JP2004175913A - Method for producing polyester resin composition and film obtained therefrom - Google Patents

Method for producing polyester resin composition and film obtained therefrom Download PDF

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JP2004175913A JP2002343544A JP2002343544A JP2004175913A JP 2004175913 A JP2004175913 A JP 2004175913A JP 2002343544 A JP2002343544 A JP 2002343544A JP 2002343544 A JP2002343544 A JP 2002343544A JP 2004175913 A JP2004175913 A JP 2004175913A
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phosphorus
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Tomoyuki Kishino
友行 岸野
Nobuo Minobe
信夫 見延
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Teijin Ltd
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for producing a polyethylene naphthalate resin composition with a combination of melt thermal stability and good polymer hue and transparency, and to provide film obtained therefrom. <P>SOLUTION: The method for producing the polyester resin composition comprises the following process: After ending a transesterification reaction using an transesterification catalyst, a specific phosphorus compound A is added to the system so as to meet the relationship(1):0.4≤Pa/M≤0.8 to deactivate the transesterification catalyst followed by adding a combination, as a polymerization catalyst, of a titanium compound with a phosphonate compound as a specific phosphorus compound B to the system ao as to meet the relationship(2):0.8<(Pa+Pb)/M≤1.4 to complete the polycondensation reaction. In the relationships(1) and (2), Pa, M and Pb are the molar concentrations, based on the total dicarboxylic acid component, of the elemental phosphorus in the phosphorus compound A, the metal element in the transesterification catalyst and the elemental phosphorus in the phosphorus compound B, respectively. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル樹脂組成物の製造方法とそれから得られるフィルムに関する。さらに詳しくは、エステル交換反応を経由し、重縮合触媒として実質的にチタン化合物を用いたポリエチレンナフタレート樹脂組成物において、ポリマー中の重合触媒に起因する異物が少ない優れた透明性を維持しつつ、実用上問題ない溶融熱安定性と優れたポリマーの色相とを兼備するポリエチレンナフタレート樹脂組成物の製造方法とそれから得られるフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンナフタレートは、優れた力学特性、耐熱性、耐候性、耐電気絶縁性および耐薬品性を有することから、フィルム、繊維またはボトルなどの成形品として広く使用されている。
【0003】
かかるポリエチレンナフタレートは、その製造において、重合反応を円滑に進行させるために重合触媒を用いる。この重合触媒としては種々の金属化合物が知られており、中でも三酸化アンチモンの如きアンチモン(Sb)化合物が安価でかつ高い重合活性を持つことから、広く使用されている。しかし、アンチモン化合物は、その一部が反応中に還元されて金属アンチモンやその他の異物を生成し、その結果、ポリマーの色を黒ずませ、濁りにより透明性を落としたり、製造工程における溶融熱安定性に悪影響を及ぼす結果、製造工程を不安定化させたりして成形品の品質を悪化させるといった問題を抱えている。
【0004】
アンチモン化合物以外の重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合物や、テトラ−n−ブトキシチタンのようなチタン化合物が提案されている。ゲルマニウム化合物は、かなり高価であるため、ポリエチレンナフタレートの製造コストが高くなるという問題がある。一方チタン化合物を重合触媒として使用した場合、アンチモン化合物で生じた金属アンチモンやその他の異物の生成が抑制され、上述の異物に起因する問題は改善される。しかし、得られたポリエチレンナフタレート自身が黄色く着色したり、また、得られるポリエチレンナフタレートの溶融熱安定性が乏しいといったチタン化合物特有の問題があった。
【0005】
一般に、ポリエステルの着色を抑制するには、コバルト化合物をポリエステルに添加して黄味を抑えることが行われている。確かにコバルト化合物の添加によってポリエステルの色相(b値)は改善され、該ポリエステル樹脂を使用したポリエステルフイルムにおいても色相改善の効果が確認されている。しかしながら、コバルト化合物の添加は、得られるポリエステルの溶融熱安定性を低下させ、ポリマーの分解を助長させるという問題があった。
【0006】
一方、ポリエステルを製造するための触媒として、チタン化合物と亜リン酸エステルとを反応させて得られた生成物を使用しているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
またチタン化合物とリン化合物との錯体をポリエステル製造用の触媒として用いる場合もある(例えば、特許文献2参照。)。
これらの方法によれば、得られるポリエステルの溶融熱安定性をある程度向上させつつ、得られるポリマーの色調も向上させることができる。しかしながら、これらの方法によって得られるポリマーの色調の向上効果は未だ不十分なものであり、さらなるポリマーの色調の向上が求められていた。
【0008】
【特許文献1】
特開昭58−38722号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平7−138354号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、エステル交換反応を経由し、チタン化合物を触媒として使用するポリエチレンナフタレートの製造方法において、ポリマー中の重合触媒に起因する異物が少ない優れた透明性を維持しつつ、実用上問題ない溶融熱安定性と優れたポリマーの色相とを兼備するポリエチレンナフタレート樹脂組成物の製造方法とそれから得られるフィルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、特定のリン化合物を2つの段階で用いることによって、優れた透明性を維持しつつ、実用上問題ない溶融熱安定性と優れたポリマーの色相とをポリエチレンナフタレート樹脂組成物に具備させられることを見出し、本発明に到達した。
【0012】
かくして本発明によれば、ポリエチレンナフタレート樹脂の原料として用いる全ジカルボン酸の80mol%以上がジメチルナフタレートであるポリエチレンナフタレート樹脂組成物の製造方法であって、エステル交換反応触媒によるエステル交換反応終了後、下記式(1)の割合で下記一般式(I)または下記一般式(II)で表されるリン化合物Aを添加してエステル交換触媒の活性の大半を失わせたのち、重合触媒としてチタン化合物と下記一般式(III)で表されるもう一つのリン化合物Bであるホスホネート化合物とを下記式(2)の割合で加え重縮合反応を完結させるポリエステル樹脂組成物の製造方法が提供される。
【0013】
【数4】
0.4≦Pa/M≦0.8 ・・・(1)
(ここでPaはリン化合物Aの、Mはエステル交換触媒中の金属元素の、全ジカルボン酸成分に対するそれぞれのモル濃度を示す。)
【0014】
【化6】
(RO)−P(=O)−(OH)3−m (I)
(上式中Rは炭素数1〜2のアルキル基、mは0〜3の整数を表す)
【0015】
【化7】
(RO)−PH(=O)−(OH)2−n (II)
(上式中Rは炭素数1〜2のアルキル基、nは0〜2の整数を表す)
【0016】
【化8】

Figure 2004175913
(ここでZは−C2n−OH(nは0〜4の整数)、A,Bはそれぞれ、−C2n+1(nは0〜4の整数)および/または−C2n−OH(nは1〜4の整数)のいずれかを示す。またXは−CH−または−CH(Y)−を示す(Yはフェニル基を示す)。)
【0017】
【数5】
0.8<(Pa+Pb)/M≦1.4 ・・・(2)
(ここでPaはリン化合物Aの、Pbはリン化合物Bの、Mはエステル交換触媒中の金属元素の、全ジカルボン酸成分に対するそれぞれのモル濃度を示す。)
また、本発明によれば、チタン化合物が、下記一般式(IV)で表される化合物およびチタン化合物が、下記一般式(IV)で表わされる化合物と下記一般式(V)で表わされる芳香族多価カルボン酸またはその無水物とを反応させた生成物からなる群より選ばれた少なくとも1種であるポリエステル樹脂組成物の製造方法も好ましく包含される。
【0018】
【化9】
O−[Ti(OR)(OR)]−OR (IV)
(上記式中、R、R、RおよびRは炭素数2〜10個のアルキル基を表し、R、R、RおよびRは互いに同一であっても異なっていてもよい。mは1〜3の整数を表す。)
【0019】
【化10】
Figure 2004175913
(上記式中、qは2〜4の整数を表わす。)
また、アンチモン元素およびゲルマニウム元素の含有量が、エチレンナフタレート成分に対して高々5ミリモル%であること、およびチタン化合物の添加量が下記式(3)を満足するポリエステル樹脂組成物の製造方法のいずれかも本発明に包含される。
【0020】
【数6】
1≦Ti≦15 ・・・(3)
(ここで、式(3)中の、Tiはチタン化合物のチタン元素としてのモル数を、樹脂組成物中の全ジカルボン酸成分のモル数で割った値(ミリモル%)を示す。)
