JP2004175371A - 包材及び防虫物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】防虫剤のような揮散性物質の衣料等への直接接触や、揮散性物質による周辺物の変質・変色を防止し、かつ、揮散性物質の効果を発揮できる包材及び防虫物品を提供すること。
【解決手段】包材1は、通気性素材であるポリエチレンテレフタレート不織布から構成される第一通気層11と、ポリエチレン不織布から構成される第二通気層12と、熱可塑性樹脂であるポリエチレン系樹脂製フィルムから構成されるフィルム層13とを備えている。この包材1は、アルコール透過度が10〜300cc/m2・24hrであり、JIS L1092 A法に基づく耐水性が100mmH2O以上となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】包材1は、通気性素材であるポリエチレンテレフタレート不織布から構成される第一通気層11と、ポリエチレン不織布から構成される第二通気層12と、熱可塑性樹脂であるポリエチレン系樹脂製フィルムから構成されるフィルム層13とを備えている。この包材1は、アルコール透過度が10〜300cc/m2・24hrであり、JIS L1092 A法に基づく耐水性が100mmH2O以上となっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包材及び防虫物品に関する。
【0002】
【背景技術】
従来から、家庭内に生息する害虫、特に衣料害虫を防除するために種々の防虫剤が使用されている。近年、このような防虫剤として、エムペントリン等のピレスロイド系の常温揮散性防虫剤が普及している。常温揮散性防虫剤は、所定以上の揮散量を確保する必要があるが、衣料等に直接接触させると衣料等が汚染されてしまうという問題がある。また、エムペントリン等は、周囲の金属、特に銅系金属に影響を与え、変質・変色(銅変)を起こすという問題もある。
従来から常温揮散性防虫剤を目付け35〜70g/m2の不織布で包装する方法が使用されているが、この方法は、防虫剤の直接接触による衣料等の汚染を防止できるものの、銅変を防止することができない。そこで、孔径が0.02〜2.0mmφ、総有孔面積/フィルム面積比率が0.005〜0.3であるプラスチックフィルム袋に常温揮散性防虫剤を封入する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−139903号公報(第2頁〜第6頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなプラスチックフィルム袋に常温揮散性防虫剤を封入する方法では、常温揮散性防虫剤の形態がゲル状もしくは液状の場合、袋に荷重がかかると孔からゲル状もしくは液状の常温揮散性防虫剤が漏れ出て衣料等を汚染する危険性がある。
【0005】
本発明の目的は、防虫剤のような揮散性物質の衣料等への直接接触や、揮散性物質による周辺物の変質・変色を防止し、かつ、揮散性物質の効果を発揮できる包材及び防虫物品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、包材のアルコール透過度を調整することで、周辺物の変質・変色を防止できること、また、アルコール透過度を調整することで所定の揮散量を確保し、揮散性物質の効果を発揮できること、さらに、耐水圧を調整することで、揮散性物質の衣料等への直接接触を防止できることを見出し、この知見・推測に基づいて本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明の包材は、通気性素材より構成される通気層と、熱可塑性樹脂製のフィルムから構成されたフィルム層とを備えた包材であって、アルコール透過度が10〜300cc/m2・24hrであり、包材のJIS L1092 A法に基づく耐水圧が100mmH2O以上であることを特徴とする。
【0007】
ここで、通気性素材とは、例えば、紙、不織布、織布、あらかじめ複数の孔が設けられた通気性の合成樹脂フィルム、合成樹脂に無機充填材などが混合されて延伸形成された微多孔フィルム等が挙げられる。
また、通気層は、白、もしくはその他の色で着色されていることが好ましい。これにより、包材に包まれたものを隠蔽することが可能となる。
さらに、通気層は一層のみ形成されていてもよく、二層以上形成されていてもよい。
【0008】
熱可塑性樹脂製のフィルムとしては、包材のアルコール透過度を上述した範囲内とすることができるものであれば、特に限定されないが、ヒートシール性を考慮すると融点が200℃以下の熱可塑性樹脂製のフィルムであることが好ましい。このような条件を満たす樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンがあげられる。また、フィルムの製膜方法は特に限定されないが、延伸法よりも、キャスト法や、通気層上に直接製膜する押出しラミネート法が好ましい。
さらに、フィルムの厚みは5〜80μmが好ましく、15〜60μmが特に好ましい。5μm以下では、耐水圧が低下したり、ピンホールが形成されたりしてしまう。また、80μmを超えると揮散性物質、例えば防虫剤等の吸着量が多くなってしまう。
【0009】
本発明では、包材のアルコール透過度が10〜300cc/m2・24hrであるため、周辺物の変質・変色を防止でき、かつ、所定の揮散量が確保できるので揮散性物質の効果を発揮できる。例えば、揮散性物質を防虫剤とした場合には、防虫効果を発揮しつつ、銅変を防止できる。
また、耐水性が100mmH2O以上であり、高い耐水性を備えているので、液状やゲル状の揮散性物質を包装した場合であっても、揮散性物質が漏れ出す虞がない。従って、揮散性物質の直接接触による衣類等の汚染を防止できる。
さらに、フィルム層は熱可塑性樹脂製のフィルムから構成されているので、このフィルム層が袋内面側となるように袋を形成すれば、容易にヒートシールすることができる。すなわち、製袋性に優れている。
また、プラスチック製の容器に揮散性物質を入れ、この容器の開口を包材によりヒートシールする場合においても、フィルム層が熱可塑性樹脂製のフィルムから構成されているので、容易にヒートシールすることができる。
さらに、包材は、通気層を備えているので、この通気層に着色等を行うことで包材の意匠性を向上させることが可能である。
【0010】
この際、前記フィルムの融点は200℃以下であり、前記通気性素材の融点が前記フィルムの融点よりも10℃以上高いことが好ましい。
フィルムの融点が200℃を超える場合には、ヒートシール性が悪化する虞があり、この包材で袋を形成したり、また、この包材を容器にシールしたりすることが困難となる。
また、通気性素材の融点とフィルムの融点との差が10℃未満である場合には、製袋時のヒートシール等により通気層が溶融してしまい、取り扱いにくいものとなる可能性がある。
【0011】
また、前記通気性素材は、紙または不織布であることが好ましい。
紙や不織布は、安価で可撓性を有し軽量な通気性素材であることから包材の汎用性の向上および拡大が容易に図れる。
さらに、紙、不織布のうち、不織布が価格、強度、加工性の点から特に好ましい。不織布の中でも連続長繊維からなり汎用的に生産されているスパンボンド不織布が特に好ましい。
不織布に用いる樹脂は特に限定されず、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等があげられる。また、フィルム層との熱ラミネート適性を考慮し、不織布をポリエステル/ポリプロピレン、ポリエステル/ポリエチレンの複合繊維、混沙、積層体等の複合体としてもよい。例えば、包材が2以上の通気層を備えるものである場合には、ポリエステル不織布/ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布/ポリエチレン不織布の積層体を使用してもよい。
【0012】
通気性素材として不織布を使用する場合、不織布の繊維系は1〜30デニールが好ましく、特に2〜20デニールが好ましい。1デニール未満の場合に表面にケバが発生しやすい。また、30デニールを超えると、緻密性、意匠性に劣る。
また、不織布の目付けは5〜200g/m2が好ましい。なかでも7〜100g/m2が特に好ましい。5g/m2未満の場合には強度が劣る。また、200g/m2を超えると、厚く、重く、硬くなり、加工適性やコスト競争力に劣る。
【0013】
この際、前記通気層と、前記フィルム層とは熱ラミネート、押出しラミネート、サンドラミネートの何れか一つの積層方法により積層されていることが好ましい。
揮散性物質がゲル状、液状の場合、フィルム層への浸透が想定されるため、熱ラミネート、押出しラミネート、サンドラミネートのように接着剤を使用しない積層方法が好ましい。
【0014】
この際、前記フィルム層のフィルムはポリオレフィン系樹脂製であることが好ましい。ここで、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂が挙げられる。なかでも、前記フィルム層のフィルムはポリエチレン系樹脂製であり、前記フィルムの密度は0.91g/cm3以上、0.96g/cm3以下であることが好ましい。
フィルムをポリエチレン系樹脂製とした場合には、通気層の通気性素材との熱ラミネート性、また、製袋時等のヒートシール性、耐水圧に特に優れたものとすることができる。
また、このポリエチレン系樹脂製のフィルムの密度が0.91g/cm3未満の場合には、例えば、包材で炭化水素系溶剤を含有したゲル状の揮散性物質を包んだ場合、膨潤が起こったり、揮散性物質の吸着が起こったりする虞がある。
また、密度を0.96g/cm3よりも高くすると、ヒートシール性が低下する。
本発明では、密度を0.91g/cm3以上、0.96g/cm3以下としているので、上述した問題は生じない。
【0015】
