JP2004166270A - 無線ネットワークのハンドオフ暗号鍵 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無線LANにおいて中断の無いハンドオフ方法を提供する。
【解決手段】 第1のアクセスポイントから第2のアクセスポイントへの無線端末のハンドオフを容易にするためのハンドオフ暗号鍵が提供される。ハンドオフ暗号鍵は、サーバにより生成され、第1のアクセスポイントおよび第2のアクセスポイントに送信される。あるいは、ハンドオフ暗号鍵は2つのアクセスポイントのうち一方により生成され、他方に送信される。第1のアクセスポイントは、ハンドオフする前に、ハンドオフ暗号鍵を無線端末に送信する。ハンドオフ後すぐに、無線端末と第2のアクセスポイントはハンドオフ暗号鍵で暗号化されたデータを通信する。その後、認証サーバ無線端末を認証し、第2のアクセスポイントが無線端末にセッション暗号鍵を提供するようにさせる。その後、無線端末と第2のアクセスポイントはセッション暗号鍵で暗号化されたデータを通信する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、無線ネットワーク環境に関し、より詳細には、無線ネットワーク環境においてハンドオフ暗号鍵を提供する方法およびシステムに関する。
一般的な分散型コンピュータ環境の例として、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、以下LANという)がある。LANは、複数の端末(局)間で1対1あるいは1対複数での直接通信を可能にするピア・ツー・ピアの通信ネットワークである。LANは、オフィスビル、倉庫、あるいは大学構内といった適当な大きさの地理的な領域に最適化されている。多くのLANでは、通信は有線で行われている。
近年、無線LAN(WLANともいう)技術が一般的になってきている。無線LANは、伝送媒体が電線でなく電波である点以外は有線LANと同様に動作する。典型的な無線LANの構成では、複数の端末は、アクセスポイントを介して、有線LANやワイドエリアネットワーク(Wide Area Network、以下WANという)といった、より大きなネットワークと通信する。ここで、アクセスポイントとは、無線LANと、より大きなネットワークとの間のゲートウェイとして機能する装置のことである。
有線LANにおいては、不当なアクセスに対して物理的なセキュリティを用いることができる。しかし、無線LANにおいては、物理的なセキュリティを用いることは現実的ではない。したがって、セキュリティを高めるために、ネットワークへのアクセスに対する認証プロセスおよび暗号化/復号化機能が要求される。また、無線LANのアクセスポイントの設置場所としては、会議室、レストラン、玄関、廊下、ロビー等が考えられる。ここで、無線LANにアクセスしている端末は、第1のアクセスポイントの無線範囲から、第2のアクセスポイントの無線範囲へと移動する可能性がある。この場合、第1のアクセスポイントから、第2のアクセスポイントへハンドオフ(ハンドオーバー)する必要がある。
一般的に、端末は、第2のアクセスポイントを介して無線LANに接続する前に、認証サーバ(多くの場合はホーム登録サーバ)との間で端末認証パケットを送受信しなければならない。この認証プロセスには時間がかかるため、端末と他の端末との間の通信を中断してしまう。このような中断が発生することは問題である。特に、滑らかな動作あるいはサービスの品質(QoS)を保障するために中断の無い通信が要求されるストリーミングやボイスオーバーIP(以下、VoIPという)のアプリケーションのように、リアルタイム性が要求される場合にこの問題は顕著である。
以上の課題を解決するために、本発明は、無線通信ネットワークにおけるハンドオフの方法を提供する。ここで、第1、第2のアクセスポイントに対するハンドオフ無線暗号鍵が提供される。また、第1のアクセスポイントは、対応する無線端末にハンドオフ無線暗号鍵を送信する。また、第2のアクセスポイントは、無線端末を認証し、無線端末との間でハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されたデータパケットを送受信する。
