JP2004180344A - 動画像信号処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】復号化された動画像信号の符号化歪み効果的に除去できる動画像信号処理装置を提供する。
【解決手段】入力動画像信号121に対し所定のフィルタ係数に従って時間軸方向のフィルタリング処理を行って出力動画像信号123を出力する時間フィルタ100と、時間フィルタ100におけるフィルタ係数を入力動画像信号121と出力動画像信号123をフレーム遅延器103によって遅延させた信号との差分の大きさに応じて決定するフィルタ係数決定部105を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】入力動画像信号121に対し所定のフィルタ係数に従って時間軸方向のフィルタリング処理を行って出力動画像信号123を出力する時間フィルタ100と、時間フィルタ100におけるフィルタ係数を入力動画像信号121と出力動画像信号123をフレーム遅延器103によって遅延させた信号との差分の大きさに応じて決定するフィルタ係数決定部105を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、本発明は動画像信号処理装置に係り、特に動画像信号を高能率に圧縮符号化する動画像符号化装置および圧縮符号化された信号を復号化して元の動画像信号を再生する動画像復号化装置において、圧縮符号化によって生じた符号化歪みを除去したり、動画像信号のノイズを符号化に先立って除去したりするのに適した動画像信号処理装置に関する。
TV電話、TV会議システム、携帯情報端末、デジタルビデオディスクシステムおよびデジタルTV放送システムのように、動画像信号を伝送/蓄積するシステムにおいては、動画像を少ない情報量に圧縮符号化し、得られた符号列を伝送路/蓄積媒体へ伝送/蓄積して、伝送/蓄積された符号列を復号化することによって元の動画像信号を再生する。
このようなシステムに適用される動画像信号の圧縮符号化技術として、動き補償、離散コサイン変換(DCT)、サブバンド符号化、ピラミッド符号化等の方式やこれらを組み合わせた方式など、様々な方式が開発されている。また、動画像の圧縮符号化の国際標準方式として現在、ISO・MPEG1、MPEG2、ITU−T・H.261、H.262が規定されている。これらの符号化方式はいずれも動き補償適応予測コサイン変換符号化を用いた方式であり、非特許文献1等に詳細が述べられている。
動画像信号を圧縮符号化技術を用いて少ない情報量、例えば、数kbps〜数10kbps程度のレートまで圧縮符号化できれば、アナログ電話回線、セルラホン、およびPHS等の無線電話回線でも動画像を伝送することが可能となり、TV電話装置、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ等の間で動画像通信が可能となる。
ところで、無線伝送路のように伝送路誤りが多く混入する伝送路で動き補償予測符号化を行った動画像信号を伝送する場合、誤り耐性を高めるためリフレッシュと呼ばれる方式が用いられることがある。リフレッシュとは、動画像信号の一部分を誤りの影響が後続のフレームに伝幡しないフレーム内符号化を用いて符号化する操作である。しかし、リフレッシュを行うと、リフレッシュ部分つまりフレーム内符号化を行った部分と、それ以外の動き補償予測符号化した部分とでは符号化方法が異なるために復号画像の性質が異なり、リフレッシュ部分とそれ以外の部分の間に違和感を生じて、復号画像の主観的品質が低下する。
一方、動き補償予測の予測効率を改善する方式として、動きベクトルを画素毎に内挿補間するパッチ動き補償と呼ばれる方式がある。しかし、パッチ動き補償は物体のなめらかな変形を効率良く表すことができるという利点がある反面、静止している背景と動物体の境界部分等の動きが大きく変化している部分では、動き補償を効率的に行うことができず、大きな符号化歪みが生じてしまう。
また、符号化対象の動画像信号にカメラ入力の問題等によって、ノイズが混入したりフリッカが生じたりすると、符号化効率が大きく低下し、結果的に符号化品質が低下してしまう。特に、符号化ビットレートが低い場合には、この問題は顕著である。この問題を改善する方法として、符号化に先立って入力画像信号に帯域制限フィルタをかける方式がある。しかし、この方式ではノイズだけでなく本来の信号成分の一部も失われてしまうため、符号化した画像にぼけを生じてしまう。
