JP2004167364A - フィルタセル用セパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な強度を有し、かつ中央ディスク部を含めて一回の成形工程で製造可能なフィルタセル用セパレータの提供。
【解決手段】中央開口部11の縁から放射状に張出された複数のリブ13及びその間の補間リブ14と、リブ13及び補間リブ14上に同心円状に配された複数の補強環16及び外周環15と、中央開口部11に沿ってリブ13の上下に配された中央ディスク部12とで構成される。中央ディスク部12の内周部12aと外周部12bには周方向に交互に連続部xと不連続部yとを構成する。内周部12aと外周部12bとの内外対応する部位、上下の中央ディスク部12の相互に上下対応する部位は、各々一方が連続部xであれば、他方は不連続部yである関係になるようにする。
【選択図】 図2
【解決手段】中央開口部11の縁から放射状に張出された複数のリブ13及びその間の補間リブ14と、リブ13及び補間リブ14上に同心円状に配された複数の補強環16及び外周環15と、中央開口部11に沿ってリブ13の上下に配された中央ディスク部12とで構成される。中央ディスク部12の内周部12aと外周部12bには周方向に交互に連続部xと不連続部yとを構成する。内周部12aと外周部12bとの内外対応する部位、上下の中央ディスク部12の相互に上下対応する部位は、各々一方が連続部xであれば、他方は不連続部yである関係になるようにする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルタ用カートリッジを構成するフィルタセルの上下のフィルタ層を離間させるフィルタセル用セパレータに関し、より詳細には、製造の容易なフィルタセル用セパレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フィルタ用カートリッジは、長期間に渡って使用されていて、用途も多様化し大量に使用されている。該フィルタ用カートリッジには、相互に分離された上下一対のフィルタ層を有する複数のフィルタセルが内蔵され、濾過対象の流体は、フィルタ媒体である上記各フィルタ層の外側から該フィルタ層を通過して濾過された後、上下フィルタ層間の空間内をフィルタ用カートリッジの中央に配置された収集管であるコアに向って移動する。このようなフィルタセルを内蔵したセル型のフィルタ用カートリッジは、フィルタ装置の容積と比較してフィルタ層すなわちフィルタ媒体の表面積を極めて大きくできることに利点がある。
【0003】
上下二つのフィルタ層、即ち、フィルタ媒体の間にはプラスチック(多くの場合はポリプロピレン)製の離間部材(分離部材)、即ち、フィルタセル用セパレータが配置され、該フィルタセル用セパレータは、中央開口部の縁からスポーク状に半径方向に延びる複数のリブを持ち、全体としてディスク状に形成されている。このフィルタセル用セパレータは前記した上下二つのフィルタ層を離間させるばかりでなく、これらフィルタ層を通過して濾過された流体を中央に配置されているフィルタ用カートリッジのコアに導く作用をも有する。
【0004】
フィルタセル用セパレータは、例えば、特許文献1で「セル型フィルタカートリッジ用セパレータ」として紹介されている。この特許文献1記載のセパレータの中央開口部縁付近に配置された上下一対の中央ディスク部(補強ディスク)には複数のリブの端部付近が固定され、これにより各リブに大きな片持梁強度が与えられている。更にこれら一対の中央ディスク部は、相互に密着して積層される各フィルタセルの負荷支持面としても作用して、フィルタ層へのリブの貫入、そしてこれによるフィルタ層への亀裂の発生を回避し、かつ濾過済の流体の流路が閉塞されるのを回避する役割も担っている。
【0005】
以上のようにフィルタセル用セパレータは十分な利点を有するものであるが、中央開口部に沿って、リブの上下に中央ディスク部が配置され、かつその内部に中央内部ディスクが配された構造は、上下両面の中央ディスク及び中央内部ディスクの間に空間を持ったものであり、これを射出成形によって成形するとすると、上記空間が通常の金型の脱型時の動きと交差する方向を持った空間であるため、直線的な動きしかしない単純な構造の金型では成形の不可能な構造の物品であるといわざるを得ないものである。
【0006】
そのため、このようなフィルタセル用セパレータは、図5(a)に示すように、放射方向に配され、その中央開口部11に沿って中央内部ディスク17を備えた多数のリブ13及びその間の外周側に配された複数の補間リブ14並びに該リブ13及び補間リブ14に同心円状かつ多重に配置された複数の補強環16からなるセパレータ本体1hと、その中央開口部11に沿って配される上下一対の中央ディスク部12とに分けて、各々別個の金型によって成形され、その後に、図5(b)に示すように、後者を前者の中央開口部11に沿った位置に超音波溶着等によって結合する手順で製造されて来たものであり、そのような製造手順は当然のごとくに考えられて来たものでもある。
【0007】
しかし、その結果、一つの金型によって一工程で成形される場合と比べて二工程もの工程が増加し、かつ前記セパレータ本体1hと中央ディスク部12とは、前記のように、超音波溶着等によって結合されるものであるため、それらの結合強度の点でも一体成形品と比べて低いものと云わざるを得ないものとなっている。
【0008】
なお、このようなフィルタセル用セパレータであっても、一つの金型で成形することも考えられないわけではないが、前記のように、このようなフィルタセル用セパレータは、隣接するリブ13と上下の中央ディスク部12及び中央内部ディスク部17に囲まれた放射方向に並ぶ多数の狭小な空間を持つものであり、その各空間は、金型の脱型時の主たる動作方向に対して直交し、かつ外方に向かって拡大するものであるため、金型構造を極めて複雑化させるものとなり、そのコスト面や耐久性の面から現実的ではない。
【0009】
【特許文献1】
