JP2004188149A - X線ct装置の投影データから直接三次元画像を作成する三次元画像表示装置 - Google Patents

X線ct装置の投影データから直接三次元画像を作成する三次元画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】X線CT装置の投影データから直接三次元画像を作成する三次元画像表示装置を構築する。
【解決手段】X線CT装置のX線走査によって収集した投影データを蓄積する機構と,三次元画像を再構成して表示する関心空間領域を設定し,この関心空間領域内においてCT値を求める複数の点の空間位置を指定し,この複数の点のCT値を投影データから画像再構成処理によって求める機構と,得られたCT値のデータセットを使用して三次元画像を作成する機構とを具備し,CT値を求める点の空間領域を三次元画像を表示する空間領域に限定し,またCT値を求める点の密度分布を三次元画像の画質に基づいて指定することによって補間処理の回数を減らし,計算量を削減し,X線CT装置における画像再構成処理で得られたスライスまたはボリューム画像データを使用せずに,投影データから直接三次元画像を作成・表示する三次元画像表示装置を実現した。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術】
本発明は,X線CT装置の投影データから直接三次元画像を作成する三次元画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線CT装置は,寝台の天板上に横臥した被検者の周囲を回るX線管から被検者にX線を照射し,被検者を透過したX線の強度をX線検出器で検出することによって被検者の横断面の投影データを収集する。次に寝台の天板を移動させた後に,同様に被検者の横断面の投影データを収集する。この天板の移動と投影データの収集を繰り返すことによって被検者の複数横断面の投影データを収集する。このようにして収集した被検者の複数横断面の投影データに対して高速データ処理装置で画像再構成処理を行うことによって被検者の複数横断面の画像データを得る。
【0003】
X線CT装置で検査したデータの利用方法としては,X線CT装置で複数横断面の投影データを収集し,高速データ処理装置でこの複数横断面の投影データに画像再構成処理を行って複数横断面の画像データを作成し,画像表示装置でこの複数横断面の画像データを表示し,レーザーイメージャなどで表示した複数横断面の画像をフィルムに焼き付け,フィルム観察器で複数横断面の画像を焼き付けたフィルムを観察することによって,被検者の異常部位を発見することが広く行われてきた。初期のX線CT装置では再構成された画像データの枚数は十枚から数十枚であったのでこのような方法が可能であった。
【0004】
X線CT装置で検査したデータの利用方法としては,最近では,X線CT装置で複数横断面の投影データを収集し,高速データ処理装置でこの複数横断面の投影データに画像再構成処理を行って複数横断面の画像データを作成し,この複数横断面の画像データを磁気ディスク装置,光磁気ディスク装置,光ディスク装置などの記憶媒体に保存する。この記憶媒体に保存された複数横断面の画像データを読み出し,画像表示装置にこの画像データを表示して観察することが行われている。また,この記憶媒体に保存された複数横断面の画像データを読み出し,画像処理装置でこの画像データに対して画像処理を行うことがある。例えば,三次元画像表示装置でこの画像データから三次元画像を構築し,その三次元画像を観察することが行われている。
【0005】
初期のX線CT装置では被検者が横臥した天板の移動とX線照射による被検者の投影データの収集とは交互に行われていた。X線CT装置の技術が急速に進歩し,最近のX線CT装置では被検者が横臥した天板の移動を行いながら同時にX線照射を行って投影データを収集するようになった。このような投影データの収集方式はヘリカルスキャンと呼ばれている。
【0006】
初期のX線CT装置では被検者が横臥した天板の移動とX線照射による被検者の投影データの収集とは交互に行われていたので,投影データを収集した横断面が画像再構成を行って得た画像データの横断面であった。すなわち,投影データを収集した横断面と画像再構成を行って得た画像データの横断面とは一致しており,投影データを収集した横断面の数と画像再構成を行って得た画像データの枚数は同一であり,また投影データを収集した横断面の位置は患者の体軸方向に離散的に分布していた。ところがヘリカルスキャン方式では被検者が横臥した天板の移動を行いながら同時にX線照射を行って投影データを収集するため,離散的な投影データ収集横断面は存在しない。このため,一般に仮想的な横断面を設定して投影データの補間処理を行って仮想的な横断面の投影データを求め,この仮想的な横断面の投影データを使用して画像再構成処理を行っている。この投影データの仮想的な横断面はかなり自由に設定できるので,投影データの仮想的な横断面の設定次第で画像再構成処理によって得た画像データの枚数や横断面の間隔はかなり自由に選択できる。
【0007】
初期のX線CT装置では,被検者を透過したX線の強度を検出するX線検出器は被検者の体軸方向には一列で,被検者の一横断面の投影データを収集していた。X線CT装置の技術が急速に進歩し,最近のX線CT装置では被検者の体軸方向に複数列のX線検出器を配置し,被検者の複数横断面の投影データを同時に収集する多列検出器を使用している。この多列検出器とヘリカルスキャン方式とを同時に使用することによって,初期のX線CT装置よりも格段に多い投影データを収集するようになった。この多列検出器・ヘリカルスキャン方式では,初期のX線CT装置のような離散的な投影データの収集横断面は存在せず,一般に仮想的な横断面を設定して投影データの補間処理を行って仮想的な横断面の投影データを求め,この仮想的な横断面の投影データを使用して画像再構成処理を行っている。この投影データの仮想的な横断面は自由に設定できるので,投影データの仮想的な横断面の設定次第で画像再構成処理によって得た画像データの枚数や横断面の間隔を自由に選択できる。
【0008】
