【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、玩具、自動車、航空機、携帯端末機器等に搭載する加速度検出用の半導体加速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、加速度センサとしてピエゾ抵抗効果、静電容量変化等の物理量変化を利用したものが製品化されている。これらの加速度センサは、様々な分野で広く用いることができるが、近年小型、高感度で多軸方向の加速度を同時に検出できるものが要求されている。
【0003】
特にシリコン単結晶は、格子欠陥が極めて少ないために理想的な弾性体となること、半導体プロセス技術をそのまま転用することができること等の特徴を有し、前記したような小型で高感度の加速度センサを製造するのに好適な素材である。もって、そのシリコン単結晶を母体として薄肉の弾性部を設け、この薄肉の弾性部の変位をピエゾ抵抗素子により電気信号に変換して出力するピエゾ抵抗素子を用いた半導体加速度センサが注目されている。
【0004】
従来の3軸の半導体加速度センサ(以下センサと称する。)の一例が、下記特許文献1に開示されている。特許文献1のセンサの平面視を図10(a)に、図10(a)のX−X線に沿った断面視を図10(b)に示す。特許文献1には、シリコン単結晶基板(以下、Si単結晶基板と称する)の薄肉部から成る梁構造の弾性部を有し、Si単結晶基板の厚肉部から成る中央の質量部と周辺の枠部とは該弾性部で接続され、弾性部上には各軸複数個のピエゾ抵抗素子が形成されてなる基本構造が示されている。
【0005】
センサ9は、図10に示すように、Si単結晶基板の厚肉部から成る中央の質量部92と、質量部92を囲み周設した枠部91と、質量部92と枠部91とを連結したSi単結晶基板の薄肉部からなる互いに直交した2対の梁状の弾性部93と、弾性部93の上面に設定した2つの直交する検出軸(X軸、Y軸)およびその上面に垂直な1つの検出軸(Z軸)に沿い弾性部13の上部に配設した各軸ごとに複数のピエゾ抵抗素子94x、94y、94zとを有している。弾性部93は、図10(a)において符号95で示す薄肉部に空隙を設けて梁状としており、変形しやすく高感度化に向いた構造となっている。
【0006】
このセンサ9は、X、Y及びZ軸の3軸方向の加速度を検出するものであり、その検出原理は、加速度に比例した力で中央の質量部92が移動したときのその力の作用による弾性部93の変位を弾性部93に形成されたピエゾ抵抗素子94x、94y、94zの抵抗値変化として検出するものである。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−169078号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、例えば携帯端末機器や玩具などに組み込むためセンサ9の小型・薄型化及び高感度化が求められている。センサ素子9を高感度化するためにはピエゾ抵抗素子94x、94y、94zの抵抗値変化をより大きくすることが重要であり、そのためには質量部92の質量を増やして弾性部93に作用する力を大きくするとともに、弾性部93の長さを長く又は/及びその断面積を小さくして弾性部93を低剛性化し、検出できるよう設定した所定範囲の加速度における弾性部93の変位を大きくすることが効果的であることが知られている。
しかしながら、センサ9を高感度化するためそのように質量部92の質量を増加し弾性部93を低剛性化すると、次述するように製造工程中や使用中に弾性部93に作用する所定以上の力で弾性部93が破損するという問題があった。
従来、質量部92及び枠部91との弾性部93の連結端の角部には、製造プロセス例えばエッチングの際に、長さ方向において弾性部93の中央部の幅の10%程度のRが無制御に形成されていた。ここで、前記「長さ」とは弾性部93の各検出軸に沿う方向の大きさのことであり、以下でいう「幅」とは、平面視において弾性部93の前記各検出軸に直交する方向の大きさのこと定義する。
【0009】
弾性部93に力が作用すると前記角部には応力集中が発生する。製造工程中、例えばセンサ9の取り扱いで所定以上の過大な力が弾性部93に作用すると、前記した程度のRでは応力集中を低減することができず、その角部には過度な応力集中が発生し、その角部を起点として連結端部が破損し、センサ9の歩留が低下するという工業生産上の問題があった。
また、携帯端未機器や玩具などに搭載するセンサ9には例えば使用時の落下衝撃に対する耐衝撃性が要求される。しかしながら、前記のように質量部92の質量を増加し弾性部93を低剛性化すると、所定の力以上の衝撃力により上記と同様に弾性部93の連結端部が破損して耐衝撃性が低下する。そのため、センサ9の耐衝撃性を担保するためには質量部92の質量を増加し弾性部93を低剛性化することができず、特に小型・薄型のセンサ9で高感度なものを実現することが出来なかった。
【0010】
すなわち本発明の課題は、センサ、特に小型・薄型のセンサにおいて、そのセンサを高感度化するための質量部の質量増加及び弾性部の低剛性化という要求と、そのセンサの工業生産上の歩留向上と使用中の耐衝撃性向上のための弾性部の破損防止という要求、この矛盾する2つの要求を解決することにある。もって、本発明の目的は、高耐衝撃性を有するとともに小型・薄型で高感度なセンサを低コストで提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の第1の発明は、質量部と、空隙を介し質量部を囲み周設した枠部と、質量部と枠部とを連結した互いに直交する2対の弾性部と、弾性部の上部に配設した検出軸ごとに複数のピエゾ抵抗素子とを有する半導体加速度センサであって、質量部又は/及び枠部との弾性部の連結端部の幅をその連結端側に向かい広くしたものである。この第1の発明によれば、特に耐衝撃性の低い弾性部の連結端部の幅を連結端側に向かい連続的にまたは断続的に広くする、具体的にはその連結端の角部を例えばR状、逆R状若しくは階段形状とするまたは面取りすることにより、所定の力以上の衝撃力が弾性部に作用した場合でも角部の応力集中によるその角部を起点とした連結端部の破損を防止することができる。もって、質量部の質量を増加し弾性部を低剛性化してセンサの高感度化を実現することができる一方で、前記弾性部の連結端部を上記形状としてセンサの高耐衝撃性を実現することができ、特に寸法制約の厳しい小型・薄型のセンサにおいて、高耐衝撃性を有するとともに高感度なセンサを実現することが可能となる。更に、弾性部の連結端部を上記形状とすれば、製造工程中の過大な力による弾性部の破損も減少して工業生産上の歩留が向上するので、上記センサを低コストで提供することが可能となる。
【0012】
