JP2004177195A - 薄層プレートおよび分析方法 - Google Patents

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Daisuke Kozutsumi
大介 小堤
Masao Takami
正雄 高見
Asami Adachi
麻美 安達
Akihiro Kawashima
昭浩 川島
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Abstract

【課題】薄層クロマトグラフィーを行う際に、横方向に拡散しないプレートの開発を課題とする。さらには、DHA等の化合物の定量・定性分析に適する方法の開発も課題とする。
【解決手段】スリットを有するTLCを用いることにより、横方向の試料拡散を防止することができた。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、新規の薄層クロマトグラフィー用プレートおよび該プレートを用いた分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリカゲル等をガラス板、プラスチックシート、アルミシート等に塗布したプレートを用いる薄層クロマトグラフィー(以下単にTLCともいう)は、有機化合物の分析、分離に最も頻繁に利用されている手法の1つである。高価な装置を必要とせず、分離時間も比較的短く、簡便で分離能も高いことから、特に、反応の進行状況の追跡、カラムクロマトグラフィーの溶出成分の検出には欠くことのできない手法となっている。
【0003】
試料が希薄な場合、あるいはTLC上で分離スポットが接近した試料の場合等には、濃縮ゾーン付きTLCプレート(以下単に濃縮プレートともいう)が用いられる。濃縮ゾーン付きTLCプレートは、細孔径が大きく吸着活性のないポーラスシリカ等をプレート下部に塗布したものである。濃縮プレートにスポット(塗布)された試料は濃縮ゾーンでは吸着されず、吸着層との境目で線状に濃縮される。濃縮後に展開がはじまるため、試料が希薄な場合、あるいは隣接スポットとの分離が必要な場合等には有用である。しかし、この方法は縦方向にのみ濃縮され、横方向に拡散し、その結果、展開したスポットは帯状となる。この方法は定性的なスポット分離には有効であるが、横方向の拡散を調節できないため、定量TLC法に用いるには不適切であった。
【0004】
一方、ドコサヘキサエン酸(以下DHAともいう)は、生体内において脳、網膜などの神経関連細胞での含量が高く、精子などの細胞膜リン脂質や母乳中にも含まれている(例えば、非特許文献1参照)。これまでの研究からDHAには、学習能向上作用(記憶力増強作用)、網膜反射能向上作用(視力低下抑制作用)、制癌作用、血中脂質低下作用(コレステロール、中性脂質)、抗血栓作用(血小板凝集抑制作用)、抗アレルギー作用、抗炎症作用、抗糖尿病作用(血糖値低下作用)等の生理活性を有していることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
DHAが食品に添加された場合、品質の確認等には、DHAの定量が不可欠である。従来、母乳等のDHA含量を測定するためには、脂質を抽出した後、ケン化を行って脂肪酸を遊離し、その後メチル化し、ガスクロマトグラフィー(以下GCともいう)等で分析を行うことが必要であった(例えば、非特許文献2参照)。しかし、この定量法はガスクロマトグラフ装置を必要とし、場所を選ばず簡便に行うことはできなかった。
【0006】
【非特許文献1】
原健次著「生理活性脂質EPA・DHAの生化学と応用」幸書房、1996年4月10日、p.111−118
【非特許文献2】
日本食品分析センター編「分析実務者が書いた五訂日本食品成分表分析マニュアルの解説」中央法規出版、p.200−227
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
薄層クロマトグラフィーを行う際に、横方向に拡散しないプレートの開発を課題とする。さらには、DHA等の化合物の定量・定性分析に適する方法の開発も課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、スリットを有するTLCを用いることにより、横方向の試料拡散を防止できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1) スリットを有する薄層プレート、
