【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両が歩行者等の衝突物に衝突した際に、衝撃を吸収して衝突物を保護する衝突物保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
走行中の車両がそのバンパの部位で歩行者の下半身部に衝突した際には、歩行者はその反動を受けて上半身側からエンジンフード等の車両の前部に投げ出され、再度このエンジンフードやフロントガラスに衝突することが知られており、この2次的な衝突に関する衝撃吸収を目的として各種の装置が開示されている。主な従来例としては、歩行者の衝突を検知したときにエンジンフードを上方に持ち上げる、いわゆるリフトアップ方式の装置が挙げられる。これは、比較的薄い鋼板からなるエンジンフードにより歩行者に対する衝撃を積極的に吸収するという方法であり、通常時には下方にエンジン等が近接しているため、へこみ量、つまり衝撃吸収のストローク量を確保する目的でエンジンフードをリフトアップさせるものである。
【0003】
また、他の従来例として、歩行者の衝突を検知したときにエンジンフード上にマット形状のエアバッグを展開させ、このエアバッグにより衝撃を吸収するエアバッグ方式も各種のものが開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−125605号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】
特開平8−183422号公報(第3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の装置はいずれも装置を作動させるためにインフレータを利用しているため、装置全体のコストが高くなるという問題がある。また、インフレータは1回限りの使用のため、万一誤検知により装置が作動してしまった場合には新たなインフレータに交換する必要がある。
【0006】
さらに、リフトアップ方式や前記特許文献1及び特許文献2に開示されたエアバッグ方式は、歩行者の衝撃を吸収した後に歩行者をそのままエンジンフード上に保持しておく機能に乏しく、歩行者がエンジンフードから路面に落下するというおそれもある。
【0007】
また、歩行者の衝撃を効果的に吸収するためには、十分な吸収ストローク量(リフトアップ方式にあってはエンジンフードのリフトアップ量、エアバッグ方式にあってはエアバッグの厚み)が必要である。しかし、エンジンフードのリフトアップ量やエアバッグの厚みを大きくした場合には、装置の作動時に、運転席からの前方視界がこれらエンジンフードやエアバッグによって遮られやすくなるという問題もある。
【0008】
本発明は以上のような問題を解決するために創作されたものであり、経済的であって、衝撃吸収後においても衝突物を車両上に保持可能であり、また、運転者にとって運転席からの前方視界が十分に確保される衝突物保護装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、車両の衝突を予知したときに車両前部の上面を覆うようにフードバッグを展開させる衝突物保護装置であって、前記フードバッグにエア取り入れ口を形成し、走行風を前記エア取り入れ口から流入させることにより前記フードバッグを展開させる構成とした。当該構成によれば、走行風を利用することから、従来の装置に見られるような1回限りの高精度で高価なユニット(インフレータ等)を必要とせず、簡易な構造で、極めて経済的な衝突物保護装置を構築できる。
【0010】
また、フードバッグの前部上方にアーチ状に展開し、車両の前方からの衝突物を内側に受け入れるゲートバッグと、前記ゲートバッグの後部において展開し、前記ゲートバッグの内側に受け入れた衝突物を受け止める透視性の受け止め部材と、を備える構成とすれば、受け止め部材によって歩行者等の衝突物を車両の前部の上面に保持できるので衝突物の路面への落下を防止でき、且つ、前記受け止め部材が透視性を有することから、運転者にとっては前方視界が十分に確保される。
【0011】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は作動した衝突物保護装置を示す外観斜視図である。衝突物保護装置1は、車両Mの歩行者等の衝突物への衝突を予知したときに、車両Mの前部の上面(エンジンフードH等の上面)を覆うようにエアバッグ(以降、フードバッグという)2を展開させるものである。
【0012】
車両Mの歩行者等の衝突物への衝突を予知する衝突物予知手段3としては、例えば超音波センサが適用でき、この場合、発信された超音波が所定の進行エリア内にいる歩行者に当たり、その反射波を受信することで歩行者に対する車両の衝突を予知する。予知したとき、車両Mの走行速度が所定の速度以上である場合には、衝突物保護装置1が作動してフードバッグ2を展開させる。なお、衝突物予知手段3としては、レーダや、カメラによる画像処理等を利用することも可能である。
【0013】
本発明は、前記フードバッグ2にエア取り入れ口2Aを形成し、車両が受ける走行風をこのエア取り入れ口2Aから流入させることによりフードバッグ2を膨張展開させる構成としたことを主な特徴とする。以下では、フードバッグ2の前部上方にアーチ状に展開し、車両Mの前方からの歩行者を内側に受け入れるゲートバッグ4と、このゲートバッグ4の後部において展開し、ゲートバッグ4の内側に受け入れた歩行者を受け止める透視性の受け止め部材5とを設けた場合について説明する。
【0014】
