JP2004166624A - 高分子サイクロデキストラン、その製造方法及びそれに用いる微生物 - Google Patents

高分子サイクロデキストラン、その製造方法及びそれに用いる微生物 Download PDF

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Abstract

【課題】抗齲蝕性だけでなく、包接能を併せ持つ新規なサイクロデキストランを開発すると共に、微生物を用いて当該サイクロデキストランを製造する方法を提供すること。
【解決手段】グルコース10〜12分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストラン並びにバチルス属に属し、当該高分子サイクロデキストラン生産能を有する微生物をデキストランを含む培地で培養し、培養物から当該高分子サイクロデキストランを採取することを特徴とする高分子サイクロデキストランの製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子サイクロデキストラン、その製造方法及びそれに用いる微生物に関する。詳しくは、グルコース分子がα−1,6結合でつながった構造の高分子サイクロデキストラン、その製造方法及びそれに用いる新規微生物並びにその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、サイクロデキストラン生産菌はバチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)T−3040(特許文献1)及びバチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)U−155(非特許文献1)の2種類しか報告されていない。しかも、これらはいずれもグルコース7分子がα−1,6結合でつながった環状オリゴ糖CI−7、グルコース8分子のCI−8、グルコース9分子のCI−9等の比較的低分子のサイクロデキストランを主に生産することが知られている。環状オリゴ糖CI−7、CI−8、CI−9は、抗齲蝕作用と弱い包接能を有していることが報告されている。抗齲蝕能については、有効性が期待できるものの、包接能については同じ環状オリゴ糖であるサイクロデキストリンよりもかなり弱く、包接物質としての有効性は期待できるものではない(特許文献2)。また、これらCI−7、CI−8、CI−9に側鎖を付与し、分岐サイクロデキストランを製造する技術も試みられたが、包接能が顕著に向上したものは未だ得られていない。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−197783号公報
【非特許文献1】
DDBJ/EMBL/Genbank DNAデータベース アクセッション番号D88360
【特許文献2】
特開平8−59484号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
サイクロデキストランはα−1,6結合という構造をとっているため、極めて水溶性が高い。そのため、この物質が包接能を有していれば、食品、医薬品、化成品等への幅広い利用が期待される。
本発明は、前記環状オリゴ糖とは結合したグルコース数が異なり、抗齲蝕性だけでなく、包接能も併せ持つ新規なサイクロデキストランを開発することを目的としている。
さらに、本発明は、かかる新規なサイクロデキストランを産生する微生物の探索と当該微生物を用いて新規なサイクロデキストランを製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、製糖工場において採取したサンプルから高分子のサイクロデキストランを生産する能力を有する微生物群を探索することに成功した。そして、これらの微生物は、バチルス(Bacillus sp.)属に属し、デキストランから10個以上のグルコース分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストランを生産することを見出して、本発明を完成するに至った。
【0006】
請求項1記載の本発明は、グルコース10〜16分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストランである。
請求項2記載の本発明は、バチルス属に属し、請求項1記載の高分子サイクロデキストラン生産能を有する微生物をデキストランを含む培地で培養し、培養物から請求項1記載の高分子サイクロデキストランを採取することを特徴とする請求項1記載の高分子サイクロデキストランの製造方法である。
請求項3記載の本発明は、バチルス属に属し、請求項1記載の高分子サイクロデキストラン生産能を有する微生物をデキストランを含む培地で培養して得た微生物を溶菌させたものをデキストランと反応させ、反応物から請求項1記載の高分子サイクロデキストランを採取することを特徴とする請求項1記載の高分子サイクロデキストランの製造方法である。
請求項4記載の本発明は、バチルス属に属し、請求項1記載の高分子サイクロデキストラン生産能を有する微生物がバチルス・エスピー330K株(FERMP−19080)、同350K株(FERM P−19081)、同360K株(FERM P−19082)又は同860K株(FERM P−19083)である請求項2又は3に記載の高分子サイクロデキストランの製造方法である。