【0021】
さらに、最初に加えるリン化合物が亜リン酸であるポリエステル樹脂組成物の製造方法も好ましい態様として包含される。
また、本発明によれば、上記のいずれかに記載の製造方法から製造されたポリエステル樹脂組成物およびそれからなるフィルムも提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、ポリマー成分の80重量%以上、好ましくは85重量%以上がポリエチレンナフタレート樹脂からなるものであり、ポリエチレンナフタレート樹脂以外の他の樹脂を、混合したものであっても良い。
【0023】
また、本発明において用いられるポリエチレンナフタレート樹脂とは、エチレンナフタレート成分を主たる繰返し単位とするポリエステルである。なおここでいう主たる繰り返し単位とは、全繰り返し単位の80モル%以上、好ましくは85モル%以上を意味する。ポリエチレンナフタレート樹脂がエチレンナフタレート成分以外の第3成分を共重合したものである場合、第3成分(共重合成分)としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸の如き2,6−ナフタレンジカルボン酸以外のフタル酸類の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の如き脂環族ジカルボン酸、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールの如きグリコールが例示され、これらは単独で使用しても二種以上を併用してもよい。
【0024】
本発明のポリエチレンナフタレートは、エステル交換反応を経由して製造され、原料として用いる全ジカルボン酸成分の80モル%以上がジメチルナフタレートである必要がある。
【0025】
本発明におけるポリエチレンナフタレート樹脂組成物の極限粘度は、ο−クロロフェノール中、35℃において、0.50〜0.80dl/gの範囲にあることが好ましく、さらに0.55〜0.70dl/gの範囲が好ましい。極限粘度が下限未満であると、成形加工品、例えばフィルムの耐衝撃性が不足するため好ましくない。他方、極限粘度が上限を超えると、原料ポリマーの極限粘度を過剰に引き上げる必要があり不経済である。
【0026】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、エステル交換反応工程と重縮合反応工程それぞれで、少なくとも1種類ずつのリン化合物を含有し、全体で少なくとも2種類のリン化合物を含有する必要がある。
1種類目のリン化合物(以下、リン化合物Aと略記することがある)は、通常のエステル交換反応が終了した時点で加える。かかるリン化合物Aは、エステル交換反応の役目を終えたエステル交換触媒の活性の大半を失わせる目的で加えるもので、一般的なエステル交換触媒であるアルカリ金属化合物や、アルカリ土類金属化合物、あるいはマンガン化合物などに作用するリン化合物であれば特に種類は限定されないが、後述のように速やかに触媒活性を失活させる反応性の強いリン化合物であることが好ましい。
【0027】
これらリン化合物Aとしては、下記一般式(I)または下記一般式(II)で表されるリン化合物が挙げられる。
【0028】
【化11】
(RO)−P(=O)−(OH)3−m (I)
(上式中Rは炭素数1〜2のアルキル基、mは0〜3の整数を表す。)
【0029】
【化12】
(RO)−PH(=O)−(OH)2−n (II)
(上式中Rは炭素数1〜2のアルキル基、nは0〜2の整数を表す)
該リン化合物Aは、(I)式または(II)式で表されるリン化合物であれば特に限定されないが、メチルフォスフェートやエチルホスフェートといった有機リン化合物や亜リン酸または亜リン酸エステルなどが例示され、なかでも亜リン酸はポリエステル樹脂の色相抑制といった観点から好ましい。
【0030】
さらに詳細に説明すると、第一のリン化合物Aが、エステル交換反応の役目を終えたエステル交換触媒の大半を失活させた後、重縮合触媒となるチタン化合物を加え、さらに第2のリン化合物Bを加えて重縮合反応を開始する。リン化合物Aを添加してから次にリン化合物Bを添加するまでの間隔が長いため、リン化合物Aの効果が不十分な場合、エステル交換触媒の活性が依然残り、着色の進行などを助長させる一因となる。そこで、リン化合物Aは先述のように即効性のリン化合物であることが好ましい。このように、リン化合物Aによりエステル交換触媒の大部分を予め失活させることで、重縮合触媒として用いるチタン化合物の添加量を抑えることになり、ポリエステル樹脂およびそれから得られるフィルムは、良好な色調を実現できる。
【0031】
本発明で用いられるリン化合物Aは、エステル交換触媒に対し、下記式(1)の範囲で加えることが必要である。Pa/Mが0.8を越える場合、続いて重縮合触媒として加えるチタン化合物に余分のリン化合物が作用してチタンの触媒活性を低下させることになり、逆にPa/Mが0.4に満たない場合は、エステル交換触媒が活性を残し、チタン触媒に作用したり、ポリエステルの耐熱性が劣化する場合がある。
【0032】
【数7】
0.4≦Pa/M≦0.8 ・・・(1)
(ここでPaはリン化合物A中のリン元素の、Mはエステル交換触媒中の金属元素の、全ジカルボン酸成分に対するそれぞれのモル濃度を示す。)
【0033】
一方、続いて用いる2種類目のリン化合物(以下、リン化合物Bと略記することがある)は、下記一般式(III)で表されるホスホネート化合物であることが必要であり、これらは単独で使用しても二種以上を併用してもよい。
【0034】
【化13】
Figure 2004175913
(ここでZは−C2n−OH(nは0〜4の整数)、A,Bはそれぞれ、−C2n+1(nは0〜4の整数)および/または−C2n−OH(nは1〜4の整数)のいずれかを示す。またXは−CH−または−CH(Y)−を示す(Yはフェニル基を示す)。)
これらの中でも、好ましいリン化合物として、カルボメトキシメタンホスホン酸、カルボエトキシメタンホスホン酸、カルボプロポキシメタンホスホン酸、カルボプブトキシメタンホスホン酸、カルボメトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボプロトポキシ−ホスホノ−フェニル酢酸およびカルボブトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸などの炭素数1〜4のグリコールエステルが挙げられる。ホスホネート化合物のグリコール置換体は、末端アルコキシ基の一部が置換されたものでも良く、ヒドロキシル基を含むすべてが置換されたものでもよい。
【0035】
本発明において、これらのホスホネート化合物が必要である理由は、通常の安定剤として使用されているリン化合物Aに比べ、チタン化合物や残存するエステル交換触媒との反応が比較的緩やかに進行することから、重縮合反応中のチタン化合物の触媒活性が長く持続し、結果としてポリエステルへの重縮合触媒の添加量を少なくでき、また重縮合触媒に対して多量のリン化合物を添加してもポリエステルの熱安定性を損ないにくく、色調の低下を引き起こさないことにある。
【0036】
これら、ホスホネート化合物の添加時期は、エステル交換反応が実質的に終了した後であれば特に制限されず、例えば、重縮合反応を開始する以前の大気圧下、重縮合反応を開始した後の減圧下、重縮合反応の末期または重縮合反応の終了後すなわちポリマーを得た後に添加してもよいが、作業性を考慮した場合、重縮合反応開始前の触媒のチタン化合物を添加する時期が好ましい。
【0037】
また、ホスホネート化合物とチタン化合物とを予めグリコール中で加熱してエステル交換を行ってから加えることで、ホスホネート化合物の飛散性を抑えることができ、結果的にホスホネート化合物の添加量を抑えることにもなるが、その分作業量は増加することを留意する必要がある。
【0038】
本発明におけるリン化合物Bであるホスホネート化合物は、下記式(2)の範囲で加えることが必要である。先述のとおり、チタン化合物は、エステル交換触媒中の金属成分や、最初に添加するリン化合物Aが過剰に存在すると、反応中に交絡し重縮合触媒としての活性を落とすことから、最初に添加したリン化合物Aに加えてリン化合物Bの添加量にも留意する必要がある。すなわち、(Pa+Pb)/Mが1.4を越える場合、重縮合触媒として加えるチタン化合物に余分のリン化合物が作用してチタンの触媒活性を低下させることになり、逆に(Pa+Pb)/Mが0.8に満たない場合は、得られたポリマー及びフィルムの耐熱性が悪化することがある。
【0039】
【数8】
0.8<(Pa+Pb)/M≦1.4 ・・・(2)
(ここでPaはリン化合物A中のリン元素の、Pbはリン化合物B中のリン元素の、Mはエステル交換触媒中の金属元素の、全ジカルボン酸成分に対するそれぞれのモル濃度を示す。)
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法とそれから得られるフィルムは、重縮合触媒起因の異物の低減および透明性向上を目的にしており、実質的に触媒として、チタン化合物を用いる点に特徴がある。そのことから、ポリエステル樹脂組成物中のアンチモン元素およびゲルマニウム元素の含有量は、全ジカルボン酸成分のモル数を基準として、高々5ミリモル%である。アンチモン元素およびゲルマニウム元素の含有量が5ミリモル%を超えると、これらの触媒に起因する異物の析出などの問題が惹起する。
【0040】
本発明において用いられるチタン化合物としては、一般に重縮合反応触媒として用いられるものであれば特に限定されないが、下記一般式(IV)で表わされる化合物および下記一般式(IV)で表わされる化合物と下記一般式(V)で表わされる芳香族多価カルボン酸またはその無水物とを反応させた生成物からなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【0041】
【化14】
O−[Ti(OR)(OR)]−OR (IV)
(上記式中、R、R、RおよびRは炭素数2〜10個のアルキル基を表し、R、R、RおよびRは互いに同一であっても異なっていてもよい。mは1〜3の整数を表す。)
上記式(IV)で表されるチタン化合物としては、例えば、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラエトキシドなどのチタンテトラアルコキシドや、オクタアルキルトリチタネート、ヘキサアルキルジチタネート、アルキルチタネートを挙げることができる。
【0042】
本発明におけるチタン化合物の添加時期は、ジメチルナフタレートを原料物質とする製造方法の中でも、チタン化合物の添加量を低減できることから、実質的にエステル交換反応が終了し、最初のリン化合物Aを添加してから重縮合工程に入る直前の間で添加させることが好ましい。
【0043】
本発明におけるチタン化合物の添加量は下記式(3)を満足することが好ましい。
【0044】
【数9】
1≦Ti≦15 ・・・(3)
(ここで、式(3)中の、Tiは該チタン化合物のチタン元素としてのモル数を、樹脂組成物中の全ジカルボン酸成分のモル数で割った値(ミリモル%)を示す。)
【0045】
即ち、本発明におけるチタン化合物の添加量は、チタン元素量で1〜15ミリモル%、より好ましくは2〜10ミリモル%含有することが好ましい。更に好ましいチタン元素量は3〜10ミリモル%、特に好ましくは5〜8ミリモル%である。チタン元素量が下限未満だと、ポリエステルの生産性が低下し、所望の分子量を有するポリエステルが得られない。一方、チタン元素量が上限を超えると、得られるポリエチレンナフタレート樹脂組成物の熱安定性が低下し、フィルムなどへ成形加工する際の分子量の低下が大きく、やはり所望の力学的特性を有する成形加工品が得られない。