さらに、カメラ入力の問題等によって、符号化対象の動画像信号の画像端、すなわち画面端部に位置する部分に、黒レベル画素のような画素値が非常に低く周囲の画素と画素値が大きく異なる画素が帯状に存在することがある。このような低レベル画素が存在すると、画像端に近い部分での動きベクトル検出の精度が低下して符号化効率の低下をもたらしたり、動き補償によってこの低レベル画素が周囲に広がったりして符号化画像の品質が低下してしまう。
安田浩編著、"マルチメディア符号化の国際標準"、丸善、(平成3年6月)
安田浩編著、"マルチメディア符号化の国際標準"、丸善、(平成3年6月)
上述したように、伝送路誤りに対する耐性を高めるためにフレーム内符号化などによるリフレッシュ符号化を用いる動画像符号化/復号化装置では、フリフレッシュ符号化を行った部分とそれ以外の部分とで復号画像の性質が異なるために復号画像の主観的品質が低下するという問題があった。
また、パッチ動き補償を行う動画像符号化/復号化装置では、動きが大きく変化する部分で大きな符号化歪みを生じてしまうという問題があった。さらに、従来の動画像符号化/復号化装置では、入力動画像信号にノイズやフリッカが存在すると符号化効率が低下し、また画像端に低レベル画素が存在すると符号化品質が低下するという問題があった。
本発明は、上述した従来の動画像符号化/復号化装置の問題点を解決すべくなされたもので、復号化された動画像信号の符号化歪みや、動画像信号を符号化する前のノイズ、フリッカなどを効果的に除去できる動画像信号処理装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る動画像信号処理装置は、入力動画像信号に対し所定のフィルタ係数に従って時間軸方向のフィルタリング処理を行って出力動画像信号を出力する時間フィルタ手段と、この時間フィルタ手段におけるフィルタ係数を少なくとも入力動画像信号と出力動画像信号を遅延させた信号または入力動画像信号を遅延させた信号との差分の大きさに応じて決定するフィルタ係数決定手段とを有することを特徴とする。
また、この動画像信号処理装置が複数の符号化モードを有する動画像符号化装置によって得られた符号化データから動画像復号装置によって復号された復号動画像信号を入力動画像信号とする場合、フィルタ係数決定手段では時間フィルタ手段におけるフィルタ係数を少なくとも(a) 入力動画像信号と出力動画像信号を遅延させた信号または入力動画像信号を遅延させた信号との差分の大きさ、および(b) 動画像符号化装置の符号化モードに応じて決定する。
この動画像信号処理装置においては、例えば入力動画像信号と出力動画像信号または入力動画像信号を遅延させた信号との差分の大きさが小さい部分、すなわち静止部分では比較的強い時間フィルタリングをかけた信号が出力動画像信号として出力されるようにフィルタ係数が決定されることによって、静止部分で特に目立ちやすい符号化歪みが効果的に軽減される。また、差分の大きさが大きい部分では復号動画像信号をそのままか、あるいは弱い時間フィルタリングをかけて出力動画像信号として出力されるようにフィルタ係数が決定されることにより、シーンチェンジ等によって画像が大きく変化する場合でも画像の大きな変化が残像として残ることが防止される。
また、フィルタ係数をさらに符号化モードを考慮して決定する場合は、例えばリフレッシュ符号化を行った部分で比較的強く時間フィルタリングがかかるようにフィルタ係数を設定することによって、リフレッシュ符号化が行われた部分の符号化モード(フレーム内符号化モード)と他の部分の符号化モード(動き補償予測符号化モード)との符号化方式の違いに起因する復号画像の性質が相違による復号画像の不自然さ解消される。
さらに、フィルタ係数をアクティビティ、すなわち画像の複雑さを示す評価値をも考慮して決定してもよく、その場合には例えばアクティビティの高いエッジや細かい絵柄の部分で時間フィルタリングを弱くかけるか、入力動画像信号をそのまま出力することで、時間フィルタリングによって生じる画像のぼけを小さくし、アクティビティが低くまた符号化歪みが目立ちやすい平坦部分は時間フィルタリングを強くかけることで、符号化歪みを効果的に抑圧できる。
さらに、本発明においては、入力動画像信号から画像端に存在する画素値がしきい値以下である低レベル画素の画素信号を除去する処理を行う低レベル画素信号除去処理を行った後、上述した時間フィルタリング処理およびフィルタ係数の決定を行ってもよい。
