酢液を含有するもの等があるが、これらのものは揮発性であり、揮発すると抗菌効果がなくなってしまう。これに対して、上記特許文献１に記載のＮ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤は、抗菌効果が高く安全性にも優れ、揮発性ではないため抗菌効果が長く持続する。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献１に記載の抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に用いようとすると、抗菌剤をそのまま沁み込ませただけでは繊維製品を洗濯したときに流れ落ちてしまい、抗菌効果を持続させることができない。そこで、合成樹脂をバインダーとして合成樹脂に抗菌剤を混ぜて繊維製品に付着させることが考えられるが、一般のアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等では、付着の効果がなかったり、繊維製品がごわごわして風合いを損なったり色合いを損なったりして、実用的な抗菌繊維製品を得ることはできなかった。
【０００４】
そこで、本発明は、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、洗濯しても抗菌剤が落ちないようにして長期間に亘って抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合い及び色合いを損なうことのない繊維用抗菌性バインダー及び抗菌性繊維製品を提供することを課題とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
請求項１の発明にかかる繊維用抗菌性バインダーは、ポリアルキルアルコキシシロキサンと、環状ポリアルキルシロキサン及び／または直鎖ポリアルキルシロキサンと、前記ポリアルキルアルコキシシロキサンの架橋触媒と、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀及び／またはＮ−長鎖アシルアミノ酸銅を含む抗菌剤とを具備するものである。
【０００６】
ポリアルキルアルコキシシロキサンは構造式が［ＯＲ１ Ｒ２ ＳｉＯ］ｎ であり（ＯＲ１はアルコキシ基、Ｒ２はアルキル基を示す。）、ｎ＝２〜５０のものを用いるのが好ましく、架橋触媒の働きによって複雑に架橋して抗菌剤分子を繊維に強力に縛り付けてしまう働きをする。これに対して、繊維の風合いを柔らかく保つ働きをするのが、環状及び／または直鎖ポリアルキルシロキサンである。ポリアルキルシロキサンとしては、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ポリアルキルシロキサンを用いても、ポリジエチルシロキサン等の直鎖ポリアルキルシロキサンを用いても、または両者を混合して用いても良い。
【０００７】
架橋触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、オレイン酸第一錫等の有機錫化合物を用いることができる。また、酢酸、マレイン酸、シュウ酸、クエン酸、塩酸等の酸触媒を用いることも可能である。
【０００８】
このように、ポリアルキルアルコキシシロキサンを架橋触媒で複雑に架橋させることによって、繊維に抗菌剤としてのＮ−長鎖アシルアミノ酸銀及び／またはＮ−長鎖アシルアミノ酸銅を含む分子を強力に縛り付けるとともに、環状・直鎖ポリアルキルシロキサンが繊維の風合いを損なわずに保つことによって、実用的な繊維用抗菌性バインダーとなる。
【０００９】
このようにして、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、洗濯しても抗菌剤が落ちないようにして長期間に亘って抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合い及び色合いを損なうことのない繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００１０】
したがって、本発明の繊維用抗菌性バインダーは、単に繊維製品に付着させて抗菌性繊維製品とするだけでなく、繊維の段階で付着させて抗菌性繊維として、これを材料として抗菌性繊維製品を仕立てることも可能である。
【００１１】
請求項２の発明にかかる繊維用抗菌性バインダーは、請求項１の構成において、前記ポリアルキルアルコキシシロキサンと、前記環状ポリアルキルシロキサン及び／または直鎖ポリアルキルシロキサンとの配合割合が重量比で１：０．１〜３の範囲内であるものである。なお、より好ましくは１：０．５〜１．５の範囲内であるものである。
【００１２】
配合割合が重量比で１：０．１よりもポリアルキルシロキサンの割合が小さくなると、繊維そのものが堅くなり過ぎて繊維製品の風合いが損なわれるとともに、抗菌効果も持続しなくなる。また、配合割合が重量比で１：３よりもポリアルキルシロキサンの割合が大きくなると、繊維製品が柔らかくなり過ぎるとともにやはり抗菌効果も持続しなくなるため、実用的でない。
【００１３】
そこで、ポリアルキルアルコキシシロキサンと、前記環状ポリアルキルシロキサン及び／または直鎖ポリアルキルシロキサンとの配合割合を重量比で１：０．１〜３の範囲内に限定することによって、抗菌効果が長期間に亘って持続し、また繊維製品の風合いが損なわれることもなく実用的な繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００１４】
このようにして、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、洗濯しても抗菌剤が落ちないようにして長期間に亘って抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合い及び色合いを損なうことのない繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００１５】
請求項３の発明にかかる繊維用抗菌性バインダーは、請求項１または請求項２の構成において、前記ポリアルキルアルコキシシロキサンと、前記架橋触媒との配合割合が重量比で１：０．００１〜０．００５の範囲内であるものである。なお、より好ましくは１：０．００１〜０．００２の範囲内であるものである。
【００１６】
配合割合が重量比で１：０．００１未満となると、架橋触媒が少な過ぎて殆ど架橋が進行しないため、抗菌剤の保持力が弱く、洗濯によって抗菌剤が流れ出してしまう。また、配合割合が重量比で１：０．００５の範囲を超えると架橋速度が速過ぎて繊維製品への加工がしにくくなり、また繊維がごわごわして風合いを損ない、さらには変色してしまうため用いることができない。
【００１７】
そこで、ポリアルキルアルコキシシロキサンと架橋触媒との配合割合を重量比で１：０．００１〜０．００５の範囲内に限定することによって、適度な架橋速度となり、架橋したポリアルキルアルコキシシロキサンで抗菌剤を強力に保持することができるので、洗濯によって抗菌剤が流れ出すこともなく抗菌効果を長期間に亘って維持することができる。また、繊維の風合いを損なったり変色させてしまうという弊害もなく、実用的な繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００１８】
このようにして、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、洗濯しても抗菌剤が落ちないようにして長期間に亘って抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合い及び色合いを損なうことのない繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００１９】
請求項４の発明にかかる繊維用抗菌性バインダーは、請求項１乃至請求項３のうちいずれか１つの構成において、前記ポリアルキルアルコキシシロキサンと、前記Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀及び／またはＮ−長鎖アシルアミノ酸銅を含む抗菌剤との配合割合が重量比で１：０．００１〜０．０５の範囲内であるものである。なお、より好ましくは１：０．００５〜０．０３の範囲内であるものである。
【００２０】
配合割合が重量比で１：０．００１未満であると抗菌剤の配合割合が少な過ぎて抗菌効果の持続力が低く、また配合割合が重量比で１：０．０５の範囲を超えると繊維製品が変色してしまい、実用的でない。
【００２１】
そこで、ポリアルキルアルコキシシロキサンと、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀及び／またはＮ−長鎖アシルアミノ酸銅を含む抗菌剤との配合割合を重量比で１：０．００１〜０．０５の範囲内に限定することによって、抗菌効果が長期間に亘って持続し、繊維製品を変色させるという弊害もなく、実用的な繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００２２】
このようにして、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、洗濯しても抗菌剤が落ちないようにして長期間に亘って抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合い及び色合いを損なうことのない繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００２３】
