JP2004171960A - 検査装置および電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトな構成で、検査と出荷判別とを行うことができ、作業の効率性を向上させることができるようにした検査装置を提供する。
【解決手段】外形検査部200、内部検査部300および印字部400は、作業者OPが固定位置500で作業できるように配置されている。外形検査部200は、作業者OPが手で二次電池10を移動させながら電池本体および電極端子の検査を行うことができる位置に配置されている。内部検査部300は、二次電池10の内部のX線検査およびインピーダンス検査を行う。印字部400は、二次電池10に対して良、不良に応じた印字を行う。作業者OPの手の届く位置に、検査および印字が終了した二次電池10を収納するトレイ600が配置されている。
【選択図】 図3
【解決手段】外形検査部200、内部検査部300および印字部400は、作業者OPが固定位置500で作業できるように配置されている。外形検査部200は、作業者OPが手で二次電池10を移動させながら電池本体および電極端子の検査を行うことができる位置に配置されている。内部検査部300は、二次電池10の内部のX線検査およびインピーダンス検査を行う。印字部400は、二次電池10に対して良、不良に応じた印字を行う。作業者OPの手の届く位置に、検査および印字が終了した二次電池10を収納するトレイ600が配置されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池を検査する検査装置およびこれを用いた電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯型電子機器の開発に伴い、その駆動電源として二次電池が重要な位置を占めるようになっている。二次電池としては、従来、金属缶の内部に電池素子を収納したものが知られているが、近年、金属缶に代えてラミネートフィルムなどのフィルム状外装部材を用いたものが実用化されている。この二次電池は、例えば、電池素子と接続された一対の電極端子(正極端子,負極端子)が外装部材の外部に導出された構造をなしている。
【0003】
二次電池の製造工程では、例えば、電池本体内部のX線撮影、インピーダンス測定などの内部検査、電極端子および電池本体の外形寸法が所定の公差の範囲内にあるかを検査する外形検査、ロット印字などが行われる。従来では、内部検査、外形検査およびロット印字は、それぞれ別個の内部検査装置、外形検査装置および印刷装置によって行われていた。例えば、フィルム状外装部材を用いた二次電池の外形検査装置の例としては、電池に押えブロックを押し当ててカメラで撮影し、画像処理して電池本体の幅、長さなどを測定するようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−156210号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように、内部検査、外形検査およびロット印字を、それぞれ別個の内部検査装置、外形検査装置および印字装置によって行うと、電池を各装置間で移動させて順次検査を行うのに長時間を要し、二次電池の製造時間を短縮して生産性を向上させることが困難である。また、従来では、外形検査に画像処理を行っているので、煩雑であり、検査時間が長くなる。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、コンパクトな構成で、検査と出荷判別とを行うことができ、作業の効率性を向上させることができるようにした検査装置およびこれを用いた電池の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による検査装置は、電池本体から電極端子が引き出された電池の外形寸法の検査を行う外形検査部と、電池の内部検査を行う内部検査部と、電池に対して印字を行う印字部とを備えたものである。外形検査部、内部検査部および印字部は、1人の作業者が固定位置で作業できるように配置されていることが好ましい。
【0008】
本発明による電池の製造方法は、電池本体から電極端子が引き出された電池の外形寸法の検査と、電池の内部検査と、電池に対する印字とを含む工程を、固定位置にいる1人の作業者により行うものである。
【0009】
本発明による検査装置では、外形検査部において、電池の外形寸法の検査が行われたのち、内部検査部において、内部検査が行われる。更に、印字部において、電池に対して印字が行われる。
【0010】
本発明による電池の製造方法では、固定位置にいる1人の作業者により、電池の外形寸法の検査が行われたのち、電池の内部検査が行われ、更に、電池に対して印字が行われる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態に係る検査装置によって検査および製造される二次電池の外観を表し、図2はこの二次電池の外装部材の一部を切り開いて内部構成を表すものである。この二次電池10は、電池本体11から一対の電極端子12が同一方向に引き出された構成を有している。電池本体11は、一対の電極端子12が取り付けられた巻回電極体20をフィルム状の外装部材30の内部に封入したものである。外装部材30と電極端子12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム(シーラント)31が挿入されている。
【0013】
ここで、電池本体11の高さHは、電極端子12が引き出されている方向における外装部材30の寸法である。また、二次電池10はいわゆる平型電池であり、電池本体11の幅Wは、電極端子12が引き出されている方向に直交すると共に互いに直交する二方向における電池本体11の二つの寸法のうち長い方であり、電池本体11の厚さTは、その二つの寸法のうち短い方である。
【0014】
電極端子12の間隔Dは、電極端子12が引き出されている方向に直交する方向における一対の電極端子12の距離である。電極端子12の長さLTは、電極端子12の外装部材30から露出している部分の長さであり、密着フィルム31によって被覆されている部分の長さも含まれる。密着フィルム31の長さLSは、密着フィルム31の外装フィルム30から露出している部分の長さである。
【0015】
巻回電極体20は、例えば、正極、セパレータおよび負極等をこの順に積層し、巻回したものである。正極は、例えば、アルミニウム箔等よりなる正極集電体層にリチウム複合酸化物等を含む正極合剤層が設けられたものであり、負極は、例えば、銅箔等よりなる負極集電体層にリチウムを吸蔵・離脱可能な難黒鉛化炭素材料等を含む負極合剤層が設けられたものである。また、セパレータは、例えば、ポリプロプレン等の多孔質膜により構成されており、セパレータには、例えば、リチウム塩などの電解質塩と炭酸エステルなどの非水溶媒とを高分子化合物に保持させたゲル状電解質が含浸されている。
【0016】
外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせた矩形状のラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。
【0017】
電極端子12は、例えば、銅(Cu)などの金属材料により構成されており、一対の板状の端子、すなわち正極端子12aおよび負極端子12bにより構成されている。密着フィルム31は、電極端子12に対して密着性を有する材料により構成され、例えば、電極端子12が金属材料により構成される場合には、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
【0018】
図3は、このような二次電池10の外形検査、内部検査および印字を行う検査装置100の平面構成を表したものである。この検査装置100は、二次電池10の外形寸法の検査を行う外形検査部200と、二次電池10の内部検査を行う内部検査部300と、二次電池10に対して印字を行う印字部400とを備えている。
【0019】
外形検査部200、内部検査部300および印字部400は、1人の作業者OPが、固定位置500で作業できるように配置されている。これにより、検査装置100がコンパクト化されると共に検査作業の効率が向上する。固定位置500と検査装置100との距離DOPは、例えば200mmに設定されている。
【0020】
外形検査部200は、例えば、電極端子12の間隔Dと、電極端子12の長さLTと、密着フィルム31の長さLSとの検査を行う電極端子検査部210、および電池本体11の高さHの検査を行う電池本体検査部220とを備えている。電極端子検査部210と電池本体検査部220とは、略L字形の外形検査テーブル201に取り付けられている。また、外形検査部200は、外形検査の結果を表示する外形検査用表示部202を備えている。外形検査用表示部202の画面中心の床からの高さは、例えば1200mmである。
【0021】
外形検査部200は、作業者OPが一方の手(例えば右手)で二次電池10を移動させながら電池本体11および電極端子12の外形寸法の検査を行うことができる位置に配置されている。したがって、作業者OPが固定位置500から移動したり姿勢を変えたりする必要がなく、一方の手を動かすだけで外形寸法の検査を行うことができ、検査作業に要する時間が短縮され、作業効率が向上する。具体的には、外形検査部200の電極端子検査部210および電池本体検査部220は、作業者の一方の肩(例えば右肩)の中心からの距離ROPが、例えば半径約400mm以内の範囲内に配置されている。また、外形検査部200の奥行きD200、すなわち電極端子検査部210における二次電池10の中心位置と、電池本体検査部220における二次電池10の中心位置との距離は、例えば約200mmとなっている。
【0022】
外形検査部200の外側には、図示しない前工程から二次電池10が良品として排出される前工程排出位置230が設けられている。前工程排出位置230は、外形検査部200と同様に、作業者OPの一方の手の届く位置に配置されている。すなわち、前工程排出位置230は、作業者の右肩中心からの距離ROPが、例えば約400mmであり、前工程排出位置230における二次電池10の中心と、電極端子検査部210にセットされた二次電池10の中心との距離D230が、例えば約200mmとなっている。
【0023】
内部検査部300は、二次電池10の内部検査として、巻回電極体20(図2参照)の巻回形状をX線撮影により検査するX線検査と、二次電池10の内部のインピーダンスを測定して内部ショートの有無を検査するインピーダンス検査とを行うものである。内部検査部300は、二次電池10を矢印A方向に移動させる移動機構301を有している。移動機構301は、作業者OPの作業範囲、すなわち作業者OPの手の届く位置において二次電池10を載置できる投入位置310を備えている。内部検査部300は、移動機構301によって二次電池10を投入位置310からX線検査位置320に移動させてX線検査を行い、更にインピーダンス検査位置330に移動させてインピーダンス検査を行い、再び投入位置310に移動させるようになっている。
【0024】
内部検査部300は、内部検査の結果を表示する内部検査用表示部302を備えている。内部検査用表示部302は、内部検査の結果が表示されたことを作業者OPに音声により知らせる報知部302aを備えている。内部検査用表示部302の画面中心の床からの高さは、例えば約1500mmに設定されている。