X線CT装置を使用した検査では,現状では,X線CT装置で投影データを収集し,高速データ処理装置でこの投影データに画像再構成処理を行い,この画像再構成処理の結果として得た複数横断面の画像データを磁気ディスク装置,光磁気ディスク装置,光ディスク装置などの記憶媒体に保存している。X線CT装置で検査した結果の利用方法としては,画像再構成処理の結果として得た複数横断面の画像データを使用して作成した画像をフィルムに焼き付け,このフィルムを観察する方法と,画像再構成処理の結果として得た複数横断面の画像データを使用して画像観察装置に画像を表示して観察する方法,画像再構成処理の結果として得た複数横断面の画像データに対して画像処理装置で三次元画像処理などの画像処理を行い,その結果を観察する方法などがある。この利用方法ごとに最適の画像再構成処理のパラメータがあるが,現状では長期間にわたって保存されているデータは画像再構成後の画像データであって,画像再構成前の投影データの長期保存は行われていないこと,また投影データからの画像再構成には大きな計算資源を必要とすることなどによって,それぞれの利用方法ごとに最適の画像再構成処理パラメータを使用して再度再構成処理を行うことは研究目的以外では行われていない。
【0009】
特に,複数横断面の画像データを使用して三次元画像を構築する場合には,横断面の画像を直接観察する場合に適した画像再構成処理パラメータとは異なった三次元画像処理に適した画像再構成処理パラメータを使用して画像再構成した複数横断面の画像データを使用することによってよい結果が得られる場合がしばしばあるが,一般には長期間保存されているのは画像再構成後の画像データのみで,投影データは長期間保存されていないので,このような使用目的別の画像再構成処理は研究目的以外では行うことができない。
【0010】
また,X線CT装置がたとえ投影データを長期間保存しているとしても,X線CT装置ではルーチン的に多数の検査が連続して行われているので,外部の利用者がこの投影データに対して利用者の希望する画像再構成パラメータを使用して画像再構成を行うことは,現実ではほとんど不可能である。このため投影データの画像再構成はルーチン検査ではあらかじめ決められた画像再構成パラメータによって行われている。
【0011】
最近のX線CT装置では画像再構成で得られた画像データに対して三次元画像処理などの高度な画像処理を行うことが可能な機種も存在する。しかしながら,このような機能が備わっていても,X線CT装置ではルーチン的に多数の検査がほとんど連続して行われているので,外部の利用者がこの機能を使用して三次元画像処理を行うことは,現実ではほとんど不可能である。
【0012】
最近の多列検出器・ヘリカルスキャン方式のCT装置では,初期のCT装置と比較して,X線検出器の雑音の低下とX線検出器の空間密度の向上およびヘリカルスキャンピッチ密度の向上によって,収集する投影データの空間分布が精細になっている。このため,画像再構成の画素数を保ちながら画像再構成を行う空間領域を小さくしても,雑音の増加の少ない精密な画像を得ることができる。したがって同一投影データに対して画像再構成領域を小さくすることによって,被検体の関心領域の画像の空間精度を向上することができる。また画像再構成面の間隔を狭くしても雑音の増加の少ない意味のある画像を得ることができるので,体軸方向の空間分解能も向上させることができる。
【0013】
最近の多列検出器・ヘリカルスキャン方式のCT装置では収集する投影データの空間分布が精細になったことにより,被検体の横断面内だけでなく体軸方向も細かい間隔の空間位置でCT値を求めることが可能になった。CT画像データを使用した三次元画像表示装置では,投影データの画像再構成によって得た横断面の画像データを体軸方向に積み重ねることによってボクセルデータ作成し,これに三次元再構成処理を行うことによって,三次元画像を作成しこれを表示している。最近の多列検出器・ヘリカルスキャン方式のCT装置で得られたCT画像データを使用すると,非常に精密な三次元画像を得ることが可能である。
【0014】
CT画像データから三次元画像を作成するには,X線CT装置で投影データを画像再構成して横断面の画像データを作成し,この画像データを体軸方向に積み重ねることによってボクセルデータ作成する。横断面の画素数が例えば512×512画素で画素寸法が0.5mm×0.5mmの画像データを体軸方向に例えば0.5mm間隔で512枚積み重ねると,256mm×256mm×256mmの空間領域を持つ,512×512×512個のボクセルの立方体を作成する。次に,このボクセルの立方体にサーフェスレンダリングやボリュームレンダリングの三次元再構成処理を行うことによって,三次元画像を作成しこれを表示する。
【0015】
このようにこれまでの三次元表示装置は,X線CT装置で投影データを画像再構成してCT画像データを作成し,これを使用してボクセルデータを構築している。放射線科医はCT画像の二次元画像を読影する場合には,被検体の横断面を表す一連のCT画像を平面的に並べて配置し,これを観察することによって異常の有無を読影する。一方三次元画像として読影する場合には,この一連のCT画像データからボクセルデータを構築し,このボクセルデータを構成するそれぞれのボクセルの物理的性質すなわちCT値に基づいてそのボクセルに不透明度を与え,このボクセルデータを観察する観察者の視線の方向と光源の方向を与えて,光源からの光が物体を通過することによる減衰と反射を不透明度から計算し,これを積分して画像を作成する。従って,表示する画像のボクセル数に対応した積分計算が必要になり,ボクセル数が大きいほどボリュームレンダリングの計算時間は増大する。すなわち,ボリュームレンダリング法は,光の透過特性である不透明度を各CT値に割り当て,視線方向に沿った光源減衰を全ボクセルで管理するもので,ボリューム全点においてグレイレベルグラディエント法で算出した濃淡付けを元に,入射光源量とそのボクセルの有する不透明度との乗算によって輝度値を算出する。これを視線方向に順次積算していくこと(レイキャスティング)によって三次元画像を得ている。ボリュームレンダリング法では,CT値が急激に変化するエッジにおいても自然で滑らかな濃淡が得られ,末梢血管のような細かな組織の描出能も飛躍的に向上する。従来,サーフェスレンダリング法が三次元表示の主流であったが,現在はボリュームレンダリング法が多く用いられている。
【0016】
