JP2004172449A - モノリシックマイクロ波集積回路パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】フリップチップ実装したMMICパッケージにおいて、それぞれのMMICごとにカバーを施して実装することなく、部品点数が少なく、安価なコンバータモジュールを提供する。
【解決手段】下面に電源IC14を実装した樹脂基板1に各MMIC2〜4をフリップチップ実装し、その基板全体を気密封止可能な金属ケース12に実装することで、各MMICのパッケージが不要となり、部品点数が削減でき、組立工程数が少なく、動作試験工程も少なくすることができるため低価格化が可能なMMICパッケージを得る。
【選択図】 図1
【解決手段】下面に電源IC14を実装した樹脂基板1に各MMIC2〜4をフリップチップ実装し、その基板全体を気密封止可能な金属ケース12に実装することで、各MMICのパッケージが不要となり、部品点数が削減でき、組立工程数が少なく、動作試験工程も少なくすることができるため低価格化が可能なMMICパッケージを得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯およびミリ波帯の送信機、受信機等に用いられるモノリシックマイクロ波集積回路(以下、MMICと呼ぶ)パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のフリップチップ実装したMMICパッケージは例えば特許文献1の図1のように、各MMICごとに導電性のカバーが施され、このカバーが施されたMMICパッケージごと基板に実装される構成となっている。カバーは温度変化などによる結露等からMMICを保護するために設けられるものである。例えば、コンバータモジュールなどの場合、カバーが施されたMMICを複数個有し、さらにその他、当該複数のMMICの実装される基板とは別の基板に実装された電源回路IC(当該ICにもカバーが施される)などを使用する必要がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−214578号公報(図1)
【特許文献2】
特開2001−267487号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような、MMICパッケージでは、それぞれのMMICごとにカバーを施して実装するため、部品点数が多くなり、コンバータモジュールが高価になるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明に係るMMICパッケージは、複層構造を有し、上面および下面に複数のモノリシックマイクロ波集積回路をフリップチップ実装し、当該実装した複数のモノリシックマイクロ波集積回路間を前記上面および下面に設けられた導体線路、内層に設けられた内層線路、およびスルーホールによって接続されることにより所定の機能を有するモジュールを形成した樹脂基板と、外面に外部と前記樹脂基板上に形成されたモジュールとの接続を行うインターフェース部を有し、前記樹脂基板全体を気密封止する金属ケースとを備えるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1について説明する。本発明は基板全体を金属ケースおよびカバーで保護することで、基板上のMMICごとにカバーで保護する必要がなく、部品点数を削減し低コスト化に資するMMICパッケージを得るものである。図1は本発明の実施の形態1に係るMMICパッケージの構成を表すブロック図である。図1(a)はMMICパッケージの内部を表す斜視図、図1(b)はMMICが実装された樹脂基板の下面図、図2(a)は樹脂基板のA−A’線上での断面図、図2(b)は樹脂基板のB−B’線上の断面図である。
【0007】
以下、本発明のMMICパッケージの構成について説明する。本実施の形態1では例えば、外部のアンテナから入力されるRF(無線周波数)信号をIF(中間周波数)信号に周波数変換するコンバータモジュールを1基板上で実現する場合について説明する。図1(b)に示したように、本実施の形態1に係るコンバータモジュールを実装する樹脂基板1は下面に電源IC14を実装され、その表面には図1(a)で示したように、基板表面にIF増幅器MMIC2、ミキサMMIC3、RF増幅器MMIC4はフリップチップ実装される。そして、樹脂基板1は金属ケース12と金属カバー13を半田で気密封止されて実装される。
【0008】
この樹脂基板1は、図2(a)、(b)で示したように例えば1a〜1cの3層で構成されている。樹脂基板1の上面に実装された各MMIC2〜4は高周波信号伝送線路7〜9で接続されており、また、樹脂基板1内層には内層グランド線路21や、電源供給ビアホール16、グランド用ビアホール19が設けられ、これらによってコンバータモジュールが形成されている。さらに、樹脂基板1の下面には電源IC14が実装されており、電源伝送線路15、電源供給用ビアホール16を介して上面の各MMICに電源を供給する構成となっている。本実施の形態1においては樹脂基板1が3層でされている例を示したが、その数は任意であり、また、各々の層の厚みも任意である。さらに、フリップチップ実装される各MMICの数も任意である。