請求項５の発明にかかる抗菌性繊維製品は、繊維製品に請求項１乃至請求項４のいずれか１つに記載の繊維用抗菌性バインダーを塗布または浸漬して乾燥したものである。
【００２４】
請求項１乃至請求項４に記載の繊維用抗菌性バインダーは、上述の如くいずれも、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、長期間に亘って抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合いを損なったり変色させたりする弊害もない。したがって、繊維製品に請求項１乃至請求項４のいずれかの繊維用抗菌性バインダーを塗布しまたは浸漬させて乾燥することによって、長期間に亘って抗菌効果を持続でき、しかも繊維製品が損なわれることがない。
【００２５】
このようにして、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤が強力に付着して、洗濯しても抗菌剤が落ちず長期間に亘って抗菌効果が持続するとともに、風合いが損なわれたり変色したりすることのない抗菌性繊維製品となる。
【００２６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００２７】
実施の形態１
まず、本発明の実施の形態１について、図１及び図２を参照して説明する。図１は本発明の実施の形態１にかかる繊維用抗菌性バインダーの成分の配合比を様々に変化させた場合の繊維供試体の風合いの変化を表した図である。図２は本発明の実施の形態１にかかる繊維用抗菌性バインダーの成分の配合比を様々に変化させた場合の繊維供試体の色合いの変化を表した図である。
【００２８】
本実施の形態１にかかる繊維用抗菌性バインダーは、以下の（Ａ），（Ｂ），（Ｃ），（Ｄ）を必須の成分として含有する。
（Ａ）ポリアルキルアルコキシシロキサン
（Ｂ）環状ポリアルキルシロキサン及び／または直鎖ポリアルキルシロキサン
（Ｃ）ポリアルキルアルコキシシロキサンの架橋触媒
（Ｄ）Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀及び／またはＮ−長鎖アシルアミノ酸銅を含む抗菌剤
【００２９】
成分（Ａ）のポリアルキルアルコキシシロキサンとしては、構造式が［ＯＲ１ Ｒ２ ＳｉＯ］ｎ であり（ＯＲ１はアルコキシ基、Ｒ２はアルキル基を示す。）、ｎ＝２〜５０のものを用いるのが好ましい。例えば、ポリメチルメトキシシロキサン、ポリエチルメトキシシロキサン、等である。成分（Ａ）は成分（Ｃ）の架橋触媒の働きによってアルコキシ基が複雑に架橋して、成分（Ｄ）の抗菌剤分子を繊維に強力に縛り付けてしまう働きをする。
【００３０】
成分（Ｂ）の環状ポリアルキルシロキサンとしては、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等がある。また、直鎖ポリアルキルシロキサンとしては、例えばポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等がある。成分（Ｂ）は、成分（Ａ）のポリアルキルアルコキシシロキサンの架橋によって繊維が堅くなるのを防いで、繊維の風合いを保ったまま成分（Ｄ）の抗菌剤分子を繊維に付着させる働きをする。成分（Ｂ）としては、環状ポリアルキルシロキサンのみを用いても良いし、直鎖ポリアルキルシロキサンのみを用いても良いし、両者の混合物を用いても良い。
【００３１】
成分（Ｃ）のポリアルキルアルコキシシロキサンの架橋触媒としては、有機錫化合物、例えばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、オレイン酸第一錫等があり、これらの中で２種以上の併用も可能であるが、これらの中ではジブチル錫ジラウレートが好ましい。また、酸触媒もポリアルキルアルコキシシロキサンの架橋触媒として用いることが可能であり、例えば酢酸、マレイン酸、シュウ酸、クエン酸、塩酸等がある。
【００３２】
成分（Ｄ）のＮ−長鎖アシルアミノ酸銀及び／またはＮ−長鎖アシルアミノ酸銅を含む抗菌剤としては、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀のみを含むものでも、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銅のみを含むものでも、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀及びＮ−長鎖アシルアミノ酸銅のみを含むものでも良い。さらに、これらと鉛、亜鉛、錫、ビスマスからなる群から選ばれたいずれか１つの金属が結合したＮ−長鎖アシルアミノ酸塩とを含むものでも良い。具体例としては、Ｎ−ステアロイルグルタミン酸銀及びＮ−ステアロイルグルタミン酸銅を含むもの、Ｎ−ラウロイルアスパラギン酸銀及びＮ−ラウロイルアスパラギン酸銅を含むもの等がある。
【００３３】
各成分の配合比は、［課題を解決するための手段］の項で述べたように、それぞれ（Ａ：Ｂ＝１：０．１〜３）、（Ａ：Ｃ＝１：０．００１〜０．００５）、（Ａ：Ｄ＝１：０．００１〜０．０５）の範囲内とする必要がある。
【００３４】
本実施の形態１では、ポリアルキルアルコキシシロキサン（液体）２０部に環状ポリアルキルシロキサン（液体）３０部を加え（Ａ：Ｂ＝１：１．５）、架橋触媒としてジラウレート錫０．０３部（Ａ：Ｃ＝１：０．００１５）、さらに抗菌剤として株式会社エヌ・ディ・シーの商品名ホロンキラーＡＣ３７−５（水と界面活性剤中にＮ−長鎖アシルアミノ酸銀・銅・亜鉛を合わせて５％含有する。）７部を加えている（Ａ：Ｄ＝１：０．０１７５）。そして、シランカップリング剤１％、エタノール１８．９７部、イソプロピルアルコール（以下、「ＩＰＡ」と略する。）２３部を加えて良く攪拌し、実施の形態１の繊維用抗菌性バインダーを得た。
【００３５】
ここで、各成分の配合比のうち（Ａ：Ｂ）と（Ａ：Ｃ）の適切範囲を決定するための試験について、図１及び図２を参照して説明する。図１及び図２は、横軸に（Ａ：Ｂ）の配合比をＡ＝１としたときのＢの比で表し、縦軸に（Ａ：Ｃ）の配合比をＡ＝１としたときのＣの比で表したものである。試験方法としては、縦軸と横軸の交点にあたる配合比で混合した（Ａ）＋（Ｂ）＋（Ｃ）の混合液に、約１０ｃｍ×約１０ｃｍの不織布を浸漬し、約２４時間自然乾燥した後、１２０℃のオーブンで２分×２回乾燥後、約１２時間放置して風合い及び色合いの変化をみた。
【００３６】
風合いの変化をみたものが図１であり、色合いの変化をみたものが図２である。図１で△（少し堅い）及び×（ごわごわする）という結果の出た配合比のものは実用に供することはできず、○（変化なし）という結果の出た配合比のものだけが使用可能である。同様に、図２で△（わずかに黄変）及び×（黄変）という結果の出た配合比のものは実用に供することはできず、○（変化なし）という結果の出た配合比のものだけが使用可能である。このように、多様な配合比の組み合わせについて試験を行って、風合い及び色合いに変化をもたらさない配合比の範囲を調べた結果から、上述した（Ａ：Ｂ）と（Ａ：Ｃ）の適切範囲を決定している。
【００３７】
次に、前記実施の形態１の繊維用抗菌性バインダーで処理した繊維供試体の耐洗濯性について、様々な比較例と比較して試験した結果について説明する。なお、以下の比較例においても、抗菌消臭剤としては全てホロンキラーＡＣ３７−５を使用している。
［比較例１］アミノ変性シリコーンオイル２１部、ＩＰＡ７２部、抗菌消臭剤７部を混合したもの。
［比較例２］ポリアルキルアルコキシシロキサン１０部、環状ポリアルキルシロキサン３０部及び直鎖ポリアルキルシロキサン２０部（Ａ：Ｂ＝１：５）、ジラウレート錫０．０２部（Ａ：Ｃ＝１：０．００２）、抗菌消臭剤５部（Ａ：Ｄ＝１：０．０２５）、シランカップリング剤１％、ＩＰＡ４３．９８部を含む溶液。
［比較例３］直鎖ポリアルキルシロキサン５０％、イソパラフィン系炭化水素２０部、ＩＰＡ２３部、抗菌消臭剤７部を混合したもの。
［比較例４］ポリアルキルアルコキシシラン１５部、硬化剤（架橋触媒）０．０３部（Ａ：Ｃ＝１：０．００２）、ＩＰＡ７７．９７部、抗菌消臭剤７部（Ａ：Ｄ＝１：０．０２３５）を混合したもの。
［比較例５］ＩＰＡ９３部と抗菌消臭剤７部を混合したもの。
【００３８】
これらの試料に大きさ約１５ｃｍ×約１５ｃｍの不織布を浸漬し、１２０℃のオーブンで乾燥後、株式会社日立製作所の全自動洗濯機ＫＷ−Ｂ５６３を用いて、水位２９Ｌで１枚ずつ洗い（ソフト３分）・脱水（ソフト１分）を行い、その後半日以上乾燥するというサイクルを１０回行った後で、約１５ｃｍ×約１５ｃｍの不織布から約７．５ｃｍ×約７．５ｃｍの供試体を３枚切り出し、社団法人京都微生物研究所においてさらに５ｃｍ×５ｃｍに切って供試片とした。即ち、供試片数ｎ＝３である。
【００３９】
そして、社団法人京都微生物研究所において抗菌力評価試験を行った。試験方法はフィルム密着法で、「抗菌製品技術協議会のフィルム密着法」に従い、供試片の表面に１／５００普通ブイヨンで調製した菌液を滴下し、フィルムで密着させ３５℃で保存した。測定は、供試片上の菌液について生菌数を測定した。使用菌株は、Ｍｅｔｈｉｃｉｌｌｉｎ ｒｅｓｉｓｔａｎｔ Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ａｕｒｅｕｓ ＫＢ−１００５ （ＭＲＳＡ）即ち、耐性黄色ブドウ球菌である。測定結果を表１及び表２に示す。
【００４０】
【表１】
【表２】
「対照」は、何にも浸していない不織布に供試片と同じ処理を施した標準サンプルである。表１及び表２に示されるように、実施の形態１の繊維用抗菌性バインダーに浸漬して乾燥した不織布は、１０回の洗濯の後も２４時間でＭＲＳＡ菌を全滅させるだけの抗菌力を維持している。これに対して、比較例１及び比較例２が若干の抗菌力を残しているが、実施の形態１の繊維用抗菌性バインダーには遠く及ばず、比較例３〜比較例５は抗菌力が残っていない。なお、防臭力は、繊維製品の悪臭が耐性黄色ブドウ球菌（ＭＲＳＡ）等の細菌を発生源とすることから、ＭＲＳＡに抗菌力を有するものは同時に防臭力も有するものと認められる。