このようにこれまでの三次元表示装置は,X線CT装置で被検体を走査して投影データを収集し,この投影データを画像再構成することによって得た複数枚のCT画像データを使用している。CT画像を二次元画像として観察する場合には,空間分解能よりもむしろ密度分解能が重要であるが,一方CT画像データから三次元画像を再構成して観察する場合には,密度分解能よりも空間分解能を要求される場合があるなど,CT画像を二次元画像として観察する場合と,三次元画像を再構成してこれを観察する場合では,投影データを画像再構成する場合の最適パラメータが異なる場合が多い。しかしながら現状では,CT画像データはX線CT装置において投影データを二次元画像として観察する場合に最適の画像再構成パラメータを使用して再構成しており,三次元画像表示装置ではこの二次元画像観察に最適化されたCT画像データを使用して三次元画像再構成を行っている。これは投影データを画像再構成するためには大きな計算機資源を必要とすること,投影データを蓄積しておくためには大きな記憶容量を必要とすることなどによる。
【0017】
X線CT装置においては,
(1)被検体の横断面の外周を移動するX線源から,横断面の面内に沿って扇状にX線を放射し,被検体を透過したX線を例えば500個のX線検出器で測定する。これによって一つの線源位置で例えば500個のデータが測定される。これを被検体の横断面の外周の180度以上にわたって繰り返すことによって,投影データを収集する。例えば1度毎に繰り返した場合には,180以上の方向のデータが収集されるので500×180=90000の投影データが収集される。
(2)収集した投影データに雑音除去などの前処理を施した後,これにコンボリューション処理などを行う。
(3)投影データを収集した被検体の横断面に相当する位置に,例えば1mm×1mmの正方形の画素で構成した512×512画素の画素平面を設定し,この画素平面の各画素に対して,投影データ収集時のX線源の位置からコンボリューション処理を行った投影データを扇状に逆投影する。
(4)このとき,この逆投影するデータは必ずしも画素平面の画素の中心を横切らないので,近傍の逆投影データを使用して補間処理を行い,近似したデータを各画素に割り当てる。
(5)この逆投影処理を,収集したすべての投影データに対して繰り返し行うことによって,512画素×512画素の画素平面の各画素が,被検体のX線に対する物理的性質に対応する値を持つ画像データが再構成される。
(6)被検体の横断面の位置を体軸方向に例えば1mm動かして,同様に投影データを収集し,これに画像再構成処理を施すことによって,同様に横断面の画像データを再構成する。
(7)被検体の横断面の位置を体軸方向に移動しながら,これを繰り返すことによって,被検体の横断面の画像データを例えば1mm間隔で500枚収集することができる。このデータセットを使用して,例えば1mm×1mm×1mmの立方体の画素(ボクセル)で構成した512×512×500ボクセルのボクセル空間を作成できる。
(8)このようにして作成したボクセル空間に対して,ボリュームレンダリングなどの三次元画像処理を施すことによって,三次元画像を作成・表示する。
【0018】
図1は従来のX線CT装置とネットワークで接続された三次元表示装置を模擬的に示すブロック図である。101はX線CT装置,111はX線CT装置のスキャナ部,112はデータ収集部を模擬的に表している。スキャナ部のX線源による被検体の走査をX線検出器によって検出することによって収集した投影データはデータ収集部でディジタル化される。このディジタル化されたX線検出器の出力データ122は前処理部113に送られ,ここでデータの雑音除去や較正などの前処理が行われる。前処理部113で前処理された投影データ123は画像再構成装置114に送られる。前処理済みの投影データ123に対して画像再構成装置114で画像再構成処理が行われる。画像再構成された画像データ124はX線CT装置のコンソール115に送られて表示されると共に,画像データ蓄積装置116に保存される。221は外部の三次元画像表示装置などに送られる画像データを示している。
【0019】
201は三次元画像表示装置を示す。211は画像データ蓄積装置で,X線CT装置から送られる画像データ221を保存する。212は三次元画像処理装置である。三次元画像処理装置212は,操作者が指定した画像データ222を画像データ蓄積装置211から受信し,これにボリュームレンダリングなどの三次元画像再構成を行い,作成した三次元画像223をコンソール213で表示する。
【0020】
この例で示すように,従来の三次元画像表示装置の使用者はX線CT装置で画像再構成された画像データを使用して三次元画像を作成している。投影データを使用して新たに画像再構成処理を行い,この新たに画像再構成された画像データを使用して三次元画像を作成することは,ルーチンでは実現していない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
X線CT装置を使用した検査では,X線CT装置で投影データを収集し,この投影データに対して高速データ処理装置で画像再構成処理を行い,この画像再構成処理の結果として得られた複数横断面の画像データを磁気ディスク装置,光磁気ディスク装置,光ディスク装置などの記憶媒体に保存している。X線CT装置で検査した結果を利用する方法のそれぞれに適切な画像再構成処理パラメータがあるが,現状では長期間にわたって保存されているのは画像再構成処理後の画像データであって,投影データは長期間保存されていないので,それぞれの利用方法ごとに最適の画像再構成処理のパラメータで画像再構成処理を行うことは実行されていない。特に,複数横断面の画像データを使用して三次元画像を構築する場合には,横断面の画像を直接観察する場合に適した画像再構成処理パラメータとは異なった三次元画像処理に適した画像再構成処理パラメータを使用して画像再構成した画像データを使用したい場合がしばしばあるが,このような使用目的別の画像再構成処理は一般には行われていない。この理由としては,投影データを蓄積しておくためには大きな記憶容量を必要とするので投影データの長期保存は行われていないこと,X線CT装置の画像再構成装置はほとんどの時間をルーチンで使用しているので外部の利用者に開放されていないので投影データを三次元画像用として再構成しようとしても画像再構成装置を使用できないこと,投影データを画像再構成するためには大きな計算機資源を必要とすることなどによる。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために,X線CT装置と接続してX線走査によって収集した投影データを蓄積する機構と,この投影データを使用して三次元画像を作成し表示する機構とを備え,X線CT装置における画像再構成処理で得られたスライスまたはボリューム画像データを使用せずに,投影データから直接三次元画像を作成・表示することを可能にした三次元画像表示装置を実現した。この三次元画像表示装置においては,三次元画像として表示したい関心空間領域,すなわち三次元画像再構成で三次元画像を作成する空間領域を設定する機構と,三次元画像再構成に使用する被検体の特性をあらわす物理量すなわちCT値を求める複数の点の空間分布とその空間位置とをあらかじめ設定する機構とを設けた。この指定した関心空間領域内の指定した空間位置に対して,投影データを使用して再構成処理を行い,被検体のCT値を取得する。これによって得られたCT値のデータセットに対して三次元画像の再構成処理を行い,得られた結果を三次元画像として表示する。
