JP2004186432A - 放射線撮像装置およびその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】解像度を向上させるために画素サイズを縮小した場合でも感度低下が発生せず、かつ、製造時に複雑なプロセスを必要としない、間接変換方式の放射線撮像装置を提供する。
【解決手段】入射された放射線を光に変換して出射する放射線−光変換層と、画素ごとに薄膜トランジスタ(TFT)と該TFTのドレイン電極に接続された蓄積容量とを有するアクティブマトリクスアレイとを備えた放射線撮像装置の駆動方法であって、蓄積容量に電荷を所定量充電する充電ステップ(t6)と、放射線−光変換層に放射線を照射して出射させた光をオフ状態のTFTに照射して、充電ステップで充電した電荷を蓄積容量から放電させる放電ステップと、放電ステップの後、オン状態のTFTを介して、蓄積容量に残存する電荷を読み出す電荷読み出しステップ(t3)とを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】入射された放射線を光に変換して出射する放射線−光変換層と、画素ごとに薄膜トランジスタ(TFT)と該TFTのドレイン電極に接続された蓄積容量とを有するアクティブマトリクスアレイとを備えた放射線撮像装置の駆動方法であって、蓄積容量に電荷を所定量充電する充電ステップ(t6)と、放射線−光変換層に放射線を照射して出射させた光をオフ状態のTFTに照射して、充電ステップで充電した電荷を蓄積容量から放電させる放電ステップと、放電ステップの後、オン状態のTFTを介して、蓄積容量に残存する電荷を読み出す電荷読み出しステップ(t3)とを含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に医療用途や工業用途で、放射線像を撮像する放射線撮像装置に関するものであって、特に、光応答性を有する薄膜フォトトランジスタ(TFT)を光検出素子に用いた放射線撮像装置およびその駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療診断の分野では、放射線(特にX線)像を撮影する手段として、増感紙とフィルムを組み合わせたS/F(Screen/Film)方式、イメージングプレートに記録された潜像をレーザ走査で読み取るCR(Computed Radiography)方式、電子増倍管とCCD(charge coupled device)素子を組み合わせたI.I.−TV(Image Intensifier TV)方式の放射線撮像装置が使用されてきた。近年、これらに置き換わる新しいタイプの放射線撮像装置として、フラットパネル型の放射線撮像装置の開発が活発化している。
【0003】
フラットパネル型の放射線撮像装置は、アクティブマトリクス型液晶ディスプレイ等に用いられている大面積の薄膜トランジスタ(TFT;thin film transistor)アレイと、放射線を電気信号に変換する変換素子とを組み合わせたフラットな形態のセンサパネルをキーデバイスとして用いるものであり、従来の放射線撮像装置に比べて種々の利点を有している。すなわち、従来のS/F方式に比べて、フィルムレス化が実現でき、デジタル画像処理を用いた画質改善や診断支援、電子ファイリング、ネットワーク化が容易である。また、CR方式に比べると、撮像結果を即時に画像信号に変換することができる。さらに、I.I.−TV方式に比べると、大幅な薄型化が実現でき、大面積で高解像度のX線画像を得ることが可能となる。
【0004】
フラットパネル型の放射線撮像装置は、放射線の検出原理の違いによって「間接変換方式」と「直接変換方式」に大別できる。間接変換方式とは、放射線情報を蛍光体(Scintillator)によって一旦光に変換した後、フォトダイオードで光を電気信号に変換する方式である。一方、直接変換方式とは、放射線情報を変換層(Photoconductor)によって直接電気信号に変換する方式である。
【0005】
ここで、図8は、非特許文献1に記載されている、従来の間接変換方式の放射線撮像装置100の1画素部分の構成を示す断面図である。放射線(X線)が入射される面には、放射線を光に変換する変換層として蛍光体(シンチレータ、増感紙とも呼ぶ)103が配置される。その後方には、アクティブマトリクスアレイが配置されており、アクティブマトリクスアレイの各画素には、入射した光を電気信号に変換する光電変換素子としてのフォトダイオード101、その電気信号を線順次に読み出すためのスイッチ素子としてのTFT102が形成されている。光電変換素子としては、図8に示すMIS(Metal−Insulator−Semiconductor)構造や、pin構造のフォトダイオードが主に用いられる。
【0006】
【非特許文献1】
T.Kameshima et al.,”Novel Large Area MIS−type X−ray Image Sensorfor Digital Radiography”,SPIE Vol.3336,pp.453−462,1998
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の間接変換方式の放射線撮像装置100の場合、アクティブマトリクスアレイに形成する光電変換素子としてフォトダイオード101を用いている。フォトダイオード101は、電極からの電荷注入(2次電流)を阻止し、光吸収によって励起された電荷(1次電流)のみを出力する仕組みになっている。このため、フォトダイオード101から出力される電荷量は、バイアス電圧の大小にはほとんど依存せず、フォトダイオード素子の有効面積(光が照射される面積)に比例する。よって、通常は、フォトダイオード101の感度を向上させるために、できるだけフォトダイオード素子の有効面積を大きくするようなレイアウト、すなわちフィルファクター(充填率)を大きくするレイアウトが導入される。
【0008】
ところで、放射線撮像装置として高精細化を図る場合、画素サイズが小さくなることから、画素サイズの縮小比率に比例してフォトダイオード素子の有効面積が小さくなる。厳密には、画素面積の縮小に伴いフィルファクターも小さくなるため、画素サイズの縮小比率以上にフォトダイオード素子の有効面積が小さくなる。その結果、放射線撮像装置100では、フォトダイオード101から出力される電荷量が減少してしまい、十分な感度が得られないという問題が発生する。
【0009】
また、間接変換方式であるため、放射線撮像装置100では、アクティブマトリクス基板の一画素内にフォトダイオード101およびTFT102の両素子を組み込む必要があるが、これらの素子は両方とも高精度な製造プロセスを必要とする半導体素子である。よって、一画素を構成する素子構成や製造プロセスが複雑となり、製造プロセスの増加や歩留まりの低下を招くといった問題も抱えている。
【0010】
なお、図8に示す画素構造では、これらプロセス面の問題を解決するために、フォトダイオード101およびTFT102を同じプロセスで形成する工夫が盛り込まれている。ところがこの場合、フォトダイオード101およびTFT102の両者に、同じ膜質・厚みの半導体膜や絶縁膜を適用する必要がでてくるために、個別の素子最適化が困難になるといった別の問題が発生してしまう。
【0011】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、解像度を向上させるために画素サイズを縮小した場合でも感度低下が発生せず、かつ、製造時に複雑なプロセスを必要としない、間接変換方式の放射線撮像装置およびその駆動方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の放射線撮像装置は、入射された放射線を光に変換して出射する放射線−光変換層と、画素ごとに薄膜トランジスタと該薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された蓄積容量とを有するアクティブマトリクスアレイとを備えるとともに、上記薄膜トランジスタは、オフ状態において上記放射線−光変換層が出射した光が照射された時、上記蓄積容量に充電された電荷を放電させるものであることを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明の放射線撮像装置は、上記放電後、オン状態の上記薄膜トランジスタを介して、上記蓄積容量に残存する電荷を読み出す電荷読み出し回路を具備することを特徴としている。
【0014】
また、本発明の放射線撮像装置の駆動方法は、入射された放射線を光に変換して出射する放射線−光変換層と、画素ごとに薄膜トランジスタと該薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された蓄積容量とを有するアクティブマトリクスアレイとを備えた放射線撮像装置の駆動方法であって、上記蓄積容量に電荷を所定量充電する充電ステップと、上記放射線−光変換層に放射線を照射して出射させた光をオフ状態の上記薄膜トランジスタに照射して、上記充電ステップで充電した電荷を上記蓄積容量から放電させる放電ステップと、上記放電ステップの後、オン状態の上記薄膜トランジスタを介して、上記蓄積容量に残存する電荷を読み出す電荷読み出しステップとを含むことを特徴としている。
【0015】
上記の構成および方法により、放射線−光変換層は、外部から照射された放射線に応じて発光する特性を有している。なお、放射線−光変換層は、放射線の強度に応じた強度の光を出射する特性を有していてもよい。
