JP2004168564A - 植物廃棄物の処理装置 - Google Patents

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Takaya Komine
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Showa Aircraft Industry Co Ltd
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Abstract

【課題】第1に、酸素が十分に供給されて、発酵,分解,堆肥化が促進され、第2に、温度維持や水分補給も十分に行われ、この面からも発酵,分解,堆肥化が促進され、第3に、悪臭や土壌汚染は解消され、第4に、粒の細かい堆肥を供給可能となり、第5に、人手,メンテナンス,電源,燃料等が不要であり、コスト面等にも優れた、植物廃棄物の処理装置を提案する。
【解決手段】この処理装置1は、風力を利用して回転力を得て駆動用に伝達する風車部3と、風車部3にて駆動される破砕ローラー12を備え、投入された植物廃棄物2を破砕する破砕機4と、風車部3にて駆動される攪拌用のフィン18を備え、破砕機4から細かく破砕されて供給された植物廃棄物2を、攪拌しつつ発酵,分解させて堆肥化する発酵機5と、収集された雨水等の水を発酵機5内の植物廃棄物2に滴下,補給する水補給部6と、を有してなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物廃棄物の処理装置に関する。すなわち、刈り草,刈り芝,落ち葉,その他の植物廃棄物を、発酵,分解させて堆肥化する処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、刈り草,刈り芝,落ち葉,その他の植物廃棄物の堆肥化は、次のように行われていた。
すなわち、屋外において植物廃棄物を、まず→破砕機にて破砕した後、→空地に山積みし、→週1回程度の攪拌(切返し)を行いつつ、→自然発酵,分解させて堆肥化する方式が、一般的に採用されていた。
なお、破砕や攪拌(切返し)は、ディーゼルエンジンや電動モータを使用して行われており、電動モータの場合は、電源線(電灯線),バッテリー,発電機等が利用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
《第1の問題点》
ところで、このようなこの種従来例の堆肥化方式については、次の問題が指摘されていた。第1に、酸素不足により発酵,分解,堆肥化に時間がかかる、という問題が指摘されていた。
すなわち、上述したこの種従来例の堆肥化方式では、山積みされた植物廃棄物について、攪拌(切返し)不足となり易く、→もって、山積みされた下部・内部では酸素が不足し、→発酵を行う微生物、特に好気性微生物の活動,増殖が鈍くなり、→発酵,分解が進展せず、→堆肥化に時間・日数がかかる、という指摘があった。
例えば降雨時には、雨水が、山積みされた植物廃棄物の下部・内部までは浸透せずに、外部・外側に溜まって、下部・内部への通気孔を塞いでしまい、酸素不足の問題が顕著化していた。
【0004】
《第2の問題点》
第2に、温度面や水分面がネックとなり、発酵,分解,堆肥化に時間がかかる、という問題も指摘されていた。この種従来例の堆肥化方式では、上述した酸素面の問題と共に、温度面や水分面の問題も提起されていた。
まず温度面については、→発酵の進行に伴い、植物廃棄物の温度は、例えば60℃程度にまで必須的に上昇するが、→この種従来例の堆肥化方式では、屋外のため特に冬場はその温度維持が困難であり、→もって、発酵を行う微生物の活動,増殖が鈍くなり、→発酵,分解がスムーズに進展せず、停止してしまう虞さえあり、→結局、堆肥化に時間・日数がかかる、という指摘があった。