【００４３】
また、風合い及び色合いについては、本実施の形態１の繊維用抗菌性バインダーの製造手順についての説明の項で示したように、各成分の配合比（Ａ：Ｂ）、（Ａ：Ｃ）、（Ａ：Ｄ）が全て適正範囲内に入っているので、繊維製品の風合い及び色合いを損なうこともない。
【００４４】
このようにして、本実施の形態１の繊維用抗菌性バインダーは、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、洗濯しても抗菌剤が落ちないようにして長期間に亘って抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合い及び色合いを損なうこともない。
【００４５】
実施の形態２
次に、本発明の実施の形態２にかかる抗菌性繊維製品について説明する。上記実施の形態１の繊維用抗菌性バインダーを、繊維製品として２種類の靴下に塗布して抗菌性の試験を行った。１種類はアクリル８０％・綿２０％からなる靴下で、もう１種類は綿１００％からなる靴下（以下、これを実施の形態２−２と呼ぶこととする。）である。これらの靴下に実施の形態１の繊維用抗菌性バインダーを塗布して乾燥した後、財団法人日本化学繊維検査協会・東海事業所一宮試験室において、実洗濯試験を行った。洗濯方法は、ＪＩＳ−Ｌ−０２１７ １０３法３０回連続繰り返し（洗剤は花王株式会社の商品名「アタック」）で行った。
【００４６】
これらの靴下について、京都微生物研究所において、抗菌力評価試験を行った。試験方法は、ＳＥＫ菌数測定法にしたがって、供試品０．４ｇをオートクレーブで滅菌後、約１０５ ＣＦＵ／ｍｌになるように１／２０ニュートリエント培地で調製した菌液０．２ｍｌを供試品に接種し、３７℃で保存後、菌数を測定した。使用菌株はＭＲＳＡである。供試品３点の平均をとった測定結果を、表３に示す。
【００４７】
【表３】
表３における「静菌活性値」とは、対照の１８時間後の菌数をＸ、供試品の１８時間後の菌数をＹとしたときの、ｌｏｇ（Ｘ／Ｙ）の値である。繊維製品新機能評価協議会の新基準によれば、この値が２．２以上、即ち菌数が約１６０分の１以下に減少していれば、抗菌力があるものと認められる。表３に示されるように、本実施の形態２及び実施の形態２−２ともに静菌活性値は２．２以上であり、上記いずれの靴下も抗菌力を有することが実証された。このように、日本化学繊維検査協会の規定する３０回連続繰り返し洗濯試験の後も、繊維製品新機能評価協議会の抗菌基準を十分満たしており、耐洗濯耐久性が高いことがわかった。
【００４９】
さらに、実際に販売されている各社の抗菌靴下と本実施の形態２にかかる抗菌性靴下とについて比較して、抗菌性試験を行った。比較例６としてレナウン株式会社の商品名「通勤快足」、比較例７としてカネボウ株式会社の商品名「ＣＯＮＣＥＰＴ」、比較例８として早川工業株式会社の商品名「紀州備長炭靴下」、比較例９として三ツ星産業株式会社の商品名「水虫防御」を用いた。菌としては、▲１▼Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ａｕｒｅｕｓ （ＭＲＳＡ）臨床分離株、▲２▼Ｅｓｃｈｅｒｉｃｈｉａ ｃｏｌｉ（大腸菌）ＡＴＣＣ２５９２２由来株、▲３▼Ｃａｎｄｉｄａ ａｌｂｉｃａｎｓ（酵母様真菌）ＡＴＣＣ６０２７由来株、▲４▼Ｔｒｉｃｈｏｐｈｙｔｏｎ ｒｕｂｒｕｍ（糸状菌）臨床分離株、の４種類を用いた。
【００５０】
菌▲１▼〜▲３▼については、それぞれの菌を１×１０６ ／ｍｌになるように菌液濃度の調整を行う。一方、各靴下試料を１ｃｍ２ に切り取り滅菌試験管に入れ、各試料に菌液濃度調整を行った供試菌１０００μｌをそれぞれ滴下する。対照として、試料を入れないで各菌種液１０００μｌを滅菌試験管にそれぞれ滴下する。また、ブランクとして、試料を入れないで滅菌蒸留水１０００μｌを滅菌試験管にそれぞれ滴下する。そして、各試料と菌液が十分接触するように、３５℃で振盪培養する。
【００５１】
経時変化をみるために、それぞれ６・２４・４８時間後に良く混和された菌液をそれぞれ１００μｌ採取する。採取した菌液を標準寒天培地に塗布し、３５℃で１８時間培養する。菌種▲３▼は、サブロー寒天培地に塗布し、同様に培養する。対照及びブランクについても、同様の処理を行う。そして、寒天培地に塗布したそれぞれの菌種について、経時的に増殖もしくは死滅したコロニー数をカウントし、カウント数を１０倍してＣＦＵ／ｍｌで算出する（希釈倍率１０倍のため）。以上の菌種▲１▼〜▲３▼についての試験結果を、表４に示す。
【００５２】
【表４】
表４に示されるように、本実施の形態２の靴下の試料は、６時間で菌種▲１▼〜▲３▼を全て死滅させており、強力な抗菌力を示している。
【００５４】
これに対して、比較例６の「通勤快足」の試料は、菌種▲１▼のＭＲＳＡを４８時間後に全滅させ、菌種▲２▼の大腸菌も４８時間後にはかなり死滅させているが、菌種▲３▼の酵母様真菌には全く効果がなく、対照と同程度に増殖させている。また、比較例７の「ＣＯＮＣＥＰＴ」の試料は、菌種▲１▼のＭＲＳＡを２４時間後に全滅させ、菌種▲２▼の大腸菌は６時間で全滅させているが、菌種▲３▼の酵母様真菌には全く効果がなく、やはり対照と同程度に増殖させている。
【００５５】
また、比較例８の「紀州備長炭靴下」の試料は、菌種▲１▼〜▲３▼のいずれにも抗菌効果がなく、全て対照と同程度に増殖させている。また、比較例９の「水虫防御」の試料は、菌種▲１▼のＭＲＳＡを４８時間後に全滅させ、菌種▲２▼の大腸菌は６時間で全滅させているが、菌種▲３▼の酵母様真菌にはやはり全く効果がなく、対照と同程度に増殖させている。
【００５６】
さらに、菌種▲４▼の糸状菌については、サブロー寒天平板培地（ＣＰ（抗生物質クロラムフェニコール）加）を作製し、各靴下試料１ｃｍ２ 片をそれぞれ６枚ずつ用意する。培地上にできるだけ均一に菌種▲４▼の菌糸を塗布した後、培地上にそれぞれの試料片を置き、対照として菌糸のみ培地に塗布する。準備された各培地を２５℃で培養し、培養日数ごとに菌糸の発育の有無を２日目・７日目・１４日目に確認する。試験結果を表５に示す。
【００５７】
【表５】
表５においては、糸状菌の増殖が認められたものを（＋）、試料の周りに阻止円ができたものを（−）で示している。表５に示されるように、菌種▲４▼の糸状菌に対して抗菌効果があったものは本実施の形態２の靴下の試料片のみであり、その他の比較例６〜比較例９の靴下の試料片は糸状菌に対する抗菌効果が認められなかった。
【００５９】
以上説明した表４及び表５に示される結果から、現在販売されている各社の抗菌靴下は、細菌（菌種▲１▼のＭＲＳＡ、菌種▲２▼の大腸菌）に対して効果があるものは多いが、真菌（菌種▲３▼の酵母様真菌、菌種▲４▼の糸状菌）に対する効果がいずれも低いと考えられる。それに対して、本実施の形態２の抗菌性靴下は、細菌のみならず真菌にも効果が高く、また他の靴下に比較して滅菌効果が速いという特長を有する。
【００６０】
したがって、現在販売されている各社の抗菌靴下は、細菌を滅菌することによる靴下の防臭効果は期待できるが、水虫等の起因菌である糸状菌を滅菌できないことから、水虫等の予防・抑制効果は期待できない。それに対して、本実施の形態２の抗菌性靴下は、靴下の防臭効果を有するとともに、真菌にも効果が高いことから、真菌に起因する水虫を始めとする種々の皮膚症状の予防・抑制効果が期待できる優れた抗菌性靴下となる。
【００６１】
このように、前述した実施の形態１の繊維用抗菌性バインダーは、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩・銅塩・亜鉛塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、長期間に亘って細菌及び真菌に対する抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合いを損なったり変色させたりする弊害もない。したがって、各種繊維製品に実施の形態１の繊維用抗菌性バインダーを塗布しまたは浸漬させて乾燥することによって、長期間に亘って抗菌効果を持続でき、しかも繊維製品が損なわれることがない。
【００６２】
このようにして、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩・銅塩・亜鉛塩を含む抗菌剤が強力に付着して、洗濯しても抗菌剤が落ちず長期間に亘って細菌のみならず真菌に対しても抗菌効果が持続するとともに、風合いが損なわれたり変色したりすることのない抗菌性繊維製品となる。さらに、実施の形態１の繊維用抗菌性バインダーは、カーペットの表面に塗布してもカーペット表面に抗菌性をもたせることができる。
【００６３】
なお、安全性の点でも、実施の形態１の繊維用抗菌性バインダーから抗菌剤を除いた薬剤中のＰＣＢ，ホルムアルデヒド，砒素，鉛，カドミウム，総水銀，総クロム，シアンを測定したが、いずれも検出されなかった。
【００６４】
上記各実施の形態においては、抗菌剤としてＮ−長鎖アシルアミノ酸銀塩・銅塩・亜鉛塩を含む株式会社エヌ・ディ・シーの商品名ホロンキラーＡＣ３７−５を用いているが、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩またはＮ−長鎖アシルアミノ酸銅塩を含む抗菌剤であれば、各種の配合の抗菌剤を用いることができる。
【００６５】
繊維用抗菌性バインダー及び抗菌性繊維製品のその他の部分の構成、数量、材質等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。
