JP2004184461A - 位置合わせパターンの形成方法・位置合わせパターン・画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易且つ低コストな構成で色ずれを高精度に検知できるようにする。
【解決手段】位置合わせパターンPmは、基準色である黒のライン像Bkと該基準色以外の色、例えばシアンのライン像Cとを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成して構成されている。位置合わせパターンのライン幅を、画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、次の関係 [ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)を満たすように形成し、基準色以外の色のライン像の任意のシフト量に対する2直線の直線性を悪化させているライン幅、受光幅との関係による要因を低減する。
【選択図】 図3
【解決手段】位置合わせパターンPmは、基準色である黒のライン像Bkと該基準色以外の色、例えばシアンのライン像Cとを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成して構成されている。位置合わせパターンのライン幅を、画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、次の関係 [ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)を満たすように形成し、基準色以外の色のライン像の任意のシフト量に対する2直線の直線性を悪化させているライン幅、受光幅との関係による要因を低減する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、インクジェット記録装置等のカラー画像を形成する画像形成装置、該画像形成装置における位置合わせパターンの形成方法及び位置合わせパターンに関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでは、1つ感光体ドラムとリボルバー方式の現像装置を用いて各色のトナー像を形成し、各トナー像を中間転写体に重ね合わせ転写した後、シート状記録媒体としての転写紙上に一括転写する方式のカラー画像形成装置が主流であった。
これに対し、近年におけるカラー画像出力装置の高速化、及び高機能化の流れにより、感光体(像担持体)及びこれに対応した現像装置を含む画像形成ユニットを色別に複数、転写ベルトに対向させた位置に並設し、像担持体上のトナー像を転写紙あるいは転写ベルト上に順次転写させる構成の、いわゆる4連タンデム方式のカラー画像形成装置が主流を占めるようになってきた。
【0003】
このような方式のカラー画像形成装置にあっては、各色の像担持体上に形成されたトナー像を同時的に転写できるために、プリント速度の高速化を図れる利点があるもの、従来の1ドラム中間転写方式のカラー画像形成装置に比べ、その方式上、各色間の色ずれに対しては不利となる。
この色ずれという技術課題に対し、これまでに幾つもの補正方法が提案されている。例えば特公平7−19084号公報には、転写ベルト上に各色のライン像を作像し、このライン像の通過を検知センサにより検知し、各色のライン像の通過タイミングの理想からのずれ量を測定することにより、各色の位置ずれ量を把握し、補正を行う技術が開示されている。
【0004】
このような手法は、検知センサを通過するパターンのエッジを検出するする方式であるために、検出精度はサンプリング周波数によって決まってしまう。すなわち、もし解像度が600dpiの機械であって補正単位が42.3μm(=25.4/600×1000)である場合、検知は少なくともその補正単位の±1/2(=21.7μm)以下の検知ができなければならず、転写ベルト上ライン像の線速が125mm/secである場合には、[サンプリング周波数]=[線速]/[25.4/解像度dpi/2]の式により、最低必要なサンプリング周波数を求めると6kHz以上と計算されるが、この場合(=6kHz)の検出精度(=検出誤差)は21.7μmとなる。
もしこの数値を直接位置ずれ補正にフィードバックする場合には、この程度のサンプリング周波数でも問題ないかもしれないが、この検出結果(=xμm)を他の演算にも利用する必要がある場合、例えば、用紙の搬送方向に対し左右両端にてこの様な検知を行い、両端の検知結果に基づきスキュー補正を行う、又は倍率誤差補正を行う等の場合には、より高い検出精度が必要とされるために、例えば検出精度として2μmが必要である場合には、サンプリング周波数を60kHzという具合に非常に高くする必要がある。
【0005】
このように、必要なサンプリング周波数は線速及び解像度に比例するために、データサンプリング以降の処理ブロックについてもその高速サンプリングに対応できる高い処理速度が必要となるので、色ずれ補正のためにかかるコストが装置の高速化にほぼ比例してアップしてしまうという問題があった。
パターンのエッジの検出精度を向上させるための検出手段として、高精度、高分解能を持つCCDセンサにて検出するような方法も提案されているが、このような検出手段を用いた場合にも、装置の複雑化、コストアップ等の問題を避けられなかった。
【0006】
このような問題に対処すべく、例えば特許第3254244号公報には、第1色目のトナー像に第2色目のトナー像を重ねて形成されたトナー像パターンと、2色のパターンの相対的位置関係を所定量ずらしたタイミングで形成されたトナー像パターンとを、光学センサによりその平均的な濃度を検出し、その信号出力から第1色目と第2色目との位置ずれ量と位置ずれ方向を判断し、補正する技術が開示されている。
この技術では、位置ずれ量の検知を、パターン像(ライン像)のエッジ検出によるのではなく、パターン全体の平均的な光学センサの出力信号を検出することによっているために、必要なサンプリング周波数は500Hz以下(2msec毎)程度、すなわち特公平7−19084号公報に記載されたものと比較して1/100程度の低いサンプリング周波数で検知可能である。
【0007】
よって、特許第3254244号公報記載の位置ずれ検出方法を用いた場合でも、特公平7−19084号公報に記載の技術と同等レベルの検出精度が得られれば、位置ずれ量検出に関してハードウエアをより安価に構成できるため、大幅なコストダウンが可能となる。
特許第3254244号公報記載の位置ずれ検出方法に類似するものとしては、例えば、特開平10−329381号公報、特開2000−81745号公報、特開2001−209223号公報、特開2002−40746号公報、特開2002−229280号公報等に記載のものがある。
ここで、特許第3254244号公報に示される2色のトナー像の重ね合わせパターンの光学センサからの出力信号に基づいた位置ずれ補正を行うことを考えた場合、もし仮に補正しなければならない最大補正量が±10ドットであったとしたら、2色の相対的位置関係を1ドットずらしたパターンを21個形成すれば、その極値を読みとることにより、位置ずれ補正量及びその方向が判断できる。
しかしながら、それだけ多くのパターンを作成してしまうと、無駄なトナー消費量が多くなるだけでなく、位置ずれ自動調整に要する時間も長くなってしまうために望ましくない。
この課題に対し、例えば特開平10−329381号公報には、横軸のプリント位置パラメータに対し、縦軸を反射光学濃度としたときの2直線の交点計算により、より高精度に位置ずれ量を検知する方法が示されている。
【0008】
【特許文献1】
特公平7−19084号公報
【特許文献2】
特許第3254244号公報
【特許文献3】
特開平6−1002号公報
【特許文献4】
特開平10−329381号公報
【特許文献5】
特開2000−81745号公報
【特許文献6】
特開2001−209223号公報
【特許文献7】
特開2002−40746号公報
【特許文献8】
特開2002−229280号公報
【特許文献9】
特開2001−312115号公報
【特許文献10】
特開2002−62707号公報
【特許文献11】
特開平5−100556号公報
【特許文献12】
特開2002−148890号公報
【特許文献13】
特開2002−6580号公報
【特許文献14】
特開2000−35704号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−329381号公報に開示された方法によれば、最大補正量が±10ドットであった場合でも、21個のパターンを形成する必要がなく、適当に数ドットずつ、例えば2ドットずつずらしたパターンを11個形成すればよいこととなり、また5ドットずつずらしたパターンであれば5個形成すればよいこととなるので、パターン数を大幅に減らし、位置ずれ調整に要する時間を大幅に短縮しながら、より高精度な位置ずれ補正が実現可能となる。
位置ずれ調整というのは通常のプリント動作とは関係ない動作であるため、処理時間が長いとそれだけファーストプリントに要する時間がかかるわけで、生産性を考えた場合、このような調整時間は短ければ短いほどよい。
但し、2直線の直線近似式の交点計算により位置ずれ量を求める場合、また、その他の方法であってもラインのシフト量以下の分解能でずれ量を演算処理により求める場合には、各パッチのセンサ出力信号が予め定めた任意のシフト量に対し直線的に増加、ないしは減少する出力特性、すなわち2直線の各近似式の決定係数R2が限りなく1に近い直線が得られなければならない。
【0010】
そこで、これまでに開示されている2色の重ね合わせパターンの濃度検出、交点計算により、特公平7−19084号公報に開示されている様なエッジ検出方式と同等の検出精度が得られるのかを検証するために、図31に示す様な1ドラム中間転写ベルト方式のカラー画像形成装置(書き込み密度:600dpi)において、図35に示すように、基準色の黒(Bk)と他の色(例えばシアン(c))の2色のラインの重ね合わせにより構成されるパッチの各色ラインをその最低構成数である1ラインの重ね合わせにより構成したものを1パッチとし、その2色の相対的位置関係を任意量ずつシフトさせて連続的に13個(P1〜P13)形成した主走査方向の位置ずれ検知用の検知パターン(位置合わせパターン)Pkを、図36に示すような従来の光学センサ(位置合わせパターン検知センサ)で読みとり、基準色以外のラインの任意シフト量に対する各パッチの出力電圧をプロットし、交点計算を行った。
ここでは、2色のライン幅の水準として24dot、10dotの2水準について実験を行った。ここで敢えて、1ドラム中間転写方式の画像形成装置を用いた理由は、検証結果から装置のもつ影響を極力排除したかったからである。また、検証に用いたパターンを主走査パターンとしたのも同様の理由による。
【0011】
図35において、各パッチは光学センサの走査方向、すなわち、転写ベルトの移動方向に沿って配置されており、主走査方向の色ずれを検知すべく該方向と直交する方向に基準色以外の色が任意量シフトされている。
図36において、光学センサは、LED(発光ダイオード)700と、正反射光受光素子701と、拡散光(以下、拡散反射光ともいう)受光素子702から構成され、これらの素子は支持基板703に支持されている。これらの素子は実際には位置合わせパターンの移動平面に対して略垂直面内に配置されているが、図36(a)では判りやすいように90°倒して平面的に表示している。図36(b)において、符号700aはLED700のスポット形状を、701aは正反射光受光素子701のスポット形状を、702aは拡散光受光素子702のスポット形状をそれぞれ示している。
【0012】
ライン幅:24dotの場合の結果を図37に、ライン幅:10dot場合の結果を図38に示す。
図37に示す通り、ライン幅を24dotとした場合には、極値に対しマイナス側のプロット点により求まる近似直線ではR2=0.9275、また極値に対しプラス側のプロット点により求まる近似直線ではR2=0.9555という具合に、およそ直線とは言い難い出力特性が得られた。
また、この2つの近似直線より交点を計算した結果、位置ずれ量=34.74μm(=0.82dot)という結果となった。
これに対し、ライン幅を10dotとした場合には、図38に示す通り、極値に対しマイナス側のプロット点により求まる近似直線ではR2=0.9909、また極値に対しプラス側のプロット点により求まる近似直線ではR2=0.9985という具合に、かなり直線に近い特性が得られることが判った。
また、この2つの近似直線より交点を計算した結果、位置ずれ量=12.91μm(=0.30dot)であった。実験条件は以下の通りである。
【0013】
[図37に示す結果の検知パターンの詳細パラメータ]
ライン幅:24dot(=25.4/600×1000×24=1.016mm)・・・Bkライン、カラーライン共通設定
任意のシフト量:4dot(=25.4/600×1000×4=169.3μm)
総パッチ数:13パッチ(P1、P13では両者が完全に重なっておらず、P7では両者が完全に重なっている)
ライン繰り返し数:1
[図38に示す結果の検知パターンの詳細パラメータ]
ライン幅:10dot(=25.4/600×1000×10=0.423mm)・・・Bkライン、カラーライン共通設定
任意のシフト量:1dot(=25.4/600×1000×1=42.3μm)
総パッチ数:21パッチ(P1、P21では両者が完全に重なっておらす、P11では両者が完全に重なっている)
ライン繰り返し数:1
[検知センサ](=図36に示したセンサの詳細仕様)
発光側
素子:GaAs赤外発光ダイオード(ピーク発光波長:λp=950nm)、トップビュータイプ
スポット径:1.0mm
受光側
素子:Siフォト・トランジスタ(ピーク分光感度:λp=800nm)、トップビュータイプ
スポット径
正反射光受光側:1.0mm
拡散反射光受光側:3.0mm
検出距離:5mm(センサ上部〜検知対象面(パッチ)までの距離)
[線速]
245mm/sec
[サプリング周波数]
500Sampling/sec
この実験においては、Bkラインの中心が、ほぼセンサ受光面の中心と一致するように位置合わせパターンを転写ベルト上に形成した。
【0014】
上述のように、ライン幅の相違により、交点計算の基礎となる直線性が変化することが確認された。このことは、位置合わせパターンの形成手法等により位置ずれ検知精度を向上させることができる余地があることを意味する。換言すれば、検知センサの精度等を上げることなく、すなわちコスト上昇を来たすことなく位置ずれ検知精度を向上させることができる余地があることを意味する。
そこで、本発明は、簡易且つ低コストで色ずれを高精度に検知できる位置合わせパターンの形成方法、位置合わせパターン、該位置合わせパターンを用いた画像形成装置の提供を、その主な目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成する位置合わせパターンの形成方法において、上記位置合わせパターンのライン幅と、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との相関関係を実験的に導出し、導出された結果に基づいて上記ライン幅を決定することとした。ここで、実験的とは、実際の実験及びコンピュータシミュレーションの双方を含む概念をいう(以下、同じ)。
【0016】
請求項2記載の発明では、基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンの形成方法において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅と、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との相関関係を実験的に導出し、導出された結果に基づいて上記ライン幅を決定することとした。
【0017】
請求項3記載の発明では、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成することとした。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0018】
請求項4記載の発明では、基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成することとした。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0019】
請求項5記載の発明では、転写体上に基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成される位置合わせパターンにおいて、上記ライン像のライン幅を、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成した。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0020】
請求項6記載の発明では、転写体上に基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンにおいて、上記ライン像のライン幅を、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成した。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0021】
請求項7記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成する、という構成を採っている。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0022】
請求項8記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成する、という構成を採っている。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0023】
請求項9記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成する、という構成を採っている。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0024】
請求項10記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成する、という構成を採っている。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0025】
請求項11記載の発明では、請求項8又は10記載の画像形成装置において、基準色である黒ライン像の作像順序は、上記転写体上での色重ねの最終色である、という構成を採っている。
【0026】
請求項12記載の発明では、請求項7乃至10のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記位置合わせパターンを形成する上記転写体の明度(L*)が40以下、好ましくは20以下である、という構成を採っている。
【0027】
請求項13記載の発明では、請求項7乃至10のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0028】
請求項14記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0029】
請求項15記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0030】
請求項16記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0031】
請求項17記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0032】
請求項18記載の発明では、請求項13乃至17のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、2成分現像方式の現像装置を有している、という構成を採っている。
【0033】
請求項19記載の発明では、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成する、という構成を採っている。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0034】
請求項20記載の発明では、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成する、という構成を採っている。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0035】
請求項21記載の発明では、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0036】
請求項22記載の発明では、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0037】
請求項23記載の発明では、請求項7乃至22のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記位置合わせパターン検知手段の受光部が、拡散反射光又は拡散反射成分を検知するように構成されている、という構成を採っている。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて本実施形態における画像形成装置としての4連タンデム直接転写方式のカラープリンタの概略構成を説明する。
カラープリンタは、1つの手差しトレイ36、2つの給紙カセット34(第1給紙トレイ)、34(第2給紙トレイ)の3つの給紙トレイを有しており、手差しトレイ36より給紙されたシート状記録媒体としての図示しない転写紙は給紙コロ37により最上のものから順に1枚ずつ分離され、レジストローラ対23へ向けて搬送される。第1給紙トレイ34又は第2給紙トレイ34から給紙された転写紙は、給紙コロ35により最上のものから順に1枚ずつ分離され、搬送ローラ対39を介してレジストローラ対23へ向けて搬送される。
給紙された転写紙は、レジストローラ対23で一旦停止され、スキューを修正された後、後述する最上流に位置する感光体ドラム14Y上に形成された画像の先端と転写紙の搬送方向の所定位置とが一致するタイミングで、図示しないレジストクラッチのオン制御によるレジストローラ対23の回転動作により転写ベルト18へ向けて搬送される。
転写紙は、転写ベルト18とこれに当接した紙吸着ローラ41とで構成される紙吸着ニップを通過する際、紙吸着ローラ41に印加されるバイアスにより転写ベルト18に静電力で吸着され、プロセス線速125mm/secにて搬送される。
【0039】
転写ベルト18に吸着された転写紙には、転写ベルト18を挟んで各色の感光体ドラム14B、14C、14M、14Yと対向した位置に配置された転写ブラシ21B、21C、21M、21Yにトナーの帯電極性(マイナス)と逆極性の転写バイアス(プラス)が印加されることにより、各感光体ドラム14B、14C、14M、14Yに作像された各色のトナー像がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(Bk)の順で転写される。