又、水分面については、→植物廃棄物中には元々水分量が少ないが、→発酵に伴う温度上昇により、植物廃棄物中から水分が蒸発してしまい、→もって、この面からも微生物の活動,増殖が鈍くなり、停止してしまう虞さえあり、→結局、発酵,分解,堆肥化に時間・日数がかかる、という指摘があった。
なお雨水は、山積みされた植物廃棄物の下部・内部までは、浸透しにくく、もって従来は、切返し時に水の補給が実施されていた。
【0005】
《第3の問題点》
第3に、悪臭や土壌汚染の問題も指摘されていた。すなわち、前述したこの種従来例の堆肥化方式では、攪拌(切返し)不足となり易く、→山積みされた植物廃棄物の下部・内部では、酸素不足となり易いが、→これにより、嫌気性微生物の活動が活発化していた。
そこで、→増殖した嫌気性微生物が、乳酸等の有機酸を生成し、→もって、臭気(ゴミの臭い)がひどいと共に、農作物への悪影響が懸念されていた。→そこで別途、これらへの対策を講じる必要があった。
例えば降雨時には、前述したように雨水が外部・外側に溜まって通気孔を塞いでしまい、下部・内部の酸素不足が顕著化し、もって嫌気性微生物の活動が活発化する、という指摘があった。
【0006】
《第4の問題点》
第4に、粒の細かい堆肥が得られない、という問題が指摘されていた。すなわち、前述したこの種従来例の堆肥化方式にあっては、→上述したように、攪拌不足そして下部・内部の酸素不足に起因して、嫌気性微生物の活動活発化の問題があるので、→事前の破砕機による破砕に際し、植物廃棄物を細かく破砕することができなかった。
もしも細かく破砕すると、→攪拌不足と合いまって下部・内部への通気性が非常に悪くなり、嫌気性微生物の活動,増殖が一段と助長されてしまうことになる。→そこで植物廃棄物は、従来、粒が大き目に破砕され、→もって、粒が大き目の堆肥とされており、→堆肥としての使用に際し、種々の不具合やクレームが報告されていた。
例えば、ゴルフ場のフェアウェイに散布した場合、芝目に入り込みにくく、見た目も悪い、という苦情も寄せられていた。
【0007】
《第5の問題点》
第5に、人手,メンテナンス,電源,燃料等を要し、コスト面に問題があると共に、騒音や排ガス問題も指摘されていた。
すなわち、この種従来例の堆肥化方式では、破砕,山積み,攪拌,水補給等の各工程毎に、人手が必要であり人的コストがかさむ、という問題があった。
更に、破砕や攪拌に際しては、通常、ディーゼルエンジンや電動モータが使用されており、その駆動用として発電機,バッテリー,電源線,燃料油等が必要であり、設備コストや用益コストがかさむ、という指摘があった。メンテナンスも、頻繁に実施する必要があった。
ディーゼルエンジンを使用する場合は、騒音問題や排気ガス問題も指摘されていた。
【0008】
《本発明について》
本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものであって、風車部,破砕機,発酵機,水補給部等を備えてなり、風力を利用して植物廃棄物を破砕,攪拌すると共に、雨水等を利用して水を補給するシステムを採用したこと、を特徴とする。
もって本発明は、第1に、酸素が十分に供給されて、発酵,分解,堆肥化が促進され、第2に、温度維持や水分補給も十分に行われ、この面からも、発酵,分解,堆肥化が促進され、第3に、悪臭や土壌汚染は解消され、第4に、粒の細かい堆肥を供給可能となり、第5に、人手,メンテナンス,電源,燃料等が不要であり、コスト面等にも優れた、植物廃棄物の処理装置を提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1については次のとおり。すなわち、請求項1の植物廃棄物の処理装置は、植物廃棄物を堆肥化する処理装置であって、風力を利用して回転力を得る風車部と、該風車部にて駆動され、該植物廃棄物を攪拌しつつ発酵,分解させて堆肥化する発酵機と、を有してなることを特徴とする。
