【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの始動時及び始動後の燃料噴射量を適正に制御して良好な始動性を得ることのできるエンジンの燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
始動時の要求燃料噴射量は、エンジンの外的環境(外気温度、エンジン温度としての冷却水温度、燃料温度等)に影響されるが、一般的には冷却水温のみに基づいて設定されている。冷却水温が低い冷態始動等の場合、吸気ポート等の壁面に付着した燃料が気化し難いため始動時燃料噴射量は増量された値で設定される。一方、冷却水温の比較的高い再始動等では吸気ポート等の壁面に付着される燃料は気化し易いため、始動時燃料噴射量は減量された値で設定される。そして、始動後は、始動時燃料噴射量を冷却水温の上昇に伴い、或いは漸次的に減少させて、通常運転へ移行する。
【0003】
例えば特許第3050680号(特開平5−214986号)公報には、スタータスイッチがONされると、先ず、冷却水温に基づきテーブルを参照して始動時基本噴射量を算出し、この始動時基本噴射量を温度補正することで、燃料温度、吸気温度、始動時の燃料蒸発分等の温度による影響を補償して始動時燃料噴射量を設定する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3050680号(特開平5−214986号)公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、始動時における初回の燃焼サイクル(クランク角720°CA)時に噴射される始動時基本噴射量の壁面付着係数は、2回目の燃焼サイクル時に噴射される始動時基本噴射量の壁面付着係数に比し大きく、従って、初回の1燃焼サイクル時に設定した始動時基本噴射量を、2回目の燃焼サイクル時の始動時基本噴射量に適用した場合、2回目の燃焼サイクル時の始動時基本噴射では、初回の燃焼サイクル時に噴射された燃料の残留分(壁面付着燃料分)が加算されてしまうため、空燃比がリッチ化してしまう不都合がある。
【0006】
又、この残留燃料による増加分を温度補正により補償することも考えられるが、この温度補正に用いる係数が冷却水温に基づいて設定されるため、温度変化の少ない初回の燃焼サイクルと2回目の燃焼サイクルとでは、係数が大きく変化することが無く、空燃比のリッチ化を有効に回避することは困難である。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、始動時の空燃比を適正に制御して、良好な始動性を得ることができるばかりでなく、排気エミッションの低減、及び燃費向上を実現することのできるエンジンの燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、エンジン温度に基づいて初回燃焼サイクル時の始動時燃料噴射量を設定する初回燃料噴射量設定手段と、エンジン温度に基づき2回目燃焼サイクル時の始動時燃料噴射量を設定する2回目燃料噴射量設定手段とを備え、上記2回目燃料噴射量設定手段で設定する2回目燃焼サイクル時の始動時燃料噴射量は、エンジン温度に基づいて設定する要求噴射量から上記初回燃焼サイクル時に残留した壁面付着燃料分を減算した値で設定されることを特徴とする。
【0009】
この場合、好ましくは、上記初回燃料噴射量設定手段で設定する初回燃焼サイクル時の始動時燃料噴射量には壁面付着燃料分が加味されていることを特徴とする。
【0010】
このような構成では、初回燃焼サイクル時の始動時燃料噴射量に壁面付着燃料分を加味し、2回目燃焼サイクル時の始動時燃料噴射量から初回燃焼サイクル時に残留した壁面付着燃料分を減算するようにしたので、初回燃焼サイクル時においては空燃比がリーン化せず、2回目燃焼サイクル時においては空燃比がリッチ化せず、従って、クランキング初期の段階から良好な始動性を得ることができるばかりでなく、排気エミッションの低減及び燃費向上を実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1にエンジン制御系の全体概略図を示す。
【0012】
同図の符号1はエンジン本体で図においては4気筒水平対向型エンジンを示す。このエンジン本体1のシリンダヘッド2に形成された吸気ポート2aに吸気マニホルド3が連通され、更に、この吸気マニホルド3の上流にエアチャンバ4を介してスロットルチャンバ5が連通され、このスロットルチャンバ5の上流に吸気管6を介してエアクリーナー7が取付けられている。
【0013】
又、吸気管6のエアクリーナー7の直下流に、吸入空気量センサ8が介装され、スロットルチャンバ5に設けられたスロットルバルブ5aに、スロットル開度センサ9aとスロットルバルブ全閉を検出するアイドルスイッチ9bとが連設されている。
【0014】
更に、スロットルバルブ5aの上流側と下流側とを連通するバイパス通路10に、アイドルスピ―ドコントロ―ル(ISC)弁11が介装されている。又、吸気マニホルド3の各気筒の各吸気ポート2aの直上流側に、インジェクタ12が配設されている。又、シリンダヘッド2の各気筒毎に、その先端を燃焼室に露呈する点火プラグ13が取付けられ、この点火プラグ13にイグナイタ30が接続されている。