特許第3187786号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の従来技術に於ける問題点を解決し、前記した従来のフィルタセル用セパレータの利点を保持しつつ、従来のそれよりスリムでありながら従来以上の十分な強度を有し、かつ中央ディスク部を含めて一回の成形工程で製造可能なフィルタセル用セパレータを提供することを解決の課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の1は、中央開口部の縁から放射状に張出された複数のリブと、該複数のリブに交差して同心円状かつ多重に配置された複数の補強環と、前記中央開口部に沿って同心円状に配置され、かつ該複数のリブの上下に配置された一対のドーナツ状の中央ディスク部とで構成され、フィルタ用カートリッジを構成する各フィルタセルに内装されてその上下のフィルタ層を離間させるフィルタセル用セパレータに於いて、
前記上下一対の中央ディスク部を内周部と外周部とに分け、
その内周部の上面側と下面側とを、それぞれ、相互に隣接する二本以上のリブを繋ぐ連続部と相互に隣接する二本以上のリブを分離する不連続部とを周方向に交互に配して構成するとともに、上面側の連続部と下面側の不連続部及び下面側の連続部と上面側の不連続部を、それぞれ上下対応させて位置させ、
更に前記外周部の上面側と下面側とを、それぞれ、前記内周部の上面側と下面側の各連続部に内外隣接する部位では不連続部に構成し、各不連続部に内外隣接する部位では連続部に構成し、
前記上下一対の中央ディスク部を含めて一回の成形作業で製造可能なように構成したフィルタセル用セパレータである。
【0012】
適用対象のフィルタセル用セパレータは、前記条件に当てはまる限り、特定のそれに限定されない。即ち、前記リブの本数、隣接するリブ間の間隔、リブの高さ及び厚み等は特定のそれに限定されない。また前記補強環の数も相互に隣接する補強環の間隔も特定のそれに限定されない。これらは、フィルタセル用セパレータとして要求される強度や濾過されてフィルタセルの内部に入った流体の中央方向への案内のため等の必要な機能との関係から適切に決定されるべきものである。
【0013】
前記中央開口部のサイズも特定のそれに限定されない。これは、フィルタ用カートリッジを構成するコア、即ち、濾過された流体を集めて外部に供給するための収集管のサイズに対応して決定すべきものであり、そのようにして決定されたいかなるサイズの中央開口部をも適用対象とする。
【0014】
前記中央ディスク部は、前記のように、前記中央開口部に沿って、リブの上下に配されるものであるが、その放射方向(半径方向)の幅は、これによってリブを確実に固定し得るようにし、更にこれをフィルタセル内に装入して使用する際の負荷支持面として作用し、リブのフィルタ層への貫入及びこれによるフィルタ層のへ亀裂の発生の回避、並びに濾過済の流体の流路の閉塞を回避する役割を担当する観点から、十分なそれに決定すべきものである。そしてそのようなものである限り、該中央ディスク部の放射方向の幅は特定のそれに限定されない。
【0015】
前記内周部と外周部の放射方向の幅及び一つの連続部が繋ぐリブの本数並びに不連続部に位置するリブの本数もまた以上のような観点から決定すべきである。
【0016】
従って以上の本発明の1のフィルタセル用セパレータによれば、上下一対の中央ディスク部も含めて全体が一体構造となっているが、前記のように、これらの中央ディスク部は、それらの内周部及び外周部のいずれに於いても上面側と下面側のいずれか一方が連続部であれば他方が不連続部となっており、両方が連続部となることはない。そのため、このフィルタセル用セパレータには、そのリブの長さ方向に上下直交する方向で相互に重なり合う部位がどこにも存在しないことになる。それ故、このフィルタセル用セパレータは、射出成形により、脱型時に、そのいずれの部位もリブの長さ方向に上下直交する向きの直線的な動きしかしない単純な構造の安価な金型で一回の成形動作で成形が可能となるものである。
【0017】
またこのフィルタセル用セパレータによれば、前記のように、上下一対の中央ディスク部は、前記中央開口部から放射方向に配されているリブと一体に成形されるものであるため、別々に成形され、後で溶着等により結合されるものと比べて、より結合強度の高いものとなる。
【0018】
更に、このフィルタセル用セパレータによれば、上下一対の中央ディスク部は、前記のように、その内周部と外周部との各々に於いては、周方向に連続部と不連続部とが交互に構成され、周方向に全体が連続してはいないが、外周部の不連続部に対応する内周部の部位には連続部が構成され、内周部の不連続部に対応する外周部の部位には連続部が構成されているため、内周部と外周部とを併せて見れば、全体として周方向に連続しており、前記中央開口部から放射方向に配された全リブは中央ディスク部によって連結固定されているということができる。
【0019】
また、上記のように、中央ディスク部は、全周にわたって連続したものであるため、このフィルタセル用セパレータをフィルタセル内に装入して使用する際にはこれが負荷支持面として良好に作用し、フィルタ層へのリブの貫入及びこれによる亀裂の発生の回避、並びに濾過済の流体の流路の閉塞を回避すべく上下のフィルタ層を良好に離間させる役割を果たしうるものとなる。
【0020】
本発明の2は、本発明の1のフィルタセル用セパレータに於いて、前記上下一対の中央ディスク部に於ける各連続部を隣接する二本のリブを繋ぐ形態で構成し、かつ各不連続部を二本のリブ間に構成したものである。
【0021】
従って本発明の2のフィルタセル用セパレータによれば、中央ディスク部は、その内周部及び外周部に於ける連続部及び不連続部の長さが短くなるため、該フィルタセル用セパレータの成形のために不都合を来すことのない形状を維持しながらも、リブをその内端付近で支持する十分な強度を確保し得、かつこの中央ディスク部がフィルタセルの上下のフィルタ層を離間状態に支持する負荷支持面として作用する際には、その作用を良好に果たし得るとともに、フィルタ層へのリブの貫入の回避を良好に図り得ることとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ実施例により詳細に説明する。