【００６６】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項１の発明にかかる繊維用抗菌性バインダーは、ポリアルキルアルコキシシロキサンと、環状ポリアルキルシロキサン及び／または直鎖ポリアルキルシロキサンと、前記ポリアルキルアルコキシシロキサンの架橋触媒と、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀及び／またはＮ−長鎖アシルアミノ酸銅を含む抗菌剤とを具備するものである。
【００６７】
ポリアルキルアルコキシシロキサンは、架橋触媒の働きによって複雑に架橋して抗菌剤分子を繊維に強力に縛り付けてしまう働きをする。これに対して、繊維の風合いを柔らかく保つ働きをするのが、環状及び／または直鎖ポリアルキルシロキサンである。
【００６８】
このように、ポリアルキルアルコキシシロキサンを架橋触媒で複雑に架橋させることによって、繊維に抗菌剤としてのＮ−長鎖アシルアミノ酸銀及び／またはＮ−長鎖アシルアミノ酸銅を含む分子を強力に縛り付けるとともに、環状・直鎖ポリアルキルシロキサンが繊維の風合いを損なわずに保つことによって、実用的な繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００６９】
このようにして、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、洗濯しても抗菌剤が落ちないようにして長期間に亘って抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合い及び色合いを損なうことのない繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００７０】
したがって、本発明の繊維用抗菌性バインダーは、単に繊維製品に付着させて抗菌性繊維製品とするだけでなく、繊維の段階で付着させて抗菌性繊維として、これを材料として抗菌性繊維製品を仕立てることも可能である。
【００７１】
請求項２の発明にかかる繊維用抗菌性バインダーは、請求項１の構成において、前記ポリアルキルアルコキシシロキサンと、前記環状ポリアルキルシロキサン及び／または直鎖ポリアルキルシロキサンとの配合割合が重量比で１：０．１〜３の範囲内であるものである。なお、より好ましくは１：０．５〜１．５の範囲内であるものである。
【００７２】
配合割合が重量比で１：０．１よりもポリアルキルシロキサンの割合が小さくなると、繊維そのものが堅くなり過ぎて繊維製品の風合いが損なわれるとともに、抗菌効果も持続しなくなる。また、配合割合が重量比で１：３よりもポリアルキルシロキサンの割合が大きくなると、繊維製品が柔らかくなり過ぎるとともにやはり抗菌効果も持続しなくなるため、実用的でない。
【００７３】
そこで、ポリアルキルアルコキシシロキサンと、前記環状ポリアルキルシロキサン及び／または直鎖ポリアルキルシロキサンとの配合割合を重量比で１：０．１〜３の範囲内に限定することによって、抗菌効果が長期間に亘って持続し、また繊維製品の風合いが損なわれることもなく実用的な繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００７４】
このようにして、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、洗濯しても抗菌剤が落ちないようにして長期間に亘って抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合い及び色合いを損なうことのない繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００７５】
請求項３の発明にかかる繊維用抗菌性バインダーは、請求項１または請求項２の構成において、前記ポリアルキルアルコキシシロキサンと、前記架橋触媒との配合割合が重量比で１：０．００１〜０．００５の範囲内であるものである。なお、より好ましくは１：０．００１〜０．００２の範囲内であるものである。
【００７６】
配合割合が重量比で１：０．００１未満となると、架橋触媒が少な過ぎて殆ど架橋が進行しないため、抗菌剤の保持力が弱く、洗濯によって抗菌剤が流れ出してしまう。また、配合割合が重量比で１：０．００５の範囲を超えると架橋速度が速過ぎて繊維製品への加工がしにくくなり、また繊維がごわごわして風合いを損ない、さらには変色してしまうため用いることができない。
【００７７】
そこで、ポリアルキルアルコキシシロキサンと架橋触媒との配合割合を重量比で１：０．００１〜０．００５の範囲内に限定することによって、適度な架橋速度となり、架橋したポリアルキルアルコキシシロキサンで抗菌剤を強力に保持することができるので、洗濯によって抗菌剤が流れ出すこともなく抗菌効果を長期間に亘って維持することができる。また、繊維の風合いを損なったり変色させてしまうという弊害もなく、実用的な繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００７８】
このようにして、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、洗濯しても抗菌剤が落ちないようにして長期間に亘って抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合い及び色合いを損なうことのない繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００７９】
請求項４の発明にかかる繊維用抗菌性バインダーは、請求項１乃至請求項３のうちいずれか１つの構成において、前記ポリアルキルアルコキシシロキサンと、前記Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀及び／またはＮ−長鎖アシルアミノ酸銅を含む抗菌剤との配合割合が重量比で１：０．００１〜０．０５の範囲内であるものである。なお、より好ましくは１：０．００５〜０．０３の範囲内であるものである。
【００８０】
配合割合が重量比で１：０．００１未満であると抗菌剤の配合割合が少な過ぎて抗菌効果の持続力が低く、また配合割合が重量比で１：０．０５の範囲を超えると繊維製品が変色してしまい、実用的でない。
【００８１】
そこで、ポリアルキルアルコキシシロキサンと、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀及び／またはＮ−長鎖アシルアミノ酸銅を含む抗菌剤との配合割合を重量比で１：０．００１〜０．０５の範囲内に限定することによって、抗菌効果が長期間に亘って持続し、繊維製品を変色させるという弊害もなく、実用的な繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００８２】
このようにして、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、洗濯しても抗菌剤が落ちないようにして長期間に亘って抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合い及び色合いを損なうことのない繊維用抗菌性バインダーとなる。
【００８３】
請求項５の発明にかかる抗菌性繊維製品は、繊維製品に請求項１乃至請求項４のいずれか１つに記載の繊維用抗菌性バインダーを塗布または浸漬して乾燥したものである。
【００８４】
請求項１乃至請求項４に記載の繊維用抗菌性バインダーは、上述の如くいずれも、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤を下着・靴下等の繊維製品に強力に付着させて、長期間に亘って抗菌効果を持続させられるとともに、繊維製品の風合いを損なったり変色させたりする弊害もない。したがって、繊維製品に請求項１乃至請求項４のいずれかの繊維用抗菌性バインダーを塗布しまたは浸漬させて乾燥することによって、長期間に亘って抗菌効果を持続でき、しかも繊維製品が損なわれることがない。
【００８５】
このようにして、Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀塩及び／または銅塩を含む抗菌剤が強力に付着して、洗濯しても抗菌剤が落ちず長期間に亘って抗菌効果が持続するとともに、風合いが損なわれたり変色したりすることのない抗菌性繊維製品となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の実施の形態１にかかる繊維用抗菌性バインダーの成分の配合比を様々に変化させた場合の繊維供試体の風合いの変化を表した図である。
【図２】図２は本発明の実施の形態１にかかる繊維用抗菌性バインダーの成分の配合比を様々に変化させた場合の繊維供試体の色合いの変化を表した図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an antibacterial binder for fibers capable of maintaining an effect by keeping an existing antibacterial agent containing a silver salt of an N-long-chain acylamino acid salt and / or a copper salt for a long period of time, and an antibacterial treatment. It is related to the applied fiber products.
