以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
<第1の実施例>
図1は、本発明の第1の実施例における携帯情報端末装置が適用される情報通信システムの構成の概要を表わしたものである。第1の実施例における携帯情報端末装置20は、ネットワーク21を介してコンテンツサーバ22と接続されている。携帯情報端末装置20は、複数の表示画面を備え、ネットワーク21を介して受信したデータをこれら表示画面に表示できるようになっている。ネットワーク21は、有線、無線を問わず、一般公衆網、総合サービスディジタル網(Integrated Services Digital Network:ISDN)や携帯電話網等であり、携帯情報端末装置20はその通信形態に応じて、コンテンツサーバ22との間でデータの送受信を行う。コンテンツサーバ22は、ネットワーク21内で一意に識別可能なアドレスが付与されており、文字、画像等の各種データ形式の情報からなるコンテンツデータが格納されている。
このような情報通信システムでは、コンテンツサーバ22が携帯情報端末装置20の表示先を切り換えるためのあらかじめ決められた識別コードが付加されたコンテンツデータを、ネットワーク21経由で送信し、これを受信した携帯情報端末装置20が受信したデータから識別コードを判別し、その判別結果に応じて複数備えられた表示画面の中から受信したデータの表示先を切り換えることができるようになっている。
図2は、このような表示先を切り換える第1の実施例における携帯情報端末装置の構成の概要を表わしたものである。第1の実施例における携帯情報端末装置20は、第1および第2表示部30、31と、ネットワーク21を介してコンテンツサーバ22との間でデータの送受信を行うためのアンテナ32と、アンテナ32によって受信された受信データを復調またはアンテナ32から送信する送信データを変調する無線部33とを備えている。さらにこの携帯情報端末装置20は、キースイッチによる数字や文字入力、第1および第2表示部30、31の表示情報を選択するためのカーソルの移動とその決定を行うための入力部34と、無線部33で復調された受信データや携帯情報端末装置20の各種動作の制御に必要な情報や上述した識別コードを記憶するメモリ部35と、無線部33で復調された受信データに含まれる識別コードとメモリ部35にあらかじめ記憶された識別コードとを照合する照合部36と、これら第1および第2表示部30、31、無線部33、入力部34、メモリ部35、照合部36の制御を司る制御部37とを有している。
図3は、第1の実施例における携帯情報端末装置がネットワークを介して受信するコンテンツデータの構成の一例を表わしたものである。携帯情報端末装置20は、アンテナ32により、コンテンツサーバ22によって送信された受信信号をネットワーク21経由で所定の受信単位で受信し、無線部33で復調して図3に示したコンテンツデータ40に組み立てる。このコンテンツデータ40は、第1表示部30に表示させるための表示データである第1表示部用データと、第2表示部31に表示させるための表示データである第2表示部用データとが混在しており、第2表示部用データは先頭と末尾にそれぞれあらかじめ決められた接頭コード(以下、TOPと略す。)と接尾コード(以下、BOTと略す。)が付加される。TOPおよびBOTは、メモリ部35に記憶されている。図3に示したコンテンツデータ40では、第1表示部用データ41、42は、第1表示部30で表示されるデータであることを示し、先頭にTOP43と末尾にBOT44が付加されたデータ列である第2表示部用データ45は第2表示部31で表示されるデータであることを示す。
第1の実施例における携帯情報端末装置20は、制御部37により、このようなコンテンツデータに付加された識別コードを判別しその表示先を切り換える。制御部37は、図示しない中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)を有しており、メモリ部35に記憶されたプログラムにしたがって各種制御を実行することができるようになっている。
