JP2004184507A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像表示装置1は、光束生成部10が第1の光束を強度変調または出射するタイミングを、光束生成部10が出射する第1の光束とは別の光束であって、信号出力部100の発光素子104が出射する第2の光束(を受光素子102が受光するタイミング)に基づいて決定することができる。そのため、光束を強度変調(生成)または出射するタイミングを決めるための構成(信号出力部100)は、第1の光束とは無関係な制約のない特性のものを採用、または、制約のない使用条件で使用することができる。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用者の瞳孔へ入射した光束により網膜上に画像を投影することによって、瞳孔前方に虚像が表示された状況を視認させることができる画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、光源ユニットから強度変調された光束を出射し、この光束を走査系の反射面で反射させることにより画像として投影可能な状態に走査した後、利用者の瞳孔へ入射させ、こうして瞳孔へ入射された光束が網膜上に画像を投影することによって、利用者の瞳孔前方に虚像が表示された状況を視認させることができる画像表示装置、いわゆる網膜走査ディスプレイが知られている。
【0003】
この種の画像表示装置においては、通常、画像の表示端、つまり、光源ユニットにより光束を強度変調(または出射)するタイミングを決めるために、走査系(水平走査系)の反射面を反射した光束により走査される経路中に光束を受光する受光部(光センサ)を配設しておき、この受光部が光束を受光して検出信号(BD信号)を出力(供給)してきたタイミングに基づいて(例えば、光束を受光してから所定時間が経過した後に)、光源ユニットが光束を強度変調(または出射)するように構成されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−296529号公報(段落[0084]、図15、図16)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の構成においては、光源ユニットから出射される光束が、画像として走査するためだけでなく、光束を強度変調するタイミングを決めるためにも利用されることから、光束を強度変調(または出射)するタイミングを決めるための構成(受光部および光源)の特性や使用条件に制約が多かった。
【0006】
例えば、利用者に虚像が表示された状況を視認させるためには、光源ユニットから出力レベルが数μW程度の光束を出射できればよいが、この出力レベルの光束を受光部が確実に受光(検出)できるようにするには、受光部として感度の高いデバイスを採用しなければならず、このようなデバイスは非常に高価であり画像表示装置自体の製造コストが増加してしまうため好ましくない。さらに、このような感度の高いデバイスを受光部として採用した場合であっても、光源ユニットから出射された光束以外の低い出力レベル(暗い)の光束を間違って受光(検出)し、これにより、光束を強度変調(または出射)するタイミングがズレてしまう恐れがある。このようなことから、受光部としては、虚像を視認できる出力レベルの光束を受光(検出)できる程度で、かつ、光源ユニットから出射された光束以外の低い出力レベルの光束を間違って受光(検出)しない程度の感度を有するデバイスを採用しなければならない。
【0007】
また、受光部として安価な感度の低いデバイスを採用するためには、光源ユニットを高い出力レベルの光束を出射する条件で使用すればよいが、この場合、利用者に視認させるべき虚像の輝度が不必要に高くなってしまい、正確な虚像を利用者に視認させることができなくなったり、利用者に眩しさなどの不快感を与えてしまう恐れがある。そのため、光源ユニットから出射される光束の出力レベルは、受光部の感度に合わせて充分に高くできない場合があり、このような場合には、受光部が光源ユニットから出射された光束を受光できなくなる恐れがある。このようなことから、光源ユニットは、受光部が受光(検出)できる程度で、かつ、虚像の輝度が不必要に高くならない程度の出力レベルで光束を出射する条件で使用しなければならない。
【0008】
本発明は、利用者の瞳孔前方に虚像が表示された状況を視認させることができる画像表示装置において、光束を強度変調(または出射)するタイミングを決める構成の使用条件および特性に対する制約を従来よりも少なくするための技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するため請求項1に記載の画像表示装置は、光束走査部、第1光源部および強度変調部を備えており、第1光源部が、光束走査部を経て利用者の瞳孔まで至る経路を通るように第1の光束を出射して、この第1の光束により網膜上を走査することによって、利用者に虚像を表示することができる画像表示装置である。このとき、第1光源部から出射される第1の光束は強度変調部により強度が変調された光束である。また、光束走査部は、光束を反射可能な反射面を有し、光束に対する該反射面の角度を所定の角度範囲内で変化させる動作を繰り返し行うことによって、反射面により反射される光束を第1の方向および第1の方向と交差する第2の方向に沿って走査可能である。さらに、この画像表示装置は、光束走査部の反射面を反射した光束を受光可能な受光部と、受光部により受光させるための光束である第2の光束を、光束走査部を経て受光部まで至る経路を通るように出射する第2光源部と、受光部により第2の光束が受光されたタイミングに応答して、強度変調部が第1の光束の強度を変調するタイミングを制御するタイミング制御手段と、を備えている。
【0010】
このように構成された画像表示装置においては、第1光源部から出射された光束であって、強度変調部により強度変調された第1の光束が、光束走査部により画像として投影可能な状態に走査された後、利用者の瞳孔へ入射される。こうして、瞳孔へ入射された第1の光束が網膜上に画像を投影することによって、利用者の瞳孔前方に虚像が表示された状況を視認させることができる。このとき、強度変調部が第1の光束を強度変調するタイミングは、タイミング制御手段により制御されており、このタイミング制御手段は、受光部が第2の光束を受光したタイミングに応答して強度変調部による強度変調のタイミングを制御する。
【0011】
このように構成された画像表示装置によれば、強度変調部が第1の光束を強度変調するタイミングを、第1光源部が出射する第1の光束とは別の光束であって、第2光源部が出射する第2の光束(を受光部が受光するタイミング)に基づいて制御(または決定)することができる。そのため、光束を強度変調(または出射)するタイミングを決めるための構成は、第1の光束に関連した制約がない特性のものを採用、または、制約のない使用条件で使用することができる。
【0012】
