JP2004167621A - ホーニング加工装置の砥石径拡縮部材の作動方法およびホーニング加工装置 - Google Patents
ホーニング加工装置の砥石径拡縮部材の作動方法およびホーニング加工装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】定められた送り量だけ確実に砥石部材を径方向に送る(砥石径を拡大させる)ことができるようにする。
【解決手段】周方向に形成される砥石装着穴内に砥石を固定した砥石装着板が径方向に移動可能な状態で保持され、テーパ状の押出し部をもつロッド12を送り駆動モータ48の作動により下降させて砥石を径方向に移動させるようにホーニングヘッドが構成される。NC装置71には、送り駆動モータ48等の駆動を統括する演算制御部78が設けられる。この演算制御部78は、定められた砥石26の送り量に基づいてロッド12の目標位置を設定するとともに、被加工穴に対する前記ヘッドの上昇時には、砥石装着穴内における砥石装着板24の上下方向の遊び(隙間)分だけロッド12の移動目標位置を下方にシフト(補正)した位置を最終目標位置としてロッド12を移動させるように構成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】周方向に形成される砥石装着穴内に砥石を固定した砥石装着板が径方向に移動可能な状態で保持され、テーパ状の押出し部をもつロッド12を送り駆動モータ48の作動により下降させて砥石を径方向に移動させるようにホーニングヘッドが構成される。NC装置71には、送り駆動モータ48等の駆動を統括する演算制御部78が設けられる。この演算制御部78は、定められた砥石26の送り量に基づいてロッド12の目標位置を設定するとともに、被加工穴に対する前記ヘッドの上昇時には、砥石装着穴内における砥石装着板24の上下方向の遊び(隙間)分だけロッド12の移動目標位置を下方にシフト(補正)した位置を最終目標位置としてロッド12を移動させるように構成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホーニングヘッドに周方向に並んだ状態で保持された砥石部材を、テーパ状の操作部を備えた砥石径拡縮部材の進退操作により径方向に移動させて砥石径を拡縮させるように構成されたホーニング加工装置の砥石径拡縮部材の作動方法およびホーニング加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のようなホーニング加工装置として例えば特許文献1に開示されるような装置が知られている。この種の装置では、図5に示すように、ホーニングヘッド100の先端に筒状の砥石ホルダ102が設けられている。この砥石ホルダ102には、径方向(同図では左右方向)に貫通する複数の砥石装着穴104が周方向に亘って形成され、これらの砥石装着穴104内に、砥石108を固定した砥石装着板106が前記径方向に変位可能な状態で装着されている。そして、前記ホーニングヘッドの内部に、テーパ状押し出部112を備えたロッド110がその軸方向に変位可能に設けられる一方で、前記砥石装着板106の内端面が前記テーパ状押し出部112に合致するテーパ状に形成されている。これにより前記ロッド110が砥石ホルダ102に対して相対的に下降すると、前記押し出部112によって各砥石装着板106が径方向外側に押し出され、その結果、砥石径が拡大されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−318308号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなホーニングヘッドの構造では、砥石装着穴104内において砥石装着板106に上下方向の遊び(ガタ)がなく、かつ砥石装着板106が径方向にスムーズに変位するのが理想的である。しかし実際には、寸法精度上、上下方向の遊びが生じることが多く、このような遊びに起因して、次のような問題が考えられる。
【0005】
すなわち、同図に示すように、被加工穴H内で被加工物に対してホーニングヘッド100を下降させる時には、砥石108と被加工穴H内周面との摩擦抵抗により砥石装着板106が砥石ホルダ102に対して遊び(隙間s)分だけ押上げられ(図5に示す状態)、これにより砥石装着板106が砥石装着穴104の上端に当接した状態となる。ここで、例えば砥石装着穴104の上端に砥石装着板106が当接した状態で砥石径拡大のためのロッド110の下降位置が設定される場合には、各砥石装着板106のテーパ状内端面が押し出部112に密接しているため、砥石ホルダ102に対するロッド110の相対下降量に対応した分だけ各砥石装着板106は径方向外側に適切に押し出される。従って、特に問題が生じることはない。これに対して、被加工物に対してホーニングヘッド100を上昇させる時には、図6に示すように、被加工穴H内周面との摩擦抵抗により砥石装着板106が砥石ホルダ102に対して遊び(隙間s)分だけ押下げられ、砥石装着板106が砥石装着穴の下端に当接した状態となるため、ロッド110が正常に作動しているにも拘わらず結果的に各砥石108(砥石装着板106)が径方向外側に適切に押し出されないという現象が生じる。すなわち、上記のように砥石装着板106が砥石ホルダ102に対して押下げられると、各砥石装着板106のテーパ状内端面と押し出部112との間に隙間が形成され、さらに被加工穴H内周面と砥石108との接触時の反力によりこの隙間分だけ砥石装着板106が径方向内側に押し戻され、その結果、砥石径が縮小することとなる。従って、砥石108の径方向の送り量が不足して加工が不十分になるという問題が考えられる。
【0006】
なお、これは、砥石装着穴104の上端に砥石装着板106が当接した状態で砥石径拡大のためのロッド110の下降位置が設定される場合であるが、例えば砥石装着穴104の下端に砥石装着板106が当接した状態で砥石径拡大のためのロッド110の下降位置が設定される場合には、上記とは逆の現象が生じることとなる。すなわち、被加工物に対してホーニングヘッド100を上昇させる時には特に問題は生じないが、ホーニングヘッド100を下降させる時には、砥石108と被加工穴H内周面との摩擦抵抗により砥石装着板106が砥石ホルダ102に対して遊び(隙間s)分だけ押上げられる結果、砥石ホルダ102に対するロッド110の相対下降量に対応する分よりも余分に各砥石装着板106が径方向外側に押し出され、砥石108の径方向の送りが過剰に行われるという問題が考えられる。