図4は、第1の実施例における制御部による受信データの表示処理内容の概要を表わしたものである。制御部37は、上述したTOPが検出されこれに対応するBOTが未検出であるとき“1”となるフラグAを用いる。フラグAは、TOPが検出状態であることを示す。この制御部37は、ネットワーク21を介してコンテンツサーバ22からコンテンツデータを取得するのに先立って、まずこのフラグAを“0”に初期化する(ステップS50)。ここで、強制的な表示処理中止指示等の終了指示による一連の受信データの表示処理を終了しない限り(ステップS56:N)、アンテナ32から発信し、コンテンツサーバ22にアクセスして、入力部34によって指定された所望のコンテンツデータを所定の受信単位で受信する。さらに、無線部33で受信信号を復調して、図3に示したような構成のデータを取得する。制御部37は、このデータが、所定単位の取得データになったか否かを監視しており(ステップS51:N)、これを検出したとき(ステップS51:Y)、照合部36でメモリ部35にあらかじめ記憶された識別コードとしてのTOPおよびBOTを読み出して、所定単位の取得データの先頭から識別コードとの照合を開始する(ステップS52)。
まず取得データの先頭から、接尾コードであるBOTと一致するか否かを検出し(ステップS53)、これを検出したとき(ステップS53:Y)、ステップS50に戻ってフラグAを“0”に初期化する。
一方、ステップS53で取得データが、接尾コードであるBOTと一致しないと検出されたとき(ステップS53:N)、フラグAが“1”であるか否かを判別する(ステップS54)。
フラグAが“1”であると判別されたとき(ステップS54:Y)、既に接頭コードが検出されていることから、この接頭コードに続く第2表示部用データである取得データを第2表示部31に出力する(ステップS55)。続いて、ステップS56に戻って強制的な表示処理中止指示等の終了指示による表示処理の終了をチェックし(ステップS56)、処理を終了しないとき(ステップS56:N)、再び受信したデータが所定単位の取得データになったか否かを監視する。
ステップS54で、フラグAが“1”ではないと判別されたとき(ステップS54:N)、取得したデータの先頭から接頭コードであるTOPと一致するか否かを検出し(ステップS57)、これを検出したとき(ステップS57:Y)、フラグAを“1”にセットする(ステップS58)。すなわち、これ以降の接頭コードに続く第2表示部用データである取得データを、第2表示部31に表示させることになる。ステップS58でフラグAに“1”がセットされると、続いて、ステップS56に戻って強制的な表示処理中止指示等の終了指示による表示処理の終了をチェックし(ステップS56)、処理を終了しないとき(ステップS56:N)、再び受信したデータが所定単位の取得データになったか否かを監視する。
ステップS57で、取得したデータが接頭コードであるTOPと一致しないと検出されたとき(ステップS57:N)、取得したデータを第1表示部30に出力する(ステップS59)。続いて、ステップS56に戻って強制的な表示処理中止指示等の終了指示による表示処理の終了をチェックし(ステップS56)、処理を終了しないとき(ステップS56:N)、再び受信したデータが所定単位の取得データになったか否かを監視する。
以下、図4に示した第1の実施例における携帯情報端末装置20の制御部37による第1および第2表示部30、31に対する表示処理について、具体的に説明する。ここでは、図3に示したコンテンツデータを取得したものとする。
第1の実施例における携帯情報端末装置20は、まずフラグAを初期化し(図4のステップS50)、ネットワーク21を介してコンテンツサーバ22から取得要求したコンテンツデータを所定の受信単位で受信する。この受信したデータが無線部33で復調され、所定単位の取得データとして組み立てられると、制御部37は、照合部36により、メモリ部35にあらかじめ記憶されたBOTと照合させる(図4のステップS53)。この場合、取得データに識別コードは付加されず通常の受信データであることから、続いてフラグAの判別を行う(図4のステップS54)。フラグAは初期化されているため、さらにメモリ部35にあらかじめ記憶されたTOPと照合させる(図4のステップS57)。この場合、接頭コードも付加されず通常の受信データであるため、所定単位に分割された第1表示部用データ41を構成する取得データを第1表示部30に出力して第1表示部30に表示させる(図4のステップS59)。このようにして図3に示した第1表示部用データ41は、第1表示部30に表示される。その後、図4のステップS56に戻って、強制終了のチェック後、次の所定単位の取得データが組み立てられるのを監視する。以下、2番目の取得データ、3番目の取得データ、…に対して、同様に繰り返す。