各色の転写工程を経た転写紙は、下流側の駆動ローラ19部位で転写ベルト18から曲率分離され、定着装置24へ搬送される。定着装置24における定着ベルト25と加圧ローラ26により構成される定着ニップを通過することにより、トナー像が熱と圧力により転写紙に転写される。定着がなされた転写紙は、片面印刷モードの場合には、装置本体上面に形成されたFD(フェイスダウン)トレイ30へと排出される。
予め両面印刷モードが選択されている場合には、定着装置24を出た転写紙は、図示しない反転ユニットへ送られ、該ユニットにて表裏を反転されてから転写ユニット下部に位置する両面搬送ユニット33に搬送される。転写紙は該両面搬送ユニット33から再給紙され、搬送ローラ対39を経てレジストローラ対23へ搬送される。以降は、片面印刷モード時と同様の動作を経て定着装置24を通過し、FDトレイ30へと排出される。
【0040】
次に、上記カラープリンタの画像形成部における構成及び作像動作を詳細に説明する。
画像形成部は、各色共に同様の構成及び動作を有しているのでイエロー画像を形成する構成及び動作を代表して説明し、その他については各色に対応する符号を付して説明を省略する。
転写紙搬送方向の最上流側に位置する感光体ドラム14Yの周囲には、帯電ローラ42Y、クリーニング手段43Yを有する作像ユニット12Yと、現像ユニット13Y、光書き込みユニット16等が設けられている。
画像形成時、感光体ドラム14Yは図示しないメインモータにより時計回り方向に回転駆動され、帯電ローラ42Yに印加されたACバイアス(DC成分はゼロ)により除電され、その表面電位が略−50vの基準電位となる。
【0041】
次に、感光体ドラム14Yは、帯電ローラ42YにACバイアスを重畳したDCバイアスを印加することによりほぼDC成分に等しい電位に均一に帯電され、その表面電位がほぼ−500v〜−700v(目標帯電電位はプロセス制御部により決定される)に帯電される。
プリント画像として図示しないコントローラ部より送られてきたデジタル画像情報は、各色毎の2値化されたLD発光信号に変換され、シリンダレンズ、ポリゴンモータ、fθレンズ、第1〜第3ミラー、及びWTLレンズ等を有する光書き込みユニット16により感光体ドラム14Y上に露光光16Yが照射される。
照射された部分のドラム表面電位が略−50vとなり、書き込み密度(=解像度)600dpiで画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0042】
感光体ドラム14Y上のイエロー画像情報に対応した静電潜像は、現像ユニット13Yにより可視像化される。現像ユニット13Yの現像スリーブ44YにACバイアスを重畳したDC(−300〜−500v)が印加されることにより、書き込みにより電位が低下した画像部分にのみトナー(Q/M:−20〜−30μC/g)が現像され、トナー像が形成される。現像ユニット13Yは、キャリアとトナーとの混合現像剤が入った、いわゆる2成分現像方式の現像器である。
作像された各色の感光体ドラム14B、14C、14M、14Y上のトナー画像は、転写ベルト18上に吸着された転写紙上に上記転写バイアスにより転写される。
【0043】
本実施形態におけるカラープリンタでは、上述した画像形成動作に先立ち、色ずれ調整動作が行われる。色ずれ調整動作では、転写ベルト18上に後述する位置合わせパターンが形成され、この位置合わせパターンを位置合わせパターン検知手段としての位置合わせパターン検知センサ(以下、単にセンサともいう)40により読み取る(検知する)ことにより行われる。
位置合わせパターン検知センサ40は、転写ベルト18の感光体ドラム14Bに対向する下面側に配置されている。
【0044】
主走査方向の位置ずれを検知するための位置合わせパターンPmは、図2に示すように、基準色である黒のライン像Bkと該基準色以外の色、例えばシアンのライン像Cとを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量(任意のシフト量)ずつずらしたパッチを連続的に形成して構成されている。なお、基準色を黒に限定する趣旨ではない(以下の他の実施形態において同じ)。
ここで、「任意のシフト量」というのは、P1〜P2間のシフト量が50μmであり、P2〜P3のシフト量が20μmというように常に一定でないとしてもよいことを含む。
本実施形態では、位置合わせパターンPmは、1つのパッチが基準色以外の250μmのカラーラインの上に、これと同じ幅の黒ラインを重ね合わせた構成となっており、このようなパッチをBkラインに対しカラーラインCを40μmずつずらした13個のパッチにより全体構成をなしている。
ここで、「パッチを連続的に形成して」の意味合いは、走査方向(転写ベルト18の進行方向)に沿って並べる程度の意味合いであり、並べ方が例えばP1、P11、P2、P10という具合に順序がばらばらであっても連続的に含まれる意味合いである。また、P1〜P2の間隔、P2〜P3の間隔がばらばらであっても連続的に含まれるものとする。
【0045】
本実施形態における位置合わせパターン検知手段としての位置合わせパターン検知センサ40は、図36で示した従来のセンサと同様の構成を有している。すなわち、図3に示すように、発光部としての発光ダイオード(LED)40Aと、受光部としての正反射光受光素子(フォトトランジスタ)40Bと、受光部としての拡散光受光素子(フォトトランジスタ)40Cから構成され、これらの素子は支持基板40Dに支持されている。符号40A−1はLED40Aのスポット形状を、40B−1は正反射光受光素子40Bのスポット形状を、40C−1は拡散光受光素子40Cのスポット形状をそれぞれ示している。位置合わせパターン検知センサ40の諸元は以下の通りである。
[検知センサ](=図3に示したセンサの詳細仕様)
発光側
素子:GaAs赤外発光ダイオード(ピーク発光波長:λp=950nm)、トップビュータイプ
スポット径:1.0mm
受光側
素子:Siフォト・トランジスタ(ピーク分光感度:λp=800nm)、トップビュータイプ
スポット径
正反射光受光側:1.0mm
拡散反射光受光側:3.0mm
検出距離:5mm(センサ上部〜検知対象面(パッチ)までの距離)
【0046】
位置合わせパターンPmは、図4に示すように、転写ベルト18の両側と中央部の3つの位置に形成され、これに対応して位置合わせパターン検知センサ40も図示しない支持基板に支持されて3個(40a、40b、40c)設けられており、転写ベルト18の両側に配置した2つのセンサで、図2に示す主走査方向の位置ずれを検知するための位置合わせパターンPmのずれ量を検知することにより、主走査ずれ、及び倍率誤差の補正を行う。また、転写ベルト18の両側及び中央部に配置した3つのセンサで、図27に示す副走査方向の位置ずれを検知するための位置合わせパターンPsのずれ量を検知することにより、副走査ずれ、及びスキューの補正を行う。
【0047】
本実施形態における画像形成装置としてのカラープリンタは、書き込み密度600dpiである。これに対応して、位置合わせパターンPmの各パッチのライン幅と位置合わせパターン検知センサ40の受光幅とは、以下の通りの関係を満足するように設定されている。
[ライン幅/受光幅]<5.0627×[書き込み密度]−0.5331
[左辺]=[ライン幅/受光幅]=[0.25/3.0]=0.0833
[右辺]=5.0627×[書き込み密度]−0.5331=0.167
[左辺]<[右辺]を満足する。
【0048】
次に、ライン幅、受光幅及び書き込み密度の相関において、上記のような条件を設定した理由、すなわち、本発明を想到、具現化するに至った経緯及び根拠を説明する。
図37に示したように、従来の光学センサによる位置ずれ検知では、およそ直線とは言い難い出力特性が得られた。
しかしながら、転写ベルト18上に作成された位置合わせパターンの実際のずれ量を、200万画素CCDを搭載したデジタルマイクロスコープにて測定した結果、図6に示すように、ライン幅を24dotとしたパターンの2つのラインが完全に重なり合っているP7でのずれ量はほぼゼロであった。
極値に対しマイナス側のプロット点により求まる近似直線ではR2=0.9988、極値に対しプラス側のプロット点により求まる近似直線ではR2=0.9996というように、限りなく直線(R2=1)に近い結果が得られた。
また、この2直線より交点を計算した結果、位置ずれ量=4.13μmと実際(=0)にほぼ近い値となった。ライン幅10dotとしたパターンについても同様にして転写ベルト18上のずれ量を測定したがずれ量はほぼゼロであった。
【0049】
このように、デジタルマイクロスコープによる転写ベルト上パターンのずれ量は、ライン幅2水準のいずれの場合においてもほぼゼロであるのに対し、位置ずれ検知センサの出力より計算される位置ずれ量が、ライン幅を24dotとした場合では位置ずれ量=34.74μmと、600dpiでの検出誤差最大許容値(=±25.4/解像度dpi×1000/2[μm]=±21.2[μm])から大きく外れる非常に悪い結果となっていることから、この両者(24dotパターンと10dotパターン)の違いは、測定系に原因があると考えられる。
この両者の違いについて考えるために、図7及び図8にセンサ受光径とパターンとの関係を表した図を示す。
図7に示すパッチP1〜P3は24dotラインにより構成されたものであり、図8に示すパッチP1〜P3は10dotラインにより構成されている。P1〜P2、P2〜P3のラインシフト量は、同一比較をするために、共に4dotとしている。
また、実験では、24dotラインのパッチ、10dotラインのパッチ共に、Bkラインの中心を受光面中心と一致させている。
【0050】
センサの拡散光出力電圧は、受光面内におけるカラーライン部面積の増加に対しある相関関係があると考えられるため、隣接するパッチ間のずれ量の差分値(この場合4dot)に対し、面積増分が一定であれば直線的となるはずである。
しかしながら、図7から明らかなように、線幅が広い24dotラインの場合には、受光面が円形である効果が強く現れるため、「P1〜P2のカラーライン4dotのシフトに対する面積の変化量(P2−1)」と「P2〜P3のカラーライン4dotのシフトに対する面積の変化量(P3−1)」とでは、後者の方が大きくなってしまっている。すなわち線形ではないことが判る。
これは、受光面が円形状である場合には、ある受光幅(この場合は受光センサの受光径と一致)に対し、ライン幅が広い場合(受光幅<ライン幅を意味するものではない)には、受光面形状の影響を受けやすいことを意味する。
【0051】
デジタルマイクロスコープでの測定は、受光面形状が円形状であることを考慮せず、デジタルマイクロスコープで観察したパッチ画像の拡大写真をTIFF形式でパーソナルコンピュータに取り込み、パッチの一部を矩形領域に切り取り、その領域内のカラーライン/Bkラインの面積比計算により交点算出を行ったために、上記ような円形効果(出力の非線形性)が現れなかったものと考えられる。
デジタルマイクロスコープでの測定による画像処理ソフトにはAdobe社製のPhotoshop5.5を使用した。
以上の実験結果より、基準色である黒のライン像と基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、この位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知センサ(位置合わせパターン検知手段)と、この位置合わせパターン検知センサからの出力信号から基準色と基準色以外との位置ずれ量とその方向を判断し、その位置ずれ量を補正する補正手段を備えた画像形成装置において、任意のシフト量以下の分解能でずれ量を検知する場合(計算アルゴリズムの一例として、上記では2つの近似式により交点計算する方法を示したが、別にこれに限らず、単に各パッチの差分出力の比較から演算処理によりシフト量以下の分解能でずれ量を検知することは可能である。)、必要な検出精度を確保するためには、位置合わせパターンのライン幅と位置合わせパターン検知センサの受光幅との間には、ある関係を満足することが必要でることが予測できる。
【0052】
この関係を導き出すために、「位置合わせパターン検知センサの拡散光出力は、受光面内のカラーライン像の面積に対して1次線形関係にある。」という仮定を行い、2色の重ね合わせパターンの各パッチの位置合わせパターン検知センサ受光面内に占めるカラーライン像の面積を計算して、この面積値を各パッチの出力値とするようなシミュレーション計算を、以下の誤差条件を調合して行った。
また、この面積値を「横軸の基準色(黒)に対するカラーライン像のシフト量」に対してプロットしたときに得られる2直線の交点計算により、位置ずれ量の検出誤差を求める計算も行った。
【0053】
[計算式]
図9に示されるように、受光面中心から距離aの位置にある1区間の長方形の面積Sは、S=2×[a×tan(acos(a/1.5))]×(25.4/600)のように、受光面中心からの距離aの関数で表せる。
[計算条件]
パターン構成:Bkライン、カラーラインの繰り返しを1パッチとし、カラーラインを任意量ずつシフトさせたパッチを複数連続的に形成した構成
センサ受光径:直径3.0mm
[誤差因子と水準]
ライン幅(Bk、Color):3dot、6dot、12dot、18dot、24dot(※ここでは1dot=42.3μm(600dpi)で計算)
Bkライン中心に対する受光径中心位置:1〜48dot
【0054】
図10乃至図12に上記シミュレーションによる計算結果の一例を示す。これらの結果は、センサ受光径:3mmに対し、Bkとカラーのライン幅を24dot(=1.016mm)とした場合の結果である。
図10(a)はBkライン中心がセンサ受光面中心と一致している場合の結果、図10(b)はその位置関係を示す図である。図11(a)はBkライン中心とセンサ受光面中心とが12dotずれている場合の結果、図11(b)はその位置関係を示す図である。
図12(a)はBkライン中心とセンサ受光面中心とが36dotずれている場合の結果、図12(b)はその位置関係を示す図である。いずれも図2におけるパッチP1の場合についての位置関係を示す図である。
【0055】
また、上記と同様の交点計算をライン幅:3dot、6dot、12dot、18dotについても行った。その結果を図13に示す。図13の横軸は誤差因子として取り上げた「Bkライン中心の受光面中心に対するずらし量」であり、縦軸はそのときの交点計算結果を示す。
この結果から、ライン幅を広くするに従い、検出誤差が大きくなってしまうことが判る。
ただ、図13に示す結果は、受光幅(=受光径)を3mm固定とした条件下における結果であるために、図14ではライン幅の受光幅との比を横軸にとり、縦軸に図13に示されるプラス側の最大検出誤差、マイナス側の最大検出誤差をプロットした。
【0056】
先に述べた通り、検出誤差最大許容値は解像度(=書き込み密度)によって決まるために、図15では横軸に解像度(=書き込み密度)を取り、縦軸には図14に示す縦軸の最大検出誤差から求めた各解像度の「ライン幅/受光幅比」をプロットした。(※検出誤差最大許容値=±25.4/解像度dpi×1000/2[μm])
図15に示すグラフより、カラー画像形成装置の書き込み密度(=解像度)に対し、ライン幅/受光径比は、以下の関係を満足しなければならないことが判る。
[ライン幅/受光幅]<5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331
この関係に基づくと、図1に示すカラープリンタの書き込み密度は600dpiであるために、
[ライン幅/受光幅]<5.0627×[600(dpi)]− 0.5331
<0.167
ここで、受光幅は3mmであるから、
[ライン幅]<0.167×3[mm]
<0.501[mm]
<11.8[dot]
となるので、ライン幅は11.8dot以下に設定しなければならない。このようなライン幅と受光幅との関係が解像度との関係においてあるが故に、ライン幅を24dotとした実験結果(図37)では位置ずれ量の計算結果が34.74μmと、検出誤差最大許容値以上となり、上記関係を満足するライン幅11.8dot以下の条件であるライン幅10dotラインとした実験結果(図38)では計算結果が12.91μmと位置ずれ量が検出誤差最大許容値以下で算出できたものと考えられる。
【0057】
これまでの検討では、2色の重ね合わせパターンを位置合わせパターン検知センサで検知する場合において、位置合わせパターンのライン幅及び受光幅(又は受光径)は、画像形成装置の書き込み密度及び画像形成装置の補正すべき最大ずれ量に対し、どのような根拠に基づき設定すればよいかについて理論的に考えてきた。
しかしながら、このようにして条件設定した場合においても、実際に実験を行った結果では位置ずれ検出誤差が大きくなる場合があった。その実験結果を図16に示す。
図16のグラフは、図2で示したようなBkラインとカラーラインの重ね合わせパターンで、各色のライン幅を1000μmとし、Bkラインに対しカラーラインを100μmずつずらしたパッチを21個形成してなる位置合わせパターンを転写ベルト18上に形成し、200万画素CCD搭載デジタルマイクロスコープにて各パッチのシアン(C)とBkとの線幅比を測定し、「横軸のカラーラインの任意のシフト量」に対してプロットしたものである。
極大値近傍では「横軸のカラーラインの任意のシフト量」に対する線幅比の変化率が減少してしまっていることが判る。
図17は、各色のライン幅を500μmとし、Bkラインに対しカラーラインを10μmずつずらしたパッチをセンサで検出したたもので、横軸のシフト量と縦軸のセンサ出力電圧との関係を示すグラフである。本図からも極大値近傍及び極小値近傍で直線性が悪化していることが判る。
【0058】
このようなことを調べたのは、実際に、図3に示した位置合わせパターン検知センサ40にて測定される出力電圧が、極大値近傍において飽和してしまう結果を示していたからであるが、実験の結果、図16及び図17に示すように、実際の転写ベルト18上に形成されたパッチでも飽和してしまっていることが確認された。
従って、この極大値近傍の出力の飽和現象は、センサ側の問題ではなく、パターン形成をしている画像形成装置側の問題であるといえる。
このような結果となった理由は、Bk、Cライン共に狙いのライン幅(=1000μm)に対し太りが生じてしまっていたからであることがデジタルマイクロスコープによる観察で確認できた。
このような現象が生じる原因にはトナー濃度の影響等が挙げられるが、特にラインのエッジ効果の生じやすい2成分方式の現像装置を使った場合には顕著となる。
【0059】
なお、今回の結果では、図18に示すように、Bkライン、Cラインが共にライン太りしていたために、このような出力の飽和が極大値側のみに現れた。図18に示すように、共にライン太りが生じている場合、Cラインを図18(a)に示すパッチAの状態から図18(b)に示すパッチBの状態にシフトしても、Bkライン間におけるCラインには変化が生じず出力は同じとなり、検知することができない。
この実験則を踏まえれば、もし仮にBkのトナー濃度が非常に高く、その結果Bkラインのみがライン太りが生じ、逆にカラーのトナー濃度が非常に低く、潜像に対し忠実な線幅のラインを形成した場合には、極小値近傍で同様の出力の飽和現象が発生するものと推定できる。
すなわち、図19に示すように、Cラインを図19(a)に示すパッチAの状態から図19(b)に示すパッチBの状態にシフトしても、CラインのシフトはBkラインの範囲内でなされるために変化は生じず出力は同じとなり、検知することができない。
【0060】
従って、近似直線を求めるのに用いるデータ点は、画像形成装置の持つ固有の特性による影響を極力排除するために、極大値及び極小値又はそれらの近傍のデータを除外するのが望ましい。具体的には、例えば、複数パッチの出力の最大値と最小値より、(最大値+最小値)/2±(最大値−最小値)×0.4のデータのみを計算に用いるようにする。
従来技術においては、連続したパッチの全点データより2つの近似直線を求め、交点計算を行う事によりずれ量を算出しており、上記のような交点近傍で生じる出力の飽和現象については論じられていない。
従って、従来技術においては、このような極値近傍で生じる出力の飽和現象により、2つの近似式の決定係数R2が悪化する場合があり、それにより交点計算により求まる位置ずれ量には誤差が生じてしまう場合があるといえる。
【0061】
また、本実施形態では、位置合わせパターンPmが形成される転写ベルト18には、明度L*(JISZ8729)=1.7のポリイミド製のベルトを用いている。これを含む上記のような構成とした理由について以下にさらに詳述する。(位置合わせパターンの構成について)
図20は、図3に示した位置合わせパターン検知センサ40のベルト地肌部、Bkベタパッチ部、C(シアン)パッチ部の正反射光出力電圧を、横軸のLED電流に対してプロットしたグラフである。
ここで例えば、転写ベルト地肌部の出力電圧が4.0vとなるLED電流設定(=37mA)時の各パッチ部の出力電圧を見てみると、表1に示すような結果となる。
【0062】
【表1】
【0063】
ここで、図20の位置合わせパターンを正反射光出力で読むことを考えると、P1、及びP13の面積比は、黒ライン×50%+カラーライン×50%であり、P7の面積比は、黒ライン×50%+カラーライン×50%であるために、各パッチ部のセンサ出力はおよそ、以下の通りとなる。
(「Bkライン群」が「カラーライン群」の上に形成されている場合)
P1、P13の出力電圧=0.12(Bkベタ)×0.5+1.91(Cベタ)×0.5=1.015v
P7の出力電圧=0.12(Bkベタ)×0.5+4.0(ベルト部)×0.5=2.06v
(「Bkライン群」が「カラーライン群」の下に形成されている場合)
P1、P13の出力電圧=0.12(Bkベタ)×0.5+1.91(Cベタ)×0.5=1.015v
P7の出力電圧=1.91(Cベタ)×0.5+4.0(ベルト部)×0.5=2.955v
【0064】
各パッチの出力電圧を、「横軸のカラーラインの任意のシフト量」に対しプロットすると、図21に示すような結果となる。図21より、以下のことが判る。
(正反射光により検知を行った場合)
(a)出力電圧は2色ラインが完全に重なり合ったパッチ(P7)にて最大となり、その出力電圧はほとんどベルト地肌部からの出力によって決まる。
(b)「黒ライン群」が「カラーライン群」に対して上である場合の方が、下である場合に比べ最小値(P1、P13)と最大値(P7)との出力差が小さくなる。
このように、正反射光による検知を行った場合の極大値(P7)の出力は、ベルト地肌部からの出力(∝光沢度)によって決まるために、
(c)経時的な摩耗、又は部分的なキズ等により、光沢度が低下すると、その部分の出力は低下してしまう。換言すれば、経時的な摩耗によるベルト劣化により検知ができなくなるために、これによりベルト寿命が決まる。
【0065】
つまり、図2で示したP2〜P12のように、部分的にベルト面が露出しているパッチ部の正反射光出力電圧は、ベルト光沢度、又は表面粗さRz等で表される表面形状特性のノイズの影響を受けやすいために、例えば、P6パッチの地肌部にキズがあると、これと鏡像関係にあるP8とで出力が異なってしまい、結果として計算によって求まる交点位置がずれるという結果が生じてしまう。
【0066】
これに対し、拡散反射光による検知を行った場合には、転写ベルト18の表面の粗さの影響をほとんど受けることなく位置ずれ量の検知ができる。
図22は、図3で示した位置合わせパターン検知センサ40のベルト地肌部、Bkベタ部、C(シアン)ベタ部の拡散反射光出力電圧を、横軸のLED電流に対しプロットしたものである。