このようにすると、カメラ入力の問題等によって生じた画像端に存在する黒レベル画素のような低レベル画素の画素信号を圧縮符号化前に入力動画像信号から除去とることにより、符号化効率が向上し、結果的に符号化品質が向上する。
また、本発明によると、このような入力動画像信号から画像端に存在する画素値がしきい値以下である低レベル画素の画素信号を除去する低レベル画素信号除去処理は、入力動画像信号から画素値がしきい値以下である低レベル画素を検出し、低レベル画素数が画像端に何画素あるかを探索し、この低レベル画素の画素値を探索した低レベル画素数に基づいて決定された低レベル画素以外の画素値で置き換えることによって実現される。
以上説明したように、本発明の画像信号処理装置によれば、動画像信号の圧縮符号化によって生じた符号化歪みを除去し、復号画像の品質を高めることができる。また、圧縮符号化を行う動画像信号に存在するノイズ、フリッカ、黒縁などを除去して圧縮符号化の効率を高め、符号化品質を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る動画像信号処理装置である符号化歪み除去装置の構成を示すブロック図である。この符号化歪み除去装置は、入力動画像信号として動画像復号化装置からの復号動画像信号121を入力し、この復号動画像信号121に対し巡回型適応時間フィルタ100により符号化歪み除去のために時間軸方向のフィルタリング処理(以下、時間フィルタリング処理という)を行って、出力動画像信号123を出力するものである。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る動画像信号処理装置である符号化歪み除去装置の構成を示すブロック図である。この符号化歪み除去装置は、入力動画像信号として動画像復号化装置からの復号動画像信号121を入力し、この復号動画像信号121に対し巡回型適応時間フィルタ100により符号化歪み除去のために時間軸方向のフィルタリング処理(以下、時間フィルタリング処理という)を行って、出力動画像信号123を出力するものである。
時間フィルタ100は、第1の乗算器101、加算器102、フレーム遅延器103および第2の乗算器104により構成される。また、時間フィルタ100のフィルタ係数(以下、重み係数という)は、重み係数決定部105により決定される。この重み係数決定部105は、フレーム間差分計算部106と重み係数計算部107により構成される。
次に、本実施形態による符号化歪み除去装置の動作を説明する。入力される復号動画像信号121は、第1の乗算器101において重み係数決定部105から出力された第1の重み係数125が乗じられた後、加算器102に入力される。加算器102からの出力信号は、出力動画像信号123として装置外へ出力されると共に、フレーム遅延器103に入力される。フレーム遅延器103からは、出力動画像信号123を1フレーム時間遅延させた信号124が出力される。このフレーム遅延器103からの出力信号124は、第2の乗算器104で重み係数決定部105から出力された第2の重み係数126が乗じられる。第2の乗算器104からの出力信号は、加算器102で第1の乗算器101からの出力信号と加算される。
重み係数決定部105は、復号動画像信号121と1フレーム前の出力動画像信号124を基にして、以下のように画素毎に重み係数125,126を決定する。まず、フレーム間差分計算部106において、復号動画像信号121と1フレーム前の出力動画像信号124との差分の大きさDを処理対象画素の周囲±M画素を用いて次式に従って計算する。
そして、こうして計算した差分の大きさDから、重み係数計算部107によって重み係数を計算して決定する。図2は、差分の大きさDと重み係数の関係の一例を示したものである。図中、縦軸のWは第2の重み係数126であり、第1の重み係数125は(1−W)とする。また、ath1、ath2、WLはあらかじめ定められた定数である。
このように重み係数決定部105では、復号動画像信号121と1フレーム前の出力動画像信号124との差分の大きさDに応じて重み係数125,126が適応的に決定される。すなわち、差分の大きさDが小さいときは、Wが大きくなるように決定される。これにより、符号化歪みが目立ちやすい静止部分では、符号化歪みが加わった復号動画像信号121がそのまま出力されるのではなく、時間フィルタ100で復号動画像信号121に対して1フレーム前の出力動画像信号124との重み付け加算による時間フィルタリング処理を行った信号が出力動画像信号124として出力されることによって、符号化歪みが軽減される。
