JP2004187435A - 三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各相の電源インピーダンスが低い状態で平衡している場合でも、逆相または欠相状態を検出することができる三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置を提供する。
【解決手段】三相四線式交流電源の各極性線R、S、Tと中性線N間電圧の位相差にもとづいて上記三相交流電源の逆相及び欠相を検出する逆欠相検出手段2、3及び上記各極性線のうち少なくとも1線と中性線間に接続され、各極性線と中性線間の電流負荷バランスを上記逆欠相検出手段に対応させて調整する電流負荷素子6を備えた構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】三相四線式交流電源の各極性線R、S、Tと中性線N間電圧の位相差にもとづいて上記三相交流電源の逆相及び欠相を検出する逆欠相検出手段2、3及び上記各極性線のうち少なくとも1線と中性線間に接続され、各極性線と中性線間の電流負荷バランスを上記逆欠相検出手段に対応させて調整する電流負荷素子6を備えた構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置、特に中性線に関する逆相及び欠相検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の三相四線式交流電源の中性線欠相検出装置は、三相交流電源の各極性線に接続された周知の三相全波整流回路の直流側出力端子と三相交流電源の中性線との間に電圧検出回路を接続し、検出された電圧と所定の基準値とを比較して、その結果をトリガー回路に付与し、トリガー回路の出力によってリレー回路を動作させて、三相交流電源に接続された負荷機器等の電源回路を開閉するように構成されている。
【0003】
従って、例えば、三相交流電源の中性線が欠相した場合には、負荷機器等からの回り込み電流により中性線に異常に高い電圧が印加されるため、電圧検出回路の検出電圧が基準値を超える結果、電圧検出回路から異常時の信号が出力され、トリガー回路がこの信号レベルを保持してリレー回路に出力し、これを受けたリレー回路が負荷機器への電源供給用の開閉器を遮断して負荷機器の破損を防止するようにしていた。(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−336881号公報(段落0010−0013、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の三相四線式交流電源の中性線欠相検出装置は、上記のように構成されていたので、例えば、三相交流電源に大容量のノイズフィルターが接続されている場合のように、各相の電源インピーダンスが低い状態で平衡していると中性線に関する逆相及び欠相状態を検出できないという問題点があった。
この発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、各相の電源インピーダンスが低い状態で平衡している場合でも、逆相及び欠相状態を検出することができる三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置は、三相四線式交流電源の各極性線と中性線間電圧の位相差にもとづいて上記三相交流電源の逆相及び欠相を検出する逆欠相検出手段及び上記各極性線のうち少なくとも1線と中性線間に接続され、各極性線と中性線間の電流負荷バランスを上記逆欠相検出手段に対応させて調整する電流負荷素子を備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1に係る逆相及び欠相検出装置の主要部の構成を示す回路図である。
この図に示すように、実施の形態1の逆相及び欠相検出装置は、三相交流電源の各極性線R、S、Tと中性線Nとの間に、電源からのノイズを除去するコンデンサ1R、1S、1T(それぞれほぼ同一容量)を接続すると共に、三相四線式交流電源の各極性線R、S、Tと中性線N間の電圧を検出する三相電圧検出回路2と、三相電圧検出回路2の出力側に接続され、各相電圧のタイミングの変化を演算して三相交流電源の逆相及び欠相を検出し、上記三相電圧検出回路と共に逆欠相検出手段を構成するマイクロコンピュータ(以下マイコンという)3と、マイコン3のリレー駆動信号出力ポート3Aと直流電源4との間に接続され、マイコン3からの信号によって後述する接点をオン、オフするリレー5と、三相交流電源の各極性線のうちの1線(本例ではR相)と中性線Nとの間に上記リレー5の接点5Aと直列接続されると共に、各極性線と中性線間の電流負荷バランスを変化させ、上記マイコン3による逆欠相検出を容易または正確にする電流負荷素子6とから構成されている。なお、上記接点5Aは実施の形態1では常時オンとされている。
【0008】
また、三相電圧検出回路2は以下に述べる各装置によって構成されている。
即ち、21R、21S、21Tは三相交流電源の各極性線にカソードを接続した発光ダイオード、22R、22S、22Tは各発光ダイオード21R、21S、21Tのアノードと三相交流電源の中性線Nとの間に接続された電流制限抵抗、23R、23S、23Tは上記発光ダイオードと共にフォトカプラを構成するフォトトランジスタで、それぞれのコレクタがマイコン3に接続され、各エミッタが共通接続されてマイコン電源25のGNDに接続されている。24R、24S、24Tはフォトトランジスタのコレクタとマイコン電源25の陽極側とに接続された電流制限抵抗である。
【0009】
