JP2004189504A - 燃料改質システム及びこれを用いた燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】流量センサを共通化してシステムが簡素化され、コスト低減を図ることのできる燃料改質システム及び燃料電池システムの提供。
【解決手段】本発明は、原燃料の供給量を調節するポンプと、前記原燃料を、一の流路から分岐する複数の枝路によって分けて供給する分岐流路と、複数の枝路によって複数箇所に供給された前記原燃料を水素リッチな燃料ガスに変換する改質器と、前記ポンプの下流側における前記一の流路に設けられ、前記原燃料の流量を検出する流量センサと、前記複数の枝路それぞれに設けられ、前記改質器の前記複数箇所それぞれに前記原燃料を供給する複数の原燃料供給器と、前記流量センサにより検出された前記原燃料の流量に基づいて、前記複数の原燃料供給器それぞれの供給量を制御する制御部と、を備えた燃料改質システム及びこれを含む燃料電池システムを提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原燃料を水素リッチな燃料ガスに変換するための燃料改質システム、詳細には、原燃料の流量センサ及び複数の原燃料供給器を備える燃料改質システムにおいて、流量センサを共通化したシステムの簡素化及びコスト低減を実現した燃料改質システム及びこれを用いた燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、原燃料を水素リッチな燃料ガスに変換する改質器を含むとともに、その上流側に複数の原燃料供給器を備える燃料改質システムが、燃料電池システム及びこれを使用した自動車や住宅等の種々の分野において広く利用されている。
【0003】
例えば、特開平7−296837号公報において、一酸化炭素の発生を抑制し効率よく改質ガス(燃料ガス)を燃料電池に供給すると共に、未反応原燃料としてのメタノールを回収して再利用する改質ガス供給システムを提供することを目的として、メタノール改質器及び該改質器の下流側に配された一酸化炭素除去装置と、これらの間に、改質ガスに残存する未反応メタノールを除去するメタノール除去手段とを備えた改質ガス供給システムが提案されている。そして、該公報には、このシステムにおいて改質器に供給される原燃料としてのメタノールは、メタノールタンクから複数の流路を介して供給されることが開示されている。(特許文献1)。
【0004】
しかし、このような複数の流路から原燃料が供給される改質器の複数の各供給箇所への供給量制御を精度良く行うためには、複数ある各流路にそれぞれ対応する複数の流量センサが必要であり、システムの煩雑化及びコストアップの要因となるという問題がある。
【0005】
また、特開2001−165431号公報には、燃料電池の負荷が変動しても原燃料に対する空気量の過不足を生じにくくし、発電効率を高める燃料電池用改質器の空燃比制御装置の提供を目的として、原燃料を改質器に供給する原燃料供給路に原燃料流量センサを設け、原燃料流量調節弁の開量を原燃料流量調節器によりフィードバック制御する技術が開示されている(特許文献2)。
【0006】
しかし、かかる技術を、複数の原燃料供給器を備える燃料改質システムに適用して原燃料の改質器への供給量制御を精度良く行うことは、技術的に困難であった。
【0007】
ところで、改質器において安定させて水素リッチな燃料ガスを生成させるには、該改質器の様々な部位に適量の原燃料を流量制御して投入しなければならない。この際、従来の燃料改質システムでは、改質器への投入部位の数に応じた複数のポンプ、複数の流量センサ、複数の原燃料供給器を設けて、各々の部位に原燃料を流量制御し、投入することが行われていた。例えば、その一例として、図5(a)に示すように、原燃料を投入するための二つの投入部位を有する改質器と、該二つの投入部位に対応する二つのポンプ、二つの流量センサ、及び二つのインジェクタを設けた構成のものがある。
【0008】
