JP2004189661A - Antimicrobial polymerizable composition for dentistry - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、抗菌性歯科用重合性組成物および抗菌性歯科用組成物に関する。さらに詳しくは、歯科用コンポジットレジン、義歯床用レジン、歯科用コート材、歯科用プライマー、歯科用接着剤,歯科用レジンセメント等の、口腔内において使用される抗菌性歯科用重合性組成物および抗菌性歯科用組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
歯科における代表的な疾患はカリエス(う蝕)と歯周病である。
カリエスは、Streptococcus mutansに代表される口腔内微生物が産生する酸によって歯牙組織が溶解されることにより、また、歯周病は、Porphyromonas gingivalis等の口腔内微生物が産生するエンドトキシンによって歯周組織が崩壊されることによって発症する。
【0003】
このように、口腔内の疾患はその大部分が口腔内に存在する微生物によって引き起こされる。したがって、いずれの疾患の予防にも、これらの口腔内微生物による歯質表面でのプラーク形成を防ぐこと、あるいは形成されたプラークを除去することが重要であり、このために歯磨きの励行が勧められている。
また、レジン材料やコンポジットレジン等の歯科用材料でカリエス部分の充填修復や補綴処置(たとえば義歯)を行った場合にも、これらの材料の表面は微生物の付着に基づくプラークが形成されやすいことから、二次カリエスや歯周病の防止にプラークの除去が重要とされている。
【0004】
しかしながら、特に高齢者においては加齢に伴う体力の減退などによってブラッシングによるプラーク除去が難しくなっていることも事実である。
レジン材料の研究においては、材料表面に抗菌性を付与する目的で、レジン材料中に抗菌性金属イオンを配合する試みが行われている。しかしながら、この抗菌性は抗菌性金属イオンの溶出による効果と考えられており、抗菌性金属イオンがすべて溶出したあとは、抗菌性が失われるという問題点を有している。
【0005】
歯科材料の分野においても、従来技術として抗菌性銀イオン等を配合したガラスフィラーやゼオライト、ハイドロキシアパタイトなどを配合した歯科材料が開示されているが(特許文献1参照)、これらの抗菌性もすべて銀イオンの溶出による抗菌性であり、その効果の持続性は恒久的なものではない。
本発明者らは、このような状況に鑑みて、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、その硬化物が抗菌効果を恒久的に持続することが可能な歯科用重合性組成物を見いだした。さらには、同様な効果を発揮する抗菌性ポリマーを含有する抗菌性歯科用組成物を見いだした。
【0006】
【特許文献1】
特開平1−238508号公報
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、その硬化物が恒久的に抗菌効果を持続しうる抗菌性歯科用重合性組成物を提供することにある。
さらには、同様な効果を発揮する抗菌性ポリマーを含有する抗菌性歯科用組成物を提供することにある。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る抗菌性歯科用重合性組成物は、下記式Iで示される、10−ウンデセノキシ基およびエトキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)ならびに重合開始剤(D)を含有することを特徴としている。
【0009】
【化2】
【0010】
(mは3〜18の整数、Rは水素原子、メチル基を表す)
本発明に係る抗菌性歯科用重合性組成物は、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)を0.1〜50重量%の量で含有することが好ましく、さらに他の重合性単量体(B)を含有することが好ましい。
また、本発明に係る抗菌性歯科用組成物は、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)の重合体(C)を含有することを特徴としている。
【0011】
前記抗菌性歯科用組成物では、前記重合体(C)を1〜60重量%の量で含有することが好ましい。
本発明に係る抗菌性歯科用組成物では、前記重合体(C)は、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)から誘導される構成単位を1〜70重量%の量で含有することが望ましい。
【0012】
さらに、本発明に係る抗菌性歯科用重合性組成物においては、前記重合体(C)および他の重合性単量体(B)を含有することも好ましい。
【0013】
【発明の具体的説明】
本発明は、上記式Iで示される10−ウンデセノキシ基およびエトキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)ならびに重合開始剤(D)を含有する抗菌性歯科用重合性組成物である。
さらに、本発明は、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)の重合体(C)を含有する抗菌性歯科用組成物である。
【0014】
以下、本発明について具体的に説明する。
<10−ウンデセノキシ基およびエトキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)>
本発明において、上記式Iに記載の(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)は、例えば、ウンデセノールと(メタ)アクリル酸、エチレンオキシドとの反応により製造することができる。
【0015】
ウンデセノールは、ひまし油の熱分解から得られるウンデシレン酸を還元して得られるので、前記式Iに記載の化合物(A)は地球環境に対する負荷が小さく、また炭素、酸素、水素から構成されているので安全性が高く、歯科用抗菌剤として優れた性能を有している。なお、ウンデセノールの酸化物であるウンデシレン酸は白癬菌などの糸状真菌類に対する効果が古くから認められ、医薬品として登録されているほか、化粧品材料(防腐殺菌剤)としても利用されているものである。
【0016】
式Iにおいて、mは3〜18の整数、Rは水素原子、メチル基を表すが、mは6〜15が好ましい。
前記式Iで示されるこの化合物(A)は、10−ウンデセノキシ基を抗菌性部位として構造中に保持しており、これを含有する歯科用重合性組成物の硬化物はこの抗菌性部位が固定化され、溶出することがないことから、恒久的な抗菌活性を有することが期待できる。
【0017】
本発明の抗菌性歯科用重合性組成物において、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)は、該重合性組成物全量に対して0.1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%の量で含有させることができる。0.1重量%未満においては抗菌活性が充分でなく、50重量%を越えると歯科用重合性組成物としての機械的強度、接着性に影響を及ぼす場合があるからである。
【0018】
<他の重合性単量体(B)>
本発明に用いられる他の重合性単量体(B)は、抗菌性歯科用重合性組成物の重合性成分として、また重合体(C)を構成する共重合成分としても用いられ、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)と共重合するものが好ましく、特に制限はないが、ラジカル重合性単量体を挙げることができる。
【0019】
ラジカル重合性単量体としては、例えばブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン単量体類;スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレンなどの芳香族ビニル単量体類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体類;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデンなどのハロゲン化ビニルおよびビニリデン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;以下に挙げる(メタ)アクリル酸(以下、アクリル酸とメタクリル酸の総称としてこのように記載する)エステル類;1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する重合性単量体;1分子中に少なくとも1個のリン酸基ないしはスルホン基を有する重合性単量体などを挙げることができる。これらの単量体は(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)とともに単独であるいは2種以上併用して重合に用いられる。
【0020】
前記重合性単量体(B)として用いることができる上記(メタ)アクリル酸エステル類としては、具体的に(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸のn−またはi−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸のn−またはi−またはt−ブチルエステルで代表される直鎖またはC1〜C4アルキルを持つ分岐アルキル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。さらに、例えば(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、メチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2または3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2または3−メトキシプロピル、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシペンタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの脂肪族エステル類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキプロピル(メタ)アクリレート、メチロール(メタ)アクリルアミドなどの単官能(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリル酸アミド類1モルのビスフェノールAと2モルのグリシジル(メタ)アクリレートの付加物などの水酸基含有の(メタ)アクリレート類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類;プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
上記のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類のどちらか一方の(メタ)アクリロイル基がメチル基およびエチル基などに置換されたモノ(メタ)アクリレート類;
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートまたは2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートまたは1,3,5−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加物などのウレタン結合を有する(メタ)アクリレート類;ビスフェノールAにオキシエチレンを付加させた生成物にさらに(メタ)アクリル酸を縮合させた2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン類などを挙げることができる。
