JP2004180953A - 光源用光学系 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに異なる波長帯域をもつ2つの光束を光ファイバからなるプローブの基端面へ交互に入射する光源用光学系であって、光源を1個だけしか備えていないにも拘わらず、プローブの基端面へ入射させる光束の強度を従来のものよりも高め得る光源用光学系を、提供する。
【解決手段】一個のランプ111の発光点から発せられた白色光のうちの一部を取り込むコリメートレンズ121,122と、コリメートレンズ121,122によって取り込まれた光束から参照光と励起光とを抽出する参照光用フィルタ151b,152b及び励起光用フィルタ151c,152cと、これらフィルタ151b,151c,152b,152cによって抽出された参照光及び励起光を分岐プローブP1,P2の基端面に集光させる集光レンズ161,162とを、二組有するように、光源用光学系32aを構成する。
【選択図】 図3
【解決手段】一個のランプ111の発光点から発せられた白色光のうちの一部を取り込むコリメートレンズ121,122と、コリメートレンズ121,122によって取り込まれた光束から参照光と励起光とを抽出する参照光用フィルタ151b,152b及び励起光用フィルタ151c,152cと、これらフィルタ151b,151c,152b,152cによって抽出された参照光及び励起光を分岐プローブP1,P2の基端面に集光させる集光レンズ161,162とを、二組有するように、光源用光学系32aを構成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光点から放射される白色光から第1の波長帯域を有する光束と第2の波長帯域を有する光束とを抽出するとともに光ファイバからなるプローブの基端面へそれら光束を交互に入射させる光源用光学系に、関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、生体組織に特定の波長の光を照射すると生体組織が励起して蛍光を発することが、知られている。また、腫瘍や癌などの病変が生じている異常な生体組織が発する蛍光が正常な生体組織の発する蛍光の強度よりも弱いことも、良く知られている。近年では、このような知識に基づいて、気管支や食道や胃腸などの体腔の内壁(体腔壁)において異常組織の有無の確認やその位置の特定をするための診断補助用装置が、開発されつつある(特許文献1参照)。
【0003】
この診断補助用装置は、被検体である体腔壁下の生体組織へ励起光を照射することにより、蛍光を発している被検体の画像を取得し、また、この画像との比較のために、例えば赤色光を参照光として被検体に照射することにより、参照光を表面で反射している被検体の画像を取得する。この診断補助用装置は、その概略的な構成として、束ねられた多数の光ファイバからなるとともに内視鏡の鉗子チャネルにその先端が挿入された状態で用いられるプローブと、このプローブの基端面に参照光及び励起光を交互に繰り返し入射させる光源部と、内視鏡に繋がれた光源プロセッサ装置から出力される画像に特定の処理を施してモニタ等に出力する画像処理部と、これらを制御するシステムコントロール部とを、備えている。
【0004】
そして、このような従来の診断補助用装置に組み込まれている光源部の光源用光学系は、通常、その概略図である図11に示されるような構成を、備えている。すなわち、従来の光源用光学系では、1個のランプ211の発光点からほぼ全方向に拡散される白色光のうちの一部が、1個のコリメートレンズ221によって平行光に変換される。平行光に変換された光束のうち、約500nm以上の波長帯域のみを有する光束は、第1ビームスプリッター226を透過するとともに、約500nm未満の波長帯域のみを有する光束は、第1ビームスプリッター226によって直角に反射される。
【0005】
第1ビームスプリッター226を透過した約500nm以上の光束は、参照光透過フィルター231によって、630nmを中心波長とする約600nm〜約700nmの波長帯域の光束のみを抽出された後、参照光として参照光用回転ホイール241を通過する。そして、参照光は、参照光反射ミラー246によって直角に反射され、第2ビームスプリッター247を透過し、反射ミラー248によって直角に反射されることにより、集光レンズ251へ入射し、集光レンズ251によってプローブPの基端面に集光される。
【0006】
一方、第1ビームスプリッター226によって直角に反射された約500nm未満の光束は、励起光反射ミラー227によって更に直角に反射された後、励起光透過フィルター232によって、365nmを中心波長とする数nmの波長帯域の光束のみを抽出され、励起光として励起光用回転ホイール242を通過する。そして、励起光は、第2ビームスプリッター247及び反射ミラー248によって順に反射されて、集光レンズ251へ入射し、集光レンズ251によってプローブPの基端面に集光される。
【0007】
参照光用回転ホイール241及び励起光用回転ホイール242は、円板状の外形を有し、その外周に沿ったリング状の領域には、その領域の1/3周以下を占める開口241b,242bが、1個だけ穿たれている。これら回転ホイール241,242の中心は、モーター241a,242aの駆動軸の先端に固定されており、これら回転ホイール241,242は、モーター241a,242aによって回転されると、参照光及び励起光の光路に開口241b,242bを繰り返し挿入するとともに、開口241b,242b以外の部分により参照光及び励起光を遮蔽する。参照光及び励起光の光路上に開口241b,242bを挿入するタイミングは、集光レンズ251に参照光と励起光が交互に入射するように、設定されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−023903号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、生体組織から発せられる蛍光の強度は、その生体組織に照射された励起光の強度に比べると非常に微弱であるものの、生体組織に照射された励起光の強度に比例して強くなる傾向がある。そのため、診断補助用装置が光源プロセッサ装置から取得する画像をより鮮明にさせるためには、できるだけ強い励起光を生体組織へ向けて照射する必要がある。
【0010】
ここで、光源用光学系を単に複数個用意すれば励起光の光量を増加させることができると考えられなくもない。しかしそうすると、ランプが複数個使用されてしまうため、電力消費量が高くなるという問題が発生し、然も、装置自体が大型化する。このため、需要者の中には、消費電力量の増加や装置の大型化を避けつつできるだけ強い励起光を生体組織へ向けて照射したいとの要望があった。
【0011】
本発明は、上述したような従来の事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、互いに異なる波長帯域をもつ2つの光束を光ファイバからなるプローブの基端面へ交互に入射させる光源用光学系であって、光源を1個だけしか備えていないにも拘わらず、プローブの基端面へ入射させる光束の強度を従来のものよりも高め得る光源用光学系を、提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明による光源用光学系は、以下のような構成を採用した。
【0013】
すなわち、本発明による光源用光学系は、光ファイバからなるプローブの基端面へ、第1の波長帯域のみを有する光束と第2の波長帯域のみを有する光束とを、交互に入射させる光源用光学系であって、一つの発光点から放射される白色光のうちの一部の光束を集光するとともに集光された光束を前記プローブの基端面へ入射させる少なくとも2組の光学系と、前記白色光から前記第1波長帯域のみを有する光束を抽出する第1光学素子と、前記白色光から前記第2波長帯域のみを有する光束を抽出する第2光学素子と、前記各光学系の光路内への前記第1光学素子の挿入,及び、前記各光学系の光路内への前記第2光学素子の挿入を、交互に繰り返し行う挿入機構とを備えることを、特徴としている。
【0014】
このように構成されると、発光点から放射される白色光の一部を集光してプローブの基端面へ入射させる光学系の光路には、第1光学素子が同時に挿入され、或いは、第2光学素子が同時に挿入されるので、一つの波長帯域についてみると、その波長帯域を有する光束を白色光から抽出する光学系が2組備えられていることに相当する。このため、プローブの基端面には、その波長帯域の光束について、従来の光源用光学系よりもより多くの光束が、導入される。従って、プローブの基端面に入射される光束のうちの一方が、生体組織を励起させるための波長帯域を持つ光束、すなわち、励起光である場合には、光源用光学系は、光源を1個だけしか備えていなくても、その励起光の強度を従来のものよりも高めることができる。
【0015】
なお、本発明による光源用光学系においては、第1及び第2光学素子は、所定の波長帯域の光束のみを透過させてその他の波長帯域の光束を遮蔽する光学フィルタであっても良いし、所定の波長帯域の光束のみを透過させてその他の波長帯域の光束を反射するダイクロイックプリズムやダイクロイックミラーであっても良い。
【0016】
また、本発明による光源用光学系において、挿入機構は、第1及び第2光学素子を周方向に沿って交互に有する回転ホイールを回転させることによって光学系の光路内に第1及び第2光学素子を交互に挿入する機構であっても良いし、第1及び第2光学素子を交互に一列に有するスライダーをスライドさせることによって光学系の光路内に第1及び第2光学素子を交互に挿入する機構であっても良い。
【0017】
さらに、上記回転ホイールや上記スライダーは、光学系毎に備えられていても良いし、各光学系に対して一つだけ備えられていても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0019】
【実施形態1】
図1は、本発明の第1の実施形態である内視鏡システムの模式図である。この内視鏡システムは、電子内視鏡1,光源プロセッサ装置2,診断補助用装置3,映像切替機4,及びモニターMを、備えている。
【0020】
<電子内視鏡>
まず、電子内視鏡1について、説明する。電子内視鏡1は、生体内に挿入される可撓管状の挿入部1aと、その挿入部1aの先端に組み込まれた湾曲部(図示略)を湾曲操作するためのアングルノブ等が設けられている操作部1bとを、備えている。
【0021】
挿入部1aの先端面には、少なくとも3つの貫通孔(図示略)が穿たれており、そのうちの一対の貫通孔には、配光レンズ11及び対物レンズ12がそれぞれ嵌め込まれている。他の1つの貫通孔は、鉗子口1cとして利用される。挿入部1a内には、この鉗子口1cと操作部1bに穿たれた鉗子口1dとを結ぶ細管13が、引き通されており、この細管13が、電気メス等の処置具を挿通するための鉗子チャネルとして、機能する。
【0022】
