JP2004181080A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】可変表示装置での可変表示のバリエーションを豊富とし、さらに遊技者に有利な状態を多様に演出して、遊技全体の興趣を高める遊技機を提供する。
【解決手段】表示遊技の表示結果が特別停止結果態様に確定した場合に、第2識別情報制御手段1310によって、前記表示遊技で用いる識別情報とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行する。しかも、前記表示遊技の表示結果である特別停止結果態様に基づき発生した特別遊技状態の終了時ないし終了前に、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合に、遊技価値制御手段1200は、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態を変化させる。
【選択図】図1
【解決手段】表示遊技の表示結果が特別停止結果態様に確定した場合に、第2識別情報制御手段1310によって、前記表示遊技で用いる識別情報とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行する。しかも、前記表示遊技の表示結果である特別停止結果態様に基づき発生した特別遊技状態の終了時ないし終了前に、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合に、遊技価値制御手段1200は、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態を変化させる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置と、該可変表示装置の表示制御を行う表示制御手段とを備え、始動条件の成立に基づき前記可変表示装置で識別情報を可変表示した後に可変表示を停止して複数の識別情報を停止表示する表示遊技を実行し、該表示遊技の表示結果が予め定められた識別情報の組み合わせである特別停止結果態様に確定した場合に、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態を発生する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機として、例えば、特許文献1〜3に示すパチンコ機がある。かかる遊技機では、遊技盤上に形成された遊技領域へ打ち出した球が始動口へ入賞すると、液晶画面等から成る可変表示装置の表示領域に、0〜9の10種類の数字が一定方向にスクロール表示され、所定時間の経過後に順次停止する可変表示が変動実行される。
【0003】
このような可変表示が停止確定した際の表示結果が、同じライン上に同一数字が3つ揃う特定の組み合わせになった状態が特別停止結果態様に相当する。かかる特別停止結果態様が確定した場合には、特別遊技状態(いわゆる大当たり)が発生し、具体的には大入賞口が所定回数を限度に繰り返し開閉するので、遊技者は多量の賞球を獲得できる等、遊技者に遊技価値が付与されるようになっていた。
【0004】
また、遊技領域へ打ち出した球が通過入賞口へ入賞すると、前記可変表示装置とは別に設けられた普通図柄表示装置において、可変表示装置の場合と同様に数字が一定期間に亘ってスクロールし、その後に停止表示された数字が特定の数字の時、可動片を有する始動口(いわゆるチューリップ)の可動片を一定時間継続的に開放して、球が始動口へ入賞し易い状態を形成し、遊技性を高める制御が行われる。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−117980号公報
【特許文献2】
特開平11−262562号公報
【特許文献3】
特開平11−267296号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のフィーバー機では、可変表示装置とは別に普通図柄表示装置を設けて2つの可変表示を実行する構成であるにもかかわらず、それぞれの可変表示は、全く同一の識別情報である0〜9の数字が入れ替わり変化するだけの単純で同じ表示内容であり、表示内容が単調で面白味や斬新さに欠けるという問題があった。
【0007】
また、普通図柄表示装置で特定の数字が停止した場合に発生する遊技者にとって有利な状態は、始動口の開放、あるいは普通図柄表示装置のスクロール速度を早くする等のいわゆる時短モードの発生の有無だけに過ぎず、普通図柄表示装置における表示内容だけでなく、その表示結果に基づく効果も同様に単調で変化がなく、遊技全体がマンネリ化する傾向にあった。
【0008】
本発明は、以上のような従来技術が有する問題点に着目してなされたもので、可変表示装置での可変表示とは全く別の形態の第2の可変表示を実行可能とすることで、表示内容に関するバリエーションを豊富として、さらに第2の可変表示に基づく効果として、遊技者に有利な状態を多様に演出することにより、遊技全体の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置(310)と、該可変表示装置(310)の表示制御を行う表示制御手段(1300)とを備え、始動条件の成立に基づき前記可変表示装置(310)で識別情報を可変表示した後に可変表示を停止して複数の識別情報を停止表示する表示遊技を実行し、該表示遊技の表示結果が予め定められた識別情報の組み合わせである特別停止結果態様に確定した場合に、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態を発生する遊技機において、
前記表示制御手段(1300)は、前記表示遊技の表示結果が前記特別停止結果態様に確定した場合に、前記識別情報とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行する第2識別情報制御手段(1310)を備え、
前記特別停止結果態様に基づき発生した特別遊技状態の終了時ないし終了前に、前記第2表示遊技の表示結果が、予め定められた第2識別情報から構成される特定結果態様に確定した場合に、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化することを特徴とする遊技機。
【0010】
[2]前記第2識別情報は、前記識別情報とは異なる図柄ないし文字から成ることを特徴とする[1]記載の遊技機。
【0011】
[3]前記第2識別情報は、前記識別情報とは異なる動作により可変表示することを特徴とする[1]または[2]記載の遊技機。
【0012】
[4]前記第2識別情報は、前記可変表示装置(310)に可変表示され、
前記第2識別情報制御手段(1310)は、前記可変表示装置(310)において前記第2表示遊技を実行することを特徴とする[1],[2]または[3]記載の遊技機。
【0013】
[5]前記第2識別情報を可変表示可能な第2可変表示装置(310A)を、前記可変表示装置(310)とは別体として有し、
前記第2識別情報制御手段(1310)は、前記第2可変表示装置(310A)において前記第2表示遊技を実行することを特徴とする[1],[2]または[3]記載の遊技機。
【0014】
前記本発明は次のように作用する。
前記[1]記載の遊技機によれば、表示制御手段(1300)は、球が始動口へ入賞する等の始動条件の成立に基づき、可変表示装置(310)で複数の識別情報を可変表示した後に可変表示を停止して複数の識別情報を停止表示する表示遊技を実行する。表示遊技の表示結果が、予め定めた識別情報の組み合わせである特別停止結果態様に確定した場合には、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態が発生する。
【0015】
前記表示遊技の表示結果が特別停止結果態様に確定した場合、さらに表示制御手段(1300)は、第2識別情報制御手段(1310)によって、前記識別情報とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行する。ここで第2識別情報は、前記識別情報とは異なる形態のものであり、例えば前記[2]に記載の如く前記識別情報とは異なる図柄ないし文字から成る。具体的には、識別情報を1〜9までの数字とした場合、第2識別情報は前記識別情報と同一形態の単なる数字ではなく、ルーレット盤の数字、トランプのカード、サイコロの目、あるいは麻雀の牌等を模した前記識別情報以外の図柄等により構成するとよい。
【0016】
また、前記[3]に記載した如く前記第2識別情報を、前記識別情報とは異なる動作により可変表示させれば、識別情報の可変表示による表示遊技と、第2識別情報の可変表示による第2表示遊技との内容の差異がより明確となり、遊技者は、前記表示遊技とは全く別の趣向の前記第2表示遊技を十分に楽しむことができる。
【0017】
しかも、前記表示遊技の表示結果である特別停止結果態様に基づき発生した特別遊技状態の終了時ないし終了前に、前記第2表示遊技の表示結果が、予め定められた第2識別情報から構成される特定結果態様に確定した場合には、例えば主基板(100)の制御によって、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化する。
【0018】
ここで遊技者にとって有利な状態とは、例えば、次回以降の前記表示遊技で、その表示結果が前記特別停止結果態様に確定する確率が高くなる確変モードや、通過入賞口に球が入賞すると普通図柄表示装置で普通図柄が可変表示し、特別な普通図柄が停止表示された場合に始動口の可動片を開状態にする遊技機において、普通図柄表示装置における1回あたりの可変表示時間を所定回数に限り通常時よりも短縮する時短モード等が該当する。
【0019】
本遊技機では、例えば、遊技者にとって有利な状態が特に発生していない通常の遊技状態において、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、その度に前記確変モードと前記時短モードとを交互に設定することにより、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態を変化させること等が考えられる。
【0020】
あるいは、前記確変モードが設定されている遊技状態において、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、前記確変モードに代わって時短モードを設定し、逆に前記時短モードが設定されている遊技状態において、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、前記時短モードに代わって確変モードを設定するようにしてもよい。
【0021】
何れの場合にしろ、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化することにより、前記表示遊技とは全く異なる表示内容の第2表示遊技の実行と相俟って、よりいっそうと遊技全体の興趣を高めることができる。
【0022】
また、前記第2表示遊技を、前記[4]に記載したように、前記可変表示装置(310)において表示遊技とは別に区画した表示領域上で実行してもよく、あるいは前記可変表示装置(310)の画面を表示遊技の画面から切り替えた新たな画面上で実行するようにしてもよい。また、前記[5]に記載したように、前記可変表示装置(310)とは別体である第2可変表示装置(310A)を設けて、この第2可変表示装置(310A)で前記第2表示遊技を専用に表示するようにしてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図15は本発明の一実施の形態に係る遊技機を示している。
本実施の形態に係る遊技機は、遊技盤2上に球を打ち出す遊技を実行する遊技機本体1と、これに付設され有価価値カードの挿入により球を貸し出すカードユニット(CR球貸機)bから成る。
【0024】
先ず遊技機本体1全体の概要を説明する。
図1は遊技機本体1とカードユニットbの前面図である。
遊技機本体1は、遊技機の特別遊技状態を点灯によって報知する遊技機状態ランプ422と、額縁状に形成され正面のガラスを固定するガラス枠11と、該ガラス枠の後方にガラス枠11の開放を検出するためのガラス枠開放検出スイッチ132と、遊技者によって発射された球が移動しゲームを進行させるための部品が取り付けられている遊技盤2が着脱自在に取り付けられている。
【0025】
ガラス枠11の下部表面には、貸出球や払出球を貯留する上受け皿3と、該上受け皿3から溢れた球を貯留する下受け皿4と、前記上受け皿3に貯留した球を抜き出すための上受け皿球抜きレバー7と、前記下受け皿4に貯留した球を抜き出すための下受け皿球抜きレバー8と、遊技者が打球操作するためのハンドル5とが設けられている。また、ハンドル5には、球の発射を停止するための発射停止スイッチ652が設けられている。なお、下受け皿4の傍らには、喫煙者用の灰皿6も設けられている。
【0026】
さらにカードユニットbの操作を遊技者が行うための装置として、有価価値カードの残余度数を表示し確認するための度数表示部12と、球の貸出指示を行うための貸出ボタン9と、有価価値カードの返却指示を行うための返却ボタン10が上受け皿3の近傍に設けられ、それらの出力端子は遊技機背面の操作パネル基板aにそれぞれ接続されている。
【0027】
図2は遊技機本体1とカードユニットbの背面図である。
遊技機本体1の背面には各種機能別の制御基板と部品等で構成されている。 ここで制御基板として、遊技全体の動作を管理し制御する主基板100と、該主基板100からの指示情報をパラレル通信により受信し賞品球の払出動作と、カードユニット接続基板900とカードユニット通信を行うことにより貸球動作の制御を行う払出制御基板200が設けられている。
【0028】
さらに制御基板として、球の発射を制御する発射制御基板600と、該発射制御基板600によって制御される発射モータ653と各基板に所定の電力を供給する電源基板700と、主基板100からの賞球情報が入力され、払出制御基板200からの球貸情報が入力され、かつ外部機器と接続し枠用外部情報(賞球信号、球貸し信号、球切れ信号)を出力するための枠用外部端子板800と、カードユニットbと接続するためのカードユニット接続基板900も設けられている。
【0029】
また、保護カバー93内には、表示器制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500等が遊技盤2に設けられている。それぞれの制御基板は専用のケースに納められ、外部からのゴミや他の設備機器からのこぼれ球、さらには静電気、電気ノイズからも保護されるようにしている。中でも主基板100のケースは、専用のネジを使用し所定の回数だけ開閉できる構造となっている。
【0030】
次に、パチンコ球補給装置から受ける球の流路について説明する。
図2において、パチンコ球補給装置(図示せず)から補給された球は、遊技機上部のタンクユニット90に貯留され、賞品球の払出および貸球動作が行われる度に、球はシュートユニット91、払出ユニット92を通過し上受け皿3へ送出される。
【0031】
タンクユニット90は、パチンコ球補給装置から補給される球を貯留するものであり、該タンクユニット90の底面には、賞球タンク球有無スイッチ801と球ならし94が設けられている。賞球タンク球有無スイッチ801は、タンクユニット90に貯留される球の有無を検出するスイッチであり、貯留する球の重みによってスイッチが入力され、その検出信号は枠用外部端子板800を経由し外部へ出力される。
【0032】
また、球ならし94は、シュートユニット91のレーンを流れる球が球圧により隆起しないように球を均すためのものである。タンクユニット90の底面は傾斜しており、シュートユニット91と接合する部分に球が集合し落下する構造になっている。
【0033】
シュートユニット91は、前記タンクユニット90から流下してくる球を二つのレーンに分け整列する。球が払出ユニット95に向かう途中には前記球ならし94によって球圧による隆起が押さえられるが、さらに球ならし95によってより効果的に球を均すようにし、払出ユニット92へ送り込むようにしてある。
【0034】
また、シュートユニット91の球通路上には、シュート球切れスイッチ131が設けられている。シュート球切れスイッチ131は、払出ユニット92までの球の有無を検出するスイッチであり、その検出信号は主基板100に入力され球の有無が監視される。このスイッチ131は、前記賞球タンク球有無スイッチ801と用途は類似するが、主基板100との接続有無が大きな違いとなる。
【0035】
払出ユニット92は、前記上受け皿3までの球通路を形成するとともに、球通路上に、球を送り出すための払出モータ222と、球の流れ(落下)を抑制する払出停止ソレノイド223と、貸出球と払出球の経路を切り換える経路切換ソレノイド224と、払出球を検出するための賞球検出スイッチ130と、貸出球を検出するための球貸し検出スイッチ220等が設けられている。
【0036】
前記払出モータ222と払出停止ソレノイド223は、前記払出制御基板200と接続され制御される。主基板100から払出制御基板200に所定の球の払出要求があると、払出制御基板200は、前記経路切換ソレノイド224を作動させ、球の経路を払出球側へとし、払出モータ222と払出停止ソレノイド223によって球を上受け皿3へ送出する。
【0037】
また、遊技者の操作により、カードユニットbからカードユニット接続基板900を介して、払出制御基板200に所定の球の貸出要求信号が入力されると、払出制御基板200は前記経路切換ソレノイド224を作動させ、球の経路を貸出球側へとし、払出モータ222と払出停止ソレノイド223によって球を上受け皿3へ送出する。
【0038】
また、要求の内容によって球経路を可変としているのは、賞球検出スイッチ130と前記球貸し検出スイッチ220によって、それぞれ所定の球数のカウントを分けて確実に計数するためである。さらに、賞球検出スイッチ130は主基板100に接続され、払出制御基板200と同様に所定の球数のカウントを行い、より正確に払出が行われたことを確認できるようにしている。
【0039】
前記上受け皿3からの溢れ球が下受け皿4へ流下するように形成された球通路上には、オーバーフロースイッチ133が設けられている。前記下受け皿4に貯留した球が一杯になり、該オーバーフロースイッチ133の設置位置まで球が達すると、その貯留した球の球圧によってスイッチが入力され、その検出信号は主基板100へ入力される。主基板100は前記オーバーフロースイッチ133の入力を検出すると、払出制御基板200に対して球の発射を停止するように指示情報を出力する。
【0040】
図3は遊技盤2の正面図である。
遊技盤2の正面には、発射された球を遊技領域17へ導くための誘導レール16と、遊技領域17に導かれた遊技球の流れに変化を与えるための釘(図示省略)や風車15と、各入賞口と、入賞口の一つである始動口21に入賞に起因した始動口スイッチ121の検出信号に基づき複数種類の識別情報の可変表示による表示遊技を行うほか、第2識別情報の可変表示による第2表示遊技を行う可変表示装置310と、普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126の検出信号により、普通図柄ゲーム(可変表示)を行う普通図柄表示装置140等が設けられている。
【0041】
また、遊技盤2の最下部には、遊技球が遊技領域17内の各入賞口の何れにも入らず落下した球を、遊技機外に排出するためのアウト口29が設けられている。アウト口29に球が入った場合には、遊技者に何らの特典も与えられず、賞品球の払い出しも行われない。
【0042】
さらに装飾ランプとして、可変表示装置310を作動させるための保留数(始動口21に入賞した球数で最大数は4個)を遊技者に報知するための特別図柄保留LED420、普通図柄表示装置140を作動させるための保留数(普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126により検出した球数で最大数は4個)を遊技者に報知するための普通図柄保留LED421、サイドケースランプ423、遊技枠状態ランプ424、センターLED425、ゲートLED426、アタッカーLED427、サイドLED428等が設けられている。
【0043】
前記入賞口には、始動口21、右袖入賞口22a、左袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23b、大入賞口24がある。遊技球が各入賞口に入賞すると、各入賞口に付設されたスイッチにより入賞球が検出され、入賞球が検出される毎に各入賞口に割り当てられた所定の賞品球が払い出される。
【0044】
このうち始動口21は、前述したように可変表示装置310で実行される表示遊技の実行権を確保するための入賞口であり、また大入賞口24は、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態を生成するものである。なお、可変表示装置310や大入賞口24について詳しくは後述する。
【0045】
図4は遊技盤2の背面図である。遊技盤2の背面には、既に図2で示したものと同様に、各種の制御基板やその関連部品等が組み付けられている。
制御基板としては、可変表示装置310の制御を行う表示器制御基板300、前記装飾ランプの制御を行うランプ制御基板400、音声の制御を行う音声制御基板500、外部機器と接続し盤用外部情報(大当たり1信号、大当たり2信号、図柄確定回数信号)を出力するための盤用外部端子板850等が設けられている。
【0046】
各入賞口の入賞球を検出するためのスイッチとして、始動口スイッチ121、右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123b等が各入賞口付近に設置されている。大入賞口24付近には、役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125が設けられている。各入賞口のスイッチは、それぞれの入賞口付近に設けられているが、入賞球が遊技機外に排出されるまでの通路上に配置することもできる。
【0047】
