JP2004181540A - 工作機械の熱変形誤差の補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】工作機械の熱変形によってワークに生ずる加工誤差を補正する方法に関し、低廉な装置コストで精度の高い加工を可能にする。
【解決手段】NC装置5に、サンプリングされた複数の計測値から平均値を演算する平均値演算手段15と前記補正値を演算する補正値演算手段16とを登録し、機械1の所定箇所に取付けた前記温度センサの出力を直接NC装置に入力して前記平均値演算手段で平均値を演算し、当該平均値を用いて前記補正値演算手段で補正値を演算する。複数の温度センサ4の計測値をリレー9で切換えてNC装置5に入力する。温度センサ4の取付位置を熱変形の演算に最も好ましい位置にすることが可能になり、補正値をより高い精度で演算できる。
【選択図】 図1
【解決手段】NC装置5に、サンプリングされた複数の計測値から平均値を演算する平均値演算手段15と前記補正値を演算する補正値演算手段16とを登録し、機械1の所定箇所に取付けた前記温度センサの出力を直接NC装置に入力して前記平均値演算手段で平均値を演算し、当該平均値を用いて前記補正値演算手段で補正値を演算する。複数の温度センサ4の計測値をリレー9で切換えてNC装置5に入力する。温度センサ4の取付位置を熱変形の演算に最も好ましい位置にすることが可能になり、補正値をより高い精度で演算できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械の熱変形によってワークに生ずる加工誤差を補正する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工作機械を運転すると、加工熱、モータや軸受部の発熱、作動油や切削液の温度上昇などにより機械温度が上昇し、それに伴う工作機械各部の熱変形がワークの加工精度を低下させる。そこで工作機械の各部の温度を計測し、その時加工されたワークの加工誤差を計測することにより、機械温度と加工誤差の関係を求めてNC装置の指令値を補正することにより、加工誤差が生じないようにしている。要求される加工精度が高くなるに従い、より厳密な補正が必要になることは当然で、1ミクロン代の加工精度を実現するためには、機械温度を0.1℃程度のオーダで検出してNC装置の指令値を補正してやる必要がある。
【0003】
初期のNC工作機械には、このような高い精度が要求されていなかったので、NC装置自体は機械の温度上昇による加工誤差の補正手段を備えておらず、補正値が設定されたときに、その補正値に基づいて指令値を補正する手段を備えているのみである。そこで従来は、図3に示すように、工作機械のベッド1などに取付けた温度センサ4の計測値から補正値を演算する補正値演算装置20を設け、その演算値をNC装置5の補正値メモリ21に入力して、その補正値で加工プログラム6から出力される指令値の位置情報を補正して、主軸台2や刃物台3などの動きを制御していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような従来手段では、装置がコスト高になるほか、補正値演算装置20の仕様によって機械に取付けることができる温度センサの数が制限されること、及び温度センサ4の取付位置が温度変動の比較的緩慢なベッドなどに制限されるために、計測された温度から精度の高い補正値を演算することが困難であるなどの問題があった。
【0005】
この発明は、低廉な装置コストで工作機械の熱変形による加工誤差の補正をより高い精度で行うことが可能な技術手段を得ることにより、より高い加工精度を実現することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本願請求項1のNC工作機械における熱変形誤差の補正方法は、工作機械の所定箇所に取付けた温度センサ4の計測値から補正値を演算して当該補正値で加工プログラムの指令値を補正するNC工作機械の熱変形誤差の補正方法において、NC装置5に、サンプリングされた複数の計測値から平均値を演算する平均値演算手段15と前記補正値を演算する補正値演算手段16とを登録し、機械1の所定箇所に取付けた前記温度センサの出力を直接NC装置に入力して前記平均値演算手段で平均値を演算し、当該平均値を用いて前記補正値演算手段で補正値を演算し、当該補正値で加工プログラムの指令値を補正することを特徴とする。
【0007】
本願請求項2の発明は、上記補正方法において、複数の温度センサ4の計測値をリレー9で切換えてNC装置5に入力し、前記平均値演算手段は、複数の温度センサのそれぞれについての平均値を演算し、前記補正値演算手段は、当該演算された複数の平均値から補正値を演算することを特徴とするものである。
【0008】
【作用】
この発明では、NC装置に登録したプログラム16で温度センサ4の計測値に基づく補正値の演算を行うようにしたので、従来必要とした補正値演算装置(ハードウェア)20を必要とせず、装置コストを低減できる。また、NC装置に平均値演算手段15を登録して、所定時間間隔でサンプリングされた温度センサ4の直近の所定回数の計測値の平均値を演算し、当該平均値を用いて補正値演算手段16で補正値を演算するようにしたので、温度センサ4を温度変動の大きな、例えば主軸台2や刃物台3に取付けても、当該取付部分の一時的な温度変動によって補正値が振れ動くことを防止することができる。これにより、温度センサ4の取付位置を熱変形の演算に最も好ましい位置にすることが可能になり、従って熱変形による補正値をより高い精度で演算することが可能になる。