接尾コードであるBOTが検出されず、フラグAが“0”と判別され(図4のステップS53、ステップS54)、やがて図3に示す取得データの接頭コードであるTOP43が、メモリ部35に記憶された接頭コードであるTOPと一致したと検出されると、フラグAを“1”にセットし(図4のステップS58)、再び次の所定単位の取得データが組み立てられるのを監視する。そして、次の取得データに対して、接尾コードであるBOTの検出を行う(図4のステップS53)。ここで、BOTが検出されないときは、通常の受信データであるとして、フラグAが“1”であることから、所定単位に分割された第2表示部用データ45を構成する取得データを第2表示部31に出力して第2表示部31に表示させる(図4のステップS55)。その後、同様に次の取得データに対して、繰り返す。これにより、図3に示す第2表示部用データ45は、第2表示部31に表示される。
やがて図3に示す取得データに付加された接尾コードであるBOT44が、メモリ部35に記憶された接尾コードであるBOTと一致したと検出されると(図4のステップS53)、フラグAを初期化して、次の所定単位の取得データが組み立てられるのを監視する。その後、接尾コードが検出されないとき、フラグAは初期化されていることから、接頭コードが検出されるまで、取得データは通常の受信データとして第1表示部30に表示される。これにより、図3に示す第1表示部用データ42は、第1表示部30に表示される。
このように第1の実施例における情報通信システムの携帯情報端末装置は、第1表示部30に表示させる表示データに、先頭と末尾があらかじめ決められた識別コードが付加された第2表示部31に表示させる表示データを挿入したコンテンツデータをコンテンツサーバ22から受信し、この識別コードを判別してその表示先を切り換えるようにした。これにより、文字と画像とが混在した情報性の高いコンテンツデータを受信した場合であっても、これら情報ごとに分離し、それぞれの表示部に表示させることができるので、利用者は文章と画像を見比べながら表示情報を把握しやすくなるとともに、逐一画面をスクロールする煩わしさを解消することができる。さらに、受信情報の種類にかかわらず、コンテンツ提供側あるいは利用者で表示させる画面を選択できるようになり、端末装置のリソースの有効活用を図ることができる。さらにまた、コンテンツ提供側にとっても、第1および第2表示部を用いて効果的な表示を行うことができ、他のコンテンツとの差異を図ることができるようになる。
<第2の実施例>
第1の実施例では、第1表示部に表示させる表示データに先頭と末尾があらかじめ決められた識別コードが付加された第2表示部に表示させる表示データそのものを挿入していた。これに対し、第2の実施例では第2表示部に表示させる表示データに代えて新たに定義した識別コードが付加されたアドレスデータを挿入させるようにしている。
第2の実施例における携帯情報端末装置の構成は、第1の実施例と同様であるので、図示および説明を省略する。
図5は、第2の実施例における携帯情報端末装置がネットワークを介して受信するコンテンツデータの構成の一例を表わしたものである。第2の実施例における携帯情報端末装置は、アンテナによりネットワークを介して所定の受信単位でデータを受信し、無線部で復調して図5に示したコンテンツデータ60に組み立てる。このコンテンツデータ60は、第1表示部に表示させるための表示データと、第2表示部に表示させるための表示データとが混在している。第2表示部用データは先頭と末尾にそれぞれあらかじめ決められた接頭コードであるTOPと接尾コードであるBOTが付加される。さらに第2の実施例におけるコンテンツデータ60は、アドレスデータ用接頭コード(以下、TOP−Aと略す。)とBOTとで挟まれるデータ列としてアドレスデータが挿入される。この第2表示部用データを挿入するための接頭コードTOPおよび接尾コードBOTと、アドレスデータ用接頭コードTOP−Aは、メモリ部に記憶される。