さらに、挿入部1a内には、先端面が配光レンズ11に対向しているライトガイド14と、対物レンズ12の像面に撮像面が配置された撮像素子15に対して接続されている信号線16,17とが、引き通されている。これらライトガイド14及び信号線16,17は、さらに、操作部1bの側面から延びた可撓管1e内に、引き通されており、それらの基端は、可撓管1eの先端に設けられたコネクタCの先端に固定されている。
【0023】
<光源プロセッサ装置>
次に、光源プロセッサ装置2について、説明する。この光源プロセッサ装置2は、システムコントロール部21,画像処理部22,光源部23,及び、これらに電力を供給する電源部24を、備えている。なお、光源プロセッサ装置2には、上記コネクタCを嵌め込み可能なコネクタ受け(図示略)が、備えられている。このコネクタ受けに上記コネクタCが嵌め込まれると、ライトガイド14の基端が光源部23に入り込み、信号線16がシステムコントロール部21に接続され、信号線17が画像処理部22に接続される。
【0024】
システムコントロール部21は、光源プロセッサ装置2全体を制御するとともに、基準信号を生成してその信号の出力を制御する。光源プロセッサ装置2における各種処理は、この基準信号に従って進行する。このシステムコントロール部21は、ケーブルC1を介して診断補助用装置3と接続されており、基準信号を診断補助用装置3へ常時出力する。また、システムコントロール部21には、ケーブルC2を介して診断補助用装置3と接続されており、光源部23の光の出力の開始又は停止を制御するための切替信号が、入力される。システムコントロール部21は、この切替信号を受けて、光の出力が開始又は停止されるように光源部23を制御する。さらに、このシステムコントロール部21は、主電源が投入されている間、信号線16を介して撮像素子15へ駆動信号を、基準信号によって示される一定周期のタイミングに従って、繰り返し送出する。なお、この駆動信号の送出は、光源部23の光の出力の有無とは無関係に、常に行われるので、撮像素子15は、常時、画像信号を画像処理部22へ繰り返し出力する。
【0025】
画像処理部22は、撮像素子15から順次送られてくる画像信号を、基準信号が示す各タイミングに合わせて、取得する。すなわち、画像処理部22は、常時、画像信号を取得し続ける。なお、基準信号が示す各タイミングは三個毎に区分することができる。画像処理部22は、三個一組のタイミングのうち、第1タイミングで取得された画像信号をB成分画像データに変換し、第2タイミングで取得された画像信号をG成分画像データに変換し、第3タイミングで取得された画像信号をR成分画像データに変換する。その後、画像処理部22は、三個一組の各成分画像データを、NTSC信号(又はPAL信号)に変換して出力するとともに、RGB信号として同時に出力する。なお、画像処理部23は、ケーブルC3を介して映像切替機4と接続されているとともに、ケーブルC4を介して診断補助用装置3と接続されており、映像切替機4にはNTSC信号を、診断補助用装置3にはRGB信号を、それぞれ常時出力する。
【0026】
光源部23は、光源23a,シャッター23b,及びRGB回転ホイール23cを、備えている。光源23aは、ライトガイド14の基端面に向けて可視帯域の照明光を発するランプであり、この照明光の光量は、システムコントロール部21によって制御される。シャッター23bは、光源23aから発せられる照明光の光路上に配置されており、上記切替信号を受けたシステムコントロール部21によって制御されることにより、照明光の光路を遮蔽し、或いは、その遮蔽を解除する。
【0027】
RGB回転ホイール23cは、その正面図である図2に示されるように、円板状の外形を有し、その外周に沿ったリング状の領域に、大きさの異なる三つの開口を有している。また、三つの開口は、その周方向において、所定の間隔を空けて配置されている。三つの開口のうち、最も大きい開口には、青色帯域のみを透過させるBフィルタが、最も小さい開口には、赤色帯域のみを透過させるRフィルタが、残りの開口には、緑色帯域のみを透過させるGフィルタが、それぞれ嵌め込まれている。このRGB回転ホイール23cの中心は、モーターの駆動軸に固定されており、RGB回転ホイール23cは、モーターによって回転されると、各フィルタを照明光の光路内に繰り返し挿入する。すると、シャッター23cが遮蔽を解除している場合、ライトガイド14の基端面には、青色光,緑色光,及び赤色光が順に繰り返し入射される。なお、RGB回転ホイール23cの回転速度は、各フィルタが照明光の光路に挿入されるタイミングが上記基準信号によって示されるタイミングに同期するように、システムコントロール部21によって制御される。
【0028】
ところで、青色光,緑色光,及び赤色光がライトガイド14の基端面へ繰り返し入射していると、各色の光は、そのライトガイド14に導かれた後、配光レンズ11により拡散されて電子内視鏡1の先端に対向した被検体へと照射される。このとき、撮像素子15が、被検体の青色光による像,緑色光による像,及び、赤色光による像を、それぞれ画像信号(以下、便宜上、青色画像信号,緑色画像信号,及び赤色画像信号という)に順次変換するが、各色画像信号が生成されるタイミングは、第1乃至第3タイミングにそれぞれ同期されるので、画像処理部22において生成されるB成分画像データ,G成分画像データ,及びR成分画像データは、それぞれ、青色画像信号,緑色画像信号,及び赤色画像信号に基づく画像データとなる。このため、光源部23が各色の光を出力しているときに画像処理部22から出力されるNTSC信号やRGB信号に基づく画像は、カラー画像となる。
【0029】
<診断補助用装置>
次に、診断補助用装置3について、説明する。この診断補助用装置3は、プローブP,システムコントロール部31,光源部32,画像処理部33,及び、これらに電力を供給する電源部34を、備えている。
【0030】
プローブPは、可視帯域及び紫外帯域の光が透過可能な多数又は単一の可撓な光ファイバを、内包している。なお、図1に示されるように、このプローブPは、その先端が電子内視鏡1の鉗子チャンネルとしての細管13に挿入されてその挿入部1aの先端面から突出した状態で、用いられる。
【0031】
システムコントロール部31は、診断補助用装置3全体を制御する。このシステムコントロール部31には、フットスイッチFSが接続されており、システムコントロール部31は、このフットスイッチFSが操作者によって操作されると、操作後のフットスイッチFSの状態に応じて観察モードを通常観察モード又は特殊観察モードに切り替える。なお、本実施形態では、フットスイッチFSにより観察モードを切り替える構成としたが、そうでなくても良い。例えば、電子内視鏡1の操作部1bに切替ボタンを備えておき、この切替ボタンが、診断補助用装置3のシステムコントロール部31にケーブルを介して繋がれていても良い。この場合でも、システムコントロール部31は、操作後の切替ボタンの状態に応じて観察モードを通常観察モード又は特殊観察モードに切り替える。
【0032】
また、このシステムコントロール部31は、上記ケーブルC2を介して光源プロセッサ装置2のシステムコントロール部21と繋がれており、通常観察モードを示す第1切替信号、又は、特殊観察モードを示す第2切替信号を、当該装置2のシステムコントロール部21へ出力する。なお、第1又は第2切替信号が入力された当該装置2のシステムコントロール部21は、第1切替信号が入力されたときには、光が出力されるように光源部23を制御し、第2切替信号が入力されたときには、光の出力が停止されるように光源部23を制御する。
【0033】
さらに、このシステムコントロール部31には、上記ケーブルC1が繋がれており、光源プロセッサ装置2のシステムコントロール部21が生成する基準信号が、常時入力される。但し、このシステムコントロール部31は、特殊観察モードのときのみ、この基準信号に従って光源部32及び画像処理部33を制御し、通常観察モードのときには、これらの制御を停止する。さらに、このシステムコントロール部31は、ケーブルC5を介して、映像切替機4と繋がれており、上述した第1又は第2切替信号をその映像切替機4へも出力する。
【0034】
光源部32は、その内部構成については後述するが、上述したように、特殊観察モードのときのみ、システムコントロール部31によって制御され、通常観察モードのときには、動作しない。そして、特殊観察モードのときには、光源部32は、基準信号によって示される各タイミングのうちの第1タイミングに合わせて、プローブPの先端面に紫外光を入射させ、第2タイミングでは、光を発せず、第3タイミングでは、プローブPの基端面に可視光を入射させる。従って、プローブPの基端面には、紫外光と可視光とが交互に入射する。このプローブPの先端面が、被検体である体腔壁に対向していると、この体腔壁には、プローブPの先端面から射出された紫外光及び可視光が、交互に照射される。なお、照射された紫外光は、体腔壁下の生体組織を励起させることによりそれらから蛍光を発せさせ、照射された可視光は、体腔壁の表面にて反射される。また、紫外光又は可視光が照射されていないときには、体腔壁は光を放出又は反射しない。そして、蛍光を放出することによって形成される被検体の像と、光を反射又は放出していない被検体の像と、可視光を反射することによって形成される被検体の像は、撮像素子15により、第1乃至第3タイミングに同期されながら、それぞれ画像信号(以下、便宜上、蛍光画像信号,暗黒画像信号,及び参照画像信号という)に順次変換される。各画像信号は、信号線17を介して光源プロセッサ装置2の画像処理部22へ順に送信される。
【0035】
ところで、通常観察モードでは、光源プロセッサ装置2のシステムコントロール部21には、第1切替信号が入力されるので、その光源部23からは、各色の光が出力される。このとき、診断補助用装置3の光源部32からは光が出力されない。このため、通常観察モードにあっては、光源プロセッサ装置2の画像処理部22には、上述したように、青色画像信号,緑色画像信号,及び赤色画像信号が順次送られてくるので、この画像処理部22は、これら各色画像信号に基づいて、カラー画像を示すNTSC信号及びRGB信号を生成する。
【0036】
これに対し、特殊観察モードでは、光源プロセッサ装置2のシステムコントロール部21には、第2切替信号が入力されるので、その光源部23からは、各色の光が出力されない。このとき、診断補助用装置3の光源部32からは、可視光と紫外光とが交互に出力される。このため、特殊観察モードにあっては、光源プロセッサ装置2の画像処理部22には、上述したように、蛍光画像信号,暗黒画像信号,及び参照画像信号が順次送られてくる。すると、蛍光画像信号,暗黒画像信号,及び参照画像信号は、画像処理部22によって、それぞれB成分画像データ,G成分画像データ,及びR成分画像データに順に変換され、三個一組の各成分画像データは、NTSC信号に変換されるとともに、RGB信号とされる。NTSC信号は、上記ケーブルC3を介して映像切替機4へ出力され、RGB信号は、上記ケーブルC4を介して診断補助用装置3の画像処理部33へ出力される。
【0037】