各入賞口に球が入賞すると、各入賞口スイッチにより検知され、検知される毎に、各入賞口毎に割り当てられた次の所定の賞品球の払出が行われる。始動口21には5発、右袖入賞口22a、左袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23bには8発、大入賞口24(役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125による入賞球の検出に対して)には15発と割り当てられている。賞品球数の割り当ては入賞口毎に固定化しているが、任意に変更することもできる。
【0048】
また、普通図柄表示装置140を作動させるための球を検出するスイッチとして、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126aと左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bが遊技盤2上の所定の位置に設けられており、それぞれ遊技領域17内を移動する球の通過を検出する。これら左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a,126bは通過入賞口として設けられている。
【0049】
役物を可変動作させる関連装置には、大入賞口24の扉を開閉させるための大入賞口ソレノイド134、大入賞口24に入賞した球の流れを前記役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125の何れかに球の流れの方向を切り換えるための方向切換ソレノイド135、普通電動役物の拡縮動作するための普通電動役物ソレノイド136が設けられている。
【0050】
次に遊技盤2上の主要な構成要素についてさらに詳細に説明する。
前記始動口21は、一般に始動チャッカーと称されるものであり、その入賞口の左右両端に一対の可動片から成る条件変更手段を備え、普通電動役物ソレノイド136(図4参照)から成る駆動源で各可動片を開閉させるようになっている。始動口21は、各可動片の開閉動作により、球が入賞し難い通常の閉状態と入賞し易い開状態に変化する、いわゆる電動チューリップ役物として構成されている。
【0051】
始動口21に球が入賞することが、次述する可変表示装置310で表示遊技が実行されるための始動条件として設定されている。図6に示すように、始動口21は、球の入賞を検知する始動口スイッチ121を内部に備えている。始動口スイッチ121は入賞球を検知してONになると、検知信号を主基板100に出力するものである。なお、始動口スイッチ121は、例えば光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すればよい。
【0052】
前記可変表示装置310は、その画面中に複数種類の識別情報を可変表示可能な表示領域を備えるものであり、液晶ユニットにより構成されているが、CRT表示器、ドラムユニット、7セグメント表示器等を採用することも可能である。前記始動口21に球が入賞し、前記始動口スイッチ121により入賞球が検出されると、可変表示装置310による表示遊技の権利が獲得され、表示遊技が実行される。表示遊技で用いられる複数種類の識別情報は1〜9の数字である。
【0053】
図14に示すように、本実施の形態における表示遊技では、可変表示装置310の表示領域は横3列の3つの表示部311〜313に分割されて使用される。表示遊技では、各表示部311〜313毎に複数種類の識別情報である1〜9の数字が縦方向へスクロールするように可変表示され、所定時間経過後に各表示部311〜313毎に1つずつ所定の数字が停止するように設定されている。各表示部311〜313はスロットマシンにおけるリールに相当している。
【0054】
前記表示遊技の表示結果として、各表示部311〜313に停止した数字が、予め定められた特定の組み合わせ(例えば「555」等と3つとも総て同一に揃った場合等)となった場合が特別停止結果態様と定められている。かかる特別停止結果態様が確定する前に、最後の表示部312を1つ残して他の2つの表示部311,313に停止した数字が一致した状態がリーチ態様に該当する。
【0055】
前記表示遊技の表示結果が最終的に特別停止結果態様に確定すると、後述する大入賞口24が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が形成されるように設定されている。また、表示遊技の表示結果が、最終的に前記特別停止結果態様に確定しなかった場合は、はずれ表示態様に該当する。
【0056】
前記表示遊技の実行中、あるいは後述する特別遊技状態の発生中に、前記始動口21に球が入賞した場合には、表示遊技を実行する権利を獲得するが保留とされ、現在進行中の表示遊技等が終了した後、保留されていた権利が順次消化されるようになっている。ここで表示遊技の保留数は最大4個と設定されており、その数は前記特別図柄保留LED420によって報知される。
【0057】
また、前記表示遊技の表示結果が特別停止結果態様に確定した場合には、前記識別情報である1〜9の数字とは異なる形態の第2識別情報が導出され、前記表示遊技と同じく可変表示装置310の表示領域で、さらに第2識別情報を用いた第2表示遊技が実行される。ここで第2識別情報は、前記識別情報とは異なる形態のものであり、例えば前記識別情報とは異なる図柄ないし文字から成り、具体的には第2識別情報は、前記識別情報と同一形態の単なる数字ではなく、図15に示すようなルーレット盤の数字から成る。また第2識別情報は、前記識別情報とは異なる動作により可変表示される。
【0058】
もちろん第2識別情報は、前記ルーレット盤の数字だけに限られるものではなく、前記識別情報とは異なる形態のものであれば何でもよく、他に例えば、図16に示すようなトランプのカード、図17に示すようなサイコロの目、あるいは図18に示すような麻雀の牌等を模した様々な図柄ないし文字から構成することができるものである。第2表示遊技における可変表示の詳細については後述する。
【0059】
第2表示遊技は、前記表示遊技の終了後に特別遊技状態の発生に伴い開始されるが、特別遊技状態の終了時ないし終了前に、第2表示遊技の表示結果が、予め定められた第2識別情報から構成される特定結果態様に確定した場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化するように設定されている。特定結果態様や遊技者にとって有利な状態の変化についても詳細は後述する。
【0060】
前記大入賞口24は一般にはアタッカーと称されるものであり、ソレノイド(大入賞口ソレノイド134、方向切換ソレノイド135)等の駆動源の作動により、その入賞口が球の入賞し難い通常の閉状態と入賞容易な開状態とに変化し得るように構成されている。
【0061】
大入賞口ソレノイド134は、前記特別停止結果態様が確定したことを条件に所定の回数(例えば15回)だけ大入賞口24の扉の開閉動作を行うために作動する。方向切換ソレノイド135は、大入賞口24の扉が開放された状態において、前記役物連続作動装置スイッチ124側に入賞球を導くように通路部具を作動させ、役物連続作動装置スイッチ124によって入賞球が検出されると、次は前記カウントスイッチ125側に入賞球を導くように作動する。
【0062】
すなわち、大入賞口24は、前記表示遊技で特別停止結果態様となった際に、特別遊技状態を演出するように開閉制御される。ここで特別遊技状態とは、開状態に所定時間維持された後、閉状態に短時間戻るという開閉動作が、所定ラウンド回数(例えば15回)を限度に繰り返し実行される状態である。所定の球数(例えば10個)が大入賞口24に入賞するか、または、所定の時間(約30秒)が経過すると大入賞口24の扉は閉状態となる。そして、前記所定の回数だけ一連の動作が終了すると、前記特別遊技状態は終了となる。
【0063】
前記普通図柄表示装置140は、左右に分けたLED2灯の点灯によって可変表示を行う。このLED2灯以外の方法では、7セグメント表示器を使用する場合もある。左右に分けたLEDには、それぞれ「当たり」と「はずれ」が割り当てられ、左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a,126bにより球の通過を検出すると、普通図柄表示装置140による普通図柄ゲームの権利を獲得し普通図柄ゲームを行う。
【0064】
普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置140の左右のLEDの交互点滅による可変表示が開始され、所定の時間表示を行い停止すると左右どちらか一方の点灯表示となり、遊技者は判定の結果を目視し確認することができる。判定の結果「当たり」になると、前記始動口21の各可動片が、球が入賞し難い通常の状態(閉状態)から入賞し易い状態(開状態)に一時的に作動する。
【0065】
普通図柄表示装置140が可変表示中に、左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a,126bによって通過球の検出があった場合は、普通図柄ゲームの権利を獲得するが保留とされ、現在進行中の普通図柄ゲームが消化された後、保留にされた権利が順次消化される。普通図柄ゲームの保留数は最大4個とし、前記普通図柄保留LED421によって報知される。
【0066】
次に遊技機本体1の制御に用いられる各種制御基板について説明する。
図5および図6は、遊技機本体1の制御に用いられる各種制御基板およびそれに関連する構成要素を示すブロック図である。図5、図6には、制御基板として、主基板100、払出制御基板200、表示器制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500、発射制御基板600、電源基板700が示されている。
【0067】
ここで主基板100および表示器制御基板300は、全体として表示制御手段1300を構成する。図13に示すように表示制御手段1300は、可変表示装置310における表示制御を実行するものであり、前記表示遊技の可変表示を制御するほか、該表示遊技の表示結果が特別停止結果態様に確定した場合に、前記表示遊技で用いた識別情報とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行する第2識別情報制御手段1310の機能も備えている。
【0068】
図13に示すように主基板100は、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合に、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態を変化させる制御を実行する遊技価値制御手段1200を備えている。また、主基板100は、乱数発生手段1100、乱数取得手段1110、第2乱数発生手段1120、第2乱数取得手段1130、乱数判定手段1140、第2乱数判定手段1150等の各種機能を実現するように構成されている。これら各手段の機能について詳しくは後述する。
【0069】
最初に、図6に示す主基板100について説明する。
主基板100は、主基板内部のクロック回路108が生成するクロックを基準に動作する。またクロック回路108が生成したクロックを内部タイマー107で分周して得た一定時間間隔の割り込み信号をCPU102に入力することで、一定時間毎に当該CPU102でタイマー割り込み処理を実行する。CPU102は、タイマー設定時間の間隔よりも短い時間で終了するように分割した処理を割り込み毎に実行することで一連の動作を遂行する。
【0070】
始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126b、右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bは、それぞれ球の入賞を検知するためのスイッチであり、これらのスイッチからの入力信号は、ゲート回路110に供給される。
【0071】
役物連続作動装置スイッチ124、カウントスイッチ125、右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130b、シュート球切れスイッチ131、ガラス枠開放検出スイッチ132、オーバーフロースイッチ133からの各入力信号は、ゲート回路111に供給される。
【0072】
ゲート回路110、111のアドレスは、CPU102のアドレス空間にメモリマップドI/O方式で設定されている。CPU102が出力するアドレス信号およびライト/リードの制御信号を、CPU102が出力するシステムクロックに従って、アドレスデコード回路113でデコードすることによりチップセレクト信号を生成する。
【0073】
このチップセレクト信号にてゲート回路110、111がセレクトされると、始動口スイッチ121等からの各入力信号がゲート回路を通じてデータバスに出力される。データバス上の各入力信号は、一定時間毎に発生する割り込み信号によって、次の割り込み処理が実行されるまでの間に複数回検出されてチャタリング防止処理が行われた後、入力信号毎に指定されたRAM領域に記憶される。
【0074】
始動口スイッチ121からの入力信号は5個賞球の賞球信号として、また右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bからの入力信号はそれぞれ8個賞球の賞球信号として、さらに役物連続作動装置スイッチ124、カウントスイッチ125からの入力信号は15個賞球の賞球信号として扱われ、それぞれのスイッチで検出された入賞個数が指定されたRAM領域に記憶される。またこれと同時に、賞球総数がCPU102で演算処理され、指定のRAM領域に記憶される。
【0075】
その他、始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bからの入力信号に対してそれぞれ乱数値がセットされ、これらの値がRAM領域に記憶される。このデータを基にして、遊技機本体1の遊技状態が設定され各制御基板にデータが出力される。
【0076】
各制御基板への出力データは、データバスの途中に設けたバッファ114を通り、さらに出力データバスを通してラッチ回路112a〜112gに出力される。出力用のラッチ回路とCPU102とを結ぶデータバスの途中にバッファ114を配置することでバス信号が一方向の流れになり、不正防止の対策となる。
【0077】
始動口スイッチ5個賞球RAM領域、左右袖入賞口スイッチ、左右落とし入賞口スイッチ8個賞球RAM領域、役物連続作動装置スイッチ、カウントスイッチ15個賞球RAM領域にデータがあることにより、CPU102は、各賞球数に設定された8ビット賞球データを順次、データバス、出力データバスを通じてラッチ回路112aに出力する。これと同調するように払出制御基板200に対する割り込み信号、ストローブ信号の制御信号をデータバス、出力データバスを通じてラッチ回路112eに出力する。
【0078】
メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路113でデコードして得たチップセレクト信号がラッチ回路112a、ラッチ回路112eに順次出力されると、8ビット賞球データがラッチ回路112aに、割り込み信号、ストローブ信号の制御信号がラッチ回路112eにそれぞれラッチされ、8ビットパラレル賞球出力信号と割り込み信号、ストローブ信号の2ビットの制御信号で構成された出力信号が、払出制御基板に賞球データとして出力される。
【0079】
図7に示す払出制御基板200は、球排出機構を制御して、賞球データに対応した数の賞球排出を行うものである。排出した賞球の検知を、右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130bで行い、その検出信号がゲート回路211に出力される。チップセレクト信号がアドレスデコード回路213からゲート回路211に出力されることにより、右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130bの出力する検知信号がデータバス上に出力されCPU102に取り込まれる。
【0080】
これらの検出信号に基づいて、実際に払い出した賞球総数がCPU102で演算処理され、その値がRAM領域の記憶データから減算処理され、リアルタイムに賞球総数のデータが更新される。また排出賞球数の設定数毎に出力信号がラッチ回路112fに出力され、アドレスデコード回路113のチップセレクト信号に同期して外部へパルス出力される。
【0081】
始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bの入力信号に対してそれぞれ乱数値を取得し、これに基づいてCPU102で遊技演出の種類(制御パターン)が決定され、遊技状態演出データが生成されてRAM領域に記憶される。
【0082】
また、表示器制御基板300へは、前記遊技状態演出データに対応した停止図柄を定める各停止図柄に関するデータが時系列に表示演出データとして出力される。すなわち、CPU102から8ビット認識コード、表示状態演出8ビットデータが、データバスを通じてラッチ回路112bに順次出力されると、これらと同調するように表示器制御基板300への割り込み信号、各ストローブ信号の2ビット制御信号がラッチ回路112eへ出力される。
【0083】
これらの信号は、メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路113からデコードされて出力されるチップセレクト信号に基づくタイミングで、順次ラッチ回路にラッチされてパラレル出力され、時系列に各停止図柄に関するデータや、変動停止データ等が表示演出データとして、表示器制御基板300に順次出力される。
【0084】
表示演出データに同調して、8ビットパラレルランプ表示出力データと制御信号が、ランプ制御表示基板400にラッチ回路112cを通じて出力される。また、表示演出データに同調して、8ビットパラレル音源出力データと制御信号が音声制御基板500にラッチ回路112dを通じて出力される。すなわち、各データがデータバスに出力されるタイミングに同調してアドレスデコード回路からチップセレクト信号が出力され、ラッチ回路112c、112dにデータバス上のデータがラッチされて、ランプ制御表示基板400等に出力される。
【0085】
遊技状態が特別遊技状態(大当たり)の場合、遊技状態演出データに同調して大入賞口ソレノイド134の制御データがラッチ回路112gに出力され、かつアドレスデコード回路113からのチップセレクト信号がラッチ回路112gに入力される。これによりラッチ回路112gから大入賞口ソレノイド134の制御データが出力され、大入賞口ソレノイド134が駆動され、大入賞口24が開閉状態になって球を大入賞口24に誘導可能となる。
【0086】
大入賞口24内部の特定領域に配置された役物連続作動装置スイッチ124が球を検知すると球検知信号が出力され、この信号がゲート回路111を介してデータバスに出力されCPU102に取り込まれる。役物連続作動装置スイッチ124から出力された球検知信号に基づく検出処理の結果、方向切換ソレノイド135の制御データがラッチ回路112gに出力され、方向切換ソレノイド135が制動される。同時に役物連続作動装置スイッチ124から出力された球検知信号に基づき、大当たり状態を次回のラウンドへ継続するか否かを示すラウンド継続データがRAM領域に記憶される。
【0087】
方向切換ソレノイド135が制動されることにより、大入賞口24内に配置されたカウントスイッチ125で球が計数される。カウントスイッチ125で計数されたデータの総合計数が所定の数量に到達するとラッチ回路112gの出力データが変更され、大入賞口ソレノイド134、方向切換ソレノイド135が非能動状態になり、1回の大当たりラウンドが終了する。所定時間後、ラウンド継続データがラウンドの継続を示している場合には、上述した制御方法により大当たり状態ラウンドがさらに継続する。
【0088】
右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bからの入力信号に対してそれぞれ乱数値が取得される。この乱数値に基づいて、普通図柄表示装置140(普通図柄LED1、普通図柄LED2)の表示制御データが生成され、これがCPU102からデータバスを通じてラッチ回路112gに出力される。そしてアドレスデコード回路113からチップセレクト信号が出力される毎に普通図柄LED表示が一定時間行われる。
【0089】
乱数値の取得結果が当たりの場合には、前記始動口21の各可動片を作動させる普通電動役物ソレノイド136の制動データが、CPU102からラッチ回路112gに出力されると共に、アドレスデコード回路113からのチップセレクト信号に応じてラッチ回路112gから一定時間出力されて普通電動役物ソレノイド136が制御される。それにより、遊技盤2において球が始動口21に入賞し易い状態が発生する。
【0090】
主基板100に電源が供給されると、電源基板700よりリセット信号が供給され主基板100の各デバイスはリセット状態になる。その後システムリセット信号が非能動状態となり、各デバイスは能動状態に遷移する。システムリセット信号が非能動状態に信号変化するとクロック同期、遅延回路109による遅延処理により一定時間の経過後にワンチップマイコン101へのリセット信号が非能動となる。これによりワンチップマイコン101が稼動状態になり、主基板100の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン101の初期設定が行われる。
【0091】
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板700から停電検出信号がワンチップマイコン101のNMI(ノンマスカブルインターラプト)105に供給され、ワンチップマイコン101において各記憶領域の退避動作が行われる。
【0092】
具体的には、一定時間にわたって賞球検出データの検知を行った後、RAM領域に停電処理判定のデータを保存し、RAM104の保護を行う。すなわち、電源電圧が低下する事で、電源基板700からRAM104にバックアップ電源DC5VBBが供給され、RAM104の記憶状態が保持される。
【0093】