さらにこのアドレスデータは、あらかじめメモリ部によって記憶されたアイコンデータと対応付けられている。このアイコンデータは、表示部に表示させるための画像データである。第2の実施例における携帯情報端末装置は、このアドレスデータを受信すると、これに対応したアイコンを指定された表示部に表示する。そして、表示部に表示させたアイコンを利用者に選択させることによって、このアイコンデータと本来対応付けられている受信したアドレスデータそのものを用いてサーバに対してコンテンツデータの取得を要求する。
第2の実施例における携帯情報端末装置が受信する図5に示したコンテンツデータ60は、データ61、62は第1表示部で表示され、先頭にTOP−A63と末尾にBOT64が付加されたデータはアドレスデータ65であり、先頭にTOP66と末尾にBOT67が付加されたデータ列であるデータ68は第2表示部に表示されることを示す。
図6は、第2の実施例におけるメモリ部に記憶されたアドレスデータとアイコンデータとが対応付けられたアイコン情報の構成の概要を表わしたものである。すなわち、アイコン情報70は、あらかじめアドレスデータ71ごとに、表示部に表示させるため画像データとしてのアイコンデータ72が記憶されている。第2の実施例における携帯情報端末装置は、図5に示したようなTOP−AとBOTで挟まれたアドレスデータを受信すると、このアドレスデータに対応して図6に示したアドレス情報に記憶されているアイコンデータを読み出し、指定された表示部に表示する。
このようにして表示部に表示されたアイコンデータは、利用者によって、入力部からの指示により選択されると、第2の実施例における携帯情報端末装置は、本来このアイコンデータと対応付けられる受信したアドレスデータそのものを用い、これによって特定されるネットワーク上のサーバにアクセスする。そして、アドレスデータによって指定されたコンテンツデータを取得する。
図7は、第2の実施例におけるアドレスデータによって指定されたコンテンツデータの構成の一例を表わしたものである。アドレスデータによって指定されたコンテンツデータ75は、図5に示したコンテンツデータ60と同様に、接頭コードおよび接尾コードとしてTOP76、BOT77に挟まれた画像データ78から構成されている。このようなコンテンツデータ75は、これまで説明したように、制御部で判別され、画像データ78に対応した画像が第2の表示部に表示される。ここでは、接頭コードおよび接尾コードのTOP76、BOT77を付加しているが、これらが付加されず通常のデータとして受信した場合、第1表示部に表示される。また、データ78は、画像データに限定されるものではなく、文字等のテキストデータであっても良い。
図8および図9は、このようなアドレスデータが付加されたコンテンツデータを表示させる第2の実施例における制御部による処理内容の概要を表わしたものである。第2の実施例における制御部は、第1の実施例と同様にフラグAを用いるほか、上述したTOP−Aが検出されこれに対応するBOTが未検出であるとき“1”となるフラグBを用いる。フラグBは、TOP−Aが検出状態であることを示す。この制御部は、ネットワークを介してコンテンツサーバからコンテンツデータを取得するのに先立って、まずフラグAおよびフラグBを“0”に初期化する(ステップS80)。ここで、強制的な表示処理中止指示等の終了指示による一連の受信データの表示処理を終了しない限り(ステップS91:N)、アンテナから発信し、コンテンツサーバにアクセスして、入力部によって指定された所望のコンテンツデータを所定の受信単位で受信する。さらに、無線部で受信信号を復調して、図5に示したような構成のデータを取得する。制御部は、このデータが、所定単位の取得データになったか否かを監視しており、これを検出したとき(ステップS81:Y)、照合部でメモリ部にあらかじめ記憶された識別コードとしてのTOP、BOTおよびTOP−Aを読み出して、所定単位の取得データの先頭から識別コードとの照合を開始する(ステップS82)。
