JP2004183495A - Micro hydraulic system - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小量の流体を高精度に送ることが必要な化学分析などに用いられるマイクロ流体システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年において、マイクロマシン技術を応用し、化学分析や化学合成などのための機器や手法を微細化して行うμ−TAS(Micro Total Analysis System)が注目されている。微細化されたμ−TASによると、従来の装置と比べて試料の必要量が少ない、反応時間が短い、廃棄物が少ない、などのメリットがある。また、医療分野に使用した場合には、血液など検体の量を少なくすることで患者の負担を軽減でき、また、試薬の量を少なくすることで検査のコストを下げることができる。さらに、検体および試薬の量が少ないことから、反応時間が大幅に短縮され検査の効率化が図れる。そして携帯性にも優れるため、医療分野、環境分析など、広い範囲でその応用が期待されている。
【0003】
さて、マイクロ流体システムを用いた化学分析、環境計測などでは、デバイス(チップ)上で送液、混合、検出を行うために、送液手段としてマイクロポンプが用いられることがある。
【0004】
そのような送液手段に適したマイクロポンプの例として、本出願人が開示した特開2001−322099に記載のバルブレスマイクロポンプがある。次に、この従来のバルブレスマイクロポンプについて説明する。
【0005】
図9は従来のマイクロポンプ80の構成を模式的に示す平面図、図10はマイクロポンプ80の正面断面図である。
図9および図10において、マイクロポンプ80は、チャンバー81、チャンバー81に連通する2つの開口部82,83および流路84,85を有する。
【0006】
図10によく示されるように、マイクロポンプ80は、感光性のガラス基板91の表面をエッチングすることにより、チャンバー81などを構成するための窪みまたは溝が形成され、その上に別のガラス基板92が積層されている。ガラス基板92のチャンバー81に面する部分はエッチングなどによって穴が開けられている。ガラス基板92の上にさらに薄いガラス基板93が積層されてこれがダイヤフラムとなり、ダイヤフラムの上に圧電素子94が貼り付けられている。圧電素子94によりダイヤフラムを変形させることにより、チャンバー81の容積が変化する。
【0007】
一方の開口部82は、その両端の差圧が零に近いときは流路抵抗が低いが、差圧が大きくなると流路抵抗が大きくなる。つまり圧力依存性が大きい。他方の開口部83は、差圧が零に近いときの流路抵抗は開口部82の場合よりも大きいが、圧力依存性がほとんどなく、差圧が大きくなっても流路抵抗は余り変化せず、差圧が大きい場合に流路抵抗が開口部82よりも小さくなる〔図3参照〕。
【0008】
開口部82と開口部83のこのような流路抵抗特性の違いを利用して、チャンバー81を繰り返し加圧/減圧し、この際に加圧時と減圧時とで圧力の変化の割合を適宜制御することによって、液体の流量および流れ方向を任意に変化させることが可能なポンプ作用を実現することができる。
【0009】
このようなチャンバー81の圧力制御は、圧電素子94に供給する駆動電圧を制御し、ダイヤフラムの変形の量およびタイミングを制御することによって実現される。例えば、圧電素子94に図4(A)に示す波形の駆動電圧を印加することによって図10のM1方向に液体が吐出し、図5(A)に示す波形の駆動電圧を印加することによってその逆方向に吐出する。
【0010】
ところで、マイクロポンプを用いて2液を合流させたい場合には、それぞれの液体に対してマイクロポンプを準備し、各マイクロポンプによって各液体を個別に送り出して混合器で合流させることが一般的である(特開平10−110681)。
【0011】
また、マイクロポンプを用いて、1つの液体を異なる複数の流路に送り出したい場合には、流路の数に応じた個数のマイクロポンプを準備し、各マイクロポンプによって各流路に必要な量の液体をそれぞれ送り出すことが一般的である。
【0012】
【特許文献】
特開2001−322099
特開平10−110681
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば2つのマイクロポンプを用いて2液を混合する場合には、マイクロポンプ同士の間の相互作用のために、所定の流量比で混合することが容易ではない。特に、バルブレスマイクロポンプを用いた場合は、流量の多い方のポンプを強く駆動すると他方のポンプ側の流路に対して逆流しようとする力が働いてしまい、所望の流量比で混合することが困難である。
【0014】
また、混合においても分流においても、それぞれ複数のマイクロポンプを用いる必要があり、それぞれに制御を行う必要があることから、構成が複雑になるという問題がある。
【0015】
さらにまた、分岐部に可動式の流量切り替え弁を設けたり、各流路に個別のバルブを設けることなどによって、所望の流量比で混合しまたは分流することが考えられる。しかし、この方法では、機械的に変位する種々の機構を必要とするために構造が一層複雑となる。その上、弁に異物が付着することによって流量が安定しないという問題や、耐久性の問題などが考えられる。
【0016】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、1つのチャンバーによって複数の流路に対するポンプ作用を行わせるという簡単な構成によって流体を安定して送ることができ、所定の比率で合流させまたは分流させることの可能なマイクロ流体システムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマイクロ流体システムは、チャンバーと、前記チャンバーの容積を増減するアクチュエータと、前記チャンバーに接続された複数の流路と、前記複数の流路のそれぞれにおいて流路を絞るために設けられた開口部とを有し、前記チャンバーの容積が増えるときと減るときでその変化割合の大きさを異ならせることにより前記開口部間の流路抵抗の比を変化させて流体を送るように構成されるマイクロ流体システムであって、前記複数の流路として少なくとも3つの流路が前記チャンバーに接続されており、前記流路に設けられた前記開口部の少なくとも1 つは、前記チャンバーの圧力を上昇または下降させたときの当該開口部の流路抵抗の変化割合が他の開口部のそれとは異なるように設定されている。
【0018】
好ましくは、少なくとも3つの前記開口部の流路抵抗の変化割合がそれぞれ互いに異なるように設定されている。