しかし、これらの改質器の補器(ポンプ、流量センサ、インジェクタ等)の数量が多くなればなるほど、燃料改質システムを成立させることが困難となる。特に、燃料改質システムを車両に搭載する場合には、コストや搭載スペース、重量の点で問題となる。このため、改質器とともにその補器を備える燃料改質システムにおいては、該補記の数量を低減させなければならないという問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−296837号公報
【特許文献2】
特開2001−165431号公報
【本発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、原燃料の流量センサ及び複数の原燃料供給器を備える燃料改質システムにおいて、流量センサを共通化してシステムが簡素化され、コスト低減を図ることのできる燃料改質システム及びこれを用いた燃料電池システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、原燃料の供給量を調節するポンプと、前記原燃料を、一の流路から分岐する複数の枝路によって分けて供給する分岐流路と、複数の枝路によって複数箇所に供給された前記原燃料を水素リッチな燃料ガスに変換する改質器と、前記ポンプの下流側における前記一の流路に設けられ、前記原燃料の流量を検出する流量センサと、前記複数の枝路それぞれに設けられ、前記改質器の前記複数箇所それぞれに前記原燃料を供給する複数の原燃料供給器と、前記流量センサにより検出された前記原燃料の流量に基づいて、前記複数の原燃料供給器それぞれの供給量を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする燃料改質装置その他の燃料改質システムを提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0012】
即ち、本発明によれば、かかる構成を有するものであるため、原燃料の流量センサ及び複数の原燃料供給器を備える燃料改質システムにおいて、原燃料の改質器への供給量制御を精度良く行うことができるとともに、流量センサを共通化してシステムが簡素化され、コスト低減を実現することができる。更に、本発明によれば、前記構成を有することでポンプの数低減、流量センサの数低減となることから、システムの省スペース化、軽量化を図ることもできる。
【0013】
また、本発明は、前記制御部が、前記流量センサからの検出による前記流量と、前記複数の原燃料供給器に対する流量指令値の比とから、夫々の原燃料供給器の流量を推定し、該推定した流量に基づいて、夫々の原燃料供給器の供給量を制御する、前記燃料改質システムを提供するものである。この構成を有する燃料改質システムによれば、例えば、各原燃料供給器の流量の推定値を求めて、原燃料供給器に対する指令値との差分から該指令値を補正することができ、これにより原燃料の改質器への供給量制御を精度良く行うことができる。
【0014】
また、本発明は、前記制御部が、前記流量センサからの入力信号に基づき前記一の流路における前記原燃料の流量を判断し、該流量を前記複数の原燃料供給器それぞれに対する流量指令値として按分してフィードバック制御を行う、前記燃料改質システムを提供するものである。この構成を有する燃料改質システムによれば、原燃料の改質器への供給量制御を更に精度良く行うことができる。
【0015】
また、本発明は、前記制御部が、前記複数の原燃料供給器それぞれに対して予め設定してある流量指令値に基づいて、前記流量センサからの入力信号によって判断された前記原燃料の流量の値を、各原燃料供給器における前記所定の流量指令値の比で割り振りし、その流量を各原燃料供給器に対応する前記改質器の各投入部の推定流量とし、該推定流量を用いて前記フィードバック制御を行う、前記燃料改質システムを提供するものである。かかる構成の燃料改質システムによれば、原燃料の改質器への供給量制御を更に一層精度良く行うことができる。また、計算された推定流量を用いるため、流量センサ数の低減を容易に図ることができる。
【0016】