衝突物保護装置1の通常時の格納場所としては、車両Mのフロントエンド周りが好適であり、本実施形態ではフロントグリル6の内部に格納している。この他、例えばフロントバンパ7に格納することも可能であるが、フロントバンパ7のみがダメージを受けるような軽い衝突の発生を考慮した場合、フロントグリル6に格納した方が装置へのダメージを防止でき、耐軽衝突性の点で優れることとなる。
【0015】
図2はフロントグリル6内に格納された衝突物保護装置1を示す側断面説明図である。エンジンフードHの前端部とフロントバンパ7との間における車体内部には前面側が開口形成されたハウジングケース8が設けられ、このハウジングケース8の前面の開口部にはフロントグリル6を構成するグリルリッド9が取り付けられている。図ではハウジングケース8を車体のアッパービーム10に取り付けた例を示している。グリルリッド9は、ハウジングケース8の前面開口部を開閉する蓋体の機能を備え、その下側においてハウジングケース8に対して車幅方向の軸(支軸11)回りに回動可能となるように構成されている。グリルリッド9の上端にはハウジングケース8に係止可能となるトリガ9Aが形成され、前記支軸11周りには、グリルリッド9を常時開く方向に付勢するばね部材12が設けられている。
【0016】
通常時はこの図2に示すように、トリガ9Aがハウジングケース8の上面部に係止していることでグリルリッド9は閉じた状態を維持し、前記衝突物予知手段3により歩行者の存在が検知されると、その作動信号を受けてトリガ9Aが外れ、ばね部材12の付勢力によりグリルリッド9が図3に示すように支軸11回りに回動して開くように構成されている。トリガ9A周りの機構部は図では省略しているが、例えばその係脱動作として電磁ソレノイド(図示せず)等を利用することで簡易な構造を実現できる。
【0017】
フードバッグ2、ゲートバッグ4及び受け止め部材5は、例えばグリルリッド9の裏面側に取り付けられ、格納時には図2に示すように折り畳まれた状態でハウジングケース8内に収納されている。具体的には、図4に示すように、フードバッグ2がシート部13を介してグリルリッド9の裏面側に取り付けられている。本実施形態では、受け止め部材5として、後記するように保護ネット14から構成している。
【0018】
以下、衝突物保護装置1の作用について説明する。図5(a)に示すように走行中、衝突物予知手段3により所定の進行エリア内に歩行者(図5(a)では図示せず)の存在を検知すると、図2に示すトリガ9Aが外れ、ばね部材12の付勢力によりグリルリッド9が図3に示すように支軸11回りに回動して開く。グリルリッド9が前側に倒れるように開くため、グリルリッド9の裏面側に取り付けられたフードバッグ2、ゲートバッグ4及び受け止め部材5は、その上方部が開放された状態としてハウジングケース8から車外に飛び出すこととなる。
【0019】
グリルリッド9が開くのは、車両が所定の速度以上で走行しているときに限られるため、車外に飛び出したフードバッグ2、ゲートバッグ4及び受け止め部材5は、ある程度以上の走行風(ラム圧)を前方より受ける。それぞれ折り畳まれた状態のフードバッグ2、ゲートバッグ4及び受け止め部材5はこの走行風を受けて、ばらけながらエンジンフードH上に運ばれ、後記するようにエンジンフードH上において膨張展開する。
【0020】
なお、図3に仮想線で示すように、グリルリッド9の裏面側において、走行風を受けたフードバッグ2、ゲートバッグ4及び受け止め部材5をエンジンフードH上に導きやすいように誘導板9Bを設ければ、スムースな展開が可能となり、衝突物保護装置1の作動時間の短縮化が図れる。
【0021】
走行風によってエンジンフードH上に運ばれたフードバッグ2、ゲートバッグ4及び受け止め部材5は、前記したようにフードバッグ2の端部がシート部13を介してグリルリッド9の裏面に固定されているため(図4参照)、エンジンフードHの所定の上面に位置する。そして、図1に示すように、フードバッグ2にはエア取り入れ口2Aが複数形成されており、走行風がこのエア取り入れ口2Aから内部に流入することにより、フードバッグ2はエンジンフードHの上面において膨張展開する。
【0022】
走行風を効率的に流入させるためには、エア取り入れ口2Aを車両前方側に向けて形成させることが好ましい。また、本実施形態では図6に示すように、エア取り入れ口2Aとして、フードバッグ2の内部に突出し、互いに軽く閉じ合わさるように形成された一対のシート部15を設けた構成としてある。シート部15は例えば縫合等によって、フードバッグ2の表面においては互いに曲面Rを呈するような形状を有し、これにより走行風(エア)を効果的に取り入れる開口部を形成する。当該形状によれば、外部からのエアの吸入は容易であるが、シート部15の介在によりエアの排出が効果的に防止される。つまり、一対のシート部15はエアの吸入のみを許容する弁体の機能を担う。これにより、フードバッグ2の瞬時の膨張展開及び後記する歩行者衝突時のフードバッグ2の内圧保持が可能となる。
【0023】
一方、図1に示すように、ゲートバッグ4は、フードバッグ2の前部上方において、エンジンフードHの右端部と左端部にかけてアーチ状に立ち上がるように膨張展開する。このゲートバッグ4にも車両Mの前方に向けて複数のエア取り入れ口4Aが形成されている。このエア取り入れ口4Aも前記フードバッグ2のエア取り入れ口2Aと同様の構造をもって形成されている。
【0024】