また、前記複数の流路のうちの少なくとも1つの流路において、前記開口部が並列に複数設けられて開口部群を構成しており、前記開口部群は、当該開口部群全体としての流路抵抗の変化割合が他の流路の開口部のそれよりも小さく設定されている。
【0019】
また、前記開口部群のうちの1つには、流路断面が一様である開口部を少なくとも1つ含み、且つ、その他の開口部群には、それぞれの開口部における断面積に対する流路長の割合が、前記流路断面が一様である開口部のそれよりも小さい開口部をそれぞれ少なくとも1つ含む。
【0020】
このようなマイクロ流体システムは、前記アクチュエータに与える駆動電圧波形を制御することによって前記チャンバーの容積が増えるときと減るときでその変化割合の大きさを異ならせ、これによって、前記各開口部または前記開口部群の流路抵抗の大きさに応じた流量および方向に流体を送って流体の合流または分流を行わせるように使用される。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施形態のマイクロ流体システム1の構成を模式的に示す平面図、図2は第1の実施形態のマイクロ流体システム1の正面断面図、図3は開口部の流路抵抗特性の例を示す図、図4および図5は圧電素子の駆動電圧の波形の例を示す図、図6は駆動電圧によるチャンバー11の容積変化の様子を示す図である。なお、図2は、図1の流路22、開口部12、チャンバー11、開口部13、および流路23の中心を通る面によって断面した状態を示す図である。
【0022】
図1および図2に示すように、マイクロ流体システム1は、ポンプ室であるチャンバー11、チャンバー11に接続される第1、第2、および第3の3つの流路22,23,24、これらの各流路22,23,24において流路を絞るために設けられた第1、第2、および第3の開口部12,13,14を有する。
【0023】
図2によく示されるように、マイクロ流体システム1は、シリコン基板31を用い、フォトリソグラフィー工程によって、チャンバー11、開口部12,13,14、および流路22,23,24などを構成するための溝または窪みを形成し、その下に底板となるガラス基板32を接合することによって製作される。その際に、シリコン基板31におけるチャンバー11となる窪みは、シリコン基板31が貫通しないようにハーフエッチングで堀り込み、シリコン基板31の残った部分をダイヤフラム31fとして用いる。ダイヤフラム31fの上に圧電素子34が貼り付けられている。
【0024】
マイクロ流体システム1はこのようにして製作することが可能であるが、従来から公知の方法、その他の方法またはその他の材料を用いて製作することも可能である。
【0025】
圧電素子34には、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックスの薄板を用いる。圧電素子34の駆動のための2つの電極は、圧電素子34の両側の表面に引き出され、フレキシブルケーブル35などによって配線され、駆動回路36に接続される。
【0026】
駆動回路36によって、圧電素子34に図4(A)または図5(A)に示す波形の電圧を印加することにより、シリコン薄膜であるダイヤフラム31fと圧電素子34とがユニモルフモードの屈曲変形を行うことを利用して、チャンバー11の容積を増減させる。
【0027】
例えば、図6に示すように、簡単化のために三角波の駆動電圧を用いると、チャンバー11の容積はその波形に応じて変化する。
さて、本実施形態において、第1、第2、および第3の開口部12,13,14は、チャンバー11内の圧力を上昇または下降させたときの流路抵抗の変化割合がそれぞれ互いに異なるように設定されている。そして、その変化割合は、第1、第2、第3の順に小さくなるように、つまり、第1の開口部12が最も大きく、第2の開口部13はそれよりも小さく、第3の開口部14はさらに小さく設定されている。
【0028】
すなわち、図3に示すように、第1の開口部12は、その両端の差圧が零に近いときは流路抵抗が低いが、差圧が大きくなると流路抵抗が大きくなる。つまり圧力依存性が大きい。第3の開口部14は、差圧が零に近いときの流路抵抗は大きいが、圧力依存性がほとんどなく、差圧が大きくなっても流路抵抗は少し大きくなる程度である。第2の開口部13の流路抵抗の圧力依存性は第1の開口部12と第3の開口部14との中間である。
【0029】
このような流路抵抗特性は、流路を流れる流体、例えば液体が、差圧の大きさに応じて層流または乱流のいずれかとなるようにするか、または差圧にかかわりなく常に層流となるようにするか、によって得ることが可能である。つまり、基本的には、第1、第2、第3の開口部12,13,14の順に、十分に層流が発達し乱流が起こりにくいような形状に形成すればよい。
【0030】
具体的には、例えば、第1の開口部12を流路長の短いオリフィスとし、第3の開口部14を流路長の長いノズルとし、第2の開口部13をその中間の長さとすることによって実現することが可能である。
【0031】
別の見方をすれば、各開口部12,13,14が一様な流路断面を有するようにし、それらの断面積に対する流路長の割合が、第1、第2、第3の順に大きくなるように設定し、かつ、実際に使用する差圧の範囲内において、各開口部の流路抵抗値が互いに逆転する領域があるような寸法形状にすればよい。
【0032】
したがって、例えば第1の開口部12と第2の開口部14とに注目すれば、チャンバー11の圧力を上昇させるとともに、その変化の割合を大きくすれば、差圧が大きくなって開口部12の流路抵抗が開口部14の流路抵抗よりも大きくなり、チャンバー11内の流体のほとんどは開口部14から吐出する。そして、チャンバー11の圧力を下降させるとともに、その変化の割合を小さくすれば、差圧が小さく維持されて開口部12の流路抵抗の方が開口部14の流路抵抗よりも小さくなり、開口部12からチャンバー11内により多くの流体が流入する。
【0033】
これとは逆に、チャンバー11の圧力を上昇させるとともに、その変化の割合を小さくしておけば、差圧が小さく維持されて開口部12の流路抵抗の方が開口部14の流路抵抗よりも小さくなり、チャンバー11内の流体は開口部12からより多く吐出する。そして、チャンバー11の圧力を下降させるとともに、その変化の割合を大きくすれば、差圧が大きくなって開口部12の流路抵抗の方が開口部14の流路抵抗よりも大きくなり、開口部14からチャンバー11内により多くの流体が流入する。
【0034】
このようなチャンバー11の圧力制御は、圧電素子34に供給する駆動電圧を制御し、ダイヤフラムの変形の量およびタイミングを制御することによって実現される。例えば、圧電素子34に図4(A)に示す波形の駆動電圧を印加することによって流路24の側に吐出し、図5(A)に示す波形の駆動電圧を印加することによって流路22の側に吐出する。