【0016】
また、薄膜トランジスタ(以下「TFT」と略記する)は、放射線−光変換層から出射した光がチャネル領域に照射される。そして、TFTは、オフ状態(すなわち、ゲート電極に印加する電圧がオフ電圧(Vgl))では、光照射の有無によって、ソースドレイン間の抵抗が変化する電気特性を有する。具体的には、オフ状態のTFTでは、光非照射時にはソースドレイン間が高抵抗なためにソースドレイン間電流(Isd=Idark)がほとんど流れないが、光が照射されるとソースドレイン間が低抵抗化しソースドレイン間電流(Isd=Iphoto)が流れやすくなる。上記放射線撮像装置では、TFTの上記電気特性を利用して、TFTを光検出素子およびスイッチング素子として利用している。
【0017】
よって、上記放射線撮像装置は、次のように駆動させることができる。第1に、放射線(X線)の照射停止期間に、蓄積容量駆動回路等によりあらかじめ蓄積容量を所定量に充電する。
【0018】
第2に、放射線の照射期間に、撮像対象を撮像した放射線を放射線−光変換層に照射して、放射線−光変換層の発光をアクティブマトリクスアレイに照射する。このとき、放射線−光変換層の発光が照射された画素では、TFTのソースドレイン間の抵抗値が低くなるため、蓄積容量の電荷がTFTのソース側に流れて放電する。これに対して、放射線−光変換層の発光が照射されない画素では、TFTのソースドレイン間の抵抗値が低くならないため、蓄積容量の電荷が保持される。その結果、放射線照射期間に放射線が照射された場所と照射されなかった場所、すなわち、放射線−光変換層の発光が照射された画素と照射されなかった画素とでは、蓄積容量に残存する電荷量、すなわち、TFTのドレイン電圧に差が生じる。
【0019】
第3に、放射線の照射停止期間に、TFTをオン状態にして、蓄積容量に残存する電荷を読み出すことによって、画像情報を取得する。なお、電荷読み出しをゲートラインを線順次にスキャンすることによって行い、ゲートラインごとに電荷読み出し終了後に蓄積容量の充電を行ってもよい。
【0020】
ここで、TFTの上記電気特性は、ソースドレイン電極によって規定されるチャネル長Lとチャネル幅Wの比W/Lによって決定される。すなわち、上記の比W/Lが一定であれば、TFTの素子サイズが小さくなっても、TFTの電気特性を維持することができる。このため、代表的なTFTは、チャネル長が数μmとなるような小さなサイズで設計されることが多い。
【0021】
このため、上記放射線撮像装置では、高精細化(高解像度化)を図るために画素サイズを小さくする場合であっても、TFTのサイズや形状を大きく変更する必要がない。また、仮にTFTのサイズを小さくする必要が出てきた場合でも、上記の比W/Lを一定にしておけば、TFTの特性を維持することができる。それゆえ、フォトダイオードを用いた従来の放射線撮像装置で問題となっていた、高精細化すなわち画素サイズの縮小にともなう感度の低下を避けることが可能となる。
【0022】
また、上記放射線撮像装置では、光検出素子としてフォトダイオードを別途設ける必要がなく、一画素内にTFTと蓄積容量のみを配置した簡単な構造のアクティブマトリクスアレイを用いることができる。
【0023】
一般に、蓄積容量は、フォトダイオードに比べると、半導体を必要とせず、かつ、TFTの製造過程で一緒に形成できるため、製造時に複雑なプロセスを必要とせず、従来の放射線撮像装置ようにプロセスの増加や歩留まりの低下を招くことなく、アクティブマトリクスアレイを製造できる。さらに、一画素にTFTと蓄積容量を配置するアクティブマトリクスアレイは、TFT−LCD(liquid crystal display)の分野においてその構造や製造プロセスが確立されているため、TFT−LCDの既存製造ラインをそのまま利用して作成することができる。
【0024】
したがって、上記の構成および方法によれば、解像度を向上させるために画素サイズを縮小した場合でも感度低下が発生せず、かつ、製造時に複雑なプロセスを必要としない、間接変換方式の放射線撮像装置を実現することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1から図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0026】
まず、図2は、本実施の形態に係る放射線撮像装置1が備えるアクティブマトリクスアレイ20の等価回路図である。
【0027】
図2に示すように、アクティブマトリクスアレイ20は、ソース配線(データ線とも呼ぶ)s1,…,sn(以下「s」と示す)とゲート配線(走査線とも呼ぶ)g1,…,gn(以下「g」と示す)とが互いに直交するマトリクス状に配設されている。そして、ゲート配線gの端部には、ゲート配線gを駆動する駆動回路23が接続されている。また、ソース配線sの端部には、データ信号を読み出す読み出し回路(電荷読み出し回路)24が接続されている。
【0028】
アクティブマトリクスアレイ20は、ゲート配線gとソース配線sとの格子に基づき画素が区画されており、各画素には、薄膜トランジスタ(TFT)21および蓄積容量(画素容量)22がそれぞれ配設されている。各TFT21は、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極が、それぞれゲート配線g、ソース配線s、蓄積容量22に接続されている。各蓄積容量22は、ゲート配線gと平行に配設された容量配線(Cs配線)c1,…,cn(以下「c」と示す)に接続されており、容量配線cはCs駆動回路(Vcs;蓄積容量駆動回路)(図示せず)に接続されている。
【0029】
次に、図3は、上記放射線撮像装置1の一画素辺りの断面構造を示す模式図である。
【0030】
TFT21は、ガラス等からなる絶縁性基板31上に、アルミニウム(Al)やタンタル(Ta)等からなるゲート電極32が形成されており、このゲート電極32および絶縁性基板31を覆うように、窒化シリコン(SiN)からなるゲート絶縁膜33が形成されている。ゲート電極32上には、ゲート絶縁膜33を挟んで、ゲート電極32と対向する位置に、i型アモルファス・シリコン(i−a−Si)からなる半導体層(感光性半導体層)34が形成されている。この半導体層34上には、所定の間隔を隔てて相対向する位置にソース電極35およびドレイン電極36が形成されている。これらソース電極35およびドレイン電極36は、それぞれn+シリコンからなるコンタクト層37を介して半導体層34と接続されている。また、ソース電極35およびドレイン電極36の上部には、保護絶縁膜38が形成されている。このように、TFT21は、逆スタガー型の薄膜トランジスタとして構成されている。
【0031】
また、TFT21の近傍には、TFT21の形成時にモノリシックに蓄積容量22が形成されている。具体的には、蓄積容量22は、Cs電極39がゲート電極32と同じ材料およびプロセスによって形成され、容量性絶縁膜40がゲート絶縁膜33と同じ材料およびプロセスによって形成され、Cs電極39に対向する蓄積容量用電極41がドレイン電極36と同じ材料およびプロセスによって形成されている。このように、蓄積容量22はTFT21とモノリシックに形成されるため、蓄積容量22の形成には特有の材料やプロセスは不要である。
【0032】
さらに、このような画素構造を有するアクティブマトリクスアレイ20の上層には、平坦化層42が必要に応じて形成される。この平坦化層42は、アクリル樹脂やポリイミド樹脂からなる層であり、アクティブマトリクスアレイ20の表面凹凸を吸収し、表面を平坦化する役割を果たす。
【0033】
また、平坦化層42もしくは保護絶縁膜38の上層には、放射線を光に変換する変換層(放射線−光変換層)43が配設される。この変換層43は、ヨウ化セシウム(CsI)を蒸着する方法や、X線フイルムで用いられている増感紙を貼り付ける方法などによって形成される。なお、変換層43は、シンチレータ、増感紙、蛍光体とも呼ばれる。
【0034】
また、変換層43の上層には、変換層43を湿気や機械的な損傷から守るために、保護板44が配設されている。保護板44としては、薄いガラス板と遮光材(カーボン板など)を組み合わせたものや、金属板を使用することができる。
【0035】
上述のように、放射線撮像装置1は、少なくとも変換層43とアクティブマトリクスアレイ20とが積層されて構成されている。そして、変換層43は、入射された放射線を光に変換して出射するものである。また、アクティブマトリクスアレイ20は、画素ごとにTFT21と、該TFT21のドレイン電極36に蓄積容量用電極41が接続された蓄積容量22とを有する。そして、TFT21は、オフ状態において変換層43が出射した光が照射された時、蓄積容量22に充電された電荷を放電させる。さらに、読み出し回路24は、放射線が照射されることで変換層43が発した光により、蓄積容量22が放電した後、オン状態のTFT21を介して、蓄積容量22に残存する電荷を読み出す。
【0036】
このように、放射線撮像装置1では、アクティブマトリクスアレイ20に用いるTFT21が、光検出機能とスイッチング機能との両機能を備えている。すなわち、放射線撮像装置1では、アクティブマトリクスアレイ20が単体で光検出アレイとして機能する。そして、放射線撮像装置1は、アクティブマトリクスアレイ20に変換層43を組み合わせたものである。よって、放射線撮像装置1は、変換層43において入射した放射線情報が光情報に変換され、その光情報をアクティブマトリクスアレイ20で検出することで、放射線情報を読み取ることができる。
