JP2004185260A - 回転型入力装置 - Google Patents

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Satoru Kondo
悟 近藤
Tadahiro Sakai
忠裕 坂井
Toshihiro Shimizu
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Abstract

【課題】簡易な構成で球体にクリック感を与えることが可能な球体回転型入力装置を提供することである。
【解決手段】所定方向に回転の自由度を持つ回転体と、前記回転体の回転方向及び回転量を直交するX軸方向及び/又はY軸方向への移動量に変換する変換手段とを有する回転型入力装置において、変換手段は、前記回転体に形成された変曲面と、前記変曲面に当接し前記回転体を押圧すると共に前記変曲面形状に応じた電力を生ずる圧電弾性体からなる押圧手段と、前記押圧手段に生じた電力から前記回転体の回転方向及び回転量を検出する検出手段とからなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転型入力装置に関し、特に、2軸方向への移動を指示し画面上での座標位置を入力するための触運動を用いた球体回転型入力装置に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の回転型入力装置である球体回転型入力装置としては、情報処理装置の画面上に表示されるポインタと称されるカーソルの相対的な座標位置を入力するマウスやトラックボール等があった。
【0003】
このマウスやトラックボールは、予め形成された保持空間内で自由に回転するように配置された球体と、この球体に一点で当接されるように直交して配置される円柱形状をした2本のローラーと、このローラーの一端にそれぞれ配置され各ローラーの回転量を計測するロータリーエンコーダとによって構成され、2軸方向への移動量をそれぞれ検出する構成となっていた。
【0004】
すなわち、操作者の直接操作による球体の回転あるいはマウスの移動に伴う球体の回転を、この球体に接触して配置される2本のローラーの回転に変換した後に、各ローラーの回転量をそれぞれのローラーに配置されたロータリーエンコーダで計測することによって、球体の回転量をマウスもしくはトラックボールに仮想的に設定されたX軸方向とY軸方向とへの移動量に変換していた。
【0005】
また、トラックボールの操作感を向上させた球体回転型入力装置として、球体あるいはローラーに回転動作時におけるクリック感を持たせ、球体の回転動作が離散的動作となるようにしたトラックボールがあった。このトラックボールは、前述する従来の球体回転型入力装置を構成する球体もしくはローラーの何れかに、クリック感を発生させるためのクリック機構を付加した構成となっていた。すなわち、外周に所定ピッチで凹凸が形成され、各ローラーの一端にそれぞれのローラーと同心上に固定される円板と、この円板の外周に弾性的に当接する弾性部材とからなるクリック機構を設ける、もしくは表面に所定ピッチで凹部が形成された球体とこの球体に当接付勢される小球とからなるクリック機構を設けることにより、従来の球体回転型入力装置にクリック感を付加する構成となっていた(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特願平9−282088号公報(第3−5、第1図、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記従来技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
従来のローラーにクリック機構を付加し、球体の回転動作が離散的となるようにして、クリック感を持たせた従来のトラックボールでは、従来の球体回転型入力装置が備える球体の回転量をX軸方向及びY軸方向の移動量に変換する機構であるローラーもしくは球体にクリック機構を付加する必要があった。このために、機械的な動作を伴う機構部分の部品点数が増加し、構造が複雑化してしまうという問題があった。さらには、機械的動作を伴う機構部分が複雑化してしまうことに伴い、故障の発生が起こりやすくなってしまうと共に、機構部分の小型化が困難になってしまうという問題があった。
【0008】
また、従来の球体回転型入力装置は、前述するように、球体とローラーとの接触抵抗によって、球体の回転動作を2本のローラーに伝達する構成であった。このために、X軸方向及びY軸方向に対して傾斜された方向に球体が回転する場合には、ローラーの中心軸に対して斜め方向に力が印加されつつ球体がローラーに接することとなるので、操作者の操作により球体に付着した皮脂や埃等が球体を介してローラーにも付着してしまい、十分な接触抵抗を保持できずに、球体の回転量をX軸方向及びY軸方向への移動量に正確に変換できなくなってしまうという問題があった。