【0021】
また、1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する重合性単量体としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびテトラカルボン酸またはこれらの誘導体を挙げることができる。例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、p−ビニル安息香酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸(MAC−10)、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルピロメリット酸、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸およびその無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリット酸およびその無水物、4−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ]ブチルトリメリット酸およびその無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、N,O−ジ(メタ)アクリロイルオキシチロシン、O−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシチロシン、N−(メタ)アクリロイルオキシフェニルアラニン、N−(メタ)アクリロイルp−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−O−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル5−アミノサリチル酸、N−(メタ)アクリロイル4−アミノサリチル酸、2または3または4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとピロメリット酸二無水物の付加生成物(PMDM)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと無水マレイン酸または3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)または3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の付加反応物、2−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、N−フェニルグリシンまたはN−トリルグリシンとグリシジル(メタ)アクリレートとの付加物、4−[(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸、3または4−[N−メチルN−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アミノ]フタル酸などを挙げることができる。
【0022】
さらに、1分子中に少なくとも1個のリン酸基ないしはスルホン基を有する重合性単量体としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシドホスフェート、2および3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシドホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルアシドホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルアシドホスフェート、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェート、12−(メタ)アクリロイルオキシドデシルアシドホスフェート、ビス{2−(メタ)アクリロイルオキシエチル}アシドホスフェート、ビス{2または3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル}アシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルp−メトキシフェニルアシドホスフェートなどを挙げることができる。なお、これらの化合物におけるリン酸基は、チオリン酸基に置き換えることができる。このうち、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェート、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2または1−スルホ−1または2−プロピル(メタ)アクリレート、1または3−スルホ−2−ブチル(メタ)アクリレート、3−ブロモ−2−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシ−1−スルホ−2−プロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2−スルホエチル(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができる。
【0023】
前記重合性単量体(B)は、本発明の抗菌性歯科用重合性組成物全量に対して1〜99.9重量%、好ましくは5〜99重量%の量で含有させることができる。
なお、前記重合性単量体(B)は、前記10−ウンデセノキシ基およびエトキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)と重合性単量体(B)との合計を100重量部とした場合には、30〜99.9重量部、好ましくは40〜95重量部の量で抗菌性歯科用重合性組成物に含有されることが望ましい。
【0024】
<重合体(C)>
本発明の抗菌性歯科用組成物では、前記式Iで示される(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)に代えて、もしくは(A)と併用して、
前記式Iで示される(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)の重合体(C)を含有させることができる。
【0025】
この場合、該重合体(C)は、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)から誘導される構成単位を100重量%有するホモポリマーであってもよいし、他の重合性単量体(B)との共重合体(コポリマー)であっても良い。共重合体の場合、(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)から誘導される構成単位を1〜70重量%、好ましくは10〜50重量%の量で含有することが好ましい。
【0026】
また、重合体(C)はオリゴマーまたはポリマーであり、その数平均分子量は通常2000〜50万である。
このような重合体(C)は、本発明の抗菌性歯科用組成物全量に対し、1〜60重量%、好ましくは2〜50重量%の量で含有させることができる。
1重量%未満においては抗菌活性が充分でなく、60重量%を越えると歯科用重合性組成物としての機械的強度、接着性に影響を及ぼす場合があるからである。
【0027】
<重合開始剤(D)>
本発明では、前記抗菌性歯科用重合性組成物を得るため、あるいは、前記重合体(C)を得るために、重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤としては、歯科用材料や外科用材料に適用できる重合開始剤、硬化剤および促進剤などを挙げることができる。特に以下に記載する少なくとも1種含有することが望ましく、使用状況に合わせて組み合わせて使用できる。
【0028】
このような重合開始剤としては、重合性単量体をラジカル重合できる重合開始剤を挙げることができ、たとえば、ジアセチルペルオキシド、ジプロピルペルオキシド、ジブチルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、過酸化ベンゾイル(BPO)、p,p’−ジクロルベンゾイルペルオキシド、p.p’−ジメトキシベンゾイルペルオキシド、p,p’−ジメチルベンゾイルペルオキシド、p,p’−ジニトロジベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物、トリアルキルボランもしくはトリアルキルボランの部分酸化物のなど有機ホウ素化合物を例示することができる。
【0029】
また、紫外光線もしくは可視光線を照射することによって重合することもできる。かかる光重合の際に使用できる重合開始剤に特に制限はないが、例えばベンジル、4,4’−ジクロロベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、9,10−アントラキノン、ジアセチル、d,l−カンファキノン(CQ)などの紫外線または可視光線増感剤が挙げられる。
【0030】
前記重合開始剤(D)は、全重合性単量体100重量部(たとえば前記(メタ)アクリル酸エステル化合物(A)単独、あるいは該エステル化合物(A)および他の重合性単量体(B)との合計)に対して、通常0.01〜20重量部の量で含有される。
なお、重合開始剤(D)として、有機過酸化物もしくは光重合開始剤を使用する場合には、還元性化合物を併用することができる。
【0031】
ここで、有機還元性化合物として、例えばN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン(DMPT)、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジエタノール−p−トルイジン(DEPT)、N,N−ジメチルp−tert−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニシジン、N,N−ジメチル−p−クロルアニリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステル、N,N−ジエチルアミノ安息香酸(DEABA)およびそのアルキルエステル、N,N−ジメチルアミノベンツアルデヒド(DMABAd)などの芳香族アミン類;N−フェニルグリシン(NPG)、N−トリルグリシン(NTG)、N,N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニルグリシン(NPG−GMA)などのアミン類を併用することができる。これらの中では、DMPT、DEPT、DEABA、DMABAd、NPG、NTGが好ましく使用できる。また、ベンゼンスルフィン酸、o−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチルベンゼンスルフィン酸、デシルベンゼンスルフィン酸、ドデシルベンゼンスルフィン酸、クロルベンゼンスルフィン酸、ナフタリンスルフィン酸などの芳香族スルフィン酸またはその塩、芳香族スルフィン酸のチオールエステルまたは芳香族スルフィン酸アミド類を併用することもできる。
【0032】
<その他の成分>
《フィラー》