【0007】
請求項5記載の本発明は、バチルス属に属し、請求項1記載の高分子サイクロデキストランを産生する能力を有するバチルス・エスピー330K株(FERMP−19080)、同350K株(FERM P−19081)、同360K株(FERM P−19082)又は同860K株(FERM P−19083)である。
請求項6記載の本発明は、請求項1記載の高分子サイクロデキストランを有効成分として含有することを特徴とする抗齲蝕剤である。
請求項7記載の本発明は、グルコース10分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストランを有効成分として含有する包接能を有する水溶性環状オリゴ糖組成物である。
請求項8記載の本発明は、請求項1記載の高分子サイクロデキストランを有効成分として含有することを特徴とする飲食物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1記載のグルコース10〜16分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストランは、請求項2、3記載の方法によって製造することができる。
当該高分子サイクロデキストランの生産菌は、いずれもバチルス属に属する。これら微生物は、製糖工場から分離した菌株であり、バチルス・330K株、同350K株、同360K株及び同860K株などが挙げられる。
以下において、本発明を詳しく説明する。
【0009】
本発明の高分子サイクロデキストラン(以下、CIと略記することがある。)は、グルコース10分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストラン(以下、CI−10という。)、グルコース11分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストラン(以下、CI−11という。)、グルコース12分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストラン(以下、CI−12という。)、グルコース13分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストラン(以下、CI−13という。)、グルコース14分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストラン(以下、CI−14という。)、グルコース15分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストラン(以下、CI−15という。)及びグルコース16分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストラン(以下、CI−16という。)である。
【0010】
上記CIの生産菌であるバチルス属菌株は、例えば次に示す方法で取得することができる。
製糖工場においてサンプルを採取し、生理食塩水に懸濁して適宜希釈液を作成する。次いで、希釈液を0.2%のブルーデキストランを含む平板培地(pH7.0)に塗抹し、該平板に生育した多数のコロニーの中から、ブルーデキストランの分解による透明なハローを形成しているコロニーを取得する。
取得した菌株について、さらに選抜試験を行って多分岐デキストラン水解酵素(以下、HBDaseという)により分解されない環状オリゴ糖であって、しかも既知の環状オリゴ糖であるCI−9よりも高分子のものを中心に生産することできる菌株を選抜する。
【0011】
取得方法を要約すると、以下の通りである。
(1)自然界よりブルーデキストラン平板培地上でハローを形成する菌の分離、(2)デキストランを含む液体培養液で培養後、溶菌液に再びデキストランを加えてインキュベートし、オリゴ糖を生産する菌の分離、(3)反応液中のオリゴ糖が逆相C18カラムに吸着し、20%エタノールで溶出する菌の分離、(4)前記20%エタノール溶出画分がHBDaseで分解されない環状オリゴ糖液を生産する菌の分離、(5)前記環状オリゴ糖をAmide−80カラムを用いてHPLC分析したとき、CI−9が溶出するリテンションタイムよりも後ろに検出される高分子サイクロデキストランを主として生産する株を選抜する。
【0012】
本発明に係るバチルス属菌株の取得方法の詳細について、以下に示す。
製糖工場においてサンプルを採取し、生埋食塩水に懸濁し、適宜希釈液を作成して、該希釈液を1リットル中にブルーデキストラン(ファルマシア社製)2g、酵母エキス(バクト社製)5g、トリプトン(バクト社製)10g、NaCl10g、寒天(バクト社製)15gを含み、pHを7.0に調整した平板培地に塗抹し、平板に生育したコロニーの中から、ブルーデキストランの分解によるハローを形成しているコロニーをデキストラナーゼ生産株として一次スクリーニングする。
次に、選抜菌株を1リットル中にデキストランT500(ファルマシア社製)5g、酵母エキス(バクト社製)5g、トリプトン(バクト社製)10g、NaCl 10gを含み、pHを7.0に調整した液体培地に接種し、30℃で一晩から2日間振盪培養した後に、菌体を遠心分離で集め、界面活性剤B−PER Reagent(PIERCE社製)を加えて溶菌し、これを粗酵素液とする。これにデキストランT40(ファルマシア社製)を加え、20mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)中で40℃で24〜48時間ゆるやかに振盪しながら反応を行う。
