JP2004183896A - シャフトおよびそれと接続される保持要素を有し、ロッドと接続するための要素 - Google Patents

Abstract

【課題】 ロッドを確実に固定することを可能にし、同時に小型の設計を可能にする要素を提供する。
【解決手段】 ロッド（１００）と接続するために、シャフト（１）およびそれと接続される保持要素（３；３０）を有する要素が提供される。保持要素は、ロッドを収容するためのＵ字形の断面を有する凹みを含み、一方端に、内ねじ溝（９；３４）を含む２つの自由な脚（７，８；３２，３３）を有する。Ｕ字形の凹みに挿入されたロッドを固定するための閉鎖要素（２０；３６）が与えられ、これは脚の内ねじ溝と協働する外ねじ溝を有する。保持要素に、または保持要素において、固定部が与えられ、これは閉鎖要素を最終的に締めるときにロッドのまわりでの閉鎖要素の傾きを制限する。その結果、最終的に締めるときに作用する大きな力にもかかわらず、収容部材の壁の厚さを薄い状態で維持することが可能である。本発明は、単軸ねじおよび多軸ねじの双方に適用可能である。
【選択図】 図１

Description

本発明は、脊柱または事故の際の外科手術において使用される要素に関し、この要素は、請求項１のプリアンブルに従って、ロッドと接続するために、シャフトおよびそれと接続される保持要素を有する。

このような要素は、ＥＰ ０ ６１４ ６４９ Ｂ１からの多軸骨ねじとして知られている。この既知のねじは、固定するために収容部材にねじ込まれるナットを含む。

収容部材のおよび内ねじのねじ溝がメートルねじ溝である場合、内ねじをねじ込んだときに、円筒形の収容部材の半径方向における力成分が生じ、これは収容部材の脚の広がりを引起し、結果として内ねじの緩みをもたらす可能性がある。

ロッドを固定するために内ねじのみを使用する、上述のタイプのインプラントが知られており、それにより、ねじ込んだときに半径方向に外向きに作用する力を減じるために、特定の形状のねじ溝が設けられる。たとえば、ＵＳ ５，００５，５６２から、単軸ねじが知られており、収容部材および内ねじのねじ溝の形状は鋸歯ねじ溝として形成され、ＷＯ ００／２７２９７においては、負荷のフランクの負の角度を有するねじ溝の使用が記載されている。

しかしながら、収容部材の薄い側面のフランクを有する先述のインプラントは全て、ねじ込まれるナット、外部で収容部材の脚を覆うキャップ、またはリング等を介してさらに固定せずに、内ねじのみを用いて固定する際に、図６によって説明されるような問題に遭遇する。図６は、ＥＰ０ ６１４ ６４９ Ｂ１に示したのと同様の多軸骨ねじを概略的に示している。それは、球状のセグメント形状のヘッド１０２を有するねじ要素１０１を含み、これはロッド１００を挿入するためのＵ字形の凹みを有する収容部材１０３で保持される。圧力要素１０４は、球状のセグメント形状のヘッド１０２に作用し、ロッドおよびヘッドを固定するために、収容部材１０３にねじ込むことのできる、メートルねじ溝を有する内ねじ１０５が設けられる。高いトルクで内ねじを最終的に締めるときに、内ねじは、ロッドの支持面のまわりで傾き、またはロッドのまわりを回転して、ねじり力が収容部材の脚に作用し、脚を互いに対して歪める。これは、ねじを切られた収容部品の非対称の広がりおよび変形をもたらし、結果として内ねじは、図６の円によってそれぞれ示した右下および左上の旋回からはずれて滑動する可能性があり、それぞれの旋回は跳び越されるかもしれない。

これを避けるために、内ねじは、トルクを減じた状態で締められるべきであるが、これは保持力を損なう。さらに、収容部材の壁が非常に厚い寸法にされた場合、この問題を減じることができるが、これは小型のインプラント設計の要件を妨げることになる。説明したような、内ねじを最終的に締めるときに内ねじが傾くという問題は、使用されるねじ溝の形状とは無関係である。