【0037】
次に、図4は、図2に示したアクティブマトリクスアレイ20のうちの1本のソース配線sの等価回路と、そのソース配線sに接続されている読み出し回路24の基本構成図である。なお、読み出し回路24は、検出IC(integrated circuit)とも呼ばれる。
【0038】
読み出し回路24は、電荷積分アンプ(CSA)51、増幅アンプ52、サンプルホールド回路53等を、検出するライン数分(例えば数百ライン)備えている。また、読み出し回路24は、サンプルホールド(S/H)回路53の後段に、アナログマルチプレクサ(図示せず)を介して、A/D(アナログ/デジタル)変換回路54を1つ備えている。
【0039】
電荷積分アンプ51の出力は、増幅アンプ52に入力され、所定の倍率に増幅されて出力される。なお、電荷積分アンプ51と増幅アンプ52の間に、ノイズ成分をカットするローパスフィルタ(図示せず)を挿入してもよい。
【0040】
そして、増幅アンプ52の出力は、サンプルホールド回路53に入力され、一旦保持された後、保持された値がアナログマルチプレクサの複数入力の1入力に出力される。アナログマルチプレクサの出力は、次段のA/D変換回路54に入力されて、アナログデータからデジタルデータに変換された後、外部に出力される。
【0041】
なお、電荷積分アンプ51のリセットスイッチSWおよび帰還容量55については後述する。
【0042】
つづいて、図5を参照しながら、放射線撮像装置1の動作および駆動方法について具体的に説明する。
【0043】
変換層43は、外部から照射された放射線の強度に応じて発光する特性を有している。その光はTFT21のチャネル(シリコン層)に照射される。このとき、TFT21のゲート電極32に印加する電圧をオフ電圧(Vgl)にしておくと、光照射の有/無によって、TFT21の特性(ソースドレイン間の抵抗)が図5に示すように変化する。なお、変換層43およびTFT21は、変換層43が発する光の波長が、TFT21のソースドレイン間の抵抗を変化させる光の波長の少なくとも一部を含むように設定されている。
【0044】
図5は、横軸にゲート電圧Vg、縦軸にソースドレイン間に流れる電流値Isdをプロットしたもので、TFTの電気特性を示すものである。図5に示すように、TFT21は、ゲート電圧がVglの時、光非照射時にはソースドレイン間が高抵抗なために電流(Isd=Idark)がほとんど流れないが、光が照射されるとソースドレイン間が低抵抗化し電流(Isd=Iphoto)が流れやすくなる特性を有している。この特性を利用することで、TFT21を光検出素子に利用することができる。
【0045】
なお、アクティブマトリクスアレイ20に備えられているTFT21は、本来、線順次走査のためのスイッチ素子と作用するものであるから、同じTFT21を光検出素子として兼用するためには、専用の駆動方法を採用する必要がある。
【0046】
具体的には、TFT21は、図6に示したフローチャートに従って動作する。
まず、画素の蓄積容量22に電荷を所定量充電する(S1:充電ステップ)。次に、蓄積容量22への電荷の充電完了後、TFT21をオフ状態にし、かつ、変換層43に放射線を照射することによってTFT21に光を照射することにより、蓄積容量22に充電された電荷を放電する(S2:放電ステップ)。次に、電荷の放電後に、TFT21をオン状態にして、蓄積容量22の残存電荷を読み出す(S3:電荷読み出しステップ)。
【0047】
つづいて、図1および図7のタイミングチャートを参照しながら、放射線撮像装置1の動作例を時間を追って説明する。なお、図7は、放射線撮像装置1の全期間の動作を示すタイミングチャートである。図1は、図7のうちの1スキャン期間の動作を示すタイミングチャートである。
【0048】
(ステップS1)時間t4〜t7
時間t4において、電荷積分アンプ51のリセットスイッチSWがオン状態になるため、電荷積分アンプ51の帰還容量55がショートされ、電荷積分アンプ51の出力は基準電圧(Vref)になる。このため、増幅アンプ52の出力もVrefとなる。
【0049】
この状態で、時間t5において、Cs電極駆動電圧がオンされると、蓄積容量22(Cs)より電荷がTFT21のドレイン側に流れ込んでくる。ただし、TFT21がオン状態で電荷積分アンプ51がリセットされているため、この電荷は消滅する。
【0050】
次に、時間t6において、ゲート駆動信号がオフされた後、時間t7において、Cs電極駆動電圧がオフされると、蓄積容量22の電位が変化する。すなわち、蓄積容量22がプリ充電される。
【0051】
なお、図4では、Cs電極39を駆動することで蓄積容量22のプリ充電を行う例を示しているが、電荷積分アンプ51の基準電位(Vref)を駆動することで、TFT21を介して蓄積容量22のプリ充電を行うことも可能である。
【0052】
(ステップS2)時間t7〜t1
つづいて、時間t7において、蓄積容量22に充電された電荷は、TFT21がオフ状態にあるため、時間t7〜時間t1の間(すなわち、次のサイクルまでの間)、TFT21のオフ抵抗値と蓄積容量値で決定される時定数で保持される。
【0053】
ここで、時間t7〜時間t1の間に、所定の期間、撮像対象を撮像した放射線を変換層43に照射する。このとき、変換層43の発光が照射された画素では、TFT21の抵抗値が低抵抗化するため、蓄積容量22の電荷がTFT21のソース側に流れて、TFT21のドレイン電圧がVrefに近づく。これに対して、変換層43の発光が照射されない画素では、TFT21が高抵抗値を保っているために、蓄積容量22の電荷が保持されて、TFT21のドレイン電圧は大きく変化しない。この結果、時間t7〜t1の間に放射線が照射された場所、すなわち、変換層43の発光が照射された画素と照射されなかった画素とでは、TFT21のドレイン電圧(蓄積容量22の残存電荷量)に差が生じる。
【0054】
(ステップS3)時間t1〜t4
つづいて、時間t1において、電荷積分アンプ51のリセットスイッチSWがオンからオフに切り替えられ、電荷積分アンプ31のリセットが解除される。
【0055】
次に、時間t2において、ゲート駆動信号がオンされて、TFT21がオンする。TFT21がオンすると、画素の蓄積容量22の電荷が電荷積分アンプ51の帰還容量55に移動し、それにともなって電荷積分アンプ51の出力が決定される。ここで、図1に示すように、電荷積分アンプ51の出力は、放射線が照射された画素では低くなり(実線)、放射線が照射されなかった画素では高くなる(波線)。
【0056】
次に、増幅アンプ52の出力は、電荷積分アンプ51で出力値×G(ゲイン)に増幅され、この値が時間t3においてサンプルホールドされる。これにより、放射線(X線)の照射期間(=スキャン停止期間)に得られた撮像対象の画像情報を電気信号として得ることが可能となる。なお、スキャン期間(=放射線の照射停止期間)では、放射線照射をオフしておき、データの読み出し(スキャン)の際のTFT21の動作に放射線、すなわち変換層43の発光が影響しないようにしておく。
【0057】
最後に、データ読み出しが終われば、時間t4に戻り、次のフレームを撮像するために、電荷積分アンプ51のリセットスイッチSWをオンにする。
【0058】
図7に示すように、放射線撮像装置1は、上記のステップS1〜S3をスキャン期間ごとに繰り返すことで、複数のフレーム(図7では、フレーム1〜3)の画像情報を連続して取得することができる。
【0059】
ところで、通常、放射線撮像装置1は、ゲートライン(走査線)を複数本有するため、全体的なシーケンスとしては、図1に示すものになる。
【0060】
図1では、一例として、ゲートラインが1000本の場合を示している。このように、アクティブマトリクスアレイ20は、放射線(X線)の照射期間に蓄積容量22の残存電荷(すなわち、ドレイン電圧)に差を生じさせ、放射線の照射停止期間にゲートラインを線順次にスキャンして、蓄積容量22の残存電荷に対応した出力を得ることによって、画像情報を取得する。また、ゲートラインごとに読み出し終了後にプリ充電を行っている。
【0061】
なお、上記の説明では、ゲートラインとデータライン電極間の寄生容量Cgs、ゲート電極とドレイン電極間の寄生容量Cgdに起因するフィードスルー(すなわち、ゲート信号の変化に対するCgs、Cgdのカップリング効果)の影響については、説明を簡潔にするため省略している。
【0062】
また、放射線撮像装置1では、変換層43の発光による光照射の有/無によって、TFT21のソースドレイン電極間の抵抗値が変化する特性を利用する。そして、このソースドレイン電極間の抵抗値は、TFT素子のサイズではなく、ソースドレイン電極によって規定されるチャネル長Lとチャネル幅Wの比(W/L)によって決定される。よって、W/Lが一定であれば、TFTの素子サイズが小さくなっても、TFTの特性は維持される。なお、代表的なTFTは、チャネル長が数μmとなるような小さなサイズで設計されることが多い。
【0063】
このため、放射線撮像装置1では、光検出素子としてTFT21を用いるので、高精細化(高解像度化)を図るために画素サイズを小さくする場合であっても、TFT21のサイズや形状を大きく変更する必要がない。また、仮にTFT21のサイズを小さくする必要が出てきた場合でも、上記の比W/Lを一定にしておけば、TFT21の特性を維持することができる。それゆえ、フォトダイオードを用いた従来の放射線撮像装置で問題となっていた、高精細化すなわち画素サイズの縮小にともなう感度の低下を避けることが可能となる。