【0025】
また、内部検査部300は、指示部303を有している。指示部303は、内部検査の結果に基づき印字部400に良、不良に応じた印字を指示するものであり、内部検査用表示部302に表示された結果に基づいて作業者OPが良、不良を判定して印字部400に指示を与える操作パネル304を有している。操作パネル304には、作業者OPが良、不良に応じた印字を印字部400に指示する操作ボタン305と、内部検査部300を起動させる起動ボタン306とが設けられている。X線検査の結果は、内部検査用表示部302に表示され、作業者OPが表示された結果に基づいて良、不良を判定して操作ボタン305により良、不良に応じた印字を印字部400に指示するようになっている。インピーダンス検査の結果は、自動的に指示部303に送られて指示部303から自動的に印字部400に指示が与えられる。
【0026】
印字部400は、二次電池10に対して良、不良に応じた印字を行うものである。印字部400は、指示部303または操作パネル304による指示に基づき、X線検査およびインピーダンス検査で良と判定された二次電池10に対しては例えばロット番号を印字し、X線検査およびインピーダンス検査で不良と判定された二次電池10に対しては例えば不良である旨を印字するようになっている。印字部400は、インピーダンス検査位置330と投入位置310との間に配置されている。
【0027】
作業者OPの他方の手の届く位置には、外形検査、内部検査および印字が終了した二次電池10を収納するトレイ600が配置されている。すなわち、トレイ600と作業者OPの他方の肩(例えば左肩)の中心との距離LOPは、例えば半径約500mm以内の範囲内に収まるようになっている。これにより、二次電池10の検査および印字に加えて、良品の二次電池10をトレイ600に収納して出荷可能な状態に準備することができる。トレイ600は、二次電池10を寝かせた姿勢または立てた姿勢で1個ずつ収納可能な複数の収納部601を有している。
【0028】
外形検査部200、投入位置340およびトレイ600の床からの高さは、作業者OPが固定位置500で立ったりしゃがんだりせずに作業できるように、同一の高さになるように調整されている。例えば、外形検査部200、投入位置340およびトレイ600の床からの高さは、作業者OPが固定位置500に立ったままで作業できるように、約1000mmとされている。
【0029】
図4は電極端子検査部210の構成を表す平面図であり、図5は図4に示した電極端子検査部210を作業者OP側から見た構成を表している。
【0030】
電極端子検査部210は、電極端子12の外形寸法の規格範囲を示す規格範囲表示部211を有している。規格範囲表示部211は、電極端子12の外形寸法の規格範囲を示している。すなわち、規格範囲表示部211は、電極端子12の間隔Dの最大値Dmaxおよび最小値Dmin、密着フィルム31の長さLSの最大値LSmaxおよび最小値LSmin、ならびに電極端子12の長さLTの最大値LTmaxおよび最小値minを示している。また、規格範囲表示部211は、正極端子12aおよび負極端子12bのそれぞれに対応して一つずつ設けられている。なお、規格範囲表示部212の形状は、電極端子12の外形寸法の規格範囲を示していればよく、図4に示した例に限られない。
【0031】
また、電極端子検査部210は、規格範囲表示部211と電極端子12とが重なり合うように二次電池10の位置を決める位置設定部212を有している。位置設定部212は、幅ガイド部212aと、係止部212bとを有している。幅ガイド部212aは、二次電池10が、例えば寝かせた姿勢で、電極端子12の引き出されている端面を先頭として電極端子12の引き出されている方向と同じ方向に差し込まれるものであり、二次電池10の幅Wにほぼ合わせた幅で形成されている。係止部212bは、幅ガイド部212aに差し込まれた電池本体11の電極端子12が引き出されている端面を係止するものである。
【0032】
規格範囲表示部211の中間の位置には、二次電池10が幅ガイド部212aに適切に差し込まれているかを確認するための位置確認部213が設けられている。位置確認部213は、幅ガイド部212aに差し込まれた電池本体11の先端に対応する位置に設けられており、電池本体11の電極端子12が引き出されている端面が係止部212bに当接するまで、二次電池10が確実に幅ガイド部212aに差し込まれているかを確認するためのものである。
【0033】
図6は、電池本体検査部220の構成を表すものである。電池本体検査部220は、二次電池10の電極端子12が引き出されている側と反対側の端部を当接する高さ基準部221と、この高さ基準部221に対向する位置に配置された階段状ゲージ(NOGOゲージ)222とを備えている。階段状ゲージ222は、高さ基準部221に二次電池10を当接させて移動させることにより、電池本体11の高さHが規格範囲内であるか否かを判断するためのものである。
【0034】
すなわち、階段状ゲージ222は、二つの段222a,222bを有しており、高さ基準部221と二つの段222a,222bのそれぞれとの距離は、電池本体11の高さHの規格範囲を示している。すなわち、高さ基準部221と段222aとの距離は、電池本体11の高さHの最小値Hminに対応し、高さ基準部221と段222bとの距離は、電池本体11の高さHの最大値Hmaxに対応している。したがって、電池本体11の高さHが規格範囲内である場合には、電池本体11は、段222aと段222bとの間の側面である高さ良品判定部223に当接する。しかし、高さHが規格範囲より短い場合には、電池本体11は、段222aと高さ基準部221との間の高さ不足判定部224に当接する。また、高さHが規格範囲を超えている場合には、電池本体11は、段222bよりも外側の高さ過剰判定部225に当接する。
【0035】
図7は、内部検査部300および印字部400の位置関係を表す概略構成図である。内部検査部300は、巻回電極体20(図2参照)の巻回形状をX線により検査するX線検査部321と、二次電池10の内部のインピーダンスを測定して内部ショートの有無を確認するインピーダンス検査部331とを有している。移動機構301は、例えば連続するコンベアにより構成され、二次電池10を載せて矢印A方向に往復移動し、X線検査部321、インピーダンス検査部331および印字部400を通過するようになっている。なお、移動機構301は、二次電池10をテーブルに載置し、そのテーブルを移動機構301により移動させるようにすることなどが可能である。
【0036】
X線検査部321は、図示しないX線出射部を有し、X線出射部から出射されたX線によりX線検査が行われる。
【0037】
インピーダンス検査部331は、例えば、二次電池10の正極端子12aおよび負極端子12bに接触させるための図示しない一対の接触端子(コンタクトプローブ)を有し、この一対の接触端子を例えばシリンダなどにより、電極端子12に接触させてインピーダンス測定を行う位置と、電極端子12から離間する位置との間で移動させることができるようになっている。
【0038】
図8は、検査装置100において一つの二次電池10がどのように移動するかを、矢印A1ないしA10で表したものである。図9は、検査装置100を用いた作業者OPの検査作業工程を、検査装置100による検査工程と合わせて表すものである。
【0039】
まず、作業者OPは、投入位置310に戻ってきた(図8の矢印A9)二次電池10を、一方の手で掴む(S01)。また、作業者OPは、外形検査を終えた他の二次電池10を、他方の手で、外形検査テーブル201上を滑らせるようにして移動機構301上の投入位置310にセットし(図8の矢印A6)、起動ボタン306を押す(S02)。
【0040】
起動ボタン306が押されると、検査装置100は、移動機構301に載置された二次電池10を、投入位置310からX線検査位置320へと移動させる(S03、図8の矢印A7)。
【0041】
二次電池10をX線検査位置320に移動させたのち、検査装置100は、X線検査部321によって二次電池10のX線検査を行い、その結果を内部検査用表示部302に表示し、報知部302aにより例えば「ピッ」とアラームを鳴らすことにより、表示が完了したことを作業者に音声で知らせて、待機する(S04)。
【0042】
作業者OPは、検査装置100が二次電池10のX線検査を行っている間に、S01で一方の手に掴んだ二次電池10の外観を検査し、トレイ600に収納する(S05、図8の矢印A10)。そして、報知部302aによる音声が聞こえたら内部検査用表示部302の画面を観察して、内部検査用表示部302に表示された結果に基づいて操作ボタン305を押して、印字部400に良、不良に応じた印字の指示を与える(S06)。
【0043】
操作ボタン305が押されると、検査装置100は、移動機構301に載置された二次電池10をX線検査位置320からインピーダンス検査位置330へと移動する(S07、図8の矢印A8)。
【0044】
二次電池10をインピーダンス検査位置330に移動させたのち、検査装置100は、インピーダンス測定部331によって、二次電池10のインピーダンス検査を行う(S08)。インピーダンス検査を行ったのち、検査装置100は、移動機構301に載置された二次電池10をインピーダンス検査位置330から投入位置310へと移動させながら、印字部400で良、不良に応じた印字を行う(S09、図8の矢印A9)。このとき、印字部400で二次電池10を停止させずに、印字部400を通過させながら印字を行うようにすることも可能である。
【0045】
作業者OPは、操作ボタン305を押したのち、検査装置100においてインピーダンス検査および印字が行われている間に、前工程排出位置230に排出されているもう一つの二次電池10を他方の手で掴む(S10、図8の矢印A1)。そして、他方の手で掴んだ二次電池10を電極端子検査部210にセットし(図8の矢印A2)、電極端子12の外形寸法の検査を行う(S11)。電極端子12の外形寸法の検査を行ったのち、作業者OPは、二次電池10を手で移動させて電池本体検査部220にセットし(図8の矢印A3)、二次電池10を移動させて(図8の矢印A4,A5)、電池本体11の高さHの検査を行う(S12)。
【0046】
こうして作業者OPが外形検査を終えるときまでに、インピーダンス検査および印字を終えた二次電池10が、移動機構301により投入位置310に移動してくる。そのために、移動機構301の速度は、作業者OPが外形検査に要する時間を考慮して調整されている。二次電池10が投入位置310に戻ってくると、作業者OPは、その二次電池10を一方の手で掴み(S01)、上述と同様の工程を繰り返す。
【0047】
図10は、電極端子検査部210により電極端子12の外形寸法の検査を行う方法を説明するための図である。図10(A)は、位置設定部212に二次電池10がセットされていない場合に外形検査用表示部202に表示される画像を表している。この場合には、規格範囲表示部211および位置確認部213が明部(図10(A)で白地で示した部分)となり、それ以外の部分はすべて暗部(図10(A)で斜線を付した部分)となる。なお、規格範囲表示部211および位置確認部213は、図示しないバックライトにより照明されて明部となっており、図示しないCCDカメラで撮像されて外形検査用表示部202に表示されている。
【0048】