正反射光出力が図24に示す通り、被検知物体(位置合わせパターンが形成された転写ベルト18)の光沢度との相関が高いのに対し、拡散反射光出力は図25に示す通り、被検知物体の明度L*との相関が高く光沢度との相関は無いために、本実施形態におけるカラープリンタに搭載されたL*=1.7の転写ベルト18は、黒トナーとほぼ同じ出力特性を持つ。図25から明らかなように、明度L*が約40まで直線性が得られ、明度L*が20まではその直線性が極めて高い。
ここで、先と同様に以下2つのケースについて考えてみると、各部出力電圧は表2に示すような結果となる。
【0067】
【表2】
【0068】
(「Bkライン群」が「カラーライン群」の上に形成されている場合)
P1、P13の出力電圧=0.16(Bkベタ)×0.5+3.42(Cベタ)×0.5=1.79v
P7の出力電圧=0.16(Bkベタ)×0.5+0.07(ベルト部)×0.5=0.115v
(「Bkライン群」が「カラーライン群」の下に形成されている場合)
P1、P13の出力電圧=0.16(Bkベタ)×0.5+3.42(Cベタ)×0.5=1.79v
P7の出力電圧=3.42(Cベタ)×0.5+0.07(ベルト部)×0.5=1.745v
【0069】
各パッチの出力電圧を、「横軸のカラーラインの任意のシフト量」に対しプロットすると、図23のような結果となる。図23より、以下のことが判る。
(拡散反射光により検知を行った場合)
(a)出力電圧は2色ラインが完全に重なり合ったパッチ(P7)にて最小となり、その出力電圧は「カラーライン群」の出力電圧によって決まる。
(b)「黒ライン群」が「カラーライン群」に対し上である場合の方が、下である場合に比べ最大値(P1、P13)と最小値(P7)との出力差を大きく取れる。
このように、拡散反射光による検知を行った場合の最大値(P7)の出力は、「カラーライン群」からの出力(∝明度)によって決まるために、
(c)経時的な摩耗、又は部分的なキズ等による影響を全く受ける事がない。換言すれば、検知性能がベルト劣化に依存しないために、転写ベルトの長寿命化が達成可能となる。
【0070】
以上より、基準色である黒のライン像と基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンを、この位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知センサにて検知することを考えた場合、転写ベルトの摩耗、又は部分的なキズ等の経時的な変動要因の影響を全く受けることのない検知を行うためには、
(1)拡散光出力による検知をすることが望ましく、
(2)基準色である黒ライン像の作像順序が、転写体上での色重ねの最終色であることが望ましく、
(3)位置合わせパターンを形成する転写体の明度(L*)が40以下、好ましくは20以下であることが望ましい、ということができる。
【0071】
なお、図24に示した結果は、42種類もの光沢度及び明度の異なる転写ベルトについて、LED電流If=20mA固定としたときの正反射光出力値を、横軸の転写ベルト表面の60°光沢度に対してプロットしたものである。またこの図に示す光沢度測定値は、日本電色社製の光沢度計PG−1を使い、測定角度60°の条件で測定した値である。
図25に示した結果は、図24に示したものと同じ42種類のベルトについて、LED電流20mA固定としたときの拡散反射光出力を、横軸の転写ベルト表面の明度L*に対してプロットしたものである。なお、この図に示す明度測定値は、X−Rite社製のX−Rite938を使い、光源D50、視野角2°の条件で測定した値である。
【0072】
上述した本発明の手法による効果確認のための実験を図26に示す。なお、各出力電圧のサンプリングは、本画像形成装置(カラープリンタ)の線速125mm/secに対し、500Sampling/secにて行った。
全パッチの出力電圧と、全パッチの出力電圧値から求めた2直線の傾き、y切片、RSQ(=決定係数)及び交点計算結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】
このように、上記実験では、図13に示したシミュレーションによる受光径3mm、ライン幅250μm(=約6dotライン)の位置ずれ量検出誤差最大値5.15μmに対し、位置ずれ量2.83μmという結果が得られた。
ただ、図26のグラフをみれば判る通り、やはり極値付近のデータは出力が飽和している傾向が見られる。
そこで、極値及び極値近傍のデータを除いた点で交点計算を行った結果を表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】
このように、極値及び極値近傍のデータ点を直線近似式算出のデータ点から除外することにより、直線性を表す近似直線の決定係数R2(=RSQ)を0.9713から0.9999(P1〜P7)に、0.9703から0.9998(P7〜P13)に、という具合に大幅に改善でき、その結果として、より高精度な位置ずれ量検知が可能となることが確認できた。
なお、この実験においても、転写ベルト18上に作成した位置合わせパターンの中央パッチP7の位置ずれ量を200万画素CCD搭載デジタルマイクロスコープにて観察し、ずれ量がゼロであることを確認した。
【0077】
以上の結果から、基準色である黒のライン像と基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、この位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知手段と、この位置合わせパターン検知手段からの出力信号から基準色と基準色以外との位置ずれ量とその方向を判断し、その位置ずれ量を補正する補正手段を備えた画像形成装置において、
▲1▼位置合わせパターンのライン幅を、位置合わせパターン検知手段の受光幅と画像形成装置の書き込み密度との関係において
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
の関係を満足するように、位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を設定することにより、出力の非線形性による位置ずれ量検出誤差を最大許容値以下とすることができ、また、
▲2▼交点計算に用いるデータ点から極値又はその近傍のデータを除外することにより、交点計算に用いる2つの近似直線の直線性が改善されるので、その結果として直線近似式算出に使うデータ点数、すなわちパターン数を各直線ともに最小で2点まで(全体のパッチ数は4つまで)減らすことができる。
すなわち、通常のプリント動作とは関係のない、すなわち、生産性に寄与しない位置ずれ調整動作の処理時間を大幅に短縮することが可能となる。
また、このようなセンサ(従来と同様の位置合わせパターン検知センサ40)を用いた場合でも、高精度な位置ずれ量検知が可能となることから、従来のエッジ検出方式に対し約1/100の低サンプリング周波数によるサンプリングで十分な位置ずれ量検知が可能となる。
【0078】
上述した位置合わせパターン検知センサ40及び手法に基づく位置ずれ補正は、位置ずれ量補正手段によってなされる。この位置ずれ量補正手段46を図5に基づいて説明する。
位置合わせパターン検知センサ40a、40b、40cの発光部である発光ダイオード40Aは発光量制御部47により発光量を制御され、出力側であるフォトダイオード40Bはアンプ48、フィルタ49、A/D変換器50、FIFOメモリ51を介してI/Oポート54に接続されている。
位置合わせパターン検知センサ40a、40b、40cから得られた検知信号は、アンプ(AMP)48によって増幅され、フィルタ49を通過してA/D変換器50によってアナログデータからデジタルデータへと変換される。
データのサンプリングはサンプリング制御部52によって制御され、サンプリングされたデータはFIFOメモリ51に格納される。サンプリング制御部52、書込制御基板53はI/Oポート54に接続されている。
【0079】
I/Oポート54、CPU55、ROM56、RAM57はデータバス58とアドレスバス59により接続されている。
ROM56には、位置合わせパターンPmの位置ずれ量を演算するためのプログラムを始め、各種のプログラムが格納されている。位置合わせパターンPmの位置ずれ量を演算するためのプログラムには、上述した交点計算に用いるデータ点から極値データ等を除外する等の条件が盛り込まれている。
アドレスバス59によって、ROMアドレス、RAMアドレス、各種入出力機器の指定を行っている。
CPU55は、位置合わせパターン検知センサ40a、40b、40cからからの検知信号を定められたタイミングでモニタし、位置合わせパターン検知センサ40a、40b、40cの発光ダイオード40Aの劣化等が起こっても確実に位置合わせパターンPmの検知が行えるように、発光ダイオード40Aの発光量を発光量制御部47によって制御し、フォトダイオード40Bからの受光信号の出力レベルが常に一定となるようにする。
【0080】
また、CPU55は、位置合わせパターン(後述する副走査方向の位置ずれ検知を目的とした位置合わせパターンを含む)の検知結果から求めた補正量に基づき、主、副レジストの変更及び倍率誤差に基づき画周波数を変更するために書込制御基板53に対してその設定を行う。
書込制御基板53には、出力周波数を非常に細かく設定できるデバイス、例えばVCO(Voltage Controlled Oscillator)を利用したクロックジェネレータ等を、基準色を含め各色に対して備えている。この出力を画像クロックとして用いている。また、CPU55は、位置合わせパターンの検知結果から求めた補正量に基づき、光書き込みユニット16内の図示しないスキュー調整用のステッピングモータの制御も行っている。
位置合わせパターン検知センサ40a、40b、40cを除く上記各要素により位置ずれ量補正手段46が構成されている。位置ずれ量補正手段46は、カラープリンタのメインコントローラが兼ねることができる。
【0081】
上記位置ずれ量補正手段46による位置ずれ調整動作は、▲1▼電源投入時、▲2▼光学系の温度変化が所定値(例えば5deg)以上あった場合、▲3▼ある一定枚数以上のプリントジョブがあったジョブ終了時のいずれかの条件に一致したときに実行される。
上記第1の実施形態では、主走査方向の色ずれを検知するための位置合わせパターンについて述べたが、副走査方向(転写ベルト18の進行方向と同方向)の色ずれを検知する場合には、図27に示すような位置合わせパターンPsが転写ベルト18上に、例えば図4で示した場合と同様の態様で形成される。
位置合わせパターンPsは位置合わせパターンPmと同様に、基準色である黒のライン像Bkと該基準色以外の色、例えばシアンのライン像Cとを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成して構成されている。
また、位置合わせパターンの走査方向に対する向き(角度)は、図28に示すように、どのようであってもよく、位置合わせパターン検知センサ40の受光面形状も円形状のみならず、楕円であっても四角形であっても同様である。
【0082】
本発明は、ビームスプリッタを用いることにより、光をP波、S波の成分に分解するような構成のセンサの受光面形状及びセンサのパターン走査方向の配置に対しても有効である(第2の実施形態)。
その一例を図29に基づいて説明する。本実施形態における位置合わせパターン検知手段としての位置合わせパターン検知センサ60は、1つの発光部としての発光ダイオード(以下、LEDという)61と、3つの受光部としてのフォトダイオード(以下、PDという)62、63、64と、2つの偏光ビームスプリッタ(以下、PBSという)65、66を有している。
【0083】
LED61から放射された投光67の偏光状態はランダムであるが、PBS65によって、入射面に対して垂直方向に振動する光成分(S波光)と、入射面に対して平行方向に振動する光成分(P波光)とに分離される。S波光68はPBS65で反射してPD62に入射し、P波光69はPBS65を透過して転写ベルト18の位置合わせパターンに投光される。
位置合わせパターンから反射したP波光69は乱反射によって偏光状態がランダムになり、PBS66によってP波光70とS波光71に分離される。P波光70はPBS66を透過してPD63に入射し、S波光71はPBS66で反射してPD64に入射する。
本実施形態では、受光部としてのPD62、63、64は、拡散反射光ではなく拡散反射成分を受光する。
【0084】
上記各実施形態では、4連タンデム直接転写方式のカラー画像形成装置での適用例を示したが、図30に示すように、4連タンデム構成で中間転写体へ転写した後転写紙へ一括転写する方式のカラー画像形成装置においても同様に実施できる(第3の実施形態)。
本実施形態では上述した位置合わせパターンPm、Psが中間転写体としての中間転写ベルト2上に形成され、これを支持ローラ2Bの近傍に配置された位置合わせパターン検知センサ40により検知する。位置ずれ量補正手段は第1の実施形態と同様である。
【0085】
以下に、本実施形態における画像形成装置としてのタンデム型のカラー複写機の構成及び動作の概要を説明する。カラー複写機1は、装置本体中央部に位置する画像形成部1Aと、該画像形成部1Aの下方に位置する給紙部1Bと、画像形成部1Aの上方に位置する画像読取部1Cを有している。
画像形成部1Aには、水平方向に延びる転写面を有する転写体としての中間転写ベルト2が配置されており、該中間転写ベルト2の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体3Y、3M、3C、3Bが中間転写ベルト2の転写面に沿って並置されている。
【0086】
各感光体3Y、3M、3C、3Bはそれぞれ同じ反時計回り方向に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電手段としての帯電装置4、各感光体3Y、3M、3C、3B上に画像情報に基づいて電位VLの静電潜像を形成するための露光手段としての光書込装置5、各感光体3上の静電潜像を該静電潜像と同極性のトナーで現像する現像手段としての現像装置6、一次転写手段としての転写バイアスローラ7、印加電圧部材15、クリーニング装置8が配置されている。各符号に付記しているアルファベットは、感光体3と同様、トナーの色別に対応している。各現像装置6にはそれぞれのカラートナーが収容されている。
中間転写ベルト2は、複数のローラ2A〜2Cに掛け回されて感光体3Y、3M、3C、3Bとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を備えている。転写面を支持するローラ2A、2Bとは別のローラ2Cは、中間転写ベルト2を挟んで2次転写装置9に対向している。図30中、符号10は中間転写ベルト2を対象としたクリーニング装置を示している。
【0087】
感光体3Yの表面が帯電装置4Yにより一様に帯電され、画像読取部1Cからの画像情報に基づいて感光体3Y上に書き込み密度(=解像度)600dpiで静電潜像が形成される。該静電潜像はイエローのトナーを収容した2成分(キャリアとトナー)現像装置6Yによりトナー像として可視像化され、該トナー像は第1の転写工程として、中間転写ベルト2上に、転写バイアスローラ7Yに印加された電圧による電界で引き付けられて転写される。
印加電圧部材15Yは感光体3Yの回転方向における転写バイアスローラ7Yの上流側に設けられている。印加電圧部材15Yにより、中間転写ベルト2に感光体3Yの帯電極性と同極性で且つ絶対値がベタ時VLより大きい電圧を印加し、転写領域にトナー像が入る以前に感光体3Yから中間転写ベルト2へトナーが転写することを防止して、感光体3Yから中間転写ベルト2へのトナーの転写時のチリによる乱れを防止する。
【0088】
他の感光体3M、3C、3Bでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が中間転写ベルト2上に順に転写されて重ね合わせられる。
転写後感光体3上に残留したトナーはクリーニング装置8により除去され、また、転写後図示しない除電ランプにより感光体3の電位が初期化され、次の作像工程に備えられる。
2次転写装置9は、帯電駆動ローラ9A及び従動ローラ9Bに掛け回されて中間転写ベルト2と同方向に移動する転写ベルト9Cを有している。転写ベルト9Cを帯電駆動ローラ9Aにより帯電させることで、中間転写ベルト2に重畳された多色画像あるいは担持されている単一色の画像を転写材としての用紙28に転写することができる。
【0089】
2次転写位置には給紙部1Bから用紙28が給送されるようになっている。給紙部1Bには用紙28が積載収容される複数の給紙カセット1B1と、給紙カセット1B1に収容された用紙28を最上のものから順に1枚ずつ分離して給紙する給紙コロ1B2と、搬送ローラ対1B3と、2次転写位置の上流に位置するレジストローラ対1B4等が設けられている。
給紙カセット1B1から給紙された用紙28は、レジストローラ対1B4で一旦停止され、斜めずれ等を修正された後、中間転写ベルト2上のトナー像の先端と搬送方向先端部の所定位置とが一致するタイイングでレジストローラ対1B4により2次転写位置に送られる。装置本体の右側には起倒可能に手差しトレイ29が設けられており、該手差しトレイ29に収容された用紙28は給紙コロ31により給送された給紙カセット1B1からの用紙搬送路と合流する搬送路によりレジストローラ対1B4に向けて送られる。
【0090】
光書込装置5では、画像読取部1Cからの画像情報あるいは図示しないコンピュータから出力される画像情報により書き込み光が制御されて感光体3Y、3M、3C、3Bに対して画像情報に応じた書き込み光を出射して静電潜像を形成するようになっている。
画像読取部1Cは、自動原稿給送装置1C1と、原稿載置台としてのコンタクトガラス80を有するスキャナ1C2等を有している。自動原稿給送装置1C1は、コンタクトガラス80上に繰り出される原稿を反転可能な構成を有し、原稿の表裏各面での走査が行えるようになっている。
光書込装置5により形成された感光体3上の静電潜像は現像装置6によって可視像処理され、中間転写ベルト2に1次転写される。中間転写ベルト2に対して各色毎のトナー像が重畳転写されると、2次転写装置9により用紙28上に一括して2次転写される。2次転写された用紙28は定着装置11へ送られ、ここで熱と圧力により未定着画像を定着される。2次転写後の中間転写ベルト2上の残留トナーは、クリーニング装置10により除去される。
【0091】
定着装置11を通過した用紙28は、定着装置11の下流側に設けられた搬送路切り換え爪12により、排紙トレイ27に向けた搬送路と反転搬送路RPとに選択的に案内される。排紙トレイ27に向けて搬送された場合には、排紙ローラ対32により排紙トレイ27上に排出され、スタックされる。反転搬送路RPへ案内された場合には反転装置38により反転され、再度レジストローラ対1B4に向けて送られる。
【0092】
以上の構成により、カラー複写機1では、コンタクトガラス80上に載置された原稿を露光走査することにより、あるいはコンピュータからの画像情報により、一様に帯電された感光体3に対して静電潜像が形成され、該静電潜像が現像装置6によって可視像処理された後、トナー像が中間転写ベルト2に1次転写される。
中間転写ベルト2に転写されたトナー像は、単一画像の場合にはそのまま給紙部1Bから繰り出された用紙28に転写される。多色画像の場合には1次転写が繰り返されることにより重畳された後、用紙28に一括して2次転写される。
2次転写後の用紙28は定着装置11により未定着画像を定着された後、排紙トレイ27に排出され、あるいは反転されて両面画像形成のために再度レジストローラ対1B4に向けて送られる。
【0093】
また、1つ感光体ドラムとリボルバー方式の現像装置を用いて各色のトナー像を形成し、各トナー像を中間転写体に重ね合わせ転写した後、シート状記録媒体としての転写紙上に一括転写する方式のカラー画像形成装置においても同様に実施することができる(第4の実施形態)。その一例を図31に示す。
本実施形態では、上述した位置合わせパターンPm、Psが中間転写体としての中間転写ベルト426上に形成され、これを駆動ローラ444の近傍に配置された位置合わせパターン検知センサ40により検知する。位置ずれ量補正手段は第1の実施形態と同様である。
【0094】
以下に、本実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機の構成の概要を説明する。
カラー複写機において、露光手段としての書き込み光学ユニット400は、カラースキャナ200からのカラー画像データを光信号に変換して原稿画像に対応した光書き込みを行い、像担持体である感光体ドラム402上に書き込み密度(=解像度)600dpiにて静電潜像を形成する。
該書き込み光学ユニット400は、レーザーダイオード404、ポリゴンミラー406とその回転用モータ408、f/θレンズ410や反射ミラー412等により構成されている。
感光体ドラム402は、矢印で示すように反時計回りの向きに回転され、その周囲には、感光体クリーニングユニット414、除電ランプ416、電位センサ420、回転式現像装置422のうちの選択された現像器、現像濃度パターン検知器424、中間転写体としての中間転写ベルト426等が配置されている。
【0095】
回転式現像装置422は、ブラック用現像器428、シアン用現像器430、マゼンタ用現像器432、イエロー用現像器434と、各現像器を回転させる図示しない回転駆動部を有している。各現像器は、キャリアとトナーとの混合現像剤が入った、いわゆる2成分現像方式の現像器であり、上記実施形態で示した現像装置4と同様の構成を有している。磁性キャリアの条件や仕様等も同様である。
待機状態では、回転式現像装置422は、ブラック現像の位置にセットされており、コピー動作が開始されると、カラースキャナ200で所定のタイミングからブラック画像のデータの読み取りがスタートし、この画像データに基づいてレーザ光による光書き込み・静電潜像(ブラック潜像)の形成が始まる。
【0096】
このブラック潜像の先端部から現像するために、ブラック用現像器428の現像位置に潜像先端部が到達する前に、現像スリーブを回転開始してブラック潜像をブラックトナーで現像する。感光体ドラム402にはマイナス極性のトナーが作像される。
そして、以後、ブラック潜像領域の現像動作を続けるが、潜像後端部がブラック現像位置を通過した時点で、速やかにブラックのための現像位置から次の色の現像位置まで、回転式現像装置422が回転する。当該動作は、少なくとも、次の画像データによる潜像先端部が到達する前に完了させる。
像形成サイクルが開始されると、まず、感光体ドラム402は矢印で示すように反時計回りの向きに、中間転写ベルト426は時計回りの向きに、図示しない駆動モータによって回転させられる。中間転写ベルト426の回転に伴って、ブラックトナー像形成、シアントナー像形成、マゼンタトナー像形成、イエロートナー像形成が行われ、最終的にブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に、中間転写ベルト426上に重ねられ(1次転写)、トナー像が形成される。
【0097】
中間転写ベルト426は、感光体ドラム402に対向する1次転写電極ローラ450、駆動ローラ444、2次転写ローラ454に対向する2次転写対向ローラ446、中間転写ベルト426の表面を清掃するクリーニング手段452に対向するクリーニング対向ローラ448Aの各支持部材間に張架されており、図示しない駆動モータにより駆動制御されるようになっている。