図1(a)は一実施例のフィルタセル用セパレータの概略平面図、図1(b)は図1(a)のA−A線切断部断面図、図2(a)は一実施例のフィルタセル用セパレータの中央ディスク部の拡大平面図、図2(b)は図2(a)のB−B線切断部拡大断面図、図2(c)は図2(a)のC−C線切断部拡大断面図、図3は一実施例のフィルタセル用セパレータを内装したフィルタセルの概略斜視図、図4(a)はフィルタセルカートリッジを装着したフィルタ装置の側面概念図、図4(b)は一つのフィルタセルに於ける濾過対象液体の流れを示した概念図、図5(a)は従来のフィルタセル用セパレータの上下の中央ディスク部を分離した状態の概略斜視図、図5(b)は従来のフィルタセル用セパレータの概略斜視図である。
【0023】
<実施例>
この実施例のフィルタセル用セパレータ1は、図1(a)、(b)に示すように、全体がドーナツ状に構成されたポリプロピレン製の部材であり、中央開口部11の縁から定角度間隔で放射状に張出された複数のリブ13と、その放射方向途中から外周縁まで上記各隣接するリブ13間に配された補間リブ14と、これらのリブ13及び補間リブ14に交差して同心円状かつ多重に配置された複数の補強環16と、これらのリブ13及び補間リブ14の外周端に該補強環16と同心円状に配された外周環15と、前記中央開口部11に沿って前記リブ13の上下にこれと同心円状に配置された一対のドーナツ状の中央ディスク部12とで構成される。
【0024】
前記リブ13は、各々、図1(b)に示すように、上下の幅が内周側では広く外周側では狭い形状になっており、片持梁強度の向上が図られている。前記補間リブ14の上下の幅も隣接するリブ13の対応する部位のそれと同様に構成してある。上記リブ13及び補間リブ14の上下の幅は、外周端の狭い部分であっても、内周側と比較して相対的に狭く構成されているのであって、いずれの部位でも、濾過液体の流路の確保の観点から必要な幅は確保されており、高圧の液体中でもこのフィルタセル用セパレータ1を装入したフィルタセル2の上下のフィルタ層21が押し潰されないよう、内側から支えられるようになっている。
【0025】
更に、放射状に張出されたこれらのリブ13及び補間リブ14は、隣接相互間に間隙が確保されており、しかもその下部側が、外端部から中央開口部11の縁に向かって下降する形状に形成してある。そのため、フィルタセル用セパレータ1を装入したフィルタセル2中では、濾過済の液体が中央開口部11に向かって移動し易くなるものである。
【0026】
なお前記補間リブ14は、放射外周側で隣接するリブ13間が広くなるため、その間に配して補強する趣旨のものである。
【0027】
また前記複数の補強環16は、前記複数のリブ13及び補間リブ14の間隔を所定のそれに保持するものであり、該リブ13及び該補間リブ14の上部側に配され、濾過済みの液体の流れを阻害しないようになっている。前記外周環15も同様に該リブ13及び補間リブ14の上部側に配され、同様に作用するものである。
【0028】
前記中央ディスク部12は、特に図2(a)、(b)、(c)に示すように、内周部12aと外周部12bとに分け、それぞれに周方向に交互に連続部xと不連続部yとを構成する。図2(a)、(b)、(c)に示すように、該連続部xは隣接する二本のリブ13間を繋ぐ板状の構成要素であり、該不連続部yは隣接する二本のリブ13間を何も配しない空間に構成した分離部である。内周部12aの連続部xに内外対応する外周部12bの部位には不連続部yを構成し、逆に外周部12bの連続部xに内外対応する部位には不連続部yを構成する。
【0029】
またリブ13の上部側と下部側とに位置する中央ディスク部12に於いては、前者の内周部12aの連続部xと上下対応する後者の内周部12aの部位に不連続部yを構成し、逆に後者の内周部12aの連続部xに上下対応する前者の内周部12aの部位には不連続部yを構成する。この関係は、前者の外周部12bと後者の外周部12bとに於いても同様であり、上下対応する部位相互に於いて、一方に連続部xが構成してあれば、他方には不連続部yが構成してある関係となる。
【0030】
以上のように、上下一対の中央ディスク部12は、それらの内周部12a及び外周部12bのいずれに於いても、上面側と下面側のいずれか一方が連続部xであれば上下対応する他方の部位が不連続部yとなっており、両方が連続部xとなることはない。そのため、この実施例のフィルタセル用セパレータ1には、そのリブ13の長さ方向に上下直交する方向で相互に重なり合う部位がいずれの部分にも存在しないことになる。それ故、このフィルタセル用セパレータ1は、射出成形によって成形すると、脱型時に、そのいずれの部位もリブ13の長さ方向に上下直交する直線的な動きしかしない単純な構造の安価な金型により一回の成形動作で成形が可能となるものである。
【0031】
またこの実施例のフィルタセル用セパレータ1に於いては、両中央ディスク部12は、前記のように、リブ13と一体に成形されるものであるため、従来の溶着式の結合に比べ強力な結合となる。
【0032】
更に、図1(a)、(b)及び図2(b)、(c)に示すように、リブ13及び補間リブ14の長さ方向に沿って障害となるものは存在せず、外周環15から中央開口部11に向かって流すべき濾過済み液体の流れを阻害しない構造ともなっている。
【0033】
なお最後に実施例のフィルタセル用セパレータ1の用法を略述する。
【0034】
この実施例のフィルタセル用セパレータ1は、図3に示すように、フィルタセル2に内装して用いられる。このフィルタセル2は、上側に膨れたフィルタ層21と下側に膨れたフィルタ層21とを対面状態に重ね合わせ、周側を環状縁留22で結合固定して構成するものである。この実施例のフィルタセル用セパレータ1は、このように両フィルタ層21を対面状態に結合する際にその間に装入することで、フィルタセル2中に内装状態とする。
【0035】
フィルタセル2は、図4(a)に示すように、複数のそれを中央の収集管4に外装しながらスタック状に積層させ、積層状態で該収集管4に固定してフィルタ用カートリッジを構成して使用する。
【0036】