まず取得データの先頭から接尾コードであるBOTと一致するか否かを検出し(ステップS83)、これを検出したとき(ステップS83:Y)、フラグBが“1”であるか否かを判別する(ステップS85)。フラグBが“1”であると判別されたとき(ステップS85:Y)、すなわちTOP−Aが検出状態であると判別されたとき、アドレスデータの取得が完了したことになるので、図6に示したメモリ部に記憶されたアイコン情報から、取得が完了したアドレスデータに対応して記憶されたアイコンデータを読み出し、このアイコンデータに基づいてあらかじめ決められた表示部に表示する(ステップS86)。例えば、ここでは第1表示部に表示するものとする。その後、ステップS80に戻って、フラグAとフラグBを初期化する。
ステップS85で、フラグBが“1”ではないと判別されたとき(ステップS85:N)、すなわちTOP−Aが検出状態ではないとき、TOPに対応したBOTが検出されたことになるので、そのままステップS80に戻って、フラグAとフラグBを初期化する。
ステップS83で、取得データに接尾コードであるBOTと一致しないことが検出されたとき(ステップS83:N)、フラグAが“1”であるか、あるいはフラグBが“1”であるか否かを判別する(ステップS88)。フラグA、フラグBがともに“0”であると判別されたとき(ステップS88:N)、取得データの先頭から接頭コードであるTOPと一致するか否かを検出する(ステップS89)。取得データの先頭から接頭コードであるTOPと一致しないと検出されたとき(ステップS89:N)、取得データをそのまま第1表示部に出力し、第1表示部に表示させる(ステップS90)。続いて、ステップS91に戻って強制的な表示処理中止指示等の終了指示による表示処理の終了をチェックし(ステップS91)、処理を終了しないとき(ステップS91:N)、再び受信したデータが所定単位の取得データになったか否かを監視する。
ステップS89で、取得データの先頭から接頭コードであるTOPと一致したと検出されたとき(ステップS89:Y)、第2表示用接頭コードであるTOPであるか否かを判別する(ステップS92)。第2表示用接頭コードであるTOPであると判別されたとき(ステップS92:Y)、フラグAを“1”にセットする(ステップS93)。ステップS92で、第2表示用接頭コードであるTOPではないと判別されたとき(ステップS92:N)、フラグBを“1”にセットする(ステップS94)。ステップS93あるいはステップS94でフラグAあるいはフラグBにセットが行われると、続いて、ステップS91に戻って強制的な表示処理中止指示等の終了指示による表示処理の終了をチェックし(ステップS91)、処理を終了しないとき(ステップS91:N)、再び受信したデータが所定単位の取得データになったか否かを監視する。
ステップS88で、フラグAまたはフラグBのうち少なくとも一方が“1”であると判別されたとき(ステップS88:Y)、フラグAが“1”のとき(ステップS95:Y)、取得データを第2表示部に出力し、第2表示部に表示させる(ステップS96)。一方、ステップS95でフラグAが“1”ではないとき(ステップS95:N)、取得データはアドレスデータであることから、これをメモリ部に格納する(ステップS97)。ステップS96あるいはステップS97に続いて、ステップS91に戻って強制的な表示処理中止指示等の終了指示による表示処理の終了をチェックし(ステップS91)、処理を終了しないとき(ステップS91:N)、再び受信したデータが所定単位の取得データになったか否かを監視する。
第2の実施例における制御部は、さらにステップS81で所定単位の取得データを取得していないとき(ステップS81:N)、ステップS86で表示部に表示されたアイコンを入力部を介して選択させる(ステップS98)。ここで、入力部によるキー操作でステップS86で表示部に表示されたアイコンが選択されたとき(ステップS98:Y)、リンクデータを送信して(ステップS99)、アイコンデータに対応付けられたアドレスデータによって特定されるコンテンツサーバのコンテンツデータの取得要求を行う。ステップS98でアイコンが選択されないとき(ステップS98:N)、あるいはステップS99によるリンクデータの送信後、ステップS91に戻って、戻って強制的な表示処理中止指示等の終了指示による表示処理の終了をチェックし(ステップS91)、処理を終了しないとき(ステップS91:N)、再び受信したデータが所定単位の取得データになったか否かを監視する。