図10(B)は、電極端子12の外形寸法が規格範囲内にある良品の二次電池10が位置設定部212にセットされた場合に、外形検査用表示部202に表示される画像の一例を表している。作業者OPは、二次電池10を一方の手で移動させて、電池本体11の電極端子12が引き出されている端面が係止部212bに当接するまで幅ガイド部212aに差し込み、規格範囲表示部212と電極端子12とを重ね合わせて、その重なり状態を外形検査用表示部202で観察することによって、電極端子12の外形寸法の検査を行う。このとき、規格範囲表示部212に重なる電極端子12は影、すなわち暗部(図10(B)で斜線を付した部分)となり、規格範囲表示部212のうち電極端子12によって遮られていない部分が明部(図10(B)で白地で示した部分)となる。なお、規格範囲表示部212の周囲は、図10(A)と同様に暗部となる。作業者OPは、明部の形状を外形検査用表示部202上で観察し、以下のように電極端子12の外形寸法の検査を行う。
【0049】
まず、電極端子12の長さLTが規格範囲内にある場合には、電極端子12の先端12cが規格範囲表示部211内に視認できる。
【0050】
また、電極端子12の間隔Dが規格範囲内にある場合には、規格範囲表示部211内に視認される電極端子12の先端12cの両側に、明部211aが形成される。
【0051】
密着フィルム31の長さLSが規格範囲内にある場合には、規格範囲表示部211内に密着フィルム31が視認できる。なお、図10(B)では、規格範囲表示部211内に視認される密着フィルム31を、点線で示している。
【0052】
このように本実施の形態では、検査装置100は、外形検査部200、内部検査部300および印字部400を備えているので、検査装置100がコンパクト化される。
【0053】
また、特に、外形検査部200、内部検査部300および印字部400は、作業者OPが固定位置500で作業できるように配置されているので、検査装置100がコンパクト化されると共に検査作業の効率が向上する。
【0054】
特に、外形検査部200は、作業者OPが固定位置500において手で二次電池10を移動させながら電池本体11および電極端子12の外形寸法の検査を行うことができる位置に配置されているので、作業者OPが固定位置500から移動したり姿勢を変えたりする必要がなく、手を動かすだけで外形寸法の検査を行うことができ、検査作業に要する時間が短縮され、作業効率が向上する。
【0055】
また、外形検査部200の電極端子検査部210では、電極端子12の規格範囲を示す規格範囲表示部211と、規格範囲表示部211と電極端子12とが重なり合うように二次電池10の位置を決める位置設定部212と、規格範囲表示部211と電極端子12との重なり状態を表示する外形検査用表示部202とを備えたので、作業者OPは、外形検査用表示部202に表示された画像を観察するだけで、電極端子12の間隔Dと、電極端子12の長さLTと、密着フィルム31の長さLSとを効率良く検査することができる。
【0056】
更に、電池本体検査部220は、電池本体11の電極端子12が引き出されている側の反対側の端部を当接させる高さ基準部221と、高さ基準部221に対向する位置に階段状ゲージ222とを備えたので、作業者OPは、高さ基準部221に二次電池10を当接させて移動させるだけで電池本体11の高さHを効率良く検査することができる。
【0057】
また、特に、作業者OPの手の届く位置に、外形検査、内部検査および印字が終了した二次電池10が収納されるトレイ600が配置されているので、二次電池10の検査に加えて、良品の二次電池10をトレイ600に収納して出荷可能な状態に準備することができる。
【0058】
[第2の実施の形態]
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る検査装置の概略構成を表している。この検査装置700は、二次電池10を第1の実施の形態の検査装置100の外形検査部300に投入する前に、二次電池10の電池本体11のリーク検査を行うためのものである。リーク検査が終了した二次電池10は、例えば、検査装置100における前工程排出位置230に排出されるようにすることが可能である。
【0059】
この検査装置700は、二次電池10を寝かせた姿勢で収納する真空室(チャンバー)710と、この真空室710内において二次電池10を載置する載置板720とを有している。載置板720は、例えばニッケル(Ni)でめっきされたステンレスにより構成されている。
【0060】
検査装置700は、また、真空室710内を真空に引く真空ポンプ730を備えている。真空室710と真空ポンプ730とを接続する配管731には、減圧バルブ732と、復圧バルブ733とが設けられている。減圧バルブ732は、真空室710内を減圧するものであり、復圧バルブ733は、真空室710内の真空を破壊するものである。
【0061】
また、検査装置700は、真空室710内の圧力Pを計測する真空圧センサ740と、この真空圧センサ740によって計測された圧力Pに基づいて電池本体11にリークが生じているか否かを判定するリーク判定機750とを有している。
【0062】
真空室710は、下部本体711と上部本体712とが、Oリング713を介して密閉された構成を有している。上部本体712は固定されており、下部本体711は上昇または下降可能となっている。下部本体711が上昇すると真空室710が密閉され、下降すると真空室710は開放される。
【0063】
図12は、載置板720の平面構成を表している。載置板720は、例えば、全体としてほぼ矩形の形状を有しており、長手方向に沿って両側に2本ずつ、長手方向の一端に1本、合計5本の切り欠き721が設けられている。なお、載置板721の周縁部には、下部本体711に固定されるためのネジ孔722が、載置板720の厚さ方向に設けられている。
【0064】
載置板720は、真空室710の内壁側の界面から二次電池10側に向かって貫通する空気抜き孔723を有している。空気抜き溝723は、真空室710内を減圧する際に、載置板720の真空室710の内壁側の界面、すなわち載置板720と下部本体711との界面に保有される空気を急速に排気できるようにするものである。
【0065】
すなわち、真空室710に二次電池10を収容せずに内部を真空に引いて、真空室710内の圧力Pを測定すると、理想的には「0000」となるはずである。しかしながら、実際に計測された圧力Pは比較的大きな値となり、後述するリーク検査方法によってわずかなリークを判定しようとする際に、誤差が生じてしまう。このように実際に計測された真空室710内の圧力Pが比較的大きくなる原因について、本発明者は、真空室710は気密性に細心の考慮を払って製作されているものの、真空室710内に空気が取り込まれてしまうことにあるということを、種々の実験によって確認した。更に、本発明者は、真空室710内の空気は、真空室710内に設けられた多数のネジ孔および載置板720の真空室710の内壁側の界面などの僅かな隙間に保有されるということも見出した。したがって、載置板720に空気抜き溝723を設けることによって、真空室710内を真空に引く際に、真空室710内に取り込まれてネジ孔および載置板720の真空室710側の内壁側の界面などに保有されている僅かな空気も急速に排気することができる。
【0066】
図13は、図11に示した検査装置700によるリーク検査方法を説明するための図であり、リークのない二次電池10を検査した場合の真空室710内の圧力Pの変化を表している。図14は、図13の一部を拡大して表すと共に、リークのある二次電池10を検査した場合の真空室710内の圧力Pの変化を合わせて表したものである。
【0067】
まず、下部本体711の載置板720に二次電池10を載置し、下部本体711を上昇させて真空室710を密閉する。このとき、真空室710内の圧力Pは大気圧に等しくなっている。次いで、時刻t1に、減圧バルブ732を開として、真空室710内の圧力Pを例えば950hPaまで減圧する。減圧バルブ732を開とする時刻t1と、真空室710内の圧力Pが950hPaに達する時刻t2との間の減圧時間T1は、特に定められていない。
【0068】
時刻t2に、真空室710内の圧力Pが950hPaに達したのち、減圧バルブ732を閉とし、時刻t3まで待つ。時刻t2と時刻t3との間の圧力安定化時間T2は、例えば0.4sである。
【0069】
時刻t3が経過したのち、真空室710内の圧力Pの変化を監視し、時刻t4において、真空室710内の圧力Pt4を計測する。時刻t3と時刻t4との間の圧力変化監視時間T3は、例えば2sである。
【0070】
計測された圧力Pt4は、リーク判定機750に入力され、上限しきい値Pth1未満であるか否かが判別される。計測された圧力Pt4が上限しきい値Pth1以上である場合には、リーク判定機750は、二次電池10にはリークがあると判定する。計測された圧力Pt4が上限しきい値Pth1未満である場合、リーク判定機750は、二次電池10にはリークが無いと判定する。なお、下限しきい値Pth2は、時刻t2における真空室710内の圧力P、すなわち例えば950hPaとすることもできるし、それとは別の値を定めても良い。
【0071】
このようにしてリークを検出できる理由は、次の通りである。すなわち、密閉した真空室710内を減圧すると、真空室710内は排気抵抗が小さいので瞬時に減圧され、真空室710内と二次電池10内との間に圧力差が生じる。ここで、二次電池10の外装部材30に小さい孔があった場合には、二次電池10内のガスは、排気抵抗が大きいので徐々に真空室710内に排出されて真空室710内の圧力Pを上昇させ、時刻t4における真空室710内の圧力Pt4が上限しきい値Pth1以上になる。また、二次電池10の外装部材30にリーク原因となる小さい孔などがない場合には、真空室710内と二次電池10内との圧力差は変化せずに保持される。この方法は、わずかなリークの検出に適している。
【0072】
時刻t4における真空室710内の圧力Pを計測し、リーク検出を行ったのち、復圧バルブ733を開として真空室710内の真空を破壊する。その後、復圧バルブ733を閉として次の検査指示を待つ。
【0073】
ここでは、載置板720に空気抜き溝723が設けられているので、減圧時間T1において真空室710内を真空に引く際に、真空室710内に取り込まれてネジ孔および載置板720の真空室710の内壁側の界面などに保有されている僅かな空気も急速に排気される。よって、時刻t4における真空室710内の圧力Pt4の誤差が小さくなり、リーク検査の精度が高まる。
【0074】
このように本実施の形態では、載置板720に空気抜き溝723が設けられているので、減圧時間T1において真空室710内を真空に引く際に、真空室710内に取り込まれてネジ孔および載置板720の内壁側の界面などに保有されている僅かな空気も急速に排気することができる。よって、時刻t4における真空室710内の圧力Pt4の誤差が小さくなり、リーク検査の精度を高めることができる。
【0075】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について、図11ないし図15を参照し同一の符号を用いて詳細に説明する。
【0076】
(実施例1〜12)