次に、実施の形態1の動作について説明する。三相電圧検出回路2を含む三相交流電源の逆相及び欠相検出回路は一般的なものであるが、従来装置と同様に中性線Nの欠相検出の可否は当該三相交流電源に接続されている負荷条件の影響を大きく受ける。実施の形態1の回路では電源ノイズ除去コンデンサ1R,1S,1Tがほぼ同一容量であるため、電流負荷素子6が開放されている場合に中性線Nが真の中性線から開放されていても中性線Nの電位は真の中性線と同じになり、三相電圧検出回路2からマイコン3に入力される検出信号は正常時と全く同じフォトトランジスタ23R、23S、23Tの順に120度の位相差で変化するパルス波形になるためマイコン3は三相交流電源の異常を検出することができない。
【0010】
しかし、実施の形態1においては、三相交流電源のR相と中性線Nとの間にコンデンサ1R〜1Tより十分にインピーダンスの低い電流負荷素子6が接続されているので、中性線Nの電位はほぼR相と同じになる。
従って発光ダイオード21R、フォトトランジスタ23Rからなるフォトカプラは動作せず、マイコン3の入力はHIレベルで固定となる。これは上述した正常時の入力と明らかに異なるためマイコン3は三相交流電源の異常を検出することができる。
【0011】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。実施の形態2の回路構成は図1に示す実施の形態1と同じであるが、この実施の形態ではリレー5の接点5Aをオン、オフさせ、オンの時の三相電圧検出回路の検出電圧と、オフの時の三相電圧検出回路の検出電圧のタイミングを比較して逆相または欠相を検出するようにしたものである。
【0012】
次に、実施の形態2の動作について説明する。図2は、実施の形態2におけるマイコン3のプログラムのうち欠相検出動作の処理を示す流れ図である。
この図において、ステップS1で欠相検出処理を開始する。次に、ステップS2でリレー5の接点5Aをオフし、電流負荷素子6を検出回路から切り離す。
この回路状態は従来装置と同等で、中性線Nが欠相した場合には上述のように、高電圧が検出され、各相のタイミングが異常検出できる値になれば欠相検知となる。次に、ステップS3で三相電圧検出回路2の検出結果にもとづいて欠相検出の演算を行なう。演算結果が正常と判断された場合は、ステップS4の処理に進み、異常と判断された場合は異常処理を行なうステップS8に進む。
【0013】
負荷が欠相検出できるだけの値ではなく、例えばコンデンサ1R、1S、1Tのインピーダンスに打ち消されて欠相検知ができない場合は、正常の範囲に含めてステップS4に進む。ステップS4ではリレー5の接点5Aをオンさせ、電流負荷素子6を極性線Rと中性線Nとの間に接続する。この回路状態は実施の形態1と同じになるため、コンデンサ1R、1S、1Tの影響を打ち消して検出が行なわれる。次に、ステップS5でステップS3と同じ欠相検出演算が行なわれるが、コンデンサ1R、1S、1Tの影響が打ち消されるため、欠相検知が容易となる。検知結果が正常と判断された場合にはステップS6の処置に進み、異常と判断された場合には異常処理を行なうステップS8に進む。
【0014】
ステップS6ではステップS3で正常と判断された接点5Aのオフ時の検出結果と、ステップS5で正常と判断された接点オン時の検出結果、即ち、それぞれの場合における各極性線R、S、Tと中性線Nの線間電圧のタイミングを比較し、検出内容の差が所定の許容差範囲内であれば一致と判定して通常処理のステップS7に進み、検出内容の差が所定の許容差範囲を超える場合には不一致と判定して異常処理を行なうステップS8に進む。ステップS7では三相電源の欠相がないため、次の通常処理に進むこととし、ステップS8では三相交流電源の欠相を発報、表示すると共に、その三相交流電源に接続された負荷機器の運転を禁止する異常処理を行なうことになる。
【0015】
この時、通常処理のステップS7にてリレー5の接点5Aをオフし電流負荷素子6を回路から切り離す処理を行なえば、電流負荷素子6が消費する電力を必要最小限に抑え、電流負荷素子6の発熱に対する放熱処置を必要最小限に抑えることができる。
【0016】
この実施の形態は、以上のように、リレー5の接点5Aをオフにした場合とオンにした場合の三相電圧検出回路2による検出電圧のタイミングをステップS6で比較し、検出内容の差が所定の許容差範囲内であれば一致と判定して通常処理に進み、検出内容の差が所定の許容差範囲を超えている場合には不一致と判定して異常処理に進むようにしているため、欠相検知の確実性を高めることができる。
【0017】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3を図にもとづいて説明する。図3は、実施の形態3に係る逆相及び欠相検出装置の主要部の構成を示す回路図である。この図において、図1と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。図1と異なる点は、三相四線式交流電源に三相全波整流回路7を接続すると共に、三相全波整流回路7の直流側負極と三相交流電源の中性線Nの間に電圧検出回路20を接続し、電圧検出回路20によって検出された三相全波整流回路7の直流側負極と三相交流電源の中性線との間の電位差をマイコン3に付与するようにした点である。なお、電圧検出回路20と並列に、その検出電圧を安定させるための電流負荷素子8が接続可能とされ、図示されているが、この実施の形態では電流負荷素子8を使用せず、切り離した状態とする。また、リレー5の接点5Aは常時開放とされている。
【0018】
次に、実施の形態3の動作について説明する。図4は、図3における電圧検出回路20が検出する各状態の電圧波形を示す図で、(a)は三相交流電源が正常な状態における半波整流波形、(b)は中性線Nが欠相している場合の波形で、基本的には(a)と同じ波形であるが、平均レベルが低くなっている。(c)は各極性線R、S、Tの何れかと中性線Nが逆になった場合、即ち逆相の波形を示すもので、2箇所ピークのある単相半波整流様の波形であるが山が欠けた部分は逆極性側に出る。(d)は極性線R、S、Tの何れかが欠相している場合の波形で、2箇所ピークのある単相半波整流様の波形である。(a)に示す正常時の波形71においてピーク値をVpとすると谷のボトム値は1/2Vpであるため、電圧検出回路20において1/2Vpに対応する所定値を閾値として設定し、デジタル信号に変換してマイコン3に付与する。マイコン3はプログラムにもとづいて以下のような動作を行なう。