【0035】
図4および図5において、圧電素子34に印加する最大電圧e1 は、数ボルトから数十ボルト程度、最大で100ボルト程度である。また、時間の一例を挙げれば、時間T1,T7は20μs程度、時間T2,T6は0〜数μs程度、時間T3,T5は60μs程度である。時間T4,T8は0であってもよい。駆動電圧の周波数は11KHz程度である。図4(A)および図5(A)に示す駆動電圧によって、流路24には例えば図4(B)および図5(B)に示すような流量が得られる。なお、図4(B)および図5(B)における流量曲線は、ポンプ動作によって得られる流量を模式的に示したもので、実際には流体の慣性振動が重畳する。したがって、これら図に示された流量曲線に振動成分が重畳された曲線が実際に得られる流量を示すこととなる。
【0036】
しかし、これに第2の開口部13が吐出または吸引として参加するので、実際の流体の流れはさらに複雑になる。
そこで、これら開口部12,13,14のこのような流路抵抗特性を利用して、チャンバー11に圧力を発生させるとともに、その圧力の変化の割合を制御することによって、そのときの各開口部12,13,14の流路抵抗の大きさに応じた流量および方向に送液を行って流体の合流または分流を行わせることができる。
【0037】
例えば、図4および図5に示すように、少なくとも2種類の駆動電圧波形を用意してこれを切り替える。また、波形は同じであっても最大電圧e1 を異ならせてもよい。また、波形および最大電圧e1 を任意に変更し、吐出の方向、流量、流量比などの微調整を行うことが可能である。
【0038】
複数の流路からの流体をチャンバー11において合流させた場合には、例えば混合器として機能させることができる。チャンバー11から複数の流路に対して吐出させた場合には、複数の流路に対して所定の比率で吐出するポンプとして機能させ、または分流器や流路切り替え器として機能させることができる。
【0039】
なお、図3に示すように、これら3つの開口部12,13,14の流路抵抗特性曲線は、使用する差圧の範囲内において互いに交差し合う関係に設定するとより効果的である。これは、それぞれの曲線が交差する点の差圧よりも差圧の絶対値が大きい場合と小さい場合とで、互いの流路抵抗の大小関係を逆転させることによって流量効率の向上が図れるからである。このように、流路抵抗の大小関係が逆転することは、マイクロ流体システム1としての基本機能を満たすために必ずしも必要ではないが、流量効率を向上させるために重要な要因となる。
【0040】
また、図3において、3つの曲線は一点において交差しておらず、ある範囲で3つの開口部12,13,14の流路抵抗の順位が変化する。このように流路抵抗特性の変化をうまく設定することによって、上に述べた種々の機能をさらに高めることが可能である。
【0041】
次に、各部の寸法の具体的な例を示す。
開口部12は、幅が25μm程度、長さが25μm程度である。開口部13は、幅が30μm程度、長さが90μm程度である。開口部14は、幅が36μm程度、長さが180μm程度である。これら開口部12,13,14の深さは、いずれも25μm程度であり、流路の長手方向(流体の流れる方向)に対して一様な断面形状(流路断面)を持つ。
【0042】
なお、このとき、L/Sの値、つまり〔流路長/断面積〕の値(単位:μm−1)は、開口部12は0.04、開口部13は0.12、開口部14は0.20となる。つまり、〔流路長/断面積〕の値は、第1の開口部12、第2の開口部13、第3の開口部14の順に増加している。
【0043】
ここで用いるLは、開口部の流路長であるが、開口部の両端の形状によってはどこの長さをLとしてよいか不明な場合がある。その場合には、種々の形状の開口部について実験を行い、実験結果に基づいて等価な流路長を実効流路長として用いればよい。断面積Sについても同様である。
【0044】
なお、流路22,23,24は、流体を流通させて所定の位置に導く文字通りの流路であってもよく、流体に対して何らかの反応を与えるための室であってもよく、また、流体を溜めるものリザーバのようなものであってもよい。本明細書においてはこれらを総称して「流路」と記載している。
【0045】
上に述べたマイクロ流体システム1によると、1つのチャンバー11によって複数の流路22,23,24に対するポンプ作用を行わせることができ、しかもそれら各流路22,23,24への吐出または吸入の流量および方向を制御することができる。チャンバー11およびその容量を変化させるための圧電素子34がそれぞれ1つでよいので、構成が簡単であり、制御が容易であり、安定した送液を行うことができる。各開口部12,13,14の流路抵抗特性を適当に設定しておき、圧電素子34に印加する駆動電圧を制御することによって、複数種類の流体を所定の比率で合流させまたは分流させることができる。
【0046】
上に述べた実施形態においては、圧電素子34に三角波形または略三角波形の駆動電圧を印加したが、これ以外の種々の波形の駆動電圧を用いることも可能である。要は、チャンバー11の容積増減の振動の速度を、立ち上がり時と立ち下り時で異ならせた状態で、その速度の絶対値を変化させ得るものであればよい。
【0047】
次に、第2の実施形態によるマイクロ流体システム1Bについて説明する。
図7は本発明の第2の実施形態のマイクロ流体システム1Bの構成を模式的に示す平面図である。
【0048】
第2の実施形態において、第1の実施形態と同じ機能を有する部分には同じ符号を付して説明を省略しまたは簡略化する。
第2の実施形態において、第2の流路23には互いに並列に接続された2つの開口部13a,13bからなる開口部群13Bが設けられ、第3の流路24には互いに並列に接続された3つの開口部14a,14b,14cからなる開口部群14Bが設けられている。
【0049】
すなわち、開口部群13Bは2つの開口部13a,13bから構成されているが、これら開口部13a,13bは、長さ、断面形状、および有効断面積が互いに等しい。また、図1に示す開口部13と比べると、いずれも流路長は2倍であり、いずれも有効断面積が等しい。このようにすると、開口部群13B全体としての平均的な流路抵抗は開口部13の場合とほぼ同じであるが、開口部群13B全体としての流路抵抗の変化割合が小さくなり、圧力依存性が小さくなる。
【0050】
