JP2004184288A - 物体検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外来ノイズや人の着座姿勢によって影響を受けることがなく、物体の有無を検出可能な物体検出装置を提供する。
【解決手段】任意の間隔で対向する2枚の電極板12a,12bの間に直流電圧を印加した状態で、この電極板間に人などの物体が存在する状態と、この電極板間に人などの物体が存在しない状態とでは、電極板間の誘電率が変化することにより2枚の電極板間を流れる直流電流値が異なる値となる。物体検出装置1は、検出回路11で、この直流電流値を検出することができるので、物体の有無を容易に検出することが可能となる。また、直流電流の変化量は微小であるが、交流電流に比べて外来ノイズの影響を受けにくいので、精度良く人などの物体(誘電体)の有無を検出することができる。
【選択図】図3
【解決手段】任意の間隔で対向する2枚の電極板12a,12bの間に直流電圧を印加した状態で、この電極板間に人などの物体が存在する状態と、この電極板間に人などの物体が存在しない状態とでは、電極板間の誘電率が変化することにより2枚の電極板間を流れる直流電流値が異なる値となる。物体検出装置1は、検出回路11で、この直流電流値を検出することができるので、物体の有無を容易に検出することが可能となる。また、直流電流の変化量は微小であるが、交流電流に比べて外来ノイズの影響を受けにくいので、精度良く人などの物体(誘電体)の有無を検出することができる。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体など物体(誘電体)の有無を検出する物体検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図書館では、利用者が他の利用者を気にせず読書できるように、パーテーションなどで仕切られたブースや個室などを用意している場合がある。また、インターネットカフェでは、利用者が他の利用者を気にせずコンピュータを使用できるように、パーテーションで仕切られたブースや個室にコンピュータを設置している場合がある。
【0003】
従来、このようなブースや個室の使用状況、つまり人の有無を検出するための装置として、所定の間隙で互いに対向配置された2枚の電極板間に交流電圧を印加して、交流電流の変化を検出する物体検出装置があった。また、座席に2つの電極を設けて、座席に着座した人体の影響によって変化する静電容量を電気信号に変換して検出する着座センサがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−249773号公報(第3−4頁、第1−16図)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の物体検出装置が検出する交流電流は、周波数帯域が広く外来ノイズが重畳しやすいため、フィルタ回路を設けても完全にノイズを除去することができず、物体検出装置で人体の有無をうまく検出できないという問題があった。
【0006】
また、特許文献1に記載の着座センサは、2つの電極板間の静電容量を検出するため、2つの電極のギャップが小さいほど人体の影響を受けやすく検出精度が向上することになる。しかしながら、このように、2つの電極のキャップを小さくすると、人の着座姿勢によって著しく影響を受けるため、人が着座したことをうまく検出しできない場合あるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために、外来ノイズや人の着座姿勢によって影響を受けることがなく、物体の有無を検出可能な物体検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0009】
(1)任意の間隔で2枚の電極板を対向させた電極対と、この電極対に直流電圧を印加する電源と、前記電極対に流れる直流電流値により前記2枚の電極板間における物体の有無を検出する検出手段と、を備えたこと特徴とする。
【0010】
誘電体に直流電界Eを印加すると、通常、低電界ではオームの法則(J∝E)に従う電流密度Jの微小電流が流れる。任意の間隔で対向する2枚の電極板間に直流電圧を印加した状態で、この電極板間に人などの物体が存在する状態と、この電極板間から人などの物体が存在しない状態とでは、電極板間の誘電率が変化することにより2枚の電極板間を流れる直流電流値が変化する。物体検出装置は、検出手段で、この直流電流値を検出することができるので、物体の有無を容易に検出することが可能となる。また、直流電流値は微小であるが、交流電流に比べて外来ノイズの影響を受けにくいので、精度良く人などの物体(誘電体)の有無を検出することができる。
【0011】
(2)前記電極対を2組または3組備え、前記各電極対を直交配置したことを特徴とする。
【0012】
電極対を2組または3組設けることにより、電極板間における人などの物体の有無を、より確実に検出することができる。また、各電極対を直交配置することで、各電極対の間の電界が他の電極対の電界へ及ぼす影響をなくすことができ、最も効率良く人などの物体の有無を検出できる。
【0013】
(3)前記電極対を構成する2枚の電極板の少なくとも一方が、透明導電性フィルムであることを特徴とする。
【0014】
この構成においては、電極対の少なくとも一方の電極板を透明導電性フィルムにすることで、例えばコンピュータのモニタ表面に電極板を取り付けた場合でも、利用者は、電極板が取り付けられたことを気にせずにモニタを使用することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の物体検出装置の原理を説明するための回路図である。図1に示したように、面積Sの電極板2a,2bを距離dだけ離して平行に配置し、電極板2a,2b間に直流電圧Vを印加すると、電極板2a,2b上にはそれぞれ+σ0、−σ0の面電荷が発生する。また、誘電体に直流電界Eを印加すると、通常、低電界ではオームの法則(J∝E)に従う電流密度Jの微小電流が流れる。