請求項2については次のとおり。すなわち、請求項2の植物廃棄物の処理装置は、請求項1において、更に、該風車部にて駆動され、投入された該植物廃棄物を破砕して該発酵機へと供給する破砕機と、水を該発酵機内の該植物廃棄物に補給する水補給部と、を有してなることを特徴とする。
【0010】
請求項3については次のとおり。すなわち、請求項3の植物廃棄物の処理装置は、請求項2において、該風車部は、自然の風にて回転するプロペラと、該プロペラにて得られた回転力を駆動力として伝達するシャフトや歯車と、を備えてなる。
該破砕機は、対をなす破砕ローラーを備え、該植物廃棄物を挟み込んで破砕する。該発酵機は、該破砕機下に上面が開放されて配設されると共に、断熱材で覆われており、破砕されて落下した該植物廃棄物を多数のフィンで攪拌する。
該水補給部は、雨水を集める収集面と、該収集面で収集された雨水のタンクと、該タンクから供給された雨水を該発酵機内の該植物廃棄物に滴下させる滴下配管と、該タンクから該滴下配管に供給される雨水が該植物廃棄物の発酵にとって過剰とならないよう、流量を設定可能な調整バルブと、を備えてなることを特徴とする。
【0011】
《作用について》
本発明は、このような技術手段よりなるので、次のようになる。▲1▼植物廃棄物は、破砕機に投入され、その破砕ローラーにて細かく破砕される。
▲2▼それから植物廃棄物は、破砕機下の断熱材で覆われた発酵機内に落下,供給され、そのフィンで攪拌されつつ、微生物による発酵,分解が開始される。
▲3▼破砕機や発酵機は、風車部にて駆動される。風車部は、風力にて回転するプロペラの回転力を、破砕機の破砕ローラーや発酵機のフィンに、駆動力として伝達する。
▲4▼これと共に、水補給部から雨水等の水が、タンクや滴下配管を経由して、植物廃棄物に滴下,補給される。
【0012】
▲5▼さて、植物廃棄物を発酵,分解させる微生物は、その生育,活動,増殖に、酸素,温度,水分,栄養等が必要である。
そして栄養分は、植物廃棄物から供給される。酸素は、風車部にて回転力が得られている限り、発酵機のフィンが駆動され植物廃棄物を攪拌することにより、供給される。
▲6▼発酵が進むと温度が上昇するが、発酵機が断熱材で覆われているので、上昇した温度は維持される。又、この温度上昇により、植物廃棄物の水分が蒸発するが、水補給部にて雨水等の水が滴下,補給される。
このように各条件が満たされるので、発酵機内で微生物の活動,増殖が活発化し、植物廃棄物の発酵,分解,堆肥化が促進される。
【0013】
▲7▼発酵機には、酸素が十分に供給される。そこで、嫌気性微生物の活動が活発化することはなく、乳酸等の弊害をもたらす有機酸の生成も、抑制される。
▲8▼発酵機には酸素が供給され、嫌気性微生物の活動が抑制されるので、破砕機において、植物廃棄物を通気性が乏しくなる程度まで細かく破砕して、発酵機に供給してもよく、粒の細かい堆肥が供給可能となる。
▲9▼この処理装置は、風車部、破砕機、発酵機、水補給部等よりなり、植物廃棄物を破砕機に投入するだけで、後は人手を介することなく、自動的に堆肥化が実現される。メンテナンスの頻度も低い。又、ディーゼルエンジンや電動モータを使用しないので、発電機,バッテリー,電源,燃料等も不用である。
【0014】
【発明の実施の形態】
《図面について》
以下本発明を、図面に示す発明の実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2は、本発明に係る植物廃棄物の処理装置の実施の形態の説明に供する。
そして、図1は正断面説明図、図2は側断面説明図である。
【0015】
《処理装置1の概要について》
この植物廃棄物2の処理装置1は、植物廃棄物2を発酵により分解して、堆肥化する。
そして処理装置1は、屋外に設置されると共に、風車部3,破砕機4,発酵機5,水補給部6等を、備えてなる。以下、これらについて詳述する。
【0016】
《風車部3について》