また、開口部群14Bは3つの開口部14a,14b,14cから構成されているが、これら開口部14a,14b,14cは、長さ、断面形状、および有効断面積が互いに等しい。また、図1に示す開口部14と比べると、いずれも流路長は3倍であり、いずれも有効断面積が等しい。このようにすると、開口部群14B全体としての平均的な流路抵抗は開口部14の場合とほぼ同じであるが、開口部群14B全体としての流路抵抗の変化割合が小さくなり、圧力依存性が開口部群13Bの場合よりもさらに小さくなる。
【0051】
例えば、複数の開口部が互いに干渉しないように並列に並んだものである場合には、個々の開口部の流路抵抗の逆数を足し合わせ、その逆数をとった値を開口部群の全体の流路抵抗として用いることができる。
【0052】
そして、第3の流路24に設けられる開口部14a,14b,14cのうちの少なくとも1つ(この実施形態においては全部)は、他の流路22,23に設けられる開口部12または開口部13a,13bのいずれよりも、〔流路長/断面積〕の値が大きい。
【0053】
また、第2の流路23に設けられる開口部13a,13bのうちの少なくとも1つ(この実施形態においては全部)は、流路24に設けられる開口部14a,14b,14cのいずれよりも、〔流路長/断面積〕の値が小さい。
【0054】
このように、互いに並列に接続された複数の開口部によって構成された開口部群13B,14Bを用いて流路を絞ることにより、その開口部群13B,14Bの全体的な圧力依存性を低減させることができ、これによって他の開口部または開口部群との間で圧力依存性の相違が大きくなってポンプとしての流量特性を向上させることができる。
【0055】
次に、マイクロ流体システム1を駆動した場合の流体の挙動について説明する。
図8はマイクロ流体システム1における各開口部12,13,14についての流路抵抗特性、流量比率、および、1回当たりの吐出量を示す表である。
【0056】
ここで、仮に、チャンバー11の容積の減少時のチャンバー内圧に対する各開口部12,13,14の流路抵抗値を、それぞれ、R1r、R2r、R3rとし、そのときの各流路22,23,24を出入りする流体の体積を、それぞれ、V1r、V2r、V3rとする。
【0057】
また、チャンバー11の容積の増加時のチャンバー内圧に対する各開口部の流路抵抗値を、それぞれ、R1f、R2f、R3fとし、そのときの各流路を出入りする流体の体積を、それぞれ、V1f、V2f、V3fとする。
【0058】
また、チャンバー11の容積の変化量(振動の幅)をV0とする。
このとき、例えばチャンバー11の容積増減振動の1往復で、第1の流路22を通って送り出される流体の体積ΔV1は、次の式で近似的に表される(実際には、液体の慣性振動が加わるため、若干異なる。)。
【0059】
ΔV1=V1r−V1f
V1r=V0×(1/R1r)/〔(1/R1r)+(1/R2r)+(1/R3r) 〕
V1f=V0×(1/R1f)/〔(1/R1f)+(1/R2f)+(1/R3f) 〕
同様にして、第2の流路23および第3の流路24についても、チャンバー11の容積増減振動の1往復で送り出される流体の体積を算出できる。
【0060】
ここで、各開口部の流路抵抗特性が図8(A)に示すようであったときには、上の式から、チャンバー11の容積増減振動の1往復で各流路を通って送り出される流体体積は、図8(C)に示すようになる。
【0061】
なお、図8(C)の表において、プラスの数字は吐出方向を表し、マイナスの数字は吸入方向を表す。図8(C)の表から分かるように、チャンバー11の駆動パターンを異ならせることによって各開口部への流量比及びその方向を切り替えることができる。
【0062】
さらに、チャンバー11の容積増減にともなう圧力を、例えば駆動電圧波形の立ち上がり時間または立ち下がり時間などを細かく調整することによって制御すれば、流量および流量比の微妙な調整を行うことも可能である。
【0063】
上に述べた実施形態において、流路の本数が3つであるが、4つ以上であってもよい。また、流路のいずれが複数の開口部からなる開口部群を有していてもよい。さらに、流路に設けられる開口部群が4つ以上の開口部から構成されていてもよい。
【0064】
上に述べた実施形態において、流路22,23,24を循環系の流路としてもよい。また、それぞれの流路22,23,24が、チャンバー11から離れた位置で合流する形態であってもよい。その場合においても、それらは1つの流路としてではなく、それぞれチャンバー11に接続された流路として取り扱えばよい。
【0065】
上に述べた実施形態においては、シリコン基板を用いてマイクロ流体システム1,1Bを製作した例を示したが、樹脂、ガラス、金属、セラミックなどの材料を微細加工したものでもよい。ダイヤフラム31fをハーフエッチングで形成するのではなく、別途用意した薄板を張り合わせて形成しても良い。その場合に、材料は何でもよいが、圧電素子よりも極端に柔らかい場合には十分な変位特性が得られない可能性があるので注意を要する。
【0066】
上に述べた実施形態において、チャンバー11の深さを開口部の深さと同じとしたが、同じである必要はなく、それより深くても浅くてもよい。チャンバー11の容積を増減させるアクチュエータである圧電素子34の変形は、ユニモルフ屈曲変形である必然性はなく、例えば、縦振動、横振動、ずり変形振動などであってもよい。また、アクチュエータとして、圧電素子34に限らず、例えば、静電アクチュエータ、電磁アクチュエータ、または形状記憶合金など、チャンバー11の容積を増減させ得るものであれば何でもよい。また、アクチュエータは、マイクロ流体システム1に一体化されたものではなく、別体として切り離し可能なものであってもよい。
【0067】
開口部の形状に関して、流路断面が一様であると言っても必ずしも完全に一様である必要はない。また、必ずしも一様な断面形状である必要はない。例えば、内面に多少の凸凹があったり、テーパがあってもよい。そのような場合の実効断面積または有効断面積Sは、実験値または計算値などに基づいて求めることができる。開口部の出入り口の近傍において、特に吐出口(アウトレット)となる側の開口部においては、多少の拡がり部または滑らかに拡がるアール部をもっていてもよい。また、特に吸入口(インレット)となる側の開口部においては、一様な断面形状でなくても機能は大きく変わらない。適用する流体として、液体、流動体、気体などであってもよい。
【0068】
上に述べた種々の実施形態および変形例において、マイクロ流体システム1,1Bの平面形状として、正方形、長方形、多角形、円形、楕円形、その他の種々の形状とすることが可能である。その他、マイクロ流体システムの全体または各部の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【0069】