【0016】
電極板2a,2b間に印加される電圧Vは、真空中の表面電荷密度をσ0、及 び誘電率をε0とした場合、以下の式で表すことができる。
【0017】
V=σ0d/ε0
また、電極板2a,2b間に直流電圧Vを印加した状態で、誘電率εの誘電体を挿入した状態を式で表すと、以下のようになる。
【0018】
V={σ0(d−t)/ε0}+(σt/ε)
σ=σ0[εd/{ε(d−t)+ε0t}]
なお、誘電体が電極板間に存在しない場合は、t=0となり、σ=σ0である。 また、電極間に印加する電圧Vを一定にすると下記次式が成り立つ。
【0019】
σ=V/{{(d−t)/ε0}+t/εt}
電荷密度は単位時間あたりの電荷密度であるので、誘電体が挿入されない時の電流密度をJ0とすると、以下のようになる。
【0020】
ここで、分母の大小関係を見ると次式が成り立つ。
【0021】
εr≧εr(d−t)+t
すなわち、誘電体の挿入により、電流密度が増加することになる。
【0022】
誘電体として人を想定する場合、人の主成分は水であるため、水の比誘電率を使用して、電流密度Jを求める。
【0023】
水の比誘電率εr=ε/ε0=80
電極の間隔d=1.0m
誘電体(人)の厚みt=0.3m
とすると、
J=J0×1.42
となる。したがって、2枚の電極板間に誘電体である人が入った場合、電極板間の電流密度は、誘電体を挿入しない時よりも42%増加する。
【0024】
このように、本発明の物体検出装置1では、電極板間に人がいる場合と電極板間に人がいない場合とで、電流密度が約42%変化するので、この電流密度の変化を検出して、電極板間における人や他の物体の有無を検出する。つまり、本発明では、人など誘電体の有無により電極板間の直流電流値が変動するので、これを検出して電極板間における人の有無を検出する。
【0025】
ここで、誘電体によっては、その大きさに応じて空気中に含まれる水分、つまり湿度の影響を考慮する必要がある。図2は、飽和水蒸気量の変化を示したグラフである。例えば、図2に示したように、気温25℃湿度100%の場合で、空気中の水分量は1m3あたり22.8グラムである。また、気温40℃湿度10 0%の場合でも、空気中の水分量は1m3あたり51.2グラムである。そのた め、誘電体のサイズが小さい場合、この湿度の影響を考慮する必要がある。しかしながら、誘電体として人を検出する場合、空気中の水分量は人の体重に比べてわずかな量であるため、湿度の影響は無視できる。したがって、本発明の物体検出装置で、人の有無を検出する場合は、湿度の影響を考慮しなくても良い。
【0026】
次に、本発明の実施形態に係る物体検出装置の具体的な構成について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る物体検出装置の概略の構成図である。図3には、一例として、コンピュータ23を設置したブースを利用する人21の有無を検出するために物体検出装置1を設置した構成を示している。
【0027】
物体検出装置1は、任意の間隔で対向配置した2枚の電極板12a,12bから成る電極対12を検出回路11に接続した構成である。検出回路11は、直流電源13、電流制限抵抗14、信号検出用抵抗15、及び信号変化検出部16を備えている。電極対12、直流電源13、電流制限抵抗14、及び信号検出用抵抗15は、各々が直列に接続されて直列回路17を構成する。
【0028】
電極対12は、電極板12a及び電極板12bの間において、人などの誘電体である物体21(以下、人21と称する。)の有無を検出するためのものである。ここで、電極板12aを、コンピュータ23を構成するモニタ24の表示部に取り付けるようにし、電極板12bを電極板12aに対向する位置の壁や窓などに取り付けると良い。つまり、利用者の前後に電極板12a,12bを設置すると良い。コンピュータ23の利用者は、通常モニタ24の表示内容を見ながらコンピュータ23を使用するので、このモニタ24に電極対12を設けることで、確実に人の有無を検出することができる。
【0029】
また、モニタ24に取り付ける電極板12aは、透明導電性フィルムを使用すると良い。これにより、コンピュータ23の利用者は、モニタ24に電極板12aが取り付けられていることを気にすることなく、コンピュータ23を使用できる。
【0030】
電極板12a,12bのサイズは、例えば、図3に示したように、15インチのモニタの表示部全体を覆う程度の大きさにすると良い。もちろん、電極板12a,12bは、さらに大きなサイズであっても良い。
【0031】
また、電極対12の電極板12a,12bを取り付ける位置は、利用者の前後に限るものではなく、例えば、利用者の左右や上下など、2枚の電極板間に利用者がいることを検出できる構成であれば良い。さらに、2枚の電極板を設置する距離は、任意の距離に設定しても、利用者の有無を検出するための直流電流に大きな変化は生じないので、利用者の有無を問題なく検出できる。
【0032】
直流電源13は、直列回路17に直流電圧を印加する。ここで、直流電源13から直列回路17に印加する直流電圧は、例えば、100V〜1000Vが好適である。
【0033】
電流制限抵抗14は、直流回路17に流れる直流電流を制限して、電極板12aや電極板12bに人21が触れても感電しないようにするための抵抗である。信号検出用抵抗15は、電極対12を構成する2枚の電極板間の誘電率が変化した際に、直流回路17に流れる直流電流を直流電圧に変換するための抵抗である。電圧変化検出部16は、信号検出用抵抗15の両端間の電圧値を測定して、電圧値に応じた信号を出力する。
【0034】