以下、図8および図9に示した第2の実施例における携帯情報端末装置の制御部による第1および第2表示部に対する表示処理について、具体的に説明する。ここでは、図5に示したコンテンツデータを取得したものとする。
第2の実施例における携帯情報端末装置は、まずフラグAおよびフラグBを初期化し(図8のステップS80)、ネットワークを介してコンテンツサーバから、取得要求したコンテンツデータを所定の受信単位で受信する。この受信したデータが無線部で復調され、所定単位の取得データとして組み立てられると、制御部は、照合部により、メモリ部にあらかじめ記憶されたBOTと照合させる(図8のステップS82)。この場合、取得データに識別コードは付加されず通常の受信データであることから、続いてフラグAおよびフラグBの判別を行う(図9のステップS88)。フラグAおよびフラグBは初期化されているため、さらにメモリ部にあらかじめ記憶されたTOPあるいはTOP−Aと照合させる(図9のステップS89)。この場合、接頭コードも、通常の受信データであるため、第1表示部に出力して取得データを第1表示部に表示させる(図9のステップS90)。このようにして図5に示したデータ61は、第1表示部に表示される。その後、図8のステップS91に戻って、強制終了のチェック後、次の所定単位の取得データが組み立てられるのを監視する。以下、2番目の取得データ、3番目の取得データ、…に対して、同様に繰り返す。
接尾コードであるBOTが検出されず、フラグAおよびフラグBが“0”と判別され(図8のステップS83、図9のステップS88)、やがて図5に示す取得データの先頭であるTOP−A63が、メモリ部に記憶された接頭コードであるTOPあるいはTOP−Aと一致したと検出されると、TOP−Aと一致したことによりフラグBを“1”にセットする(図9のステップS94)。その後、再び次の所定単位の取得データが組み立てられるのを監視する。
そして、次の取得データに対して、接尾コードであるBOTの検出を行う(図8のステップS83)。ここで、BOTが検出されないときは、通常の受信データであるとして、フラグAが“0”なので、取得データはアドレスデータであると判断しこれをメモリ部に格納する(図9のステップS97)。その後、同様に次の取得データに対して、繰り返す。これにより、図5に示すアドレスデータ65がメモリ部に格納される。このアドレスデータ65の格納は、BOTが検出されるまで行われ、これが検出されると、フラグBは“1”にセットされているため、アドレスデータ65に対応付けて図6に示したアイコン情報に記憶されたアイコンデータを読み出し、第1表示部にアドレスデータ65に対応したアイコンを表示させる(図8のステップS86)。その後、ステップS80に戻って、フラグAおよびフラグBを初期化する。
その後、取得データのTOP66がメモリ部に記憶された接頭コードであるTOPと一致したと検出されると、フラグAは“1”にセットされる(図9のステップS93)。この場合は、第1の実施例と同様に第2表示部に表示させることになるので、説明を省略する。
第2の実施例における携帯情報端末装置では、さらに図8のステップS86で表示部に表示させたアドレスデータに対応付けられたアイコンを入力部で選択させることによって、アドレスデータによって特定されるコンテンツサーバ上のコンテンツデータの取得要求を行い、これをネットワーク経由で受信し、その受信データに対応して、さらにいずれかの表示部に表示させることができるようになっている。
すなわち、図8のステップS81で、データの取り込みが終了したとき等所定単位のデータ取得が行われないとき、入力部のキースイッチを操作して表示画面上のカーソルを表示部に表示されたアイコンの上まで移動させることでアイコンを選択すると(図8のステップS98)、メモリ部における図6に示したアイコン情報に記憶されたアイコンとリンクされたアドレスデータが読み出され、無線部で変調された後、アンテナよりコンテンツサーバに対して送信される(図8のステップS99)。
コンテンツサーバは、この受信したアドレスデータにしたがって、あらかじめ各種格納しているコンテンツデータの中から対応するコンテンツデータを取り出し、これをアドレスデータの送信元である第2の実施例における携帯情報端末装置に対して送信する。