フィルタ用カートリッジは、積層した複数のフィルタセル2をそれらの上下から圧力を加えて圧縮し、上下隣接する各フィルタセル2がその両フィルタ層21の中央部付近で相互に密着し、かつ各フィルタセル2内のフィルタセル用セパレータ1の両中央ディスク部12が、これを装入しているフィルタセル2の両フィルタ層21の中央部付近に密着した状態で、前記収集管4に固定して構成するものである。
【0037】
フィルタセル用セパレータ1は、上記のようにしてフィルタ用カートリッジを構成する際に、フィルタセル2内の濾過済み液体の流路空間を確保する趣旨で装入されるものであるが、その一部を構成する上下の中央ディスク部12は、前記圧縮による荷重に耐える役割を果たす。またその際に、フィルタセル2の両フィルタ層21にリブ13が貫入しないようにする役割をも十分に果たすことになる。これらは既存のフィルタ用セパレータのそれと同様である。
【0038】
図4(a)に示すように、前記フィルタ用カートリッジを構成する収集管4の上端は閉じ、下端は開放状態にしておく。
【0039】
図4(a)に示すように、前記フィルタ用カートリッジは、円筒状のタンク3中に縦向きに装入してフィルタ装置を構成する。該フィルタ用カートリッジの収集管4の下端は該タンク3の下端中央に構成した吐出口6に結合する。該タンク3中には、その上側部に構成した受給口5を介して濾過対象の液体を導入するようになっている。
【0040】
しかして濾過対象の液体は、図4(a)に示すように、受給口5からフィルタ装置のタンク3内に導入され、図4(b)に示すように、フィルタセル2中に、その上下両側のフィルタ層21で濾過されつつ移動し、その後、フィルタセル用セパレータ1によって確保されている流路空間を通じて、図4(a)、(b)に示すように、前記収集管4に合流し、図4(a)に示すように、更に該収集管4を流下し、最終的には吐出口6から吐出される。
【0041】
以上のように、この実施例のフィルタセル用セパレータ1によれば、従来のそれの有する機能は十分に果たし得るものであるとともに、両中央ディスク部12を含めて一回の成形作業で製造可能な構造を確保し得たものであり、またそれ故、全体を一体成形で得ることができることとなり、強度的にも従来例を十分に凌ぐものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明の1のフィルタセル用セパレータによれば、そのリブの長さ方向に上下直交する方向で相互に重なり合う部位が存在しないため、脱型時に、そのいずれの部位もリブの長さ方向に上下直交する方向の直線的な動きしかしない単純な構造の安価な金型により一回の成形動作で成形が可能となるものである。
【0043】
また本発明の1のフィルタセル用セパレータによれば、前記のように、上下一対の中央ディスク部は、前記中央開口部から放射方向に配されているリブと一体に成形されるものであるため、別々に成形され、後で溶着等により結合されるものと比べて、より結合強度の高いものとなる。
【0044】
更に、本発明の1のフィルタセル用セパレータによれば、上下一対の中央ディスク部は、前記のように、その内周部と外周部との各々に於いて、周方向に連続部と不連続部とが交互に構成され、周方向に全体が連続してはいないが、外周部の不連続部に対応する内周部の部位には連続部が構成され、内周部の不連続部に対応する外周部の部位には連続部が構成されているため、内周部と外周部とを併せて見れば、全体として周方向に連続しており、前記中央開口部から放射方向に配された全リブは中央ディスク部によって確実に連結固定されているということができる。
【0045】
また、上記のように、中央ディスク部は、全周にわたって連続したものであるため、本発明の1のフィルタセル用セパレータをフィルタセル内に装入して使用する際にはこれが負荷支持面として良好に作用し、フィルタ層へのリブの貫入の回避並びに濾過済の流体の流路の閉塞を回避すべく上下のフィルタ層を良好に離間させる役割を果たしうるものとなる。
【0046】
本発明の2のフィルタセル用セパレータによれば、中央ディスク部は、その内周部及び外周部に於ける連続部及び不連続部の長さが短くなるため、該フィルタセル用セパレータの成形のために不都合を来すことのない形状を維持しながらも、リブをその内端付近で支持する十分な強度を確保し得、かつこの中央ディスク部がフィルタセルの上下のフィルタ層を離間状態に支持する負荷支持面として作用する際には、その作用を良好に果たし得るとともに、フィルタ層へのリブの貫入の回避を良好に図り得ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は一実施例のフィルタセル用セパレータの概略平面図。
(b)は図1(a)のA−A線切断部断面図。
【図2】(a)は一実施例のフィルタセル用セパレータの中央ディスク部の拡大平面図。
(b)は図2(a)のB−B線切断部拡大断面図。
(c)は図2(a)のC−C線切断部拡大断面図。
【図3】一実施例のフィルタセル用セパレータを内装したフィルタセルの概略斜視図。
【図4】(a)はフィルタセルカートリッジを装着したフィルタ装置の側面概念図。
(b)は一つのフィルタセルに於ける濾過対象液体の流れを示した概念図。
【図5】(a)は従来のフィルタセル用セパレータの上下の中央ディスク部を分離した状態の概略斜視図。
(b)は従来のフィルタセル用セパレータの概略斜視図。
【符号の説明】
1 フィルタセル用セパレータ
11 中央開口部
12 中央ディスク部
12a 内周部
12b 外周部
x 連続部
y 不連続部
13 リブ
14 補間リブ
15 外周環
16 補強環
17 中央内部ディスク部
1h セパレータ本体
2 フィルタセル
21 フィルタ層
22 環状縁留
3 タンク
4 収集管
5 受給口
6 吐出口