本発明に係るマイクロ流体システムは、環境、食品、生化学、免疫学、血液学、這伝子分析、合成、創薬など、さまざまな分野で用いることができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明によると、1つのチャンバーによって複数の流路に対するポンプ作用を行わせるという簡単な構成によって、流体を安定して送ることができる。また、複数の流体を所定の比率で合流させまたは分流させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のマイクロ流体システムの構成を模式的に示す平面図である。
【図2】第1の実施形態のマイクロ流体システムの正面断面図である。
【図3】開口部の流路抵抗特性の例を示す図である。
【図4】圧電素子の駆動電圧の波形の例を示す図である。
【図5】圧電素子の駆動電圧の波形の例を示す図である。
【図6】駆動電圧によるチャンバーの容積変化の様子を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態のマイクロ流体システムの構成を模式的に示す平面図である。
【図8】各開口部についての流路抵抗特性、流量比率、1回当たりの吐出量の例を示す図である。
【図9】従来のマイクロポンプの構成を模式的に示す平面図である。
【図10】従来のマイクロポンプの正面断面図である。
【符号の説明】
1,1B マイクロ流体システム
11 チャンバー
12,13,14 開口部
13B,14B 開口部群(開口部)
13a,13b 開口部
14a,14b,14c 開口部
22,23,24 流路
34 圧電素子(アクチュエータ)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a microfluidic system used for chemical analysis or the like that requires a very small amount of fluid to be sent with high precision.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, a μ-TAS (Micro Total Analysis System), which applies micromachine technology to miniaturize instruments and methods for chemical analysis and chemical synthesis, etc., has attracted attention. According to the miniaturized μ-TAS, there are advantages such as a smaller required amount of a sample, a shorter reaction time, and less waste compared to a conventional apparatus. Further, when used in the medical field, the burden on the patient can be reduced by reducing the amount of a sample such as blood, and the cost of the test can be reduced by reducing the amount of the reagent. Further, since the amounts of the sample and the reagent are small, the reaction time is greatly reduced, and the efficiency of the test can be improved. Because of its excellent portability, its application is expected in a wide range of fields such as the medical field and environmental analysis.
[0003]
Now, in chemical analysis, environmental measurement, and the like using a microfluidic system, a micropump may be used as a liquid sending means to perform liquid sending, mixing, and detection on a device (chip).
[0004]
As an example of a micropump suitable for such a liquid sending means, there is a valveless micropump disclosed in JP-A-2001-322099 disclosed by the present applicant. Next, this conventional valveless micropump will be described.
[0005]
FIG. 9 is a plan view schematically showing a configuration of a
9 and 10, the
[0006]
As shown in FIG. 10, the
[0007]
The flow path resistance of one opening 82 is low when the differential pressure at both ends thereof is close to zero, but the flow resistance increases as the differential pressure increases. That is, the pressure dependency is large. In the
[0008]
The
[0009]
Such pressure control of the
[0010]
By the way, when it is desired to combine two liquids using a micropump, it is general to prepare a micropump for each liquid, send out each liquid individually by each micropump, and merge them with a mixer. (JP-A-10-110681).