また、本発明は、前記燃料改質システムと、該燃料改質システムによって得られた燃料ガスの供給を受けて電気を発生する燃料電池と、を含んでなる燃料電池システムを提供するものである。本発明の燃料電池システムは、かかる構成からなるため、エネルギー効率を高めることができ、特に燃料電池自動車等への搭載に有用である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料改質システム及び燃料電池システムを、それらの好ましい実施形態に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
先ず、本発明の燃料改質システムについて詳述する。図1は、本発明の燃料改質システムの一実施形態を示す主要ブロック図である。図1に示すように、本実施形態の燃料改質システム10は、原燃料としてのメタノールを水素リッチな燃料ガスに変換する改質器1と、原燃料を、一の流路2aから分岐する第1の枝路2b及び第2の枝路2b’によって分けて改質器1の二箇所(投入部A及びB)に供給する分岐流路2と、一の流路2aに設けられ、原燃料の供給量を調節するポンプ3と、ポンプ3の下流側における一の流路2aに設けられ、原燃料の流量を検出する流量センサ4と、第1及び第2の枝路2b,2b’それぞれに設けられ、改質器1の二箇所それぞれに原燃料を供給する原燃料供給器としての第1のインジェクタ5及び第2のインジェクタ5’と、流量センサ4により検出された原燃料の流量に基づいて、第1及び第2のインジェクタ5,5’それぞれの噴射量を制御する制御部6と、を少なくとも備えた構成を有している。また、制御部6は、ポンプ3、流量センサ4、第1のインジェクタ5及び第2のインジェクタ5’に接続されている。尚、図中の矢印(⇒)は、原燃料の流れ方向を示す(以下の図でも同じ)。
【0019】
そして、制御部6は、次の特性を有している。即ち、制御部6は、第1のインジェクタ5及び第2のインジェクタ5’それぞれに対して予め所定の流量指令値を設定しておく。次いで、流量センサ4からの入力信号によって判断された原燃料の流量の値を、各インジェクタ5,5’における前記所定の流量指令値の比で割り振りする。その後、得られた流量を各インジェクタ5,5’に対応する改質器の各投入部A,Bの推定流量とし、この推定流量を用いてフィードバック制御を行う。この際、制御部6は、第1及び第2のインジェクタ5,5’それぞれの噴射量を制御するのに必要な原燃料の流量をポンプ3で調節する。ポンプ3は、制御部6から出力される信号によって駆動され、第1及び第2のインジェクタ5,5’に供給する原燃料の流量を調節する。
【0020】
制御部6の前記特性についての具体例を示す。原燃料が供給される改質器1の二箇所のうち投入部Aに対応する第1のインジェクタ5の流量指令値を10cc/min、投入部Bに対応する第2のインジェクタ5’の流量指令値を20cc/minと設定しておく。この場合、トータル流量指令値は、10+20で、30cc/minとなる。そして、制御部6が流量センサ4からの入力信号によって、原燃料の流量の値を24cc/minと判断した場合、改質器1の投入部A及びBそれぞれの推定流量値を、次の式から求める。
投入部Aの推定流量値=24 × 10/30 = 8cc/min
投入部Bの推定流量値=24 × 20/30 =16cc/min
この推定流量値が投入部A及びBでの流量となるように、各インジェクタ5,5’に対して流量指令を行い、それぞれの噴射量を制御する。
【0021】
この制御部6は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、流量センサ4からの検出信号を入力すると共にCPUでの演算結果に応じて既述した第1のインジェクタ5及び第2のインジェクタ5’や各種ポンプ3等に駆動信号を出力する入出力ポート等を備える(図3参照)。
【0022】
本実施形態の燃料改質システム10に用いられる改質器1は、原燃料としてのメタノールから、水素(H分子)がリッチな燃料ガスを生成するものである。図2は、改質器1の構成を示す主要ブロック図である。図2に示すように、改質器1は、第1のインジェクタ5及び第2のインジェクタ5’を介して分岐流路2の枝路2b,2bから原燃料を供給するための二つの投入部A及びBを有し、蒸発部11、改質部12及びCO低減部13から構成されている。尚、本実施形態ではかかる構成としているが、本発明に係る改質器としては、その複数箇所に原燃料を供給するための複数の投入部(本実施形態では二つの投入部A及びB)を有する限り特に制限を受けるものではない。例えば、燃焼部を更に備える改質器や、CO低減部を器外に設けて器内を蒸発部と改質部から構成した改質器であってもよい。