一方、差分の大きさDがしきい値ath2以上になる部分ではW=0となり、復号動画像信号121がそのまま出力動画像信号123として出力される。このため、シーンチェンジ等により前フレームから画像が大きく変化する部分でも、画像の大きな変化が残像として残ってしまうことは無い。
なお、本実施形態では画素単位の処理を説明したが、ブロック単位で処理を行ってもよい。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る動画像信号処理装置である符号化歪み除去装置の構成を示すブロック図であり、差分の大きさDと重み係数Wの関係を動画像符号化装置の符号化モードや、動画像符号化装置で求められた動きベクトルの大きさ等に応じて切り替えるようにした例である。このため、本実施形態では動画像復号化装置から復号動画像信号121とは別に、符号化モードや動きベクトルを示す信号(サイド情報信号という)128がフィルタ係数決定部105内の重み係数計算部107に入力される。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る動画像信号処理装置である符号化歪み除去装置の構成を示すブロック図であり、差分の大きさDと重み係数Wの関係を動画像符号化装置の符号化モードや、動画像符号化装置で求められた動きベクトルの大きさ等に応じて切り替えるようにした例である。このため、本実施形態では動画像復号化装置から復号動画像信号121とは別に、符号化モードや動きベクトルを示す信号(サイド情報信号という)128がフィルタ係数決定部105内の重み係数計算部107に入力される。
図4は、伝送路誤りによって生じる画質劣化の伝幡を抑えるために動画像符号化装置でリフレッシュ符号化を行っている場合に、リフレッシュ符号化を行った部分とそれ以外の部分で差分の大きさDと重み係数Wの関係を切り替える例を示している。リフレッシュ符号化を行った部分に対しては401の特性を用い、それ以外の部分では402の特性を用いる。
リフレッシュ符号化を行った部分で重み係数Wが大きくなりやすい特性401を用いるのは、リフレッシュ符号化が行われた部分の符号化モードはフレーム内符号化モードであり、他の部分の符号化モード(例えば動き補償予測符号化モード)と符号化方式が異なるために復号画像の性質が異なり、復号画像に不自然さが生じやすいためである。特に、符号化歪みが目立ちやすい静止部分や動きが小さい部分では、前フレームまで通常の動き補償予測符号化モードであった部分がリフレッシュ符号化モードであるフレーム内符号化モードに変化すると、復号画像の性質の変化が視覚的に顕著になって復号画像の主観品質が低下しやすい。
これに対し、図4の特性401を用いれば、差分の大きさDが小さくなる静止部分や動きが小さい部分では重み係数W、すなわち1フレーム前の出力動画像信号124に対する重み係数126が大きくなる。従って、復号動画像信号121のうちリフレッシュにより性質の変化した部分は1フレーム前の出力動画像信号124との重み付け加算が行われ、時間フィルタリング処理が強くかかるため、画質劣化が小さく抑えられることになる。
図5は、本実施形態において差分の大きさDと重み係数Wの関係を切り替えるもう一つの例を示したものである。動き補償予測符号化モードでは、重み係数Wが大きくなる図5の特性501を用いる。これは、静止部分と動物体の境界部分で静止部分が動物体の動きベクトルによって誤って動き補償されてしまうことによって生じる符号化歪みを抑えるためであり、物体の境界部分で大きな歪みを生じやすいパッチ動き補償の符号化歪みを低減するのに有効である。
一方、フレーム内符号化モードでは、このような歪みは生じないため、重み係数Wが小さくなる特性502を用いる。