【0023】
従来の三次元画像の作成・表示においては,X線CT装置において投影データから断面位置の異なるスライスデータを画像再構成し,この断面位置の異なるスライスデータを積み重ねることによって三次元ボクセルデータを作成し,この三次元ボクセルデータに対してボリュームレンダリング処理などの三次元画像再構成処理を行って三次元画像を作成・表示している。これに対して,本発明における三次元画像表示装置においては,三次元画像として表示したい関心空間領域すなわち三次元画像再構成を行う関心空間領域を設定する機構と,三次元画像再構成に使用する被検体の特性をあらわす物理量すなわちCT値を求める点の空間分布とその空間位置とをあらかじめ設定する機構とを設けた。この指定した関心空間領域内の指定した空間位置に対して投影データを使用して再構成処理を行い,被検体の特性をあらわす物理量すなわちCT値を取得する。これによって得られた関心空間領域内のCT値のデータセットに対して三次元画像の再構成処理を行い,得られた結果を三次元画像として表示する。
【0024】
また,被検体の特性をあらわす物理量すなわちCT値のデータセットを求める関心空間領域とCT値を求める複数の点の空間分布とその空間位置とが,このCT値のデータセットを使用して三次元画像再構成を行って得られる三次元画像の画質に与える影響を考慮することによって,投影データの画像再構成を行ってCT値のデータセットを求める関心空間領域と,投影データの画像再構成を行ってCT値を求める複数の点の空間分布とその空間位置とを決定することを可能にする機構を備えた。
【0025】
従来のX線CT装置では,投影データの存在するすべての領域に対してその投影データを使用した画像再構成を行っているが,本発明による三次元表示装置では,三次元画像の作成を行う関心空間領域をあらかじめ設定し,その関心空間領域内に対してのみ画像再構成を行う。また,従来のX線CT装置では,画像再構成する画像面の画素数とその寸法はあらかじめ決められており,その画素の中心点に対して画像再構成を行っているが,本発明による三次元表示装置では,作成する三次元画像の画質の面からCT値を求める複数の点の空間分布と空間位置をあらかじめ計画し,その点に対して投影データを使用して画像再構成を行う。これによって,三次元画像の作成に関係しない空間領域の画像再構成が不要になった。また三次元画像を作成する空間領域においても,三次元画像の画質に与える影響の大きい空間領域では緻密に点を分布させ,三次元画像の画質に与える影響の小さい空間領域では疎に点を分布させるか点を分布させないことによって,画像再構成の計算量を大幅に減らすことが可能になった。
【0026】
このようにして画像再構成処理の計算量を大幅に減らすことが可能になったので,三次元画像を作成する都度,投影データから画像再構成を行い,その結果を使用して三次元画像を作成することが可能になった。
【0027】
ボリュームレンダリングで採用されるレイトレーシング処理では,対象物の占める空間領域の内部で視点から対象物の関心領域へ放射される円錐状の範囲について,レイトレーシング処理を行うので,このレイトレーシング処理で使用するレイ上のCT値が与えられれば,ボリュームレンダリングを行うことができる。従って,あらかじめボリュームレンダリングのレイトレーシング処理で使用するレイを決定し,投影データからの画像再構成はこのレイトレーシングで使用するレイ上の点についてのみ行えばよい。またレイトレーシング処理では対象物の不透明度によって光が減衰するので,レイの深さ方向のレイトレーシング処理に寄与する空間領域は限定される。またレイの関心領域より手前側も不透明度を0として無視することが可能である。従って,投影データからの画像再構成はこのレイトレーシング処理に寄与する空間領域についてのみ行えばよい。すなわち本発明では,対象物の関心空間領域と交差するレイのレイ上に設定した点に対して,その点の近傍を通る投影データのセットを使用して画像再構成処理を行い,画像再構成処理の結果として得られたレイ上のCT値を使用してボリュームレンダリングを行う。
【0028】
三次元画像表示における関心領域はX線CTの投影データを取得する空間領域と比較して通常はかなり小さいので,本発明の方法を使用することによって大幅に計算量を削減することが可能であり,三次元画像表示処理のためにその都度投影データから最適化された画像再構成処理を行うことが可能になる。
【0029】
X線CT装置における画像再構成において,投影データを取得した領域よりも小さな再構成領域を設定し,その再構成領域に対して画像再構成処理を行って画素寸法の小さな画像データを得ることは行われている。本発明では,あらかじめボリュームレンダリングのレイトレーシング処理を行う領域とレイの方向と密度,レイ上のCT値を与える点の密度をボリュームレンダリングの立場から与え,このデータによって投影データの画像再構成処理を行う関心空間領域とCT値を求める複数の点の空間分布と空間位置を決定し,この点に対してこの点を通るおよび近傍を通る投影データを使用して画像再構成処理を行うことに特徴がある。
【0030】
従来の方法では,投影データの画像再構成処理と三次元画像再構成処理において,複数回の補間処理を行っている。
(1)ヘリカルスキャンの投影データから画像再構成処理を行う場合には,画像再構成する横断面を通る投影データを求めるためにヘリカルスキャンの投影データに対して補間処理を行う
(2)画像再構成処理では,画像面の画素を通る投影データを求めるために,(1)で求めた投影データに対して補間処理を行う。
(3)三次元画像処理に使用するボクセルデータを構築するために,再構成した断面画像データを体軸方向に積み重ねるが,希望する軸方向間隔を得るために前後の断面画像データを使用して補間処理を行うことがある。