【0009】
刃物台や主軸台は、ワークの加工位置に近く、かつ近くに急激に運動する部材があることから、切削液の飛散やドアの開閉などによって一時的な急激な温度変動が生ずることがある。従来手段では、これらの急激な温度変動によって実際の熱変形量から外れた補正値が演算される危険があったために、温度センサを温度変化が緩慢でかつ切削液などが飛散しない場所に取付ける必要があった。この発明では、計測温度の平均値で補正を行っているため、一時的な急激な温度変化の影響を受けないようにすることができ、温度センサの取付位置を比較的自由に決定することができるため、補正値の演算に最も適した位置に温度センサを取付けて、正確な補正値を演算することができるようになる。なお、この場合、計測値に一定の閾値を設けて、サンプリングされた値が前回サンプリング値からこの閾値を超えるほど大きく変動したときには、当該計測値に変えて前回計測値を用いて平均値を演算するようにすれば、一時的な急激な温度変化の影響をより受けないようにすることができる。
【0010】
更に、工作機械のNC装置は複数のリレーを制御することができるので、たとえNC装置に温度センサの接続ポート10が1つしかなくても、リレー9で複数の温度センサ4を切換えることによって、比較的自由に温度センサ4の取付け数を増やすことができる。即ち、温度センサ4の取付個数がハードウェアの仕様によって制限されることがなく、正確な補正値の演算に必要な数の温度センサ4の取付が可能になる。この温度センサ4の数の自由度と前記した取付位置の自由度との相乗作用により、加工部における熱変形をより正確に演算することができ、従ってより高い精度での加工が可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2を参照して、この発明の実施形態を説明する。図1は、この発明の方法を用いる旋盤の一例を示すブロック図、図2は、複数の温度センサが取付けられているときの平均値演算手段の演算手順を示すフローチャートである。
【0012】
図1において、1は旋盤のベッド、2は主軸台、3はタレット刃物台、4は温度センサである。図の例では、温度センサ4で主軸台温度、刃物台温度及び室温を計測している。5はNC装置、6はNC装置のメモリにロードされた加工プログラム、18は補正値設定領域である。補正値設定領域18は、NC装置の制御軸に相当する数だけ設けられる。加工プログラム6は、加工プログラムで指令されたとき及び1サイクルの加工が終了したときに補正値設定領域18に設定されている補正値を読み込み、この補正値で補正された指令値8を出力する。
【0013】
図1の装置では、3個の温度センサ4の計測値をリレー9の切換によって選択して、接続ポート10からNC装置5に入力するようになっている。15はNC装置に登録された平均値演算プログラム、16は補正値演算プログラムであり、17は3個の温度センサに対応する3個の平均値の記憶領域である。平均値演算プログラム15は、接続ポート10から入力された計測値を用いて、図2に示す手順により、3個の温度センサ4のそれぞれに対応する直近の複数回のサンプリング値の平均値を演算して対応する平均値記憶領域17に出力する。補正値演算プログラム16は、平均値記憶領域17の記憶値を参照して一定の時間間隔で補正値の演算を行い、補正値設定領域18の設定値を更新する。補正値演算手段16で行われる演算処理は、工作機械の構造や温度センサの取付位置によって異なるが、基本的な手順は従来装置で行われているものと同様である。
【0014】
次に図2を参照して、平均値演算プログラム15の演算手順を説明する。機械温度の計測間隔を設定するインターバルタイマがタイムアップすると、第1番目のリレーを導通させ、温度センサの計測データを取得する。取得した計測データが記憶されている前回計測値より予め設定した閾値以上変動しているときは、取得した計測値を前回計測値で置き換えて次のステップに進む。そして平均値演算ステップで直近の複数回の計測値の平均値を求め、それぞれの温度センサに対応する平均値記憶領域17に演算結果を記憶する。このとき同時に、取得している計測値(又は前回計測値で置き換えられた値)をそれぞれの温度センサに対応した記憶領域に前回計測値として記憶する。以上の処理を設置された温度センサの数だけ順次切換えて行った後、インターバルタイマをリセットして、次の計測タイミングまで待機する。
【0015】