【0019】
即ち、三相交流電源の正常時には、マイコン3に図4(a)に示すようなHiレベルの電圧71が常時入力されるのでマイコン3は正常と判定する。
N相欠相時には、図4(b)に示すように、谷の部分で1周期に3回、上記所定値以下のLoレベルとなるパルス72が入力されるのでマイコン3はN相の欠相と判定する。N相と何れかの極性相が逆相の場合または極性相の欠相時には、図4(c)または(d)に示すように、谷の部分で1周期に1回、上記所定値以下のLoレベルとなるパルス73または74が入力されるのでマイコン3はその他の電源異常と判定する。
【0020】
この実施の形態は以上のように、電圧検出回路20で検出した電圧をデジタル変換しマイコン3によって入力パルスのタイミングで三相交流電源の異常の種類を判別するものであるが、電圧検出回路20にて検出した電圧のレベルをマイコン3の入力可能範囲まで下げた上でアナログ変換を行ない、マイコン3はアナログ入力のレベルまたは波形で三相交流電源の異常の種類を判別するようにしてもよい。また、この実施の形態では電圧検出回路20を三相全波整流回路7の負極側に接続しているが、三相全波整流回路7の陽極側と三相交流電源の中性線との間に接続するようにしてもよい。
【0021】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4を図にもとづいて説明する。実施の形態4の回路構成は図3に示す実施の形態3と同じであるが、この実施の形態ではリレー5の接点5Aをオン、オフさせ、オンの時の電圧検出回路20の検出電圧と、オフの時の電圧検出回路の検出電圧のタイミングを比較して逆相または欠相を検出するようにしたものである。
【0022】
次に、実施の形態4の動作について説明する。図2は、実施の形態4におけるマイコン3のプログラムのうち欠相検出動作の処理を示す流れ図である。
この図において、ステップS1で欠相検出処理を開始する。最初にマイコン3は電流負荷素子6を接続しない状態で電圧検出回路20に印加される電圧を検出するためステップS2でリレー5の接点5Aをオフにする。
この回路状態は従来装置と同等で、中性線Nが欠相した場合には上述のように中性線Nに異常に高い電圧が印加され、電圧検出回路20の検出電圧でマイコン3が異常検出できれば、ステップS3の処理に続いてステップS8の異常処理を行なう。ただし、三相交流電源に接続された負荷機器が上記欠相検出できるだけの値ではなく例えばコンデンサ1R、1S、1Tのインピーダンスに打ち消されてステップS3では異常検出できない場合には、正常の範囲に含めてステップS4に進む。
【0023】
ステップS4ではマイコン3はリレー5の接点5Aをオンにする。これによって電流負荷素子6が三相交流電源の極性線Rと中性線Nとの間に接続され、中性線Nの電位がほぼ極性線R、即ちR相の電位となるため、電圧検出回路20の検出電圧は図4(c)の波形73と同様になりステップS5でマイコン3は三相交流電源の異常を検出することができる。
また、ステップS6ではステップS3とステップS5において電圧検出回路20で検出した各極性線R、S、Tと中性線Nの線間電圧のタイミングを比較し、検出内容の差が所定の許容差範囲内であれば一致と判定してステップS7の通常処理に進み、検出内容の差が所定の許容差範囲を超える場合には不一致と判定してステップS8で異常処理を行なう。
【0024】
この時、通常処理のステップS7にてリレー5の接点5Aをオフし電流負荷素子6を回路から切り離す処理を行なえば、電流負荷素子6が消費する電力を必要最小限に抑え、電流負荷素子6の発熱に対する放熱処置を必要最小限に抑えることができる。この実施の形態では以上のように、リレー5の接点5Aをオフにした場合とオンにした場合の電圧検出回路20による検出電圧のタイミングをステップS6で比較しているため、欠相検知の確実性を高めることができる。
【0025】
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5を図にもとづいて説明する。実施の形態5の回路構成は図3に示す実施の形態3と同じであるが、この実施の形態では電圧検出回路20と並列に電流負荷素子8を接続して使用する。
この電流負荷素子8はコンデンサ1R、1S、1Tよりも十分に低いインピーダンス値とされているため、電圧検出回路20による電圧検出を一層確実に行なうことができる。その他の動作については実施の形態3と同様であるため説明を省略する。また、実施の形態5においても、実施の形態4と同様に、リレー5の接点5Aをオン、オフさせて、それぞれの検出電圧を比較するようにすれば、更に確実に異常検出を行なうことができる。
【0026】
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6について説明する。この実施の形態の回路構成は図3に示す実施の形態3と同じであるが、この実施の形態では、電圧検出回路20のマイコン3への信号変換の閾値を実施の形態3と異なる形で設定している。即ち、実施の形態3では上記の閾値を、半波整流波形のピーク値Vpに対応して谷のボトム値である1/2Vpに対応する所定値に設定していたが、この実施の形態ではピーク値に対して所定の比率に相当する値を閾値として設定するものである。この結果、閾値はその時検出した電圧値に合わせて変動し、この変動閾値によって異常検出が行なわれるため、電源電圧の変動に対しても確実に逆相及び欠相を検出することができる。
【0027】
実施の形態7.
