JP2004189329A - バルブ付き中栓 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器1の開口部に装着され先端部に注出口11を備えた中栓本体10と、中栓本体1内に挿入され中栓本体1内周に設けられた弁座12に対して内容液の注出方向上流側から接離して注出口11を開閉するバルブ20と、バルブ20を弁座12に対して押し付ける方向に付勢する弾力性を有するバンド30と、を備え、バルブ20は注出口11から外に突出する凸部21を有し、凸部21を中栓本体10内に押し込むことによって開弁する構成のバルブ付き中栓において、中栓本体1とバルブ20とをバンド30を介して一体成形したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば薬液の塗布容器等に利用されるバルブ付き中栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のバルブ付き中栓としては、たとえば、特許文献1に記載のようなものが知られている。
【特許文献1】実開昭56−68654
【0003】
すなわち、注出口を備えた中栓本体と、中栓本体内に挿入され中栓本体内周に設けられた弁座に対して内容液の注出方向上流側から接離して注出口を開閉するバルブと、バルブを弁座に対して押し付ける方向に付勢する弾片と、を備えている。
このバルブには注出口から外に突出する凸部が設けられ、弾片の付勢力に抗して凸部を押し込むことによって開弁して内容液を塗布するようになっており、バルブと弾片とを一体成形して部品点数の削減が図られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、バルブと弾片とを一体化しているとはいっても、部品として中栓と弾片一体化バルブとが別ピースで別々に成形する必要があるのでコスト高であり、かつ弾片一体化バルブを中栓に組込む作業が必要でさらにコストが嵩む。
【0005】
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、バルブと中栓を一体化して、より一層の部品削減を図るバルブ付き中栓を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、容器の開口部に装着され先端部に注出口を備えた中栓本体と、該中栓本体内に挿入され中栓本体内周に設けられた弁座に対して内容液の注出方向上流側から接離して注出口を開閉するバルブと、該バルブを前記弁座に対して押し付ける方向に付勢する付勢手段と、を備え、前記バルブは注出口から外に突出する凸部を有し該凸部を中栓本体内に押し込むことによって開弁する構成のバルブ付き中栓において、
前記中栓本体とバルブとを前記付勢手段を構成する弾力性を有するバンドを介して一体成形したことを特徴とする。
【0007】
バンドはバルブの周囲に複数配置され、一端が中栓本体先端部の注出口周縁に接続され、他端がバルブの側面に接続されていることを特徴とする。
【0008】
バルブは注出口から外に出た状態で中栓本体と一体成形され、前記バルブを注出口内に押し込んでバンドを弾性変形させ、該バンドの弾性復元力によって弁座に対してバルブを押し付ける構成となっていることを特徴とする。
【0009】
中栓本体先端部の注出口周縁には先端フランジ部が設けられ、該先端フランジ部内周の注出方向上流端縁に環状の弁座が設けられていることを特徴とする。
【0010】
バルブは、弁座に対して接離するバルブ本体部と、該バルブ本体部上面から上方に突出する凸部とを有し、バルブ本体部の側面形状は注出方向下流側に向かって徐々に大径となる傾斜面となっており、大径端部に弁座に当接するシール部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るバルブ付き中栓を示している。
このバルブ付き中栓1は、容器2の口頸部3の開口部に装着され先端部に注出口11を備えた中栓本体10と、中栓本体10内に挿入され中栓本体10内周に設けられた弁座12に対して内容液の注出方向上流側から接離して注出口11を開閉するバルブ20と、バルブ20を弁座12に対して押し付ける方向に付勢する付勢手段としての弾力性を有するバンド30と、を備えている。
【0012】
バルブ20は注出口11から外に突出する凸部21を有し、凸部21を中栓本体10内に押し込むことによって開弁する構成となっており、中栓本体10とバルブ20とをバンド30を介して一体成形している。
