JP2004177346A - ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】外気温の変化を迅速に検知可能にするとともに、製造コストの低廉化及び小型化を実現可能なガスセンサを提供する。
【解決手段】熱源であるヒータを含むガス検知素子5と温度検知素子6とを実装した基板4と、基板4を収納するケース1とを備えたガスセンサである。ケース1は、グラスファイバを30%含むPBT(ポリブチレンテレフタレート)からなるケース本体2及びカバー3からなる。また、基板4の一面のカバー3側にガス検知素子5が実装され、基板4の他面のケース本体2側に温度検知素子6が実装されている。基板4はケース本体2に固定され、温度検知素子6はケース本体2の内面に当接している。
【選択図】 図1
【解決手段】熱源であるヒータを含むガス検知素子5と温度検知素子6とを実装した基板4と、基板4を収納するケース1とを備えたガスセンサである。ケース1は、グラスファイバを30%含むPBT(ポリブチレンテレフタレート)からなるケース本体2及びカバー3からなる。また、基板4の一面のカバー3側にガス検知素子5が実装され、基板4の他面のケース本体2側に温度検知素子6が実装されている。基板4はケース本体2に固定され、温度検知素子6はケース本体2の内面に当接している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱源を含むガス検知素子と温度検知素子とを備えたガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱源を含むガス検知素子と温度検知素子とを実装した基板と、この基板を収納するケースとを備えたガスセンサが開示されている(特許文献1)。このガスセンサでは、ケース内において、温度検知素子の周囲が基板ごと樹脂でモールドされている。
【0003】
このガスセンサは、ガス検知素子により汚染ガスの濃度変化を検知できるとともに、温度検知素子により外気の温度を検知できる。そのため、このガスセンサは、検知した汚染ガスの濃度変化に応じて内気と外気とを切換えたり、検知した温度に基づいて車内の温度を自動調節したりする車両用空調制御装置に用いられ得る。そして、このガスセンサは、ガス検知素子と温度検知素子との一体化により、部品点数の削減と小型化とを実現する。
【0004】
また、このガスセンサでは、温度検知素子の周囲が基板ごと空気よりも熱伝導率が低い樹脂でモールドされているため、ガス検知素子の熱源からの熱が温度検知素子に伝わり難くなっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−142097号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のガスセンサは、温度検知素子の周囲にモールドした樹脂によりガス検知素子の熱源からの熱が温度検知素子に伝熱し難いという長所を有するものの、その樹脂によって外気温の変化が温度検知素子に伝達され難く、温度検知素子が迅速に外気温の変化を検知し難いという短所も有してしまっている。そのため、このガスセンサでは、車両用空調制御装置に用いられた場合、外気温の変化に応じて車内の温度を迅速に自動調節することが難しい。
【0007】
また、このガスセンサでは、温度検知素子が実装された基板全体を樹脂でモールドするため、材料コストが嵩むとともに作業性が低下し、ひいては製造コストの高騰化を招来してしまう。
【0008】
さらに、このガスセンサでは、基板全体をモールドする樹脂が小型化の阻害要因になってしまっている。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、外気温の変化を迅速に検知可能にするとともに、製造コストの低廉化及び小型化を実現可能なガスセンサを提供することを解決すべき課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明のガスセンサは、熱源を含むガス検知素子と温度検知素子とを実装した基板と、該基板を収納するケースとを備えたガスセンサにおいて、
前記温度検知素子は前記ケースの内面に当接していることを特徴とする。
【0011】
第1発明のガスセンサでは、温度検知素子がケースの内面に当接しているため、温度検知素子とケースとの間で熱が伝達され易い。また、ケースは外気との接触面積が大きいため、ケースと外気との間においても熱が伝達され易い。そのため、温度検知素子と外気との間で熱が伝達され易くなる。また、このガスセンサでは、温度検知素子を樹脂でモールドする必要がない。
【0012】
第2発明のガスセンサは、熱源を含むガス検知素子と温度検知素子とを実装した基板と、該基板を収納するケースとを備えたガスセンサにおいて、
前記温度検知素子は空気の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する伝熱部材に当接し、該伝熱部材は前記ケースの内面に当接していることを特徴とする。
【0013】
第2発明のガスセンサでは、温度検知素子は空気の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する伝熱部材に当接し、この伝熱部材がケースの内面に当接しているため、温度検知素子とケースとの間で伝熱部材を介し熱が伝達され易い。また、ケースは外気との接触面積が大きいため、ケースと外気との間においても熱が伝達され易い。そのため、温度検知素子と外気との間で熱が伝達され易くなる。また、このガスセンサにおいても、温度検知素子を樹脂でモールドする必要がない。
【0014】