【0064】
加えて、放射線撮像装置1では、TFT21が光検出機能とスイッチング機能との両機能を備えるため、従来のように、光検出素子としてフォトダイオードを別途設ける必要がなく、一画素内にTFT21と蓄積容量22のみを配置した簡単な構造のアクティブマトリクス基板(アクティブマトリクスアレイ20)を用いることができる。
【0065】
一般に、蓄積容量は、フォトダイオードに比べると、半導体を必要とせず、かつ、TFTの製造過程で一緒に形成できるため、製造時に複雑なプロセスを必要とせず、従来のようにプロセスの増加や歩留まりの低下を招くことなく、アクティブマトリクスアレイを製造できる。さらに、一画素にTFTと蓄積容量を配置するアクティブマトリクス基板は、TFT−LCDの分野においてその構造や製造プロセスが確立されているため、TFT−LCDの既存製造ラインをそのまま利用して作成することができる。
【0066】
また、上述した駆動方法を用いれば、簡単な構造のアクティブマトリクスアレイ20を用いた「間接変換方式」の放射線撮像装置1を駆動することができる。
【0067】
なお、本実施の形態は本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、以下のように構成することができる。
【0068】
本実施の形態の放射線撮像装置は、放射線情報を光情報に変換する放射線−光変換層と、該光情報を電気的に読み出すアクティブマトリクスアレイとを組み合わせた「間接変換方式」の放射線撮像装置において、上記アクティブマトリクスアレイの各画素には、光検出機能とスイッチング機能との両機能を兼用するTFT(薄膜トランジスタ)と、該TFTに接続された蓄積容量とが設けられていてもよい。
【0069】
TFT構造の光検出素子では、光の照射によってソースドレイン電極間の抵抗値が変化する特性を利用する。このソースドレイン電極間の抵抗値は、TFT素子のサイズではなく、ソースドレイン電極によって規定されるチャネル長Lとチャネル幅Wとの比(W/L)によって決定される。したがって、W/Lが一定であれば、TFTの素子サイズが小さくなっても、TFTの特性は維持される。このため、TFT−LCDに見られるような代表的なTFTは、チャネル長が数μmとなるような小さなサイズで設計されることが多い。
【0070】
このため、光検出素子にTFTを用いた上記放射線撮像装置では、撮像装置の高精細化を図る、すなわち画素サイズを小さくする場合であっても、TFTのサイズや形状を大きく変更する必要がない。また、仮にTFTのサイズを小さくする必要が出てきた場合でも、上記の比W/Lを一定にしておけば、TFTの特性を維持することができる。その結果、放射線撮像装置の高精細化、すなわち画素サイズを縮小するにともない感度が低下するといった、従来のフォトダイオードを用いた場合の問題を避けることが可能になる。
【0071】
加えて、上記放射線撮像装置では、TFTが光検出機能とスイッチング機能と両機能とを兼用するため、従来のように、光検出素子としてフォトダイオードを別途設ける必要がなく、一画素内にTFTと蓄積容量のみを配置した簡単な構造のアクティブマトリクス基板を用いることができる。また、蓄積容量は、フォトダイオードに比べると、半導体を必要とせず、かつTFTの製造過程で一緒に形成することができるものであるから、従来のようにプロセス長の増加や歩留まりの低下を招くといった問題を回避することが可能になる。さらに、一画素にTFTと蓄積容量を配置するアクティブマトリクス基板は、TFT−LCDの分野においてその構造や製造プロセスが確立されているため、TFT−LCDの既存製造ラインをそのまま利用して作成することができるといった利点も有する。
【0072】
また、本実施の形態の放射線撮像装置の駆動方法は、放射線を光に変換する放射線−光変換層と、該光を電気的に読み出すアクティブマトリクスアレイとを組み合わせた「間接変換方式」の放射線撮像装置の駆動方法において、上記アクティブマトリクスアレイの各画素には、光検出機能とスイッチング機能との両機能を兼用する薄膜トランジスタ(TFT)と該TFTに接続されたデータバスラインが設けられており、上記蓄積容量に電荷を所定量充電する第1のステップと、上記蓄積容量への電荷の充電完了後に、上記TFTをオフ状態にして、該TFTに上記光を照射することで上記蓄積容量に充電された電荷を放電する第2のステップと、上記電荷の放電後に、上記TFTをオン状態にして、上記蓄積容量の残存電荷を読み出す第3のステップとの3つのステップにより、上記光の照射強度を検出するシーケンスを含む方法であってもよい。
【0073】
上記の駆動方法によれば、一つのTFTが、光検出用TFTとして作用する第2ステップと、スイッチング用TFTとして作用する第3ステップを含んでいるので、上述したような簡単な構造のアクティブマトリクスアレイを用いた「間接変換方式」の放射線撮像装を駆動することが可能になる。
【0074】
【発明の効果】
以上のように、本発明の放射線撮像装置は、入射された放射線を光に変換して出射する放射線−光変換層と、画素ごとに薄膜トランジスタと該薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された蓄積容量とを有するアクティブマトリクスアレイとを備えるとともに、上記薄膜トランジスタは、オフ状態において上記放射線−光変換層が出射した光が照射された時、上記蓄積容量に充電された電荷を放電させるものである。
【0075】
さらに、本発明の放射線撮像装置は、上記放電後、オン状態の上記薄膜トランジスタを介して、上記蓄積容量に残存する電荷を読み出す電荷読み出し回路を具備する構成である。
【0076】
また、本発明の放射線撮像装置の駆動方法は、入射された放射線を光に変換して出射する放射線−光変換層と、画素ごとに薄膜トランジスタと該薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された蓄積容量とを有するアクティブマトリクスアレイとを備えた放射線撮像装置の駆動方法であって、上記蓄積容量に電荷を所定量充電する充電ステップと、上記放射線−光変換層に放射線を照射して出射させた光をオフ状態の上記薄膜トランジスタに照射して、上記充電ステップで充電した電荷を上記蓄積容量から放電させる放電ステップと、上記放電ステップの後、オン状態の上記薄膜トランジスタを介して、上記蓄積容量に残存する電荷を読み出す電荷読み出しステップとを含む方法である。
【0077】
それゆえ、上記放射線撮像装置は、次のように駆動させることができる。第1に、放射線(X線)の照射停止期間に、蓄積容量駆動回路等によりあらかじめ蓄積容量を所定量に充電する。第2に、放射線の照射期間に、撮像対象を撮像した放射線を放射線−光変換層に照射して、放射線−光変換層の発光をアクティブマトリクスアレイに照射する。このとき、放射線照射期間に放射線が照射された場所と照射されなかった場所、すなわち、放射線−光変換層の発光が照射された画素と照射されなかった画素とでは、蓄積容量に残存する電荷量、すなわち、TFTのドレイン電圧に差が生じる。第3に、放射線の照射停止期間に、TFTをオン状態にして、蓄積容量に残存する電荷を読み出すことによって、画像情報を取得する。
【0078】
よって、高精細化(高解像度化)を図るために画素サイズを小さくする場合であっても、TFTのサイズや形状を大きく変更する必要がない。したがって、フォトダイオードを用いた従来の放射線撮像装置で問題となっていた、高精細化すなわち画素サイズの縮小にともなう感度の低下を避けることが可能となるという効果を奏する。
【0079】
また、光検出素子としてフォトダイオードを別途設ける必要がなく、一画素内にTFTと蓄積容量のみを配置した簡単な構造のアクティブマトリクスアレイを用いることができる。したがって、製造時に複雑なプロセスを必要とせず、従来の放射線撮像装置ようにプロセスの増加や歩留まりの低下を招くことなく、アクティブマトリクスアレイを製造できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る放射線撮像装置のスキャン期間の動作を示すタイミングチャートである。
【図2】上記放射線撮像装置が備えるアクティブマトリクスアレイの等価回路図である。
【図3】上記放射線撮像装置の断面構造を示す模式図である。
【図4】
上記放射線撮像装置が備えるアクティブマトリクスアレイのうちの1本のソース配線の等価回路と、そのソース配線に接続されている読み出し回路の基本構成とを示す説明図である。
【図5】光検出用TFTの一般的な特性である、ゲート電圧とソース−ドレイン間電流との関係を示すグラフである。
【図6】上記放射線撮像装置による画像情報の取得動作を示すフローチャートである。
【図7】上記放射線撮像装置の全期間の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】従来の技術に係る放射線撮像装置の断面構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 放射線撮像装置
20 アクティブマトリクスアレイ
21 TFT(薄膜トランジスタ)
22 蓄積容量
24 読み出し回路(電荷読み出し回路)
36 ドレイン電極
43 変換層(放射線−光変換層)
S1 充電ステップ
S2 放電ステップ