【0013】
これにHBDaseを加え、20mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)中で30℃で一晩反応を行い、残存した直鎖のオリゴ糖またはデキストランをすべてグルコースまで分解する。HBDaseは、特開平10−229876号公報記載のスフィンゴバクテリウム・エスピー V−54(FERM P−16086)を培養して得られたものでもよく、また、特開2001−054382号公報記載の大腸菌JM109(pKK223−3−3)(FERM P−17510)等の多分岐デキストラン水解酵素遺伝子を導入した大腸菌形質転換体を培養して得られたものでもよい。
この反応液をSep−Pak C18カートリッジ(ウォーターズ社製)などの逆相カラムに通し、水で洗浄し、吸着しない直鎖のオリゴ糖又はデキストランを除く。次に、20%エタノールでカラムに吸着している画分を溶出する。
なお、逆相カラム処理とHBDase処理の順番は入れ換えてもよい。
【0014】
反応液をHBDase処理、Sep−Pak C18カートリッジ(ウォーターズ社製)などの逆相カラム処理したものを高速液体クロマトグラフPU−980(日本分光社製)とAmide−80カラム(4.6mm×25cm)(東ソー社製)を用いて55%アセトニトリルで流速1ml/分及び噴霧蒸発光散乱検出器SEDEX55(SEDERE社製)で、分析ソフトウェアBOWIN(日本分光社製)を用いて分析し、HBDaseによって分解されないオリゴ糖のピークがCI−9が溶出するリテンションタイムよりも後ろに検出されれば、高分子環状オリゴ糖生産菌と推定できる。
図1に上記の方法で高分子環状オリゴ糖生産菌として分離されたバチルス属菌株330K株、同350K株、同360K株又は同860K株が生産するHBDase非分解性オリゴ糖の高速液体クロマトグラフ(HPLC)による測定結果を示す。いずれの菌株においても、CI−9より後ろのリテンションタイムにオリゴ糖ピークd、e、fが観察できる。図1は、測定時間20分までのデータであるが、ピークf以降に溶出する高分子環状オリゴ糖が生成している可能性もあると考えられる。
【0015】
このようにして取得した菌株が、バチルス・エスピー330K株、同350K株、同360K株及び同860K株である。これらの菌株は、後記する菌学的性質を有しており、さらに菌体から抽出したゲノムDNAを鋳型とするPCRにより16SリボソーマルRNA遺伝子(16S rDNA)の特定領域を増幅し、塩基配列を決定して既知の配列との相同性を検索した結果、いずれの菌株もBacillus sp.に帰属することが判明した。
これらバチルス属菌株4株は、いずれも新菌種と認められ、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託されており、それぞれの受託番号はバチルス・エスピー330K株がFERM P−19080、同350K株がFERM P−19081、同360K株がFERM P−19082、同860K株がFERM P−19083である。
【0016】
次に、本発明に係るグルコース10〜12分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストランの製造方法について述べる。
上記の高分子サイクロデキストラン生産能を有するバチルス属菌株を前記したデキストランを含む培地に接種し、前記した方法にしたがって培養することによって目的とする高分子サイクロデキストランの生産を行った後、高速液体クロマトグラフPU−980(日本分光社製)とAmide−80カラム(4.6mm×25cm)(東ソー社製)を用いて55%アセトニトリルで流速0.6ml/分で溶出し、溶出液を0.6mlずつ分取分画する。それぞれの画分を10μL〜50μLずつとり、再び高速液体クロマトグラフPU−980(日本分光社製)とAmide−80カラム(4.6mm×25cm)(東ソー社製)を用いて55%アセトニトリルで流速1ml/分及び噴霧蒸発光散乱検出器SEDEX55(SEDERE社製)で分析ソフトウェアBOWIN(日本分光社製)を用いて分析し、目的のオリゴ糖(図1に示したa、b、c、d、e、f)を含むフラクションがどれであるかを分析する。図1に示したa、b、c、d、e、fを含むフラクションにつき各々、遠心濃縮機によりアセトニトリルを除去する。次いで、凍結乾燥する。なお、上記した本発明に係る高分子サイクロデキストランの製造方法は、1例であり、この方法に限定されるものではない。
【0017】
本発明に係る高分子サイクロデキストランCI−10、CI−11、CI−12、CI−13、CI−14、CI−15及びCI−16は、デキストランスクラーゼ活性やグルコシルトランスフェラーゼ活性の阻害作用を有しているので、当該物質を有効成分として含有させて抗齲蝕剤として用いることができる。例えば、pHが5.5〜7.0、温度30〜37℃の条件では、高分子サイクロデキストラン0.2mMもしくはそれ以上の濃度で、ショ糖5%存在下において、齲蝕菌であるミュータンス連鎖球菌のグルコシルトランスフェラーゼが歯垢の原因となるグルカンを合成する作用を阻害する。