電源が次に供給されたとき、停電処理判定のデータの有無に基づき停電処理のあったことを認識すると、ワンチップマイコン101は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU102はI/Oポート106のデータを検出してRAM領域の初期化を行う。
【0094】
シュート球切れスイッチ131で球切れを検知した信号およびオーバーフロースイッチ133で遊技盤面の下皿にて賞球の球詰まりを検出した信号は、ゲート回路111およびデータバスを通じてワンチップマイコン101に取り込まれる。これらの信号は、データ変換後、ラッチ回路112aから賞球出力データと同じ構成にて払出制御基板200へ出力される。該ラッチ回路112a〜112gの出力は、一方向であり、不可逆性の出力形態をとる。
【0095】
主基板100は、主基板内部のクロック回路108が生成するクロックを基準に動作する。また内部タイマー107は、分周動作により一定時間間隔で割り込み信号をCPU102に発生する。CPU102は、当該割り込み信号が入力される一定時間毎に各種処理を行うようになっている。
【0096】
次に、図7に示す払出制御基盤200について説明する。
払出制御基板200は、主基板100から受信のみの一方向通信を行い、8ビットパラレル賞球データ、賞球データ制御信号1、賞球データ制御信号2で構成された通信データを受信する。
【0097】
賞球データ制御信号1が、ワンチップマイコン201のカウンタ回路202に入力されると、当該カウンタ回路202からCPU203に割り込み信号が出力される。これにより、賞球データ制御信号1は、CPU203に対して賞球データの取り込みをトリガーとする。
【0098】
CPU203は、アドレスデコード回路213を通じてチップセレクト信号をゲート回路212、ゲート回路211に出力し、ゲート回路212、211に入力されている賞球データや各種の信号をゲート回路およびデータバスを介して取り込み、RAM205に保存する。そして、取り込んだ賞球データに対応する賞球数で順次、払出動作を行う。
【0099】
CPU203は、賞球経路切換信号を、データバスを通じてラッチ回路215に出力し、これと同時にアドレスデコード回路213からチップセレクト信号を出力させる。これにより賞球経路切換信号がソレノイド224に出力され、払出動作の賞球経路確保が行われる。その後、ラッチ回路214に払出停止ソレノイド信号の停止解除信号を出力し、払出モータ222に払出モータ制御信号1,2,3,4を順次出力し、チップセレクト信号の出力タイミングによりモータ回転の制御をしながら賞球払出動作を行う。
【0100】
クロック回路209のクロックを基準に、内部タイマー208で一定時間間隔の割り込み信号をCPU203に対して生成し、この割り込みタイミングで賞球払出球の検出信号をデータバスに取り込み、所定の賞球数を検出したとき、払出停止ソレノイド223、払出モータ222の駆動を停止する。なお、賞球払出球の検出は、球貸し経路に設置された右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130bで行われ、これらの検出信号はゲート回路211にチップセレクト信号を出力することでデータバスに取り込まれる。
【0101】
球貸し動作は、カードユニット(CR球貸機)bとの間で球貸し信号を、ゲート回路211、ラッチ回路215を通して送受信することにより行われる。球貸し動作時、CPU203はラッチ回路215を通して球貸し経路切換信号を経路切換ソレノイド224に出力して球貸し経路を確保し、球貸し経路に設置された右貸し球検出スイッチ220a、左貸し球検出スイッチ220bで貸し球の検出を行い、払出動作を行う。
【0102】
球貸し動作において、一定数毎にラッチ回路215から外部へ情報出力される。また、球貸し信号の送受信が正常な状態において、ラッチ回路215から、発射制御基板600に対して発射許可信号が能動状態で出力される。また球貸し信号の送受信に異常が発生すると、発射許可信号は非能動状態に変化し、球発射不可能な状態になる。しかし、球貸し信号の送受信が正常な状態に復帰することで、発射可能となる。
【0103】
その他、払出動作においては、主基板100から、賞球データにシュート球切れスイッチ131のシュート球切れ信号、および遊技機本体1の下受け皿4に設置されたオーバーフロースイッチ133のオーバーフロー信号が送信されると、払出制御基板200は払出動作を停止する。また賞球データに各解除信号が送信されることにより払出動作を再開する。
【0104】
払出制御基板200に電源が供給されると、電源基板700よりシステムリセット信号が供給され、払出制御基板200の各デバイスはリセット状態になる。その後、リセット信号が非能動状態で、各デバイスは能動状態に遷移する。
【0105】
クロック同期・遅延回路210の遅延処理により、ワンチップマイコン201へのリセット信号は、元のリセット信号が非能動状態に信号変化してから一定時間の経過後に非能動になる。こうして元のリセット信号が非能動状態になってから一定時間の経過後に、ワンチップマイコン201は稼動状態になり、払出制御基板200の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン201の初期設定が行われる。
【0106】
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板700からワンチップマイコン201のNMI(ノンマスカブルインターラプト)206に停電検出信号が供給され、ワンチップマイコン201において各記憶領域の退避動作が行われる。具体的には、一定時間にわたって賞球検出データの検知を行った後、RAM領域に停電処理判定のデータを保存し、RAM205の保護を行う。
【0107】
電源電圧が低下する場合は、電源基板700からRAM205にバックアップ電源としてDC5VBBが供給され、RAM205の記憶状態が保持される。再度電源供給がされたとき、停電処理判定のデータの存在を認識することで、ワンチップマイコン201は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU203はI/Oポート106のデータを検出して、RAM領域の初期化を行う。
【0108】
次に、図8に示す表示器制御基板300について説明する。
表示器制御基板300は、主に遊技盤2上に設置された可変表示装置310の制御を行う。表示器制御基板300は、所定の画像処理手順(プログラム)や画像制御データを記憶している表示器制御ROM302と、所定の画像処理手順を読み取り実行する表示器制御CPU301を有している。
【0109】
また表示器制御基板300は、前記表示器制御CPU301によって画像処理手順を実行することで取得した情報を記憶するための表示器制御RAM303と、主基板100からの指示情報や表示器制御基板内の各制御IC等と入出力を行うための入出力インターフェース306と、表示器制御CPU301によって、入出力インターフェース306を介して制御指示情報を取得し、具体的な画像を生成する画像制御IC304を有している。
【0110】
さらに表示器制御基板300は、画像制御IC304に管理され、多種多様な画像をデータ化し記憶している画像データROM305と、前記表示器制御CPU301が正常に動作し画像が表示されていることを確認するための信号を外部に出力するための試射試験端子307等を有している。
【0111】
表示器制御CPU301には、入出力インターフェース306を介して、主基板100からパラレル通信によって指示情報が入力される。表示器制御CPU301は、入力された指示情報の内容を、表示器制御ROM302に記憶されている画像処理手順に従って実行し、表示器制御RAM303に情報を整理して格納しながら、画像制御IC304へ具体的な指示を行う。
【0112】
画像制御IC304は、表示器制御CPU301の指示に従い、画像データROM305を参照して、具体的な映像信号を生成し、可変表示装置310へ出力する。図8のブロック図では、画像制御IC304が生成した画像データやパレット(色)情報等を一時的に記憶しておく領域であるVRAMが図示されていないが、画像制御IC304の内部にVRAMを内蔵したワンチップマイコンで構成してもよい。
【0113】
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700から表示器制御CPU301に入力される。その後、表示器制御CPU301は、表示器制御ROM302に記憶されている画像制御手順に従って、表示器制御基板300内の各制御回路の初期化を行う。
【0114】
次に、図9に示すランプ制御基板400について説明する。
ランプ制御基板400は、遊技機本体1の前面や遊技盤2上に設置された遊技機状態ランプ422、サイドケースランプ423、各種LED424〜428,420,421等の点灯制御を行うものである。
【0115】
ランプ制御基板400は、所定のランプ制御処理手順(プログラム)や制御データを記憶しているランプ制御ROM402と、所定のランプ制御処理手順を読み取り実行するランプ制御CPU401と、ランプ制御CPU401によってランプ制御処理手順を実行することで取得した情報を記憶するランプ制御RAM403と、主基板100からの指示情報やランプ制御基板400内の各制御回路等と入出力を行うための入出力インターフェース404と、ランプ制御CPU401によって入出力インターフェースを介してランプ制御基板400と接続している各ランプ・LEDの点灯信号を、駆動させるためのドライバー回路405等で構成されている。
【0116】
ランプ制御CPU401には、入出力インターフェース404を介して、主基板100からパラレル通信により指示情報が入力される。ランプ制御CPU401は、入力された指示情報の内容をランプ制御ROM402に記憶されているランプ制御処理手順に従って実行し、ランプ制御RAM403に情報を整理して格納しながら、ドライバー回路405を動作させ、接続されている各ランプ・LEDの点灯・消灯を行う。
【0117】
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700からランプ制御CPU401に入力される。そして、ランプ制御CPU401は、ランプ制御ROM402に記憶されている制御手順に従って、ランプ制御基板内の各制御回路の初期化を行う。
【0118】
次に、図10に示す音声制御基板500について説明する。
音声制御基板500は、遊技機本体1が遊技状態にある時、ゲーム演出による効果音や音声等の制御を行うものである。また、遊技状態でない場合は、遊技機本体1の異常状態を知らせるための警告音等の制御を行う。
【0119】
音声制御基板500は、所定の音声処理手順(プログラム)や制御データを記憶している音声制御ROM502と、所定の音声制御手順を読み取り実行する音声制御CPU501と、音声制御CPU501により音声処理手順を実行して取得した情報を記憶する音声制御RAM503と、主基板100からの指示情報や音声制御基板500内の各制御IC等と入出力を行うための入出力インターフェース506と、音声制御CPU501により入出力インターフェースを介し制御指示情報を取得して具体的な音声を生成する音声制御IC504と、音声制御IC504に管理され、多種多様な音声をデータ化し記憶している音声データROM505と、音声制御IC501から生成された音声信号を増幅するアンプ回路507から構成される。
【0120】
音声制御CPU501は、入出力インターフェース506を介して、主基板100からパラレル通信により指示情報が入力される。音声制御CPU501は、入力された指示情報の内容を音声制御ROM502に記憶されている音声制御手順に従って実行し、音声制御RAM503に情報を整理して格納しながら、音声制御IC504へ具体的な指示を行う。
【0121】
音声制御IC504は、音声制御CPU501の指示に従い、音声データROM505を参照し、具体的な音声の信号を生成しアンプ回路507へ出力する。電源基板からのリセット信号は、パチンコ機に電源が投入されると、該電源基板700から音声制御CPU501に入力され、音声制御CPU501は音声制御ROM503に記憶されている音声制御手順に従い、音声制御基板内の各制御回路の初期化を行う。
【0122】
次に、図11に示す発射制御基板600について説明する。
発射制御基板600は、発射モータ653に使用されているパルスモータの回転数を、所定の回転数にするためのパルスを生成する回路である発振回路601と、分周回路602と、ハンドル部650内のタッチセンサ651からの信号、ストップスイッチ652からの信号、電源基板700からのリセット信号、そして前記払出制御基板200からの発射許可信号を判断し、発射モータ駆動信号を生成するモータ駆動信号制御回路603と、パルスモータ(発射モータ653)の各コイルに励磁させるためのドライバー回路604等から構成されている。
【0123】
前記ハンドル部650は、遊技者がハンドル5に触れているか否かを検出するタッチセンサ651、遊技者が任意に球の発射を停止できるようにするストップスイッチ652、球を発射させるためのパルスモータ653(発射モータ)等で構成されている。
【0124】
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700からモータ駆動信号制御回路603へ入力され、発射制御基板600の各回路を初期化する。
【0125】
ハンドル部650内のタッチセンサ651は、遊技者がハンドル5に触れている状態であれば発射が可能であるとみなす信号を出力し、遊技者がハンドル5に触れていない状態であれば、発射が不可能であるとみなす信号をモータ駆動信号制御回路603にそれぞれ出力する。
【0126】
ストップスイッチ652は、遊技者が任意に球の発射を停止することができるように設けたスイッチであり、遊技者によりストップスイッチ652の操作がされた場合に、モータ駆動信号制御回路603に球の発射停止信号を出力し、ストップスイッチ652の入力がない場合に、球の発射信号を出力する。
【0127】
また、ストップスイッチ652は、遊技者から何らストップスイッチ652に対し操作がなく、ハンドル5を回転させた状態にない場合には、ストップスイッチ652から入力がされた状態と同じ信号を出力する。すなわち、ハンドル5内部の構造上、ハンドル5が回転していない状態ではストップスイッチ652からの信号が入力されている状態になるようになっている。つまり、遊技機本体1に電源が投入され、前記リセット信号がモータ駆動信号制御回路603に入力され、各回路の初期化が行われた後、遊技者がハンドル5に触れて回転させた状態になって初めて球が発射される。
【0128】
次に、図12に示す電源基板700について説明する。
外部から供給されるAC24Vをダイオードブリッジ整流器で全波整流を行い、直流電源DC24Vを生成する。DC24V電源にダイオードを通してコンデンサーで平滑を行い、DC32V電源を生成する。DC24V、DC32Vは非安定電源である。
【0129】
DC24Vを電源回路701に供給して、安定電源DC18V、DC12V、DC5Vの定電圧電源が生成され、前記主基板100、前記払出制御基板200、前記ランプ制御基板400、前記音声制御基板500、前記表示器制御基板300、前記発射制御基板600に供給される。
【0130】
生成されたDC5Vの定電圧電源を、ダイオードを通してバックアップ回路702のコンデンサーに接続して、DC5VBBのバックアップ電源を生成し、DC5VBBが主基板100、前記払出制御基板200に供給される。前記AC24Vはカードユニット接続基板900に供給され、前記払出制御基板200とカードユニットbの通信用電源、操作パネル基板aの電源に使用される。
【0131】
DC24V電源の電圧レベルを電圧検出回路708で検出して遅延回路707に出力する。遅延回路707は内部時定数500ミリsecの遅延時間をもち、電圧検出回路708の連続出力時間が遅延回路707の時定数より大きくないと遅延回路707は出力信号を出力しない。この為、DC24V電源の電圧レベルが遅延回路707の時定数より小さい時間の電圧変動および電源停止は無視され停電検出信号は電源基板より外部に出力されない。
【0132】
遅延回路707に時定数より大きな入力信号があると、遅延回路707は停電検出信号を前記主基板100、前記払出制御基板200、シフトレジスタ704のシリアル入力端子に出力する。8ビットシフトレジスタ704は、クロック回路706より周期20ミリsecのクロックが常時入力されている。
【0133】
ここで8ビットのデータ入力端子はゼロに固定している。この為、停電検出信号が8ビットシフトレジスタ704に入力すると、8クロック(約160ミリsec)後8ビットシフトレジスタ704からリセット信号が前記主基板100、前記払出制御基板200、前記発射制御基板600、前記表示器制御基板300、前記ランプ制御基板400、前記音声制御基板500に出力される。
【0134】
電源立ち上げ時および停電復帰後、周辺回路電源立ち上げ時より遅延回路707の時定数の時間、停電検出信号およびリセット信号は能動状態で出力している。遅延回路707の時定数の時間後、停電検出信号は非能動状態になり、リセット信号は、8ビットシフトレジスタ704の8クロック後非能動状態で出力される。RAM初期化信号は、RAM初期化スイッチ705を手動で押すことにより能動状態で前記主基板100、前記払出制御基板200に出力される。
【0135】
次に本遊技機の作用について説明する。
図13は、遊技機本体1のうち表示遊技および第2表示遊技の実行に関わる部分の概略機能構成と、表示遊技および第2表示遊技の流れを示している。先ず図1において、遊技者がハンドル5を操作するとパチンコ球が遊技盤2に形成されている遊技領域17に打ち出されるが、始動口21にパチンコ球が入賞すると、始動口スイッチ121によって検出される。
【0136】
図3において乱数発生手段1100は、乱数(例えば0〜316の中の何れかの数字)を一定間隔で継続的に発生し、乱数取得手段1110は、前記始動口スイッチ121からの検出信号に基づき該信号の入力時に、前記乱数発生手段1100から大当たり乱数としての乱数値(大当たり乱数値)を取得する。これと同時に乱数取得手段1110は、図示省略した識別情報乱数発生手段から識別情報乱数としての乱数値(識別情報乱数値)を取得するようになっている。
【0137】
乱数取得手段1110の取得した大当たり乱数値と識別情報乱数値は、それぞれ記憶手段であるRAM104に先入れ先出し形式で記憶される。ここで大当たり乱数値と識別情報乱数値は、それぞれ前記始動口スイッチ121によるパチンコ球の検出毎に互いに対応付けられて1組となり、前述した特別図柄保留LED420に表示される権利の保留数として、最大4組まで記憶される。
【0138】
RAM104に記憶された各乱数値は、表示遊技を開始する際に読み出される。この時、乱数判定手段1140は、RAM104から読み出した大当たり乱数値と所定の大当たり判定値(当たり乱数)とを比較し、大当たりか否かを判定する。今回読み出された大当たり乱数値が大当たり判定値と一致するか否かに応じて、当該乱数値と組になっている識別情報乱数値に従って、表示遊技の最終的な表示結果を構成する3つの識別情報の組み合わせが定められる。ここで大当たり乱数値が大当たり判定値と一致することが特別停止結果態様に相当する。
【0139】
図13に示すように表示遊技の流れとしては、初期画面からリーチ態様を経て特別停止結果態様になる場合がある。また、初期画面からリーチ態様を経てはずれ表示態様になる場合と、初期画面からリーチ態様を経ずにはずれ表示態様になる場合がある。これらの変動パターンに従って、表示制御手段1300の制御により表示遊技は実行される。かかる表示遊技では識別情報として1〜9の数字が用いられ、スロットマシンを模した内容となる。
【0140】
詳しくは図14において、先ず図14(a)に示すように、可変表示装置310の表示領域に3つの表示部311〜313が出現し、各表示部311〜313毎に1〜9の数字が縦方向にスクロール変動する。所定時間が経過すると、図14(b)に示すように、左端の表示部311で何れかの数字が停止確定し、続いて図14(c)に示すように、右端の表示部313でも何れかの数字が停止確定する。
【0141】
図14(c)に示す如く2つの数字が停止確定した時点で、これらが同一に揃う状態がリーチ態様に相当する。そして最後に図14(d)に示すように、中央の表示部312でも何れかの数字が停止確定する。同図(d)の如く3つの数字が停止確定した表示結果として、総て同一数字に揃う識別情報の組み合わせが特別停止結果態様に相当する。
【0142】
表示遊技の表示結果が特別停止結果態様に確定した場合には、大入賞口24が例えば15回を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が形成され、それにより遊技者に遊技価値が付与される。なお、表示遊技の途中でリーチ態様が出現しても結局特別停止結果態様に確定しなかった場合や、リーチ態様が出現しなかった場合には、それぞれはずれ表示態様となり遊技価値が付与されることはない。
【0143】
本遊技機では、前記大当たり乱数値が大当たり判定値と一致する旨判断された場合、すなわち前記特別停止結果態様が確定した場合、表示制御手段1300は、第2識別情報制御手段1310によって、前記識別情報(1〜9の数字)とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行する。
【0144】
図13に示す第2乱数発生手段1120は、乱数(例えば0〜10の中の何れかの数字)を一定間隔で継続的に発生し、第2乱数取得手段1130は、前記大当たり乱数値が大当たり判定値と一致する旨判断された時点ないし前記特別停止結果態様が確定した時点で、前記第2乱数発生手段1120から当たり乱数としての乱数値(当たり乱数値)を取得する。
【0145】
これと同時に第2乱数取得手段1130は、図示省略した第2識別情報乱数発生手段から第2表示遊技の表示結果を構成する第2識別情報に関する乱数値(第2識別情報乱数値)も取得する。第2乱数取得手段1130の取得した当たり乱数値と第2識別情報乱数値は、それぞれ記憶手段であるRAM104にいったん記憶される。