さらに、本発明の包材は、ピレスロイド系の常温揮散性防虫剤用の包材であること、また、ゲル状物もしくは液状物用の包材であることが好ましい。
本発明の包材は、前述したように防虫剤による銅変を防止できるため、銅変を起こすピレスロイド系の常温揮散性防虫剤にも使用できる。また、包材は高い耐水圧を備えているので、ゲル状物もしくは液状物にも適用できる。
ここで、常温揮散性防虫剤としては、4−メチル−4−ヘプテン−1−イン−3−イル d−シス、トランス−クリサンテマート(以下エムペントリン)、d1−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニルd1−シス、トランス−クリサンテマート(以下アレスリン)、(5−ベンジル−3−フリル)メチルd−シス、トランス−クリサンテマート(以下レスメトリン)、2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−シクロペンテン−1−イル2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート(以下テラレトリン)等のピレスロイド系常温揮散性防虫剤が挙げられる。中でもエムペントリンは、ピレスロイド系常温揮散性防虫剤として高い防虫効果、低毒性を具備していることからより好適である。また、エムペントリン、アレスリン、レスメトリン、テラレトリン等を混合して用いてもよい。さらには、公知の技術に従い、抗菌剤、防カビ剤、消臭剤等と併用してもよい。
【0016】
本発明の防虫物品は上述した何れかの包材により常温揮散性防虫剤を包装したことを特徴とする。
この構成の防虫物品は上述した何れかの包材を備えているので、防虫の効果を発揮させるとともに、防虫剤の接触による汚染、周辺物の変色・変質を防止できるという効果を奏することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態の包材1が示されている。この包材1は、通気性素材であるポリエチレンテレフタレート不織布から構成される第一通気層11と、ポリエチレン不織布から構成される第二通気層12と、熱可塑性樹脂であるポリエチレン系樹脂製フィルムから構成されるフィルム層13とを備えている。第一通気層11と第二通気層12とは熱エンボスラミネートされており、第二通気層12にはエンボス模様が施されている。また、この熱エンボスラミネートされた第一通気層11及び第二通気層12と、フィルム層13とは熱ラミネートされている。
第一通気層11のポリエチレンテレフタレート不織布は、スパンボンド法により製造されたものである。このポリエチレンテレフタレート不織布の融点は、例えば、252℃である。
【0018】
第二通気層12のポリエチレン不織布もスパンボンド法で製造されたものであり、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と、表面処理された酸化チタンとを含有し、白色に着色されている。
これら第一通気層11と第二通気層12の不織布の繊維系は1〜30デニールが好ましく、特に2〜20デニールが好ましい。また、その目付けは5〜200g/m2が好ましい。なかでも7〜100g/m2が特に好ましい。
【0019】
フィルム層13のポリエチレン系樹脂製フィルムは、ラミネート層131、中間層132、シール層133の3層Tダイ共押し出しキャストフィルムである。
ラミネート層131は第二通気層12のポリエチレン不織布に隣接している。
ラミネート層131はエチレン−α−オレフィン共重合体を含有する。このエチレン−α−オレフィン共重合体はシングルサイト系触媒により製造されたものが好ましい。このようなエチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、炭素数が4個以上のものが好ましく、さらに好ましくは8〜18個のものである。例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等の直鎖状モノオレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2,2,4−トリメチルペンテン等の分岐状モノオレフィン等を挙げることができる。
【0020】
中間層132もラミネート層131と同様にエチレン−α−オレフィン共重合体を含有することが好ましい。この中間層132に使用されるエチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、ラミネート層131で述べたα−オレフィンが使用できる。
シール層133もエチレン−α−オレフィン共重合体を含有する。このエチレン−α−オレフィン共重合体としては、ラミネート層131で述べたα−オレフィンが使用できる。
【0021】
これらのラミネート層131、中間層132、シール層133の層比は例えば、1:5:1である。
また、このような各層131〜133から構成されるフィルム層13のフィルムの密度は0.91〜0.96g/cm3の範囲内であり、さらに、フィルムの融点は、200℃以下である。また、フィルムの厚みは、例えば、30μm程度である。
【0022】
以上のような構成の包材1は、アルコール透過度が10〜300cc/m2・24hrであり、JIS L1092 A法に基づく耐水性が100mmH2O以上となっている。
【0023】
図2に包材1を製造するための製造装置2を示す。
この製造装置2は、ホッパー21と、押し出し機22と、スパンボンド用ダイ23と、紡糸牽引装置24と、コンベア25と、二台の繰り出し機26A,26Bと、2つの熱ラミネート装置27A,27Bと、巻き取り装置28とを備える。
押し出し機22は、ホッパー21を介して供給された原料を可塑化して押し出すものである。本実施形態において押し出し機22は、単軸の押し出し機である。
【0024】
図3に示すように、スパンボンド用ダイ23は、押し出し機22から押し出された原料を連続状繊維の繊維束とするものである。このスパンボンド用ダイ23は、供給された原料を複数の糸状にする紡糸口金231を有している。紡糸口金231は、図示しないが、多数の孔を有し、これらの孔を紡糸ノズルとしてここから溶融原料を紡出し、連続状繊維の繊維束を形成する構成となっている。本実施形態において、スパンボンド用ダイ23はスパンボンド法を行うための公知のダイを用いることができる。
【0025】
紡糸牽引装置24は、スパンボンド用ダイ23からの繊維束を牽引するものである。この紡糸牽引装置24は、スパンボンド用ダイ23からの繊維束を冷却する冷却塔240と、冷却塔240からの繊維束を延伸し、開繊する筒部241とを有する。
【0026】
筒部241の中央にはくびれが形成されており、このくびれの部分がフィラメント牽引部242となっている。このフィラメント牽引部242は、紡糸した原料を高速で索引して細化、つまり、延伸する機能を持つ。
さらに、フィラメント牽引部242の下部で、筒部241のくびれが広がった部分は開繊部243となっており、この開繊部243で冷却空気による乱流で糸条を均一に開繊させている。
【0027】
図2に戻って、コンベア25について説明する。コンベア25は、ロール251,252と、吸引機253と、ベルト254とを備えている。コンベア25は、ベルト254上に繊維束を堆積させてウェブを形成するものである。ロール251,252は、金属、ゴム等で構成されおり、図示しないがロール251,252の少なくとも何れか一方には、モータ等の駆動手段が設けられている。
吸引機253は、スパンボンド用ダイ23の紡糸口金231から排出される繊維束を吸引し、冷却塔240及び筒部241を介して、ベルト254まで導くものである。
ロール251,252に巻装されたベルト254は、金属、ゴム、プラスチック等で構成されている。
【0028】
繰り出し機26Aは、第一通気層11のポリエチレンテレフタレート不織布を繰り出すものであり、コンベア25の前段に配置されている。従って、コンベア25においては、繊維束は、ポリエチレンテレフタレート不織布を介してベルト254上に堆積することとなる。
繰り出し機26Bはフィルム層13のフィルムを繰り出すものであり、コンベア25の後段に配置されている。この繰り出し機26Bから繰り出されるフィルムは、第二通気層12のポリエチレン不織布上に積層される。
【0029】
熱ラミネート装置27Aは、エンボスロール271と、フラットロール272とを備えている。
エンボスロール271は金属製であり、ロール表面に所定のエンボスパターンが形成されている。また、エンボスロール271の内部には、図示しないがオイル温調機が組み込まれており、温度コントロール可能となっている。
フラットロール272は、その表面が平滑となっており、エンボスロール271と同様に内部にオイル温調機(図示略)が組み込まれている。
この熱ラミネート装置27Aは、コンベア25と繰り出し機26Bとの間に配置される。
【0030】
熱ラミネート装置27Bは、熱ラミネート装置27Aと異なり、2つのフラットロール273を備えた構造となっている。このフラットロール273の内部にはオイル温調機(図示略)が組み込まれている。この熱ラミネート装置27Bは、繰り出し機26Bの後段に配置されている。
【0031】
包材1は、製造装置2を用いて次のような手順で製造される。
まず、ホッパー21を介して、第二通気層12の原料である直鎖状低密度ポリエチレンポリエチレン樹脂及び表面処理された酸化チタンを含有するカラーマスターバッチを押し出し機22に投入する。
一方、繰り出し機26Aから第一通気層11のポリエチレンテレフタレート不織布をコンベア25上に繰り出しておく。なお、このポリエチレンテレフタレート不織布は、スパンボンド法により、予め製造されており、紡糸、延伸、開繊、捕集、ボンディングの各工程を経て製造される。