本発明の目的は、ロッドを確実に固定することを可能にし、同時に小型の設計を可能にする、記載したタイプの要素を提供することである。

この目的は、請求項１を特徴とする要素によって解決される。本発明のさらなる発展は、従属クレームにおいて与えられる。

本発明は、多軸骨ねじだけでなく、単軸骨ねじまたはフックにも好適であり、収容部材および内ねじのために使用されるすべての形状のねじ溝に好適である。本発明はまた、円形の断面を有する丸いロッドの使用に特に有利である。

本発明のさらなる特徴および利点は、図によって実施例を説明することにより明らかになるであろう。

図１から３に示した実施例において、本発明に従った要素は、骨ねじ溝（図示せず）を備えた、ねじを切られたシャフト１、および収容部材３に接続される球状のセグメント形状のヘッド２を有するねじ要素を含む、多軸ねじとして形成される。収容部材３は、その一方端に対称軸の第１のボア４を有し、その直径は、シャフト１のねじ溝部分の直径よりも大きく、ヘッド２の直径よりも小さい。さらに、収容部材３は同軸の第２のボア５を含み、これは第１のボア４の反対側の端部に開き、その直径は、ねじ要素が開いた端部を通り抜け、そのねじを切られた部分が第１のボア４を通り、ヘッド２が第２のボア５の底部まで通り抜けることができるくらいの大きさである。第１のボアおよび第２のボアの間に、小さな共軸部分６が与えられ、これは第１のボア４に近接しており、かつ開いた端部に向かって球状に形付けられ、その半径は、ヘッド２の球状のセグメント形状の部分の半径と実質的に同じである。

収容部材３は、従来の態様において、ロッド１００を収容するための部分の中心に対して対称的に配置されたＵ字形の凹みをさらに含み、その底面は第１のボア４に向けられ、これにより２つの自由な脚７，８が形成される。それらの自由端に近接した領域において、脚７，８は内ねじ溝９を含み、これは、この実施例においてメートルねじ溝として形成される。

さらに、第１の端部１１を有する円筒形の圧力要素１０が設けられ、圧力要素は、それが収容部材３に挿入された状態において、ヘッド２に面し、さらに第２の端部１２を第１の端部の反対側になるように有する。圧力要素の外径は、収容部材のボア５の外径よりもわずかに小さくして、圧力要素が、ボア５の領域で滑動することができる、すなわちヘッド２に対して変位可能であるようにする。

圧力要素は、その第１の端部１１に、端部に向かって広がる球状のセグメント形状の凹み１３をさらに含み、その半径は、圧力要素が収容部材に挿入されたときに、それがヘッド２を部分的に取囲むように選択される。

さらに、圧力要素１０で、球状の形状をした凹み１３の反対側の第２の端部１２に、Ｕ字形凹み１４が設けられ、それにより２つの脚１５，１６が形成される。圧力要素のＵ字形凹み１４は、凹みがチャネルを形成し、そこにロッド１００を挿入することができるような寸法にされる。特に図２および３に示したように、圧力要素の円筒軸の方向に見られるＵ字形凹み１４の深さＡは、収容されるロッド１００の直径Ｄよりも小さい。図１に示した状態で、圧力要素１０が収容部材に挿入され、ロッド１００が挿入され、ロッド１００が、脚１５，１６の自由端によって形成される第２の端部１２よりも高さＳほど上に突き出す。この高さＳは、通常の寸法を有する多軸ねじの場合のロッドの直径Ｄの約１％から７．５％になる。

圧力要素は、それを通って延在する中心ボア１７をさらに含み、その直径は、ちょうどヘッド２に設けられた凹み１８と係合するためのねじ込み道具が通り抜けることができるくらいの大きさである。

さらに、内ねじ２０が設けられ、これは収容部材の脚７，８の内ねじ溝９と協働する外ねじ溝２１を有し、内ねじは、ねじが、挿入されたロッドを押すときに、ねじ込んだ状態でねじが、収容部材よりも上に突き出さない、または実質的に突き出さないような寸法にされる。収容部材の内ねじ溝９は好ましくは、脚７，８の自由端から始まって、ロッドが、挿入された圧力要素のＵ字形凹みの底部にのるとき、内ねじがロッドの上部の端よりも深く延在しないような寸法にされる。