【0007】
さらに、ホーニング加工では、一般に砥石の下降行程と上昇行程で加工方向が交差することにより、加工面に網目状の加工すじ(クロスハッチ)が形成されることが理想とされるが、上記のような送り不良が発生すると、下降行程と上昇行程のいずれかの行程で加工すじの形成が損なわれ、クロスハッチが形成されない場合が考えられる。例えば、被加工穴Hがシリンダブロックのボアである場合には、クロスハッチの未形成に起因して完成エンジンにおいるオイル消費量に悪影響を及ぼすことも考えられ、従って、ホーニング加工装置においては、上記のような送り不良の発生を防止することが望まれる。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、テーパ状の操作部を備えた砥石径拡縮部材の進退動作に伴い砥石径を拡縮させるホーニング加工装置において、定められた送り量だけ確実に砥石部材を径方向に送る(砥石径を拡大させる)ことができるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、筒状の砥石ホルダを有し、その筒壁を径方向に貫通する砥石装着穴が周方向に並ぶ複数の位置に形成されたホーニングヘッドと、各砥石装着穴に径方向に移動可能に保持され、少なくとも径方向外側に砥石をもつ複数の砥石部材と、テーパ状の操作部を有し、前記砥石ホルダの内側に挿入された状態で該砥石ホルダに対して軸方向に相対的に移動することにより各砥石部材を径方向に移動させて砥石径を拡縮させる砥石径拡縮部材とを備えたホーニング加工装置の前記砥石径拡縮部材の作動方法であって、前記砥石装着穴の前記軸方向における一方側の端面に前記砥石部材が当接した状態で所望の砥石径を得るために必要な前記砥石径拡縮部材の位置を目標位置として砥石径拡縮部材を移動させ、前記ホーニングヘッドの被加工物に対する相対的な移動方向であって被加工穴内周面と砥石との摩擦抵抗により前記砥石部材が前記一方側の端面から他方側の端面に変位する方向に前記ホーニングヘッドを移動させるときには、前記砥石装着穴内における砥石部材の前記軸方向の遊び分だけ前記目標位置を補正した位置を最終目標位置として前記砥石径拡縮部材を移動させるようにしたものである。
【0010】
また、筒状の砥石ホルダを有し、その筒壁を径方向に貫通する砥石装着穴が周方向に並ぶ複数の位置に形成されたホーニングヘッドと、各砥石装着穴に径方向に移動可能に保持され、少なくとも径方向外側に砥石をもつ複数の砥石部材と、テーパ状の操作部を有し、前記砥石ホルダの内側に挿入された状態で該砥石ホルダに対して軸方向に相対的に移動することにより各砥石部材を径方向に移動させて砥石径を拡縮させる砥石径拡縮部材とを備えたホーニング加工装置において、被加工穴に対して前記ホーニングヘッドを前記軸方向に相対的に移動させるヘッド移動手段と、砥石径を拡縮させるべく砥石径拡縮部材を前記軸方向に移動させる径拡縮駆動手段と、前記砥石装着穴内における砥石部材の前記軸方向の遊び量を記憶する記憶手段と、前記ヘッド移動手段および径拡縮駆動手段を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、前記砥石装着穴の前記軸方向における一方側の端面に前記砥石部材が当接した状態で所望の砥石径を得るために必要な前記砥石径拡縮部材の位置を目標位置として前記砥石径拡縮部材を移動させ、かつ前記ホーニングヘッドの被加工物に対する相対的な移動方向であって被加工穴内周面と砥石との摩擦抵抗により前記砥石部材が前記一方側の端面から他方側の端面に変位する方向に前記ホーニングヘッドを移動させるときには、前記記憶手段に記憶されている遊び量だけ前記目標位置を補正した位置を最終目標位置として前記砥石径拡縮部材を移動させるように構成されているものである。
【0011】
このような方法(装置)によれば、被加工穴に対するホーニングヘッドの相対的な移動方向であって特に被加工穴内周面と砥石との摩擦抵抗により前記砥石部材が前記一方側の端面から他方側の端面に変位する方向にホーニングヘッドを移動させるときには、砥石装着内での砥石部材の軸方向の遊び分だけ砥石径拡縮部材の目標位置を補正するので、被加工物内周面との摩擦抵抗により砥石部材が押し戻されても、その状態が所望の送り量だけ砥石部材を送った状態となる。従って、被加工物に対するホーニングヘッドの移動方向に拘わらず、所望の送り量に対して過不足無く砥石部材を送る(砥石径を拡大させる)ことができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態について図面を用いて説明する。
【0013】
図1は本発明に係るホーニング加工装置のホーニングヘッドの下半分を示し、図2は同上半分を示している。これらの図に示すように、ホーニングヘッドは、下端部に砥石ホルダ11を一体に備えた上下方向に延びる駆動筒10を有している。この駆動筒10内にはロッド12が挿入されており、このロッド12(砥石径拡縮部材)が駆動筒10に対してその中心軸上を該軸方向(上下方向)に移動可能とされている。このロッド12の途中部分には鍔部14が設けられている。そして、駆動筒10の内周面において前記鍔部14よりも下方の位置に突出部16が形成され、この突出部16と前記鍔部14との間にスプリング18が介装されることにより、前記ロッド12が駆動筒10に対して上方に付勢されている。
【0014】
このロッド12の下端部には、下方に向かうに従って縮径するテーパ状の押し出部20(操作部)が設けられている。これに対し、駆動筒10の下端部、つまり砥石ホルダ11には、その側壁に、径方向に貫通する複数の砥石装着穴22が周方向に等間隔に並べられた状態で設けられ、これら砥石装着穴22に、砥石装着板24がホーニングヘッドの径方向に変位可能に装着されるとともに、各砥石装着板24の外端面に砥石26が固定されている。これら砥石装着板24の内端面25は、上記押出し部20の外端面と合致するテーパ状に形成されており、従って、上記押出し部20が下降することにより、この押出し部20によって各砥石装着板24が径方向外側に押し出され、これにより砥石径(全砥石26の外接円の径)が拡大されるようになっている。なお、当実施形態では砥石26と砥石装着板24との組立体により本発明の砥石部材が構成されている。
【0015】