一般的に、清浄な空気中の電流密度は、1メートルの間隔をおいて平行に設置した2枚の電極板間に100Vの電圧を印加した場合で、10−14A/m2程度となる。したがって、電極板間の抵抗値はおよそ1016Ωである。このように、電極板間の抵抗値は大きな値になるため、電流制限抵抗14を、電極板間の抵抗値の1/10程度の値に設定したしても、真の電流値の1割程度の減少で済み、ほとんど問題とはならない。したがって、電極対12の電極板間に100Vを印加する場合には、電流制限抵抗14を1015Ωにすると良い。
【0035】
また、直列回路17に流れる電流値を検出するための信号検出用抵抗15は、電流制限抵抗14の1/10程度の抵抗値、つまり1014Ωに設定すると良い。これにより、信号検出用抵抗15の両端に発生する電圧が1V程度となり、外来ノイズの影響を受けずに通常の測定回路で測定できる電圧レベルとなる。
【0036】
さらに、一般的には、直列回路17に流れる電流を増加させることにより、S/N比(信号対雑音比)を向上させることができる。そのため、本実施例では、両電極板間に印加する電圧を可変できる構成にしても良い。すなわち、電流制限抵抗14として、異なる値の抵抗14a及び14bを並列に接続した構成として、スイッチ18で接続する抵抗を選択できる構成にすると良い。また、信号検出用抵抗15として異なる値の抵抗15a及び15bを並列に接続した構成として、スイッチ19で接続する抵抗を選択できる構成にしても良い。
【0037】
次に、図4は、直列回路に流れる電流の変化を検出する信号変化検出部の一例の構成を示した回路図である。信号変化検出部16は、入力端子31、入力端子32、TTF(Twin−T Filter)33、LPF(Low Pass Filter)34、差動増幅器35、コンパレータ(比較増幅器)37、参照用電圧源38、スイッチ39、ディジタルインプット回路(以下、DI回路と称する。)40、表示装置41、抵抗42、及びCPU43を備えている。
【0038】
電圧検出回路16の端子31及び32は、図3に示した電流検出用抵抗素子15の両端に接続する。また、電流検出用抵抗素子15の両端に発生した電圧を取り出すために、高入力抵抗の差動増幅器35の入力端子を端子31、端子32に接続している。また、外来ノイズを抑制するために、本実施例では、端子31と差動増幅器35の一方の入力端子との間に、フィルタ回路としてTTF33及びLPF34を設けて、外来ノイズなどの不要な信号レベルを、例えば−60dB以下に抑制している。なお、このフィルタ回路は、通常、直流成分を通すが交流成分を遮断するようなフィルタ(例えばローパスフィルタ)が適している。また、室内などでコンピュータシステムを稼働させている場合には、このシステムの供給用電源周波数(50Hzまたは60Hz)及び高次の周波数成分の信号レベルが大きく、この信号が物体検出装置1の動作に影響を与える。そのため、本実施例では、フィルタ回路としてTTF33及びLPF34を設けた例を示している。
【0039】
なお、不要な信号の抑制レベルは、物体検出装置1を使用する環境における外来ノイズの信号レベルに応じて変更すると良い。
【0040】
電極板12a,12bの間を人が移動する場合には、人(誘電体)の出入りにより電流の過渡現象が生じる。しかし、人間の電極板間への移動時間がせいぜい2秒程度と考えられるので、瞬間的なピーク電流値は定常的な直流値と比べて半分である。このような時間的に急激な変化を示す信号に対しては、ローパスフィルタのカットオフ周波数を非常に低く設定することで、このような時間的に急激な変化を示す信号成分を軽減させることができる。例えば、カットオフ周波数を0.1サイクルに設定し、オクターブ24dBのフィルタを使用すると、過渡電流成分を1万分の1以下に減衰させることができる。本発明では、このようなフィルタ回路により、非常に安定な動作が確保できる。
【0041】
差動増幅器35から出力された信号は、コンパレータ37で、参照用電圧源38から出力される電圧と比較される。そして、コンパレータ37からその比較結果に応じて出力された信号は、スイッチ39を切り替えることで、ディジタルインプット回路(以下、DI回路と称する。)40、及びCPU43の少なくとも一方に出力される。すなわち、スイッチ39を端子aに接続することで、コンパレータ37の出力信号をCPU43へ出力できる。また、スイッチ39を端子bに接続することで、コンパレータ37の出力信号をDI回路40へ出力できる。さらに、スイッチ39を端子cに接続することで、コンパレータ37の出力信号をCPU43及びDI回路40へ出力できる。
【0042】
DI回路40の出力信号は、表示装置41に出力される。表示装置41は、コンパレータ37からハイレベルの信号が出力されている時(人がいない時)には、人がいない旨の表示を行うように設定している。また、人が着席した際にコンパレータ37からローレベルの信号が出力されている時(人が存在する時)には、人が居る旨の表示を行うように設定している。
【0043】
このように構成することで、本発明の物体検出装置1では、電極対12を設置したブースの使用状況を容易に把握することができる。なお、ブースが複数ある場合は、受付などに設置した表示装置に各ブースに設置した物体検出装置の出力信号が入力されるように構成すると、全ブースの利用状況を一度に把握することができる。
【0044】
スイッチ39の端子a及び端子cは、パソコン23のCPU43の割り込み端子IRQに接続しておく。スイッチ39を端子a、端子cに接続されるように切り替えた場合、人が席を外した際に、コンパレータ37からハイレベル信号が出力されると、CPU43がハードウェアに割り込みをかけて、その信号でコンピュータ23のモニタ24の表示を停止させ、また、パスワードが入力されるまでコンピュータ23が使用できないように設定する。このように構成することで、利用者が一時的に席を外した際には、他人がモニタ24の表示内容をのぞき込んだり、コンピュータ23を操作したりするのを防止するセキュリティシステム用のセンサとして物体検出装置を使用することもできる。
【0045】