(4)ボリュームレンダリングのレイキャスティング処理でレイ上のCT値を求めるために,ボクセルデータに対して補間処理を行う。
【0031】
本発明の方法では,あらかじめボリュームレンダリングのレイキャスティング処理でCT値が必要である点を決定し,この点に対して近傍を通る投影データの補間処理を行って画像再構成を行い,これによって得られたCT値を使用してボリュームレンダリングのレイキャスティング処理を行っている。従って,データの補間処理は画像再構成処理における近傍を通る投影データの補間処理の1回のみであり,補間処理の回数を大幅に減らすことが可能であり,これに伴って,現在の三次元画像作成法と較べて大幅な画質の向上が可能になる。
【0032】
本発明の方法はデータ処理の計算量を大幅に削減できる。
(1)画像再構成を行う空間領域と点をあらかじめ決定することが可能であるので,画像再構成処理の計算量を大幅に削減できた。
(2)データの補間処理の回数を減らすことができるので,画像再構成処理と三次元画像再構成処理の計算量を大幅に削減することができた。また,データの補間処理の回数を減らすことによって,画質を大幅に向上することができた。
(3)ボリュームレンダリングのレイキャスティング処理で必要とする点のデータがあらかじめ画像再構成処理で用意されているので,三次元画像再構成処理の計算量を大幅に削減できた。
【0033】
これによって,
(1)データ処理の計算量が大幅に削減されるので,今までルーチン的には実現できなかった投影データから三次元画像を直接作成することが可能になった。
(2)三次元画像作成を前提とすることが可能であるので,投影データの画像再構成パラメータに三次元画像に最適な画像再構成パラメータを使用することが可能になった。
(3)データ処理の計算量が削減されたので,従来よりも細かい間隔で画像再構成することが可能になり,三次元画像の画質をさらに向上することができた。
【0034】
本発明ではボリュームレンダリングで使用するボリュームデータの空間領域とボリュームレンダリングが計算に使用するその空間領域内の点の空間座標をあらかじめ求めておき,投影データを使用する画像再構成処理ではそのそれぞれの点の空間座標位置に対して画像再構成処理を行ってCT値を求める。次に三次元画像を作成するボリュームレンダリング処理では,そのそれぞれの点の空間座標位置に対して画像再構成処理で求めたCT値を使用してボリュームレンダリング処理を行う。三次元画像を作成する立場から考えれば,ボリュームレンダリングで使用するボリュームデータの空間領域はボリュームデータ全体の一部分であるので,投影データの再構成を行う空間領域を大幅に削減することが可能であり,これによって画像再構成に必要とする計算資源を大幅に削減できる。これにともない画像再構成に必要とする計算時間を大幅に短縮することができる。また,あらかじめボリュームレンダリングの計算に必要な点のCT値を画像再構成処理によって求めてあるので,従来のボリュームレンダリングでは必要であったボクセル間の補間処理が不要となった。これによって,三次元画像再構成の計算時間を削減し,補間に伴う精度の劣化を防ぎ,画質の向上が可能になった。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下,本発明によるX線CT装置の投影データから直接三次元画像を作成する三次元画像表示装置のシステムについて説明する。図2はX線CT装置とネットワークで接続された本発明による三次元画像表示装置を模擬的に示すブロック図である。101はX線CT装置,111はX線CT装置のスキャナ部,112はデータ収集部を模擬的に表している。スキャナ部における被検体のX線走査をX線検出器によって検出することによって収集した投影データはデータ収集部でディジタル化される。このディジタル化されたX線検出器の出力データ122は前処理部113に送られ,ここでデータの雑音除去や正規化などの前処理が行われる。前処理部113で前処理された投影データ123は画像再構成装置114に送られるとともに投影データ蓄積装置117に送られ保存される。前処理済みの投影データ123に対して画像再構成装置114で画像再構成処理が行われる。画像再構成された画像データ124はX線CT装置のコンソール115に送られて表示されると共に,画像データ蓄積装置116に保存される。321は投影データ蓄積装置117から三次元画像表示装置に送られる投影データを示している。X線CT装置がこの投影データ蓄積装置117を持たない場合もあるが,その場合には,前処理部113で前処理された投影データ123は直接三次元画像表示装置に送られ保存される。
【0036】
301は三次元画像表示装置を示す。311は投影データ蓄積装置で,X線CT装置から送られる投影データ321を保存する。312は画像再構成領域を設定する機能を持ち,三次元画像を作成する関心空間領域に基づいて画像再構成空間領域を設定する。これは物理的には313の画像再構成処理装置に含まれる。画像再構成処理装置313は指定された画像再構成空間領域内の指定された点のCT値を画像再構成処理によって求める。324は画像再構成されたCT値のデータセットで314の三次元画像処理装置に送られる。三次元画像処理装置212は,画像再構成されたCT値のデータセット324を画像再構成処理装置313から受信し,これにボリュームレンダリングなどの三次元画像再構成を行い,作成した三次元画像325をコンソール315で表示する。
【0037】
図3は本発明による三次元画像表示装置における処理とデータの流れを模擬的に示す図である。X線CT装置のスキャナ部111のX線走査によって被検者を透過したX線121はX線検出器で検出され,データ収集部112でディジタル化される。このディジタル化された投影データ122は前処理部113に送られ,ここでデータの雑音除去や較正などの処理が行われる。前処理部113で前処理された投影データ123は画像再構成装置114に送られるとともに投影データ蓄積装置117に送られ保存される。前処理済みの投影データ123に対して画像再構成装置114で画像再構成処理が行われる。画像再構成された画像データ124はX線CT装置のコンソール115に送られて表示されると共に,画像データ蓄積装置116に保存される。321は投影データ蓄積装置117から三次元画像表示装置に送られる投影データを示している。
【0038】