[0002]
[Prior art]
[Patent Document 1] Japanese Patent Publication No. Hei 8-25847
Conventionally, antibacterial agents having high safety to the human body and the environment include those containing neem fats and oils, those containing nalidixic acid, those containing oxolinic acid, those containing bamboo vinegar, and the like. Is volatile and loses its antimicrobial effect when volatilized. In contrast, the antibacterial agent containing a silver salt of an N-long-chain acylamino acid and / or a copper salt described in
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, when trying to use the antibacterial agent described in
[0004]
Accordingly, the present invention provides an antimicrobial agent containing a silver salt of an N-long-chain acylamino acid and / or a copper salt, which is strongly adhered to textiles such as underwear and socks to prevent the antimicrobial agent from falling off even when washed. An object of the present invention is to provide an antibacterial binder for fibers and an antibacterial fiber product which can maintain the antibacterial effect for a long period of time and does not impair the texture and color of the fiber product.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The antibacterial binder for fibers according to the invention of
[0006]
The polyalkylalkoxysiloxane has the structural formula [OR 1 R 2 SiO] n (OR 1 Is an alkoxy group, R 2 Represents an alkyl group. ), N = 2 to 50 are preferably used, and they function to crosslink in a complicated manner by the action of the crosslinking catalyst and strongly bind the antimicrobial agent molecules to the fibers. On the other hand, cyclic and / or linear polyalkylsiloxanes function to keep the texture of the fibers soft. As the polyalkylsiloxane, a cyclic polyalkylsiloxane such as octamethylcyclotetrasiloxane, a linear polyalkylsiloxane such as polydiethylsiloxane, or a mixture of both may be used.
[0007]
Organotin compounds such as dibutyltin dilaurate and stannous oleate can be used as a crosslinking catalyst. Further, it is also possible to use an acid catalyst such as acetic acid, maleic acid, oxalic acid, citric acid and hydrochloric acid.
[0008]
As described above, by complexly cross-linking the polyalkylalkoxysiloxane with the cross-linking catalyst, the fiber is strongly bound to molecules containing silver N-long chain amino acid and / or copper N-long chain amino acid as an antibacterial agent. The cyclic and linear polyalkylsiloxanes serve as practical antibacterial binders for fibers by keeping the texture of the fibers intact.
[0009]
In this way, the antibacterial agent containing silver salt and / or copper salt of N-long chain acylamino acid is strongly adhered to textiles such as underwear and socks to prevent the antibacterial agent from falling off even after washing. An antibacterial binder for fibers that can maintain the antibacterial effect over a period of time and does not impair the texture and color of the textile.
[0010]
Therefore, the antibacterial binder for fibers of the present invention is not only attached to textiles to produce antibacterial textiles, but also attached at the fiber stage as antibacterial fibers, which is used as a material to produce antibacterial textiles. Tailoring is also possible.
[0011]
The antibacterial binder for fibers according to the invention of claim 2 is the composition of
[0012]
When the proportion of the polyalkylsiloxane is less than 1: 0.1 by weight, the fibers themselves become too hard, impairing the texture of the fiber product, and the antibacterial effect is not maintained. On the other hand, when the proportion of the polyalkylsiloxane is larger than 1: 3 by weight, the fiber product becomes too soft and the antibacterial effect is not maintained, so that it is not practical.
[0013]
Therefore, by limiting the blending ratio of the polyalkylalkoxysiloxane and the cyclic polyalkylsiloxane and / or the linear polyalkylsiloxane within a range of 1: 0.1 to 3 by weight, the antibacterial effect is maintained for a long time. And a practical antibacterial binder for textiles without impairing the texture of textile products.
[0014]
In this way, the antibacterial agent containing silver salt and / or copper salt of N-long chain acylamino acid is strongly adhered to textiles such as underwear and socks to prevent the antibacterial agent from falling off even after washing. An antibacterial binder for fibers that can maintain the antibacterial effect over a period of time and does not impair the texture and color of the textile.
[0015]
The antibacterial binder for fibers according to the invention of
[0016]
If the mixing ratio is less than 1: 0.001, the crosslinking catalyst is too small and crosslinking hardly proceeds, so that the holding power of the antibacterial agent is weak and the antibacterial agent flows out by washing. On the other hand, if the compounding ratio exceeds the range of 1: 0.005 by weight, the crosslinking rate becomes too high to make it difficult to process into a fiber product, and the fiber becomes stiff and impairs the texture and further discolors. Can not be used.
[0017]
Therefore, by limiting the blending ratio of the polyalkylalkoxysiloxane and the crosslinking catalyst to a range of 1: 0.001 to 0.005 by weight, an appropriate crosslinking speed is obtained, and the crosslinked polyalkylalkoxysiloxane is used as an antibacterial agent. Can be held strongly, so that the antibacterial agent can be maintained for a long time without the antibacterial agent flowing out by washing. In addition, there is no harm that the texture of the fiber is impaired or discolored, and it becomes a practical antibacterial binder for fiber.
[0018]
In this way, the antibacterial agent containing silver salt and / or copper salt of N-long-chain acylamino acid is strongly adhered to textiles such as underwear and socks to prevent the antibacterial agent from falling off even when washed. An antibacterial binder for fibers that can maintain the antibacterial effect over a period of time and does not impair the texture and color of the textile.
[0019]
The antibacterial binder for fibers according to the invention of claim 4 is the composition according to any one of
[0020]
When the compounding ratio is less than 1: 0.001 by weight, the compounding ratio of the antibacterial agent is too small and the persistence of the antibacterial effect is low, and when the compounding ratio exceeds the range of 1: 0.05 by weight, the fiber The product discolors and is not practical.