【0009】
一方、金属ケース12には、外部インターフェースとして、IFインターフェースコネクタ10、RFインターフェースコネクタ11、電源端子17を備えている。金属ケース12と金属カバー13は、導電性接着剤あるいは半田により気密封止可能な構造となっている。また、電源端子17の数は任意である。
【0010】
このようにコンバータモジュールを構成した基板を、基板ごと金属ケース12と金属カバー13によって気密封止を行うことにより各MMICごとにカバーで覆うのと比べて部品点数が削減できる。また、それに伴い、各パッケージごとにカバーで封止する工程が不要となり、基板全体を金属ケース12および金属カバー13で1回気密封止するだけでよいので、組立工程が削減できる。さらに、従来必要であった金属カバーが施された状態で行われる各MMICの動作試験も不要となり、金属ケース12および金属カバー13で気密封止された後のモジュールの動作試験を行うだけでよいので、動作試験工程も削減できる。そのため、信頼性が高く、かつ低コスト化が可能なMMICパッケージを得ることができる。
【0011】
なお、金属カバー13は各MMICの下面が、平板状金属パターンが形成されたグランド面となっている場合には、当該下面と金属カバー13とを導電性接着剤により一体化してもよい。一方、各MMICの下面に特にグランド面が形成されないコプレナータイプの場合には、一体化する必要はない。
【0012】
電源端子17から入力された電源電圧は、先ず樹脂基板1の下面にある電源伝送線路15に供給され、電源IC14(電源IC14は例えばDC/DCコンバータ)、電源伝送線路15を伝送し、図2(b)で示したように電源供給用ビアホール16を経由して、樹脂基板1の表面の電源伝送線路15へと伝送され、そこから電源伝送用金バンプ23を介してIF増幅器MMIC2へと供給される。RF増幅器MMIC4への電圧供給も同様な経路により実施される。電源IC14の数は任意である。
【0013】
ここで、電源ラインの寄生インピーダンスを低く抑えるためのコンデンサ(例えば、特許文献1の図1に記載された複合コンデンサ基板)は、本発明に用いる樹脂基板1は多層基板であることから、内層基板1a、1b、1cのいずれかの基板上に形成することも可能である。
【0014】
IFインターフェースコネクタ10から入力されたIF信号は、IF信号伝送線路7を伝送し、IF増幅器MMIC2に入力され信号を増幅し、フィルタなどの受動回路6を通過し、ミキサMMIC3に入力される。このIC信号は、ローカル信号伝送線路8を伝送してきた、樹脂基板1に実装されたローカル信号発振器IC5から発振されたローカル信号とミキサMMIC3にてミキシングされ、RF信号を生成する。また、このRF信号は、RF信号伝送線路9を伝送し、RF増幅器MMIC4に入力され信号を増幅し、RFインターフェースコネクタ11から出力される。各MMIC2〜4からの高周波信号伝送線路7〜9への信号の入出力は、高周波信号伝送用金バンプ22を介して伝送される。高周波信号の伝送は、アップコンバータモジュールとしては、このような流れとなるが、ダウンコンバータモジュールとしては、RFインターフェースコネクタ11から入力され、ミキサMMIC3に入力されたRF信号と、ローカル信号発振器IC5から発振されたローカル信号がミキシングされIF信号を生成し、IFインターフェースコネクタ10から出力されるという流れとなる。
【0015】
高周波信号伝送線路7〜9は、1層目樹脂基板1aと、1層目樹脂基板1aと2層目樹脂基板1bとの間にある内層グランド線路21によりマイクロストリップ線路として機能している。高周波信号伝送線路7〜9と内層グランド線路21の間にある樹脂基板の層数は任意である。図2(b)に示したように、内層グランド線路21は、グランド用ビアホール19を経由して、樹脂基板1の下面のグランド線路18へと繋がっている。グランド線路18は、グランド端子20へと接続されている。
【0016】
フィルタの他、合成回路、分配回路、結合回路等の受動回路は図5のように多層基板内部の3層目樹脂基板1c上に内層受動回路6aとして設けた構成としてもよい。また、3層目樹脂基板1c上に限られず、樹脂基板1の内層であれば2層目樹脂基板1b上であってもよく、このように構成することで回路配置の自由度を向上させることができる。
【0017】
各MMIC2〜4を樹脂基板1表面にフリップチップ実装する場合、金属ケース12および金属カバー13で気密封止されるため衝撃や温度膨張などに対しても抑制できる。そのため樹脂封止を行う必要がなく、樹脂封止の際に樹脂がMMICの回路面に接触することがなく、樹脂封止による特性劣化といった問題もない。
【0018】
なお、ローカル信号発振器IC5は本実施の形態1の基板上に必ずしも実装する必要はなく、外部回路として構成し樹脂基板1の表面積を縮小するようにしてもよい。
【0019】