まず、風車部3について述べる。風車部3は、風力を利用して回転力を得るようになっており、自然の風にて回転するプロペラ7と、プロペラ7にて得られた回転力を駆動力として伝達するシャフト8,9や歯車10等、を備えてなる。
すなわち、風車部3のプロペラ7は、例えば2枚や3枚程度用いられ、ハブ11を介し横シャフト8の一端に、縦に固定されている。そして横シャフト8は、かさ歯車10を介し、縦シャフト9の上端に接続されている。そして縦シャフト9は、中央下位において、かさ歯車10を介し破砕機4の破砕ローラー12に接続されると共に、下端において、かさ歯車を介し発酵機5のシャフト13に接続されている。
そこで、自然の風にてプロペラ7が回転すると、発生した回転力が、ハブ11,横シャフト8,かさ歯車10,縦シャフト9,かさ歯車10等を経由して、破砕機4の破砕ローラー12や発酵機5のシャフト13に、その駆動力として、伝達される。
【0017】
又、横シャフト8やこれに付設されたかさ歯車10は、処理装置1全体の最上位に突出位置すると共に、保護カバーたるナセル14で覆われており、雨等を原因とした錆や埃等による動作不良が防止されている。
又、縦シャフト9やこれに付設されたかさ歯車10も、同様の目的により、円筒状の支柱15内に収納されている。支柱15は、風車部3も全体的に保持する機能も果たしており、プロペラ7,ハブ11,横シャフト8,そのかさ歯車10,ナセル14,尾翼16,ベアリング17等を、支えている。
尾翼16は、横シャフト8の他端に固設されており、ベアリング17は、ナセル14と支柱15間に介装されている。そこで、尾翼16に風が当たると、プロペラ7が風上方向を向くように、ナセル14そして横シャフト8が、ベアリング17を利用して回転する。
なお図示例では、1本の横シャフト8や縦シャフト9が用いられているが、勿論これによらず、複数本の横シャフト8や縦シャフト9、そして複数組のプロペラ7を用いることも可能である。
風車部3は、このようになっている。
【0018】
《破砕機4について》
次に、破砕機4について述べる。破砕機4は、風車部3にて駆動される、対をなす破砕ローラー12を備えており、投入された植物廃棄物2を挟み込んで破砕すると共に、破砕された植物廃棄物2を発酵機5へと供給する。
すなわち破砕機4は、上部ほど径大となった略円筒状・室状をなし、開放された上面から植物廃棄物2が投入される。破砕機4の下部内には、1対の破砕ローラー12が横設され、対向配設されている。破砕ローラー12の一端は、風車部3の縦シャフト9に、かさ歯車10を介して接続されており、軸廻りの回転駆動力が伝達される。
投入された植物廃棄物2は、破砕ローラー12の表面に形成された周突状間へと落下し、挟み込まれて通過することにより細かく破砕され、もって破砕機4の下面開口から、発酵機5内へと落下,供給される。被処理対象物である植物廃棄物2としては、刈り草,刈り芝,落ち葉等が代表的であるが、これらに限定されるものではなく、例えば木の枝等も考えられる。
破砕機4は、このようになっている。
【0019】
《発酵機5について》
次に、発酵機5について述べる。発酵機5は、破砕機4下に上面が開放されて配設されると共に、断熱材Aで覆われており、破砕されて落下してきた植物廃棄物2を、風車部3にて駆動される多数のフィン18で攪拌しつつ、発酵,分解させて堆肥化する。
すなわち、醸成槽たる発酵機5は、上面が破砕機4の下面開口下に開放された容器状・室状をなし、側壁および下壁が断熱材Aで覆われており、図示例では、側壁および下壁の外殻内部に断熱材Aが充填されており、側壁に取出部が付設されている。
発酵機5の中央には、シャフト13が横設されており、シャフト13の一端に、風車部3の縦シャフト9が、かさ歯車10を介して接続されており、軸廻りの回転駆動力が伝達される。そしてシャフト13には、多数のフィン18が縦に植設されており、細かく破砕されて落下,供給された植物廃棄物2は、シャフト13のフィン18が、回転羽根状に回転駆動されることにより、攪拌され,切返される。