【0013】
中栓本体10は中空の筒形状で、容器2の口頸部3の開口部に嵌合される下筒部13と、この下筒部13から上方に突出する上筒部14と、下筒部13の上端部から張り出すフランジ部15とを備えた構成となっている。
中栓本体先端部に当たる上筒部14先端部の注出口11周縁には半径方向内側に突出する環状の先端フランジ部16が設けられ、先端フランジ部16内周の注出方向上流端縁(図中下端縁)に環状の弁座12が設けられている。この弁座12は注出方向上流側に向かって拡径するテーパ形状となっている。
【0014】
バルブ20は、弁座12に対して接離する円板形状のバルブ本体部22と、バルブ本体部22上面から上方に突出する上記した凸部21とを備え、バルブ20下面には軽量化を図るための穴23が穿設されている。
【0015】
バルブ本体部22の側面形状は、注出方向下流側(図中上方)に向かって徐々に大径となる逆円錐台形状の傾斜面となっている。上流側の小径端部の径は注出口11の口径より小径で、下流側大径端部が注出口11の口径より大径となっており、大径端部に弁座12に接離するシール部24が設けられている。このシール部24も弁座12に対応してテーパ形状となっている。
【0016】
バンド30はバルブ20の周囲に複数配置され、一端が中栓本体先端部の注出口11周縁に接続され、他端がバルブ20の側面に接続されている。この実施の形態では、一端が先端フランジ部16に接続され、他端がバルブ20の凸部21の側面の下部に連接されている。この例ではバンド30は2枚で、バルブ20を中心に互いに180°反対側に配置されている。このバンド30は、予め弾性変形され、バルブ20を常時弁座12に対して押し付ける方向に付勢する弾発力を有している。
【0017】
このバルブ付き中栓1は、図2(A)に示すように、注出口11から外に出た状態で中栓本体11と一体成形され、図2(B)に示すように、前記バルブ20を注出口11内に押し込んでバンド30を弾性変形させ、バンド30の弾性復元力によって弁座12に対してバルブ20を押し付ける構成となっている。
押し込む際には、テーパ形状のバルブ本体部側面が注出口11の先端フランジ部16を押し開き、バルブ20押込みの際に先端フランジ部16が内側に撓むのでスムースに押込むことができる。
【0018】
図3は、このバルブ付き中栓1を装着した容器2の口頸部3にカバーキャップ40を装着した状態を示している。
カバーキャップ40は、筒状部41と、この筒状部41の上端を閉塞する天板部42とを備えており、筒状部41の内周に口頸部3に形成された雄ねじ3aにねじ係合する雌ねじ41aが形成されている。また、筒状部41の上半部内周には段差43が設けられ、下端が中栓本体10のフランジ部15に当接して縦方向の位置合わせをしてカバーキャップ40の天板部42が凸部21に干渉しないようにしている。また、天板部42内周には中栓本体10の上筒部14に嵌合してカバーキャップ40と中栓本体10との間のシール部を構成する筒状部44が設けられている。
【0019】
上記構成のバルブ付き中栓1は、バルブ20がバンド30の弾性復元力によって閉弁状態に保持されている。このバルブ20は弁座12に対して注出方向上流側から当接しているので、容器2をスクイズしてもバルブ20を弁座12に押し付ける方向に圧力が加わり閉弁状態が維持され、不用意な内容液の注出が防止される。
【0020】
注出する際には、塗布箇所(薬液の場合には患部)に凸部21を押し当て、バンド30の弾性復元力に抗して凸部21を押し込み、バルブ本体部22を弁座12から離間させる。この離間したバルブ本体部22と弁座12間の隙間から内容液が注出され、凸部21を伝わって塗布箇所に塗布される。
開弁時のバルブ本体部22と弁座12間の隙間はバンド30の長さによって規制されるので、バンド33の長さによって最大の注出量を設定可能となり、薬液が出過ぎることを防ぐことができる。