前記駆動筒10は、ホーニング加工装置の可動フレーム(図示省略)に設けられた支持筒28にベアリング30を介して回転可能に支持されており、駆動筒10の上端部に連結される回転駆動モータ32の作動により中心軸回りに高速で回転駆動されるようになっている。
【0016】
前記駆動筒10の上部外側には、ベアリング42介して外筒44が相対回転可能に装着されており、この外筒44の上部外周面に歯車46が固定されている。そして、図外の前記可動フレームに送り駆動モータ48が固定され、その出力軸に上記歯車46より小径の歯車50が固定されるとともに、この歯車50が前記歯車46に噛合されている。
【0017】
前記外筒44の内周面には雌ねじ53が刻設されており、この外筒44と上記駆動筒10との間にねじ筒54が配されている。このねじ筒54は、その外周面に雄ねじ56を有し、この雄ねじ56が上記外筒44の雌ねじ53に螺合した状態で外筒44内に挿入されている。また、ねじ筒54には上下方向に延びる回転規制ロッド57の下端が固定され、この回転規制ロッド57の上端部が前記可動フレームに軸方向にのみ移動可能に支持されている。これによりねじ筒54の回転が規制されている。
【0018】
一方、前記ロッド12の上端部には、径方向外側にピン60が突設されている。各ピン60の端部は、上記駆動筒10の側壁に貫設された上下方向の長穴58内に突出しており、これによりロッド12と駆動筒10とが前記ピン60を介して周方向に係合して、ロッド12と駆動筒10との相対回転が規制されている。そして、前記駆動筒10の外周面には、上下方向にスライド可能な状態で支持筒62が外嵌され、この支持筒62に上記ピン60の両端部が固定されるとともに、この支持筒62の外周面にベアリング64,66を介して前記ねじ筒54が相対回転可能に装着されている。
【0019】
すなわち、上記送り駆動モータ48が作動すると、その駆動力が歯車50,46を介して外筒44に伝達され、この外筒44が回転することにより、ねじ筒54とピン60を介してこのねじ筒54に連結されているロッド12とが駆動筒10に対して一体に昇降(上下動)するように構成されている。
【0020】
なお、上述したホーニングヘッドは、ホーニング装置本体の前記可動フレームに組付けられており、昇降駆動モータ70を駆動源とする昇降機構(図示せず)の作動により前記可動フレームと一体にホーニング装置本体に対して昇降(上下動)するように構成されている。
【0021】
このホーニング加工装置は、数値情報で示される加工指令情報の入力に応じて前記ホーニングヘッドの駆動等を自動制御するNC(Numerical Control)装置71を有している。このNC装置71は、モータ制御部72,74,76、演算制御部78(制御手段)、入力部80等を含んでいる。
【0022】
モータ制御部72,74,76は、それぞれ前記回転駆動モータ32、送り駆動モータ48および昇降駆動モータ70の駆動を制御するものでサーボアンプ等から構成されている。
【0023】
演算制御部78は、前記ホーニングヘッドの駆動を統括的に制御するもので、入力部80を介して数値情報として入力される加工指令情報に基づいて前記ホーニングヘッドの回転速度、ホーニングヘッドの昇降移動量および昇降速度、砥石の径方向の送り量、同送り速度等の加工条件を最適化し、その加工条件に基づいてホーニングヘッドを駆動すべく各モータ制御部72,74,76に制御信号を出力するものである。
【0024】
特に、砥石26の径方向の送り制御については、最適化された送り量で被加工穴内周面に対して砥石26が送られ得るように、前記砥石装着穴22内における砥石装着板24の上下方向の遊びを考慮して前記ロッド12の移動目標位置を設定するように構成されている。
【0025】
詳しく説明すると、演算制御部78には、図3に示すような砥石装着穴22内での砥石装着板24の上下方向の遊び量(隙間sの寸法h)を記憶する記憶手段(図示省略)が設けられおり、例えば出荷検査時において測定された実測値が前記入力部80を介して入力されることによりこの記憶手段に記憶されている。
【0026】
そして、砥石装着穴22の上端面に砥石装着板24が当接した状態で所望の砥石径を得るために必要なロッド12の位置を目標位置とし、砥石径がちょうど縮小状態にあるときのロッド12の位置を原点として図4に示すように前記目標位置Zを時間tの関数式f(t)に基づいて設定するとともに(すなわちZ=f(t))、特に、被加工物に対してホーニングヘッドを上昇させながら加工を行うときには、前記記憶手段に記憶されている砥石装着板24の遊び量(隙間sの寸法h)分だけ目標位置Zを下方に補正した位置を最終目標位置として設定する(すなわちZ=f(t)+hとする)。これにより砥石26を一定速度で送りながら、ホーニングヘッド上昇時には、前記遊び分だけロッド12を下方にシフトさせるようになっている。
【0027】
次に、以上のようなホーニング加工装置の作用について説明する。
【0028】
このホーニング加工装置による加工では、まず、昇降駆動モータ70の作動により可動フレームが下降を始め、砥石径が縮小された状態で、つまりロッド12が上昇端位置に停止された状態でホーニングヘッドの先端(下端)が工作物の被加工穴内に挿入される。次いで、回転駆動モータ32の作動により駆動筒10が回転駆動されるとともに、送り駆動モータ48の作動によりロッド12が駆動筒10内を下降する。この下降に伴い、ロッド12先端のテーパ状の押出し部20が各砥石装着板24およびこれに固定された砥石26を径方向外側に押出し、これによって砥石径が次第に拡大される。
【0029】
このように砥石径が拡大されることにより、各砥石26が被加工穴内周面に接触してホーニング加工が開始されることとなる。この際、上記式Z=f(t)に基づいてロッド12の目標位置Zが設定され、この目標位置Zに基づいて送り駆動モータ48の駆動が制御されることにより、砥石26が所定の送り量だけ一定の速度で径方向外側に送られることとなる。
【0030】
そして、ホーニングヘッドがさらに下降することにより、砥石26が被加工穴の下端に達すると、昇降駆動モータ70が反転駆動に切換えられ、これによりホーニングヘッドが被加工穴内を上昇し始める。
【0031】