さらに、塩基性染料であるビクトリアブルーに対する包接試験の結果、上記の高分子サイクロデキストランのうち、CI−10は有効、かつ安定的にビクトリアブルーを包接する作用を有している。しかも、本発明に係る高分子サイクロデキストランは、いずれも水溶性である。CI−10の包接能については、0.6mMもしくはそれ以上の濃度で、25℃において、100mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)中で0.032mMの濃度のビクトリアブルーの青色の褪色を抑制することができる。
したがって、当該高分子サイクロデキストランを食品、医薬品、化成品に応用し、特定成分の包接に利用することができる。
【0018】
【実施例】
次に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1
(1)製糖工場において、粗糖生産工程に生ずる中間産物及び製糖工場内の土壌を採取した。
(2)上記のサンプル5gを滅菌生埋食塩水45mlに懸濁させ、懸濁液を適宜に希釈した。該希釈液を1リットル中にブルーデキストラン(ファルマシア社製)2g、酵母エキス(バクト社製)5g、トリプトン(バクト社製)10g、NaCl 10g、寒天(バクト社製)15gを含み、pHを7.0に調整した平板培地に滅菌コンラージ棒で塗抹して30℃で1晩から2日間培養し、平板に生育したコロニーの中から、ブルーデキストランの分解によるハローを形成しているコロニーをデキストラナーゼ生産株として一次スクリーニングした。
【0019】
上記で取得したコロニーを白金耳で採り、再び新鮮な上記の0.2%ブルーデキストラン平板培地に塗抹し、30℃で1晩から2日間培養する操作をさらに2回繰り返して目的とする菌株を純粋分離した。
試験管に、前記0.5%デキストランT500(ファルマシア社製)を含む培地に2%寒天を加えた組成の培地を加え、121℃で20分オートクレーブした後、斜めに静置し、室温で固めて調製した保存培地とした。この保存培地に上記で得られた菌株を白金耳を用いて画線した。これを30℃で2日間培養し、保存菌株とした。
この保存菌株の1白金耳を、上記の0.5%デキストランT500(ファルマシア社製)を含む液体培地5mLを試験管に入れて121℃で20分オートクレーブ滅菌したものに接種し、振盪しながら30℃で24時間培養した。
【0020】
次いで、上記菌株を、1リットル中にデキストランT500(ファルマシア社製)5g、酵母エキス(バクト社製)5g、トリプトン(バクト社製)10g、NaCl 10gを含み、pHを7.0に調整した液体培地に接種し、30℃で一晩から2日間振盪培養した後に、菌体を遠心分離(10,000rpmで20分間)で集め、得られた菌体をいったん−80℃で凍結し、これに界面活性剤B−PERTM Reagent(PIERCE社製)3mlを加えて溶菌し、これを粗酵素液とした。
この粗酵素液に、最終濃度が4%になるように、デキストランT40(ファルマシア社製)1.6g及び最終濃度が20mMになるように、CaCl ・2H O 0.12g及び80mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)を加え、全量が40mlになるように調整し、40℃で24〜48時間ゆるやかに振盪しながら反応を行った。
【0021】
次いで、100℃で10分加熱して反応を終了させた後、冷却し、8,000rpmで20分間遠心し、沈殿を取り除いた。遠心上清にHBDaseを加え、20mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)中にて30℃で12時間反応を行い、残存した直鎖のオリゴ糖又はデキストランをすべてグルコースまで分解した。ここで、HBDaseは特開平10−229876号公報記載のスフィンゴバクテリウム・エスピー V−54(FERM P−16086)を培養して得られたものでもよく、また特開2001−054382号公報記載の大腸菌JM109(pKK223−3−3)(FERM P−17510)等の多分岐デキストラン水解酵素遺伝子を導入した大腸菌形質転換体を培養して得られたものでもよい。これを100℃で10分加熱後冷却し、8,000rpmで20分間遠心し、沈殿を取り除いた。
【0022】
このようにして得た遠心上清を逆相カラムSep−Pak C18カートリッジ(ウォーターズ社製)に通し、水で洗浄し、吸着しない直鎖のオリゴ糖又はデキストランを除いた。次いで、20%エタノールでカラムに吸着している画分を溶出した。これを遠心エバポレーターによってエタノールを取り除き、乾燥させた後、50%アセトニトリルに溶かして15,000rpmで10分間遠心し、ごみを取り除いた。
【0023】
上記方法で得た反応液を、高速液体クロマトグラフPU−980(日本分光社製)とAmide−80カラム(4.6mm×25cm)(東ソー社製)を用いて55%アセトニトリルで流速1ml/分及び噴霧蒸発光散乱検出器SEDEX55(SEDERE社製)、分析ソフトウェアBOWIN(日本分光社製)を用いて分析し、HBDaseによって分解されないオリゴ糖のピークがCI−9が溶出するリテンションタイムよりも後ろに検出されるものを選抜することにより取得した。