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルタ用カートリッジを構成するフィルタセルの上下のフィルタ層を離間させるフィルタセル用セパレータに関し、より詳細には、製造の容易なフィルタセル用セパレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フィルタ用カートリッジは、長期間に渡って使用されていて、用途も多様化し大量に使用されている。該フィルタ用カートリッジには、相互に分離された上下一対のフィルタ層を有する複数のフィルタセルが内蔵され、濾過対象の流体は、フィルタ媒体である上記各フィルタ層の外側から該フィルタ層を通過して濾過された後、上下フィルタ層間の空間内をフィルタ用カートリッジの中央に配置された収集管であるコアに向って移動する。このようなフィルタセルを内蔵したセル型のフィルタ用カートリッジは、フィルタ装置の容積と比較してフィルタ層すなわちフィルタ媒体の表面積を極めて大きくできることに利点がある。
【0003】
上下二つのフィルタ層、即ち、フィルタ媒体の間にはプラスチック(多くの場合はポリプロピレン)製の離間部材(分離部材)、即ち、フィルタセル用セパレータが配置され、該フィルタセル用セパレータは、中央開口部の縁からスポーク状に半径方向に延びる複数のリブを持ち、全体としてディスク状に形成されている。このフィルタセル用セパレータは前記した上下二つのフィルタ層を離間させるばかりでなく、これらフィルタ層を通過して濾過された流体を中央に配置されているフィルタ用カートリッジのコアに導く作用をも有する。
【0004】
フィルタセル用セパレータは、例えば、特許文献1で「セル型フィルタカートリッジ用セパレータ」として紹介されている。この特許文献1記載のセパレータの中央開口部縁付近に配置された上下一対の中央ディスク部(補強ディスク)には複数のリブの端部付近が固定され、これにより各リブに大きな片持梁強度が与えられている。更にこれら一対の中央ディスク部は、相互に密着して積層される各フィルタセルの負荷支持面としても作用して、フィルタ層へのリブの貫入、そしてこれによるフィルタ層への亀裂の発生を回避し、かつ濾過済の流体の流路が閉塞されるのを回避する役割も担っている。
【0005】
以上のようにフィルタセル用セパレータは十分な利点を有するものであるが、中央開口部に沿って、リブの上下に中央ディスク部が配置され、かつその内部に中央内部ディスクが配された構造は、上下両面の中央ディスク及び中央内部ディスクの間に空間を持ったものであり、これを射出成形によって成形するとすると、上記空間が通常の金型の脱型時の動きと交差する方向を持った空間であるため、直線的な動きしかしない単純な構造の金型では成形の不可能な構造の物品であるといわざるを得ないものである。
【0006】
そのため、このようなフィルタセル用セパレータは、図5(a)に示すように、放射方向に配され、その中央開口部11に沿って中央内部ディスク17を備えた多数のリブ13及びその間の外周側に配された複数の補間リブ14並びに該リブ13及び補間リブ14に同心円状かつ多重に配置された複数の補強環16からなるセパレータ本体1hと、その中央開口部11に沿って配される上下一対の中央ディスク部12とに分けて、各々別個の金型によって成形され、その後に、図5(b)に示すように、後者を前者の中央開口部11に沿った位置に超音波溶着等によって結合する手順で製造されて来たものであり、そのような製造手順は当然のごとくに考えられて来たものでもある。
【0007】
しかし、その結果、一つの金型によって一工程で成形される場合と比べて二工程もの工程が増加し、かつ前記セパレータ本体1hと中央ディスク部12とは、前記のように、超音波溶着等によって結合されるものであるため、それらの結合強度の点でも一体成形品と比べて低いものと云わざるを得ないものとなっている。
【0008】
なお、このようなフィルタセル用セパレータであっても、一つの金型で成形することも考えられないわけではないが、前記のように、このようなフィルタセル用セパレータは、隣接するリブ13と上下の中央ディスク部12及び中央内部ディスク部17に囲まれた放射方向に並ぶ多数の狭小な空間を持つものであり、その各空間は、金型の脱型時の主たる動作方向に対して直交し、かつ外方に向かって拡大するものであるため、金型構造を極めて複雑化させるものとなり、そのコスト面や耐久性の面から現実的ではない。
【0009】
【特許文献1】
特許第3187786号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の従来技術に於ける問題点を解決し、前記した従来のフィルタセル用セパレータの利点を保持しつつ、従来のそれよりスリムでありながら従来以上の十分な強度を有し、かつ中央ディスク部を含めて一回の成形工程で製造可能なフィルタセル用セパレータを提供することを解決の課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の1は、中央開口部の縁から放射状に張出された複数のリブと、該複数のリブに交差して同心円状かつ多重に配置された複数の補強環と、前記中央開口部に沿って同心円状に配置され、かつ該複数のリブの上下に配置された一対のドーナツ状の中央ディスク部とで構成され、フィルタ用カートリッジを構成する各フィルタセルに内装されてその上下のフィルタ層を離間させるフィルタセル用セパレータに於いて、
前記上下一対の中央ディスク部を内周部と外周部とに分け、
その内周部の上面側と下面側とを、それぞれ、相互に隣接する二本以上のリブを繋ぐ連続部と相互に隣接する二本以上のリブを分離する不連続部とを周方向に交互に配して構成するとともに、上面側の連続部と下面側の不連続部及び下面側の連続部と上面側の不連続部を、それぞれ上下対応させて位置させ、
更に前記外周部の上面側と下面側とを、それぞれ、前記内周部の上面側と下面側の各連続部に内外隣接する部位では不連続部に構成し、各不連続部に内外隣接する部位では連続部に構成し、
前記上下一対の中央ディスク部を含めて一回の成形作業で製造可能なように構成したフィルタセル用セパレータである。
【0012】
適用対象のフィルタセル用セパレータは、前記条件に当てはまる限り、特定のそれに限定されない。即ち、前記リブの本数、隣接するリブ間の間隔、リブの高さ及び厚み等は特定のそれに限定されない。また前記補強環の数も相互に隣接する補強環の間隔も特定のそれに限定されない。これらは、フィルタセル用セパレータとして要求される強度や濾過されてフィルタセルの内部に入った流体の中央方向への案内のため等の必要な機能との関係から適切に決定されるべきものである。