ホーニングヘッドの上昇時には、上述の通り砥石装着板24の遊び(隙間sの寸法h)分だけロッド12の目標位置Zが下方にシフトした位置に設定される(図4参照)。これにより、ホーニングヘッド上昇中の砥石26の径方向送り量が適切に確保されることとなる。すなわち、ホーニングヘッド上昇時には、被加工穴内周面との摩擦抵抗により砥石26及びこれが固定された砥石装着板24が砥石ホルダ11に対して前記砥石装着穴22の下端まで押し下げられるため、砥石26の送り量に対応する分だけしかロッド12を下降させない場合には(すなわち、目標位置をZ=f(t)に従って設定する場合には)、摩擦抵抗による上記押下げにより各砥石装着板24のテーパ状内端面と押し出部20との間に隙間が形成され、さらに被加工穴内周面からの反力によりその隙間分だけ砥石26(砥石装着板24)が径方向内側に押し戻され、その結果、砥石径が縮小し、砥石26の送り量を確保することができなくなる。これに対して、上記のように砥石装着板24の遊び(隙間s)分だけシフトした位置にロッド12を移動させておけば、被加工穴内周面との摩擦抵抗により砥石装着板24が前記砥石装着穴22の下端まで押し下げられて砥石径が縮小した状態がちょう目標とする送り量だけ砥石26を送った状態となる。従って、加工条件で定められた送り量に対して過不足なく砥石26が径方向に送られることとなる。
【0032】
こうしてさらにホーニングヘッドが上昇し、砥石26が被加工穴内の上端に達すると、昇降駆動モータ70の駆動が再度切換えられ、以後、ホーニングヘッドが被加工穴内を上下方向に往復移動しながら所定の加工が施される。そして、最終的に被加工穴の加工が完了すると、ホーニングヘッドの先端(下端)が工作物の被加工穴から上方に引出され作業が終了することとなる。
【0033】
以上のように、このホーニング加工装置では、ホーニングヘッドを被加工穴に対して上昇させながら加工を施す際には、上述の通りロッド12の目標位置を砥石装着板24の上下方向の遊び(隙間s)分だけ下方にシフトさせ(補正し)、これによって、定められた送り量に対して過不足なく砥石26を径方向に送り得るようにしているので、被加工物に対するホーニングヘッドの上昇時、下降時を問わず、いずれの場合も砥石26を所定の送り量だけ適切に送りながらホーニング加工を行うことができる。
【0034】
従って、ホーニングヘッド上昇時(又は下降時)に砥石の送り量が不足する虞れがある従来のこの種のホーニング加工装置と比較すると、被加工穴に対してより高い精度でホーニング加工を施すことができるようになる。特に、被加工穴がエンジンシリンダのボアである場合、従来では、砥石の径方向の送り量が不足する結果、ホーニングヘッド上昇時(又は下降時)に加工すじの形成が損なわれてクロスハッチ(網目状の加工すじ)が形成されない場合もあり、例えば、完成エンジンにおいるオイル消費量に悪影響を及ぼすことも考えられたが、上記実施形態のホーニング加工装置によれば、このような加工トラブルの発生を有効に防止することができるようになる。
【0035】
また、上記のように砥石26の送り動作に関して砥石装着板24(砥石26)の遊びが考慮される分、砥石装着穴22や砥石装着板24の製作に際してはその寸法公差を多少大きく設定することが可能となり、これによりホーニング加工装置の生産性向上や生産コストの低廉化に貢献することができるという効果もある。
【0036】
なお、この実施形態では、上記のように砥石装着穴22の上端に砥石装着板24が当接した状態で砥石径拡大のためのロッド12の目標位置Zを設定する場合を前提としており、この前提のもとでは、ホーニングヘッドを被加工物に対して上昇させるときに砥石径が縮小されて砥石26の送り量が不足するという現象が発生するため、上述のように、ホーニングヘッド上昇時のロッド12の目標位置を砥石装着板24の前記遊び(隙間s)分だけ補正するようにしているが、例えば砥石装着穴22の下端に砥石装着板24が当接した状態で砥石径拡大のためのロッド12の目標位置Zを設定する場合には、上記実施形態とは逆の現象、つまりホーニングヘッドを被加工物に対して下降させるときに砥石26の送りが過剰になるという現象が発生することが考えられるため、この場合には、ホーニングヘッド下降時のロッド12の目標位置Zを砥石装着板24の前記遊び(隙間s)分だけ補正するようにすればよい。具体的には、砥石装着板24の遊び量(隙間sの寸法h)分だけ上方にシフトした位置をロッド12の目標位置Zとする(すなわちZ=f(t)−hとする)ように前記演算制御部78を構成すればよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、被加工穴に対するホーニングヘッドの相対的な移動方向であって、特に被加工穴内周面と砥石との摩擦抵抗により前記砥石部材が前記一方側の端面から他方側の端面に変位する方向にホーニングヘッドを移動させるときには、砥石装着内での砥石部材の軸方向の遊び分だけ砥石径拡縮部材の目標位置を補正し、これにより被加工物内周面との摩擦抵抗により砥石部材が前記遊び分だけ押し戻されても、その状態が所望の送り量だけ砥石部材を送った状態となるようにしているので、砥石部材に軸方向の遊びがある場合でも、所望の送り量に対して過不足無く砥石部材を送り動作させる(砥石径を拡大させる)ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホーニング加工装置のホーニングヘッドの下半分を示す断面略図である。
【図2】本発明に係るホーニング加工装置のホーニングヘッドの上半分および制御系を示す断面略図である。
【図3】砥石装着板の遊びとその遊びにより生じる砥石の径方向変位量との関係を説明するホーニングヘッド先端部分の断面図である。
【図4】砥石の送り制御の例を説明する図である。
【図5】砥石装着板の遊びとその遊びにより生じる砥石の径方向変位との関係を示すホーニングヘッド先端部分の断面図である(ホーニングヘッド下降時)。
【図6】砥石装着板の遊びとその遊びにより生じる砥石の径方向変位との関係を示すホーニングヘッド先端部分の断面図である(ホーニングヘッド上昇時)。
【符号の説明】
10 駆動筒
11 砥石ホルダ
12 ロッド(砥石径拡縮部材)
20 押し出部(操作部)
22 砥石装着穴
24 砥石装着板
26 砥石
70 昇降駆動モータ
71 NC装置
72,74,76 モータ制御部
78 演算制御部(制御手段)
80 入力部