画像処理部33には、上記ケーブルC4が繋がれており、何れの観察モードにおいても、光源プロセッサ装置2の画像処理部22から、RGB信号が入力される。但し、この画像処理部33は、特殊観察モードのときのみ、システムコントロール部31によって制御され、通常観察モードのときには、動作しない。そして、特殊観察モードのときには、画像処理部33は、光源プロセッサ装置2の画像処理部22からRGB信号を受信すると、B成分画像データとR成分画像データとを用いて、特殊観察画像(白黒モノクロで表現された被検体像上に患部と判断された箇所が例えば赤色にて示された画像)のカラー画像データを生成し、NTSC信号に変換する。ここで、取り出されるB成分画像データとR成分画像データは、上述した蛍光画像信号及び参照画像信号に基づく画像データであるので、以下では、これら画像データを、蛍光画像データ及び参照画像データという。但し、暗黒画像信号に基づく画像データは、実質的に輝度値を持たないため、ここでは用いられない。この画像処理部33は、ケーブルC6を介して映像切替機4と接続されており、このケーブルC6を介してNTSC信号を映像切替機4へ出力する。なお、特殊観察画像については、本出願人が先にした特願2002−287034号において詳しく説明されている。
【0038】
<映像切替機>
次に、映像切替機4について、説明する。この映像切替機4は、診断補助用装置3から上記ケーブルC5を介して第1切替信号を受信すると、通常観察モードであるとして、光源プロセッサ装置2から上記ケーブルC3を介して送られてくるNTSC信号をモニターMに出力し、モニターMにカラーの通常観察画像を表示させる。一方、映像切替機4は、診断補助用装置3から上記ケーブルC5を介して第2切替信号を受信すると、診断補助用装置3から上記ケーブルC6を介して送られてくるNTSC信号をモニターMに出力し、モニターMに特殊観察画像を表示させる。
【0039】
<診断補助用装置の光源部>
次に、診断補助用装置3の光源部32について、詳細に説明する。この光源部32は、図1に示されるように、光源用光学系32aとドライブ回路32bとを、備えている。
【0040】
図3は、光源用光学系32aを概略的に示す光学構成図である。なお、光源用光学系32aを説明する前に、本実施形態のプローブPの基端側の形状について説明する。本実施形態のプローブPの基端側は、図1には図示されていないが、図3に示されるように、途中から二股に分岐しており、二本の分岐プローブP1,P2として構成されている。
【0041】
光源用光学系32は、これら二本の分岐プローブP1,P2のそれぞれの基端面に、可視光又は紫外光を同時に供給する。より具体的には、この光源用光学系32は、一個のランプ111と、二個のコリメートレンズ121,122と、二個のミラー131,132と、二組のフィルタ群141,142と、二個の回転ホイール151,152と、二個の集光レンズ161,162とを、備えている。
【0042】
ランプ111は、可視帯域及び紫外帯域の波長を持つ白色光を発光点からほぼ全方向に向けて放射する水銀ランプである。コリメートレンズ121,122は、ランプ111から発せられる白色光の一部を平行光に変換するレンズである。これらコリメートレンズ121,122は、何れも、ランプ111の発光点がその光軸上に存在するような位置に、配置されており、互いに、ランプ111を挟んで対向している。従って、コリメートレンズ121を透過した後の平行光は、コリメートレンズ122を透過した後の平行光とは逆方向(図3では紙面内の上方)に向かって進行する。以下、説明の都合上、コリメートレンズ121を透過した後の平行光を「上側光束」といい、コリメートレンズ122を透過した後の平行光を「下側光束」という。
【0043】
ミラー131,132は、コリメートレンズ121,122を透過した後の上側光束及び下側光束の光路上にそれぞれ配置されており、これら上側光束及び下側光束をそれぞれ直角に反射する。これらミラー131,132の反射面の向きは、これらによって反射された後の上側光束及び下側光束が何れも同じ方向(図3では紙面内の右方)に向かって進行するように、調整されている。なお、これらミラー131,132は、一部の波長帯域を持つ光束のみを遮蔽する。これらミラー131,132の分光反射率のグラフを図4に示す。図4に示されるように、これらミラー131,132は、約700nm以上の波長を持つ光束を除去する。但し、これらミラー131,132は、全ての波長帯域に亘って光束を反射するミラーであっても良い。
【0044】
フィルタ群141,142は、何れも、第1フィルタ141a,142aと第2フィルタ141b,142bとから構成されており、ミラー131,132によって反射された後の上側光束及び下側光束の光路上にそれぞれ配置されている。第1フィルタ141a,142aは、その分光透過率のグラフである図5の実線にて示されるように、約500nm〜約600nmの波長を持つ光束を遮蔽し、約500nm以下の波長と約600nm以上の波長とを持つ光束を透過させる。第2フィルタ141b,142bは、図5の破線にて示されるように、約410nm〜約550nmの波長を持つ光束を遮蔽し、約410nm以下の波長と約550nm以上の波長とを持つ光束を透過させる。フィルタ群141,142は、これら第1フィルタ141a,142aと第2フィルタ141b,142bとによって、ミラー131,132により反射された後の上側光束及び下側光束から、約410nm〜約600nmの波長を持つ光束を除去する。
【0045】
回転ホイール151,152は、何れも、上述したRGB回転ホイール23cにおけるGフィルタが嵌め込まれた開口が塞がれたものと相似な形状を、有している。従って、これら回転ホイール151,152は、その中心位置から偏心した位置に大小二つの開口を有する円板形状に、形成されている。
【0046】
また、これら回転ホイール151,152の大小二つの開口には、所定の波長帯域を持つ光束のみを透過させるフィルタ151a,151b,152a,152bが、それぞれ嵌め込まれている。これらフィルタ151a,151b,152a,152bのうち、回転ホイール151,152における小さい方の開口に嵌め込まれているフィルタ151a、152aは、その分光透過率のグラフである図6に示されるように、約600nm以上の波長を持つ光束のみを透過させ、約600nm未満の波長を持つ光束を遮蔽する。以下、これらフィルタ151a,152aを参照光用フィルタという。また、回転ホイール151,152における大きい方の開口に嵌め込まれているフィルタ151b,152bは、その分光透過率のグラフである図7に示されるように、約390nm未満の波長をもつ光束のみを透過させ、約390nm以上の波長を持つ光束を遮蔽する。以下、これらフィルタ151b,152bを、励起光用フィルタという。
【0047】
これら回転ホイール151,152は、それぞれ、フィルタ群141,142を透過した後の上側光束及び下側光束の光路に、垂直に挿入されており、回転ホイール151の中心から偏心した位置へ上側光束が入射するとともに、回転ホイール152の中心から偏心した位置へ下側光束が入射するように、これら各回転ホイール151,152の配置位置が調整されている。そして、これら回転ホイール151,152の中心は、それぞれ、モーター151c,152cの駆動軸に固定されている。
【0048】
このため、これら回転ホイール151,152が、モーター151c,152cによって回転されると、上側光束の光路内には、参照光用フィルタ151aと励起光用フィルタ151bが交互に繰り返し挿入され、また、下側光束の光路内には、参照光用フィルタ152aと励起光用フィルタ152bとが交互に繰り返し挿入される。これにより、参照光用フィルタ151a,152aを透過した上側光束及び下側光束は、約600nm〜約700nmの波長のみを持つ光束(赤色を示す約630nmを含む光束)に変換され、励起光用フィルタ151b,152bを透過した上側光束及び下側光束は、約390nm未満の波長のみを持つ光束(水銀ランプの輝線の一つである365nmを含む光束)に変換される。以下、参照光用フィルタ151a,152aを透過した後の上側光束及び下側光束を、上側参照光及び下側参照光といい、励起光用フィルタ151b,152bを透過した後の上側光束及び下側光束を、上側励起光及び下側励起光という。
【0049】
集光レンズ161は、回転ホイール151を通過した上側参照光又は上側励起光を、分岐プローブP1の基端面に集光させる。また、集光レンズ162は、回転ホイール152を通過した下側参照光又は下側励起光を、分岐プローブP2の基端面に集光させる。
【0050】
なお、図1に示すドライブ回路32bは、システムコントロール部31から入力される基準信号によって示されるタイミングに従って両回転ホイール151,152が回転するように、モーター151c,152cの駆動を制御する。すなわち、ドライブ回路32bは、基準信号によって示される各タイミングのうちの第1タイミングに合わせて、上側光束及び下側光束の光路内に励起光用フィルタ(第2光学素子に相当)151b,152bが挿入され、第3タイミングに合わせて、上側光束及び下側光束の光路内に参照光用フィルタ(第1光学素子に相当)151a,152aが挿入されるように、両回転ホイール151,152の回転を制御する。これらドライブ回路32b及び両回転ホイール151,152は、挿入機構に相当する。
【0051】
以上に説明したように、第1の実施形態では、光源用光学系32aの参照光用フィルタ151a,152aは、上側光束及び下側光束の光路に同時に挿入され、また、励起光用フィルタ151b,152bは、上側光束及び下側光束の光路に同時に挿入される。つまり、分岐プローブP1の基端面に上側参照光が入射しているときには、プローブP2の基端面には下側参照光が入射し、また、分岐プローブP1の基端面に上側励起光が入射している時には、分岐プローブP2の基端面には下側励起光が入射する。その結果、プローブPの先端からは、上側参照光と下側参照光とが足し合わされてできる参照光と、上側励起光と下側励起光とが足し合わされてできる励起光とが、交互に放出されることとなる。
【0052】
従って、ランプ111の発する光のエネルギーが全方向に均等に分布していて、然も、コリメートレンズ121,122が、従来の光源用光学系のコリメートレンズと同じ大きさを有し、且つ、ランプ111から離れている距離が従来のコリメートレンズと同様であれば、第1の実施形態においてプローブPの先端面から射出される光の光量は、従来のものの約2倍になる。つまり、第1の実施形態によれば、参照光及び励起光の強度が、従来の光源用光学系よりも高まる。
【0053】
【実施形態2】
第2の実施形態は、第1の実施形態と比較すると、発光点から上側光束及び下側光束を取り出す光学系の構成が若干異なっているとともに上側光束と下側光束の二つの光路に対して1個の回転ホイールだけが用意されている他は、同じ構成を有している。従って、以下では、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
【0054】
図8は、本発明の第2の実施形態である内視鏡システムの診断補助用装置3に組み込まれる光源用光学系32a’を概略的に示す構成図である。なお、図8では、図3に示したものと同じものには、同一の符号が付されている。