ゲートバッグ4には受け止め部材5として保護ネット14が取り付けられており、ゲートバッグ4が立ち上がった際にはゲートバッグ4の後部において後方側に膨らむように展開する。本実施形態では、展開した保護ネット14の上部に透明カバー16を取り付けている(図1において、例えば太線で示した1本のネット14Aよりも上部に取り付ける)。このような透明カバー16を設ければ、透明カバー16は正面から走行風を受けることにより、フードバッグ2等を車両の後方、且つ斜め上方に引き出す作用を及ぼし、フードバッグ2の膨張展開や、特にゲートバッグの立ち上がりに関する膨張展開や保護ネット14の展開をスムースに行わせる機能を果たす。
【0025】
なお、この透明カバー16は保護ネット14の上部に設けられるので、運転席からの視界性にさほどの支障がない場合には、透視性を有さない材質により構成しても良い。
【0026】
フードバッグ2、ゲートバッグ4、保護ネット14及び透明カバー16の展開が完了した後、図5(b)に示すように車両Mが歩行者に衝突すると、歩行者はその反動を受けてエンジンフードHの上方に投げ出され、ゲートバッグ4の内側を通過して図5(c)に示すように保護ネット14により受け止められる。ここで、例えば保護ネット14とゲートバッグ4との間に、巾着袋の開閉紐のようなロープ(図示せず)を介在させ、保護ネット14が後方側に引っ張られるとゲートバッグ4のゲート形状(開口部)が次第に閉じていく構造とする。当該構造によれば、ゲートバッグ4の開口部が縮小しつつ、保護ネット14が歩行者を包み込むようにして後方に伸長していくので、歩行者の保持性能が向上することとなる。歩行者の衝突エネルギはこの保護ネット14に衝突した段階において先ず吸収される。
【0027】
この後、歩行者はフードバッグ2の上面に衝突し、フードバッグ2のクッション機能により歩行者の衝突エネルギが吸収される。前記したように、エア取り入れ口2A(図6)においてエアの排出を制限する構造としておけば、歩行者が衝突した際のフードバッグ2の内圧を維持することができ、衝突エネルギの吸収性に優れた衝突物保護装置1となる。そして、フードバッグ2によって衝突エネルギが吸収されている間、歩行者はゲートバッグ4を介して保護ネット14によりフードバッグ2上において確実に保持されるため、路面への落下という事態が防止される。
【0028】
また、運転者側においては、隙間を形成した保護ネット14が前方に張架されることとなるため、衝突物保護装置1の作動時においても運転席からの前方視界が十分に確保される。
【0029】
以上のように、フードバッグ2にエア取り入れ口2Aを形成し、走行風をエア取り入れ口2Aから流入させることによりフードバッグ2を車両の前部の上面において展開させる構成とすれば、走行風(ラム圧)を利用することから、従来の装置に見られるような1回限りの高精度で高価なユニット(インフレータ等)を必要とせず、簡易な構造で、極めて経済的な衝突物保護装置1を構築できる。また、本発明によれば、フードバッグ2は車両の走行速度が高くなるにしたがい、そのエア吸入圧も高まるので、車両の高速時における対エネルギ吸収性能が向上するという利点を有する。
【0030】
さらに、フードバッグ2の前部上方にアーチ状に展開し、車両Mの前方からの歩行者を内側に受け入れるゲートバッグ4と、このゲートバッグ4の後部において展開し、ゲートバッグ4の内側に受け入れた歩行者を受け止める透視性の受け止め部材5(保護ネット14)とを備える構成とすれば、歩行者を車両Mの前部において保持できるので、歩行者の路面への落下を防止できる。さらに、透視性の受け止め部材5により、運転者にとって前方視界が十分に確保され、万一の誤作動により装置が膨張展開した場合であっても容易に対処できる。また、歩行者に対する衝突の吸収は受け止め部材5とフードバッグ2との両部材によって行われるため、衝撃吸収性能が優れることとなる。
【0031】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、各構成要素のレイアウトや形状、個数等は、図面に記載したものに限定されず、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、走行風(ラム圧)を利用することから、従来の装置に見られるような1回限りの高精度で高価なユニット(インフレータ等)を必要とせず、簡易な構造で、極めて経済的な衝突物保護装置を構築できる。また、歩行者の路面への落下を防止でき、運転者にとっては前方視界が十分に確保される衝突物保護装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】作動した衝突物保護装置を示す外観斜視図である。
【図2】フロントグリル内に格納された衝突物保護装置を示す側断面説明図である。
【図3】グリルリッドが開いた直後の状態を示す側断面説明図である。
【図4】フードバッグが展開した状態を示す側断面説明図である。
【図5】衝突物保護装置の作用説明図である。
【図6】エア取り入れ口を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は平断面説明図である。
【符号の説明】
H エンジンフード
M 車両
1 衝突物保護装置
2 フードバッグ
2A エア取り入れ口
4 ゲートバッグ
5 受け止め部材
14 保護ネット[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a collision object protection device that protects a collision object by absorbing a shock when the vehicle collides with a collision object such as a pedestrian.
[0002]
[Prior art]