感光体ドラム402に順次形成されるブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像が中間転写ベルト426上で正確に順次位置合わせされ、これによって4色重ねのベルト転写画像が形成される。このベルト転写画像は2次転写対向ローラ446により用紙に一括転写される。
【0098】
給紙バンク456内の各記録紙カセット458、460、462には装置本体内のカセット464に収容された用紙のサイズとは異なる各種サイズの用紙が収容されており、これらのうち、指定されたサイズ紙の収容カセットから、該指定された用紙が給紙コロ466によってレジストローラ対470方向に給紙・搬送される。図31において、符号468はOHP用紙や厚紙等のための手差し給紙トレイを示す。
像形成が開始される時期に、用紙は上記いずれかのカセットの給紙口から給送され、レジストローラ対470のニップ部で待機する。そして、2次転写対向ローラ446に中間転写ベルト426上のトナー像の先端がさしかかるときに、丁度用紙先端がこの像先端に一致するようにレジストローラ対470が駆動され、用紙と像のレジスト合わせが行われる。
【0099】
このようにして、用紙が中間転写ベルト426と重ねられて、トナーと同極性の電圧が印加される2次転写対向ローラ446の下を通過する。このとき、トナー画像が用紙に転写される。続いて、用紙は除電され、中間転写ベルト426から剥離して紙搬送ベルト472に移る。
中間転写ベルト426から4色重ねトナー像を一括転写された用紙は、紙搬送ベルト472によりベルト定着方式の定着装置470へ搬送され、この定着装置470で熱と圧力によりトナー像を定着される。定着を終えた用紙は排出ローラ対480で機外へ排出され、図示しないトレイにスタックされる。これにより、フルカラーコピーが得られる。
【0100】
本発明における上述した位置合わせパターン検知センサは、2色の重ね合わせパッチを複数形成することにより構成される位置合わせパターンを検出することにより、位置ずれ量を検知、補正を行う画像形成装置であれば、どれでも適用できるために、インクジェット装置の位置ずれ検知センサとしても適用可能である(第5の実施形態)。
その一例を図32乃至図34に基づいて説明する。
【0101】
まず、図32に基づいて画像形成装置としてのインクジェット記録装置500の概略構成及び印字機能を説明する。インクジェット記録装置500は、装置本体501の内部に、主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部502等を有している。
装置本体501の下方部にはシート状記録媒体としての用紙503を積載収容可能な給紙カセット504が設けられており、該給紙カセット504は前方側(図中左側)から装置本体501に対して着脱自在に設けられている。
装置本体501の前面には手差しトレイ505が開閉自在に設けられており、給紙カセット504又は手差しトレイ505から給紙される用紙503を搬送して印字機構部502により書き込み密度(=解像度)600dpiにて所定の画像を記録した後、装置本体501の後面側に設けられた排紙トレイ506に排紙するようになっている。装置本体501の上面は上カバー507が開閉自在に設けられている。
【0102】
印字機構部502では、図示しない左右の側板間に支持された主ガイドロッド508と従ガイドロッド509によりキャリッジ510が主走査方向(紙面垂直方向)に摺動自在に保持されており、該キャリッジ510の下面側には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出するノズルを有するインクジェットヘッドからなる記録ヘッド511が設けられている。キャリッジ510の上側には記録ヘッド511に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ512が交換可能に設けられている。
記録ヘッド511としては、各色のインク滴を吐出する複数個のヘッドを主走査方向に並べて配置したもの、あるいは各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドを用いたものでもよい。
【0103】
記録ヘッド511の下方には、該記録ヘッド511による印写位置に対して用紙503を副走査方向に搬送するために、搬送ローラ513と従動ローラ514の間に用紙503を静電吸着して搬送する搬送ベルト515が掛け回されている。搬送ベルト515は中間ローラ516によってテンションを付与されている。
搬送ベルト515を挟んで搬送ローラ513と対向する位置には、搬送ベルト515を帯電させるためのバイアスローラ517が配設されている。搬送ベルト515の平面起点部付近には、用紙503を搬送ベルト515側に押し付ける押さえローラ518が配設されている。ここで、搬送ベルト515の平面起点部とは、搬送ベルト515の記録ヘッド511側で該記録ヘッド511と平行になる部分の用紙搬送方向上流側、具体的には搬送ローラ513から搬送ベルト5151が離れる部分を意味している。
【0104】
給紙カセット504に収容された用紙503は、給紙コロ519及びフリクションパッド520により最上のものから順に1枚ずつ分離され、湾曲したガイド部材521によりバイアスローラ517と搬送ベルト515のニップ部に向けて搬送される。
搬送ベルト515の用紙搬送方向下流側上方には、用紙503に形成される位置合わせパターンPmを検知する位置合わせパターン検知センサ40が設けられている。位置ずれ量補正手段は第1の実施形態と同様である。
図33は搬送ベルト515周辺の拡大図であるが、図32で示した押さえローラ518に代えて板状の抑え部材522を設けてもよい。
図34に示すように、位置合わせパターンが形成される転写体としての用紙503上に例えば図35で示した位置合わせパターンPkが形成され、これを位置合わせパターン検知センサ40で検知して色ずれを補正する。
【0105】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成する位置合わせパターンの形成方法において、上記位置合わせパターンのライン幅と、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との相関関係を実験的に導出し、導出された結果に基づいて上記ライン幅を決定することとしたので、基準色以外の色のライン像の任意のシフト量に対する2直線の直線性を悪化させているライン幅、受光幅との関係による要因を低減でき、直線性の向上、すなわち位置合わせパターン検知精度の向上を図ることができる。
【0106】
請求項2記載の発明によれば、基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンの形成方法において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅と、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との相関関係を実験的に導出し、導出された結果に基づいて上記ライン幅を決定することとしたので、基準色以外の色のライン像の任意のシフト量に対する2直線の直線性を悪化させているライン幅、受光幅との関係による要因を低減でき、直線性の向上、すなわち位置合わせパターン検知精度の向上を図ることができる。
【0107】
請求項3記載の発明によれば、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成することとしたので、基準色以外の色のライン像の任意のシフト量に対する2直線の直線性を悪化させているライン幅、受光幅との関係による要因を最大許容値以下とすることができる。その結果、
▲1▼:従来のエッジ検出方式に比べ、約1/100の低サンプリング周波数でも高精度な検知が可能となる。
▲2▼:▲1▼の結果として、サンプリング以降の処理回路部も高速化する必要がなくなるために、エレキハードウエア構成を大幅にコストダウン可能となる。
▲3▼:2直線の直線性が大幅に改善されるので、位置合わせパターンを構成するパッチ数を大幅に減らすことが可能となる。
▲4▼:▲3▼の結果として、位置ずれ調整のように、通常プリントとは関係のない調整に要する処理時間を大幅に短縮できるので、生産性を大幅に向上することができる。
【0108】
請求項4記載の発明によれば、基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成することとしたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0109】
請求項5記載の発明によれば、転写体上に基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成される位置合わせパターンにおいて、上記ライン像のライン幅を、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成したこととしたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0110】
請求項6記載の発明によれば、転写体上に基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンにおいて、上記ライン像のライン幅を、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成したこととしたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0111】
請求項7記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成する構成としたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0112】
請求項8記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成する構成としたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0113】
請求項9記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成する構成としたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0114】
請求項10記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成する構成としたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0115】
請求項11記載の発明によれば、請求項8又は10記載の画像形成装置において、基準色である黒ライン像の作像順序は、上記転写体上での色重ねの最終色である構成としたので、高いSN比が得られ、検知精度を向上させることができる。
【0116】
請求項12記載の発明によれば、請求項7乃至10のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記位置合わせパターンを形成する上記転写体の明度(L*)が40以下、好ましくは20以下である構成としたので、高いSN比が得られ、検知精度を向上させることができる。
【0117】
請求項13記載の発明によれば、請求項7乃至10のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、位置合わせパターン検知手段の出力電圧の極大値又は極小値近傍における飽和現象による直線性悪化を排除でき、近似直線の直線性をより高められるので、位置ずれ検知精度を向上させることができる。
【0118】
請求項14記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、位置合わせパターン検知手段の出力電圧の極大値又は極小値近傍における飽和現象による直線性悪化を排除でき、近似直線の直線性をより高められるので、位置ずれ検知精度を向上させることができる。
【0119】
請求項15記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、請求項14記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0120】
請求項16記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、請求項14記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0121】
請求項17記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、請求項14記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0122】
請求項18記載の発明によれば、請求項13乃至17のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、2成分現像方式の現像装置を有している構成としたので、位置合わせパターンの形成におけるライン太り又は細りが生じやすいので、特に、近似直線の直線性をより高めて位置ずれ検知精度を向上させる効果を発揮させることができる。
【0123】
請求項19記載の発明によれば、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成する構成としたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0124】
請求項20記載の発明によれば、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成する構成としたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0125】
請求項21記載の発明によれば、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、請求項14記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0126】
請求項22記載の発明によれば、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、請求項14記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0127】
請求項23記載の発明によれば、請求項7乃至22のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記位置合わせパターン検知手段の受光部が、拡散反射光又は拡散反射成分を検知するように構成されていることとしたので、2直線の直線性の高い改善機能を得ることができ、位置合わせパターンの検知精度を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置としてのカラープリンタの概要正面図である。
【図2】主走査方向の位置ずれ検知用の位置合わせパターンの概要平面図である。
【図3】位置合わせパターンの走査方向に対する位置合わせパターン検知センサの配置関係を示す概要平面図である。
【図4】転写ベルト上における位置合わせパターンの形成位置と位置合わせパターン検知センサとの位置関係を示す概要平面図である。
【図5】位置ずれ量補正手段を示すブロック図である。
【図6】顕微鏡観察による各パッチのBkラインに対するカラーライン幅の実測値を示すグラフである。
【図7】位置合わせパターン検知センサの受光面形状が円形であることにより生じる面積増分の非線形性を示す図である。
【図8】位置合わせパターン検知センサの受光面形状が円形であることにより生じる面積増分の非線形性を示す図である。
【図9】円形の受光面内における長方形の面積を求める図である。
【図10】受光面内に占めるカラーライン像の面積値を各パッチの出力値とするシミュレーション計算によるグラフ及びBkライン中心と受光面中心との位置関係を示す図である。
【図11】受光面内に占めるカラーライン像の面積値を各パッチの出力値とするシミュレーション計算によるグラフ及びBkライン中心と受光面中心との位置関係を示す図である。
【図12】受光面内に占めるカラーライン像の面積値を各パッチの出力値とするシミュレーション計算によるグラフ及びBkライン中心と受光面中心との位置関係を示す図である。
【図13】Bkライン中心の受光面中心からのずれ量に対する検出誤差を示すグラフである。
【図14】ライン幅/受光径比に対する検出誤差を示すグラフである。
【図15】解像度とライン幅/受光幅比の最大許容値の関係を示すグラフである。
【図16】転写ベルト上の位置合わせパターンのずれ量の実測結果を示すグラフである。
【図17】転写ベルト上の位置合わせパターンのずれ量のセンサによる実測結果を示すグラフである。
【図18】BkラインとCラインが共にライン太りを生じている状態を示す図である。
【図19】Bkラインのみにライン太りが生じている状態を示す図である。
【図20】LED発光電流と正反射光出力との関係を示すグラフである。
【図21】正反射光により検知を行った場合の位置ずれパターン出力を示すグラフである。
【図22】LED発光電流と拡散反射光出力との関係を示すグラフである。
【図23】拡散反射光により検知を行った場合の位置ずれパターン出力を示すグラフである。
【図24】転写ベルト表面の光沢度とセンサ出力との関係を示すグラフである。
【図25】転写ベルト表面の明度と拡散光出力との関係を示すグラフである。
【図26】Bkラインに対するカラーラインのシフト量と拡散反射光出力電圧との関係を示すグラフである。
【図27】副走査方向の位置ずれ検知用の位置合わせパターンの概要平面図である。
【図28】位置合わせパターンの走査方向に対する向き(角度)の変化を示す図である。
【図29】第2の実施形態における位置合わせパターン検知センサの構成を示す図である。
【図30】第3の実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機の概要正面図である。
【図31】第4の実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機の概要正面図である。
【図32】第5の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概要正面図である。
【図33】図32における搬送ベルト周辺の拡大図である。
【図34】インクジェット記録装置における位置合わせパターンの形成と位置合わせパターン検知センサの位置関係を示す概要平面図である。
【図35】2色のラインの重ね合わせにより構成される位置合わせパターンの概要平面図である。
【図36】位置合わせパターンの走査方向に対する従来の光学センサの各素子の配置を示す概要平面図である。
【図37】従来の光学センサを用いた場合のライン幅が24dotの位置ずれパターンの出力電圧と交点計算結果を示すグラフである。
【図38】従来の光学センサを用いた場合のライン幅が10dotの位置ずれパターンの出力電圧と交点計算結果を示すグラフである。
【符号の説明】
Pm、Ps 位置合わせパターン
40、60 位置合わせパターン検知手段としての位置合わせパターン検知センサ
702 受光部としてのフォトトランジスタ
46 位置ずれ量補正手段
Bk 黒のライン像
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、インクジェット記録装置等のカラー画像を形成する画像形成装置、該画像形成装置における位置合わせパターンの形成方法及び位置合わせパターンに関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでは、1つ感光体ドラムとリボルバー方式の現像装置を用いて各色のトナー像を形成し、各トナー像を中間転写体に重ね合わせ転写した後、シート状記録媒体としての転写紙上に一括転写する方式のカラー画像形成装置が主流であった。
これに対し、近年におけるカラー画像出力装置の高速化、及び高機能化の流れにより、感光体(像担持体)及びこれに対応した現像装置を含む画像形成ユニットを色別に複数、転写ベルトに対向させた位置に並設し、像担持体上のトナー像を転写紙あるいは転写ベルト上に順次転写させる構成の、いわゆる4連タンデム方式のカラー画像形成装置が主流を占めるようになってきた。
【0003】
このような方式のカラー画像形成装置にあっては、各色の像担持体上に形成されたトナー像を同時的に転写できるために、プリント速度の高速化を図れる利点があるもの、従来の1ドラム中間転写方式のカラー画像形成装置に比べ、その方式上、各色間の色ずれに対しては不利となる。
この色ずれという技術課題に対し、これまでに幾つもの補正方法が提案されている。例えば特公平7−19084号公報には、転写ベルト上に各色のライン像を作像し、このライン像の通過を検知センサにより検知し、各色のライン像の通過タイミングの理想からのずれ量を測定することにより、各色の位置ずれ量を把握し、補正を行う技術が開示されている。
【0004】
このような手法は、検知センサを通過するパターンのエッジを検出するする方式であるために、検出精度はサンプリング周波数によって決まってしまう。すなわち、もし解像度が600dpiの機械であって補正単位が42.3μm(=25.4/600×1000)である場合、検知は少なくともその補正単位の±1/2(=21.7μm)以下の検知ができなければならず、転写ベルト上ライン像の線速が125mm/secである場合には、[サンプリング周波数]=[線速]/[25.4/解像度dpi/2]の式により、最低必要なサンプリング周波数を求めると6kHz以上と計算されるが、この場合(=6kHz)の検出精度(=検出誤差)は21.7μmとなる。
もしこの数値を直接位置ずれ補正にフィードバックする場合には、この程度のサンプリング周波数でも問題ないかもしれないが、この検出結果(=xμm)を他の演算にも利用する必要がある場合、例えば、用紙の搬送方向に対し左右両端にてこの様な検知を行い、両端の検知結果に基づきスキュー補正を行う、又は倍率誤差補正を行う等の場合には、より高い検出精度が必要とされるために、例えば検出精度として2μmが必要である場合には、サンプリング周波数を60kHzという具合に非常に高くする必要がある。
【0005】
このように、必要なサンプリング周波数は線速及び解像度に比例するために、データサンプリング以降の処理ブロックについてもその高速サンプリングに対応できる高い処理速度が必要となるので、色ずれ補正のためにかかるコストが装置の高速化にほぼ比例してアップしてしまうという問題があった。
パターンのエッジの検出精度を向上させるための検出手段として、高精度、高分解能を持つCCDセンサにて検出するような方法も提案されているが、このような検出手段を用いた場合にも、装置の複雑化、コストアップ等の問題を避けられなかった。
【0006】
このような問題に対処すべく、例えば特許第3254244号公報には、第1色目のトナー像に第2色目のトナー像を重ねて形成されたトナー像パターンと、2色のパターンの相対的位置関係を所定量ずらしたタイミングで形成されたトナー像パターンとを、光学センサによりその平均的な濃度を検出し、その信号出力から第1色目と第2色目との位置ずれ量と位置ずれ方向を判断し、補正する技術が開示されている。