また、本発明における重合性組成物を得るためには、所望により、フィラーを含有させることができる。フィラーとしては、従来から使用されている有機フィラー、無機フィラーまたは両者を含む有機質複合フィラーを挙げることができる。従来から使用されている溶解性の高分子量重合体、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートの単独重合体またはこれらの重合体、またはこれらに架橋剤として5%以下のエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを共重合させた重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピレングリコール(PPG)、ポリビニルアルコール(PVA)などを挙げることができる。
【0033】
無機フィラーとしては、例えば無定形シリカ、アルミナ、石英、アルミナ石英、シリカ−アルミナ化合物、シリカ−ジルコニア化合物、シリカ−チタニア化合物、酸化チタン、ガラス(バリウムガラスを含む)、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、雲母、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイトなどを挙げることができる。これらの無機フィラーはあらかじめシランカップリング剤やチタネートカップリング剤などで表面処理されていてもよい。
【0034】
また、有機質複合フィラーとしては、前述した無機質フィラー表面を重合性単量体で重合して被覆した後、粉砕して得られるフィラーを挙げることができる。具体的には、無機質フィラーのうち、微粉末シリカをトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPT)を主成分とする重合性単量体で重合被覆し、得られた重合体を粉砕したフィラー(TMPT・f)を挙げることができる。また、PMMAを溶解したアセトンなどの溶液にシリカや酸化ジルコニウムなどの無機フィラーを加えて分散し、溶媒を留去して乾燥した後に粉砕することによって得られるフィラーを挙げることができる。
【0035】
これらのフィラーの平均粒径は0.1〜100μmの範囲にあるのが好ましく、使用に当たっては異なる粒径のフィラーを混合して用いることがさらに好ましい。
フィラーの含有量は用途によって異なるが、前記化合物(A)と他の重合性単量体(B)との合計量100重量部に対して、通常10〜600重量部である。
【0036】
《溶剤》
さらに、本発明の抗菌性歯科用重合性組成物には水および/またはアセトン、エタノールなどの水溶性有機溶剤を5〜95重量%の量で含有させることができる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の記載で、AL−8G(新中村化学工業(株)製)は、10−ウンデセノキシ基およびエトキシ基を有するアクリル酸エステルである下記式IIの化合物を意味する。ML−12G(新中村化学工業(株)製)は、10−ウンデセノキシ基およびエトキシ基を有するメタクリル酸エステルである下記式IIIの化合物を意味する。
【0038】
【化3】
【0039】
【化4】
【0040】
【実施例1】
AL−8G 15重量部、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物(4−META)5重量部、メチルメタクリレート(MMA)80重量部のモノマー液を調製し、下記の方法で、象牙質、金属の接着強度を測定した。
結果を表1に示す。
【0041】
<象牙質接着強度の測定>
▲1▼牛下額前歯を注水下#1000の耐水研磨紙で平坦な接着用象牙質面を削りだす。
▲2▼削りだした象牙質接着面を象牙質表面処理材グリーン(クエン酸と塩化第二鉄)を主成分とする象牙質用の歯科用表面処理剤、サンメディカル(株)製)で処理し、水洗、乾燥した後、直径4.8mmの両面テープで接着面積を規定する。
【0042】
▲3▼混合皿に所定組成のモノマー液を約0.09gとり、スーパーボンドキャタリスト(部分酸化トリブチルホウ素、サンメディカル(株)製)約0.007g(モノマー液100重量部に対して7.8重量部)を滴下し、接着用筆で液を混合採取し、直ちにPMMA重合体粒子(ポリメチルメタクリレート粒子;平均粒子径約30μm、商品名;スーパーボンドポリマー粉末クリア、サンメディカル(株)製)に付け、混合液/粉材の玉を作り、接着歯面に塗布する。続いて、接着ロッドを圧接して植立する。
【0043】
▲4▼上記接着したサンプルを37℃、湿度100%の恒温槽に入れ、24時間経過した後、引張接着強度を測定する。
<金属接着強度の測定>
▲1▼1cm角、厚さ約2mmの金銀パラジウム合金板をサンドブラスド、洗浄、乾燥した後、直径4.8mmの両面テープで接着面積を規定する。
【0044】
▲2▼金属表面処理剤V−プライマー(サンメディカル(株)製)で処理する。
▲3▼上記象牙質接着強度の測定の▲3▼と同様な操作を行う。
▲4▼上記接着したサンプルを37℃、湿度100%の恒温槽に入れ、20時間経過した後、5℃/55℃のサーマルサイクル試験機に移し、サーマルサイクル5000回かけた後、引張接着強度を測定する。
【0045】
【実施例2】
実施例1において、AL−8Gの代わりにML−12Gを使用した他は、実施例1と同様にして象牙質、金属への接着強度を測定した。
結果を表1にまとめて示す。
【0046】
【実施例3】
AL−8G 15重量部、11−メタクリロイルオキシ−1,11−ウンデカンジカルボン酸 (MAC−20)7重量部、メチルメタクリレート(MMA)57重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)8重量部、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン(2.6E)7重量部、N,N−ジメチル−p−トルイジン(DMPT)2重量部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAMA)4重量部のモノマー液を調製し、
下記の方法で、象牙質、金属の接着強度を測定した。
【0047】
結果を表1に示す。
<象牙質接着強度の測定>
▲1▼牛下額前歯を注水下#1000の耐水研磨紙で平坦な接着用象牙質面を削りだす。
▲2▼削りだした象牙質接着面を象牙質表面処理材〔テトラフェニルホウ素トリエタノールアミン塩(TPBTEA)2重量部、2−メタクリロイルオキシエチルアシドホスフェート(PM1)、5重量部、ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシドホスフェート(PM2)7重量部、エタノール36重量部、精製水50重量部〕で塗布し、30秒経過した後、塗布面をエアーブローして、乾燥した後、直径4.8mmの両面テープで接着面積を規定する。
【0048】
▲3▼混合皿に所定組成のモノマー液を約0.05gとり、接着用筆で液を混合採取し、直ちにポリマーパウダー(ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒子径約30μm)99重量部、過酸化ベンゾイル1重量部の混合物)に付け、混合液/粉材の玉を作り、接着歯面に塗布する。続いて、接着ロッドを圧接して植立する。
【0049】
▲4▼上記接着したサンプルを37℃、湿度100%の恒温槽に入れ、24時間経過した後、引張接着強度を測定する。
<金属接着強度の測定>
▲1▼1cm角、厚さ約2mmの金銀パラジウム合金板をサンドブラスド、洗浄、乾燥した後、直径4.8mmの両面テープで接着面積を規定する。
【0050】
▲2▼金属表面処理剤V−プライマー(サンメディカル(株)製)で処理する。
▲3▼上記象牙質接着強度の測定の▲3▼と同様な操作を行う。
▲4▼上記接着したサンプルを37℃、湿度100%の恒温槽に入れ、20時間経過した後、5℃/55℃のサーマルサイクル試験機に移し、サーマルサイクル5000回かけた後、引張接着強度を測定する。
【0051】
【実施例4】
実施例3において、AL−8Gの代わりにML−12Gを使用した他は、実施例3と同様にして象牙質、金属への接着強度を測定した。
結果を表1にまとめて示す。
【0052】
【実施例5】
AL−8G 10重量部、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物(4−META)15重量部、ウレタンジメタクリレート(UDMA)15重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)2重量部、カンファキノン(CQ)0.2重量部、アセトン40重量部、精製水17.4重量部、N−フェニルグリシンナトリウム0.3重量部、スルフィン酸ナトリウム塩0.3重量の接着材液を調製し、下記の方法で象牙質への接着強度を測定した。
【0053】
結果を表1に示す。
<象牙質接着強度の測定>
▲1▼牛下額前歯を注水下#1000の耐水研磨紙で平坦な接着用象牙質面を削りだす。
▲2▼削りだした象牙質接着面を直径4.8mmの両面テープで接着面積を規定する。接着面に上記調整した接着材液を塗布し、30秒経過した後、塗布面をエアーブローして、乾燥した後、ハロゲン光重合照射器で10秒間照射して硬化させる。
【0054】
▲3▼硬化した接着材面に歯科用コンポジットレジン(メタフィルC、サンメディカル社製)を1mmの厚さで充填し、光硬化させる。
▲4▼硬化させたコンポジットレジンに接着レジンでアクリルロッドを接着し、37℃、湿度100%の恒温槽に入れ、24時間経過した後、引張接着強度を測定する。
【0055】
【実施例6】
実施例5において、AL−8Gの代わりにML−12Gを使用した他は、実施例5と同様にして象牙質への接着強度を測定した。
結果を表1にまとめて示す。
【0056】
【比較例1】
実施例1において、AL−8Gの代わりにMMAを使用した他は、実施例1と同様にして象牙質、金属への接着強度を測定した。
結果を表1にまとめて示す。
【0057】
【比較例2】
実施例3において、AL−8Gの代わりにMMAを使用した他は、実施例3と同様にして象牙質、金属への接着強度を測定した。
結果を表1にまとめて示す。
【0058】
【比較例3】
実施例5において、AL−8Gの代わりにMMAを使用した他は、実施例5と同様にして象牙質への接着強度を測定した。
結果を表1にまとめて示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【実施例7】歯科床用材料(JIS規格第2種レジン)としての評価
メチルメタクリレート90重量部とAL−8G 10重量部の混合物に、過酸化ベンゾイル0.5重量部を溶解した重合性組成物を液材とし、重量平均分子量約70万、平均粒子径75マイクロメートルのポリメチルメタクリレートを粉材とした。
【0061】
この液材1ミリリットルに粉材1.5グラムの割合で、液材と粉材とを気泡を巻き込まないように混合し、ペースト状にした後、70℃の熱水中で1時間、次いで沸騰水中で1時間加熱して、硬化した試料を作製し、JIS T6501(1993)の記載の方法に従って、吸水量、溶解量、曲げたわみを測定した。
結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
【実施例8】歯科床用材料(JIS規格第2種レジン)としての評価
メチルメタクリレート92重量部とML−12G 8重量部の混合物に、N,N−ジメチル−p−トルイジン1重量部を溶解した重合性組成物を液材とし、重量平均分子量約70万、平均粒子径75マイクロメートルのポリメチルメタクリレート100重量部に過酸化ベンゾイル1重量部を加えたものを粉材とした。
【0064】
この液材1ミリリットルに粉材1.5グラムの割合で、液材と粉材とを気泡を巻き込まないように混合し、ペースト状にした後、室温(25℃)にて1時間放置して硬化した試料を作製し、JIS T6501(1993)の記載の方法に従って、吸水量、溶解量、曲げたわみを測定した。
結果を表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