例えば、第1光源部を数μW程度の低い出力レベルの光束を出射する条件で使用する場合であっても、第2光源部を数μWよりも高い出力レベルの光束を出射する条件で使用(または、第2光源部として充分に高い出力レベルの光束を出射可能なデバイスを採用)することができ、このような場合には、受光部として感度の低い安価なデバイスを採用することができる。こうして、受光部として感度の低い安価なデバイスを採用することによって、画像表示装置自体の製造コストを抑えることができる。
【0013】
さらに、受光部として感度の低いデバイスを採用した場合でも、第2光源部を充分に高い出力レベルの光束を出射する条件で使用(または、第2光源部として充分に高い出力レベルの光束を出射可能なデバイスを採用)することができるため、第2光源部から出射された光束以外の低い出力レベルの光束を受光部が間違って受光しないようにすることができる。これによって、タイミング制御手段が高い精度で強度変調手段を制御できるようになり、従来よりも光束を強度変調(または出射)するタイミングがズレてしまうといったことが起こりにくくなる。
【0014】
また、第1光源部は、第2の光束とは無関係な出力レベルで第1の光束を出射する条件で使用できるため、第2の光束の出力レベルを高くすることに伴って表示すべき(視認させるべき)虚像の輝度が不必要に高くなるといったことがない。よって、第2の光束の出力レベルを高くすることに伴って虚像を正確に表示する(視認させる)ことができなくなったり、利用者に眩しさやチラツキなどの不快感を与えてしまうことがない。
【0015】
なお、上述のタイミング制御手段は、受光部により第2の光束が受光されたタイミングに応答して、強度変調部が第1の光束の強度を変調するタイミングを制御するものである。具体的な構成としては、強度変調部による第1の光束の強度変調を、例えば、受光部により第2の光束が受光された直後、または、一定時間経過後に行わせるように構成すればよい。
【0016】
また、本画像表示装置における各構成は、請求項2に記載のように、第1光源部により出射されて光束走査部の反射面を反射した第1の光束により走査される領域である第1領域、および、第2光源部により出射されて光束走査部の反射面を反射した第2の光束により走査される領域である第2領域が重ならないような位置関係で配設するとよい。
【0017】
このように構成された画像表示装置によれば、第2の光束により走査される領域である第2領域は、第1の光束により走査される領域である第1領域に重なることがないため、第2光源部から出射される光束が、光束走査部を経て利用者の瞳孔へ入射されることはない。このように、第2の光束が瞳孔へ入射されることがないため、第2の光束が第1の光束に基づく虚像の表示を妨害したり、第2の光束が利用者に眩しさやチラツキなどの違和感を与えることがない。
【0018】
また、本画像表示装置における各構成のうち、第2光源部は、請求項3に記載のように、少なくとも利用者の網膜に到達するまでの経路における吸収率が、第1光源部により出射される第1の光束よりも高い光束を、第2の光束として出射するように構成するとよい。
【0019】
このように構成された画像表示装置によれば、第2光源部から出射される第2の光束は、第1の光束よりも瞳孔から網膜に至る経路(角膜や水晶体)で吸収されやすいため、本画像表示装置における各構成を、上述の第1領域と第2領域とが重なるような位置関係で配設したとしても、第2の光束は第1の光束より網膜まで到達しにくくなる。よって、第2の光束が第1の光束に基づく虚像の表示を妨害したり、第2の光束が利用者に眩しさやチラツキなどの違和感を与えてしまうといったことが起こりにくい。
【0020】
なお、この構成における第2光源部は、「吸収率が第1の光束よりも高い光束」として、例えば、JIS規格(JIS C 6802)において利用者の目に10mW以下の出力を長時間入射し続けたとしても安全な光束(アイセーフレーザ)として定められている波長1.4μm以上の光束を第2の光束として出射するように構成するとよい。特に、1.5μm付近の波長領域は、一般に広く普及しているデバイス(例えば、発光素子や受光素子)で利用されている波長領域であるため、第2光源部および受光部として、この1.5μm領域のデバイスを採用することにより、第2光源部および受光部に拘わるコストを抑えることができる。
【0021】
また、上述の光束走査部は、光束を反射可能な反射面の角度を所定の角度範囲内で変化させる動作を繰り返し行うことによって、反射面により反射される光束を、第1の方向および該第1の方向と交差する第2の方向に沿って走査するものである。具体的な構成としては、例えば、請求項4に記載のような構成を採用することができる。
【0022】
請求項4に記載の画像表示装置は、光束走査部が、光束を反射可能な第1反射面を有し、光束に対する第1反射面の角度を所定の角度範囲内で変化させる動作を繰り返し行うことによって、第1反射面を反射する光束を第1の方向に沿って走査可能な第1走査部と、光束を反射可能な第2反射面を有し、光束に対する第2反射面の角度を所定の角度範囲内で変化させる動作を繰り返し行うことによって、第2反射面を反射する光束を第2の方向に沿って走査可能な第2走査部と、で構成されている。
【0023】
このように構成された画像表示装置によれば、第1の光束を、第1走査部により第1の方向へ走査した後、第2走査部により第2の方向へ走査することによって、画像として投影可能な状態にすることができる。
また、上述の光束走査部は、上述した第1,第2走査部を一体に構成したものを採用することもできる。
【0024】
なお、上述の光束走査部により走査された光束は、利用者の瞳孔へ直接入射されるように構成すればよいが、リレー光学系などからなる瞳孔入射部を介して入射されるように構成してもよい。
また、光束走査部が第1走査部と第2走査部とを備えている構成においては、例えば、請求項5に記載の画像表示装置のように、第2光源部を、第1走査部の第1反射面に向けて第2の光束を出射するように構成し、受光部を、第2光源部により出射されて第1走査部の第1反射面を反射した第2の光束により走査される領域に配設する、とよい。
【0025】
このように構成された画像表示装置によれば、受光部は、第2光源部から出射されて第1走査部の第1反射面を反射した第1の光束を受光することができる。ここで、第1走査部は第1の光束を第1の方向に走査するものであるため、タイミング制御部により制御される強度変調部によって、第1の光束を第1の方向に走査されるタイミングに基づいて強度変調させることができる。
【0026】
また、この構成の画像表示装置において、第1走査部が、外周面に沿って配設された複数の第1反射面を有する回転多面鏡である場合には、請求項6に記載のように、受光部が、第2光源部により出射された第2の光束を、第1反射面同士の境界から外れた第1反射面上の位置に入射したときに反射した第1の光束を受光する位置に配設されているとよい。
【0027】