この技術では、位置ずれ量の検知を、パターン像(ライン像)のエッジ検出によるのではなく、パターン全体の平均的な光学センサの出力信号を検出することによっているために、必要なサンプリング周波数は500Hz以下(2msec毎)程度、すなわち特公平7−19084号公報に記載されたものと比較して1/100程度の低いサンプリング周波数で検知可能である。
【0007】
よって、特許第3254244号公報記載の位置ずれ検出方法を用いた場合でも、特公平7−19084号公報に記載の技術と同等レベルの検出精度が得られれば、位置ずれ量検出に関してハードウエアをより安価に構成できるため、大幅なコストダウンが可能となる。
特許第3254244号公報記載の位置ずれ検出方法に類似するものとしては、例えば、特開平10−329381号公報、特開2000−81745号公報、特開2001−209223号公報、特開2002−40746号公報、特開2002−229280号公報等に記載のものがある。
ここで、特許第3254244号公報に示される2色のトナー像の重ね合わせパターンの光学センサからの出力信号に基づいた位置ずれ補正を行うことを考えた場合、もし仮に補正しなければならない最大補正量が±10ドットであったとしたら、2色の相対的位置関係を1ドットずらしたパターンを21個形成すれば、その極値を読みとることにより、位置ずれ補正量及びその方向が判断できる。
しかしながら、それだけ多くのパターンを作成してしまうと、無駄なトナー消費量が多くなるだけでなく、位置ずれ自動調整に要する時間も長くなってしまうために望ましくない。
この課題に対し、例えば特開平10−329381号公報には、横軸のプリント位置パラメータに対し、縦軸を反射光学濃度としたときの2直線の交点計算により、より高精度に位置ずれ量を検知する方法が示されている。
【0008】
【特許文献1】
特公平7−19084号公報
【特許文献2】
特許第3254244号公報
【特許文献3】
特開平6−1002号公報
【特許文献4】
特開平10−329381号公報
【特許文献5】
特開2000−81745号公報
【特許文献6】
特開2001−209223号公報
【特許文献7】
特開2002−40746号公報
【特許文献8】
特開2002−229280号公報
【特許文献9】
特開2001−312115号公報
【特許文献10】
特開2002−62707号公報
【特許文献11】
特開平5−100556号公報
【特許文献12】
特開2002−148890号公報
【特許文献13】
特開2002−6580号公報
【特許文献14】
特開2000−35704号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−329381号公報に開示された方法によれば、最大補正量が±10ドットであった場合でも、21個のパターンを形成する必要がなく、適当に数ドットずつ、例えば2ドットずつずらしたパターンを11個形成すればよいこととなり、また5ドットずつずらしたパターンであれば5個形成すればよいこととなるので、パターン数を大幅に減らし、位置ずれ調整に要する時間を大幅に短縮しながら、より高精度な位置ずれ補正が実現可能となる。
位置ずれ調整というのは通常のプリント動作とは関係ない動作であるため、処理時間が長いとそれだけファーストプリントに要する時間がかかるわけで、生産性を考えた場合、このような調整時間は短ければ短いほどよい。
但し、2直線の直線近似式の交点計算により位置ずれ量を求める場合、また、その他の方法であってもラインのシフト量以下の分解能でずれ量を演算処理により求める場合には、各パッチのセンサ出力信号が予め定めた任意のシフト量に対し直線的に増加、ないしは減少する出力特性、すなわち2直線の各近似式の決定係数R2が限りなく1に近い直線が得られなければならない。
【0010】
そこで、これまでに開示されている2色の重ね合わせパターンの濃度検出、交点計算により、特公平7−19084号公報に開示されている様なエッジ検出方式と同等の検出精度が得られるのかを検証するために、図31に示す様な1ドラム中間転写ベルト方式のカラー画像形成装置(書き込み密度:600dpi)において、図35に示すように、基準色の黒(Bk)と他の色(例えばシアン(c))の2色のラインの重ね合わせにより構成されるパッチの各色ラインをその最低構成数である1ラインの重ね合わせにより構成したものを1パッチとし、その2色の相対的位置関係を任意量ずつシフトさせて連続的に13個(P1〜P13)形成した主走査方向の位置ずれ検知用の検知パターン(位置合わせパターン)Pkを、図36に示すような従来の光学センサ(位置合わせパターン検知センサ)で読みとり、基準色以外のラインの任意シフト量に対する各パッチの出力電圧をプロットし、交点計算を行った。
ここでは、2色のライン幅の水準として24dot、10dotの2水準について実験を行った。ここで敢えて、1ドラム中間転写方式の画像形成装置を用いた理由は、検証結果から装置のもつ影響を極力排除したかったからである。また、検証に用いたパターンを主走査パターンとしたのも同様の理由による。
【0011】
図35において、各パッチは光学センサの走査方向、すなわち、転写ベルトの移動方向に沿って配置されており、主走査方向の色ずれを検知すべく該方向と直交する方向に基準色以外の色が任意量シフトされている。
図36において、光学センサは、LED(発光ダイオード)700と、正反射光受光素子701と、拡散光(以下、拡散反射光ともいう)受光素子702から構成され、これらの素子は支持基板703に支持されている。これらの素子は実際には位置合わせパターンの移動平面に対して略垂直面内に配置されているが、図36(a)では判りやすいように90°倒して平面的に表示している。図36(b)において、符号700aはLED700のスポット形状を、701aは正反射光受光素子701のスポット形状を、702aは拡散光受光素子702のスポット形状をそれぞれ示している。
【0012】
ライン幅:24dotの場合の結果を図37に、ライン幅:10dot場合の結果を図38に示す。
図37に示す通り、ライン幅を24dotとした場合には、極値に対しマイナス側のプロット点により求まる近似直線ではR2=0.9275、また極値に対しプラス側のプロット点により求まる近似直線ではR2=0.9555という具合に、およそ直線とは言い難い出力特性が得られた。
また、この2つの近似直線より交点を計算した結果、位置ずれ量=34.74μm(=0.82dot)という結果となった。
これに対し、ライン幅を10dotとした場合には、図38に示す通り、極値に対しマイナス側のプロット点により求まる近似直線ではR2=0.9909、また極値に対しプラス側のプロット点により求まる近似直線ではR2=0.9985という具合に、かなり直線に近い特性が得られることが判った。
また、この2つの近似直線より交点を計算した結果、位置ずれ量=12.91μm(=0.30dot)であった。実験条件は以下の通りである。
【0013】
[図37に示す結果の検知パターンの詳細パラメータ]
ライン幅:24dot(=25.4/600×1000×24=1.016mm)・・・Bkライン、カラーライン共通設定
任意のシフト量:4dot(=25.4/600×1000×4=169.3μm)
総パッチ数:13パッチ(P1、P13では両者が完全に重なっておらず、P7では両者が完全に重なっている)
ライン繰り返し数:1
[図38に示す結果の検知パターンの詳細パラメータ]
ライン幅:10dot(=25.4/600×1000×10=0.423mm)・・・Bkライン、カラーライン共通設定
任意のシフト量:1dot(=25.4/600×1000×1=42.3μm)
総パッチ数:21パッチ(P1、P21では両者が完全に重なっておらす、P11では両者が完全に重なっている)
ライン繰り返し数:1
[検知センサ](=図36に示したセンサの詳細仕様)
発光側
素子:GaAs赤外発光ダイオード(ピーク発光波長:λp=950nm)、トップビュータイプ
スポット径:1.0mm
受光側
素子:Siフォト・トランジスタ(ピーク分光感度:λp=800nm)、トップビュータイプ
スポット径
正反射光受光側:1.0mm
拡散反射光受光側:3.0mm
検出距離:5mm(センサ上部〜検知対象面(パッチ)までの距離)
[線速]
245mm/sec
[サプリング周波数]
500Sampling/sec
この実験においては、Bkラインの中心が、ほぼセンサ受光面の中心と一致するように位置合わせパターンを転写ベルト上に形成した。
【0014】
上述のように、ライン幅の相違により、交点計算の基礎となる直線性が変化することが確認された。このことは、位置合わせパターンの形成手法等により位置ずれ検知精度を向上させることができる余地があることを意味する。換言すれば、検知センサの精度等を上げることなく、すなわちコスト上昇を来たすことなく位置ずれ検知精度を向上させることができる余地があることを意味する。
そこで、本発明は、簡易且つ低コストで色ずれを高精度に検知できる位置合わせパターンの形成方法、位置合わせパターン、該位置合わせパターンを用いた画像形成装置の提供を、その主な目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成する位置合わせパターンの形成方法において、上記位置合わせパターンのライン幅と、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との相関関係を実験的に導出し、導出された結果に基づいて上記ライン幅を決定することとした。ここで、実験的とは、実際の実験及びコンピュータシミュレーションの双方を含む概念をいう(以下、同じ)。
【0016】
請求項2記載の発明では、基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンの形成方法において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅と、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との相関関係を実験的に導出し、導出された結果に基づいて上記ライン幅を決定することとした。
【0017】
請求項3記載の発明では、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成することとした。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0018】
請求項4記載の発明では、基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成することとした。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0019】
請求項5記載の発明では、転写体上に基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成される位置合わせパターンにおいて、上記ライン像のライン幅を、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成した。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0020】
請求項6記載の発明では、転写体上に基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンにおいて、上記ライン像のライン幅を、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成した。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0021】
請求項7記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成する、という構成を採っている。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0022】
請求項8記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成する、という構成を採っている。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0023】
請求項9記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成する、という構成を採っている。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0024】
請求項10記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成する、という構成を採っている。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0025】
請求項11記載の発明では、請求項8又は10記載の画像形成装置において、基準色である黒ライン像の作像順序は、上記転写体上での色重ねの最終色である、という構成を採っている。
【0026】
請求項12記載の発明では、請求項7乃至10のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記位置合わせパターンを形成する上記転写体の明度(L*)が40以下、好ましくは20以下である、という構成を採っている。
【0027】
請求項13記載の発明では、請求項7乃至10のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0028】
請求項14記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0029】
請求項15記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0030】
請求項16記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0031】
請求項17記載の発明では、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0032】
請求項18記載の発明では、請求項13乃至17のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、2成分現像方式の現像装置を有している、という構成を採っている。
【0033】
請求項19記載の発明では、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成する、という構成を採っている。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0034】
請求項20記載の発明では、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成する、という構成を採っている。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
【0035】
請求項21記載の発明では、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0036】
請求項22記載の発明では、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない、という構成を採っている。
【0037】
請求項23記載の発明では、請求項7乃至22のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記位置合わせパターン検知手段の受光部が、拡散反射光又は拡散反射成分を検知するように構成されている、という構成を採っている。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて本実施形態における画像形成装置としての4連タンデム直接転写方式のカラープリンタの概略構成を説明する。
カラープリンタは、1つの手差しトレイ36、2つの給紙カセット34(第1給紙トレイ)、34(第2給紙トレイ)の3つの給紙トレイを有しており、手差しトレイ36より給紙されたシート状記録媒体としての図示しない転写紙は給紙コロ37により最上のものから順に1枚ずつ分離され、レジストローラ対23へ向けて搬送される。第1給紙トレイ34又は第2給紙トレイ34から給紙された転写紙は、給紙コロ35により最上のものから順に1枚ずつ分離され、搬送ローラ対39を介してレジストローラ対23へ向けて搬送される。
給紙された転写紙は、レジストローラ対23で一旦停止され、スキューを修正された後、後述する最上流に位置する感光体ドラム14Y上に形成された画像の先端と転写紙の搬送方向の所定位置とが一致するタイミングで、図示しないレジストクラッチのオン制御によるレジストローラ対23の回転動作により転写ベルト18へ向けて搬送される。
転写紙は、転写ベルト18とこれに当接した紙吸着ローラ41とで構成される紙吸着ニップを通過する際、紙吸着ローラ41に印加されるバイアスにより転写ベルト18に静電力で吸着され、プロセス線速125mm/secにて搬送される。
【0039】
転写ベルト18に吸着された転写紙には、転写ベルト18を挟んで各色の感光体ドラム14B、14C、14M、14Yと対向した位置に配置された転写ブラシ21B、21C、21M、21Yにトナーの帯電極性(マイナス)と逆極性の転写バイアス(プラス)が印加されることにより、各感光体ドラム14B、14C、14M、14Yに作像された各色のトナー像がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(Bk)の順で転写される。
各色の転写工程を経た転写紙は、下流側の駆動ローラ19部位で転写ベルト18から曲率分離され、定着装置24へ搬送される。定着装置24における定着ベルト25と加圧ローラ26により構成される定着ニップを通過することにより、トナー像が熱と圧力により転写紙に転写される。定着がなされた転写紙は、片面印刷モードの場合には、装置本体上面に形成されたFD(フェイスダウン)トレイ30へと排出される。
予め両面印刷モードが選択されている場合には、定着装置24を出た転写紙は、図示しない反転ユニットへ送られ、該ユニットにて表裏を反転されてから転写ユニット下部に位置する両面搬送ユニット33に搬送される。転写紙は該両面搬送ユニット33から再給紙され、搬送ローラ対39を経てレジストローラ対23へ搬送される。以降は、片面印刷モード時と同様の動作を経て定着装置24を通過し、FDトレイ30へと排出される。
【0040】
次に、上記カラープリンタの画像形成部における構成及び作像動作を詳細に説明する。
画像形成部は、各色共に同様の構成及び動作を有しているのでイエロー画像を形成する構成及び動作を代表して説明し、その他については各色に対応する符号を付して説明を省略する。
転写紙搬送方向の最上流側に位置する感光体ドラム14Yの周囲には、帯電ローラ42Y、クリーニング手段43Yを有する作像ユニット12Yと、現像ユニット13Y、光書き込みユニット16等が設けられている。
画像形成時、感光体ドラム14Yは図示しないメインモータにより時計回り方向に回転駆動され、帯電ローラ42Yに印加されたACバイアス(DC成分はゼロ)により除電され、その表面電位が略−50vの基準電位となる。
【0041】
次に、感光体ドラム14Yは、帯電ローラ42YにACバイアスを重畳したDCバイアスを印加することによりほぼDC成分に等しい電位に均一に帯電され、その表面電位がほぼ−500v〜−700v(目標帯電電位はプロセス制御部により決定される)に帯電される。
プリント画像として図示しないコントローラ部より送られてきたデジタル画像情報は、各色毎の2値化されたLD発光信号に変換され、シリンダレンズ、ポリゴンモータ、fθレンズ、第1〜第3ミラー、及びWTLレンズ等を有する光書き込みユニット16により感光体ドラム14Y上に露光光16Yが照射される。
照射された部分のドラム表面電位が略−50vとなり、書き込み密度(=解像度)600dpiで画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0042】
感光体ドラム14Y上のイエロー画像情報に対応した静電潜像は、現像ユニット13Yにより可視像化される。現像ユニット13Yの現像スリーブ44YにACバイアスを重畳したDC(−300〜−500v)が印加されることにより、書き込みにより電位が低下した画像部分にのみトナー(Q/M:−20〜−30μC/g)が現像され、トナー像が形成される。現像ユニット13Yは、キャリアとトナーとの混合現像剤が入った、いわゆる2成分現像方式の現像器である。
作像された各色の感光体ドラム14B、14C、14M、14Y上のトナー画像は、転写ベルト18上に吸着された転写紙上に上記転写バイアスにより転写される。
【0043】
本実施形態におけるカラープリンタでは、上述した画像形成動作に先立ち、色ずれ調整動作が行われる。色ずれ調整動作では、転写ベルト18上に後述する位置合わせパターンが形成され、この位置合わせパターンを位置合わせパターン検知手段としての位置合わせパターン検知センサ(以下、単にセンサともいう)40により読み取る(検知する)ことにより行われる。
位置合わせパターン検知センサ40は、転写ベルト18の感光体ドラム14Bに対向する下面側に配置されている。
【0044】
主走査方向の位置ずれを検知するための位置合わせパターンPmは、図2に示すように、基準色である黒のライン像Bkと該基準色以外の色、例えばシアンのライン像Cとを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量(任意のシフト量)ずつずらしたパッチを連続的に形成して構成されている。なお、基準色を黒に限定する趣旨ではない(以下の他の実施形態において同じ)。
ここで、「任意のシフト量」というのは、P1〜P2間のシフト量が50μmであり、P2〜P3のシフト量が20μmというように常に一定でないとしてもよいことを含む。
本実施形態では、位置合わせパターンPmは、1つのパッチが基準色以外の250μmのカラーラインの上に、これと同じ幅の黒ラインを重ね合わせた構成となっており、このようなパッチをBkラインに対しカラーラインCを40μmずつずらした13個のパッチにより全体構成をなしている。
ここで、「パッチを連続的に形成して」の意味合いは、走査方向(転写ベルト18の進行方向)に沿って並べる程度の意味合いであり、並べ方が例えばP1、P11、P2、P10という具合に順序がばらばらであっても連続的に含まれる意味合いである。また、P1〜P2の間隔、P2〜P3の間隔がばらばらであっても連続的に含まれるものとする。
【0045】
本実施形態における位置合わせパターン検知手段としての位置合わせパターン検知センサ40は、図36で示した従来のセンサと同様の構成を有している。すなわち、図3に示すように、発光部としての発光ダイオード(LED)40Aと、受光部としての正反射光受光素子(フォトトランジスタ)40Bと、受光部としての拡散光受光素子(フォトトランジスタ)40Cから構成され、これらの素子は支持基板40Dに支持されている。符号40A−1はLED40Aのスポット形状を、40B−1は正反射光受光素子40Bのスポット形状を、40C−1は拡散光受光素子40Cのスポット形状をそれぞれ示している。位置合わせパターン検知センサ40の諸元は以下の通りである。
[検知センサ](=図3に示したセンサの詳細仕様)
発光側