【0046】
【化15】
Figure 2004175913
(上記式中、qは2〜4の整数を表す。)
上記一般式(V)で表される芳香族多価カルボン酸としては、フタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸が好ましく例示される。なお、上記一般式(V)で表される芳香族多価カルボン酸は、その無水物であっても良い。
【0047】
上記チタン化合物と芳香族多価カルボン酸またはその無水物とを反応させる場合には、溶媒に芳香族多価カルボン酸またはその無水物の一部を溶解し、これにチタン化合物を滴下して0〜200℃の温度で30分以上反応させればよい。
本発明における芳香族多価カルボン酸の添加量は、チタン化合物/芳香族多価カルボン酸のモル比で1/1〜1/4の範囲であることが好ましい。芳香族多価カルボン酸が1/4のモル比より多いと、チタン化合物の触媒としての活性が阻害され、一方芳香族多価カルボン酸が1/1のモル比より少ないと、エチレングリコールなどといった溶媒に難溶となり、所期の効果が発現しない。
【0048】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、例えば用途がフイルムである場合、巻き取り性などの取扱い性を向上させるために、滑材として平均粒径0.05〜5.0μmの不活性粒子を0.05〜5.0重量%程度添加してもよい。この際、本発明のポリエステル樹脂組成物の特徴である優れた透明性を維持する点から、添加する不活性粒子は粒径の小さいものが好ましく、またその添加量はできる限り少ないことが好ましい。
【0049】
添加する不活性粒子としては、コロイダルシリカ、多孔質シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア、カオリン、複合酸化物粒子などの無機粒子や、架橋ポリスチレン、アクリル系架橋粒子、メタクリル系架橋粒子、シリコーン粒子などの有機粒子などが挙げられる。
【0050】
また、フィルム、繊維、ボトルなど各成形品の要求に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、可塑剤、色相改良剤、核剤、紫外線吸収剤などの各種機能剤を加えてもよい。
【0051】
さらに、得られるポリエステル樹脂組成物およびそれから得られるフィルムの色相の改善補助をするために、ポリエステル樹脂の製造段階において、たとえばアゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系、アントラキノン系、フタロシアニン系といった有機青色顔料等の整色剤を添加することもできる。
【0052】
エステル交換反応を経由してポリエチレンナフタレートを製造する方法について、以下に詳述する。
本発明におけるポリエチレンナフタレート樹脂は、原料として用いる全ジカルボン酸成分の80モル%以上がジメチルナフタレートである、エステル交換反応を経由する製造方法によって得られ、製造方法としては特に制限はなく、従来公知の技術を用いる事が出来る。
【0053】
ポリエチレンナフタレート樹脂組成物の製造方法の一例を挙げると、まず、エステル交換反応開始前にジメチルナフタレートを全ジカルボン酸成分の80モル%以上含むナフタレン酸ジアルキルエステル、グリコール成分とともにエステル交換反応触媒を添加して徐々に昇温し、発生するアルコールを除去させながらエステル交換反応を実施し、エステル交換反応の終了時点でエステル交換反応失活剤であるリン化合物Aを添加して実質的にエステル交換反応を完了させる。その後、反応生成物を減圧装置が設けられた重合反応器に移し変える前後に、重縮合触媒であるチタン化合物およびリン化合物Bを添加して、高真空下での重縮合反応を行う。得られたポリエチレンナフタレート樹脂は、通常溶融状態で押出しながら、冷却後、粒状(チップ状)のものとする。この際、得られたポリエチレンナフタレート樹脂の極限粘度は、0.50〜0.80dl/gであることが望ましい。
【0054】
また、本発明で得られたポリエステル樹脂組成物は、フィルム、繊維またはボトルなどといった成形品に好適に用いられる。
【0055】
本発明におけるポリエステル樹脂組成物を用いたフィルムの製造方法としては特に限定はなく、従来公知の技術を用いることができる。以下に一例を挙げる。
【0056】
重縮合反応により得られたポリエステルチップを(Tc)〜(Tc+40)℃(ここで、Tcはポリエステルの昇温時の結晶化温度を示す)の温度範囲で1〜3時間乾燥した後、(Tm)〜(Tm+70)℃(ここで、Tmはポリエステルの融点を示す)の温度範囲内でシート状に溶融押出し、ついで表面温度20〜40℃の回転冷却ドラム上に密着固化させて、実質的に非晶質のポリエステルシート(未延伸フィルム)を得る。ついで未延伸フィルムを縦方向に延伸した後、横方向に延伸する、いわゆる縦・横逐次二軸延伸法、あるいはこの順序を逆にして延伸する方法などにより延伸する。延伸する際の温度は(Tg−10)〜(Tg+70)℃(ここで、Tgはポリエステルの二次転移点温度を示す)であって、延伸倍率は少なくとも一軸方向に2.5倍以上、好ましくは3倍以上で、かつ面積倍率が8倍以上、好ましくは10〜30倍の範囲である。
【0057】
本発明におけるポリエステルフィルムを製造する際、使用するスリット状ダイの形状については、制限は特に無く、また単層フィルム、あるいは共押出技術等を用いた積層フィルムのいずれも採用することができ、例えば、3層以上の積層フイルムの最外層にのみ採用するなどもできる。
【0058】
このようにして、極限粘度0.45〜0.80dl/g、厚み3〜20μmのポリエステルフィルムが得られ、磁気フィルムなどに好適に使用される。
【0059】
【実施例】
本発明をさらに実施例により詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ重量部および重量%を意味する。
【0060】
(1)極限粘度(IV):
ポリエチレンナフタレートチップ0.6gをオルトクロロフェノール50ml中に、加熱溶解した後、一旦冷却させ、その溶液をオストワルド式粘度管を用いて35℃の温度条件で測定した溶液粘度から算出した。
【0061】
(2)色相(Col):
粒状のポリエチレンナフタレートペレットを150℃にて6時間乾燥機中で熱処理して乾燥させた後、290℃にて溶融押出し器から回転冷却ドラム上にシート状に溶融押出し、急冷固化して厚さ500μmの未延伸フイルム(シート)を作成する。この厚み500μmのポリエチレンナフタレートフイルムを5枚重ね合わせた物を160℃にて90分乾燥機中で熱処理して結晶化させた後、カラーマシン社製CM―7500型カラーマシンで色相を測定した。L値は明度の指標であり、数値が大きいほど明度が高いことを、b値はその値が大きいほど黄着色の度合いが大きいことを示す。
b値に関しては以下の判断基準を設け、○以上の評価を合格とした。
◎:b値が6未満
○:b値が6以上10未満
△:b値が10以上14未満
×:b値が14以上
【0062】
(3)ポリマー中のチタン、リン、マンガン含有量:
ポリエステルチップ中のチタン元素量、リン元素量、マンガン元素量は、チップを加熱溶融して円形ディスクを作成し、リガク社製蛍光X線測定装置3270を用いて測定した。なお、滑剤を含む場合は、予め溶媒中で遠心分離処理により滑剤を除去した上で同様の測定を行った。
【0063】
(4)ポリマー中のマグネシウム含有量:
ポリエステルチップをオルトクロロフェノールに溶解した後、0.5規定塩酸で抽出操作を行った。この抽出液について日立製作所製Z−6100形偏光ゼーマン原子吸光光度計を用いてマグネシウムの定量を行った。
【0064】
(5)ヘーズ:
色相測定(2)のために作成した二軸未延伸フィルムの表面に傷などが発生していない箇所をサンプリングし、日本電色工業社濁度計(HDH−1001DP)にて測定した。
【0065】
(6)ポリマーの熱安定性(△IV):
色相測定(2)のために作成した二軸未延伸フイルムの極限粘度を(1)記載の方法にて測定し、該二軸未延伸フイルムの極限粘度からフイルム作成に使用した粒状ポリエステルチップの極限粘度を差し引いた値(△IV)を算出し、以下の基準で熱安定性を判定した。
熱安定性が特に優れる ・・・ △IVが−0.03未満
熱安定性が優れる ・・・ △IVが−0.03〜−0.05未満
熱安定性が普通 ・・・ △IVが−0.05〜−0.07未満
熱安定性が劣る ・・・ △IVが−0.07以上
【0066】
[実施例1]
ジメチルナフタレート100部とエチレングリコール70部の混合物に、酢酸マンガン四水和物0.030部を撹拌機、精留塔及びメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、140℃から240℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながら、エステル交換反応を行った。その後、メタノールの留出が終了したことを確認の後、リン化合物Aとして亜リン酸0.065部を加えエステル交換反応を終了させた。続いてテトラ−n−ブトキシチタネートをTi相当量として0.012部加え、さらに下記一般式(VI)で表されるリン化合物B(ジエトキシホスホノ酢酸ヒドロキシエチルエステル。以下、ホスホネート1と略記する。)をP相当量として0.025部加えたのち、直ちに反応物を重縮合反応槽へ移した。
【0067】
【化16】
(CO)P(=O)−CHC(=O)OCHCHOH (VI)
重縮合反応の進行度合いを、系内の攪拌翼への負荷をモニターしなから確認し、所望の重合度に達した時点で反応を終了した。その後、系内の反応物を吐出部からストランド状に連続的に押出し、冷却,カッティングして、約3mm程度の粒状ペレットを得た。この時の重縮合反応時間は180分であった。
【0068】
得られたポリエチレンナフタレート樹脂組成物は、ペレットの状態で180℃の温度で充分に真空乾燥した。乾燥したペレットを290℃で溶融状態とし、回転しているキャスティングドラムに溶融状態のポリエチレンナフタレート樹脂組成物を押出して、シート状物を得た。なお、キャスティングドラムは溶融物がキャストされる直前の表面温度が30℃で、その後表面温度は徐々に45℃まで上がっており、また、キャスティングドラムに溶融物がキャストされた直後に、シート状物の一方の面(キャスティングドラムとは異なる面側)に、ワイヤー状の電極があり、該電極によってシート状物を静電印加させ、キャスティングドラムに密着させ、厚さ500μmの未延伸ポリエチレンナフタレートフィルムを得た。
【0069】
得られたポリエチレンナフタレート樹脂組成物及びこれを使用して得られた未延伸フイルムの特性を表2に示す。
【0070】
[実施例2]
実施例1において、チタン化合物を下記参考例の方法にて合成したトリメリット酸チタンに変更する以外は実施例1と同様の操作を繰り返した。
得られたポリエチレンナフタレート樹脂組成物及びフイルムの特性を表2に示す。
【0071】
[参考例]トリメリット酸チタンの合成方法
無水トリメリット酸2重量部をエチレングリコール98重量部に混ぜたエチレングリコール溶液にテトラブトキシチタンを無水トリメリット酸に対してモル比が0.5となるように添加し、空気中常圧下で80℃に保持して60分間反応せしめ、その後、常温に冷却し、10倍量のアセトンによって生成触媒を再結晶化させ、析出物をろ紙によって濾過し、100℃で2時間乾燥せしめ、目的の化合物を得た。
