JP2004190058A - Method of separating and refining iridium - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イリジウムの分離精製方法に関し、さらに詳しくは、イリジウムと随伴元素を含有する水溶液からイリジウムを分離精製する際に、いずれの白金族元素やその他の随伴する元素が共存していても、イリジウムのみを選択的かつ確実に分離し、精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イリジウムは、自動車等の廃棄ガスを分解するための貴金属触媒、白金族元素酸化物を含む被覆層を有する不溶性金属電極、半導体集積回路用のスパッタリングターゲット材および高融点物の溶融用ルツボなどに使用されている貴重な白金族元素の工業用材料である。
【0003】
白金族元素は、資源的に希少な元素で、白金族元素を高品位で含有する白金鉱石のような天然鉱物での産出は少なく、工業的に生産される白金族元素の原料は、銅、ニッケル、コバルトなどの非鉄製錬からの副産物、自動車排ガス処理触媒など各種の使用済み廃触媒などからが大部分を占めている。
【0004】
この非鉄金属製錬からの副産物は、製錬原料の中にごく微量含有されているイリジウムを始め、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、及びオスミウムなどの白金族元素が、その化学的性質から主金属である銅、ニッケルなどの硫化濃縮物及び粗金属の中に濃縮され、さらに電解精製など主金属回収工程で残滓等として白金族元素を含む貴金属濃縮物で分離されるものである。この濃縮物には、主金属である銅、ニッケルなどと共に、他の構成元素である金、銀等の貴金属、セレン、テルル等のVI族元素、ヒ素などV族元素が、白金族元素に比べて高含有量で共存するのが通常である。その後、金、銀の回収を経て、白金族元素の回収が行われるが、通常は一旦液中に浸出してから溶媒抽出、イオン交換法などで精製分離して白金族元素の濃縮物として回収される。
【0005】
また、他の白金族元素の濃縮物は、上記自動車等の廃棄ガスを分解するための貴金属触媒、白金族元素酸化物を含む被覆層を有する不溶性金属電極、半導体集積回路用のスパッタリングターゲット材、および高融点物の溶融用ルツボなど工業用材料として使用された白金族元素の含有物を、リサイクルする過程で発生する。
【0006】
これらの白金族元素の濃縮物が、イリジウム等の白金族元素の製造の主要な原料である。
白金族元素はその化学的性質が相互に非常によく似ていることから、天然においても白金族元素は共存した状態で存在し、その分離、精製は困難で、特に、イリジウムについては、一般的に金属の分離精製に使用される沈澱法、溶媒抽出、イオン交換法を単純に適用するだけでは、分離することができない。
【0007】
この解決策として、溶媒抽出剤、吸着剤等を用いた方法が提案されている。
溶媒抽出剤を用いた相互分離法としては、イリジウムを含む溶液をイリジウムが四価で存在可能な高い電位まで酸化後、溶媒抽出剤としてトリブチルフォスフェイト(以後、TBPと記載)と接触混合して、イリジウムを抽出する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。
【0008】
また、吸着剤を用いた相互分離法としては、溶液中のイリジウムを三価に還元し溶液の酸度を調整した後、イミノ2酢酸を官能基とするキトサンを加えてイリジウムを吸着させる方法(例えば、特許文献1参照)、還元された供給原料の溶液を、グリコールメタクリレートクロマトグラフ媒体を通す方法(例えば、特許文献2参照)、液電位をイリジウムが四価で存在可能な高い電位まで酸化後、グリコールメタクリレートクロマトグラフ媒体を用いて吸着し、還元剤で溶離する方法(例えば、特許文献3参照)がある。
【0009】
これらの方法は、共存する白金族元素が限られているとき、あるいはイリジウムの含有量が他の元素に比べて圧倒的に多いときには有効な場合もあるが、通常の白金族元素の濃縮物には共存する白金族元素及び他の随伴元素が多いので適用には問題がある。すなわち、TBPを用いた溶媒抽出法では、事前に白金、ルテニウム、オスミウム、パラジウムが完全に分離されている事が大前提になっており、これらが残存した場合には、TBPと共に抽出、逆抽出され、最終的な結晶化でも分離することができない。そこで、TBP抽出前の白金、ルテニウム、オスミウム、パラジウムの残存量を厳しく管理しないと、製品化可能なイリジウムを得ることが困難である。
【0010】
また、キトサンを用いた方法では、大量のキトサンの使用が必要であるとともに白金族元素との相互分離が不十分である。また、グリコールメタクリレートクロマトグラフ媒体ではイリジウム、ロジウム、ルテニウムの三元素の混合物としてしか分離されないため、酸化還元電位の調整が不可欠である。酸化還元電位の調整を実施した場合も、TBPによる溶媒抽出同様に、白金、ルテニウム、オスミウム、パラジウムが前工程で完全に分離されていないと製品化可能なイリジウム化合物を得る事は出来ない。
【0011】
【非特許文献1】
デ・エス・フレッツ(D.S.Flet),「インターナショナル・プレシャス・メタルス・インステチュウト・セミナー(International Precious Metals Institute Seminar)」,(英国),1982年,p.145−168
【特許文献1】