【0146】
第2識別情報制御手段1310は、前記特別停止結果態様が確定した後に所定のタイミングで、RAM104にいったん記憶された各乱数値を読み出し、前記可変表示装置310の表示領域で今度は第2表示遊技を実行する。この時、第2乱数判定手段1150は、RAM104から読み出した当たり乱数値と所定の当たり判定値(当たり乱数)とを比較し、当たりかはずれかを判定する。
【0147】
今回読み出された当たり乱数値が当たり判定値と一致するか否かに応じて、当該乱数値と組になっている第2識別情報乱数値に従って、第2表示遊技の最終的な表示結果が定められる。ここで当たり乱数値が当たり判定値と一致することが特定結果態様に相当する。第2表示遊技は、例えば前記表示遊技の終了後に特別遊技状態の発生に伴い開始され、特別遊技状態の終了時ないし終了前に、何れかの表示結果に確定する。
【0148】
図13に示すように第2表示遊技の流れとしては、初期画面から第2識別情報の所定の可変表示を経て、表示結果が特定結果態様に確定する場合と、表示結果がはずれ結果態様に確定する場合がある。第2識別情報は、前記表示遊技で用いる識別情報とは異なる形態であり、また第2識別情報は、前記識別情報とは異なる動作により可変表示される。本実施の形態では、図15に示すように第2識別情報として、ホイール314上に並ぶルーレット盤の数字が用いられる。そのため、第2表示遊技はルーレットゲームを模した内容となる。
【0149】
詳しくは図15において、先ず図15(a)に示すように、可変表示装置310の表示領域にルーレット盤のホイール314とその一点を示すポインタ315が出現する。そしてホイール314の円周方向に沿って、所定の配列の各種数字群が一斉に周回する様子が表示される。図15(b)に示すように、各種数字の周回中に、予め当たり役と定められている「3」,「5」,「7」の数字が周回しながら点滅するような状態を、特定結果態様に推移する確率が高いことを示す予告表示態様としても面白い。
【0150】
所定時間が経過すると、図15(c)に示すように、各種数字の周回が停止するが、この停止した時点でポインタ315が示す特定位置にちょうど停止した数字が、前記当たり役の「3」,「5」,「7」の何れかであれば、当該表示が特定結果態様となる。このような特定結果態様は、前記予告表示態様の出現を前提として停止確定し得るが、もちろん予告表示態様の出現後に、特定結果態様が停止確定するとは限らないことは言うまでもない。
【0151】
なお、第2表示遊技の変形例として、ホイール314上に各種数字を所定の配置で固定した上で、発光体がホイール314上を円周方向に沿って周回する様子を所定時間に亘り可変表示させた後、前記発光体が停止した位置にある数字が当たり役であった場合が、特定結果態様に相当するように設定してもよい。
【0152】
以上のように、遊技者は前記表示遊技とは全く別の趣向の第2表示遊技も十分に楽しむことができる。しかも、第2表示遊技の表示結果が、予め定められた第2識別情報から構成される特定結果態様に確定した場合には、遊技価値制御手段1200の制御によって、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化する。
【0153】
ここで遊技者にとって有利な状態とは、本実施の形態では、次回以降の前記表示遊技で、その表示結果が特別停止結果態様に確定する確率が高くなる確変モードや、普通図柄表示装置140における1回あたりの可変表示時間を所定回数に限り通常時よりも短縮する時短モードが該当する。
【0154】
確変モードが設定されると、例えば次回の表示遊技で特別停止結果態様が確定するまで、遊技者にとって有利な状態として維持され、次回の表示遊技で特別停止結果態様が確定した時点で、確変モードは終了して通常の遊技状態に戻る。また、時短モードが設定されると、例えば普通図柄表示装置140で100回分の可変表示が行われるまで、あるいは次回の表示遊技で特別停止結果態様が確定するまで、遊技者にとって有利な状態として維持され、時短モードにおいて普通図柄表示装置140で100回目の可変表示が終了した時点、あるいは次回の表示遊技で特別停止結果態様が確定した時点で、時短モードは終了して通常の遊技状態に戻る。
【0155】
本遊技機では、このような確変モードや時短モードが、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合に設定され、しかも、これらの各モードが、前記特定結果態様に確定する度に交互に選択されて設定されることにより、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が一律ではなく変化するようになっている。
【0156】
すなわち、確変モード中や時短モード中ではなく、遊技者にとって有利な状態が特に発生していない通常の遊技状態で、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、これに基づき先ず確変モードが設定される。その後、再び第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、その前段階の表示遊技で特別停止結果態様が確定した時点で確変モードは終了するが、次は確変モードに代わって時短モードが設定されることになる。さらにその後、再び第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、時短モードに代わって確変モードが設定される。このように確変モードと時短モードとは、第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定する度に交互に繰り返される。
【0157】
あるいはまた、前記確変モードや時短モードを、次回の表示遊技で特別停止結果態様が確定した時点では終了せず、所定時間ないし回数を限度に維持するように設定した場合には、各モードの発生中でも第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定する場合が考えられるが、このような場合には第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した時点で、確変モード中であればこれを強制終了して新たに時短モードを設定し、逆に時短モード中であればこれを強制終了して新たに確変モードを設定するように構成してもよい。
【0158】
何れの場合にしろ、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化することにより、前記表示遊技とは全く異なる表示内容の第2表示遊技の実行と相俟って、よりいっそうと遊技全体の興趣を高めることができる。
【0159】
また、前記実施の形態では、第2表示遊技を、前記可変表示装置310の画面を表示遊技の画面から切り替えた新たな画面上で実行するように構成したが、同じく可変表示装置310において表示遊技とは別に区画した表示領域上で実行してもよい。さらに図19に示すように、前記可変表示装置310とは別体である第2可変表示装置310Aを遊技盤2上の適所に設けて、この第2可変表示装置310Aで前記第2表示遊技を専用に表示するように構成してもよい。
【0160】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。また、前述した実施の形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ機に適用した場合について説明したが、遊技機はパチンコ機に限られず、プログラム制御されるスマートボールゲーム機、アレンジボールゲーム機といった他の遊技機にも同様に本発明を適用することができる。
【0161】
また、前記実施の形態では、図15に示すように第2識別情報として、ホイール314上に並ぶルーレット盤の数字を採用し、第2表示遊技をルーレットゲームを模した内容としたが、もちろん第2識別情報は、前記ルーレット盤だけに限られるものではなく、前記識別情報とは異なる形態のものであれば何でもよい。例えば、図16に示すトランプのカード、図17に示すサイコロの目、あるいは図18に示す麻雀の牌等を模した様々な図柄ないし文字から構成することができる。以下、図16〜図18に示す第2識別情報による第2表示遊技の内容について説明する。
【0162】
図16に一例を示す第2表示遊技の場合には、第2識別情報としてトランプのカードを模した図柄が用いられる。そのため、第2表示遊技はトランプゲームを模した内容となる。ここでトランプのカードは、ハート、スペード、ダイヤ、クラブの組札と、1〜10,Jack,Queen,Kingの番号を組み合わせたものであり、切り札としてのジョーカーも加えるとよい。
【0163】
詳しくは図16において、先ず図16(a)に示すように、可変表示装置310の表示領域にシャッフルされたカードが4枚裏返しに並べられた状態が表示され、所定時間経過後に図16(b)〜(e)に示すように、1枚ずつ順次カードをめくって表にする状態が表示される。かかる第2表示遊技の途中で、図16(d)に示すように、それぞれの組札で全部で4枚ずつある同一数字のカードが3枚揃えば、かかる表示状態はリーチ態様に相当する。
【0164】
続いて図16(e)に示すように、最後にめくった4枚目のカードも同一数字であれば、かかる同一数字のカードが総て揃った第2識別情報の組み合わせが特定結果態様となる。また、組札3つのカードで同一数字に揃って、これにジョーカーを加えた組み合わせも、特定結果態様と定めるとよい。もちろん、リーチ表示態様や特定結果態様を構成するカードの組み合わせは、他にも任意に定めることができ、例えばポーカーの役等、既存のトランプゲームのルールを利用しても面白い。
【0165】
図17に一例を示す第2表示遊技の場合には、第2識別情報として、サイコロの賽(サイ)の目が用いられる。そのため、第2表示遊技はサイコロゲームを模した内容となる。
詳しくは図17において、先ず図17(a)に示すように、可変表示装置310の表示領域に転がる状態の2つのサイコロが表示される。所定時間が経過すると、図17(b)に示すように、一方のサイコロが停止するが、この停止したサイコロの目が偶数であった場合には、この表示状態を、特定結果態様に推移する確率が高いことを示す予告表示態様としても面白い。
【0166】
そして最後に、図17(c)に示すように、もう一方のサイコロも停止した時点で、このサイコロの賽の目が、最初に停止したサイコロと同じ数字に揃う第2識別情報の組み合わせが、特定結果態様と定められている。もちろん、最初に停止するサイコロの目が奇数であった場合を予告表示態様として、2つの同じ奇数の目が揃った状態を特定結果態様と定めるようにしてもよい。あるいは予め定めた賽の目が出ることを特定結果態様と任意に定めることもできる。
【0167】
図18に一例を示す第2表示遊技の場合には、第2識別情報として、麻雀の牌を模した図柄が用いられる。そのため、第2表示遊技は麻雀ゲームを模した内容となる。ここで麻雀の牌は、字牌と数牌に分けられ、さらに分けると字牌には三元牌と四風牌、数牌には萬子・筒子・索子がある。もちろんこれら総ての牌に対応する図柄を用意する必要はなく、一部の牌のみを図柄として用いればよい。
【0168】
詳しくは図18において、先ず図18(a)に示すように、可変表示装置310の表示領域に3枚の牌が配られた状態が表示され、所定時間経過後に図18(b)〜(d)に示すように、1枚ずつ順次牌を表にする状態が表示される。かかる第2表示遊技の途中で、図18(c)に示すように、全部で3枚の牌のうち同一の牌が2枚揃えば、かかる表示状態がリーチ態様に相当する。
【0169】
続いて図18(d)に示すように、最後に表にした牌も同一であれば、このように同一の牌が3枚揃った第2識別情報の組み合わせが特定結果態様となる。もちろん、最初に配る牌の数を13枚等に増やして、通常の麻雀のルールに基づく「アガリ」となるための役の種類(一飜役、二飜役、満貫役、役満貫等)によって、リーチ態様あるいは特定結果態様と定めるようにしても面白い。
【0170】
また、前記実施の形態において、第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合に変化する「遊技者にとって有利な状態」を、具体的には確変モードと時短モードの2つの状態としたが、かかる有利な状態もこれらに限定されるものではなく、他に例えば、賞球数の割合を一時的に増したり、他の役物を入賞し易い形態に変化させる等と様々な状態に設定してもよい。
【0171】
さらに、「遊技者にとって有利な状態」として、前記可変表示装置310における表示遊技の1回あたりの可変表示時間を、所定回数に限り通常時よりも短縮するモードも考えられる。かかるモードでは、表示遊技の単位時間あたりの実行可能回数が増加することになり、それだけ遊技者に有利となる。
【0172】
また、前記実施の形態では、表示遊技に関する乱数発生手段1100、乱数取得手段1110、乱数判定手段1140と、第2表示遊技に関する第2乱数発生手段1120、第2乱数取得手段1130、第2乱数判定手段1150とを、それぞれ別々に構成した例を示したが、乱数発生手段1100と第2乱数発生手段1120とを1つの乱数発生手段により構成し、かかる1つの乱数発生手段から乱数取得手段1110と第2乱数取得手段1130とで別々に乱数値を取得するように構成してもよい。あるいは1つの乱数取得手段により別々に乱数値を取得し、これを乱数判定手段1140と第2乱数判定手段1150とで別々に判定するようにしてもよい。もちろん、乱数判定手段1140と第2乱数判定手段1150も、1つの乱数判定手段にまとめて構成してもよい。
【0173】
【発明の効果】
本発明に係る遊技機によれば、表示遊技の表示結果が特別停止結果態様に確定した場合に、第2識別情報制御手段は、前記表示遊技で用いる識別情報とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行するから、遊技者は表示遊技とは全く別の趣向の第2表示遊技を十分に楽しむことができる。
【0174】
しかも、前記表示遊技の表示結果である特別停止結果態様に基づき発生した特別遊技状態の終了時ないし終了前に、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態を変化させるので、前記表示遊技とは全く異なる表示内容の第2表示遊技の実行と相俟って、よりいっそうと遊技全体の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る遊技機を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る遊技機の内部構造を示す背面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る遊技機の遊技盤を拡大して示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る遊技機の遊技盤裏面側を拡大して示す背面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る遊技機の回路構成全体を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る遊技機の有する主基板の回路構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る遊技機の有する払出制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る遊技機の有する表示器制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る遊技機の有するランプ制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る遊技機の有する音声制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る遊技機の有する発射制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る遊技機の有する電源基板の回路構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る遊技機のうち表示遊技および第2表示遊技の実行に関わる部分の概略機能構成と表示遊技の流れを示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る遊技機で実行される表示遊技の流れの一例を示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る遊技機で実行される第2表示遊技の流れの一例を示す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る遊技機で実行される別の第2表示遊技の流れの一例を示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る遊技機で実行される別の第2表示遊技の流れの一例を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る遊技機で実行される別の第2表示遊技の流れの一例を示す説明図である。
【図19】本発明の別の実施の形態に係る遊技機を示す正面図である。
【符号の説明】
1…遊技機本体
2…遊技盤
3…上受け皿
4…下受け皿
5…ハンドル
6…灰皿
7…上受け皿球抜きレバー
8…下受け皿球抜きレバー
9…貸出ボタン
10…返却ボタン
11…ガラス枠
12…度数表示部
15…風車
16…誘導レール
17…遊技領域
21…始動口
22a…右袖入賞口
22b…左袖入賞口
23a…右落とし入賞口
23b…左落とし入賞口
24…大入賞口
29…アウト口
100…主基板
101…ワンチップマイコン
102…CPU
103…ROM
104…RAM
105…NMI
106…I/Oポート
107…内部タイマー
108…クロック回路
109…クロック同期・遅延回路
110、111…ゲート回路
112a〜112g…ラッチ回路
113…アドレスデコード回路
114…バッファ
116…試射試験信号端子
121…始動口スイッチ
122a…右袖入賞口スイッチ
122b…左袖入賞口スイッチ
123a…右落とし入賞口スイッチ
123b…左落とし入賞口スイッチ
124…役物連続作動装置スイッチ
125…カウントスイッチ
126…普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ
126a…右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ
126b…左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ
130…賞球検出スイッチ
130a…右賞球検出スイッチ
130b…左賞球検出スイッチ
131…シュート球切れスイッチ
132…ガラス枠開放検出スイッチ
133…オーバーフロースイッチ
134…大入賞口ソレノイド
135…方向切換ソレノイド
136…普通電動役物ソレノイド
140…普通図柄表示装置
200…払出制御基板
201…ワンチップマイコン
202…カウンタ回路
203…CPU
204…ROM
205…RAM
206…NMI
207…I/Oポート
208…内部タイマー
209…クロック回路
210…クロック同期・遅延回路
211、212…ゲート回路
213…アドレスデコード回路
214、215…ラッチ回路
220…球貸し検出スイッチ
220a…右球貸し検出スイッチ
220b…左球貸し検出スイッチ
222…払出モータ
223…払出停止ソレノイド
224…経路切換ソレノイド
300…表示器制御基板
301…表示器制御CPU
302…表示器制御ROM
303…表示器制御RAM
304…画像制御IC
305…画像データROM
306…入出力インターフェース
307…試射試験信号端子
310…可変表示装置
400…ランプ制御基板
401…ランプ制御CPU
402…ランプ制御ROM
403…ランプ制御RAM
404…入出力インターフェース
405…ドライバー回路
420…特別図柄保留LED
421…普通図柄保留LED
422…遊技機状態ランプ
423…サイドケースランプ
424…遊技枠状態ランプ
425…センターLED
426…ゲートLED
427…アタッカーLED
428…サイドLED
500…音声制御基板
501…音声制御CPU
502…音声制御ROM
503…音声制御RAM
504…音声制御IC
505…音声データROM
506…入出力インターフェース
507…アンプ回路
510…スピーカー
600…発射制御基板
601…発振回路
602…分周回路
603…モータ駆動信号制御回路
604…ドライバー回路
650…ハンドル部
651…タッチセンサ
652…発射停止スイッチ
653…発射モータ
700…電源基板
701…定電圧電源装置
702…バックアップ電源
703…電圧検出回路
704…シフトレジスタ
705…RAM初期化スイッチ
706…クロック回路
707…遅延回路
708…電圧検出回路
709…停電検出回路
800…枠用外部端子板
801…賞球タンク球有無スイッチ
850…盤用外部端子板
900…カードユニット接続基板
1100…乱数発生手段
1110…乱数取得手段
1120…第2乱数発生手段
1130…第2乱数取得手段
1140…乱数判定手段
1150…第2乱数判定手段
1200…遊技価値制御手段
1300…表示制御手段
1310…第2識別情報制御手段
a…操作パネル基板
b…カードユニット
c…電源AC24V
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置と、該可変表示装置の表示制御を行う表示制御手段とを備え、始動条件の成立に基づき前記可変表示装置で識別情報を可変表示した後に可変表示を停止して複数の識別情報を停止表示する表示遊技を実行し、該表示遊技の表示結果が予め定められた識別情報の組み合わせである特別停止結果態様に確定した場合に、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態を発生する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機として、例えば、特許文献1〜3に示すパチンコ機がある。かかる遊技機では、遊技盤上に形成された遊技領域へ打ち出した球が始動口へ入賞すると、液晶画面等から成る可変表示装置の表示領域に、0〜9の10種類の数字が一定方向にスクロール表示され、所定時間の経過後に順次停止する可変表示が変動実行される。
