JP2004188404A - 海洋生物死滅方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】取水通路に電極対11を設け,チタン白金メツキ金網12の電極間距離を1ミリメーター以内として,1,2ボルト0.7アンペアから6ボルト2アンペア迄の電圧,電流を該電極対に加えて電場を発生させ,副生成物を生じることなくプランクトン,混入生物幼生に電気ショツクを与えて細胞膜を破壊することで瞬間的に死滅させる。
【選択図】図1
Description
[産業上の利用分野]
本発明は生態系を破壊する地球規模の淡水,海水中のプランクトン,混入生物幼生による水系の汚損による被害を防止するための,無害化を提供することを目的としたプランクトン,混入生物幼生を瞬間的に死滅することを特徴とする方法に関する。
【0002】
[従来の技術]
淡水アオコ ,海水アオコは同じ種でありながら淡水域,海水域いずれにも棲息できるが死滅は大変困難であり,人類の飲料水としての溜め池,ダムなどでの被害が継続している。同様に近年海面養殖において二枚貝類を貝毒する赤潮プランクトンのヘトロカブサ,アレキサンドリウム・タマレンセ等が有毒サキシトキシン群を産出することによりカキ、アサリ等が摂餌すると毒化するために大きな脅威である。これは浮遊汚濁物質の増加とそれらの沈降稚積による底土のヘドロ化と窒素、リン 流入による冨栄養化等が原因とされているが,従来より対策はなかつた。これらのプランクトン,混入生物幼生は取水系統に付着して増殖するので,これの除去作業は困難で環境破壊せずに混入することを防止することが期待されていた。
【0003】
発電所熱交換器管壁,水族館送水配管などの付着物はたとへば化学物質の銅イオン,塩素の注入による防止方法が実用されているが,これらは環境破壊に直結する恐れがあるもので取り扱いに危険があるにもかかわらず効果は確実でない。
【0004】
海水中の赤潮プランクトン,混入生物は,我が国が産油国より多量に輸入する原油の油槽船に重しとして日本海域内で海水を積込み時に混入し,これらの国に到着後,原油積込み前に当該海域に排水されるので,日本からの赤潮プランクトン,混入生物は該海域に大量に供給される。このため油槽船内で完全に死滅させ無害化とする要求が世界的に見られている。ムラサキイガイは,地中海より全世界に広がつたものであり,同様な事例として船舶によつて仲介され移動したので世界中がその被害に困つているが従来より根本的な対策がない。
【0005】
[発明の解決しようとする課題]
本発明は,請求項1記載の淡水,海水を取水時に無害化とすることが可能で,安全に水中のプランクトン,混入生物の幼生による被害を根絶するために,低い電圧,電流による安全な副生成物を生じることの無い無公害の細胞膜破壊のための電気ショツクを利用した新しい完全死滅の技術方法を提供することを目的とする。
【0006】
請求項2記載のタンク水を無害化とするために,電極対をタンク内に複数設けてタンク水を使用あるいは保存中にもプランクトン,混入生物幼生の完全死滅を行う技術の方法を提供することを目的とする。
【0007】
請求項3記載の水ポンプに電極対を設けることにより,本発明による完全死滅装置をまだ設けていない場所でも,無害化として安全に供用できるようにする。また予め清浄水として浄水場,マンションの水タンクなどへより安全な無公害水を供給できるように,アオコなどのプランクトン,混入生物幼生の完全死滅を行う技術の方法を提供することを目的とする。
【0008】
[課題を解決するための手段]
上述のような目的を達成するために、本発明請求項1記載の取水通路に電極対を設け1,2ボルト0,7アンペアから6ボルト2アンペアまでの電圧,電流を電極対に加えて電場を発生させ副生成物塩素の効果によらず,細胞膜を破壊することでプランクトン,混入生物幼生を瞬間的に死滅することを特徴とする方法を採用した。これらのプランクトン,混入生物幼生を中途半端に攻撃して死滅させられなかつた場合には,必ず大増殖して反撃され大被害を蒙るので,絶対に細胞膜を破壊し死滅を完全とすべきである。取水通路に電極対を設け,電気ショツクで細胞膜を破壊することは経済的にも安い費用で設備しうる上に,ワツト数も少なくランニングコストは極めて低いので,公害を生じることなく実用化しうる効果がみられるように,次の条件により克服した。
【0009】
(1)電子移動反応により微少な電位を細胞に付加することで,細胞が死滅しうることが知られている。海水は電解質であるが,副生成物の塩素が生じない数値の,極めて低い微弱電流と電圧によりプランクトン,混入生物幼生は死滅した。