図5は、本発明の第2実施形態に係る物体検出装置における電極板の配置例を示した構成図である。本発明の第2実施形態に係る物体検出装置では、利用者の周囲に2枚の電極板から成る電極対を2組または3組設けることで、人の有無の検出を、さらに精度良く行うことができる。
【0046】
電極対12を複数設ける場合には、各電極対を直交配置すると良い。各電極対を直交配置することで、各電極対の間の電界が他の電極対の電界へ及ぼす影響をなくすことができ、最も効率良く人などの物体が移動したことを検出できる。
【0047】
また、各電極対に対して、図1に示した直列回路17を構成して、それぞれ独立して各電極対に直流電圧を印加して、直列回路17に流れる直流電流を測定する構成にすると良い。これにより、他の物体検出装置の影響を受けることなく、それぞれの装置が独立して誘電体の有無を検出することができる。
【0048】
電極対12を2組設ける場合は、例えば、利用者の前後、左右、上下のうちの2箇所に各電極板を設けると良い。また、電極対12を3組設ける場合は、例えば、利用者の前後、左右、上下の3箇所に各電極板を設けると良い。
【0049】
前記のように、各電極対12には、図4に示した検出回路11が設けられており、各出力信号を確認することで、電極板間における人などの物体の有無を検出することができる。
【0050】
また、各検出回路11の出力信号を別の論理判定装置に入力して、判定を行っても良い。図6は、論理判定装置の一例を示した回路図である。論理判定措置50は、スイッチ51、AND回路53、OR回路54、反転回路55、及び差動増幅器56からなる。電極対12を2組設ける場合には、一方の信号変化検出部16におけるDI回路41の出力端子Aを論理判定装置50の端子Aに接続して、他方の信号変化検出部6におけるDI回路41の出力端子Aを論理判定装置50の端子Bに接続する。
【0051】
スイッチ51を端子a側に切り替えると、2つの信号入力がAND回路53で判定される。すなわち、いずれの信号も検知信号として、電極板間に人が存在することを検知している場合のみ、人が居ると判断される。
【0052】
一方、スイッチ51を端子b側に切り替えると、2つの信号入力はOR回路54で判定される。すなわち、いずれか一方の信号が検知信号として出力されていれば、人が居ると判断される。この場合は、AND回路53で判定をされる場合よりも少し精度が落ちる。
【0053】
それぞれの論理回路出力を1つの信号出力とするために、論理判定装置50では、OR回路54の出力側に反転回路55を設け、この回路に信号を通して信号を反転させてから、差動増幅器56にこの信号を入力する。これにより、AND回路53、及びOR回路54のいずれの出力信号であっても、正の出力信号として出力できる。
【0054】
このように、2組、または3組の電極対を使用することで、人などの物体のより精度の高い検出が可能となる。
【0055】
なお、上記の説明では、物体検出装置で人の有無を検出する場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、金属のような完全導体以外の誘電体であれば、有無を検出することができる。例えば、犬や猫のような動物の有無検出に使用することもできる。
【0056】
また、本発明の物体検出装置の原理は、微弱電流値を測定することで誘電体の有無検出を行っているので、誘電体の移動を検出することもできる。例えば、物体検出装置にカウンタを設けて、人の通過時に直流電流値が変動する回数を計数することで、電極間を通過した人数を検出することができる。また、この時、電極板間を一度に通過する人数に応じて、直流電流値が異なるので、同時にこの直流電流値を測定することで、通過人数を正確に計数することができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0058】
(1)物体検出装置は、任意の間隔で対向する2枚の電極板間に直流電圧を印加した状態で、この電極板間に人などの物体が存在する状態と、この電極板間から人などの物体が存在しない状態とで、電極板間の誘電率が変化することにより異なる値を示す2枚の電極板間を流れる直流電流値を、検出手段で検出することができるので、物体の有無を容易に検出することができる。また、直流電流の変化量は微小であるが、交流電流に比べて外来ノイズの影響を受けにくいので、精度良く人などの物体(誘電体)の有無を検出することができる。
【0059】
(2) 電極対を2組または3組設けることにより、電極板間における人などの物体の有無を、より確実に検出することができる。また、各電極対を直交配置することで、各電極対の間の電界が他の電極対の電界へ及ぼす影響をなくすことができ、最も効率良く人などの物体の有無を検出できる。
【0060】
(3)電極対の少なくとも一方の電極板を透明導電性フィルムにすることで、例えばコンピュータのモニタ表面に電極板を取り付けた場合でも、利用者は、電極板が取り付けられたことを気にせずにモニタを使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物体検出装置の原理を説明するための回路図である。
【図2】飽和水蒸気量の変化を示したグラフである。
【図3】本発明の実施形態に係る物体検出装置の概略の構成図である。
【図4】直列回路に流れる電流の変化を検出する信号変化検出部の一例の構成を示した回路図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る物体検出装置における電極板の配置例を示した構成図である。
【図6】論理判定装置の一例を示した回路図である。
【符号の説明】
1−物体検出装置
2a,2b,12a,12b−電極板
11−検出回路
12−電極対
13−直流電源
14−電流制限抵抗
15−信号検出用抵抗
16−信号変化検出部