次に、この発明の実施の形態7を図にもとづいて説明する。図5は、実施の形態7に係る逆相及び欠相検出装置の主要部の構成を示す回路図である。この図において、図3と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。図3と異なる点は、三相交流電源の各極性線R、S、Tに、それぞれ交流負荷素子9R、9S、9Tを接続すると共に、各交流負荷素子の他端を共通接続し、その接続点90と中性線Nとの間に電圧検出回路20を接続した点である。
なお、リレー5の接点5Aは開放状態とされる。
【0028】
次に、実施の形態7の動作について説明する。図5において各極性線R、S、Tに同一定数の交流負荷素子9R、9S、9Tを接続することにより、その共通接続点90の電位は中性線Nの電位と同じになる。即ち、電圧検出回路20が0以外の電圧値を検出した場合には、中性線Nまたは各極性線R、S、Tのいずれかに異常があることが分かる。従って、電圧検出回路20が0Vを検出している時は、マイコン3は三相交流電源が正常と判定し、電圧検出回路20がいくらかの電圧値を検出している時は、マイコン3は三相交流電源が異常、即ち欠相または逆相と判定する。ただし、図5の回路方式では極性線のみの逆相の場合には、正常と検出してしまうため、他の検出方式との組み合わせによる構成が必要である。
【0029】
実施の形態8.
次に、この発明の実施の形態8について説明する。実施の形態8の回路構成は、図5に示す実施の形態7と同じであるが、この実施の形態ではマイコン3の制御により、リレー5の接点5Aをオン、オフさせ、オンの時の電圧検出回路20の検出電圧と、オフの時の電圧検出回路20の検出電圧のタイミングを比較して逆相または欠相を検出するようにしたものである。
【0030】
次に、実施の形態8の動作について説明する。図2は、実施の形態8におけるマイコン3のプログラムのうち欠相検出動作の処理を示す流れ図である。
この図において、ステップS1で欠相検出処理を開始する。最初にマイコン3は電流負荷素子6を接続しない状態で電圧検出回路20に印加される電圧を検出するためステップS2でリレー5の接点5Aをオフにする。この回路状態は従来装置と同等で、中性線Nが欠相した場合には上述のように、中性線Nに異常に高い電圧が印加され、電圧検出回路20の検出電圧でマイコン3が異常検出できれば、ステップS3の処理に続いてステップS8の異常処理を行なう。
ただし、三相交流電源に接続された負荷機器が上記欠相検出できるだけの値ではなく、例えばコンデンサ1R、1S、1Tのインピーダンスに打ち消されてステップS3では異常検出できない場合には、正常の範囲に含めてステップS4に進む。
【0031】
ステップS4ではマイコン3はリレー5の接点5Aをオンにする。これによって電流負荷素子6が三相交流電源の極性線Rと中性線Nとの間に接続され、中性線Nの電位がほぼ極性線R、即ちR相の電位となるため、電圧検出回路20の検出電圧は正常時のR相と中性線N間の電圧となり、ステップS5でマイコン3は三相交流電源の異常を検出できる。ステップS6では、ステップS3とステップS5において電圧検出回路20で検出した各極性線R、S、Tと中性線Nの線間電圧のタイミングを比較し、検出内容の差が所定の許容差範囲内であれば一致と判定してステップS7の通常処理に進み、検出内容の差が所定の許容差範囲を超える場合には不一致と判定してステップS8で異常処理を行なう。このような処理を行なうことにより、欠相検知の確実性を高めることができる。
【0032】
【発明の効果】
この発明に係る三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置は、三相四線式交流電源の各極性線と中性線間電圧の位相差にもとづいて上記三相交流電源の逆相及び欠相を検出する逆欠相検出手段及び上記各極性線のうち少なくとも1線と中性線間に接続され、各極性線と中性線間の電流負荷バランスを上記逆欠相検出手段に対応させて調整する電流負荷素子を備えたものであるため、従来装置より安価な回路構成で電源インピーダンスの影響を受けることなく正確に逆相及び欠相を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る逆相及び欠相検出装置の主要部の構成を示す回路図である。
【図2】この発明の実施の形態2におけるマイコンのプログラムのうち欠相検出動作の処理を示す流れ図である。
【図3】この発明の実施の形態3に係る逆相及び欠相検出装置の主要部の構成を示す回路図である。
【図4】図3における電圧検出回路が検出する各状態の電圧波形を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態7に係る逆相及び欠相検出装置の主要部の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1R、1S、1T コンデンサ、 2 三相電圧検出回路、 3 マイコン、 5 リレー、 6 電流負荷素子。
【発明の属する技術分野】
この発明は、三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置、特に中性線に関する逆相及び欠相検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の三相四線式交流電源の中性線欠相検出装置は、三相交流電源の各極性線に接続された周知の三相全波整流回路の直流側出力端子と三相交流電源の中性線との間に電圧検出回路を接続し、検出された電圧と所定の基準値とを比較して、その結果をトリガー回路に付与し、トリガー回路の出力によってリレー回路を動作させて、三相交流電源に接続された負荷機器等の電源回路を開閉するように構成されている。