s 隙間(遊び)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホーニングヘッドに周方向に並んだ状態で保持された砥石部材を、テーパ状の操作部を備えた砥石径拡縮部材の進退操作により径方向に移動させて砥石径を拡縮させるように構成されたホーニング加工装置の砥石径拡縮部材の作動方法およびホーニング加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のようなホーニング加工装置として例えば特許文献1に開示されるような装置が知られている。この種の装置では、図5に示すように、ホーニングヘッド100の先端に筒状の砥石ホルダ102が設けられている。この砥石ホルダ102には、径方向(同図では左右方向)に貫通する複数の砥石装着穴104が周方向に亘って形成され、これらの砥石装着穴104内に、砥石108を固定した砥石装着板106が前記径方向に変位可能な状態で装着されている。そして、前記ホーニングヘッドの内部に、テーパ状押し出部112を備えたロッド110がその軸方向に変位可能に設けられる一方で、前記砥石装着板106の内端面が前記テーパ状押し出部112に合致するテーパ状に形成されている。これにより前記ロッド110が砥石ホルダ102に対して相対的に下降すると、前記押し出部112によって各砥石装着板106が径方向外側に押し出され、その結果、砥石径が拡大されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−318308号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなホーニングヘッドの構造では、砥石装着穴104内において砥石装着板106に上下方向の遊び(ガタ)がなく、かつ砥石装着板106が径方向にスムーズに変位するのが理想的である。しかし実際には、寸法精度上、上下方向の遊びが生じることが多く、このような遊びに起因して、次のような問題が考えられる。
【0005】
すなわち、同図に示すように、被加工穴H内で被加工物に対してホーニングヘッド100を下降させる時には、砥石108と被加工穴H内周面との摩擦抵抗により砥石装着板106が砥石ホルダ102に対して遊び(隙間s)分だけ押上げられ(図5に示す状態)、これにより砥石装着板106が砥石装着穴104の上端に当接した状態となる。ここで、例えば砥石装着穴104の上端に砥石装着板106が当接した状態で砥石径拡大のためのロッド110の下降位置が設定される場合には、各砥石装着板106のテーパ状内端面が押し出部112に密接しているため、砥石ホルダ102に対するロッド110の相対下降量に対応した分だけ各砥石装着板106は径方向外側に適切に押し出される。従って、特に問題が生じることはない。これに対して、被加工物に対してホーニングヘッド100を上昇させる時には、図6に示すように、被加工穴H内周面との摩擦抵抗により砥石装着板106が砥石ホルダ102に対して遊び(隙間s)分だけ押下げられ、砥石装着板106が砥石装着穴の下端に当接した状態となるため、ロッド110が正常に作動しているにも拘わらず結果的に各砥石108(砥石装着板106)が径方向外側に適切に押し出されないという現象が生じる。すなわち、上記のように砥石装着板106が砥石ホルダ102に対して押下げられると、各砥石装着板106のテーパ状内端面と押し出部112との間に隙間が形成され、さらに被加工穴H内周面と砥石108との接触時の反力によりこの隙間分だけ砥石装着板106が径方向内側に押し戻され、その結果、砥石径が縮小することとなる。従って、砥石108の径方向の送り量が不足して加工が不十分になるという問題が考えられる。
【0006】
なお、これは、砥石装着穴104の上端に砥石装着板106が当接した状態で砥石径拡大のためのロッド110の下降位置が設定される場合であるが、例えば砥石装着穴104の下端に砥石装着板106が当接した状態で砥石径拡大のためのロッド110の下降位置が設定される場合には、上記とは逆の現象が生じることとなる。すなわち、被加工物に対してホーニングヘッド100を上昇させる時には特に問題は生じないが、ホーニングヘッド100を下降させる時には、砥石108と被加工穴H内周面との摩擦抵抗により砥石装着板106が砥石ホルダ102に対して遊び(隙間s)分だけ押上げられる結果、砥石ホルダ102に対するロッド110の相対下降量に対応する分よりも余分に各砥石装着板106が径方向外側に押し出され、砥石108の径方向の送りが過剰に行われるという問題が考えられる。
【0007】
さらに、ホーニング加工では、一般に砥石の下降行程と上昇行程で加工方向が交差することにより、加工面に網目状の加工すじ(クロスハッチ)が形成されることが理想とされるが、上記のような送り不良が発生すると、下降行程と上昇行程のいずれかの行程で加工すじの形成が損なわれ、クロスハッチが形成されない場合が考えられる。例えば、被加工穴Hがシリンダブロックのボアである場合には、クロスハッチの未形成に起因して完成エンジンにおいるオイル消費量に悪影響を及ぼすことも考えられ、従って、ホーニング加工装置においては、上記のような送り不良の発生を防止することが望まれる。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、テーパ状の操作部を備えた砥石径拡縮部材の進退動作に伴い砥石径を拡縮させるホーニング加工装置において、定められた送り量だけ確実に砥石部材を径方向に送る(砥石径を拡大させる)ことができるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、筒状の砥石ホルダを有し、その筒壁を径方向に貫通する砥石装着穴が周方向に並ぶ複数の位置に形成されたホーニングヘッドと、各砥石装着穴に径方向に移動可能に保持され、少なくとも径方向外側に砥石をもつ複数の砥石部材と、テーパ状の操作部を有し、前記砥石ホルダの内側に挿入された状態で該砥石ホルダに対して軸方向に相対的に移動することにより各砥石部材を径方向に移動させて砥石径を拡縮させる砥石径拡縮部材とを備えたホーニング加工装置の前記砥石径拡縮部材の作動方法であって、前記砥石装着穴の前記軸方向における一方側の端面に前記砥石部材が当接した状態で所望の砥石径を得るために必要な前記砥石径拡縮部材の位置を目標位置として砥石径拡縮部材を移動させ、前記ホーニングヘッドの被加工物に対する相対的な移動方向であって被加工穴内周面と砥石との摩擦抵抗により前記砥石部材が前記一方側の端面から他方側の端面に変位する方向に前記ホーニングヘッドを移動させるときには、前記砥石装着穴内における砥石部材の前記軸方向の遊び分だけ前記目標位置を補正した位置を最終目標位置として前記砥石径拡縮部材を移動させるようにしたものである。
【0010】