【0023】
また、本実施形態においては原燃料としてメタノールを用いているが、本発明に使用可能な原燃料としては、改質に必要なH原子を分子内に少なくとも有する限り特に制限を受けず、例えば、無置換の炭化水素(C;n,mは整数)の他、ヒドロキシル基(−OH)、カルボニル基(−CO−)等の置換基や酸素原子(O)等のヘテロ原子を含有する炭化水素等を用いることができる。そのような原燃料の具体例としては、メタン(CH)、エタン(C)、プロパン(C)、ブタン(C10)、ガソリン、軽油、天然ガス、メタノール(CHOH)、エタノール(COH)、DME(CHOCH)、アセトン(CHC(=O)CH)等が挙げられる。
【0024】
これらの原燃料の中でも、メタノールは比較的低い温度で改質反応を行うことができるため、燃料改質システムの運転及び停止を繰り返す必要のある用途に用いる場合には好ましい。また、メタノールは所定体積の他の原燃料に比して改質反応で生じる改質ガス(燃料ガス)から得られるエネルギ量が多い原燃料である。従って、燃料改質システムを車両に搭載し、この燃料改質システムによって車両駆動用電源である燃料電池に燃料ガスを供給する場合のように、移動を伴う用途に燃料改質システムを用いる場合には有利である。
【0025】
また、原燃料としてのメタノールは、水とともに改質器1に供給される。
改質器1における蒸発部11は、メタノールタンク及び水タンク(図2に示さず、図3参照)から、ポンプ3、流量センサ4、第1のインジェクタ5、第2のインジェクタ5’及び分岐流路2を介して、メタノールと水との供給を受け、これらメタノールと水とを気化させる。また、改質部12では、蒸発部11で気化されたメタノール及び水が導かれて水蒸気改質反応が進行する。改質器1は、その隣接する位置に燃焼部(図2に示さず、図3参照)を併設しているが、この燃焼部の燃焼熱が蒸発部11に導かれ、この燃焼熱が蒸発部11に供給されたメタノールと水とを沸騰、気化させる。
【0026】
分岐流路2における一の流路2aに設けられたポンプ3は、改質器1に供給するメタノール量を調節可能となっている。このポンプ3は、接続されている制御部6から出力される信号によって駆動され、改質器1に供給するメタノール流量を調節する。
【0027】
尚、メタノールと水とが混合される割合は、下記(1)式〜(3)式に示す水蒸気改質反応が充分に進行可能となる量であって、生成された改質ガス中に、燃料電池に供給する燃料ガスとして充分量の水蒸気が含まれるようになる量として定められる。
CHOH → CO + 2H− 90.0(kJ/mol)…(1)
CO + HO → CO+ H+ 40.5 (kJ/mol)…(2)
CHOH + HO → CO+ 3H− 49.5(kJ/mol)…(3)
【0028】
メタノールと水とが混合されたメタノール水を送り込む分岐流路2には、既述の通り流量センサ4、第1のインジェクタ5及び第2のインジェクタ5’が設けられており、これらによって改質器1に供給するメタノール量を調節可能となっている。即ち、流量センサ4で検出された流量に基づく制御部6からの流量指令値によって、第1のインジェクタ5及び第2のインジェクタ5’は、それぞれのノズルからの噴射量を切り替える。
【0029】
改質器1における改質部12では、蒸発部11にて気化されたメタノールと水とからなる原燃料ガスが供給されて、水蒸気改質反応(前記式(1)〜(3)の反応)が進行して水素リッチな改質ガスが生成される。改質部12は、燃焼部で発生した燃焼ガスを供給される他に、内部を加熱する手段として図示しない電気式のヒータを備えており、改質器1が定常状態となったときには、このヒータによって改質部12内部を水蒸気改質反応に適した温度に維持することが可能となっている。改質部12には、改質反応を促進する触媒金属であるCu−Zn触媒で形成されたペレットが充填されており、十分に昇温されたメタノール及び水の気化ガスの供給を受けて水蒸気改質反応を進行させ、水素リッチな改質ガスが生成される。