【0013】
前記中央開口部のサイズも特定のそれに限定されない。これは、フィルタ用カートリッジを構成するコア、即ち、濾過された流体を集めて外部に供給するための収集管のサイズに対応して決定すべきものであり、そのようにして決定されたいかなるサイズの中央開口部をも適用対象とする。
【0014】
前記中央ディスク部は、前記のように、前記中央開口部に沿って、リブの上下に配されるものであるが、その放射方向(半径方向)の幅は、これによってリブを確実に固定し得るようにし、更にこれをフィルタセル内に装入して使用する際の負荷支持面として作用し、リブのフィルタ層への貫入及びこれによるフィルタ層のへ亀裂の発生の回避、並びに濾過済の流体の流路の閉塞を回避する役割を担当する観点から、十分なそれに決定すべきものである。そしてそのようなものである限り、該中央ディスク部の放射方向の幅は特定のそれに限定されない。
【0015】
前記内周部と外周部の放射方向の幅及び一つの連続部が繋ぐリブの本数並びに不連続部に位置するリブの本数もまた以上のような観点から決定すべきである。
【0016】
従って以上の本発明の1のフィルタセル用セパレータによれば、上下一対の中央ディスク部も含めて全体が一体構造となっているが、前記のように、これらの中央ディスク部は、それらの内周部及び外周部のいずれに於いても上面側と下面側のいずれか一方が連続部であれば他方が不連続部となっており、両方が連続部となることはない。そのため、このフィルタセル用セパレータには、そのリブの長さ方向に上下直交する方向で相互に重なり合う部位がどこにも存在しないことになる。それ故、このフィルタセル用セパレータは、射出成形により、脱型時に、そのいずれの部位もリブの長さ方向に上下直交する向きの直線的な動きしかしない単純な構造の安価な金型で一回の成形動作で成形が可能となるものである。
【0017】
またこのフィルタセル用セパレータによれば、前記のように、上下一対の中央ディスク部は、前記中央開口部から放射方向に配されているリブと一体に成形されるものであるため、別々に成形され、後で溶着等により結合されるものと比べて、より結合強度の高いものとなる。
【0018】
更に、このフィルタセル用セパレータによれば、上下一対の中央ディスク部は、前記のように、その内周部と外周部との各々に於いては、周方向に連続部と不連続部とが交互に構成され、周方向に全体が連続してはいないが、外周部の不連続部に対応する内周部の部位には連続部が構成され、内周部の不連続部に対応する外周部の部位には連続部が構成されているため、内周部と外周部とを併せて見れば、全体として周方向に連続しており、前記中央開口部から放射方向に配された全リブは中央ディスク部によって連結固定されているということができる。
【0019】
また、上記のように、中央ディスク部は、全周にわたって連続したものであるため、このフィルタセル用セパレータをフィルタセル内に装入して使用する際にはこれが負荷支持面として良好に作用し、フィルタ層へのリブの貫入及びこれによる亀裂の発生の回避、並びに濾過済の流体の流路の閉塞を回避すべく上下のフィルタ層を良好に離間させる役割を果たしうるものとなる。
【0020】
本発明の2は、本発明の1のフィルタセル用セパレータに於いて、前記上下一対の中央ディスク部に於ける各連続部を隣接する二本のリブを繋ぐ形態で構成し、かつ各不連続部を二本のリブ間に構成したものである。
【0021】
従って本発明の2のフィルタセル用セパレータによれば、中央ディスク部は、その内周部及び外周部に於ける連続部及び不連続部の長さが短くなるため、該フィルタセル用セパレータの成形のために不都合を来すことのない形状を維持しながらも、リブをその内端付近で支持する十分な強度を確保し得、かつこの中央ディスク部がフィルタセルの上下のフィルタ層を離間状態に支持する負荷支持面として作用する際には、その作用を良好に果たし得るとともに、フィルタ層へのリブの貫入の回避を良好に図り得ることとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ実施例により詳細に説明する。
図1(a)は一実施例のフィルタセル用セパレータの概略平面図、図1(b)は図1(a)のA−A線切断部断面図、図2(a)は一実施例のフィルタセル用セパレータの中央ディスク部の拡大平面図、図2(b)は図2(a)のB−B線切断部拡大断面図、図2(c)は図2(a)のC−C線切断部拡大断面図、図3は一実施例のフィルタセル用セパレータを内装したフィルタセルの概略斜視図、図4(a)はフィルタセルカートリッジを装着したフィルタ装置の側面概念図、図4(b)は一つのフィルタセルに於ける濾過対象液体の流れを示した概念図、図5(a)は従来のフィルタセル用セパレータの上下の中央ディスク部を分離した状態の概略斜視図、図5(b)は従来のフィルタセル用セパレータの概略斜視図である。
【0023】
<実施例>
この実施例のフィルタセル用セパレータ1は、図1(a)、(b)に示すように、全体がドーナツ状に構成されたポリプロピレン製の部材であり、中央開口部11の縁から定角度間隔で放射状に張出された複数のリブ13と、その放射方向途中から外周縁まで上記各隣接するリブ13間に配された補間リブ14と、これらのリブ13及び補間リブ14に交差して同心円状かつ多重に配置された複数の補強環16と、これらのリブ13及び補間リブ14の外周端に該補強環16と同心円状に配された外周環15と、前記中央開口部11に沿って前記リブ13の上下にこれと同心円状に配置された一対のドーナツ状の中央ディスク部12とで構成される。
【0024】
前記リブ13は、各々、図1(b)に示すように、上下の幅が内周側では広く外周側では狭い形状になっており、片持梁強度の向上が図られている。前記補間リブ14の上下の幅も隣接するリブ13の対応する部位のそれと同様に構成してある。上記リブ13及び補間リブ14の上下の幅は、外周端の狭い部分であっても、内周側と比較して相対的に狭く構成されているのであって、いずれの部位でも、濾過液体の流路の確保の観点から必要な幅は確保されており、高圧の液体中でもこのフィルタセル用セパレータ1を装入したフィルタセル2の上下のフィルタ層21が押し潰されないよう、内側から支えられるようになっている。