When the running vehicle collides with the lower body of the pedestrian at the bumper portion, the pedestrian receives the reaction and is thrown out from the upper body side to the front of the vehicle such as an engine hood, and again the engine hood and the hood. It is known to collide with a windshield, and various devices have been disclosed for the purpose of absorbing the impact relating to the secondary collision. As a main conventional example, there is a so-called lift-up type device that raises an engine hood upward when a pedestrian collision is detected. This is a method in which the impact on pedestrians is positively absorbed by an engine hood made of a relatively thin steel plate. Normally, since the engine or the like is close to the lower side, the dent amount, that is, the stroke amount of the impact absorption is reduced. The engine hood is lifted up for the purpose of securing.
[0003]
Further, as another conventional example, various types of airbag systems in which a mat-shaped airbag is deployed on an engine hood when a pedestrian collision is detected and an impact is absorbed by the airbag are disclosed. (See, for example, Patent Documents 1 and 2).
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-7-125605 (page 3, FIG. 1)
[Patent Document 2]
JP-A-8-183422 (page 3, FIG. 1)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, all of the above-mentioned conventional apparatuses use an inflator to operate the apparatus, and thus have a problem that the cost of the entire apparatus increases. Further, since the inflator is used only once, it is necessary to replace the inflator with a new inflator in the event that the device is activated due to an erroneous detection.
[0006]
Furthermore, the lift-up method and the airbag methods disclosed in Patent Documents 1 and 2 have a poor function of holding the pedestrian as it is on the engine hood after absorbing the impact of the pedestrian. There is also a risk of falling from the engine hood to the road surface.
[0007]
Also, in order to effectively absorb the impact of pedestrians, it is necessary to have a sufficient absorption stroke amount (the lift-up amount of the engine hood in the lift-up system, and the thickness of the airbag in the airbag system). It is. However, when the lift-up amount of the engine hood or the thickness of the airbag is increased, there is a problem that the front view from the driver's seat is easily obstructed by the engine hood and the airbag when the device is operated.