このように本実施の形態では、下面に電源IC14を実装した樹脂基板1に各MMIC2〜4をフリップチップ実装し、その基板全体を気密封止可能な金属ケース12に実装することで、各MMICのパッケージが不要となり、部品点数が削減でき、組立工程数が少なく、動作試験工程も少なくすることができるため低価格化が可能なMMICパッケージを得る。
【0020】
その他、図3に示したように、図1におけるRFインタフェースコネクタ11の代わりにRFインターフェース導波管24を備える構成であってもよい。図3はRFインターフェース導波管24を備えた本発明に係るコンバータモジュールの斜視図、また図4は樹脂基板1内部のRFインターフェース導波管24を含んだ断面図である。図3(a)と図1(a)とを比べるとRFインターフェースコネクタ11が無くなり、代わりに金属ケース12の下面に図3(b)に示したようなRFインターフェース導波管24が設けられている。RFインターフェース導波管24は図4に示したように、グランド用ビアホール19によって4方向の壁面が形成された擬似的な導波管であり、導波管の終端、即ち樹脂基板1上面に存在するRF信号伝送線路9aにより樹脂基板1上のMMICと接続されることとなる。従って、外部からのRF信号はRFインターフェース導波管24内部を通って伝播し、終端のRF信号伝送線路9aを介してMMICへ入力され、また、逆にMMICからの信号はRF信号伝送線路9aにおいて伝播モードが変換されRFインタフェース導波管24を通して外部へと伝播していく。
【0021】
このようにRFインターフェース導波管24を備えることにより、導波管モードのカットオフ周波数があるため、導波管の通過帯域以外、つまり低周波帯および高周波帯の不要波が除去できる。また、RFインターフェースコネクタ11が不要となり、部品点数が削減できるため、MMICパッケージの低廉化ができることを特徴とする。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明におけるMMICパッケージでは、所定の機能を有するモジュールを構成する複数のMMICを実装した樹脂基板と、樹脂基板全体を外部とのインターフェースを有した金属ケースにより気密封止したため、個々のMMICをそれぞれ金属カバーで封止する場合と比べて、部品点数が削減でき、組立工程数が少なく、動作試験工程も少なくすることができるため低価格化が可能なMMICパッケージを得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るMMICパッケージの構成を表す図である。(a)MMICパッケージの斜視図、(b)樹脂基板1の下面図である。
【図2】(a)は樹脂基板1のA−A’線上での断面図、(b)は樹脂基板1のB−B’線上の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るRFインターフェース導波管を備えたMMICパッケージの構成を表す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るRFインターフェース導波管を備えたMMICパッケージの断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る内層受動回路を備えたMMICパッケージの断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂基板、 1a 1層目樹脂基板、 1b 2層目樹脂基板、
1c 3層目樹脂基板、 2 IF増幅器MMIC、
3 ミキサMMIC、 4 RF増幅器MMIC、
5 ローカル信号発振器IC、 6 受動回路、 6a 内層受動回路、
7 IF信号伝送回路、 8 ローカル信号伝送線路、
9 RF信号伝送線路、 9a 導波管上に位置するRF信号伝送線路、
10 IFインターフェースコネクタ、
11 RFインターフェースコネクタ、 12 金属ケース、
13 金属カバー、 14 電源IC、 15 電源伝送線路、
16 電源供給用ビアホール、 17 電源端子、 18 グランド線路、19 グランド用ビアホール、 20 グランド端子、
21 内層グランド線路、 22 高周波信号伝送用金バンプ、
23 電源伝送用金バンプ、 24 RFインターフェース導波管。
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯およびミリ波帯の送信機、受信機等に用いられるモノリシックマイクロ波集積回路(以下、MMICと呼ぶ)パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のフリップチップ実装したMMICパッケージは例えば特許文献1の図1のように、各MMICごとに導電性のカバーが施され、このカバーが施されたMMICパッケージごと基板に実装される構成となっている。カバーは温度変化などによる結露等からMMICを保護するために設けられるものである。例えば、コンバータモジュールなどの場合、カバーが施されたMMICを複数個有し、さらにその他、当該複数のMMICの実装される基板とは別の基板に実装された電源回路IC(当該ICにもカバーが施される)などを使用する必要がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−214578号公報(図1)