【0055】
第2の実施形態の光源用光学系32a’は、ランプ111の発光点から上側光束を生成するための光学系として、第1レンズ123,楔プリズム125,及び第2レンズ127を有している。また、ランプ111の発光点から下側光束を生成するための光学系として、第1レンズ124,楔プリズム126,及び第2レンズ128を有している。
【0056】
両第1レンズ123,124は、第1の実施形態のコリメートレンズ121,122のようにランプ111を挟んで対向しておらず、ランプ111の発光点において互いの光軸が斜めに交差した状態で、配置されている。また、両第2レンズ127,128は、互いの光軸が一定の間隔を空けて平行となる状態で、配置されている。さらに、両楔プリズム125,126は、第1レンズ123,124と第2レンズ127,128との間に、配置されている。
【0057】
そして、ランプ111の発光点からほぼ全方向に発せられた光のうちの両第1レンズ123,124に取り込まれた光は、これら第1レンズ123,124を透過し、楔プリズム125,126によって屈折されたのち、各々の第2レンズ127,128によって平行光に変換される。これにより、両第2レンズ127,128から射出される平行光は、互いに一定の間隔を空けて同じ方向(図8では紙面内の右方)へ進行する上側光束及び下側光束となる。これら上側光束及び下側光束は、第1の実施形態と同様に、フィルタ群141,142をそれぞれ通過する。
【0058】
また、第2の実施形態の回転ホイール153は、第1の実施形態の各回転ホイール151,152と同様に、円板状の外形を有する。但し、第1の実施形態の各回転ホイール151,152とは異なり、この回転ホイール153は、その外周に沿ったリング状の領域に、六個の開口を有している。図9は、この回転ホイール153の正面図である。
【0059】
図9に示されるように、この回転ホイール153には、大きさの異なる三つの開口が、上記リング状領域のうちの半周の範囲内に、形成されている。また、これら三つの開口と同じ形状を有する三つの開口が、上記リング状領域における残りの半周の範囲内に、形成されている。互いに同じ形状を有する開口同士は、回転ホイール153の中心を対称点とする対称位置に、それぞれ配置されている。そして、図9に示されるように、六つの開口は、その周方向において、所定の間隔を空けて配置されている。
【0060】
また、最も小さな二つの開口には、第1の実施形態の参照光用フィルタ(図3及び図6参照)151a,152aと同様の構成を有するフィルタ153a,153aが嵌め込まれている。以下、これらフィルタ153aを第1参照光用フィルタという。最も大きな二つの開口には、第1の実施形態の励起光用フィルタ(図3及び図7参照)151b,152bと同様の構成を有するフィルタ153b,153bが嵌め込まれている。以下、これらフィルタ153bを励起光用フィルタという。残りの二つの開口には、上記参照光用フィルタ151a,152aと同様の構成を有するフィルタ153c,153cが嵌め込まれている。以下、これらフィルタ153cを第2参照光用フィルタという。
【0061】
そして、このように構成される回転ホイール153は、フィルタ群141を透過後の上側光束の光路に垂直に挿入されていると同時に、フィルタ群142を透過後の下側光束の光路にも垂直に挿入されている。なお、回転ホイール153の中心は、モーター153dの駆動軸に固定されており、この駆動軸は、上側光束と下側光束との間の中心において、これら光束と平行になるように、配置されている。従って、上側光束及び下側光束は、回転ホイール153の中心から偏心した位置にそれぞれ入射するとともに、回転ホイール153における上側光束及び下側光束の入射位置は、その中心を挟んで互いに逆側を、占めている。
【0062】
この回転ホイール153は、モーター153dによって回転されると、一回転する間に1つの光路に六つのフィルタ153a〜153c,153a〜153cを順に挿入する。つまり、上側光束の光路には、第1参照光用フィルタ153aと励起光用フィルタ153bと第2参照光用フィルタ153cとが順に繰り返し挿入される。また、上側光束の光路に第1参照光用フィルタ153aが挿入されると同時に、下側光束の光路にも第1参照光用フィルタ153aが挿入される。同様に、回転ホイール153の回転に伴って、上側光束及び下側光束の光路内には、2つの励起光用フィルタ153bが同時に挿入され、また、2つの第2参照光用フィルタ153cが同時に挿入される。
【0063】
そして、上側光束及び下側光束は、第1参照光用フィルタ153a,153aによって参照光に変換された後には、各々に対応する集光レンズ161,162を透過して、分岐プローブP1,P2の基端面へそれぞれ入射し、プローブPの先端から参照光(これを便宜上、第1参照光という)として射出される。また、上側光束及び下側光束は、励起光用フィルタ153b,153bによって励起光に変換された後には、各々に対応する集光レンズ161,162を透過して、分岐プローブP1,P2の基端面へそれぞれ入射し、プローブPの先端から励起光として射出される。さらに、上側光束及び下側光束は、第2参照光用フィルタ153c,153cによって参照光に変換された後には、各々に対応する集光レンズ161,162を透過して、分岐プローブP1,P2の基端面へそれぞれ入射し、プローブPの先端から参照光(これを便宜上、第2参照光という)として射出される。その結果、回転ホイール153が半周だけ回転する毎に、プローブPの先端からは、参照光が2回、励起光が1回、射出される。
【0064】
なお、第2の実施形態においても、回転ホイール153を回転させるためのモーター153aの駆動は、ドライブ回路32bによって制御される。このドライブ回路32bは、システムコントロール部31から入力される基準信号によって示される各タイミングのうちの第1タイミングに合わせて、上側光束及び下側光束の光路内に励起光用フィルタ(第2光学素子に相当)153b,153bが挿入され、第2タイミングに合わせて、上側光束及び下側光束の光路内に第2参照光用フィルタ(第1光学素子に相当)153c,153cが挿入され、第3タイミングに合わせて、上側光束及び下側光束の光路内に第1参照光用フィルタ(第1光学素子に相当)153a,153aが挿入されるように、回転ホイール153の回転を制御する。これらドライブ回路32b及び回転ホイール153は、挿入機構に相当する。
【0065】
また、図10には、プローブPの先端面から第1参照光,励起光,及び第2参照光が射出される際のタイミングチャートが、示されている。この図10には、九本のチャートが示されており、何れのチャートとも、縦軸は光の強度を示し、横軸は時間を示す。上側の三本のチャートは、プローブPの先端面から第1参照光,励起光,及び第2参照光が射出されるタイミングを示し、下側の六本のチャートは、回転ホイール153の有する各フィルタ153a,153b,153c,153a,153b,153cが上側光束及び下側光束の光路に侵入するタイミングを示す。また、下側の六本のチャートにおいて、実線は上側光束を、破線は下側光束を示す。
【0066】
以上のように構成される第2の実施形態において、光源用光学系32a’のランプ111の発する光のエネルギーが全方向に均等に分布していて、然も、コリメートレンズ群の第1レンズ123,124に入射する光の発光点での立体角が、何れも、従来の光源用光学系の1つのコリメートレンズに入射する光の発光点での立体角と同じであれば、第2の実施形態においてプローブPの先端面から射出される光の光量は、従来のものの約2倍になる。つまり、第2の実施形態によっても、参照光及び励起光の強度が、従来の光源用光学系よりも高まる。
【0067】
ところで、第2の実施形態では、参照光は、プローブPの先端から1周期(回転シャッター153の半周期)に2回射出されているが、1周期に1回だけ射出されていても良い。後者の場合、例えば第2参照光用フィルタ153c,153cが嵌め込まれている開口を塞ぐことにより実現可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、互いに異なる波長帯域をもつ2つの光束を光ファイバからなるプローブの基端面へ交互に入射させる場合であって、光源を1個だけしか備えていなくとも、プローブの基端面へ入射させる光束の強度を従来のものよりも高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態である内視鏡システムを概略的に示す構成図
【図2】光源プロセッサ装置のRGB回転ホイールの正面図
【図3】光源用光学系の概略的な構成図
【図4】ミラーの分光反射率を示すグラフ
【図5】第1フィルタの分光透過率を示すグラフ
【図6】参照光用フィルタの分光透過率を示すグラフ
【図7】励起光用フィルタの分光透過率を示すグラフ
【図8】第2の実施形態での光源用光学系を概略的に示す光学構成図
【図9】回転シャッターの正面図
【図10】プローブの先端面から射出される光束,及び光路内に侵入する回転シャッターの各フィルタのタイミングチャート
【図11】従来の光源用光学系を概略的に示す光学構成図
【符号の説明】
1 電子内視鏡
2 光源プロセッサ装置
3 診断補助用装置
32 光源部
32a 光源用光学系
32b ドライブ回路
111 ランプ
121〜124 コリメートレンズ
131,132 ミラー
141,142 フィルタ群
151〜153 回転シャッター
151a〜153a モーター
151b〜153b 参照光用フィルタ
151c,152c 励起光用フィルタ
153c 参照光用フィルタ
153d 励起光用フィルタ
161,162 集光レンズ
P プローブ
P1,P2 分岐プローブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光点から放射される白色光から第1の波長帯域を有する光束と第2の波長帯域を有する光束とを抽出するとともに光ファイバからなるプローブの基端面へそれら光束を交互に入射させる光源用光学系に、関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、生体組織に特定の波長の光を照射すると生体組織が励起して蛍光を発することが、知られている。また、腫瘍や癌などの病変が生じている異常な生体組織が発する蛍光が正常な生体組織の発する蛍光の強度よりも弱いことも、良く知られている。近年では、このような知識に基づいて、気管支や食道や胃腸などの体腔の内壁(体腔壁)において異常組織の有無の確認やその位置の特定をするための診断補助用装置が、開発されつつある(特許文献1参照)。
【0003】
この診断補助用装置は、被検体である体腔壁下の生体組織へ励起光を照射することにより、蛍光を発している被検体の画像を取得し、また、この画像との比較のために、例えば赤色光を参照光として被検体に照射することにより、参照光を表面で反射している被検体の画像を取得する。この診断補助用装置は、その概略的な構成として、束ねられた多数の光ファイバからなるとともに内視鏡の鉗子チャネルにその先端が挿入された状態で用いられるプローブと、このプローブの基端面に参照光及び励起光を交互に繰り返し入射させる光源部と、内視鏡に繋がれた光源プロセッサ装置から出力される画像に特定の処理を施してモニタ等に出力する画像処理部と、これらを制御するシステムコントロール部とを、備えている。