[0008]
The present invention has been made in order to solve the above problems, is economical, can hold a collision object on a vehicle even after absorbing a shock, and also, from the driver's seat for a driver. It is an object of the present invention to provide a collision object protection device that ensures a sufficient front view of the vehicle.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides a collision object protection device that deploys a food bag so as to cover an upper surface of a front portion of a vehicle when a collision of a vehicle is predicted, in which an air intake port is formed in the food bag. The configuration is such that the hood bag is deployed by flowing running wind from the air intake. According to this configuration, since the traveling wind is used, a one-time high-precision and expensive unit (such as an inflator) as in the conventional device is not required, and the structure is simple and extremely economical. A collision object protection device can be constructed.
[0010]
Further, a gate bag that is deployed in an arch shape above the front part of the food bag and receives an impacted object from the front of the vehicle inside, and a collision object that is deployed at the rear part of the gate bag and received inside the gate bag. And a transparent receiving member for receiving, the receiving member can hold a collision object such as a pedestrian on the upper surface of the front part of the vehicle, so that it is possible to prevent the collision object from falling onto the road surface, and Since the member has a see-through property, a forward view is sufficiently ensured for the driver.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is an external perspective view showing the activated collision object protection device. The collision object protection device 1 is configured to cover an upper surface of a front portion of the vehicle M (an upper surface of an engine hood H or the like) when a collision of the vehicle M with a collision object such as a pedestrian is predicted. 2).
[0012]
As the collision object prediction means 3 for predicting a collision of the vehicle M with a collision object such as a pedestrian, for example, an ultrasonic sensor can be applied. In this case, the transmitted ultrasonic wave hits a pedestrian in a predetermined traveling area. By receiving the reflected wave, it predicts the collision of the vehicle with the pedestrian. At the time of the prediction, if the traveling speed of the vehicle M is equal to or higher than a predetermined speed, the collision object protection device 1 operates to deploy the food bag 2. As the collision object predicting means 3, it is possible to use radar, image processing by a camera, or the like.
[0013]
The main feature of the present invention is that an air intake 2A is formed in the food bag 2, and the hood bag 2 is inflated and deployed by flowing a traveling wind received by a vehicle from the air intake 2A. . In the following, a gate bag 4 that expands in an arch shape above a front portion of the food bag 2 and receives a pedestrian from the front of the vehicle M inside, and a gate bag 4 that expands behind the gate bag 4 and is inside the gate bag 4 A case will be described in which a transparent receiving member 5 for receiving a received pedestrian is provided.
[0014]
The storage location of the collision object protection device 1 in a normal state is preferably around the front end of the vehicle M, and is stored inside the front grill 6 in the present embodiment. In addition, for example, it is possible to store the front bumper 7. However, in consideration of the occurrence of a light collision in which only the front bumper 7 is damaged, storing the front grill 6 in the front grill 6 prevents damage to the device. It is excellent in light collision resistance.
[0015]
FIG. 2 is an explanatory side sectional view showing the collision object protection device 1 stored in the front grill 6. A housing case 8 having an opening on the front side is provided in the vehicle body between the front end of the engine hood H and the front bumper 7, and a grill lid constituting the front grill 6 is provided in an opening on the front surface of the housing case 8. 9 is attached. FIG. 1 shows an example in which a housing case 8 is attached to an upper beam 10 of a vehicle body. The grill lid 9 has a function of a lid for opening and closing the front opening of the housing case 8, and is rotatable about an axis (support shaft 11) in the vehicle width direction with respect to the housing case 8 below the grill lid 9. Is configured. A trigger 9A is formed at the upper end of the grill lid 9 and can be locked to the housing case 8. Around the support shaft 11, a spring member 12 for urging the grill lid 9 to always open is provided.
[0016]
Normally, as shown in FIG. 2, the grill lid 9 is kept closed by the trigger 9 </ b> A being locked to the upper surface of the housing case 8. Is detected, the trigger 9A is released in response to the operation signal, and the grill lid 9 is rotated around the support shaft 11 and opened by the urging force of the spring member 12 as shown in FIG. . Although a mechanism around the trigger 9A is omitted in the drawing, a simple structure can be realized by using an electromagnetic solenoid (not shown) or the like as its engagement / disengagement operation.