図11に示した検査装置700に、図12に示した空気抜き溝723が設けられた載置板720を取り付け、二次電池10を収容せずに真空室710を密閉した。図13に示したリーク検査方法に従い、減圧時間T1(2s)では、真空室710内の圧力Pを大気圧から96000paまで減圧し、圧力安定化時間T2(0.4s)および圧力変化監視時間T3(2s)が経過した後、時刻t4における真空室710内の圧力Pt4を計測した。同様にして時刻t4における真空室710内の圧力Pt4の計測を更に11回繰り返し、全部で12回の計測を行った。その結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
本実施例に対する比較例1〜12として、図15に示したような空気抜き溝の設けられていない載置板820を用いたことを除き、他は本実施例と同様にして時刻t4における真空室710内の圧力Pt4を計測し、これを全部で12回繰り返した。その結果を表1に合わせて示す。なお、図15において、載置板820の載置板720に対応する構成要素には、載置板720の対応する符号と下2桁を同じくする800番台の符号を付した。
【0079】
表1から分かるように、載置板720に空気抜き溝723を設けた実施例1〜12の方が、空気抜き溝を設けない載置板820を用いた比較例1〜12よりも、時刻t4における真空室710内の圧力Pt4が約5分の1に小さくなっていた。すなわち、載置板720に空気抜き溝723を設ければ、真空室710内に取り込まれてネジ孔および載置板720の真空室710の内壁側の界面などに保有されている僅かな空気も急速に排気することができ、時刻t4における真空室710内の圧力Pt4を小さくすることができることが分かった。
【0080】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、外形検査部200の電池本体検査部220によって、電池本体11の高さHを検査するようにしたが、電池本体検査部220は、電池本体11の幅Wまたは厚さTの検査を行うようにしてもよい。また、電池本体11の高さH、幅Wおよび厚さTのうちの二つまたは全部を検査可能な構成とすることも可能である。
【0081】
更に、上記実施の形態では、内部検査部300は、X線検査およびインピーダンス検査を行うようにしたが、これらの代わりに、またはこれらに追加して、他の検査を行うようにすることも可能である。また、上記実施の形態では、搬送機構301は、連続するコンベアによって構成され、移動機構301を内部検査部300内で直線状に往復移動させるようにしたが、移動機構301は回転式のものとしてもよく、移動機構301の移動経路は直線状に限られない。また、搬送機構301は、連続するコンベアに限られず、ロボット式可動装置とすることも可能である。
【0082】
また、上記実施の形態では、検査装置100,700によって二次電池10の検査を行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、二次電池10と同様の構造を有する一次電池の検査を行うことも可能である。
【0083】
更に、上記実施の形態では、二次電池10の電池本体11が、例えば、正極、セパレータおよび負極等をこの順に積層して巻回した巻回電極体20を備えた場合について説明したが、二次電池10は電池本体11から電極端子12が導出されたものであればよい。例えば、電池本体11は、正極、セパレータおよび負極を単層または複数層積層した積層体を外装部材30に収容したものであってもよい。
【0084】
また、外装部材30は、上述したラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の検査装置によれば、外形検査部、内部検査部および印字部を備えたので、検査装置がコンパクト化される。
【0086】
特に、請求項2記載の検査装置によれば、外形検査部、内部検査部および印字部は、作業者が固定位置で作業できるように配置されているので、検査装置がコンパクト化されると共に検査作業の効率が向上する。
【0087】
特に、請求項3記載の検査装置によれば、外形検査部は、作業者が固定位置において手で電池を移動させながら電池本体および電極端子の外形寸法の検査を行うことができる位置に配置されているので、作業者が固定位置から移動したり姿勢を変えたりする必要がなく、手を動かすだけで検査を行うことができ、検査作業に要する時間が短縮され、作業効率が向上する。
【0088】
また、特に、請求項4記載の検査装置によれば、外形検査部は、電極端子の規格範囲を示す規格範囲表示部と、規格範囲表示部と電極端子とが重なり合うように電池の位置を決める位置設定部と、規格範囲表示部と電極端子との重なり状態を表示する外形検査用表示部とを備えたので、作業者は、外形検査用表示部に表示された画像を観察するだけで、電極端子の間隔、長さ、密着フィルムの長さなどの外形寸法を効率良く検査することができる。
【0089】
加えて、特に、請求項5記載の検査装置によれば、外形検査部は、電池の電極端子が引き出されている側の反対側の端部を当接させる高さ基準部と、高さ基準部に対向する位置に階段状ゲージとを備えたので、作業者は、高さ基準部に電池を当接させて移動させるだけで電池本体の高さを効率良く検査することができる。
【0090】
また、特に、請求項10記載の検査装置によれば、検査および印字が終了した電池が収納されるトレイが、作業者の手の届く位置に配置されているので、良品の電池をトレイに収納して出荷可能な状態に準備することができる。
【0091】
請求項13ないし請求項22のいずれか1項に記載の電池の製造方法によれば、外形検査、内部検査および印字を含む工程を、固定位置にいる1人の作業者により行うようにしたので、検査作業の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る検査装置によって検査および製造される二次電池の外観を表す斜視図である。
【図2】図1に示した二次電池の外装部材の一部を切り開いて内部構成を表す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る検査装置の構成を表す平面図である。
【図4】図1に示した外形検査部の電極端子検査部の構成を表す平面図である。
【図5】図4に示した電極端子検査部を作業者側から見た構成を表す正面図である。
【図6】図1に示した外形検査部の電池本体検査部に設けられた階段状ゲージの構成を表す平面図である。
【図7】図1に示した内部検査部および印字部を側面から見た位置関係を表す概略構成図である。
【図8】図1に示した検査装置において一つの二次電池がどのように移動するかを表す平面図である。
【図9】図1に示した検査装置を用いた作業者の検査作業工程を、検査装置による検査工程と合わせて表す流れ図である。
【図10】図1に示した外形検査部の電極端子検査部による電極端子の検査方法を説明するための説明図であり、図10(A)は位置設定部に二次電池がセットされていない場合に外形検査用表示部に表示される画像を表す模式図、図10(B)は、良品の二次電池が位置設定部にセットされた場合に外形検査用表示部に表示される画像を表す模式図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る検査装置の概略構成を表す図である。
【図12】図11に示した載置板の構成を表す平面図である。
【図13】図11に示した検査装置により、良品の二次電池を検査した場合の真空室内の圧力の変化を表す図である。
【図14】図13の点線で囲まれた部分を拡大して表すと共に、不良品の二次電池を検査した場合の真空室内の圧力の変化を合わせて表す図である。
【図15】本発明の比較例で用いられた載置板の構成を表す平面図である。
【符号の説明】
10…二次電池、11…電池本体、12…電極端子、12a…正極端子、12b…負極端子、20…巻回電極体、30…外装部材、31…密着フィルム、100,700…検査装置、200…外形検査部、201…外形検査テーブル、202…外形検査用表示部、210…電極端子検査部、211…規格範囲表示部、212…位置設定部、212a…幅ガイド部、212b…係止部、213…位置確認部、220…電池本体検査部、221…高さ基準部、222…階段状ゲージ、222a,222b…段、230…前工程排出位置、300…外形検査部、301…移動機構、302…内部検査用表示部、303…指示部、304…操作パネル、305…操作ボタン、306…起動ボタン、310…投入位置、320…X線検査位置、321…X線検査部、330…インピーダンス検査位置、331…インピーダンス検査部、400…印字部、500…固定位置、600…トレイ、601…収納部、710…真空室、711…下部本体、712…上部本体、713…Oリング、720,820…載置板、730…真空ポンプ、731…配管、732…減圧バルブ、733…復圧バルブ、740…真空圧センサ、750…リーク判定機、721,821…切り欠き、722,822…ネジ孔、723…空気抜き溝、t1,t2,t3,t4…時刻、T1…減圧時間、T2…圧力安定化時間、T3…圧力変化監視時間、Pth1…上限しきい値、Pth2…下限しきい値
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池を検査する検査装置およびこれを用いた電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯型電子機器の開発に伴い、その駆動電源として二次電池が重要な位置を占めるようになっている。二次電池としては、従来、金属缶の内部に電池素子を収納したものが知られているが、近年、金属缶に代えてラミネートフィルムなどのフィルム状外装部材を用いたものが実用化されている。この二次電池は、例えば、電池素子と接続された一対の電極端子(正極端子,負極端子)が外装部材の外部に導出された構造をなしている。
【0003】
二次電池の製造工程では、例えば、電池本体内部のX線撮影、インピーダンス測定などの内部検査、電極端子および電池本体の外形寸法が所定の公差の範囲内にあるかを検査する外形検査、ロット印字などが行われる。従来では、内部検査、外形検査およびロット印字は、それぞれ別個の内部検査装置、外形検査装置および印刷装置によって行われていた。例えば、フィルム状外装部材を用いた二次電池の外形検査装置の例としては、電池に押えブロックを押し当ててカメラで撮影し、画像処理して電池本体の幅、長さなどを測定するようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−156210号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように、内部検査、外形検査およびロット印字を、それぞれ別個の内部検査装置、外形検査装置および印字装置によって行うと、電池を各装置間で移動させて順次検査を行うのに長時間を要し、二次電池の製造時間を短縮して生産性を向上させることが困難である。また、従来では、外形検査に画像処理を行っているので、煩雑であり、検査時間が長くなる。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、コンパクトな構成で、検査と出荷判別とを行うことができ、作業の効率性を向上させることができるようにした検査装置およびこれを用いた電池の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による検査装置は、電池本体から電極端子が引き出された電池の外形寸法の検査を行う外形検査部と、電池の内部検査を行う内部検査部と、電池に対して印字を行う印字部とを備えたものである。外形検査部、内部検査部および印字部は、1人の作業者が固定位置で作業できるように配置されていることが好ましい。