その結果、取得した高分子サイクロデキストラン生産株は、バチルス・エスピー330K株、同350K株、同360K株及び同860K株の4株である。
【0024】
実施例2
実施例1で得られた4菌株について、それぞれ寒天平板培地上でのコロニー形態、顕微鏡観察による細胞形態、グラム染色、胞子の有無、鞭毛による運動の有無およびカタラーゼ、オキシダーゼ、ブドウ糖の酸化発酵(OF)などの観察・試験を行った。その結果、いずれもバチルス属菌株に帰属することを分類同定した。第1表に細菌同定第一段階試験結果を示す。
【0025】
【表1】
第1表
Figure 2004166624
【0026】
上記4菌株のそれぞれをLB Broth(Becton Dickinson,NJ,USA)+寒天培地に植菌し、30℃で1日培養した。培養物より採取した菌体からゲノムDNAを抽出した。ゲノムDNAの抽出には、PrepManTMMethod(Applied Biosystems,CA,USA)を使用した。
抽出したDNAを鋳型としてPCRにより16S リボソーマルRNA遺伝子(16S rDNA)のうち5’末端側約500bpの領域を増幅し、塩基配列をシーケンスして解析に使用した。PCR産物の精製、サイクルシークエンスには、MicroSeqTM 500 16S rDNA Bacterial Sequencing Kit(Applied Biosystems,CA,USA)を使用した。
サーマルサイクラーには、GeneAmp PCR System 9600(Applied Biosystems,CA,USA)、DNAシーケンサーには、ABI PRISM 377 DNA Sequencer(Applied Biosystems,CA,USA)を使用した。
また、ゲノムDNA抽出からサイクルシークエンスまでの操作に関しては、Applied Biosystems社のプロトコール(P/N4308132Rev.A)に従った。
【0027】
得られた16S rDNAの塩基配列を使って相同性検索、系統樹の作成をして検体の近縁種及び帰属分類群の検討を行った。相同性検索及び系統樹の作成には、MicroSeqTM Microbial IdentificationSystem Software V.1.4.1及びMicroSeqTM Bacterial 500 Library v.0023(AppliedBiosystems,CA,USA)を使用した。MicroSeqTM Bacterial 500 Libraryでの相同率が97%以下であった場合は、BLASTを用いてDNA塩基配列データベース(GenBank)に対して相同性検索を行った。
配列表の配列番号1にバチルス・エスピー330K株の16S rDNAの塩基配列を、配列番号2に同350K株の16S rDNAの塩基配列を、配列番号3に同360K株の16S rDNAの塩基配列を、配列番号4に同860K株の16S rDNAの塩基配列を、それぞれ示す。
【0028】
バチルス・エスピー350K株、同360K株、同860K株の16S rDNA塩基配列は、互いに一致し、バチルス・エスピー330K株の16S rDNA塩基配列は、同350K株、同360K株、同860K株の配列に99.1%の相同性があった。
MicroSeqを用いた解析の結果、バチルス・エスピー330K株の16S rDNAの部分塩基配列は、92.91%でBacillus licheniformisの16S rDNAに対し最も高い相同性を示した。また、バチルス・エスピー350K株、同360K株及び同860K株の16S rDNAの部分塩基配列は、93.10%でBacillus licheniformisの16S rDNAに対し最も高い相同性を示した。
【0029】
BLASTを用いたGenBankに対する相同性検索の結果、バチルス・エスピー330K株の16S rDNAは98.1%で、同350K株、同360K株及び同860K株の16S rDNAは98.7%で、Bacillus sp. MN−003株に対し最も高い相同性を示した。
一方、分子系統樹上では、図2に示す通り、バチルス・エスピー330K株、同350K株、同360K株、同860K株共にBacillus oleroniusの16S rDNAとクラスターを形成したが、帰属種の推定に有効なほどの近縁種は示されなかった。
以上の結果から、現時点では、バチルス・エスピー330K株、同350K株、同360K株、同860K株の16S rDNAと一致する塩基配列は登録されていないと考えられる。これら4株は、いずれもBacillus sp.に帰属することが妥当であると結論された。
【0030】
実施例3
この例では、バチルス・エスピー330K株、同350K株、同360K株及び同860K株の4菌株を用いて、高分子サイクロデキストランの生産を行った。
まず、前記の0.5%デキストランT500(ファルマシア社製)を含む液体培地5mLを試験管に入れて121℃で20分オートクレーブ滅菌したものに、各菌株の1白金耳を接種し、振盪しながら30℃で24時間培養した。
次に、デキストランT500(ファルマシア社製)0.5%、酵母エキス(バクト社製)0.5%、トリプトン(バクト社製)1.0%、NaCl 1.0%を含む液体培地100mlを500ml容三角フラスコに入れ、121℃で20分間オートクレーブ滅菌したものに、上記の種培養液1mlを加え、30℃で24〜48時間振盪培養した。