熱源を含むガス検知素子と温度検知素子とを実装した基板と、この基板を収納するケースとを備えたガスセンサにおいては、熱源からの熱により、ケース内部の温度が外気温よりも高くなる。このため、ケースに収納された温度検知素子の温度も外気温よりも高くなってしまい、外気温の変化を迅速に検知することができない。これに対し、第1発明及び第2発明のガスセンサでは、外気温の変化が迅速に温度検知素子に伝達され、温度検知素子が迅速に外気温の変化を検知することができる。そのため、このガスセンサでは、車両用空調制御装置に用いられた場合、外気温の変化に応じて車内の温度を迅速に自動調節することが容易になる。
【0015】
また、第1発明及び第2発明のガスセンサでは、温度検知素子を樹脂でモールドする必要がない。このため、材料コストを低く抑えることができる上、作業性も向上する。また、第1発明及び第2発明のガスセンサは小型化を実現可能である。
【0016】
したがって、第1発明及び第2発明のガスセンサによれば、外気温の変化を迅速に検知できるとともに、製造コストの低廉化及び小型化を実現できる。
【0017】
第1発明及び第2発明のガスセンサは、ガス検知素子により汚染ガスの濃度変化を検知できるとともに、温度検知素子により外気の温度を検知できる。そのため、これらのガスセンサは、検知した汚染ガスの濃度変化に応じて内気と外気とを切換えたり、検知した外気の温度に基づいて車内の温度を自動調節したりする車両用空調制御装置に用いられ得る。こうして、これらのガスセンサを車両用空調制御装置に用いれば、外気温の変化に応じて車内の温度を迅速に自動調節することができ、車内空間を快適に保つことが可能である。
【0018】
なお、他のガスセンサとしては、ガス検知素子を実装する基板と温度検知素子を実装する基板とが異なるものと、ガス検知素子を実装する基板と温度検知素子を実装する基板とが同一のものとがある。ガス検知素子及び温度検知素子が異なる基板に実装されたガスセンサとしても、各基板が異なるケースに収納されたものと、各基板が同一のケースに収納されたものとがある。ガス検知素子及び温度検知素子が同一の基板に実装されたガスセンサでは、その基板が同一のケースに収納される。
【0019】
各ガスセンサのうち、ガス検知素子及び温度検知素子が異なる基板に実装され、かつ各基板が異なるケースに収納されたガスセンサにおいては、部品点数が多いとともに配線の引き回しが面倒であり、製造コスト上の不具合がある。この一方、これらのガスセンサでは、ガス検知素子の熱源による熱が温度検知素子に影響を与えず、温度検知素子が正確に外気温を検知し易くなっている。
【0020】
他方、上記各ガスセンサのうち、ガス検知素子と温度検知素子とが同一のケース内に位置するものは、製造コスト上は有利である一方、温度検知素子が正確に外気温を検知し難くなっている。特に、ガス検知素子と温度検知素子とが同一の基板に実装されたガスセンサではこの傾向が大きい。このためにガス検知素子と温度検知素子との間に隔壁を設ける技術も存在する程である(特開昭62−70744号公報)。
【0021】
第1発明及び第2発明のガスセンサは、上記各ガスセンサのうち、ガス検知素子と温度検知素子とが同一の基板に実装され、その基板をケースに収納した後者のものである。そして、第1発明及び第2発明のガスセンサは、製造コスト上の有利さを残しつつ、上述のように、温度検知素子が正確に外気温を検知できるようにしたものである。また、第1発明及び第2発明のガスセンサは、特開昭62−70744号公報記載のもののように、熱源からの熱が直接的に温度検知素子に受熱されることを防止するための複雑な形状の隔壁を設ける必要がないため、この意味でも製造コストの低廉化を実現することができる。
【0022】
第2発明のガスセンサでは、伝熱部材は温度検知素子とケースの内面とで挟持されていることが好ましい。こうであれば、構造が簡単である。こうして温度検知素子とケースの内面とで挟持される伝熱部材は弾性体からなることが好ましい。伝熱部材が弾性体であれば、ケースの寸法管理を緩くすることができ、これにより製造コストの低廉化を実現できる。さらに、ケースに振動等が加わる場合でも、温度検知素子に伝わる力を低減することができる。また、これらの伝熱部材は絶縁体からなることが好ましい。伝熱部材が絶縁体であれば、温度検知素子とケースとを確実に電気的に絶縁できるからである。なお、温度検知素子が面実装型であると、温度検知素子とケースの内面とで、伝熱部材を挟持し易いため好ましい。
【0023】
第1発明及び第2発明のガスセンサでは、ケースの外面は温度検知素子を外気温に近づける放熱手段を備えることが好ましい。これにより、外気温の変化がより迅速に温度検知素子に伝達される。
【0024】
放熱手段は、ケースの外面に形成され、放熱面積を大きくする凹凸部であることが好ましい。放熱面積の大きい凹凸部を設けることにより、ケースと外気との間でより熱が伝達され易くなる。そのため、外気温の変化がより迅速に温度検知素子に伝達される。この場合、凹凸部は温度検知素子の近傍に形成すると良い。さらに、温度検知素子又は伝熱部材とケースの内面との当接面の少なくとも一部が凹凸部と重複すること、換言すれば、温度検知素子又は伝熱部材を基板に対して基板の厚さ方向に投影した温度検知素子投影部又は伝熱部材投影部に、凹凸部を基板に対して基板の厚さ方向に投影した凹凸投影部の少なくとも一部が重なり合うことがより好ましい。これにより温度検知素子と凹凸部との間で熱が直接伝達されるからである。
【0025】
第1発明及び第2発明のガスセンサでは、(1)平面を基板の長手方向に二等分して2つの領域に分割したとき、ガス検知素子と温度検知素子とは、それぞれ別々の領域に実装されることが好ましい。これにより、ガス検知素子の熱が直接又は基板を通して温度検知素子へ伝達されることを少なくすることができる。また、(2)ガス検知素子と温度検知素子とを最短距離で結ぶ仮想直線を横切るように、基板にスリットを設けることが好ましい。これにより、熱源からの熱が基板を通して直線的に温度検知素子に伝達されることを防止することができる。さらに、上記(1)及び上記(2)を同時に満足することがより好ましい。なお、本明細書において、熱源を含むガス検知素子とは、感ガス体とヒータとが一体の素子、感ガス体とそれとは別体のヒータとが組み合わさった素子、感ガス体自身が熱源である素子を意味している。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のガスセンサを具体化した実施形態1〜3及び試験を図面を参照しつつ説明する。