【0025】
更に、放射状に張出されたこれらのリブ13及び補間リブ14は、隣接相互間に間隙が確保されており、しかもその下部側が、外端部から中央開口部11の縁に向かって下降する形状に形成してある。そのため、フィルタセル用セパレータ1を装入したフィルタセル2中では、濾過済の液体が中央開口部11に向かって移動し易くなるものである。
【0026】
なお前記補間リブ14は、放射外周側で隣接するリブ13間が広くなるため、その間に配して補強する趣旨のものである。
【0027】
また前記複数の補強環16は、前記複数のリブ13及び補間リブ14の間隔を所定のそれに保持するものであり、該リブ13及び該補間リブ14の上部側に配され、濾過済みの液体の流れを阻害しないようになっている。前記外周環15も同様に該リブ13及び補間リブ14の上部側に配され、同様に作用するものである。
【0028】
前記中央ディスク部12は、特に図2(a)、(b)、(c)に示すように、内周部12aと外周部12bとに分け、それぞれに周方向に交互に連続部xと不連続部yとを構成する。図2(a)、(b)、(c)に示すように、該連続部xは隣接する二本のリブ13間を繋ぐ板状の構成要素であり、該不連続部yは隣接する二本のリブ13間を何も配しない空間に構成した分離部である。内周部12aの連続部xに内外対応する外周部12bの部位には不連続部yを構成し、逆に外周部12bの連続部xに内外対応する部位には不連続部yを構成する。
【0029】
またリブ13の上部側と下部側とに位置する中央ディスク部12に於いては、前者の内周部12aの連続部xと上下対応する後者の内周部12aの部位に不連続部yを構成し、逆に後者の内周部12aの連続部xに上下対応する前者の内周部12aの部位には不連続部yを構成する。この関係は、前者の外周部12bと後者の外周部12bとに於いても同様であり、上下対応する部位相互に於いて、一方に連続部xが構成してあれば、他方には不連続部yが構成してある関係となる。
【0030】
以上のように、上下一対の中央ディスク部12は、それらの内周部12a及び外周部12bのいずれに於いても、上面側と下面側のいずれか一方が連続部xであれば上下対応する他方の部位が不連続部yとなっており、両方が連続部xとなることはない。そのため、この実施例のフィルタセル用セパレータ1には、そのリブ13の長さ方向に上下直交する方向で相互に重なり合う部位がいずれの部分にも存在しないことになる。それ故、このフィルタセル用セパレータ1は、射出成形によって成形すると、脱型時に、そのいずれの部位もリブ13の長さ方向に上下直交する直線的な動きしかしない単純な構造の安価な金型により一回の成形動作で成形が可能となるものである。
【0031】
またこの実施例のフィルタセル用セパレータ1に於いては、両中央ディスク部12は、前記のように、リブ13と一体に成形されるものであるため、従来の溶着式の結合に比べ強力な結合となる。
【0032】
更に、図1(a)、(b)及び図2(b)、(c)に示すように、リブ13及び補間リブ14の長さ方向に沿って障害となるものは存在せず、外周環15から中央開口部11に向かって流すべき濾過済み液体の流れを阻害しない構造ともなっている。
【0033】
なお最後に実施例のフィルタセル用セパレータ1の用法を略述する。
【0034】
この実施例のフィルタセル用セパレータ1は、図3に示すように、フィルタセル2に内装して用いられる。このフィルタセル2は、上側に膨れたフィルタ層21と下側に膨れたフィルタ層21とを対面状態に重ね合わせ、周側を環状縁留22で結合固定して構成するものである。この実施例のフィルタセル用セパレータ1は、このように両フィルタ層21を対面状態に結合する際にその間に装入することで、フィルタセル2中に内装状態とする。
【0035】
フィルタセル2は、図4(a)に示すように、複数のそれを中央の収集管4に外装しながらスタック状に積層させ、積層状態で該収集管4に固定してフィルタ用カートリッジを構成して使用する。
【0036】
フィルタ用カートリッジは、積層した複数のフィルタセル2をそれらの上下から圧力を加えて圧縮し、上下隣接する各フィルタセル2がその両フィルタ層21の中央部付近で相互に密着し、かつ各フィルタセル2内のフィルタセル用セパレータ1の両中央ディスク部12が、これを装入しているフィルタセル2の両フィルタ層21の中央部付近に密着した状態で、前記収集管4に固定して構成するものである。
【0037】
フィルタセル用セパレータ1は、上記のようにしてフィルタ用カートリッジを構成する際に、フィルタセル2内の濾過済み液体の流路空間を確保する趣旨で装入されるものであるが、その一部を構成する上下の中央ディスク部12は、前記圧縮による荷重に耐える役割を果たす。またその際に、フィルタセル2の両フィルタ層21にリブ13が貫入しないようにする役割をも十分に果たすことになる。これらは既存のフィルタ用セパレータのそれと同様である。
【0038】
図4(a)に示すように、前記フィルタ用カートリッジを構成する収集管4の上端は閉じ、下端は開放状態にしておく。
【0039】
図4(a)に示すように、前記フィルタ用カートリッジは、円筒状のタンク3中に縦向きに装入してフィルタ装置を構成する。該フィルタ用カートリッジの収集管4の下端は該タンク3の下端中央に構成した吐出口6に結合する。該タンク3中には、その上側部に構成した受給口5を介して濾過対象の液体を導入するようになっている。
【0040】
しかして濾過対象の液体は、図4(a)に示すように、受給口5からフィルタ装置のタンク3内に導入され、図4(b)に示すように、フィルタセル2中に、その上下両側のフィルタ層21で濾過されつつ移動し、その後、フィルタセル用セパレータ1によって確保されている流路空間を通じて、図4(a)、(b)に示すように、前記収集管4に合流し、図4(a)に示すように、更に該収集管4を流下し、最終的には吐出口6から吐出される。
【0041】