[0011]
Also, when one liquid is to be sent out to a plurality of different flow paths using a micro pump, a number of micro pumps corresponding to the number of flow paths are prepared, and the amount required for each flow path by each micro pump is prepared. It is common to send out each of the liquids.
[0012]
[Patent Document]
JP 2001-322099 A
JP-A-10-110681
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
However, for example, when two liquids are mixed using two micro pumps, it is not easy to mix at a predetermined flow ratio due to the interaction between the micro pumps. In particular, when a valveless micropump is used, if the pump with the higher flow rate is strongly driven, a force for reverse flow acts on the flow path on the other pump side, and mixing at a desired flow rate ratio may occur. Have difficulty.
[0014]
In addition, a plurality of micropumps must be used for both mixing and split flow, and control must be performed for each of them, which causes a problem that the configuration is complicated.
[0015]
Furthermore, it is conceivable that mixing or splitting is performed at a desired flow ratio by providing a movable flow switching valve in the branch portion or providing an individual valve in each flow path. However, in this method, the structure is further complicated because various mechanisms for mechanical displacement are required. In addition, there is a problem that the flow rate is not stabilized due to foreign matter adhering to the valve, a problem of durability, and the like.
[0016]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above-described problem, and a simple configuration in which a single chamber performs a pumping operation on a plurality of flow paths can stably send a fluid, and merge at a predetermined ratio. Alternatively, it is an object to provide a microfluidic system capable of diverting.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
A microfluidic system according to the present invention is provided for reducing a flow path in each of the plurality of flow paths connected to the chamber, an actuator for increasing or decreasing the volume of the chamber, a plurality of flow paths connected to the chamber, and the plurality of flow paths. With a configuration in which the volume of the chamber is increased and decreased, the ratio of the change in flow rate is varied by changing the ratio of the flow path resistance between the openings, and the fluid is sent. Wherein at least three of the plurality of flow paths are connected to the chamber, and at least one of the openings provided in the flow path adjusts the pressure of the chamber. The rate of change in the flow path resistance of the opening when raised or lowered is set to be different from that of the other openings.
[0018]
Preferably, the change rates of the flow path resistance of at least three of the openings are set to be different from each other.