【0030】
また、改質器1におけるCO低減部13では、改質部12にて生成した改質ガス(所定量の一酸化炭素(CO)を含有する水素リッチガス)が供給され、改質ガス中の水素に優先して一酸化炭素の酸化が行なわれる。CO低減部13には、一酸化炭素の選択酸化触媒である白金触媒、ルテニウム触媒、パラジウム触媒、金触媒、あるいはこれらを第1元素とした合金触媒を担持した担体が充填されている。また、CO低減部13における一酸化炭素の選択酸化反応は、酸素を含有する酸化ガスによって進行し、この酸化ガスは、エアタンク(図2に図示せず、図3参照)から圧縮空気として供給される。このようにして、CO低減部13において、改質ガスの一酸化炭素濃度が下げられる。CO低減部13で上記のように一酸化炭素濃度が下げられた燃料ガスは、燃料電池システムに使用される場合には、後述する燃料電池に導かれ、アノード側における電池反応に供される。
【0031】
以上本発明の燃料改質システムをその好ましい実施形態に基づき詳述したが、本明細書において特に詳述しない点については、燃料電池システム等において通常使用される燃料改質システムの構成が適宜適用される。
【0032】
次に、本発明の燃料電池システムについて詳述する。図3は、本発明の燃料電池システムの一実施形態を示す主要ブロック図である。本実施形態の燃料電池システム30は、前述した燃料改質システム10と、該燃料改質システム10によって得られた燃料ガスの供給を受けて電気を発生する燃料電池40と、を少なくとも含んでなる構成を有している。
【0033】
具体的には、図3に示すように、燃料電池システム30は、原燃料としてのメタノールを貯留するメタノールタンク21、水を貯留する水タンク22、二箇所の投入部を有し且つ供給されたメタノール及び水を気化させる蒸発部11とメタノールの改質反応を行なう改質部12と改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減するCO低減部13とからなる改質器1、各タンク21,22と改質器1とを接続する分岐流路2、該分岐流路2に設けられたポンプ3、流量センサ4、第1のインジェクタ5及び第2のインジェクタ5’、燃焼ガスを発生する燃焼部20、電気化学反応により起電力を得る燃料電池40、圧縮空気を蓄えるエアタンク31、圧縮空気を補助的に供給するコンプレッサ32、コンピュータにより構成される制御部6を主な構成要素とする。尚、図3において、図1と対応する部分には同一符号を付し、係る部分の詳述は省略する。
【0034】
燃料電池40は、固体高分子電解質型の燃料電池であり、構成単位である単セル48を複数積層したスタック構造を有している。図4は、燃料電池40を構成する単セル48の構成を例示する断面図である。単セル48は、電解質膜41と、アノード42およびカソード43と、セパレータ44,45とから構成されている。
【0035】
アノード42およびカソード43は、電解質膜41を両側から挟んでサンドイッチ構造を成すガス拡散電極である。セパレータ44,45は、このサンドイッチ構造をさらに両側から挟みつつ、アノード42およびカソード43との間に、燃料ガスおよび酸化ガスの流路を形成する。アノード42とセパレータ44との間には燃料ガス流路44Pが形成されており、カソード43とセパレータ45との間には酸化ガス流路45Pが形成されている。セパレータ44,45は、図4ではそれぞれ片面にのみ流路を形成しているが、実際にはその両面にリブが形成されており、片面はアノード42との間で燃料ガス流路44Pを形成し、他面は隣接する単セルが備えるカソード43との間で酸化ガス流路45Pを形成する。このように、セパレータ44,45は、ガス拡散電極との間でガス流路を形成するとともに、隣接する単セル間で燃料ガスと酸化ガスの流れを分離する役割を果たしている。もとより、単セル48を積層してスタック構造を形成する際、スタック構造の両端に位置する2枚のセパレータは、ガス拡散電極と接する片面にだけリブを形成することとしてもよい。
【0036】