【0015】
又、エンジン本体1のシリンダブロック1aにノックセンサ20が取付けられていると共に、このシリンダブロック1aに形成された冷却水通路(図示せず)にエンジン温度の代表である冷却水温を検出する冷却水温センサ21が臨まされ、更に、シリンダヘッド2の排気ポート2bに連通する排気マニホルド22の集合部にO2センサ23が臨まされている。尚、符号24は三元触媒等の触媒である。
【0016】
又、シリンダブロック1aに支承されたクランク軸1bに、クランクロータ26が軸着され、このクランクロータ26の外周に、所定のクランク角に対応する突起(あるいはスリット)を検出する電磁ピックアップ等からなるクランク角センサ27が対設され、更に、シリンダヘッド2のカム軸1cに連設されたカムロータ28に、電磁ピックアップ等からなるカム角センサ29が対設されている。
【0017】
一方、図2において、符号31はマイクロコンピュータ等からなる制御装置(ECU)で、CPU32、ROM33、RAM34、バックアップRAM34a、及びI/Oインターフェース35がバスライン36を介して接続され、定電圧回路37からの所定の安定化電源が供給される。
【0018】
定電圧回路37は、ECUリレー38のリレー接点を介してバッテリ39に接続され、このバッテリ39に、ECUリレー38のリレーコイルがイグニッションスイッチ40を介して接続されると共に、スタータスイッチ42を介してスタータモータ43が接続されている。
【0019】
又、I/Oインターフェース35の入力ポートには、各センサ8,9a,20,21,23,27,29及びアイドルスイッチ9bが接続されていると共に、バッテリ39及びスタータスイッチ42の出力端が接続されてバッテリ電圧及びスタータスイッチ42の動作状態がモニタされている。一方、I/Oインターフェース35の出力ポートには、イグナイタ30が接続され、更に、駆動回路45を介して、ISC弁11、インジェクタ12が接続されている。
【0020】
ROM33には制御プログラム、及び、各種制御テーブル等の固定データが記憶されており、又、RAM34には、各センサ類、スイッチ類の出力信号を処理した後のデータ、及びCPU32で演算処理したデータ等が格納されている。又、バックアップRAM34aには、各種学習補正値等がストアされており、イグニッションスイッチ40がOFFのときにもデータが保持される。
【0021】
CPU32では、ROM33に記憶されている制御プログラムに従い、クランク角センサ27からのクランクパルスによりエンジン回転数NEを算出すると共に、特定のクランクパルスを基準とする燃料噴射開始時期を算出し、又、クランクパルスと次のクランクパルスとの間に割り込まれるカム角センサ29からのカムパルスに基づき、燃料噴射対象気筒の気筒判別を行う。
【0022】
又、通常運転時は、エンジン負荷Gnに基づいて燃料噴射量TAUGnを求め、この燃料噴射量TAUGnを、各センサ類、スイッチ類で検出した各種運転状態パラメータに基づいて設定した各種補正値で補正して、最終的な燃料噴射量TAUを演算する。
【0023】
又、エンジン始動時には、このときの冷却水温Twに基づいて、初回燃焼サイクル時の燃料噴射量(以下、「初回燃料噴射量」と称する)TSTAFを設定し、続いて、2回目燃焼サイクル時の燃料噴射量(以下、「2回目燃料噴射量」と称する)TSTANを設定する。
【0024】
上述した初回燃料噴射量TSTAF、及び2回目燃料噴射量TSTANは、具体的には、図3、図4に示すフローチャートに従って設定される。
【0025】
イグニッションスイッチ40をONするとECU31に駆動用電源が投入され、システムがイニシャライズされる。
【0026】
すると、図3に示す始動時燃料噴射制御ルーチンが起動され、先ず、ステップS1で、クランク角センサ27から出力されるクランクパルスと、カム角センサ29から出力されるカムパルスとに基づき、クランクパルスと次のクランクパルスとの間に割り込まれるカムパルスから、燃料噴射対象気筒の気筒判別を行う。
【0027】
従って、イグニッションスイッチ40をONし、スタータスイッチ42がONされてクランキングが開始された後、クランクパルとカムパルとが入力されるまでプログラムは待機状態となる。
【0028】
そして、ECU31にクランクパルスとカムパルスとが入力されて気筒判別が行なわれると、ステップS2へ進み、エンジン温度の代表である冷却水温Twに基づき、初回燃料噴射量(TSTAF)テーブルを補間計算付きで参照して、初回燃料噴射量TSTAFを設定する。
【0029】
TSTAFテーブルはROM33の一連のアドレスで構成され、各領域には主に冷態時の始動性能を確保するための燃料噴射量が予め実験等から求めて格納されており、壁面付着燃料分を含む要求噴射量の総量として設定されている。
【0030】
図5に示すように、初回燃料噴射量TSTAFは冷却水温Twが低いほど高い値に設定されている。すなわち、インジェクタ12から噴射される燃料は、その全てが気化されて燃焼室へ供給される訳ではなく、その一部は吸気ポート2a、及びその周辺の壁面に付着して残留する。特に、冷態始動時は、燃焼室へ至る吸気ポート等の壁面温度が低いため、燃料の壁面付着係数は高くなり、その分初回燃料噴射量TSTAFが増量される。