In at least one of the plurality of flow paths, the plurality of openings are provided in parallel to form an opening group, and the opening group is a flow path as a whole of the opening group. The change rate of the path resistance is set smaller than that of the openings of the other flow paths.
[0019]
In addition, one of the opening groups includes at least one opening having a uniform channel cross section, and the other opening group includes a channel corresponding to a cross-sectional area of each opening. Each of the openings has at least one opening whose length ratio is smaller than that of the opening having the uniform channel cross section.
[0020]
In such a microfluidic system, by controlling a drive voltage waveform applied to the actuator, the magnitude of the rate of change is different between when the volume of the chamber is increased and when the volume of the chamber is decreased. It is used so that the fluid is sent in a flow rate and a direction corresponding to the magnitude of the flow path resistance of the group of openings to cause the fluid to merge or split.
[0021]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 is a plan view schematically showing a configuration of a
[0022]
As shown in FIGS. 1 and 2, the
[0023]
As shown in FIG. 2, the
[0024]
The
[0025]
As the
[0026]
By applying a voltage having a waveform shown in FIG. 4A or FIG. 5A to the
[0027]
For example, as shown in FIG. 6, when a driving voltage of a triangular wave is used for simplification, the volume of the
In the present embodiment, the first, second, and
[0028]
That is, as shown in FIG. 3, the
[0029]
Such a flow path resistance characteristic is such that the fluid flowing in the flow path, for example, a liquid, is either laminar or turbulent depending on the magnitude of the differential pressure, or is always laminar regardless of the differential pressure. Or can be obtained by: That is, basically, the first, second, and
[0030]
Specifically, for example, the
[0031]
From another viewpoint, each of the
[0032]
Therefore, for example, paying attention to the
[0033]
Conversely, if the pressure in the
[0034]
Such pressure control of the
[0035]
4 and 5, the maximum voltage e1 applied to the
[0036]
However, the actual flow of the fluid is further complicated since the
Therefore, by utilizing such flow path resistance characteristics of the
[0037]
For example, as shown in FIGS. 4 and 5, at least two types of drive voltage waveforms are prepared and switched. Further, the maximum voltage e1 may be different even if the waveforms are the same. Further, it is possible to arbitrarily change the waveform and the maximum voltage e1 to finely adjust the discharge direction, flow rate, flow rate ratio, and the like.
[0038]
When fluids from a plurality of flow paths are merged in the
[0039]
As shown in FIG. 3, it is more effective to set the flow path resistance characteristic curves of these three
[0040]
In FIG. 3, the three curves do not intersect at one point, and the order of the flow path resistance of the three
[0041]
Next, specific examples of the dimensions of each part will be described.
The
[0042]
At this time, the value of L / S, that is, the value of [flow path length / cross-sectional area] (unit: μm −1 ) is 0.04 for opening 12, 0.12 for opening 13, and 14 for
[0043]
L used here is the flow path length of the opening. However, depending on the shape of both ends of the opening, there is a case where it is unclear where the length should be L. In that case, experiments may be performed on openings having various shapes, and an equivalent flow path length may be used as the effective flow path length based on the experimental results. The same applies to the sectional area S.
[0044]
The
[0045]
According to the
[0046]
In the above-described embodiment, a driving voltage having a triangular waveform or a substantially triangular waveform is applied to the
[0047]
Next, a microfluidic system 1B according to a second embodiment will be described.
FIG. 7 is a plan view schematically showing the configuration of the microfluidic system 1B according to the second embodiment of the present invention.
[0048]
In the second embodiment, portions having the same functions as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and description thereof will be omitted or simplified.
In the second embodiment, the
[0049]
That is, the
[0050]
The opening group 14B includes three
[0051]
For example, when a plurality of openings are arranged in parallel so as not to interfere with each other, the reciprocals of the flow path resistances of the individual openings are added, and the value obtained by taking the reciprocal is the total value of the opening group. It can be used as a channel resistance.
[0052]
At least one (all in this embodiment) of the
[0053]
Further, at least one (all in this embodiment) of the openings 13a and 13b provided in the
[0054]
As described above, by narrowing the flow path using the opening
[0055]
Next, the behavior of the fluid when the
FIG. 8 is a table showing the flow path resistance characteristics, the flow rate ratio, and the discharge amount per operation for each of the
[0056]
Here, suppose that the flow path resistance values of the
[0057]
The flow path resistance values of the respective openings with respect to the chamber internal pressure when the volume of the
[0058]
In addition, the amount of change (width of vibration) of the volume of the
At this time, the volume ΔV1 of the fluid sent out through the
[0059]
ΔV1 = V1r−V1f
V1r = V0 × (1 / R1r) / [(1 / R1r) + (1 / R2r) + (1 / R3r)]
V1f = V0 × (1 / R1f) / [(1 / R1f) + (1 / R2f) + (1 / R3f)]
Similarly, for the
[0060]
Here, when the flow path resistance characteristics of each opening are as shown in FIG. 8 (A), from the above equation, the volume of fluid sent out through each flow path in one reciprocation of the volume increase / decrease vibration of the
[0061]
In the table of FIG. 8C, a plus number indicates a discharge direction, and a minus number indicates a suction direction. As can be seen from the table in FIG. 8C, the flow ratio to each opening and its direction can be switched by making the driving pattern of the
[0062]
Furthermore, if the pressure accompanying the increase or decrease in the volume of the
[0063]
In the above-described embodiment, the number of channels is three, but may be four or more. Further, any of the flow paths may have an opening group including a plurality of openings. Further, the group of openings provided in the flow path may be composed of four or more openings.