本発明の第2の発明は、前記第1の発明において、さらに前記ピエゾ抵抗素子は、前記弾性部の長さ方向において前記連結端部の内側に配設したものである。この発明によれば、そのピエゾ抵抗素子を配設する位置を最適化しているので、上記のような連結端部の形状とした場合でもセンサの出力低下を抑制することができ、もって更に高感度なセンサを実現することが可能となる。
本発明の第3の発明は、前記第1または第2の発明において、望ましくは、前記弾性部の中央部の幅に対するその連結端の幅を1.4〜3倍としたものである。この第2の発明によれば、センサは、その弾性部の中央部の幅に対する連結端の幅を1.4倍以上とすることにより、そのセンサの通常の使用中の落下衝撃に対する耐衝撃性を担保できるとともに、その幅を3.0倍以下とすることによりそのセンサを実用上は十分に高感度なものとすることができ好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のセンサについて、以下その実施態様に基づき説明する。
(実施態様1)
本発明の実施態様の一例について図面に基づき説明する。図1はセンサ1の上面の平面視、図2は図1のX−X線(X軸)に沿う断面拡大視、図3は図1のc部の要部拡大視である。なお、センサ1の上面にはピエゾ抵抗素子との入出力を行う電極パターンを配設しているが、理解のために図1〜図3ではその電極パターンを省略している。
【0014】
センサ1は、図1及び図2に示すように、質量部12と、空隙15を介して質量部12を囲み周設した枠部11と、質量部12と枠部11を連結して互いに直交する2対の弾性部13と、弾性部13の上部に配設した検出軸(X,Y,Z軸)ごとに複数のピエゾ抵抗素子14x、14y、14zとを有し、質量部12及び枠部11との弾性部13の連結端部の幅を連結端側に向かい広くしたものである。ここで、上記説明と同様に、以下でいう「幅」とは、平面視において弾性部13の前記各検出軸に直交する方向の大きさのことであり、「長さ」とは各検出軸に沿う方向の大きさのことと定義する。以下、質量部12、枠部11、弾性部13、ピエゾ抵抗素子14x、14y、14zの構造を順に説明し、更に本発明の特徴である質量部12及び枠部11との弾性部13の連結端部の形状について詳述する。
【0015】
質量部12は、平面視において略矩形状のSi単結晶基板の厚肉部からなるものであり、センサ1の中央部に配設している。なお質量部12の平面形状は、特にこれに限定されず、図1で示す検出軸(X(Z)軸、Y軸)に対し線対称な形状であれば好ましく、例えば略円形状、六角形状、八角形状としてもよい。
【0016】
枠部11は、その質量部12の周囲に略同一の幅で連続して配設したSi単結晶基板の厚肉部からなる枠状のものであり、センサ1を筐体へパッケージする際には枠部11を筐体へ固定するものである。なお、枠部11の幅は不均一のものとしてもよく、その形状は例えば略円環状のものとしてもよく、不連続に配設したものであってもよい。
【0017】
弾性部13は、Si単結晶基板の薄肉部からなる厚みの薄い梁状のものである。
その弾性部13の上部に配設したピエゾ抵抗素子14x、14y、14zは、弾性部13の上面に設定した2つの直交する検出軸(X軸、Y軸)及びその上面に垂直な1つの検出軸(Z軸)に沿い、各検出軸ごとに4個、フルブリッジ検出回路をなすよう配設している。センサ1を高感度化するためには、ピエゾ抵抗素子14x、14y、14zを、弾性部13が変位した際に弾性部13の上面に発生する応力が最大となる領域、すなわち長さ方向において弾性部13の両端部に配設すれば好ましく、詳しくは質量部12及び枠部11との弾性部13の連結端部の内側で連結端部よりやや中央よりに配設するとよい。また、センサ1の出力を安定化するためには、ピエゾ抵抗素子14x、14y、14zを幅方向において弾性部13の中央部に配設すれば好ましい。
【0018】
図3(a)に示すように、質量部12及び枠部11との弾性部13の連結端部は、平面視においてその連結端の両方の角部をR状とし、その幅が連結端側に向かい広い略山形状のものとした。以下、その効果について詳述する。
弾性部13の連結端の幅(b2)をその中央部の幅(b1)に対して従来と同程度である1.2倍及び1.4、1.8、2.6、3.0、3.4倍と設定する。例えば倍数を1.8倍とした場合には、連結端の角部のR半径は中央部の幅(b1)の0.4倍となる。
その弾性部13にある力が作用した時の、その連結端の角部に生じる応力(σmax)と長さ方向において弾性部13の中央部に生じる応力(σ1)の比、すなわち応力拡大係数(K)と連結端の幅(b2)との関係を図8に示す。更に、ピエゾ抵抗素子14x、14y、14zを配設した、幅方向においてその連結端部の中央部に作用する応力(α2)と連結端の幅(b2)との関係も併せて図8に示す。ここで、前記応力拡大係数(K)は下記数式1により算出したものである。また、前記幅方向において連結端の中央部に作用する応力(α2)は、その連結端の幅(b2)が中央部(b1)の1.2倍の時の応力を基準とし比較して示したものである。
【0019】
【数1】
【0020】
一般的に携帯端末機器や玩具などに組込まれるセンサ1の耐衝撃性は、センサ1を製品に搭載してまたはその製品と等価な質量の筐体にセンサ1を組込んで、その製品の通常の使用時における落下衝撃を想定した高さ、例えば所定の床面より1〜2mの高さからその製品または筐体を落下させ、床面に衝突させて確認するものである。図8に示すように、本発明者らが試験やシミュレーション等で確認したところ、その耐衝撃試験において弾性部13の連結端部が破損しないためには、少なくとも応力拡大係数(K)を2.7以下、すなわち連結端の幅(b2)を中央部(b1)の1.4倍以上とすればよいことが判った。さらに応力拡大係数(K)を2.3以下、すなわち連結端の幅(b2)を2倍以上とすれば更に耐衝撃性が向上するとともに製造工程中の歩留も向上して好適であることが判った。
そのように弾性部13の連結端の角部をR状としその連結端の幅を広げても、ピエゾ抵抗素子14x、14y、14zを配設した、その連結端の幅方向において中央部の応力(α2)は従来(1.2倍)に比べて0.1(10%)程度低下するのみであった。
【0021】
図9に、センサ1の出力と弾性部13の連結端の幅(b2)との関係を示す。ここで、各幅におけるセンサ1の出力は、その連結端の幅(b2)が中央部(b1)の1.2倍の時の出力を基準値とし比較して示したものである。
前記したような連結端の中央部における応力(α2)の低下に比例してセンサ1の出力は低下するが、その低下が0.1(10%)程度以内、すなわち弾性部13の連結端の幅(b2)が中央部(b1)の3.0倍以内であれば実用上問題のないことが判った。
【0022】
なお、連結端部の形状は上記に限定されず、例えば図3(b)、(c)に示すように、前記連結端の角部を逆R状として連結端部の形状を略椀形状とし、またはその角部を面取りして連結端部の形状を略扇形状として、連結端部の幅を連結端に向かい連続的に広くしてもよい。また、図3(d)に示すように、その角部を略階段状とし、連結端部の幅を連結端に向かい断続的に広くしてもよく、そのようにすれば応力を複数の角部に分散して応力集中を緩和し、上記と同様な効果を奏することができる。