【0009】
一方、近年のデジタル放送の普及に伴い、放送番組の多チャンネル化や多様化が急速に進み、放送の受信装置にも多様な機能が要求されるに至っている。例えば、多チャンネル化に伴って受信装置に要求される機能としては、画面上に複数番組を同時に表示させ、特定の番組を選択させるような構成となっていた。この場合、所望の番組の選択を容易とするために、画面上にカーソルを表示させこのカーソルを所望の番組に合わせ選択することによって、希望の番組の受信がなされるようになっていた。同様にして、文字情報番組に要求される機能では、番組内をツリー構造とし、各メニューを順番に辿ることによって、所望の文字情報番組が受信されるような構成となっていた。このような選択動作は、受信装置に対応したリモコンに配置される各種操作釦の操作に基づいてなされるようになっており、従来のリモコン装置では、上面側に配置したチャンネル選択釦や専用のカーソル移動釦等を押下することによって、所定の操作を行う構成となっていた。
【0010】
しかしながら、多くの情報が1画面上に表示されるようになると、カーソルの速やかな移動への要望として、特に斜め方向への移動や移動速度の加減速等が切望され、従来のリモコン装置では、これらの要望を満たすことが困難となり、トラックボールのような操作釦の配置が要望されている。
【0011】
本発明の目的は、簡易な構成で球体にクリック感を与えることが可能な球体回転型入力装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、球体回転型入力装置を小型化することが可能な技術を提供することにある。
本発明のその他の目的は、球体の汚れに伴う性能低下を低減させることが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)所定方向に回転の自由度を持つ回転体と、前記回転体の回転方向及び回転量を直交するX軸方向及び/又はY軸方向への移動量に変換する移動量変換手段とを有する回転型入力装置において、移動量変換手段は、前記回転体に形成された変曲面と、前記変曲面に当接し前記回転体を押圧すると共に前記変曲面形状に応じた電力を生ずる圧電弾性体からなる押圧手段と、前記押圧手段に生じた電力から前記回転体の回転方向及び回転量を検出する検出手段とからなる。
【0013】
(2)前述した(1)に記載の回転型入力装置において、前記押圧手段は少なくとも前記回転体の回転方向に分割された2以上の圧電弾性体からなる。
【0014】
(3)前述した(1)もしくは(2)に記載の回転型入力装置において、前記回転体は全方向に回転の自由度を持つ球体からなり、前記変曲面は前記回転体の表面に形成された複数個の凹部からなる。
【0015】
(4)前述した(3)に記載の回転型入力装置において、前記回転体の表面には前記凹部よりも浅い溝が形成されており、隣接する前記凹部は前記溝で繋がっている。
【0016】
(5)前述した(2)乃至(4)の内の何れかに記載の回転型入力装置において、前記検出手段は2以上に分割された前記圧電弾性体にそれぞれ生じた電力の発生順番に基づいて、前記回転体の回転方向を決定する手段を備えた。
【0017】
前述した手段によれば、例えば、回転体の表面に変曲面を形成し、圧電弾性体からなる押圧手段により変曲面に沿って回転体を押圧する構成とし、変曲面形状に応じて押圧手段に生じた電力から検出手段が回転体の回転方向及び回転量を検出する構成となっているので、簡易な構成で回転体の回転方向及び回転量を検出することが可能となる。このとき、押圧手段は回転体の表面に形成された変曲面を押圧し続けることとなるので、回転体を回転させる際に、変曲面形状に応じたクリック感を回転体に発生させることが可能となる。
すなわち、押圧手段のみで回転体の回転を検出できると共に、回転体にクリック感を与えることができるので、回転型入力装置を小型化することができる。
【0018】
また、回転体として球体を用いた場合であっても、球体の表面に形成された凹部を押圧手段の一端が入り込むことによって生じる起電力に基づいて、球体の回転を検出する構成となるので、球体の汚れに伴う性能低下を低減させることができる。
さらには、球体の表面に凹部よりも浅い溝を形成し、この溝によって隣接する凹部を繋ぐようにすることによって、球体を回転させた時に、押圧手段の一端が凹部に入り込まないで球体が回転してしまうことを防止できるので、さらに正確な回転方向と回転量の検出とを行うことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、発明の実施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明する。
なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0020】
図1は本発明の一実施の形態である回転型入力装置の概略構成を説明するための図であり、図2は本実施の形態の押圧センサ部の概略構成を説明するための図である。特に、図1の(a)は本実施の形態の回転型入力装置の概略構成を説明するための俯瞰図であり、図1の(b)は本実施の形態の回転型入力装置の概略構成を説明するための断面図である。また、図2の(a)は本実施の形態の押圧センサ部の概略構成を説明するための俯瞰図であり、図2の(b),(c)は本実施の形態の押圧センサ部によるクリック動作を説明するための断面図である。
図1及び図2において、1は球体、2は凹部、3は溝、4は筐体、5は押圧センサ部(押圧手段)、8は圧電コイルバネ、9は小球を示す。
【0021】
図1の(a),(b)より明らかなように、球体1は全方向に回転の自由度をもって筐体4に保持される構成となっており、球体1の上部は筐体4の上面に形成された円形の開口部から突出される構成となっている。なお、筐体4から突出される球体1の一部部位は、上部に限定されることはなく、押圧センサ部5が配置されない他の方向あるいはその組み合わせでもよいことはいうまでもない。
【0022】
また、球体1の外周面には、いわゆるディンプル加工のように、変曲面としての凹部2が等間隔で複数形成されている。特に、本実施の形態においては、直径が15mmの球体1の外周面に、直径が1.5mmであり、その深さが最深部で最大1mm(穿孔ドリルの先端部分を当てた形状)となる凹部2が、等方的に合計26個形成されている。ただし、凹部2の深さは、球体1に通常使用で付着する皮脂や埃等よりも十分に深くすることによって、球体1の汚れに伴う凹部2の検出性能(球体1の回転方向及び回転量の検出性能)の低下を大幅に低減させることができる。
【0023】
さらには、球体1の外周面には、近接する凹部2同士の間に、深さが0.5mmの溝が形成されている。なお、最適な凹部2の配置間隔は、図示しない操作者自身の好みによって大きく変わると共に、操作姿勢すなわち操作者が球体1に触る姿勢、球体1の直径、及び動作を妨げる方向に働く力すなわちクリック感の強さ等によっても大きく変わるものである。従って、本実施の形態の回転型入力装置に適用可能な最適な凹部2の配置間隔は、前述する操作者の個体差等を勘案して、0.5mm〜7mm程度がよいと推定される。
【0024】
押圧センサ部5は、本実施の形態の回転型入力装置に仮想的に設定される直交座標のX軸方向及びY軸方向にそれぞれ2個ずつセンサ素子が配列された合計4個のセンサ素子を有する構成となっている。各センサ素子は、図2の(a)に示すように、凹部2の直径よりも小さい小球9と、一端が小球9に当接され他端が固定され図面の上方方向に小球9を押圧する圧電コイルバネ8と、小球9及び圧電コイルバネ8を収容すると共に小球9の一部部位が開口部(一端側)から突出するように角柱状に形成された支持筒10とから構成されている。なお、本実施の形態の回転型入力装置では、4個のセンサ素子を正方状に配列した構成となっているが、例えば十字状等の他の配列でもよいことはいうまでもない。また、支持筒10は各センサ素子毎に設けられる構成となっているが、一体に形成してもよいことはいうまでもない。また、圧電コイルバネ8としては、例えば特願2002−17071号に記載のコイル状圧電素子を用いるので、詳細な説明は省略する。
【0025】
次に、図1に基づいて、本実施の形態の形態の回転型入力装置の構成及び動作を説明する。
図1の(a)に示すように、本実施の形態の回転型入力装置では、回転体として球体1を用い、この球体1を筐体4で全方向に回転自在に保持する構成となっている。また、図1の(b)に示すように、筐体4から突出される球体1の一部部位が当該球体1の中心に対して点対称となる範囲内で、押圧センサ部5の先端部に配置される小球9と球体1の外周面とが当接されるように、押圧センサ部5が配置される構成となっている。このような構成とすることによって、通常操作時における小球9と球体1の外周面とが当接する点を中心とする球体1の回転、すなわち押圧センサ部5で検出することができないと共にクリック感を得ることもできなくなってしまう球体1の回転を大幅に低減させることが可能となる。
【0026】