(2)微生物としてのプランクトン,混入生物幼生は通常0,1〜数十ミクロンであり金網電極と接触して死滅させるのではなく,1ミリメータの厚さの電場を通過する際に細胞膜が破壊され死滅する方法を採用した。接触して死滅させる方法に必要とされる膨大な電極対表面積と数量は不用であつた。接触して死滅させる場合には電極網目を小さくすると目詰まりが発生する不具合が生じる。
(3)電源として既存の発電機関容量を増設する費用,スペース,増設期間延長などの付帯工事は発生しなかつた。1,2ボルトから6ボルトの微少な電位を細胞に付加することで死滅させるので,これらの大型付帯工事の発生はなく照明器具並の電力増加のため電源計画の変更も不用であつた。
(4)プランクトン,混入生物幼生は,環境中の栄養塩類が豊富でなければ増殖できないが,地球の温暖化による海水温度上昇と生活レベルの上昇による生活排水の海域への流入によつて栄養塩類が豊富になつているので海域を選ばずどこでも増殖できるようになつた。アオコなども淡水,海水の区別なく棲息できるので淡水タンクで増殖させることが自由になるので,副生成物の塩素を生じずに本発明の効果により死滅を瞬間的になし得た。
(5)貝毒プランクトンの二枚貝体内蓄積によつて養殖カキの販売停止が見られている。これらの貝毒プランクトンはたとえばアレキサンドリュウム.タマレンセは鞭毛によつて遊泳している。1,2ボルトから6ボルトの微少な電位の加電により瞬間的に遊泳停止し分解ゴミとなつた。毒部もバクテリアにより分解されるので海域にはなにも障害は残らなかつた。
【0010】
上述のような目的を達成するために,本発明請求項2記載のタンク水を無害化するために,電極対をタンクにそれぞれ複数設けプランクトン,混入生物幼生の死滅を行う方法では,取水通路以外に二重の安全性を求めて課題を解決する手段を提供した。何らかの原因により未処置の回路からタンクに流入しても本発明の方法によつてタンク内で死滅効果が継続した。また電極対の陰極側からの水素ガス発生による対流効果も見られた。
【0011】
本発明請求項3記載のポンプに電極対を設けてプランクトン,混入生物幼生の完全死滅を行つて,他の場所にも供給可能として,本死滅装置をまだ使用していないところにも 送水を行うことができるようにした。配管の接続によつて自由に使用出来るようになつた。容量を極端に大きくしなくても循環方式により自動化して使用できる利点を生じた。
【0012】
[作用]
本発明請求項1記載のプランクトン,混入生物幼生を死滅させる方法では,以下に述べるような作用がある。プランクトン,混入生物幼生は細胞膜が破壊されると死滅するのであり,そのための電気的殺菌方法としては高圧パルス電場をかける,交流電源で過酸化水素や塩素などの殺菌作用をもつ物質を生成させる方法がある。一方では細胞−電極間電子移動反応によるものがあり,海水や淡水の分解が起こらない0,74ボルトの低い電位を印加して殺菌させ科学物質の溶出の無い新しい電気ショツク法を利用するものがある。細胞のマイナス電位に対しプラスの電位を与えて死滅させる本方法では自己の負電荷の水和が破壊され細胞膜がくずれ剥離などを生じ死滅脱色透明化分解するので瞬間的に死滅する。
【0013】
また,海水のノリ付着珪藻類のリクモフォラ死滅は,顕微鏡200倍率で観察すると細胞膜が脱色透明化し,下地のノリの細胞が見えていなかつたものが,次々と明らかに見えるようになる。細胞膜がペロツと剥がれ落ち脱色透明化死滅する。プランクトンとしてのリゾソレニア,ユーカンピアなどの浮遊珪藻類も本発明の方法で死滅した。同様にフラボバクテリウムも淡水,海水中を問わず棲息できるが同様に瞬時に死滅させ得た。
【0014】
本発明請求項2記載のプランクトン,混入生物幼生を死滅させる方法では,タンク内に電極対を複数設けるので,船舶では船体動揺としてのローリング,ピツチングを利用しながら水循環が発生し,電極対内を通過するのでプランクトン,混入生物幼生を死滅させることが可能となるが、陸上のタンクではこのような対流は生じないが本発明の電極対を複数設けると陰極側の水素ガスの上昇流れにより水循環が発生する効果が見られた。
【0015】
本発明請求項3記載のプランクトン,混入生物幼生を死滅させる方法では,ポンプ内に電極対を設けるので,ポンプを通過する海水は瞬間的にプランクトン,混入生物幼生を死滅させることが可能である。このためポンプ以外の場所に死滅装置としての電極対を設備する必要がなくなつた。ポンプ内を通過する瞬間にプランクトン,混入生物幼生を死滅させる特徴が生かされる。
【0016】
[実施例]
以下本発明の請求項1の実施例を図面に基ずいて詳細に説明する。図1では海面1に存在するプランクトン,混入生物幼生2を,吸水配管3よりポンプ4を介し吐出配管5を通りタンク6に供給される途中に電極対容器7内で加電形成した電場8で死滅するよう構成されている。電源装置9よりの電線10を介し電極対11に通電する。環境破壊の全くない副生成物を生じない方式を採用したため,取水域のプランクトン,混入生物幼生は完全に死滅した状態で取水される。電極対は,チタン白金メツキ金網12を間隙片13により陽極14と陰極15に分けて,その間隙を数ミクロンから1ミリメータまで調整して電場で死滅するよう構成されている。
