JP2004166532A - 培養容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】必要時にカバーを簡単に取り外しことができ、培養細胞の回収を容易に行なえる培養容器を提供すること。
【解決手段】本体とカバーからなる細胞培養用のフラスコであって、本体とカバーが熱収縮フィルムによって固定されていることを特徴とする培養容器で、好ましくは、本体とカバーの間にゴム製のOーリングまたはパッキングが装着されている培養容器。
【選択図】 図2
【解決手段】本体とカバーからなる細胞培養用のフラスコであって、本体とカバーが熱収縮フィルムによって固定されていることを特徴とする培養容器で、好ましくは、本体とカバーの間にゴム製のOーリングまたはパッキングが装着されている培養容器。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細菌培養、細胞培養、組織培養さらには再生医療などに用いられる、プラスチック製のディスポーザブルの培養容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明が対象とする培養容器は、一般に培養用フラスコと呼ばれ、細菌培養、細胞培養、組織培養等の分野で汎用されている。特に細胞培養の分野では、培養用シャーレや培養用プレートと並んで広く使用されている。培養用フラスコの一番の特徴は、頚部にキャップをねじ込む構造になっており、蓋を被せただけの培養用シャーレや培養用プレートと異なりほぼ密封状態にできることであり、それによって培養中の外からの雑菌の侵入の危険性が少ないことである。こうした密閉できる構造から最近では、表皮細胞の培養等の再生医療の分野でも使用が増えつづけている。
しかし、培養フラスコの使用時には、開口部となる頚部を通じて細胞分散液の注入や、培地の注入や交換をピペットを用いて行い、培養した細胞を細胞浮遊液として回収するなどの操作が行われる。これら操作のうち培養器の外から内への操作においては特に支障は無いが、逆の培養器の内から外、すなわち、細胞のかきとりや細胞の回収といった操作においては頚部がフラスコ本体に比べ細くなっていることが作業効率を悪くさせる結果となっている。すなわち、頚部を通しての作業のため、細胞のかきだしにおいてかきだしのための治具が届かない死角が生じ隅々まで届かないことが起こる。
【0003】
この欠点を解決するためには頚部の開口部の径を大きくする方法が簡単である。しかしこの方法には大きな欠点がある。それは開口部の径を大きくすると、フラスコの高さを高くせねばならず、そのためフラスコを積み重ねて炭酸ガス培養器内に入れる場合、限られたスペースにより多くの培養容器を収める必要上、いたずらに開口部径を拡大すればフラスコ高さが必要以上に高くなりスペースを無駄に使うことになる。
これらの欠点を解決する手段として、頚部の開口部の直径を大きくとり、かつフラスコ接合部では楕円形にして縦方向の寸法を縮小するという方法(特許文献1)がある。しかし開口端の径を大きくすると、フラスコを積み重ねた時、フラスコ本体でなく開口端に取り付けるキャップが緩衝しあって高さを規定してしまい作業性を高めるために開口部を大きくすることにも限度が生じる。
また、培養終了後の細胞等の回収を用意にするため、フラスコ上面部にプラスチックのシートを溶着しておき、培養後そのシートを剥がすか切り取ることにより、頚部を経ずに細胞等の回収操作を行うように工夫したものもある。しかし、このようにシートを蓋として貼った場合、シートの強度が小さいためフラスコを多数積み重ねた場合、安定せず大量培養に適さない。また、シートを剥がす場合、イージーピール加工がなされていなければカッターナイフなどで切ることになりその際、滅菌をほどこし、注意深く操作しないと外部雑菌によるコンタミネーションの原因になる可能性が高い。
さらに、フラスコ上面部をプラスチックシートでなくポリスチレン樹脂などの成形品にし、フラスコと上面部を剥離可能な液状シリコーンゴムなどで仮接着する方法が取られている(特許文献2)。この方法は前述二つの方法に比べ有効で汎用性も高いが、組立作業が煩雑で接着剤の固化など作製に時間がかかる、細胞が接着剤の影響を受ける場合がある等の欠点がある。
【0004】
【特許文献1】実開昭63−63400号公報(1〜2頁、図1)