次に、押し出し機22により可塑化された原料を、スパンボンド用ダイ23を通して、繊維束とし、紡糸牽引装置24へ導入する。この紡糸牽引装置24で延伸、開繊した繊維束を、コンベア25上のポリエチレンテレフタレート不織布上で捕集し、ウェブを形成する。
【0032】
そして、これらを熱ラミネート装置27Aのエンボスロール271と、フラットロール272との間に供給する。この熱ラミネート装置27Aにより、ポリエチレン不織布を形成すると共に、ポリエチレンテレフタレート不織布とポリエチレン不織布とを熱ラミネートする。この際、ポリエチレン不織布上にはエンボス加工が施される。
さらに、この不織布上に繰り出し機26Bから、フィルム層13のフィルムを繰り出し、積層する。
なお、フィルムは、予め3層Tダイ共押出しキャスト成形機により形成されている。具体的には、各層131〜133に対応した押し出し機を3種使用し、各押し出し機から押し出された各層131〜133をTダイに入る直前に設けた特殊ブロックで合流、積層させて成形する。
次いで、これらを熱ラミネート装置27Bの2つのフラットロール273間に供給する。この熱ラミネート装置27Bにより、熱ラミネートし、包材1を得る。
【0033】
このようにして得られた包材1により、液状、あるいはゲル状の常温揮散性防虫剤、例えば、エムペントリン等を包装する。例えば、包材1を半折して、端部をヒートシールして袋とする。そして、この袋内にエムペントリン等を封入する。また、プラスチック製の容器に液状、あるいはゲル状の常温揮散性防虫剤を入れ、包材1をヒートシールして容器の開口をふさぐ。以上のような方法により、防虫物品が得られる。
【0034】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
包材1のアルコール透過度が10〜300cc/m2・24hrであるため、この包材1により包装される常温揮散性防虫剤の揮散量を確保し、防虫効果を発揮できるとともに、周辺物の変質・変色を防止できる。
また、包材1の耐水性が100mmH2O以上であり、高い耐水性を備えているので、包材1により包装されている液状やゲル状の常温揮散性防虫剤が漏れ出す虞がない。従って、常温揮散性防虫剤の直接接触による衣類等の汚染を防止できる。
【0035】
フィルム層13のフィルムは、ポリエチレン系樹脂製であり、その融点は200℃以下であるため、ヒートシール性に優れている。従って、製袋性が良好である。また、プラスチック製の容器に常温揮散性防虫剤を入れ、この容器の開口を包材1によりシールする場合においても容易にシールすることができる。
【0036】
さらに、包材1の第二通気層12は、白色に着色されているので、包材1の意匠性を向上させることができる。また、第二通気層12を着色したので、包材1により包装された防虫剤を隠蔽することができる。
また、第二通気層12のポリエチレン不織布に着色するに当たって、印刷、染色等を行うことも考えられるが、この場合には、衣料等に色移りする可能性がある。これに対し、本実施形態では、ポリエチレン樹脂に酸化チタンを混合させることでポリエチレン不織布を着色しているので、色移り等の問題が生じない。
【0037】
第一通気層11の通気性素材の融点とフィルム層13のフィルムの融点との差が10℃未満である場合には、製袋時のヒートシール等により通気層が溶融してしまい取り扱いにくいものとなる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第一通気層11をポリエチレンテレフタレート不織布(融点252℃)とし、フィルム層13のフィルムをエチレン−α−オレフィンを含有するものとすることで(フィルムの融点200℃以下)、融点の差を10℃以上としているので、このような問題は生じない。
【0038】
また、本実施形態では、第一通気層11、第二通気層12の通気性素材を不織布としており、不織布は、安価で可撓性を有し、強度があり、軽量な通気性素材であることから包材1の汎用性の向上および拡大が容易に図れる。
さらに、包材1の各層11〜13は接着剤を使用しない熱ラミネートにより接着されているので、ゲル状、液状の常温揮散性防虫剤が、フィルム層13へ浸透しても、剥離等を起こす虞がない。また、接着剤等を使用しない簡便な方法であるため製造に手間がかからない。
さらに、第一通気層11からフィルム層13を同時に繰り出して熱ラミネートしているので、製造工程のさらなる簡便化を図ることができる。
本実施形態では、第二通気層12の製造と、熱エンボスラミネートとを同時に行っているので、製造工程を減らすことができ、包材1の製造コストを削減できる。
【0039】
また、フィルム層13のフィルムはポリエチレン系樹脂製であるため、第二通気層12との熱ラミネート性に優れたものとすることができる。
さらに、このフィルムの密度を0.961g/cm3未満とした場合には、炭化水素系溶剤を含有したゲル状の揮散性防虫剤を包んだ場合、膨潤が起こったり、揮散性物質の吸着が起こったりする虞がある。また、密度を0.96g/cm3よりも高くすると、ヒートシール性が低下する。
本実施形態では、密度を0.91g/cm3以上、0.96g/cm3以下としているので、上述した問題は生じない。
【0040】
また、本実施形態では、第一通気層11、第二通気層12の繊維系を1〜30デニール、特に好ましくは2〜20デニールとしている。1デニール未満であると表面にケバが発生しやすい。また、30デニールを超えると緻密性に劣る。本実施形態では、繊維系を1〜30デニールとしているので、このような問題が起こりにくい。
【0041】
さらに、本実施形態では、不織布の目付は5〜200g/m2、特に7〜100g/m2が好ましいとしている。5g/m2未満の場合には、充分な強度が確保できない。また、200g/m2を超えると厚く、重く、硬くなり、着心地が悪くなり、またコストもかかることとなる。本実施形態では、目付を5〜200g/m2としているので、このような問題が起こりにくい。
【0042】
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、包材1によりゲル状、液状の常温揮散性防虫剤を包装したが、これに限らず、固体状の常温揮散性防虫剤を包装してもよい。さらに、防虫剤に限らず、例えば、芳香剤、防カビ剤等を包装してもよい。
また、前記実施形態ではフィルム層13のポリエチレン系樹脂製フィルムの密度は0.91g/cm3以上、0.96g/cm3以下としたが、この範囲外の密度であってもよい。ただし、この場合には、膨潤が起こったり、ヒートシール性が低下したりする可能性がある。
【0043】
さらに、第一通気層11及び第二通気層12と、フィルム層13とは熱ラミネートにより積層されるとしたが、これに限らず、例えば、押出しラミネート、サンドラミネート等の積層されてもよい。押出しラミネートの場合には、第二通気層12上に溶融したフィルム層13を押し出せばよく、サンドラネートの場合には、フィルム層13と第二通気層12との間に溶融したポリエチレン系樹脂等を流し込めばよい。
また、第二通気層12のポリエチレン不織布は、酸化チタンにより白色に着色されているとしたが、印刷や、染色等により着色されていてもよい。さらに、白色に限らず、他の色、例えば青色により着色されていてもよい。また、例えば、防虫剤の色が経時変化するようなものである場合には、着色する必要はない。
【0044】
また、第一通気層11をポリエチレンテレフタレート不織布、第二通気層12をポリエチレン不織布とし、ポリエステル不織布とポリエチレン不織布を積層した構成としたが、ポリエステル不織布とポリプロピレン不織布とを積層してもよい。さらに、通気層は一層でもよく、例えば、ポリエステル/ポリプロピレン、ポリエステル/ポリエチレンの複合繊維、混沙からなる不織布から構成されるものであってもよく、また、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の不織布から構成されるものであってもよい。一層構成とすれば、製造の手間を省くことができる。
【0045】
また、前記実施形態の不織布はスパンボンド法により製造されたものとしたが、他の製造方法、例えば、メルトブロー法、熱風カード法等で製造されたものであってもよい。ただし、スパンボンド法で製造された不織布は、連続した長繊維であり、柔軟性、強度に優れている。また、スパンボンド法は生産性にも優れているので、製造コストの削減をすることができる。
また、前記実施形態では、通気性素材は不織布としたが、これに限らず、例えば、紙等であってもよい。
【0046】
さらに、前記実施形態では、フィルムの融点は200℃以下であるとしたが、これに限らず、200℃を超えるものであってもよい。また、前記実施形態では、フィルム層13のフィルムはポリエチレン系樹脂製としたが、ポリプロピレン系樹脂製のものであってもよく、また、他のポリオレフィン系樹脂製であってもよい。
また、前記実施形態では、第一通気層11に融点がフィルムの融点よりも10℃以上高いポリエチレンテレフタレート不織布を使用したが、これに限らず、融点の差10℃未満の不織布を使用してもよい。ただし、この場合には、製袋時のヒートシール等により通気層が溶融してしまい、取り扱いにくいものとなる可能性がある。
また、前記実施形態では、不織布の目付は5〜200g/m2としたが、これには限られず、この範囲外のものを使用してもよい。ただし、この場合には、充分な強度が確保できなかったり、また、厚く、重くなったりする可能性がある。
【0047】
さらに、不織布の繊維系を1〜30デニール、特に好ましくは2〜20デニールとしたが、この範囲には限られず、例えば、30デニールを超えるものや、1デニール未満であってもよい。ただし、この場合には、表面にケバが発生したり、また、緻密性に劣るものとなったりする可能性がある。
さらに、前記実施形態では、包材1をインライン加工により製造したが、これに限らず、各層を形成したのち、別途、熱ラミネートしてもよい。ただし、この場合には、各層をそれぞれ、独立して製造する工程が必要となるので、製造に手間を要する。