ここで、電解質膜41は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。本実施形態では、ナフィオン膜(デュポン社製)を使用した。電解質膜41の表面には、触媒としての白金または白金と他の金属からなる合金が塗布されている。触媒を塗布する方法としては、白金または白金と他の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作製し、この触媒を担持したカーボン粉を適当な有機溶剤に分散させ、電解質溶液(例えば、Aldrich Chemical社、Nafion Solution)を適量添加してペースト化し、電解質膜41上にスクリーン印刷するという方法をとった。あるいは、上記触媒を担持したカーボン粉を含有するペーストを膜成形してシートを作製し、このシートを電解質膜41上にプレスする構成も好適である。
【0037】
アノード42およびカソード43は、共に炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形成されている。なお、本実形態では、アノード42およびカソード43をカーボンクロスにより形成したが、炭素繊維からなるカーボンペーパまたはカーボンフエルトにより形成する構成も好適である。
【0038】
セパレータ44,45は、ガス不透過の導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンにより形成されている。セパレータ44,45はその両面に、平行に配置された複数のリブを形成しており、既述したように、アノード42の表面とで燃料ガス流路44Pを形成し、隣接する単セルのカソード43の表面とで酸化ガス流路45Pを形成する。ここで、各セパレータの表面に形成されたリブは、両面ともに平行に形成する必要はなく、面毎に直行するなど所定の角度をなすこととしてもよい。また、リブの形状は平行な溝状である必要はなく、ガス拡散電極に対して燃料ガスまたは酸化ガスを供給可能であればよい。
【0039】
以上、燃料電池40の基本構造である単セル48の構成について説明した。実際に燃料電池40として組み立てるときには、セパレータ44、アノード42、電解質膜41、カソード43、セパレータ45の順序で構成される単セル48を複数組積層し(本実施形態では100組)、その両端に緻密質カーボンや銅板などにより形成される集電板46,47を配置することによって、スタック構造を構成する。
【0040】
燃料電池40で起こる電気化学反応は、下記式に示す通りである。(4)式はアノードにおける反応、(5)式はカソードにおける反応を表わし、燃料電池全体では(6)式に示す反応が進行する。
→ 2H+ 2e …(4)
(1/2)O+ 2H+ 2e → HO …(5)
+ (1/2)O → HO …(6)
【0041】
燃料ガス中に一酸化炭素が含まれる場合には、この一酸化炭素が白金触媒に吸着して触媒としての機能を低下させ、アノードにおける反応((4)式の反応)を阻害して燃料電池の性能を低下させてしまう。そのため、燃料電池40のような固体高分子型の燃料電池を用いて発電を行なうためには、供給する燃料ガス中の一酸化炭素濃度を所定量以下に低減して電池性能の低下を防ぐことが必須となる。なお、このような固体高分子型燃料電池において、供給される燃料ガス中の一酸化炭素濃度としての許容濃度は通常は数ppm程度以下である。本実施形態の燃料電池システム30は、前述の燃料改質システム10を用いており、そのCO低減部13から供給される一酸化炭素濃度が許容濃度の範囲内にあるため有用である。
【0042】
また、燃料電池システム30において、メタノールタンク21からポンプ3に原燃料であるメタノールを送り込むメタノール流路には図示しないポンプが別に設けられており、メタノール量を調節可能となっている。このポンプは、制御部6に接続されており、制御部6から出力される信号によって駆動され、ポンプ3に供給するメタノール流量を調節する。
【0043】
水タンク32からポンプ3に水を送り込む給水路にも図示しないポンプが別に設けられており、ポンプ3に供給する水の量を調節可能となっている。このポンプは、メタノール量の調節のための上記ポンプと同じく制御部6に接続されており、制御部6から出力される信号によって駆動され、ポンプ3に供給する水量を調節する。
【0044】