このように構成された画像表示装置によれば、第2光源部から出射されて第1反射面で反射する第2の光束は、第1反射面において隣接する第1反射面との境界から外れた位置で反射したときに受光部により受光される。回転多面鏡における第1反射面は、隣接する第1反射面との境界付近についても完全な平面となっていることが望ましいが、加工精度の問題から境界付近においては平面が維持できていない、いわゆる面ダレが生じていることが多い。このような面ダレが生じている位置で第2の光束が反射した場合、第2の光束は散乱してしまい、受光部へ向かう光束の信号レベルが低くなってしまう恐れがある。このような場合、受光部へ向かう光束の出力レベルによっては、受光部が第2の光束を受光(検出)できなくなる恐れがある。このようなことから、受光部が第1反射面との境界から外れた位置で反射した第2の光束を受光できるように配設されていることは、受光部が第2の光束を受光(検出)できなくなることを防止して、光束を強度変調(または出射)するタイミングがズレることを防止するためには好適である。
【0028】
また、光束走査部が第1走査部と第2走査部とを備えている構成においては、請求項7に記載のように、第2光源部を、第2走査部の第2反射面に向けて第2の光束を出射するように構成し、受光部を、第2光源部により出射されて第2走査部の第2反射面を反射した第2の光束により走査される領域に配設してもよい。
【0029】
このように構成された画像表示装置によれば、受光部は、第2光源部から出射されて第2走査部の第2反射面を反射した第2の光束を受光することができる。ここで、第2走査部は第1の光束を第2の方向に走査するものであるため、タイミング制御部により制御される強度変調部によって、第1の光束を第2の方向に走査されるタイミングに基づいて強度変調させることができる。
【0030】
また、光束走査部が第1走査部と第2走査部とを備えている構成においては、第2光源部を、第1走査部の第1反射面および第2走査部の第2反射面に向けて第2の光束を出射するように構成し、受光部を、第2光源部により出射されて第1走査部の第1反射面を反射した第2の光束により走査される領域に配設した第1受光部と、第2光源部により出射されて第2走査部の第2反射面を反射した第2の光束により走査される領域に配設した第2受光部とで構成して、タイミング制御部が、第1,第2受光部により第2の光束が受光されたタイミングに応答して、強度変調部が第1の光束の強度を変調するタイミングを制御するように構成してもよい。このように構成すれば、タイミング制御部により制御される強度変調部によって、第1の光束を、第1,第2の方向に走査されるタイミングに基づいて強度変調することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について例を挙げて説明する。
[第1実施形態]
画像表示装置1は、図1に示すように、利用者の瞳孔Eへ入射した光束が網膜上に画像を投影することによって、利用者の瞳孔E前方に虚像が表示された状況を視認させることができる装置であって、いわゆる網膜走査ディスプレイと呼ばれるものである。
【0032】
この画像表示装置1は、画像に対応した光束である第1の光束を強度変調(生成)して出射する(第1の光束を発生させる)光束生成部10、光束生成部10から光ファイバー20を介して出射される第1の光束を平行な光束(平行光)とするコリメート光学部30、コリメート光学部30により平行光とされた第1の光束を画像として投影可能な状態に走査する走査部50、走査部50により走査された第1の光束を利用者の瞳孔Eに向けて入射させる瞳孔入射部70、光束生成部10が第1の光束を生成(または出射)するタイミングを決めるために利用されるBD(Beam Detector )信号を制御部110へ出力する信号出力部100、画像表示装置1全体の動作を制御する制御部110などを備えている。
【0033】
光束生成部10は、青色の光束を発生させるBレーザ11、Bレーザ11を駆動するBレーザドライバ12、緑色の光束を発生させるGレーザ13、Gレーザ13を駆動するGレーザドライバ14、赤色の光束を発生させるRレーザ15、Rレーザ15を駆動するRレーザドライバ16、各レーザから発生された光束を合成するダイクロックミラー17、ダイクロックミラー17により合成された光束を光ファイバー20へ導く結合光学系18などからなる。この光束生成部10は、制御部110から出力される色信号に基づいて、各レーザドライバにより各レーザを駆動することによって、画像に対応する第1の光束を強度変調(生成)して光ファイバー20へ出射する。
【0034】
走査部50は、コリメート光学部30から入射された第1の光束を画像として投影可能な状態に走査するものであって、コリメート光学部30から入射された第1の光束を水平方向に走査するポリゴンミラー51、ポリゴンミラー51を回転駆動する水平走査用モータ52、制御部110からの指令(水平同期信号)を受けて水平走査用モータ52を駆動する水平駆動回路53、ポリゴンミラー51により走査された光束を垂直方向に走査して出力するガルバノミラー54、ガルバノミラー54を駆動する垂直走査用アクチュエータ(以降、垂直走査用ACTとする)55、制御部110からの指令(垂直同期信号)を受けて垂直走査用ACT55を駆動する垂直駆動回路56、ポリゴンミラー51とガルバノミラー54との間で光束を中継する第1リレー光学系57などからなる。これらのうち、第1リレー光学系57は、ポリゴンミラー51においてコリメート光学部30から入射された光束が入射する位置とガルバノミラー54の反射面における中心位置とが光学的に共役な位置関係となるように配設された光学系である。また、ポリゴンミラー51は、外周面に沿って配設された複数の反射面を有する回転多面鏡である。この走査部50では、コリメート光学部30から入射された光束が、ポリゴンミラー51で水平方向に走査され、ガルバノミラー54で垂直方向に走査された後、瞳孔入射部70へ向かう。
【0035】
瞳孔入射部70は、走査部50から入射された光束を利用者の瞳孔Eへ導くリレー光学系であって、走査部50のガルバノミラー54における中心位置と、利用者における瞳孔Eの位置(瞳孔Eに対応する位置)とが光学的に共役な位置関係となるように配設されている。
【0036】
信号出力部100は、光束を受光した際に制御部110へBD信号を出力する受光素子102、受光素子102により受光させるための光束である第2の光束を走査部50のポリゴンミラー51を経て(反射して)受光素子102まで至る経路を通るように出射する発光素子104などからなる。
【0037】
これらのうち、受光素子102は、図2に示すように、発光素子104により出射されて走査部50のポリゴンミラー51を反射した第2の光束L2により走査される領域a内に配設されており、第2の光束がポリゴンミラー51により水平方向に走査される過程において第2の光束を受光することになる。特に、この受光素子102は、第2の光束により走査される領域aにおいて、ポリゴンミラー51の反射面を反射した第2の光束L2が、反射面の中央部分で反射したときに受光できるような位置に配設されている。ここで、本実施形態における「第2の光束により走査される領域a」とは、ポリゴンミラー51の反射面で反射した第2の光束L2が通過する領域の一部であって、受光素子102における受光面と平行な平面pを想定した場合に、この平面pを通過した以降に第2の光束が通過する軌跡を示す領域のことである(図2における網掛け部参照)。
【0038】