以上により、複数の温度センサ4の計測値の平均値が平均値記憶領域17に記憶されるから、補正値演算手段16は適時当該領域の記憶値を用いて補正値を演算して、補正値設定領域18の値を更新する。前述したように、加工プログラム6は、Gコードで指令されたタイミング及び1回の加工サイクルが終了したタイミングで、補正値設定領域18に記憶された補正値を読取って、次の補正値が読み込まれるまでの間、当該補正値で補正した指令値8を工作機械に出力する。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したこの発明によれば、ハードウェアとしての補正値演算装置が不要になり、かつ補正値の演算が複数回のサンプリング値の平均値を用いて行われるので、一時的な急激な温度変動の影響を受けないようにすることができ、そのための温度センサの設置場所の自由度が向上し、更に機械に取付ける温度センサの数の自由度も大きくなるので、より正確な補正値の演算が可能になり、従ってワークの加工精度をより向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を用いたNC旋盤の一例を示すブロック図
【図2】平均値演算手段の処理手順を示すフローチャート
【図3】従来方法により熱変形を補正する旋盤の一例を示すブロック図
【符号の説明】
1 ベッド
4 温度センサ
5 NC装置
9 リレー
15 平均値演算プログラム
16 補正値演算プログラム
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械の熱変形によってワークに生ずる加工誤差を補正する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工作機械を運転すると、加工熱、モータや軸受部の発熱、作動油や切削液の温度上昇などにより機械温度が上昇し、それに伴う工作機械各部の熱変形がワークの加工精度を低下させる。そこで工作機械の各部の温度を計測し、その時加工されたワークの加工誤差を計測することにより、機械温度と加工誤差の関係を求めてNC装置の指令値を補正することにより、加工誤差が生じないようにしている。要求される加工精度が高くなるに従い、より厳密な補正が必要になることは当然で、1ミクロン代の加工精度を実現するためには、機械温度を0.1℃程度のオーダで検出してNC装置の指令値を補正してやる必要がある。
【0003】
初期のNC工作機械には、このような高い精度が要求されていなかったので、NC装置自体は機械の温度上昇による加工誤差の補正手段を備えておらず、補正値が設定されたときに、その補正値に基づいて指令値を補正する手段を備えているのみである。そこで従来は、図3に示すように、工作機械のベッド1などに取付けた温度センサ4の計測値から補正値を演算する補正値演算装置20を設け、その演算値をNC装置5の補正値メモリ21に入力して、その補正値で加工プログラム6から出力される指令値の位置情報を補正して、主軸台2や刃物台3などの動きを制御していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような従来手段では、装置がコスト高になるほか、補正値演算装置20の仕様によって機械に取付けることができる温度センサの数が制限されること、及び温度センサ4の取付位置が温度変動の比較的緩慢なベッドなどに制限されるために、計測された温度から精度の高い補正値を演算することが困難であるなどの問題があった。
【0005】
この発明は、低廉な装置コストで工作機械の熱変形による加工誤差の補正をより高い精度で行うことが可能な技術手段を得ることにより、より高い加工精度を実現することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本願請求項1のNC工作機械における熱変形誤差の補正方法は、工作機械の所定箇所に取付けた温度センサ4の計測値から補正値を演算して当該補正値で加工プログラムの指令値を補正するNC工作機械の熱変形誤差の補正方法において、NC装置5に、サンプリングされた複数の計測値から平均値を演算する平均値演算手段15と前記補正値を演算する補正値演算手段16とを登録し、機械1の所定箇所に取付けた前記温度センサの出力を直接NC装置に入力して前記平均値演算手段で平均値を演算し、当該平均値を用いて前記補正値演算手段で補正値を演算し、当該補正値で加工プログラムの指令値を補正することを特徴とする。
【0007】
本願請求項2の発明は、上記補正方法において、複数の温度センサ4の計測値をリレー9で切換えてNC装置5に入力し、前記平均値演算手段は、複数の温度センサのそれぞれについての平均値を演算し、前記補正値演算手段は、当該演算された複数の平均値から補正値を演算することを特徴とするものである。
【0008】
【作用】
この発明では、NC装置に登録したプログラム16で温度センサ4の計測値に基づく補正値の演算を行うようにしたので、従来必要とした補正値演算装置(ハードウェア)20を必要とせず、装置コストを低減できる。また、NC装置に平均値演算手段15を登録して、所定時間間隔でサンプリングされた温度センサ4の直近の所定回数の計測値の平均値を演算し、当該平均値を用いて補正値演算手段16で補正値を演算するようにしたので、温度センサ4を温度変動の大きな、例えば主軸台2や刃物台3に取付けても、当該取付部分の一時的な温度変動によって補正値が振れ動くことを防止することができる。これにより、温度センサ4の取付位置を熱変形の演算に最も好ましい位置にすることが可能になり、従って熱変形による補正値をより高い精度で演算することが可能になる。