上記メタノール流路と給水路とは合流しており、ポンプ3で所定量ずつ混合されたメタノールと水とは、既述の燃料改質システム10に示した通り、分岐流路2における一の流路2aに介在する流量センサ4、二の枝路2b,2b’にそれぞれ介在する第1のインジェクタ5及び第2のインジェクタ5’を介して改質器1の二箇所の投入部に供給される。
【0045】
また、改質器1に併設される燃焼部20は、メタノールの改質反応(吸熱反応)を行う際に必要な熱量を発生し、改質器1における蒸発部11及び改質部12に熱量を付与するものである。この燃焼部20には、エアタンク31から燃焼用のエアが図示しない流量調整弁を介して供給され、またメタノールタンク21から燃焼用のメタノールが図示しないポンプを介して供給され、更に燃料電池40から使用されずに残った水素等の残留ガスも供給される。
【0046】
また、燃料電池40のカソード側における電池反応に関わる酸化ガスは、エアタンク31から空気供給路33を介して圧縮空気として供給される。空気供給路33には図示しない流量調整器が設けられており、エアタンク31から燃料電池40に供給する酸化ガス量を調節可能となっている。酸化ガスは電池反応に供された後に酸化排ガスとなる。この際には、燃料電池40の酸素極側において既述した(5)式の反応によって水が生じる。このため、酸化排ガス中の生成水を回収し、回収した水を再利用している。回収された生成水は、水回収路を介して水タンク32に供給され、改質器1における蒸発部11を経て改質部12で行なわれるメタノールの水蒸気改質反応に供される。また、生成水を回収された酸化排ガスは、排ガス回収路を経由して燃焼部20に供給される。燃料電池40での電気化学反応に供された後に排出される酸化排ガスには酸素が残留しているため、燃焼部20に供給された酸化排ガスは、燃焼部20での燃焼反応に要する酸化ガスとして働く。
【0047】
エアタンク31は、図示しない圧縮機で加圧された空気が供給された圧縮空気を貯留するものである。エアタンク31には、圧力センサ34が設けられ、また該エアタンク31内の空気量が不足するときこれを補うためのコンプレッサ32が併設されている。圧力センサ34は、制御部6に接続されている。制御部6は、この圧力センサ34からの入力信号を基にエアタンク31内の空気量を判断し、空気量が不足であると判断した場合にはコンプレッサ32に対して駆動信号を出力し、エアタンク31内に供給される圧縮空気量が充分量となるよう制御する。
【0048】
なお、図3には示さなかったが、燃料電池システム30は、燃料電池40とは別に所定の2次電池を備えている。この2次電池は、燃料電池システム30の起動時において燃料電池40から充分な電力の供給が得られない間に、既述したコンプレッサ32や各種ポンプなどを駆動するための電源として利用される。
【0049】
燃料電池システム30におけるシステム始動時の動作及び運転状態が定常状態となるときの動作については、前述した燃料改質システム10を実施し得る限り特に制限されず、通常公知の動作によって処理される。
【0050】
以上既述した実施形態では、改質器1が有する改質部12で進行する改質反応は、水蒸気改質反応を含むものとしたが、これに加えて部分酸化改質反応を含むこととしてもよい。酸化改質反応で生じる熱量を利用して水蒸気改質反応を行う場合には、ヒータで加熱しながら水蒸気改質反応を行う場合よりもさらにエネルギ効率が向上する。また、改質部12においては、必ずしも水蒸気改質反応を行なう必要はなく、メタノールなどの液体原燃料を用いて酸化改質反応だけによって改質ガスを生成することとしてもよい。
【0051】
また、既述した実施形態では、改質器1で原燃料を改質して得た燃料ガスを供給される燃料電池は、固体高分子型燃料電池としたが、異なる種類の燃料電池を備える燃料電池システムにおいて既述した燃料改質システムを備えることとしてもよい。特に、燃料電池としてリン酸型燃料電池や固体電解質型燃料電池を用いる場合には、既述した実施形態の燃料電池システムの構成を準用することが可能である。
【0052】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて具体的に説明したが、本発明はこれらの実施形態により何等限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜変更形態で実施し得ることは勿論である。