【0031】
培養終了後、10,000rpmで20分間遠心分離して集めた菌体を−80℃で凍結し、これに界面活性剤B−PERTM Reagent(PIERCE社製)3mlを加えて溶菌し、これを粗酵素液とした。
この粗酵素液に4% デキストランT−40(ファルマシア社製)、20mMCaCl 、80mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)を加え、全量が40mlになるように調整し、40℃で24〜48時間ゆるやかに振盪しながら反応を行った。
【0032】
次いで、100℃で10分加熱して反応を終了させた後、冷却し、8,000rpmで20分間遠心し、沈殿を取り除いた。
遠心上清にHBDaseを加え、20mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)中にて30℃で24時間反応を行い、残存した直鎖のオリゴ糖又はデキストランをすべてグルコースまで分解した。次いで、100℃で10分間加熱後、冷却して8,000rpmで20分間遠心し、沈殿を取り除いた。
【0033】
このようにして得た遠心上清を逆相カラムSep−Pak C18カートリッジ(ウォーターズ社製)に通し、水で洗浄し、吸着しない直鎖のオリゴ糖又はデキストランを除いた。さらに、20%エタノールでカラムに吸着している画分を溶出した。
サイクロデキストランを含む画分を高速液体クロマトグラフPU−980(日本分光社製)とAmide−80カラム(4.6mm×25cm)(東ソー社製)を用いて55%アセトニトリルで流速0.6ml/分で溶出し、溶出液を0.6mlずつ分取分画した。
それぞれの画分を10μL〜50μLずつとり、再び高速液体クロマトグラフPU−980(日本分光社製)とAmide−80カラム(4.6mm×25cm)(東ソー社製)を用いて55%アセトニトリルで流速1ml/分及び噴霧蒸発光散乱検出器SEDEX55(SEDERE社製)で分析ソフトウェアBOWIN(日本分光社製)を用いて分析し、目的のオリゴ糖(図1に示したa、b、c、d、e、f)を含むフラクションがどれであるかを分析した。
図1に示したa、b、c、d、e、fを含むフラクションにつき各々、遠心濃縮機によりアセトニトリルを除去した後、凍結乾燥した。
【0034】
このようにして得られたオリゴ糖の構造を13C NMRで解析した。具体的には0.5〜1.4mg/0.6mlの濃度の環状オリゴ糖溶液になるように、重水(D O)(アルドリッチ社製)に溶かし、指標として0.025% 3−(trimethylsilyl)−1−propanesulphonic acid(DSS)を加え、600MHzのNMR装置(DRX600)(Bruker社製)により298Kで、完全デカップリングの条件で13C一次元スペクトルを測定した。
対象として既に構造解析がなされ、8個のグルコースがα−1,6結合で環状につながった構造をしていると明らかになっているBacillus circulans T−3040株が生産するCI−8も同じ条件で13C NMRで解析した。その結果、図3に示すように、本発明に係る4菌株が生産するオリゴ糖のうち、b、c、d、e、fは、CI−8と全く同様のα−1,6結合のグルコースを示すシグナルのみ現れた。また、ピークaについては、収量が少なく夾雑物が多いために、シグナルに乱れが生じたが、概ねα−1,6結合のグルコースを示すシグナルのみであると考えられた。
【0035】
次に、上記で得られたオリゴ糖の質量分析を行った。a、b、c、d、e、fの凍結乾燥標品それぞれ0.1gを5μLのH Oで溶解し、マトリックスにグリセロールを用い、HX−110A/110A(JEOL社製)で二次イオン質量分析法(SIMS)で測定を行った。測定は、正イオンモード及び負イオンモードで実施した。正イオンモードで測定した結果を図4に示す。
サイクロデキストランは、同じグルコース分子より成る直鎖のイソマルトオリゴ糖よりもH Oが1分子少なく、それぞれのサイクロデキストランの分子量は、CI−7が1134、CI−8が1296、CI−9が1458、CI−10が1620、CI−11が1782、CI−12が1944と計算される。
質量分析によるオリゴ糖a、b、c、d、e、fの推定分子量はaがCI−7、bがCI−8、cがCI−9、dがCI−10、eがCI−11、fがCI−12の分子量に一致した。
【0036】
前記13C NMR分析及び上記の質量分析の結果、バチルス・エスピー330K株、同350K株、同360K株及び同860K株が原料のデキストランより生産するオリゴ糖a、b、c、d、e、fはすべてグルコースがα−1,6結合で環状につながった環状イソマルトオリゴ糖、すなわちサイクロデキストランであり、それらの分子式は下記のように示されることが判明した。
a: C427035
b: C488040
c: C549045
d: C6010050
e: C6611055
f: C7212060
【0037】
上記4菌株は、グルコース10〜12分子が結合したCI−10、CI−11及びCI−12のサイクロデキストランを主として生産するが、その他に少量であるが、CI−7、CI−8、CI−9も生産する。さらに、前記の如く、ピークf以降にCI−13〜CI−16などの高分子環状オリゴ糖を生産する可能性もある。