【0003】
このような可変表示が停止確定した際の表示結果が、同じライン上に同一数字が3つ揃う特定の組み合わせになった状態が特別停止結果態様に相当する。かかる特別停止結果態様が確定した場合には、特別遊技状態(いわゆる大当たり)が発生し、具体的には大入賞口が所定回数を限度に繰り返し開閉するので、遊技者は多量の賞球を獲得できる等、遊技者に遊技価値が付与されるようになっていた。
【0004】
また、遊技領域へ打ち出した球が通過入賞口へ入賞すると、前記可変表示装置とは別に設けられた普通図柄表示装置において、可変表示装置の場合と同様に数字が一定期間に亘ってスクロールし、その後に停止表示された数字が特定の数字の時、可動片を有する始動口(いわゆるチューリップ)の可動片を一定時間継続的に開放して、球が始動口へ入賞し易い状態を形成し、遊技性を高める制御が行われる。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−117980号公報
【特許文献2】
特開平11−262562号公報
【特許文献3】
特開平11−267296号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のフィーバー機では、可変表示装置とは別に普通図柄表示装置を設けて2つの可変表示を実行する構成であるにもかかわらず、それぞれの可変表示は、全く同一の識別情報である0〜9の数字が入れ替わり変化するだけの単純で同じ表示内容であり、表示内容が単調で面白味や斬新さに欠けるという問題があった。
【0007】
また、普通図柄表示装置で特定の数字が停止した場合に発生する遊技者にとって有利な状態は、始動口の開放、あるいは普通図柄表示装置のスクロール速度を早くする等のいわゆる時短モードの発生の有無だけに過ぎず、普通図柄表示装置における表示内容だけでなく、その表示結果に基づく効果も同様に単調で変化がなく、遊技全体がマンネリ化する傾向にあった。
【0008】
本発明は、以上のような従来技術が有する問題点に着目してなされたもので、可変表示装置での可変表示とは全く別の形態の第2の可変表示を実行可能とすることで、表示内容に関するバリエーションを豊富として、さらに第2の可変表示に基づく効果として、遊技者に有利な状態を多様に演出することにより、遊技全体の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置(310)と、該可変表示装置(310)の表示制御を行う表示制御手段(1300)とを備え、始動条件の成立に基づき前記可変表示装置(310)で識別情報を可変表示した後に可変表示を停止して複数の識別情報を停止表示する表示遊技を実行し、該表示遊技の表示結果が予め定められた識別情報の組み合わせである特別停止結果態様に確定した場合に、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態を発生する遊技機において、
前記表示制御手段(1300)は、前記表示遊技の表示結果が前記特別停止結果態様に確定した場合に、前記識別情報とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行する第2識別情報制御手段(1310)を備え、
前記特別停止結果態様に基づき発生した特別遊技状態の終了時ないし終了前に、前記第2表示遊技の表示結果が、予め定められた第2識別情報から構成される特定結果態様に確定した場合に、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化することを特徴とする遊技機。
【0010】
[2]前記第2識別情報は、前記識別情報とは異なる図柄ないし文字から成ることを特徴とする[1]記載の遊技機。
【0011】
[3]前記第2識別情報は、前記識別情報とは異なる動作により可変表示することを特徴とする[1]または[2]記載の遊技機。
【0012】
[4]前記第2識別情報は、前記可変表示装置(310)に可変表示され、
前記第2識別情報制御手段(1310)は、前記可変表示装置(310)において前記第2表示遊技を実行することを特徴とする[1],[2]または[3]記載の遊技機。
【0013】
[5]前記第2識別情報を可変表示可能な第2可変表示装置(310A)を、前記可変表示装置(310)とは別体として有し、
前記第2識別情報制御手段(1310)は、前記第2可変表示装置(310A)において前記第2表示遊技を実行することを特徴とする[1],[2]または[3]記載の遊技機。
【0014】
前記本発明は次のように作用する。
前記[1]記載の遊技機によれば、表示制御手段(1300)は、球が始動口へ入賞する等の始動条件の成立に基づき、可変表示装置(310)で複数の識別情報を可変表示した後に可変表示を停止して複数の識別情報を停止表示する表示遊技を実行する。表示遊技の表示結果が、予め定めた識別情報の組み合わせである特別停止結果態様に確定した場合には、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態が発生する。
【0015】
前記表示遊技の表示結果が特別停止結果態様に確定した場合、さらに表示制御手段(1300)は、第2識別情報制御手段(1310)によって、前記識別情報とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行する。ここで第2識別情報は、前記識別情報とは異なる形態のものであり、例えば前記[2]に記載の如く前記識別情報とは異なる図柄ないし文字から成る。具体的には、識別情報を1〜9までの数字とした場合、第2識別情報は前記識別情報と同一形態の単なる数字ではなく、ルーレット盤の数字、トランプのカード、サイコロの目、あるいは麻雀の牌等を模した前記識別情報以外の図柄等により構成するとよい。
【0016】
また、前記[3]に記載した如く前記第2識別情報を、前記識別情報とは異なる動作により可変表示させれば、識別情報の可変表示による表示遊技と、第2識別情報の可変表示による第2表示遊技との内容の差異がより明確となり、遊技者は、前記表示遊技とは全く別の趣向の前記第2表示遊技を十分に楽しむことができる。
【0017】
しかも、前記表示遊技の表示結果である特別停止結果態様に基づき発生した特別遊技状態の終了時ないし終了前に、前記第2表示遊技の表示結果が、予め定められた第2識別情報から構成される特定結果態様に確定した場合には、例えば主基板(100)の制御によって、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化する。
【0018】
ここで遊技者にとって有利な状態とは、例えば、次回以降の前記表示遊技で、その表示結果が前記特別停止結果態様に確定する確率が高くなる確変モードや、通過入賞口に球が入賞すると普通図柄表示装置で普通図柄が可変表示し、特別な普通図柄が停止表示された場合に始動口の可動片を開状態にする遊技機において、普通図柄表示装置における1回あたりの可変表示時間を所定回数に限り通常時よりも短縮する時短モード等が該当する。
【0019】
本遊技機では、例えば、遊技者にとって有利な状態が特に発生していない通常の遊技状態において、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、その度に前記確変モードと前記時短モードとを交互に設定することにより、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態を変化させること等が考えられる。
【0020】
あるいは、前記確変モードが設定されている遊技状態において、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、前記確変モードに代わって時短モードを設定し、逆に前記時短モードが設定されている遊技状態において、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、前記時短モードに代わって確変モードを設定するようにしてもよい。
【0021】
何れの場合にしろ、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化することにより、前記表示遊技とは全く異なる表示内容の第2表示遊技の実行と相俟って、よりいっそうと遊技全体の興趣を高めることができる。
【0022】
また、前記第2表示遊技を、前記[4]に記載したように、前記可変表示装置(310)において表示遊技とは別に区画した表示領域上で実行してもよく、あるいは前記可変表示装置(310)の画面を表示遊技の画面から切り替えた新たな画面上で実行するようにしてもよい。また、前記[5]に記載したように、前記可変表示装置(310)とは別体である第2可変表示装置(310A)を設けて、この第2可変表示装置(310A)で前記第2表示遊技を専用に表示するようにしてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図15は本発明の一実施の形態に係る遊技機を示している。
本実施の形態に係る遊技機は、遊技盤2上に球を打ち出す遊技を実行する遊技機本体1と、これに付設され有価価値カードの挿入により球を貸し出すカードユニット(CR球貸機)bから成る。
【0024】
先ず遊技機本体1全体の概要を説明する。
図1は遊技機本体1とカードユニットbの前面図である。
遊技機本体1は、遊技機の特別遊技状態を点灯によって報知する遊技機状態ランプ422と、額縁状に形成され正面のガラスを固定するガラス枠11と、該ガラス枠の後方にガラス枠11の開放を検出するためのガラス枠開放検出スイッチ132と、遊技者によって発射された球が移動しゲームを進行させるための部品が取り付けられている遊技盤2が着脱自在に取り付けられている。
【0025】
ガラス枠11の下部表面には、貸出球や払出球を貯留する上受け皿3と、該上受け皿3から溢れた球を貯留する下受け皿4と、前記上受け皿3に貯留した球を抜き出すための上受け皿球抜きレバー7と、前記下受け皿4に貯留した球を抜き出すための下受け皿球抜きレバー8と、遊技者が打球操作するためのハンドル5とが設けられている。また、ハンドル5には、球の発射を停止するための発射停止スイッチ652が設けられている。なお、下受け皿4の傍らには、喫煙者用の灰皿6も設けられている。
【0026】
さらにカードユニットbの操作を遊技者が行うための装置として、有価価値カードの残余度数を表示し確認するための度数表示部12と、球の貸出指示を行うための貸出ボタン9と、有価価値カードの返却指示を行うための返却ボタン10が上受け皿3の近傍に設けられ、それらの出力端子は遊技機背面の操作パネル基板aにそれぞれ接続されている。
【0027】
図2は遊技機本体1とカードユニットbの背面図である。
遊技機本体1の背面には各種機能別の制御基板と部品等で構成されている。 ここで制御基板として、遊技全体の動作を管理し制御する主基板100と、該主基板100からの指示情報をパラレル通信により受信し賞品球の払出動作と、カードユニット接続基板900とカードユニット通信を行うことにより貸球動作の制御を行う払出制御基板200が設けられている。
【0028】
さらに制御基板として、球の発射を制御する発射制御基板600と、該発射制御基板600によって制御される発射モータ653と各基板に所定の電力を供給する電源基板700と、主基板100からの賞球情報が入力され、払出制御基板200からの球貸情報が入力され、かつ外部機器と接続し枠用外部情報(賞球信号、球貸し信号、球切れ信号)を出力するための枠用外部端子板800と、カードユニットbと接続するためのカードユニット接続基板900も設けられている。
【0029】
また、保護カバー93内には、表示器制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500等が遊技盤2に設けられている。それぞれの制御基板は専用のケースに納められ、外部からのゴミや他の設備機器からのこぼれ球、さらには静電気、電気ノイズからも保護されるようにしている。中でも主基板100のケースは、専用のネジを使用し所定の回数だけ開閉できる構造となっている。
【0030】
次に、パチンコ球補給装置から受ける球の流路について説明する。
図2において、パチンコ球補給装置(図示せず)から補給された球は、遊技機上部のタンクユニット90に貯留され、賞品球の払出および貸球動作が行われる度に、球はシュートユニット91、払出ユニット92を通過し上受け皿3へ送出される。
【0031】
タンクユニット90は、パチンコ球補給装置から補給される球を貯留するものであり、該タンクユニット90の底面には、賞球タンク球有無スイッチ801と球ならし94が設けられている。賞球タンク球有無スイッチ801は、タンクユニット90に貯留される球の有無を検出するスイッチであり、貯留する球の重みによってスイッチが入力され、その検出信号は枠用外部端子板800を経由し外部へ出力される。
【0032】
また、球ならし94は、シュートユニット91のレーンを流れる球が球圧により隆起しないように球を均すためのものである。タンクユニット90の底面は傾斜しており、シュートユニット91と接合する部分に球が集合し落下する構造になっている。
【0033】
シュートユニット91は、前記タンクユニット90から流下してくる球を二つのレーンに分け整列する。球が払出ユニット95に向かう途中には前記球ならし94によって球圧による隆起が押さえられるが、さらに球ならし95によってより効果的に球を均すようにし、払出ユニット92へ送り込むようにしてある。
【0034】
また、シュートユニット91の球通路上には、シュート球切れスイッチ131が設けられている。シュート球切れスイッチ131は、払出ユニット92までの球の有無を検出するスイッチであり、その検出信号は主基板100に入力され球の有無が監視される。このスイッチ131は、前記賞球タンク球有無スイッチ801と用途は類似するが、主基板100との接続有無が大きな違いとなる。
【0035】
払出ユニット92は、前記上受け皿3までの球通路を形成するとともに、球通路上に、球を送り出すための払出モータ222と、球の流れ(落下)を抑制する払出停止ソレノイド223と、貸出球と払出球の経路を切り換える経路切換ソレノイド224と、払出球を検出するための賞球検出スイッチ130と、貸出球を検出するための球貸し検出スイッチ220等が設けられている。
【0036】
前記払出モータ222と払出停止ソレノイド223は、前記払出制御基板200と接続され制御される。主基板100から払出制御基板200に所定の球の払出要求があると、払出制御基板200は、前記経路切換ソレノイド224を作動させ、球の経路を払出球側へとし、払出モータ222と払出停止ソレノイド223によって球を上受け皿3へ送出する。
【0037】
また、遊技者の操作により、カードユニットbからカードユニット接続基板900を介して、払出制御基板200に所定の球の貸出要求信号が入力されると、払出制御基板200は前記経路切換ソレノイド224を作動させ、球の経路を貸出球側へとし、払出モータ222と払出停止ソレノイド223によって球を上受け皿3へ送出する。
【0038】
また、要求の内容によって球経路を可変としているのは、賞球検出スイッチ130と前記球貸し検出スイッチ220によって、それぞれ所定の球数のカウントを分けて確実に計数するためである。さらに、賞球検出スイッチ130は主基板100に接続され、払出制御基板200と同様に所定の球数のカウントを行い、より正確に払出が行われたことを確認できるようにしている。
【0039】
前記上受け皿3からの溢れ球が下受け皿4へ流下するように形成された球通路上には、オーバーフロースイッチ133が設けられている。前記下受け皿4に貯留した球が一杯になり、該オーバーフロースイッチ133の設置位置まで球が達すると、その貯留した球の球圧によってスイッチが入力され、その検出信号は主基板100へ入力される。主基板100は前記オーバーフロースイッチ133の入力を検出すると、払出制御基板200に対して球の発射を停止するように指示情報を出力する。
【0040】
図3は遊技盤2の正面図である。
遊技盤2の正面には、発射された球を遊技領域17へ導くための誘導レール16と、遊技領域17に導かれた遊技球の流れに変化を与えるための釘(図示省略)や風車15と、各入賞口と、入賞口の一つである始動口21に入賞に起因した始動口スイッチ121の検出信号に基づき複数種類の識別情報の可変表示による表示遊技を行うほか、第2識別情報の可変表示による第2表示遊技を行う可変表示装置310と、普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126の検出信号により、普通図柄ゲーム(可変表示)を行う普通図柄表示装置140等が設けられている。
【0041】
また、遊技盤2の最下部には、遊技球が遊技領域17内の各入賞口の何れにも入らず落下した球を、遊技機外に排出するためのアウト口29が設けられている。アウト口29に球が入った場合には、遊技者に何らの特典も与えられず、賞品球の払い出しも行われない。
【0042】
さらに装飾ランプとして、可変表示装置310を作動させるための保留数(始動口21に入賞した球数で最大数は4個)を遊技者に報知するための特別図柄保留LED420、普通図柄表示装置140を作動させるための保留数(普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126により検出した球数で最大数は4個)を遊技者に報知するための普通図柄保留LED421、サイドケースランプ423、遊技枠状態ランプ424、センターLED425、ゲートLED426、アタッカーLED427、サイドLED428等が設けられている。
【0043】
前記入賞口には、始動口21、右袖入賞口22a、左袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23b、大入賞口24がある。遊技球が各入賞口に入賞すると、各入賞口に付設されたスイッチにより入賞球が検出され、入賞球が検出される毎に各入賞口に割り当てられた所定の賞品球が払い出される。
【0044】
このうち始動口21は、前述したように可変表示装置310で実行される表示遊技の実行権を確保するための入賞口であり、また大入賞口24は、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態を生成するものである。なお、可変表示装置310や大入賞口24について詳しくは後述する。
【0045】
図4は遊技盤2の背面図である。遊技盤2の背面には、既に図2で示したものと同様に、各種の制御基板やその関連部品等が組み付けられている。
制御基板としては、可変表示装置310の制御を行う表示器制御基板300、前記装飾ランプの制御を行うランプ制御基板400、音声の制御を行う音声制御基板500、外部機器と接続し盤用外部情報(大当たり1信号、大当たり2信号、図柄確定回数信号)を出力するための盤用外部端子板850等が設けられている。
【0046】
各入賞口の入賞球を検出するためのスイッチとして、始動口スイッチ121、右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123b等が各入賞口付近に設置されている。大入賞口24付近には、役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125が設けられている。各入賞口のスイッチは、それぞれの入賞口付近に設けられているが、入賞球が遊技機外に排出されるまでの通路上に配置することもできる。
【0047】
各入賞口に球が入賞すると、各入賞口スイッチにより検知され、検知される毎に、各入賞口毎に割り当てられた次の所定の賞品球の払出が行われる。始動口21には5発、右袖入賞口22a、左袖入賞口22b、右落とし入賞口23a、左落とし入賞口23bには8発、大入賞口24(役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125による入賞球の検出に対して)には15発と割り当てられている。賞品球数の割り当ては入賞口毎に固定化しているが、任意に変更することもできる。
【0048】
また、普通図柄表示装置140を作動させるための球を検出するスイッチとして、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126aと左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bが遊技盤2上の所定の位置に設けられており、それぞれ遊技領域17内を移動する球の通過を検出する。これら左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a,126bは通過入賞口として設けられている。
【0049】
役物を可変動作させる関連装置には、大入賞口24の扉を開閉させるための大入賞口ソレノイド134、大入賞口24に入賞した球の流れを前記役物連続作動装置スイッチ124とカウントスイッチ125の何れかに球の流れの方向を切り換えるための方向切換ソレノイド135、普通電動役物の拡縮動作するための普通電動役物ソレノイド136が設けられている。
【0050】
次に遊技盤2上の主要な構成要素についてさらに詳細に説明する。
前記始動口21は、一般に始動チャッカーと称されるものであり、その入賞口の左右両端に一対の可動片から成る条件変更手段を備え、普通電動役物ソレノイド136(図4参照)から成る駆動源で各可動片を開閉させるようになっている。始動口21は、各可動片の開閉動作により、球が入賞し難い通常の閉状態と入賞し易い開状態に変化する、いわゆる電動チューリップ役物として構成されている。
【0051】
始動口21に球が入賞することが、次述する可変表示装置310で表示遊技が実行されるための始動条件として設定されている。図6に示すように、始動口21は、球の入賞を検知する始動口スイッチ121を内部に備えている。始動口スイッチ121は入賞球を検知してONになると、検知信号を主基板100に出力するものである。なお、始動口スイッチ121は、例えば光センサ、近接センサ、あるいは磁気センサ等の各種センサにより構成すればよい。