【0027】
(実施形態1)
実施形態1のガスセンサは、図1及び図2に示すように、ガス検知素子5と温度検知素子6とを実装した基板4と、基板4を収納するケース1とを備えている。ここで、図1と図2とはケース1を互いに反対側から見た断面図である。ケース1は、グラスファイバを30%含むPBT(ポリブチレンテレフタレート)からなるケース本体2及びカバー3からなる。ケース本体2には基板4等を収納する収納空間2aが設けられ、収納空間2aの外側にはコネクタ部2bが設けられている。また、ケース本体2には、一端90aが収納空間2aに突出し、他端90bがコネクタ部2bに突出する複数の端子90が貫設されている。カバー3は収納空間2aを覆って、ケース本体2に固定されている。このカバー3には収納空間2aの内と外との空気を交換する空気孔3aが開けられ、カバー3の収納空間2a側には空気孔3aを塞いでフィルタ9が設けられている。基板4の一面のカバー3側にはガス検知素子5が実装され、基板4の他面のケース本体2側には温度検知素子6が実装されている。この基板4は、6個の基板ガイド91の各台部91aに載置され、スルーホールメッキが施された端子孔4aに挿入された端子90の一端90aにハンダ付けされている。そして、基板4の温度検知素子6はケース本体2の内面に当接している。ガス検知素子5は、ガスを検知する感ガス体5b及び熱源であるヒータ5cが搭載された基板5aと基板5aを保護する外筒5dとを有している。外筒5dの上部には、カバー3の空気孔3aに合わせて、空気孔5eが開けられている。
【0028】
以上の構成をしたガスセンサは、以下のようにして、組付けられる。まず、図2に示すように、カバー3を外した状態のケース本体2を用意する。このケース本体2には複数の端子90が貫設され、6個の基板ガイド91及び基板固定具92が設けられている。そして、ケース本体2の収納空間2aに基板4を収納する。この際、基板4を基板ガイド91によりガイドさせ、端子90の一端90aを基板4の端子孔4aに合わせて挿入する。これにより、基板4が台部91aに載置されるとともに、基板固定具92の爪92aにより基板4の揺動が規制される。そして、端子孔4aに挿入された端子90の一端90aを基板4にハンダ付けすることにより、基板4がケース本体2に固定される。最後に、ケース本体2をカバー3で覆い、カバー3の係合部3bを係合突起2cに係合させる。これにより、カバー3がケース本体2に固定されて、ガスセンサが組付けられる。
【0029】
このガスセンサは、検知した汚染ガスの濃度変化に応じて内気と外気とを切換えたり、検知した温度に基づいて車内の温度を自動調節したりする車両用空調制御装置に用いるため、車両のフロント部分又は外気を導入するダクト内に取り付けられる。ケース1のカバー3には空気孔3aが開けられ、この空気孔3aを通して収納空間2aの内と外との空気が交換される。また、ガス検知素子5の外筒5dの上部には、空気孔3aに合わせて、空気孔5eが開けられている。これにより、感ガス体5aが外気と接触し、汚染ガスの濃度変化を検知することができる。
【0030】
また、このガスセンサはフロント部分又はダクト内に取り付けられているため、ケース1の温度は外気温に近くなる。そして、温度検知素子6がケース本体2の内面に当接しているため、温度検知素子6とケース本体2との間で熱が伝達され易い。また、ケース本体2は外気との接触面積が大きいため、ケース本体2と外気との間においても熱が伝達され易い。そのため、温度検知素子6と外気との間で熱が伝達され易くなり、外気温の変化が迅速に温度検知素子6に伝達される。
【0031】
さらに、ガス検知素子5と温度検知素子6とが2つの領域に分割された基板4の別々の領域に実装されているため、ガス検知素子5の熱が直接又は基板4を通して温度検知素子6へ伝達されることを少なくすることができる。また、ガス検知素子5と温度検知素子6とを最短距離で結ぶ仮想直線を横切るように、基板4にスリットを設けているため、熱源からの熱が基板4を通して直線的に温度検知素子5に伝達されることを防止することができる。
【0032】
また、このガスセンサでは、温度検知素子6を樹脂でモールドしていない。このため、材料コストを低く抑えることができる上、作業性も向上する。また、このガスセンサは小型化を実現可能である。
【0033】
したがって、実施形態1のガスセンサによれば、外気温の変化を迅速に検知できるとともに、製造コストの低廉化及び小型化を実現することができる。このため、このガスセンサを用いた車両用空調制御装置では、外気温の変化に応じて車内の温度を迅速に自動調節することができ、車内空間を快適に保つことが可能である。
【0034】
なお、本実施形態では、熱源を含むガス検知素子5として、基板5a上において感ガス体5bとヒータ5cとが一体になったものを採用したが、この他、感ガス体とそれとは別体のヒータとが組み合わさったもの、感ガス体自身が熱源であるものを採用することもできる。
【0035】
(実施形態2)
実施形態2のガスセンサは、図3に示すように、ガス検知素子5と温度検知素子6とを実装した基板4と、基板4を収納するケース11とを備えている。ケース11は、グラスファイバを30%含むPBT(ポリブチレンテレフタレート)からなるケース本体12及びカバー3からなる。ケース本体12には基板4等を収納する収納空間12aが設けられ、収納空間12aの外側にはコネクタ部12bが設けられている。また、基板4に実装された温度検知素子6とケース本体12の内面との間に伝熱部材7が挟持されている。この伝熱部材7は弾性体であり、かつ絶縁体であるEPDM(エチレン・プロピレンゴム)からなり、熱伝導率は空気より大きい。その他の構成及び組付け方法は実施形態1と同様である。