【0003】
従って、例えば、三相交流電源の中性線が欠相した場合には、負荷機器等からの回り込み電流により中性線に異常に高い電圧が印加されるため、電圧検出回路の検出電圧が基準値を超える結果、電圧検出回路から異常時の信号が出力され、トリガー回路がこの信号レベルを保持してリレー回路に出力し、これを受けたリレー回路が負荷機器への電源供給用の開閉器を遮断して負荷機器の破損を防止するようにしていた。(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−336881号公報(段落0010−0013、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の三相四線式交流電源の中性線欠相検出装置は、上記のように構成されていたので、例えば、三相交流電源に大容量のノイズフィルターが接続されている場合のように、各相の電源インピーダンスが低い状態で平衡していると中性線に関する逆相及び欠相状態を検出できないという問題点があった。
この発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、各相の電源インピーダンスが低い状態で平衡している場合でも、逆相及び欠相状態を検出することができる三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置は、三相四線式交流電源の各極性線と中性線間電圧の位相差にもとづいて上記三相交流電源の逆相及び欠相を検出する逆欠相検出手段及び上記各極性線のうち少なくとも1線と中性線間に接続され、各極性線と中性線間の電流負荷バランスを上記逆欠相検出手段に対応させて調整する電流負荷素子を備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1に係る逆相及び欠相検出装置の主要部の構成を示す回路図である。
この図に示すように、実施の形態1の逆相及び欠相検出装置は、三相交流電源の各極性線R、S、Tと中性線Nとの間に、電源からのノイズを除去するコンデンサ1R、1S、1T(それぞれほぼ同一容量)を接続すると共に、三相四線式交流電源の各極性線R、S、Tと中性線N間の電圧を検出する三相電圧検出回路2と、三相電圧検出回路2の出力側に接続され、各相電圧のタイミングの変化を演算して三相交流電源の逆相及び欠相を検出し、上記三相電圧検出回路と共に逆欠相検出手段を構成するマイクロコンピュータ(以下マイコンという)3と、マイコン3のリレー駆動信号出力ポート3Aと直流電源4との間に接続され、マイコン3からの信号によって後述する接点をオン、オフするリレー5と、三相交流電源の各極性線のうちの1線(本例ではR相)と中性線Nとの間に上記リレー5の接点5Aと直列接続されると共に、各極性線と中性線間の電流負荷バランスを変化させ、上記マイコン3による逆欠相検出を容易または正確にする電流負荷素子6とから構成されている。なお、上記接点5Aは実施の形態1では常時オンとされている。
【0008】
また、三相電圧検出回路2は以下に述べる各装置によって構成されている。
即ち、21R、21S、21Tは三相交流電源の各極性線にカソードを接続した発光ダイオード、22R、22S、22Tは各発光ダイオード21R、21S、21Tのアノードと三相交流電源の中性線Nとの間に接続された電流制限抵抗、23R、23S、23Tは上記発光ダイオードと共にフォトカプラを構成するフォトトランジスタで、それぞれのコレクタがマイコン3に接続され、各エミッタが共通接続されてマイコン電源25のGNDに接続されている。24R、24S、24Tはフォトトランジスタのコレクタとマイコン電源25の陽極側とに接続された電流制限抵抗である。
【0009】
次に、実施の形態1の動作について説明する。三相電圧検出回路2を含む三相交流電源の逆相及び欠相検出回路は一般的なものであるが、従来装置と同様に中性線Nの欠相検出の可否は当該三相交流電源に接続されている負荷条件の影響を大きく受ける。実施の形態1の回路では電源ノイズ除去コンデンサ1R,1S,1Tがほぼ同一容量であるため、電流負荷素子6が開放されている場合に中性線Nが真の中性線から開放されていても中性線Nの電位は真の中性線と同じになり、三相電圧検出回路2からマイコン3に入力される検出信号は正常時と全く同じフォトトランジスタ23R、23S、23Tの順に120度の位相差で変化するパルス波形になるためマイコン3は三相交流電源の異常を検出することができない。
【0010】
しかし、実施の形態1においては、三相交流電源のR相と中性線Nとの間にコンデンサ1R〜1Tより十分にインピーダンスの低い電流負荷素子6が接続されているので、中性線Nの電位はほぼR相と同じになる。
従って発光ダイオード21R、フォトトランジスタ23Rからなるフォトカプラは動作せず、マイコン3の入力はHIレベルで固定となる。これは上述した正常時の入力と明らかに異なるためマイコン3は三相交流電源の異常を検出することができる。
【0011】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。実施の形態2の回路構成は図1に示す実施の形態1と同じであるが、この実施の形態ではリレー5の接点5Aをオン、オフさせ、オンの時の三相電圧検出回路の検出電圧と、オフの時の三相電圧検出回路の検出電圧のタイミングを比較して逆相または欠相を検出するようにしたものである。
【0012】
次に、実施の形態2の動作について説明する。図2は、実施の形態2におけるマイコン3のプログラムのうち欠相検出動作の処理を示す流れ図である。
この図において、ステップS1で欠相検出処理を開始する。次に、ステップS2でリレー5の接点5Aをオフし、電流負荷素子6を検出回路から切り離す。