【実施例9】歯科用コンポジットレジンとしての評価
Bis−GMA(新中村化学工業(株)製D−GMA)65重量部、トリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステル3G)25重量部、ML−12G10重量部、カンファーキノン(Aldlich社製)0.1重量部、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(東京化成工業(株)製)0.1重量部を混合し、良く攪拌して均一な可視光硬化性重合性組成物シロップとした。
【0067】
この可視光硬化性重合性組成物シロップ25重量部に、常法によってシランで表面処理したバリウム含有アルミノ珪酸塩ガラス(平均粒径約1.5ミクロン、屈折率1.55、ガラス100重量部に対してシラン1重量部で表面処理)75重量部を混合し、均一なペーストとした。
このペーストを用いてISO4049:2000の7.11項の方法で曲げ試験片の作製および曲げ物性の評価を行った。このとき、可視光線は歯科用可視光線照射器(クルツァー社製Translux CL)を用いて試験片の両面より30秒ずつ照射した。試験片は5個作製し、曲げ強さの平均値を得た。
【0068】
結果を表4に示す。
【0069】
【表4】
【0070】
表2〜3より、実施例7および8の材料はJIS T 6514(1993)規格を満たし、表4により実施例9の材料はISO 4049(2000)規格を満たすことを確認できた。
【0071】
【発明の効果】
本発明の抗菌性歯科用重合性組成物および抗菌性歯科用組成物によれば、恒久的に抗菌活性を持続しうる歯科材料が与えられる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an antibacterial polymerizable dental composition and an antibacterial dental composition. More specifically, an antibacterial dental polymerizable composition used in the oral cavity, such as a dental composite resin, a denture base resin, a dental coating material, a dental primer, a dental adhesive, a dental resin cement, and the like; The present invention relates to an antibacterial dental composition.
[0002]
TECHNICAL BACKGROUND OF THE INVENTION
Representative diseases in dentistry are caries (caries) and periodontal disease.
Caries is caused by the dissolution of tooth tissue by the acid produced by oral microorganisms represented by Streptococcus mutans, and periodontal disease is caused by the collapse of periodontal tissue by endotoxin produced by oral microorganisms such as Porphyromonas gingivalis. It is caused by being done.
[0003]
Thus, diseases in the oral cavity are mostly caused by microorganisms present in the oral cavity. Therefore, in preventing any disease, it is important to prevent plaque formation on the tooth surface by these oral microorganisms or to remove the formed plaque. ing.
Also, when a dental material such as a resin material or a composite resin is used for filling and restoring a caries portion or performing a prosthetic treatment (for example, a denture), the surface of these materials is liable to form plaque based on the attachment of microorganisms. It is important to remove plaque to prevent secondary caries and periodontal disease.
[0004]
However, it is also a fact that it is difficult to remove plaque by brushing, especially in the elderly, due to deterioration of physical strength with aging and the like.
In the study of resin materials, attempts have been made to mix antibacterial metal ions into the resin material in order to impart antibacterial properties to the material surface. However, this antibacterial property is considered to be an effect due to elution of antibacterial metal ions, and there is a problem that the antibacterial properties are lost after all of the antibacterial metal ions are eluted.
[0005]
In the field of dental materials, a glass filler containing antibacterial silver ions and the like, a dental material containing zeolite, hydroxyapatite and the like are disclosed as a conventional technique (see Patent Document 1), but all of these antibacterial properties are disclosed. It is antibacterial due to elution of silver ions, and its effect is not permanent.
In view of such circumstances, the present inventors have conducted intensive studies to solve the above-described problems, and as a result, have found a dental polymerizable composition whose cured product can permanently maintain an antibacterial effect. . Furthermore, an antibacterial dental composition containing an antibacterial polymer having the same effect has been found.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-1-238508
[0007]
[Object of the invention]
An object of the present invention is to provide an antibacterial dental polymerizable composition whose cured product can permanently maintain an antibacterial effect.
It is still another object of the present invention to provide an antibacterial dental composition containing an antibacterial polymer having the same effect.
[0008]
Summary of the Invention
The antibacterial dental polymerizable composition according to the present invention contains a (meth) acrylate compound (A) having a 10-undecenoxy group and an ethoxy group represented by the following formula I, and a polymerization initiator (D). It is characterized by:
[0009]
Embedded image
[0010]
(M represents an integer of 3 to 18, R represents a hydrogen atom or a methyl group)
The antibacterial dental polymerizable composition according to the present invention preferably contains the (meth) acrylate compound (A) in an amount of 0.1 to 50% by weight, and further includes another polymerizable monomer. It is preferable to contain (B).
Moreover, the antibacterial dental composition according to the present invention is characterized by containing the polymer (C) of the (meth) acrylate compound (A).
[0011]
The antibacterial dental composition preferably contains the polymer (C) in an amount of 1 to 60% by weight.
In the antibacterial dental composition according to the present invention, the polymer (C) may contain a structural unit derived from the (meth) acrylate compound (A) in an amount of 1 to 70% by weight. desirable.