[0017]
The food bag 2, the gate bag 4, and the receiving member 5 are attached to, for example, the back side of the grill lid 9, and are stored in the housing case 8 in a folded state during storage as shown in FIG. Specifically, as shown in FIG. 4, the food bag 2 is attached to the back side of the grill lid 9 via the seat portion 13. In the present embodiment, the receiving member 5 includes a protection net 14 as described later.
[0018]
Hereinafter, the operation of the collision object protection device 1 will be described. When the presence of a pedestrian (not shown in FIG. 5A) in a predetermined traveling area is detected by the collision object prediction means 3 during traveling as shown in FIG. 5A, the trigger 9A shown in FIG. As a result, the grill lid 9 is rotated around the support shaft 11 and opened by the urging force of the spring member 12 as shown in FIG. Since the grill lid 9 is opened so as to fall forward, the food bag 2, the gate bag 4 and the receiving member 5 attached to the back side of the grill lid 9 are removed from the housing case 8 to the outside of the vehicle in a state where their upper parts are opened. It will jump out.
[0019]
Since the grill lid 9 is opened only when the vehicle is traveling at a predetermined speed or higher, the hood bag 2, the gate bag 4, and the receiving member 5, which have protruded outside the vehicle, generate a certain amount of traveling wind (ram pressure). ) From the front. The food bag 2, the gate bag 4, and the receiving member 5 in the folded state respectively receive the traveling wind, are carried on the engine hood H while being separated, and inflate and deploy on the engine hood H as described later.
[0020]
In addition, as shown by a virtual line in FIG. 3, on the back side of the grill lid 9, the guide plate 9 </ b> B is provided so that the hood bag 2, the gate bag 4, and the receiving member 5 that have received the traveling wind can be easily guided onto the engine hood H. If provided, smooth deployment becomes possible, and the operation time of the collision object protection device 1 can be reduced.
[0021]
The food bag 2, the gate bag 4, and the receiving member 5 carried on the engine hood H by the traveling wind have the ends of the food bag 2 fixed to the back surface of the grill lid 9 via the seat portion 13 as described above. (See FIG. 4), it is located on a predetermined upper surface of the engine hood H. As shown in FIG. 1, a plurality of air intakes 2A are formed in the food bag 2, and when the traveling wind flows into the inside from the air intakes 2A, the food bag 2 is placed on the upper surface of the engine hood H. Expands and deploys at.
[0022]
In order to allow the traveling wind to flow in efficiently, it is preferable to form the air intake 2A toward the front side of the vehicle. In this embodiment, as shown in FIG. 6, a pair of seat portions 15 projecting into the food bag 2 and formed so as to be lightly closed to each other are provided as the air intake 2A. The seat portion 15 has a shape such that the surfaces of the food bag 2 exhibit curved surfaces R with each other by, for example, suturing or the like, thereby forming an opening for effectively taking in traveling wind (air). According to the shape, the air can be easily sucked in from the outside, but the air is effectively prevented from being discharged by the interposition of the seat portion 15. That is, the pair of seat portions 15 has a function of a valve body that allows only air suction. As a result, it is possible to instantaneously expand and deploy the food bag 2 and to maintain the internal pressure of the food bag 2 at the time of a pedestrian collision described later.
[0023]
On the other hand, as shown in FIG. 1, the gate bag 4 is inflated and deployed so as to rise up in an arch shape from the right end and the left end of the engine hood H above the front part of the food bag 2. The gate bag 4 also has a plurality of air intakes 4A formed toward the front of the vehicle M. The air intake 4A is also formed with the same structure as the air intake 2A of the food bag 2.
[0024]
A protection net 14 is attached to the gate bag 4 as the receiving member 5, and when the gate bag 4 stands up, it is deployed so as to bulge rearward at the rear of the gate bag 4. In the present embodiment, the transparent cover 16 is attached to the upper part of the developed protection net 14 (in FIG. 1, for example, it is attached above one net 14A indicated by a thick line). When such a transparent cover 16 is provided, the transparent cover 16 receives the traveling wind from the front, thereby exerting an action of pulling the food bag 2 and the like to the rear and obliquely upward of the vehicle. In particular, it functions to smoothly perform inflation and deployment related to rising of the gate bag and deployment of the protection net 14.