この携帯情報端末装置は、再び所定単位のデータが取得されるたびに、識別コードを判別して、その識別結果に応じた表示部に表示させる。例えば、図7に示したようなコンテンツデータ75が受信され、所定単位のデータが取得されると、接頭コードであるTOP76を判別し、第2表示部に画像データ78に対応した画像を表示させる。
図10は、このような第2の実施例における情報通信システムにおける携帯情報端末装置の動作シーケンスの一例を表わしたものである。第2の実施例における携帯情報端末は、ネットワークを介してコンテンツサーバから所定の送信単位で送信されたコンテンツデータ100を受信すると、所定単位の取得データに組み立てて、上述した識別コードの検出を行う。その結果、アドレスデータが検出されたとき(検出101)、アドレスデータに対応したアイコンを表示し、利用者からのアイコン選択を受け付ける。その後、利用者によってアイコンが選択されると(選択102)、メモリ部に記憶されたアイコン情報からアイコンデータに対応して記憶されたアドレスデータによって特定されるコンテンツサーバ上のコンテンツデータの取得要求103を送信する。
コンテンツサーバは、この受信したアドレスデータにしたがって、あらかじめ各種格納しているコンテンツデータの中から対応するコンテンツデータを取り出し、例えば図7に示した構成の画像データ104を携帯情報端末装置に対して送信する。
画像データ104を受信した携帯情報端末装置は、再び所定単位の取得データに組み立てて、上述した識別コードの検出を行う。その結果、接頭コードであるTOPが検出されると(検出105)、取得した画像データを第2表示部に表示させる(表示106)。
このように第2の実施例における情報通信システムの携帯情報端末装置は、第1の実施例における携帯情報端末装置に対して、さらにアドレスデータ用接頭コードを設け、アドレスデータ用接頭コードと接尾コードとに挟まれたデータ列としてコンテンツサーバ上のデータを別個に取得するのに必要なアドレスデータを挿入させるようにした。そして、アドレスデータを取得した後は、表示部にあらかじめアドレスデータに対応付けられたアイコンを表示させ、利用者からの指示があったときにはじめてコンテンツサーバに対して取得要求を行うようにした。これにより、第1の実施例における携帯情報端末装置の効果に加えて、受信すべきデータ量の大幅削減を図るとともに、表示部に表示させる情報量を削減することができ、利用者にとって情報の把握を容易にする。さらにまた、必要な情報のみをアクセスでき、取得した情報を複数画面の中から選択的に表示させることができる。
なお第1および第2の実施例では、2つの識別コードに挟まれたデータ列を表示用データに挿入させるようにしていたが、これに限定されるものではない。ただ、2つの識別コードに挟まれたデータ列は、データ通信の際、効率的に帯域を使用することができる。例えば、挿入されたデータ列の先頭に、識別するためのコードとそれに後続して挿入されたデータ長とからなる識別コードのみを付加すれば、先頭のみを識別するだけでよい。また、挿入されたデータ列の先頭に識別するためのコードのみを付加し、あらかじめ決められたデータ長単位で表示先を切り換えるようにすれば、その識別処理の負担を軽減することができる。
なおまた第2の実施例では、ステップS86でアイコンを第1表示部に表示させるようにしていたがこれに限定されるものではない。例えば、コンテンツデータの取得に先立って、利用者が複数備えられた表示部のうち1つを選択し、この選択した表示部にアイコンを表示させるようにしても良い。
なおさらに第2の実施例では、複数備えられた表示部のいずれかにアイコンを表示させるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、入力部のキースイッチのいずれかに割り当て、これを表示部で利用者に通知する一方、利用者がワンタッチでアイコンにリンクされたアドレスデータによって特定されるコンテンツサーバ上のコンテンツを取得することができるようにしても良い。
なおさらにまた第1および第2の実施例では、コンテンツデータの取得について説明したが、これに限定されるものではない。