この回路状態は従来装置と同等で、中性線Nが欠相した場合には上述のように、高電圧が検出され、各相のタイミングが異常検出できる値になれば欠相検知となる。次に、ステップS3で三相電圧検出回路2の検出結果にもとづいて欠相検出の演算を行なう。演算結果が正常と判断された場合は、ステップS4の処理に進み、異常と判断された場合は異常処理を行なうステップS8に進む。
【0013】
負荷が欠相検出できるだけの値ではなく、例えばコンデンサ1R、1S、1Tのインピーダンスに打ち消されて欠相検知ができない場合は、正常の範囲に含めてステップS4に進む。ステップS4ではリレー5の接点5Aをオンさせ、電流負荷素子6を極性線Rと中性線Nとの間に接続する。この回路状態は実施の形態1と同じになるため、コンデンサ1R、1S、1Tの影響を打ち消して検出が行なわれる。次に、ステップS5でステップS3と同じ欠相検出演算が行なわれるが、コンデンサ1R、1S、1Tの影響が打ち消されるため、欠相検知が容易となる。検知結果が正常と判断された場合にはステップS6の処置に進み、異常と判断された場合には異常処理を行なうステップS8に進む。
【0014】
ステップS6ではステップS3で正常と判断された接点5Aのオフ時の検出結果と、ステップS5で正常と判断された接点オン時の検出結果、即ち、それぞれの場合における各極性線R、S、Tと中性線Nの線間電圧のタイミングを比較し、検出内容の差が所定の許容差範囲内であれば一致と判定して通常処理のステップS7に進み、検出内容の差が所定の許容差範囲を超える場合には不一致と判定して異常処理を行なうステップS8に進む。ステップS7では三相電源の欠相がないため、次の通常処理に進むこととし、ステップS8では三相交流電源の欠相を発報、表示すると共に、その三相交流電源に接続された負荷機器の運転を禁止する異常処理を行なうことになる。
【0015】
この時、通常処理のステップS7にてリレー5の接点5Aをオフし電流負荷素子6を回路から切り離す処理を行なえば、電流負荷素子6が消費する電力を必要最小限に抑え、電流負荷素子6の発熱に対する放熱処置を必要最小限に抑えることができる。
【0016】
この実施の形態は、以上のように、リレー5の接点5Aをオフにした場合とオンにした場合の三相電圧検出回路2による検出電圧のタイミングをステップS6で比較し、検出内容の差が所定の許容差範囲内であれば一致と判定して通常処理に進み、検出内容の差が所定の許容差範囲を超えている場合には不一致と判定して異常処理に進むようにしているため、欠相検知の確実性を高めることができる。
【0017】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3を図にもとづいて説明する。図3は、実施の形態3に係る逆相及び欠相検出装置の主要部の構成を示す回路図である。この図において、図1と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。図1と異なる点は、三相四線式交流電源に三相全波整流回路7を接続すると共に、三相全波整流回路7の直流側負極と三相交流電源の中性線Nの間に電圧検出回路20を接続し、電圧検出回路20によって検出された三相全波整流回路7の直流側負極と三相交流電源の中性線との間の電位差をマイコン3に付与するようにした点である。なお、電圧検出回路20と並列に、その検出電圧を安定させるための電流負荷素子8が接続可能とされ、図示されているが、この実施の形態では電流負荷素子8を使用せず、切り離した状態とする。また、リレー5の接点5Aは常時開放とされている。
【0018】
次に、実施の形態3の動作について説明する。図4は、図3における電圧検出回路20が検出する各状態の電圧波形を示す図で、(a)は三相交流電源が正常な状態における半波整流波形、(b)は中性線Nが欠相している場合の波形で、基本的には(a)と同じ波形であるが、平均レベルが低くなっている。(c)は各極性線R、S、Tの何れかと中性線Nが逆になった場合、即ち逆相の波形を示すもので、2箇所ピークのある単相半波整流様の波形であるが山が欠けた部分は逆極性側に出る。(d)は極性線R、S、Tの何れかが欠相している場合の波形で、2箇所ピークのある単相半波整流様の波形である。(a)に示す正常時の波形71においてピーク値をVpとすると谷のボトム値は1/2Vpであるため、電圧検出回路20において1/2Vpに対応する所定値を閾値として設定し、デジタル信号に変換してマイコン3に付与する。マイコン3はプログラムにもとづいて以下のような動作を行なう。
【0019】
即ち、三相交流電源の正常時には、マイコン3に図4(a)に示すようなHiレベルの電圧71が常時入力されるのでマイコン3は正常と判定する。
N相欠相時には、図4(b)に示すように、谷の部分で1周期に3回、上記所定値以下のLoレベルとなるパルス72が入力されるのでマイコン3はN相の欠相と判定する。N相と何れかの極性相が逆相の場合または極性相の欠相時には、図4(c)または(d)に示すように、谷の部分で1周期に1回、上記所定値以下のLoレベルとなるパルス73または74が入力されるのでマイコン3はその他の電源異常と判定する。
【0020】
この実施の形態は以上のように、電圧検出回路20で検出した電圧をデジタル変換しマイコン3によって入力パルスのタイミングで三相交流電源の異常の種類を判別するものであるが、電圧検出回路20にて検出した電圧のレベルをマイコン3の入力可能範囲まで下げた上でアナログ変換を行ない、マイコン3はアナログ入力のレベルまたは波形で三相交流電源の異常の種類を判別するようにしてもよい。また、この実施の形態では電圧検出回路20を三相全波整流回路7の負極側に接続しているが、三相全波整流回路7の陽極側と三相交流電源の中性線との間に接続するようにしてもよい。