以上のように、この実施例のフィルタセル用セパレータ1によれば、従来のそれの有する機能は十分に果たし得るものであるとともに、両中央ディスク部12を含めて一回の成形作業で製造可能な構造を確保し得たものであり、またそれ故、全体を一体成形で得ることができることとなり、強度的にも従来例を十分に凌ぐものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明の1のフィルタセル用セパレータによれば、そのリブの長さ方向に上下直交する方向で相互に重なり合う部位が存在しないため、脱型時に、そのいずれの部位もリブの長さ方向に上下直交する方向の直線的な動きしかしない単純な構造の安価な金型により一回の成形動作で成形が可能となるものである。
【0043】
また本発明の1のフィルタセル用セパレータによれば、前記のように、上下一対の中央ディスク部は、前記中央開口部から放射方向に配されているリブと一体に成形されるものであるため、別々に成形され、後で溶着等により結合されるものと比べて、より結合強度の高いものとなる。
【0044】
更に、本発明の1のフィルタセル用セパレータによれば、上下一対の中央ディスク部は、前記のように、その内周部と外周部との各々に於いて、周方向に連続部と不連続部とが交互に構成され、周方向に全体が連続してはいないが、外周部の不連続部に対応する内周部の部位には連続部が構成され、内周部の不連続部に対応する外周部の部位には連続部が構成されているため、内周部と外周部とを併せて見れば、全体として周方向に連続しており、前記中央開口部から放射方向に配された全リブは中央ディスク部によって確実に連結固定されているということができる。
【0045】
また、上記のように、中央ディスク部は、全周にわたって連続したものであるため、本発明の1のフィルタセル用セパレータをフィルタセル内に装入して使用する際にはこれが負荷支持面として良好に作用し、フィルタ層へのリブの貫入の回避並びに濾過済の流体の流路の閉塞を回避すべく上下のフィルタ層を良好に離間させる役割を果たしうるものとなる。
【0046】
本発明の2のフィルタセル用セパレータによれば、中央ディスク部は、その内周部及び外周部に於ける連続部及び不連続部の長さが短くなるため、該フィルタセル用セパレータの成形のために不都合を来すことのない形状を維持しながらも、リブをその内端付近で支持する十分な強度を確保し得、かつこの中央ディスク部がフィルタセルの上下のフィルタ層を離間状態に支持する負荷支持面として作用する際には、その作用を良好に果たし得るとともに、フィルタ層へのリブの貫入の回避を良好に図り得ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は一実施例のフィルタセル用セパレータの概略平面図。
(b)は図1(a)のA−A線切断部断面図。
【図2】(a)は一実施例のフィルタセル用セパレータの中央ディスク部の拡大平面図。
(b)は図2(a)のB−B線切断部拡大断面図。
(c)は図2(a)のC−C線切断部拡大断面図。
【図3】一実施例のフィルタセル用セパレータを内装したフィルタセルの概略斜視図。
【図4】(a)はフィルタセルカートリッジを装着したフィルタ装置の側面概念図。
(b)は一つのフィルタセルに於ける濾過対象液体の流れを示した概念図。
【図5】(a)は従来のフィルタセル用セパレータの上下の中央ディスク部を分離した状態の概略斜視図。
(b)は従来のフィルタセル用セパレータの概略斜視図。
【符号の説明】
1 フィルタセル用セパレータ
11 中央開口部
12 中央ディスク部
12a 内周部
12b 外周部
x 連続部
y 不連続部
13 リブ
14 補間リブ
15 外周環
16 補強環
17 中央内部ディスク部
1h セパレータ本体
2 フィルタセル
21 フィルタ層
22 環状縁留
3 タンク
4 収集管
5 受給口
6 吐出口
Claims (2)
- 中央開口部の縁から放射状に張出された複数のリブと、該複数のリブに交差して同心円状かつ多重に配置された複数の補強環と、前記中央開口部に沿って同心円状に配置され、かつ該複数のリブの上下に配置された一対のドーナツ状の中央ディスク部とで構成され、フィルタ用カートリッジを構成する各フィルタセルに内装されてその上下のフィルタ層を離間させるフィルタセル用セパレータに於いて、
前記上下一対の中央ディスク部を内周部と外周部とに分け、
その内周部の上面側と下面側とを、それぞれ、相互に隣接する二本以上のリブを繋ぐ連続部と相互に隣接する二本以上のリブを分離する不連続部とを周方向に交互に配して構成するとともに、上面側の連続部と下面側の不連続部及び下面側の連続部と上面側の不連続部を、それぞれ上下対応させて位置させ、
更に前記外周部の上面側と下面側とを、それぞれ、前記内周部の上面側と下面側の各連続部に内外隣接する部位では不連続部に構成し、各不連続部に内外隣接する部位では連続部に構成し、
前記上下一対の中央ディスク部を含めて一回の成形作業で製造可能なように構成したフィルタセル用セパレータ。 - 前記上下一対の中央ディスク部に於ける各連続部を隣接する二本のリブを繋ぐ形態で構成し、かつ各不連続部を二本のリブ間に構成した請求項1のフィルタセル用セパレータ。
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Cited By (2)
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US20110259812A1 (en) * | 2008-11-04 | 2011-10-27 | 3M Innovative Properties Company | Filter element and seal therefor |
JP2021126634A (ja) * | 2020-02-17 | 2021-09-02 | 武 渡邊 | フィルタ及びフィルタ用リーフディスク |
-
2002
- 2002-11-19 JP JP2002335724A patent/JP2004167364A/ja active Pending
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