特許第2941073号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開2002−303614号公報(第1頁、第2頁)
【特許文献3】
特開2001−98335号公報(第1頁、第2頁)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、イリジウムと随伴元素を含有する水溶液からイリジウムを分離精製する方法において、いずれの白金族元素やその他の随伴する元素が共存しても、イリジウムのみを選択的かつ確実に分離し、精製する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために、イリジウムを分離精製する方法について、鋭意研究を重ねた結果、イリジウムと随伴元素を含有する水溶液に対して、特定の還元沈殿工程と結晶化精製工程とを組合せて適用したところ、イリジウムのみを選択的かつ確実に分離できることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、イリジウムと随伴元素を含有する水溶液からイリジウムを分離精製する方法において、前記水溶液に還元剤として標準単極電位(標準水素電極規準)0〜0.5Vの金属を添加して接触反応させ、生成される沈澱を除去する還元沈殿工程、および得られた母液を酸化処理した後、アルカリ塩を添加してイリジウムを結晶性沈殿として分離する結晶化精製工程を含むことを特徴とするイリジウムの分離精製方法が提供される。
【0015】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、還元沈殿工程において添加する還元剤がビスマスであることを特徴とするイリジウムの分離精製方法が提供される。
【0016】
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、還元沈殿工程における前記水溶液の塩素イオン濃度が1mol/l以上であることを特徴とするイリジウムの分離精製方法が提供される。
【0017】
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、さらに、還元沈殿工程に先立って、金属以外の還元剤を添加して予め還元処理することを特徴とするイリジウムの分離精製方法が提供される。
【0018】
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、結晶化精製工程の酸化処理における酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を700mV以上とすることを特徴とするイリジウムの分離精製方法が提供される。
【0019】
また、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、結晶化精製工程の酸化処理が硝酸の添加によるものであることを特徴とするイリジウムの分離精製方法が提供される。
【0020】
また、本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、結晶化精製工程で添加するアルカリ塩が、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、フランシウムイオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン、アミン塩、又はヒドラジニウムイオンから選ばれる少なくとも1種を含む水溶性化合物であることを特徴とするイリジウムの分離精製方法が提供される。
【0021】
また、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、前記水溶性化合物が、塩化カリウム又は塩化アンモニウムであることを特徴とするイリジウムの分離精製方法が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のイリジウムの分離精製方法を詳細に説明する。
本発明のイリジウムの分離精製方法は、イリジウムと随伴元素を含有する水溶液に、還元剤として標準単極電位(標準水素電極規準)0〜0.5Vの金属を添加して接触反応させ、生成される沈澱を除去する還元沈殿工程、および得られた母液を酸化処理した後、アルカリ塩を添加してイリジウムを結晶性沈殿として分離する結晶化精製工程を含む。
【0023】
(1)イリジウムと随伴元素を含有する水溶液
本発明に用いるイリジウムと随伴元素を含有する水溶液としては、特に限定されるものではなく、例えば、上記非鉄金属精錬工程、又は工業材料のリサイクルでの白金族元素の濃縮物を鉱酸によって溶解した液が用いられる。通常は、塩酸と、塩素等のハロゲン系及び硝酸等の酸化剤を用いて溶解した水溶液である。さらに、これら水溶液を事前に溶媒抽出法、吸着法等の分離方法で処理して得られる、より高濃度にイリジウムが濃縮された水溶液が用いられる。
【0024】
ここで、白金族元素としては、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、及びオスミウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が随伴してイリジウムと共存する。また、他の随伴元素としては、特に限定されるものではなく、例えば、白金族元素の濃縮物の原料源により異なるが、非鉄金属精錬の濃縮物からの場合には、銅、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛、金、銀、スズ、鉛等のIV族元素、ヒ素、アンチモン、ビスマスなどV族元素、セレン、テルル等のVI族元素等が挙げられる。