【0036】
このガスセンサは、実施形態1のガスセンサと同様、車両用空調制御装置に用いられる。このガスセンサでは、温度検知素子6は空気の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する伝熱部材7に当接し、この伝熱部材7はケース本体12の内面に当接しているため、温度検知素子6とケース本体12との間で伝熱部材7を介し熱が伝達され易い。また、ケース本体12は外気との接触面積が大きいため、ケース本体12と外気との間においても熱が伝達され易い。そのため、温度検知素子6と外気との間で熱が伝達され易くなり、外気温の変化が迅速に温度検知素子6に伝達される。その他の作用、効果は実施形態1と同様である。
【0037】
したがって、実施形態2のガスセンサによれば、実施形態1のガスセンサと同様、外気温の変化を迅速に検知するとともに、製造コストの低廉化及び小型化を実現することができる。また、このガスセンサを用いた車両用空調制御装置においても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0038】
また、伝熱部材7が弾性体からなるため、ケース本体12の寸法管理を緩くすることができ、これにより製造コストの低廉化を実現できる。さらに、伝熱部材7が弾性体からなるため、ケース11に振動等が加わる場合でも、温度検知素子6に伝わる力を低減することができる。また、伝熱部材7が絶縁体からなるため、温度検知素子6とケース本体12とを確実に電気的に絶縁できる。また、温度検知素子6が面実装型であるため、温度検知素子6とケース本体12の内面とで、伝熱部材7を挟持し易い。
【0039】
(実施形態3)
実施形態3のガスセンサは、図4に示すように、ガス検知素子5と温度検知素子6とを実装した基板4と、基板4を収納するケース21とを備えている。ケース21は、グラスファイバを30%含むPBT(ポリブチレンテレフタレート)からなるケース本体22及びカバー3からなる。ケース本体22には基板4等を収納する収納空間22aが設けられ、収納空間22aの外側にはコネクタ部22bが設けられている。また、ケース本体22の外面には放熱手段である凹凸部としてのフィン22cが形成されている。その他の構成及び組付け方法は実施形態1と同様である。
【0040】
このガスセンサは、実施形態1のガスセンサと同様、車両用空調制御装置に用いられる。このガスセンサでは、ケース本体22に外気との接触面積が大きいフィン22cが形成されているため、フィン22cが形成されていない場合に比べ、ケース本体22と外気との間において熱がより伝達され易い。また、温度検知素子6とケース本体22の内面との当接面がフィン22cと重なっているため、温度検知素子6とフィン22cとの間で熱が直接伝達される。そのため、温度検知素子6と外気との間で熱がさらに伝達され易くなり、外気温の変化がより迅速に温度検知素子6に伝達される。その他の作用、効果は実施形態1と同様である。
【0041】
したがって、実施形態3のガスセンサによれば、実施形態1のガスセンサと同様、外気温の変化を迅速に検知するとともに、製造コストの低廉化及び小型化を実現することができる。また、このガスセンサを用いた車両用空調制御装置においても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0042】
(試験)
実施形態1〜3のガスセンサについての効果を確認する試験を行った。まず、実施形態1〜3及び比較例のガスセンサを用意した。ここで、比較例のガスセンサは、実施形態1のガスセンサにおいて、温度検知素子とケース本体の内面とが当接していないものとした。これらのガスセンサを25°Cに保った恒温槽に入れ、時間T1(450秒)経過後、ガス検知素子のヒータをONし、各々の温度検知素子の出力を調べた。その結果を図5に示す。
【0043】
図5において、Aは実施形態1の温度検知素子の出力(°C)、Bは実施形態2の温度検知素子の出力(°C)、Cは実施形態3の温度検知素子の出力(°C)、Dは比較例の温度検知素子の出力(°C)である。また、Eはケースのコネクタ部の温度(°C)である。このコネクタ部はガス検知素子から最も離れた位置にあり、ガス検知素子の影響がほとんどないため、コネクタ部の温度Eを外気温と考えることができる。なお、このコネクタ部の温度Eは、実施形態1〜3及び比較例のガスセンサの温度検知素子と同じ温度検知素子を使用して検知した。
【0044】
図5より、A、B及びCは約1000秒経過後(ガス検知素子のヒータをONしてから約550秒後)、一定温度に達し、Dは約1250秒経過後(ガス検知素子のヒータをONしてから約800秒後)、一定温度に達している。これにより、A、B及びCは、Dよりも約250秒早く安定するため、温度の変化を迅速に検知することがわかる。また、A、B及びCは、DよりEに近い。これにより、A、B及びCは、Dよりもガス検知素子のヒータの影響を受け難く、外気温に近いことがわかる。
【0045】
したがって、実施形態1〜3のガスセンサによれば、外気温の変化を迅速に検知できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のガスセンサの断面図である。
【図2】実施形態1のガスセンサの組付け断面図である。
【図3】実施形態2のガスセンサの断面図である。
【図4】実施形態3のガスセンサの断面図である。
【図5】実施形態1〜3及び比較例のガスセンサに係り、時間と温度検知素子の出力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
5…ガス検知素子
5c…熱源(ヒータ)
6…温度検知素子
4…基板
1、11、21…ケース
7…伝熱部材
22c…放熱手段(凹凸部、フィン)
【発明の属する技術分野】