動作において、第１に、ヘッド２が球状の部分６に接触するまで、ねじ要素を収容部材３に挿入する。次に、圧力要素１０を挿入し、収容部材のＵ字形凹みおよび圧力要素１０のＵ字形凹み１４が対応するように位置付ける。この状態で、凹み１８により、ねじ要素を骨にねじ込む。その後で、ロッド１００を挿入し、内ねじをねじ込む。収容部材に対するねじ要素の角の位置を調整し、かつロッド１００を調整した後で、内ねじ２０を締める。始めに、内ねじの下方側がロッドにほんのわずかに接触し、それにより内ねじの下方側および圧力要素の自由な第２の端部１２の間に、図１に示したような、大きさＳの間隙が生じる。この時点で、収容部材の脚７，８は、矢印によって示されたように、おそらくわずかに広がっているかもしれない。内ねじを最終的に締め、かつ強い力を加えたときに、内ねじはそれに作用する圧力から逃れ、かつロッドのまわりで傾く傾向があるが、それは妨げられる。これはその下方の端が、支持台を形成する圧力要素１０の脚１５，１６のうちの１つの自由端１２によって支持されるからである。そのようにして、最終的に締めるときのねじれ力の影響が避けられ、収容部材の脚の広がりが防がれる。したがって、最終的に締めるときにより高いトルクを適用し、それにより過度に広がるまたは傾くことなく、高い保持力を生成することも可能である。内ねじが、収容部材のねじ溝の１つの旋回を跳び越すことはもはやない。内ねじが完全にねじ込まれた最終的な状態で、内ねじはロッドを固定し、圧力要素およびロッドを介してさらにヘッド２を固定する。

収容部材の壁の厚さを減じ得るという本質的な利点があり、このため、設計がより小型となり、内ねじを締めるときの内ねじの傾きの防止が大いに保護される。

図４および５に示した実施例において、本発明に従った要素は単軸の骨ねじとして形成されている。それは、骨ねじ溝を備えた部分を有したシャフト１、およびロッド１００を収容するためにそこに堅く接続された収容部材３０を含む。この目的のために、収容部材はＵ字形の断面を有する凹み３１を有し、これはロッド１００を、凹みの底面に置き、かつ凹みの底面に適合することができるほどの大きさにされる。Ｕ字形の凹み３１のため、２つの自由な脚３２，３３が形成され、これらはその自由端に近接した内ねじ溝３４を有し、脚の間にねじ込まれるロッド１００を固定するために、内ねじ溝は、内ねじ３６の、対応する外ねじ溝３５と協働する。

図４に示したように、Ｕ字形の凹み３１は、底面から高さＡまでのチャネル幅を有し、これは受けられるロッドの直径Ｄよりもわずかに大きくされて、ロッドが凹みによって形成されるチャネルで変位可能であるようにする。この領域に近接し、かつ高さＡから始まり脚３２，３３の自由端まである、収容部材３０の内径は、ロッドの直径よりも大きい。したがって、肩または突起３７が、脚３２，３３の各々の内部に形成され、これは内ねじを支持してその傾きを避けるための支持台を形成する。突起３７を、たとえば、平面を有する、内ねじ溝のためのアンダカットとして形成することができる。

動作および機能は、第１の実施例と同様である。図５に示したように、支持台３７は内
ねじが傾いた場合の支持として作用し、内ねじの端に対して小さな矢印によって示された抗力を与え、これによって締めるときに脚の歪みが妨げられる。したがって、第１の実施例と同じ効力が達成される。

説明した実施例の変形例が考えられ得る。収容部材のメートルねじ溝および内ねじの代わりに、鋸歯ねじ、負のフランク角度の負荷のフランクを有するねじ溝、または平らなねじ溝を設けてもよい。これは、ねじ溝の双方のフランクが、ねじ軸で９０°の角を囲むことを特徴とする。説明したようなねじ溝の形状を用いるときに、脚の広がりは生じず、これは半径方向に外向きに作用する力成分がないためである。これにもかかわらず、内ねじを最終的に締めるときに傾きが生じ、したがって、ねじれ力が生じ、これは収容部材の外部フランクのねじ溝の変形をもたらす。これは本発明によって確かに防がれる。