【0052】
前記可変表示装置310は、その画面中に複数種類の識別情報を可変表示可能な表示領域を備えるものであり、液晶ユニットにより構成されているが、CRT表示器、ドラムユニット、7セグメント表示器等を採用することも可能である。前記始動口21に球が入賞し、前記始動口スイッチ121により入賞球が検出されると、可変表示装置310による表示遊技の権利が獲得され、表示遊技が実行される。表示遊技で用いられる複数種類の識別情報は1〜9の数字である。
【0053】
図14に示すように、本実施の形態における表示遊技では、可変表示装置310の表示領域は横3列の3つの表示部311〜313に分割されて使用される。表示遊技では、各表示部311〜313毎に複数種類の識別情報である1〜9の数字が縦方向へスクロールするように可変表示され、所定時間経過後に各表示部311〜313毎に1つずつ所定の数字が停止するように設定されている。各表示部311〜313はスロットマシンにおけるリールに相当している。
【0054】
前記表示遊技の表示結果として、各表示部311〜313に停止した数字が、予め定められた特定の組み合わせ(例えば「555」等と3つとも総て同一に揃った場合等)となった場合が特別停止結果態様と定められている。かかる特別停止結果態様が確定する前に、最後の表示部312を1つ残して他の2つの表示部311,313に停止した数字が一致した状態がリーチ態様に該当する。
【0055】
前記表示遊技の表示結果が最終的に特別停止結果態様に確定すると、後述する大入賞口24が所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が形成されるように設定されている。また、表示遊技の表示結果が、最終的に前記特別停止結果態様に確定しなかった場合は、はずれ表示態様に該当する。
【0056】
前記表示遊技の実行中、あるいは後述する特別遊技状態の発生中に、前記始動口21に球が入賞した場合には、表示遊技を実行する権利を獲得するが保留とされ、現在進行中の表示遊技等が終了した後、保留されていた権利が順次消化されるようになっている。ここで表示遊技の保留数は最大4個と設定されており、その数は前記特別図柄保留LED420によって報知される。
【0057】
また、前記表示遊技の表示結果が特別停止結果態様に確定した場合には、前記識別情報である1〜9の数字とは異なる形態の第2識別情報が導出され、前記表示遊技と同じく可変表示装置310の表示領域で、さらに第2識別情報を用いた第2表示遊技が実行される。ここで第2識別情報は、前記識別情報とは異なる形態のものであり、例えば前記識別情報とは異なる図柄ないし文字から成り、具体的には第2識別情報は、前記識別情報と同一形態の単なる数字ではなく、図15に示すようなルーレット盤の数字から成る。また第2識別情報は、前記識別情報とは異なる動作により可変表示される。
【0058】
もちろん第2識別情報は、前記ルーレット盤の数字だけに限られるものではなく、前記識別情報とは異なる形態のものであれば何でもよく、他に例えば、図16に示すようなトランプのカード、図17に示すようなサイコロの目、あるいは図18に示すような麻雀の牌等を模した様々な図柄ないし文字から構成することができるものである。第2表示遊技における可変表示の詳細については後述する。
【0059】
第2表示遊技は、前記表示遊技の終了後に特別遊技状態の発生に伴い開始されるが、特別遊技状態の終了時ないし終了前に、第2表示遊技の表示結果が、予め定められた第2識別情報から構成される特定結果態様に確定した場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化するように設定されている。特定結果態様や遊技者にとって有利な状態の変化についても詳細は後述する。
【0060】
前記大入賞口24は一般にはアタッカーと称されるものであり、ソレノイド(大入賞口ソレノイド134、方向切換ソレノイド135)等の駆動源の作動により、その入賞口が球の入賞し難い通常の閉状態と入賞容易な開状態とに変化し得るように構成されている。
【0061】
大入賞口ソレノイド134は、前記特別停止結果態様が確定したことを条件に所定の回数(例えば15回)だけ大入賞口24の扉の開閉動作を行うために作動する。方向切換ソレノイド135は、大入賞口24の扉が開放された状態において、前記役物連続作動装置スイッチ124側に入賞球を導くように通路部具を作動させ、役物連続作動装置スイッチ124によって入賞球が検出されると、次は前記カウントスイッチ125側に入賞球を導くように作動する。
【0062】
すなわち、大入賞口24は、前記表示遊技で特別停止結果態様となった際に、特別遊技状態を演出するように開閉制御される。ここで特別遊技状態とは、開状態に所定時間維持された後、閉状態に短時間戻るという開閉動作が、所定ラウンド回数(例えば15回)を限度に繰り返し実行される状態である。所定の球数(例えば10個)が大入賞口24に入賞するか、または、所定の時間(約30秒)が経過すると大入賞口24の扉は閉状態となる。そして、前記所定の回数だけ一連の動作が終了すると、前記特別遊技状態は終了となる。
【0063】
前記普通図柄表示装置140は、左右に分けたLED2灯の点灯によって可変表示を行う。このLED2灯以外の方法では、7セグメント表示器を使用する場合もある。左右に分けたLEDには、それぞれ「当たり」と「はずれ」が割り当てられ、左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a,126bにより球の通過を検出すると、普通図柄表示装置140による普通図柄ゲームの権利を獲得し普通図柄ゲームを行う。
【0064】
普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置140の左右のLEDの交互点滅による可変表示が開始され、所定の時間表示を行い停止すると左右どちらか一方の点灯表示となり、遊技者は判定の結果を目視し確認することができる。判定の結果「当たり」になると、前記始動口21の各可動片が、球が入賞し難い通常の状態(閉状態)から入賞し易い状態(開状態)に一時的に作動する。
【0065】
普通図柄表示装置140が可変表示中に、左右の普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a,126bによって通過球の検出があった場合は、普通図柄ゲームの権利を獲得するが保留とされ、現在進行中の普通図柄ゲームが消化された後、保留にされた権利が順次消化される。普通図柄ゲームの保留数は最大4個とし、前記普通図柄保留LED421によって報知される。
【0066】
次に遊技機本体1の制御に用いられる各種制御基板について説明する。
図5および図6は、遊技機本体1の制御に用いられる各種制御基板およびそれに関連する構成要素を示すブロック図である。図5、図6には、制御基板として、主基板100、払出制御基板200、表示器制御基板300、ランプ制御基板400、音声制御基板500、発射制御基板600、電源基板700が示されている。
【0067】
ここで主基板100および表示器制御基板300は、全体として表示制御手段1300を構成する。図13に示すように表示制御手段1300は、可変表示装置310における表示制御を実行するものであり、前記表示遊技の可変表示を制御するほか、該表示遊技の表示結果が特別停止結果態様に確定した場合に、前記表示遊技で用いた識別情報とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行する第2識別情報制御手段1310の機能も備えている。
【0068】
図13に示すように主基板100は、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合に、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態を変化させる制御を実行する遊技価値制御手段1200を備えている。また、主基板100は、乱数発生手段1100、乱数取得手段1110、第2乱数発生手段1120、第2乱数取得手段1130、乱数判定手段1140、第2乱数判定手段1150等の各種機能を実現するように構成されている。これら各手段の機能について詳しくは後述する。
【0069】
最初に、図6に示す主基板100について説明する。
主基板100は、主基板内部のクロック回路108が生成するクロックを基準に動作する。またクロック回路108が生成したクロックを内部タイマー107で分周して得た一定時間間隔の割り込み信号をCPU102に入力することで、一定時間毎に当該CPU102でタイマー割り込み処理を実行する。CPU102は、タイマー設定時間の間隔よりも短い時間で終了するように分割した処理を割り込み毎に実行することで一連の動作を遂行する。
【0070】
始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126b、右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bは、それぞれ球の入賞を検知するためのスイッチであり、これらのスイッチからの入力信号は、ゲート回路110に供給される。
【0071】
役物連続作動装置スイッチ124、カウントスイッチ125、右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130b、シュート球切れスイッチ131、ガラス枠開放検出スイッチ132、オーバーフロースイッチ133からの各入力信号は、ゲート回路111に供給される。
【0072】
ゲート回路110、111のアドレスは、CPU102のアドレス空間にメモリマップドI/O方式で設定されている。CPU102が出力するアドレス信号およびライト/リードの制御信号を、CPU102が出力するシステムクロックに従って、アドレスデコード回路113でデコードすることによりチップセレクト信号を生成する。
【0073】
このチップセレクト信号にてゲート回路110、111がセレクトされると、始動口スイッチ121等からの各入力信号がゲート回路を通じてデータバスに出力される。データバス上の各入力信号は、一定時間毎に発生する割り込み信号によって、次の割り込み処理が実行されるまでの間に複数回検出されてチャタリング防止処理が行われた後、入力信号毎に指定されたRAM領域に記憶される。
【0074】
始動口スイッチ121からの入力信号は5個賞球の賞球信号として、また右袖入賞口スイッチ122a、左袖入賞口スイッチ122b、右落とし入賞口スイッチ123a、左落とし入賞口スイッチ123bからの入力信号はそれぞれ8個賞球の賞球信号として、さらに役物連続作動装置スイッチ124、カウントスイッチ125からの入力信号は15個賞球の賞球信号として扱われ、それぞれのスイッチで検出された入賞個数が指定されたRAM領域に記憶される。またこれと同時に、賞球総数がCPU102で演算処理され、指定のRAM領域に記憶される。
【0075】
その他、始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bからの入力信号に対してそれぞれ乱数値がセットされ、これらの値がRAM領域に記憶される。このデータを基にして、遊技機本体1の遊技状態が設定され各制御基板にデータが出力される。
【0076】
各制御基板への出力データは、データバスの途中に設けたバッファ114を通り、さらに出力データバスを通してラッチ回路112a〜112gに出力される。出力用のラッチ回路とCPU102とを結ぶデータバスの途中にバッファ114を配置することでバス信号が一方向の流れになり、不正防止の対策となる。
【0077】
始動口スイッチ5個賞球RAM領域、左右袖入賞口スイッチ、左右落とし入賞口スイッチ8個賞球RAM領域、役物連続作動装置スイッチ、カウントスイッチ15個賞球RAM領域にデータがあることにより、CPU102は、各賞球数に設定された8ビット賞球データを順次、データバス、出力データバスを通じてラッチ回路112aに出力する。これと同調するように払出制御基板200に対する割り込み信号、ストローブ信号の制御信号をデータバス、出力データバスを通じてラッチ回路112eに出力する。
【0078】
メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路113でデコードして得たチップセレクト信号がラッチ回路112a、ラッチ回路112eに順次出力されると、8ビット賞球データがラッチ回路112aに、割り込み信号、ストローブ信号の制御信号がラッチ回路112eにそれぞれラッチされ、8ビットパラレル賞球出力信号と割り込み信号、ストローブ信号の2ビットの制御信号で構成された出力信号が、払出制御基板に賞球データとして出力される。
【0079】
図7に示す払出制御基板200は、球排出機構を制御して、賞球データに対応した数の賞球排出を行うものである。排出した賞球の検知を、右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130bで行い、その検出信号がゲート回路211に出力される。チップセレクト信号がアドレスデコード回路213からゲート回路211に出力されることにより、右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130bの出力する検知信号がデータバス上に出力されCPU102に取り込まれる。
【0080】
これらの検出信号に基づいて、実際に払い出した賞球総数がCPU102で演算処理され、その値がRAM領域の記憶データから減算処理され、リアルタイムに賞球総数のデータが更新される。また排出賞球数の設定数毎に出力信号がラッチ回路112fに出力され、アドレスデコード回路113のチップセレクト信号に同期して外部へパルス出力される。
【0081】
始動口スイッチ121、右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bの入力信号に対してそれぞれ乱数値を取得し、これに基づいてCPU102で遊技演出の種類(制御パターン)が決定され、遊技状態演出データが生成されてRAM領域に記憶される。
【0082】
また、表示器制御基板300へは、前記遊技状態演出データに対応した停止図柄を定める各停止図柄に関するデータが時系列に表示演出データとして出力される。すなわち、CPU102から8ビット認識コード、表示状態演出8ビットデータが、データバスを通じてラッチ回路112bに順次出力されると、これらと同調するように表示器制御基板300への割り込み信号、各ストローブ信号の2ビット制御信号がラッチ回路112eへ出力される。
【0083】
これらの信号は、メモリマップドI/Oで制御されたアドレスデコード回路113からデコードされて出力されるチップセレクト信号に基づくタイミングで、順次ラッチ回路にラッチされてパラレル出力され、時系列に各停止図柄に関するデータや、変動停止データ等が表示演出データとして、表示器制御基板300に順次出力される。
【0084】
表示演出データに同調して、8ビットパラレルランプ表示出力データと制御信号が、ランプ制御表示基板400にラッチ回路112cを通じて出力される。また、表示演出データに同調して、8ビットパラレル音源出力データと制御信号が音声制御基板500にラッチ回路112dを通じて出力される。すなわち、各データがデータバスに出力されるタイミングに同調してアドレスデコード回路からチップセレクト信号が出力され、ラッチ回路112c、112dにデータバス上のデータがラッチされて、ランプ制御表示基板400等に出力される。
【0085】
遊技状態が特別遊技状態(大当たり)の場合、遊技状態演出データに同調して大入賞口ソレノイド134の制御データがラッチ回路112gに出力され、かつアドレスデコード回路113からのチップセレクト信号がラッチ回路112gに入力される。これによりラッチ回路112gから大入賞口ソレノイド134の制御データが出力され、大入賞口ソレノイド134が駆動され、大入賞口24が開閉状態になって球を大入賞口24に誘導可能となる。
【0086】
大入賞口24内部の特定領域に配置された役物連続作動装置スイッチ124が球を検知すると球検知信号が出力され、この信号がゲート回路111を介してデータバスに出力されCPU102に取り込まれる。役物連続作動装置スイッチ124から出力された球検知信号に基づく検出処理の結果、方向切換ソレノイド135の制御データがラッチ回路112gに出力され、方向切換ソレノイド135が制動される。同時に役物連続作動装置スイッチ124から出力された球検知信号に基づき、大当たり状態を次回のラウンドへ継続するか否かを示すラウンド継続データがRAM領域に記憶される。
【0087】
方向切換ソレノイド135が制動されることにより、大入賞口24内に配置されたカウントスイッチ125で球が計数される。カウントスイッチ125で計数されたデータの総合計数が所定の数量に到達するとラッチ回路112gの出力データが変更され、大入賞口ソレノイド134、方向切換ソレノイド135が非能動状態になり、1回の大当たりラウンドが終了する。所定時間後、ラウンド継続データがラウンドの継続を示している場合には、上述した制御方法により大当たり状態ラウンドがさらに継続する。
【0088】
右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126a、左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ126bからの入力信号に対してそれぞれ乱数値が取得される。この乱数値に基づいて、普通図柄表示装置140(普通図柄LED1、普通図柄LED2)の表示制御データが生成され、これがCPU102からデータバスを通じてラッチ回路112gに出力される。そしてアドレスデコード回路113からチップセレクト信号が出力される毎に普通図柄LED表示が一定時間行われる。
【0089】
乱数値の取得結果が当たりの場合には、前記始動口21の各可動片を作動させる普通電動役物ソレノイド136の制動データが、CPU102からラッチ回路112gに出力されると共に、アドレスデコード回路113からのチップセレクト信号に応じてラッチ回路112gから一定時間出力されて普通電動役物ソレノイド136が制御される。それにより、遊技盤2において球が始動口21に入賞し易い状態が発生する。
【0090】
主基板100に電源が供給されると、電源基板700よりリセット信号が供給され主基板100の各デバイスはリセット状態になる。その後システムリセット信号が非能動状態となり、各デバイスは能動状態に遷移する。システムリセット信号が非能動状態に信号変化するとクロック同期、遅延回路109による遅延処理により一定時間の経過後にワンチップマイコン101へのリセット信号が非能動となる。これによりワンチップマイコン101が稼動状態になり、主基板100の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン101の初期設定が行われる。
【0091】
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板700から停電検出信号がワンチップマイコン101のNMI(ノンマスカブルインターラプト)105に供給され、ワンチップマイコン101において各記憶領域の退避動作が行われる。
【0092】
具体的には、一定時間にわたって賞球検出データの検知を行った後、RAM領域に停電処理判定のデータを保存し、RAM104の保護を行う。すなわち、電源電圧が低下する事で、電源基板700からRAM104にバックアップ電源DC5VBBが供給され、RAM104の記憶状態が保持される。
【0093】
電源が次に供給されたとき、停電処理判定のデータの有無に基づき停電処理のあったことを認識すると、ワンチップマイコン101は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU102はI/Oポート106のデータを検出してRAM領域の初期化を行う。
【0094】
シュート球切れスイッチ131で球切れを検知した信号およびオーバーフロースイッチ133で遊技盤面の下皿にて賞球の球詰まりを検出した信号は、ゲート回路111およびデータバスを通じてワンチップマイコン101に取り込まれる。これらの信号は、データ変換後、ラッチ回路112aから賞球出力データと同じ構成にて払出制御基板200へ出力される。該ラッチ回路112a〜112gの出力は、一方向であり、不可逆性の出力形態をとる。
【0095】
主基板100は、主基板内部のクロック回路108が生成するクロックを基準に動作する。また内部タイマー107は、分周動作により一定時間間隔で割り込み信号をCPU102に発生する。CPU102は、当該割り込み信号が入力される一定時間毎に各種処理を行うようになっている。
【0096】
次に、図7に示す払出制御基盤200について説明する。
払出制御基板200は、主基板100から受信のみの一方向通信を行い、8ビットパラレル賞球データ、賞球データ制御信号1、賞球データ制御信号2で構成された通信データを受信する。
【0097】
賞球データ制御信号1が、ワンチップマイコン201のカウンタ回路202に入力されると、当該カウンタ回路202からCPU203に割り込み信号が出力される。これにより、賞球データ制御信号1は、CPU203に対して賞球データの取り込みをトリガーとする。
【0098】
CPU203は、アドレスデコード回路213を通じてチップセレクト信号をゲート回路212、ゲート回路211に出力し、ゲート回路212、211に入力されている賞球データや各種の信号をゲート回路およびデータバスを介して取り込み、RAM205に保存する。そして、取り込んだ賞球データに対応する賞球数で順次、払出動作を行う。
【0099】
CPU203は、賞球経路切換信号を、データバスを通じてラッチ回路215に出力し、これと同時にアドレスデコード回路213からチップセレクト信号を出力させる。これにより賞球経路切換信号がソレノイド224に出力され、払出動作の賞球経路確保が行われる。その後、ラッチ回路214に払出停止ソレノイド信号の停止解除信号を出力し、払出モータ222に払出モータ制御信号1,2,3,4を順次出力し、チップセレクト信号の出力タイミングによりモータ回転の制御をしながら賞球払出動作を行う。