【0072】
[実施例3]
ホスホネート化合物を下記一般式(VII)(以下ホスホネート2と略記する)に変更して、表1に示す添加量にしたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返した。
得られたポリエチレンナフタレート樹脂組成物およびフィルムの特性を表2に示す。
【0073】
【化17】
Figure 2004175913
[実施例4〜6および比較例1〜6]
エステル交換触媒やリン化合物Aの種類や添加量、ならびにチタン触媒およびリン化合物B(ホスホネート化合物)の種類や添加量を表1に示したように変更した以外は実施例1と同様の操作を繰り返した。
得られたポリエチレンナフタレート樹脂組成物、およびフィルムの特性を表2に示す。
【0074】
【表1】
Figure 2004175913
【0075】
【表2】
Figure 2004175913
【0076】
ここで、表1中の、TBTはテトラ−n−ブトキシチタン、TMTはトリメリット酸チタン、TMPはトリメチルホスフェートを示す。また、表2中の、Mは組成物中のエステル交換触媒中の金属元素としての、組成物中の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度を表し、同様にTiはチタン化合物中のチタン元素の、組成物中の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度を表す。Pはリン化合物Aおよびリン化合物Bのそれぞれのリン元素としての合計含有量を、組成物中の全ジカルボン酸成分に対するモル濃度で表したものである。
【0077】
表2からも明らかなように、特定の2種類のリン化合物を組み合わせて使用することで、透明性や色相、熱安定性などで良好な性能のポリエステル樹脂組成物が得られた。また、チタン化合物を1〜15ミリモル%の範囲で含有し、(Pa/M)や(Pa+Pb/M)が本発明の範囲にあるポリエチレンナフタレート樹脂組成物は、極限粘度、透明性や色相、熱安定性などでより良好な性能が得られた。これに対し、比較例1〜6に示したように、リン化合物としてホスホネート化合物を入れなかったり他のリン化合物を用いたり、あるいは(Pa/M)や(Pa+Pb/M)、チタン化合物の添加量が本発明を外れた範囲であった場合、透明性、色相、特にb値、熱安定性のいずれかが実施例と較べて不十分であったり、比較例2,4,5のように所期の極限粘度(IV)に到達せず、重縮合反応活性に問題が生じたりした。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、エステル交換反応を経由し、チタン化合物を触媒として使用するポリエチレンナフタレートの製造方法において、特定のリン化合物を少なくとも2つの段階で用いる製造方法によって、チタン化合物を触媒として使用する場合に従来技術の欠点であった色相の悪化を解消し、ポリエチレンナフタレートが持つ優れた特性を保持しながら、触媒起因の異物が少なく、色相、透明性および熱安定性に優れたポリエチレンナフタレート樹脂組成物およびそれから得られるフィルムを提供することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a polyester resin composition and a film obtained therefrom. More specifically, in a polyethylene naphthalate resin composition using a titanium compound substantially as a polycondensation catalyst via a transesterification reaction, while maintaining excellent transparency with less foreign matter due to the polymerization catalyst in the polymer. The present invention relates to a method for producing a polyethylene naphthalate resin composition having both practically satisfactory melting heat stability and excellent polymer hue, and a film obtained therefrom.
[0002]
[Prior art]
Polyethylene naphthalate has been widely used as a molded article such as a film, a fiber or a bottle because it has excellent mechanical properties, heat resistance, weather resistance, electrical insulation resistance and chemical resistance.
[0003]
In the production of such polyethylene naphthalate, a polymerization catalyst is used in order to allow the polymerization reaction to proceed smoothly. Various metal compounds are known as the polymerization catalyst. Among them, an antimony (Sb) compound such as antimony trioxide is widely used because of its low cost and high polymerization activity. However, some of the antimony compounds are reduced during the reaction to form metallic antimony and other foreign substances, and as a result, the color of the polymer is darkened, the transparency is reduced due to turbidity, and the heat of fusion in the manufacturing process is reduced. As a result of adversely affecting the stability, there is a problem that the quality of a molded product is deteriorated by destabilizing a manufacturing process.
[0004]
As a polycondensation catalyst other than the antimony compound, a germanium compound and a titanium compound such as tetra-n-butoxytitanium have been proposed. Germanium compounds are quite expensive, and thus have a problem that the production cost of polyethylene naphthalate increases. On the other hand, when a titanium compound is used as a polymerization catalyst, the production of antimony metal and other foreign substances generated by the antimony compound is suppressed, and the above-mentioned problem caused by the foreign substances is improved. However, there are problems specific to titanium compounds, such as that the obtained polyethylene naphthalate itself is colored yellow and that the obtained polyethylene naphthalate has poor melting heat stability.
[0005]
Generally, in order to suppress the coloring of polyester, a cobalt compound is added to the polyester to suppress yellowing. Certainly, the hue (b value) of the polyester is improved by the addition of the cobalt compound, and the effect of the hue improvement is confirmed also in the polyester film using the polyester resin. However, there is a problem that the addition of the cobalt compound lowers the melt heat stability of the obtained polyester and promotes the decomposition of the polymer.
[0006]
On the other hand, there is a catalyst using a product obtained by reacting a titanium compound with a phosphite as a catalyst for producing a polyester (for example, see Patent Document 1).
[0007]
In some cases, a complex of a titanium compound and a phosphorus compound is used as a catalyst for producing a polyester (see, for example, Patent Document 2).
According to these methods, the color tone of the obtained polymer can be improved while the melt heat stability of the obtained polyester is improved to some extent. However, the effect of improving the color tone of the polymer obtained by these methods is still insufficient, and further improvement in the color tone of the polymer has been demanded.