本発明は熱源を含むガス検知素子と温度検知素子とを備えたガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱源を含むガス検知素子と温度検知素子とを実装した基板と、この基板を収納するケースとを備えたガスセンサが開示されている(特許文献1)。このガスセンサでは、ケース内において、温度検知素子の周囲が基板ごと樹脂でモールドされている。
【0003】
このガスセンサは、ガス検知素子により汚染ガスの濃度変化を検知できるとともに、温度検知素子により外気の温度を検知できる。そのため、このガスセンサは、検知した汚染ガスの濃度変化に応じて内気と外気とを切換えたり、検知した温度に基づいて車内の温度を自動調節したりする車両用空調制御装置に用いられ得る。そして、このガスセンサは、ガス検知素子と温度検知素子との一体化により、部品点数の削減と小型化とを実現する。
【0004】
また、このガスセンサでは、温度検知素子の周囲が基板ごと空気よりも熱伝導率が低い樹脂でモールドされているため、ガス検知素子の熱源からの熱が温度検知素子に伝わり難くなっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−142097号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のガスセンサは、温度検知素子の周囲にモールドした樹脂によりガス検知素子の熱源からの熱が温度検知素子に伝熱し難いという長所を有するものの、その樹脂によって外気温の変化が温度検知素子に伝達され難く、温度検知素子が迅速に外気温の変化を検知し難いという短所も有してしまっている。そのため、このガスセンサでは、車両用空調制御装置に用いられた場合、外気温の変化に応じて車内の温度を迅速に自動調節することが難しい。
【0007】
また、このガスセンサでは、温度検知素子が実装された基板全体を樹脂でモールドするため、材料コストが嵩むとともに作業性が低下し、ひいては製造コストの高騰化を招来してしまう。
【0008】
さらに、このガスセンサでは、基板全体をモールドする樹脂が小型化の阻害要因になってしまっている。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、外気温の変化を迅速に検知可能にするとともに、製造コストの低廉化及び小型化を実現可能なガスセンサを提供することを解決すべき課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明のガスセンサは、熱源を含むガス検知素子と温度検知素子とを実装した基板と、該基板を収納するケースとを備えたガスセンサにおいて、
前記温度検知素子は前記ケースの内面に当接していることを特徴とする。
【0011】
第1発明のガスセンサでは、温度検知素子がケースの内面に当接しているため、温度検知素子とケースとの間で熱が伝達され易い。また、ケースは外気との接触面積が大きいため、ケースと外気との間においても熱が伝達され易い。そのため、温度検知素子と外気との間で熱が伝達され易くなる。また、このガスセンサでは、温度検知素子を樹脂でモールドする必要がない。
【0012】
第2発明のガスセンサは、熱源を含むガス検知素子と温度検知素子とを実装した基板と、該基板を収納するケースとを備えたガスセンサにおいて、
前記温度検知素子は空気の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する伝熱部材に当接し、該伝熱部材は前記ケースの内面に当接していることを特徴とする。
【0013】
第2発明のガスセンサでは、温度検知素子は空気の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する伝熱部材に当接し、この伝熱部材がケースの内面に当接しているため、温度検知素子とケースとの間で伝熱部材を介し熱が伝達され易い。また、ケースは外気との接触面積が大きいため、ケースと外気との間においても熱が伝達され易い。そのため、温度検知素子と外気との間で熱が伝達され易くなる。また、このガスセンサにおいても、温度検知素子を樹脂でモールドする必要がない。
【0014】
熱源を含むガス検知素子と温度検知素子とを実装した基板と、この基板を収納するケースとを備えたガスセンサにおいては、熱源からの熱により、ケース内部の温度が外気温よりも高くなる。このため、ケースに収納された温度検知素子の温度も外気温よりも高くなってしまい、外気温の変化を迅速に検知することができない。これに対し、第1発明及び第2発明のガスセンサでは、外気温の変化が迅速に温度検知素子に伝達され、温度検知素子が迅速に外気温の変化を検知することができる。そのため、このガスセンサでは、車両用空調制御装置に用いられた場合、外気温の変化に応じて車内の温度を迅速に自動調節することが容易になる。
【0015】
また、第1発明及び第2発明のガスセンサでは、温度検知素子を樹脂でモールドする必要がない。このため、材料コストを低く抑えることができる上、作業性も向上する。また、第1発明及び第2発明のガスセンサは小型化を実現可能である。
【0016】
したがって、第1発明及び第2発明のガスセンサによれば、外気温の変化を迅速に検知できるとともに、製造コストの低廉化及び小型化を実現できる。
【0017】
第1発明及び第2発明のガスセンサは、ガス検知素子により汚染ガスの濃度変化を検知できるとともに、温度検知素子により外気の温度を検知できる。そのため、これらのガスセンサは、検知した汚染ガスの濃度変化に応じて内気と外気とを切換えたり、検知した外気の温度に基づいて車内の温度を自動調節したりする車両用空調制御装置に用いられ得る。こうして、これらのガスセンサを車両用空調制御装置に用いれば、外気温の変化に応じて車内の温度を迅速に自動調節することができ、車内空間を快適に保つことが可能である。
【0018】