【0053】
本発明によれば、原燃料の流量センサ及び複数の原燃料供給器を備える燃料改質システムにおいて、原燃料の改質器への供給量制御を精度良く行うことができるとともに、流量センサを共通化してシステムが簡素化され、コスト低減を実現することができる。また本発明によれば、特に、エネルギー効率の高い燃料電池自動車等への搭載に有用な燃料改質システム及び燃料電池システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の燃料改質システムの一実施形態を示す主要ブロック図である。
【図2】図2は、本発明の燃料改質システムの一実施形態に用いられる改質器の構成を示す主要ブロック図である。
【図3】図3は、本発明の燃料電池システムの一実施形態を示す主要ブロック図である。
【図4】図4は、本発明の燃料電池システムの一実施形態に用いられる燃料電池を構成する単セルの構成を例示する断面図である。
【図5】図5は、従来の燃料改質システムにおける改質器及びその補器からなる構成を本発明に係る構成と比較して示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
10…燃料改質システム、1…改質器、2…分岐流路、2a…一の流路、2b,2b’…枝路、3…ポンプ、4…流量センサ、5…第1のインジェクタ、5’…第2のインジェクタ、6…制御部、11…蒸発部、12…改質部、13…CO低減部、20…燃焼部、21…メタノールタンク、22…水タンク、30…燃料電池システム、31…エアタンク、32…コンプレッサ、33…空気供給路、34…圧力センサ、40…燃料電池、41…電解質膜、42…アノード、43…カソード、44,45…セパレータ、44P…燃料ガス流路、45P…酸化ガス流路、46,47…集電板、48…単セル

Claims (5)

  1. 原燃料の供給量を調節するポンプと、
    前記原燃料を、一の流路から分岐する複数の枝路によって分けて供給する分岐流路と、
    複数の枝路によって複数箇所に供給された前記原燃料を水素リッチな燃料ガスに変換する改質器と、
    前記ポンプの下流側における前記一の流路に設けられ、前記原燃料の流量を検出する流量センサと、
    前記複数の枝路それぞれに設けられ、前記改質器の前記複数箇所それぞれに前記原燃料を供給する複数の原燃料供給器と、
    前記流量センサにより検出された前記原燃料の流量に基づいて、前記複数の原燃料供給器それぞれの供給量を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする燃料改質システム。
  2. 前記制御部は、前記流量センサからの検出による前記流量と、前記複数の原燃料供給器に対する流量指令値の比とから、夫々の原燃料供給器の流量を推定し、該推定した流量に基づいて、夫々の原燃料供給器の供給量を制御する、請求項1記載の燃料改質システム。
  3. 前記制御部は、前記流量センサからの入力信号に基づき前記一の流路における前記原燃料の流量を判断し、該流量を前記複数の原燃料供給器それぞれに対する流量指令値として按分してフィードバック制御を行う、請求項1又は2記載の燃料改質システム。
  4. 前記制御部は、前記複数の原燃料供給器それぞれに対して予め設定してある流量指令値に基づいて、前記流量センサからの入力信号によって判断された前記原燃料の流量の値を、各原燃料供給器における前記所定の流量指令値の比で割り振りし、その流量を各原燃料供給器に対応する前記改質器の各投入部の推定流量とし、該推定流量を用いて前記フィードバック制御を行う、請求項3記載の燃料改質システム。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の燃料改質システムと、該燃料改質システムによって得られた燃料ガスの供給を受けて電気を発生する燃料電池と、を含んでなる燃料電池システム。
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