【0008】
本発明による電池の製造方法は、電池本体から電極端子が引き出された電池の外形寸法の検査と、電池の内部検査と、電池に対する印字とを含む工程を、固定位置にいる1人の作業者により行うものである。
【0009】
本発明による検査装置では、外形検査部において、電池の外形寸法の検査が行われたのち、内部検査部において、内部検査が行われる。更に、印字部において、電池に対して印字が行われる。
【0010】
本発明による電池の製造方法では、固定位置にいる1人の作業者により、電池の外形寸法の検査が行われたのち、電池の内部検査が行われ、更に、電池に対して印字が行われる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態に係る検査装置によって検査および製造される二次電池の外観を表し、図2はこの二次電池の外装部材の一部を切り開いて内部構成を表すものである。この二次電池10は、電池本体11から一対の電極端子12が同一方向に引き出された構成を有している。電池本体11は、一対の電極端子12が取り付けられた巻回電極体20をフィルム状の外装部材30の内部に封入したものである。外装部材30と電極端子12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム(シーラント)31が挿入されている。
【0013】
ここで、電池本体11の高さHは、電極端子12が引き出されている方向における外装部材30の寸法である。また、二次電池10はいわゆる平型電池であり、電池本体11の幅Wは、電極端子12が引き出されている方向に直交すると共に互いに直交する二方向における電池本体11の二つの寸法のうち長い方であり、電池本体11の厚さTは、その二つの寸法のうち短い方である。
【0014】
電極端子12の間隔Dは、電極端子12が引き出されている方向に直交する方向における一対の電極端子12の距離である。電極端子12の長さLTは、電極端子12の外装部材30から露出している部分の長さであり、密着フィルム31によって被覆されている部分の長さも含まれる。密着フィルム31の長さLSは、密着フィルム31の外装フィルム30から露出している部分の長さである。
【0015】
巻回電極体20は、例えば、正極、セパレータおよび負極等をこの順に積層し、巻回したものである。正極は、例えば、アルミニウム箔等よりなる正極集電体層にリチウム複合酸化物等を含む正極合剤層が設けられたものであり、負極は、例えば、銅箔等よりなる負極集電体層にリチウムを吸蔵・離脱可能な難黒鉛化炭素材料等を含む負極合剤層が設けられたものである。また、セパレータは、例えば、ポリプロプレン等の多孔質膜により構成されており、セパレータには、例えば、リチウム塩などの電解質塩と炭酸エステルなどの非水溶媒とを高分子化合物に保持させたゲル状電解質が含浸されている。
【0016】
外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせた矩形状のラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。
【0017】
電極端子12は、例えば、銅(Cu)などの金属材料により構成されており、一対の板状の端子、すなわち正極端子12aおよび負極端子12bにより構成されている。密着フィルム31は、電極端子12に対して密着性を有する材料により構成され、例えば、電極端子12が金属材料により構成される場合には、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
【0018】
図3は、このような二次電池10の外形検査、内部検査および印字を行う検査装置100の平面構成を表したものである。この検査装置100は、二次電池10の外形寸法の検査を行う外形検査部200と、二次電池10の内部検査を行う内部検査部300と、二次電池10に対して印字を行う印字部400とを備えている。
【0019】
外形検査部200、内部検査部300および印字部400は、1人の作業者OPが、固定位置500で作業できるように配置されている。これにより、検査装置100がコンパクト化されると共に検査作業の効率が向上する。固定位置500と検査装置100との距離DOPは、例えば200mmに設定されている。
【0020】
外形検査部200は、例えば、電極端子12の間隔Dと、電極端子12の長さLTと、密着フィルム31の長さLSとの検査を行う電極端子検査部210、および電池本体11の高さHの検査を行う電池本体検査部220とを備えている。電極端子検査部210と電池本体検査部220とは、略L字形の外形検査テーブル201に取り付けられている。また、外形検査部200は、外形検査の結果を表示する外形検査用表示部202を備えている。外形検査用表示部202の画面中心の床からの高さは、例えば1200mmである。
【0021】
外形検査部200は、作業者OPが一方の手(例えば右手)で二次電池10を移動させながら電池本体11および電極端子12の外形寸法の検査を行うことができる位置に配置されている。したがって、作業者OPが固定位置500から移動したり姿勢を変えたりする必要がなく、一方の手を動かすだけで外形寸法の検査を行うことができ、検査作業に要する時間が短縮され、作業効率が向上する。具体的には、外形検査部200の電極端子検査部210および電池本体検査部220は、作業者の一方の肩(例えば右肩)の中心からの距離ROPが、例えば半径約400mm以内の範囲内に配置されている。また、外形検査部200の奥行きD200、すなわち電極端子検査部210における二次電池10の中心位置と、電池本体検査部220における二次電池10の中心位置との距離は、例えば約200mmとなっている。
【0022】
外形検査部200の外側には、図示しない前工程から二次電池10が良品として排出される前工程排出位置230が設けられている。前工程排出位置230は、外形検査部200と同様に、作業者OPの一方の手の届く位置に配置されている。すなわち、前工程排出位置230は、作業者の右肩中心からの距離ROPが、例えば約400mmであり、前工程排出位置230における二次電池10の中心と、電極端子検査部210にセットされた二次電池10の中心との距離D230が、例えば約200mmとなっている。
【0023】
内部検査部300は、二次電池10の内部検査として、巻回電極体20(図2参照)の巻回形状をX線撮影により検査するX線検査と、二次電池10の内部のインピーダンスを測定して内部ショートの有無を検査するインピーダンス検査とを行うものである。内部検査部300は、二次電池10を矢印A方向に移動させる移動機構301を有している。移動機構301は、作業者OPの作業範囲、すなわち作業者OPの手の届く位置において二次電池10を載置できる投入位置310を備えている。内部検査部300は、移動機構301によって二次電池10を投入位置310からX線検査位置320に移動させてX線検査を行い、更にインピーダンス検査位置330に移動させてインピーダンス検査を行い、再び投入位置310に移動させるようになっている。
【0024】
内部検査部300は、内部検査の結果を表示する内部検査用表示部302を備えている。内部検査用表示部302は、内部検査の結果が表示されたことを作業者OPに音声により知らせる報知部302aを備えている。内部検査用表示部302の画面中心の床からの高さは、例えば約1500mmに設定されている。
【0025】
また、内部検査部300は、指示部303を有している。指示部303は、内部検査の結果に基づき印字部400に良、不良に応じた印字を指示するものであり、内部検査用表示部302に表示された結果に基づいて作業者OPが良、不良を判定して印字部400に指示を与える操作パネル304を有している。操作パネル304には、作業者OPが良、不良に応じた印字を印字部400に指示する操作ボタン305と、内部検査部300を起動させる起動ボタン306とが設けられている。X線検査の結果は、内部検査用表示部302に表示され、作業者OPが表示された結果に基づいて良、不良を判定して操作ボタン305により良、不良に応じた印字を印字部400に指示するようになっている。インピーダンス検査の結果は、自動的に指示部303に送られて指示部303から自動的に印字部400に指示が与えられる。
【0026】
印字部400は、二次電池10に対して良、不良に応じた印字を行うものである。印字部400は、指示部303または操作パネル304による指示に基づき、X線検査およびインピーダンス検査で良と判定された二次電池10に対しては例えばロット番号を印字し、X線検査およびインピーダンス検査で不良と判定された二次電池10に対しては例えば不良である旨を印字するようになっている。印字部400は、インピーダンス検査位置330と投入位置310との間に配置されている。
【0027】
作業者OPの他方の手の届く位置には、外形検査、内部検査および印字が終了した二次電池10を収納するトレイ600が配置されている。すなわち、トレイ600と作業者OPの他方の肩(例えば左肩)の中心との距離LOPは、例えば半径約500mm以内の範囲内に収まるようになっている。これにより、二次電池10の検査および印字に加えて、良品の二次電池10をトレイ600に収納して出荷可能な状態に準備することができる。トレイ600は、二次電池10を寝かせた姿勢または立てた姿勢で1個ずつ収納可能な複数の収納部601を有している。
【0028】
外形検査部200、投入位置340およびトレイ600の床からの高さは、作業者OPが固定位置500で立ったりしゃがんだりせずに作業できるように、同一の高さになるように調整されている。例えば、外形検査部200、投入位置340およびトレイ600の床からの高さは、作業者OPが固定位置500に立ったままで作業できるように、約1000mmとされている。
【0029】
図4は電極端子検査部210の構成を表す平面図であり、図5は図4に示した電極端子検査部210を作業者OP側から見た構成を表している。
【0030】
電極端子検査部210は、電極端子12の外形寸法の規格範囲を示す規格範囲表示部211を有している。規格範囲表示部211は、電極端子12の外形寸法の規格範囲を示している。すなわち、規格範囲表示部211は、電極端子12の間隔Dの最大値Dmaxおよび最小値Dmin、密着フィルム31の長さLSの最大値LSmaxおよび最小値LSmin、ならびに電極端子12の長さLTの最大値LTmaxおよび最小値minを示している。また、規格範囲表示部211は、正極端子12aおよび負極端子12bのそれぞれに対応して一つずつ設けられている。なお、規格範囲表示部212の形状は、電極端子12の外形寸法の規格範囲を示していればよく、図4に示した例に限られない。
【0031】
また、電極端子検査部210は、規格範囲表示部211と電極端子12とが重なり合うように二次電池10の位置を決める位置設定部212を有している。位置設定部212は、幅ガイド部212aと、係止部212bとを有している。幅ガイド部212aは、二次電池10が、例えば寝かせた姿勢で、電極端子12の引き出されている端面を先頭として電極端子12の引き出されている方向と同じ方向に差し込まれるものであり、二次電池10の幅Wにほぼ合わせた幅で形成されている。係止部212bは、幅ガイド部212aに差し込まれた電池本体11の電極端子12が引き出されている端面を係止するものである。