【0009】
刃物台や主軸台は、ワークの加工位置に近く、かつ近くに急激に運動する部材があることから、切削液の飛散やドアの開閉などによって一時的な急激な温度変動が生ずることがある。従来手段では、これらの急激な温度変動によって実際の熱変形量から外れた補正値が演算される危険があったために、温度センサを温度変化が緩慢でかつ切削液などが飛散しない場所に取付ける必要があった。この発明では、計測温度の平均値で補正を行っているため、一時的な急激な温度変化の影響を受けないようにすることができ、温度センサの取付位置を比較的自由に決定することができるため、補正値の演算に最も適した位置に温度センサを取付けて、正確な補正値を演算することができるようになる。なお、この場合、計測値に一定の閾値を設けて、サンプリングされた値が前回サンプリング値からこの閾値を超えるほど大きく変動したときには、当該計測値に変えて前回計測値を用いて平均値を演算するようにすれば、一時的な急激な温度変化の影響をより受けないようにすることができる。
【0010】
更に、工作機械のNC装置は複数のリレーを制御することができるので、たとえNC装置に温度センサの接続ポート10が1つしかなくても、リレー9で複数の温度センサ4を切換えることによって、比較的自由に温度センサ4の取付け数を増やすことができる。即ち、温度センサ4の取付個数がハードウェアの仕様によって制限されることがなく、正確な補正値の演算に必要な数の温度センサ4の取付が可能になる。この温度センサ4の数の自由度と前記した取付位置の自由度との相乗作用により、加工部における熱変形をより正確に演算することができ、従ってより高い精度での加工が可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2を参照して、この発明の実施形態を説明する。図1は、この発明の方法を用いる旋盤の一例を示すブロック図、図2は、複数の温度センサが取付けられているときの平均値演算手段の演算手順を示すフローチャートである。
【0012】
図1において、1は旋盤のベッド、2は主軸台、3はタレット刃物台、4は温度センサである。図の例では、温度センサ4で主軸台温度、刃物台温度及び室温を計測している。5はNC装置、6はNC装置のメモリにロードされた加工プログラム、18は補正値設定領域である。補正値設定領域18は、NC装置の制御軸に相当する数だけ設けられる。加工プログラム6は、加工プログラムで指令されたとき及び1サイクルの加工が終了したときに補正値設定領域18に設定されている補正値を読み込み、この補正値で補正された指令値8を出力する。
【0013】
図1の装置では、3個の温度センサ4の計測値をリレー9の切換によって選択して、接続ポート10からNC装置5に入力するようになっている。15はNC装置に登録された平均値演算プログラム、16は補正値演算プログラムであり、17は3個の温度センサに対応する3個の平均値の記憶領域である。平均値演算プログラム15は、接続ポート10から入力された計測値を用いて、図2に示す手順により、3個の温度センサ4のそれぞれに対応する直近の複数回のサンプリング値の平均値を演算して対応する平均値記憶領域17に出力する。補正値演算プログラム16は、平均値記憶領域17の記憶値を参照して一定の時間間隔で補正値の演算を行い、補正値設定領域18の設定値を更新する。補正値演算手段16で行われる演算処理は、工作機械の構造や温度センサの取付位置によって異なるが、基本的な手順は従来装置で行われているものと同様である。
【0014】
次に図2を参照して、平均値演算プログラム15の演算手順を説明する。機械温度の計測間隔を設定するインターバルタイマがタイムアップすると、第1番目のリレーを導通させ、温度センサの計測データを取得する。取得した計測データが記憶されている前回計測値より予め設定した閾値以上変動しているときは、取得した計測値を前回計測値で置き換えて次のステップに進む。そして平均値演算ステップで直近の複数回の計測値の平均値を求め、それぞれの温度センサに対応する平均値記憶領域17に演算結果を記憶する。このとき同時に、取得している計測値(又は前回計測値で置き換えられた値)をそれぞれの温度センサに対応した記憶領域に前回計測値として記憶する。以上の処理を設置された温度センサの数だけ順次切換えて行った後、インターバルタイマをリセットして、次の計測タイミングまで待機する。
【0015】
以上により、複数の温度センサ4の計測値の平均値が平均値記憶領域17に記憶されるから、補正値演算手段16は適時当該領域の記憶値を用いて補正値を演算して、補正値設定領域18の値を更新する。前述したように、加工プログラム6は、Gコードで指令されたタイミング及び1回の加工サイクルが終了したタイミングで、補正値設定領域18に記憶された補正値を読取って、次の補正値が読み込まれるまでの間、当該補正値で補正した指令値8を工作機械に出力する。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したこの発明によれば、ハードウェアとしての補正値演算装置が不要になり、かつ補正値の演算が複数回のサンプリング値の平均値を用いて行われるので、一時的な急激な温度変動の影響を受けないようにすることができ、そのための温度センサの設置場所の自由度が向上し、更に機械に取付ける温度センサの数の自由度も大きくなるので、より正確な補正値の演算が可能になり、従ってワークの加工精度をより向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を用いたNC旋盤の一例を示すブロック図