なお、他のガスセンサとしては、ガス検知素子を実装する基板と温度検知素子を実装する基板とが異なるものと、ガス検知素子を実装する基板と温度検知素子を実装する基板とが同一のものとがある。ガス検知素子及び温度検知素子が異なる基板に実装されたガスセンサとしても、各基板が異なるケースに収納されたものと、各基板が同一のケースに収納されたものとがある。ガス検知素子及び温度検知素子が同一の基板に実装されたガスセンサでは、その基板が同一のケースに収納される。
【0019】
各ガスセンサのうち、ガス検知素子及び温度検知素子が異なる基板に実装され、かつ各基板が異なるケースに収納されたガスセンサにおいては、部品点数が多いとともに配線の引き回しが面倒であり、製造コスト上の不具合がある。この一方、これらのガスセンサでは、ガス検知素子の熱源による熱が温度検知素子に影響を与えず、温度検知素子が正確に外気温を検知し易くなっている。
【0020】
他方、上記各ガスセンサのうち、ガス検知素子と温度検知素子とが同一のケース内に位置するものは、製造コスト上は有利である一方、温度検知素子が正確に外気温を検知し難くなっている。特に、ガス検知素子と温度検知素子とが同一の基板に実装されたガスセンサではこの傾向が大きい。このためにガス検知素子と温度検知素子との間に隔壁を設ける技術も存在する程である(特開昭62−70744号公報)。
【0021】
第1発明及び第2発明のガスセンサは、上記各ガスセンサのうち、ガス検知素子と温度検知素子とが同一の基板に実装され、その基板をケースに収納した後者のものである。そして、第1発明及び第2発明のガスセンサは、製造コスト上の有利さを残しつつ、上述のように、温度検知素子が正確に外気温を検知できるようにしたものである。また、第1発明及び第2発明のガスセンサは、特開昭62−70744号公報記載のもののように、熱源からの熱が直接的に温度検知素子に受熱されることを防止するための複雑な形状の隔壁を設ける必要がないため、この意味でも製造コストの低廉化を実現することができる。
【0022】
第2発明のガスセンサでは、伝熱部材は温度検知素子とケースの内面とで挟持されていることが好ましい。こうであれば、構造が簡単である。こうして温度検知素子とケースの内面とで挟持される伝熱部材は弾性体からなることが好ましい。伝熱部材が弾性体であれば、ケースの寸法管理を緩くすることができ、これにより製造コストの低廉化を実現できる。さらに、ケースに振動等が加わる場合でも、温度検知素子に伝わる力を低減することができる。また、これらの伝熱部材は絶縁体からなることが好ましい。伝熱部材が絶縁体であれば、温度検知素子とケースとを確実に電気的に絶縁できるからである。なお、温度検知素子が面実装型であると、温度検知素子とケースの内面とで、伝熱部材を挟持し易いため好ましい。
【0023】
第1発明及び第2発明のガスセンサでは、ケースの外面は温度検知素子を外気温に近づける放熱手段を備えることが好ましい。これにより、外気温の変化がより迅速に温度検知素子に伝達される。
【0024】
放熱手段は、ケースの外面に形成され、放熱面積を大きくする凹凸部であることが好ましい。放熱面積の大きい凹凸部を設けることにより、ケースと外気との間でより熱が伝達され易くなる。そのため、外気温の変化がより迅速に温度検知素子に伝達される。この場合、凹凸部は温度検知素子の近傍に形成すると良い。さらに、温度検知素子又は伝熱部材とケースの内面との当接面の少なくとも一部が凹凸部と重複すること、換言すれば、温度検知素子又は伝熱部材を基板に対して基板の厚さ方向に投影した温度検知素子投影部又は伝熱部材投影部に、凹凸部を基板に対して基板の厚さ方向に投影した凹凸投影部の少なくとも一部が重なり合うことがより好ましい。これにより温度検知素子と凹凸部との間で熱が直接伝達されるからである。
【0025】
第1発明及び第2発明のガスセンサでは、(1)平面を基板の長手方向に二等分して2つの領域に分割したとき、ガス検知素子と温度検知素子とは、それぞれ別々の領域に実装されることが好ましい。これにより、ガス検知素子の熱が直接又は基板を通して温度検知素子へ伝達されることを少なくすることができる。また、(2)ガス検知素子と温度検知素子とを最短距離で結ぶ仮想直線を横切るように、基板にスリットを設けることが好ましい。これにより、熱源からの熱が基板を通して直線的に温度検知素子に伝達されることを防止することができる。さらに、上記(1)及び上記(2)を同時に満足することがより好ましい。なお、本明細書において、熱源を含むガス検知素子とは、感ガス体とヒータとが一体の素子、感ガス体とそれとは別体のヒータとが組み合わさった素子、感ガス体自身が熱源である素子を意味している。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のガスセンサを具体化した実施形態1〜3及び試験を図面を参照しつつ説明する。
【0027】
(実施形態1)
実施形態1のガスセンサは、図1及び図2に示すように、ガス検知素子5と温度検知素子6とを実装した基板4と、基板4を収納するケース1とを備えている。ここで、図1と図2とはケース1を互いに反対側から見た断面図である。ケース1は、グラスファイバを30%含むPBT(ポリブチレンテレフタレート)からなるケース本体2及びカバー3からなる。ケース本体2には基板4等を収納する収納空間2aが設けられ、収納空間2aの外側にはコネクタ部2bが設けられている。また、ケース本体2には、一端90aが収納空間2aに突出し、他端90bがコネクタ部2bに突出する複数の端子90が貫設されている。カバー3は収納空間2aを覆って、ケース本体2に固定されている。このカバー3には収納空間2aの内と外との空気を交換する空気孔3aが開けられ、カバー3の収納空間2a側には空気孔3aを塞いでフィルタ9が設けられている。基板4の一面のカバー3側にはガス検知素子5が実装され、基板4の他面のケース本体2側には温度検知素子6が実装されている。この基板4は、6個の基板ガイド91の各台部91aに載置され、スルーホールメッキが施された端子孔4aに挿入された端子90の一端90aにハンダ付けされている。そして、基板4の温度検知素子6はケース本体2の内面に当接している。ガス検知素子5は、ガスを検知する感ガス体5b及び熱源であるヒータ5cが搭載された基板5aと基板5aを保護する外筒5dとを有している。外筒5dの上部には、カバー3の空気孔3aに合わせて、空気孔5eが開けられている。