センサ1の仕様、例えば弾性部13との枠部11及び質量部12の接続部の形状により、弾性部13の連結端部の破損は質量部12または枠部11の側のどちらか一方に集中する傾向にある。もって、すくなくとも一方の連結端部の幅のみを連結端側に向かい広くするようにしてもよい。
以上説明したように弾性部13の連結端部の幅を連結端に向かい広くする、具体的には連結端の角部をR状、逆R状若しくは階段状とする又は面取りをしてその角部における応力集中を緩和することにより使用中の衝撃力によるその角部を起点とした連結端部の破損を防止できる。もって、特に小型・薄型のセンサ1において、センサ1の耐衝撃性を犠牲にすることなく、質量部12の質量増加及び弾性部13の低剛性化してセンサ1の高感度化を実現することが可能になる。
【0023】
上記センサ1の製造方法について図6に基づいて説明する。図6は図1のX軸方向断面視の一部であり、主要工程を説明するための図である。
センサ1は、図6(a)に示すように弾性部13の厚さを高精度に制御できるようSiO2絶縁層52を介してSOI層53を形成したSiの支持基板51からなるSi単結晶基板、いわゆるSOIウエハー5に多数のセンサ1を形成する半導体プロセスを用いて製造した。ここで、SOIとはSilicon On Insulatorの略である。Si活性層であるSOI層53はN型のSi単結晶のものを用いその厚みは10μm前後とし、エッチングストッパーとして使われるSiO2層52の厚みは1μmとし、支持基板51の厚みは500〜625μmとした。
【0024】
〈素子形成工程〉
図6(a)に示すように、SOI層53の表面に、フォトレジストあるいは熱酸化SiO2膜などをマスクとして所定形状のパターンを作り、イオン打ち込みなどの不純物拡散手段によりボロンを拡散してピエゾ抵抗素子14x、14y、14zを形成する。表面の不純物濃度としては、温度特性および感度の点から2×1018原子/cm3付近を選択した。
【0025】
〈保護膜形成工程〉
図6(b)に示すように、ピエゾ抵抗素子14x、14y、14zを保護するため保護膜6を形成する。保護膜6としては、半導体プロセスで一般的に使われているSiO2とPSG(Phosphorous silicated glass)の多層膜を使用して可動イオンのゲッタリング効果を持たせている。センサ1の高感度化のためには保護膜6の厚みは薄くして応力を小さくすることが好ましく、本実施態様では0.3〜0.5μmとした。なお、保護膜6はSiO2とSiNの2層膜で形成してもよい。
【0026】
〈スルーホール形成工程〉
図6(c)に示すように、各々の検出軸方向においてピエゾ抵抗素子14x、14y、14zの両端部の上方にある保護膜6に電極を接続するためのスルーホール7aを、フッ酸主体の湿式エッチングにより形成した。
【0027】
〈電極形成工程〉
電極パターンを形成するために、アルミニウム、銅、Siなどを主組成としたアルミニウム合金膜をスパッターにより成膜する。その厚みは0.3〜0.5μmとした。その後、図6(d)に示すように、フォトエッチングにより引き出し電極7を形成した。
【0028】
〈弾性部形成工程〉
まず、ドライエッチング法等によりSOI層53をエッチングして、SOI層53に空隙15を形成する。
次に、図6(e)に示すように、SOI層53に形成した空隙15及びピエゾ抵抗素子14x、14y、14zの位置に合わせ両面アライナー装置を用いて支持基板51の位置決めをする。質量部12および枠部11の形状に対応したフォトレジストマスクをその支持基盤51の表面(SOIウエハー5の裏面)に形成し、ドライエッチング法で支持基板51をエッチングし、更にエッチングストッパーのSiO2層52を湿式エッチングで除去する。なお、湿式エッチングのエッチング液にはバッファードフッ酸を用いた。
なお、前記したようにSiO2層52を除去せず、適宜設定した一部または全部のSiO2層52とSOI層53により弾性部13を形成してもよい。そのようにSiO2層52一部または全部残すことにより、例えばピエゾ抵抗素子14x、14y、14z、電極パターン7やSOIウエハー5の膨張率の差により発生する応力を適宜調整してセンサ1の全体的な応力を均衡することができ、更に高感度なセンサ1とすることができる。
【0029】
SOIウエハー5に形成した多数のセンサ1をダイサー等で個々に切断し、個々のセンサ1を得ることができる。
【0030】
(実施態様2)
本発明の別の実施態様について図4、5に基づいて説明する。図4は、センサ2の上面の平面視、図5は図4の裏面視である。なお、図1で示したセンサ1と同一部には同一符号を付し、以下の説明を省略する。
センサ2は基本的に上記センサ1と同様な構造であり、その質量部22には、X(Z)およびYの2つの検出軸方向に沿い、平面視において弾性部13の幅より広い略矩形状の2対の切欠き221を形成している。それぞれの弾性部13の一端は、その切欠き221の上部で質量部22と連結する。このように切欠き221で質量部22と弾性部13を連結する構造とすることにより、弾性部13の長さは切欠き221の長さにより、質量部22の質量は平面視における質量部22の大きさにより、互いに影響を受けることなく独立して任意に設定することできる。もって、寸法が制約される小型・薄型のセンサ2において、質量部22の質量を増加しつつ弾性部13を低剛性化することができ、高い耐衝撃性を有するとともに更に高感度のセンサ2を得ることが可能となる。なお、センサ2の製造方法は、基本的には前記センサ1と同様である。
【0031】
(実施態様3)
図7に本発明のさらに別の実施態様を示す。図7は、そのセンサ3の正面視であり、図4、5で示したセンサ2と同一部には同一符号を付し以下の説明を省略する。
センサ3は基本的にセンサ2と同様な構造であるが、質量部32の4つ葉クローバー状に4方向に張り出した部位の角部とその角部に相対する枠部31の角部を曲面状とし、空隙35の幅を略均一とした。このようなセンサ3とすれば、前記センサ2と同様に小型・薄型で高感度化することが可能であるとともに、前記製造工程の弾性部形成工程におけるドライエッチングのエッチングガスの流れを改善してエッチング速度をより均一にすることができるので好適である。加えて、枠部31を上記のような形状とすることによりその機械的強度を増加させることもできる。なお、センサ3の製造方法は、基本的には上記したセンサ1の製造方法と同様である。
【0032】
上記したセンサ2叉は3では、空隙15及び切欠き121はSOIウエハー5の厚み方向において貫通して形成しているが、切欠き121の大きさや形状は弾性部13の大きさや形状により、空隙15の大きさや形状は質量部12の移動量を考慮して適宜設定すればよい。