そこで発酵機5内においては、バクテリア細菌その他の微生物、特に好気性微生物が、発酵により植物廃棄物2を酵素的に分解して行き、ここでは堆肥を生成する段階までの発酵過程を辿る。
発酵機5は、このようになっている。
【0020】
《水補給部6について》
次に、水補給部6について述べる。水補給部6は、雨水等の水を発酵機5に補給する。
そして、図示例の水補給部6は、雨水を集める収集面19と、収集面19で収集された雨水のタンク20と、タンク20から供給された雨水を発酵機5の植物廃棄物2に滴下させる滴下配管21と、タンク20から滴下配管21に供給される雨水が植物廃棄物2の発酵にとって過剰とならないよう、流量を設定可能な調整バルブ22と、を備えてなる。
【0021】
まず収集面19は、図示例では処理装置1全体の屋根としても機能している。収集面19の下部には、金網23を介し桶24が配設されている。そこで、収集面19で集められた雨水は、金網23で、落ち葉や埃等が濾過された後、桶24や配管を介し、より下位に配設されたタンク20へと流入する。
タンク20は、下位の供給配管25そして滴下配管21に接続されている。そこで、タンク20内の雨水は、供給配管25や滴下配管21を介し、発酵機5内の植物廃棄物2に滴下される。すなわち、この水補給部6の滴下配管21は、発酵機5内の上部に、1本又は複数本が若干傾斜しつつ延設されており、下面に滴下用の孔が列設されている。
又、調整バルブ22は、タンク20と滴下配管21との間、つまり供給配管25に介装されており、発酵にとって過剰となる雨水が滴下されないように、滴下用に供給される雨水の流量を、人手により予め調整可能となっている。すなわち、もしも過剰な雨水が滴下されると、細かく破砕された植物廃棄物2の下部・内部が窒息状態となり、好気性微生物の活動が止まり嫌気性微生物の活動が活発化してしまうので、このような事態発生を防止すべく、調整バルブ22は使用される。
【0022】
さて雨水は、このような収集面19,タンク20,滴下配管21等の上下位置関係や、滴下配管21の傾斜に基づき、人力を介することなく、自然に収集,供給,滴下されると共に、その量が過剰とならないように予め調整バルブ22にて調整されている。降雨量が多い時期においては、雨水は一旦タンク20に貯蔵された後、供給,滴下されるが、タンク20からオーバーフローした雨水は、排水管26から外部へと排出される。
なお、図示例の水補給部6は、このように雨水を利用していたが、これによらず、その他の各種の水を、滴下配管21による滴下用に使用することも考えられる。例えば、川,池,水道,その他の水を利用することも考えられる。なお、図中27は処理装置1の基台フレームである。
水補給部6は、このようになっている。
【0023】
《作用等について》
本発明に係る植物廃棄物2の処理装置1は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
▲1▼収集された植物廃棄物2は、人手にて、破砕機4に投入される。破砕機4は、対をなす破砕ローラー12を備えており、投入された植物廃棄物2を挟み込んで、細かく破砕する。
▲2▼細かく破砕された植物廃棄物2は、破砕機4下に上面が開放されて配設された発酵機5内に、順次落下,供給される。そして植物廃棄物2は、断熱材Aで覆われた発酵機5内において、フィン18で攪拌されつつ、微生物による発酵,分解が開始される。
【0024】
▲3▼ところで、破砕機4および発酵機5は、風力を利用して回転力を得る風車部3にて、駆動される。
すなわち風車部3は、自然の風にて回転するプロペラ7の回転力を、横シャフト8,縦シャフト9,かさ歯車10等を介し、破砕機4や発酵機5に対し、その駆動力として伝達する。もって、破砕機4の破砕ローラー12や発酵機5のフィン18が、回転駆動される。