[0008]
[Patent Document 1]
JP-A-58-38722
[0009]
[Patent Document 2]
JP-A-7-138354
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a method for producing polyethylene naphthalate using a titanium compound as a catalyst via a transesterification reaction, while maintaining excellent transparency with few foreign substances due to a polymerization catalyst in a polymer, and practically using the same. An object of the present invention is to provide a method for producing a polyethylene naphthalate resin composition having both satisfactory melt heat stability and excellent polymer hue, and a film obtained therefrom.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to achieve the above object, and as a result, by using a specific phosphorus compound in two stages, while maintaining excellent transparency, practically no problem with melting heat stability and excellent The present inventors have found that a polyethylene naphthalate resin composition can be provided with the hue of the polymer obtained, and have reached the present invention.
[0012]
Thus, according to the present invention, there is provided a method for producing a polyethylene naphthalate resin composition in which 80 mol% or more of the total dicarboxylic acid used as a raw material of the polyethylene naphthalate resin is dimethyl naphthalate, and the transesterification reaction using a transesterification catalyst is completed. Thereafter, a phosphorus compound A represented by the following general formula (I) or the following general formula (II) is added at a ratio of the following formula (1) to lose most of the activity of the transesterification catalyst. Provided is a method for producing a polyester resin composition in which a titanium compound and a phosphonate compound as another phosphorus compound B represented by the following general formula (III) are added at a ratio of the following formula (2) to complete a polycondensation reaction. You.
[0013]
(Equation 4)
0.4 ≦ Pa / M ≦ 0.8 (1)
(Here, Pa indicates the molar concentration of the phosphorus compound A, and M indicates the molar concentration of the metal element in the transesterification catalyst with respect to all dicarboxylic acid components.)
[0014]
Embedded image
(R 1 O) m -P (= O)-(OH) 3-m (I)
(R in the above formula 1 Represents an alkyl group having 1 to 2 carbon atoms, and m represents an integer of 0 to 3)
[0015]
Embedded image
(R 2 O) n -PH (= O)-(OH) 2-n (II)
(R in the above formula 2 Represents an alkyl group having 1 to 2 carbon atoms, and n represents an integer of 0 to 2)
[0016]
Embedded image
Figure 2004175913
(Where Z is -C n H 2n -OH (n is an integer of 0 to 4), A and B are each -C n H 2n + 1 (N is an integer of 0 to 4) and / or -C n H 2n —OH (n is an integer of 1 to 4). X is -CH 2 -Or -CH (Y)-(Y represents a phenyl group). )
[0017]
(Equation 5)
0.8 <(Pa + Pb) /M≦1.4 (2)
(Here, Pa indicates the molar concentration of the phosphorus compound A, Pb indicates the phosphorus compound B, and M indicates the molar concentration of the metal element in the transesterification catalyst with respect to all dicarboxylic acid components.)
Further, according to the present invention, the titanium compound is a compound represented by the following general formula (IV) and the titanium compound is a compound represented by the following general formula (IV) and an aromatic compound represented by the following general formula (V) A method for producing at least one polyester resin composition selected from the group consisting of products obtained by reacting a polycarboxylic acid or an anhydride thereof is also preferably included.
[0018]
Embedded image
R 3 O- [Ti (OR 4 ) (OR 5 )] m -OR 6 (IV)
(In the above formula, R 3 , R 4 , R 5 And R 6 Represents an alkyl group having 2 to 10 carbon atoms; 3 , R 4 , R 5 And R 6 May be the same or different from each other. m represents an integer of 1 to 3. )
[0019]
Embedded image
Figure 2004175913
(In the above formula, q represents an integer of 2 to 4.)
Further, the content of the antimony element and the germanium element is at most 5 mmol% with respect to the ethylene naphthalate component, and the addition amount of the titanium compound satisfies the following formula (3). Both are included in the present invention.
[0020]
(Equation 6)
1 ≦ Ti ≦ 15 (3)
(Here, Ti in the formula (3) indicates a value (mmol%) obtained by dividing the number of moles of the titanium compound as a titanium element by the number of moles of all dicarboxylic acid components in the resin composition.
[0021]
Further, a method for producing a polyester resin composition in which the phosphorus compound added first is phosphorous acid is also included as a preferred embodiment.
Further, according to the present invention, there is also provided a polyester resin composition produced by any one of the production methods described above and a film comprising the same.
[0022]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
In the polyester resin composition of the present invention, 80% by weight or more, preferably 85% by weight or more of the polymer component is made of a polyethylene naphthalate resin, and a resin other than the polyethylene naphthalate resin is mixed. May be.
[0023]
The polyethylene naphthalate resin used in the present invention is a polyester having an ethylene naphthalate component as a main repeating unit. Here, the main repeating unit means 80 mol% or more, preferably 85 mol% or more of all the repeating units. When the polyethylene naphthalate resin is obtained by copolymerizing a third component other than the ethylene naphthalate component, the third component (copolymer component) may be 2,6-naphthalenedicarboxylic acid such as terephthalic acid, isophthalic acid, or phthalic acid. Phthalic acids other than acids such as aromatic dicarboxylic acids, adipic acid, azelaic acid, sebacic acid, aliphatic dicarboxylic acids such as decanedicarboxylic acid, alicyclic dicarboxylic acids such as cyclohexanedicarboxylic acid, trimethylene glycol, diethylene glycol, and tetramethylene Glycols such as glycol and cyclohexanedimethanol are exemplified, and these may be used alone or in combination of two or more.
[0024]
The polyethylene naphthalate of the present invention is produced through a transesterification reaction, and it is necessary that 80 mol% or more of all dicarboxylic acid components used as raw materials are dimethyl naphthalate.
[0025]
The intrinsic viscosity of the polyethylene naphthalate resin composition of the present invention in o-chlorophenol at 35 ° C. is preferably in the range of 0.50 to 0.80 dl / g, and more preferably 0.55 to 0.70 dl / g. The range of g is preferred. When the intrinsic viscosity is lower than the lower limit, the impact resistance of a molded product, for example, a film is insufficient, which is not preferable. On the other hand, when the intrinsic viscosity exceeds the upper limit, it is necessary to excessively increase the intrinsic viscosity of the raw material polymer, which is uneconomical.
[0026]
The polyester resin composition of the present invention must contain at least one phosphorus compound in each of the transesterification step and the polycondensation reaction step, and need to contain at least two phosphorus compounds in total.
The first type of phosphorus compound (hereinafter, may be abbreviated as phosphorus compound A) is added when a normal transesterification reaction is completed. The phosphorus compound A is added for the purpose of losing most of the activity of the transesterification catalyst which has finished the role of the transesterification reaction, and is a general transesterification catalyst such as an alkali metal compound, an alkaline earth metal compound, or The type of the phosphorus compound is not particularly limited as long as it is a phosphorus compound acting on a manganese compound or the like, but it is preferably a highly reactive phosphorus compound that quickly deactivates the catalytic activity as described later.
[0027]
Examples of the phosphorus compound A include a phosphorus compound represented by the following general formula (I) or the following general formula (II).
[0028]
Embedded image
(R 1 O) m -P (= O)-(OH) 3-m (I)
(R in the above formula 1 Represents an alkyl group having 1 to 2 carbon atoms, and m represents an integer of 0 to 3. )
[0029]
Embedded image
(R 2 O) n -PH (= O)-(OH) 2-n (II)
(R in the above formula 2 Represents an alkyl group having 1 to 2 carbon atoms, and n represents an integer of 0 to 2)
The phosphorus compound A is not particularly limited as long as it is a phosphorus compound represented by the formula (I) or (II). Examples of the phosphorus compound A include organic phosphorus compounds such as methyl phosphate and ethyl phosphate, and phosphorous acid or phosphite. For example, phosphorous acid is preferable from the viewpoint of suppressing the hue of the polyester resin.
[0030]
More specifically, after the first phosphorus compound A deactivates most of the transesterification catalyst which has completed the role of the transesterification reaction, a titanium compound serving as a polycondensation catalyst is added, and the second phosphorus compound A is further added. B is added to initiate the polycondensation reaction. Since the interval between the addition of the phosphorus compound A and the subsequent addition of the phosphorus compound B is long, if the effect of the phosphorus compound A is insufficient, the activity of the transesterification catalyst still remains to promote the progress of coloring and the like. Contributes. Therefore, it is preferable that the phosphorus compound A is a rapid-acting phosphorus compound as described above. As described above, by preliminarily deactivating the transesterification catalyst with the phosphorus compound A, the amount of the titanium compound used as the polycondensation catalyst is reduced, and the polyester resin and the film obtained therefrom have good color tone. Can be realized.
[0031]
The phosphorus compound A used in the present invention needs to be added to the transesterification catalyst in the range of the following formula (1). When Pa / M exceeds 0.8, the excess phosphorus compound acts on the titanium compound subsequently added as a polycondensation catalyst, thereby lowering the catalytic activity of titanium, and conversely, Pa / M becomes 0.4. If it is less, the transesterification catalyst may remain active, acting on the titanium catalyst or deteriorating the heat resistance of the polyester.