【0100】
クロック回路209のクロックを基準に、内部タイマー208で一定時間間隔の割り込み信号をCPU203に対して生成し、この割り込みタイミングで賞球払出球の検出信号をデータバスに取り込み、所定の賞球数を検出したとき、払出停止ソレノイド223、払出モータ222の駆動を停止する。なお、賞球払出球の検出は、球貸し経路に設置された右賞球検出スイッチ130a、左賞球検出スイッチ130bで行われ、これらの検出信号はゲート回路211にチップセレクト信号を出力することでデータバスに取り込まれる。
【0101】
球貸し動作は、カードユニット(CR球貸機)bとの間で球貸し信号を、ゲート回路211、ラッチ回路215を通して送受信することにより行われる。球貸し動作時、CPU203はラッチ回路215を通して球貸し経路切換信号を経路切換ソレノイド224に出力して球貸し経路を確保し、球貸し経路に設置された右貸し球検出スイッチ220a、左貸し球検出スイッチ220bで貸し球の検出を行い、払出動作を行う。
【0102】
球貸し動作において、一定数毎にラッチ回路215から外部へ情報出力される。また、球貸し信号の送受信が正常な状態において、ラッチ回路215から、発射制御基板600に対して発射許可信号が能動状態で出力される。また球貸し信号の送受信に異常が発生すると、発射許可信号は非能動状態に変化し、球発射不可能な状態になる。しかし、球貸し信号の送受信が正常な状態に復帰することで、発射可能となる。
【0103】
その他、払出動作においては、主基板100から、賞球データにシュート球切れスイッチ131のシュート球切れ信号、および遊技機本体1の下受け皿4に設置されたオーバーフロースイッチ133のオーバーフロー信号が送信されると、払出制御基板200は払出動作を停止する。また賞球データに各解除信号が送信されることにより払出動作を再開する。
【0104】
払出制御基板200に電源が供給されると、電源基板700よりシステムリセット信号が供給され、払出制御基板200の各デバイスはリセット状態になる。その後、リセット信号が非能動状態で、各デバイスは能動状態に遷移する。
【0105】
クロック同期・遅延回路210の遅延処理により、ワンチップマイコン201へのリセット信号は、元のリセット信号が非能動状態に信号変化してから一定時間の経過後に非能動になる。こうして元のリセット信号が非能動状態になってから一定時間の経過後に、ワンチップマイコン201は稼動状態になり、払出制御基板200の動作状態が保たれる。その後、ワンチップマイコン201の初期設定が行われる。
【0106】
遊技機外部供給の電源が不安定な場合には、電源基板700からワンチップマイコン201のNMI(ノンマスカブルインターラプト)206に停電検出信号が供給され、ワンチップマイコン201において各記憶領域の退避動作が行われる。具体的には、一定時間にわたって賞球検出データの検知を行った後、RAM領域に停電処理判定のデータを保存し、RAM205の保護を行う。
【0107】
電源電圧が低下する場合は、電源基板700からRAM205にバックアップ電源としてDC5VBBが供給され、RAM205の記憶状態が保持される。再度電源供給がされたとき、停電処理判定のデータの存在を認識することで、ワンチップマイコン201は停電復旧処理を行う。初期設定の時、RAM初期化信号が能動状態であれば、CPU203はI/Oポート106のデータを検出して、RAM領域の初期化を行う。
【0108】
次に、図8に示す表示器制御基板300について説明する。
表示器制御基板300は、主に遊技盤2上に設置された可変表示装置310の制御を行う。表示器制御基板300は、所定の画像処理手順(プログラム)や画像制御データを記憶している表示器制御ROM302と、所定の画像処理手順を読み取り実行する表示器制御CPU301を有している。
【0109】
また表示器制御基板300は、前記表示器制御CPU301によって画像処理手順を実行することで取得した情報を記憶するための表示器制御RAM303と、主基板100からの指示情報や表示器制御基板内の各制御IC等と入出力を行うための入出力インターフェース306と、表示器制御CPU301によって、入出力インターフェース306を介して制御指示情報を取得し、具体的な画像を生成する画像制御IC304を有している。
【0110】
さらに表示器制御基板300は、画像制御IC304に管理され、多種多様な画像をデータ化し記憶している画像データROM305と、前記表示器制御CPU301が正常に動作し画像が表示されていることを確認するための信号を外部に出力するための試射試験端子307等を有している。
【0111】
表示器制御CPU301には、入出力インターフェース306を介して、主基板100からパラレル通信によって指示情報が入力される。表示器制御CPU301は、入力された指示情報の内容を、表示器制御ROM302に記憶されている画像処理手順に従って実行し、表示器制御RAM303に情報を整理して格納しながら、画像制御IC304へ具体的な指示を行う。
【0112】
画像制御IC304は、表示器制御CPU301の指示に従い、画像データROM305を参照して、具体的な映像信号を生成し、可変表示装置310へ出力する。図8のブロック図では、画像制御IC304が生成した画像データやパレット(色)情報等を一時的に記憶しておく領域であるVRAMが図示されていないが、画像制御IC304の内部にVRAMを内蔵したワンチップマイコンで構成してもよい。
【0113】
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700から表示器制御CPU301に入力される。その後、表示器制御CPU301は、表示器制御ROM302に記憶されている画像制御手順に従って、表示器制御基板300内の各制御回路の初期化を行う。
【0114】
次に、図9に示すランプ制御基板400について説明する。
ランプ制御基板400は、遊技機本体1の前面や遊技盤2上に設置された遊技機状態ランプ422、サイドケースランプ423、各種LED424〜428,420,421等の点灯制御を行うものである。
【0115】
ランプ制御基板400は、所定のランプ制御処理手順(プログラム)や制御データを記憶しているランプ制御ROM402と、所定のランプ制御処理手順を読み取り実行するランプ制御CPU401と、ランプ制御CPU401によってランプ制御処理手順を実行することで取得した情報を記憶するランプ制御RAM403と、主基板100からの指示情報やランプ制御基板400内の各制御回路等と入出力を行うための入出力インターフェース404と、ランプ制御CPU401によって入出力インターフェースを介してランプ制御基板400と接続している各ランプ・LEDの点灯信号を、駆動させるためのドライバー回路405等で構成されている。
【0116】
ランプ制御CPU401には、入出力インターフェース404を介して、主基板100からパラレル通信により指示情報が入力される。ランプ制御CPU401は、入力された指示情報の内容をランプ制御ROM402に記憶されているランプ制御処理手順に従って実行し、ランプ制御RAM403に情報を整理して格納しながら、ドライバー回路405を動作させ、接続されている各ランプ・LEDの点灯・消灯を行う。
【0117】
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700からランプ制御CPU401に入力される。そして、ランプ制御CPU401は、ランプ制御ROM402に記憶されている制御手順に従って、ランプ制御基板内の各制御回路の初期化を行う。
【0118】
次に、図10に示す音声制御基板500について説明する。
音声制御基板500は、遊技機本体1が遊技状態にある時、ゲーム演出による効果音や音声等の制御を行うものである。また、遊技状態でない場合は、遊技機本体1の異常状態を知らせるための警告音等の制御を行う。
【0119】
音声制御基板500は、所定の音声処理手順(プログラム)や制御データを記憶している音声制御ROM502と、所定の音声制御手順を読み取り実行する音声制御CPU501と、音声制御CPU501により音声処理手順を実行して取得した情報を記憶する音声制御RAM503と、主基板100からの指示情報や音声制御基板500内の各制御IC等と入出力を行うための入出力インターフェース506と、音声制御CPU501により入出力インターフェースを介し制御指示情報を取得して具体的な音声を生成する音声制御IC504と、音声制御IC504に管理され、多種多様な音声をデータ化し記憶している音声データROM505と、音声制御IC501から生成された音声信号を増幅するアンプ回路507から構成される。
【0120】
音声制御CPU501は、入出力インターフェース506を介して、主基板100からパラレル通信により指示情報が入力される。音声制御CPU501は、入力された指示情報の内容を音声制御ROM502に記憶されている音声制御手順に従って実行し、音声制御RAM503に情報を整理して格納しながら、音声制御IC504へ具体的な指示を行う。
【0121】
音声制御IC504は、音声制御CPU501の指示に従い、音声データROM505を参照し、具体的な音声の信号を生成しアンプ回路507へ出力する。電源基板からのリセット信号は、パチンコ機に電源が投入されると、該電源基板700から音声制御CPU501に入力され、音声制御CPU501は音声制御ROM503に記憶されている音声制御手順に従い、音声制御基板内の各制御回路の初期化を行う。
【0122】
次に、図11に示す発射制御基板600について説明する。
発射制御基板600は、発射モータ653に使用されているパルスモータの回転数を、所定の回転数にするためのパルスを生成する回路である発振回路601と、分周回路602と、ハンドル部650内のタッチセンサ651からの信号、ストップスイッチ652からの信号、電源基板700からのリセット信号、そして前記払出制御基板200からの発射許可信号を判断し、発射モータ駆動信号を生成するモータ駆動信号制御回路603と、パルスモータ(発射モータ653)の各コイルに励磁させるためのドライバー回路604等から構成されている。
【0123】
前記ハンドル部650は、遊技者がハンドル5に触れているか否かを検出するタッチセンサ651、遊技者が任意に球の発射を停止できるようにするストップスイッチ652、球を発射させるためのパルスモータ653(発射モータ)等で構成されている。
【0124】
電源基板700からのリセット信号は、遊技機本体1に電源が投入されると、電源基板700からモータ駆動信号制御回路603へ入力され、発射制御基板600の各回路を初期化する。
【0125】
ハンドル部650内のタッチセンサ651は、遊技者がハンドル5に触れている状態であれば発射が可能であるとみなす信号を出力し、遊技者がハンドル5に触れていない状態であれば、発射が不可能であるとみなす信号をモータ駆動信号制御回路603にそれぞれ出力する。
【0126】
ストップスイッチ652は、遊技者が任意に球の発射を停止することができるように設けたスイッチであり、遊技者によりストップスイッチ652の操作がされた場合に、モータ駆動信号制御回路603に球の発射停止信号を出力し、ストップスイッチ652の入力がない場合に、球の発射信号を出力する。
【0127】
また、ストップスイッチ652は、遊技者から何らストップスイッチ652に対し操作がなく、ハンドル5を回転させた状態にない場合には、ストップスイッチ652から入力がされた状態と同じ信号を出力する。すなわち、ハンドル5内部の構造上、ハンドル5が回転していない状態ではストップスイッチ652からの信号が入力されている状態になるようになっている。つまり、遊技機本体1に電源が投入され、前記リセット信号がモータ駆動信号制御回路603に入力され、各回路の初期化が行われた後、遊技者がハンドル5に触れて回転させた状態になって初めて球が発射される。
【0128】
次に、図12に示す電源基板700について説明する。
外部から供給されるAC24Vをダイオードブリッジ整流器で全波整流を行い、直流電源DC24Vを生成する。DC24V電源にダイオードを通してコンデンサーで平滑を行い、DC32V電源を生成する。DC24V、DC32Vは非安定電源である。
【0129】
DC24Vを電源回路701に供給して、安定電源DC18V、DC12V、DC5Vの定電圧電源が生成され、前記主基板100、前記払出制御基板200、前記ランプ制御基板400、前記音声制御基板500、前記表示器制御基板300、前記発射制御基板600に供給される。
【0130】
生成されたDC5Vの定電圧電源を、ダイオードを通してバックアップ回路702のコンデンサーに接続して、DC5VBBのバックアップ電源を生成し、DC5VBBが主基板100、前記払出制御基板200に供給される。前記AC24Vはカードユニット接続基板900に供給され、前記払出制御基板200とカードユニットbの通信用電源、操作パネル基板aの電源に使用される。
【0131】
DC24V電源の電圧レベルを電圧検出回路708で検出して遅延回路707に出力する。遅延回路707は内部時定数500ミリsecの遅延時間をもち、電圧検出回路708の連続出力時間が遅延回路707の時定数より大きくないと遅延回路707は出力信号を出力しない。この為、DC24V電源の電圧レベルが遅延回路707の時定数より小さい時間の電圧変動および電源停止は無視され停電検出信号は電源基板より外部に出力されない。
【0132】
遅延回路707に時定数より大きな入力信号があると、遅延回路707は停電検出信号を前記主基板100、前記払出制御基板200、シフトレジスタ704のシリアル入力端子に出力する。8ビットシフトレジスタ704は、クロック回路706より周期20ミリsecのクロックが常時入力されている。
【0133】
ここで8ビットのデータ入力端子はゼロに固定している。この為、停電検出信号が8ビットシフトレジスタ704に入力すると、8クロック(約160ミリsec)後8ビットシフトレジスタ704からリセット信号が前記主基板100、前記払出制御基板200、前記発射制御基板600、前記表示器制御基板300、前記ランプ制御基板400、前記音声制御基板500に出力される。
【0134】
電源立ち上げ時および停電復帰後、周辺回路電源立ち上げ時より遅延回路707の時定数の時間、停電検出信号およびリセット信号は能動状態で出力している。遅延回路707の時定数の時間後、停電検出信号は非能動状態になり、リセット信号は、8ビットシフトレジスタ704の8クロック後非能動状態で出力される。RAM初期化信号は、RAM初期化スイッチ705を手動で押すことにより能動状態で前記主基板100、前記払出制御基板200に出力される。
【0135】
次に本遊技機の作用について説明する。
図13は、遊技機本体1のうち表示遊技および第2表示遊技の実行に関わる部分の概略機能構成と、表示遊技および第2表示遊技の流れを示している。先ず図1において、遊技者がハンドル5を操作するとパチンコ球が遊技盤2に形成されている遊技領域17に打ち出されるが、始動口21にパチンコ球が入賞すると、始動口スイッチ121によって検出される。
【0136】
図3において乱数発生手段1100は、乱数(例えば0〜316の中の何れかの数字)を一定間隔で継続的に発生し、乱数取得手段1110は、前記始動口スイッチ121からの検出信号に基づき該信号の入力時に、前記乱数発生手段1100から大当たり乱数としての乱数値(大当たり乱数値)を取得する。これと同時に乱数取得手段1110は、図示省略した識別情報乱数発生手段から識別情報乱数としての乱数値(識別情報乱数値)を取得するようになっている。
【0137】
乱数取得手段1110の取得した大当たり乱数値と識別情報乱数値は、それぞれ記憶手段であるRAM104に先入れ先出し形式で記憶される。ここで大当たり乱数値と識別情報乱数値は、それぞれ前記始動口スイッチ121によるパチンコ球の検出毎に互いに対応付けられて1組となり、前述した特別図柄保留LED420に表示される権利の保留数として、最大4組まで記憶される。
【0138】
RAM104に記憶された各乱数値は、表示遊技を開始する際に読み出される。この時、乱数判定手段1140は、RAM104から読み出した大当たり乱数値と所定の大当たり判定値(当たり乱数)とを比較し、大当たりか否かを判定する。今回読み出された大当たり乱数値が大当たり判定値と一致するか否かに応じて、当該乱数値と組になっている識別情報乱数値に従って、表示遊技の最終的な表示結果を構成する3つの識別情報の組み合わせが定められる。ここで大当たり乱数値が大当たり判定値と一致することが特別停止結果態様に相当する。
【0139】
図13に示すように表示遊技の流れとしては、初期画面からリーチ態様を経て特別停止結果態様になる場合がある。また、初期画面からリーチ態様を経てはずれ表示態様になる場合と、初期画面からリーチ態様を経ずにはずれ表示態様になる場合がある。これらの変動パターンに従って、表示制御手段1300の制御により表示遊技は実行される。かかる表示遊技では識別情報として1〜9の数字が用いられ、スロットマシンを模した内容となる。
【0140】
詳しくは図14において、先ず図14(a)に示すように、可変表示装置310の表示領域に3つの表示部311〜313が出現し、各表示部311〜313毎に1〜9の数字が縦方向にスクロール変動する。所定時間が経過すると、図14(b)に示すように、左端の表示部311で何れかの数字が停止確定し、続いて図14(c)に示すように、右端の表示部313でも何れかの数字が停止確定する。
【0141】
図14(c)に示す如く2つの数字が停止確定した時点で、これらが同一に揃う状態がリーチ態様に相当する。そして最後に図14(d)に示すように、中央の表示部312でも何れかの数字が停止確定する。同図(d)の如く3つの数字が停止確定した表示結果として、総て同一数字に揃う識別情報の組み合わせが特別停止結果態様に相当する。
【0142】
表示遊技の表示結果が特別停止結果態様に確定した場合には、大入賞口24が例えば15回を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が形成され、それにより遊技者に遊技価値が付与される。なお、表示遊技の途中でリーチ態様が出現しても結局特別停止結果態様に確定しなかった場合や、リーチ態様が出現しなかった場合には、それぞれはずれ表示態様となり遊技価値が付与されることはない。
【0143】
本遊技機では、前記大当たり乱数値が大当たり判定値と一致する旨判断された場合、すなわち前記特別停止結果態様が確定した場合、表示制御手段1300は、第2識別情報制御手段1310によって、前記識別情報(1〜9の数字)とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行する。
【0144】
図13に示す第2乱数発生手段1120は、乱数(例えば0〜10の中の何れかの数字)を一定間隔で継続的に発生し、第2乱数取得手段1130は、前記大当たり乱数値が大当たり判定値と一致する旨判断された時点ないし前記特別停止結果態様が確定した時点で、前記第2乱数発生手段1120から当たり乱数としての乱数値(当たり乱数値)を取得する。
【0145】
これと同時に第2乱数取得手段1130は、図示省略した第2識別情報乱数発生手段から第2表示遊技の表示結果を構成する第2識別情報に関する乱数値(第2識別情報乱数値)も取得する。第2乱数取得手段1130の取得した当たり乱数値と第2識別情報乱数値は、それぞれ記憶手段であるRAM104にいったん記憶される。
【0146】
第2識別情報制御手段1310は、前記特別停止結果態様が確定した後に所定のタイミングで、RAM104にいったん記憶された各乱数値を読み出し、前記可変表示装置310の表示領域で今度は第2表示遊技を実行する。この時、第2乱数判定手段1150は、RAM104から読み出した当たり乱数値と所定の当たり判定値(当たり乱数)とを比較し、当たりかはずれかを判定する。
【0147】
今回読み出された当たり乱数値が当たり判定値と一致するか否かに応じて、当該乱数値と組になっている第2識別情報乱数値に従って、第2表示遊技の最終的な表示結果が定められる。ここで当たり乱数値が当たり判定値と一致することが特定結果態様に相当する。第2表示遊技は、例えば前記表示遊技の終了後に特別遊技状態の発生に伴い開始され、特別遊技状態の終了時ないし終了前に、何れかの表示結果に確定する。
【0148】
図13に示すように第2表示遊技の流れとしては、初期画面から第2識別情報の所定の可変表示を経て、表示結果が特定結果態様に確定する場合と、表示結果がはずれ結果態様に確定する場合がある。第2識別情報は、前記表示遊技で用いる識別情報とは異なる形態であり、また第2識別情報は、前記識別情報とは異なる動作により可変表示される。本実施の形態では、図15に示すように第2識別情報として、ホイール314上に並ぶルーレット盤の数字が用いられる。そのため、第2表示遊技はルーレットゲームを模した内容となる。
【0149】
詳しくは図15において、先ず図15(a)に示すように、可変表示装置310の表示領域にルーレット盤のホイール314とその一点を示すポインタ315が出現する。そしてホイール314の円周方向に沿って、所定の配列の各種数字群が一斉に周回する様子が表示される。図15(b)に示すように、各種数字の周回中に、予め当たり役と定められている「3」,「5」,「7」の数字が周回しながら点滅するような状態を、特定結果態様に推移する確率が高いことを示す予告表示態様としても面白い。
【0150】
所定時間が経過すると、図15(c)に示すように、各種数字の周回が停止するが、この停止した時点でポインタ315が示す特定位置にちょうど停止した数字が、前記当たり役の「3」,「5」,「7」の何れかであれば、当該表示が特定結果態様となる。このような特定結果態様は、前記予告表示態様の出現を前提として停止確定し得るが、もちろん予告表示態様の出現後に、特定結果態様が停止確定するとは限らないことは言うまでもない。
【0151】
なお、第2表示遊技の変形例として、ホイール314上に各種数字を所定の配置で固定した上で、発光体がホイール314上を円周方向に沿って周回する様子を所定時間に亘り可変表示させた後、前記発光体が停止した位置にある数字が当たり役であった場合が、特定結果態様に相当するように設定してもよい。
【0152】