【0025】
(2)還元沈殿工程
本発明の還元沈殿工程は、イリジウムと随伴元素を含有する水溶液に、還元剤として、標準単極電位(標準水素電極規準)0〜0.5Vの金属を添加して接触反応させ、随伴元素の一部を金属状態に還元して沈澱分離する工程である。
これは、白金族元素の中でも特にイリジウムのみが金属状態への還元抵抗性が非常に高いため、適切な還元作用を有する還元剤を用いた緩和な還元沈殿反応、例えば置換沈殿(セメンテーション)反応によって、イリジウム以外の白金族元素、金、及び銀を含む貴金属元素など還元剤(置換剤)よりも貴な金属イオンを一括還元し置換沈殿分離するものである。
【0026】
ここで、標準単極電位とは、25℃で純金属と平衡にある溶液中のイオンの活量が1である状態での酸化還元電位(平衡電位)であり、標準水素電極を規準にした値を用いる。例えば、金+1.5V、白金+1.2V、銀+0.80V、銅+0.34V、ヒ素+0.3V、ビスマス+0.23V、アンチモン+0.2V、水素0Vの値である。
【0027】
本発明の還元剤としては、標準単極電位(標準水素電極規準)が0〜0.5Vの金属を使用する。即ち、標準単極電位(標準水素電極規準)が0V未満(マイナス)の金属、例えば、鉄、ニッケルなどを使用すると、イリジウムまでも置換沈殿されて損失となる。逆に、標準単極電位(標準水素電極規準)が0.5Vを超える金属、例えば、テルル、銀などを使用すると、白金族元素のうち、比較的還元されにくいルテニウムの置換沈殿が殆どできず、また、他の白金族元素の置換沈殿も不完全になる。
【0028】
本発明の標準単極電位(標準水素電極規準)が0〜0.5Vの金属としては、アンチモン、銅、ビスマスが使用できる。このうち、アンチモンは酸濃度低下により容易に加水分解しやすい。また銅は塩酸濃度が高いときには、反応終了時における液の酸化還元電位が0V未満に低下するために、イリジウムまで還元されることがある。したがって、アンチモンよりも加水分解されにくく、またイリジウムの還元の恐れがないビスマスが最も好ましい。ビスマスを用いた場合、還元時の酸化還元電位は、銀/塩化銀電極に対して50〜350mV付近で平衡に達する。置換沈殿物は、ビスマス表面から容易に剥離するため、この粉末は別途溶解して白金族元素、金、銀等の貴金属の回収原料として使用することができる。
【0029】
しかし、ビスマスも水溶液中の塩化物濃度が低いときは加水分解するため、水溶液中に塩化物を含有しない場合は、塩酸等の塩化物を添加して1mol/l以上の塩素イオン濃度にすることが好ましい。
【0030】
また、本発明において、還元剤として金属を使用することに特に限定されるものではなく、この範囲の還元条件を維持することができれば、金属以外の還元剤を使用できる。特に金属の還元剤を使用するのは、金属による置換沈殿反応により、この範囲の微妙な還元条件を維持する事が容易になり、かつ最も再現性が高いからである。
【0031】
なお、液中に酸化剤が共存する場合は、事前にイリジウムを金属まで還元する恐れのない弱い還元剤で予備還元することが好ましい。この弱い還元剤としては、金属以外の還元剤が好ましく、例えば水溶液中に亜硫酸イオンを供給できる亜硫酸塩の添加によって予備還元することができる。これにより、置換剤の金属の消費量を少なくできるので、コスト上好ましい。
【0032】
(3)結晶化精製工程
本発明の結晶化精製工程は、還元沈殿工程から得られる、イリジウム以外の貴金属等を分離した後の濾液(母液)を酸化処理した後、アルカリ塩を添加してイリジウムを結晶性沈殿として分離する工程である。これは、あらゆる元素の中で、四価の白金族元素を含むヘキサクロロ錯体のみが、特定のアルカリ塩と反応して水に難溶性の塩を形成するため、随伴する不純物などの元素共存下においても随伴元素を溶液中に残しイリジウムのみを選択的に結晶性沈殿として分離するものである。
【0033】
本発明における母液の酸化処理は、イリジウムの酸化数を四価に上昇させることにある。この酸化処理後の水溶液の酸化還元電位としては、銀/塩化銀電極に対して、700mV以上、より好ましくは800mV以上である。即ち、700mV未満では、イリジウムのかなりの部分が三価で存在するため、所定のアルカリ塩化物を添加しても結晶化が困難で収率が低い。また、この酸化還元電位の上限は特にないが、1000mVを超えると鉛のごく一部が四価になり、イリジウムと同形の結晶を作って混入することがある。
【0034】
この酸化処理の酸化剤としては、特に限定されるものではなく、酸化還元電位を所定値に維持できればどのような種類でも使用可能であるが、例えば塩素、塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、硝酸が用いられるが、この中でも、特に、白金族元素のクロロ錯体形成を促進する触媒となる硝酸が好ましい。また、薬品を使用せず、電解法での陽極酸化も行える。
【0035】
本発明の結晶性沈殿の生成に用いるアルカリ塩としては、共通イオン効果によりイリジウムのクロロ錯塩の溶解度を下げることができるものであれば、特に限定されるものではないが、これらの中で、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、フランシウムイオンのような原子番号が19以上のアルカリ金属イオン、同様の陽イオン半径を持つアンモニウムイオン、ジエチルアミンなどのポリエチルポリアミン類の陽イオン、又はヒドラジニウムイオンから選ばれる少なくとも1種を含む水溶性化合物が特に好ましく、例えばこれらの塩化物および塩酸塩が好ましい。なお、液中に既に十分な濃度の塩化物イオンが共存する場合には、塩化物以外のアルカリ塩を使用することもできる。