【0048】
【実施例】
本発明の効果を確認するために以下の実験を行った。
(実施例1)
実施例で製造した包材は以下のようである。
1.包材の構成
(1)第一通気層(ポリエチレンテレフタレート不織布)
ポリエチレンテレフタレート不織布として東洋紡社製「エクーレ」(グレード6501A、50g/m2、融点252℃)を使用した。
【0049】
(2)第二通気層(ポリエチレン不織布)
ポリエチレン不織布の原料として直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(出光石油化学社製「Idemitsu LL」グレード2074G、MI(190℃)=25g/10分)と、表面処理された酸化チタンからなるカラーマスターバッチを使用した。
(3)第フィルム層
(3−1)ラミネート層
以下の原料Aに原料Bを添加した。なお、ラミネート層の軟化温度は100℃である。
原料A:エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンの種類 1−オクテン)出光石油化学社製「モアテック」(グレード0238CL、密度0.916g/cm3)
原料B:酸化防止剤、アンチブロッキング剤
(3−2)中間層
以下の原料Aに原料Bを添加した。なお、中間層の軟化温度は100℃である。
原料A:エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンの種類 1−オクテン)出光石油化学社製「モアテック」(グレード0238CL、密度0.916g/cm3)
原料B:滑剤
(3−3)シール層
以下の原料Aに原料Bを添加した。なお、シール層の軟化温度は112℃である。
原料A:エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンの種類 1−オクテン)出光石油化学社製「モアテック」(グレード0358CN、密度0.931g/cm3)
原料B:酸化防止剤、アンチブロッキング剤
【0050】
2.包材の製造
(1)フィルムの製造
上述したシール層、中間層、ラミネート層の原料を3層Tダイ共押し出しキャスト成形機によりフィルム全体の厚みが30μmとなるように成形した。
フィルムの層比は、シール層:中間層:ラミネート層=1:5:1とした。成形機には、シール層、中間層、ラミネート層に対応して50mmφ、65mmφ、40mmφの押出し機が設けられており、スクリュー回転数は、それぞれ58rpm、87rpm、37rpmであった。
また、ダイス出口樹脂温度はいずれも230℃、チルロール温度は50℃、濡れ指数は38dyn/cmとした。また、全吐出量は60kg/hr、引取速度は50m/minとした。
【0051】
(2)包材の製造
前記実施形態の製造装置2を用いて包材を製造した。
予め繰り出し機26Aにより、ポリエチレンテレフタレート不織布をベルト254上に繰り出しておく。
次に、ホッパー21に第二通気層のポリエチレン不織布の原料であるポリエチレン樹脂、カラーマスターバッチを投入し、200℃で、30g/m2となるように押し出し機22により押し出し、コンベア25のベルト254上のポリエチレンテレフタレート不織布上にウェブを堆積させた。繊維系は4デニールであった。
次に、これらを熱ラミネート装置27Aのエンボスロール271と、フラットロール272との間に供給した。
さらに、繰り出し機26Bにより、フィルムを繰り出して積層させた。なお、フィルムは、ラミネート層がポリエチレン不織布に隣接するように繰り出された。
そして、これを熱ラミネート装置27Bに投入した。
なお、熱ラミネート装置27Bの2つのフラットロール273のうち、フィルム側のフラットロール273の温度を100℃、ポリエチレンテレフタレート不織布側のフラットロール273の温度を160℃と設定した。
【0052】
(実施例2)
実施例1のフィルムをポリプロピレン系共押出しキャストフィルム(出光ユニテック社製「ユニラックス」、グレードRS−512、30μm、融点165℃以下)とした。また、熱ラミネート装置27Bのフィルム側のフラットロール273の温度を120℃、ポリエチレンテレフタレート不織布側のフラットロール273の温度を160℃と設定した。
他の条件は実施例1と同じである。
【0053】
(比較例1)
包材の構成を以下のような構成とした。
1.包材の構成
(1)通気層(ポリエチレンテレフタレート不織布)
ポリエチレンテレフタレート不織布として、東洋紡社製「エクーレ」(グレード6501A、50g/m2、融点252℃)を使用した。
(2)フィルム層
原料としてポリエーテルポリアミド共重合体樹脂(アトフィナ社製「PEBAX」グレードMV3000、融点158℃)を使用した。
2.包材の製造
押出しラミネート装置を使用して、ポリエチレンテレフタレート不織布上にポリエーテルポリアミド共重合体樹脂を押出し、包材を製造した。フィルムの厚さは50μmである。
ここで、図示しないが、押出しラミネート装置は、単軸押出し機、押出しラミネート用ダイ、冷却ロール、巻き取り装置を備えたものである。
【0054】
(比較例2)
実施例1のフィルムを直鎖状低密度ポリエチレン不織布(出光ユニテック社製「ストラテック」グレードLN2030、30g/m2、融点120℃)に変更した。他の条件は実施例1と同じである。
【0055】
(比較例3)
包材の構成を以下のような構成とした。
1.包材の構成
(1)二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
東洋紡社製「東洋紡エステル」グレードE5110、25μmを使用した。
(2)直鎖状低密度ポリエチレン共押出しキャストフィルム
出光ユニテック社製「ユニラックス」グレードLS740C、30μmを使用した。
2.包材の製造
以上のフィルムをドライラミネータで積層し、包材を得た。
【0056】
(比較例4)
包材の構成を以下のような構成とした。
1.包材の構成
(1)通気層(ポリエチレンテレフタレート不織布と、直鎖状低密度ポリエチレン不織布の積層体)
出光ユニテック社製「ストラマイティ」、グレードME2035、35g/m2を使用した。
(2)フィルム層(2軸延伸ナイロンフィルム)
出光ユニテック社製「ユニロン」グレードG100、15μmを使用した。
2.包材の製造
上記積層体とフィルムをドライラミネータで積層して包材を得た。
【0057】
[ 防虫物品 ]
ポリエステルとポリエチレンの多層シート(0.8mm厚さ)を成形した容器にエンペントリンを含むゲル(防虫剤)を入れ、この容器の開口を塞ぐように実施例1,2、比較例1〜4で得られた包材をヒートシールし、これを防虫物品とした。
【0058】
次に実施例1,2、比較例1〜比較例4で得られた包材の評価を行った。評価方法は以下のとおりである。
[ 評価方法 ]
(1)アルコール(エタノール)透過度
包材を120mm×120mm寸法にし、これを半折して、2辺を10mm幅でヒートシールした。この中に、エタノール3.25gを二酸化ケイ素1.75gに吸着させたものを入れて、残りの一辺を10mm幅でシールした。エタノール蒸気透過可能な面積は片面100mm×50mm、両面で10,000mm2である。この試料を50%RH、40℃の恒温器に3時間放置し、蒸発によるエタノールの減量を測定した。これを包材1m2あたり、24時間に換算した。
(2)耐水圧
耐水圧測定により評価を行った。測定は、JIS L1092 A法に基づいて行った。
(3)耐久性
上述した防虫物品を体重60kgの人が踏みつけることで耐久性を判定した。防虫剤が漏れた場合には耐久性なし(×)、漏れなかった場合には耐久性あり(○)とした。
(4)食害防止試験
50L容量の衣装ケースに毛布4枚を入れ、その上に防虫物品を1個置いた。40℃の恒温器での促進テストを実施し、一ヶ月後、及び三ヵ月後に防虫物品を取り除き、イガ5匹を含む円筒シリンダを置いて1週間にわたり、毛布に対する食害状況を観察した。○を食害全くなし、△を極わずかな食害が認められる、×を食害が認められるとした。
(5)銅変試験
食害試験で用いた50L容量の衣装ケースと同様のケースに真鍮でプリント印刷した包装紙をおき、この上に防虫物品を載せて、三ヵ月後の包装紙に対する変色の発生状況を観察した。○をほとんど変色なし、△をわずかに変色あり、×を変色が著しいとした。
【0059】
[ 評価結果 ]
実施例1,2、比較例1〜4の評価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
実施例1,2で得られた包材はエタノール透過度が10〜300cc/m2・24hrであり、耐水性が100mmH2O以上であり、耐久性が高く、食害及び銅変を防止することができた。すなわち、周辺物の変色、変質を防止し、かつ、揮散性物質の効果を発揮できるという本発明の効果が顕著に示された。
一方、比較例1では、三ヵ月後において食害が発生し、また、銅変が起きていた。比較例2では、耐久性がひくく、三ヵ月後において食害が発生し、銅変が起きていた。比較例3では、一ヶ月後において食害が発生していた。比較例4では、銅変を防止することができなかった。
【0062】
【発明の効果】
このような本発明によれば、防虫剤のような揮散性物質の衣料等への直接接触や、揮散性物質による周辺物の変質・変色を防止し、かつ、揮散性物質の効果を発揮できる包材及び防虫物品を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる包材を示す断面図である。
【図2】前記包材の製造装置を示す模式図である。
【図3】前記製造装置の要部を示す模式図である。
【符号の説明】
1 包材
11 第一通気層
12 第二通気層
13 フィルム層
【発明の属する技術分野】
本発明は、包材及び防虫物品に関する。
【0002】
【背景技術】