以上の結果から、バチルス・エスピー330K株、同350K株、同360K株及び860K株は、高分子サイクロデキストランを中心に生産する新規のバチルス属菌株であることが明らかになった。
【0038】
実施例4
次に、本発明に係る高分子サイクロデキストラン(CI)の機能について調べた。はじめに、CIの抗齲蝕能を調べた。
実施例3で得た高分子サイクロデキストランCI−10及びCI−11について、ロイコノストック・メセンテロイデス菌由来のデキストランスクラーゼ阻害効果を測定した。すなわち、反応液20μl中に、終濃度5%スクロースを含む20mM 酢酸緩衝液(pH5.2)にCIを最終濃度0〜1mMになるように添加し、デキストランスクラーゼを加え、30℃で10分酵素反応を行った後、スクロースの分解によって生じるフラクトースの量をネルソン・ソモギー法により還元糖量として測定した。ここで用いたロイコノストック・メセンテロイデス由来のデキストランスクラーゼは、Leuconostoc mesenteroides NRRL B−512F株をスクロースを加えた培地中で培養することにより得られた酵素を用いた。
CI−10、CI−11並びに対照としてのCI−8によるデキストランスクラーゼ阻害試験の結果を図5に示す。図5から明らかなように、CI−10及びCI−11もCI−8と同様に、1mMの濃度で約50%の阻害が見られ、抗齲蝕性を有すると認められる。なお、CI−12以上のものについても、その構造から他のCIと同様に、デキストランスクラーゼ活性阻害があるものと推定できる。
【0039】
次に、CI−10及びCI−11のストレプトコッカス・ミュータンス菌由来のグルコシルトランスフェラーゼ(GTF)阻害効果について調べた。すなわち、CIによるGTF活性の阻害は、反応液20μl中に終濃度5%のスクロースを含む20mM 酢酸緩衝液(pH5.5)又は20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)にCIを最終濃度0〜2mMになるように添加し、GTFを加え、37℃で18時間酵素反応を行った後、生じた不溶性グルカンを遠心で集めて、該グルカンの量をフェノール硫酸法で全糖量を定量することにより測定した。なお、ここで用いたストレプトコッカス・ミュータンス由来のGTFは、Streptococcus mutansを培養することによって得られたものである。
CI−10、CI−11並びに対照としてのCI−8によるグルコシルトランスフェラーゼ阻害試験の結果を図6に示す。図6から明らかなように、CI−10及びCI−11の場合も、CI−8と同様に、生成するグルカン量の減少が見られ、抗齲蝕性を有すると考えられる。なお、CI−12以上のものについても、その構造から他のCIと同様にGTF活性阻害があるものと推定できる。
【0040】
さらに、CI−10、CI−11及びCI−12のビクトリアブルーに対する包接試験を行った。すなわち、反応液50μl中に終濃度0.032mMのビクトリアブルーB(ワコー社製)、100mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)、1.2mMのCI、あるいはサイクロデキストリン(CD)又はグルコース(Glc)を加え、室温で保持して620nmにおける吸光度を測定した。その結果、図7に示したように、対照として用いたCI−7、CI−8、CI−9、並びにCI−11、CI−12及びα−CDは、グルコース添加の反応液や無添加の反応液の場合と同様に、620nmにおける吸光度の減少が見られ、顕著なビクトリアブルーBの包接能は見出せなかった。しかし、CI−10を加えた反応液は、22時間経過した後も、反応開始時に比較して、約50%の吸光度を示した。これはβ−CD及びγ−CDよりも高い値であり、CI−10は有効にビクトリアブルーを包接するものと考えられる。
【0041】
CI−7、CI−8、CI−9などの低分子サイクロデキストランの包接能が低い理由は、同じグルコース分子数のサイクロデキストリンに比べて環の口径が大きく、浅い構造をしているため、物質を保持する力が弱いものと考察される。一方、口径の大きいCI−10に高い包接能を有している理由として、分子が大きくなったために、よじれた構造をとっている可能性が推定できる。CI−11、CI−12も、8の字のようなよじれた構造を形成する可能性が推察できることから、包接能を有する物質が今後見出されることが期待できる。すなわち、本発明に係る4菌株は、前記の如く、CI−13〜CI−16という高分子のCIを生産する可能性があり、これらの物質にも包接能が期待できる。
【0042】
CI−10、CI−11及びCI−12にビクトリアブルーを加えて吸収スペクトルの変化を測定した。すなわち、反応液50μl中に終濃度0.032mMのビクトリアブルーB(ワコー社製)、100mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)、1.2mMのCI、あるいはCD又はグルコースを加え、室温で6時間保持した後に300nmから800nmにおける吸収スペクトルの変化を分光光度計 UV/VIS Spectrophotometer V−550)(日本分光社製)を用いて測定した。