素子:GaAs赤外発光ダイオード(ピーク発光波長:λp=950nm)、トップビュータイプ
スポット径:1.0mm
受光側
素子:Siフォト・トランジスタ(ピーク分光感度:λp=800nm)、トップビュータイプ
スポット径
正反射光受光側:1.0mm
拡散反射光受光側:3.0mm
検出距離:5mm(センサ上部〜検知対象面(パッチ)までの距離)
【0046】
位置合わせパターンPmは、図4に示すように、転写ベルト18の両側と中央部の3つの位置に形成され、これに対応して位置合わせパターン検知センサ40も図示しない支持基板に支持されて3個(40a、40b、40c)設けられており、転写ベルト18の両側に配置した2つのセンサで、図2に示す主走査方向の位置ずれを検知するための位置合わせパターンPmのずれ量を検知することにより、主走査ずれ、及び倍率誤差の補正を行う。また、転写ベルト18の両側及び中央部に配置した3つのセンサで、図27に示す副走査方向の位置ずれを検知するための位置合わせパターンPsのずれ量を検知することにより、副走査ずれ、及びスキューの補正を行う。
【0047】
本実施形態における画像形成装置としてのカラープリンタは、書き込み密度600dpiである。これに対応して、位置合わせパターンPmの各パッチのライン幅と位置合わせパターン検知センサ40の受光幅とは、以下の通りの関係を満足するように設定されている。
[ライン幅/受光幅]<5.0627×[書き込み密度]−0.5331
[左辺]=[ライン幅/受光幅]=[0.25/3.0]=0.0833
[右辺]=5.0627×[書き込み密度]−0.5331=0.167
[左辺]<[右辺]を満足する。
【0048】
次に、ライン幅、受光幅及び書き込み密度の相関において、上記のような条件を設定した理由、すなわち、本発明を想到、具現化するに至った経緯及び根拠を説明する。
図37に示したように、従来の光学センサによる位置ずれ検知では、およそ直線とは言い難い出力特性が得られた。
しかしながら、転写ベルト18上に作成された位置合わせパターンの実際のずれ量を、200万画素CCDを搭載したデジタルマイクロスコープにて測定した結果、図6に示すように、ライン幅を24dotとしたパターンの2つのラインが完全に重なり合っているP7でのずれ量はほぼゼロであった。
極値に対しマイナス側のプロット点により求まる近似直線ではR2=0.9988、極値に対しプラス側のプロット点により求まる近似直線ではR2=0.9996というように、限りなく直線(R2=1)に近い結果が得られた。
また、この2直線より交点を計算した結果、位置ずれ量=4.13μmと実際(=0)にほぼ近い値となった。ライン幅10dotとしたパターンについても同様にして転写ベルト18上のずれ量を測定したがずれ量はほぼゼロであった。
【0049】
このように、デジタルマイクロスコープによる転写ベルト上パターンのずれ量は、ライン幅2水準のいずれの場合においてもほぼゼロであるのに対し、位置ずれ検知センサの出力より計算される位置ずれ量が、ライン幅を24dotとした場合では位置ずれ量=34.74μmと、600dpiでの検出誤差最大許容値(=±25.4/解像度dpi×1000/2[μm]=±21.2[μm])から大きく外れる非常に悪い結果となっていることから、この両者(24dotパターンと10dotパターン)の違いは、測定系に原因があると考えられる。
この両者の違いについて考えるために、図7及び図8にセンサ受光径とパターンとの関係を表した図を示す。
図7に示すパッチP1〜P3は24dotラインにより構成されたものであり、図8に示すパッチP1〜P3は10dotラインにより構成されている。P1〜P2、P2〜P3のラインシフト量は、同一比較をするために、共に4dotとしている。
また、実験では、24dotラインのパッチ、10dotラインのパッチ共に、Bkラインの中心を受光面中心と一致させている。
【0050】
センサの拡散光出力電圧は、受光面内におけるカラーライン部面積の増加に対しある相関関係があると考えられるため、隣接するパッチ間のずれ量の差分値(この場合4dot)に対し、面積増分が一定であれば直線的となるはずである。
しかしながら、図7から明らかなように、線幅が広い24dotラインの場合には、受光面が円形である効果が強く現れるため、「P1〜P2のカラーライン4dotのシフトに対する面積の変化量(P2−1)」と「P2〜P3のカラーライン4dotのシフトに対する面積の変化量(P3−1)」とでは、後者の方が大きくなってしまっている。すなわち線形ではないことが判る。
これは、受光面が円形状である場合には、ある受光幅(この場合は受光センサの受光径と一致)に対し、ライン幅が広い場合(受光幅<ライン幅を意味するものではない)には、受光面形状の影響を受けやすいことを意味する。
【0051】
デジタルマイクロスコープでの測定は、受光面形状が円形状であることを考慮せず、デジタルマイクロスコープで観察したパッチ画像の拡大写真をTIFF形式でパーソナルコンピュータに取り込み、パッチの一部を矩形領域に切り取り、その領域内のカラーライン/Bkラインの面積比計算により交点算出を行ったために、上記ような円形効果(出力の非線形性)が現れなかったものと考えられる。
デジタルマイクロスコープでの測定による画像処理ソフトにはAdobe社製のPhotoshop5.5を使用した。
以上の実験結果より、基準色である黒のライン像と基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、この位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知センサ(位置合わせパターン検知手段)と、この位置合わせパターン検知センサからの出力信号から基準色と基準色以外との位置ずれ量とその方向を判断し、その位置ずれ量を補正する補正手段を備えた画像形成装置において、任意のシフト量以下の分解能でずれ量を検知する場合(計算アルゴリズムの一例として、上記では2つの近似式により交点計算する方法を示したが、別にこれに限らず、単に各パッチの差分出力の比較から演算処理によりシフト量以下の分解能でずれ量を検知することは可能である。)、必要な検出精度を確保するためには、位置合わせパターンのライン幅と位置合わせパターン検知センサの受光幅との間には、ある関係を満足することが必要でることが予測できる。
【0052】
この関係を導き出すために、「位置合わせパターン検知センサの拡散光出力は、受光面内のカラーライン像の面積に対して1次線形関係にある。」という仮定を行い、2色の重ね合わせパターンの各パッチの位置合わせパターン検知センサ受光面内に占めるカラーライン像の面積を計算して、この面積値を各パッチの出力値とするようなシミュレーション計算を、以下の誤差条件を調合して行った。
また、この面積値を「横軸の基準色(黒)に対するカラーライン像のシフト量」に対してプロットしたときに得られる2直線の交点計算により、位置ずれ量の検出誤差を求める計算も行った。
【0053】
[計算式]
図9に示されるように、受光面中心から距離aの位置にある1区間の長方形の面積Sは、S=2×[a×tan(acos(a/1.5))]×(25.4/600)のように、受光面中心からの距離aの関数で表せる。
[計算条件]
パターン構成:Bkライン、カラーラインの繰り返しを1パッチとし、カラーラインを任意量ずつシフトさせたパッチを複数連続的に形成した構成
センサ受光径:直径3.0mm
[誤差因子と水準]
ライン幅(Bk、Color):3dot、6dot、12dot、18dot、24dot(※ここでは1dot=42.3μm(600dpi)で計算)
Bkライン中心に対する受光径中心位置:1〜48dot
【0054】
図10乃至図12に上記シミュレーションによる計算結果の一例を示す。これらの結果は、センサ受光径:3mmに対し、Bkとカラーのライン幅を24dot(=1.016mm)とした場合の結果である。
図10(a)はBkライン中心がセンサ受光面中心と一致している場合の結果、図10(b)はその位置関係を示す図である。図11(a)はBkライン中心とセンサ受光面中心とが12dotずれている場合の結果、図11(b)はその位置関係を示す図である。
図12(a)はBkライン中心とセンサ受光面中心とが36dotずれている場合の結果、図12(b)はその位置関係を示す図である。いずれも図2におけるパッチP1の場合についての位置関係を示す図である。
【0055】
また、上記と同様の交点計算をライン幅:3dot、6dot、12dot、18dotについても行った。その結果を図13に示す。図13の横軸は誤差因子として取り上げた「Bkライン中心の受光面中心に対するずらし量」であり、縦軸はそのときの交点計算結果を示す。
この結果から、ライン幅を広くするに従い、検出誤差が大きくなってしまうことが判る。
ただ、図13に示す結果は、受光幅(=受光径)を3mm固定とした条件下における結果であるために、図14ではライン幅の受光幅との比を横軸にとり、縦軸に図13に示されるプラス側の最大検出誤差、マイナス側の最大検出誤差をプロットした。
【0056】
先に述べた通り、検出誤差最大許容値は解像度(=書き込み密度)によって決まるために、図15では横軸に解像度(=書き込み密度)を取り、縦軸には図14に示す縦軸の最大検出誤差から求めた各解像度の「ライン幅/受光幅比」をプロットした。(※検出誤差最大許容値=±25.4/解像度dpi×1000/2[μm])
図15に示すグラフより、カラー画像形成装置の書き込み密度(=解像度)に対し、ライン幅/受光径比は、以下の関係を満足しなければならないことが判る。
[ライン幅/受光幅]<5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331
この関係に基づくと、図1に示すカラープリンタの書き込み密度は600dpiであるために、
[ライン幅/受光幅]<5.0627×[600(dpi)]− 0.5331
<0.167
ここで、受光幅は3mmであるから、
[ライン幅]<0.167×3[mm]
<0.501[mm]
<11.8[dot]
となるので、ライン幅は11.8dot以下に設定しなければならない。このようなライン幅と受光幅との関係が解像度との関係においてあるが故に、ライン幅を24dotとした実験結果(図37)では位置ずれ量の計算結果が34.74μmと、検出誤差最大許容値以上となり、上記関係を満足するライン幅11.8dot以下の条件であるライン幅10dotラインとした実験結果(図38)では計算結果が12.91μmと位置ずれ量が検出誤差最大許容値以下で算出できたものと考えられる。
【0057】
これまでの検討では、2色の重ね合わせパターンを位置合わせパターン検知センサで検知する場合において、位置合わせパターンのライン幅及び受光幅(又は受光径)は、画像形成装置の書き込み密度及び画像形成装置の補正すべき最大ずれ量に対し、どのような根拠に基づき設定すればよいかについて理論的に考えてきた。
しかしながら、このようにして条件設定した場合においても、実際に実験を行った結果では位置ずれ検出誤差が大きくなる場合があった。その実験結果を図16に示す。
図16のグラフは、図2で示したようなBkラインとカラーラインの重ね合わせパターンで、各色のライン幅を1000μmとし、Bkラインに対しカラーラインを100μmずつずらしたパッチを21個形成してなる位置合わせパターンを転写ベルト18上に形成し、200万画素CCD搭載デジタルマイクロスコープにて各パッチのシアン(C)とBkとの線幅比を測定し、「横軸のカラーラインの任意のシフト量」に対してプロットしたものである。
極大値近傍では「横軸のカラーラインの任意のシフト量」に対する線幅比の変化率が減少してしまっていることが判る。
図17は、各色のライン幅を500μmとし、Bkラインに対しカラーラインを10μmずつずらしたパッチをセンサで検出したたもので、横軸のシフト量と縦軸のセンサ出力電圧との関係を示すグラフである。本図からも極大値近傍及び極小値近傍で直線性が悪化していることが判る。
【0058】
このようなことを調べたのは、実際に、図3に示した位置合わせパターン検知センサ40にて測定される出力電圧が、極大値近傍において飽和してしまう結果を示していたからであるが、実験の結果、図16及び図17に示すように、実際の転写ベルト18上に形成されたパッチでも飽和してしまっていることが確認された。
従って、この極大値近傍の出力の飽和現象は、センサ側の問題ではなく、パターン形成をしている画像形成装置側の問題であるといえる。
このような結果となった理由は、Bk、Cライン共に狙いのライン幅(=1000μm)に対し太りが生じてしまっていたからであることがデジタルマイクロスコープによる観察で確認できた。
このような現象が生じる原因にはトナー濃度の影響等が挙げられるが、特にラインのエッジ効果の生じやすい2成分方式の現像装置を使った場合には顕著となる。
【0059】
なお、今回の結果では、図18に示すように、Bkライン、Cラインが共にライン太りしていたために、このような出力の飽和が極大値側のみに現れた。図18に示すように、共にライン太りが生じている場合、Cラインを図18(a)に示すパッチAの状態から図18(b)に示すパッチBの状態にシフトしても、Bkライン間におけるCラインには変化が生じず出力は同じとなり、検知することができない。
この実験則を踏まえれば、もし仮にBkのトナー濃度が非常に高く、その結果Bkラインのみがライン太りが生じ、逆にカラーのトナー濃度が非常に低く、潜像に対し忠実な線幅のラインを形成した場合には、極小値近傍で同様の出力の飽和現象が発生するものと推定できる。
すなわち、図19に示すように、Cラインを図19(a)に示すパッチAの状態から図19(b)に示すパッチBの状態にシフトしても、CラインのシフトはBkラインの範囲内でなされるために変化は生じず出力は同じとなり、検知することができない。
【0060】
従って、近似直線を求めるのに用いるデータ点は、画像形成装置の持つ固有の特性による影響を極力排除するために、極大値及び極小値又はそれらの近傍のデータを除外するのが望ましい。具体的には、例えば、複数パッチの出力の最大値と最小値より、(最大値+最小値)/2±(最大値−最小値)×0.4のデータのみを計算に用いるようにする。
従来技術においては、連続したパッチの全点データより2つの近似直線を求め、交点計算を行う事によりずれ量を算出しており、上記のような交点近傍で生じる出力の飽和現象については論じられていない。
従って、従来技術においては、このような極値近傍で生じる出力の飽和現象により、2つの近似式の決定係数R2が悪化する場合があり、それにより交点計算により求まる位置ずれ量には誤差が生じてしまう場合があるといえる。
【0061】
また、本実施形態では、位置合わせパターンPmが形成される転写ベルト18には、明度L*(JISZ8729)=1.7のポリイミド製のベルトを用いている。これを含む上記のような構成とした理由について以下にさらに詳述する。(位置合わせパターンの構成について)
図20は、図3に示した位置合わせパターン検知センサ40のベルト地肌部、Bkベタパッチ部、C(シアン)パッチ部の正反射光出力電圧を、横軸のLED電流に対してプロットしたグラフである。
ここで例えば、転写ベルト地肌部の出力電圧が4.0vとなるLED電流設定(=37mA)時の各パッチ部の出力電圧を見てみると、表1に示すような結果となる。
【0062】
【表1】
【0063】
ここで、図20の位置合わせパターンを正反射光出力で読むことを考えると、P1、及びP13の面積比は、黒ライン×50%+カラーライン×50%であり、P7の面積比は、黒ライン×50%+カラーライン×50%であるために、各パッチ部のセンサ出力はおよそ、以下の通りとなる。
(「Bkライン群」が「カラーライン群」の上に形成されている場合)
P1、P13の出力電圧=0.12(Bkベタ)×0.5+1.91(Cベタ)×0.5=1.015v
P7の出力電圧=0.12(Bkベタ)×0.5+4.0(ベルト部)×0.5=2.06v
(「Bkライン群」が「カラーライン群」の下に形成されている場合)
P1、P13の出力電圧=0.12(Bkベタ)×0.5+1.91(Cベタ)×0.5=1.015v
P7の出力電圧=1.91(Cベタ)×0.5+4.0(ベルト部)×0.5=2.955v
【0064】
各パッチの出力電圧を、「横軸のカラーラインの任意のシフト量」に対しプロットすると、図21に示すような結果となる。図21より、以下のことが判る。
(正反射光により検知を行った場合)
(a)出力電圧は2色ラインが完全に重なり合ったパッチ(P7)にて最大となり、その出力電圧はほとんどベルト地肌部からの出力によって決まる。
(b)「黒ライン群」が「カラーライン群」に対して上である場合の方が、下である場合に比べ最小値(P1、P13)と最大値(P7)との出力差が小さくなる。
このように、正反射光による検知を行った場合の極大値(P7)の出力は、ベルト地肌部からの出力(∝光沢度)によって決まるために、
(c)経時的な摩耗、又は部分的なキズ等により、光沢度が低下すると、その部分の出力は低下してしまう。換言すれば、経時的な摩耗によるベルト劣化により検知ができなくなるために、これによりベルト寿命が決まる。
【0065】
つまり、図2で示したP2〜P12のように、部分的にベルト面が露出しているパッチ部の正反射光出力電圧は、ベルト光沢度、又は表面粗さRz等で表される表面形状特性のノイズの影響を受けやすいために、例えば、P6パッチの地肌部にキズがあると、これと鏡像関係にあるP8とで出力が異なってしまい、結果として計算によって求まる交点位置がずれるという結果が生じてしまう。
【0066】
これに対し、拡散反射光による検知を行った場合には、転写ベルト18の表面の粗さの影響をほとんど受けることなく位置ずれ量の検知ができる。
図22は、図3で示した位置合わせパターン検知センサ40のベルト地肌部、Bkベタ部、C(シアン)ベタ部の拡散反射光出力電圧を、横軸のLED電流に対しプロットしたものである。
正反射光出力が図24に示す通り、被検知物体(位置合わせパターンが形成された転写ベルト18)の光沢度との相関が高いのに対し、拡散反射光出力は図25に示す通り、被検知物体の明度L*との相関が高く光沢度との相関は無いために、本実施形態におけるカラープリンタに搭載されたL*=1.7の転写ベルト18は、黒トナーとほぼ同じ出力特性を持つ。図25から明らかなように、明度L*が約40まで直線性が得られ、明度L*が20まではその直線性が極めて高い。
ここで、先と同様に以下2つのケースについて考えてみると、各部出力電圧は表2に示すような結果となる。
【0067】
【表2】
【0068】
(「Bkライン群」が「カラーライン群」の上に形成されている場合)
P1、P13の出力電圧=0.16(Bkベタ)×0.5+3.42(Cベタ)×0.5=1.79v
P7の出力電圧=0.16(Bkベタ)×0.5+0.07(ベルト部)×0.5=0.115v
(「Bkライン群」が「カラーライン群」の下に形成されている場合)
P1、P13の出力電圧=0.16(Bkベタ)×0.5+3.42(Cベタ)×0.5=1.79v
P7の出力電圧=3.42(Cベタ)×0.5+0.07(ベルト部)×0.5=1.745v
【0069】
各パッチの出力電圧を、「横軸のカラーラインの任意のシフト量」に対しプロットすると、図23のような結果となる。図23より、以下のことが判る。
(拡散反射光により検知を行った場合)
(a)出力電圧は2色ラインが完全に重なり合ったパッチ(P7)にて最小となり、その出力電圧は「カラーライン群」の出力電圧によって決まる。
(b)「黒ライン群」が「カラーライン群」に対し上である場合の方が、下である場合に比べ最大値(P1、P13)と最小値(P7)との出力差を大きく取れる。
このように、拡散反射光による検知を行った場合の最大値(P7)の出力は、「カラーライン群」からの出力(∝明度)によって決まるために、
(c)経時的な摩耗、又は部分的なキズ等による影響を全く受ける事がない。換言すれば、検知性能がベルト劣化に依存しないために、転写ベルトの長寿命化が達成可能となる。
【0070】
以上より、基準色である黒のライン像と基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンを、この位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知センサにて検知することを考えた場合、転写ベルトの摩耗、又は部分的なキズ等の経時的な変動要因の影響を全く受けることのない検知を行うためには、
(1)拡散光出力による検知をすることが望ましく、
(2)基準色である黒ライン像の作像順序が、転写体上での色重ねの最終色であることが望ましく、
(3)位置合わせパターンを形成する転写体の明度(L*)が40以下、好ましくは20以下であることが望ましい、ということができる。
【0071】
なお、図24に示した結果は、42種類もの光沢度及び明度の異なる転写ベルトについて、LED電流If=20mA固定としたときの正反射光出力値を、横軸の転写ベルト表面の60°光沢度に対してプロットしたものである。またこの図に示す光沢度測定値は、日本電色社製の光沢度計PG−1を使い、測定角度60°の条件で測定した値である。
図25に示した結果は、図24に示したものと同じ42種類のベルトについて、LED電流20mA固定としたときの拡散反射光出力を、横軸の転写ベルト表面の明度L*に対してプロットしたものである。なお、この図に示す明度測定値は、X−Rite社製のX−Rite938を使い、光源D50、視野角2°の条件で測定した値である。
【0072】
上述した本発明の手法による効果確認のための実験を図26に示す。なお、各出力電圧のサンプリングは、本画像形成装置(カラープリンタ)の線速125mm/secに対し、500Sampling/secにて行った。
全パッチの出力電圧と、全パッチの出力電圧値から求めた2直線の傾き、y切片、RSQ(=決定係数)及び交点計算結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】
このように、上記実験では、図13に示したシミュレーションによる受光径3mm、ライン幅250μm(=約6dotライン)の位置ずれ量検出誤差最大値5.15μmに対し、位置ずれ量2.83μmという結果が得られた。
ただ、図26のグラフをみれば判る通り、やはり極値付近のデータは出力が飽和している傾向が見られる。
そこで、極値及び極値近傍のデータを除いた点で交点計算を行った結果を表4に示す。
【0075】
【表4】
【0076】
このように、極値及び極値近傍のデータ点を直線近似式算出のデータ点から除外することにより、直線性を表す近似直線の決定係数R2(=RSQ)を0.9713から0.9999(P1〜P7)に、0.9703から0.9998(P7〜P13)に、という具合に大幅に改善でき、その結果として、より高精度な位置ずれ量検知が可能となることが確認できた。
なお、この実験においても、転写ベルト18上に作成した位置合わせパターンの中央パッチP7の位置ずれ量を200万画素CCD搭載デジタルマイクロスコープにて観察し、ずれ量がゼロであることを確認した。
【0077】
以上の結果から、基準色である黒のライン像と基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、この位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知手段と、この位置合わせパターン検知手段からの出力信号から基準色と基準色以外との位置ずれ量とその方向を判断し、その位置ずれ量を補正する補正手段を備えた画像形成装置において、
▲1▼位置合わせパターンのライン幅を、位置合わせパターン検知手段の受光幅と画像形成装置の書き込み密度との関係において