[0012]
Further, the antibacterial dental polymerizable composition according to the present invention preferably also contains the polymer (C) and another polymerizable monomer (B).
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is an antibacterial dental polymerizable composition containing a (meth) acrylate compound (A) having a 10-undecenoxy group and an ethoxy group represented by the above formula I and a polymerization initiator (D).
Further, the present invention is an antibacterial dental composition containing the polymer (C) of the (meth) acrylate compound (A).
[0014]
Hereinafter, the present invention will be described specifically.
<(Meth) acrylic ester compound (A) having 10-undecenoxy group and ethoxy group>
In the present invention, the (meth) acrylate compound (A) described in the above formula I can be produced, for example, by reacting undecenol with (meth) acrylic acid and ethylene oxide.
[0015]
Since undecenol is obtained by reducing undecylenic acid obtained from the thermal decomposition of castor oil, the compound (A) described in the above formula I has a small load on the global environment and is composed of carbon, oxygen and hydrogen. It is highly safe and has excellent performance as a dental antibacterial agent. Undecylenic acid, an oxide of undecenol, has long been recognized for its effect on filamentous fungi such as Trichophyton, and has been registered as a pharmaceutical and also used as a cosmetic material (antiseptic / fungicide). .
[0016]
In Formula I, m represents an integer of 3 to 18, R represents a hydrogen atom or a methyl group, and m is preferably 6 to 15.
The compound (A) represented by the formula I has a 10-undecenoxy group as an antimicrobial site in the structure, and a cured product of a dental polymerizable composition containing the compound has the antimicrobial site fixed. It is expected to have a permanent antibacterial activity since it is converted and does not elute.
[0017]
In the antibacterial dental polymerizable composition of the present invention, the (meth) acrylate compound (A) is 0.1 to 50% by weight, preferably 1 to 40% by weight based on the total amount of the polymerizable composition. In an amount of If the amount is less than 0.1% by weight, the antibacterial activity is not sufficient. If the amount exceeds 50% by weight, the mechanical strength and adhesiveness of the dental polymerizable composition may be affected.
[0018]
<Other polymerizable monomer (B)>
The other polymerizable monomer (B) used in the present invention is used as a polymerizable component of the antibacterial polymerizable dental composition and also as a copolymerizable component constituting the polymer (C). Those which copolymerize with the (meth) acrylic acid ester compound (A) are preferable, and there is no particular limitation, and examples thereof include radically polymerizable monomers.
[0019]
Examples of the radical polymerizable monomer include conjugated diene monomers such as butadiene and isoprene; aromatic vinyl monomers such as styrene, α-methylstyrene, and chlorostyrene; cyanide such as acrylonitrile and methacrylonitrile. Vinyl monomers; vinyl halides and vinylidenes, such as vinyl chloride, vinyl bromide, vinylidene chloride, and vinylidene bromide; vinyl esters, such as vinyl acetate and vinyl propionate; , An acrylic acid and a methacrylic acid; a polymerizable monomer having at least one carboxyl group per molecule; at least one phosphoric acid group or sulfone group per molecule And the like. These monomers are used alone or in combination of two or more kinds with the (meth) acrylate compound (A) for polymerization.
[0020]
Specific examples of the (meth) acrylates that can be used as the polymerizable monomer (B) include methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, and n- (meth) acrylic acid. Alternatively, a branched alkyl (meth) acrylate having a linear or C1-C4 alkyl represented by i-propyl ester, n- or i- or t-butyl ester of (meth) acrylic acid is preferably used. Further, for example, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, benzyl (meth) acrylate, methoxyethyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate, methylol (meth) acrylamide, N, N-dimethyl (meth) acrylate Aminoethyl, N, N-diethylaminoethyl (meth) acrylate, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2 or 3-hydroxypropyl (meth) acrylate, 2 or 3-methoxypropyl (meth) acrylate, glycerol Mono (meth) acrylate, diethylene glycol mono (meth) acrylate, methoxydiethylene glycol mono (meth) acrylate, triethylene glycol mono (meth) acrylate, methoxytriethylene glycol mono (meth) acrylate, pentaethylene Glycol mono (meth) acrylate, methoxypentaethylene glycol mono (meth) acrylate, polyethylene glycol mono (meth) acrylate, methoxypolyethylene glycol mono (meth) acrylate, 2-hydroxy-3-phenoxypropyl (meth) acrylate, tetrahydrofurfuryl Aliphatic esters such as (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, and trimethylolpropane tri (meth) acrylate;
2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2 or 3-hydroxypropyl (meth) acrylate, glycerol mono (meth) acrylate, diethylene glycol mono (meth) acrylate, triethylene glycol mono (meth) acrylate, pentaethylene glycol mono (meth) Monofunctional (meth) acrylates such as acrylate, polyethylene glycol mono (meth) acrylate, 2-hydroxy-3-phenoxypropyl (meth) acrylate, and methylol (meth) acrylamide, or 1 mole of (meth) acrylamide, bisphenol A Hydroxyl-containing (meth) acrylates such as adducts of 2 moles of glycidyl (meth) acrylate;
Ethylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, triethylene glycol di (meth) acrylate, pentaethylene glycol di (meth) acrylate, nonaethylene glycol di (meth) acrylate, tetradecaethylene glycol di (meth) Polyethylene glycol di (meth) acrylates such as acrylates; polypropylene glycols such as propylene glycol di (meth) acrylate, dipropylene glycol di (meth) acrylate, tripropylene glycol di (meth) acrylate, and nonapropylene glycol di (meth) acrylate Di (meth) acrylates;
Mono (meth) acrylates in which one of the above-mentioned polyethylene glycol di (meth) acrylate and polypropylene glycol di (meth) acrylate is substituted with a methyl group, an ethyl group, or the like;
Butylene glycol di (meth) acrylate, propanediol di (meth) acrylate, hexanediol di (meth) acrylate, 2- (meth) acryloyloxyethyl isocyanate or 2,2,4-trimethylhexamethylene diisocyanate or 1,3,5 (Meth) acrylates having a urethane bond such as an adduct of trimethylhexamethylene diisocyanate and 2-hydroxyethyl (meth) acrylate; a product obtained by adding oxyethylene to bisphenol A is further condensed with (meth) acrylic acid And 2,2-bis (4- (meth) acryloyloxypolyethoxyphenyl) propanes.