また、この信号出力部100における受光素子102および発光素子104は、光束生成部10により出射されてポリゴンミラー51の反射面を反射した第1の光束により走査される領域に、第2の光束により走査される領域aが重ならないような位置関係で配設されている。ここで、本実施形態における「第1の光束により走査される領域」とは、ポリゴンミラー51の反射面で反射した第1の光束L1が通過する領域の一部であって、第1リレー光学系57に入射した以降に第1の光束が通過する軌跡を示す領域のことであって(図2参照)、第1の光束L1が通過する領域の一部は、第2の光束L2が通過する領域と重なっている。○制御部110による画像表示処理
以下に、制御部110が実行する画像表示処理の処理手順を図3に基づいて説明する。この画像表示処理は、画像表示装置1が起動(電源ON)された以降、停止(電源OFF)されるまで繰り返し実行される。
【0039】
まず、外部から映像信号の入力が開始されるまで待機する(s110:NO)。
このs110の処理で映像信号の入力が開始されたら(s110:YES)、ポリゴンミラー51およびガルバノミラー54の動作を開始させる(s120)。この処理では、水平駆動回路53に水平同期信号の供給を開始(水平同期信号を繰り返し出力)することにより、水平走査用モータ52でポリゴンミラー51の動作を開始させると共に、垂直駆動回路56に垂直同期信号の供給を開始(垂直同期信号を繰り返し出力)することにより、垂直走査用ACT55でガルバノミラー54の動作を開始させる。こうして、ポリゴンミラー51は、第1,第2の光束に対する反射面の角度を所定の角度範囲内で変化させる動作を繰り返し行うことによって、反射面により反射される第1,第2の光束を水平方向に沿って走査し、ガルバノミラー54は、第1の光束に対する反射面の角度を所定の角度範囲内で変化させる動作を繰り返し行うことによって、反射面により反射される第1の光束を垂直方向に走査する。
【0040】
次に、信号出力部100の発光素子104による第2の光束の出射(発光)を開始させる(s130)。この処理では、発光素子104に駆動電圧の供給を開始することにより、発光素子104による第2の光束の出射を開始させる。こうして、発光素子104から出射された第2の光束が、s130の処理で動作を開始したポリゴンミラー51の反射面で反射し始めることによって、第2の光束による領域aの走査が開始される(図2参照)。
【0041】
次に、カウンタを初期化する(s140)。この処理では、カウンタのカウント値をセットするための変数Nに「0」をセット(0→N)する。なお、以降に記載の「n」は変数Nにセットされた値を示すものとする。
次に、信号出力部100の受光素子102からBD信号を入力するまで待機する(s150:NO)。この処理では、s130の処理で領域aの走査を開始した第2の光束が受光素子102により受光されるまで待機することになる。
【0042】
このs150の処理で、受光素子102からBD信号を入力したら(s150:YES)、BD信号の入力回数をカウントする(s160)。この処理では、変数Nの値に「1」を加算(n+1→N)することによって、BD信号の入力回数をカウントする。
【0043】
次に、BD信号の入力回数が所定回数m(本実施形態においては、5)以上となったかどうかをチェックする(s170)。この処理では、変数Nの値が所定回数m以上(m≦n)であれば、BD信号の入力回数が所定回数m以上となったと判定する。
【0044】
このs170の処理で、BD信号の入力回数が所定回数m以上でなければ(s170:NO)、s150の処理へ戻る。
一方、s170の処理で、BD信号の入力回数が所定回数m以上であれば(s170:YES)、所定時間(本実施形態においては、3μs)経過するまで待機する(s180:NO)。
【0045】
このs180の処理で所定時間経過したら(s180:YES)、s110の処理で入力が開始された映像信号に基づいて、この映像信号で示される画像の一水平走査分(水平走査線一本分)に相当する各種色信号(青色、緑色、赤色)の生成を開始すると共に、この色信号の各光束生成部10への出力を開始する(s190)。この色信号を入力した光束生成部10では、色信号に基づいて各レーザドライバが各レーザを駆動し、これにより各レーザから発生された光束が、ダイクロックミラー17により合成された後、結合光学系18を経て光ファイバー20へ出射される。
【0046】
次に、s110の処理で開始された映像信号の入力が継続しているかどうかをチェックする(s200)。
このs200の処理で、映像信号の入力が継続していれば(s200:YES)、垂直同期信号を供給するタイミングかどうかをチェックする(s210)。この処理では、垂直駆動回路56へ次の垂直同期信号を出力するタイミングになったかどうかをチェックする。
【0047】
このs210の処理で、垂直同期信号を供給するタイミングでなければ(s210:NO)、信号出力部100の受光素子102からBD信号を入力するまで待機する(s220:NO)。この処理では、s150の処理と同様に、第2の光束が受光素子102により受光されるまで待機することになる。
【0048】
このs220の処理で、受光素子102からBD信号を入力したら(s220:YES)、s180の処理へ戻る。
この後、s180からs220の処理を繰り返すことによって、光束生成部10から強度変調されて出射された第1の光束が、画像として投影可能な状態に走査され、瞳孔入射部70を経て利用者の瞳孔Eへ入射される。こうして、瞳孔Eへ入射された第1の光束が網膜上に画像を投影することによって、利用者の瞳孔E前方に虚像が表示された状況を視認させることができる。
【0049】
また、s210の処理で、垂直同期信号を供給するタイミングであれば(s210:YES)、s140の処理へ戻る。
こうして、s140からs220の処理を繰り返し行った後、s200の処理で映像信号の入力が継続しなくなったら(s200:NO)、s130の処理で開始された第2の光束の出射(発光)を停止させる(s230)。この処理では、信号出力部100の発光素子104への駆動電圧の供給を停止することにより、第2の光束の出射を停止させる。
【0050】
そして、s120の処理で開始されたポリゴンミラー51およびガルバノミラー54の動作を停止させた後(s240)、s110の処理へ戻る。このs240処理では、水平駆動回路53への水平同期信号の供給を停止することにより、水平走査用モータ52によるポリゴンミラー51の動作を停止させると共に、垂直駆動回路56への垂直同期信号の供給を停止することにより、垂直走査用ACT55によるガルバノミラー54の動作を停止させる。
【0051】
[第1実施形態の効果]
このように構成された画像表示装置1によれば、光束生成部10が第1の光束を強度変調(生成)または出射するタイミングを、光束生成部10が出射する第1の光束とは別の光束であって、信号出力部100の発光素子104が出射する第2の光束(を受光素子102が受光するタイミング)に基づいて決定することができる。そのため、光束を強度変調(生成)または出射するタイミングを決めるための構成(信号出力部100)は、第1の光束とは無関係な制約のない特性のものを採用、または、制約のない使用条件で使用することができる。