これらの中で、価格、廃液の処理しやすさなど工業的には、塩化カリウム、及び塩化アンモニウムが特に好ましい。
【0036】
上記アルカリ塩の添加量は、特に限定されない。即ち、アルカリ塩の濃度が高いほど共通イオン効果によりイリジウムのクロロ錯塩の溶解度を下げる事ができる。
【0037】
以上の本発明の方法により、概ね99.9重量%レベルの純度のイリジウム結晶(K2IrCl6)を得ることが出来る。さらに、この結晶を中和、加熱乾燥することによりイリジウム酸化物IrO2が得られる。また、この酸化物を水素気流中で700℃前後に加熱することにより金属イリジウムが得られる。
【0038】
さらに、水溶液を事前に溶媒抽出法、吸着法等の分離方法で処理して、より高濃度にイリジウムが濃縮された水溶液を用いて本発明の方法を実施出来る。例えば、既知のイリジウムの精製法であるTBPを用いた溶媒抽出法の逆抽出生成液を使用する場合、TBPによる溶媒抽出前のイリジウム以外の白金族元素の濃度が高かったとしても、本発明の方法でこれらからのイリジウムの分離精製が確実に出来る。
【0039】
一方、原料のイリジウム濃度が低い場合、ロジウム、その他の随伴金属が特に大過剰に存在する場合には、TBPを用いた溶媒抽出法と本発明の方法を組合せて、溶媒抽出法の逆抽出での相比(有機相/水相)を調整してイリジウムを高度に濃縮した逆抽出生成液を得て、この水溶液を本発明の方法に用いると、還元沈殿工程以降の設備の容量が縮小され、またロジウムがTBPで抽出残液として分離されるので早期回収され、さらに白金族元素の負荷低減による還元剤消費量が大幅削減されるなど効果が大きい
【0040】
【実施例】
以下に、本発明の実施例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例の分析方法は、ICP発光分析法で行った。
【0041】
(実施例1)
原料として、表1に示す水酸化物形態の白金族元素の濃縮物を使用した。
【0042】
【表1】
【0043】
(1)原液の調製
濃縮物1150gを、35重量%塩酸4000mlと63重量%硝酸200mlにて溶解した後、80℃まで加熱して原液を調製した。。
【0044】
(2)還元沈殿工程
ついで、この溶液の温度(80℃)を維持して、亜硫酸ナトリウムを添加して予備還元を行なった。亜硫酸ナトリウムは632g消費され、そのとき酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準、以後省略)は、1050mVから585mVまで低下した。さらに、溶液の温度(80℃)を維持したまま、粒状ビスマス(直径約2mm)600gを投入し、溶液の酸化還元電位が一定値になるまで混合して還元沈殿した。このとき酸化還元電位は、最終的に241mVまで低下した。なお、液量は4000mlに減量されていた。還元沈殿後の液組成を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
表2より、液中のイリジウム以外の白金族元素は、1mg/l以下まで低下しており、置換沈殿されたことが分かる。なお、イリジウムの還元沈殿による損失は認められなかった。
【0047】
(3)結晶化精製工程
前記の還元沈殿後の液に、35重量%塩酸3000mlおよび63重量%硝酸350mlを添加し、80〜90℃で3時間加熱して酸化処理を行った。この後、この液に塩化カリウムを1050g添加し、液を冷却して結晶性沈殿を得た。濾過後、この結晶性沈殿を、15重量%塩酸、次いで、KCl飽和溶液で洗浄した。洗浄後の結晶の重量は、297gであった。得られた結晶の品位を表3に示す。なお、原料の濃縮物中の分析で検出できなかった元素も分析した。
【0048】
【表3】
【0049】
表3より、本発明の方法によって、白金族元素、及び他の不純物の含有量が少ない、イリジウムの高純度結晶(結晶純度99.92重量%以上)が得られることが分かる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のイリジウムの分離精製方法は、イリジウム以外のいずれの白金族元素、並びに他の随伴する元素が共存しても、イリジウムのみを選択的に分離し、精製することが出来るので、その工業的価値は大きい。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for separating and purifying iridium, and more specifically, when separating and purifying iridium from an aqueous solution containing iridium and accompanying elements, even if any platinum group element or other accompanying elements are present, The present invention relates to a method for selectively and reliably separating and purifying only iridium.