以上のように、遊技者は前記表示遊技とは全く別の趣向の第2表示遊技も十分に楽しむことができる。しかも、第2表示遊技の表示結果が、予め定められた第2識別情報から構成される特定結果態様に確定した場合には、遊技価値制御手段1200の制御によって、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化する。
【0153】
ここで遊技者にとって有利な状態とは、本実施の形態では、次回以降の前記表示遊技で、その表示結果が特別停止結果態様に確定する確率が高くなる確変モードや、普通図柄表示装置140における1回あたりの可変表示時間を所定回数に限り通常時よりも短縮する時短モードが該当する。
【0154】
確変モードが設定されると、例えば次回の表示遊技で特別停止結果態様が確定するまで、遊技者にとって有利な状態として維持され、次回の表示遊技で特別停止結果態様が確定した時点で、確変モードは終了して通常の遊技状態に戻る。また、時短モードが設定されると、例えば普通図柄表示装置140で100回分の可変表示が行われるまで、あるいは次回の表示遊技で特別停止結果態様が確定するまで、遊技者にとって有利な状態として維持され、時短モードにおいて普通図柄表示装置140で100回目の可変表示が終了した時点、あるいは次回の表示遊技で特別停止結果態様が確定した時点で、時短モードは終了して通常の遊技状態に戻る。
【0155】
本遊技機では、このような確変モードや時短モードが、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合に設定され、しかも、これらの各モードが、前記特定結果態様に確定する度に交互に選択されて設定されることにより、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が一律ではなく変化するようになっている。
【0156】
すなわち、確変モード中や時短モード中ではなく、遊技者にとって有利な状態が特に発生していない通常の遊技状態で、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、これに基づき先ず確変モードが設定される。その後、再び第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、その前段階の表示遊技で特別停止結果態様が確定した時点で確変モードは終了するが、次は確変モードに代わって時短モードが設定されることになる。さらにその後、再び第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、時短モードに代わって確変モードが設定される。このように確変モードと時短モードとは、第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定する度に交互に繰り返される。
【0157】
あるいはまた、前記確変モードや時短モードを、次回の表示遊技で特別停止結果態様が確定した時点では終了せず、所定時間ないし回数を限度に維持するように設定した場合には、各モードの発生中でも第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定する場合が考えられるが、このような場合には第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した時点で、確変モード中であればこれを強制終了して新たに時短モードを設定し、逆に時短モード中であればこれを強制終了して新たに確変モードを設定するように構成してもよい。
【0158】
何れの場合にしろ、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化することにより、前記表示遊技とは全く異なる表示内容の第2表示遊技の実行と相俟って、よりいっそうと遊技全体の興趣を高めることができる。
【0159】
また、前記実施の形態では、第2表示遊技を、前記可変表示装置310の画面を表示遊技の画面から切り替えた新たな画面上で実行するように構成したが、同じく可変表示装置310において表示遊技とは別に区画した表示領域上で実行してもよい。さらに図19に示すように、前記可変表示装置310とは別体である第2可変表示装置310Aを遊技盤2上の適所に設けて、この第2可変表示装置310Aで前記第2表示遊技を専用に表示するように構成してもよい。
【0160】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。また、前述した実施の形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ機に適用した場合について説明したが、遊技機はパチンコ機に限られず、プログラム制御されるスマートボールゲーム機、アレンジボールゲーム機といった他の遊技機にも同様に本発明を適用することができる。
【0161】
また、前記実施の形態では、図15に示すように第2識別情報として、ホイール314上に並ぶルーレット盤の数字を採用し、第2表示遊技をルーレットゲームを模した内容としたが、もちろん第2識別情報は、前記ルーレット盤だけに限られるものではなく、前記識別情報とは異なる形態のものであれば何でもよい。例えば、図16に示すトランプのカード、図17に示すサイコロの目、あるいは図18に示す麻雀の牌等を模した様々な図柄ないし文字から構成することができる。以下、図16〜図18に示す第2識別情報による第2表示遊技の内容について説明する。
【0162】
図16に一例を示す第2表示遊技の場合には、第2識別情報としてトランプのカードを模した図柄が用いられる。そのため、第2表示遊技はトランプゲームを模した内容となる。ここでトランプのカードは、ハート、スペード、ダイヤ、クラブの組札と、1〜10,Jack,Queen,Kingの番号を組み合わせたものであり、切り札としてのジョーカーも加えるとよい。
【0163】
詳しくは図16において、先ず図16(a)に示すように、可変表示装置310の表示領域にシャッフルされたカードが4枚裏返しに並べられた状態が表示され、所定時間経過後に図16(b)〜(e)に示すように、1枚ずつ順次カードをめくって表にする状態が表示される。かかる第2表示遊技の途中で、図16(d)に示すように、それぞれの組札で全部で4枚ずつある同一数字のカードが3枚揃えば、かかる表示状態はリーチ態様に相当する。
【0164】
続いて図16(e)に示すように、最後にめくった4枚目のカードも同一数字であれば、かかる同一数字のカードが総て揃った第2識別情報の組み合わせが特定結果態様となる。また、組札3つのカードで同一数字に揃って、これにジョーカーを加えた組み合わせも、特定結果態様と定めるとよい。もちろん、リーチ表示態様や特定結果態様を構成するカードの組み合わせは、他にも任意に定めることができ、例えばポーカーの役等、既存のトランプゲームのルールを利用しても面白い。
【0165】
図17に一例を示す第2表示遊技の場合には、第2識別情報として、サイコロの賽(サイ)の目が用いられる。そのため、第2表示遊技はサイコロゲームを模した内容となる。
詳しくは図17において、先ず図17(a)に示すように、可変表示装置310の表示領域に転がる状態の2つのサイコロが表示される。所定時間が経過すると、図17(b)に示すように、一方のサイコロが停止するが、この停止したサイコロの目が偶数であった場合には、この表示状態を、特定結果態様に推移する確率が高いことを示す予告表示態様としても面白い。
【0166】
そして最後に、図17(c)に示すように、もう一方のサイコロも停止した時点で、このサイコロの賽の目が、最初に停止したサイコロと同じ数字に揃う第2識別情報の組み合わせが、特定結果態様と定められている。もちろん、最初に停止するサイコロの目が奇数であった場合を予告表示態様として、2つの同じ奇数の目が揃った状態を特定結果態様と定めるようにしてもよい。あるいは予め定めた賽の目が出ることを特定結果態様と任意に定めることもできる。
【0167】
図18に一例を示す第2表示遊技の場合には、第2識別情報として、麻雀の牌を模した図柄が用いられる。そのため、第2表示遊技は麻雀ゲームを模した内容となる。ここで麻雀の牌は、字牌と数牌に分けられ、さらに分けると字牌には三元牌と四風牌、数牌には萬子・筒子・索子がある。もちろんこれら総ての牌に対応する図柄を用意する必要はなく、一部の牌のみを図柄として用いればよい。
【0168】
詳しくは図18において、先ず図18(a)に示すように、可変表示装置310の表示領域に3枚の牌が配られた状態が表示され、所定時間経過後に図18(b)〜(d)に示すように、1枚ずつ順次牌を表にする状態が表示される。かかる第2表示遊技の途中で、図18(c)に示すように、全部で3枚の牌のうち同一の牌が2枚揃えば、かかる表示状態がリーチ態様に相当する。
【0169】
続いて図18(d)に示すように、最後に表にした牌も同一であれば、このように同一の牌が3枚揃った第2識別情報の組み合わせが特定結果態様となる。もちろん、最初に配る牌の数を13枚等に増やして、通常の麻雀のルールに基づく「アガリ」となるための役の種類(一飜役、二飜役、満貫役、役満貫等)によって、リーチ態様あるいは特定結果態様と定めるようにしても面白い。
【0170】
また、前記実施の形態において、第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合に変化する「遊技者にとって有利な状態」を、具体的には確変モードと時短モードの2つの状態としたが、かかる有利な状態もこれらに限定されるものではなく、他に例えば、賞球数の割合を一時的に増したり、他の役物を入賞し易い形態に変化させる等と様々な状態に設定してもよい。
【0171】
さらに、「遊技者にとって有利な状態」として、前記可変表示装置310における表示遊技の1回あたりの可変表示時間を、所定回数に限り通常時よりも短縮するモードも考えられる。かかるモードでは、表示遊技の単位時間あたりの実行可能回数が増加することになり、それだけ遊技者に有利となる。
【0172】
また、前記実施の形態では、表示遊技に関する乱数発生手段1100、乱数取得手段1110、乱数判定手段1140と、第2表示遊技に関する第2乱数発生手段1120、第2乱数取得手段1130、第2乱数判定手段1150とを、それぞれ別々に構成した例を示したが、乱数発生手段1100と第2乱数発生手段1120とを1つの乱数発生手段により構成し、かかる1つの乱数発生手段から乱数取得手段1110と第2乱数取得手段1130とで別々に乱数値を取得するように構成してもよい。あるいは1つの乱数取得手段により別々に乱数値を取得し、これを乱数判定手段1140と第2乱数判定手段1150とで別々に判定するようにしてもよい。もちろん、乱数判定手段1140と第2乱数判定手段1150も、1つの乱数判定手段にまとめて構成してもよい。
【0173】
【発明の効果】
本発明に係る遊技機によれば、表示遊技の表示結果が特別停止結果態様に確定した場合に、第2識別情報制御手段は、前記表示遊技で用いる識別情報とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行するから、遊技者は表示遊技とは全く別の趣向の第2表示遊技を十分に楽しむことができる。
【0174】
しかも、前記表示遊技の表示結果である特別停止結果態様に基づき発生した特別遊技状態の終了時ないし終了前に、前記第2表示遊技の表示結果が特定結果態様に確定した場合には、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態を変化させるので、前記表示遊技とは全く異なる表示内容の第2表示遊技の実行と相俟って、よりいっそうと遊技全体の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る遊技機を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る遊技機の内部構造を示す背面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る遊技機の遊技盤を拡大して示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る遊技機の遊技盤裏面側を拡大して示す背面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る遊技機の回路構成全体を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る遊技機の有する主基板の回路構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る遊技機の有する払出制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る遊技機の有する表示器制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る遊技機の有するランプ制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る遊技機の有する音声制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る遊技機の有する発射制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る遊技機の有する電源基板の回路構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る遊技機のうち表示遊技および第2表示遊技の実行に関わる部分の概略機能構成と表示遊技の流れを示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る遊技機で実行される表示遊技の流れの一例を示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る遊技機で実行される第2表示遊技の流れの一例を示す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る遊技機で実行される別の第2表示遊技の流れの一例を示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る遊技機で実行される別の第2表示遊技の流れの一例を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る遊技機で実行される別の第2表示遊技の流れの一例を示す説明図である。
【図19】本発明の別の実施の形態に係る遊技機を示す正面図である。
【符号の説明】
1…遊技機本体
2…遊技盤
3…上受け皿
4…下受け皿
5…ハンドル
6…灰皿
7…上受け皿球抜きレバー
8…下受け皿球抜きレバー
9…貸出ボタン
10…返却ボタン
11…ガラス枠
12…度数表示部
15…風車
16…誘導レール
17…遊技領域
21…始動口
22a…右袖入賞口
22b…左袖入賞口
23a…右落とし入賞口
23b…左落とし入賞口
24…大入賞口
29…アウト口
100…主基板
101…ワンチップマイコン
102…CPU
103…ROM
104…RAM
105…NMI
106…I/Oポート
107…内部タイマー
108…クロック回路
109…クロック同期・遅延回路
110、111…ゲート回路
112a〜112g…ラッチ回路
113…アドレスデコード回路
114…バッファ
116…試射試験信号端子
121…始動口スイッチ
122a…右袖入賞口スイッチ
122b…左袖入賞口スイッチ
123a…右落とし入賞口スイッチ
123b…左落とし入賞口スイッチ
124…役物連続作動装置スイッチ
125…カウントスイッチ
126…普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ
126a…右普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ
126b…左普通図柄表示装置作動ゲートスイッチ
130…賞球検出スイッチ
130a…右賞球検出スイッチ
130b…左賞球検出スイッチ
131…シュート球切れスイッチ
132…ガラス枠開放検出スイッチ
133…オーバーフロースイッチ
134…大入賞口ソレノイド
135…方向切換ソレノイド
136…普通電動役物ソレノイド
140…普通図柄表示装置
200…払出制御基板
201…ワンチップマイコン
202…カウンタ回路
203…CPU
204…ROM
205…RAM
206…NMI
207…I/Oポート
208…内部タイマー
209…クロック回路
210…クロック同期・遅延回路
211、212…ゲート回路
213…アドレスデコード回路
214、215…ラッチ回路
220…球貸し検出スイッチ
220a…右球貸し検出スイッチ
220b…左球貸し検出スイッチ
222…払出モータ
223…払出停止ソレノイド
224…経路切換ソレノイド
300…表示器制御基板
301…表示器制御CPU
302…表示器制御ROM
303…表示器制御RAM
304…画像制御IC
305…画像データROM
306…入出力インターフェース
307…試射試験信号端子
310…可変表示装置
400…ランプ制御基板
401…ランプ制御CPU
402…ランプ制御ROM
403…ランプ制御RAM
404…入出力インターフェース
405…ドライバー回路
420…特別図柄保留LED
421…普通図柄保留LED
422…遊技機状態ランプ
423…サイドケースランプ
424…遊技枠状態ランプ
425…センターLED
426…ゲートLED
427…アタッカーLED
428…サイドLED
500…音声制御基板
501…音声制御CPU
502…音声制御ROM
503…音声制御RAM
504…音声制御IC
505…音声データROM
506…入出力インターフェース
507…アンプ回路
510…スピーカー
600…発射制御基板
601…発振回路
602…分周回路
603…モータ駆動信号制御回路
604…ドライバー回路
650…ハンドル部
651…タッチセンサ
652…発射停止スイッチ
653…発射モータ
700…電源基板
701…定電圧電源装置
702…バックアップ電源
703…電圧検出回路
704…シフトレジスタ
705…RAM初期化スイッチ
706…クロック回路
707…遅延回路
708…電圧検出回路
709…停電検出回路
800…枠用外部端子板
801…賞球タンク球有無スイッチ
850…盤用外部端子板
900…カードユニット接続基板
1100…乱数発生手段
1110…乱数取得手段
1120…第2乱数発生手段
1130…第2乱数取得手段
1140…乱数判定手段
1150…第2乱数判定手段
1200…遊技価値制御手段
1300…表示制御手段
1310…第2識別情報制御手段
a…操作パネル基板
b…カードユニット
c…電源AC24V
Claims (5)
- 複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置と、該可変表示装置の表示制御を行う表示制御手段とを備え、始動条件の成立に基づき前記可変表示装置で識別情報を可変表示した後に可変表示を停止して複数の識別情報を停止表示する表示遊技を実行し、該表示遊技の表示結果が予め定められた識別情報の組み合わせである特別停止結果態様に確定した場合に、所定の遊技価値を遊技者に付与可能な特別遊技状態を発生する遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示遊技の表示結果が前記特別停止結果態様に確定した場合に、前記識別情報とは異なる形態の第2識別情報を導出し、該第2識別情報を用いた第2表示遊技を実行する第2識別情報制御手段を備え、
前記特別停止結果態様に基づき発生した特別遊技状態の終了時ないし終了前に、前記第2表示遊技の表示結果が、予め定められた第2識別情報から構成される特定結果態様に確定した場合に、前記特別遊技状態の終了後の遊技状態において発生し得る遊技者にとって有利な状態が変化することを特徴とする遊技機。 - 前記第2識別情報は、前記識別情報とは異なる図柄ないし文字から成ることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記第2識別情報は、前記識別情報とは異なる動作により可変表示することを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
- 前記第2識別情報は、前記可変表示装置に可変表示され、
前記第2識別情報制御手段は、前記可変表示装置において前記第2表示遊技を実行することを特徴とする請求項1,2または3記載の遊技機。 - 前記第2識別情報を可変表示可能な第2可変表示装置を、前記可変表示装置とは別体として有し、
前記第2識別情報制御手段は、前記第2可変表示装置において前記第2表示遊技を実行することを特徴とする請求項1,2または3記載の遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002354149A JP2004181080A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002354149A JP2004181080A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 遊技機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004181080A true JP2004181080A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32755250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002354149A Pending JP2004181080A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004181080A (ja) |
-
2002
- 2002-12-05 JP JP2002354149A patent/JP2004181080A/ja active Pending
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