なお、このバルブ付き中栓は、薬液の塗布の他、液体糊の塗布等種々の用途に適用できることはもちろんである。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、中栓本体とバルブとを付勢手段を構成する弾力性を有するバンドを介してすべて一体化したので、部品点数が削減できると共に組み付け作業もバルブを押し込むだけの工程となり、大幅なコスト削減を図ることができる。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、バンドはバルブの周囲に複数配置され、一端が中栓本体先端部の注出口周縁に接続され、他端がバルブの側面に接続された構成となっているので、バンドによってバルブを注出口の中心に位置合わせすることができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、バルブは注出口から外に出た状態で中栓本体と一体成形され、前記バルブを注出口内に押し込んでバンドを弾性変形させ、バンドの弾性復元力によって弁座に対してバルブを押し付ける構成となっているので、成形が簡単にできる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、中栓本体先端部の注出口周縁には先端フランジ部が設けられ、先端フランジ部内周の注出方向上流端縁に環状の弁座が設けられる構成となっているので、バルブ押込みの際に先端フランジ部が内側に撓んでスムースに押込むことができる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、バルブは、弁座に対して接離するバルブ本体部と、該バルブ本体部上面から上方に突出する凸部とを有し、バルブ本体部の側面形状は注出方向下流側に向かって徐々に大径となる傾斜面となっており、大径端部に弁座に当接するシール部が設けられているので、バルブ押込み時にバルブ本体部の傾斜した側面によって先端フランジ部が徐々に押し広げられ、より一層押込み作業の作業性がよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係るバルブ付き中栓を示すもので、同図(A)は縦断面図、同図(B)は平面図、同図(C)は開弁状態の部分断面図である。
【図2】図2は図1のバルブ付き中栓のバルブ押込み手順の一例を示す説明図である。
【図3】図3は図1のバルブ付き中栓にカバーキャップを装着した状態の縦断面図である。
【符号の説明】
1 バルブ付き中栓、2 容器、3 口頸部、3a 雄ねじ
10 中栓本体
11 注出口、12 弁座、13 下筒部、14 上筒部、15 フランジ部
16 先端フランジ部
20 バルブ
21 凸部、22 バルブ本体部、23 穴、24 シール部
30 バンド
40 カバーキャップ
41 筒状部、41a 雌ねじ、42 天板部、43 段差
Claims (5)
- 容器の開口部に装着され先端部に注出口を備えた中栓本体と、該中栓本体内に挿入され中栓本体内周に設けられた弁座に対して内容液の注出方向上流側から接離して注出口を開閉するバルブと、該バルブを前記弁座に対して押し付ける方向に付勢する付勢手段と、を備え、前記バルブは注出口から外に突出する凸部を有し該凸部を中栓本体内に押し込むことによって開弁する構成のバルブ付き中栓において、
前記中栓本体とバルブとを前記付勢手段を構成する弾力性を有するバンドを介して一体成形したことを特徴とするバルブ付き中栓。 - バンドはバルブの周囲に複数配置され、一端が中栓本体先端部の注出口周縁に接続され、他端がバルブの側面に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブ付き中栓。
- バルブは注出口から外に出た状態で中栓本体と一体成形され、前記バルブを注出口内に押し込んでバンドを弾性変形させ、該バンドの弾性復元力によって弁座に対してバルブを押し付ける構成となっていることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブ付き中栓。
- 中栓本体先端部の注出口周縁には先端フランジ部が設けられ、該先端フランジ部内周の注出方向上流端縁に環状の弁座が設けられている請求項3に記載のバルブ付き中栓。、
- バルブは、弁座に対して接離するバルブ本体部と、該バルブ本体部上面から上方に突出する凸部とを有し、バルブ本体部の側面形状は注出方向下流側に向かって徐々に大径となる傾斜面となっており、大径端部に弁座に当接するシール部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のバルブ付き中栓。
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2002
- 2002-12-13 JP JP2002362919A patent/JP2004189329A/ja active Pending
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