【特許文献2】
特開2001−267487号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような、MMICパッケージでは、それぞれのMMICごとにカバーを施して実装するため、部品点数が多くなり、コンバータモジュールが高価になるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明に係るMMICパッケージは、複層構造を有し、上面および下面に複数のモノリシックマイクロ波集積回路をフリップチップ実装し、当該実装した複数のモノリシックマイクロ波集積回路間を前記上面および下面に設けられた導体線路、内層に設けられた内層線路、およびスルーホールによって接続されることにより所定の機能を有するモジュールを形成した樹脂基板と、外面に外部と前記樹脂基板上に形成されたモジュールとの接続を行うインターフェース部を有し、前記樹脂基板全体を気密封止する金属ケースとを備えるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1について説明する。本発明は基板全体を金属ケースおよびカバーで保護することで、基板上のMMICごとにカバーで保護する必要がなく、部品点数を削減し低コスト化に資するMMICパッケージを得るものである。図1は本発明の実施の形態1に係るMMICパッケージの構成を表すブロック図である。図1(a)はMMICパッケージの内部を表す斜視図、図1(b)はMMICが実装された樹脂基板の下面図、図2(a)は樹脂基板のA−A’線上での断面図、図2(b)は樹脂基板のB−B’線上の断面図である。
【0007】
以下、本発明のMMICパッケージの構成について説明する。本実施の形態1では例えば、外部のアンテナから入力されるRF(無線周波数)信号をIF(中間周波数)信号に周波数変換するコンバータモジュールを1基板上で実現する場合について説明する。図1(b)に示したように、本実施の形態1に係るコンバータモジュールを実装する樹脂基板1は下面に電源IC14を実装され、その表面には図1(a)で示したように、基板表面にIF増幅器MMIC2、ミキサMMIC3、RF増幅器MMIC4はフリップチップ実装される。そして、樹脂基板1は金属ケース12と金属カバー13を半田で気密封止されて実装される。
【0008】
この樹脂基板1は、図2(a)、(b)で示したように例えば1a〜1cの3層で構成されている。樹脂基板1の上面に実装された各MMIC2〜4は高周波信号伝送線路7〜9で接続されており、また、樹脂基板1内層には内層グランド線路21や、電源供給ビアホール16、グランド用ビアホール19が設けられ、これらによってコンバータモジュールが形成されている。さらに、樹脂基板1の下面には電源IC14が実装されており、電源伝送線路15、電源供給用ビアホール16を介して上面の各MMICに電源を供給する構成となっている。本実施の形態1においては樹脂基板1が3層でされている例を示したが、その数は任意であり、また、各々の層の厚みも任意である。さらに、フリップチップ実装される各MMICの数も任意である。
【0009】
一方、金属ケース12には、外部インターフェースとして、IFインターフェースコネクタ10、RFインターフェースコネクタ11、電源端子17を備えている。金属ケース12と金属カバー13は、導電性接着剤あるいは半田により気密封止可能な構造となっている。また、電源端子17の数は任意である。
【0010】
このようにコンバータモジュールを構成した基板を、基板ごと金属ケース12と金属カバー13によって気密封止を行うことにより各MMICごとにカバーで覆うのと比べて部品点数が削減できる。また、それに伴い、各パッケージごとにカバーで封止する工程が不要となり、基板全体を金属ケース12および金属カバー13で1回気密封止するだけでよいので、組立工程が削減できる。さらに、従来必要であった金属カバーが施された状態で行われる各MMICの動作試験も不要となり、金属ケース12および金属カバー13で気密封止された後のモジュールの動作試験を行うだけでよいので、動作試験工程も削減できる。そのため、信頼性が高く、かつ低コスト化が可能なMMICパッケージを得ることができる。
【0011】
なお、金属カバー13は各MMICの下面が、平板状金属パターンが形成されたグランド面となっている場合には、当該下面と金属カバー13とを導電性接着剤により一体化してもよい。一方、各MMICの下面に特にグランド面が形成されないコプレナータイプの場合には、一体化する必要はない。
【0012】
電源端子17から入力された電源電圧は、先ず樹脂基板1の下面にある電源伝送線路15に供給され、電源IC14(電源IC14は例えばDC/DCコンバータ)、電源伝送線路15を伝送し、図2(b)で示したように電源供給用ビアホール16を経由して、樹脂基板1の表面の電源伝送線路15へと伝送され、そこから電源伝送用金バンプ23を介してIF増幅器MMIC2へと供給される。RF増幅器MMIC4への電圧供給も同様な経路により実施される。電源IC14の数は任意である。
【0013】