また、上記したセンサ1〜3は、その枠部11、31を筐体へ固定してあり質量部12、22が加速度により移動して加速度を検出するものであったが、質量部13、23を筐体へ固定して枠部11、31が移動するものであってもよい。
【0033】
【実施例】
図1、3(a)で示したセンサ1において、弾性部13の連結端の幅(b2)をその中央部の幅(b1)に対し、従来と同程度の1.2倍(比較例)、1.4、1.8、2.0、2.3、2.6倍(実施例)としたものを準備した。具体的には、その弾性部13は、質量部12及び枠部11との連結端の両方の角部をR状とし、弾性部13の中央部の幅が100μmのものを作製し、上記の倍数に応じてそのRの半径を設定したものである。例えば、倍数を2.0倍と設定した時の連結端の幅(b2)は、中央部の幅(b1)が100μmであるので200μmとなり、もってそのRの半径は50μmとなる。
【0034】
上記条件で作製したセンサ1の出力特性を確認するとともに、下記の条件の耐衝撃性試験に付しその破損率を確認した。
耐衝撃性試験:質量300gfの筐体にセンサ1を搭載する。コンクリート製の平坦な床面より1.8mの高さからその筐体を落下させ、床面に衝突させる。
【0035】
上記耐衝撃試験におけるセンサ1の破損率(衝撃破損率)、その製造中の破損率(製造破損率)及び出力を表1に示す。ここでセンサ1の出力は、その連結端の幅(b2)が中央部の1.2倍の時の出力を基準値とし比較して示したものである。
本実施例によれば、弾性部13の連結端の幅(b2)が中央部(b1)の1.4倍とすれば、1.2倍の時に比べ出力はほぼ同程度(0.99)で、耐衝撃試験における衝撃破損率が0.3%程度と実用的に充分な耐衝撃性を有するセンサ1を実現できることが判った。更に、その連結端の幅(b2)を中央部(b1)の2.0倍とすれば、出力は0.04(4%)と低下するものの実用範囲内で、衝撃破損率がほぼ0のセンサ1を実現できるとともに、製造工程中の破損が0.3%程度と歩留が高く低コストなセンサ9を実現できることが判った。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、特に耐衝撃性の低い弾性部の連結端部の幅を連結端側に向かい連続的にまたは断続的に広くする、具体的にはその連結端の角部を例えばR状、逆R状若しくは階段形状とする又は面取りすることにより、所定の力以上の衝撃力が弾性部に作用した場合でも角部の応力集中によるその角部を起点とした連結端部の破損を防止することができる。もって、質量部の質量を増加し弾性部を低剛性化してセンサの高感度化を実現することができる一方で、前記弾性部の連結端部を上記形状としてセンサの高耐衝撃性を実現することができ、特に寸法制約の厳しい小型・薄型のセンサにおいて、高耐衝撃性を有するとともに高感度なセンサを実現することが可能となる。更に、弾性部の連結端部を上記形状とすれば、製造工程中の過大な力による弾性部の破損も減少して工業生産上の歩留が向上するので、上記センサを低コストで提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体加速度センサの一実施態様の平面視である。
【図2】図1のX−X断面の拡大断面視である。
【図3】図1のC部の拡大視であり、弾性部の詳細を説明する図である。
【図4】本発明の半導体加速度センサの別の実施態様の平面視である。
【図5】図4の裏面視である。
【図6】図1の半導体加速度センサの製造方法を説明するための図である。
【図7】本発明の半導体加速度センサの更に別の実施態様の平面視である。
【図8】弾性部の中央部と連結端部の幅の比と応力拡大係数の関係を示す図である。
【図9】弾性部の中央部と連結端部の幅の比と半導体加速度センサの出力の関係を示す図である。
【図10】従来の半導体加速度センサの図である。
【符号の説明】
1(2):半導体加速度センサ、11:枠部、12:質量部、13:弾性部、14x・14y・14z:ピエゾ抵抗素子、15:空隙
5:SOIウエハー、51:支持基盤、52:SiO2絶縁層、53:SOI層
6:保護膜
7:電極、7a:スルーホール[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a semiconductor acceleration sensor for detecting acceleration mounted on a toy, a car, an aircraft, a portable terminal device, and the like.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, an acceleration sensor using a change in physical quantity such as a piezoresistance effect and a change in capacitance has been commercialized. These acceleration sensors can be widely used in various fields, but in recent years there has been a demand for a small, high-sensitivity sensor capable of simultaneously detecting acceleration in multiple axes.
[0003]
In particular, a silicon single crystal has characteristics such as being an ideal elastic body because of very few lattice defects, and being capable of directly diverting a semiconductor process technology. It is a material suitable for manufacturing. Accordingly, a semiconductor acceleration sensor using a piezoresistive element that provides a thin elastic portion using the silicon single crystal as a base, converts a displacement of the thin elastic portion into an electric signal by a piezoresistive element, and outputs the electric signal is attracting attention. .