[0002]
[Prior art]
Iridium is used as a noble metal catalyst for decomposing waste gas from automobiles, insoluble metal electrodes having a coating layer containing a platinum group element oxide, a sputtering target material for semiconductor integrated circuits, and a crucible for melting high melting point materials. It is a valuable platinum group element industrial material.
[0003]
Platinum group elements are rare elements in terms of resources, and are rarely produced in natural minerals such as platinum ore, which contain platinum group elements at high quality.The raw materials for industrially produced platinum group elements are copper, The majority are from by-products from non-ferrous smelting such as nickel and cobalt, and various used waste catalysts such as automobile exhaust gas treatment catalysts.
[0004]
By-products from this nonferrous metal smelting include iridium, which is contained in trace amounts in smelting raw materials, and platinum-group elements such as platinum, palladium, rhodium, ruthenium, and osmium. Is concentrated in sulfide concentrates such as copper, nickel and the like and crude metals, and is further separated by a noble metal concentrate containing a platinum group element as a residue in a main metal recovery step such as electrolytic refining. In this concentrate, in addition to the main metals such as copper and nickel, other constituent elements such as noble metals such as gold and silver, group VI elements such as selenium and tellurium, and group V elements such as arsenic are compared with platinum group elements. Usually coexist at a high content. After that, the recovery of the platinum group element is performed through the recovery of gold and silver, but it is usually leached into the liquid once and then purified and separated by solvent extraction, ion exchange, etc., and recovered as a concentrate of the platinum group element Is done.
[0005]
Further, the concentrate of another platinum group element is a noble metal catalyst for decomposing the waste gas of the automobile or the like, an insoluble metal electrode having a coating layer containing a platinum group element oxide, a sputtering target material for a semiconductor integrated circuit, It is generated in the process of recycling platinum group element contents used as industrial materials such as high melting point melting crucibles.
[0006]
Concentrates of these platinum group elements are the main raw materials for the production of platinum group elements such as iridium.
Since the chemical properties of platinum group elements are very similar to each other, platinum group elements exist in a coexisting state even in nature, and their separation and purification are difficult.In particular, iridium is generally used. Separation cannot be achieved by simply applying the precipitation method, solvent extraction, and ion exchange method used for separation and purification of metals.
[0007]
As a solution to this, a method using a solvent extractant, an adsorbent, or the like has been proposed.
As a mutual separation method using a solvent extractant, a solution containing iridium is oxidized to a high potential at which iridium can exist as tetravalent, and then contact-mixed with tributyl phosphate (hereinafter, referred to as TBP) as a solvent extractant. And a method for extracting iridium (for example, see Non-Patent Document 1).
[0008]
Further, as a mutual separation method using an adsorbent, a method in which iridium in a solution is reduced to be trivalent to adjust the acidity of the solution, and then chitosan having a functional group of iminodiacetic acid is added to adsorb iridium (for example, , A method of passing a solution of a reduced feedstock through a glycol methacrylate chromatography medium (for example, see Patent Document 2), after oxidizing a liquid potential to a high potential at which iridium can exist in a tetravalent state, There is a method of adsorbing using a glycol methacrylate chromatography medium and eluting with a reducing agent (for example, see Patent Document 3).
[0009]
These methods may be effective when the coexisting platinum group elements are limited or when the content of iridium is overwhelmingly higher than other elements, but it can be used for ordinary platinum group element concentrates. Is problematic in its application because there are many coexisting platinum group elements and other accompanying elements. That is, in the solvent extraction method using TBP, it is a major premise that platinum, ruthenium, osmium, and palladium are completely separated in advance, and if these remain, they are extracted together with TBP and back-extracted. And cannot be separated even in the final crystallization. Therefore, it is difficult to obtain a commercially available iridium unless the remaining amounts of platinum, ruthenium, osmium and palladium before TBP extraction are strictly controlled.
[0010]
In addition, the method using chitosan requires the use of a large amount of chitosan, and the mutual separation from the platinum group element is insufficient. In addition, since the glycol methacrylate chromatographic medium is separated only as a mixture of three elements of iridium, rhodium, and ruthenium, adjustment of the oxidation-reduction potential is indispensable. Even when the oxidation-reduction potential is adjusted, a commercially available iridium compound cannot be obtained unless platinum, ruthenium, osmium, and palladium are completely separated in the previous step, as in the case of solvent extraction by TBP.
[0011]
[Non-patent document 1]
DS Flett, "International Precious Metals Institute Seminar", (UK), 1982, p. 145-168
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 2941073 (page 1)
[Patent Document 2]
JP-A-2002-303614 (Pages 1 and 2)
[Patent Document 3]
JP 2001-98335 A (pages 1 and 2)
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a method for separating and purifying iridium from an aqueous solution containing iridium and associated elements, in view of the above-mentioned problems of the related art, even if any platinum group element or other associated elements coexist. An object of the present invention is to provide a method for selectively and reliably separating and purifying only iridium.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies on a method for separating and purifying iridium in order to achieve the above object, and as a result, a specific reduction precipitation step and crystallization purification for an aqueous solution containing iridium and associated elements. When the present invention was applied in combination with the steps, it was found that only iridium could be selectively and reliably separated, and the present invention was completed.