ここで、電源ラインの寄生インピーダンスを低く抑えるためのコンデンサ(例えば、特許文献1の図1に記載された複合コンデンサ基板)は、本発明に用いる樹脂基板1は多層基板であることから、内層基板1a、1b、1cのいずれかの基板上に形成することも可能である。
【0014】
IFインターフェースコネクタ10から入力されたIF信号は、IF信号伝送線路7を伝送し、IF増幅器MMIC2に入力され信号を増幅し、フィルタなどの受動回路6を通過し、ミキサMMIC3に入力される。このIC信号は、ローカル信号伝送線路8を伝送してきた、樹脂基板1に実装されたローカル信号発振器IC5から発振されたローカル信号とミキサMMIC3にてミキシングされ、RF信号を生成する。また、このRF信号は、RF信号伝送線路9を伝送し、RF増幅器MMIC4に入力され信号を増幅し、RFインターフェースコネクタ11から出力される。各MMIC2〜4からの高周波信号伝送線路7〜9への信号の入出力は、高周波信号伝送用金バンプ22を介して伝送される。高周波信号の伝送は、アップコンバータモジュールとしては、このような流れとなるが、ダウンコンバータモジュールとしては、RFインターフェースコネクタ11から入力され、ミキサMMIC3に入力されたRF信号と、ローカル信号発振器IC5から発振されたローカル信号がミキシングされIF信号を生成し、IFインターフェースコネクタ10から出力されるという流れとなる。
【0015】
高周波信号伝送線路7〜9は、1層目樹脂基板1aと、1層目樹脂基板1aと2層目樹脂基板1bとの間にある内層グランド線路21によりマイクロストリップ線路として機能している。高周波信号伝送線路7〜9と内層グランド線路21の間にある樹脂基板の層数は任意である。図2(b)に示したように、内層グランド線路21は、グランド用ビアホール19を経由して、樹脂基板1の下面のグランド線路18へと繋がっている。グランド線路18は、グランド端子20へと接続されている。
【0016】
フィルタの他、合成回路、分配回路、結合回路等の受動回路は図5のように多層基板内部の3層目樹脂基板1c上に内層受動回路6aとして設けた構成としてもよい。また、3層目樹脂基板1c上に限られず、樹脂基板1の内層であれば2層目樹脂基板1b上であってもよく、このように構成することで回路配置の自由度を向上させることができる。
【0017】
各MMIC2〜4を樹脂基板1表面にフリップチップ実装する場合、金属ケース12および金属カバー13で気密封止されるため衝撃や温度膨張などに対しても抑制できる。そのため樹脂封止を行う必要がなく、樹脂封止の際に樹脂がMMICの回路面に接触することがなく、樹脂封止による特性劣化といった問題もない。
【0018】
なお、ローカル信号発振器IC5は本実施の形態1の基板上に必ずしも実装する必要はなく、外部回路として構成し樹脂基板1の表面積を縮小するようにしてもよい。
【0019】
このように本実施の形態では、下面に電源IC14を実装した樹脂基板1に各MMIC2〜4をフリップチップ実装し、その基板全体を気密封止可能な金属ケース12に実装することで、各MMICのパッケージが不要となり、部品点数が削減でき、組立工程数が少なく、動作試験工程も少なくすることができるため低価格化が可能なMMICパッケージを得る。
【0020】
その他、図3に示したように、図1におけるRFインタフェースコネクタ11の代わりにRFインターフェース導波管24を備える構成であってもよい。図3はRFインターフェース導波管24を備えた本発明に係るコンバータモジュールの斜視図、また図4は樹脂基板1内部のRFインターフェース導波管24を含んだ断面図である。図3(a)と図1(a)とを比べるとRFインターフェースコネクタ11が無くなり、代わりに金属ケース12の下面に図3(b)に示したようなRFインターフェース導波管24が設けられている。RFインターフェース導波管24は図4に示したように、グランド用ビアホール19によって4方向の壁面が形成された擬似的な導波管であり、導波管の終端、即ち樹脂基板1上面に存在するRF信号伝送線路9aにより樹脂基板1上のMMICと接続されることとなる。従って、外部からのRF信号はRFインターフェース導波管24内部を通って伝播し、終端のRF信号伝送線路9aを介してMMICへ入力され、また、逆にMMICからの信号はRF信号伝送線路9aにおいて伝播モードが変換されRFインタフェース導波管24を通して外部へと伝播していく。
【0021】
このようにRFインターフェース導波管24を備えることにより、導波管モードのカットオフ周波数があるため、導波管の通過帯域以外、つまり低周波帯および高周波帯の不要波が除去できる。また、RFインターフェースコネクタ11が不要となり、部品点数が削減できるため、MMICパッケージの低廉化ができることを特徴とする。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明におけるMMICパッケージでは、所定の機能を有するモジュールを構成する複数のMMICを実装した樹脂基板と、樹脂基板全体を外部とのインターフェースを有した金属ケースにより気密封止したため、個々のMMICをそれぞれ金属カバーで封止する場合と比べて、部品点数が削減でき、組立工程数が少なく、動作試験工程も少なくすることができるため低価格化が可能なMMICパッケージを得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るMMICパッケージの構成を表す図である。(a)MMICパッケージの斜視図、(b)樹脂基板1の下面図である。