[0021]
Therefore, the blending ratio of the polyalkylalkoxysiloxane and the antibacterial agent containing N-long-chain acylamino acid silver and / or N-long-chain acylamino acid copper is within a range of 1: 0.001 to 0.05 by weight ratio. By limiting, the antibacterial effect is maintained for a long period of time, and there is no detrimental effect of discoloring the fiber product, and it becomes a practical antibacterial binder for fiber.
[0022]
In this way, the antibacterial agent containing silver salt and / or copper salt of N-long chain acylamino acid is strongly adhered to textiles such as underwear and socks to prevent the antibacterial agent from falling off even after washing. An antibacterial binder for fibers that can maintain the antibacterial effect over a period of time and does not impair the texture and color of the textile.
[0023]
The antibacterial fiber product according to the invention of claim 5 is obtained by applying or dipping the antibacterial fiber binder according to any one of
[0024]
As described above, any of the antibacterial binders for fibers according to any one of
[0025]
In this way, the antibacterial agent containing the silver salt of the N-long-chain acylamino acid and / or the copper salt adheres strongly, the antibacterial agent does not fall off even when washed, and the antibacterial effect is maintained for a long time. It is an antibacterial fiber product that does not lose its texture or discolor.
[0026]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0027]
First, a first embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 1 is a diagram showing a change in texture of a fiber specimen when the mixing ratio of components of the antibacterial fiber binder according to the first embodiment of the present invention is variously changed. FIG. 2 is a diagram showing a change in the color of the fiber specimen when the mixing ratio of the components of the antibacterial fiber binder according to the first embodiment of the present invention is variously changed.
[0028]
The antibacterial binder for fibers according to the first embodiment contains the following (A), (B), (C), and (D) as essential components.
(A) Polyalkylalkoxysiloxane
(B) Cyclic polyalkylsiloxane and / or linear polyalkylsiloxane
(C) Crosslinking catalyst for polyalkylalkoxysiloxane
(D) Antibacterial agent containing silver N-long-chain acylamino acid and / or copper N-long-chain acylamino acid
[0029]
As the polyalkylalkoxysiloxane of the component (A), the structural formula is [OR 1 R 2 SiO] n (OR 1 Is an alkoxy group, R 2 Represents an alkyl group. ), N = 2 to 50 are preferably used. For example, polymethylmethoxysiloxane, polyethylmethoxysiloxane, and the like. The component (A) functions to crosslink the alkoxy group in a complicated manner by the action of the crosslinking catalyst of the component (C), thereby strongly binding the antibacterial agent molecule of the component (D) to the fiber.
[0030]
Examples of the cyclic polyalkylsiloxane of the component (B) include octamethylcyclotetrasiloxane and decamethylcyclopentasiloxane. Examples of the linear polyalkylsiloxane include polydimethylsiloxane and polydiethylsiloxane. The component (B) serves to prevent the fiber from becoming stiff due to the crosslinking of the polyalkylalkoxysiloxane of the component (A) and adhere the antimicrobial agent molecules of the component (D) to the fiber while maintaining the texture of the fiber. . As the component (B), only a cyclic polyalkylsiloxane may be used, only a linear polyalkylsiloxane may be used, or a mixture of both may be used.
[0031]
Examples of the crosslinking catalyst for the polyalkylalkoxysiloxane of the component (C) include organotin compounds, for example, dibutyltin dilaurate, dibutyltin diacetate, dibutyltin dioctoate, stannous oleate, and the like. Combinations can be used, but among these, dibutyltin dilaurate is preferred. Further, an acid catalyst can be used as a cross-linking catalyst for polyalkylalkoxysiloxane, and examples thereof include acetic acid, maleic acid, oxalic acid, citric acid, and hydrochloric acid.
[0032]
The antibacterial agent containing the silver N-long-chain acylamino acid and / or the copper N-long-chain acylamino acid as the component (D) includes those containing only the silver N-long-chain acylamino acid and those containing only the copper N-long-chain acylamino acid. Or those containing only N-long-chain acylamino acid silver and N-long-chain acylamino acid copper. Further, it may contain those and an N-long-chain acyl amino acid salt to which any one metal selected from the group consisting of lead, zinc, tin and bismuth is bonded. Specific examples include those containing silver N-stearoylglutamate and copper N-stearoylglutamate, those containing silver N-lauroylaspartate and copper N-lauroylaspartate, and the like.
[0033]
As described in the section of [Means for Solving the Problems], the mixing ratio of each component is (A: B = 1: 0.1 to 3) and (A: C = 1: 0.001 to 1). 0.005) and (A: D = 1: 0.001-0.05).
[0034]
In
[0035]
Here, a test for determining an appropriate range of (A: B) and (A: C) in the mixing ratio of each component will be described with reference to FIGS. 1 and 2. 1 and 2, the horizontal axis represents the ratio of B when the mixing ratio of (A: B) is A = 1, and the vertical axis represents the mixing ratio of (A: C) when A = 1. Is expressed by the ratio of C in FIG. As a test method, a nonwoven fabric of about 10 cm × about 10 cm is immersed in a mixed solution of (A) + (B) + (C) mixed at a mixing ratio corresponding to the intersection of the vertical axis and the horizontal axis, and is naturally dried for about 24 hours. After drying in an oven at 120 ° C. for 2 minutes × 2 times, the mixture was left standing for about 12 hours to observe changes in texture and color.
[0036]
FIG. 1 shows the change in the texture, and FIG. 2 shows the change in the color. In FIG. 1, the compound ratios resulting in Δ (slightly stiff) and × (stiff) cannot be put to practical use, and only the compound ratios resulting in ○ (no change) can be used. It is. Similarly, in FIG. 2, the compounding ratios resulting in Δ (slightly yellowing) and × (yellowing) cannot be put to practical use, and the compounding ratios resulting in ○ (no change) Only things can be used. As described above, a test was conducted for various combinations of the compounding ratios, and the range of the compounding ratio that did not change the hand and the color was examined. From the results, the appropriate ranges of the above (A: B) and (A: C) were obtained. Is determined.
[0037]
Next, the results of tests on the washing resistance of the fiber specimens treated with the antibacterial binder for fibers of the first embodiment in comparison with various comparative examples will be described. In the following comparative examples, holon killer AC37-5 was used as an antibacterial deodorant.
Comparative Example 1 A mixture obtained by mixing 21 parts of an amino-modified silicone oil, 72 parts of IPA, and 7 parts of an antibacterial deodorant.
Comparative Example 2 10 parts of polyalkylalkoxysiloxane, 30 parts of cyclic polyalkylsiloxane and 20 parts of linear polyalkylsiloxane (A: B = 1: 5), 0.02 part of tin dilaurate (A: C = 1: 0) .002), a solution containing 5 parts of an antibacterial deodorant (A: D = 1: 0.025), 1% of a silane coupling agent, and 43.98 parts of IPA.
Comparative Example 3 A mixture obtained by mixing 50% of a linear polyalkylsiloxane, 20 parts of an isoparaffinic hydrocarbon, 23 parts of IPA, and 7 parts of an antibacterial deodorant.
Comparative Example 4 15 parts of polyalkylalkoxysilane, 0.03 part of curing agent (crosslinking catalyst) (A: C = 1: 0.002), 77.97 parts of IPA, 7 parts of antibacterial deodorant (A: D = 1: 0.0235).
Comparative Example 5 A mixture obtained by mixing 93 parts of IPA and 7 parts of an antibacterial deodorant.
[0038]
A nonwoven fabric having a size of about 15 cm × about 15 cm is immersed in these samples, dried in an oven at 120 ° C., and washed one by one at a water level of 29 L using a fully automatic washing machine KW-B563 manufactured by Hitachi, Ltd. 3 minutes) ・ After 10 cycles of dehydration (soft 1 minute) and drying for the second half or more days, a specimen of about 7.5 cm × about 7.5 cm from a non-woven fabric of about 15 cm × about 15 cm is subjected to 3 cycles. A piece was cut out and further cut into 5 cm × 5 cm at the Kyoto Microorganisms Research Institute to obtain a test piece. That is, the number of test pieces n = 3.