S3 電荷読み出しステップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に医療用途や工業用途で、放射線像を撮像する放射線撮像装置に関するものであって、特に、光応答性を有する薄膜フォトトランジスタ(TFT)を光検出素子に用いた放射線撮像装置およびその駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療診断の分野では、放射線(特にX線)像を撮影する手段として、増感紙とフィルムを組み合わせたS/F(Screen/Film)方式、イメージングプレートに記録された潜像をレーザ走査で読み取るCR(Computed Radiography)方式、電子増倍管とCCD(charge coupled device)素子を組み合わせたI.I.−TV(Image Intensifier TV)方式の放射線撮像装置が使用されてきた。近年、これらに置き換わる新しいタイプの放射線撮像装置として、フラットパネル型の放射線撮像装置の開発が活発化している。
【0003】
フラットパネル型の放射線撮像装置は、アクティブマトリクス型液晶ディスプレイ等に用いられている大面積の薄膜トランジスタ(TFT;thin film transistor)アレイと、放射線を電気信号に変換する変換素子とを組み合わせたフラットな形態のセンサパネルをキーデバイスとして用いるものであり、従来の放射線撮像装置に比べて種々の利点を有している。すなわち、従来のS/F方式に比べて、フィルムレス化が実現でき、デジタル画像処理を用いた画質改善や診断支援、電子ファイリング、ネットワーク化が容易である。また、CR方式に比べると、撮像結果を即時に画像信号に変換することができる。さらに、I.I.−TV方式に比べると、大幅な薄型化が実現でき、大面積で高解像度のX線画像を得ることが可能となる。
【0004】
フラットパネル型の放射線撮像装置は、放射線の検出原理の違いによって「間接変換方式」と「直接変換方式」に大別できる。間接変換方式とは、放射線情報を蛍光体(Scintillator)によって一旦光に変換した後、フォトダイオードで光を電気信号に変換する方式である。一方、直接変換方式とは、放射線情報を変換層(Photoconductor)によって直接電気信号に変換する方式である。
【0005】
ここで、図8は、非特許文献1に記載されている、従来の間接変換方式の放射線撮像装置100の1画素部分の構成を示す断面図である。放射線(X線)が入射される面には、放射線を光に変換する変換層として蛍光体(シンチレータ、増感紙とも呼ぶ)103が配置される。その後方には、アクティブマトリクスアレイが配置されており、アクティブマトリクスアレイの各画素には、入射した光を電気信号に変換する光電変換素子としてのフォトダイオード101、その電気信号を線順次に読み出すためのスイッチ素子としてのTFT102が形成されている。光電変換素子としては、図8に示すMIS(Metal−Insulator−Semiconductor)構造や、pin構造のフォトダイオードが主に用いられる。
【0006】
【非特許文献1】
T.Kameshima et al.,”Novel Large Area MIS−type X−ray Image Sensorfor Digital Radiography”,SPIE Vol.3336,pp.453−462,1998
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の間接変換方式の放射線撮像装置100の場合、アクティブマトリクスアレイに形成する光電変換素子としてフォトダイオード101を用いている。フォトダイオード101は、電極からの電荷注入(2次電流)を阻止し、光吸収によって励起された電荷(1次電流)のみを出力する仕組みになっている。このため、フォトダイオード101から出力される電荷量は、バイアス電圧の大小にはほとんど依存せず、フォトダイオード素子の有効面積(光が照射される面積)に比例する。よって、通常は、フォトダイオード101の感度を向上させるために、できるだけフォトダイオード素子の有効面積を大きくするようなレイアウト、すなわちフィルファクター(充填率)を大きくするレイアウトが導入される。
【0008】
ところで、放射線撮像装置として高精細化を図る場合、画素サイズが小さくなることから、画素サイズの縮小比率に比例してフォトダイオード素子の有効面積が小さくなる。厳密には、画素面積の縮小に伴いフィルファクターも小さくなるため、画素サイズの縮小比率以上にフォトダイオード素子の有効面積が小さくなる。その結果、放射線撮像装置100では、フォトダイオード101から出力される電荷量が減少してしまい、十分な感度が得られないという問題が発生する。
【0009】
また、間接変換方式であるため、放射線撮像装置100では、アクティブマトリクス基板の一画素内にフォトダイオード101およびTFT102の両素子を組み込む必要があるが、これらの素子は両方とも高精度な製造プロセスを必要とする半導体素子である。よって、一画素を構成する素子構成や製造プロセスが複雑となり、製造プロセスの増加や歩留まりの低下を招くといった問題も抱えている。
【0010】
なお、図8に示す画素構造では、これらプロセス面の問題を解決するために、フォトダイオード101およびTFT102を同じプロセスで形成する工夫が盛り込まれている。ところがこの場合、フォトダイオード101およびTFT102の両者に、同じ膜質・厚みの半導体膜や絶縁膜を適用する必要がでてくるために、個別の素子最適化が困難になるといった別の問題が発生してしまう。
【0011】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、解像度を向上させるために画素サイズを縮小した場合でも感度低下が発生せず、かつ、製造時に複雑なプロセスを必要としない、間接変換方式の放射線撮像装置およびその駆動方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の放射線撮像装置は、入射された放射線を光に変換して出射する放射線−光変換層と、画素ごとに薄膜トランジスタと該薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された蓄積容量とを有するアクティブマトリクスアレイとを備えるとともに、上記薄膜トランジスタは、オフ状態において上記放射線−光変換層が出射した光が照射された時、上記蓄積容量に充電された電荷を放電させるものであることを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明の放射線撮像装置は、上記放電後、オン状態の上記薄膜トランジスタを介して、上記蓄積容量に残存する電荷を読み出す電荷読み出し回路を具備することを特徴としている。
【0014】
また、本発明の放射線撮像装置の駆動方法は、入射された放射線を光に変換して出射する放射線−光変換層と、画素ごとに薄膜トランジスタと該薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された蓄積容量とを有するアクティブマトリクスアレイとを備えた放射線撮像装置の駆動方法であって、上記蓄積容量に電荷を所定量充電する充電ステップと、上記放射線−光変換層に放射線を照射して出射させた光をオフ状態の上記薄膜トランジスタに照射して、上記充電ステップで充電した電荷を上記蓄積容量から放電させる放電ステップと、上記放電ステップの後、オン状態の上記薄膜トランジスタを介して、上記蓄積容量に残存する電荷を読み出す電荷読み出しステップとを含むことを特徴としている。
【0015】
上記の構成および方法により、放射線−光変換層は、外部から照射された放射線に応じて発光する特性を有している。なお、放射線−光変換層は、放射線の強度に応じた強度の光を出射する特性を有していてもよい。
【0016】
また、薄膜トランジスタ(以下「TFT」と略記する)は、放射線−光変換層から出射した光がチャネル領域に照射される。そして、TFTは、オフ状態(すなわち、ゲート電極に印加する電圧がオフ電圧(Vgl))では、光照射の有無によって、ソースドレイン間の抵抗が変化する電気特性を有する。具体的には、オフ状態のTFTでは、光非照射時にはソースドレイン間が高抵抗なためにソースドレイン間電流(Isd=Idark)がほとんど流れないが、光が照射されるとソースドレイン間が低抵抗化しソースドレイン間電流(Isd=Iphoto)が流れやすくなる。上記放射線撮像装置では、TFTの上記電気特性を利用して、TFTを光検出素子およびスイッチング素子として利用している。
【0017】
よって、上記放射線撮像装置は、次のように駆動させることができる。第1に、放射線(X線)の照射停止期間に、蓄積容量駆動回路等によりあらかじめ蓄積容量を所定量に充電する。
【0018】
第2に、放射線の照射期間に、撮像対象を撮像した放射線を放射線−光変換層に照射して、放射線−光変換層の発光をアクティブマトリクスアレイに照射する。このとき、放射線−光変換層の発光が照射された画素では、TFTのソースドレイン間の抵抗値が低くなるため、蓄積容量の電荷がTFTのソース側に流れて放電する。これに対して、放射線−光変換層の発光が照射されない画素では、TFTのソースドレイン間の抵抗値が低くならないため、蓄積容量の電荷が保持される。その結果、放射線照射期間に放射線が照射された場所と照射されなかった場所、すなわち、放射線−光変換層の発光が照射された画素と照射されなかった画素とでは、蓄積容量に残存する電荷量、すなわち、TFTのドレイン電圧に差が生じる。