【0032】
規格範囲表示部211の中間の位置には、二次電池10が幅ガイド部212aに適切に差し込まれているかを確認するための位置確認部213が設けられている。位置確認部213は、幅ガイド部212aに差し込まれた電池本体11の先端に対応する位置に設けられており、電池本体11の電極端子12が引き出されている端面が係止部212bに当接するまで、二次電池10が確実に幅ガイド部212aに差し込まれているかを確認するためのものである。
【0033】
図6は、電池本体検査部220の構成を表すものである。電池本体検査部220は、二次電池10の電極端子12が引き出されている側と反対側の端部を当接する高さ基準部221と、この高さ基準部221に対向する位置に配置された階段状ゲージ(NOGOゲージ)222とを備えている。階段状ゲージ222は、高さ基準部221に二次電池10を当接させて移動させることにより、電池本体11の高さHが規格範囲内であるか否かを判断するためのものである。
【0034】
すなわち、階段状ゲージ222は、二つの段222a,222bを有しており、高さ基準部221と二つの段222a,222bのそれぞれとの距離は、電池本体11の高さHの規格範囲を示している。すなわち、高さ基準部221と段222aとの距離は、電池本体11の高さHの最小値Hminに対応し、高さ基準部221と段222bとの距離は、電池本体11の高さHの最大値Hmaxに対応している。したがって、電池本体11の高さHが規格範囲内である場合には、電池本体11は、段222aと段222bとの間の側面である高さ良品判定部223に当接する。しかし、高さHが規格範囲より短い場合には、電池本体11は、段222aと高さ基準部221との間の高さ不足判定部224に当接する。また、高さHが規格範囲を超えている場合には、電池本体11は、段222bよりも外側の高さ過剰判定部225に当接する。
【0035】
図7は、内部検査部300および印字部400の位置関係を表す概略構成図である。内部検査部300は、巻回電極体20(図2参照)の巻回形状をX線により検査するX線検査部321と、二次電池10の内部のインピーダンスを測定して内部ショートの有無を確認するインピーダンス検査部331とを有している。移動機構301は、例えば連続するコンベアにより構成され、二次電池10を載せて矢印A方向に往復移動し、X線検査部321、インピーダンス検査部331および印字部400を通過するようになっている。なお、移動機構301は、二次電池10をテーブルに載置し、そのテーブルを移動機構301により移動させるようにすることなどが可能である。
【0036】
X線検査部321は、図示しないX線出射部を有し、X線出射部から出射されたX線によりX線検査が行われる。
【0037】
インピーダンス検査部331は、例えば、二次電池10の正極端子12aおよび負極端子12bに接触させるための図示しない一対の接触端子(コンタクトプローブ)を有し、この一対の接触端子を例えばシリンダなどにより、電極端子12に接触させてインピーダンス測定を行う位置と、電極端子12から離間する位置との間で移動させることができるようになっている。
【0038】
図8は、検査装置100において一つの二次電池10がどのように移動するかを、矢印A1ないしA10で表したものである。図9は、検査装置100を用いた作業者OPの検査作業工程を、検査装置100による検査工程と合わせて表すものである。
【0039】
まず、作業者OPは、投入位置310に戻ってきた(図8の矢印A9)二次電池10を、一方の手で掴む(S01)。また、作業者OPは、外形検査を終えた他の二次電池10を、他方の手で、外形検査テーブル201上を滑らせるようにして移動機構301上の投入位置310にセットし(図8の矢印A6)、起動ボタン306を押す(S02)。
【0040】
起動ボタン306が押されると、検査装置100は、移動機構301に載置された二次電池10を、投入位置310からX線検査位置320へと移動させる(S03、図8の矢印A7)。
【0041】
二次電池10をX線検査位置320に移動させたのち、検査装置100は、X線検査部321によって二次電池10のX線検査を行い、その結果を内部検査用表示部302に表示し、報知部302aにより例えば「ピッ」とアラームを鳴らすことにより、表示が完了したことを作業者に音声で知らせて、待機する(S04)。
【0042】
作業者OPは、検査装置100が二次電池10のX線検査を行っている間に、S01で一方の手に掴んだ二次電池10の外観を検査し、トレイ600に収納する(S05、図8の矢印A10)。そして、報知部302aによる音声が聞こえたら内部検査用表示部302の画面を観察して、内部検査用表示部302に表示された結果に基づいて操作ボタン305を押して、印字部400に良、不良に応じた印字の指示を与える(S06)。
【0043】
操作ボタン305が押されると、検査装置100は、移動機構301に載置された二次電池10をX線検査位置320からインピーダンス検査位置330へと移動する(S07、図8の矢印A8)。
【0044】
二次電池10をインピーダンス検査位置330に移動させたのち、検査装置100は、インピーダンス測定部331によって、二次電池10のインピーダンス検査を行う(S08)。インピーダンス検査を行ったのち、検査装置100は、移動機構301に載置された二次電池10をインピーダンス検査位置330から投入位置310へと移動させながら、印字部400で良、不良に応じた印字を行う(S09、図8の矢印A9)。このとき、印字部400で二次電池10を停止させずに、印字部400を通過させながら印字を行うようにすることも可能である。
【0045】
作業者OPは、操作ボタン305を押したのち、検査装置100においてインピーダンス検査および印字が行われている間に、前工程排出位置230に排出されているもう一つの二次電池10を他方の手で掴む(S10、図8の矢印A1)。そして、他方の手で掴んだ二次電池10を電極端子検査部210にセットし(図8の矢印A2)、電極端子12の外形寸法の検査を行う(S11)。電極端子12の外形寸法の検査を行ったのち、作業者OPは、二次電池10を手で移動させて電池本体検査部220にセットし(図8の矢印A3)、二次電池10を移動させて(図8の矢印A4,A5)、電池本体11の高さHの検査を行う(S12)。
【0046】
こうして作業者OPが外形検査を終えるときまでに、インピーダンス検査および印字を終えた二次電池10が、移動機構301により投入位置310に移動してくる。そのために、移動機構301の速度は、作業者OPが外形検査に要する時間を考慮して調整されている。二次電池10が投入位置310に戻ってくると、作業者OPは、その二次電池10を一方の手で掴み(S01)、上述と同様の工程を繰り返す。
【0047】
図10は、電極端子検査部210により電極端子12の外形寸法の検査を行う方法を説明するための図である。図10(A)は、位置設定部212に二次電池10がセットされていない場合に外形検査用表示部202に表示される画像を表している。この場合には、規格範囲表示部211および位置確認部213が明部(図10(A)で白地で示した部分)となり、それ以外の部分はすべて暗部(図10(A)で斜線を付した部分)となる。なお、規格範囲表示部211および位置確認部213は、図示しないバックライトにより照明されて明部となっており、図示しないCCDカメラで撮像されて外形検査用表示部202に表示されている。
【0048】
図10(B)は、電極端子12の外形寸法が規格範囲内にある良品の二次電池10が位置設定部212にセットされた場合に、外形検査用表示部202に表示される画像の一例を表している。作業者OPは、二次電池10を一方の手で移動させて、電池本体11の電極端子12が引き出されている端面が係止部212bに当接するまで幅ガイド部212aに差し込み、規格範囲表示部212と電極端子12とを重ね合わせて、その重なり状態を外形検査用表示部202で観察することによって、電極端子12の外形寸法の検査を行う。このとき、規格範囲表示部212に重なる電極端子12は影、すなわち暗部(図10(B)で斜線を付した部分)となり、規格範囲表示部212のうち電極端子12によって遮られていない部分が明部(図10(B)で白地で示した部分)となる。なお、規格範囲表示部212の周囲は、図10(A)と同様に暗部となる。作業者OPは、明部の形状を外形検査用表示部202上で観察し、以下のように電極端子12の外形寸法の検査を行う。
【0049】
まず、電極端子12の長さLTが規格範囲内にある場合には、電極端子12の先端12cが規格範囲表示部211内に視認できる。
【0050】
また、電極端子12の間隔Dが規格範囲内にある場合には、規格範囲表示部211内に視認される電極端子12の先端12cの両側に、明部211aが形成される。
【0051】
密着フィルム31の長さLSが規格範囲内にある場合には、規格範囲表示部211内に密着フィルム31が視認できる。なお、図10(B)では、規格範囲表示部211内に視認される密着フィルム31を、点線で示している。
【0052】
このように本実施の形態では、検査装置100は、外形検査部200、内部検査部300および印字部400を備えているので、検査装置100がコンパクト化される。
【0053】
また、特に、外形検査部200、内部検査部300および印字部400は、作業者OPが固定位置500で作業できるように配置されているので、検査装置100がコンパクト化されると共に検査作業の効率が向上する。
【0054】
特に、外形検査部200は、作業者OPが固定位置500において手で二次電池10を移動させながら電池本体11および電極端子12の外形寸法の検査を行うことができる位置に配置されているので、作業者OPが固定位置500から移動したり姿勢を変えたりする必要がなく、手を動かすだけで外形寸法の検査を行うことができ、検査作業に要する時間が短縮され、作業効率が向上する。
【0055】
また、外形検査部200の電極端子検査部210では、電極端子12の規格範囲を示す規格範囲表示部211と、規格範囲表示部211と電極端子12とが重なり合うように二次電池10の位置を決める位置設定部212と、規格範囲表示部211と電極端子12との重なり状態を表示する外形検査用表示部202とを備えたので、作業者OPは、外形検査用表示部202に表示された画像を観察するだけで、電極端子12の間隔Dと、電極端子12の長さLTと、密着フィルム31の長さLSとを効率良く検査することができる。
【0056】
更に、電池本体検査部220は、電池本体11の電極端子12が引き出されている側の反対側の端部を当接させる高さ基準部221と、高さ基準部221に対向する位置に階段状ゲージ222とを備えたので、作業者OPは、高さ基準部221に二次電池10を当接させて移動させるだけで電池本体11の高さHを効率良く検査することができる。
【0057】
また、特に、作業者OPの手の届く位置に、外形検査、内部検査および印字が終了した二次電池10が収納されるトレイ600が配置されているので、二次電池10の検査に加えて、良品の二次電池10をトレイ600に収納して出荷可能な状態に準備することができる。
【0058】
[第2の実施の形態]
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る検査装置の概略構成を表している。この検査装置700は、二次電池10を第1の実施の形態の検査装置100の外形検査部300に投入する前に、二次電池10の電池本体11のリーク検査を行うためのものである。リーク検査が終了した二次電池10は、例えば、検査装置100における前工程排出位置230に排出されるようにすることが可能である。