【0004】
そして、このような従来の診断補助用装置に組み込まれている光源部の光源用光学系は、通常、その概略図である図11に示されるような構成を、備えている。すなわち、従来の光源用光学系では、1個のランプ211の発光点からほぼ全方向に拡散される白色光のうちの一部が、1個のコリメートレンズ221によって平行光に変換される。平行光に変換された光束のうち、約500nm以上の波長帯域のみを有する光束は、第1ビームスプリッター226を透過するとともに、約500nm未満の波長帯域のみを有する光束は、第1ビームスプリッター226によって直角に反射される。
【0005】
第1ビームスプリッター226を透過した約500nm以上の光束は、参照光透過フィルター231によって、630nmを中心波長とする約600nm〜約700nmの波長帯域の光束のみを抽出された後、参照光として参照光用回転ホイール241を通過する。そして、参照光は、参照光反射ミラー246によって直角に反射され、第2ビームスプリッター247を透過し、反射ミラー248によって直角に反射されることにより、集光レンズ251へ入射し、集光レンズ251によってプローブPの基端面に集光される。
【0006】
一方、第1ビームスプリッター226によって直角に反射された約500nm未満の光束は、励起光反射ミラー227によって更に直角に反射された後、励起光透過フィルター232によって、365nmを中心波長とする数nmの波長帯域の光束のみを抽出され、励起光として励起光用回転ホイール242を通過する。そして、励起光は、第2ビームスプリッター247及び反射ミラー248によって順に反射されて、集光レンズ251へ入射し、集光レンズ251によってプローブPの基端面に集光される。
【0007】
参照光用回転ホイール241及び励起光用回転ホイール242は、円板状の外形を有し、その外周に沿ったリング状の領域には、その領域の1/3周以下を占める開口241b,242bが、1個だけ穿たれている。これら回転ホイール241,242の中心は、モーター241a,242aの駆動軸の先端に固定されており、これら回転ホイール241,242は、モーター241a,242aによって回転されると、参照光及び励起光の光路に開口241b,242bを繰り返し挿入するとともに、開口241b,242b以外の部分により参照光及び励起光を遮蔽する。参照光及び励起光の光路上に開口241b,242bを挿入するタイミングは、集光レンズ251に参照光と励起光が交互に入射するように、設定されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−023903号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、生体組織から発せられる蛍光の強度は、その生体組織に照射された励起光の強度に比べると非常に微弱であるものの、生体組織に照射された励起光の強度に比例して強くなる傾向がある。そのため、診断補助用装置が光源プロセッサ装置から取得する画像をより鮮明にさせるためには、できるだけ強い励起光を生体組織へ向けて照射する必要がある。
【0010】
ここで、光源用光学系を単に複数個用意すれば励起光の光量を増加させることができると考えられなくもない。しかしそうすると、ランプが複数個使用されてしまうため、電力消費量が高くなるという問題が発生し、然も、装置自体が大型化する。このため、需要者の中には、消費電力量の増加や装置の大型化を避けつつできるだけ強い励起光を生体組織へ向けて照射したいとの要望があった。
【0011】
本発明は、上述したような従来の事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、互いに異なる波長帯域をもつ2つの光束を光ファイバからなるプローブの基端面へ交互に入射させる光源用光学系であって、光源を1個だけしか備えていないにも拘わらず、プローブの基端面へ入射させる光束の強度を従来のものよりも高め得る光源用光学系を、提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明による光源用光学系は、以下のような構成を採用した。
【0013】
すなわち、本発明による光源用光学系は、光ファイバからなるプローブの基端面へ、第1の波長帯域のみを有する光束と第2の波長帯域のみを有する光束とを、交互に入射させる光源用光学系であって、一つの発光点から放射される白色光のうちの一部の光束を集光するとともに集光された光束を前記プローブの基端面へ入射させる少なくとも2組の光学系と、前記白色光から前記第1波長帯域のみを有する光束を抽出する第1光学素子と、前記白色光から前記第2波長帯域のみを有する光束を抽出する第2光学素子と、前記各光学系の光路内への前記第1光学素子の挿入,及び、前記各光学系の光路内への前記第2光学素子の挿入を、交互に繰り返し行う挿入機構とを備えることを、特徴としている。
【0014】
このように構成されると、発光点から放射される白色光の一部を集光してプローブの基端面へ入射させる光学系の光路には、第1光学素子が同時に挿入され、或いは、第2光学素子が同時に挿入されるので、一つの波長帯域についてみると、その波長帯域を有する光束を白色光から抽出する光学系が2組備えられていることに相当する。このため、プローブの基端面には、その波長帯域の光束について、従来の光源用光学系よりもより多くの光束が、導入される。従って、プローブの基端面に入射される光束のうちの一方が、生体組織を励起させるための波長帯域を持つ光束、すなわち、励起光である場合には、光源用光学系は、光源を1個だけしか備えていなくても、その励起光の強度を従来のものよりも高めることができる。
【0015】
なお、本発明による光源用光学系においては、第1及び第2光学素子は、所定の波長帯域の光束のみを透過させてその他の波長帯域の光束を遮蔽する光学フィルタであっても良いし、所定の波長帯域の光束のみを透過させてその他の波長帯域の光束を反射するダイクロイックプリズムやダイクロイックミラーであっても良い。
【0016】
また、本発明による光源用光学系において、挿入機構は、第1及び第2光学素子を周方向に沿って交互に有する回転ホイールを回転させることによって光学系の光路内に第1及び第2光学素子を交互に挿入する機構であっても良いし、第1及び第2光学素子を交互に一列に有するスライダーをスライドさせることによって光学系の光路内に第1及び第2光学素子を交互に挿入する機構であっても良い。
【0017】
さらに、上記回転ホイールや上記スライダーは、光学系毎に備えられていても良いし、各光学系に対して一つだけ備えられていても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0019】
【実施形態1】
図1は、本発明の第1の実施形態である内視鏡システムの模式図である。この内視鏡システムは、電子内視鏡1,光源プロセッサ装置2,診断補助用装置3,映像切替機4,及びモニターMを、備えている。
【0020】
<電子内視鏡>
まず、電子内視鏡1について、説明する。電子内視鏡1は、生体内に挿入される可撓管状の挿入部1aと、その挿入部1aの先端に組み込まれた湾曲部(図示略)を湾曲操作するためのアングルノブ等が設けられている操作部1bとを、備えている。
【0021】
挿入部1aの先端面には、少なくとも3つの貫通孔(図示略)が穿たれており、そのうちの一対の貫通孔には、配光レンズ11及び対物レンズ12がそれぞれ嵌め込まれている。他の1つの貫通孔は、鉗子口1cとして利用される。挿入部1a内には、この鉗子口1cと操作部1bに穿たれた鉗子口1dとを結ぶ細管13が、引き通されており、この細管13が、電気メス等の処置具を挿通するための鉗子チャネルとして、機能する。
【0022】
さらに、挿入部1a内には、先端面が配光レンズ11に対向しているライトガイド14と、対物レンズ12の像面に撮像面が配置された撮像素子15に対して接続されている信号線16,17とが、引き通されている。これらライトガイド14及び信号線16,17は、さらに、操作部1bの側面から延びた可撓管1e内に、引き通されており、それらの基端は、可撓管1eの先端に設けられたコネクタCの先端に固定されている。
【0023】
<光源プロセッサ装置>
次に、光源プロセッサ装置2について、説明する。この光源プロセッサ装置2は、システムコントロール部21,画像処理部22,光源部23,及び、これらに電力を供給する電源部24を、備えている。なお、光源プロセッサ装置2には、上記コネクタCを嵌め込み可能なコネクタ受け(図示略)が、備えられている。このコネクタ受けに上記コネクタCが嵌め込まれると、ライトガイド14の基端が光源部23に入り込み、信号線16がシステムコントロール部21に接続され、信号線17が画像処理部22に接続される。
【0024】
システムコントロール部21は、光源プロセッサ装置2全体を制御するとともに、基準信号を生成してその信号の出力を制御する。光源プロセッサ装置2における各種処理は、この基準信号に従って進行する。このシステムコントロール部21は、ケーブルC1を介して診断補助用装置3と接続されており、基準信号を診断補助用装置3へ常時出力する。また、システムコントロール部21には、ケーブルC2を介して診断補助用装置3と接続されており、光源部23の光の出力の開始又は停止を制御するための切替信号が、入力される。システムコントロール部21は、この切替信号を受けて、光の出力が開始又は停止されるように光源部23を制御する。さらに、このシステムコントロール部21は、主電源が投入されている間、信号線16を介して撮像素子15へ駆動信号を、基準信号によって示される一定周期のタイミングに従って、繰り返し送出する。なお、この駆動信号の送出は、光源部23の光の出力の有無とは無関係に、常に行われるので、撮像素子15は、常時、画像信号を画像処理部22へ繰り返し出力する。
【0025】
画像処理部22は、撮像素子15から順次送られてくる画像信号を、基準信号が示す各タイミングに合わせて、取得する。すなわち、画像処理部22は、常時、画像信号を取得し続ける。なお、基準信号が示す各タイミングは三個毎に区分することができる。画像処理部22は、三個一組のタイミングのうち、第1タイミングで取得された画像信号をB成分画像データに変換し、第2タイミングで取得された画像信号をG成分画像データに変換し、第3タイミングで取得された画像信号をR成分画像データに変換する。その後、画像処理部22は、三個一組の各成分画像データを、NTSC信号(又はPAL信号)に変換して出力するとともに、RGB信号として同時に出力する。なお、画像処理部23は、ケーブルC3を介して映像切替機4と接続されているとともに、ケーブルC4を介して診断補助用装置3と接続されており、映像切替機4にはNTSC信号を、診断補助用装置3にはRGB信号を、それぞれ常時出力する。
【0026】