また、筒状の砥石ホルダを有し、その筒壁を径方向に貫通する砥石装着穴が周方向に並ぶ複数の位置に形成されたホーニングヘッドと、各砥石装着穴に径方向に移動可能に保持され、少なくとも径方向外側に砥石をもつ複数の砥石部材と、テーパ状の操作部を有し、前記砥石ホルダの内側に挿入された状態で該砥石ホルダに対して軸方向に相対的に移動することにより各砥石部材を径方向に移動させて砥石径を拡縮させる砥石径拡縮部材とを備えたホーニング加工装置において、被加工穴に対して前記ホーニングヘッドを前記軸方向に相対的に移動させるヘッド移動手段と、砥石径を拡縮させるべく砥石径拡縮部材を前記軸方向に移動させる径拡縮駆動手段と、前記砥石装着穴内における砥石部材の前記軸方向の遊び量を記憶する記憶手段と、前記ヘッド移動手段および径拡縮駆動手段を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、前記砥石装着穴の前記軸方向における一方側の端面に前記砥石部材が当接した状態で所望の砥石径を得るために必要な前記砥石径拡縮部材の位置を目標位置として前記砥石径拡縮部材を移動させ、かつ前記ホーニングヘッドの被加工物に対する相対的な移動方向であって被加工穴内周面と砥石との摩擦抵抗により前記砥石部材が前記一方側の端面から他方側の端面に変位する方向に前記ホーニングヘッドを移動させるときには、前記記憶手段に記憶されている遊び量だけ前記目標位置を補正した位置を最終目標位置として前記砥石径拡縮部材を移動させるように構成されているものである。
【0011】
このような方法(装置)によれば、被加工穴に対するホーニングヘッドの相対的な移動方向であって特に被加工穴内周面と砥石との摩擦抵抗により前記砥石部材が前記一方側の端面から他方側の端面に変位する方向にホーニングヘッドを移動させるときには、砥石装着内での砥石部材の軸方向の遊び分だけ砥石径拡縮部材の目標位置を補正するので、被加工物内周面との摩擦抵抗により砥石部材が押し戻されても、その状態が所望の送り量だけ砥石部材を送った状態となる。従って、被加工物に対するホーニングヘッドの移動方向に拘わらず、所望の送り量に対して過不足無く砥石部材を送る(砥石径を拡大させる)ことができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態について図面を用いて説明する。
【0013】
図1は本発明に係るホーニング加工装置のホーニングヘッドの下半分を示し、図2は同上半分を示している。これらの図に示すように、ホーニングヘッドは、下端部に砥石ホルダ11を一体に備えた上下方向に延びる駆動筒10を有している。この駆動筒10内にはロッド12が挿入されており、このロッド12(砥石径拡縮部材)が駆動筒10に対してその中心軸上を該軸方向(上下方向)に移動可能とされている。このロッド12の途中部分には鍔部14が設けられている。そして、駆動筒10の内周面において前記鍔部14よりも下方の位置に突出部16が形成され、この突出部16と前記鍔部14との間にスプリング18が介装されることにより、前記ロッド12が駆動筒10に対して上方に付勢されている。
【0014】
このロッド12の下端部には、下方に向かうに従って縮径するテーパ状の押し出部20(操作部)が設けられている。これに対し、駆動筒10の下端部、つまり砥石ホルダ11には、その側壁に、径方向に貫通する複数の砥石装着穴22が周方向に等間隔に並べられた状態で設けられ、これら砥石装着穴22に、砥石装着板24がホーニングヘッドの径方向に変位可能に装着されるとともに、各砥石装着板24の外端面に砥石26が固定されている。これら砥石装着板24の内端面25は、上記押出し部20の外端面と合致するテーパ状に形成されており、従って、上記押出し部20が下降することにより、この押出し部20によって各砥石装着板24が径方向外側に押し出され、これにより砥石径(全砥石26の外接円の径)が拡大されるようになっている。なお、当実施形態では砥石26と砥石装着板24との組立体により本発明の砥石部材が構成されている。
【0015】
前記駆動筒10は、ホーニング加工装置の可動フレーム(図示省略)に設けられた支持筒28にベアリング30を介して回転可能に支持されており、駆動筒10の上端部に連結される回転駆動モータ32の作動により中心軸回りに高速で回転駆動されるようになっている。
【0016】
前記駆動筒10の上部外側には、ベアリング42介して外筒44が相対回転可能に装着されており、この外筒44の上部外周面に歯車46が固定されている。そして、図外の前記可動フレームに送り駆動モータ48が固定され、その出力軸に上記歯車46より小径の歯車50が固定されるとともに、この歯車50が前記歯車46に噛合されている。
【0017】
前記外筒44の内周面には雌ねじ53が刻設されており、この外筒44と上記駆動筒10との間にねじ筒54が配されている。このねじ筒54は、その外周面に雄ねじ56を有し、この雄ねじ56が上記外筒44の雌ねじ53に螺合した状態で外筒44内に挿入されている。また、ねじ筒54には上下方向に延びる回転規制ロッド57の下端が固定され、この回転規制ロッド57の上端部が前記可動フレームに軸方向にのみ移動可能に支持されている。これによりねじ筒54の回転が規制されている。
【0018】
一方、前記ロッド12の上端部には、径方向外側にピン60が突設されている。各ピン60の端部は、上記駆動筒10の側壁に貫設された上下方向の長穴58内に突出しており、これによりロッド12と駆動筒10とが前記ピン60を介して周方向に係合して、ロッド12と駆動筒10との相対回転が規制されている。そして、前記駆動筒10の外周面には、上下方向にスライド可能な状態で支持筒62が外嵌され、この支持筒62に上記ピン60の両端部が固定されるとともに、この支持筒62の外周面にベアリング64,66を介して前記ねじ筒54が相対回転可能に装着されている。
【0019】
すなわち、上記送り駆動モータ48が作動すると、その駆動力が歯車50,46を介して外筒44に伝達され、この外筒44が回転することにより、ねじ筒54とピン60を介してこのねじ筒54に連結されているロッド12とが駆動筒10に対して一体に昇降(上下動)するように構成されている。
【0020】
なお、上述したホーニングヘッドは、ホーニング装置本体の前記可動フレームに組付けられており、昇降駆動モータ70を駆動源とする昇降機構(図示せず)の作動により前記可動フレームと一体にホーニング装置本体に対して昇降(上下動)するように構成されている。
【0021】