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係る動画像信号処理装置である符号化歪み除去装置の構成を示すブロック図であり、差分の大きさDと重み係数Wの関係を画像の複雑さを示すアクティビティに応じて変えるようにした例である。このために、本実施形態ではフィルタ係数決定部105においてアクティビティ計算部108で復号動画像信号121のアクティビティを計算し、これに応じてしきい値計算部109が発生する図7のしきい値ath1およびath2を変化させる構成となっている。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る動画像信号処理装置である符号化歪み除去装置の構成を示すブロック図であり、差分の大きさDと重み係数Wの関係を画像の複雑さを示すアクティビティに応じて変えるようにした例である。このために、本実施形態ではフィルタ係数決定部105においてアクティビティ計算部108で復号動画像信号121のアクティビティを計算し、これに応じてしきい値計算部109が発生する図7のしきい値ath1およびath2を変化させる構成となっている。
まず、アクティビティ計算部108およびフレーム間差分計算部106において、復号動画像信号121のアクティビティ131および1フレーム前の出力動画像信号124との差分の大きさ127を処理対象画素の周囲±M画素で次式に従って計算する。
次に、しきい値計算部109においてアクティビティ221から第1のしきい値132(ath1)および第2のしきい値133(ath2)を図7(a)および(b)の特性に基づいて決定する。図7中、th1,th2,αはあらかじめ定められた定数である。図7(a)(b)の特性を式で表すと、以下のようになる。
ath1=th1−α・act・th1/th2ath2=th2−α・actそして、重み係数計算部107で差分の大きさ127と第1および第2のしきい値132および133から図2に示す特性に従って重み係数125,126が決定される。
このようにアクティビティに応じて時間フィルタ100の特性を変化させることにより、アクティビティの高い部分、すなわちエッジや細かい絵柄の部分では、しきい値ath1およびath2が小さくなって重み係数Wが小さくなる。これによって時間フィルタ100での時間フィルタリングの強さが弱くなり、時間フィルタ100によって生じる画像のぼけが小さく抑えられる。
一方、符号化歪みが目立ちやすい平坦部分はアクティビティが低いことから、重み係数Wは大きくなりやすく、時間フィルタリングが強くかかるため、符号化歪み抑圧効果が大きくなる。
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態に係る動画像信号処理装置である符号化歪み除去装置の構成を示すブロック図である。図1と相対応する部分に同一の符号を付して第1の実施形態との相違点を中心に説明すると、本実施形態は空間フィルタ110が新たに追加され、加算器102の出力信号は空間フィルタ110により空間方向での符号化歪み除去処理がなされた後に、出力動画像信号123として取り出される点が異なる。
図8は、本発明の第4の実施形態に係る動画像信号処理装置である符号化歪み除去装置の構成を示すブロック図である。図1と相対応する部分に同一の符号を付して第1の実施形態との相違点を中心に説明すると、本実施形態は空間フィルタ110が新たに追加され、加算器102の出力信号は空間フィルタ110により空間方向での符号化歪み除去処理がなされた後に、出力動画像信号123として取り出される点が異なる。
空間フィルタ110は、空間方向のフィルタリング処理を行うことにより符号化歪みを除去するものであり、具体的には例えば隣接画素間の差分の大きさに応じて適応的にフィルタの強さを変化させ、画素間差分が小さい部分はフィルタを強くし画素間差分が大きい部分はフィルタを弱くする。これにより、エッジを保存しながらモスキート歪み等の符号化歪みを除去することができる。
このように本実施形態では、時間フィルタ100による時間軸方向の符号化歪み除去に、空間フィルタによる空間方向の符号化歪み除去を組み合わせることにより、復号動画像信号121と1フレーム分の時間的ずれのある出力動画像信号124を重み付け加算処理することによってまれに生じてしまう残像を取り除くことができ、時間フィルタのみによる場合に比べ出力動画像信号123の品質がさらに向上する。
(第5の実施形態)
図9は、本発明の第5の実施形態に係る動画像信号処理装置である符号化歪み除去装置の構成を示すブロック図である。この符号化歪み除去装置は、動画像復号化装置から入力される現フレームの復号動画像信号221と動画像復号化装置のフレームメモリに記憶されている1フレーム前の復号動画像信号224を入力して、非巡回型適応時間フィルタ200により符号化歪み除去処理を行って出力動画像信号223を出力するものである。