[0004]
An example of a conventional three-axis semiconductor acceleration sensor (hereinafter, referred to as a sensor) is disclosed in Patent Document 1 below. FIG. 10A shows a plan view of the sensor of Patent Document 1, and FIG. 10B shows a cross-sectional view taken along line XX of FIG. 10A. Patent Literature 1 has an elastic portion having a beam structure including a thin portion of a silicon single crystal substrate (hereinafter, referred to as a Si single crystal substrate), and a central mass portion and a peripheral portion including a thick portion of a Si single crystal substrate. The basic structure is shown in which a plurality of piezoresistive elements are formed on each of the shafts on the elastic portion.
[0005]
As shown in FIG. 10, the sensor 9 includes a central mass portion 92 formed of a thick portion of the Si single crystal substrate, a frame portion 91 surrounding the mass portion 92, and a mass portion 92 and the frame portion 91. Two pairs of mutually orthogonal beam-shaped elastic portions 93 formed of thin portions of a connected Si single crystal substrate, and two orthogonal detection axes (X axis, Y axis) set on the upper surface of the elastic portion 93 and the upper surface thereof. A plurality of piezoresistive elements 94x, 94y, 94z are provided for each axis disposed above the elastic portion 13 along one vertical detection axis (Z axis). The elastic portion 93 is formed in a beam shape by providing a gap in a thin portion indicated by reference numeral 95 in FIG. 10A, and has a structure easily deformable and suitable for high sensitivity.
[0006]
The sensor 9 detects acceleration in three directions of X, Y and Z axes. The principle of detection is based on the action of the force when the central mass 92 moves with a force proportional to the acceleration. The displacement of the elastic portion 93 is detected as a change in the resistance of the piezoresistive elements 94x, 94y, and 94z formed on the elastic portion 93.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-63-169078
[Problems to be solved by the invention]
In recent years, for example, in order to incorporate the sensor 9 into a portable terminal device or a toy, the sensor 9 has been required to be small, thin, and highly sensitive. In order to increase the sensitivity of the sensor element 9, it is important to increase the change in the resistance value of the piezoresistive elements 94x, 94y, and 94z. For that purpose, the mass of the mass portion 92 is increased to act on the elastic portion 93. In addition to increasing the force, the length of the elastic portion 93 is increased and / or its cross-sectional area is reduced to reduce the rigidity of the elastic portion 93, and to increase the displacement of the elastic portion 93 in a predetermined range of acceleration that can be detected. Is known to be effective.
However, if the mass of the mass portion 92 is increased to lower the rigidity of the elastic portion 93 in order to increase the sensitivity of the sensor 9, a predetermined or more force acting on the elastic portion 93 during the manufacturing process or during use as described below. There is a problem that the elastic part 93 is damaged by the force of the above.
Conventionally, at the corner of the connection end of the elastic part 93 with the mass part 92 and the frame part 91, R of about 10% of the width of the central part of the elastic part 93 in the length direction during a manufacturing process such as etching. It was formed without control. Here, the “length” is a size of the elastic portion 93 in a direction along each detection axis, and the “width” described below is orthogonal to each of the detection axes of the elastic portion 93 in plan view. Is defined as the size in the direction of movement.
[0009]
When a force acts on the elastic portion 93, stress concentration occurs at the corner. During the manufacturing process, for example, when an excessive force exceeding a predetermined level acts on the elastic portion 93 in handling the sensor 9, the stress concentration cannot be reduced at the above-described degree of R, and excessive stress concentration occurs at the corner. This has caused a problem in industrial production that the connection end is damaged starting from the corner and the yield of the sensor 9 is reduced.
Further, the sensor 9 mounted on a portable end device, a toy, or the like is required to have, for example, impact resistance against a drop impact during use. However, as described above, when the mass of the mass portion 92 is increased to reduce the rigidity of the elastic portion 93, the connecting end portion of the elastic portion 93 is damaged by the impact force of a predetermined force or more and the impact resistance is reduced. descend. Therefore, in order to ensure the shock resistance of the sensor 9, it is not possible to increase the mass of the mass portion 92 and reduce the rigidity of the elastic portion 93. In particular, a small and thin sensor 9 having high sensitivity is realized. I couldn't do that.
[0010]
That is, an object of the present invention is to provide a sensor, particularly a small and thin sensor, with a demand for an increase in mass of a mass part and a reduction in rigidity of an elastic part in order to increase the sensitivity of the sensor, and a demand for industrial production of the sensor. It is an object of the present invention to solve these two contradictory requirements, that is, the requirement for preventing the elastic portion from being damaged for improving the retention and the impact resistance during use. Accordingly, an object of the present invention is to provide a small, thin, and highly sensitive sensor having high impact resistance at low cost.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
A first invention of the present invention for solving the above-mentioned problems is a mass part, a frame part surrounding and surrounding the mass part via a gap, and two pairs of elastic members which are orthogonal to each other and which connect the mass part and the frame part. And a plurality of piezoresistive elements for each detection axis disposed above the elastic section, wherein the width of the connecting end of the elastic section to the mass section and / or the frame section is connected. It is widened toward the end. According to the first aspect, particularly, the width of the connecting end of the elastic portion having low impact resistance is increased continuously or intermittently toward the connecting end, and specifically, the corner of the connecting end is formed. For example, by forming an R shape, an inverted R shape, a step shape, or chamfering, even when an impact force of a predetermined force or more acts on the elastic portion, the connection end portion starting from the corner portion due to stress concentration at the corner portion is concentrated. Damage can be prevented. Accordingly, it is possible to increase the mass of the mass portion and reduce the rigidity of the elastic portion to realize high sensitivity of the sensor, while realizing high impact resistance of the sensor by setting the connection end of the elastic portion to the above shape. In particular, in a small and thin sensor having strict dimensional restrictions, it is possible to realize a sensor having high impact resistance and high sensitivity. Further, if the connecting end of the elastic portion has the above-mentioned shape, breakage of the elastic portion due to excessive force during the manufacturing process is reduced, and the yield in industrial production is improved, so that the sensor is provided at low cost. It becomes possible.
[0012]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect, the piezoresistive element is disposed inside the connection end in a length direction of the elastic portion. According to the present invention, the position at which the piezoresistive element is provided is optimized, so that even when the connection end is shaped as described above, a decrease in the output of the sensor can be suppressed, and thus a higher sensitivity can be achieved. It is possible to realize a simple sensor.