【0052】
例えば、光束生成部10を数μW程度の低い出力レベル(暗い)の光束を出射する条件で使用する場合であっても、発光素子104として数μWよりも充分に高い出力レベルの光束を出射可能なデバイスを採用することができ、このような場合には、受光素子102として感度の低い安価なデバイスを採用することができる。こうして、受光素子102として感度の低い安価なデバイスを採用することによって、画像表示装置1自体の製造コストを抑えることができる。
【0053】
さらに、受光素子102として感度の低いデバイスを採用した場合でも、発光素子104として充分に高い出力レベルの光束を出射可能なデバイスを採用することができるため、発光素子104から出射された第2の光束以外の低い出力レベル(暗い)の光束を受光素子102が間違って受光しないようにすることができる。これによって、従来よりも光束を生成(強度変調)するタイミングがズレてしまうといったことが起こりにくくなる。
【0054】
また、光束生成部10は、第2の光束とは無関係な出力レベルで第1の光束を出射する条件で使用できるため、第2の光束の出力レベルを高くすることに伴って表示すべき(視認させるべき)虚像の輝度が不必要に高くなるといったことがない。よって、第2の光束の出力レベルを高くすることに伴って虚像を正確に表示する(視認させる)ことができなくなったり、利用者に眩しさやチラツキなどの不快感を与えてしまうことがない。
【0055】
また、信号出力部100における受光素子102および発光素子104は、光束生成部10により出射されてポリゴンミラー51の反射面を反射した第1の光束により走査される領域に、第2の光束により走査される領域aが重ならないような位置関係で配設されている。そのため、発光素子104から出射される第2の光束が、走査部50および瞳孔入射部70を経て利用者の瞳孔Eへ入射されることはない。このように、第2の光束が瞳孔Eへ入射されることがないため、第2の光束が第1の光束に基づく虚像の表示を妨害したり、第2の光束が利用者に眩しさやチラツキなどの違和感を与えてしまう恐れがない。
【0056】
また、光束生成部10から出射(発生)された第1の光束を、ポリゴンミラー51により水平方向へ走査した後、ガルバノミラー54により垂直方向へ走査することによって、画像として投影可能な状態にすることができる。
また、信号出力部100の受光素子102は、発光素子104から出射(発生)されてポリゴンミラー51の反射面を反射した第1の光束を受光することができる。ここで、ポリゴンミラー51は第1の光束を水平方向に走査するものであるため、第1の光束が水平方向に走査されるタイミングに基づいて、第1の光束の生成(強度変調)を光束生成部10により行わせることができる(図3におけるs190の処理)。
【0057】
また、信号出力部100の発光素子104から出射(発生)されてポリゴンミラー51の反射面で反射する第2の光束は、この反射面の中央部分で反射したときに受光素子102により受光(検出)される。ポリゴンミラー51における反射面は、隣接する反射面との境界付近についても完全な平面となっていることが望ましいが、加工精度の問題から境界付近においては平面が維持できていない、いわゆる面ダレが生じていることが多い。このような面ダレが生じている位置で第2の光束が反射した場合、第2の光束は散乱してしまい、受光素子102へ向かう光束の信号レベルが低くなってしまう恐れがある。このような場合、受光素子102へ向かう光束の出力レベルによっては、受光素子102が第2の光束を受光(検出)できなくなる恐れがある。このようなことから、受光素子102が反射面の中央部分で反射した第2の光束を受光できるように配設されていることは、受光素子102が第2の光束を受光(検出)できなくなることを防止して、光束を強度変調(生成)または出射するタイミングがズレることを防止するためには好適である。
【0058】
[第2実施形態]
画像表示装置2は、第1実施形態における画像表示装置1と同様の構成であって、一部構成および処理内容が異なっているだけであるため、この相違点のみを詳述する。
【0059】
画像表示装置2は、図4に示すように、光束生成部10、走査部50、瞳孔入射部70、BD信号を制御部110へ出力する第1,第2信号出力部120,130、制御部110などを備えている。
第1信号出力部120は、第1実施形態における信号出力部100と同様のものであって、光束を受光することにより制御部110へBD信号を出力する第1受光素子122、第1受光素子122により受光させるための光束である第2の光束を走査部50のポリゴンミラー51を経て(反射して)第1受光素子122まで至る経路を通るように出射する第1発光素子124などからなる。
【0060】
第2信号出力部130は、光束を受光することにより制御部110へBD信号を出力する第2受光素子132、第2受光素子132により受光させるための光束である第2の光束を走査部50のガルバノミラー54を経て(反射して)第2受光素子132まで至る経路を通るように出射する第2発光素子134などからなる。
【0061】
これらのうち、第2受光素子132は、第2発光素子134により出射されて走査部50のガルバノミラー54を反射した第2の光束により走査される領域内に配設されており、第2の光束がガルバノミラー54により水平方向に走査される過程において第2の光束を受光することになる。ここで、本実施形態における「第2の光束により走査される領域」とは、ガルバノミラー54の反射面で反射した第2の光束が通過する領域の一部であって、第2受光素子132における受光面と平行な平面を想定した場合に、この平面を通過した以降に第2の光束が通過する軌跡を示す領域のことである。
○制御部110による画像表示処理
以下に、制御部110が実行する画像表示処理の処理手順を図5に基づいて説明する。この画像表示処理は、第1実施形態における画像表示処理(図3)と一部処理内容が異なっているものであるため、この相違点のみを詳述する。
【0062】
まず、外部から映像信号の入力が開始されるまで待機する(s310:NO)。
このs310の処理で映像信号の入力が開始されたら(s310:YES)、ポリゴンミラー51およびガルバノミラー54の動作を開始させる(s320)。この処理は、図3におけるs120の処理と同様の処理である。
【0063】
次に、第1信号出力部120の第1発光素子124および第2信号出力部130の第2発光素子134による第2の光束の出射(発光)を開始させる(s330)。ここでは、第1,第2発光素子124,134に駆動電圧の供給を開始することにより、第1,第2発光素子124,134による第2の光束の出射を開始させる。こうして、第1発光素子124から出射された第2の光束が、s320の処理で動作を開始したポリゴンミラー51の反射面で反射し始めることによって、第2の光束による領域aの走査が開始される(図2参照)。また、第2発光素子134から出射された第2の光束が、s320の処理で動作を開始したガルバノミラー54の反射面で反射し始めることによって、第2の光束による領域の走査が開始される。
【0064】