【0019】
第3に、放射線の照射停止期間に、TFTをオン状態にして、蓄積容量に残存する電荷を読み出すことによって、画像情報を取得する。なお、電荷読み出しをゲートラインを線順次にスキャンすることによって行い、ゲートラインごとに電荷読み出し終了後に蓄積容量の充電を行ってもよい。
【0020】
ここで、TFTの上記電気特性は、ソースドレイン電極によって規定されるチャネル長Lとチャネル幅Wの比W/Lによって決定される。すなわち、上記の比W/Lが一定であれば、TFTの素子サイズが小さくなっても、TFTの電気特性を維持することができる。このため、代表的なTFTは、チャネル長が数μmとなるような小さなサイズで設計されることが多い。
【0021】
このため、上記放射線撮像装置では、高精細化(高解像度化)を図るために画素サイズを小さくする場合であっても、TFTのサイズや形状を大きく変更する必要がない。また、仮にTFTのサイズを小さくする必要が出てきた場合でも、上記の比W/Lを一定にしておけば、TFTの特性を維持することができる。それゆえ、フォトダイオードを用いた従来の放射線撮像装置で問題となっていた、高精細化すなわち画素サイズの縮小にともなう感度の低下を避けることが可能となる。
【0022】
また、上記放射線撮像装置では、光検出素子としてフォトダイオードを別途設ける必要がなく、一画素内にTFTと蓄積容量のみを配置した簡単な構造のアクティブマトリクスアレイを用いることができる。
【0023】
一般に、蓄積容量は、フォトダイオードに比べると、半導体を必要とせず、かつ、TFTの製造過程で一緒に形成できるため、製造時に複雑なプロセスを必要とせず、従来の放射線撮像装置ようにプロセスの増加や歩留まりの低下を招くことなく、アクティブマトリクスアレイを製造できる。さらに、一画素にTFTと蓄積容量を配置するアクティブマトリクスアレイは、TFT−LCD(liquid crystal display)の分野においてその構造や製造プロセスが確立されているため、TFT−LCDの既存製造ラインをそのまま利用して作成することができる。
【0024】
したがって、上記の構成および方法によれば、解像度を向上させるために画素サイズを縮小した場合でも感度低下が発生せず、かつ、製造時に複雑なプロセスを必要としない、間接変換方式の放射線撮像装置を実現することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1から図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0026】
まず、図2は、本実施の形態に係る放射線撮像装置1が備えるアクティブマトリクスアレイ20の等価回路図である。
【0027】
図2に示すように、アクティブマトリクスアレイ20は、ソース配線(データ線とも呼ぶ)s1,…,sn(以下「s」と示す)とゲート配線(走査線とも呼ぶ)g1,…,gn(以下「g」と示す)とが互いに直交するマトリクス状に配設されている。そして、ゲート配線gの端部には、ゲート配線gを駆動する駆動回路23が接続されている。また、ソース配線sの端部には、データ信号を読み出す読み出し回路(電荷読み出し回路)24が接続されている。
【0028】
アクティブマトリクスアレイ20は、ゲート配線gとソース配線sとの格子に基づき画素が区画されており、各画素には、薄膜トランジスタ(TFT)21および蓄積容量(画素容量)22がそれぞれ配設されている。各TFT21は、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極が、それぞれゲート配線g、ソース配線s、蓄積容量22に接続されている。各蓄積容量22は、ゲート配線gと平行に配設された容量配線(Cs配線)c1,…,cn(以下「c」と示す)に接続されており、容量配線cはCs駆動回路(Vcs;蓄積容量駆動回路)(図示せず)に接続されている。
【0029】
次に、図3は、上記放射線撮像装置1の一画素辺りの断面構造を示す模式図である。
【0030】
TFT21は、ガラス等からなる絶縁性基板31上に、アルミニウム(Al)やタンタル(Ta)等からなるゲート電極32が形成されており、このゲート電極32および絶縁性基板31を覆うように、窒化シリコン(SiN)からなるゲート絶縁膜33が形成されている。ゲート電極32上には、ゲート絶縁膜33を挟んで、ゲート電極32と対向する位置に、i型アモルファス・シリコン(i−a−Si)からなる半導体層(感光性半導体層)34が形成されている。この半導体層34上には、所定の間隔を隔てて相対向する位置にソース電極35およびドレイン電極36が形成されている。これらソース電極35およびドレイン電極36は、それぞれn+シリコンからなるコンタクト層37を介して半導体層34と接続されている。また、ソース電極35およびドレイン電極36の上部には、保護絶縁膜38が形成されている。このように、TFT21は、逆スタガー型の薄膜トランジスタとして構成されている。
【0031】
また、TFT21の近傍には、TFT21の形成時にモノリシックに蓄積容量22が形成されている。具体的には、蓄積容量22は、Cs電極39がゲート電極32と同じ材料およびプロセスによって形成され、容量性絶縁膜40がゲート絶縁膜33と同じ材料およびプロセスによって形成され、Cs電極39に対向する蓄積容量用電極41がドレイン電極36と同じ材料およびプロセスによって形成されている。このように、蓄積容量22はTFT21とモノリシックに形成されるため、蓄積容量22の形成には特有の材料やプロセスは不要である。
【0032】
さらに、このような画素構造を有するアクティブマトリクスアレイ20の上層には、平坦化層42が必要に応じて形成される。この平坦化層42は、アクリル樹脂やポリイミド樹脂からなる層であり、アクティブマトリクスアレイ20の表面凹凸を吸収し、表面を平坦化する役割を果たす。
【0033】
また、平坦化層42もしくは保護絶縁膜38の上層には、放射線を光に変換する変換層(放射線−光変換層)43が配設される。この変換層43は、ヨウ化セシウム(CsI)を蒸着する方法や、X線フイルムで用いられている増感紙を貼り付ける方法などによって形成される。なお、変換層43は、シンチレータ、増感紙、蛍光体とも呼ばれる。
【0034】
また、変換層43の上層には、変換層43を湿気や機械的な損傷から守るために、保護板44が配設されている。保護板44としては、薄いガラス板と遮光材(カーボン板など)を組み合わせたものや、金属板を使用することができる。
【0035】
上述のように、放射線撮像装置1は、少なくとも変換層43とアクティブマトリクスアレイ20とが積層されて構成されている。そして、変換層43は、入射された放射線を光に変換して出射するものである。また、アクティブマトリクスアレイ20は、画素ごとにTFT21と、該TFT21のドレイン電極36に蓄積容量用電極41が接続された蓄積容量22とを有する。そして、TFT21は、オフ状態において変換層43が出射した光が照射された時、蓄積容量22に充電された電荷を放電させる。さらに、読み出し回路24は、放射線が照射されることで変換層43が発した光により、蓄積容量22が放電した後、オン状態のTFT21を介して、蓄積容量22に残存する電荷を読み出す。
【0036】
このように、放射線撮像装置1では、アクティブマトリクスアレイ20に用いるTFT21が、光検出機能とスイッチング機能との両機能を備えている。すなわち、放射線撮像装置1では、アクティブマトリクスアレイ20が単体で光検出アレイとして機能する。そして、放射線撮像装置1は、アクティブマトリクスアレイ20に変換層43を組み合わせたものである。よって、放射線撮像装置1は、変換層43において入射した放射線情報が光情報に変換され、その光情報をアクティブマトリクスアレイ20で検出することで、放射線情報を読み取ることができる。
【0037】
次に、図4は、図2に示したアクティブマトリクスアレイ20のうちの1本のソース配線sの等価回路と、そのソース配線sに接続されている読み出し回路24の基本構成図である。なお、読み出し回路24は、検出IC(integrated circuit)とも呼ばれる。
【0038】
読み出し回路24は、電荷積分アンプ(CSA)51、増幅アンプ52、サンプルホールド回路53等を、検出するライン数分(例えば数百ライン)備えている。また、読み出し回路24は、サンプルホールド(S/H)回路53の後段に、アナログマルチプレクサ(図示せず)を介して、A/D(アナログ/デジタル)変換回路54を1つ備えている。
【0039】
電荷積分アンプ51の出力は、増幅アンプ52に入力され、所定の倍率に増幅されて出力される。なお、電荷積分アンプ51と増幅アンプ52の間に、ノイズ成分をカットするローパスフィルタ(図示せず)を挿入してもよい。
【0040】
そして、増幅アンプ52の出力は、サンプルホールド回路53に入力され、一旦保持された後、保持された値がアナログマルチプレクサの複数入力の1入力に出力される。アナログマルチプレクサの出力は、次段のA/D変換回路54に入力されて、アナログデータからデジタルデータに変換された後、外部に出力される。
【0041】
なお、電荷積分アンプ51のリセットスイッチSWおよび帰還容量55については後述する。
【0042】
つづいて、図5を参照しながら、放射線撮像装置1の動作および駆動方法について具体的に説明する。
【0043】