このホーニング加工装置は、数値情報で示される加工指令情報の入力に応じて前記ホーニングヘッドの駆動等を自動制御するNC(Numerical Control)装置71を有している。このNC装置71は、モータ制御部72,74,76、演算制御部78(制御手段)、入力部80等を含んでいる。
【0022】
モータ制御部72,74,76は、それぞれ前記回転駆動モータ32、送り駆動モータ48および昇降駆動モータ70の駆動を制御するものでサーボアンプ等から構成されている。
【0023】
演算制御部78は、前記ホーニングヘッドの駆動を統括的に制御するもので、入力部80を介して数値情報として入力される加工指令情報に基づいて前記ホーニングヘッドの回転速度、ホーニングヘッドの昇降移動量および昇降速度、砥石の径方向の送り量、同送り速度等の加工条件を最適化し、その加工条件に基づいてホーニングヘッドを駆動すべく各モータ制御部72,74,76に制御信号を出力するものである。
【0024】
特に、砥石26の径方向の送り制御については、最適化された送り量で被加工穴内周面に対して砥石26が送られ得るように、前記砥石装着穴22内における砥石装着板24の上下方向の遊びを考慮して前記ロッド12の移動目標位置を設定するように構成されている。
【0025】
詳しく説明すると、演算制御部78には、図3に示すような砥石装着穴22内での砥石装着板24の上下方向の遊び量(隙間sの寸法h)を記憶する記憶手段(図示省略)が設けられおり、例えば出荷検査時において測定された実測値が前記入力部80を介して入力されることによりこの記憶手段に記憶されている。
【0026】
そして、砥石装着穴22の上端面に砥石装着板24が当接した状態で所望の砥石径を得るために必要なロッド12の位置を目標位置とし、砥石径がちょうど縮小状態にあるときのロッド12の位置を原点として図4に示すように前記目標位置Zを時間tの関数式f(t)に基づいて設定するとともに(すなわちZ=f(t))、特に、被加工物に対してホーニングヘッドを上昇させながら加工を行うときには、前記記憶手段に記憶されている砥石装着板24の遊び量(隙間sの寸法h)分だけ目標位置Zを下方に補正した位置を最終目標位置として設定する(すなわちZ=f(t)+hとする)。これにより砥石26を一定速度で送りながら、ホーニングヘッド上昇時には、前記遊び分だけロッド12を下方にシフトさせるようになっている。
【0027】
次に、以上のようなホーニング加工装置の作用について説明する。
【0028】
このホーニング加工装置による加工では、まず、昇降駆動モータ70の作動により可動フレームが下降を始め、砥石径が縮小された状態で、つまりロッド12が上昇端位置に停止された状態でホーニングヘッドの先端(下端)が工作物の被加工穴内に挿入される。次いで、回転駆動モータ32の作動により駆動筒10が回転駆動されるとともに、送り駆動モータ48の作動によりロッド12が駆動筒10内を下降する。この下降に伴い、ロッド12先端のテーパ状の押出し部20が各砥石装着板24およびこれに固定された砥石26を径方向外側に押出し、これによって砥石径が次第に拡大される。
【0029】
このように砥石径が拡大されることにより、各砥石26が被加工穴内周面に接触してホーニング加工が開始されることとなる。この際、上記式Z=f(t)に基づいてロッド12の目標位置Zが設定され、この目標位置Zに基づいて送り駆動モータ48の駆動が制御されることにより、砥石26が所定の送り量だけ一定の速度で径方向外側に送られることとなる。
【0030】
そして、ホーニングヘッドがさらに下降することにより、砥石26が被加工穴の下端に達すると、昇降駆動モータ70が反転駆動に切換えられ、これによりホーニングヘッドが被加工穴内を上昇し始める。
【0031】
ホーニングヘッドの上昇時には、上述の通り砥石装着板24の遊び(隙間sの寸法h)分だけロッド12の目標位置Zが下方にシフトした位置に設定される(図4参照)。これにより、ホーニングヘッド上昇中の砥石26の径方向送り量が適切に確保されることとなる。すなわち、ホーニングヘッド上昇時には、被加工穴内周面との摩擦抵抗により砥石26及びこれが固定された砥石装着板24が砥石ホルダ11に対して前記砥石装着穴22の下端まで押し下げられるため、砥石26の送り量に対応する分だけしかロッド12を下降させない場合には(すなわち、目標位置をZ=f(t)に従って設定する場合には)、摩擦抵抗による上記押下げにより各砥石装着板24のテーパ状内端面と押し出部20との間に隙間が形成され、さらに被加工穴内周面からの反力によりその隙間分だけ砥石26(砥石装着板24)が径方向内側に押し戻され、その結果、砥石径が縮小し、砥石26の送り量を確保することができなくなる。これに対して、上記のように砥石装着板24の遊び(隙間s)分だけシフトした位置にロッド12を移動させておけば、被加工穴内周面との摩擦抵抗により砥石装着板24が前記砥石装着穴22の下端まで押し下げられて砥石径が縮小した状態がちょう目標とする送り量だけ砥石26を送った状態となる。従って、加工条件で定められた送り量に対して過不足なく砥石26が径方向に送られることとなる。
【0032】
こうしてさらにホーニングヘッドが上昇し、砥石26が被加工穴内の上端に達すると、昇降駆動モータ70の駆動が再度切換えられ、以後、ホーニングヘッドが被加工穴内を上下方向に往復移動しながら所定の加工が施される。そして、最終的に被加工穴の加工が完了すると、ホーニングヘッドの先端(下端)が工作物の被加工穴から上方に引出され作業が終了することとなる。
【0033】
以上のように、このホーニング加工装置では、ホーニングヘッドを被加工穴に対して上昇させながら加工を施す際には、上述の通りロッド12の目標位置を砥石装着板24の上下方向の遊び(隙間s)分だけ下方にシフトさせ(補正し)、これによって、定められた送り量に対して過不足なく砥石26を径方向に送り得るようにしているので、被加工物に対するホーニングヘッドの上昇時、下降時を問わず、いずれの場合も砥石26を所定の送り量だけ適切に送りながらホーニング加工を行うことができる。
【0034】
従って、ホーニングヘッド上昇時(又は下降時)に砥石の送り量が不足する虞れがある従来のこの種のホーニング加工装置と比較すると、被加工穴に対してより高い精度でホーニング加工を施すことができるようになる。特に、被加工穴がエンジンシリンダのボアである場合、従来では、砥石の径方向の送り量が不足する結果、ホーニングヘッド上昇時(又は下降時)に加工すじの形成が損なわれてクロスハッチ(網目状の加工すじ)が形成されない場合もあり、例えば、完成エンジンにおいるオイル消費量に悪影響を及ぼすことも考えられたが、上記実施形態のホーニング加工装置によれば、このような加工トラブルの発生を有効に防止することができるようになる。