【0028】
以上の構成をしたガスセンサは、以下のようにして、組付けられる。まず、図2に示すように、カバー3を外した状態のケース本体2を用意する。このケース本体2には複数の端子90が貫設され、6個の基板ガイド91及び基板固定具92が設けられている。そして、ケース本体2の収納空間2aに基板4を収納する。この際、基板4を基板ガイド91によりガイドさせ、端子90の一端90aを基板4の端子孔4aに合わせて挿入する。これにより、基板4が台部91aに載置されるとともに、基板固定具92の爪92aにより基板4の揺動が規制される。そして、端子孔4aに挿入された端子90の一端90aを基板4にハンダ付けすることにより、基板4がケース本体2に固定される。最後に、ケース本体2をカバー3で覆い、カバー3の係合部3bを係合突起2cに係合させる。これにより、カバー3がケース本体2に固定されて、ガスセンサが組付けられる。
【0029】
このガスセンサは、検知した汚染ガスの濃度変化に応じて内気と外気とを切換えたり、検知した温度に基づいて車内の温度を自動調節したりする車両用空調制御装置に用いるため、車両のフロント部分又は外気を導入するダクト内に取り付けられる。ケース1のカバー3には空気孔3aが開けられ、この空気孔3aを通して収納空間2aの内と外との空気が交換される。また、ガス検知素子5の外筒5dの上部には、空気孔3aに合わせて、空気孔5eが開けられている。これにより、感ガス体5aが外気と接触し、汚染ガスの濃度変化を検知することができる。
【0030】
また、このガスセンサはフロント部分又はダクト内に取り付けられているため、ケース1の温度は外気温に近くなる。そして、温度検知素子6がケース本体2の内面に当接しているため、温度検知素子6とケース本体2との間で熱が伝達され易い。また、ケース本体2は外気との接触面積が大きいため、ケース本体2と外気との間においても熱が伝達され易い。そのため、温度検知素子6と外気との間で熱が伝達され易くなり、外気温の変化が迅速に温度検知素子6に伝達される。
【0031】
さらに、ガス検知素子5と温度検知素子6とが2つの領域に分割された基板4の別々の領域に実装されているため、ガス検知素子5の熱が直接又は基板4を通して温度検知素子6へ伝達されることを少なくすることができる。また、ガス検知素子5と温度検知素子6とを最短距離で結ぶ仮想直線を横切るように、基板4にスリットを設けているため、熱源からの熱が基板4を通して直線的に温度検知素子5に伝達されることを防止することができる。
【0032】
また、このガスセンサでは、温度検知素子6を樹脂でモールドしていない。このため、材料コストを低く抑えることができる上、作業性も向上する。また、このガスセンサは小型化を実現可能である。
【0033】
したがって、実施形態1のガスセンサによれば、外気温の変化を迅速に検知できるとともに、製造コストの低廉化及び小型化を実現することができる。このため、このガスセンサを用いた車両用空調制御装置では、外気温の変化に応じて車内の温度を迅速に自動調節することができ、車内空間を快適に保つことが可能である。
【0034】
なお、本実施形態では、熱源を含むガス検知素子5として、基板5a上において感ガス体5bとヒータ5cとが一体になったものを採用したが、この他、感ガス体とそれとは別体のヒータとが組み合わさったもの、感ガス体自身が熱源であるものを採用することもできる。
【0035】
(実施形態2)
実施形態2のガスセンサは、図3に示すように、ガス検知素子5と温度検知素子6とを実装した基板4と、基板4を収納するケース11とを備えている。ケース11は、グラスファイバを30%含むPBT(ポリブチレンテレフタレート)からなるケース本体12及びカバー3からなる。ケース本体12には基板4等を収納する収納空間12aが設けられ、収納空間12aの外側にはコネクタ部12bが設けられている。また、基板4に実装された温度検知素子6とケース本体12の内面との間に伝熱部材7が挟持されている。この伝熱部材7は弾性体であり、かつ絶縁体であるEPDM(エチレン・プロピレンゴム)からなり、熱伝導率は空気より大きい。その他の構成及び組付け方法は実施形態1と同様である。
【0036】
このガスセンサは、実施形態1のガスセンサと同様、車両用空調制御装置に用いられる。このガスセンサでは、温度検知素子6は空気の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する伝熱部材7に当接し、この伝熱部材7はケース本体12の内面に当接しているため、温度検知素子6とケース本体12との間で伝熱部材7を介し熱が伝達され易い。また、ケース本体12は外気との接触面積が大きいため、ケース本体12と外気との間においても熱が伝達され易い。そのため、温度検知素子6と外気との間で熱が伝達され易くなり、外気温の変化が迅速に温度検知素子6に伝達される。その他の作用、効果は実施形態1と同様である。
【0037】
したがって、実施形態2のガスセンサによれば、実施形態1のガスセンサと同様、外気温の変化を迅速に検知するとともに、製造コストの低廉化及び小型化を実現することができる。また、このガスセンサを用いた車両用空調制御装置においても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0038】
また、伝熱部材7が弾性体からなるため、ケース本体12の寸法管理を緩くすることができ、これにより製造コストの低廉化を実現できる。さらに、伝熱部材7が弾性体からなるため、ケース11に振動等が加わる場合でも、温度検知素子6に伝わる力を低減することができる。また、伝熱部材7が絶縁体からなるため、温度検知素子6とケース本体12とを確実に電気的に絶縁できる。また、温度検知素子6が面実装型であるため、温度検知素子6とケース本体12の内面とで、伝熱部材7を挟持し易い。