【0059】
この検査装置700は、二次電池10を寝かせた姿勢で収納する真空室(チャンバー)710と、この真空室710内において二次電池10を載置する載置板720とを有している。載置板720は、例えばニッケル(Ni)でめっきされたステンレスにより構成されている。
【0060】
検査装置700は、また、真空室710内を真空に引く真空ポンプ730を備えている。真空室710と真空ポンプ730とを接続する配管731には、減圧バルブ732と、復圧バルブ733とが設けられている。減圧バルブ732は、真空室710内を減圧するものであり、復圧バルブ733は、真空室710内の真空を破壊するものである。
【0061】
また、検査装置700は、真空室710内の圧力Pを計測する真空圧センサ740と、この真空圧センサ740によって計測された圧力Pに基づいて電池本体11にリークが生じているか否かを判定するリーク判定機750とを有している。
【0062】
真空室710は、下部本体711と上部本体712とが、Oリング713を介して密閉された構成を有している。上部本体712は固定されており、下部本体711は上昇または下降可能となっている。下部本体711が上昇すると真空室710が密閉され、下降すると真空室710は開放される。
【0063】
図12は、載置板720の平面構成を表している。載置板720は、例えば、全体としてほぼ矩形の形状を有しており、長手方向に沿って両側に2本ずつ、長手方向の一端に1本、合計5本の切り欠き721が設けられている。なお、載置板721の周縁部には、下部本体711に固定されるためのネジ孔722が、載置板720の厚さ方向に設けられている。
【0064】
載置板720は、真空室710の内壁側の界面から二次電池10側に向かって貫通する空気抜き孔723を有している。空気抜き溝723は、真空室710内を減圧する際に、載置板720の真空室710の内壁側の界面、すなわち載置板720と下部本体711との界面に保有される空気を急速に排気できるようにするものである。
【0065】
すなわち、真空室710に二次電池10を収容せずに内部を真空に引いて、真空室710内の圧力Pを測定すると、理想的には「0000」となるはずである。しかしながら、実際に計測された圧力Pは比較的大きな値となり、後述するリーク検査方法によってわずかなリークを判定しようとする際に、誤差が生じてしまう。このように実際に計測された真空室710内の圧力Pが比較的大きくなる原因について、本発明者は、真空室710は気密性に細心の考慮を払って製作されているものの、真空室710内に空気が取り込まれてしまうことにあるということを、種々の実験によって確認した。更に、本発明者は、真空室710内の空気は、真空室710内に設けられた多数のネジ孔および載置板720の真空室710の内壁側の界面などの僅かな隙間に保有されるということも見出した。したがって、載置板720に空気抜き溝723を設けることによって、真空室710内を真空に引く際に、真空室710内に取り込まれてネジ孔および載置板720の真空室710側の内壁側の界面などに保有されている僅かな空気も急速に排気することができる。
【0066】
図13は、図11に示した検査装置700によるリーク検査方法を説明するための図であり、リークのない二次電池10を検査した場合の真空室710内の圧力Pの変化を表している。図14は、図13の一部を拡大して表すと共に、リークのある二次電池10を検査した場合の真空室710内の圧力Pの変化を合わせて表したものである。
【0067】
まず、下部本体711の載置板720に二次電池10を載置し、下部本体711を上昇させて真空室710を密閉する。このとき、真空室710内の圧力Pは大気圧に等しくなっている。次いで、時刻t1に、減圧バルブ732を開として、真空室710内の圧力Pを例えば950hPaまで減圧する。減圧バルブ732を開とする時刻t1と、真空室710内の圧力Pが950hPaに達する時刻t2との間の減圧時間T1は、特に定められていない。
【0068】
時刻t2に、真空室710内の圧力Pが950hPaに達したのち、減圧バルブ732を閉とし、時刻t3まで待つ。時刻t2と時刻t3との間の圧力安定化時間T2は、例えば0.4sである。
【0069】
時刻t3が経過したのち、真空室710内の圧力Pの変化を監視し、時刻t4において、真空室710内の圧力Pt4を計測する。時刻t3と時刻t4との間の圧力変化監視時間T3は、例えば2sである。
【0070】
計測された圧力Pt4は、リーク判定機750に入力され、上限しきい値Pth1未満であるか否かが判別される。計測された圧力Pt4が上限しきい値Pth1以上である場合には、リーク判定機750は、二次電池10にはリークがあると判定する。計測された圧力Pt4が上限しきい値Pth1未満である場合、リーク判定機750は、二次電池10にはリークが無いと判定する。なお、下限しきい値Pth2は、時刻t2における真空室710内の圧力P、すなわち例えば950hPaとすることもできるし、それとは別の値を定めても良い。
【0071】
このようにしてリークを検出できる理由は、次の通りである。すなわち、密閉した真空室710内を減圧すると、真空室710内は排気抵抗が小さいので瞬時に減圧され、真空室710内と二次電池10内との間に圧力差が生じる。ここで、二次電池10の外装部材30に小さい孔があった場合には、二次電池10内のガスは、排気抵抗が大きいので徐々に真空室710内に排出されて真空室710内の圧力Pを上昇させ、時刻t4における真空室710内の圧力Pt4が上限しきい値Pth1以上になる。また、二次電池10の外装部材30にリーク原因となる小さい孔などがない場合には、真空室710内と二次電池10内との圧力差は変化せずに保持される。この方法は、わずかなリークの検出に適している。
【0072】
時刻t4における真空室710内の圧力Pを計測し、リーク検出を行ったのち、復圧バルブ733を開として真空室710内の真空を破壊する。その後、復圧バルブ733を閉として次の検査指示を待つ。
【0073】
ここでは、載置板720に空気抜き溝723が設けられているので、減圧時間T1において真空室710内を真空に引く際に、真空室710内に取り込まれてネジ孔および載置板720の真空室710の内壁側の界面などに保有されている僅かな空気も急速に排気される。よって、時刻t4における真空室710内の圧力Pt4の誤差が小さくなり、リーク検査の精度が高まる。
【0074】
このように本実施の形態では、載置板720に空気抜き溝723が設けられているので、減圧時間T1において真空室710内を真空に引く際に、真空室710内に取り込まれてネジ孔および載置板720の内壁側の界面などに保有されている僅かな空気も急速に排気することができる。よって、時刻t4における真空室710内の圧力Pt4の誤差が小さくなり、リーク検査の精度を高めることができる。
【0075】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について、図11ないし図15を参照し同一の符号を用いて詳細に説明する。
【0076】
(実施例1〜12)
図11に示した検査装置700に、図12に示した空気抜き溝723が設けられた載置板720を取り付け、二次電池10を収容せずに真空室710を密閉した。図13に示したリーク検査方法に従い、減圧時間T1(2s)では、真空室710内の圧力Pを大気圧から96000paまで減圧し、圧力安定化時間T2(0.4s)および圧力変化監視時間T3(2s)が経過した後、時刻t4における真空室710内の圧力Pt4を計測した。同様にして時刻t4における真空室710内の圧力Pt4の計測を更に11回繰り返し、全部で12回の計測を行った。その結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
本実施例に対する比較例1〜12として、図15に示したような空気抜き溝の設けられていない載置板820を用いたことを除き、他は本実施例と同様にして時刻t4における真空室710内の圧力Pt4を計測し、これを全部で12回繰り返した。その結果を表1に合わせて示す。なお、図15において、載置板820の載置板720に対応する構成要素には、載置板720の対応する符号と下2桁を同じくする800番台の符号を付した。
【0079】
表1から分かるように、載置板720に空気抜き溝723を設けた実施例1〜12の方が、空気抜き溝を設けない載置板820を用いた比較例1〜12よりも、時刻t4における真空室710内の圧力Pt4が約5分の1に小さくなっていた。すなわち、載置板720に空気抜き溝723を設ければ、真空室710内に取り込まれてネジ孔および載置板720の真空室710の内壁側の界面などに保有されている僅かな空気も急速に排気することができ、時刻t4における真空室710内の圧力Pt4を小さくすることができることが分かった。
【0080】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、外形検査部200の電池本体検査部220によって、電池本体11の高さHを検査するようにしたが、電池本体検査部220は、電池本体11の幅Wまたは厚さTの検査を行うようにしてもよい。また、電池本体11の高さH、幅Wおよび厚さTのうちの二つまたは全部を検査可能な構成とすることも可能である。
【0081】
更に、上記実施の形態では、内部検査部300は、X線検査およびインピーダンス検査を行うようにしたが、これらの代わりに、またはこれらに追加して、他の検査を行うようにすることも可能である。また、上記実施の形態では、搬送機構301は、連続するコンベアによって構成され、移動機構301を内部検査部300内で直線状に往復移動させるようにしたが、移動機構301は回転式のものとしてもよく、移動機構301の移動経路は直線状に限られない。また、搬送機構301は、連続するコンベアに限られず、ロボット式可動装置とすることも可能である。
【0082】
また、上記実施の形態では、検査装置100,700によって二次電池10の検査を行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、二次電池10と同様の構造を有する一次電池の検査を行うことも可能である。
【0083】
更に、上記実施の形態では、二次電池10の電池本体11が、例えば、正極、セパレータおよび負極等をこの順に積層して巻回した巻回電極体20を備えた場合について説明したが、二次電池10は電池本体11から電極端子12が導出されたものであればよい。例えば、電池本体11は、正極、セパレータおよび負極を単層または複数層積層した積層体を外装部材30に収容したものであってもよい。
【0084】
また、外装部材30は、上述したラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の検査装置によれば、外形検査部、内部検査部および印字部を備えたので、検査装置がコンパクト化される。
【0086】
特に、請求項2記載の検査装置によれば、外形検査部、内部検査部および印字部は、作業者が固定位置で作業できるように配置されているので、検査装置がコンパクト化されると共に検査作業の効率が向上する。
【0087】