【特許文献2】特開平6−233671号公報(2〜3頁、図2、3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、培養容器、特に培養用フラスコの前述のような現状を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、細胞等の回収時における酵素処理や、かきとり治具の操作を容易にするだけでなく、再生医療などにおける培養皮膚シートを簡単に回収できる培養容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1)本体とカバーからなる細胞培養用のフラスコであって、本体とカバーが熱収縮フィルムによって固定されていることを特徴とする培養容器、
(2)本体とカバーの間にゴム製のOーリングまたはパッキングが装着されている(1)項記載の培養容器、
である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、通常、本体とカバーを接着または溶着して形作られる場合が多い培養用フラスコにおいて、本体と天板を接着させることなく熱収縮フィルムによって保持することを特徴とする。本発明で用いる熱収縮フィルムは、塩化ビニル製のものやポリエチレンテレフタレート(PET)製のものなど一般的に汎用されているものが使用できる。フラスコを放射線滅菌する必要がある場合には放射線滅菌により黄変する塩化ビニル製よりPET製の方が良好である。
【0008】
熱収縮フィルムの使用方法は、フラスコ本体に蓋部を乗せた状態でフラスコ全体を覆うようにして収縮させるとフラスコからの培地の漏れの防止に効果がある。この場合は、フラスコを顕微鏡観察する場合は熱収縮フィルム越しに観察することとなりフィルムの選択によっては観察性が劣る結果となる。別の使用方法としては、フラスコ本体と蓋部の合わせ目全体を覆うように装着し熱によって収縮する方法がある(図2)。この場合は密閉性に問題が生じる可能性があるのでフラスコ本体と蓋部の間にゴム製のパッキングなどを入れるなどすると内部に培養液を入れた時に漏れなどの発生を抑えることが好ましい(図3)。ゴム製のパッキンはフラスコ本体の蓋との接触面に置く簡単な方法(図3(a)(b))の他に、確実にフラスコ本体と蓋とを密着させるためにフラスコ本体の蓋との接触面に溝を設けその溝にパッキンを入れる方法(図3(c))、フラスコ本体に設けた溝にパッキンを入れ込み蓋側にその溝に適合するような突起部を設けパッキンを押さえるようにする方法(図3(d))などが考えられる。さらに、フラスコ本体と蓋部の間にゴム製のパッキングを入れる場合、本体と蓋の勘合部周りのシーリングでなく簡易的に熱収縮フィルムで本体、蓋の周りをまわすようにとめることも可能である。
【0009】
一般的に培養用フラスコはその中で生体内組織や細胞を培養するために容器が滅菌されていなければならない。本発明に基づく培養フラスコにおいても、全ての組立作業が終わってから、滅菌されることが必要である。滅菌方法はエチレンオキサイドガス、ガンマー線照射や電子線照射の放射線滅菌など、種々の方法を取ることが可能であり特に特定するものではないが、一般的には放射線滅菌が好ましい。
上記の滅菌済みの細胞培養用フラスコで皮膚細胞を培養し皮膚シートを形成させた場合、熱収縮フィルムを切断するだけで蓋を開放することが可能で、フラスコ本体に存在する細胞シートをピンセットでつまむだけで簡単に回収することができる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)
ポリスチレン樹脂で培養面となる底部とそれを取り囲む側壁からなるフラスコ本体と、蓋部を成形する。フラスコ本体の培養面をコロナ放電処理後、フラスコ本体と蓋部を勘合させた後、熱収縮フィルムで勘合部全体を覆い、高温ドライヤーで熱風をあて、熱収縮フィルムを収縮させ、フラスコ本体と蓋部を固定させた。このフラスコにキャップを装着した後、ポリ袋に入れガンマー線照射し滅菌を施した。
市販のヒト肝癌細胞株HepG2細胞(理化学研究所細胞開発銀行より入手)を前記のフラスコに播種し、37℃、炭酸ガス濃度5%の炭酸ガス培養器に入れ2日おきに培地交換を行って1週間培養を続けた。
【0011】
(実施例2)
実施例1と同様にフラスコ本体と蓋部を成形し、フラスコ本体の培養面をコロナ放電処理後、フラスコ本体と蓋の勘合部の形状に切断したシリコンゴムシートをまずフラスコ本体に貼り付け、その上から蓋部を貼り付ける(図3(a))。更にフラスコ本体、シリコンゴムシートと蓋部の勘合部を熱収縮フィルムで覆い、高温ドライヤーで収縮させフラスコ本体、シリコンゴムシート、蓋部の3点を固定した。このフラスコにキャップを装着した後、ポリ袋に入れガンマー線照射し滅菌を施した。