[0064]
In the embodiment described above, the
[0065]
In the embodiment described above, the example in which the
[0066]
In the above-described embodiment, the depth of the
[0067]
Regarding the shape of the opening, it is not always necessary that the cross section of the flow path is completely uniform even though it is uniform. Further, it is not always necessary to have a uniform cross-sectional shape. For example, the inner surface may have some unevenness or taper. In such a case, the effective area or effective area S can be obtained based on experimental values or calculated values. In the vicinity of the entrance of the opening, particularly in the opening on the side serving as the discharge port (outlet), a slightly expanding portion or a smoothly expanding radius portion may be provided. In particular, in the opening on the side serving as the suction port (inlet), the function is not largely changed even if it does not have a uniform sectional shape. The fluid to be applied may be a liquid, a fluid, a gas, or the like.
[0068]
In the various embodiments and modifications described above, the planar shape of the
[0069]
The microfluidic system according to the present invention can be used in various fields such as environment, food, biochemistry, immunology, hematology, gene analysis, synthesis and drug discovery.
[0070]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the fluid can be sent stably by the simple structure of making a several chamber perform the pump action by one chamber. Further, a plurality of fluids can be combined or separated at a predetermined ratio.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view schematically showing a configuration of a microfluidic system according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a front sectional view of the microfluidic system according to the first embodiment.
FIG. 3 is a diagram illustrating an example of a flow path resistance characteristic of an opening.
FIG. 4 is a diagram showing an example of a waveform of a driving voltage of a piezoelectric element.
FIG. 5 is a diagram illustrating an example of a waveform of a drive voltage of a piezoelectric element.
FIG. 6 is a diagram showing how the volume of a chamber changes according to a drive voltage.
FIG. 7 is a plan view schematically showing a configuration of a microfluidic system according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a diagram illustrating an example of a flow path resistance characteristic, a flow rate ratio, and a discharge amount per discharge for each opening.
FIG. 9 is a plan view schematically showing a configuration of a conventional micropump.
FIG. 10 is a front sectional view of a conventional micropump.
[Explanation of symbols]
1,
13a, 13b
Claims (5)
前記複数の流路として少なくとも3つの流路が前記チャンバーに接続されており、
前記流路に設けられた前記開口部の少なくとも1 つは、前記チャンバーの圧力を上昇または下降させたときの当該開口部の流路抵抗の変化割合が他の開口部のそれとは異なるように設定されている、
ことを特徴とするマイクロ流体システム。A chamber, an actuator for increasing / decreasing the volume of the chamber, a plurality of flow paths connected to the chamber, and an opening provided for narrowing a flow path in each of the plurality of flow paths, A microfluidic system configured to send a fluid by changing the ratio of the flow path resistance between the openings by changing the magnitude of the rate of change between when the volume of the chamber increases and when the volume of the chamber decreases,
At least three flow paths are connected to the chamber as the plurality of flow paths,
At least one of the openings provided in the flow path is set so that the rate of change in the flow path resistance of the opening when the pressure in the chamber is increased or decreased is different from that of the other openings. Have been
A microfluidic system, characterized in that:
請求項1記載のマイクロ流体システム。The change rates of the flow path resistance of at least three of the openings are set to be different from each other,
The microfluidic system according to claim 1.
前記開口部群は、当該開口部群全体としての流路抵抗の変化割合が他の流路の開口部のそれよりも小さく設定されている、
請求項1または2記載のマイクロ流体システム。In at least one flow path of the plurality of flow paths, a plurality of the openings are provided in parallel to form an opening group,
The opening group, the rate of change of the flow path resistance as a whole of the opening group is set smaller than that of the opening of the other flow path,
The microfluidic system according to claim 1.
且つ、その他の開口部群には、それぞれの開口部における断面積に対する流路長の割合が、前記流路断面が一様である開口部のそれよりも小さい開口部をそれぞれ少なくとも1つ含む、
請求項3記載のマイクロ流体システム。One of the opening groups includes at least one opening having a uniform channel cross section,
And, in the other group of openings, the ratio of the flow path length to the cross-sectional area of each opening includes at least one opening each smaller than that of the opening where the flow path cross section is uniform,
The microfluidic system according to claim 3.
請求項1乃至4のいずれかに記載のマイクロ流体システムの使用方法。By controlling the drive voltage waveform applied to the actuator, the magnitude of the rate of change is different between when the volume of the chamber is increased and when the volume of the chamber is decreased, whereby the flow path resistance of each opening or the opening group is changed. Sending fluid in a flow rate and direction according to the size to cause the fluid to merge or split,
A method for using the microfluidic system according to any one of claims 1 to 4.
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