【0021】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4を図にもとづいて説明する。実施の形態4の回路構成は図3に示す実施の形態3と同じであるが、この実施の形態ではリレー5の接点5Aをオン、オフさせ、オンの時の電圧検出回路20の検出電圧と、オフの時の電圧検出回路の検出電圧のタイミングを比較して逆相または欠相を検出するようにしたものである。
【0022】
次に、実施の形態4の動作について説明する。図2は、実施の形態4におけるマイコン3のプログラムのうち欠相検出動作の処理を示す流れ図である。
この図において、ステップS1で欠相検出処理を開始する。最初にマイコン3は電流負荷素子6を接続しない状態で電圧検出回路20に印加される電圧を検出するためステップS2でリレー5の接点5Aをオフにする。
この回路状態は従来装置と同等で、中性線Nが欠相した場合には上述のように中性線Nに異常に高い電圧が印加され、電圧検出回路20の検出電圧でマイコン3が異常検出できれば、ステップS3の処理に続いてステップS8の異常処理を行なう。ただし、三相交流電源に接続された負荷機器が上記欠相検出できるだけの値ではなく例えばコンデンサ1R、1S、1Tのインピーダンスに打ち消されてステップS3では異常検出できない場合には、正常の範囲に含めてステップS4に進む。
【0023】
ステップS4ではマイコン3はリレー5の接点5Aをオンにする。これによって電流負荷素子6が三相交流電源の極性線Rと中性線Nとの間に接続され、中性線Nの電位がほぼ極性線R、即ちR相の電位となるため、電圧検出回路20の検出電圧は図4(c)の波形73と同様になりステップS5でマイコン3は三相交流電源の異常を検出することができる。
また、ステップS6ではステップS3とステップS5において電圧検出回路20で検出した各極性線R、S、Tと中性線Nの線間電圧のタイミングを比較し、検出内容の差が所定の許容差範囲内であれば一致と判定してステップS7の通常処理に進み、検出内容の差が所定の許容差範囲を超える場合には不一致と判定してステップS8で異常処理を行なう。
【0024】
この時、通常処理のステップS7にてリレー5の接点5Aをオフし電流負荷素子6を回路から切り離す処理を行なえば、電流負荷素子6が消費する電力を必要最小限に抑え、電流負荷素子6の発熱に対する放熱処置を必要最小限に抑えることができる。この実施の形態では以上のように、リレー5の接点5Aをオフにした場合とオンにした場合の電圧検出回路20による検出電圧のタイミングをステップS6で比較しているため、欠相検知の確実性を高めることができる。
【0025】
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5を図にもとづいて説明する。実施の形態5の回路構成は図3に示す実施の形態3と同じであるが、この実施の形態では電圧検出回路20と並列に電流負荷素子8を接続して使用する。
この電流負荷素子8はコンデンサ1R、1S、1Tよりも十分に低いインピーダンス値とされているため、電圧検出回路20による電圧検出を一層確実に行なうことができる。その他の動作については実施の形態3と同様であるため説明を省略する。また、実施の形態5においても、実施の形態4と同様に、リレー5の接点5Aをオン、オフさせて、それぞれの検出電圧を比較するようにすれば、更に確実に異常検出を行なうことができる。
【0026】
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6について説明する。この実施の形態の回路構成は図3に示す実施の形態3と同じであるが、この実施の形態では、電圧検出回路20のマイコン3への信号変換の閾値を実施の形態3と異なる形で設定している。即ち、実施の形態3では上記の閾値を、半波整流波形のピーク値Vpに対応して谷のボトム値である1/2Vpに対応する所定値に設定していたが、この実施の形態ではピーク値に対して所定の比率に相当する値を閾値として設定するものである。この結果、閾値はその時検出した電圧値に合わせて変動し、この変動閾値によって異常検出が行なわれるため、電源電圧の変動に対しても確実に逆相及び欠相を検出することができる。
【0027】
実施の形態7.
次に、この発明の実施の形態7を図にもとづいて説明する。図5は、実施の形態7に係る逆相及び欠相検出装置の主要部の構成を示す回路図である。この図において、図3と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。図3と異なる点は、三相交流電源の各極性線R、S、Tに、それぞれ交流負荷素子9R、9S、9Tを接続すると共に、各交流負荷素子の他端を共通接続し、その接続点90と中性線Nとの間に電圧検出回路20を接続した点である。
なお、リレー5の接点5Aは開放状態とされる。
【0028】
次に、実施の形態7の動作について説明する。図5において各極性線R、S、Tに同一定数の交流負荷素子9R、9S、9Tを接続することにより、その共通接続点90の電位は中性線Nの電位と同じになる。即ち、電圧検出回路20が0以外の電圧値を検出した場合には、中性線Nまたは各極性線R、S、Tのいずれかに異常があることが分かる。従って、電圧検出回路20が0Vを検出している時は、マイコン3は三相交流電源が正常と判定し、電圧検出回路20がいくらかの電圧値を検出している時は、マイコン3は三相交流電源が異常、即ち欠相または逆相と判定する。ただし、図5の回路方式では極性線のみの逆相の場合には、正常と検出してしまうため、他の検出方式との組み合わせによる構成が必要である。
【0029】
実施の形態8.