【図2】平均値演算手段の処理手順を示すフローチャート
【図3】従来方法により熱変形を補正する旋盤の一例を示すブロック図
【符号の説明】
1 ベッド
4 温度センサ
5 NC装置
9 リレー
15 平均値演算プログラム
16 補正値演算プログラム
Claims (2)
- 工作機械の所定箇所に取付けた温度センサ(4)の計測値から補正値を演算して当該補正値で加工プログラムの指令値を補正するNC工作機械の熱変形誤差の補正方法において、NC装置(5)に、サンプリングされた複数の計測値から平均値を演算する平均値演算手段(15)と前記補正値を演算する補正値演算手段(16)とを登録し、機械(1)の所定箇所に取付けた前記温度センサの出力を直接NC装置に入力して前記平均値演算手段で平均値を演算し、当該平均値を用いて前記補正値演算手段で補正値を演算し、当該補正値で加工プログラムの指令値を補正することを特徴とする、NC工作機械における熱変形誤差の補正方法。
- 複数の温度センサ(4)の計測値をリレー(9)で切換えてNC装置(5)に入力し、前記平均値演算手段は、複数の温度センサのそれぞれについての平均値を演算し、前記補正値演算手段は、当該演算された複数の平均値から補正値を演算することを特徴とする、請求項1記載の熱変形誤差の補正方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002348339A JP2004181540A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 工作機械の熱変形誤差の補正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002348339A JP2004181540A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 工作機械の熱変形誤差の補正方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004181540A true JP2004181540A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32751280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002348339A Pending JP2004181540A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 工作機械の熱変形誤差の補正方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004181540A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006130590A (ja) * | 2004-11-05 | 2006-05-25 | Takamatsu Machinery Co Ltd | 工作機械及びその熱変形量推定方法 |
JP2009151167A (ja) * | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Mitsubishi Electric Corp | 望遠鏡装置及び望遠鏡システム |
KR100975008B1 (ko) | 2008-11-27 | 2010-08-09 | 한화테크엠주식회사 | 자동선반의 열변형에 따른 보정방법 |
-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002348339A patent/JP2004181540A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006130590A (ja) * | 2004-11-05 | 2006-05-25 | Takamatsu Machinery Co Ltd | 工作機械及びその熱変形量推定方法 |
JP2009151167A (ja) * | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Mitsubishi Electric Corp | 望遠鏡装置及び望遠鏡システム |
KR100975008B1 (ko) | 2008-11-27 | 2010-08-09 | 한화테크엠주식회사 | 자동선반의 열변형에 따른 보정방법 |
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Legal Events
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