光源部23は、光源23a,シャッター23b,及びRGB回転ホイール23cを、備えている。光源23aは、ライトガイド14の基端面に向けて可視帯域の照明光を発するランプであり、この照明光の光量は、システムコントロール部21によって制御される。シャッター23bは、光源23aから発せられる照明光の光路上に配置されており、上記切替信号を受けたシステムコントロール部21によって制御されることにより、照明光の光路を遮蔽し、或いは、その遮蔽を解除する。
【0027】
RGB回転ホイール23cは、その正面図である図2に示されるように、円板状の外形を有し、その外周に沿ったリング状の領域に、大きさの異なる三つの開口を有している。また、三つの開口は、その周方向において、所定の間隔を空けて配置されている。三つの開口のうち、最も大きい開口には、青色帯域のみを透過させるBフィルタが、最も小さい開口には、赤色帯域のみを透過させるRフィルタが、残りの開口には、緑色帯域のみを透過させるGフィルタが、それぞれ嵌め込まれている。このRGB回転ホイール23cの中心は、モーターの駆動軸に固定されており、RGB回転ホイール23cは、モーターによって回転されると、各フィルタを照明光の光路内に繰り返し挿入する。すると、シャッター23cが遮蔽を解除している場合、ライトガイド14の基端面には、青色光,緑色光,及び赤色光が順に繰り返し入射される。なお、RGB回転ホイール23cの回転速度は、各フィルタが照明光の光路に挿入されるタイミングが上記基準信号によって示されるタイミングに同期するように、システムコントロール部21によって制御される。
【0028】
ところで、青色光,緑色光,及び赤色光がライトガイド14の基端面へ繰り返し入射していると、各色の光は、そのライトガイド14に導かれた後、配光レンズ11により拡散されて電子内視鏡1の先端に対向した被検体へと照射される。このとき、撮像素子15が、被検体の青色光による像,緑色光による像,及び、赤色光による像を、それぞれ画像信号(以下、便宜上、青色画像信号,緑色画像信号,及び赤色画像信号という)に順次変換するが、各色画像信号が生成されるタイミングは、第1乃至第3タイミングにそれぞれ同期されるので、画像処理部22において生成されるB成分画像データ,G成分画像データ,及びR成分画像データは、それぞれ、青色画像信号,緑色画像信号,及び赤色画像信号に基づく画像データとなる。このため、光源部23が各色の光を出力しているときに画像処理部22から出力されるNTSC信号やRGB信号に基づく画像は、カラー画像となる。
【0029】
<診断補助用装置>
次に、診断補助用装置3について、説明する。この診断補助用装置3は、プローブP,システムコントロール部31,光源部32,画像処理部33,及び、これらに電力を供給する電源部34を、備えている。
【0030】
プローブPは、可視帯域及び紫外帯域の光が透過可能な多数又は単一の可撓な光ファイバを、内包している。なお、図1に示されるように、このプローブPは、その先端が電子内視鏡1の鉗子チャンネルとしての細管13に挿入されてその挿入部1aの先端面から突出した状態で、用いられる。
【0031】
システムコントロール部31は、診断補助用装置3全体を制御する。このシステムコントロール部31には、フットスイッチFSが接続されており、システムコントロール部31は、このフットスイッチFSが操作者によって操作されると、操作後のフットスイッチFSの状態に応じて観察モードを通常観察モード又は特殊観察モードに切り替える。なお、本実施形態では、フットスイッチFSにより観察モードを切り替える構成としたが、そうでなくても良い。例えば、電子内視鏡1の操作部1bに切替ボタンを備えておき、この切替ボタンが、診断補助用装置3のシステムコントロール部31にケーブルを介して繋がれていても良い。この場合でも、システムコントロール部31は、操作後の切替ボタンの状態に応じて観察モードを通常観察モード又は特殊観察モードに切り替える。
【0032】
また、このシステムコントロール部31は、上記ケーブルC2を介して光源プロセッサ装置2のシステムコントロール部21と繋がれており、通常観察モードを示す第1切替信号、又は、特殊観察モードを示す第2切替信号を、当該装置2のシステムコントロール部21へ出力する。なお、第1又は第2切替信号が入力された当該装置2のシステムコントロール部21は、第1切替信号が入力されたときには、光が出力されるように光源部23を制御し、第2切替信号が入力されたときには、光の出力が停止されるように光源部23を制御する。
【0033】
さらに、このシステムコントロール部31には、上記ケーブルC1が繋がれており、光源プロセッサ装置2のシステムコントロール部21が生成する基準信号が、常時入力される。但し、このシステムコントロール部31は、特殊観察モードのときのみ、この基準信号に従って光源部32及び画像処理部33を制御し、通常観察モードのときには、これらの制御を停止する。さらに、このシステムコントロール部31は、ケーブルC5を介して、映像切替機4と繋がれており、上述した第1又は第2切替信号をその映像切替機4へも出力する。
【0034】
光源部32は、その内部構成については後述するが、上述したように、特殊観察モードのときのみ、システムコントロール部31によって制御され、通常観察モードのときには、動作しない。そして、特殊観察モードのときには、光源部32は、基準信号によって示される各タイミングのうちの第1タイミングに合わせて、プローブPの先端面に紫外光を入射させ、第2タイミングでは、光を発せず、第3タイミングでは、プローブPの基端面に可視光を入射させる。従って、プローブPの基端面には、紫外光と可視光とが交互に入射する。このプローブPの先端面が、被検体である体腔壁に対向していると、この体腔壁には、プローブPの先端面から射出された紫外光及び可視光が、交互に照射される。なお、照射された紫外光は、体腔壁下の生体組織を励起させることによりそれらから蛍光を発せさせ、照射された可視光は、体腔壁の表面にて反射される。また、紫外光又は可視光が照射されていないときには、体腔壁は光を放出又は反射しない。そして、蛍光を放出することによって形成される被検体の像と、光を反射又は放出していない被検体の像と、可視光を反射することによって形成される被検体の像は、撮像素子15により、第1乃至第3タイミングに同期されながら、それぞれ画像信号(以下、便宜上、蛍光画像信号,暗黒画像信号,及び参照画像信号という)に順次変換される。各画像信号は、信号線17を介して光源プロセッサ装置2の画像処理部22へ順に送信される。
【0035】
ところで、通常観察モードでは、光源プロセッサ装置2のシステムコントロール部21には、第1切替信号が入力されるので、その光源部23からは、各色の光が出力される。このとき、診断補助用装置3の光源部32からは光が出力されない。このため、通常観察モードにあっては、光源プロセッサ装置2の画像処理部22には、上述したように、青色画像信号,緑色画像信号,及び赤色画像信号が順次送られてくるので、この画像処理部22は、これら各色画像信号に基づいて、カラー画像を示すNTSC信号及びRGB信号を生成する。
【0036】
これに対し、特殊観察モードでは、光源プロセッサ装置2のシステムコントロール部21には、第2切替信号が入力されるので、その光源部23からは、各色の光が出力されない。このとき、診断補助用装置3の光源部32からは、可視光と紫外光とが交互に出力される。このため、特殊観察モードにあっては、光源プロセッサ装置2の画像処理部22には、上述したように、蛍光画像信号,暗黒画像信号,及び参照画像信号が順次送られてくる。すると、蛍光画像信号,暗黒画像信号,及び参照画像信号は、画像処理部22によって、それぞれB成分画像データ,G成分画像データ,及びR成分画像データに順に変換され、三個一組の各成分画像データは、NTSC信号に変換されるとともに、RGB信号とされる。NTSC信号は、上記ケーブルC3を介して映像切替機4へ出力され、RGB信号は、上記ケーブルC4を介して診断補助用装置3の画像処理部33へ出力される。
【0037】
画像処理部33には、上記ケーブルC4が繋がれており、何れの観察モードにおいても、光源プロセッサ装置2の画像処理部22から、RGB信号が入力される。但し、この画像処理部33は、特殊観察モードのときのみ、システムコントロール部31によって制御され、通常観察モードのときには、動作しない。そして、特殊観察モードのときには、画像処理部33は、光源プロセッサ装置2の画像処理部22からRGB信号を受信すると、B成分画像データとR成分画像データとを用いて、特殊観察画像(白黒モノクロで表現された被検体像上に患部と判断された箇所が例えば赤色にて示された画像)のカラー画像データを生成し、NTSC信号に変換する。ここで、取り出されるB成分画像データとR成分画像データは、上述した蛍光画像信号及び参照画像信号に基づく画像データであるので、以下では、これら画像データを、蛍光画像データ及び参照画像データという。但し、暗黒画像信号に基づく画像データは、実質的に輝度値を持たないため、ここでは用いられない。この画像処理部33は、ケーブルC6を介して映像切替機4と接続されており、このケーブルC6を介してNTSC信号を映像切替機4へ出力する。なお、特殊観察画像については、本出願人が先にした特願2002−287034号において詳しく説明されている。
【0038】
<映像切替機>
次に、映像切替機4について、説明する。この映像切替機4は、診断補助用装置3から上記ケーブルC5を介して第1切替信号を受信すると、通常観察モードであるとして、光源プロセッサ装置2から上記ケーブルC3を介して送られてくるNTSC信号をモニターMに出力し、モニターMにカラーの通常観察画像を表示させる。一方、映像切替機4は、診断補助用装置3から上記ケーブルC5を介して第2切替信号を受信すると、診断補助用装置3から上記ケーブルC6を介して送られてくるNTSC信号をモニターMに出力し、モニターMに特殊観察画像を表示させる。
【0039】
<診断補助用装置の光源部>
次に、診断補助用装置3の光源部32について、詳細に説明する。この光源部32は、図1に示されるように、光源用光学系32aとドライブ回路32bとを、備えている。
【0040】
図3は、光源用光学系32aを概略的に示す光学構成図である。なお、光源用光学系32aを説明する前に、本実施形態のプローブPの基端側の形状について説明する。本実施形態のプローブPの基端側は、図1には図示されていないが、図3に示されるように、途中から二股に分岐しており、二本の分岐プローブP1,P2として構成されている。
【0041】
光源用光学系32は、これら二本の分岐プローブP1,P2のそれぞれの基端面に、可視光又は紫外光を同時に供給する。より具体的には、この光源用光学系32は、一個のランプ111と、二個のコリメートレンズ121,122と、二個のミラー131,132と、二組のフィルタ群141,142と、二個の回転ホイール151,152と、二個の集光レンズ161,162とを、備えている。
【0042】