次に、この発明の実施の形態8について説明する。実施の形態8の回路構成は、図5に示す実施の形態7と同じであるが、この実施の形態ではマイコン3の制御により、リレー5の接点5Aをオン、オフさせ、オンの時の電圧検出回路20の検出電圧と、オフの時の電圧検出回路20の検出電圧のタイミングを比較して逆相または欠相を検出するようにしたものである。
【0030】
次に、実施の形態8の動作について説明する。図2は、実施の形態8におけるマイコン3のプログラムのうち欠相検出動作の処理を示す流れ図である。
この図において、ステップS1で欠相検出処理を開始する。最初にマイコン3は電流負荷素子6を接続しない状態で電圧検出回路20に印加される電圧を検出するためステップS2でリレー5の接点5Aをオフにする。この回路状態は従来装置と同等で、中性線Nが欠相した場合には上述のように、中性線Nに異常に高い電圧が印加され、電圧検出回路20の検出電圧でマイコン3が異常検出できれば、ステップS3の処理に続いてステップS8の異常処理を行なう。
ただし、三相交流電源に接続された負荷機器が上記欠相検出できるだけの値ではなく、例えばコンデンサ1R、1S、1Tのインピーダンスに打ち消されてステップS3では異常検出できない場合には、正常の範囲に含めてステップS4に進む。
【0031】
ステップS4ではマイコン3はリレー5の接点5Aをオンにする。これによって電流負荷素子6が三相交流電源の極性線Rと中性線Nとの間に接続され、中性線Nの電位がほぼ極性線R、即ちR相の電位となるため、電圧検出回路20の検出電圧は正常時のR相と中性線N間の電圧となり、ステップS5でマイコン3は三相交流電源の異常を検出できる。ステップS6では、ステップS3とステップS5において電圧検出回路20で検出した各極性線R、S、Tと中性線Nの線間電圧のタイミングを比較し、検出内容の差が所定の許容差範囲内であれば一致と判定してステップS7の通常処理に進み、検出内容の差が所定の許容差範囲を超える場合には不一致と判定してステップS8で異常処理を行なう。このような処理を行なうことにより、欠相検知の確実性を高めることができる。
【0032】
【発明の効果】
この発明に係る三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置は、三相四線式交流電源の各極性線と中性線間電圧の位相差にもとづいて上記三相交流電源の逆相及び欠相を検出する逆欠相検出手段及び上記各極性線のうち少なくとも1線と中性線間に接続され、各極性線と中性線間の電流負荷バランスを上記逆欠相検出手段に対応させて調整する電流負荷素子を備えたものであるため、従来装置より安価な回路構成で電源インピーダンスの影響を受けることなく正確に逆相及び欠相を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る逆相及び欠相検出装置の主要部の構成を示す回路図である。
【図2】この発明の実施の形態2におけるマイコンのプログラムのうち欠相検出動作の処理を示す流れ図である。
【図3】この発明の実施の形態3に係る逆相及び欠相検出装置の主要部の構成を示す回路図である。
【図4】図3における電圧検出回路が検出する各状態の電圧波形を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態7に係る逆相及び欠相検出装置の主要部の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1R、1S、1T コンデンサ、 2 三相電圧検出回路、 3 マイコン、 5 リレー、 6 電流負荷素子。
Claims (8)
- 三相四線式交流電源の各極性線と中性線間電圧の位相差にもとづいて上記三相交流電源の逆相及び欠相を検出する逆欠相検出手段及び上記各極性線のうち少なくとも1線と中性線間に接続され、各極性線と中性線間の電流負荷バランスを上記逆欠相検出手段に対応させて調整する電流負荷素子を備えたことを特徴とする三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置。
- 上記電流負荷素子と直列に開閉手段を接続し、上記開閉手段の開路時及び閉路時に上記逆欠相検出手段が検出した各極性線と中性線間電圧のタイミングを比較することにより、上記三相交流電源の逆相及び欠相を検出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置。
- 三相四線式交流電源の各極性線の電圧を整流する整流回路、この整流回路の整流電圧端子と上記三相交流電源の中性線との間に接続され、上記整流回路の整流電位と中性線電位との電位差を検出する電位差検出手段、及び上記電位差検出手段の検出電位差のタイミングにもとづいて上記三相交流電源の逆相及び欠相を検出する逆欠相検出手段を備えたことを特徴とする三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置。
- 上記電位差検出手段に別の電流負荷素子を並列接続したことを特徴とする請求項3記載の三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置。
- 上記逆欠相検出手段に、逆相または欠相を判定する閾値を設定したことを特徴とする請求項3または請求項4記載の三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置。
- 上記判定用閾値は、上記電位差検出手段で検出される波形のピーク値に対する所定の比率で設定されることを特徴とする請求項5記載の三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置。
- 三相四線式交流電源の各極性線にY結線された負荷素子、上記負荷素子のY結線の中心点と上記三相交流電源の中性線との間に接続され、上記Y結線の中心点と中性線との電位差を検出する電位差検出手段、及び上記電位差検出手段の検出電位差にもとづいて上記三相交流電源の逆相及び欠相を検出する逆欠相検出手段を備えたことを特徴とする三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置。
- 電流負荷素子と開閉手段との直列接続体を上記三相交流電源の各極性線のうち少なくとも1線と中性線間に接続し、上記開閉手段の開路時及び閉路時における上記検出電位差のタイミングを上記逆欠相検出手段に付与することを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか1項記載の三相四線式交流電源の逆相及び欠相検出装置。
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