【図2】(a)は樹脂基板1のA−A’線上での断面図、(b)は樹脂基板1のB−B’線上の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るRFインターフェース導波管を備えたMMICパッケージの構成を表す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るRFインターフェース導波管を備えたMMICパッケージの断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る内層受動回路を備えたMMICパッケージの断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂基板、 1a 1層目樹脂基板、 1b 2層目樹脂基板、
1c 3層目樹脂基板、 2 IF増幅器MMIC、
3 ミキサMMIC、 4 RF増幅器MMIC、
5 ローカル信号発振器IC、 6 受動回路、 6a 内層受動回路、
7 IF信号伝送回路、 8 ローカル信号伝送線路、
9 RF信号伝送線路、 9a 導波管上に位置するRF信号伝送線路、
10 IFインターフェースコネクタ、
11 RFインターフェースコネクタ、 12 金属ケース、
13 金属カバー、 14 電源IC、 15 電源伝送線路、
16 電源供給用ビアホール、 17 電源端子、 18 グランド線路、19 グランド用ビアホール、 20 グランド端子、
21 内層グランド線路、 22 高周波信号伝送用金バンプ、
23 電源伝送用金バンプ、 24 RFインターフェース導波管。
Claims (4)
- 複層構造を有し、上面および下面に複数のモノリシックマイクロ波集積回路をフリップチップ実装し、当該実装した複数のモノリシックマイクロ波集積回路間を前記上面および下面に設けられた導体線路、内層に設けられた内層線路、およびスルーホールによって接続することにより所定の機能を有するモジュールを形成した樹脂基板と、
外面に外部と前記樹脂基板上に形成されたモジュールとの接続を行うインターフェース部を有し、前記樹脂基板全体を気密封止する金属ケースとを備えることを特徴とするモノリシックマイクロ波集積回路パッケージ。 - 前記モジュールは、無線周波波信号を中間周波数信号に変換する、または、中間周波数信号を無線周波数信号に変換するコンバータモジュールであって、前記金属ケースが有するインターフェース部は、中間周波数信号を入力または出力する中間周波数インターフェース部と、無線周波数信号を入力または出力する無線周波数インターフェース部と、電源端子とを備えることを特徴とする請求項1記載のモノリシックマイクロ波集積回路パッケージ。
- 前記無線周波数インターフェース部は、導波管からなることを特徴とする請求項2のモノリシックマイクロ波集積回路パッケージ。
- 前記樹脂基板内の内層基板に内層受動回路を形成したことを特徴とする請求項2または3記載のモノリシックマイクロ波集積回路パッケージ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002337799A JP2004172449A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | モノリシックマイクロ波集積回路パッケージ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002337799A JP2004172449A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | モノリシックマイクロ波集積回路パッケージ |
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JP (1) | JP2004172449A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104833956A (zh) * | 2015-03-30 | 2015-08-12 | 中国电子科技集团公司第三十八研究所 | 一种有引线表面贴装式雷达收发组件的装置 |
-
2002
- 2002-11-21 JP JP2002337799A patent/JP2004172449A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104833956A (zh) * | 2015-03-30 | 2015-08-12 | 中国电子科技集团公司第三十八研究所 | 一种有引线表面贴装式雷达收发组件的装置 |
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