ランプ111は、可視帯域及び紫外帯域の波長を持つ白色光を発光点からほぼ全方向に向けて放射する水銀ランプである。コリメートレンズ121,122は、ランプ111から発せられる白色光の一部を平行光に変換するレンズである。これらコリメートレンズ121,122は、何れも、ランプ111の発光点がその光軸上に存在するような位置に、配置されており、互いに、ランプ111を挟んで対向している。従って、コリメートレンズ121を透過した後の平行光は、コリメートレンズ122を透過した後の平行光とは逆方向(図3では紙面内の上方)に向かって進行する。以下、説明の都合上、コリメートレンズ121を透過した後の平行光を「上側光束」といい、コリメートレンズ122を透過した後の平行光を「下側光束」という。
【0043】
ミラー131,132は、コリメートレンズ121,122を透過した後の上側光束及び下側光束の光路上にそれぞれ配置されており、これら上側光束及び下側光束をそれぞれ直角に反射する。これらミラー131,132の反射面の向きは、これらによって反射された後の上側光束及び下側光束が何れも同じ方向(図3では紙面内の右方)に向かって進行するように、調整されている。なお、これらミラー131,132は、一部の波長帯域を持つ光束のみを遮蔽する。これらミラー131,132の分光反射率のグラフを図4に示す。図4に示されるように、これらミラー131,132は、約700nm以上の波長を持つ光束を除去する。但し、これらミラー131,132は、全ての波長帯域に亘って光束を反射するミラーであっても良い。
【0044】
フィルタ群141,142は、何れも、第1フィルタ141a,142aと第2フィルタ141b,142bとから構成されており、ミラー131,132によって反射された後の上側光束及び下側光束の光路上にそれぞれ配置されている。第1フィルタ141a,142aは、その分光透過率のグラフである図5の実線にて示されるように、約500nm〜約600nmの波長を持つ光束を遮蔽し、約500nm以下の波長と約600nm以上の波長とを持つ光束を透過させる。第2フィルタ141b,142bは、図5の破線にて示されるように、約410nm〜約550nmの波長を持つ光束を遮蔽し、約410nm以下の波長と約550nm以上の波長とを持つ光束を透過させる。フィルタ群141,142は、これら第1フィルタ141a,142aと第2フィルタ141b,142bとによって、ミラー131,132により反射された後の上側光束及び下側光束から、約410nm〜約600nmの波長を持つ光束を除去する。
【0045】
回転ホイール151,152は、何れも、上述したRGB回転ホイール23cにおけるGフィルタが嵌め込まれた開口が塞がれたものと相似な形状を、有している。従って、これら回転ホイール151,152は、その中心位置から偏心した位置に大小二つの開口を有する円板形状に、形成されている。
【0046】
また、これら回転ホイール151,152の大小二つの開口には、所定の波長帯域を持つ光束のみを透過させるフィルタ151a,151b,152a,152bが、それぞれ嵌め込まれている。これらフィルタ151a,151b,152a,152bのうち、回転ホイール151,152における小さい方の開口に嵌め込まれているフィルタ151a、152aは、その分光透過率のグラフである図6に示されるように、約600nm以上の波長を持つ光束のみを透過させ、約600nm未満の波長を持つ光束を遮蔽する。以下、これらフィルタ151a,152aを参照光用フィルタという。また、回転ホイール151,152における大きい方の開口に嵌め込まれているフィルタ151b,152bは、その分光透過率のグラフである図7に示されるように、約390nm未満の波長をもつ光束のみを透過させ、約390nm以上の波長を持つ光束を遮蔽する。以下、これらフィルタ151b,152bを、励起光用フィルタという。
【0047】
これら回転ホイール151,152は、それぞれ、フィルタ群141,142を透過した後の上側光束及び下側光束の光路に、垂直に挿入されており、回転ホイール151の中心から偏心した位置へ上側光束が入射するとともに、回転ホイール152の中心から偏心した位置へ下側光束が入射するように、これら各回転ホイール151,152の配置位置が調整されている。そして、これら回転ホイール151,152の中心は、それぞれ、モーター151c,152cの駆動軸に固定されている。
【0048】
このため、これら回転ホイール151,152が、モーター151c,152cによって回転されると、上側光束の光路内には、参照光用フィルタ151aと励起光用フィルタ151bが交互に繰り返し挿入され、また、下側光束の光路内には、参照光用フィルタ152aと励起光用フィルタ152bとが交互に繰り返し挿入される。これにより、参照光用フィルタ151a,152aを透過した上側光束及び下側光束は、約600nm〜約700nmの波長のみを持つ光束(赤色を示す約630nmを含む光束)に変換され、励起光用フィルタ151b,152bを透過した上側光束及び下側光束は、約390nm未満の波長のみを持つ光束(水銀ランプの輝線の一つである365nmを含む光束)に変換される。以下、参照光用フィルタ151a,152aを透過した後の上側光束及び下側光束を、上側参照光及び下側参照光といい、励起光用フィルタ151b,152bを透過した後の上側光束及び下側光束を、上側励起光及び下側励起光という。
【0049】
集光レンズ161は、回転ホイール151を通過した上側参照光又は上側励起光を、分岐プローブP1の基端面に集光させる。また、集光レンズ162は、回転ホイール152を通過した下側参照光又は下側励起光を、分岐プローブP2の基端面に集光させる。
【0050】
なお、図1に示すドライブ回路32bは、システムコントロール部31から入力される基準信号によって示されるタイミングに従って両回転ホイール151,152が回転するように、モーター151c,152cの駆動を制御する。すなわち、ドライブ回路32bは、基準信号によって示される各タイミングのうちの第1タイミングに合わせて、上側光束及び下側光束の光路内に励起光用フィルタ(第2光学素子に相当)151b,152bが挿入され、第3タイミングに合わせて、上側光束及び下側光束の光路内に参照光用フィルタ(第1光学素子に相当)151a,152aが挿入されるように、両回転ホイール151,152の回転を制御する。これらドライブ回路32b及び両回転ホイール151,152は、挿入機構に相当する。
【0051】
以上に説明したように、第1の実施形態では、光源用光学系32aの参照光用フィルタ151a,152aは、上側光束及び下側光束の光路に同時に挿入され、また、励起光用フィルタ151b,152bは、上側光束及び下側光束の光路に同時に挿入される。つまり、分岐プローブP1の基端面に上側参照光が入射しているときには、プローブP2の基端面には下側参照光が入射し、また、分岐プローブP1の基端面に上側励起光が入射している時には、分岐プローブP2の基端面には下側励起光が入射する。その結果、プローブPの先端からは、上側参照光と下側参照光とが足し合わされてできる参照光と、上側励起光と下側励起光とが足し合わされてできる励起光とが、交互に放出されることとなる。
【0052】
従って、ランプ111の発する光のエネルギーが全方向に均等に分布していて、然も、コリメートレンズ121,122が、従来の光源用光学系のコリメートレンズと同じ大きさを有し、且つ、ランプ111から離れている距離が従来のコリメートレンズと同様であれば、第1の実施形態においてプローブPの先端面から射出される光の光量は、従来のものの約2倍になる。つまり、第1の実施形態によれば、参照光及び励起光の強度が、従来の光源用光学系よりも高まる。
【0053】
【実施形態2】
第2の実施形態は、第1の実施形態と比較すると、発光点から上側光束及び下側光束を取り出す光学系の構成が若干異なっているとともに上側光束と下側光束の二つの光路に対して1個の回転ホイールだけが用意されている他は、同じ構成を有している。従って、以下では、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
【0054】
図8は、本発明の第2の実施形態である内視鏡システムの診断補助用装置3に組み込まれる光源用光学系32a’を概略的に示す構成図である。なお、図8では、図3に示したものと同じものには、同一の符号が付されている。
【0055】
第2の実施形態の光源用光学系32a’は、ランプ111の発光点から上側光束を生成するための光学系として、第1レンズ123,楔プリズム125,及び第2レンズ127を有している。また、ランプ111の発光点から下側光束を生成するための光学系として、第1レンズ124,楔プリズム126,及び第2レンズ128を有している。
【0056】
両第1レンズ123,124は、第1の実施形態のコリメートレンズ121,122のようにランプ111を挟んで対向しておらず、ランプ111の発光点において互いの光軸が斜めに交差した状態で、配置されている。また、両第2レンズ127,128は、互いの光軸が一定の間隔を空けて平行となる状態で、配置されている。さらに、両楔プリズム125,126は、第1レンズ123,124と第2レンズ127,128との間に、配置されている。
【0057】
そして、ランプ111の発光点からほぼ全方向に発せられた光のうちの両第1レンズ123,124に取り込まれた光は、これら第1レンズ123,124を透過し、楔プリズム125,126によって屈折されたのち、各々の第2レンズ127,128によって平行光に変換される。これにより、両第2レンズ127,128から射出される平行光は、互いに一定の間隔を空けて同じ方向(図8では紙面内の右方)へ進行する上側光束及び下側光束となる。これら上側光束及び下側光束は、第1の実施形態と同様に、フィルタ群141,142をそれぞれ通過する。
【0058】
また、第2の実施形態の回転ホイール153は、第1の実施形態の各回転ホイール151,152と同様に、円板状の外形を有する。但し、第1の実施形態の各回転ホイール151,152とは異なり、この回転ホイール153は、その外周に沿ったリング状の領域に、六個の開口を有している。図9は、この回転ホイール153の正面図である。
【0059】
図9に示されるように、この回転ホイール153には、大きさの異なる三つの開口が、上記リング状領域のうちの半周の範囲内に、形成されている。また、これら三つの開口と同じ形状を有する三つの開口が、上記リング状領域における残りの半周の範囲内に、形成されている。互いに同じ形状を有する開口同士は、回転ホイール153の中心を対称点とする対称位置に、それぞれ配置されている。そして、図9に示されるように、六つの開口は、その周方向において、所定の間隔を空けて配置されている。
【0060】
また、最も小さな二つの開口には、第1の実施形態の参照光用フィルタ(図3及び図6参照)151a,152aと同様の構成を有するフィルタ153a,153aが嵌め込まれている。以下、これらフィルタ153aを第1参照光用フィルタという。最も大きな二つの開口には、第1の実施形態の励起光用フィルタ(図3及び図7参照)151b,152bと同様の構成を有するフィルタ153b,153bが嵌め込まれている。以下、これらフィルタ153bを励起光用フィルタという。残りの二つの開口には、上記参照光用フィルタ151a,152aと同様の構成を有するフィルタ153c,153cが嵌め込まれている。以下、これらフィルタ153cを第2参照光用フィルタという。