図9は、本発明の第5の実施形態に係る動画像信号処理装置である符号化歪み除去装置の構成を示すブロック図である。この符号化歪み除去装置は、動画像復号化装置から入力される現フレームの復号動画像信号221と動画像復号化装置のフレームメモリに記憶されている1フレーム前の復号動画像信号224を入力して、非巡回型適応時間フィルタ200により符号化歪み除去処理を行って出力動画像信号223を出力するものである。
時間フィルタ200は、第1の乗算器201、加算器202および第2の乗算器204により構成される。また、時間フィルタ200のフィルタ係数(重み係数という)は、重み係数決定部205により決定される。
入力される現フレームの復号動画像信号221および1フレーム前の復号動画像信号228は、第1、第2の乗算器201,204で重み係数決定部205から与えられる第1、第2の重み係数が乗じられた後、加算器202に入力されて互いに加算され、この加算器202の出力信号が出力動画像信号223として装置外へ出力される。
重み係数決定部205では、第1〜第4の実施形態のいずれかにおける重み係数決定部105と同様にして重み係数を決定する。ただし、フレーム間差分Dは復号動画像信号221と1フレーム前の復号動画像信号224との差分として、次式に従って計算する。
このように本実施形態の符号化歪み除去装置では、第1〜第4の実施形態で用いた巡回型の適応時間フィルタ100に対して非巡回型の時間フィルタ200により符号化歪み除去処理を行う。このため、第1〜第4の実施形態に比べて符号化歪み除去性能は若干低下するものの、第1〜第4の実施形態のように1フレーム前の出力動画像信号と現フレームの復号動画像信号との重み付け加算をとることによって生じる残像は少なくなる。また、本実施形態では動画像復号化装置から1フレーム前の復号動画像信号224を取り出すので、符号化歪み除去装置内にフレーム遅延器を設ける必要は無く、ハードウェア量が削減される。
ただし、動画像復号化装置の構成によっては、1フレーム前の復号動画像信号224を出力できない場合がある。この場合は、図9中に示すように符号化歪み除去装置内に現フレームの復号動画像信号221を1フレーム時間遅延させるフレーム遅延器203を設けて、1フレーム前の復号動画像信号224を生成すればよい。
(第6の実施形態)
図10は、本発明の第6の実施形態に係る動画像信号処理装置の構成を示すブロック図であり、第1〜第5の実施形態と異なり、動画像符号化装置において動画像信号の圧縮符号化に先立ってノイズやフリッカ等を抑圧する装置である。
図10は、本発明の第6の実施形態に係る動画像信号処理装置の構成を示すブロック図であり、第1〜第5の実施形態と異なり、動画像符号化装置において動画像信号の圧縮符号化に先立ってノイズやフリッカ等を抑圧する装置である。
入力の動画像信号321は、まず画像黒縁除去処理部306に入力され、カメラ入力の問題等によって生じた画像端に存在する黒レベル画素、すなわち画素値が所定のしきい値以下である低レベル画素の画素信号を動画像信号321から除去する処理が行われる。
図11は、この画像黒縁除去処理を説明するための図であり、画像左端に存在する黒レベル画素を取り除く処理の例を示している。図11において黒丸は黒レベル画素、白丸は黒レベル以外の画素をそれぞれ表す。
[ステップ1]まず、画像左端から順に黒レベル画素を検出する。画素が黒レベル画素かどうかの判定は、画素値があらかじめ定められたしきい値以下かどうかにより行えばよい。
[ステップ2]次に、黒レベル画素が画像左端から数えて何画素連続して存在するかを各水平ライン毎に探索する。このようにして探索された画像左端からの黒レベル画素数をNsbとする。
[ステップ3]そして、黒レベル画素の画素信号をそれよりもNf(任意の整数)個右にある画素の画素信号で置き換える。以上の処理を図11中の最上部の水平ラインの例で説明すると、画像左端から2つの黒レベル画素1101,1102が存在するので、黒レベル画素数Nsbは2となる。ここでNf=2とすれば、画像左端からNsb+Nf−1個の画素1101〜1103を画像左端からNsb番目の画素1104の画素値で置き換えることになる。
画像の上端、右端、下端にも黒レベル画素が存在する場合には、上記の画像左端に存在する画素に対する処理と同様に、黒レベル画素の画素信号を他の画素の画素信号で置き換える処理を行えばよい。