【0031】
燃料の壁面付着量はエンジン温度と因果関係があるため、エンジン温度の代表である冷却水温Twに基づいて初回燃料噴射量TSTAFを設定することで、燃料の壁面付着分を加味した適正な燃料噴射量を設定することができる。
【0032】
そして、ステップS3へ進み、燃料噴射対象気筒のインジェクタ12に対する燃料噴射量TAUを、初回燃料噴射量TSTAFで設定する。すると、この燃料噴射量TAUに対応する駆動信号が駆動回路45を介して、燃料噴射対象気筒のインジェクタ12へ所定タイミングで出力され、インジェクタ12から所定に計量された燃料が噴射される。
【0033】
その後、ステップS4へ進み、初回燃焼サイクルが終了したか否かを調べ、初回燃焼サイクルが終了していない場合は、ステップS2へ戻り、次の燃料噴射対象気筒のインジェクタ12に対する初回燃料噴射量TSTAFを設定する。一方、初回燃焼サイクルが完了した場合は、ステップS5へ進む。この場合、初回燃焼サイクルが終了したか否かは、燃料噴射回数のカウント値と設定値とを比較することで判断する。本実施の形態で採用するエンジンは、4気筒であるため、設定値を4とし、燃料噴射回数が4回になったとき初回燃焼サイクル終了と判断する。この場合、燃料噴射回数のカウントに代えて、点火回数をカウントするようにしても良い。
【0034】
そして、ステップS5へ進むと、冷却水温Twに基づき、2回目燃料噴射量(TSTAN)テーブルを補間計算付きで参照して、2回目燃料噴射量TSTANを設定する。
【0035】
TSTANテーブルは、TSTAFテーブルと同様、ROM33の一連のアドレスで構成され、各領域には、主に冷態時の始動性能を確保し、しかも排気エミッションの低減及び燃費向上を目的として、2回目燃焼サイクル時の冷却水温Twに基づいて設定される要求燃料噴射量から、初回燃焼サイクル時に残留した壁面付着燃料分を減算し、更に、今回の壁面付着燃料分を加算した値の総量を2回目燃料噴射量TSTANとして格納されている。
【0036】
その結果、図5に示すように、 TSTANテーブルに格納されている2回目燃料噴射量TSTANは、冷却水温Twが低いほど高い値に設定されており、且つ、初回燃料噴射量TSTAFに比し、初回燃焼サイクル時の壁面付着燃料分が減算されているため、低い値を示している。
【0037】
そして、ステップS6へ進むと、燃料噴射対象気筒のインジェクタ12に対する燃料噴射量TAUを、2回目燃料噴射量TSTANで設定する。すると、この燃料噴射量TAUに対応する駆動信号が駆動回路45を介して、燃料噴射対象気筒のインジェクタ12へ所定タイミングで出力され、インジェクタ12から所定に計量された燃料が噴射される。
【0038】
その後、ステップS7へ進み、エンジンが完爆したか否かを、エンジン回転数NEと完爆判定回転数TSTJDG(例えば500rpm)とを比較することで調べ、当時に、2回目燃焼サイクルが終了したか否かを、始動初期からカウントされている燃料噴射回数が2回目燃焼サイクル終了回数に達したか否かで調べる。
【0039】
完爆判定回転数TSTJDGが、TSTJDG>NEのエンジン未爆のときはステップS5へ戻り、或いは本実施の形態で採用するエンジンは、4気筒であるため、2回目燃焼サイクル終了回数は8であり、燃料噴射回数<8のときは、2回目燃焼サイクルが終了していないので、ステップS5へ戻る。そして、次の燃料噴射対象気筒のインジェクタ12に対する2回目燃料噴射量TSTANを設定する。尚、この場合も、燃料噴射回数のカウントに代えて点火回数をカウントするようにしても良い。
【0040】
一方、完爆判定回転数TSTJDGが、TSTJDG≦NEのエンジン完爆のとき、及び燃料噴射回数が、燃料噴射回数≧8のときは、ルーチンを終了する。
【0041】
このように、本実施の形態では、エンジン始動から完爆するまでの間において、燃料の壁面付着係数の最も高い初回燃焼サイクル時の初回燃料噴射量TSTAFは壁面付着燃料量を加算した値で設定し、又、2回目の燃焼サイクル時の2回目燃料噴射量TSTANは、初回燃焼サイクル時の壁面付着燃料分を減算すると共に、今回の壁面付着燃料分を加算した値で設定したので、初回燃焼サイクル時の空燃比は必要以上にリーン化せず、又、2回目燃焼サイクル時の空燃比は必要以上にリッチ化せず、従って適正な空燃比で良好な始動性を得ることができると共に、排気エミッションの低減、及び燃費向上を実現することができる。
【0042】
更に、初回燃焼サイクル時の初回燃料噴射量TSTAFと、2回目燃焼サイクル時の2回目燃料噴射量TSTANとを、エンジン温度の代表である冷却水温をパラメータとするそれぞれ別個のテーブルに格納したので、各冷却水温領域毎に燃料噴射量TSTAF,TSTANを比較的自由に設定することができるため、この燃料噴射量TSTAF,TSTANをより正確に設定することができる。
【0043】