従来から、家庭内に生息する害虫、特に衣料害虫を防除するために種々の防虫剤が使用されている。近年、このような防虫剤として、エムペントリン等のピレスロイド系の常温揮散性防虫剤が普及している。常温揮散性防虫剤は、所定以上の揮散量を確保する必要があるが、衣料等に直接接触させると衣料等が汚染されてしまうという問題がある。また、エムペントリン等は、周囲の金属、特に銅系金属に影響を与え、変質・変色(銅変)を起こすという問題もある。
従来から常温揮散性防虫剤を目付け35〜70g/m2の不織布で包装する方法が使用されているが、この方法は、防虫剤の直接接触による衣料等の汚染を防止できるものの、銅変を防止することができない。そこで、孔径が0.02〜2.0mmφ、総有孔面積/フィルム面積比率が0.005〜0.3であるプラスチックフィルム袋に常温揮散性防虫剤を封入する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−139903号公報(第2頁〜第6頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなプラスチックフィルム袋に常温揮散性防虫剤を封入する方法では、常温揮散性防虫剤の形態がゲル状もしくは液状の場合、袋に荷重がかかると孔からゲル状もしくは液状の常温揮散性防虫剤が漏れ出て衣料等を汚染する危険性がある。
【0005】
本発明の目的は、防虫剤のような揮散性物質の衣料等への直接接触や、揮散性物質による周辺物の変質・変色を防止し、かつ、揮散性物質の効果を発揮できる包材及び防虫物品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、包材のアルコール透過度を調整することで、周辺物の変質・変色を防止できること、また、アルコール透過度を調整することで所定の揮散量を確保し、揮散性物質の効果を発揮できること、さらに、耐水圧を調整することで、揮散性物質の衣料等への直接接触を防止できることを見出し、この知見・推測に基づいて本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明の包材は、通気性素材より構成される通気層と、熱可塑性樹脂製のフィルムから構成されたフィルム層とを備えた包材であって、アルコール透過度が10〜300cc/m2・24hrであり、包材のJIS L1092 A法に基づく耐水圧が100mmH2O以上であることを特徴とする。
【0007】
ここで、通気性素材とは、例えば、紙、不織布、織布、あらかじめ複数の孔が設けられた通気性の合成樹脂フィルム、合成樹脂に無機充填材などが混合されて延伸形成された微多孔フィルム等が挙げられる。
また、通気層は、白、もしくはその他の色で着色されていることが好ましい。これにより、包材に包まれたものを隠蔽することが可能となる。
さらに、通気層は一層のみ形成されていてもよく、二層以上形成されていてもよい。
【0008】
熱可塑性樹脂製のフィルムとしては、包材のアルコール透過度を上述した範囲内とすることができるものであれば、特に限定されないが、ヒートシール性を考慮すると融点が200℃以下の熱可塑性樹脂製のフィルムであることが好ましい。このような条件を満たす樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンがあげられる。また、フィルムの製膜方法は特に限定されないが、延伸法よりも、キャスト法や、通気層上に直接製膜する押出しラミネート法が好ましい。
さらに、フィルムの厚みは5〜80μmが好ましく、15〜60μmが特に好ましい。5μm以下では、耐水圧が低下したり、ピンホールが形成されたりしてしまう。また、80μmを超えると揮散性物質、例えば防虫剤等の吸着量が多くなってしまう。
【0009】
本発明では、包材のアルコール透過度が10〜300cc/m2・24hrであるため、周辺物の変質・変色を防止でき、かつ、所定の揮散量が確保できるので揮散性物質の効果を発揮できる。例えば、揮散性物質を防虫剤とした場合には、防虫効果を発揮しつつ、銅変を防止できる。
また、耐水性が100mmH2O以上であり、高い耐水性を備えているので、液状やゲル状の揮散性物質を包装した場合であっても、揮散性物質が漏れ出す虞がない。従って、揮散性物質の直接接触による衣類等の汚染を防止できる。
さらに、フィルム層は熱可塑性樹脂製のフィルムから構成されているので、このフィルム層が袋内面側となるように袋を形成すれば、容易にヒートシールすることができる。すなわち、製袋性に優れている。
また、プラスチック製の容器に揮散性物質を入れ、この容器の開口を包材によりヒートシールする場合においても、フィルム層が熱可塑性樹脂製のフィルムから構成されているので、容易にヒートシールすることができる。
さらに、包材は、通気層を備えているので、この通気層に着色等を行うことで包材の意匠性を向上させることが可能である。
【0010】
この際、前記フィルムの融点は200℃以下であり、前記通気性素材の融点が前記フィルムの融点よりも10℃以上高いことが好ましい。
フィルムの融点が200℃を超える場合には、ヒートシール性が悪化する虞があり、この包材で袋を形成したり、また、この包材を容器にシールしたりすることが困難となる。
また、通気性素材の融点とフィルムの融点との差が10℃未満である場合には、製袋時のヒートシール等により通気層が溶融してしまい、取り扱いにくいものとなる可能性がある。
【0011】
また、前記通気性素材は、紙または不織布であることが好ましい。
紙や不織布は、安価で可撓性を有し軽量な通気性素材であることから包材の汎用性の向上および拡大が容易に図れる。
さらに、紙、不織布のうち、不織布が価格、強度、加工性の点から特に好ましい。不織布の中でも連続長繊維からなり汎用的に生産されているスパンボンド不織布が特に好ましい。
不織布に用いる樹脂は特に限定されず、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等があげられる。また、フィルム層との熱ラミネート適性を考慮し、不織布をポリエステル/ポリプロピレン、ポリエステル/ポリエチレンの複合繊維、混沙、積層体等の複合体としてもよい。例えば、包材が2以上の通気層を備えるものである場合には、ポリエステル不織布/ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布/ポリエチレン不織布の積層体を使用してもよい。
【0012】
通気性素材として不織布を使用する場合、不織布の繊維系は1〜30デニールが好ましく、特に2〜20デニールが好ましい。1デニール未満の場合に表面にケバが発生しやすい。また、30デニールを超えると、緻密性、意匠性に劣る。
また、不織布の目付けは5〜200g/m2が好ましい。なかでも7〜100g/m2が特に好ましい。5g/m2未満の場合には強度が劣る。また、200g/m2を超えると、厚く、重く、硬くなり、加工適性やコスト競争力に劣る。
【0013】
この際、前記通気層と、前記フィルム層とは熱ラミネート、押出しラミネート、サンドラミネートの何れか一つの積層方法により積層されていることが好ましい。
揮散性物質がゲル状、液状の場合、フィルム層への浸透が想定されるため、熱ラミネート、押出しラミネート、サンドラミネートのように接着剤を使用しない積層方法が好ましい。
【0014】
この際、前記フィルム層のフィルムはポリオレフィン系樹脂製であることが好ましい。ここで、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂が挙げられる。なかでも、前記フィルム層のフィルムはポリエチレン系樹脂製であり、前記フィルムの密度は0.91g/cm3以上、0.96g/cm3以下であることが好ましい。
フィルムをポリエチレン系樹脂製とした場合には、通気層の通気性素材との熱ラミネート性、また、製袋時等のヒートシール性、耐水圧に特に優れたものとすることができる。
また、このポリエチレン系樹脂製のフィルムの密度が0.91g/cm3未満の場合には、例えば、包材で炭化水素系溶剤を含有したゲル状の揮散性物質を包んだ場合、膨潤が起こったり、揮散性物質の吸着が起こったりする虞がある。
また、密度を0.96g/cm3よりも高くすると、ヒートシール性が低下する。
本発明では、密度を0.91g/cm3以上、0.96g/cm3以下としているので、上述した問題は生じない。
【0015】
さらに、本発明の包材は、ピレスロイド系の常温揮散性防虫剤用の包材であること、また、ゲル状物もしくは液状物用の包材であることが好ましい。
本発明の包材は、前述したように防虫剤による銅変を防止できるため、銅変を起こすピレスロイド系の常温揮散性防虫剤にも使用できる。また、包材は高い耐水圧を備えているので、ゲル状物もしくは液状物にも適用できる。
ここで、常温揮散性防虫剤としては、4−メチル−4−ヘプテン−1−イン−3−イル d−シス、トランス−クリサンテマート(以下エムペントリン)、d1−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニルd1−シス、トランス−クリサンテマート(以下アレスリン)、(5−ベンジル−3−フリル)メチルd−シス、トランス−クリサンテマート(以下レスメトリン)、2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−シクロペンテン−1−イル2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート(以下テラレトリン)等のピレスロイド系常温揮散性防虫剤が挙げられる。中でもエムペントリンは、ピレスロイド系常温揮散性防虫剤として高い防虫効果、低毒性を具備していることからより好適である。また、エムペントリン、アレスリン、レスメトリン、テラレトリン等を混合して用いてもよい。さらには、公知の技術に従い、抗菌剤、防カビ剤、消臭剤等と併用してもよい。
【0016】