[0032]
(Equation 7)
0.4 ≦ Pa / M ≦ 0.8 (1)
(Here, Pa indicates the molar concentration of the phosphorus element in the phosphorus compound A, and M indicates the molar concentration of the metal element in the transesterification catalyst with respect to all dicarboxylic acid components.)
[0033]
On the other hand, the second kind of phosphorus compound to be subsequently used (hereinafter, may be abbreviated as phosphorus compound B) needs to be a phosphonate compound represented by the following general formula (III), and these may be used alone. They may be used or two or more kinds may be used in combination.
[0034]
Embedded image
Figure 2004175913
(Where Z is -C n H 2n -OH (n is an integer of 0 to 4), A and B are each -C n H 2n + 1 (N is an integer of 0 to 4) and / or -C n H 2n —OH (n is an integer of 1 to 4). X is -CH 2 -Or -CH (Y)-(Y represents a phenyl group). )
Among these, preferred phosphorus compounds include carbomethoxymethanephosphonic acid, carbethoxymethanephosphonic acid, carbpropoxymethanephosphonic acid, carbopbutoxymethanephosphonic acid, carbomethoxy-phosphono-phenylacetic acid, carbethoxy-phosphono-phenylacetic acid, Examples thereof include glycol esters having 1 to 4 carbon atoms such as carboprotopoxy-phosphono-phenylacetic acid and carbobutoxy-phosphono-phenylacetic acid. The glycol-substituted phosphonate compound may be one in which a part of the terminal alkoxy group has been substituted or one in which all of the terminal alkoxy groups including the hydroxyl group have been substituted.
[0035]
In the present invention, the reason why these phosphonate compounds are necessary is that the reaction with the titanium compound and the remaining transesterification catalyst proceeds relatively slowly as compared with the phosphorus compound A used as a usual stabilizer. In addition, the catalytic activity of the titanium compound during the polycondensation reaction is maintained for a long time, and as a result, the amount of the polycondensation catalyst added to the polyester can be reduced. This is because the stability is hardly impaired and the color tone is not lowered.
[0036]
The timing of addition of these phosphonate compounds is not particularly limited as long as the transesterification reaction is substantially completed.For example, under atmospheric pressure before starting the polycondensation reaction, pressure reduction after starting the polycondensation reaction is performed. Below, it may be added at the end of the polycondensation reaction or after the end of the polycondensation reaction, that is, after obtaining the polymer, but in consideration of workability, it is preferable to add the titanium compound of the catalyst before the start of the polycondensation reaction. .
[0037]
Also, by adding the phosphonate compound and the titanium compound in advance in the glycol after transesterification by heating, the scattering of the phosphonate compound can be suppressed, and as a result, the addition amount of the phosphonate compound can be reduced. However, it is necessary to keep in mind that the amount of work increases accordingly.
[0038]
It is necessary to add the phosphonate compound which is the phosphorus compound B in the present invention within the range of the following formula (2). As described above, the titanium compound was added first because the metal component in the transesterification catalyst and the phosphorus compound A to be initially added are excessively entangled during the reaction and reduce the activity as a polycondensation catalyst. It is necessary to pay attention to the addition amount of the phosphorus compound B in addition to the phosphorus compound A. That is, when (Pa + Pb) / M exceeds 1.4, an extra phosphorus compound acts on the titanium compound added as a polycondensation catalyst to reduce the catalytic activity of titanium, and conversely, (Pa + Pb) / M becomes When it is less than 0.8, the heat resistance of the obtained polymer and film may be deteriorated.
[0039]
(Equation 8)
0.8 <(Pa + Pb) /M≦1.4 (2)
(Here, Pa indicates the molar concentration of the phosphorus element in the phosphorus compound A, Pb indicates the molar concentration of the phosphorus element in the phosphorus compound B, and M indicates the molar concentration of the metal element in the transesterification catalyst with respect to all dicarboxylic acid components.)
The method for producing the polyester resin composition of the present invention and the film obtained therefrom are aimed at reducing foreign substances due to the polycondensation catalyst and improving transparency, and are characterized by using a titanium compound substantially as a catalyst. . Therefore, the content of the antimony element and the germanium element in the polyester resin composition is at most 5 mmol% based on the number of moles of all dicarboxylic acid components. When the contents of the antimony element and the germanium element exceed 5 mmol%, problems such as the deposition of foreign substances caused by these catalysts are caused.
[0040]
The titanium compound used in the present invention is not particularly limited as long as it is generally used as a polycondensation reaction catalyst. The compound represented by the following general formula (IV) and the compound represented by the following general formula (IV) include It is preferably at least one selected from the group consisting of products obtained by reacting an aromatic polycarboxylic acid represented by the general formula (V) or an anhydride thereof.
[0041]
Embedded image
R 3 O- [Ti (OR 4 ) (OR 5 )] m -OR 6 (IV)
(In the above formula, R 3 , R 4 , R 5 And R 6 Represents an alkyl group having 2 to 10 carbon atoms; 3 , R 4 , R 5 And R 6 May be the same or different from each other. m represents an integer of 1 to 3. )
Examples of the titanium compound represented by the formula (IV) include titanium tetraalkoxides such as titanium tetrabutoxide, titanium tetraisopropoxide, titanium tetrapropoxide, and titanium tetraethoxide; octaalkyltrititanate; Titanate and alkyl titanate can be mentioned.
[0042]
The addition time of the titanium compound in the present invention is, in the production method using dimethyl naphthalate as a raw material, since the addition amount of the titanium compound can be reduced, the transesterification reaction substantially ends, and the first phosphorus compound A is added. Then, it is preferable to add it just before the polycondensation step.
[0043]
It is preferable that the addition amount of the titanium compound in the present invention satisfies the following formula (3).
[0044]
(Equation 9)
1 ≦ Ti ≦ 15 (3)
(Here, in the formula (3), Ti represents a value (mmol%) obtained by dividing the number of moles of the titanium compound as a titanium element by the number of moles of all dicarboxylic acid components in the resin composition.
[0045]
That is, the amount of the titanium compound in the present invention is preferably 1 to 15 mmol%, more preferably 2 to 10 mmol% in terms of the amount of titanium element. More preferably, the amount of titanium element is 3 to 10 mmol%, particularly preferably 5 to 8 mmol%. If the amount of the titanium element is less than the lower limit, the productivity of the polyester decreases, and a polyester having a desired molecular weight cannot be obtained. On the other hand, when the titanium element amount exceeds the upper limit, the thermal stability of the obtained polyethylene naphthalate resin composition is reduced, and the molecular weight when molding into a film or the like is greatly reduced, and the molding having desired mechanical properties is also performed. A processed product cannot be obtained.
[0046]
Embedded image
Figure 2004175913
(In the above formula, q represents an integer of 2 to 4.)
Preferable examples of the aromatic polycarboxylic acid represented by the general formula (V) include phthalic acid, trimellitic acid, hemimellitic acid, and pyromellitic acid. Note that the aromatic polycarboxylic acid represented by the general formula (V) may be an anhydride thereof.
[0047]
When the above-mentioned titanium compound is reacted with an aromatic polycarboxylic acid or an anhydride thereof, a part of the aromatic polycarboxylic acid or an anhydride thereof is dissolved in a solvent, and the titanium compound is added dropwise to the solution. What is necessary is just to make it react at the temperature of -200 degreeC for 30 minutes or more.
The amount of the aromatic polycarboxylic acid to be added in the present invention is preferably in the range of 1/1 to 1/4 by the molar ratio of titanium compound / aromatic polycarboxylic acid. When the molar ratio of the aromatic polycarboxylic acid is larger than 1/4, the activity of the titanium compound as a catalyst is inhibited. On the other hand, when the molar ratio of the aromatic polycarboxylic acid is smaller than 1/1, ethylene glycol or the like is used. It is hardly soluble in solvents, and the desired effect is not exhibited.
[0048]
In the case where the polyester resin composition of the present invention is a film, for example, in order to improve handling properties such as winding property, inactive particles having an average particle diameter of 0.05 to 5.0 μm are used as a lubricant in an amount of 0.1 to 5.0 μm. You may add about 05-5.0 weight%. At this time, the inert particles to be added are preferably small in particle size, and the addition amount is preferably as small as possible from the viewpoint of maintaining the excellent transparency characteristic of the polyester resin composition of the present invention.
[0049]
Examples of inert particles to be added include inorganic particles such as colloidal silica, porous silica, titanium oxide, calcium carbonate, calcium phosphate, barium sulfate, alumina, zirconia, kaolin, and composite oxide particles, cross-linked polystyrene, and acrylic cross-linked particles. And organic particles such as methacrylic crosslinked particles and silicone particles.
[0050]
In addition, according to the requirements of each molded product such as films, fibers, bottles, etc., various functional agents such as antioxidants, heat stabilizers, viscosity modifiers, plasticizers, hue improvers, nucleating agents, and ultraviolet absorbers are added. Is also good.