変換層43は、外部から照射された放射線の強度に応じて発光する特性を有している。その光はTFT21のチャネル(シリコン層)に照射される。このとき、TFT21のゲート電極32に印加する電圧をオフ電圧(Vgl)にしておくと、光照射の有/無によって、TFT21の特性(ソースドレイン間の抵抗)が図5に示すように変化する。なお、変換層43およびTFT21は、変換層43が発する光の波長が、TFT21のソースドレイン間の抵抗を変化させる光の波長の少なくとも一部を含むように設定されている。
【0044】
図5は、横軸にゲート電圧Vg、縦軸にソースドレイン間に流れる電流値Isdをプロットしたもので、TFTの電気特性を示すものである。図5に示すように、TFT21は、ゲート電圧がVglの時、光非照射時にはソースドレイン間が高抵抗なために電流(Isd=Idark)がほとんど流れないが、光が照射されるとソースドレイン間が低抵抗化し電流(Isd=Iphoto)が流れやすくなる特性を有している。この特性を利用することで、TFT21を光検出素子に利用することができる。
【0045】
なお、アクティブマトリクスアレイ20に備えられているTFT21は、本来、線順次走査のためのスイッチ素子と作用するものであるから、同じTFT21を光検出素子として兼用するためには、専用の駆動方法を採用する必要がある。
【0046】
具体的には、TFT21は、図6に示したフローチャートに従って動作する。
まず、画素の蓄積容量22に電荷を所定量充電する(S1:充電ステップ)。次に、蓄積容量22への電荷の充電完了後、TFT21をオフ状態にし、かつ、変換層43に放射線を照射することによってTFT21に光を照射することにより、蓄積容量22に充電された電荷を放電する(S2:放電ステップ)。次に、電荷の放電後に、TFT21をオン状態にして、蓄積容量22の残存電荷を読み出す(S3:電荷読み出しステップ)。
【0047】
つづいて、図1および図7のタイミングチャートを参照しながら、放射線撮像装置1の動作例を時間を追って説明する。なお、図7は、放射線撮像装置1の全期間の動作を示すタイミングチャートである。図1は、図7のうちの1スキャン期間の動作を示すタイミングチャートである。
【0048】
(ステップS1)時間t4〜t7
時間t4において、電荷積分アンプ51のリセットスイッチSWがオン状態になるため、電荷積分アンプ51の帰還容量55がショートされ、電荷積分アンプ51の出力は基準電圧(Vref)になる。このため、増幅アンプ52の出力もVrefとなる。
【0049】
この状態で、時間t5において、Cs電極駆動電圧がオンされると、蓄積容量22(Cs)より電荷がTFT21のドレイン側に流れ込んでくる。ただし、TFT21がオン状態で電荷積分アンプ51がリセットされているため、この電荷は消滅する。
【0050】
次に、時間t6において、ゲート駆動信号がオフされた後、時間t7において、Cs電極駆動電圧がオフされると、蓄積容量22の電位が変化する。すなわち、蓄積容量22がプリ充電される。
【0051】
なお、図4では、Cs電極39を駆動することで蓄積容量22のプリ充電を行う例を示しているが、電荷積分アンプ51の基準電位(Vref)を駆動することで、TFT21を介して蓄積容量22のプリ充電を行うことも可能である。
【0052】
(ステップS2)時間t7〜t1
つづいて、時間t7において、蓄積容量22に充電された電荷は、TFT21がオフ状態にあるため、時間t7〜時間t1の間(すなわち、次のサイクルまでの間)、TFT21のオフ抵抗値と蓄積容量値で決定される時定数で保持される。
【0053】
ここで、時間t7〜時間t1の間に、所定の期間、撮像対象を撮像した放射線を変換層43に照射する。このとき、変換層43の発光が照射された画素では、TFT21の抵抗値が低抵抗化するため、蓄積容量22の電荷がTFT21のソース側に流れて、TFT21のドレイン電圧がVrefに近づく。これに対して、変換層43の発光が照射されない画素では、TFT21が高抵抗値を保っているために、蓄積容量22の電荷が保持されて、TFT21のドレイン電圧は大きく変化しない。この結果、時間t7〜t1の間に放射線が照射された場所、すなわち、変換層43の発光が照射された画素と照射されなかった画素とでは、TFT21のドレイン電圧(蓄積容量22の残存電荷量)に差が生じる。
【0054】
(ステップS3)時間t1〜t4
つづいて、時間t1において、電荷積分アンプ51のリセットスイッチSWがオンからオフに切り替えられ、電荷積分アンプ31のリセットが解除される。
【0055】
次に、時間t2において、ゲート駆動信号がオンされて、TFT21がオンする。TFT21がオンすると、画素の蓄積容量22の電荷が電荷積分アンプ51の帰還容量55に移動し、それにともなって電荷積分アンプ51の出力が決定される。ここで、図1に示すように、電荷積分アンプ51の出力は、放射線が照射された画素では低くなり(実線)、放射線が照射されなかった画素では高くなる(波線)。
【0056】
次に、増幅アンプ52の出力は、電荷積分アンプ51で出力値×G(ゲイン)に増幅され、この値が時間t3においてサンプルホールドされる。これにより、放射線(X線)の照射期間(=スキャン停止期間)に得られた撮像対象の画像情報を電気信号として得ることが可能となる。なお、スキャン期間(=放射線の照射停止期間)では、放射線照射をオフしておき、データの読み出し(スキャン)の際のTFT21の動作に放射線、すなわち変換層43の発光が影響しないようにしておく。
【0057】
最後に、データ読み出しが終われば、時間t4に戻り、次のフレームを撮像するために、電荷積分アンプ51のリセットスイッチSWをオンにする。
【0058】
図7に示すように、放射線撮像装置1は、上記のステップS1〜S3をスキャン期間ごとに繰り返すことで、複数のフレーム(図7では、フレーム1〜3)の画像情報を連続して取得することができる。
【0059】
ところで、通常、放射線撮像装置1は、ゲートライン(走査線)を複数本有するため、全体的なシーケンスとしては、図1に示すものになる。
【0060】
図1では、一例として、ゲートラインが1000本の場合を示している。このように、アクティブマトリクスアレイ20は、放射線(X線)の照射期間に蓄積容量22の残存電荷(すなわち、ドレイン電圧)に差を生じさせ、放射線の照射停止期間にゲートラインを線順次にスキャンして、蓄積容量22の残存電荷に対応した出力を得ることによって、画像情報を取得する。また、ゲートラインごとに読み出し終了後にプリ充電を行っている。
【0061】
なお、上記の説明では、ゲートラインとデータライン電極間の寄生容量Cgs、ゲート電極とドレイン電極間の寄生容量Cgdに起因するフィードスルー(すなわち、ゲート信号の変化に対するCgs、Cgdのカップリング効果)の影響については、説明を簡潔にするため省略している。
【0062】
また、放射線撮像装置1では、変換層43の発光による光照射の有/無によって、TFT21のソースドレイン電極間の抵抗値が変化する特性を利用する。そして、このソースドレイン電極間の抵抗値は、TFT素子のサイズではなく、ソースドレイン電極によって規定されるチャネル長Lとチャネル幅Wの比(W/L)によって決定される。よって、W/Lが一定であれば、TFTの素子サイズが小さくなっても、TFTの特性は維持される。なお、代表的なTFTは、チャネル長が数μmとなるような小さなサイズで設計されることが多い。
【0063】
このため、放射線撮像装置1では、光検出素子としてTFT21を用いるので、高精細化(高解像度化)を図るために画素サイズを小さくする場合であっても、TFT21のサイズや形状を大きく変更する必要がない。また、仮にTFT21のサイズを小さくする必要が出てきた場合でも、上記の比W/Lを一定にしておけば、TFT21の特性を維持することができる。それゆえ、フォトダイオードを用いた従来の放射線撮像装置で問題となっていた、高精細化すなわち画素サイズの縮小にともなう感度の低下を避けることが可能となる。
【0064】
加えて、放射線撮像装置1では、TFT21が光検出機能とスイッチング機能との両機能を備えるため、従来のように、光検出素子としてフォトダイオードを別途設ける必要がなく、一画素内にTFT21と蓄積容量22のみを配置した簡単な構造のアクティブマトリクス基板(アクティブマトリクスアレイ20)を用いることができる。
【0065】
一般に、蓄積容量は、フォトダイオードに比べると、半導体を必要とせず、かつ、TFTの製造過程で一緒に形成できるため、製造時に複雑なプロセスを必要とせず、従来のようにプロセスの増加や歩留まりの低下を招くことなく、アクティブマトリクスアレイを製造できる。さらに、一画素にTFTと蓄積容量を配置するアクティブマトリクス基板は、TFT−LCDの分野においてその構造や製造プロセスが確立されているため、TFT−LCDの既存製造ラインをそのまま利用して作成することができる。
【0066】
また、上述した駆動方法を用いれば、簡単な構造のアクティブマトリクスアレイ20を用いた「間接変換方式」の放射線撮像装置1を駆動することができる。
【0067】
なお、本実施の形態は本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、以下のように構成することができる。
【0068】
本実施の形態の放射線撮像装置は、放射線情報を光情報に変換する放射線−光変換層と、該光情報を電気的に読み出すアクティブマトリクスアレイとを組み合わせた「間接変換方式」の放射線撮像装置において、上記アクティブマトリクスアレイの各画素には、光検出機能とスイッチング機能との両機能を兼用するTFT(薄膜トランジスタ)と、該TFTに接続された蓄積容量とが設けられていてもよい。