ただし、押圧センサ部5による球体1の回転を防止するためには、例えば、凹部2に係合する大きさの小球と、この小球に一端が当接され小球を押圧する周知のコイルバネと、小球及びコイルバネを収容する支持筒とから構成される押圧機構を、凹部2の間隔に合わせて少なくとも1以上設けることによって、小球9と球体1の外周面とが当接する点を中心とする回転を防止できることはいうまでもない。なお、押圧機構としては、押圧センサ部5を用いてもよいことはいうまでもない。
【0027】
小球9と球体1の外周面とが当接する点を中心とする回転を防止する押圧機構を設けることによって、例えば図5に示すように、押圧センサ部5を前述する範囲以外に設けた場合であっても、X軸方向及びY軸方向の移動量を検出することが可能となる。特に、球体1を介して突出される部分に対向しない位置である球体1の側方に押圧センサ部5を配置することが可能となるので、回転型入力装置を薄型化することができる。なお、この場合、X軸とY軸とによって形成される平面と、押圧センサ部5の押圧方向とが一致しない範囲に押圧センサ部5を配置する必要があることはいうまでもない。
【0028】
また、図2の(b)に示すように、本実施の形態の回転型入力装置では、圧電コイルバネ8に押圧された小球9が凹部2に入り込んだ状態による保持力で、球体1の回転が拘束される。このとき、本実施の形態では、4個のセンサ素子の先端部分に配置される全ての小球9が凹部2に入り込んだ状態で生じる保持力が最も大きくなる。しかしながら、4個の小球9の内の少なくとも1個の小球9が凹部2に入り込むことによって、保持力が生じることはいうまでもない。小球9が凹部2に入り込んだ状態では、圧電コイルバネ8は比較的伸びた状態となる。
【0029】
この保持力が生じている状態で矢印方向に球体1が回転されると、図2の(c)に示すように、まず回転方向と逆の側に配置されたセンサ素子の小球9が凹部2の曲面形状に沿って抜け出した後に、回転方向側に配置されたセンサ素子の小球9が抜け出すこととなる。このとき、本実施の形態の回転型入力装置では、凹部2の曲面形状に沿った小球9の移動に伴い、圧電コイルバネ8が縮むこととなるので、微小電力が発生することとなる。ここで、この微小電力の信号(以下、微小電力信号と記す)は圧電コイルバネ8に接続される図示しない信号線を介して、図示しないトリガー検出部に入力されることとなる。
【0030】
全てのセンサ素子が凹部2から抜け出した状態で、矢印方向へのさらなる回転が継続されると、センサ素子は図示しない隣接する凹部2に到達することとなり、各小球9が隣接した凹部2に入り込んだ状態となり弾性的に保持されることとなる。このとき、凹部2の曲面形状に沿った小球9の移動に伴い、圧電コイルバネ8が伸びることとなるので、再度微小電力が発生することとなる。この微小電力信号は圧電コイルバネ8が縮んだ時と同様にして信号線を介してトリガー検出部に入力されることとなる。なお、全てのセンサ素子が凹部2から抜け出した状態の球体1の回転では、全ての小球9が溝3に入り込んだ状態で回転が継続されることとなる。その結果、さらなる球体1の回転で、各センサ素子は隣接する凹部2に容易に到達できることとなる。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態の回転型入力装置では、圧電コイルバネ8の押圧により球体1に当接される小球9が凹部2から抜け出る時、及び小球9が凹部2に入り込む時に生じる球体1の回転抵抗の変化により、クリック感が得られることとなる。
【0032】
図3は本実施の形態の回転型入力装置における球体の回転量の検出動作を説明するための図である。特に、図3の(a)は各センサ素子から出力される微小電力信号の処理回路の概略構成を説明するための図であり、図3の(b)は球体回転時の凹部とセンサ素子との相対的位置関係を説明するための図であり、図3の(c)はセンサ素子で発生した微小電力信号の発生順番を説明するための図である。ただし、以下の説明では、センサ素子を4個用いた場合について説明するが、センサ素子を3個以上用いることによって、2次元平面の直交するX軸方向及びY軸方向への移動量を検出可能なことはいうまでもない。また、図中に示すa〜dは4個のセンサ素子に対応するものである。
【0033】
図3の(a)に示すように、本実施の形態の回転型入力装置では、4個のセンサ素子から出力される信号から小球9が凹部2に入り込むあるいは小球9が凹部2から抜け出すことに伴う微小電力信号のみを検出するトリガー検出部11と、トリガー検出部11で検出された微小電力信号から球体1の回転方向を検出する回転方向特定部(動作方向特定部,検出手段)12とから構成される。
【0034】