三次元画像表示装置の投影データ蓄積装置311は,X線CT装置から送られる投影データ321を保存し,操作者が指定した検査の投影データ322を画像再構成処理装置の再構成領域設定部312に送信する。再構成領域設定部312は三次元画像を作成する空間領域から求めた画像再構成を行う空間領域と点の位置に基づいて,画像再構成パラメータを設定し,必要な投影データ323を準備する。画像再構成処理313は,指定された画像再構成空間領域内の指定された点のCT値を画像再構成処理によって求める。画像再構成されたCT値のデータセット324に対して,三次元画像処理314を行う。三次元画像処理314は,これにボリュームレンダリングなどの三次元画像再構成を行い,作成した三次元画像325をコンソール315で表示する。
【0039】
操作者は三次元画像を作成する検査を選択すると,コンソールから投影データ蓄積装置に必要な投影データを指定する指示326が送信される。これに基づいて,投影データ蓄積装置は操作者が指定した検査の投影データ322を画像再構成処理装置の再構成領域設定部312に送信する。操作者はその投影データを使用して作成する三次元画像の関心空間領域を決定し,CT値を求める点の空間分布と空間位置を決定すると,コンソールから再構成領域設定部に指示327が送信される。再構成領域設定部312はこの指示に基づいて,画像再構成パラメータを設定し,必要な投影データ323を準備する。画像再構成処理313は,指定された画像再構成領域内の指定された点のCT値を画像再構成処理によって求める。画像再構成で求めたCT値のデータセット324を使用して三次元画像処理314を行う。三次元画像処理314は,このCT値のデータセットにボリュームレンダリングなどの三次元画像再構成を行い,作成した三次元画像325をコンソール315で表示する。
【0040】
操作者は三次元画像を観察し,必要に応じて,三次元画像を作成する領域やパラメータを変更し,指示327をコンソールから送信する。変更した画像再構成のパラメータを使用して画像再構成と三次元画像再構成が再度行われる。本発明によって,画像再構成時間が大幅に短縮されたので,この一連の走査と処理は対話的に行うことができる。
【0041】
図4は本発明の空間領域の関係を模擬的に説明する図である。511,512,513は被検体の投影データが収集された空間領域のX−Y面,X−Z面,Y−Z面をそれぞれ示している。511,512,513は被検体の投影データが収集された空間領域のX−Y面,X−Z面,Y−Z面をそれぞれ示している。514,515,516は三次元画像を作成する関心空間領域のX−Y面,X−Z面,Y−Z面をそれぞれ示している。521,522,523は三次元画像を作成する視点の位置のX−Y面,X−Z面,Y−Z面をそれぞれ示している。531,532,533は三次元画像を作成するレイトレーシング処理のレイの空間領域のX−Y面,X−Z面,Y−Z面をそれぞれ示している。
【0042】
X線CT装置のスキャンによって511,512,513によって示される空間領域の投影データが収集される。この投影データは本発明による三次元画像表示装置に転送される。操作者は三次元画像を作成する空間領域,すなわち関心空間領域514,515,516を決定する。そして視点の位置521,522,523を決定する。531,532,533は視点から関心領域を見た視線を含む錐状の空間領域のX−Y面,X−Z面,Y−Z面である。三次元画像を作成するレイトレーシング処理のレイはこの空間領域の内部に含まれる。三次元画像の画質を考慮して,この錐状の領域内で視点から放射状に広がるレイの密度と,その各々のレイの線上にあるCT値を求める点の位置を決定する。すなわちレイトレーシング処理に使用するレイの線上に,CT値を求める点の位置が決定される。
【0043】
このようにして決定されたCT値を求める点の位置を再構成領域設定部に指示する。画像再構成装置は指示されたCT値を求める点を通るおよびその点の近傍を通る投影データを使用して,指示されたCT値を求める点のCT値を求める。三次元画像処理装置は,指示されたCT値を求める点のCT値のデータセットを使用して三次元画像処理を行う。三次元画像処理のレイトレーシング処理に使用するレイの線上の点のCT値が求められているので,補間処理は不要である。
【0044】
【実施例】
これまでの説明ではX線CT装置から三次元画像表示装置にネットワーク経由で投影データを転送する例について説明したが,X線CT装置から三次元画像装置にオフライン記憶媒体を経由して投影データを転送する場合も同様に含まれる。
【0045】
これまでの説明ではX線CT装置と三次元画像表示装置とを別の装置として説明したが,X線CT装置に本発明の三次元画像表示装置の機能が含まれている場合も,同様に含まれる。
【0046】
これまでの説明では,ボリュームレンダリング処理の透視投影法について説明したが,平行投影法などの各種のボリュームレンダリング処理も同様に含まれる。
【0047】
これまでの説明では三次元画像処理としてボリュームレンダリング処理について説明したが,本発明はMIP,レイサムなどの各種の三次元画像処理に使用できる。また二次元断面表示,二次元曲面画像表示などの各種の二次元画像処理に使用できる。
【0048】
これまでの説明ではX線CT装置について説明したが,本発明はX線CT装置の投影データだけでなくSPECTなどの核医学装置のいわゆる生データやMR装置のいわゆる生データ,超音波装置のラインデータなどを蓄積しておき,必要に応じて新しいパラメータを適用して画像再構成を行うシステムも,同様に含まれる。
【0049】
【発明の効果】
従来の三次元画像の作成・表示においては,X線CT装置で投影データを画像再構成して断面データを作成する。次に,断面位置の異なるスライスデータを積み重ねることによって三次元ボクセルデータを作成する。この三次元ボクセルデータに対して,ボリュームレンダリング処理などの三次元画像再構成処理を行って,三次元画像を作成・表示する。これに対して,本発明における三次元画像表示装置においては,三次元画像として表示したい関心空間領域すなわち三次元画像再構成を行う関心空間領域を設定する機構と,三次元画像再構成に使用する被検体の特性をあらわす物理量すなわちCT値を求める点の空間分布と空間位置とをあらかじめ設定する機構とを設けた。この指定した関心空間領域内の指定した空間位置に対して,投影データを使用して再構成処理を行い,被検体の特性をあらわす物理量すなわちCT値を求める。これによって得られたCT値のデータセットに対して三次元画像の再構成処理を行い,得られた結果を三次元画像として表示する。
【0050】