【0035】
また、上記のように砥石26の送り動作に関して砥石装着板24(砥石26)の遊びが考慮される分、砥石装着穴22や砥石装着板24の製作に際してはその寸法公差を多少大きく設定することが可能となり、これによりホーニング加工装置の生産性向上や生産コストの低廉化に貢献することができるという効果もある。
【0036】
なお、この実施形態では、上記のように砥石装着穴22の上端に砥石装着板24が当接した状態で砥石径拡大のためのロッド12の目標位置Zを設定する場合を前提としており、この前提のもとでは、ホーニングヘッドを被加工物に対して上昇させるときに砥石径が縮小されて砥石26の送り量が不足するという現象が発生するため、上述のように、ホーニングヘッド上昇時のロッド12の目標位置を砥石装着板24の前記遊び(隙間s)分だけ補正するようにしているが、例えば砥石装着穴22の下端に砥石装着板24が当接した状態で砥石径拡大のためのロッド12の目標位置Zを設定する場合には、上記実施形態とは逆の現象、つまりホーニングヘッドを被加工物に対して下降させるときに砥石26の送りが過剰になるという現象が発生することが考えられるため、この場合には、ホーニングヘッド下降時のロッド12の目標位置Zを砥石装着板24の前記遊び(隙間s)分だけ補正するようにすればよい。具体的には、砥石装着板24の遊び量(隙間sの寸法h)分だけ上方にシフトした位置をロッド12の目標位置Zとする(すなわちZ=f(t)−hとする)ように前記演算制御部78を構成すればよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、被加工穴に対するホーニングヘッドの相対的な移動方向であって、特に被加工穴内周面と砥石との摩擦抵抗により前記砥石部材が前記一方側の端面から他方側の端面に変位する方向にホーニングヘッドを移動させるときには、砥石装着内での砥石部材の軸方向の遊び分だけ砥石径拡縮部材の目標位置を補正し、これにより被加工物内周面との摩擦抵抗により砥石部材が前記遊び分だけ押し戻されても、その状態が所望の送り量だけ砥石部材を送った状態となるようにしているので、砥石部材に軸方向の遊びがある場合でも、所望の送り量に対して過不足無く砥石部材を送り動作させる(砥石径を拡大させる)ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホーニング加工装置のホーニングヘッドの下半分を示す断面略図である。
【図2】本発明に係るホーニング加工装置のホーニングヘッドの上半分および制御系を示す断面略図である。
【図3】砥石装着板の遊びとその遊びにより生じる砥石の径方向変位量との関係を説明するホーニングヘッド先端部分の断面図である。
【図4】砥石の送り制御の例を説明する図である。
【図5】砥石装着板の遊びとその遊びにより生じる砥石の径方向変位との関係を示すホーニングヘッド先端部分の断面図である(ホーニングヘッド下降時)。
【図6】砥石装着板の遊びとその遊びにより生じる砥石の径方向変位との関係を示すホーニングヘッド先端部分の断面図である(ホーニングヘッド上昇時)。
【符号の説明】
10 駆動筒
11 砥石ホルダ
12 ロッド(砥石径拡縮部材)
20 押し出部(操作部)
22 砥石装着穴
24 砥石装着板
26 砥石
70 昇降駆動モータ
71 NC装置
72,74,76 モータ制御部
78 演算制御部(制御手段)
80 入力部
s 隙間(遊び)
Claims (2)
- 筒状の砥石ホルダを有し、その筒壁を径方向に貫通する砥石装着穴が周方向に並ぶ複数の位置に形成されたホーニングヘッドと、各砥石装着穴に径方向に移動可能に保持され、少なくとも径方向外側に砥石をもつ複数の砥石部材と、テーパ状の操作部を有し、前記砥石ホルダの内側に挿入された状態で該砥石ホルダに対して軸方向に相対的に移動することにより各砥石部材を径方向に移動させて砥石径を拡縮させる砥石径拡縮部材とを備えたホーニング加工装置の前記砥石径拡縮部材の作動方法であって、
前記砥石装着穴の前記軸方向における一方側の端面に前記砥石部材が当接した状態で所望の砥石径を得るために必要な前記砥石径拡縮部材の位置を目標位置として砥石径拡縮部材を移動させ、前記ホーニングヘッドの被加工物に対する相対的な移動方向であって、かつ被加工穴内周面と砥石との摩擦抵抗により前記砥石部材が前記一方側の端面から他方側の端面に変位する方向に前記ホーニングヘッドを移動させるときには、前記砥石装着穴内における砥石部材の前記軸方向の遊び分だけ前記目標位置を補正した位置を最終目標位置として前記砥石径拡縮部材を移動させることを特徴とするホーニング加工装置の前記砥石径拡縮部材の作動方法。 - 筒状の砥石ホルダを有し、その筒壁を径方向に貫通する砥石装着穴が周方向に並ぶ複数の位置に形成されたホーニングヘッドと、各砥石装着穴に径方向に移動可能に保持され、少なくとも径方向外側に砥石をもつ複数の砥石部材と、テーパ状の操作部を有し、前記砥石ホルダの内側に挿入された状態で該砥石ホルダに対して軸方向に相対的に移動することにより各砥石部材を径方向に移動させて砥石径を拡縮させる砥石径拡縮部材とを備えたホーニング加工装置において、
被加工穴に対して前記ホーニングヘッドを前記軸方向に相対的に移動させるヘッド移動手段と、砥石径を拡縮させるべく砥石径拡縮部材を前記軸方向に移動させる径拡縮駆動手段と、前記砥石装着穴内における砥石部材の前記軸方向の遊び量を記憶する記憶手段と、前記ヘッド移動手段および径拡縮駆動手段を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、前記砥石装着穴の前記軸方向における一方側の端面に前記砥石部材が当接した状態で所望の砥石径を得るために必要な前記砥石径拡縮部材の位置を目標位置として前記砥石径拡縮部材を移動させるとともに、前記ホーニングヘッドの被加工物に対する相対的な移動方向であって、かつ被加工穴内周面と砥石との摩擦抵抗により前記砥石部材が前記一方側の端面から他方側の端面に変位する方向に前記ホーニングヘッドを移動させるときには、前記記憶手段に記憶されている遊び量だけ前記目標位置を補正した位置を最終目標位置として前記砥石径拡縮部材を移動させるように構成されていることを特徴とするホーニング加工装置。
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