According to a third aspect of the present invention, in the first or second aspect, the width of the connecting end of the elastic portion is preferably 1.4 to 3 times the width of the central portion of the elastic portion. According to the second aspect of the invention, the width of the connecting end of the sensor is at least 1.4 times the width of the center of the elastic portion, so that the sensor is resistant to drop impact during normal use of the sensor. By ensuring that the width is 3.0 times or less, the sensor can be made sufficiently sensitive for practical use, which is preferable.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the sensor of the present invention will be described based on its embodiments.
(Embodiment 1)
An example of an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. 1 is a plan view of the upper surface of the sensor 1, FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view taken along the line XX (X-axis) of FIG. 1, and FIG. 3 is an enlarged view of a main part of a portion c in FIG. Although an electrode pattern for inputting and outputting to and from the piezoresistive element is provided on the upper surface of the sensor 1, the electrode pattern is omitted in FIGS. 1 to 3 for understanding.
[0014]
As shown in FIGS. 1 and 2, the sensor 1 has a mass part 12, a frame part 11 surrounding and surrounding the mass part 12 via a gap 15, and connecting the mass part 12 and the frame part 11 to be orthogonal to each other. And a plurality of piezoresistive elements 14x, 14y, and 14z for each of detection axes (X, Y, and Z axes) disposed above the elastic section 13. The width of the connection end of the elastic portion 13 with the portion 11 is increased toward the connection end. Here, similarly to the above description, the “width” described below refers to the size of the elastic portion 13 in a direction orthogonal to each of the detection axes in a plan view, and the “length” refers to each of the detection axes. Is defined as the size in the direction along. Hereinafter, the structures of the mass portion 12, the frame portion 11, the elastic portion 13, and the piezoresistive elements 14x, 14y, and 14z will be sequentially described, and furthermore, the connection of the elastic portion 13 to the mass portion 12 and the frame portion 11, which is a feature of the present invention. The shape of the end will be described in detail.
[0015]
The mass portion 12 is formed of a thick portion of a substantially rectangular Si single crystal substrate in plan view, and is disposed at the center of the sensor 1. The planar shape of the mass section 12 is not particularly limited to this, and is preferably a shape symmetrical with respect to the detection axis (X (Z) axis, Y axis) shown in FIG. It may be an octagon.
[0016]
The frame portion 11 is a frame-shaped member made of a thick portion of a Si single crystal substrate continuously arranged at substantially the same width around the mass portion 12 and is used for packaging the sensor 1 in a housing. Is for fixing the frame portion 11 to the housing. The width of the frame portion 11 may be non-uniform, and the shape thereof may be, for example, a substantially annular shape, or may be discontinuous.
[0017]
The elastic portion 13 is a thin beam-like member made of a thin portion of the Si single crystal substrate.
The piezoresistive elements 14x, 14y, and 14z disposed on the upper portion of the elastic portion 13 have two orthogonal detection axes (X axis and Y axis) set on the upper surface of the elastic portion 13 and one detection axis perpendicular to the upper surface. Along the axis (Z axis), four for each detection axis are arranged to form a full bridge detection circuit. To increase the sensitivity of the sensor 1, the piezoresistive elements 14 x, 14 y, and 14 z are placed in a region where the stress generated on the upper surface of the elastic portion 13 when the elastic portion 13 is displaced is maximum, that is, in the length direction. It is preferable to dispose it at both ends of the portion 13. More specifically, it is preferable to dispose the elastic portion 13 between the mass portion 12 and the frame portion 11 at a position slightly closer to the center than the connection end. In order to stabilize the output of the sensor 1, it is preferable to dispose the piezoresistive elements 14x, 14y, 14z at the center of the elastic portion 13 in the width direction.
[0018]
As shown in FIG. 3A, the connecting end of the elastic portion 13 with the mass portion 12 and the frame portion 11 has both corners of the connecting end in an R shape in plan view, and the width thereof is on the connecting end side. It was made into a broad mountain shape that was wide toward. Hereinafter, the effect will be described in detail.
The width (b2) of the connection end of the elastic portion 13 is 1.2 times and 1.4, 1.8, 2.6, 3.0, which are approximately the same as the conventional width (b1) of the central portion (b1). Set to 3.4 times. For example, when the multiple is 1.8 times, the radius of the corner at the connecting end is 0.4 times the width (b1) of the center.
When a certain force acts on the elastic portion 13, the ratio between the stress (σmax) generated at the corner of the connection end and the stress (σ1) generated at the center of the elastic portion 13 in the length direction, that is, the stress intensity factor ( FIG. 8 shows the relationship between K) and the width (b2) of the connection end. FIG. 8 also shows the relationship between the stress (α2) acting on the center of the connection end in the width direction and the width (b2) of the connection end where the piezoresistive elements 14x, 14y, and 14z are provided. . Here, the stress intensity factor (K) is calculated by the following equation (1). The stress (α2) acting on the center of the connecting end in the width direction is shown by comparing the stress when the width (b2) of the connecting end is 1.2 times the center (b1). It is a thing.
[0019]
(Equation 1)
[0020]
In general, the shock resistance of the sensor 1 incorporated in a portable terminal device, a toy, or the like is determined by mounting the sensor 1 on a product or incorporating the sensor 1 in a housing having a mass equivalent to the product. The product or the housing is dropped from a height assuming a drop impact at the time of use, for example, a height of 1 to 2 m from a predetermined floor surface, and is confirmed by colliding with the floor surface. As shown in FIG. 8, the present inventors have confirmed through tests, simulations, and the like. In order to prevent the connection end of the elastic portion 13 from being damaged in the impact resistance test, at least the stress intensity factor (K) must be 2. 7 or less, that is, the width (b2) of the connection end should be 1.4 times or more the center part (b1). Further, if the stress intensity factor (K) is 2.3 or less, that is, the width (b2) of the connection end is twice or more, the impact resistance is further improved and the yield during the manufacturing process is also improved, which is preferable. I understood.
Even if the corner of the connecting end of the elastic portion 13 is formed in an R shape as described above, the piezoresistive elements 14x, 14y, and 14z are disposed, and the stress at the center in the width direction of the connecting end is provided. (Α2) decreased only by about 0.1 (10%) as compared with the conventional (1.2 times).
[0021]
FIG. 9 shows the relationship between the output of the sensor 1 and the width (b2) of the connection end of the elastic portion 13. Here, the output of the sensor 1 in each width is shown by comparing the output when the width (b2) of the connection end is 1.2 times the center part (b1) with the reference value.