そして、始動時燃料噴射制御ルーチンが終了すると、図4に示す始動後燃料噴射制御ルーチンが起動され、先ず、ステップS11で、冷却水温Twに基づきTSTANテーブルを補間計算付きで参照して、2回目燃料噴射量TSTANを設定し、続く、ステップS12で。冷却水温Twに基づき、燃料の壁面付着係数(TAUSTM)テーブルを補間計算付きで参照して、壁面付着係数TAUSTMを設定する。壁面付着係数TAUSTMは、インジェクタ12から噴射される燃料の吸気ポート等の壁面に付着される割合を示すもので、例えば冷却水温Twに従い、1.5〜1の間で設定される。TAUSTM=1で、壁面付着燃料量は0となる。従って、エンジン始動後の経過時間が長くなるに従い、壁面付着係数TAUSTMは、次第に1.5から1に近づく値になる。
【0044】
次いで、ステップS13へ進み、2回目燃料噴射量TSTANと壁面付着係数TAUSTMとから、次式に基づき燃料噴射量TAUSTを設定する。
TAUST=TSTAN・TAUSTM
【0045】
又、ステップS14で、エンジン負荷Gnに基づき、燃料噴射量(TAUGn)テーブルを補間計算付きで参照し、或いは演算により、燃料噴射量TAUGnを設定する。尚、エンジン負荷Gnは直接計測する以外に、例えばエンジン回転数NEと吸入空気量Qaとに基づいて設定するようにしても良い。
【0046】
そして、ステップS15へ進み、ステップS13,14で設定した燃料噴射量TAUST,TAUGnを比較し、TAUST≧TAUGnのときは、ステップS16へ進み、燃料噴射量TAUSTを今回の最終的な燃料噴射量TAUとして設定し(TAU←TAUST)、ルーチンを抜ける。
【0047】
一方、TAUST<TAUGnのときは、ステップS17へ進み、ステップS14で設定した燃料噴射量TAUGnを、各センサ類、スイッチ類で検出した各種運転状態パラメータに基づいて設定した各種補正値で補正して、最終的な燃料噴射量TAUを演算する。
【0048】
次に、図6に示すタイムチャートに従い、本実施の形態による燃料噴射制御の一例を説明する。
【0049】
イグニッションスイッチ40をONした後(t1)、スタータスイッチ42をONすると(t2)、初回燃焼サイクル(t2〜t3)では、燃料噴射量TAUが、TSTAFテーブルに格納されている初回燃料噴射量TSTAFにて設定される。この初回燃料噴射量TSTAFは壁面付着燃料分が加算されているため、空燃比がリーン化せず良好な始動性を得ることができる。
【0050】
その後、2回目燃焼サイクル(t3〜t4)では、燃料噴射量TAUがTSTANテーブルに格納されている2回目燃料噴射量TSTANにて設定される。この2回目燃料噴射量TSTANは、初回燃焼サイクル時の壁面付着燃料分が減算されているため、空燃比がリッチ化せず、良好な始動性を得ることができる。
【0051】
そして、2回目燃焼サイクル(t3〜t4)が終了し、或いは2回目燃焼サイクルの途中でエンジンが完爆すると、始動後燃料噴射制御へ移行し、2回目燃料噴射量TSTANを壁面付着係数TAUSTMで補正した値で、燃料噴射量TAUSTを設定する。2回目燃料噴射量TSTANは、冷却水温Twの上昇に従い低い値となり、又、壁面付着係数TAUSTMも冷却水温Twの上昇に従い1に近づく値となるため、初回の始動後燃料噴射制御では、燃料噴射量TAUSTが冷却水温Twの上昇に従い、燃料噴射毎に低下した値となる。又、その際、エンジン負荷Gnに基づいて燃料噴射量TAUGnが設定されており、TAUST≧TAUGnの間は(t4〜t5)、最終的な燃料噴射量TAUは、燃料噴射量TAUSTで設定される。そして、TAUST<TAUGnとなったとき、それ以降は、燃料噴射量TAUGnに基づいて最終的な燃料噴射量TAUが設定される。
【0052】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、始動時の空燃比を適正に制御して、良好な始動性を得ることができるばかりでなく、排気エミッションの低減、及び燃費向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン制御系の全体概略図
【図2】制御装置の回路構成図
【図3】始動時燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャート
【図4】始動後燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャート
【図5】初回燃料噴射量テーブルと2回目燃料噴射量テーブルとの説明図
【図6】燃料噴射制御例を示すタイムチャート
【符号の説明】
TSTAF 初回燃料噴射量(始動時燃料噴射量)
TSTAN 2回目燃料噴射量(始動時燃料噴射量)
Tw 冷却水温(エンジン温度)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a fuel injection control device for an engine that can obtain a good startability by appropriately controlling a fuel injection amount at the time of starting and after starting the engine.