17−直列回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体など物体(誘電体)の有無を検出する物体検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図書館では、利用者が他の利用者を気にせず読書できるように、パーテーションなどで仕切られたブースや個室などを用意している場合がある。また、インターネットカフェでは、利用者が他の利用者を気にせずコンピュータを使用できるように、パーテーションで仕切られたブースや個室にコンピュータを設置している場合がある。
【0003】
従来、このようなブースや個室の使用状況、つまり人の有無を検出するための装置として、所定の間隙で互いに対向配置された2枚の電極板間に交流電圧を印加して、交流電流の変化を検出する物体検出装置があった。また、座席に2つの電極を設けて、座席に着座した人体の影響によって変化する静電容量を電気信号に変換して検出する着座センサがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−249773号公報(第3−4頁、第1−16図)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の物体検出装置が検出する交流電流は、周波数帯域が広く外来ノイズが重畳しやすいため、フィルタ回路を設けても完全にノイズを除去することができず、物体検出装置で人体の有無をうまく検出できないという問題があった。
【0006】
また、特許文献1に記載の着座センサは、2つの電極板間の静電容量を検出するため、2つの電極のギャップが小さいほど人体の影響を受けやすく検出精度が向上することになる。しかしながら、このように、2つの電極のキャップを小さくすると、人の着座姿勢によって著しく影響を受けるため、人が着座したことをうまく検出しできない場合あるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために、外来ノイズや人の着座姿勢によって影響を受けることがなく、物体の有無を検出可能な物体検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0009】
(1)任意の間隔で2枚の電極板を対向させた電極対と、この電極対に直流電圧を印加する電源と、前記電極対に流れる直流電流値により前記2枚の電極板間における物体の有無を検出する検出手段と、を備えたこと特徴とする。
【0010】
誘電体に直流電界Eを印加すると、通常、低電界ではオームの法則(J∝E)に従う電流密度Jの微小電流が流れる。任意の間隔で対向する2枚の電極板間に直流電圧を印加した状態で、この電極板間に人などの物体が存在する状態と、この電極板間から人などの物体が存在しない状態とでは、電極板間の誘電率が変化することにより2枚の電極板間を流れる直流電流値が変化する。物体検出装置は、検出手段で、この直流電流値を検出することができるので、物体の有無を容易に検出することが可能となる。また、直流電流値は微小であるが、交流電流に比べて外来ノイズの影響を受けにくいので、精度良く人などの物体(誘電体)の有無を検出することができる。
【0011】
(2)前記電極対を2組または3組備え、前記各電極対を直交配置したことを特徴とする。
【0012】
電極対を2組または3組設けることにより、電極板間における人などの物体の有無を、より確実に検出することができる。また、各電極対を直交配置することで、各電極対の間の電界が他の電極対の電界へ及ぼす影響をなくすことができ、最も効率良く人などの物体の有無を検出できる。
【0013】
(3)前記電極対を構成する2枚の電極板の少なくとも一方が、透明導電性フィルムであることを特徴とする。
【0014】
この構成においては、電極対の少なくとも一方の電極板を透明導電性フィルムにすることで、例えばコンピュータのモニタ表面に電極板を取り付けた場合でも、利用者は、電極板が取り付けられたことを気にせずにモニタを使用することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の物体検出装置の原理を説明するための回路図である。図1に示したように、面積Sの電極板2a,2bを距離dだけ離して平行に配置し、電極板2a,2b間に直流電圧Vを印加すると、電極板2a,2b上にはそれぞれ+σ0、−σ0の面電荷が発生する。また、誘電体に直流電界Eを印加すると、通常、低電界ではオームの法則(J∝E)に従う電流密度Jの微小電流が流れる。
【0016】
電極板2a,2b間に印加される電圧Vは、真空中の表面電荷密度をσ0、及 び誘電率をε0とした場合、以下の式で表すことができる。
【0017】
V=σ0d/ε0
また、電極板2a,2b間に直流電圧Vを印加した状態で、誘電率εの誘電体を挿入した状態を式で表すと、以下のようになる。
【0018】
V={σ0(d−t)/ε0}+(σt/ε)
σ=σ0[εd/{ε(d−t)+ε0t}]
なお、誘電体が電極板間に存在しない場合は、t=0となり、σ=σ0である。 また、電極間に印加する電圧Vを一定にすると下記次式が成り立つ。
【0019】
σ=V/{{(d−t)/ε0}+t/εt}
電荷密度は単位時間あたりの電荷密度であるので、誘電体が挿入されない時の電流密度をJ0とすると、以下のようになる。
【0020】
ここで、分母の大小関係を見ると次式が成り立つ。
【0021】
εr≧εr(d−t)+t
すなわち、誘電体の挿入により、電流密度が増加することになる。
【0022】
誘電体として人を想定する場合、人の主成分は水であるため、水の比誘電率を使用して、電流密度Jを求める。
【0023】
水の比誘電率εr=ε/ε0=80
電極の間隔d=1.0m
誘電体(人)の厚みt=0.3m
とすると、
J=J0×1.42
となる。したがって、2枚の電極板間に誘電体である人が入った場合、電極板間の電流密度は、誘電体を挿入しない時よりも42%増加する。
【0024】