本発明の防虫物品は上述した何れかの包材により常温揮散性防虫剤を包装したことを特徴とする。
この構成の防虫物品は上述した何れかの包材を備えているので、防虫の効果を発揮させるとともに、防虫剤の接触による汚染、周辺物の変色・変質を防止できるという効果を奏することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態の包材1が示されている。この包材1は、通気性素材であるポリエチレンテレフタレート不織布から構成される第一通気層11と、ポリエチレン不織布から構成される第二通気層12と、熱可塑性樹脂であるポリエチレン系樹脂製フィルムから構成されるフィルム層13とを備えている。第一通気層11と第二通気層12とは熱エンボスラミネートされており、第二通気層12にはエンボス模様が施されている。また、この熱エンボスラミネートされた第一通気層11及び第二通気層12と、フィルム層13とは熱ラミネートされている。
第一通気層11のポリエチレンテレフタレート不織布は、スパンボンド法により製造されたものである。このポリエチレンテレフタレート不織布の融点は、例えば、252℃である。
【0018】
第二通気層12のポリエチレン不織布もスパンボンド法で製造されたものであり、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と、表面処理された酸化チタンとを含有し、白色に着色されている。
これら第一通気層11と第二通気層12の不織布の繊維系は1〜30デニールが好ましく、特に2〜20デニールが好ましい。また、その目付けは5〜200g/m2が好ましい。なかでも7〜100g/m2が特に好ましい。
【0019】
フィルム層13のポリエチレン系樹脂製フィルムは、ラミネート層131、中間層132、シール層133の3層Tダイ共押し出しキャストフィルムである。
ラミネート層131は第二通気層12のポリエチレン不織布に隣接している。
ラミネート層131はエチレン−α−オレフィン共重合体を含有する。このエチレン−α−オレフィン共重合体はシングルサイト系触媒により製造されたものが好ましい。このようなエチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、炭素数が4個以上のものが好ましく、さらに好ましくは8〜18個のものである。例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等の直鎖状モノオレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2,2,4−トリメチルペンテン等の分岐状モノオレフィン等を挙げることができる。
【0020】
中間層132もラミネート層131と同様にエチレン−α−オレフィン共重合体を含有することが好ましい。この中間層132に使用されるエチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、ラミネート層131で述べたα−オレフィンが使用できる。
シール層133もエチレン−α−オレフィン共重合体を含有する。このエチレン−α−オレフィン共重合体としては、ラミネート層131で述べたα−オレフィンが使用できる。
【0021】
これらのラミネート層131、中間層132、シール層133の層比は例えば、1:5:1である。
また、このような各層131〜133から構成されるフィルム層13のフィルムの密度は0.91〜0.96g/cm3の範囲内であり、さらに、フィルムの融点は、200℃以下である。また、フィルムの厚みは、例えば、30μm程度である。
【0022】
以上のような構成の包材1は、アルコール透過度が10〜300cc/m2・24hrであり、JIS L1092 A法に基づく耐水性が100mmH2O以上となっている。
【0023】
図2に包材1を製造するための製造装置2を示す。
この製造装置2は、ホッパー21と、押し出し機22と、スパンボンド用ダイ23と、紡糸牽引装置24と、コンベア25と、二台の繰り出し機26A,26Bと、2つの熱ラミネート装置27A,27Bと、巻き取り装置28とを備える。
押し出し機22は、ホッパー21を介して供給された原料を可塑化して押し出すものである。本実施形態において押し出し機22は、単軸の押し出し機である。
【0024】
図3に示すように、スパンボンド用ダイ23は、押し出し機22から押し出された原料を連続状繊維の繊維束とするものである。このスパンボンド用ダイ23は、供給された原料を複数の糸状にする紡糸口金231を有している。紡糸口金231は、図示しないが、多数の孔を有し、これらの孔を紡糸ノズルとしてここから溶融原料を紡出し、連続状繊維の繊維束を形成する構成となっている。本実施形態において、スパンボンド用ダイ23はスパンボンド法を行うための公知のダイを用いることができる。
【0025】
紡糸牽引装置24は、スパンボンド用ダイ23からの繊維束を牽引するものである。この紡糸牽引装置24は、スパンボンド用ダイ23からの繊維束を冷却する冷却塔240と、冷却塔240からの繊維束を延伸し、開繊する筒部241とを有する。
【0026】
筒部241の中央にはくびれが形成されており、このくびれの部分がフィラメント牽引部242となっている。このフィラメント牽引部242は、紡糸した原料を高速で索引して細化、つまり、延伸する機能を持つ。
さらに、フィラメント牽引部242の下部で、筒部241のくびれが広がった部分は開繊部243となっており、この開繊部243で冷却空気による乱流で糸条を均一に開繊させている。
【0027】
図2に戻って、コンベア25について説明する。コンベア25は、ロール251,252と、吸引機253と、ベルト254とを備えている。コンベア25は、ベルト254上に繊維束を堆積させてウェブを形成するものである。ロール251,252は、金属、ゴム等で構成されおり、図示しないがロール251,252の少なくとも何れか一方には、モータ等の駆動手段が設けられている。
吸引機253は、スパンボンド用ダイ23の紡糸口金231から排出される繊維束を吸引し、冷却塔240及び筒部241を介して、ベルト254まで導くものである。
ロール251,252に巻装されたベルト254は、金属、ゴム、プラスチック等で構成されている。
【0028】
繰り出し機26Aは、第一通気層11のポリエチレンテレフタレート不織布を繰り出すものであり、コンベア25の前段に配置されている。従って、コンベア25においては、繊維束は、ポリエチレンテレフタレート不織布を介してベルト254上に堆積することとなる。
繰り出し機26Bはフィルム層13のフィルムを繰り出すものであり、コンベア25の後段に配置されている。この繰り出し機26Bから繰り出されるフィルムは、第二通気層12のポリエチレン不織布上に積層される。
【0029】
熱ラミネート装置27Aは、エンボスロール271と、フラットロール272とを備えている。
エンボスロール271は金属製であり、ロール表面に所定のエンボスパターンが形成されている。また、エンボスロール271の内部には、図示しないがオイル温調機が組み込まれており、温度コントロール可能となっている。
フラットロール272は、その表面が平滑となっており、エンボスロール271と同様に内部にオイル温調機(図示略)が組み込まれている。
この熱ラミネート装置27Aは、コンベア25と繰り出し機26Bとの間に配置される。
【0030】
熱ラミネート装置27Bは、熱ラミネート装置27Aと異なり、2つのフラットロール273を備えた構造となっている。このフラットロール273の内部にはオイル温調機(図示略)が組み込まれている。この熱ラミネート装置27Bは、繰り出し機26Bの後段に配置されている。
【0031】
包材1は、製造装置2を用いて次のような手順で製造される。
まず、ホッパー21を介して、第二通気層12の原料である直鎖状低密度ポリエチレンポリエチレン樹脂及び表面処理された酸化チタンを含有するカラーマスターバッチを押し出し機22に投入する。
一方、繰り出し機26Aから第一通気層11のポリエチレンテレフタレート不織布をコンベア25上に繰り出しておく。なお、このポリエチレンテレフタレート不織布は、スパンボンド法により、予め製造されており、紡糸、延伸、開繊、捕集、ボンディングの各工程を経て製造される。
次に、押し出し機22により可塑化された原料を、スパンボンド用ダイ23を通して、繊維束とし、紡糸牽引装置24へ導入する。この紡糸牽引装置24で延伸、開繊した繊維束を、コンベア25上のポリエチレンテレフタレート不織布上で捕集し、ウェブを形成する。
【0032】
そして、これらを熱ラミネート装置27Aのエンボスロール271と、フラットロール272との間に供給する。この熱ラミネート装置27Aにより、ポリエチレン不織布を形成すると共に、ポリエチレンテレフタレート不織布とポリエチレン不織布とを熱ラミネートする。この際、ポリエチレン不織布上にはエンボス加工が施される。
さらに、この不織布上に繰り出し機26Bから、フィルム層13のフィルムを繰り出し、積層する。
なお、フィルムは、予め3層Tダイ共押出しキャスト成形機により形成されている。具体的には、各層131〜133に対応した押し出し機を3種使用し、各押し出し機から押し出された各層131〜133をTダイに入る直前に設けた特殊ブロックで合流、積層させて成形する。
次いで、これらを熱ラミネート装置27Bの2つのフラットロール273間に供給する。この熱ラミネート装置27Bにより、熱ラミネートし、包材1を得る。
【0033】
このようにして得られた包材1により、液状、あるいはゲル状の常温揮散性防虫剤、例えば、エムペントリン等を包装する。例えば、包材1を半折して、端部をヒートシールして袋とする。そして、この袋内にエムペントリン等を封入する。また、プラスチック製の容器に液状、あるいはゲル状の常温揮散性防虫剤を入れ、包材1をヒートシールして容器の開口をふさぐ。以上のような方法により、防虫物品が得られる。