▲4▼これと共に水補給部6にて、水が発酵機5内の植物廃棄物2に、補給される。図示例の水補給部6は、収集面19で収集された雨水を、タンク20を経由した後、発酵機5内に配設された滴下配管21に供給して、植物廃棄物2に滴下する。
なお、タンク20と滴下配管21間には、調整バルブ22が介装されており、滴下,供給される雨水が過剰とならないように、流量が設定される。
【0025】
さてそこで、この植物廃棄物2の処理装置1にあっては、次の▲5▼,▲6▼,▲7▼,▲8▼,▲9▼のようになる。
▲5▼まず、植物廃棄物2を発酵,分解させる微生物、特に好気性微生物は、その十分な生育,活動,増殖にとって、酸素,温度,水分(湿度),栄養の諸条件が、好適に整っていることが必要である。
そして栄養分は、植物廃棄物2自体から供給され、もって、発酵に必要な栄養条件は満たされる。
次に、この種微生物の呼吸に必要十分な酸素については、→風車部3にて回転力が得られている限り、→発酵機5のフィン18が自動的に駆動されて、→細かく破砕された植物廃棄物2を攪拌することにより、→空気つまり酸素が、吹き込まれ,供給されるようになっている。→このようにして、発酵に必要な酸素条件も満たされる。
【0026】
▲6▼又、発酵が進むと、→発酵機5内の植物廃棄物2の温度は、例えば春から秋にかけては70℃程度まで、冬場でも60℃程度にまで上昇するが、→このような発酵は、発酵機5内で、しかも断熱材Aで覆われた状態で行われるので、→発酵に伴い上昇した温度が、外気温が下がった冬場でもそのまま維持される。→このようにして、発酵に必要な温度条件が満たされる。
又、発酵機5内の植物廃棄物2は、元々水分量が少なく、→更に、発酵に伴なう温度上昇により、水分が蒸発してしまうが、→水補給部6にて収集された雨水が、発酵機5内で発酵中の植物廃棄物2に滴下される等、水補給部6にて水が補給され、→もって、蒸発分が補給される。→このようにして、発酵に必要な水分条件も満たされる。
【0027】
このように、前述した▲5▼の酸素面や栄養面に加え、このように上述した▲6▼で温度面や水分面の条件も満たされるので、発酵機5内において、発酵に必要な微生物、特に好気性微生物の活動,増殖が常時活発化し、→もって、植物廃棄物2の発酵,分解が促進される。
このような工程を辿ることにより、→発酵機5内において、有機物たる植物廃棄物2が、酵素的に分解されて、発酵分解物たる堆肥となる。→そして、発酵機5内から取り出され、肥料として使用に供される。
【0028】
▲7▼なお、前述したように発酵機5内の植物廃棄物2には、フィン18による攪拌により必要十分な酸素が供給される。→そこで、発酵機5内において、嫌気性微生物の活動が活発化するようなことはなく、その活動は低く抑え込まれるので、→乳酸等の種々の弊害をもたらす有機酸の生成も、抑制される。
▲8▼又同様に、発酵機5内の植物廃棄物2には、必要十分な酸素が供給される。→そこで、前段階の破砕機4において、植物廃棄物2を自体の通気性が乏しくなる程度まで細かく破砕してから、発酵機5に供給しても、→嫌気性微生物の活動が活発化するようなことはなく、→もって嫌気性微生物の問題をクリアーしつつ、結果的に粒の細かい堆肥を供給可能となる。
【0029】
▲9▼しかも、このような植物廃棄物2の処理装置1は、所定の風車部3,破砕機4,発酵機5,水補給部6等を備えてなることにより、植物廃棄物2を人手にて破砕機4に投入するだけでよく、後は人手を介することなく風車部3により自動的に作動して、植物廃棄物2の堆肥化を実現する。
又、水補給部6による水の補給も、例えば雨水を利用し、人手を介することなく自動的に実施される。更に、自然の風力を利用した風車部3の回転力を、電気等に一旦変換することもなく、そのまま駆動源としてなる。