(2) 薄層プレートが濃縮ゾーン付きプレートである(1)の薄層プレート、
(3) (1)または(2)のプレートを用いる化合物の分析方法、
(4) 化合物がDHAである(3)の分析方法、
からなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、スリットを有するTLCに関するものであり、市販している濃縮ゾーン付きTLCプレートの濃縮ゾーン部分にスリットを入れることにより調製することができる。
TLCプレートは、シリカゲル等をガラス板、プラスチックシート、アルミシート等に塗布したプレートを用いることができる。
【0011】
プレートの分離ゾーンに塗布される化合物としては、シリカゲル、アルミナ(アルミニウムオキソド)、セルロース、けいそう土が用いられる他、シリカゲル表面のシラノール基に有機部位を化学結合した化学修飾型シリカゲルも用いられており、逆相、NH、CN、DIOLタイプが知られており、分析したい試料にあわせ、適宜選択すればよい。
【0012】
TLCプレートは前述した通常用いられているものを用いることができるが、縦方向の試料の拡散を防止するため、濃縮ゾーン付きTLCプレートを用いることが望ましい。
【0013】
スリットは、分析に用いるTLCプレートの大きさや同一のプレートにスポットする試料の数によりその高さや幅を適宜調節することができるが、幅15cmのTLCプレートを用いた場合は、高さ0.1〜0.9mm、幅5〜15mmであることが好ましい。また、スリットとスリットとの間隔は、スリット幅より短いことが好ましく、2〜10mmであることが好ましい。金属の棒等でTLCプレートをなぞり、プレート上のシリカゲルを削ることによりスリットを付けることが可能である。
【0014】
展開溶媒は、適切なRf値が得られるよう通常用いられている極性溶媒及び/または非極性溶媒を単独または混合して用いることができるが、液面がスリットより下であることが必要である。
【0015】
スリット付きTLC(濃縮ゾーン付き)を用いた場合の拡散防止(横方向)の概念図を図1に示す。試料をスリット上部にスポットし、展開を開始するとスリットの横から上昇する溶媒により、スポットが中心に向かって集約される。小さくなったスポットとして分離層へ到達することにより、横方向への拡散が防止される。
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものでない。
【0016】
[実施例1]スリット付きTLCプレートの製造
Merck社製濃縮TLCプレートHPTLC−Fertigplatten RP−18の下端から1cmの位置に幅10mm、スリット間隔5mmとなるように、幅0.8mmの金属棒を用いてスリットを入れた(図2A)。
【0017】
[実施例2]スリット付きTLCプレートを用いたDHAの分析
実施例1で製造したスリット付きTLCプレートを用いて、スリットの上部5mmの中央にcis−4,7,10,13−16,19−Docosahexaenoic acid(DHA)を1μLスポットした。風乾後、アセトニトリルを用いて展開した。その後、ヨウ素発色を行った。対照としてスリットを入れないTLCプレートを用いて同様の実験を行った。結果を図2に示す。DHAを0.1、0.2、0.3mg/mLの濃度に調製し、1μLをスポットしたところ、スリット付きTLCの場合はスポットの形状が真円に近く、DHA濃度が増すとともにスポットの濃度も増した。一方、スリット無しTLCの場合はスポットの形状は帯状となり、DHA濃度とスポットの濃度は比例しなかった。スリットなしTLCを研究員10名に見せ、最も濃いスポットと最も薄いスポットを判定してもらったところ、全員が0.2mg/mLおよび0.1mg/mLの濃度のスポットをそれぞれ最も濃いスポットおよび最も薄いスポットと判定した。一方、スリット付きTLCの場合は、0.2mg/mLおよび0.1mg/mLの濃度のスポットをそれぞれ最も濃いスポットおよび最も薄いスポットと判定したのは10名中2名であり、残りの8名は0.3mg/mLおよび0.1mg/mLの濃度のスポットをそれぞれ最も濃いスポットおよび最も薄いスポットと判定した。このように、TLCプレートの濃縮ゾーンにスリットを入れることにより、定量性が増すことが確かめられた。
【0018】
[実施例3]牛乳中脂肪酸のエステル化(直接法)