市販のヒト肝癌細胞株HepG2細胞(理化学研究所細胞開発銀行より入手)を前記のフラスコに播種し、37℃、炭酸ガス濃度5%の炭酸ガス培養器に入れ2日おきに培地交換を行って1週間培養を続けた。
【0012】
(結果)
実施例1、実施例2ともに培養中、雑菌汚染等のフラスコ外部からフラスコ内への外来物質の侵入、混入は発生せず、細胞培養上、問題となる事象は発生しなかった。培養液を除去後、リン酸バッファーでフラスコ内を洗浄、更に0.1%トリプシン含有リン酸バッファーを加えて細胞をフラスコから剥離させた。フラスコとカバーを取り付けている細胞熱収縮フィルムを鋏で切断し、フラスコカバーを取り外し、セルスクレーパーでフラスコ培養面の細胞を掻き出して回収した。通常のネック部からの細胞回収に比較して、培養面全体が開放されるため細胞の剥がし残しもなく作業性は著しく向上した。
【0013】
【発明の効果】
本発明の培養容器によれば、フラスコとカバーを取り外し可能な熱収縮フィルムで取り付けることにより、細胞熱収縮フィルムを切断することで、カバーを簡単に取り外しことができ、培養面全体が開放されることにより細胞の回収の作業性が著しく向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の培養容器のフラスコ組立の概略図。
【図2】本発明の培養容器のフラスコ本体とカバーの組立部の断面概略図。
【図3】本発明の培養容器のフラスコ本体、O−リング、及びカバーの組立部の断面概略図。
【符号の簡単な説明】
11 フラスコ本体
11 フラスコカバー
12 熱収縮フィルム
13 O−リング
【発明の属する技術分野】
本発明は、細菌培養、細胞培養、組織培養さらには再生医療などに用いられる、プラスチック製のディスポーザブルの培養容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明が対象とする培養容器は、一般に培養用フラスコと呼ばれ、細菌培養、細胞培養、組織培養等の分野で汎用されている。特に細胞培養の分野では、培養用シャーレや培養用プレートと並んで広く使用されている。培養用フラスコの一番の特徴は、頚部にキャップをねじ込む構造になっており、蓋を被せただけの培養用シャーレや培養用プレートと異なりほぼ密封状態にできることであり、それによって培養中の外からの雑菌の侵入の危険性が少ないことである。こうした密閉できる構造から最近では、表皮細胞の培養等の再生医療の分野でも使用が増えつづけている。
しかし、培養フラスコの使用時には、開口部となる頚部を通じて細胞分散液の注入や、培地の注入や交換をピペットを用いて行い、培養した細胞を細胞浮遊液として回収するなどの操作が行われる。これら操作のうち培養器の外から内への操作においては特に支障は無いが、逆の培養器の内から外、すなわち、細胞のかきとりや細胞の回収といった操作においては頚部がフラスコ本体に比べ細くなっていることが作業効率を悪くさせる結果となっている。すなわち、頚部を通しての作業のため、細胞のかきだしにおいてかきだしのための治具が届かない死角が生じ隅々まで届かないことが起こる。
【0003】
この欠点を解決するためには頚部の開口部の径を大きくする方法が簡単である。しかしこの方法には大きな欠点がある。それは開口部の径を大きくすると、フラスコの高さを高くせねばならず、そのためフラスコを積み重ねて炭酸ガス培養器内に入れる場合、限られたスペースにより多くの培養容器を収める必要上、いたずらに開口部径を拡大すればフラスコ高さが必要以上に高くなりスペースを無駄に使うことになる。
これらの欠点を解決する手段として、頚部の開口部の直径を大きくとり、かつフラスコ接合部では楕円形にして縦方向の寸法を縮小するという方法(特許文献1)がある。しかし開口端の径を大きくすると、フラスコを積み重ねた時、フラスコ本体でなく開口端に取り付けるキャップが緩衝しあって高さを規定してしまい作業性を高めるために開口部を大きくすることにも限度が生じる。
また、培養終了後の細胞等の回収を用意にするため、フラスコ上面部にプラスチックのシートを溶着しておき、培養後そのシートを剥がすか切り取ることにより、頚部を経ずに細胞等の回収操作を行うように工夫したものもある。しかし、このようにシートを蓋として貼った場合、シートの強度が小さいためフラスコを多数積み重ねた場合、安定せず大量培養に適さない。また、シートを剥がす場合、イージーピール加工がなされていなければカッターナイフなどで切ることになりその際、滅菌をほどこし、注意深く操作しないと外部雑菌によるコンタミネーションの原因になる可能性が高い。