[0039]
Then, an antibacterial activity evaluation test was performed at the Kyoto Microbiological Laboratory. The test method was a film adhesion method. According to the "Film Adhesion Method of the Antibacterial Products Technology Council", a bacterial solution prepared with 1/500 ordinary broth was dropped onto the surface of the test piece, adhered with a film, and stored at 35 ° C. . For the measurement, the viable cell count was measured for the bacterial solution on the test piece. The strain used is Methicillin resistant Staphylococcus aureus KB-1005 (MRSA), ie, resistant Staphylococcus aureus. Tables 1 and 2 show the measurement results.
[0040]
[Table 1]
[Table 2]
The “control” is a standard sample in which the same treatment as the test piece was performed on a nonwoven fabric that was not immersed in anything. As shown in Tables 1 and 2, the nonwoven fabric immersed and dried in the antibacterial binder for fibers according to the first embodiment has an antibacterial activity sufficient to eliminate MRSA bacteria in 24 hours after 10 washes. Have maintained. On the other hand, Comparative Examples 1 and 2 have some antibacterial activity, but they are far from the antibacterial binder for fibers of
[0043]
As for the texture and color, as described in the section of the description of the procedure for producing the antibacterial binder for fibers according to the first embodiment, the mixing ratios (A: B), (A: C), Since (A: D) is all within the proper range, the texture and color of the fiber product are not impaired.
[0044]
In this manner, the antibacterial binder for fibers according to the first embodiment strongly adheres an antibacterial agent containing an N-long-chain acylamino acid silver salt and / or a copper salt to textiles such as underwear and socks, The antibacterial agent does not fall off even when washed, so that the antibacterial effect can be maintained for a long period of time, and the texture and color of the fiber product are not impaired.
[0045]
Embodiment 2
Next, an antibacterial fiber product according to a second embodiment of the present invention will be described. The antibacterial binder for fibers according to the first embodiment was applied to two types of socks as a fiber product, and an antibacterial test was performed. One type is a sock made of 80% acrylic and 20% cotton, and another type is a sock made of 100% cotton (hereinafter, referred to as Embodiment 2-2). After the antibacterial binder for fibers of
[0046]
These socks were subjected to an antibacterial activity evaluation test at the Kyoto Microbiological Laboratory. The test method was as follows: 0.4 g of the test sample was sterilized in an autoclave, and 5 0.2 ml of a bacterial solution prepared in a 1/20 nutrient medium so as to have a CFU / ml was inoculated to the test sample, stored at 37 ° C., and the number of bacteria was measured. The strain used is MRSA. Table 3 shows the measurement results obtained by taking the average of the three test samples.
[0047]
[Table 3]
The “bacteriostatic activity value” in Table 3 is a value of log (X / Y) when the number of bacteria 18 hours after the control is X and the number of bacteria 18 hours after the test sample is Y. . According to the new standard of the Textile Product New Function Evaluation Council, if this value is reduced to 2.2 or more, that is, the number of bacteria is reduced to about 1/160 or less, it is recognized as having antibacterial activity. As shown in Table 3, the bacteriostatic activity value of each of Embodiment 2 and Embodiment 2-2 was 2.2 or more, demonstrating that any of the above socks has antibacterial activity. Thus, it was found that even after the 30-time continuous repeated washing test specified by the Japan Chemical Fiber Inspection Association, the antibacterial standard of the Council for Evaluation of New Functions of Textile Products was sufficiently satisfied, and the washing durability was high.
[0049]
Further, an antibacterial test was conducted by comparing the antibacterial socks of each company actually sold with the antibacterial socks according to the second embodiment. As Comparative Example 6, the product name “Commuting Feet” by Renown Co., Ltd. As Comparative Example 7, the product name “CONCEPT” from Kanebo Co., Ltd. The product name "Athlete's foot protection" of Mitsuboshi Sangyo Co., Ltd. was used. Examples of the bacteria include: (1) Staphylococcus aureus (MRSA) clinical isolate, (2) a strain derived from Escherichia coli (Escherichia coli) ATCC25922, (3) a strain derived from Candida albicans (yeast-like fungus) ATCC6027, and (4) a Trichophyton rub. 4) Clinical isolates were used.
[0050]
For bacteria (1) to (3), each bacteria was 1 × 10 6 / Ml is adjusted to the concentration of the bacterial solution. On the other hand, each sock sample is 1cm 2 And put into a sterilized test tube, and drop 1,000 μl of the test bacterium whose bacterial solution concentration has been adjusted onto each sample. As a control, 1000 μl of each bacterial solution is dropped into a sterile test tube without a sample. As a blank, 1000 μl of sterile distilled water is dropped into each sterile test tube without putting a sample. Then, shaking culture is performed at 35 ° C. so that each sample and the bacterial solution are sufficiently contacted.
[0051]
To check the change over time, 100 μl of the well-mixed bacterial solution is collected after 6.24.48 hours. The collected bacterial solution is spread on a standard agar medium and cultured at 35 ° C. for 18 hours. Bacterial species (3) is applied to a Sabouraud agar medium and cultured similarly. The same process is performed for the control and the blank. The number of colonies that grew or died over time for each bacterial species applied to the agar medium is counted, and the count is multiplied by 10 to calculate CFU / ml (for a dilution factor of 10). Table 4 shows the test results for the above bacterial species (1) to (3).
[0052]
[Table 4]
As shown in Table 4, the sample of the sock according to the second embodiment killed all of the bacterial species (1) to (3) in 6 hours and exhibited a strong antibacterial activity.
[0054]
On the other hand, in the sample of “commuting foot” of Comparative Example 6, the MRSA of the bacterial species (1) was completely destroyed after 48 hours, and the E. coli of the bacterial species (2) was considerably killed after 48 hours. It has no effect on the yeast-like fungus of bacterial species (3), and is grown to the same degree as the control. In the sample of "CONCEPT" of Comparative Example 7, the MRSA of the bacterial species (1) was annihilated after 24 hours, and the E. coli of the bacterial species (2) was annihilated in 6 hours. It has no effect on yeast-like fungi and grows to the same extent as the control.
[0055]
Also, the sample of "Kishu Bincho charcoal sock" of Comparative Example 8 had no antibacterial effect on any of the bacterial species (1) to (3), and all were grown to the same extent as the control. In the sample of "Athlete's foot protection" of Comparative Example 9, the MRSA of the bacterial species (1) was annihilated after 48 hours, and the E. coli of the bacterial species (2) was annihilated in 6 hours, but the bacterial species (3) was eliminated. Has no effect on the yeast-like fungus, and is grown to the same extent as the control.
[0056]
Further, for the filamentous fungus of the bacterial type (4), a Sabouraud agar plate medium (with CP (antibiotic chloramphenicol)) was prepared, and each sock sample was 1 cm. 2 Prepare six pieces each. After the mycelium of the bacterial species (4) is applied as uniformly as possible on the medium, each sample piece is placed on the medium, and only the mycelium is applied to the medium as a control. Each prepared medium is cultured at 25 ° C., and the presence or absence of mycelial growth is confirmed on the second, seventh, and fourteenth days every culturing days. Table 5 shows the test results.
[0057]
[Table 5]
In Table 5, (+) indicates that the growth of the filamentous fungi was observed, and (-) indicates that the inhibition circle was formed around the sample. As shown in Table 5, only the sample piece of the sock according to the second embodiment had the antibacterial effect against the filamentous fungus of the bacterial species (4). The sock specimen did not show any antibacterial effect against the filamentous fungus.
[0059]
From the results shown in Tables 4 and 5 described above, the antibacterial socks of each company currently sold are effective against bacteria (MRSA of bacterial species (1) and Escherichia coli of bacterial species (2)). However, it is considered that the effect on fungi (yeast-like fungi of fungal species (3) and filamentous fungi of fungal species (4)) is low. On the other hand, the antibacterial sock according to the second embodiment has a feature that it is highly effective against not only bacteria but also fungi, and has a faster sterilizing effect than other socks.
[0060]
Therefore, antibacterial socks of each company currently sold can be expected to have the deodorizing effect of socks by sterilizing bacteria, but they cannot sterilize filamentous fungi that are the causal bacteria of athlete's foot, so the prevention and control effect of athlete's foot Can not expect. On the other hand, the antibacterial sock of the second embodiment has not only the deodorizing effect of the sock, but also a high effect on fungi. Therefore, the effect of preventing and suppressing various skin symptoms such as athlete's foot caused by fungi. Excellent antibacterial socks that can be expected.