次に、第2信号出力部130の第2受光素子132からBD信号を入力するまで待機する(s340)。この処理では、s330の処理で領域の走査を開始した第2の光束が第2受光素子132により受光されるまで待機する。
このs340の処理で、第2受光素子132からBD信号を入力したら(s340:YES)、カウンタを初期化する(s440)。この処理は、図3におけるs140の処理と同様に、変数Nに「0」をセット(0→N)する。
【0065】
次に、信号出力部100の第1受光素子122からBD信号を入力するまで待機する(s450:NO)。この処理は、図3におけるs150の処理と同様の処理である。
このs450の処理で、第1受光素子122からBD信号を入力したら(s450:YES)、BD信号の入力回数をカウントする(s460)。この処理は、図3におけるs460の処理と同様に、変数Nの値に「1」を加算(n+1→N)する。
【0066】
次に、BD信号の入力回数が所定回数m(本実施形態においては、5)以上となったかどうかをチェックする(s470)。この処理は、図3におけるs170の処理と同様の処理である。
このs470の処理で、BD信号の入力回数が所定回数m以上でなければ(s470:NO)、s450の処理へ戻る。
【0067】
一方、s470の処理で、BD信号の入力回数が所定回数m以上であれば(s470:YES)、所定時間(本実施形態においては、3μs)経過するまで待機する(s480:NO)。
このs480の処理で所定時間経過したら(s480:YES)、s310の処理で入力が開始された映像信号に基づいて、この映像信号で示される画像の一水平走査分(水平走査線一本分)に相当する各種色信号(青色、緑色、赤色)の生成を開始すると共に、この色信号の各光束生成部10への出力を開始する(s490)。この色信号を入力した光束生成部10では、色信号に基づいて各レーザドライバが各レーザを駆動し、これにより各レーザから発生された光束が、ダイクロックミラー17により合成された後、結合光学系18を経て光ファイバー20へ出射される。
【0068】
次に、s310の処理で開始された映像信号の入力が継続しているかどうかをチェックする(s500)。
このs500の処理で、映像信号の入力が継続していれば(s500:YES)、第2信号出力部130の第2受光素子132からBD信号を入力したかどうかをチェックする(s510)。この処理では、s340の処理と同様に、第2の光束が第2受光素子132により受光されたかどうかをチェックすることになる。
【0069】
このs510の処理で、第2受光素子132からBD信号を入力していなければ(s510:NO)、信号出力部100の第1受光素子122からBD信号を入力するまで待機する(s520:NO)。この処理は、s450の処理と同様に、第2の光束が第1受光素子122により受光されるまで待機することになる。
【0070】
このs520の処理で、第1受光素子122からBD信号を入力したら(s520:NO)、s480の処理へ戻る。
この後、s480からs520の処理を繰り返すことによって、光束生成部10から強度変調された状態で出射された第1の光束が、画像として投影可能な状態に走査され、瞳孔入射部70を経て利用者の瞳孔Eへ入射される。こうして、瞳孔Eへ入射された第1の光束が網膜上に画像を投影することによって、利用者の瞳孔E前方に虚像が表示された状況を視認させることができる。
【0071】
また、s510の処理で、第2受光素子132からBD信号を入力したら(s510:YES)、s440の処理へ戻る。
こうして、s440からs520の処理を繰り返し行った後、s500の処理で映像信号の入力が継続しなくなったら(s500:NO)、s330の処理で開始された第2の光束の出射(発光)を停止させる(s530)。この処理では、第1,第2信号出力部120,130の第1,第2発光素子124,134への駆動電圧の供給を停止することにより、第2の光束の出射を停止させる。
【0072】
そして、s320の処理で開始されたポリゴンミラー51およびガルバノミラー54の動作を停止させた後(s540)、s310の処理へ戻る。このs540処理は、図3おけるs240の処理と同様の処理である。
[第2実施形態の効果]
このように構成された画像表示装置2によれば、第1実施形態における画像表示装置1と同様に、光束を強度変調(生成)または出射するタイミングを決めるための構成(信号出力部100)は、第1の光束とは無関係な制約のない特性のものを採用、または、制約のない使用条件で使用することができる。
【0073】
また、第1実施形態における画像表示装置1と同様に、各信号出力部120,130における各受光素子122,132および各発光素子124,134は、第1の光束により走査される領域に、第2の光束により走査される領域aが重ならないような位置関係で配設されているため、第2の光束が第1の光束に基づく虚像の表示を妨害したり、第2の光束が利用者に眩しさやチラツキなどの違和感を与えたりすることがない。
【0074】
また、第1実施形態における画像表示装置1と同様に、光束生成部10から出射された第1の光束を、ポリゴンミラー51により水平方向へ走査した後、ガルバノミラー54により垂直方向へ走査することによって、画像として投影可能な状態にすることができる。
【0075】
また、第1信号出力部120の第1受光素子122は、発光素子124から出射(発生)されてポリゴンミラー51の反射面を反射した第1の光束を受光することができる。また、第2信号出力部130の第2受光素子132は、発光素子134から出射(発生)されてガルバノミラー54の反射面を反射した第1の光束を受光することができる。ここで、ポリゴンミラー51は第1の光束を水平方向に走査するものであり、ガルバノミラー54は第1の光束を垂直方向に走査するものであるため、第1の光束が水平方向および垂直方向に走査されるタイミングに基づいて、第1の光束の強度変調(生成)または出射を光束生成部10に行わせることができる(図5におけるs490の処理)。
【0076】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、このほかにも様々な形態で実施することができる。
例えば、上記第1,第2実施形態においては、図3,図5における各処理が、画像表示装置1,2の制御部110からなるコンピュータシステムにより実行されるように構成されたものを例示した。しかし、これら各処理の一部または全部が、画像表示装置1,2に有線・無線の信号伝送路で接続された別のコンピュータシステムにより実行されるように構成してもよい。
【0077】
また、上記第1,第2実施形態においては、図3,図5の各処理が、制御部110内蔵のメモリに記憶されている処理手順に従って実行されるように構成されたものを例示した。しかし、制御部110が、例えば、FDやメモリーカードなどの記録媒体との間でデータを入出力可能に構成されている場合には、上述の処理手順が記録されている記録媒体から処理手順を読み出して、上記各処理が実行されるように構成してもよい。
【0078】