これらによりメンテナンスの頻度も低く、又、ディーゼルエンジンや電動モータを使用しないので、発電機,バッテリー,商用電源,燃料油等も不用である。
【0030】
《その他》
なお第1に、発酵促進には、投入される植物廃棄物2の炭素/窒素比(CN比)が、30〜50程度が好適である。
そこで、窒素成分が比較的多い刈り草や刈り芝等については、炭素成分が比較的多い落ち葉や木の枝等を加えることにより、処理装置1に投入される植物廃棄物2の炭素/窒素比(CN比)を調整しておくと、発酵機5内における発酵が、一段と促進される。正確には、これらの元素分析に基づき、混合比を調整しておくと良い。
【0031】
なお第2に、更に木の枝等は、セルロースとリグニンが、ヘミセルロースで接着された構造よりなり、そのままでは、発酵しずらく発酵に不利である。
そこで、処理装置1に木の枝等、上述した構造の植物廃棄物2を投入する際は、土を少量加えるようにすると良い。すなわち、土壌中に存在する放線菌は、セルロースとヘミセルロースを分解する機能を備えており、これを加えておくと、発酵機5における発酵が一段と促進されるようになる。
【0032】
なお第3に、雨水を利用した水補給部6は、図示例では、収集面19からの雨水を、すべてタンク20を経由して滴下配管21へと供給する方式よりなっていたが、水補給部6は、このような方式に限定されるものではない。
例えば、収集面19からの雨水を調整バルブ22を介しつつ、常時は直接、滴下配管21へと供給すると共に、調整バルブ22の上流にてオーバーフローした雨水を、タンク20に流下,貯蔵せしめておく。
そして、雨の少ない時期等必要に応じ、タンク20に貯蔵されていた雨水を、風車部3にて駆動されるポンプにて汲み上げて、調整バルブ22を介しつつ滴下配管21へと供給する。図示例によらず、例えばこのような方式の雨水を利用した水補給部6も、可能である。
【0033】
【発明の効果】
《本発明の特徴》
本発明に係る植物廃棄物の処理装置は、以上説明したように、風車部,破砕機,発酵機,水補給部等を備えてなり、風力を利用して植物廃棄物を破砕,攪拌すると共に、雨水等を利用して水を補給するシステムを採用したこと、を特徴とする。
もって本発明は、次の各効果を発揮する。
【0034】
《第1の効果》
第1に、酸素が十分に供給されて、植物廃棄物の発酵,分解,堆肥化が促進される。
すなわち、本発明の植物廃棄物の処理装置では、発酵機のフィンが植物廃棄物を攪拌することにより、十分な酸素が供給され、微生物の活動,増殖が活発化する。もって、植物廃棄物の発酵,分解が促進され、例えば1次発酵だと24時間程度と、前述したこの種従来例の堆肥化方式に比べ、堆肥化の時間・日数が大幅に短縮される。
【0035】
《第2の効果》
第2に、温度維持や水分補給も十分に行われ、この面からも、植物廃棄物の発酵,分解,堆肥化が促進される。
すなわち、本発明の植物廃棄物の処理装置では、断熱材付の発酵機内で発酵が行われるので、上昇した温度が維持されると共に、水補給部にて雨水等が植物廃棄物に滴下されるので、温度上昇による蒸発分が補給される。
そこで、これらの面からも微生物の活動,増殖が常に活発であり、発酵,分解が促進されて、この種従来例の堆肥方式に比べ、早い堆肥化が実現される。
【0036】
《第3の効果》
第3に、悪臭や土壌汚染も解消される。すなわち、本発明の植物廃棄物の処理装置では、前述したように十分な酵素が発酵機に供給されるので、この種従来例の堆肥化方式のように、嫌気性微生物の活動が活発化することはない。
そこで、有機酸の生成も抑制され、臭気(ゴミ臭)や農作物への悪影響は回避され、これらへの対策を講じる必要もなくなる。
【0037】
《第4の効果》
第4に、粒の細かい堆肥も供給可能となる。すなわち、本発明の植物廃棄物の処理装置では、破砕機にて植物廃棄物を細かく破砕しても、発酵機のフィンにて酸素を十分に供給でき、嫌気性微生物の活動を抑制できる。