【0034】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
包材1のアルコール透過度が10〜300cc/m2・24hrであるため、この包材1により包装される常温揮散性防虫剤の揮散量を確保し、防虫効果を発揮できるとともに、周辺物の変質・変色を防止できる。
また、包材1の耐水性が100mmH2O以上であり、高い耐水性を備えているので、包材1により包装されている液状やゲル状の常温揮散性防虫剤が漏れ出す虞がない。従って、常温揮散性防虫剤の直接接触による衣類等の汚染を防止できる。
【0035】
フィルム層13のフィルムは、ポリエチレン系樹脂製であり、その融点は200℃以下であるため、ヒートシール性に優れている。従って、製袋性が良好である。また、プラスチック製の容器に常温揮散性防虫剤を入れ、この容器の開口を包材1によりシールする場合においても容易にシールすることができる。
【0036】
さらに、包材1の第二通気層12は、白色に着色されているので、包材1の意匠性を向上させることができる。また、第二通気層12を着色したので、包材1により包装された防虫剤を隠蔽することができる。
また、第二通気層12のポリエチレン不織布に着色するに当たって、印刷、染色等を行うことも考えられるが、この場合には、衣料等に色移りする可能性がある。これに対し、本実施形態では、ポリエチレン樹脂に酸化チタンを混合させることでポリエチレン不織布を着色しているので、色移り等の問題が生じない。
【0037】
第一通気層11の通気性素材の融点とフィルム層13のフィルムの融点との差が10℃未満である場合には、製袋時のヒートシール等により通気層が溶融してしまい取り扱いにくいものとなる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第一通気層11をポリエチレンテレフタレート不織布(融点252℃)とし、フィルム層13のフィルムをエチレン−α−オレフィンを含有するものとすることで(フィルムの融点200℃以下)、融点の差を10℃以上としているので、このような問題は生じない。
【0038】
また、本実施形態では、第一通気層11、第二通気層12の通気性素材を不織布としており、不織布は、安価で可撓性を有し、強度があり、軽量な通気性素材であることから包材1の汎用性の向上および拡大が容易に図れる。
さらに、包材1の各層11〜13は接着剤を使用しない熱ラミネートにより接着されているので、ゲル状、液状の常温揮散性防虫剤が、フィルム層13へ浸透しても、剥離等を起こす虞がない。また、接着剤等を使用しない簡便な方法であるため製造に手間がかからない。
さらに、第一通気層11からフィルム層13を同時に繰り出して熱ラミネートしているので、製造工程のさらなる簡便化を図ることができる。
本実施形態では、第二通気層12の製造と、熱エンボスラミネートとを同時に行っているので、製造工程を減らすことができ、包材1の製造コストを削減できる。
【0039】
また、フィルム層13のフィルムはポリエチレン系樹脂製であるため、第二通気層12との熱ラミネート性に優れたものとすることができる。
さらに、このフィルムの密度を0.961g/cm3未満とした場合には、炭化水素系溶剤を含有したゲル状の揮散性防虫剤を包んだ場合、膨潤が起こったり、揮散性物質の吸着が起こったりする虞がある。また、密度を0.96g/cm3よりも高くすると、ヒートシール性が低下する。
本実施形態では、密度を0.91g/cm3以上、0.96g/cm3以下としているので、上述した問題は生じない。
【0040】
また、本実施形態では、第一通気層11、第二通気層12の繊維系を1〜30デニール、特に好ましくは2〜20デニールとしている。1デニール未満であると表面にケバが発生しやすい。また、30デニールを超えると緻密性に劣る。本実施形態では、繊維系を1〜30デニールとしているので、このような問題が起こりにくい。
【0041】
さらに、本実施形態では、不織布の目付は5〜200g/m2、特に7〜100g/m2が好ましいとしている。5g/m2未満の場合には、充分な強度が確保できない。また、200g/m2を超えると厚く、重く、硬くなり、着心地が悪くなり、またコストもかかることとなる。本実施形態では、目付を5〜200g/m2としているので、このような問題が起こりにくい。
【0042】
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、包材1によりゲル状、液状の常温揮散性防虫剤を包装したが、これに限らず、固体状の常温揮散性防虫剤を包装してもよい。さらに、防虫剤に限らず、例えば、芳香剤、防カビ剤等を包装してもよい。
また、前記実施形態ではフィルム層13のポリエチレン系樹脂製フィルムの密度は0.91g/cm3以上、0.96g/cm3以下としたが、この範囲外の密度であってもよい。ただし、この場合には、膨潤が起こったり、ヒートシール性が低下したりする可能性がある。
【0043】
さらに、第一通気層11及び第二通気層12と、フィルム層13とは熱ラミネートにより積層されるとしたが、これに限らず、例えば、押出しラミネート、サンドラミネート等の積層されてもよい。押出しラミネートの場合には、第二通気層12上に溶融したフィルム層13を押し出せばよく、サンドラネートの場合には、フィルム層13と第二通気層12との間に溶融したポリエチレン系樹脂等を流し込めばよい。
また、第二通気層12のポリエチレン不織布は、酸化チタンにより白色に着色されているとしたが、印刷や、染色等により着色されていてもよい。さらに、白色に限らず、他の色、例えば青色により着色されていてもよい。また、例えば、防虫剤の色が経時変化するようなものである場合には、着色する必要はない。
【0044】
また、第一通気層11をポリエチレンテレフタレート不織布、第二通気層12をポリエチレン不織布とし、ポリエステル不織布とポリエチレン不織布を積層した構成としたが、ポリエステル不織布とポリプロピレン不織布とを積層してもよい。さらに、通気層は一層でもよく、例えば、ポリエステル/ポリプロピレン、ポリエステル/ポリエチレンの複合繊維、混沙からなる不織布から構成されるものであってもよく、また、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の不織布から構成されるものであってもよい。一層構成とすれば、製造の手間を省くことができる。
【0045】
また、前記実施形態の不織布はスパンボンド法により製造されたものとしたが、他の製造方法、例えば、メルトブロー法、熱風カード法等で製造されたものであってもよい。ただし、スパンボンド法で製造された不織布は、連続した長繊維であり、柔軟性、強度に優れている。また、スパンボンド法は生産性にも優れているので、製造コストの削減をすることができる。
また、前記実施形態では、通気性素材は不織布としたが、これに限らず、例えば、紙等であってもよい。
【0046】
さらに、前記実施形態では、フィルムの融点は200℃以下であるとしたが、これに限らず、200℃を超えるものであってもよい。また、前記実施形態では、フィルム層13のフィルムはポリエチレン系樹脂製としたが、ポリプロピレン系樹脂製のものであってもよく、また、他のポリオレフィン系樹脂製であってもよい。
また、前記実施形態では、第一通気層11に融点がフィルムの融点よりも10℃以上高いポリエチレンテレフタレート不織布を使用したが、これに限らず、融点の差10℃未満の不織布を使用してもよい。ただし、この場合には、製袋時のヒートシール等により通気層が溶融してしまい、取り扱いにくいものとなる可能性がある。
また、前記実施形態では、不織布の目付は5〜200g/m2としたが、これには限られず、この範囲外のものを使用してもよい。ただし、この場合には、充分な強度が確保できなかったり、また、厚く、重くなったりする可能性がある。
【0047】
さらに、不織布の繊維系を1〜30デニール、特に好ましくは2〜20デニールとしたが、この範囲には限られず、例えば、30デニールを超えるものや、1デニール未満であってもよい。ただし、この場合には、表面にケバが発生したり、また、緻密性に劣るものとなったりする可能性がある。
さらに、前記実施形態では、包材1をインライン加工により製造したが、これに限らず、各層を形成したのち、別途、熱ラミネートしてもよい。ただし、この場合には、各層をそれぞれ、独立して製造する工程が必要となるので、製造に手間を要する。
【0048】
【実施例】
本発明の効果を確認するために以下の実験を行った。
(実施例1)
実施例で製造した包材は以下のようである。
1.包材の構成
(1)第一通気層(ポリエチレンテレフタレート不織布)
ポリエチレンテレフタレート不織布として東洋紡社製「エクーレ」(グレード6501A、50g/m2、融点252℃)を使用した。
【0049】
(2)第二通気層(ポリエチレン不織布)
ポリエチレン不織布の原料として直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(出光石油化学社製「Idemitsu LL」グレード2074G、MI(190℃)=25g/10分)と、表面処理された酸化チタンからなるカラーマスターバッチを使用した。
(3)第フィルム層
(3−1)ラミネート層
以下の原料Aに原料Bを添加した。なお、ラミネート層の軟化温度は100℃である。
原料A:エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンの種類 1−オクテン)出光石油化学社製「モアテック」(グレード0238CL、密度0.916g/cm3)
原料B:酸化防止剤、アンチブロッキング剤
(3−2)中間層
以下の原料Aに原料Bを添加した。なお、中間層の軟化温度は100℃である。
原料A:エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンの種類 1−オクテン)出光石油化学社製「モアテック」(グレード0238CL、密度0.916g/cm3)