[0014]
That is, according to the first aspect of the present invention, in a method for separating and purifying iridium from an aqueous solution containing iridium and associated elements, a standard monopolar potential (standard hydrogen electrode standard) of 0 to 0. A reduction precipitation step of adding a 5 V metal to cause a contact reaction to remove a precipitate formed, and crystallization purification of oxidizing the obtained mother liquor and then adding an alkali salt to separate iridium as a crystalline precipitate. A method for separating and purifying iridium, comprising the steps of:
[0015]
According to a second aspect of the present invention, there is provided the method for separating and purifying iridium according to the first aspect, wherein the reducing agent added in the reduction precipitation step is bismuth.
[0016]
According to a third aspect of the present invention, there is provided the method for separating and purifying iridium according to the first aspect, wherein a chloride ion concentration of the aqueous solution in the reduction precipitation step is 1 mol / l or more. .
[0017]
According to a fourth aspect of the present invention, in the first aspect, further, prior to the reduction precipitation step, a reducing agent other than a metal is added to carry out a reduction treatment in advance, whereby iridium is separated and purified. A method is provided.
[0018]
According to a fifth aspect of the present invention, in the first aspect, the oxidation-reduction potential (standard of silver / silver chloride electrode) in the oxidation treatment in the crystallization purification step is set to 700 mV or more. A method for separation and purification is provided.
[0019]
According to a sixth aspect of the present invention, there is provided the method for separating and purifying iridium according to the first aspect, wherein the oxidation treatment in the crystallization purification step is performed by adding nitric acid.
[0020]
According to a seventh aspect of the present invention, in the first aspect, the alkali salt added in the crystallization purification step is potassium ion, rubidium ion, cesium ion, francium ion, ammonium ion, organic ammonium ion, amine A method for separating and purifying iridium, which is a water-soluble compound containing at least one selected from a salt and a hydrazinium ion is provided.
[0021]
According to an eighth aspect of the present invention, there is provided the method for separating and purifying iridium according to the seventh aspect, wherein the water-soluble compound is potassium chloride or ammonium chloride.
[0022]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the method for separating and purifying iridium of the present invention will be described in detail.
In the method for separating and purifying iridium of the present invention, a metal having a standard monopolar potential (standard hydrogen electrode standard) of 0 to 0.5 V is added as a reducing agent to an aqueous solution containing iridium and an accompanying element, and a contact reaction is carried out. And a crystallization purification step of oxidizing the obtained mother liquor and then adding an alkali salt to separate iridium as a crystalline precipitate.
[0023]
(1) Aqueous solution containing iridium and associated elements The aqueous solution containing iridium and associated elements used in the present invention is not particularly limited. For example, platinum in the non-ferrous metal refining step or the recycling of industrial materials may be used. A solution obtained by dissolving a concentrate of a group element with a mineral acid is used. Usually, it is an aqueous solution dissolved using hydrochloric acid, a halogen type such as chlorine, and an oxidizing agent such as nitric acid. Further, an aqueous solution in which iridium is concentrated at a higher concentration, which is obtained by previously treating these aqueous solutions by a separation method such as a solvent extraction method or an adsorption method, is used.
[0024]
Here, as the platinum group element, at least one selected from the group consisting of platinum, palladium, rhodium, ruthenium, and osmium accompanies iridium. Further, the other accompanying elements are not particularly limited, for example, depending on the raw material source of the platinum group element concentrate, copper, nickel, cobalt, from the concentrate of non-ferrous metal refining, Examples include Group IV elements such as iron, zinc, gold, silver, tin, and lead; Group V elements such as arsenic, antimony, and bismuth; and Group VI elements such as selenium and tellurium.
[0025]
(2) Reduction Precipitation Step In the reduction precipitation step of the present invention, a metal having a standard monopolar potential (standard hydrogen electrode standard) of 0 to 0.5 V is added as a reducing agent to an aqueous solution containing iridium and accompanying elements, and the contact is performed. This is a step of reacting and reducing some of the accompanying elements to a metallic state to precipitate and separate.
This is because, among the platinum group elements, only iridium has a very high reduction resistance to a metal state, and therefore, a mild reduction precipitation reaction using a reducing agent having an appropriate reducing action, for example, a substitution precipitation (cementation) reaction In this method, a noble metal ion such as a platinum group element other than iridium, a noble metal element including gold, and silver, which is nobler than a reducing agent (substituting agent), is collectively reduced to perform substitution precipitation and separation.