また,被検体の特性をあらわす物理量すなわちCT値のデータセットが存在する空間領域とCT値の存在する点の空間分布とが,このデータセットを使用して三次元画像再構成処理を行って得られた三次元画像の画質に与える影響を考慮することによって,投影データの画像再構成を行ってCT値を求める関心空間領域と,その関心領域内のCT値を求める複数の点の空間分布と空間位置とを決定することを可能にする機構を具備した。
【0051】
従来のX線CT装置では,投影データの存在するすべての領域に対してその投影データを使用した画像再構成を行っているが,本発明による三次元表示装置では,三次元画像の作成を行う領域をあらかじめ設定し,その領域内に対してのみ画像再構成を行う。また,従来のX線CT装置では,画像再構成する画像面の画素数とその寸法はあらかじめ決められており,その画素の中心点に対して画像再構成を行っているが,本発明による三次元表示装置では,作成する三次元画像の画質の面からCT値をもつ点の位置と分布をあらかじめ計画し,その点に対して投影データを使用して画像再構成を行う。これによって,三次元画像の作成に関係しない空間領域の部分の画像再構成が不要になった。また三次元画像を作成する空間領域においても,三次元画像の画質に影響の大きい部分は緻密に点を分布させ,三次元画像の画質に影響の小さい部分は疎に点を分布させるか点を分布させないことによって,画像再構成の計算量を大幅に減らすことが可能になった。画像再構成の計算量を大幅に減らすことが可能になったので,三次元画像を作成する都度,投影データから画像再構成を行い,その結果を使用して三次元画像を作成することが可能になった。
【0052】
ボリュームレンダリングで採用されるレイトレーシング処理では,対象物の占める空間領域の内で視点から対象物の関心領域へ放射される円錐状の範囲について,レイトレーシング処理を行うので,このレイトレーシング処理で使用するレイ上のCT値が与えられれば,ボリュームレンダリングを行うことができる。従って,あらかじめボリュームレンダリングのレイトレーシング処理で使用するレイを決定し,投影データからの画像再構成はこのレイトレーシングで使用するレイ上の点についてのみ行えばよい。またレイトレーシング処理では対象物の不透明度によって光が減衰するので,レイの深さ方向のレイトレーシング処理に寄与する空間領域は限定される。またレイの関心領域より手前側も不透明度を0として無視することがある。従って,投影データからの画像再構成はこのレイトレーシング処理に寄与する空間領域のみについて行えばよい。すなわち,対象物の関心領域と交差するレイのレイ上に設定した点に対して,その点の近傍を通る投影データの組を使用して画像再構成処理を行い,画像再構成処理の結果として得られたレイ上のCT値を使用してボリュームレンダリングを行う。三次元画像表示における関心領域はX線CTの投影データを取得する空間領域と比較して通常はかなり小さいので,本発明の方法を使用すれば,三次元画像表示処理のためにその都度投影データを画像再構成することも実現が可能になる。
【0053】
X線CT装置に置ける画像再構成においても,投影データを取得した領域よりも小さな領域を設定し,その領域に対して画像再構成を行うことは行われている。本発明では,あらかじめボリュームレンダリングのレイトレーシング処理を行う領域とレイの方向と密度,レイ上のCT値を与える密度をボリュームレンダリングの立場から与え,これによって画像再構成を行う空間領域とCT値を求める点の位置を決め,この点に対して近傍を通る投影データを使用して画像再構成処理を行うことに特徴がある。本発明の第二の実施例では,あらかじめボリュームレンダリングのレイトレーシング処理を行う領域とレイの方向と密度,レイ上のCT値を与える密度をボリュームレンダリングの立場から与え,これから画像再構成を行う空間領域を決定し,その中にボクセル空間を決定し,このボクセルに対して近傍を通る投影データを使用して画像再構成処理を行うことに特徴がある。
【0054】
本発明の方法では,ボリュームレンダリングのレイキャスティング処理でCT値を必要とする点をあらかじめ決定し,この点に対して近傍を通る投影データの補間処理を行って画像再構成を行ってCT値を求め,これによって得られたCT値のデータセットを使用してボリュームレンダリングのレイキャスティング処理を行っている。従って,データの補間処理はこの1回のみであり,補間処理の回数を大幅に減らすことが可能で,これに伴って,画質を大幅に向上することが可能になった。
【0055】
本発明の方法はデータ処理の計算量を大幅に削減できた。(1)画像再構成する空間領域と点をあらかじめ決定するので,画像再構成処理の計算量を大幅に削減できた。(2)データの補間処理の回数を減らすことができるので,画像再構成処理と三次元画像再構成処理の計算量を大幅に削減することができた。また,データの補間処理の回数を減らすことによって,画質を向上することができた。(3)ボリュームレンダリングのレイキャスティング処理で必要とする位置のCT値のデータがあらかじめ画像再構成処理で用意されているので,三次元画像再構成処理の計算量を大幅に削減できた。
【0056】
これによって,(1)データ処理の計算量が削減されたので,今までルーチン的には実現できなかった投影データから三次元画像を直接作成することが可能になった。(2)三次元画像作成を前提することができるので,投影データの画像再構成パラメータに三次元画像に最適なパラメータを使用することが可能になった。(3)データ処理の計算量が削減されたので,従来よりも細かい間隔で画像再構成することが可能になり,三次元画像の画質を向上することができた。
【0057】
本発明ではボリュームレンダリング処理で使用するデータの空間領域とボリュームレンダリングが計算に使用するその空間領域内の点の空間座標をあらかじめ求めておき,投影データを使用する画像再構成処理ではそのそれぞれの点の空間座標位置に対して画像再構成処理を行ってその点のCT値を求める。次に三次元画像を作成するボリュームレンダリング処理では,そのそれぞれの点の空間座標位置に対して画像再構成処理で求めたCT値を使用してボリュームレンダリング処理を行う。ボリュームレンダリングで使用するデータの空間領域は投影データ全体の空間領域の一部であるので,投影データの再構成を行う空間領域を大幅に削減することが可能で,これによって画像再構成に必要とする計算資源を大幅に削減できる。これにともない画像再構成に必要とする計算時間を大幅に減らすことができる。また,あらかじめボリュームレンダリング処理の計算に必要な点のCT値を画像再構成処理によって求めてあるので,従来のボリュームレンダリングでは必要であったボクセル間の補間処理が不要となり,計算時間を削減し,補間に伴う精度の劣化を防ぎ,画質を大幅に向上することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のX線CT装置と三次元画像表示装置を説明するブロック図