[0002]
[Prior art]
The required fuel injection amount at the time of starting is affected by the external environment of the engine (outside air temperature, cooling water temperature as engine temperature, fuel temperature, etc.), but is generally set based only on the cooling water temperature. . In the case of a cold start or the like in which the temperature of the cooling water is low, the fuel adhering to the wall surface of the intake port or the like is unlikely to evaporate, so the fuel injection amount at the start is set to an increased value. On the other hand, in a restart or the like in which the cooling water temperature is relatively high, the fuel adhering to the wall surface of the intake port or the like is liable to vaporize, so the fuel injection amount at the time of starting is set to a reduced value. Then, after the start, the start-up fuel injection amount is changed to the normal operation with an increase in the cooling water temperature or with a gradual decrease.
[0003]
For example, in Japanese Patent No. 3050680 (Japanese Unexamined Patent Publication No. 5-214986), when the starter switch is turned on, first, the basic injection amount at the start is calculated by referring to a table based on the coolant temperature, and the basic injection amount at the start is calculated. A technique is disclosed in which the amount of fuel is compensated for temperature to compensate for the influence of temperature such as fuel temperature, intake air temperature, fuel evaporation at the time of starting, and the like, and the fuel injection amount at starting is set.
[0004]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 3050680 (Japanese Unexamined Patent Publication No. 5-214986)
[Problems to be solved by the invention]
By the way, the wall sticking coefficient of the starting basic injection amount injected at the time of the first combustion cycle (crank angle 720 ° CA) at the start is the wall sticking coefficient of the basic fuel injection amount at the time of starting injected at the time of the second combustion cycle. Therefore, when the starting basic injection amount set during the first combustion cycle is applied to the starting basic injection amount during the second combustion cycle, the starting basic injection amount during the second combustion cycle becomes However, since the residual amount of the fuel injected during the first combustion cycle (the amount of fuel adhering to the wall surface) is added, there is a disadvantage that the air-fuel ratio becomes rich.
[0006]
It is also conceivable to compensate for the increase due to the residual fuel by temperature correction. However, since the coefficient used for this temperature correction is set based on the cooling water temperature, the first combustion cycle with little temperature change and the second combustion cycle In the cycle, the coefficient does not change significantly, and it is difficult to effectively avoid enrichment of the air-fuel ratio.
[0007]
In view of the above circumstances, the present invention provides an engine capable of appropriately controlling an air-fuel ratio at the time of starting to obtain good starting performance, reducing exhaust emissions, and improving fuel efficiency. It is an object to provide a fuel injection control device.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, the present invention provides an initial fuel injection amount setting means for setting a starting fuel injection amount in a first combustion cycle based on an engine temperature, and a starting fuel injection amount in a second combustion cycle based on the engine temperature. A second fuel injection amount setting means for setting the amount, wherein the starting fuel injection amount at the time of the second combustion cycle set by the second fuel injection amount setting means is obtained from the required injection amount set based on the engine temperature. It is characterized by being set to a value obtained by subtracting the amount of fuel adhered to the wall surface remaining during the first combustion cycle.
[0009]
In this case, the fuel injection amount at the start of the first combustion cycle set by the first fuel injection amount setting means preferably includes a fuel amount attached to the wall surface.
[0010]
In such a configuration, the fuel amount adhering to the wall surface is added to the fuel injection amount at the start of the first combustion cycle, and the fuel amount adhering to the wall surface remaining during the first combustion cycle is subtracted from the fuel injection amount at the start of the second combustion cycle. Thus, during the first combustion cycle, the air-fuel ratio does not become lean, and during the second combustion cycle, the air-fuel ratio does not become rich, so that good starting performance can be obtained from the initial stage of cranking. Not only is it possible to reduce exhaust emissions and improve fuel efficiency.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 shows an overall schematic diagram of the engine control system.
[0012]
Reference numeral 1 in the figure denotes an engine body, which in the figure indicates a four-cylinder horizontally opposed engine. An intake manifold 3 is communicated with an intake port 2 a formed in a cylinder head 2 of the engine body 1, and a throttle chamber 5 is communicated upstream of the intake manifold 3 via an air chamber 4. An air cleaner 7 is mounted upstream via an intake pipe 6.
[0013]
An intake air amount sensor 8 is interposed immediately downstream of the air cleaner 7 in the intake pipe 6, and a throttle valve 5 a provided in the throttle chamber 5 is provided with a throttle opening sensor 9 a and an idle sensor for detecting that the throttle valve is fully closed. The switch 9b is connected in series.