このように、本発明の物体検出装置1では、電極板間に人がいる場合と電極板間に人がいない場合とで、電流密度が約42%変化するので、この電流密度の変化を検出して、電極板間における人や他の物体の有無を検出する。つまり、本発明では、人など誘電体の有無により電極板間の直流電流値が変動するので、これを検出して電極板間における人の有無を検出する。
【0025】
ここで、誘電体によっては、その大きさに応じて空気中に含まれる水分、つまり湿度の影響を考慮する必要がある。図2は、飽和水蒸気量の変化を示したグラフである。例えば、図2に示したように、気温25℃湿度100%の場合で、空気中の水分量は1m3あたり22.8グラムである。また、気温40℃湿度10 0%の場合でも、空気中の水分量は1m3あたり51.2グラムである。そのた め、誘電体のサイズが小さい場合、この湿度の影響を考慮する必要がある。しかしながら、誘電体として人を検出する場合、空気中の水分量は人の体重に比べてわずかな量であるため、湿度の影響は無視できる。したがって、本発明の物体検出装置で、人の有無を検出する場合は、湿度の影響を考慮しなくても良い。
【0026】
次に、本発明の実施形態に係る物体検出装置の具体的な構成について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る物体検出装置の概略の構成図である。図3には、一例として、コンピュータ23を設置したブースを利用する人21の有無を検出するために物体検出装置1を設置した構成を示している。
【0027】
物体検出装置1は、任意の間隔で対向配置した2枚の電極板12a,12bから成る電極対12を検出回路11に接続した構成である。検出回路11は、直流電源13、電流制限抵抗14、信号検出用抵抗15、及び信号変化検出部16を備えている。電極対12、直流電源13、電流制限抵抗14、及び信号検出用抵抗15は、各々が直列に接続されて直列回路17を構成する。
【0028】
電極対12は、電極板12a及び電極板12bの間において、人などの誘電体である物体21(以下、人21と称する。)の有無を検出するためのものである。ここで、電極板12aを、コンピュータ23を構成するモニタ24の表示部に取り付けるようにし、電極板12bを電極板12aに対向する位置の壁や窓などに取り付けると良い。つまり、利用者の前後に電極板12a,12bを設置すると良い。コンピュータ23の利用者は、通常モニタ24の表示内容を見ながらコンピュータ23を使用するので、このモニタ24に電極対12を設けることで、確実に人の有無を検出することができる。
【0029】
また、モニタ24に取り付ける電極板12aは、透明導電性フィルムを使用すると良い。これにより、コンピュータ23の利用者は、モニタ24に電極板12aが取り付けられていることを気にすることなく、コンピュータ23を使用できる。
【0030】
電極板12a,12bのサイズは、例えば、図3に示したように、15インチのモニタの表示部全体を覆う程度の大きさにすると良い。もちろん、電極板12a,12bは、さらに大きなサイズであっても良い。
【0031】
また、電極対12の電極板12a,12bを取り付ける位置は、利用者の前後に限るものではなく、例えば、利用者の左右や上下など、2枚の電極板間に利用者がいることを検出できる構成であれば良い。さらに、2枚の電極板を設置する距離は、任意の距離に設定しても、利用者の有無を検出するための直流電流に大きな変化は生じないので、利用者の有無を問題なく検出できる。
【0032】
直流電源13は、直列回路17に直流電圧を印加する。ここで、直流電源13から直列回路17に印加する直流電圧は、例えば、100V〜1000Vが好適である。
【0033】
電流制限抵抗14は、直流回路17に流れる直流電流を制限して、電極板12aや電極板12bに人21が触れても感電しないようにするための抵抗である。信号検出用抵抗15は、電極対12を構成する2枚の電極板間の誘電率が変化した際に、直流回路17に流れる直流電流を直流電圧に変換するための抵抗である。電圧変化検出部16は、信号検出用抵抗15の両端間の電圧値を測定して、電圧値に応じた信号を出力する。
【0034】
一般的に、清浄な空気中の電流密度は、1メートルの間隔をおいて平行に設置した2枚の電極板間に100Vの電圧を印加した場合で、10−14A/m2程度となる。したがって、電極板間の抵抗値はおよそ1016Ωである。このように、電極板間の抵抗値は大きな値になるため、電流制限抵抗14を、電極板間の抵抗値の1/10程度の値に設定したしても、真の電流値の1割程度の減少で済み、ほとんど問題とはならない。したがって、電極対12の電極板間に100Vを印加する場合には、電流制限抵抗14を1015Ωにすると良い。
【0035】
また、直列回路17に流れる電流値を検出するための信号検出用抵抗15は、電流制限抵抗14の1/10程度の抵抗値、つまり1014Ωに設定すると良い。これにより、信号検出用抵抗15の両端に発生する電圧が1V程度となり、外来ノイズの影響を受けずに通常の測定回路で測定できる電圧レベルとなる。
【0036】
さらに、一般的には、直列回路17に流れる電流を増加させることにより、S/N比(信号対雑音比)を向上させることができる。そのため、本実施例では、両電極板間に印加する電圧を可変できる構成にしても良い。すなわち、電流制限抵抗14として、異なる値の抵抗14a及び14bを並列に接続した構成として、スイッチ18で接続する抵抗を選択できる構成にすると良い。また、信号検出用抵抗15として異なる値の抵抗15a及び15bを並列に接続した構成として、スイッチ19で接続する抵抗を選択できる構成にしても良い。
【0037】
次に、図4は、直列回路に流れる電流の変化を検出する信号変化検出部の一例の構成を示した回路図である。信号変化検出部16は、入力端子31、入力端子32、TTF(Twin−T Filter)33、LPF(Low Pass Filter)34、差動増幅器35、コンパレータ(比較増幅器)37、参照用電圧源38、スイッチ39、ディジタルインプット回路(以下、DI回路と称する。)40、表示装置41、抵抗42、及びCPU43を備えている。