特に、トリガー検出部11は、圧電コイルバネ8から出力される信号から小球9が凹部2に入り込むあるいは小球9が凹部2から抜け出すことに伴う微小電力信号のみを通過させるフィルタ回路と、このフィルタ回路を通過した微小電力信号を増幅するための周知の増幅器とから構成される。
【0035】
また、回転方向特定部12は、例えば周知の論理回路の組み合わせで実現される。回転方向特定部12は、4つの入力をパラレルに受け入れ、最初に1つまたは2つの圧電コイルバネ8からの信号を受けた段階で初期動作方向を検出する。その後、操作者がそのまま動作を続ければ、他の3つまたは2つの圧電コイルバネ8からの信号が入力される。この信号の入力をトリガーとして、論理回路をリセットし、次の入力を待つ。ここで、操作者が動作を継続させていれば、初期動作時に最初に入力信号を受けた順番で再び入力が行われ、一つの動作が完了したと見なすことができる。一方、逆の順番で入力が行われた場合、操作者は動作を途中で止めて元の状態に戻したと見なすことができる。
【0036】
その何れでもない場合は、動作途中であるか動作が中断されたままの状態が保持されていると見なすことができる。このような動作は、周知のカウンタやスイッチなどの論理回路のみで簡易に構成できる。
このとき、回転方向特定部12は、各センサ素子からの微小電力信号の発生タイミング(発生順番)に基づいて検出された球体1の回転方向に従って、微小電力信号が発生される毎に、X軸方向及び/又はY軸方向への移動量として出力される。
【0037】
次に、図3の(b),(c)に基づいて、回転方向特定部12による球体1の回転方向の検出動作について説明する。ただし、図3の(b)に示す回転動作は、4個のセンサ素子の先端部分に配置される全ての小球9が凹部2に入り込んだ状態からX軸及びY軸に対して斜め45゜に球体を回転させた場合の検出動作である。
【0038】
矢印13で示す方向に球体1が回転され凹部2が矢印13の方向に移動すると、まず、回転方向と逆の側に配置された5aで示すセンサ素子の小球9が凹部2の曲面形状に沿って抜け出すことによって、圧電コイルバネ8が変形されてaで示す信号線に図3の(c)にaで示す微小電力信号が発生される。さらに矢印13で示す方向に球体1が回転されると、次に、5b,5cで示すセンサ素子の小球9が凹部2の曲面形状に沿って抜け出すこととなり、b,cで示す信号線に図3の(c)にb,cで示す微小電力信号が発生される。最後に、回転方向の側に配置された5dで示すセンサ素子の小球9が凹部2の曲面形状に沿って抜け出し、dで示す信号線に図3の(c)にdで示す微小電力信号が発生される。
【0039】
このとき、回転方向特定部12では、順番に微小電力信号が発生したセンサ素子の並び方向と逆の方向に凹部2が移動すると判定する。すなわち、微小電力信号が発生したセンサ素子の並び方向と同じ方向に、筐体4から突出される球体1が回転操作されたと判定し、この方向を球体1の回転方向とする。このとき、本実施の形態の回転型入力装置では、4個のセンサ素子からの微小電力信号を1組として移動量に相当する1パルスを、球体1の回転方向であるX軸方向及びY軸方向の移動として出力する。
【0040】
このように、センサ素子を正方状に配列し、それぞれのセンサ素子から出力される微小電力信号の発生タイミングを回転方向特定部12で監視することによって、球体1の回転方向を特定することが可能となる。
【0041】
ただし、前述するように、微小電力信号の発生タイミングと球体1との回転方向が一致するのは、筐体4の開口中心(筐体4から突出される球体1の頭頂部)から球体1の中心を通る直線状に押圧センサ部5を配置した場合のみである。従って、他の位置に押圧センサ部5を配置した場合には、各センサ素子で発生する微小電力信号の発生タイミングが異なることとなるので、押圧センサ部5の配置位置に応じた信号処理(球体1の回転方向の検出処理)が必要となることはいうまでもない。ただし、この場合であっても、球体1の中心よりも下側(突出される側と反対の側)に押圧センサ部5を配置している場合には、各センサ素子による微小電力信号の発生順番は同じである。
【0042】
図4は本実施の形態の回転型入力装置によるメニュー選択動作を説明するための図である。特に、図4の(a)は球体1の回転動作を説明するための上面図であり、図4の(b)は球体1の回転動作を説明するための側面図であり、図4の(c)はカーソルの移動前の画面表示の一例を示す図であり、図4の(d)はカーソルの移動後の画面表示の一例を示す図である。
【0043】
図4の(c)、(d)に示すメニュー選択画面では、周知の表示装置の表示画面6には、縦方向に6個のメニューが2列分表示される構成となっており、本実施の形態の回転型入力装置から入力されるX軸方向及びY軸方向の移動量に応じて、メニュー画面上に表示されるカーソル7が順次移動される構成となっている。