[0061]
As described above, the antibacterial binder for fibers according to
[0062]
In this way, the antibacterial agent containing silver salt, copper salt and zinc salt of N-long-chain acylamino acid adheres strongly, so that the antibacterial agent does not fall off even when washed and not only bacteria but also fungi over a long period of time. On the other hand, the antibacterial effect is maintained, and the antibacterial fiber product does not lose its texture or discolor. Further, the antibacterial binder for fibers according to the first embodiment can impart antibacterial properties to the carpet surface even when applied to the surface of the carpet.
[0063]
In terms of safety, PCB, formaldehyde, arsenic, lead, cadmium, total mercury, total chromium, and cyan in the drug obtained by removing the antibacterial agent from the antibacterial binder for fibers in
[0064]
In each of the above-described embodiments, NDC Co., Ltd. trade name Holon Killer AC37-5 containing N-long chain acyl amino acid silver salt, copper salt and zinc salt is used as the antibacterial agent. As long as the antibacterial agent contains a silver salt of a long-chain acylamino acid or a copper salt of an N-long-chain acylamino acid, various combinations of antibacterial agents can be used.
[0065]
The configuration, quantity, material, and the like of the antibacterial binder for fibers and other parts of the antibacterial fiber product are not limited to the above embodiments.
[0066]
【The invention's effect】
As described above, the antibacterial binder for fibers according to the first aspect of the present invention comprises a polyalkylalkoxysiloxane, a cyclic polyalkylsiloxane and / or a linear polyalkylsiloxane, and a crosslinking catalyst for the polyalkylalkoxysiloxane. An antibacterial agent containing silver N-long-chain acylamino acid and / or copper N-long-chain acylamino acid.
[0067]
The polyalkylalkoxysiloxane functions to crosslink in a complicated manner by the action of a crosslinking catalyst and strongly bind the antibacterial agent molecule to the fiber. On the other hand, cyclic and / or linear polyalkylsiloxanes function to keep the texture of the fibers soft.
[0068]
As described above, by complexly cross-linking the polyalkylalkoxysiloxane with the cross-linking catalyst, the fiber is strongly bound to molecules containing silver N-long chain amino acid and / or copper N-long chain amino acid as an antibacterial agent. The cyclic and linear polyalkylsiloxanes serve as practical antibacterial binders for fibers by keeping the texture of the fibers intact.
[0069]
In this way, the antibacterial agent containing silver salt and / or copper salt of N-long-chain acylamino acid is strongly adhered to textiles such as underwear and socks to prevent the antibacterial agent from falling off even when washed. An antibacterial binder for fibers that can maintain the antibacterial effect over a period of time and does not impair the texture and color of the textile.
[0070]
Therefore, the antibacterial binder for fibers of the present invention is not only attached to textiles to produce antibacterial textiles, but also attached at the fiber stage as antibacterial fibers, which is used as a material to produce antibacterial textiles. Tailoring is also possible.
[0071]
The antibacterial binder for fibers according to the invention of claim 2 is the composition of
[0072]
When the proportion of the polyalkylsiloxane is less than 1: 0.1 by weight, the fibers themselves become too hard, impairing the texture of the fiber product, and the antibacterial effect is not maintained. On the other hand, when the proportion of the polyalkylsiloxane is larger than 1: 3 by weight, the fiber product becomes too soft and the antibacterial effect is not maintained, so that it is not practical.
[0073]
Therefore, by limiting the blending ratio of the polyalkylalkoxysiloxane and the cyclic polyalkylsiloxane and / or the linear polyalkylsiloxane within a range of 1: 0.1 to 3 by weight, the antibacterial effect is maintained for a long time. And a practical antibacterial binder for textiles without impairing the texture of textile products.
[0074]
In this way, the antibacterial agent containing silver salt and / or copper salt of N-long-chain acylamino acid is strongly adhered to textiles such as underwear and socks to prevent the antibacterial agent from falling off even when washed. An antibacterial binder for fibers that can maintain the antibacterial effect over a period of time and does not impair the texture and color of the textile.
[0075]
The antibacterial binder for fibers according to the invention of
[0076]
If the mixing ratio is less than 1: 0.001, the crosslinking catalyst is too small and crosslinking hardly proceeds, so that the holding power of the antibacterial agent is weak and the antibacterial agent flows out by washing. On the other hand, if the compounding ratio exceeds the range of 1: 0.005 by weight, the crosslinking rate becomes too high to make it difficult to process into a fiber product, and the fiber becomes stiff and impairs the texture and further discolors. Can not be used.
[0077]
Therefore, by limiting the blending ratio of the polyalkylalkoxysiloxane and the crosslinking catalyst to a range of 1: 0.001 to 0.005 by weight, an appropriate crosslinking speed is obtained, and the crosslinked polyalkylalkoxysiloxane is used as an antibacterial agent. Can be held strongly, so that the antibacterial agent can be maintained for a long time without the antibacterial agent flowing out by washing. In addition, there is no harm that the texture of the fiber is impaired or discolored, and it becomes a practical antibacterial binder for fiber.
[0078]
In this way, the antibacterial agent containing silver salt and / or copper salt of N-long-chain acylamino acid is strongly adhered to textiles such as underwear and socks to prevent the antibacterial agent from falling off even when washed. An antibacterial binder for fibers that can maintain the antibacterial effect over a period of time and does not impair the texture and color of the textile.
[0079]
The antibacterial binder for fibers according to the invention of claim 4 is the composition according to any one of
[0080]
When the compounding ratio is less than 1: 0.001 by weight, the compounding ratio of the antibacterial agent is too small and the persistence of the antibacterial effect is low, and when the compounding ratio exceeds the range of 1: 0.05 by weight, the fiber The product discolors and is not practical.
[0081]
Therefore, the blending ratio of the polyalkylalkoxysiloxane and the antibacterial agent containing N-long-chain acylamino acid silver and / or N-long-chain acylamino acid copper is within a range of 1: 0.001 to 0.05 by weight ratio. By limiting, the antibacterial effect is maintained for a long period of time, and there is no detrimental effect of discoloring the fiber product, and it becomes a practical antibacterial binder for fiber.
[0082]
In this way, the antibacterial agent containing silver salt and / or copper salt of N-long-chain acylamino acid is strongly adhered to textiles such as underwear and socks to prevent the antibacterial agent from falling off even when washed. An antibacterial binder for fibers that can maintain the antibacterial effect over a period of time and does not impair the texture and color of the textile.
[0083]
The antibacterial fiber product according to the invention of claim 5 is obtained by applying or dipping the antibacterial fiber binder according to any one of
[0084]
As described above, any of the antibacterial binders for fibers according to any one of
[0085]
In this way, the antibacterial agent containing the silver salt of the N-long-chain acylamino acid and / or the copper salt adheres strongly, the antibacterial agent does not fall off even when washed, and the antibacterial effect is maintained for a long time. It is an antibacterial fiber product that does not lose its texture or discolor.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF DRAWINGS FIG. 1 is a view showing a change in texture of a fiber specimen when the mixing ratio of components of an antibacterial fiber binder according to a first embodiment of the present invention is variously changed.
FIG. 2 is a diagram showing a change in color of a fiber specimen when the mixing ratio of components of the antibacterial fiber binder according to the first embodiment of the present invention is variously changed.
Claims (5)
環状ポリアルキルシロキサン及び／または直鎖ポリアルキルシロキサンと、
前記ポリアルキルアルコキシシロキサンの架橋触媒と、
Ｎ−長鎖アシルアミノ酸銀及び／またはＮ−長鎖アシルアミノ酸銅を含む抗菌剤と
を具備することを特徴とする繊維用抗菌性バインダー。A polyalkylalkoxysiloxane,
A cyclic polyalkylsiloxane and / or a linear polyalkylsiloxane;
A crosslinking catalyst for the polyalkylalkoxysiloxane,
An antibacterial binder for fibers, comprising: an antibacterial agent containing silver N-long-chain acylamino acid and / or copper N-long-chain acylamino acid.
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