[0051]
Further, in order to assist in improving the hue of the obtained polyester resin composition and the film obtained therefrom, in the production stage of the polyester resin, for example, an organic blue color such as an azo type, a triphenylmethane type, a quinoline type, an anthraquinone type or a phthalocyanine type. A coloring agent such as a pigment may be added.
[0052]
A method for producing polyethylene naphthalate via a transesterification reaction will be described in detail below.
The polyethylene naphthalate resin in the present invention is obtained by a production method via a transesterification reaction in which 80% by mole or more of the total dicarboxylic acid component used as a raw material is dimethyl naphthalate, and the production method is not particularly limited. Known techniques can be used.
[0053]
As an example of a method for producing a polyethylene naphthalate resin composition, first, a transesterification reaction catalyst is used together with a dialkyl naphthalene ester and a glycol component containing dimethyl naphthalate at 80% by mole or more of all dicarboxylic acid components before the start of the transesterification reaction. The ester exchange reaction was carried out while the temperature was gradually increased and the generated alcohol was removed, and at the end of the transesterification reaction, a phosphorus compound A, which was a transesterification reaction deactivator, was added to substantially perform the transesterification. Allow the reaction to complete. Thereafter, before and after the reaction product is transferred to a polymerization reactor provided with a decompression device, a polycondensation reaction is performed under a high vacuum by adding a titanium compound and a phosphorus compound B which are polycondensation catalysts. The obtained polyethylene naphthalate resin is usually extruded in a molten state, cooled, and then made into a granular form (chip form). At this time, the intrinsic viscosity of the obtained polyethylene naphthalate resin is desirably 0.50 to 0.80 dl / g.
[0054]
Further, the polyester resin composition obtained in the present invention is suitably used for molded articles such as films, fibers, bottles and the like.
[0055]
The method for producing a film using the polyester resin composition in the present invention is not particularly limited, and a conventionally known technique can be used. An example is given below.
[0056]
After drying the polyester chip obtained by the polycondensation reaction in a temperature range of (Tc) to (Tc + 40) ° C. (where Tc indicates a crystallization temperature at the time of raising the temperature of the polyester) for 1 to 3 hours, (Tm ) To (Tm + 70) ° C (where Tm indicates the melting point of the polyester), melt-extruded into a sheet, and then tightly solidified on a rotary cooling drum having a surface temperature of 20 to 40 ° C to substantially form An amorphous polyester sheet (unstretched film) is obtained. Then, after stretching the unstretched film in the machine direction, the film is stretched in the transverse direction, that is, by the so-called longitudinal and transverse sequential biaxial stretching method, or by stretching the film in the reverse order. The temperature at the time of stretching is (Tg-10) to (Tg + 70) ° C. (here, Tg indicates the secondary transition temperature of the polyester), and the stretching ratio is at least 2.5 times or more in the uniaxial direction, preferably. Is 3 times or more, and the area magnification is 8 times or more, preferably 10 to 30 times.
[0057]
When producing the polyester film in the present invention, the shape of the slit die to be used is not particularly limited, and a single-layer film, or a laminated film using a co-extrusion technique or the like can be used. Alternatively, it may be employed only for the outermost layer of a laminated film of three or more layers.
[0058]
In this way, a polyester film having an intrinsic viscosity of 0.45 to 0.80 dl / g and a thickness of 3 to 20 μm is obtained, and is suitably used for a magnetic film or the like.
[0059]
【Example】
The present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the scope of the present invention is not limited by these Examples. Parts and% in the examples mean parts by weight and% by weight, respectively, unless otherwise specified.
[0060]
(1) Intrinsic viscosity (IV):
0.6 g of a polyethylene naphthalate chip was heated and dissolved in 50 ml of orthochlorophenol, then cooled once, and the solution was calculated from the solution viscosity measured at a temperature of 35 ° C. using an Ostwald viscometer.
[0061]
(2) Hue (Col):
The granular polyethylene naphthalate pellets are heat-treated in a drier at 150 ° C. for 6 hours and dried, then melt-extruded at 290 ° C. from a melt extruder into a sheet on a rotary cooling drum, quenched and solidified. A 500 μm unstretched film (sheet) is prepared. A laminate of five 500 μm-thick polyethylene naphthalate films was heat-treated in a drier at 160 ° C. for 90 minutes to crystallize, and then the hue was measured using a color machine CM-7500 type color machine. . The L value is an index of lightness. The larger the numerical value, the higher the lightness, and the larger the value, the greater the yellow coloration.
With respect to the b value, the following criteria were set, and evaluations of ○ or more were judged as acceptable.
◎: b value is less than 6
Good: b value is 6 or more and less than 10.
Δ: b value is 10 or more and less than 14
×: b value is 14 or more
[0062]
(3) Titanium, phosphorus, manganese content in the polymer:
The amounts of titanium element, phosphorus element, and manganese element in the polyester chip were measured by using a fluorescent X-ray measuring apparatus 3270 manufactured by Rigaku Co., Ltd. to produce a circular disk by heating and melting the chip. When a lubricant was contained, the same measurement was performed after removing the lubricant by centrifugation in a solvent in advance.
[0063]
(4) Magnesium content in polymer:
After dissolving the polyester chips in orthochlorophenol, an extraction operation was performed with 0.5 N hydrochloric acid. This extract was quantified for magnesium using a polarized Zeeman atomic absorption spectrophotometer Model Z-6100 manufactured by Hitachi, Ltd.
[0064]
(5) Haze:
A portion of the surface of the biaxially unstretched film created for the hue measurement (2) where no scratch or the like was generated was sampled and measured with a turbidimeter (HDH-1001DP) of Nippon Denshoku Industries Co., Ltd.
[0065]
(6) Thermal stability of polymer (△ IV):
The intrinsic viscosity of the biaxially unstretched film prepared for the hue measurement (2) is measured by the method described in (1), and the intrinsic viscosity of the granular polyester chip used for film production is determined from the intrinsic viscosity of the biaxially unstretched film. The value obtained by subtracting the viscosity (ΔIV) was calculated, and the thermal stability was determined based on the following criteria.
Particularly excellent thermal stability: ΔIV is less than -0.03
Excellent thermal stability: ΔIV is -0.03 to less than -0.05
Normal thermal stability: ΔIV is -0.05 to less than -0.07
Poor thermal stability: ΔIV is -0.07 or more
[0066]
[Example 1]
To a mixture of 100 parts of dimethylnaphthalate and 70 parts of ethylene glycol, 0.030 part of manganese acetate tetrahydrate was charged into a reactor equipped with a stirrer, a rectification column and a methanol distilling condenser, and was heated from 140 ° C to 240 ° C. While gradually raising the temperature, the transesterification reaction was performed while distilling the methanol generated as a result of the reaction out of the system. Then, after confirming that the distillation of methanol was completed, 0.065 parts of phosphorous acid as phosphorus compound A was added to terminate the transesterification reaction. Subsequently, 0.012 part of tetra-n-butoxytitanate is added as a Ti equivalent amount, and phosphorus compound B (diethoxyphosphonoacetic acid hydroxyethyl ester represented by the following general formula (VI); hereinafter abbreviated as phosphonate 1) ) Was added as a P equivalent in an amount of 0.025 parts, and then the reaction product was immediately transferred to a polycondensation reaction tank.
[0067]
Embedded image
(C 2 H 5 O) 2 P (= O) -CH 2 C (= O) OCH 2 CH 2 OH (VI)
The progress of the polycondensation reaction was confirmed by monitoring the load on the stirring blades in the system, and the reaction was terminated when the desired degree of polymerization was reached. Thereafter, the reactants in the system were continuously extruded from the discharge portion into a strand, cooled and cut to obtain granular pellets of about 3 mm. The polycondensation reaction time at this time was 180 minutes.
[0068]
The obtained polyethylene naphthalate resin composition was sufficiently vacuum-dried at a temperature of 180 ° C. in a pellet state. The dried pellets were melted at 290 ° C., and the molten polyethylene naphthalate resin composition was extruded on a rotating casting drum to obtain a sheet. The surface temperature of the casting drum was 30 ° C. immediately before the molten material was cast, and thereafter the surface temperature gradually increased to 45 ° C. Further, immediately after the molten material was cast on the casting drum, There is a wire-shaped electrode on one surface (a surface side different from the casting drum), and the sheet-like material is electrostatically applied by the electrode, and is brought into close contact with the casting drum, and is a non-stretched polyethylene naphthalate film having a thickness of 500 μm. Got.
[0069]
Table 2 shows the properties of the obtained polyethylene naphthalate resin composition and the unstretched film obtained using the same.
[0070]
[Example 2]
Example 1 was repeated except that the titanium compound was changed to titanium trimellitate synthesized by the method of the following reference example.
Table 2 shows the properties of the obtained polyethylene naphthalate resin composition and the film.