【0038】
電圧検出回路16の端子31及び32は、図3に示した電流検出用抵抗素子15の両端に接続する。また、電流検出用抵抗素子15の両端に発生した電圧を取り出すために、高入力抵抗の差動増幅器35の入力端子を端子31、端子32に接続している。また、外来ノイズを抑制するために、本実施例では、端子31と差動増幅器35の一方の入力端子との間に、フィルタ回路としてTTF33及びLPF34を設けて、外来ノイズなどの不要な信号レベルを、例えば−60dB以下に抑制している。なお、このフィルタ回路は、通常、直流成分を通すが交流成分を遮断するようなフィルタ(例えばローパスフィルタ)が適している。また、室内などでコンピュータシステムを稼働させている場合には、このシステムの供給用電源周波数(50Hzまたは60Hz)及び高次の周波数成分の信号レベルが大きく、この信号が物体検出装置1の動作に影響を与える。そのため、本実施例では、フィルタ回路としてTTF33及びLPF34を設けた例を示している。
【0039】
なお、不要な信号の抑制レベルは、物体検出装置1を使用する環境における外来ノイズの信号レベルに応じて変更すると良い。
【0040】
電極板12a,12bの間を人が移動する場合には、人(誘電体)の出入りにより電流の過渡現象が生じる。しかし、人間の電極板間への移動時間がせいぜい2秒程度と考えられるので、瞬間的なピーク電流値は定常的な直流値と比べて半分である。このような時間的に急激な変化を示す信号に対しては、ローパスフィルタのカットオフ周波数を非常に低く設定することで、このような時間的に急激な変化を示す信号成分を軽減させることができる。例えば、カットオフ周波数を0.1サイクルに設定し、オクターブ24dBのフィルタを使用すると、過渡電流成分を1万分の1以下に減衰させることができる。本発明では、このようなフィルタ回路により、非常に安定な動作が確保できる。
【0041】
差動増幅器35から出力された信号は、コンパレータ37で、参照用電圧源38から出力される電圧と比較される。そして、コンパレータ37からその比較結果に応じて出力された信号は、スイッチ39を切り替えることで、ディジタルインプット回路(以下、DI回路と称する。)40、及びCPU43の少なくとも一方に出力される。すなわち、スイッチ39を端子aに接続することで、コンパレータ37の出力信号をCPU43へ出力できる。また、スイッチ39を端子bに接続することで、コンパレータ37の出力信号をDI回路40へ出力できる。さらに、スイッチ39を端子cに接続することで、コンパレータ37の出力信号をCPU43及びDI回路40へ出力できる。
【0042】
DI回路40の出力信号は、表示装置41に出力される。表示装置41は、コンパレータ37からハイレベルの信号が出力されている時(人がいない時)には、人がいない旨の表示を行うように設定している。また、人が着席した際にコンパレータ37からローレベルの信号が出力されている時(人が存在する時)には、人が居る旨の表示を行うように設定している。
【0043】
このように構成することで、本発明の物体検出装置1では、電極対12を設置したブースの使用状況を容易に把握することができる。なお、ブースが複数ある場合は、受付などに設置した表示装置に各ブースに設置した物体検出装置の出力信号が入力されるように構成すると、全ブースの利用状況を一度に把握することができる。
【0044】
スイッチ39の端子a及び端子cは、パソコン23のCPU43の割り込み端子IRQに接続しておく。スイッチ39を端子a、端子cに接続されるように切り替えた場合、人が席を外した際に、コンパレータ37からハイレベル信号が出力されると、CPU43がハードウェアに割り込みをかけて、その信号でコンピュータ23のモニタ24の表示を停止させ、また、パスワードが入力されるまでコンピュータ23が使用できないように設定する。このように構成することで、利用者が一時的に席を外した際には、他人がモニタ24の表示内容をのぞき込んだり、コンピュータ23を操作したりするのを防止するセキュリティシステム用のセンサとして物体検出装置を使用することもできる。
【0045】
図5は、本発明の第2実施形態に係る物体検出装置における電極板の配置例を示した構成図である。本発明の第2実施形態に係る物体検出装置では、利用者の周囲に2枚の電極板から成る電極対を2組または3組設けることで、人の有無の検出を、さらに精度良く行うことができる。
【0046】
電極対12を複数設ける場合には、各電極対を直交配置すると良い。各電極対を直交配置することで、各電極対の間の電界が他の電極対の電界へ及ぼす影響をなくすことができ、最も効率良く人などの物体が移動したことを検出できる。
【0047】
また、各電極対に対して、図1に示した直列回路17を構成して、それぞれ独立して各電極対に直流電圧を印加して、直列回路17に流れる直流電流を測定する構成にすると良い。これにより、他の物体検出装置の影響を受けることなく、それぞれの装置が独立して誘電体の有無を検出することができる。
【0048】
電極対12を2組設ける場合は、例えば、利用者の前後、左右、上下のうちの2箇所に各電極板を設けると良い。また、電極対12を3組設ける場合は、例えば、利用者の前後、左右、上下の3箇所に各電極板を設けると良い。
【0049】
前記のように、各電極対12には、図4に示した検出回路11が設けられており、各出力信号を確認することで、電極板間における人などの物体の有無を検出することができる。
【0050】
また、各検出回路11の出力信号を別の論理判定装置に入力して、判定を行っても良い。図6は、論理判定装置の一例を示した回路図である。論理判定措置50は、スイッチ51、AND回路53、OR回路54、反転回路55、及び差動増幅器56からなる。電極対12を2組設ける場合には、一方の信号変化検出部16におけるDI回路41の出力端子Aを論理判定装置50の端子Aに接続して、他方の信号変化検出部6におけるDI回路41の出力端子Aを論理判定装置50の端子Bに接続する。