その結果を図8に示す。この図から、ビクトリアブルーに対する高い包接能を示したCI−10を加えた反応液は、吸収スペクトルの形に顕著な変化が見られ、CI−10が有効にビクトリアブルーを包接することの裏付けになると考えられた。
【0043】
【発明の効果】
本発明により新規な高分子サイクロデキストランが提供される。この物質は、バチルス属菌株であるバチルス・エスピー330K株、同350K株、同360K株及び同860K株を培養することにより得られる。
これらの菌株は、従来のサイクロデキストラン生産菌株と比べて、より高分子のサイクロデキストランを中心に生産するので、高分子サイクロデキストランの生産に適している。
【0044】
しかも、本発明のバチルス属菌株が生産する高分子サイクロデキストランは、抗齲蝕剤として利用できる。また、当該高分子サイクロデキストランのうち、CI−10は包接能を持ち、かつ高い水溶性であることから、食品、医薬品、化成品などに応用できる。CI−10が包接する化合物は、γ−CDにもよく包接されることから、これまでにγ−CDに包接されることが知られている物質をCI−10が有効に包接する可能性がある。また、当該高分子サイクロデキストランは、サイクロデキストリンに比べて水溶性が非常に高いことから、不溶性物質の包接による可溶化の効果がサイクロデキストリンよりも高いことが期待できる。
【0045】
【配列表】
Figure 2004166624
Figure 2004166624
Figure 2004166624

【図面の簡単な説明】
【図1】(a)バチルス・エスピー330K株、(b)同350K株、(c)同360K株及び(d)同860K株が生産する、HBDaseで分解されないオリゴ糖を示すHPLC分析の図である。
【図2】(a)バチルス・エスピー330K株、(b)同350K株、(c)同360K株並びに(d)同860K株の分子系統樹を示す図である。
【図3】バチルス・エスピー330K株、同350K株、同360K株並びに同860K株がが生産する、HBDaseで分解されないオリゴ糖a、b、c、d、e、f及び既知のサイクロデキストランCI−8について13C NMR分析した結果を示す図である。
【図4】バチルス・エスピー330K株、同350K株、同360K株並びに同860K株が生産する、HBDaseで分解されないオリゴ糖a、b、c、d、e、fを質量分析した結果を示す図((a)〜(f))である。
【図5】高分子サイクロデキストランCI−10及びCI−11のデキストランスクラーゼ活性の阻害作用を既知のサイクロデキストランCI−8と比較した図である。
【図6】高分子サイクロデキストランCI−10及びCI−11のGTF阻害作用を既知のサイクロデキストランCI−8と比較した図である。(a)はpH5.5、(b)はpH7.0での結果を示す。
【図7】高分子サイクロデキストランCI−10、CI−11、CI−12のビクトリアブルーの包接能を既知のサイクロデキストランCI−7、CI−8、CI−9及びα−CD、β−CD、γ−CD、グルコースと比較した図である。
【図8】ビクトリアブルーに高分子サイクロデキストランCI−10、CI−11又はCI−12を加えた溶液の吸収スペクトルを、既知のサイクロデキストランCI−7、CI−8、CI−9及びα−CD、β−CD、γ−CD、グルコースを加えた場合と比較した図である。

Claims (8)

  1. グルコース10〜16分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストラン。
  2. バチルス属に属し、請求項1記載の高分子サイクロデキストラン生産能を有する微生物をデキストランを含む培地で培養し、培養物から請求項1記載の高分子サイクロデキストランを採取することを特徴とする請求項1記載の高分子サイクロデキストランの製造方法。
  3. バチルス属に属し、請求項1記載の高分子サイクロデキストラン生産能を有する微生物をデキストランを含む培地で培養して得た微生物を溶菌させたものをデキストランと反応させ、反応物から請求項1記載の高分子サイクロデキストランを採取することを特徴とする請求項1記載の高分子サイクロデキストランの製造方法。
  4. バチルス属に属し、請求項1記載の高分子サイクロデキストラン生産能を有する微生物がバチルス・エスピー330K株(FERM P−19080)、同350K株(FERM P−19081)、同360K株(FERM P−19082)又は同860K株(FERM P−19083)である請求項2又は3に記載の高分子サイクロデキストランの製造方法。
  5. バチルス属に属し、請求項1記載の高分子サイクロデキストランを産生する能力を有するバチルス・エスピー330K株(FERM P−19080)、同350K株(FERM P−19081)、同360K株(FERM P−19082)又は同860K株(FERM P−19083)。
  6. 請求項1記載の高分子サイクロデキストランを有効成分として含有することを特徴とする抗齲蝕剤。
  7. グルコース10分子がα−1,6結合により環状構造を形成してなる高分子サイクロデキストランを有効成分として含有する包接能を有する水溶性環状オリゴ糖組成物。
  8. 請求項1記載の高分子サイクロデキストランを有効成分として含有することを特徴とする飲食物。
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