Although the output of the sensor 1 decreases in proportion to the decrease in the stress (α2) at the center of the connection end as described above, the decrease is within about 0.1 (10%), that is, at the connection end of the elastic portion 13. It was found that there was no practical problem if the width (b2) was within 3.0 times of the central portion (b1).
[0022]
Note that the shape of the connection end is not limited to the above. For example, as shown in FIGS. 3B and 3C, the corner of the connection end is formed in an inverted R shape, and the shape of the connection end is substantially bowl-shaped. Alternatively, the corner may be chamfered so that the shape of the connection end is substantially fan-shaped, and the width of the connection end may be continuously increased toward the connection end. Further, as shown in FIG. 3D, the corners may be substantially stepped, and the width of the connection end may be increased intermittently toward the connection end. Thus, the stress concentration is reduced by dispersing in the portion, and the same effect as described above can be obtained.
Depending on the specifications of the sensor 1, for example, the shape of the connection between the elastic portion 13 and the frame portion 11 and the mass portion 12, damage at the connection end of the elastic portion 13 concentrates on either the mass portion 12 or the frame portion 11 side. Tend to. Thus, at least only one connecting end may be widened toward the connecting end.
As described above, the width of the connection end of the elastic portion 13 is increased toward the connection end. Specifically, the corner of the connection end is formed into an R shape, an inverted R shape, or a step shape, or the corner is formed by chamfering the corner. By alleviating the stress concentration in the portion, it is possible to prevent the breakage of the connection end portion starting from the corner portion due to the impact force during use. Therefore, particularly in the small and thin sensor 1, it is possible to increase the mass of the mass portion 12 and reduce the rigidity of the elastic portion 13 without sacrificing the impact resistance of the sensor 1, thereby realizing high sensitivity of the sensor 1. Will be possible.
[0023]
A method for manufacturing the sensor 1 will be described with reference to FIG. FIG. 6 is a part of the cross-sectional view in the X-axis direction of FIG. 1 and is a diagram for explaining main steps.
As shown in FIG. 6A, the sensor 1 has a Si single crystal made of a Si support substrate 51 on which an SOI layer 53 is formed via an SiO 2 insulating layer 52 so that the thickness of the elastic portion 13 can be controlled with high precision. It was manufactured using a semiconductor process for forming a large number of sensors 1 on a substrate, a so-called SOI wafer 5. Here, SOI is an abbreviation for Silicon On Insulator. The SOI layer 53 serving as the Si active layer is made of an N-type single crystal of Si and has a thickness of about 10 μm, the thickness of the SiO 2 layer 52 used as an etching stopper is 1 μm, and the thickness of the support substrate 51 is 500 to 625 μm. And
[0024]
<Element formation process>
As shown in FIG. 6A, a pattern having a predetermined shape is formed on the surface of the SOI layer 53 using a photoresist or a thermally oxidized SiO 2 film as a mask, and boron is diffused by impurity diffusion means such as ion implantation to form a piezo. The resistance elements 14x, 14y, 14z are formed. As the impurity concentration on the surface, a vicinity of 2 × 10 18 atoms / cm 3 was selected from the viewpoint of temperature characteristics and sensitivity.
[0025]
<Protective film forming step>
As shown in FIG. 6B, a protection film 6 is formed to protect the piezoresistive elements 14x, 14y, 14z. As the protective film 6, and having a gettering effect of movable ion using a multilayer film of SiO 2 and PSG is commonly used in the semiconductor process (Phosphorous silicated glass). In order to increase the sensitivity of the sensor 1, it is preferable to reduce the thickness of the protective film 6 to reduce the stress. In the present embodiment, the thickness is set to 0.3 to 0.5 μm. Note that the protective film 6 may be formed of a two-layer film of SiO 2 and SiN.
[0026]
<Through hole forming process>
As shown in FIG. 6C, a through hole 7a for connecting an electrode to the protective film 6 above both ends of the piezoresistive elements 14x, 14y, 14z in the respective detection axis directions is made of a hydrofluoric acid-based material. It was formed by wet etching.
[0027]
<Electrode formation step>
In order to form an electrode pattern, an aluminum alloy film having a main composition of aluminum, copper, Si or the like is formed by sputtering. Its thickness was 0.3 to 0.5 μm. Thereafter, as shown in FIG. 6D, the extraction electrode 7 was formed by photoetching.
[0028]
<Elastic part forming step>
First, the SOI layer 53 is etched by a dry etching method or the like to form a gap 15 in the SOI layer 53.
Next, as shown in FIG. 6E, the support substrate 51 is positioned using the double-sided aligner device in accordance with the positions of the gap 15 and the piezoresistive elements 14x, 14y, and 14z formed in the SOI layer 53. A photoresist mask corresponding to the shape of the mass portion 12 and the frame portion 11 is formed on the surface of the support base 51 (the back surface of the SOI wafer 5), the support substrate 51 is etched by a dry etching method, and SiO 2 serving as an etching stopper is further formed. Layer 52 is removed by wet etching. Note that buffered hydrofluoric acid was used as an etching solution for wet etching.
Note that the elastic portion 13 may be formed by appropriately or partly or entirely the SiO 2 layer 52 and the SOI layer 53 without removing the SiO 2 layer 52 as described above. By leaving a part or all of the SiO 2 layer 52 in this manner, for example, the stress generated due to a difference in expansion coefficient between the piezoresistive elements 14x, 14y, 14z, the electrode pattern 7 and the SOI wafer 5 is appropriately adjusted, and the entire sensor 1 is Can be balanced, and the sensor 1 can have higher sensitivity.
[0029]
Many sensors 1 formed on the SOI wafer 5 can be individually cut with a dicer or the like to obtain individual sensors 1.
[0030]
(Embodiment 2)
Another embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 4 is a plan view of the upper surface of the sensor 2, and FIG. 5 is a rear view of FIG. The same parts as those of the sensor 1 shown in FIG. 1 are denoted by the same reference numerals, and the following description will be omitted.