【0044】
図4の(a)、(b)に示すように、球体1を下方方向(Y軸方向と反対の方向)に回転させた場合、本実施の形態の回転型入力装置では、まず、凹部2に入り込んでいた小球9の内、例えば図3の(b)に5c,5dで示すセンサ素子の小球9が同時あるいはほぼ同時に凹部2から抜け出すこととなり、微小電力信号が発生する。次に、5a,5bで示すセンサ素子の小球9が同時あるいはほぼ同時に凹部2から抜け出すこととなり、微小電力信号が発生する。
【0045】
各センサ素子で発生した微小電力信号は、トリガー検出部11から回転方向特定部12に入力されて、下方方向への球体1の回転が検出されると共に、センサ素子で発生された一連の微小電力信号が1個の凹部2からセンサ素子が抜け出した場合には、1パルス分の移動量が出力される。すなわち、Y軸方向と反対の方向である下方方向に対する1メニュー分の移動量が、回転型入力装置から出力され、この移動量に応じて、図4の(c)に示す第3番目のメニューにあるカーソル7が下方方向に移動され、図4の(d)に示すように、第4番目のメニューにカーソル7が移動することとなる。
【0046】
なお、以上の説明では、1個の凹部2からセンサ素子が抜け出す時に生じる1連の微小電力信号数と、表示画面6に表示されるカーソル7の移動量とを1対1に対応させた場合について説明したが、2個以上の凹部2からセンサ素子が抜け出す時に生じる1連の微小電力信号数で、カーソル7を1つ移動させる構成としてもよいことはいうまでもない。さらには、センサ素子が凹部2に入り込む際に生じる微小電力信号を用いて、カーソル7を移動させる構成としてもよいことはいうまでもない。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態の回転型入力装置では、回転体である球体1の表面に変曲面として凹部2を形成し、圧電弾性体からなる圧電コイルバネ8を用いた押圧センサ部5により、凹部2の形状に沿って球体1を押圧すると共に、凹部2から押圧センサ部5の一端が抜け出す際に生じた電力(微小電力信号)から回転方向特定部12が球体1の回転方向及び回転量を検出する構成となっているので、簡易な構成で球体1の回転方向及び回転量を検出することができる。このとき、押圧センサ部5は球体1の表面を押圧し続けることとなるので、球体1を回転させる際に、凹部2への押圧センサ部5の一端が入り込むあるいは抜け出すことによるクリック感を球体1に発生させることができる。
【0048】
また、本実施の形態の回転型入力装置では、押圧センサ部5のみで球体1の回転を検出できると共に、球体1を離散的に回転させてクリック感を与えることができるので、回転型入力装置本体を小型化することができる。
さらには、球体1の表面に形成された凹部2を押圧センサ部5の一端が入り込むことによって生じる微小電力信号に基づいて、球体1の回転を検出する構成となるので、球体1の汚れに伴う性能低下を大幅に低減させることができる。
【0049】
一方、本実施の形態の回転型入力装置では、直交するX軸方向及びY軸方向への移動を指示する構成となっていたので、球体1の回転を検出する構成としたが、例えばX軸方向もしくはY軸方向への何れかの1軸方向への移動を指示する場合には、円柱や角柱等の柱状体の回転を検出する構成でもよい。この場合には、柱状体の少なくとも一部外周面に凹部2を形成すると共に、本願発明の押圧センサ部5として柱状体の回転方向に2個のセンサ素子を配列することによって、前述する検出動作と同様にして、柱状体の中心軸を中心とした回転を検出可能なことはいうまでもない。
【0050】
なお、本実施の形態の回転型入力装置では、球体1の凹部2から小球9が抜け出る際に生じる微小電力信号のみを用いて球体1の回転方向を検出し、X軸方向及びY軸方向の移動量を変換する構成としたが、例えば小球9が抜け出る時に生じる微小電力信号と入り込むときに生じる微小電力信号との組み合わせで球体1の回転方向を検出しX軸方向及びY軸方向の移動量に変換する構成としてもよいことはいうまでもない。
【0051】
また、本実施の形態の回転型入力装置では、X軸方向及びY軸方向と平行な方向の球体1の回転の検出と共に、斜め方向への回転も検出可能な構成としたが、4個のセンサ素子から出力される微小電力信号の出力時間差に応じて、X軸方向あるいはY軸方向への2軸方向への移動量のみを出力させる構成としてもよいことはいうまでもない。このような構成とすることによって、データ放送等の選択メニューに対する操作性を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態の回転型入力装置では、圧電素子をコイル状に形成した圧電コイルバネ8を用いる構成としたが、コイル形状に限定されることはなく、例えば板バネ状に形成した圧電素子を用いてもよいことはいうまでもない。