なお、画像端に大きな幅の黒レベル画素値が存在する場合、これに対して上記の画素置き換え処理を行うと、画像に違和感が生じてしまうことがある。これを防ぐため、黒レベル画素数Nsbが一定値以上になる場合には、上記の画素置き換え処理は行わないようにしてもよい。
図10に説明を戻すと、黒縁除去処理部306で画像端に存在する黒レベル画素の画素信号を除去する処理がなされた後の動画像信号は、巡回型適応時間フィルタ300によってノイズやフリッカなどが除去される。巡回型適応時間フィルタ300とそのフィルタ係数(重み係数)を決定する重み係数決定部305は、第1〜第4の実施形態で説明したのと同様の構成となっており、乗算器301、加算器302、フレーム遅延器303および乗算器304は、例えば図1における乗算器101、加算器102、フレーム遅延器103および乗算器104と同様の動作を行う。重み係数部305での重み係数の決定も第1〜第4の実施形態と同様に行うが、先に示したWL,th1,th2,α等の定数は、入力動画像信号321またはこれを画像黒縁除去306を通した動画像信号の性質に合わせて定められものとする。
ここで、wa,wDはk,lに応じて重みをつける係数である。
100…巡回型適応時間フィルタ、101…乗算器、102…加算器、103…フレーム遅延器、104…乗算器、105…フィルタ係数決定部、106…フレーム間差分計算部、107…重み係数計算部、108…アクティビティ計算部、109…しきい値計算部、110…空間フィルタ、121…復号動画像信号、123…出力動画像信号、124…1フレーム前の出力動画像信号、125,126…重み係数、127…フレーム間差分、128…サイド情報信号、131…アクティビティ、132,133…しきい値、200…非巡回型適応時間フィルタ、201…乗算器、202…加算器、203…フレーム遅延器、204…乗算器、205…フィルタ係数決定部、300…巡回型適応時間フィルタ、301…乗算器、302…加算器、303…フレーム遅延器、304…乗算器、305…フィルタ係数決定部、306…画像黒縁除去部、321…入力動画像信号、323…出力動画像信号、324…1フレーム前の出力動画像信号、325,326…重み係数、401…リフレッシュモードでのフレーム間差分と重み係数の関係、402…リフレッシュ以外のモードでのフレーム間差分と重み係数の関係、501…動き補償モードでのフレーム間差分と重み係数の関係、502…フレーム内符号化モードでのフレーム間差分と重み係数の関係
Claims (3)
- 入力動画像信号から画像端に存在する画素値がしきい値以下である低レベル画素の画素信号を除去する処理を行う低レベル画素信号除去手段と、前記低レベル画素信号除去手段により処理された入力動画像信号に対し所定のフィルタ係数に従って時間軸方向のフィルタリング処理を行って出力動画像信号を出力する時間フィルタ手段と、前記時間フィルタ手段におけるフィルタ係数を少なくとも前記低レベル画素信号除去手段により処理された入力動画像信号と前記出力動画像信号を遅延させた信号または前記入力動画像信号を遅延させた信号との差分の大きさに応じて決定するフィルタ係数決定手段とを有することを特徴とする動画像信号処理装置。
- 前記低レベル画素信号除去手段は、入力動画像信号から画素値がしきい値以下である低レベル画素を検出し、低レベル画素数が画像端に何画素存在するかを探索し、前記低レベル画素の画素値を前記低レベル画素数に基づいて決定された低レベル画素以外の画素値で置き換えることによって画像端に存在する前記低レベル画素の画素信号を除去することを特徴とする請求項1に記載の動画像信号処理装置。
- 入力動画像信号から画像端に存在する画素値がしきい値以下である低レベル画素の画素信号を除去する低レベル画素信号除去方法において、前記入力動画像信号から画素値がしきい値以下である低レベル画素を検出し、低レベル画素数が画像端に何画素あるかを探索し、前記低レベル画素の画素値を前記探索した低レベル画素数に基づいて決定された低レベル画素以外の画素値で置き換えることによって画像端に存在する前記低レベル画素の画素信号を除去することを特徴とする低レベル画素信号除去方法。
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2004
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