【0069】
TFT構造の光検出素子では、光の照射によってソースドレイン電極間の抵抗値が変化する特性を利用する。このソースドレイン電極間の抵抗値は、TFT素子のサイズではなく、ソースドレイン電極によって規定されるチャネル長Lとチャネル幅Wとの比(W/L)によって決定される。したがって、W/Lが一定であれば、TFTの素子サイズが小さくなっても、TFTの特性は維持される。このため、TFT−LCDに見られるような代表的なTFTは、チャネル長が数μmとなるような小さなサイズで設計されることが多い。
【0070】
このため、光検出素子にTFTを用いた上記放射線撮像装置では、撮像装置の高精細化を図る、すなわち画素サイズを小さくする場合であっても、TFTのサイズや形状を大きく変更する必要がない。また、仮にTFTのサイズを小さくする必要が出てきた場合でも、上記の比W/Lを一定にしておけば、TFTの特性を維持することができる。その結果、放射線撮像装置の高精細化、すなわち画素サイズを縮小するにともない感度が低下するといった、従来のフォトダイオードを用いた場合の問題を避けることが可能になる。
【0071】
加えて、上記放射線撮像装置では、TFTが光検出機能とスイッチング機能と両機能とを兼用するため、従来のように、光検出素子としてフォトダイオードを別途設ける必要がなく、一画素内にTFTと蓄積容量のみを配置した簡単な構造のアクティブマトリクス基板を用いることができる。また、蓄積容量は、フォトダイオードに比べると、半導体を必要とせず、かつTFTの製造過程で一緒に形成することができるものであるから、従来のようにプロセス長の増加や歩留まりの低下を招くといった問題を回避することが可能になる。さらに、一画素にTFTと蓄積容量を配置するアクティブマトリクス基板は、TFT−LCDの分野においてその構造や製造プロセスが確立されているため、TFT−LCDの既存製造ラインをそのまま利用して作成することができるといった利点も有する。
【0072】
また、本実施の形態の放射線撮像装置の駆動方法は、放射線を光に変換する放射線−光変換層と、該光を電気的に読み出すアクティブマトリクスアレイとを組み合わせた「間接変換方式」の放射線撮像装置の駆動方法において、上記アクティブマトリクスアレイの各画素には、光検出機能とスイッチング機能との両機能を兼用する薄膜トランジスタ(TFT)と該TFTに接続されたデータバスラインが設けられており、上記蓄積容量に電荷を所定量充電する第1のステップと、上記蓄積容量への電荷の充電完了後に、上記TFTをオフ状態にして、該TFTに上記光を照射することで上記蓄積容量に充電された電荷を放電する第2のステップと、上記電荷の放電後に、上記TFTをオン状態にして、上記蓄積容量の残存電荷を読み出す第3のステップとの3つのステップにより、上記光の照射強度を検出するシーケンスを含む方法であってもよい。
【0073】
上記の駆動方法によれば、一つのTFTが、光検出用TFTとして作用する第2ステップと、スイッチング用TFTとして作用する第3ステップを含んでいるので、上述したような簡単な構造のアクティブマトリクスアレイを用いた「間接変換方式」の放射線撮像装を駆動することが可能になる。
【0074】
【発明の効果】
以上のように、本発明の放射線撮像装置は、入射された放射線を光に変換して出射する放射線−光変換層と、画素ごとに薄膜トランジスタと該薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された蓄積容量とを有するアクティブマトリクスアレイとを備えるとともに、上記薄膜トランジスタは、オフ状態において上記放射線−光変換層が出射した光が照射された時、上記蓄積容量に充電された電荷を放電させるものである。
【0075】
さらに、本発明の放射線撮像装置は、上記放電後、オン状態の上記薄膜トランジスタを介して、上記蓄積容量に残存する電荷を読み出す電荷読み出し回路を具備する構成である。
【0076】
また、本発明の放射線撮像装置の駆動方法は、入射された放射線を光に変換して出射する放射線−光変換層と、画素ごとに薄膜トランジスタと該薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された蓄積容量とを有するアクティブマトリクスアレイとを備えた放射線撮像装置の駆動方法であって、上記蓄積容量に電荷を所定量充電する充電ステップと、上記放射線−光変換層に放射線を照射して出射させた光をオフ状態の上記薄膜トランジスタに照射して、上記充電ステップで充電した電荷を上記蓄積容量から放電させる放電ステップと、上記放電ステップの後、オン状態の上記薄膜トランジスタを介して、上記蓄積容量に残存する電荷を読み出す電荷読み出しステップとを含む方法である。
【0077】
それゆえ、上記放射線撮像装置は、次のように駆動させることができる。第1に、放射線(X線)の照射停止期間に、蓄積容量駆動回路等によりあらかじめ蓄積容量を所定量に充電する。第2に、放射線の照射期間に、撮像対象を撮像した放射線を放射線−光変換層に照射して、放射線−光変換層の発光をアクティブマトリクスアレイに照射する。このとき、放射線照射期間に放射線が照射された場所と照射されなかった場所、すなわち、放射線−光変換層の発光が照射された画素と照射されなかった画素とでは、蓄積容量に残存する電荷量、すなわち、TFTのドレイン電圧に差が生じる。第3に、放射線の照射停止期間に、TFTをオン状態にして、蓄積容量に残存する電荷を読み出すことによって、画像情報を取得する。
【0078】
よって、高精細化(高解像度化)を図るために画素サイズを小さくする場合であっても、TFTのサイズや形状を大きく変更する必要がない。したがって、フォトダイオードを用いた従来の放射線撮像装置で問題となっていた、高精細化すなわち画素サイズの縮小にともなう感度の低下を避けることが可能となるという効果を奏する。
【0079】
また、光検出素子としてフォトダイオードを別途設ける必要がなく、一画素内にTFTと蓄積容量のみを配置した簡単な構造のアクティブマトリクスアレイを用いることができる。したがって、製造時に複雑なプロセスを必要とせず、従来の放射線撮像装置ようにプロセスの増加や歩留まりの低下を招くことなく、アクティブマトリクスアレイを製造できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る放射線撮像装置のスキャン期間の動作を示すタイミングチャートである。
【図2】上記放射線撮像装置が備えるアクティブマトリクスアレイの等価回路図である。
【図3】上記放射線撮像装置の断面構造を示す模式図である。
【図4】
上記放射線撮像装置が備えるアクティブマトリクスアレイのうちの1本のソース配線の等価回路と、そのソース配線に接続されている読み出し回路の基本構成とを示す説明図である。
【図5】光検出用TFTの一般的な特性である、ゲート電圧とソース−ドレイン間電流との関係を示すグラフである。
【図6】上記放射線撮像装置による画像情報の取得動作を示すフローチャートである。
【図7】上記放射線撮像装置の全期間の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】従来の技術に係る放射線撮像装置の断面構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 放射線撮像装置
20 アクティブマトリクスアレイ
21 TFT(薄膜トランジスタ)
22 蓄積容量
24 読み出し回路(電荷読み出し回路)
36 ドレイン電極
43 変換層(放射線−光変換層)
S1 充電ステップ
S2 放電ステップ
S3 電荷読み出しステップ
Claims (3)
- 入射された放射線を光に変換して出射する放射線−光変換層と、
画素ごとに薄膜トランジスタと該薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された蓄積容量とを有するアクティブマトリクスアレイとを備えるとともに、
上記薄膜トランジスタは、オフ状態において上記放射線−光変換層が出射した光が照射された時、上記蓄積容量に充電された電荷を放電させるものであることを特徴とする放射線撮像装置。 - 上記放電後、オン状態の上記薄膜トランジスタを介して、上記蓄積容量に残存する電荷を読み出す電荷読み出し回路を具備することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
- 入射された放射線を光に変換して出射する放射線−光変換層と、画素ごとに薄膜トランジスタと該薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された蓄積容量とを有するアクティブマトリクスアレイとを備えた放射線撮像装置の駆動方法であって、
上記蓄積容量に電荷を所定量充電する充電ステップと、
上記放射線−光変換層に放射線を照射して出射させた光をオフ状態の上記薄膜トランジスタに照射して、上記充電ステップで充電した電荷を上記蓄積容量から放電させる放電ステップと、
上記放電ステップの後、オン状態の上記薄膜トランジスタを介して、上記蓄積容量に残存する電荷を読み出す電荷読み出しステップとを含むことを特徴とする放射線撮像装置の駆動方法。
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-
2002
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