[0021]
Examples of the polymerizable monomer having at least one carboxyl group in one molecule include a monocarboxylic acid, a dicarboxylic acid, a tricarboxylic acid, a tetracarboxylic acid, and derivatives thereof. For example, (meth) acrylic acid, maleic acid, p-vinylbenzoic acid, 11- (meth) acryloyloxy-1,1-undecanedicarboxylic acid (MAC-10), 1,4-di (meth) acryloyloxyethylpyromellit Acid, 6- (meth) acryloyloxyethylnaphthalene-1,2,6-tricarboxylic acid, 4- (meth) acryloyloxymethyltrimellitic acid and its anhydride, 4- (meth) acryloyloxyethyltrimellitic acid and its Anhydride, 4- (meth) acryloyloxybutyl trimellitic acid and its anhydride, 4- [2-hydroxy-3- (meth) acryloyloxy] butyl trimellitic acid and its anhydride, 2,3-bis (3 , 4-Dicarboxybenzoyloxy) propyl (meth) acrylate, N, O-di (meth) ) Acryloyloxytyrosine, O- (meth) acryloyloxytyrosine, N- (meth) acryloyloxytyrosine, N- (meth) acryloyloxyphenylalanine, N- (meth) acryloyl p-aminobenzoic acid, N- (meth) acryloyl -O-aminobenzoic acid, N- (meth) acryloyl 5-aminosalicylic acid, N- (meth) acryloyl 4-aminosalicylic acid, 2 or 3 or 4- (meth) acryloyloxybenzoic acid, 2-hydroxyethyl (meth) Addition product of acrylate and pyromellitic dianhydride (PMDM), 2-hydroxyethyl (meth) acrylate and maleic anhydride or 3,3 ′, 4,4′-benzophenonetetracarboxylic dianhydride (BTDA) or 3,3 ', 4,4'-biphenyltetracarboxylic acid Addition product of anhydride, 2- (3,4-dicarboxybenzoyloxy) 1,3-di (meth) acryloyloxypropane, N-phenylglycine or adduct of N-tolylglycine with glycidyl (meth) acrylate , 4-[(2-hydroxy-3- (meth) acryloyloxypropyl) amino] phthalic acid, 3 or 4- [N-methylN- (2-hydroxy-3- (meth) acryloyloxypropyl) amino] phthalic acid Acids and the like can be mentioned.
[0022]
Further, as the polymerizable monomer having at least one phosphoric acid group or sulfone group in one molecule, for example, 2- (meth) acryloyloxyethyl acid phosphate, 2 and 3- (meth) acryloyloxypropyl acid phosphate , 4- (meth) acryloyloxybutyl acid phosphate, 6- (meth) acryloyloxyhexyl acid phosphate, 8- (meth) acryloyloxyoctyl acid phosphate, 10- (meth) acryloyloxydecyl acid phosphate, 12- (meth) Acryloyl oxide decyl acid phosphate, bis {2- (meth) acryloyloxyethyl} acid phosphate, bis {2 or 3- (meth) acryloyloxypropyl} acid phosphate, 2- (meth) acrylo Oxyethyl phenyl acid phosphate, 2- (meth) acrylate and the like acryloyloxyethyl p- methoxyphenyl acid phosphate. Note that the phosphate group in these compounds can be replaced with a thiophosphate group. Among them, 2- (meth) acryloyloxyethyl phenyl acid phosphate, 10- (meth) acryloyloxydecyl acid phosphate, 2-sulfoethyl (meth) acrylate, 2 or 1-sulfo-1 or 2-propyl (meth) acrylate, 1- or 3-sulfo-2-butyl (meth) acrylate, 3-bromo-2-sulfo-2-propyl (meth) acrylate, 3-methoxy-1-sulfo-2-propyl (meth) acrylate, 1,1- Dimethyl-2-sulfoethyl (meth) acrylamide and the like can be mentioned.
[0023]
The polymerizable monomer (B) can be contained in an amount of 1 to 99.9% by weight, preferably 5 to 99% by weight based on the total amount of the antibacterial dental polymerizable composition of the present invention.
In addition, the said polymerizable monomer (B) is 100 parts by weight of the total of the (meth) acrylate compound (A) having the 10-undecenoxy group and the ethoxy group and the polymerizable monomer (B). In such a case, it is desirable that the antibacterial dental polymerizable composition is contained in an amount of 30 to 99.9 parts by weight, preferably 40 to 95 parts by weight.
[0024]
<Polymer (C)>
In the antibacterial dental composition of the present invention, instead of the (meth) acrylate compound (A) represented by the formula I or in combination with (A),
The polymer (C) of the (meth) acrylate compound (A) represented by the formula I can be contained.
[0025]
In this case, the polymer (C) may be a homopolymer having 100% by weight of a structural unit derived from the (meth) acrylate compound (A), or may be another polymerizable monomer ( It may be a copolymer with B). In the case of a copolymer, it is preferable to contain a structural unit derived from the (meth) acrylate compound (A) in an amount of 1 to 70% by weight, preferably 10 to 50% by weight.
[0026]
The polymer (C) is an oligomer or a polymer, and the number average molecular weight is usually from 2000 to 500,000.
Such a polymer (C) can be contained in an amount of 1 to 60% by weight, preferably 2 to 50% by weight based on the total amount of the antibacterial dental composition of the present invention.
If the amount is less than 1% by weight, the antibacterial activity is not sufficient, and if it exceeds 60% by weight, the mechanical strength and adhesiveness of the dental polymerizable composition may be affected.
[0027]
<Polymerization initiator (D)>
In the present invention, a polymerization initiator can be used to obtain the antibacterial dental polymerizable composition or to obtain the polymer (C).
Examples of the polymerization initiator include polymerization initiators, hardeners, and accelerators applicable to dental materials and surgical materials. In particular, it is desirable to contain at least one of the following, and they can be used in combination according to the use conditions.
[0028]
Examples of such a polymerization initiator include a polymerization initiator capable of radically polymerizing a polymerizable monomer, such as diacetyl peroxide, dipropyl peroxide, dibutyl peroxide, dilauryl peroxide, benzoyl peroxide (BPO), p, p'-dichlorobenzoyl peroxide, p. Examples of organic boron compounds such as organic peroxides such as p'-dimethoxybenzoyl peroxide, p, p'-dimethylbenzoyl peroxide, p, p'-dinitrodibenzoyl peroxide, and trialkylboranes or partial oxides of trialkylboranes can do.
[0029]
Polymerization can also be performed by irradiating ultraviolet light or visible light. There is no particular limitation on the polymerization initiator that can be used in the photopolymerization, and examples thereof include benzyl, 4,4′-dichlorobenzyl, benzoin, benzoin methyl ether, benzoin ethyl ether, benzoin isopropyl ether, benzophenone, and 9,10-anthraquinone. And diacetyl, d, l-camphorquinone (CQ) and the like.
[0030]
The polymerization initiator (D) comprises 100 parts by weight of the total polymerizable monomer (for example, the (meth) acrylate compound (A) alone, or the ester compound (A) and another polymerizable monomer (B )), The amount is usually 0.01 to 20 parts by weight based on the total amount).
When an organic peroxide or a photopolymerization initiator is used as the polymerization initiator (D), a reducing compound can be used in combination.
[0031]
Here, as the organic reducing compound, for example, N, N-dimethylaniline, N, N-dimethyl-p-toluidine (DMPT), N, N-diethyl-p-toluidine, N, N-diethanol-p-toluidine ( DEPT), N, N-dimethyl p-tert-butylaniline, N, N-dimethylanisidine, N, N-dimethyl-p-chloroaniline, N, N-dimethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N- Aromatics such as diethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-dimethylaminobenzoic acid and its alkyl ester, N, N-diethylaminobenzoic acid (DEABA) and its alkyl ester, N, N-dimethylaminobenzaldehyde (DMABAd) Amines; N-phenylglycine (NPG), N-tolylglycine (N G), N, N- (3--methacryloyloxy-2-hydroxypropyl) can be used in combination amines such as phenylglycine (NPG-GMA). Among them, DMPT, DEPT, DEABA, DMABAd, NPG and NTG can be preferably used. Also, aromatic sulfinic acid such as benzenesulfinic acid, o-toluenesulfinic acid, p-toluenesulfinic acid, ethylbenzenesulfinic acid, decylbenzenesulfinic acid, dodecylbenzenesulfinic acid, chlorobenzenesulfinic acid, and naphthalenesulfinic acid, and salts thereof, A thiol ester of aromatic sulfinic acid or an aromatic sulfinamide can be used in combination.