【0051】
スイッチ51を端子a側に切り替えると、2つの信号入力がAND回路53で判定される。すなわち、いずれの信号も検知信号として、電極板間に人が存在することを検知している場合のみ、人が居ると判断される。
【0052】
一方、スイッチ51を端子b側に切り替えると、2つの信号入力はOR回路54で判定される。すなわち、いずれか一方の信号が検知信号として出力されていれば、人が居ると判断される。この場合は、AND回路53で判定をされる場合よりも少し精度が落ちる。
【0053】
それぞれの論理回路出力を1つの信号出力とするために、論理判定装置50では、OR回路54の出力側に反転回路55を設け、この回路に信号を通して信号を反転させてから、差動増幅器56にこの信号を入力する。これにより、AND回路53、及びOR回路54のいずれの出力信号であっても、正の出力信号として出力できる。
【0054】
このように、2組、または3組の電極対を使用することで、人などの物体のより精度の高い検出が可能となる。
【0055】
なお、上記の説明では、物体検出装置で人の有無を検出する場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、金属のような完全導体以外の誘電体であれば、有無を検出することができる。例えば、犬や猫のような動物の有無検出に使用することもできる。
【0056】
また、本発明の物体検出装置の原理は、微弱電流値を測定することで誘電体の有無検出を行っているので、誘電体の移動を検出することもできる。例えば、物体検出装置にカウンタを設けて、人の通過時に直流電流値が変動する回数を計数することで、電極間を通過した人数を検出することができる。また、この時、電極板間を一度に通過する人数に応じて、直流電流値が異なるので、同時にこの直流電流値を測定することで、通過人数を正確に計数することができる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0058】
(1)物体検出装置は、任意の間隔で対向する2枚の電極板間に直流電圧を印加した状態で、この電極板間に人などの物体が存在する状態と、この電極板間から人などの物体が存在しない状態とで、電極板間の誘電率が変化することにより異なる値を示す2枚の電極板間を流れる直流電流値を、検出手段で検出することができるので、物体の有無を容易に検出することができる。また、直流電流の変化量は微小であるが、交流電流に比べて外来ノイズの影響を受けにくいので、精度良く人などの物体(誘電体)の有無を検出することができる。
【0059】
(2) 電極対を2組または3組設けることにより、電極板間における人などの物体の有無を、より確実に検出することができる。また、各電極対を直交配置することで、各電極対の間の電界が他の電極対の電界へ及ぼす影響をなくすことができ、最も効率良く人などの物体の有無を検出できる。
【0060】
(3)電極対の少なくとも一方の電極板を透明導電性フィルムにすることで、例えばコンピュータのモニタ表面に電極板を取り付けた場合でも、利用者は、電極板が取り付けられたことを気にせずにモニタを使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物体検出装置の原理を説明するための回路図である。
【図2】飽和水蒸気量の変化を示したグラフである。
【図3】本発明の実施形態に係る物体検出装置の概略の構成図である。
【図4】直列回路に流れる電流の変化を検出する信号変化検出部の一例の構成を示した回路図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る物体検出装置における電極板の配置例を示した構成図である。
【図6】論理判定装置の一例を示した回路図である。
【符号の説明】
1−物体検出装置
2a,2b,12a,12b−電極板
11−検出回路
12−電極対
13−直流電源
14−電流制限抵抗
15−信号検出用抵抗
16−信号変化検出部
17−直列回路
Claims (3)
- 任意の間隔で2枚の電極板を対向させた電極対と、この電極対に直流電圧を印加する電源と、前記電極対に流れる直流電流値により前記2枚の電極板間における物体の有無を検出する検出手段と、を備えたこと特徴とする物体検出装置。
- 前記電極対を2組または3組備え、前記各電極対を直交配置した請求項1に記載の物体検出装置。
- 前記電極対を構成する2枚の電極板の少なくとも一方が、透明導電性フィルムである請求項1または2に記載の物体検出装置。
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Cited By (3)
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JP2010286322A (ja) * | 2009-06-10 | 2010-12-24 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 近接センサ |
JP2013514244A (ja) * | 2009-12-18 | 2013-04-25 | オーチス エレベータ カンパニー | 静電容量センサによる乗客コンベヤに関連する人の検知 |
JP2016073465A (ja) * | 2014-10-07 | 2016-05-12 | アイシン精機株式会社 | 便座装置 |
-
2002
- 2002-12-04 JP JP2002353007A patent/JP2004184288A/ja active Pending
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