魚油カルシウム塩(DHA及びEPAを含有)を混入した飼料を与えた乳牛から得た牛乳を用いた。50mLのガラスチューブに牛乳1mL、5mLの0.5M KOHメタノール溶液を入れキャップをし、沸騰水浴中5分間加熱した。次に、5mLの14%BFメタノールコンプレックスメタノール溶液を入れ、さらに、沸騰水浴中で2分間加熱した。その後、室温まで冷却し、5mLの飽和食塩水、10mLのヘキサンを加え、300rpmで5分間抽出を行った。その後、2,500rpm5分の遠心分離を行い、上清を牛乳中脂肪酸のエステル体として得た。
【0019】
[実施例4]牛乳中脂肪酸のエステル化(従来法)
10mLのガラスチューブに牛乳0.5mL、0.1mL 28%NHOH水溶液、0.5mLエタノール、3.5mLジエチルエーテルを加え、300rpmで3分間抽出を行った。その後、2,500rpm5分の遠心分離を行った。上清(有機層)を新しい10mLガラスチューブに移し、溶媒を減圧留去した。これに1mLの0.5M KOHメタノール溶液を入れキャップをし、沸騰水浴中5分間加熱した。次に、1mLの14%BFメタノールコンプレックスメタノール溶液を入れ、さらに、沸騰水浴中で2分間加熱した。その後、室温まで冷却し、1mLの飽和食塩水、2mLのヘキサンを加え、300rpmで5分間抽出を行った。その後、2,500rpm5分の遠心分離を行い、上清を牛乳中脂肪酸のエステル体として得た。
【0020】
[実施例5]スリット付きTLCプレートを用いた牛乳中脂肪酸の分析
下記の8の試料を実施例1で作製したプレートに1μLづつスポットした。アセトニトリルで10cm展開し充分に乾燥させた。下端から4cmの場所でTLCプレートを切断し、その後アセトニトリルで約6cm展開、さらに乾燥後アセトニトリル/水=90/10で約6cm展開した(図3)。展開時間は約40分であった。3回目の展開はアセトニトリルを用いてもほぼ同様の分離結果が得られた。この方法で牛乳中のDHAの分析を行った結果を図4に示す。この結果、通常分離の困難なEPAとDHAが良く分離し、定量が可能であることが示された。
レーン1:実施例3で調製した試料
レーン2:市販牛乳から従来法(実施例4)により脂質を抽出し、DHA,EPAをそれぞれ100μg/mL添加し、その後ケン化、エステル化を行った試料。
レーン3:市販牛乳から従来法(実施例4)により脂質を抽出し、EPAを100μg/mL添加し、その後ケン化、エステル化を行った試料。
レーン4:市販牛乳から従来法(実施例4)により脂質を抽出し、DHAを100μg/mL添加し、その後ケン化、エステル化を行った試料。
レーン5:市販牛乳を直接法(実施例3)で調製した試料
レーン6:市販牛乳にDHA,EPAをそれぞれ100, 50μg/mL添加し、直接法(実施例3)によりケン化、エステル化を行った試料。
レーン7:市販牛乳にDHA,EPAをそれぞれ200, 100μg/mL添加し、直接法(実施例3)によりケン化、エステル化を行った試料。
レーン8:市販牛乳にDHA,EPAをそれぞれ300, 150μg/mL添加し、直接法(実施例3)によりケン化、エステル化を行った試料。
【0021】
【発明の効果】
スリットを有するTLCを用いることにより、横方向の試料拡散を防止でき、従来困難だったDHAやEPAを別のスポットとして分離し、分析することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】スリット付きTLC(濃縮ゾーン付き)を用いた場合の拡散防止(横方向)の概念図を示す。
【図2】スリット付きTLCプレート(A)とスリット無し(市販)TLCプレート(B)でのDHAスポットの形状を示す図である。DHAの濃度は2:0.1mg/mL, 3:0.2mg/mL, 4:0.3mg/mLである(1はブランク)。Iは展開溶媒、IIはスリットの位置をそれぞれ示す。
【図3】スリット付きTLCプレートを用いた牛乳中脂肪酸の分析法を示す。
【図4】スリット付きTLCプレートを用いた牛乳中脂肪酸の分析結果を示す。

Claims (4)

  1. スリットを有する薄層プレート。
  2. 薄層プレートが濃縮ゾーン付きプレートである請求項1記載の薄層プレート。
  3. 請求項1または2記載のプレートを用いる化合物の分析方法。
  4. 化合物がDHAである請求項3記載の分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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