【図2】X線CT装置と本発明による三次元画像表示装置を説明するブロック図
【図3】本発明によるX線CT装置の投影データから直接三次元画像を作成する三次元画像表示装置における処理とデータの流れを模擬的に示す図。
【図4】図4は本発明の空間領域の関係を模擬的に説明する図。
【符号の説明】
101 X線CT装置
111 X線CT装置のスキャナ部
112 データ収集部
113 前処理部
114 画像再構成装置
115 コンソール
116 画像データ蓄積装置
117 投影データ蓄積装置
121 X線CT装置におけるX線走査
122 X線CT装置のスキャナ部で収集された投影データ
123 前処理部で前処理された投影データ
124 画像再構成された画像データ
201 従来の三次元画像表示装置
211 画像データ蓄積装置
212 三次元画像処理装置
213 コンソール
221 三次元画像表示装置へ送られる画像データ
222 三次元画像処理する画像データ
223 三次元画像データ
301 本発明による三次元画像表示装置
311 投影データ蓄積装置
312 再構成領域設定部
313 画像再構成処理装置
314 三次元画像処理装置
315 コンソール
321 三次元画像表示装置へ送られる投影データ
322 画像再構成する投影データ
323 三次元画像を作成する関心空間領域に基づいて設定された画像再構成空間領域の画像再構成に必要とされる投影データ
324 三次元画像を作成する関心空間領域に含まれる点のCT値のデータセット
325 三次元画像データ
326 投影データの選択に指示
327 三次元画像を作成する領域に基づいた画像再構成領域の指示
511 被検体の投影データが収集された空間領域のX−Y面
512 被検体の投影データが収集された空間領域のX−Z面
513 被検体の投影データが収集された空間領域のY−Z面
514 三次元画像を作成する関心領域のX−Y面
515 三次元画像を作成する関心領域のX−Z面
516 三次元画像を作成する関心領域のY−Z面
521 三次元画像を作成する視点のX−Y面の位置
522 三次元画像を作成する視点のX−Z面の位置
523 三次元画像を作成する視点のY−Z面の位置
531 三次元画像処理のレイの含まれる空間領域のX−Y面
532 三次元画像処理のレイの含まれる空間領域のX−Z面
533 三次元画像処理のレイの含まれる空間領域のY−Z面

Claims (4)

  1. X線走査によって投影データを収集する機構と,この投影データに対して画像再構成処理を行う機構と,この画像再構成処理で得られた画像データに対して画像処理を行ってその結果を表示する機構と,この画像再構成で得られた画像データを蓄積する機構とを具備したX線CT装置と接続して,X線走査によって収集された投影データを蓄積する機構と,投影データを収集した空間領域内に三次元画像を再構成して表示する関心空間領域を設定する機構と,この関心空間領域内に三次元画像再構成に使用する被検体の特性をあらわす物理量すなわちCT値を求める複数の点の空間位置を指定する機構と,指定した空間位置のそれぞれに対して投影データを使用して画像再構成処理を行い,被検体の特性をあらわす物理量すなわちCT値を求める機構と,画像再構成処理で求めたCT値のデータセットを使用して三次元画像を再構成して表示する機構とを具備し,X線CT装置における画像再構成処理で得られたスライスまたはボリューム画像データを使用せずに,X線走査によって収集された投影データから直接三次元画像を作成・表示することを可能にした三次元画像表示装置。
  2. X線走査によって投影データを収集する機構と,この投影データを蓄積しオフライン記憶媒体に記録する機構と,この投影データに対して画像再構成処理を行う機構と,この画像再構成処理で得られた画像データに対して画像処理を行ってその結果を表示する機構と,この画像再構成で得られた画像データを蓄積する機構とを具備したX線CT装置と,X線CT装置においてオフライン記憶媒体に記録された投影データを読み出す機構と,投影データを収集した空間領域内に三次元画像を再構成して表示する関心空間領域を設定する機構と,この関心空間領域内に三次元画像再構成に使用する被検体の特性をあらわす物理量すなわちCT値を求める複数の点の空間位置を指定する機構と,指定した空間位置のそれぞれに対して投影データを使用して画像再構成処理を行い,被検体の特性をあらわす物理量すなわちCT値を求める機構と,画像再構成処理で求めたCT値のデータセットを使用して三次元画像を再構成して表示する機構とを具備し,X線CT装置における画像再構成処理で得られたスライスまたはボリューム画像データを使用せずに,X線走査によって収集された投影データから直接三次元画像を作成・表示することを可能にした三次元画像表示装置。
  3. 請求項1および請求項2において,X線走査によって収集された投影データの空間領域内に三次元画像を再構成して表示する関心空間領域すなわち三次元画像再構成を行う空間領域を設定する機構と,この関心空間領域内において三次元画像処理の観点から最適化した空間位置にCT値を求める複数の点の空間位置を指定する機構と,指定した空間位置のそれぞれに対して投影データを使用して画像再構成処理を行ってCT値を求める機構と,これによって取得したCT値のデータセットに対して三次元画像再構成処理を行い,その結果を三次元画像として表示する機構とを具備した三次元画像表示装置。
  4. 請求項3において,投影データの画像再構成を行ってCT値を求める関心空間領域とCT値を求める複数の点の空間分布とその空間位置とが,このCT値のデータセットを使用して三次元画像再構成を行って得られる三次元画像の画質に与える影響を考慮することによって,投影データの画像再構成を行ってCT値を求める関心空間領域とその関心領域内のCT値を求める複数の点の空間分布とその空間位置とを決定することを可能にする機構を具備した三次元画像表示装置。
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