[0025]
Since the transparent cover 16 is provided above the protective net 14, if the visibility from the driver's seat does not significantly impair, the transparent cover 16 may be made of a material having no transparency.
[0026]
After the deployment of the food bag 2, the gate bag 4, the protection net 14, and the transparent cover 16 is completed, when the vehicle M collides with a pedestrian as shown in FIG. It is thrown out above H, passes through the inside of the gate bag 4, and is received by the protection net 14 as shown in FIG. Here, for example, a rope (not shown) such as an opening / closing string of a drawstring bag is interposed between the protection net 14 and the gate bag 4, and when the protection net 14 is pulled rearward, the gate shape of the gate bag 4 is formed. (Opening part) shall be closed gradually. According to this structure, the protection net 14 extends rearward so as to enclose the pedestrian while the opening of the gate bag 4 is reduced, so that the pedestrian holding performance is improved. The collision energy of the pedestrian is first absorbed at the stage when it collides with the protection net 14.
[0027]
Thereafter, the pedestrian collides with the upper surface of the food bag 2 and the collision energy of the pedestrian is absorbed by the cushion function of the food bag 2. As described above, if the air intake is restricted at the air intake 2A (FIG. 6), the internal pressure of the hood bag 2 when a pedestrian collides can be maintained, and the collision energy can be absorbed. An excellent collision object protection device 1 is provided. And, while the collision energy is being absorbed by the food bag 2, the pedestrian is securely held on the food bag 2 by the protection net 14 via the gate bag 4, so that a situation of falling on the road surface is prevented. .
[0028]
On the driver's side, the protection net 14 with the gap formed is stretched forward, so that the driver's seat has a sufficient front view even when the collision object protection device 1 is operated.
[0029]
As described above, if the air intake port 2A is formed in the food bag 2 and the traveling wind flows from the air intake port 2A to deploy the food bag 2 on the upper surface of the front part of the vehicle, the traveling wind ( Ram pressure), it does not require a one-time, high-precision and expensive unit (such as an inflator) as in conventional devices, has a simple structure, and is extremely economical. Can be constructed. Further, according to the present invention, as the traveling speed of the vehicle increases, the air suction pressure of the food bag 2 increases, so that there is an advantage that the energy absorption performance of the vehicle at high speeds is improved.
[0030]
Further, the gate bag 4 is deployed in an arch shape above the front part of the food bag 2 and receives a pedestrian from the front of the vehicle M inside, and is deployed at the rear part of the gate bag 4 and received inside the gate bag 4. If the configuration is provided with the transparent receiving member 5 (protective net 14) for receiving the pedestrian, the pedestrian can be held at the front part of the vehicle M, so that the pedestrian can be prevented from falling on the road surface. Further, the transparent receiving member 5 ensures a sufficient front view for the driver, and can easily cope with a case where the device is inflated and deployed due to a malfunction. In addition, since the collision of the pedestrian is absorbed by both the receiving member 5 and the food bag 2, the shock absorbing performance is excellent.
[0031]
The preferred embodiment of the present invention has been described above. However, the layout, shape, number, and the like of each component are not limited to those described in the drawings, and the present invention may be appropriately designed and modified without departing from the spirit thereof. Is possible.
[0032]
【The invention's effect】
According to the present invention, since the traveling wind (ram pressure) is used, a one-time high-precision and expensive unit (such as an inflator) as required in a conventional device is not required, and a simple structure is used. A very economical collision object protection device can be constructed. In addition, it is possible to prevent a pedestrian from falling onto the road surface, and to provide a collision object protection device that ensures a sufficient front view for the driver.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an external perspective view showing an activated collision object protection device.
FIG. 2 is an explanatory side sectional view showing a collision object protection device stored in a front grill.
FIG. 3 is an explanatory side sectional view showing a state immediately after a grill lid is opened.
FIG. 4 is an explanatory side sectional view showing a state in which the food bag is deployed.
FIG. 5 is an operation explanatory view of the collision object protection device.
FIGS. 6A and 6B are explanatory views showing an air intake port, wherein FIG. 6A is a perspective view and FIG.
[Explanation of symbols]
H engine hood M vehicle 1 collision object protection device 2 food bag 2A air intake 4 gate bag 5 receiving member 14 protection net