[0032]
<Other ingredients>
《Filler》
Further, in order to obtain the polymerizable composition in the present invention, a filler can be contained as required. Examples of the filler include organic fillers, inorganic fillers, and organic composite fillers containing both, which are conventionally used. Conventionally used soluble high molecular weight polymers such as homopolymers of methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, butyl (meth) acrylate or polymers thereof, or these And a polymer obtained by copolymerizing 5% or less of ethylene glycol di (meth) acrylate as a crosslinking agent, polyvinyl acetate, polyethylene glycol (PEG), polypropylene glycol (PPG), and polyvinyl alcohol (PVA). .
[0033]
Examples of the inorganic filler include amorphous silica, alumina, quartz, alumina quartz, silica-alumina compound, silica-zirconia compound, silica-titania compound, titanium oxide, glass (including barium glass), zirconium oxide, calcium carbonate, kaolin , Clay, mica, aluminum sulfate, barium sulfate, calcium sulfate, calcium phosphate, hydroxyapatite and the like. These inorganic fillers may be previously surface-treated with a silane coupling agent, a titanate coupling agent, or the like.
[0034]
Examples of the organic composite filler include a filler obtained by polymerizing and coating the surface of the above-mentioned inorganic filler with a polymerizable monomer, followed by pulverization. Specifically, among the inorganic fillers, fine powder silica is polymerized and coated with a polymerizable monomer having trimethylolpropane tri (meth) acrylate (TMPT) as a main component, and the obtained polymer is pulverized into a filler ( TMPT.f). Further, a filler obtained by adding and dispersing an inorganic filler such as silica or zirconium oxide to a solution such as acetone in which PMMA is dissolved, evaporating the solvent, drying, and then pulverizing the solvent is used.
[0035]
The average particle size of these fillers is preferably in the range of 0.1 to 100 μm, and it is more preferable to use a mixture of fillers having different particle sizes for use.
Although the content of the filler varies depending on the use, it is usually 10 to 600 parts by weight based on 100 parts by weight of the total amount of the compound (A) and the other polymerizable monomer (B).
[0036]
"solvent"
Furthermore, the antibacterial dental polymerizable composition of the present invention may contain water and / or a water-soluble organic solvent such as acetone or ethanol in an amount of 5 to 95% by weight.
[0037]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically based on examples, but the present invention is not limited to these examples.
In the following description, AL-8G (manufactured by Shin-Nakamura Chemical Co., Ltd.) means a compound of the following formula II which is an acrylate ester having a 10-undecenoxy group and an ethoxy group. ML-12G (manufactured by Shin-Nakamura Chemical Co., Ltd.) means a compound of the following formula III which is a methacrylate having a 10-undecenoxy group and an ethoxy group.
[0038]
Embedded image
[0039]
Embedded image
[0040]
Embodiment 1
AL-8G 15 parts by weight, 4-methacryloyloxyethyl trimellitic anhydride (4-META) 5 parts by weight, and methyl methacrylate (MMA) 80 parts by weight are prepared as a monomer liquid, and the dentin and metal are prepared by the following method. Was measured for adhesive strength.
Table 1 shows the results.
[0041]
<Measurement of dentin adhesive strength>
(1) Pouring the cow's forehead anterior teeth with water-resistant abrasive paper of # 1000 under water and scraping the flat adhesive dentin surface.
(2) Treatment of the dentin-bonded surface that has been scraped with a dentin surface treatment agent green (citrate and ferric chloride) for dentin, a dental surface treatment agent manufactured by Sun Medical Co., Ltd.) After washing with water and drying, the adhesive area is defined with a double-sided tape having a diameter of 4.8 mm.
[0042]
{Circle around (3)} About 0.09 g of a monomer solution having a predetermined composition is placed in a mixing dish, and about 0.007 g of Super Bond Catalyst (partially oxidized tributylboron, manufactured by Sun Medical Co., Ltd.) (7 per 100 parts by weight of the monomer solution). 8 parts by weight), the liquid was mixed and collected with an adhesive brush, and immediately PMMA polymer particles (polymethyl methacrylate particles; average particle diameter: about 30 μm, trade name: Super Bond Polymer Powder Clear, manufactured by Sun Medical Co., Ltd.) ) To make a ball of the mixed liquid / powder material and apply it to the adhesive tooth surface. Subsequently, the adhesive rod is pressed and planted.
[0043]
{Circle around (4)} The bonded sample is placed in a thermostat at 37 ° C. and 100% humidity, and after 24 hours, the tensile bond strength is measured.
<Measurement of metal adhesive strength>
{Circle around (1)} A 1 cm square gold-silver palladium alloy plate having a thickness of about 2 mm is sand-blasted, washed and dried, and the adhesive area is defined with a double-sided tape having a diameter of 4.8 mm.
[0044]
{Circle around (2)} A metal surface treating agent V-primer (manufactured by Sun Medical Co., Ltd.).
(3) The same operation as in (3) of the measurement of the dentin adhesive strength is performed.
{Circle around (4)} The bonded sample was placed in a thermostat at 37 ° C. and 100% humidity, and after 20 hours, transferred to a 5 ° C./55° C. thermal cycle tester, subjected to 5000 thermal cycles, and then subjected to tensile adhesive strength. Is measured.
[0045]
Embodiment 2
In Example 1, the adhesive strength to dentin and metal was measured in the same manner as in Example 1 except that ML-12G was used instead of AL-8G.
The results are summarized in Table 1.
[0046]
Embodiment 3
15 parts by weight of AL-8G, 7 parts by weight of 11-methacryloyloxy-1,11-undecanedicarboxylic acid (MAC-20), 57 parts by weight of methyl methacrylate (MMA), 8 parts by weight of 2-hydroxyethyl methacrylate (HEMA), 2 7 parts by weight of 2,2-bis (4-methacryloxypolyethoxyphenyl) propane (2.6E), 2 parts by weight of N, N-dimethyl-p-toluidine (DMPT), N, N-dimethylaminoethyl methacrylate (DMAMA) Prepare 4 parts by weight of monomer liquid,
The adhesive strength between dentin and metal was measured by the following method.
[0047]
Table 1 shows the results.
<Measurement of dentin adhesive strength>
(1) Pouring the cow's forehead anterior teeth with water-resistant abrasive paper of # 1000 under water and scraping the flat adhesive dentin surface.
{Circle around (2)} The dentin-bonded surface that has been scraped off is treated with a dentin surface treatment material [tetraphenyl boron triethanolamine salt (TPBTEA) 2 parts by weight, 2-methacryloyloxyethyl acid phosphate (PM1), 5 parts by weight, bis [2- (Meth) acryloyloxyethyl] acid phosphate (PM2) 7 parts by weight, ethanol 36 parts by weight, purified water 50 parts by weight], and after 30 seconds, the coated surface is air blown, dried, and dried. The adhesion area is defined with a 4.8 mm double-sided tape.
[0048]
{Circle around (3)} About 0.05 g of a monomer liquid having a predetermined composition is placed in a mixing dish, and the liquid is mixed and collected with an adhesive brush. Immediately, 99 parts by weight of polymer powder (polymethyl methacrylate particles (average particle diameter: about 30 μm), benzoyl peroxide) 1 part by weight of the mixture) to make a ball of the mixed solution / powder material and apply it to the adhesive tooth surface. Subsequently, the adhesive rod is pressed and planted.