特に、請求項3記載の検査装置によれば、外形検査部は、作業者が固定位置において手で電池を移動させながら電池本体および電極端子の外形寸法の検査を行うことができる位置に配置されているので、作業者が固定位置から移動したり姿勢を変えたりする必要がなく、手を動かすだけで検査を行うことができ、検査作業に要する時間が短縮され、作業効率が向上する。
【0088】
また、特に、請求項4記載の検査装置によれば、外形検査部は、電極端子の規格範囲を示す規格範囲表示部と、規格範囲表示部と電極端子とが重なり合うように電池の位置を決める位置設定部と、規格範囲表示部と電極端子との重なり状態を表示する外形検査用表示部とを備えたので、作業者は、外形検査用表示部に表示された画像を観察するだけで、電極端子の間隔、長さ、密着フィルムの長さなどの外形寸法を効率良く検査することができる。
【0089】
加えて、特に、請求項5記載の検査装置によれば、外形検査部は、電池の電極端子が引き出されている側の反対側の端部を当接させる高さ基準部と、高さ基準部に対向する位置に階段状ゲージとを備えたので、作業者は、高さ基準部に電池を当接させて移動させるだけで電池本体の高さを効率良く検査することができる。
【0090】
また、特に、請求項10記載の検査装置によれば、検査および印字が終了した電池が収納されるトレイが、作業者の手の届く位置に配置されているので、良品の電池をトレイに収納して出荷可能な状態に準備することができる。
【0091】
請求項13ないし請求項22のいずれか1項に記載の電池の製造方法によれば、外形検査、内部検査および印字を含む工程を、固定位置にいる1人の作業者により行うようにしたので、検査作業の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る検査装置によって検査および製造される二次電池の外観を表す斜視図である。
【図2】図1に示した二次電池の外装部材の一部を切り開いて内部構成を表す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る検査装置の構成を表す平面図である。
【図4】図1に示した外形検査部の電極端子検査部の構成を表す平面図である。
【図5】図4に示した電極端子検査部を作業者側から見た構成を表す正面図である。
【図6】図1に示した外形検査部の電池本体検査部に設けられた階段状ゲージの構成を表す平面図である。
【図7】図1に示した内部検査部および印字部を側面から見た位置関係を表す概略構成図である。
【図8】図1に示した検査装置において一つの二次電池がどのように移動するかを表す平面図である。
【図9】図1に示した検査装置を用いた作業者の検査作業工程を、検査装置による検査工程と合わせて表す流れ図である。
【図10】図1に示した外形検査部の電極端子検査部による電極端子の検査方法を説明するための説明図であり、図10(A)は位置設定部に二次電池がセットされていない場合に外形検査用表示部に表示される画像を表す模式図、図10(B)は、良品の二次電池が位置設定部にセットされた場合に外形検査用表示部に表示される画像を表す模式図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る検査装置の概略構成を表す図である。
【図12】図11に示した載置板の構成を表す平面図である。
【図13】図11に示した検査装置により、良品の二次電池を検査した場合の真空室内の圧力の変化を表す図である。
【図14】図13の点線で囲まれた部分を拡大して表すと共に、不良品の二次電池を検査した場合の真空室内の圧力の変化を合わせて表す図である。
【図15】本発明の比較例で用いられた載置板の構成を表す平面図である。
【符号の説明】
10…二次電池、11…電池本体、12…電極端子、12a…正極端子、12b…負極端子、20…巻回電極体、30…外装部材、31…密着フィルム、100,700…検査装置、200…外形検査部、201…外形検査テーブル、202…外形検査用表示部、210…電極端子検査部、211…規格範囲表示部、212…位置設定部、212a…幅ガイド部、212b…係止部、213…位置確認部、220…電池本体検査部、221…高さ基準部、222…階段状ゲージ、222a,222b…段、230…前工程排出位置、300…外形検査部、301…移動機構、302…内部検査用表示部、303…指示部、304…操作パネル、305…操作ボタン、306…起動ボタン、310…投入位置、320…X線検査位置、321…X線検査部、330…インピーダンス検査位置、331…インピーダンス検査部、400…印字部、500…固定位置、600…トレイ、601…収納部、710…真空室、711…下部本体、712…上部本体、713…Oリング、720,820…載置板、730…真空ポンプ、731…配管、732…減圧バルブ、733…復圧バルブ、740…真空圧センサ、750…リーク判定機、721,821…切り欠き、722,822…ネジ孔、723…空気抜き溝、t1,t2,t3,t4…時刻、T1…減圧時間、T2…圧力安定化時間、T3…圧力変化監視時間、Pth1…上限しきい値、Pth2…下限しきい値
Claims (22)
- 電池本体から電極端子が引き出された電池の外形寸法の検査を行う外形検査部と、
前記電池の内部検査を行う内部検査部と、
前記電池に対して印字を行う印字部と
を備えたことを特徴とする検査装置。 - 前記外形検査部、前記内部検査部および前記印字部は、1人の作業者が固定位置で作業できるように配置されていることを特徴とする請求項1記載の検査装置。
- 前記外形検査部は、前記作業者が固定位置において手で前記電池を移動させながら前記電池本体および前記電極端子の外形寸法の検査を行うことができる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の検査装置。
- 前記外形検査部は、
電極端子の外形寸法の規格範囲を示す規格範囲表示部と、
前記規格範囲表示部と電極端子とが重なり合うように前記電池の位置を決める位置設定部と、
前記規格範囲表示部と電極端子との重なり状態を表示する外形検査用表示部と
を備えたことを特徴とする請求項3記載の検査装置。 - 前記外形検査部は、
前記電池の電極端子が引き出されている側と反対側の端部を当接する高さ基準部と、
この高さ基準部に対向する位置に配置され、前記高さ基準部に電池を当接させて移動させることにより、電池本体の電極端子が引き出されている方向における高さが規格範囲内であるか否かを判断するための階段状ゲージと
を備えたことを特徴とする請求項3記載の検査装置。 - 前記内部検査部は、
前記作業者の作業範囲内において前記電池を載置可能であり、載置した電池を移動させる移動機構と、
前記移動機構によって前記電池を移動させて前記電池のX線検査を行うX線検査部と、
前記移動機構によって前記電池を移動させて前記電池のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の検査装置。 - 前記内部検査部は、内部検査の結果に基づき前記印字部に良、不良に応じた印字を指示する指示部を備えたことを特徴とする請求項1記載の検査装置。
- 前記内部検査部は、更に、内部検査の結果を表示する内部検査用表示部を備え、前記指示部は、前記内部検査用表示部に表示された結果に基づいて作業者が指示を与える操作パネルを有することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
- 前記内部検査部は、更に、前記内部検査用表示部に内部検査の結果が表示されたことを作業者に音声により知らせる報知部を備えたことを特徴とする請求項8記載の検査装置。
- 前記作業者の手の届く位置に、前記外形検査部および前記内部検査部における検査と前記印字部による印字とが終了した前記電池を収納するトレイが配置されたことを特徴とする請求項1記載の検査装置。
- 更に、前記電池のリークの有無を検査するリーク検査部を備えたことを特徴とする請求項1記載の検査装置。
- 前記リーク検査部は、前記電池を収納する真空室と、この真空室内において前記電池を載置する載置板とを有し、この載置板は、前記真空室の内壁側の界面から前記電池側に向かって貫通する空気抜き孔を備えたことを特徴とする請求項11記載の検査装置。
- 電池本体から電極端子が引き出された電池の外形寸法の検査と、前記電池の内部検査と、前記電池に対する印字とを含む工程を、固定位置にいる1人の作業者により行うことを特徴とする電池の製造方法。
- 前記外形検査工程では、前記作業者が、一方の手で前記電池を移動させながら前記電池本体および前記電極端子の外形寸法の検査を行うことを特徴とする請求項13記載の電池の製造方法。
- 前記外形検査工程では、前記作業者が、前記電池を一方の手で移動させて、前記電極端子の外形寸法の規格範囲を示す規格範囲表示部と前記電極端子とを重ね合わせ、その重なり状態から良、不良を判断することによって前記電極端子の外形寸法の検査を行うことを特徴とする請求項13記載の電池の製造方法。
- 前記外形検査工程では、前記作業者が、前記電池を一方の手で移動させて、前記電池の前記電極端子が引き出されている側と反対側の端部を高さ基準部に当接させ、この高さ基準部と対向する位置に配置された階段状ゲージにより、前記電池本体の前記電極端子が引き出されている方向における高さが規格範囲内であるか否かを判断することによって前記電池本体の高さの検査を行うことを特徴とする請求項13記載の電池の製造方法。
- 前記内部検査工程では、前記作業者が前記電池を移動機構まで移動させたのち、移動機構により前記電池を移動させて前記電池のX線検査およびインピーダンス測定を行うことを特徴とする請求項13記載の電池の製造方法。
- 前記内部検査工程では、内部検査の結果に基づき良、不良に応じた印字を指示することを特徴とする請求項13記載の電池の製造方法。
- 前記内部検査工程では、内部検査の結果に基づき、前記作業者が、操作パネルから印字部に指示を与えることを特徴とする請求項13記載の電池の製造方法。
- 内部検査の結果が前記内部検査用表示部に表示されたことを前記作業者に音声によって知らせることを特徴とする請求項13記載の電池の製造方法。
- 前記外形検査、内部検査および印字を含む工程が終了したしたのち、前記電池を作業者が他方の手でトレイに収納することを特徴とする請求項13記載の電池の製造方法。
- 前記外形検査部に前記電池を投入する前に、前記電池本体のリーク検査を行うことを特徴とする請求項13記載の電池の製造方法。
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JP2019067645A (ja) * | 2017-10-02 | 2019-04-25 | オートモーティブエナジーサプライ株式会社 | 電池の検査方法 |
JP2021068684A (ja) * | 2019-10-22 | 2021-04-30 | 王磊 | リチウム電池が出荷される前に使用する品質検査装置 |
CN112985998A (zh) * | 2021-02-05 | 2021-06-18 | 浙江锦泰电子有限公司 | 一种分体式推力工装 |
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- 2002-11-20 JP JP2002336995A patent/JP2004171960A/ja not_active Withdrawn
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