【0052】
さらには、本実施の形態の回転型入力装置では、球体1の回転方向や回転量の検出に4個のセンサ素子を用いる構成としたが、これに限定されることはなく、球体1の回転方向や回転量の検出に必要となる軸方向数に1を加算した数である3個のセンサ素子を用いることによって検出可能なことはいうまでもない。さらには、5個以上のセンサ素子を用いて、X軸方向及びY軸方向との2軸方向への回転方向や回転量を検出する構成としてもよいことはいうまでもない。
【0053】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0054】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)圧電弾性体からなる押圧手段により変曲面に沿って回転体を押圧し、変曲面形状に応じた押圧手段に生じた電力から検出手段が回転体の回転方向及び回転量を検出する構成となっているので、簡易な構成で回転体の回転方向及び回転量を検出することができる。
(2)回転体の表面に形成された変曲面を押圧手段が押圧し続けることとなるので、回転体を回転させる際に、変曲面形状に応じたクリック感を回転体に発生させることができる。
(3)押圧手段のみで回転体の回転を検出できると共に、回転体にクリック感を与えることができるので、回転型入力装置を小型化することができる。
(4)球体の表面に形成された凹部を押圧手段の一端が入り込むことによって生じる起電力に基づいて、球体の回転を検出する構成となるので、球体の汚れに伴う性能低下を低減させることができる。
(5)球体の表面に凹部よりも浅い溝で隣接する凹部を繋ぐ構成とすることにより、球体を回転させた時に、押圧手段の一端が凹部に入り込まないで球体が回転してしまうことを防止できるので、さらに正確な回転方向と回転量の検出とを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である回転型入力装置の概略構成を説明するための図である。
【図2】本実施の形態の押圧センサ部の概略構成を説明するための図である。
【図3】本実施の形態の回転型入力装置における球体の回転量の検出動作を説明するための図である。
【図4】本実施の形態の回転型入力装置によるメニュー選択動作を説明するための図である。
【図5】本発明の押圧センサ部を他の位置へ配置した回転型入力装置の概略構成を説明するための図である。
【符号の説明】
1…球体 2…凹部
3…溝 4…筐体
5…押圧センサ部 6…表示画面
7…カーソル 8…圧電コイルバネ
9…小球 10…支持筒
11…トリガー検出部 12…回転方向特定部

Claims (5)

  1. 所定方向に回転の自由度を持つ回転体と、前記回転体の回転方向及び回転量を直交するX軸方向及び/又はY軸方向への移動量に変換する変換手段とを有する回転型入力装置において、変換手段は、前記回転体に形成された変曲面と、前記変曲面に当接し前記回転体を押圧すると共に前記変曲面形状に応じた電力を生ずる圧電弾性体からなる押圧手段と、前記押圧手段に生じた電力から前記回転体の回転方向及び回転量を検出する検出手段とからなることを特徴とする回転型入力装置。
  2. 請求項1に記載の回転型入力装置において、前記押圧手段は少なくとも前記回転体の回転方向に分割された2以上の圧電弾性体からなることを特徴とする回転型入力装置。
  3. 請求項1もしくは2に記載の回転型入力装置において、前記回転体は全方向に回転の自由度を持つ球体からなり、前記変曲面は前記回転体の表面に形成された複数個の凹部からなることを特徴とする回転型入力装置。
  4. 請求項3に記載の回転型入力装置において、前記回転体の表面には前記凹部よりも浅い溝が形成されており、隣接する前記凹部は前記溝で繋がっていることを特徴とする回転型入力装置。
  5. 請求項2乃至4の内の何れかに記載の回転型入力装置において、前記検出手段は2以上に分割された前記圧電弾性体にそれぞれ生じた電力の発生順番に基づいて、前記回転体の回転方向を決定する手段を備えたことを特徴とする回転型入力装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009119063A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Olympus Medical Systems Corp 牽引装置
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