【0039】
(実施形態3)
実施形態3のガスセンサは、図4に示すように、ガス検知素子5と温度検知素子6とを実装した基板4と、基板4を収納するケース21とを備えている。ケース21は、グラスファイバを30%含むPBT(ポリブチレンテレフタレート)からなるケース本体22及びカバー3からなる。ケース本体22には基板4等を収納する収納空間22aが設けられ、収納空間22aの外側にはコネクタ部22bが設けられている。また、ケース本体22の外面には放熱手段である凹凸部としてのフィン22cが形成されている。その他の構成及び組付け方法は実施形態1と同様である。
【0040】
このガスセンサは、実施形態1のガスセンサと同様、車両用空調制御装置に用いられる。このガスセンサでは、ケース本体22に外気との接触面積が大きいフィン22cが形成されているため、フィン22cが形成されていない場合に比べ、ケース本体22と外気との間において熱がより伝達され易い。また、温度検知素子6とケース本体22の内面との当接面がフィン22cと重なっているため、温度検知素子6とフィン22cとの間で熱が直接伝達される。そのため、温度検知素子6と外気との間で熱がさらに伝達され易くなり、外気温の変化がより迅速に温度検知素子6に伝達される。その他の作用、効果は実施形態1と同様である。
【0041】
したがって、実施形態3のガスセンサによれば、実施形態1のガスセンサと同様、外気温の変化を迅速に検知するとともに、製造コストの低廉化及び小型化を実現することができる。また、このガスセンサを用いた車両用空調制御装置においても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0042】
(試験)
実施形態1〜3のガスセンサについての効果を確認する試験を行った。まず、実施形態1〜3及び比較例のガスセンサを用意した。ここで、比較例のガスセンサは、実施形態1のガスセンサにおいて、温度検知素子とケース本体の内面とが当接していないものとした。これらのガスセンサを25°Cに保った恒温槽に入れ、時間T1(450秒)経過後、ガス検知素子のヒータをONし、各々の温度検知素子の出力を調べた。その結果を図5に示す。
【0043】
図5において、Aは実施形態1の温度検知素子の出力(°C)、Bは実施形態2の温度検知素子の出力(°C)、Cは実施形態3の温度検知素子の出力(°C)、Dは比較例の温度検知素子の出力(°C)である。また、Eはケースのコネクタ部の温度(°C)である。このコネクタ部はガス検知素子から最も離れた位置にあり、ガス検知素子の影響がほとんどないため、コネクタ部の温度Eを外気温と考えることができる。なお、このコネクタ部の温度Eは、実施形態1〜3及び比較例のガスセンサの温度検知素子と同じ温度検知素子を使用して検知した。
【0044】
図5より、A、B及びCは約1000秒経過後(ガス検知素子のヒータをONしてから約550秒後)、一定温度に達し、Dは約1250秒経過後(ガス検知素子のヒータをONしてから約800秒後)、一定温度に達している。これにより、A、B及びCは、Dよりも約250秒早く安定するため、温度の変化を迅速に検知することがわかる。また、A、B及びCは、DよりEに近い。これにより、A、B及びCは、Dよりもガス検知素子のヒータの影響を受け難く、外気温に近いことがわかる。
【0045】
したがって、実施形態1〜3のガスセンサによれば、外気温の変化を迅速に検知できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のガスセンサの断面図である。
【図2】実施形態1のガスセンサの組付け断面図である。
【図3】実施形態2のガスセンサの断面図である。
【図4】実施形態3のガスセンサの断面図である。
【図5】実施形態1〜3及び比較例のガスセンサに係り、時間と温度検知素子の出力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
5…ガス検知素子
5c…熱源(ヒータ)
6…温度検知素子
4…基板
1、11、21…ケース
7…伝熱部材
22c…放熱手段(凹凸部、フィン)
Claims (8)
- 熱源を含むガス検知素子と温度検知素子とを実装した基板と、該基板を収納するケースとを備えたガスセンサにおいて、
前記温度検知素子は前記ケースの内面に当接していることを特徴とするガスセンサ。 - 熱源を含むガス検知素子と温度検知素子とを実装した基板と、該基板を収納するケースとを備えたガスセンサにおいて、
前記温度検知素子は空気の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する伝熱部材に当接し、該伝熱部材は前記ケースの内面に当接していることを特徴とするガスセンサ。 - 上記伝熱部材は上記温度検知素子と上記ケースの内面とで挟持されていることを特徴とする請求項2記載のガスセンサ。
- 上記伝熱部材は弾性体からなることを特徴とする請求項3記載のガスセンサ。
- 上記伝熱部材は絶縁体からなることを特徴とする請求項3又は4記載のガスセンサ。
- 上記ケースの外面は上記温度検知素子を外気温に近づける放熱手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のガスセンサ。
- 上記放熱手段は、上記ケースの外面に形成され、放熱面積を大きくする凹凸部であることを特徴とする請求項6記載のガスセンサ。
- 上記温度検知素子又は上記伝熱部材と上記ケースの内面との当接面の少なくとも一部が上記凹凸部と重複することを特徴とする請求項7記載のガスセンサ。
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