【0061】
そして、このように構成される回転ホイール153は、フィルタ群141を透過後の上側光束の光路に垂直に挿入されていると同時に、フィルタ群142を透過後の下側光束の光路にも垂直に挿入されている。なお、回転ホイール153の中心は、モーター153dの駆動軸に固定されており、この駆動軸は、上側光束と下側光束との間の中心において、これら光束と平行になるように、配置されている。従って、上側光束及び下側光束は、回転ホイール153の中心から偏心した位置にそれぞれ入射するとともに、回転ホイール153における上側光束及び下側光束の入射位置は、その中心を挟んで互いに逆側を、占めている。
【0062】
この回転ホイール153は、モーター153dによって回転されると、一回転する間に1つの光路に六つのフィルタ153a〜153c,153a〜153cを順に挿入する。つまり、上側光束の光路には、第1参照光用フィルタ153aと励起光用フィルタ153bと第2参照光用フィルタ153cとが順に繰り返し挿入される。また、上側光束の光路に第1参照光用フィルタ153aが挿入されると同時に、下側光束の光路にも第1参照光用フィルタ153aが挿入される。同様に、回転ホイール153の回転に伴って、上側光束及び下側光束の光路内には、2つの励起光用フィルタ153bが同時に挿入され、また、2つの第2参照光用フィルタ153cが同時に挿入される。
【0063】
そして、上側光束及び下側光束は、第1参照光用フィルタ153a,153aによって参照光に変換された後には、各々に対応する集光レンズ161,162を透過して、分岐プローブP1,P2の基端面へそれぞれ入射し、プローブPの先端から参照光(これを便宜上、第1参照光という)として射出される。また、上側光束及び下側光束は、励起光用フィルタ153b,153bによって励起光に変換された後には、各々に対応する集光レンズ161,162を透過して、分岐プローブP1,P2の基端面へそれぞれ入射し、プローブPの先端から励起光として射出される。さらに、上側光束及び下側光束は、第2参照光用フィルタ153c,153cによって参照光に変換された後には、各々に対応する集光レンズ161,162を透過して、分岐プローブP1,P2の基端面へそれぞれ入射し、プローブPの先端から参照光(これを便宜上、第2参照光という)として射出される。その結果、回転ホイール153が半周だけ回転する毎に、プローブPの先端からは、参照光が2回、励起光が1回、射出される。
【0064】
なお、第2の実施形態においても、回転ホイール153を回転させるためのモーター153aの駆動は、ドライブ回路32bによって制御される。このドライブ回路32bは、システムコントロール部31から入力される基準信号によって示される各タイミングのうちの第1タイミングに合わせて、上側光束及び下側光束の光路内に励起光用フィルタ(第2光学素子に相当)153b,153bが挿入され、第2タイミングに合わせて、上側光束及び下側光束の光路内に第2参照光用フィルタ(第1光学素子に相当)153c,153cが挿入され、第3タイミングに合わせて、上側光束及び下側光束の光路内に第1参照光用フィルタ(第1光学素子に相当)153a,153aが挿入されるように、回転ホイール153の回転を制御する。これらドライブ回路32b及び回転ホイール153は、挿入機構に相当する。
【0065】
また、図10には、プローブPの先端面から第1参照光,励起光,及び第2参照光が射出される際のタイミングチャートが、示されている。この図10には、九本のチャートが示されており、何れのチャートとも、縦軸は光の強度を示し、横軸は時間を示す。上側の三本のチャートは、プローブPの先端面から第1参照光,励起光,及び第2参照光が射出されるタイミングを示し、下側の六本のチャートは、回転ホイール153の有する各フィルタ153a,153b,153c,153a,153b,153cが上側光束及び下側光束の光路に侵入するタイミングを示す。また、下側の六本のチャートにおいて、実線は上側光束を、破線は下側光束を示す。
【0066】
以上のように構成される第2の実施形態において、光源用光学系32a’のランプ111の発する光のエネルギーが全方向に均等に分布していて、然も、コリメートレンズ群の第1レンズ123,124に入射する光の発光点での立体角が、何れも、従来の光源用光学系の1つのコリメートレンズに入射する光の発光点での立体角と同じであれば、第2の実施形態においてプローブPの先端面から射出される光の光量は、従来のものの約2倍になる。つまり、第2の実施形態によっても、参照光及び励起光の強度が、従来の光源用光学系よりも高まる。
【0067】
ところで、第2の実施形態では、参照光は、プローブPの先端から1周期(回転シャッター153の半周期)に2回射出されているが、1周期に1回だけ射出されていても良い。後者の場合、例えば第2参照光用フィルタ153c,153cが嵌め込まれている開口を塞ぐことにより実現可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、互いに異なる波長帯域をもつ2つの光束を光ファイバからなるプローブの基端面へ交互に入射させる場合であって、光源を1個だけしか備えていなくとも、プローブの基端面へ入射させる光束の強度を従来のものよりも高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態である内視鏡システムを概略的に示す構成図
【図2】光源プロセッサ装置のRGB回転ホイールの正面図
【図3】光源用光学系の概略的な構成図
【図4】ミラーの分光反射率を示すグラフ
【図5】第1フィルタの分光透過率を示すグラフ
【図6】参照光用フィルタの分光透過率を示すグラフ
【図7】励起光用フィルタの分光透過率を示すグラフ
【図8】第2の実施形態での光源用光学系を概略的に示す光学構成図
【図9】回転シャッターの正面図
【図10】プローブの先端面から射出される光束,及び光路内に侵入する回転シャッターの各フィルタのタイミングチャート
【図11】従来の光源用光学系を概略的に示す光学構成図
【符号の説明】
1 電子内視鏡
2 光源プロセッサ装置
3 診断補助用装置
32 光源部
32a 光源用光学系
32b ドライブ回路
111 ランプ
121〜124 コリメートレンズ
131,132 ミラー
141,142 フィルタ群
151〜153 回転シャッター
151a〜153a モーター
151b〜153b 参照光用フィルタ
151c,152c 励起光用フィルタ
153c 参照光用フィルタ
153d 励起光用フィルタ
161,162 集光レンズ
P プローブ
P1,P2 分岐プローブ
Claims (11)
- 光ファイバからなるプローブの基端面へ、第1の波長帯域のみを有する光束と第2の波長帯域のみを有する光束とを、交互に入射させる光源用光学系であって、
一つの発光点から放射される白色光のうちの一部の光束を集光するとともに集光された光束を前記プローブの基端面へ入射させる少なくとも2組の光学系と、前記白色光から前記第1波長帯域のみを有する光束を抽出する第1光学素子と、
前記白色光から前記第2波長帯域のみを有する光束を抽出する第2光学素子と、
前記各光学系の光路内への前記第1光学素子の挿入,及び、前記各光学系の光路内への前記第2光学素子の挿入を、交互に繰り返し行う挿入機構と
を備えることを特徴とする光源用光学系。 - 前記挿入機構は、前記各光路内に前記第1光学素子及び前記第2光学素子を挿入する時以外は、前記各光束を遮蔽する
ことを特徴とする請求項1記載の光源用光学系。 - 前記第1光学素子及び前記第2光学素子は、それぞれ、第1波長帯域及び第2波長帯域のみを透過させる光学フィルタである
ことを特徴とする請求項1又は2記載の光源用光学系。 - 前記挿入機構は、モーターの駆動軸にその中心を固定されているとともに偏心位置に少なくとも2個の開口が穿たれている円板状の回転ホイールを有し、
前記第1光学素子及び前記第2光学素子は、前記回転ホイールの前記各開口に嵌め込まれている
ことを特徴とする請求項1,2又は3記載の光源用光学系。 - 前記挿入機構は、前記各光学系毎に、前記回転ホイールを有している
ことを特徴とする請求項4記載の光源用光学系。 - 前記挿入機構は、前記各光学系の光路内に前記第1光学素子を同時に挿入し、或いは、前記各光学系の光路内に前記第2光学素子を同時に挿入する1枚の前記回転ホイールを、有している
ことを特徴とする請求項4記載の光源用光学系。 - 前記各光学系は、
前記発光点から放射された前記白色光のうちの一部の光束を平行光に変換するコリメートレンズ群と、
前記コリメートレンズ群により変換された平行光を前記プローブの基端面に集光させる集光レンズ群と
を備える
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の光源用光学系。 - 前記プローブの基端側は、前記コリメートレンズの数と同じ数だけ分岐されており、分岐されている前記プローブの各々の基端面には、前記各光学系によって集光された光束が、それぞれ入射する
ことを特徴とする請求項7記載の光源用光学系。 - 前記第1の波長帯域は、600nmから700nmまでの波長帯域であり、
前記第2の波長帯域は、365nmを含む波長帯域である
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の光源用光学系。 - 前記各光学系の光路内に、500nmから550nmまでの波長帯域を除去する光学フィルタを、更に備えている
ことを特徴とする請求項9記載の光源用光学系。 - 前記白色光は、水銀ランプの発光点から放出された光である
ことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の光源用光学系。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006330093A (ja) * | 2005-05-23 | 2006-12-07 | Mitsutoyo Corp | フィルタリングユニット,照明装置,画像処理装置 |
CN102599875A (zh) * | 2006-03-22 | 2012-07-25 | 皇家飞利浦电子股份有限公司 | 医疗器械系统 |
JP2016059401A (ja) * | 2014-09-12 | 2016-04-25 | 富士フイルム株式会社 | 内視鏡用光源装置及び内視鏡システム |
US10667720B2 (en) | 2011-07-29 | 2020-06-02 | Auris Health, Inc. | Apparatus and methods for fiber integration and registration |
-
2002
- 2002-12-04 JP JP2002351872A patent/JP2004180953A/ja active Pending
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