[0071]
[Reference Example] Synthesis method of titanium trimellitate
Tetrabutoxytitanium is added to an ethylene glycol solution in which 2 parts by weight of trimellitic anhydride is mixed with 98 parts by weight of ethylene glycol so as to have a molar ratio of 0.5 with respect to trimellitic anhydride. And then allowed to react for 60 minutes, then cooled to room temperature, the resulting catalyst was recrystallized with 10 times the amount of acetone, the precipitate was filtered through filter paper, and dried at 100 ° C. for 2 hours to obtain the desired compound. Obtained.
[0072]
[Example 3]
The same operation as in Example 1 was repeated, except that the phosphonate compound was changed to the following general formula (VII) (hereinafter abbreviated as phosphonate 2) and the addition amount shown in Table 1 was used.
Table 2 shows the properties of the obtained polyethylene naphthalate resin composition and the film.
[0073]
Embedded image
Figure 2004175913
[Examples 4 to 6 and Comparative Examples 1 to 6]
The same operations as in Example 1 were repeated except that the types and amounts of the transesterification catalyst and the phosphorus compound A and the types and amounts of the titanium catalyst and the phosphorus compound B (phosphonate compound) were changed as shown in Table 1. Was.
Table 2 shows the properties of the obtained polyethylene naphthalate resin composition and the film.
[0074]
[Table 1]
Figure 2004175913
[0075]
[Table 2]
Figure 2004175913
[0076]
Here, in Table 1, TBT indicates tetra-n-butoxytitanium, TMT indicates titanium trimellitate, and TMP indicates trimethyl phosphate. In Table 2, M represents the molar concentration relative to all dicarboxylic acid components in the composition as a metal element in the transesterification catalyst in the composition, and similarly, Ti represents the composition of the titanium element in the titanium compound. Represents the molar concentration with respect to all dicarboxylic acid components in the product. P represents the total content of each of the phosphorus compound A and the phosphorus compound B as a phosphorus element, expressed as a molar concentration with respect to all dicarboxylic acid components in the composition.
[0077]
As is clear from Table 2, a polyester resin composition having good performance in transparency, hue, heat stability, and the like was obtained by using a combination of two specific phosphorus compounds. Further, the polyethylene naphthalate resin composition containing a titanium compound in the range of 1 to 15 mmol% and (Pa / M) or (Pa + Pb / M) within the range of the present invention has an intrinsic viscosity, transparency, hue, Better performance was obtained in terms of thermal stability and the like. On the other hand, as shown in Comparative Examples 1 to 6, the phosphonate compound was not used as the phosphorus compound, another phosphorus compound was used, or (Pa / M), (Pa + Pb / M), or the amount of the titanium compound added. Was out of the range of the present invention, the transparency, hue, especially the b value, or any of the thermal stability were insufficient as compared with the examples, or the results were insufficient as in comparative examples 2, 4, and 5. Or the intrinsic viscosity (IV) of the polycondensation reaction, and the polycondensation reaction activity has a problem.
[0078]
【The invention's effect】
According to the present invention, in a method for producing polyethylene naphthalate using a titanium compound as a catalyst via a transesterification reaction, a titanium compound is used as a catalyst by a production method using a specific phosphorus compound in at least two stages. Polyethylene naphthalate excellent in hue, transparency and thermal stability, while eliminating the disadvantages of the prior art, eliminating the deterioration of hue and maintaining the excellent properties of polyethylene naphthalate, with less foreign matter due to catalysts A resin composition and a film obtained therefrom can be provided.

Claims (5)

ポリエチレンナフタレート樹脂の原料として用いる全ナフタレンジカルボン酸の80mol%以上がジメチルナフタレートであるポリエチレンナフタレート樹脂組成物の製造方法であって、エステル交換反応触媒によるエステル交換反応終了後、下記式(1)の割合で下記一般式(I)または下記一般式(II)で表されるリン化合物Aを添加してエステル交換触媒の活性を失わせたのち、重合触媒としてチタン化合物と下記一般式(III)で表されるもう一つのリン化合物Bであるホスホネート化合物とを下記式(2)の割合で加え重縮合反応を完結させることを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
Figure 2004175913
(ここでPaはリン化合物A中のリン元素の、Mはエステル交換触媒中の金属元素の、全ジカルボン酸成分に対するそれぞれのモル濃度を示す。)
Figure 2004175913
(上式中Rは炭素数1〜2のアルキル基、mは0〜3の整数を表す)
Figure 2004175913
(上式中Rは炭素数1〜2のアルキル基、nは0〜2の整数を表す)
Figure 2004175913
(ここでZは−C2n−OH(nは0〜4の整数)、A,Bはそれぞれ、−C2n+1(nは0〜4の整数)および/または−C2n−OH(nは1〜4の整数)のいずれかを示す。またXは−CH−または−CH(Y)−を示す(Yはフェニル基を示す)。)
Figure 2004175913
(ここでPaはリン化合物A中のリン元素の、Pbはリン化合物B中のリン元素の、Mはエステル交換触媒中の金属元素の、全ジカルボン酸成分に対するそれぞれのモル濃度を示す。)
This is a method for producing a polyethylene naphthalate resin composition in which 80 mol% or more of the total naphthalenedicarboxylic acid used as a raw material of the polyethylene naphthalate resin is dimethyl naphthalate. ), The activity of the transesterification catalyst is lost by adding a phosphorus compound A represented by the following general formula (I) or the following general formula (II). A) adding a phosphonate compound which is another phosphorus compound B represented by the following formula (2) at a ratio represented by the following formula (2) to complete the polycondensation reaction.
Figure 2004175913
(Here, Pa indicates the molar concentration of the phosphorus element in the phosphorus compound A, and M indicates the molar concentration of the metal element in the transesterification catalyst with respect to all dicarboxylic acid components.)
Figure 2004175913
(In the above formula, R 1 represents an alkyl group having 1 to 2 carbon atoms, and m represents an integer of 0 to 3)
Figure 2004175913
(In the above formula, R 2 represents an alkyl group having 1 to 2 carbon atoms, and n represents an integer of 0 to 2)
Figure 2004175913
(Wherein Z is -C n H 2n -OH (n is an integer of 0 to 4), A, respectively B, -C n H 2n + 1 (n is an integer from 0 to 4) and / or -C n H 2n —OH (n is an integer of 1 to 4), and X represents —CH 2 — or —CH (Y) — (Y represents a phenyl group).
Figure 2004175913
(Here, Pa indicates the molar concentration of the phosphorus element in the phosphorus compound A, Pb indicates the molar concentration of the phosphorus element in the phosphorus compound B, and M indicates the molar concentration of the metal element in the transesterification catalyst with respect to all dicarboxylic acid components.)
チタン化合物が、下記一般式(IV)で表わされる化合物および下記一般式(IV)で表わされる化合物と下記一般式(V)で表わされる芳香族多価カルボン酸またはその無水物とを反応させた生成物からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
Figure 2004175913
(上記式中、R、R、RおよびRは炭素数2〜10個のアルキル基を表し、R、R、RおよびRは互いに同一であっても異なっていてもよい。mは1〜3の整数を表す。)
Figure 2004175913
(上記式中、qは2〜4の整数を表わす。)
A titanium compound is obtained by reacting a compound represented by the following general formula (IV) or a compound represented by the following general formula (IV) with an aromatic polycarboxylic acid represented by the following general formula (V) or an anhydride thereof. The method for producing a polyester resin composition according to claim 1, wherein the polyester resin composition is at least one selected from the group consisting of products.
Figure 2004175913
(In the above formula, R 3 , R 4 , R 5 and R 6 represent an alkyl group having 2 to 10 carbon atoms, and R 3 , R 4 , R 5 and R 6 may be the same or different from each other. M represents an integer of 1 to 3.)
Figure 2004175913
(In the above formula, q represents an integer of 2 to 4.)
アンチモン元素およびゲルマニウム元素の含有量が、エチレンナフタレート成分に対して高々5ミリモル%で、チタン化合物の添加量が以下の下記式(3)を満足する請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
Figure 2004175913
(ここで、式(3)中の、Tiはチタン化合物のチタン元素としてのモル数を、樹脂組成物中の全ジカルボン酸成分のモル数で割った値(ミリモル%)を示す。)
The polyester resin composition according to claim 1 or 2, wherein the content of the antimony element and the germanium element is at most 5 mmol% with respect to the ethylene naphthalate component, and the amount of the titanium compound satisfies the following formula (3). Method of manufacturing a product.
Figure 2004175913
(Here, Ti in the formula (3) indicates a value (mmol%) obtained by dividing the number of moles of the titanium compound as a titanium element by the number of moles of all dicarboxylic acid components in the resin composition.
最初に加えるリン化合物が亜リン酸である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。The method for producing a polyester resin composition according to any one of claims 1 to 3, wherein the phosphorus compound added first is phosphorous acid. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法から製造されたポリエステル樹脂組成物およびそれからなるフィルム。A polyester resin composition produced by the production method according to claim 1, and a film comprising the same.
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