[0014]
Further, an idle speed control (ISC) valve 11 is interposed in a bypass passage 10 that connects the upstream side and the downstream side of the throttle valve 5a. An injector 12 is disposed immediately upstream of each intake port 2a of each cylinder of the intake manifold 3. An ignition plug 13 whose tip is exposed to the combustion chamber is attached to each cylinder of the cylinder head 2, and an igniter 30 is connected to the ignition plug 13.
[0015]
A knock sensor 20 is attached to a cylinder block 1a of the engine body 1, and a cooling water temperature for detecting a cooling water temperature representative of the engine temperature is provided in a cooling water passage (not shown) formed in the cylinder block 1a. A sensor 21 is exposed, and further, an O2 sensor 23 is exposed to a gathering portion of the exhaust manifold 22 communicating with the exhaust port 2b of the cylinder head 2. Reference numeral 24 denotes a catalyst such as a three-way catalyst.
[0016]
A crank rotor 26 is axially mounted on a crankshaft 1b supported by the cylinder block 1a, and includes an electromagnetic pickup or the like on the outer periphery of the crank rotor 26 for detecting a projection (or slit) corresponding to a predetermined crank angle. A crank angle sensor 27 is provided opposite to the cam rotor 28 connected to the cam shaft 1c of the cylinder head 2, and a cam angle sensor 29 comprising an electromagnetic pickup or the like is provided oppositely.
[0017]
On the other hand, in FIG. 2, reference numeral 31 denotes a control device (ECU) including a microcomputer or the like, in which a CPU 32, a ROM 33, a RAM 34, a backup RAM 34a, and an I / O interface 35 are connected via a bus line 36, and a constant voltage circuit 37. A predetermined stabilized power is supplied from the power supply.
[0018]
The constant voltage circuit 37 is connected to a battery 39 via a relay contact of an ECU relay 38, and a relay coil of the ECU relay 38 is connected to the battery 39 via an ignition switch 40, and via a starter switch 42. A starter motor 43 is connected.
[0019]
The input ports of the I / O interface 35 are connected to the sensors 8, 9a, 20, 21, 23, 27, 29 and the idle switch 9b, and are connected to the output terminals of the battery 39 and the starter switch 42. Then, the battery voltage and the operation state of the starter switch 42 are monitored. On the other hand, the igniter 30 is connected to the output port of the I / O interface 35, and further, the ISC valve 11 and the injector 12 are connected via the drive circuit 45.
[0020]
The ROM 33 stores a control program and fixed data such as various control tables, and the RAM 34 stores data obtained by processing output signals of sensors and switches, and data processed by the CPU 32. Etc. are stored. The backup RAM 34a stores various learning correction values and the like, and retains data even when the ignition switch 40 is turned off.
[0021]
In accordance with the control program stored in the ROM 33, the CPU 32 calculates the engine speed NE based on the crank pulse from the crank angle sensor 27, and calculates the fuel injection start timing based on a specific crank pulse. Based on the cam pulse from the cam angle sensor 29 interposed between the pulse and the next crank pulse, the cylinder of the fuel injection target cylinder is determined.
[0022]
During normal operation, the fuel injection amount TAUGn is obtained based on the engine load Gn, and the fuel injection amount TAUGn is corrected by various correction values set based on various operation state parameters detected by the sensors and switches. Then, the final fuel injection amount TAU is calculated.
[0023]
When the engine is started, a fuel injection amount TSTAF during the first combustion cycle (hereinafter, referred to as an “initial fuel injection amount”) TSTAF is set based on the cooling water temperature Tw at this time, and subsequently, during the second combustion cycle. A fuel injection amount (hereinafter, referred to as a “second fuel injection amount”) TSTAN is set.
[0024]
The above-mentioned first fuel injection amount TSTAF and second fuel injection amount TSTAN are specifically set according to the flowcharts shown in FIGS.
[0025]
When the ignition switch 40 is turned on, the drive power is supplied to the ECU 31 and the system is initialized.
[0026]
Then, the starting fuel injection control routine shown in FIG. 3 is started. First, in step S 1, a crank pulse is output based on the crank pulse output from the crank angle sensor 27 and the cam pulse output from the cam angle sensor 29. The cylinder discrimination of the fuel injection target cylinder is performed from the cam pulse interrupted between the next crank pulse.
[0027]
Therefore, after the ignition switch 40 is turned on and the starter switch 42 is turned on to start cranking, the program is in a standby state until the crank pal and the cam pal are input.
[0028]
Then, when the crank pulse and the cam pulse are input to the ECU 31 and the cylinder discrimination is performed, the process proceeds to step S2, and based on the cooling water temperature Tw which is a representative of the engine temperature, the first fuel injection amount (TSFAF) table is interpolated with interpolation calculation. The first fuel injection amount TSTAF is set with reference to the reference value.
[0029]
The TSTAF table is composed of a series of addresses in the ROM 33, and in each area, a fuel injection amount for ensuring the starting performance in a cold state is obtained in advance through experiments or the like and stored, and includes the amount of fuel adhering to the wall surface. It is set as the total amount of the required injection amount.