原料B:滑剤
(3−3)シール層
以下の原料Aに原料Bを添加した。なお、シール層の軟化温度は112℃である。
原料A:エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンの種類 1−オクテン)出光石油化学社製「モアテック」(グレード0358CN、密度0.931g/cm3)
原料B:酸化防止剤、アンチブロッキング剤
【0050】
2.包材の製造
(1)フィルムの製造
上述したシール層、中間層、ラミネート層の原料を3層Tダイ共押し出しキャスト成形機によりフィルム全体の厚みが30μmとなるように成形した。
フィルムの層比は、シール層:中間層:ラミネート層=1:5:1とした。成形機には、シール層、中間層、ラミネート層に対応して50mmφ、65mmφ、40mmφの押出し機が設けられており、スクリュー回転数は、それぞれ58rpm、87rpm、37rpmであった。
また、ダイス出口樹脂温度はいずれも230℃、チルロール温度は50℃、濡れ指数は38dyn/cmとした。また、全吐出量は60kg/hr、引取速度は50m/minとした。
【0051】
(2)包材の製造
前記実施形態の製造装置2を用いて包材を製造した。
予め繰り出し機26Aにより、ポリエチレンテレフタレート不織布をベルト254上に繰り出しておく。
次に、ホッパー21に第二通気層のポリエチレン不織布の原料であるポリエチレン樹脂、カラーマスターバッチを投入し、200℃で、30g/m2となるように押し出し機22により押し出し、コンベア25のベルト254上のポリエチレンテレフタレート不織布上にウェブを堆積させた。繊維系は4デニールであった。
次に、これらを熱ラミネート装置27Aのエンボスロール271と、フラットロール272との間に供給した。
さらに、繰り出し機26Bにより、フィルムを繰り出して積層させた。なお、フィルムは、ラミネート層がポリエチレン不織布に隣接するように繰り出された。
そして、これを熱ラミネート装置27Bに投入した。
なお、熱ラミネート装置27Bの2つのフラットロール273のうち、フィルム側のフラットロール273の温度を100℃、ポリエチレンテレフタレート不織布側のフラットロール273の温度を160℃と設定した。
【0052】
(実施例2)
実施例1のフィルムをポリプロピレン系共押出しキャストフィルム(出光ユニテック社製「ユニラックス」、グレードRS−512、30μm、融点165℃以下)とした。また、熱ラミネート装置27Bのフィルム側のフラットロール273の温度を120℃、ポリエチレンテレフタレート不織布側のフラットロール273の温度を160℃と設定した。
他の条件は実施例1と同じである。
【0053】
(比較例1)
包材の構成を以下のような構成とした。
1.包材の構成
(1)通気層(ポリエチレンテレフタレート不織布)
ポリエチレンテレフタレート不織布として、東洋紡社製「エクーレ」(グレード6501A、50g/m2、融点252℃)を使用した。
(2)フィルム層
原料としてポリエーテルポリアミド共重合体樹脂(アトフィナ社製「PEBAX」グレードMV3000、融点158℃)を使用した。
2.包材の製造
押出しラミネート装置を使用して、ポリエチレンテレフタレート不織布上にポリエーテルポリアミド共重合体樹脂を押出し、包材を製造した。フィルムの厚さは50μmである。
ここで、図示しないが、押出しラミネート装置は、単軸押出し機、押出しラミネート用ダイ、冷却ロール、巻き取り装置を備えたものである。
【0054】
(比較例2)
実施例1のフィルムを直鎖状低密度ポリエチレン不織布(出光ユニテック社製「ストラテック」グレードLN2030、30g/m2、融点120℃)に変更した。他の条件は実施例1と同じである。
【0055】
(比較例3)
包材の構成を以下のような構成とした。
1.包材の構成
(1)二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
東洋紡社製「東洋紡エステル」グレードE5110、25μmを使用した。
(2)直鎖状低密度ポリエチレン共押出しキャストフィルム
出光ユニテック社製「ユニラックス」グレードLS740C、30μmを使用した。
2.包材の製造
以上のフィルムをドライラミネータで積層し、包材を得た。
【0056】
(比較例4)
包材の構成を以下のような構成とした。
1.包材の構成
(1)通気層(ポリエチレンテレフタレート不織布と、直鎖状低密度ポリエチレン不織布の積層体)
出光ユニテック社製「ストラマイティ」、グレードME2035、35g/m2を使用した。
(2)フィルム層(2軸延伸ナイロンフィルム)
出光ユニテック社製「ユニロン」グレードG100、15μmを使用した。
2.包材の製造
上記積層体とフィルムをドライラミネータで積層して包材を得た。
【0057】
[ 防虫物品 ]
ポリエステルとポリエチレンの多層シート(0.8mm厚さ)を成形した容器にエンペントリンを含むゲル(防虫剤)を入れ、この容器の開口を塞ぐように実施例1,2、比較例1〜4で得られた包材をヒートシールし、これを防虫物品とした。
【0058】
次に実施例1,2、比較例1〜比較例4で得られた包材の評価を行った。評価方法は以下のとおりである。
[ 評価方法 ]
(1)アルコール(エタノール)透過度
包材を120mm×120mm寸法にし、これを半折して、2辺を10mm幅でヒートシールした。この中に、エタノール3.25gを二酸化ケイ素1.75gに吸着させたものを入れて、残りの一辺を10mm幅でシールした。エタノール蒸気透過可能な面積は片面100mm×50mm、両面で10,000mm2である。この試料を50%RH、40℃の恒温器に3時間放置し、蒸発によるエタノールの減量を測定した。これを包材1m2あたり、24時間に換算した。
(2)耐水圧
耐水圧測定により評価を行った。測定は、JIS L1092 A法に基づいて行った。
(3)耐久性
上述した防虫物品を体重60kgの人が踏みつけることで耐久性を判定した。防虫剤が漏れた場合には耐久性なし(×)、漏れなかった場合には耐久性あり(○)とした。
(4)食害防止試験
50L容量の衣装ケースに毛布4枚を入れ、その上に防虫物品を1個置いた。40℃の恒温器での促進テストを実施し、一ヶ月後、及び三ヵ月後に防虫物品を取り除き、イガ5匹を含む円筒シリンダを置いて1週間にわたり、毛布に対する食害状況を観察した。○を食害全くなし、△を極わずかな食害が認められる、×を食害が認められるとした。
(5)銅変試験
食害試験で用いた50L容量の衣装ケースと同様のケースに真鍮でプリント印刷した包装紙をおき、この上に防虫物品を載せて、三ヵ月後の包装紙に対する変色の発生状況を観察した。○をほとんど変色なし、△をわずかに変色あり、×を変色が著しいとした。
【0059】
[ 評価結果 ]
実施例1,2、比較例1〜4の評価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
実施例1,2で得られた包材はエタノール透過度が10〜300cc/m2・24hrであり、耐水性が100mmH2O以上であり、耐久性が高く、食害及び銅変を防止することができた。すなわち、周辺物の変色、変質を防止し、かつ、揮散性物質の効果を発揮できるという本発明の効果が顕著に示された。
一方、比較例1では、三ヵ月後において食害が発生し、また、銅変が起きていた。比較例2では、耐久性がひくく、三ヵ月後において食害が発生し、銅変が起きていた。比較例3では、一ヶ月後において食害が発生していた。比較例4では、銅変を防止することができなかった。
【0062】
【発明の効果】
このような本発明によれば、防虫剤のような揮散性物質の衣料等への直接接触や、揮散性物質による周辺物の変質・変色を防止し、かつ、揮散性物質の効果を発揮できる包材及び防虫物品を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる包材を示す断面図である。
【図2】前記包材の製造装置を示す模式図である。
【図3】前記製造装置の要部を示す模式図である。
【符号の説明】
1 包材
11 第一通気層
12 第二通気層
13 フィルム層
Claims (9)
- 通気性素材より構成される通気層と、熱可塑性樹脂製のフィルムから構成されたフィルム層とを備えた包材であって、
アルコール透過度が10〜300cc/m2・24hrであり、
JIS L1092 A法に基づく耐水性が100mmH2O以上であることを特徴とする包材。 - 請求項1に記載の包材であって、
前記フィルムの融点は200℃以下であり、
前記通気性素材の融点が前記フィルムの融点よりも10℃以上高いことを特徴とする包材。 - 請求項1または2に記載の包材において、
前記通気性素材は、紙または不織布であることを特徴とする包材。 - 請求項1から3の何れかに記載の包材において、
前記通気層と、前記フィルム層とは熱ラミネート、押出しラミネート、サンドラミネートの何れか一つの積層方法により積層されていることを特徴とする包材。 - 請求項1から4の何れかに記載の包材において、
前記フィルム層のフィルムはポリオレフィン系樹脂製であることを特徴とする包材。 - 請求項5に記載の包材において、
前記フィルム層のフィルムはポリエチレン系樹脂製であり、
前記フィルムの密度は0.91g/cm3以上、0.96g/cm3以下であることを特徴とする包材。 - 請求項1から6の何れかに記載の包材において、
ピレスロイド系の常温揮散性防虫剤用の包材であることを特徴とする包材。 - 請求項1から7の何れかに記載の包材において、
ゲル状物もしくは液状物用の包材であることを特徴とする包材。 - 請求項1から8の何れかに記載の包材により常温揮散性防虫剤を包装したことを特徴とする防虫物品。
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