説明したねじ溝を、右ねじ溝または左ねじ溝としてさらに形成することができる。

内ねじを、外ねじ溝を有するスリーブ状の部分として形成することができ、軸方向への連続するまたは連続しないスリットを有し得る。

骨ねじ溝を有するシャフトの代わりに、フックを与えることができる。

内ねじがまだ締められていない状態の第１の実施例の断面図である。 内ねじが締められた状態の第１の実施例の断面図である。 第１の実施例のための、ロッドに対する圧力要素を概略的に示した図である。 内ねじがまだ締められていない状態の本発明の第２の実施例の断面図である。 内ねじが締められた状態の本発明の第２の実施例の断面図である。 内ねじを最終的に締める時の、内ねじを有する従来の多軸ねじの概略断面図である。

符号の説明

１ シャフト、２ ヘッド、３ 収容部材、７,８ 自由端、９ 内ねじ溝、１０ 圧力要素、１４ Ｕ字形の凹み、１５,１６ 脚、１７ 中心ボア、２０ 内ねじ、３０ 収容部材、３１ Ｕ字形の凹み、３２,３３ 脚、３４ 内ねじ溝、３５ 外ねじ溝、３７ 突起、１００ ロッド。

Claims (10)

1. シャフト（１）およびそれと接続される保持要素（３；３０）を有し、ロッド（１００）と接続するための要素であって、該保持要素（３；３０）は、該ロッドを収容するためのＵ字形の断面を有する凹みと、一方端に、内ねじ溝（９；３４）を有する２つの自由な脚（７，８；３２，３３）とを含み、該要素はさらに、
   該Ｕ字形の凹みに挿入される該ロッドを固定するための閉鎖要素（２０；３６）を含み、前記閉鎖要素は、該脚の該内ねじ溝と協働する外ねじ溝を含み、前記要素は、
   該保持要素（３；３０）に、または該保持要素において、該閉鎖要素を最終的に締めるときに、該ロッドのまわりでの該閉鎖要素の傾きを制限する固定部が設けられることを特徴とする、要素。
2. 該固定部は、該ロッドに面する該閉鎖要素（２０；３６）の下方側の部分のための支持面（１２，３７）によって形成される、請求項１に記載の要素。
3. 該Ｕ字形の凹みの底面から支持面（１２；３７）の間の距離（Ａ）は、該ロッドの直径（Ｄ）よりも小さい、請求項２に記載の要素。
4. 該距離（Ａ）は、該直径（Ｄ）の約１％から７．５％の量ほど該直径（Ｄ）よりも小さい、請求項３に記載の要素。
5. 該固定部は、該保持要素（３０）の該自由な脚（３２，３３）の内部に設けられた突起（３７）として形成される、請求項１から４のうちの１つに記載の要素。
6. 該シャフト（１）および該保持要素（３０）は、単軸で接続され、好ましくは１つの部品に形成される、請求項１〜５のうちの１つに記載の要素。
7. 該シャフト（１）は、一方端で、該保持要素に多軸に接続されたヘッド（２）を有し、該ヘッドに作用する圧力要素（１０）は、角の位置を固定するために設けられ、該固定部は該圧力要素（１０）に設けられる、請求項１から４のうちの１つに記載の要素。
8. 該圧力要素（１０）は、該保持要素（３）の該凹みに対応するＵ字形の凹み（１４）を含み、該固定部は、該凹みによって形成される脚（１５，１６）の自由端（１２）によって形成される、請求項７に記載の要素。
9. 該Ｕ字形の凹みの底面から該圧力要素の該自由端（１２）の距離（Ａ）は、該ロッドの直径（Ｄ）よりも小さい、請求項８に記載の要素。
10. 該脚（７，８；３２，３３）の該内ねじ溝、および該閉鎖要素（２０；３６）の該外ねじ溝は、メートルねじ溝、鋸歯ねじ溝、負の角度を有する負荷のフランクを有するねじ溝、または平らなねじ溝として形成される、請求項１から９のうちの１つに記載の要素。

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