[0030]
As shown in FIG. 5, the initial fuel injection amount TSTAF is set to a higher value as the cooling water temperature Tw is lower. That is, not all of the fuel injected from the injector 12 is vaporized and supplied to the combustion chamber, and a part of the fuel adheres to the intake port 2a and the peripheral wall surface and remains. In particular, at the time of a cold start, since the wall surface temperature of the intake port to the combustion chamber and the like is low, the fuel wall adhesion coefficient increases, and the initial fuel injection amount TSTAF increases accordingly.
[0031]
Since the amount of fuel adhering to the wall surface has a causal relationship with the engine temperature, the initial fuel injection amount TSTAF is set based on the cooling water temperature Tw, which is a representative of the engine temperature, so that appropriate fuel injection considering the amount of fuel adhering to the wall surface is performed. The quantity can be set.
[0032]
Then, the process proceeds to step S3, in which the fuel injection amount TAU for the injector 12 of the fuel injection target cylinder is set by the initial fuel injection amount TSTAF. Then, a drive signal corresponding to the fuel injection amount TAU is output to the injector 12 of the fuel injection target cylinder at a predetermined timing via the drive circuit 45, and the predetermined metered fuel is injected from the injector 12.
[0033]
Thereafter, the process proceeds to step S4 to determine whether or not the first combustion cycle has been completed. If the first combustion cycle has not been completed, the process returns to step S2, and the first fuel injection amount TSTAF for the injector 12 of the next cylinder to be fuel injected. Set. On the other hand, when the first combustion cycle is completed, the process proceeds to step S5. In this case, whether or not the first combustion cycle has ended is determined by comparing the count value of the number of times of fuel injection with the set value. Since the engine employed in the present embodiment is a four-cylinder engine, the set value is set to four, and when the number of fuel injections becomes four, it is determined that the first combustion cycle has ended. In this case, the number of times of ignition may be counted instead of the number of times of fuel injection.
[0034]
In step S5, the second fuel injection amount TSTAN is set based on the coolant temperature Tw with reference to the second fuel injection amount (TSTAN) table with interpolation calculation.
[0035]
The TSTAN table is made up of a series of addresses in the ROM 33, similar to the TSTAF table. In each area, the second combustion is performed mainly to secure the starting performance in a cold state and to reduce exhaust emissions and improve fuel efficiency. The amount of fuel remaining on the wall surface during the first combustion cycle is subtracted from the required fuel injection amount set based on the cooling water temperature Tw during the cycle, and the total amount obtained by adding the fuel amount on the wall surface this time is the second fuel It is stored as the injection amount TSTAN.
[0036]
As a result, as shown in FIG. 5, the second fuel injection amount TSTAN stored in the TSTAN table is set to a higher value as the cooling water temperature Tw is lower, and is higher than the first fuel injection amount TSTAF. Since the fuel amount adhering to the wall surface during the first combustion cycle has been subtracted, a low value is shown.
[0037]
Then, when the operation proceeds to step S6, the fuel injection amount TAU for the injector 12 of the fuel injection target cylinder is set as the second fuel injection amount TSTAN. Then, a drive signal corresponding to the fuel injection amount TAU is output to the injector 12 of the fuel injection target cylinder at a predetermined timing via the drive circuit 45, and the predetermined metered fuel is injected from the injector 12.
[0038]
Thereafter, the process proceeds to step S7 to determine whether or not the engine has completely exploded by comparing the engine speed NE with a complete explosion determination engine speed TSTJDG (for example, 500 rpm). At that time, the second combustion cycle is completed. It is determined whether or not the number of fuel injections counted from the initial stage has reached the end of the second combustion cycle.
[0039]
If the complete explosion determination rotation speed TSTJDG is TSTJDG> NE and the engine is not exploded, the process returns to step S5. Alternatively, since the engine employed in the present embodiment is a four-cylinder engine, the number of times the second combustion cycle has ended is eight. If the number of times of fuel injection <8, the second combustion cycle is not completed, and the process returns to step S5. Then, the second fuel injection amount TSTAN for the injector 12 of the next fuel injection target cylinder is set. In this case, the number of times of ignition may be counted instead of the number of times of fuel injection.
[0040]
On the other hand, when the complete explosion determination rotation speed TSTJDG is an engine complete explosion satisfying TSTJDG ≦ NE, and when the number of fuel injections is equal to or greater than 8, the routine ends.
[0041]
As described above, in the present embodiment, during the period from the start of the engine to the complete explosion, the initial fuel injection amount TSTAF in the first combustion cycle having the highest fuel adhesion coefficient on the wall surface is set to a value obtained by adding the fuel amount on the wall surface. Also, the second fuel injection amount TSTAN in the second combustion cycle was set to a value obtained by subtracting the amount of fuel adhering to the wall surface during the first combustion cycle and adding the amount of fuel adhering to the wall surface this time. The air-fuel ratio at the time of the cycle does not lean more than necessary, and the air-fuel ratio at the time of the second combustion cycle does not become more rich than necessary, so that a good startability can be obtained with an appropriate air-fuel ratio. Reduction of exhaust emissions and improvement of fuel efficiency can be realized.