さらに、フラスコ上面部をプラスチックシートでなくポリスチレン樹脂などの成形品にし、フラスコと上面部を剥離可能な液状シリコーンゴムなどで仮接着する方法が取られている(特許文献2)。この方法は前述二つの方法に比べ有効で汎用性も高いが、組立作業が煩雑で接着剤の固化など作製に時間がかかる、細胞が接着剤の影響を受ける場合がある等の欠点がある。
【0004】
【特許文献1】実開昭63−63400号公報(1〜2頁、図1)
【特許文献2】特開平6−233671号公報(2〜3頁、図2、3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、培養容器、特に培養用フラスコの前述のような現状を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、細胞等の回収時における酵素処理や、かきとり治具の操作を容易にするだけでなく、再生医療などにおける培養皮膚シートを簡単に回収できる培養容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1)本体とカバーからなる細胞培養用のフラスコであって、本体とカバーが熱収縮フィルムによって固定されていることを特徴とする培養容器、
(2)本体とカバーの間にゴム製のOーリングまたはパッキングが装着されている(1)項記載の培養容器、
である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、通常、本体とカバーを接着または溶着して形作られる場合が多い培養用フラスコにおいて、本体と天板を接着させることなく熱収縮フィルムによって保持することを特徴とする。本発明で用いる熱収縮フィルムは、塩化ビニル製のものやポリエチレンテレフタレート(PET)製のものなど一般的に汎用されているものが使用できる。フラスコを放射線滅菌する必要がある場合には放射線滅菌により黄変する塩化ビニル製よりPET製の方が良好である。
【0008】
熱収縮フィルムの使用方法は、フラスコ本体に蓋部を乗せた状態でフラスコ全体を覆うようにして収縮させるとフラスコからの培地の漏れの防止に効果がある。この場合は、フラスコを顕微鏡観察する場合は熱収縮フィルム越しに観察することとなりフィルムの選択によっては観察性が劣る結果となる。別の使用方法としては、フラスコ本体と蓋部の合わせ目全体を覆うように装着し熱によって収縮する方法がある(図2)。この場合は密閉性に問題が生じる可能性があるのでフラスコ本体と蓋部の間にゴム製のパッキングなどを入れるなどすると内部に培養液を入れた時に漏れなどの発生を抑えることが好ましい(図3)。ゴム製のパッキンはフラスコ本体の蓋との接触面に置く簡単な方法(図3(a)(b))の他に、確実にフラスコ本体と蓋とを密着させるためにフラスコ本体の蓋との接触面に溝を設けその溝にパッキンを入れる方法(図3(c))、フラスコ本体に設けた溝にパッキンを入れ込み蓋側にその溝に適合するような突起部を設けパッキンを押さえるようにする方法(図3(d))などが考えられる。さらに、フラスコ本体と蓋部の間にゴム製のパッキングを入れる場合、本体と蓋の勘合部周りのシーリングでなく簡易的に熱収縮フィルムで本体、蓋の周りをまわすようにとめることも可能である。
【0009】
一般的に培養用フラスコはその中で生体内組織や細胞を培養するために容器が滅菌されていなければならない。本発明に基づく培養フラスコにおいても、全ての組立作業が終わってから、滅菌されることが必要である。滅菌方法はエチレンオキサイドガス、ガンマー線照射や電子線照射の放射線滅菌など、種々の方法を取ることが可能であり特に特定するものではないが、一般的には放射線滅菌が好ましい。
上記の滅菌済みの細胞培養用フラスコで皮膚細胞を培養し皮膚シートを形成させた場合、熱収縮フィルムを切断するだけで蓋を開放することが可能で、フラスコ本体に存在する細胞シートをピンセットでつまむだけで簡単に回収することができる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)
ポリスチレン樹脂で培養面となる底部とそれを取り囲む側壁からなるフラスコ本体と、蓋部を成形する。フラスコ本体の培養面をコロナ放電処理後、フラスコ本体と蓋部を勘合させた後、熱収縮フィルムで勘合部全体を覆い、高温ドライヤーで熱風をあて、熱収縮フィルムを収縮させ、フラスコ本体と蓋部を固定させた。このフラスコにキャップを装着した後、ポリ袋に入れガンマー線照射し滅菌を施した。