[0026]
Here, the standard monopolar potential is an oxidation-reduction potential (equilibrium potential) in a state where the activity of ions in a solution in equilibrium with a pure metal at 25 ° C. is 1, and the standard hydrogen electrode is used as a reference. Use values. For example, the values are gold +1.5 V, platinum +1.2 V, silver +0.80 V, copper +0.34 V, arsenic +0.3 V, bismuth +0.23 V, antimony +0.2 V, and hydrogen 0 V.
[0027]
As the reducing agent of the present invention, a metal having a standard monopolar potential (standard hydrogen electrode standard) of 0 to 0.5 V is used. That is, when a metal having a standard monopolar potential (standard hydrogen electrode standard) of less than 0 V (minus), for example, iron, nickel, or the like is used, even iridium is replaced and precipitated, resulting in loss. Conversely, when a metal having a standard unipolar potential (standard hydrogen electrode standard) exceeding 0.5 V, such as tellurium or silver, is used, the substitution precipitation of ruthenium, which is relatively hard to be reduced among the platinum group elements, can hardly be performed. Also, the displacement precipitation of other platinum group elements becomes incomplete.
[0028]
Antimony, copper and bismuth can be used as the metal of the present invention having a standard monopolar potential (standard hydrogen electrode standard) of 0 to 0.5V. Among them, antimony is easily hydrolyzed due to a decrease in acid concentration. Further, when the concentration of hydrochloric acid is high, copper may be reduced to iridium because the oxidation-reduction potential of the solution at the end of the reaction decreases to less than 0 V. Therefore, bismuth, which is less likely to be hydrolyzed than antimony and has no fear of reducing iridium, is most preferred. When bismuth is used, the oxidation-reduction potential at the time of reduction reaches equilibrium in the vicinity of 50 to 350 mV with respect to the silver / silver chloride electrode. Since the substituted precipitate is easily separated from the bismuth surface, this powder can be separately dissolved and used as a raw material for recovering a noble metal such as a platinum group element, gold, and silver.
[0029]
However, since bismuth also hydrolyzes when the chloride concentration in the aqueous solution is low, when chloride is not contained in the aqueous solution, chloride such as hydrochloric acid should be added to obtain a chloride ion concentration of 1 mol / l or more. Is preferred.
[0030]
In the present invention, the use of a metal as a reducing agent is not particularly limited, and a reducing agent other than a metal can be used as long as the reducing conditions in this range can be maintained. In particular, a metal reducing agent is used because it is easy to maintain the delicate reduction conditions in this range by the substitution precipitation reaction with the metal, and the reproducibility is the highest.
[0031]
When an oxidizing agent coexists in the solution, it is preferable to preliminarily reduce the iridium with a weak reducing agent that does not reduce iridium to metal. As the weak reducing agent, a reducing agent other than a metal is preferable. For example, the reducing agent can be preliminarily reduced by adding a sulfite capable of supplying a sulfite ion to an aqueous solution. This is preferable in terms of cost because the amount of metal used as a replacement agent can be reduced.
[0032]
(3) Crystallization / Purification Step In the crystallization / purification step of the present invention, the filtrate (mother liquor) obtained after the separation of noble metals other than iridium obtained from the reduction precipitation step is subjected to an oxidation treatment, and then an iridium is added by adding an alkali salt. Is a step of separating as a crystalline precipitate. This is because, of all the elements, only the hexachloro complex containing a tetravalent platinum group element reacts with a specific alkali salt to form a salt that is hardly soluble in water, so that in the presence of accompanying elements such as impurities, This also leaves the accompanying element in the solution and selectively separates only iridium as a crystalline precipitate.
[0033]
The oxidation treatment of the mother liquor in the present invention is to increase the oxidation number of iridium to tetravalent. The oxidation-reduction potential of the aqueous solution after the oxidation treatment is 700 mV or more, more preferably 800 mV or more, with respect to the silver / silver chloride electrode. That is, when the voltage is less than 700 mV, a considerable portion of iridium is present in a trivalent state, so that crystallization is difficult and the yield is low even when a predetermined alkali chloride is added. Although there is no particular upper limit for the oxidation-reduction potential, when it exceeds 1000 mV, a very small part of lead becomes tetravalent, and crystals of the same shape as iridium may be formed and mixed.
[0034]
The oxidizing agent for this oxidation treatment is not particularly limited, and any type can be used as long as the oxidation-reduction potential can be maintained at a predetermined value. For example, chlorine, chlorate, chlorite, Chlorite, bromate, iodate and nitric acid are used. Among them, nitric acid which is a catalyst for promoting the formation of a chloro complex of a platinum group element is particularly preferable. Also, anodic oxidation by an electrolytic method can be performed without using a chemical.