[0042]
Further, since the first fuel injection amount TSTAF during the first combustion cycle and the second fuel injection amount TSTAN during the second combustion cycle are stored in separate tables each having the cooling water temperature as a parameter of the engine temperature as a parameter, Since the fuel injection amounts TSTAF and TSTAN can be set relatively freely for each cooling water temperature region, the fuel injection amounts TSTAF and TSTAN can be set more accurately.
[0043]
When the start-time fuel injection control routine is completed, a post-start fuel injection control routine shown in FIG. 4 is started. First, in step S11, the TSTAN table is referred to with the interpolation calculation based on the cooling water temperature Tw for the second time. The fuel injection amount TSTAN is set, and subsequently, in step S12. Based on the cooling water temperature Tw, the wall adhesion coefficient TAUSTM is set by referring to the fuel wall adhesion coefficient (TAUSTM) table with interpolation calculation. The wall surface adhesion coefficient TAUSTM indicates a ratio of fuel injected from the injector 12 to the wall surface such as an intake port, and is set between 1.5 and 1 according to, for example, the cooling water temperature Tw. When TAUSTM = 1, the amount of fuel adhering to the wall surface becomes zero. Therefore, as the elapsed time after starting the engine becomes longer, the wall surface adhesion coefficient TAUSTM gradually becomes a value approaching 1 from 1.5.
[0044]
Next, the routine proceeds to step S13, where the fuel injection amount TAUST is set from the second fuel injection amount TSTAN and the wall surface adhesion coefficient TAUSTM based on the following equation.
TAUST = TSTAN TAUSTM
[0045]
In step S14, the fuel injection amount (TAUGn) table is referred to with interpolation calculation based on the engine load Gn, or the fuel injection amount TAUGn is set by calculation. The engine load Gn may be set based on, for example, the engine speed NE and the intake air amount Qa, instead of directly measuring the engine load Gn.
[0046]
Then, the process proceeds to step S15, where the fuel injection amounts TAUST and TAUGn set in steps S13 and S14 are compared. (TAU ← TAUST), and exits the routine.
[0047]
On the other hand, when TAUST <TAUGn, the routine proceeds to step S17, in which the fuel injection amount TAUGn set in step S14 is corrected by various correction values set based on various operation state parameters detected by the sensors and switches. , The final fuel injection amount TAU is calculated.
[0048]
Next, an example of the fuel injection control according to the present embodiment will be described with reference to a time chart shown in FIG.
[0049]
When the starter switch 42 is turned on (t2) after the ignition switch 40 is turned on (t1), in the first combustion cycle (t2 to t3), the fuel injection amount TAU is reduced to the first fuel injection amount TSTAF stored in the TSTAF table. Is set. The initial fuel injection amount TSTAF includes the amount of fuel attached to the wall surface, so that the air-fuel ratio does not become lean and good startability can be obtained.
[0050]
Thereafter, in the second combustion cycle (t3 to t4), the fuel injection amount TAU is set by the second fuel injection amount TSTAN stored in the TSTAN table. In the second fuel injection amount TSTAN, since the amount of fuel adhering to the wall surface during the first combustion cycle is subtracted, the air-fuel ratio does not become rich, and good startability can be obtained.
[0051]
Then, when the second combustion cycle (t3 to t4) is completed, or when the engine completely explodes in the middle of the second combustion cycle, the process proceeds to the fuel injection control after starting, and the second fuel injection amount TSTAN is calculated by the wall adhesion coefficient TAUSTM. The fuel injection amount TAUST is set with the corrected value. The second fuel injection amount TSTAN becomes lower as the coolant temperature Tw increases, and the wall adhesion coefficient TAUSTM also approaches 1 as the coolant temperature Tw rises. The amount TAUST decreases as the coolant temperature Tw increases with each fuel injection. Further, at that time, the fuel injection amount TAUGn is set based on the engine load Gn, and while TAUST ≧ TAUGn (t4 to t5), the final fuel injection amount TAU is set by the fuel injection amount TAUST. . When TAUST <TAUGn, thereafter, the final fuel injection amount TAU is set based on the fuel injection amount TAUGn.
[0052]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to appropriately control the air-fuel ratio at the time of starting to obtain good startability, to realize reduction of exhaust emission, and to improve fuel efficiency. it can.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall schematic diagram of an engine control system. FIG. 2 is a circuit configuration diagram of a control device. FIG. 3 is a flowchart showing a fuel injection control routine at startup. FIG. 4 is a flowchart showing a fuel injection control routine after startup. FIG. 6 is an explanatory diagram of an initial fuel injection amount table and a second fuel injection amount table. FIG. 6 is a time chart showing an example of fuel injection control.
TSTAF Initial fuel injection amount (starting fuel injection amount)
TSTAN Second fuel injection amount (starting fuel injection amount)
Tw Cooling water temperature (engine temperature)