市販のヒト肝癌細胞株HepG2細胞(理化学研究所細胞開発銀行より入手)を前記のフラスコに播種し、37℃、炭酸ガス濃度5%の炭酸ガス培養器に入れ2日おきに培地交換を行って1週間培養を続けた。
【0011】
(実施例2)
実施例1と同様にフラスコ本体と蓋部を成形し、フラスコ本体の培養面をコロナ放電処理後、フラスコ本体と蓋の勘合部の形状に切断したシリコンゴムシートをまずフラスコ本体に貼り付け、その上から蓋部を貼り付ける(図3(a))。更にフラスコ本体、シリコンゴムシートと蓋部の勘合部を熱収縮フィルムで覆い、高温ドライヤーで収縮させフラスコ本体、シリコンゴムシート、蓋部の3点を固定した。このフラスコにキャップを装着した後、ポリ袋に入れガンマー線照射し滅菌を施した。
市販のヒト肝癌細胞株HepG2細胞(理化学研究所細胞開発銀行より入手)を前記のフラスコに播種し、37℃、炭酸ガス濃度5%の炭酸ガス培養器に入れ2日おきに培地交換を行って1週間培養を続けた。
【0012】
(結果)
実施例1、実施例2ともに培養中、雑菌汚染等のフラスコ外部からフラスコ内への外来物質の侵入、混入は発生せず、細胞培養上、問題となる事象は発生しなかった。培養液を除去後、リン酸バッファーでフラスコ内を洗浄、更に0.1%トリプシン含有リン酸バッファーを加えて細胞をフラスコから剥離させた。フラスコとカバーを取り付けている細胞熱収縮フィルムを鋏で切断し、フラスコカバーを取り外し、セルスクレーパーでフラスコ培養面の細胞を掻き出して回収した。通常のネック部からの細胞回収に比較して、培養面全体が開放されるため細胞の剥がし残しもなく作業性は著しく向上した。
【0013】
【発明の効果】
本発明の培養容器によれば、フラスコとカバーを取り外し可能な熱収縮フィルムで取り付けることにより、細胞熱収縮フィルムを切断することで、カバーを簡単に取り外しことができ、培養面全体が開放されることにより細胞の回収の作業性が著しく向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の培養容器のフラスコ組立の概略図。
【図2】本発明の培養容器のフラスコ本体とカバーの組立部の断面概略図。
【図3】本発明の培養容器のフラスコ本体、O−リング、及びカバーの組立部の断面概略図。
【符号の簡単な説明】
11 フラスコ本体
11 フラスコカバー
12 熱収縮フィルム
13 O−リング
Claims (2)
- 本体とカバーからなる細胞培養用のフラスコであって、本体とカバーが熱収縮フィルムによって固定されていることを特徴とする培養容器。
- 本体とカバーの間にゴム製のOーリングまたはパッキングが装着されている請求項1記載の培養容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002333954A JP2004166532A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 培養容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002333954A JP2004166532A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 培養容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004166532A true JP2004166532A (ja) | 2004-06-17 |
Family
ID=32698520
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002333954A Pending JP2004166532A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 培養容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004166532A (ja) |
-
2002
- 2002-11-18 JP JP2002333954A patent/JP2004166532A/ja active Pending
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