[0035]
The alkali salt used for producing the crystalline precipitate of the present invention is not particularly limited as long as the solubility of the chloro complex salt of iridium can be reduced by a common ion effect. Ion, rubidium ion, cesium ion, alkali metal ion having an atomic number of 19 or more such as francium ion, ammonium ion having the same cation radius, cation of polyethylpolyamines such as diethylamine, or hydrazinium ion Particularly preferred are water-soluble compounds containing at least one of these, for example, chlorides and hydrochlorides thereof. When a sufficient concentration of chloride ion is already present in the solution, an alkali salt other than chloride can be used.
Among these, potassium chloride and ammonium chloride are particularly preferred industrially from the viewpoints of cost, ease of treating waste liquid, and the like.
[0036]
The amount of the alkali salt added is not particularly limited. That is, the higher the concentration of the alkali salt, the lower the solubility of the chloro complex salt of iridium can be reduced by the common ion effect.
[0037]
By the above method of the present invention, an iridium crystal (K 2 IrCl 6 ) having a purity of about 99.9% by weight can be obtained. Further, the crystals are neutralized and dried by heating to obtain iridium oxide IrO 2 . Further, by heating this oxide to about 700 ° C. in a hydrogen stream, metal iridium can be obtained.
[0038]
Further, the aqueous solution is treated in advance by a separation method such as a solvent extraction method or an adsorption method, and the method of the present invention can be carried out using an aqueous solution in which iridium is concentrated at a higher concentration. For example, when using a back-extraction solution of a solvent extraction method using TBP, which is a known method for purifying iridium, even if the concentration of a platinum group element other than iridium before solvent extraction by TBP is high, the present invention The method can reliably separate and purify iridium from them.
[0039]
On the other hand, when the iridium concentration of the raw material is low, and when rhodium and other accompanying metals are particularly present in a large excess, the solvent extraction method using TBP and the method of the present invention are combined to perform the reverse extraction of the solvent extraction method. By adjusting the phase ratio (organic phase / aqueous phase) to obtain a back extraction product solution in which iridium is highly concentrated, and using this aqueous solution in the method of the present invention, the capacity of the equipment after the reduction precipitation step is reduced. In addition, rhodium is separated as an extraction residue by TBP, so that it is recovered early, and the effect of reducing the load of the platinum group element is greatly reduced.
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples of the present invention. However, the present invention is not limited to these Examples. The analysis method in the examples was performed by ICP emission spectrometry.
[0041]
(Example 1)
As a raw material, a concentrate of a platinum group element in a hydroxide form shown in Table 1 was used.
[0042]
[Table 1]
[0043]
(1) Preparation of stock solution 1150 g of the concentrate was dissolved in 4000 ml of 35% by weight hydrochloric acid and 200 ml of 63% by weight nitric acid, and heated to 80 ° C. to prepare a stock solution. .
[0044]
(2) Reduction Precipitation Step Then, while maintaining the temperature of this solution (80 ° C.), sodium sulfite was added to perform a preliminary reduction. 632 g of sodium sulfite was consumed, at which time the oxidation-reduction potential (silver / silver chloride electrode standard, omitted hereafter) dropped from 1050 mV to 585 mV. Further, while maintaining the temperature of the solution (80 ° C.), 600 g of granular bismuth (approximately 2 mm in diameter) was charged, and mixed until the oxidation-reduction potential of the solution became a constant value to effect reduction precipitation. At this time, the oxidation-reduction potential finally dropped to 241 mV. The liquid volume had been reduced to 4000 ml. Table 2 shows the liquid composition after the reductive precipitation.
[0045]
[Table 2]
[0046]
From Table 2, it can be seen that the platinum group elements other than iridium in the solution have been reduced to 1 mg / l or less, and have been substituted and precipitated. No loss due to reduction precipitation of iridium was observed.
[0047]
(3) Crystallization / Purification Step To the liquid after the above-described reduction precipitation, 3000 ml of 35% by weight hydrochloric acid and 350 ml of 63% by weight nitric acid were added, and the mixture was heated at 80 to 90 ° C. for 3 hours to perform an oxidation treatment. Thereafter, 1050 g of potassium chloride was added to the liquid, and the liquid was cooled to obtain a crystalline precipitate. After filtration, the crystalline precipitate was washed with 15% by weight hydrochloric acid and then with a saturated solution of KCl. The weight of the crystals after washing was 297 g. Table 3 shows the quality of the obtained crystals. Note that elements that could not be detected in the analysis of the concentrate of the raw material were also analyzed.
[0048]
[Table 3]
[0049]
Table 3 shows that the method of the present invention can provide high-purity iridium crystals (having a crystal purity of 99.92% by weight or more) with a low content of platinum group elements and other impurities.
[0050]
【The invention's effect】
As described above, the method for separating and purifying iridium of the present invention can selectively separate and purify only iridium even if any platinum group element other than iridium and other accompanying elements coexist. Its industrial value is great because it can.
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