[0049]
{Circle around (4)} The bonded sample is placed in a thermostat at 37 ° C. and 100% humidity, and after 24 hours, the tensile bond strength is measured.
<Measurement of metal adhesive strength>
{Circle around (1)} A 1 cm square gold-silver palladium alloy plate having a thickness of about 2 mm is sand-blasted, washed and dried, and the adhesive area is defined with a double-sided tape having a diameter of 4.8 mm.
[0050]
{Circle around (2)} A metal surface treating agent V-primer (manufactured by Sun Medical Co., Ltd.).
(3) The same operation as in (3) of the measurement of the dentin adhesive strength is performed.
{Circle around (4)} The bonded sample was placed in a thermostat at 37 ° C. and 100% humidity, and after 20 hours, transferred to a 5 ° C./55° C. thermal cycle tester, subjected to 5000 thermal cycles, and then subjected to tensile adhesive strength. Is measured.
[0051]
Embodiment 4
In Example 3, the adhesive strength to dentin and metal was measured in the same manner as in Example 3, except that ML-12G was used instead of AL-8G.
The results are summarized in Table 1.
[0052]
Embodiment 5
AL-8G 10 parts by weight, 4-methacryloyloxyethyl trimellitic anhydride (4-META) 15 parts by weight, urethane dimethacrylate (UDMA) 15 parts by weight, 2-hydroxyethyl methacrylate (HEMA) 2 parts by weight, camphorquinone (CQ) An adhesive solution of 0.2 parts by weight, acetone 40 parts by weight, purified water 17.4 parts by weight, N-phenylglycine sodium 0.3 part by weight, and sulfinic acid sodium salt 0.3 part by weight was prepared. The adhesive strength to dentin was measured by the method described above.
[0053]
Table 1 shows the results.
<Measurement of dentin adhesive strength>
(1) Pouring the cow's forehead anterior teeth with water-resistant abrasive paper of # 1000 under water and scraping the flat adhesive dentin surface.
{Circle around (2)} The dentin-bonded surface that has been scraped is defined with a double-sided tape having a diameter of 4.8 mm to define the bonding area. The adhesive liquid prepared above is applied to the adhesive surface, and after 30 seconds, the applied surface is air blown and dried, and then irradiated with a halogen light polymerization irradiation device for 10 seconds to be cured.
[0054]
{Circle around (3)} The cured adhesive is filled with a 1 mm thick dental composite resin (Metafill C, manufactured by Sun Medical Co., Ltd.), and is light-cured.
{Circle around (4)} An acrylic rod is adhered to the cured composite resin with an adhesive resin, placed in a thermostat at 37 ° C. and 100% humidity, and after 24 hours, the tensile adhesive strength is measured.
[0055]
Embodiment 6
In Example 5, the adhesive strength to dentin was measured in the same manner as in Example 5, except that ML-12G was used instead of AL-8G.
The results are summarized in Table 1.
[0056]
[Comparative Example 1]
In Example 1, the adhesive strength to dentin and metal was measured in the same manner as in Example 1 except that MMA was used instead of AL-8G.
The results are summarized in Table 1.
[0057]
[Comparative Example 2]
In Example 3, the adhesive strength to dentin and metal was measured in the same manner as in Example 3, except that MMA was used instead of AL-8G.
The results are summarized in Table 1.
[0058]
[Comparative Example 3]
In Example 5, the adhesive strength to dentin was measured in the same manner as in Example 5, except that MMA was used instead of AL-8G.
The results are summarized in Table 1.
[0059]
[Table 1]
[0060]
Example 7 Evaluation as dental floor material (JIS standard type 2 resin)
A polymerizable composition obtained by dissolving 0.5 parts by weight of benzoyl peroxide in a mixture of 90 parts by weight of methyl methacrylate and 10 parts by weight of AL-8G was used as a liquid material, and had a weight average molecular weight of about 700,000 and an average particle diameter of 75 micrometers. Polymethyl methacrylate was used as a powder.
[0061]
The liquid material and the powder material are mixed at a ratio of 1.5 g per 1 ml of the liquid material so as not to involve air bubbles, and are mixed to form a paste. Then, the mixture is boiled in hot water at 70 ° C. for 1 hour and then boiled. A sample was cured by heating in water for 1 hour, and the amount of water absorption, the amount of dissolution, and the bending deflection were measured according to the method described in JIS T6501 (1993).
Table 2 shows the results.
[0062]
[Table 2]
[0063]
Example 8 Evaluation as a dental floor material (JIS standard type 2 resin)
A polymerizable composition obtained by dissolving 1 part by weight of N, N-dimethyl-p-toluidine in a mixture of 92 parts by weight of methyl methacrylate and 8 parts by weight of ML-12G is used as a liquid material, and has a weight average molecular weight of about 700,000 and an average particle diameter of about 700,000. A powder material was obtained by adding 1 part by weight of benzoyl peroxide to 100 parts by weight of polymethyl methacrylate of 75 micrometers.
[0064]
The liquid material and the powder material are mixed at a ratio of 1.5 g of the powder material to 1 ml of the liquid material so as not to involve air bubbles to form a paste, and then left at room temperature (25 ° C.) for 1 hour. A cured sample was prepared, and the amount of water absorption, the amount of dissolution, and the flexure were measured according to the method described in JIS T6501 (1993).
Table 3 shows the results.
[0065]
[Table 3]
[0066]
Example 9 Evaluation as Dental Composite Resin
65 parts by weight of Bis-GMA (D-GMA manufactured by Shin-Nakamura Chemical Co., Ltd.), 25 parts by weight of triethylene glycol dimethacrylate (NK ester 3G manufactured by Shin-Nakamura Chemical Co., Ltd.), 10 parts by weight of ML-12G, camphorquinone 0.1 part by weight (manufactured by Aldrich) and 0.1 part by weight of ethyl 4-dimethylaminobenzoate (manufactured by Tokyo Kasei Kogyo Co., Ltd.) are mixed and stirred well to obtain a uniform visible light curable polymerizable composition. Syrup.
[0067]
A barium-containing aluminosilicate glass surface-treated with a silane in a conventional manner (average particle size: about 1.5 microns, refractive index: 1.55, 100 parts by weight of glass) is added to 25 parts by weight of this visible light curable polymerizable composition syrup. On the other hand, 75 parts by weight of silane (1 part by weight) was mixed to form a uniform paste.
Using this paste, a bending test piece was prepared and the bending properties were evaluated according to the method described in Section 7.11 of ISO 4049: 2000. At this time, the visible light was irradiated from both sides of the test piece for 30 seconds each using a dental visible light irradiator (Translux CL manufactured by Kluzer). Five test pieces were prepared, and the average value of bending strength was obtained.
[0068]
Table 4 shows the results.
[0069]
[Table 4]
[0070]
From Tables 2 and 3, it was confirmed that the materials of Examples 7 and 8 satisfied the JIS T 6514 (1993) standard, and that the materials of Example 9 satisfied the ISO 4049 (2000) standard from Table 4.
[0071]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the antibacterial dental polymerizable composition and the antibacterial dental composition of the present invention, a dental material that can permanently maintain antibacterial activity is provided.
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