The sensor 2 has basically the same structure as the sensor 1 described above, and its mass portion 22 has a substantially rectangular shape extending along the two detection axis directions X (Z) and Y and wider than the width of the elastic portion 13 in a plan view. Two pairs of notches 221 having a shape are formed. One end of each elastic portion 13 is connected to the mass portion 22 above the notch 221. With the structure in which the notch 221 connects the mass part 22 and the elastic part 13, the length of the elastic part 13 depends on the length of the notch 221, and the mass of the mass part 22 is Can be set arbitrarily and independently without being influenced by each other. Therefore, in the small and thin sensor 2 whose dimensions are restricted, the elastic portion 13 can be made to have low rigidity while increasing the mass of the mass portion 22, and the sensor 2 having high shock resistance and higher sensitivity can be used. It is possible to obtain. The method of manufacturing the sensor 2 is basically the same as that of the sensor 1.
[0031]
(Embodiment 3)
FIG. 7 shows still another embodiment of the present invention. FIG. 7 is a front view of the sensor 3, and the same portions as those of the sensor 2 shown in FIGS.
The sensor 3 has basically the same structure as the sensor 2, except that the corners of the four-leaf clover-shaped portions of the mass portion 32 projecting in four directions and the corners of the frame 31 facing the corners are curved surfaces. And the width of the gap 35 was made substantially uniform. With such a sensor 3, it is possible to improve the sensitivity and the size and thickness of the sensor 2 as well as the sensor 2, and to improve the flow of the etching gas for dry etching in the elastic portion forming step of the manufacturing process. This is preferable because the etching rate can be made more uniform. In addition, the mechanical strength of the frame 31 can be increased by forming the frame 31 as described above. The method for manufacturing the sensor 3 is basically the same as the method for manufacturing the sensor 1 described above.
[0032]
In the sensor 2 or 3 described above, the gap 15 and the notch 121 are formed so as to penetrate in the thickness direction of the SOI wafer 5, but the size and shape of the notch 121 depend on the size and shape of the elastic portion 13. The size and shape of 15 may be appropriately set in consideration of the amount of movement of the mass section 12.
In the sensors 1 to 3 described above, the frame parts 11 and 31 are fixed to the housing and the mass parts 12 and 22 move by acceleration to detect the acceleration. May be fixed to the housing so that the frame portions 11 and 31 move.
[0033]
【Example】
In the sensor 1 shown in FIGS. 1 and 3A, the width (b2) of the connecting end of the elastic portion 13 is 1.2 times as large as the conventional width (b1) of the central portion (comparative example). , 1.4, 1.8, 2.0, 2.3, 2.6 times (Example) were prepared. Specifically, the elastic portion 13 is formed such that the corners of both the connection end with the mass portion 12 and the frame portion 11 are R-shaped, and the width of the central portion of the elastic portion 13 is 100 μm. The radius of R is set according to the multiple. For example, when the multiple is set to 2.0 times, the width (b2) of the connection end is 200 μm because the width (b1) of the central portion is 100 μm, and the radius of the radius is 50 μm.
[0034]
The output characteristics of the sensor 1 manufactured under the above conditions were confirmed, and the samples were subjected to an impact resistance test under the following conditions to confirm the damage rate.
Impact resistance test: The sensor 1 is mounted on a casing having a mass of 300 gf. The housing is dropped from a height of 1.8 m from a flat floor made of concrete and collides with the floor.
[0035]
Table 1 shows the breakage rate (impact breakage rate), the breakage rate during manufacture (manufacture breakage rate), and the output of the sensor 1 in the impact resistance test. Here, the output of the sensor 1 is shown by comparing the output when the width (b2) of the connection end is 1.2 times as large as that of the center portion as a reference value.
According to this embodiment, if the width (b2) of the connection end of the elastic portion 13 is 1.4 times the width of the center portion (b1), the output is almost the same (0.99) as compared to 1.2 times. Thus, it was found that a sensor 1 having a practically sufficient impact resistance with an impact damage rate of about 0.3% in an impact resistance test can be realized. Further, if the width (b2) of the connection end is set to 2.0 times the center part (b1), the output is reduced to 0.04 (4%), but the impact damage rate is almost zero within the practical range. It has been found that the sensor 1 can be realized, and the low-cost sensor 9 having a high yield of about 0.3% during the manufacturing process can be realized.
[0036]
[Table 1]
[0037]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, particularly, the width of the connection end of the elastic portion having a low impact resistance is continuously or intermittently increased toward the connection end, and more specifically, the width of the connection end is increased. By making the corners into, for example, an R shape, an inverted R shape, a step shape, or chamfering, even when an impact force of a predetermined force or more acts on the elastic portion, the connection with the corners as a starting point due to stress concentration of the corners. End damage can be prevented. Accordingly, it is possible to increase the mass of the mass portion and reduce the rigidity of the elastic portion to realize high sensitivity of the sensor, while realizing high impact resistance of the sensor by setting the connection end of the elastic portion to the above shape. In particular, in a small and thin sensor having strict dimensional restrictions, it is possible to realize a sensor having high impact resistance and high sensitivity. Further, if the connecting end of the elastic portion has the above-mentioned shape, breakage of the elastic portion due to excessive force during the manufacturing process is reduced, and the yield in industrial production is improved, so that the sensor is provided at low cost. It becomes possible.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of an embodiment of a semiconductor acceleration sensor according to the present invention.
FIG. 2 is an enlarged sectional view taken along the line XX of FIG. 1;
FIG. 3 is an enlarged view of a portion C in FIG. 1 and is a diagram illustrating details of an elastic portion.
FIG. 4 is a plan view of another embodiment of the semiconductor acceleration sensor of the present invention.
FIG. 5 is a rear view of FIG. 4;
FIG. 6 is a diagram for explaining a method of manufacturing the semiconductor acceleration sensor of FIG.
FIG. 7 is a plan view of still another embodiment of the semiconductor acceleration sensor of the present invention.
FIG. 8 is a diagram showing the relationship between the ratio of the width of the center portion of the elastic portion to the connecting end portion and the stress intensity factor.
FIG. 9 is a diagram illustrating a relationship between a ratio of a width of a center portion of the elastic portion to a connecting end portion and an output of the semiconductor acceleration sensor.
FIG. 10 is a diagram of a conventional semiconductor acceleration sensor.
[Explanation of symbols]
1 (2): semiconductor acceleration sensor, 11: frame, 12: mass, 13: elastic, 14x, 14y, 14z: piezoresistive element, 15: void 5, SOI wafer, 51: support base, 52: SiO 2 insulating layers, 53: SOI layer 6, protective film 7, electrode, 7a, through hole