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
の関係を満足するように、位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を設定することにより、出力の非線形性による位置ずれ量検出誤差を最大許容値以下とすることができ、また、
▲2▼交点計算に用いるデータ点から極値又はその近傍のデータを除外することにより、交点計算に用いる2つの近似直線の直線性が改善されるので、その結果として直線近似式算出に使うデータ点数、すなわちパターン数を各直線ともに最小で2点まで(全体のパッチ数は4つまで)減らすことができる。
すなわち、通常のプリント動作とは関係のない、すなわち、生産性に寄与しない位置ずれ調整動作の処理時間を大幅に短縮することが可能となる。
また、このようなセンサ(従来と同様の位置合わせパターン検知センサ40)を用いた場合でも、高精度な位置ずれ量検知が可能となることから、従来のエッジ検出方式に対し約1/100の低サンプリング周波数によるサンプリングで十分な位置ずれ量検知が可能となる。
【0078】
上述した位置合わせパターン検知センサ40及び手法に基づく位置ずれ補正は、位置ずれ量補正手段によってなされる。この位置ずれ量補正手段46を図5に基づいて説明する。
位置合わせパターン検知センサ40a、40b、40cの発光部である発光ダイオード40Aは発光量制御部47により発光量を制御され、出力側であるフォトダイオード40Bはアンプ48、フィルタ49、A/D変換器50、FIFOメモリ51を介してI/Oポート54に接続されている。
位置合わせパターン検知センサ40a、40b、40cから得られた検知信号は、アンプ(AMP)48によって増幅され、フィルタ49を通過してA/D変換器50によってアナログデータからデジタルデータへと変換される。
データのサンプリングはサンプリング制御部52によって制御され、サンプリングされたデータはFIFOメモリ51に格納される。サンプリング制御部52、書込制御基板53はI/Oポート54に接続されている。
【0079】
I/Oポート54、CPU55、ROM56、RAM57はデータバス58とアドレスバス59により接続されている。
ROM56には、位置合わせパターンPmの位置ずれ量を演算するためのプログラムを始め、各種のプログラムが格納されている。位置合わせパターンPmの位置ずれ量を演算するためのプログラムには、上述した交点計算に用いるデータ点から極値データ等を除外する等の条件が盛り込まれている。
アドレスバス59によって、ROMアドレス、RAMアドレス、各種入出力機器の指定を行っている。
CPU55は、位置合わせパターン検知センサ40a、40b、40cからからの検知信号を定められたタイミングでモニタし、位置合わせパターン検知センサ40a、40b、40cの発光ダイオード40Aの劣化等が起こっても確実に位置合わせパターンPmの検知が行えるように、発光ダイオード40Aの発光量を発光量制御部47によって制御し、フォトダイオード40Bからの受光信号の出力レベルが常に一定となるようにする。
【0080】
また、CPU55は、位置合わせパターン(後述する副走査方向の位置ずれ検知を目的とした位置合わせパターンを含む)の検知結果から求めた補正量に基づき、主、副レジストの変更及び倍率誤差に基づき画周波数を変更するために書込制御基板53に対してその設定を行う。
書込制御基板53には、出力周波数を非常に細かく設定できるデバイス、例えばVCO(Voltage Controlled Oscillator)を利用したクロックジェネレータ等を、基準色を含め各色に対して備えている。この出力を画像クロックとして用いている。また、CPU55は、位置合わせパターンの検知結果から求めた補正量に基づき、光書き込みユニット16内の図示しないスキュー調整用のステッピングモータの制御も行っている。
位置合わせパターン検知センサ40a、40b、40cを除く上記各要素により位置ずれ量補正手段46が構成されている。位置ずれ量補正手段46は、カラープリンタのメインコントローラが兼ねることができる。
【0081】
上記位置ずれ量補正手段46による位置ずれ調整動作は、▲1▼電源投入時、▲2▼光学系の温度変化が所定値(例えば5deg)以上あった場合、▲3▼ある一定枚数以上のプリントジョブがあったジョブ終了時のいずれかの条件に一致したときに実行される。
上記第1の実施形態では、主走査方向の色ずれを検知するための位置合わせパターンについて述べたが、副走査方向(転写ベルト18の進行方向と同方向)の色ずれを検知する場合には、図27に示すような位置合わせパターンPsが転写ベルト18上に、例えば図4で示した場合と同様の態様で形成される。
位置合わせパターンPsは位置合わせパターンPmと同様に、基準色である黒のライン像Bkと該基準色以外の色、例えばシアンのライン像Cとを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成して構成されている。
また、位置合わせパターンの走査方向に対する向き(角度)は、図28に示すように、どのようであってもよく、位置合わせパターン検知センサ40の受光面形状も円形状のみならず、楕円であっても四角形であっても同様である。
【0082】
本発明は、ビームスプリッタを用いることにより、光をP波、S波の成分に分解するような構成のセンサの受光面形状及びセンサのパターン走査方向の配置に対しても有効である(第2の実施形態)。
その一例を図29に基づいて説明する。本実施形態における位置合わせパターン検知手段としての位置合わせパターン検知センサ60は、1つの発光部としての発光ダイオード(以下、LEDという)61と、3つの受光部としてのフォトダイオード(以下、PDという)62、63、64と、2つの偏光ビームスプリッタ(以下、PBSという)65、66を有している。
【0083】
LED61から放射された投光67の偏光状態はランダムであるが、PBS65によって、入射面に対して垂直方向に振動する光成分(S波光)と、入射面に対して平行方向に振動する光成分(P波光)とに分離される。S波光68はPBS65で反射してPD62に入射し、P波光69はPBS65を透過して転写ベルト18の位置合わせパターンに投光される。
位置合わせパターンから反射したP波光69は乱反射によって偏光状態がランダムになり、PBS66によってP波光70とS波光71に分離される。P波光70はPBS66を透過してPD63に入射し、S波光71はPBS66で反射してPD64に入射する。
本実施形態では、受光部としてのPD62、63、64は、拡散反射光ではなく拡散反射成分を受光する。
【0084】
上記各実施形態では、4連タンデム直接転写方式のカラー画像形成装置での適用例を示したが、図30に示すように、4連タンデム構成で中間転写体へ転写した後転写紙へ一括転写する方式のカラー画像形成装置においても同様に実施できる(第3の実施形態)。
本実施形態では上述した位置合わせパターンPm、Psが中間転写体としての中間転写ベルト2上に形成され、これを支持ローラ2Bの近傍に配置された位置合わせパターン検知センサ40により検知する。位置ずれ量補正手段は第1の実施形態と同様である。
【0085】
以下に、本実施形態における画像形成装置としてのタンデム型のカラー複写機の構成及び動作の概要を説明する。カラー複写機1は、装置本体中央部に位置する画像形成部1Aと、該画像形成部1Aの下方に位置する給紙部1Bと、画像形成部1Aの上方に位置する画像読取部1Cを有している。
画像形成部1Aには、水平方向に延びる転写面を有する転写体としての中間転写ベルト2が配置されており、該中間転写ベルト2の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体3Y、3M、3C、3Bが中間転写ベルト2の転写面に沿って並置されている。
【0086】
各感光体3Y、3M、3C、3Bはそれぞれ同じ反時計回り方向に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電手段としての帯電装置4、各感光体3Y、3M、3C、3B上に画像情報に基づいて電位VLの静電潜像を形成するための露光手段としての光書込装置5、各感光体3上の静電潜像を該静電潜像と同極性のトナーで現像する現像手段としての現像装置6、一次転写手段としての転写バイアスローラ7、印加電圧部材15、クリーニング装置8が配置されている。各符号に付記しているアルファベットは、感光体3と同様、トナーの色別に対応している。各現像装置6にはそれぞれのカラートナーが収容されている。
中間転写ベルト2は、複数のローラ2A〜2Cに掛け回されて感光体3Y、3M、3C、3Bとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を備えている。転写面を支持するローラ2A、2Bとは別のローラ2Cは、中間転写ベルト2を挟んで2次転写装置9に対向している。図30中、符号10は中間転写ベルト2を対象としたクリーニング装置を示している。
【0087】
感光体3Yの表面が帯電装置4Yにより一様に帯電され、画像読取部1Cからの画像情報に基づいて感光体3Y上に書き込み密度(=解像度)600dpiで静電潜像が形成される。該静電潜像はイエローのトナーを収容した2成分(キャリアとトナー)現像装置6Yによりトナー像として可視像化され、該トナー像は第1の転写工程として、中間転写ベルト2上に、転写バイアスローラ7Yに印加された電圧による電界で引き付けられて転写される。
印加電圧部材15Yは感光体3Yの回転方向における転写バイアスローラ7Yの上流側に設けられている。印加電圧部材15Yにより、中間転写ベルト2に感光体3Yの帯電極性と同極性で且つ絶対値がベタ時VLより大きい電圧を印加し、転写領域にトナー像が入る以前に感光体3Yから中間転写ベルト2へトナーが転写することを防止して、感光体3Yから中間転写ベルト2へのトナーの転写時のチリによる乱れを防止する。
【0088】
他の感光体3M、3C、3Bでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が中間転写ベルト2上に順に転写されて重ね合わせられる。
転写後感光体3上に残留したトナーはクリーニング装置8により除去され、また、転写後図示しない除電ランプにより感光体3の電位が初期化され、次の作像工程に備えられる。
2次転写装置9は、帯電駆動ローラ9A及び従動ローラ9Bに掛け回されて中間転写ベルト2と同方向に移動する転写ベルト9Cを有している。転写ベルト9Cを帯電駆動ローラ9Aにより帯電させることで、中間転写ベルト2に重畳された多色画像あるいは担持されている単一色の画像を転写材としての用紙28に転写することができる。
【0089】
2次転写位置には給紙部1Bから用紙28が給送されるようになっている。給紙部1Bには用紙28が積載収容される複数の給紙カセット1B1と、給紙カセット1B1に収容された用紙28を最上のものから順に1枚ずつ分離して給紙する給紙コロ1B2と、搬送ローラ対1B3と、2次転写位置の上流に位置するレジストローラ対1B4等が設けられている。
給紙カセット1B1から給紙された用紙28は、レジストローラ対1B4で一旦停止され、斜めずれ等を修正された後、中間転写ベルト2上のトナー像の先端と搬送方向先端部の所定位置とが一致するタイイングでレジストローラ対1B4により2次転写位置に送られる。装置本体の右側には起倒可能に手差しトレイ29が設けられており、該手差しトレイ29に収容された用紙28は給紙コロ31により給送された給紙カセット1B1からの用紙搬送路と合流する搬送路によりレジストローラ対1B4に向けて送られる。
【0090】
光書込装置5では、画像読取部1Cからの画像情報あるいは図示しないコンピュータから出力される画像情報により書き込み光が制御されて感光体3Y、3M、3C、3Bに対して画像情報に応じた書き込み光を出射して静電潜像を形成するようになっている。
画像読取部1Cは、自動原稿給送装置1C1と、原稿載置台としてのコンタクトガラス80を有するスキャナ1C2等を有している。自動原稿給送装置1C1は、コンタクトガラス80上に繰り出される原稿を反転可能な構成を有し、原稿の表裏各面での走査が行えるようになっている。
光書込装置5により形成された感光体3上の静電潜像は現像装置6によって可視像処理され、中間転写ベルト2に1次転写される。中間転写ベルト2に対して各色毎のトナー像が重畳転写されると、2次転写装置9により用紙28上に一括して2次転写される。2次転写された用紙28は定着装置11へ送られ、ここで熱と圧力により未定着画像を定着される。2次転写後の中間転写ベルト2上の残留トナーは、クリーニング装置10により除去される。
【0091】
定着装置11を通過した用紙28は、定着装置11の下流側に設けられた搬送路切り換え爪12により、排紙トレイ27に向けた搬送路と反転搬送路RPとに選択的に案内される。排紙トレイ27に向けて搬送された場合には、排紙ローラ対32により排紙トレイ27上に排出され、スタックされる。反転搬送路RPへ案内された場合には反転装置38により反転され、再度レジストローラ対1B4に向けて送られる。
【0092】
以上の構成により、カラー複写機1では、コンタクトガラス80上に載置された原稿を露光走査することにより、あるいはコンピュータからの画像情報により、一様に帯電された感光体3に対して静電潜像が形成され、該静電潜像が現像装置6によって可視像処理された後、トナー像が中間転写ベルト2に1次転写される。
中間転写ベルト2に転写されたトナー像は、単一画像の場合にはそのまま給紙部1Bから繰り出された用紙28に転写される。多色画像の場合には1次転写が繰り返されることにより重畳された後、用紙28に一括して2次転写される。
2次転写後の用紙28は定着装置11により未定着画像を定着された後、排紙トレイ27に排出され、あるいは反転されて両面画像形成のために再度レジストローラ対1B4に向けて送られる。
【0093】
また、1つ感光体ドラムとリボルバー方式の現像装置を用いて各色のトナー像を形成し、各トナー像を中間転写体に重ね合わせ転写した後、シート状記録媒体としての転写紙上に一括転写する方式のカラー画像形成装置においても同様に実施することができる(第4の実施形態)。その一例を図31に示す。
本実施形態では、上述した位置合わせパターンPm、Psが中間転写体としての中間転写ベルト426上に形成され、これを駆動ローラ444の近傍に配置された位置合わせパターン検知センサ40により検知する。位置ずれ量補正手段は第1の実施形態と同様である。
【0094】
以下に、本実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機の構成の概要を説明する。
カラー複写機において、露光手段としての書き込み光学ユニット400は、カラースキャナ200からのカラー画像データを光信号に変換して原稿画像に対応した光書き込みを行い、像担持体である感光体ドラム402上に書き込み密度(=解像度)600dpiにて静電潜像を形成する。
該書き込み光学ユニット400は、レーザーダイオード404、ポリゴンミラー406とその回転用モータ408、f/θレンズ410や反射ミラー412等により構成されている。
感光体ドラム402は、矢印で示すように反時計回りの向きに回転され、その周囲には、感光体クリーニングユニット414、除電ランプ416、電位センサ420、回転式現像装置422のうちの選択された現像器、現像濃度パターン検知器424、中間転写体としての中間転写ベルト426等が配置されている。
【0095】
回転式現像装置422は、ブラック用現像器428、シアン用現像器430、マゼンタ用現像器432、イエロー用現像器434と、各現像器を回転させる図示しない回転駆動部を有している。各現像器は、キャリアとトナーとの混合現像剤が入った、いわゆる2成分現像方式の現像器であり、上記実施形態で示した現像装置4と同様の構成を有している。磁性キャリアの条件や仕様等も同様である。
待機状態では、回転式現像装置422は、ブラック現像の位置にセットされており、コピー動作が開始されると、カラースキャナ200で所定のタイミングからブラック画像のデータの読み取りがスタートし、この画像データに基づいてレーザ光による光書き込み・静電潜像(ブラック潜像)の形成が始まる。
【0096】
このブラック潜像の先端部から現像するために、ブラック用現像器428の現像位置に潜像先端部が到達する前に、現像スリーブを回転開始してブラック潜像をブラックトナーで現像する。感光体ドラム402にはマイナス極性のトナーが作像される。
そして、以後、ブラック潜像領域の現像動作を続けるが、潜像後端部がブラック現像位置を通過した時点で、速やかにブラックのための現像位置から次の色の現像位置まで、回転式現像装置422が回転する。当該動作は、少なくとも、次の画像データによる潜像先端部が到達する前に完了させる。
像形成サイクルが開始されると、まず、感光体ドラム402は矢印で示すように反時計回りの向きに、中間転写ベルト426は時計回りの向きに、図示しない駆動モータによって回転させられる。中間転写ベルト426の回転に伴って、ブラックトナー像形成、シアントナー像形成、マゼンタトナー像形成、イエロートナー像形成が行われ、最終的にブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に、中間転写ベルト426上に重ねられ(1次転写)、トナー像が形成される。
【0097】
中間転写ベルト426は、感光体ドラム402に対向する1次転写電極ローラ450、駆動ローラ444、2次転写ローラ454に対向する2次転写対向ローラ446、中間転写ベルト426の表面を清掃するクリーニング手段452に対向するクリーニング対向ローラ448Aの各支持部材間に張架されており、図示しない駆動モータにより駆動制御されるようになっている。
感光体ドラム402に順次形成されるブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像が中間転写ベルト426上で正確に順次位置合わせされ、これによって4色重ねのベルト転写画像が形成される。このベルト転写画像は2次転写対向ローラ446により用紙に一括転写される。
【0098】
給紙バンク456内の各記録紙カセット458、460、462には装置本体内のカセット464に収容された用紙のサイズとは異なる各種サイズの用紙が収容されており、これらのうち、指定されたサイズ紙の収容カセットから、該指定された用紙が給紙コロ466によってレジストローラ対470方向に給紙・搬送される。図31において、符号468はOHP用紙や厚紙等のための手差し給紙トレイを示す。
像形成が開始される時期に、用紙は上記いずれかのカセットの給紙口から給送され、レジストローラ対470のニップ部で待機する。そして、2次転写対向ローラ446に中間転写ベルト426上のトナー像の先端がさしかかるときに、丁度用紙先端がこの像先端に一致するようにレジストローラ対470が駆動され、用紙と像のレジスト合わせが行われる。
【0099】
このようにして、用紙が中間転写ベルト426と重ねられて、トナーと同極性の電圧が印加される2次転写対向ローラ446の下を通過する。このとき、トナー画像が用紙に転写される。続いて、用紙は除電され、中間転写ベルト426から剥離して紙搬送ベルト472に移る。
中間転写ベルト426から4色重ねトナー像を一括転写された用紙は、紙搬送ベルト472によりベルト定着方式の定着装置470へ搬送され、この定着装置470で熱と圧力によりトナー像を定着される。定着を終えた用紙は排出ローラ対480で機外へ排出され、図示しないトレイにスタックされる。これにより、フルカラーコピーが得られる。
【0100】
本発明における上述した位置合わせパターン検知センサは、2色の重ね合わせパッチを複数形成することにより構成される位置合わせパターンを検出することにより、位置ずれ量を検知、補正を行う画像形成装置であれば、どれでも適用できるために、インクジェット装置の位置ずれ検知センサとしても適用可能である(第5の実施形態)。
その一例を図32乃至図34に基づいて説明する。
【0101】
まず、図32に基づいて画像形成装置としてのインクジェット記録装置500の概略構成及び印字機能を説明する。インクジェット記録装置500は、装置本体501の内部に、主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部502等を有している。
装置本体501の下方部にはシート状記録媒体としての用紙503を積載収容可能な給紙カセット504が設けられており、該給紙カセット504は前方側(図中左側)から装置本体501に対して着脱自在に設けられている。
装置本体501の前面には手差しトレイ505が開閉自在に設けられており、給紙カセット504又は手差しトレイ505から給紙される用紙503を搬送して印字機構部502により書き込み密度(=解像度)600dpiにて所定の画像を記録した後、装置本体501の後面側に設けられた排紙トレイ506に排紙するようになっている。装置本体501の上面は上カバー507が開閉自在に設けられている。
【0102】
印字機構部502では、図示しない左右の側板間に支持された主ガイドロッド508と従ガイドロッド509によりキャリッジ510が主走査方向(紙面垂直方向)に摺動自在に保持されており、該キャリッジ510の下面側には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出するノズルを有するインクジェットヘッドからなる記録ヘッド511が設けられている。キャリッジ510の上側には記録ヘッド511に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ512が交換可能に設けられている。
記録ヘッド511としては、各色のインク滴を吐出する複数個のヘッドを主走査方向に並べて配置したもの、あるいは各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドを用いたものでもよい。
【0103】
記録ヘッド511の下方には、該記録ヘッド511による印写位置に対して用紙503を副走査方向に搬送するために、搬送ローラ513と従動ローラ514の間に用紙503を静電吸着して搬送する搬送ベルト515が掛け回されている。搬送ベルト515は中間ローラ516によってテンションを付与されている。
搬送ベルト515を挟んで搬送ローラ513と対向する位置には、搬送ベルト515を帯電させるためのバイアスローラ517が配設されている。搬送ベルト515の平面起点部付近には、用紙503を搬送ベルト515側に押し付ける押さえローラ518が配設されている。ここで、搬送ベルト515の平面起点部とは、搬送ベルト515の記録ヘッド511側で該記録ヘッド511と平行になる部分の用紙搬送方向上流側、具体的には搬送ローラ513から搬送ベルト5151が離れる部分を意味している。
【0104】
給紙カセット504に収容された用紙503は、給紙コロ519及びフリクションパッド520により最上のものから順に1枚ずつ分離され、湾曲したガイド部材521によりバイアスローラ517と搬送ベルト515のニップ部に向けて搬送される。
搬送ベルト515の用紙搬送方向下流側上方には、用紙503に形成される位置合わせパターンPmを検知する位置合わせパターン検知センサ40が設けられている。位置ずれ量補正手段は第1の実施形態と同様である。
図33は搬送ベルト515周辺の拡大図であるが、図32で示した押さえローラ518に代えて板状の抑え部材522を設けてもよい。