また、上記第1,第2実施形態においては、信号出力部100の受光素子102、第1信号出力部120の第1受光素子122により第2の光束が受光(図3におけるs150,s220、図5におけるs450,s520の処理)されてから所定時間経過後に(s180,s480の処理)、光束生成部10が第1の光束を強度変調(生成)および出射する(s190,s490の処理)ように構成されたものを例示した。しかし、信号出力部100の受光素子102、第1信号出力部120の第1受光素子122により第2の光束が受光された直後に(つまり、s180,s480の処理を行わずに)、光束生成部10が第1の光束を強度変調(生成)および出射するように構成してもよい。
【0079】
また、上記第1,第2実施形態においては、各発光素子104,124,134として、利用者の瞳孔Eから網膜に到達する経路(角膜や水晶体)における吸収率が、虚像を表示する(虚像が表示されたと視認させる)ために光束生成部10が出射する第1の光束における吸収率よりも高くなる波長の光束を、第2の光束として出射(発生)するデバイスを採用するとよい。
【0080】
このように構成すれば、各発光素子104,124,134から出射される第2の光束は、第1の光束よりも瞳孔から網膜に至る経路で吸収されやすいため、各受光素子102,122,132および発光素子104,124,134を、第1の光束により走査される領域と、第2の光束により走査される領域aとが重なるような位置関係で配設した場合でも、第2の光束が利用者の瞳孔Eに入射されたときに、第2の光束が第1の光束より網膜まで到達しにくくなる。よって、第2の光束が第1の光束に基づく虚像の表示を妨害したり、第2の光束が利用者に眩しさやチラツキなどの違和感を与えてしまうといったことが起こりにくい。
【0081】
なお、この構成における発光素子としては、利用者の目に10mW以下の出力を長時間入射し続けたとしても安全な光束(アイセーフレーザ)として波長1.4μm以上の光束を出射(発生)させることができるデバイスを採用すればよい。特に、1.5μm付近の波長領域は、一般に広く普及しているデバイス(例えば、発光素子や受光素子)で利用されている波長領域であるため、各発光素子104,124,134および各受光素子102,122,132として、この1.5μm領域のデバイスを採用すれば、各信号出力部100,120,130に拘わるコストを抑えることができる。
【0082】
また、上記第1,第2実施形態においては、走査部50が、ポリゴンミラー51、ガルバノミラー54、および、第1リレー光学系57により構成されたもの例示した。しかし、走査部50は、コリメート光学部30を通過してきた第1の光束を水平方向および垂直方向に走査可能な単一のミラーなどにより構成することもできる。このように構成すれば、画像表示装置1,2としての部品点数を少なくできるため、画像表示装置1,2そのものを小さくすることができる。
【0083】
より具体的には、第1実施形態の画像表示装置1における走査部50を、図6に示すように、コリメート光学部30から入射された光束を水平方向および垂直方向に走査する走査用ミラー141、走査用ミラー141の反射面を反射する光束が水平方向に走査されるように走査用ミラー141を駆動する水平走査用アクチュエータ(水平走査用ACT)142、制御部110からの指令(水平同期信号)を受けて水平走査用アクチュエータ142を駆動する水平駆動回路143、走査用ミラー141の反射面を反射する光束が垂直方向に走査されるように走査用ミラー141を駆動する垂直走査用アクチュエータ(垂直走査用ACT)144、制御部110からの指令(水平同期信号)を受けて垂直走査用アクチュエータ144を駆動する垂直駆動回路145などで構成し、信号出力部100を、光束を受光することにより制御部110へBD信号を出力する受光素子(ラインセンサ)152、受光素子152により受光させるための光束である第2の光束を走査部50の走査用ミラー141を経て(反射して)受光素子152まで至る経路を通るように出射する発光素子154などで構成すればよい。
【0084】
また、上記第1,第2実施形態においては、走査部50により走査された第1の光束が、瞳孔入射部70を経て利用者の瞳孔Eへ入射されるように構成されたものを例示した。しかし、走査部50により走査された第1の光束は、利用者の瞳孔Eへ直接入射されるように構成してもよい。
【0085】
また、上記第1,第2実施形態においては、各信号出力部100,120を、第2の光束L2の経路(光路)が第1の光束L2の経路と一部重なるように配設されているものを例示した(図2参照)。
また、上記第1,第2実施形態においては、各信号出力部100,120が、第1の光束L1が通過する領域の一部に、第2の光束L2が通過する領域が重なるように配設されているものを例示した(図2参照)。しかし、各信号出力部100,120は、第1の光束により走査される領域に、第2の光束により走査される領域aが重ならなければ、その配置は特に限定されず、第1の光束L1が通過する領域の一部に、第2の光束L2が通過する領域が重ならないように配設してもよい。この場合、「第1の光束により走査される領域」は第1の光束が通過する全ての領域であって、「第2の光束により走査される領域a」は第2の光束が通過する全ての領域となる。
【0086】
また、上記第1,第2実施形態においては、各受光素子102,122が、第2の光束により走査される領域aにおいて、ポリゴンミラー51の反射面を反射した第2の光束が、反射面の中央部分で反射したときに受光できるような位置に配設されているものを例示した。しかし、各受光素子102,122は、ポリゴンミラー51の反射面を反射した第2の光束L2が、反射面において隣接する反射面との境界から外れた位置で反射したときに受光できるような位置に配設されていれば、その具体的な配置は限定されない。
【0087】
また、上記実施形態においては、各信号出力部100,120,130の受光素子および発光素子で構成されているものを例示した。しかし、
また、上記実施形態においては、第2の光束を出射する構成要素が発光素子であるものを例示した。しかし、第2の光束を出射する構成要素としては、光束生成部10のように出射する光束の波長および出力レベルを任意に変更可能なものを使用してもよい。
【0088】
[本発明との対応関係]
以上説明した実施形態における光束生成部10は本発明における第1光源部、光束生成部10および制御部110は本発明における強度変調部、走査部50は本発明における光束走査部、ポリゴンミラー51は本発明における第1走査部、ポリゴンミラー51の各反射面は本発明における第1反射面、ガルバノミラー54は本発明における第2走査部、ガルバノミラー54の反射面は本発明における第2反射面、各信号出力部100,120,130の発光素子104,124,134,144は本発明における第2光源部、受光素子102,122,132,142は本発明における受光部である。
【0089】
また、図3におけるs140からs220の処理、および、図5におけるs440からs520の処理は、本発明におけるタイミング制御手段である。