そこで、この種従来例の堆肥化方式のように、通気性を確保して嫌気性微生物の活動を抑制するため、大き目に破砕する必要はなく、粒の細かい堆肥を供給でき、不具合・苦情なく堆肥として使用可能である。例えば、ゴルフ場のフェアウェイに散布した場合は、芝目に容易に入り込み、見た目もきれいである。
【0038】
《第5の効果》
第5に、人手,メンテナンス,電源,燃料等が不要で、コスト面等に優れている。
すなわち、本発明の植物廃棄物の処理装置は、この種従来例の堆肥化方式のように、各工程毎に人手を必要とすることがなく、植物廃棄物を破砕機に投入した後は、自然の風任かせや雨任かせで作動する。もって、人的コストが大幅に軽減させる。
又、風車部を駆動源としており、ディーゼルエンジンや電動モータを使用せず、発電機,バッテリー,電源線,燃料油等も必要としない。水補給部は、雨水等を利用している。もって、設備コストが軽減されると共に、用益コストも不用であり、メンテナンスの頻度も低い。更に、ディーゼルエンジンを使用しないので、騒音問題や排気ガス問題も発生しない。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植物廃棄物の処理装置について、発明の実施の形態の説明に供し、正断面説明図である。
【図2】同発明の実施の形態の説明に供し、側断面説明図である。
【符号の説明】
1 処理装置
2 植物廃棄物
3 風車部
4 破砕機
5 発酵機
6 水補給部
7 プロペラ
8 横シャフト
9 縦シャフト
10 かさ歯車
11 ハブ
12 破砕ローラー
13 シャフト
14 ナセル
15 支柱
16 尾翼
17 ベアリング
18 フィン
19 収集面
20 タンク
21 滴下配管
22 調整バルブ
23 金網
24 樋
25 供給配管
26 排水管
27 基台フレーム
A 断熱材

Claims (3)

  1. 植物廃棄物を堆肥化する処理装置であって、風力を利用して回転力を得る風車部と、該風車部にて駆動され、該植物廃棄物を攪拌しつつ発酵,分解させて堆肥化する発酵機と、を有してなること、を特徴とする植物廃棄物の処理装置。
  2. 請求項1に記載した植物廃棄物の処理装置において、更に、該風車部にて駆動され、投入された該植物廃棄物を破砕して該発酵機へと供給する破砕機と、水を該発酵機内の該植物廃棄物に補給する水補給部と、を有してなること、を特徴とする植物廃棄物の処理装置。
  3. 請求項2に記載した植物廃棄物の処理装置であって、該風車部は、自然の風にて回転するプロペラと、該プロペラにて得られた回転力を駆動力として伝達するシャフトや歯車と、を備えてなり、
    該破砕機は、対をなす破砕ローラーを備え該植物廃棄物を挟み込んで破砕し、該発酵機は、該破砕機下に上面が開放されて配設されると共に、断熱材で覆われており、破砕されて落下した該植物廃棄物を多数のフィンで攪拌し、
    該水補給部は、雨水を集める収集面と、該収集面で収集された雨水のタンクと、該タンクから供給された雨水を該発酵機内の該植物廃棄物に滴下させる滴下配管と、該タンクから該滴下配管に供給される雨水が該植物廃棄物の発酵にとって過剰とならないよう、流量を設定可能な調整バルブと、を備えてなること、を特徴とする植物廃棄物の処理装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103664267A (zh) * 2012-09-06 2014-03-26 苏州宝时得电动工具有限公司 自动堆肥机
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CN115197005A (zh) * 2021-04-14 2022-10-18 北京华信大成环保有限公司 一种用于处理有机废弃物的单罐发酵系统及方法

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