【0017】
本発明の請求項2の実施例を図面2に基ずいて詳細に説明する。水タンク16内に複数の電極対容器7を設け,電源装置9よりの電線10を介し電極対11に通電して水タンク中に電場を生じさせることでプランクトン,混入生物幼生2を瞬間的に死滅させた。水タンク内の循環対流17が陰極15側に発生してプランクトン,混入生物幼生の死滅を加速した。請求項1の実施例図1に記載の符号の説明は同様であり参考できる。
【0018】
本発明の請求項3の実施例を図面3に基ずいて詳細に説明する。ポンプ4に電極対11を設け,ポンプ電極対の電場8を通過する瞬間にプランクトン,混入生物幼生2を死滅させるように構成されている。請求項1の実施例図1に記載の符号の説明は同様であり参考できる。
【0019】
[発明の効果]
本発明請求項1記載の取水通路にチタン金網に白金メツキを施こした電極の電極間距離を1ミリメーター以内として設けた電極対に,1,2ボルト0,7アンペアから6ボルト2アンペアまでの電圧,電流を加えて電場を発生させて電場を通過する瞬間にプランクトン,混入生物幼生を死滅させながら,副生成物も生じない方法では前記方法を採用したため,従来から何ら改善対策されることのなかった水環境汚染を一挙に解決できるものである。アオコによる飲料水汚染,毒プランクトンの食物汚染,配管内付着生物の除去などの被害の防止も可能となった。
【0020】
本発明請求項2記載の水タンクにチタン金網に白金メツキを施こした電極間距距離を1ミリメーター以内として設けた電極対に,1,2ボルト0,7アンペアから6ボルト2アンペアまでの電圧,電流を加え電場を発生させ瞬間的にプランクトン,混入生物幼生を死滅させ副生成物も生じない方法では前記方法を採用したため,水タンク内の循環対流を発生させてプランクトン,混入生物幼生の死滅を加速した。たとえば船舶の約2ケ月の往復航海中に継続して使用できる利点と完全に安全なバラスト水を排水できた。従来からこのような往復航海中に継続して使用できる方法はなかつたので経済的な使用効果が生じた。
【0021】
本発明請求項3記載のポンプに電極対を設け,ポンプ電極対に1,2ボルト0,7アンペアから6ボルト2アンペアまでの電圧,電流を加電しての電場を通過する瞬間にプランクトン,混入生物幼生を死滅させるようにしたため,例えば船舶のポンプ冷却水回路に付着する海洋生物がまつたく見られなくなつた。船舶隻数は圧倒的に多いので経済的,時間的な効果が極めて大きい効果を生じた。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明請求項1記載の方法に使用する装置を示す説明図である。
【図2】本発明請求項2記載の方法に使用する装置を示す説明図である。
【図3】本発明請求項3記載の方法に使用する装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 海面 10 電線
2 プランクトン,混入生物幼生 11 電極対
3 吸水配管 12 チタン白金メツキ金網
4 ポンプ 13 間隙片
5 吐出配管 14 陽極
6 タンク 15 陰極
7 電極対容器 16 水タンク
8 電場 17 循環対流
9 電源装置
Claims (3)
- 淡水,海水の取水通路に,チタン金網に白金メツキを施こした電極の電極間距離を1ミリメータ以内として設けた電極対に,1,2ボルト0,7アンペアから6ボルト2アンペアまでの電圧,電流を加えて電場を発生させ,副生成物を生じることなく,水中のプランクトン,混入生物の幼生に電気ショツクを与えることで細胞膜を破壊して瞬間的に死滅させることを特徴とする方法。
- 淡水,海水のタンクに,チタン金網に白金メツキを施こした電極の電極間距離を1ミリメータ以内として設けた電極対に,1,2ボルト0,7アンペアから6ボルト2アンペアまでの電圧,電流を加えて電場を発生させ,副生成物を生じることなく,水中のプランクトン,混入生物の幼生に電気ショツクを与えることで細胞膜を破壊して瞬間的に死滅させることを特徴とする方法。
- 淡水,海水のポンプに,チタン金網に白金メツキを施こした電極の電極間距離を1ミリメータ以内として設けた電極対に,1,2ボルト0,7アンペアから6ボルト2アンペアまでの電圧,電流を加えて電場を発生させ,副生成物を生じることなく,水中のプランクトン,混入生物の幼生に電気ショツクを与えることで細胞膜を破壊して瞬間的に死滅させることを特徴とする方法。
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