また、本実施形態においては、水平方向が本発明における第1の方向、垂直方向が本発明における第2の方向であって、「第1の光束により走査される領域」が本発明における第1領域、「第2の光束により走査される領域a」が本発明における第2領域である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における画像表示装置の構成を示す図
【図2】光束が走査部の反射面で反射する状態を示す図
【図3】第1実施形態における画像表示処理の処理手順を示すフローチャート
【図4】第2実施形態における画像表示装置の構成を示す図
【図5】第2実施形態における画像表示処理の処理手順を示すフローチャート
【図6】別の実施形態における画像表示装置の構成を示す図
【符号の説明】
1,2,3・・・画像表示装置、10・・・光束生成部、11・・・Bレーザ、12・・・Bレーザドライバ、13・・・Gレーザ、14・・・Gレーザドライバ、15・・・Rレーザ、16・・・Rレーザドライバ、17・・・ダイクロックミラー、18・・・結合光学系、20・・・光ファイバー、30・・・コリメート光学部、50・・・走査部、51・・・ポリゴンミラー、52・・・水平走査用モータ、53・・・水平駆動回路、54・・・ガルバノミラー、55・・・垂直走査用アクチュエータ、56・・・垂直駆動回路、57・・・第1リレー光学系、70・・・瞳孔入射部、100・・・信号出力部、102・・・受光素子、104・・・発光素子、110・・・制御部、120・・・第1信号出力部、122・・・第1受光素子、124・・・第1発光素子、130・・・第2信号出力部、132・・・第2受光素子、134・・・第2発光素子、141・・・走査用ミラー、142・・・水平走査用アクチュエータ、143・・・水平駆動回路、144・・・垂直走査用アクチュエータ、145・・・垂直駆動回路。
Claims (7)
- 光束を反射可能な反射面を有し、光束に対する該反射面の角度を所定の角度範囲内で変化させる動作を繰り返し行うことによって、前記反射面により反射される光束を第1の方向および該第1の方向と交差する第2の方向に沿って走査可能な光束走査部と、
第1の光束を、前記光束走査部を経て利用者の瞳孔まで至る経路を通るように出射する第1光源部と、
該第1光源部により出射される前記第1の光束の強度を変調する強度変調部と、を備え、
前記第1の光束により網膜上を走査することによって、利用者に虚像を表示することができる画像表示装置であって、
前記光束走査部の反射面を反射した光束を受光可能な受光部と、
該受光部により受光させるための光束である第2の光束を、前記光束走査部を経て前記受光部まで至る経路を通るように出射する第2光源部と、
前記受光部により前記第2の光束が受光されたタイミングに応答して、前記強度変調部が前記第1の光束の強度を変調するタイミングを制御するタイミング制御手段と、を備えている
ことを特徴とする画像表示装置。 - 当該画像表示装置における各構成は、前記第1光源部により出射されて前記光束走査部の反射面を反射した前記第1の光束により走査される領域である第1領域、および、前記第2光源部により出射されて前記光束走査部の反射面を反射した前記第2の光束により走査される領域である第2領域が重ならないような位置関係で配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。 - 前記第2光源部により出射される第2の光束は、少なくとも利用者の網膜に到達するまでの経路における吸収率が、前記第1光源部により出射される第1の光束よりも高い光束である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。 - 前記光束走査部は、
光束を反射可能な第1反射面を有し、光束に対する該第1反射面の角度を所定の角度範囲内で変化させる動作を繰り返し行うことによって、該第1反射面を反射する光束を前記第1の方向に沿って走査可能な第1走査部と、
光束を反射可能な第2反射面を有し、光束に対する該第2反射面の角度を所定の角度範囲内で変化させる動作を繰り返し行うことによって、該第2反射面を反射する光束を前記第2の方向に沿って走査可能な第2走査部と、で構成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像表示装置。 - 前記第2光源部は、前記第1走査部の第1反射面に向けて前記第2の光束を出射して、
前記受光部は、前記第2光源部により出射されて前記第1走査部の第1反射面を反射した前記第2の光束により走査される領域に配設されている
ことを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。 - 前記第1走査部は、外周面に沿って配設された複数の前記第1反射面を有する回転多面鏡であって、
前記受光部は、前記第2光源部により出射された前記第2の光束が、前記第1反射面同士の境界から外れた第1反射面上の位置に入射したときに反射した第1の光束を受光する位置に配設されている
ことを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。 - 前記第2光源部は、前記第2走査部の第2反射面に向けて前記第2の光束を出射して、
前記受光部は、前記第2光源部により出射されて前記第2走査部の第2反射面を反射した前記第2の光束により走査される領域に配設されている
ことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の画像表示装置。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
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JP2011075950A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Brother Industries Ltd | 網膜走査型画像表示装置 |
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-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002348267A patent/JP2004184507A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8514148B2 (en) | 2009-03-09 | 2013-08-20 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Head mount display |
JP2011075950A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Brother Industries Ltd | 網膜走査型画像表示装置 |
US8540373B2 (en) | 2009-09-30 | 2013-09-24 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Retinal scanning display |
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