図34に示すように、位置合わせパターンが形成される転写体としての用紙503上に例えば図35で示した位置合わせパターンPkが形成され、これを位置合わせパターン検知センサ40で検知して色ずれを補正する。
【0105】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成する位置合わせパターンの形成方法において、上記位置合わせパターンのライン幅と、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との相関関係を実験的に導出し、導出された結果に基づいて上記ライン幅を決定することとしたので、基準色以外の色のライン像の任意のシフト量に対する2直線の直線性を悪化させているライン幅、受光幅との関係による要因を低減でき、直線性の向上、すなわち位置合わせパターン検知精度の向上を図ることができる。
【0106】
請求項2記載の発明によれば、基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンの形成方法において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅と、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との相関関係を実験的に導出し、導出された結果に基づいて上記ライン幅を決定することとしたので、基準色以外の色のライン像の任意のシフト量に対する2直線の直線性を悪化させているライン幅、受光幅との関係による要因を低減でき、直線性の向上、すなわち位置合わせパターン検知精度の向上を図ることができる。
【0107】
請求項3記載の発明によれば、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成することとしたので、基準色以外の色のライン像の任意のシフト量に対する2直線の直線性を悪化させているライン幅、受光幅との関係による要因を最大許容値以下とすることができる。その結果、
▲1▼:従来のエッジ検出方式に比べ、約1/100の低サンプリング周波数でも高精度な検知が可能となる。
▲2▼:▲1▼の結果として、サンプリング以降の処理回路部も高速化する必要がなくなるために、エレキハードウエア構成を大幅にコストダウン可能となる。
▲3▼:2直線の直線性が大幅に改善されるので、位置合わせパターンを構成するパッチ数を大幅に減らすことが可能となる。
▲4▼:▲3▼の結果として、位置ずれ調整のように、通常プリントとは関係のない調整に要する処理時間を大幅に短縮できるので、生産性を大幅に向上することができる。
【0108】
請求項4記載の発明によれば、基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成することとしたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0109】
請求項5記載の発明によれば、転写体上に基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成される位置合わせパターンにおいて、上記ライン像のライン幅を、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成したこととしたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0110】
請求項6記載の発明によれば、転写体上に基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンにおいて、上記ライン像のライン幅を、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成したこととしたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0111】
請求項7記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成する構成としたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0112】
請求項8記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成する構成としたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0113】
請求項9記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成する構成としたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0114】
請求項10記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成する構成としたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0115】
請求項11記載の発明によれば、請求項8又は10記載の画像形成装置において、基準色である黒ライン像の作像順序は、上記転写体上での色重ねの最終色である構成としたので、高いSN比が得られ、検知精度を向上させることができる。
【0116】
請求項12記載の発明によれば、請求項7乃至10のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記位置合わせパターンを形成する上記転写体の明度(L*)が40以下、好ましくは20以下である構成としたので、高いSN比が得られ、検知精度を向上させることができる。
【0117】
請求項13記載の発明によれば、請求項7乃至10のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、位置合わせパターン検知手段の出力電圧の極大値又は極小値近傍における飽和現象による直線性悪化を排除でき、近似直線の直線性をより高められるので、位置ずれ検知精度を向上させることができる。
【0118】
請求項14記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、位置合わせパターン検知手段の出力電圧の極大値又は極小値近傍における飽和現象による直線性悪化を排除でき、近似直線の直線性をより高められるので、位置ずれ検知精度を向上させることができる。
【0119】
請求項15記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、請求項14記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0120】
請求項16記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、請求項14記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0121】
請求項17記載の発明によれば、複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、請求項14記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0122】
請求項18記載の発明によれば、請求項13乃至17のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、2成分現像方式の現像装置を有している構成としたので、位置合わせパターンの形成におけるライン太り又は細りが生じやすいので、特に、近似直線の直線性をより高めて位置ずれ検知精度を向上させる効果を発揮させることができる。
【0123】
請求項19記載の発明によれば、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成する構成としたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0124】
請求項20記載の発明によれば、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331)
を満たすように形成する構成としたので、請求項3記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0125】
請求項21記載の発明によれば、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、請求項14記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0126】
請求項22記載の発明によれば、インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わない構成としたので、請求項14記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0127】
請求項23記載の発明によれば、請求項7乃至22のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記位置合わせパターン検知手段の受光部が、拡散反射光又は拡散反射成分を検知するように構成されていることとしたので、2直線の直線性の高い改善機能を得ることができ、位置合わせパターンの検知精度を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置としてのカラープリンタの概要正面図である。
【図2】主走査方向の位置ずれ検知用の位置合わせパターンの概要平面図である。
【図3】位置合わせパターンの走査方向に対する位置合わせパターン検知センサの配置関係を示す概要平面図である。
【図4】転写ベルト上における位置合わせパターンの形成位置と位置合わせパターン検知センサとの位置関係を示す概要平面図である。
【図5】位置ずれ量補正手段を示すブロック図である。
【図6】顕微鏡観察による各パッチのBkラインに対するカラーライン幅の実測値を示すグラフである。
【図7】位置合わせパターン検知センサの受光面形状が円形であることにより生じる面積増分の非線形性を示す図である。
【図8】位置合わせパターン検知センサの受光面形状が円形であることにより生じる面積増分の非線形性を示す図である。
【図9】円形の受光面内における長方形の面積を求める図である。
【図10】受光面内に占めるカラーライン像の面積値を各パッチの出力値とするシミュレーション計算によるグラフ及びBkライン中心と受光面中心との位置関係を示す図である。
【図11】受光面内に占めるカラーライン像の面積値を各パッチの出力値とするシミュレーション計算によるグラフ及びBkライン中心と受光面中心との位置関係を示す図である。
【図12】受光面内に占めるカラーライン像の面積値を各パッチの出力値とするシミュレーション計算によるグラフ及びBkライン中心と受光面中心との位置関係を示す図である。
【図13】Bkライン中心の受光面中心からのずれ量に対する検出誤差を示すグラフである。
【図14】ライン幅/受光径比に対する検出誤差を示すグラフである。
【図15】解像度とライン幅/受光幅比の最大許容値の関係を示すグラフである。
【図16】転写ベルト上の位置合わせパターンのずれ量の実測結果を示すグラフである。
【図17】転写ベルト上の位置合わせパターンのずれ量のセンサによる実測結果を示すグラフである。
【図18】BkラインとCラインが共にライン太りを生じている状態を示す図である。
【図19】Bkラインのみにライン太りが生じている状態を示す図である。
【図20】LED発光電流と正反射光出力との関係を示すグラフである。
【図21】正反射光により検知を行った場合の位置ずれパターン出力を示すグラフである。
【図22】LED発光電流と拡散反射光出力との関係を示すグラフである。
【図23】拡散反射光により検知を行った場合の位置ずれパターン出力を示すグラフである。
【図24】転写ベルト表面の光沢度とセンサ出力との関係を示すグラフである。
【図25】転写ベルト表面の明度と拡散光出力との関係を示すグラフである。
【図26】Bkラインに対するカラーラインのシフト量と拡散反射光出力電圧との関係を示すグラフである。
【図27】副走査方向の位置ずれ検知用の位置合わせパターンの概要平面図である。
【図28】位置合わせパターンの走査方向に対する向き(角度)の変化を示す図である。
【図29】第2の実施形態における位置合わせパターン検知センサの構成を示す図である。
【図30】第3の実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機の概要正面図である。
【図31】第4の実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機の概要正面図である。
【図32】第5の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の概要正面図である。
【図33】図32における搬送ベルト周辺の拡大図である。
【図34】インクジェット記録装置における位置合わせパターンの形成と位置合わせパターン検知センサの位置関係を示す概要平面図である。
【図35】2色のラインの重ね合わせにより構成される位置合わせパターンの概要平面図である。
【図36】位置合わせパターンの走査方向に対する従来の光学センサの各素子の配置を示す概要平面図である。
【図37】従来の光学センサを用いた場合のライン幅が24dotの位置ずれパターンの出力電圧と交点計算結果を示すグラフである。
【図38】従来の光学センサを用いた場合のライン幅が10dotの位置ずれパターンの出力電圧と交点計算結果を示すグラフである。
【符号の説明】
Pm、Ps 位置合わせパターン
40、60 位置合わせパターン検知手段としての位置合わせパターン検知センサ
702 受光部としてのフォトトランジスタ
46 位置ずれ量補正手段
Bk 黒のライン像
Claims (23)
- 基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成する位置合わせパターンの形成方法において、
上記位置合わせパターンのライン幅と、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との相関関係を実験的に導出し、導出された結果に基づいて上記ライン幅を決定することを特徴とする位置合わせパターンの形成方法。 - 基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンの形成方法において、
上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅と、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との相関関係を実験的に導出し、導出された結果に基づいて上記ライン幅を決定することを特徴とする位置合わせパターンの形成方法。 - 基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成することを特徴とする位置合わせパターンの形成方法。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331) - 基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知するための位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成することを特徴とする位置合わせパターンの形成方法。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331) - 転写体上に基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成される位置合わせパターンにおいて、
上記ライン像のライン幅を、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成したことを特徴とする位置合わせパターン。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331) - 転写体上に基準色である黒のライン像と該基準色以外のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンにおいて、
上記ライン像のライン幅を、画像形成装置の書き込み密度及び位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成したことを特徴とする位置合わせパターン。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331) - 複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成することを特徴とする画像形成装置。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331) - 複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成することを特徴とする画像形成装置。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331) - 複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成することを特徴とする画像形成装置。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331) - 複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成することを特徴とする画像形成装置。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331) - 請求項8又は10記載の画像形成装置において、
基準色である黒ライン像の作像順序は、上記転写体上での色重ねの最終色であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7乃至10のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記位置合わせパターンを形成する上記転写体の明度(L*)が40以下、好ましくは20以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7乃至10のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わないことを特徴とする画像形成装置。 - 複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わないことを特徴とする画像形成装置。 - 複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次転写体上に重ねて転写した後、シート状記録媒体に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わないことを特徴とする画像形成装置。 - 複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わないことを特徴とする画像形成装置。 - 複数の像担持体を有し、各像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に担持されたシート状記録媒体上に順次重ねて転写することによりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わないことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13乃至17のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
2成分現像方式の現像装置を有していることを特徴とする画像形成装置。 - インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンのライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成することを特徴とする画像形成装置。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331) - インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンの各パッチを構成するライン幅を、上記画像形成装置の書き込み密度及び上記位置合わせパターン検知手段の受光幅との関係において、以下の関係を満たすように形成することを特徴とする画像形成装置。
[ライン幅]<[受光幅]×(5.0627×[書き込み密度(dpi)]− 0.5331) - インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の像と該基準色以外の色の像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わないことを特徴とする画像形成装置。 - インクジェット方式によりカラー画像を得る画像形成装置であって、基準色である黒のライン像と該基準色以外の色のライン像とを重ねて形成された複数ラインを1つのパッチとし、2色のライン像の相対的位置関係を任意量ずつずらしたパッチを連続的に形成してなる位置合わせパターンと、該位置合わせパターンを検知する位置合わせパターン検知手段と、該位置合わせパターン検知手段からの出力信号に基づいて上記基準色の黒のライン像と該基準色以外の色のライン像との位置ずれ量とその方向を判断し該位置ずれ量を補正する位置ずれ量補正手段を有する画像形成装置において、
上記位置合わせパターンの基準色ライン像に対する基準色以外のライン像の任意のシフト量に対する上記位置合わせパターン検知手段からの出力信号が1つ以上の極値を持ち、任意のシフト量を横軸としたときに、上記位置ずれ量補正手段は、上記極値に対し両側に形成される2直線の交点を算出することにより基準色に対する基準色以外の色の位置ずれ量とその方向を判断するものであって、その交点算出には極値又は極値近傍におけるデータ点を計算に使わないことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7乃至22のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記位置合わせパターン検知手段の受光部が、拡散反射光又は拡散反射成分を検知するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
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DE60323454T DE60323454D1 (de) | 2002-11-29 | 2003-11-19 | Verfahren zur Festlegung der minimal nutzbaren Messfläche eines Sensors für Ausrichtmuster in einem Bildformungsapparat |
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