ここで、第1のアクセスポイントは、無線端末が第1のアクセスポイントとアクティブに通信している場合に無線端末に無線暗号鍵を送信するだけでもよい。また、第1のアクセスポイントは、ハンドオフ無線暗号鍵を、無線端末に送信する前にセッション無線暗号鍵で暗号化してもよい。また、第2のアクセスポイントは、認証サーバを用いて無線端末を認証してもよい。また、無線端末の認証は、無線端末と認証サーバの間で第2のアクセスポイントを介した認証パケットの送受信を含んでもよい。
また、端末認証パケットは、ハンドオフ無線暗号鍵で暗号化され、無線端末から第2のアクセスポイントに送信されてもよい。あるいは、端末認証パケットは、暗号化されずに、無線端末から第2のアクセスポイントに送信されてもよい。また、無線端末が認証サーバにより認証された後、第2のアクセスポイントはセッション無線暗号鍵を無線端末に送信してもよい。
また、サーバはハンドオフ無線暗号鍵を生成し、生成した無線暗号鍵を第1、第2のアクセスポイントに送信してもよい。ここで、第2のアクセスポイントは、ハンドオフ無線暗号鍵で暗号化された呼びかけメッセージを送信し、復号化された呼びかけメッセージを無線端末から受信し、無線端末が呼びかけメッセージを正しく復号化しているか判断することにより無線端末を認証してもよい。
本発明はさらに、無線ネットワークを提供する。ここで、無線ネットワークは、データを受信しハンドオフ無線暗号鍵で暗号化する手段を有する無線端末を含む。また、無線端末は、暗号化されたデータを送信する手段を有する。また、無線ネットワークは、ハンドオフ無線暗号鍵を無線端末に送信できる第1のアクセスポイントと、暗号化されたデータを無線端末から受信し、ハンドオフ無線暗号鍵で復号化する第2のアクセスポイントとを含む。
ここで、無線ネットワークは、さらに、第1、第2のアクセスポイントに接続され、ハンドオフ無線暗号鍵を生成し、無線暗号鍵を第1、第2のアクセスポイントに送信するサーバを含んでもよい。また、無線ネットワークは、第1、第2のアクセスポイントに接続され、無線端末を認証するサーバを含んでもよい。
本発明はさらに、パケットを受信する受信手段と、受信手段により受信したパケットがハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されていない場合にそのパケットを削除する削除手段と、受信手段により受信したパケットがハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されたパケットである場合に、そのパケットを復号化し、送信する送信手段と、受信手段により受信したパケットが端末認証パケットである場合にそのパケットを送信する送信手段とを有する無線アクセスポイントを提供する。
ここで、無線アクセスポイントは、パケットを送信した端末のメディアアクセス制御アドレス(MACアドレス)を読み込み、読み込まれたMACアドレスを有する端末に対する無線暗号鍵を記憶しているか判断する判断手段を有してもよい。また、無線アクセスポイントは、端末に対する無線暗号鍵を記憶している場合、パケットを復号化し送信する送信手段を有してもよい。
本発明はさらに、第1のセッション無線暗号鍵で暗号化されたハンドオフ無線暗号鍵を受信し復号化するハンドオフ無線暗号鍵復号化手段と、ハンドオフ無線暗号鍵でデータを暗号化するプログラムおよび暗号化されたデータを送信する送信手段と、ハンドオフ無線暗号鍵で暗号化された第2のセッション無線暗号鍵を受信し復号化するセッション暗号鍵復号化手段とを有する無線端末を提供する。
ここで、無線端末は、ハンドオフ無線暗号鍵が受信されるまで第1のセッション無線暗号鍵でデータを暗号化/復号化する第1のデータ暗号化/復号化手段と、第2のセッション無線暗号鍵が受信されるまでハンドオフ無線暗号鍵でデータを暗号化/復号化する第2のデータ暗号化/復号化手段と、第2のセッション無線暗号鍵が受信された後にデータを第2のセッション無線暗号鍵で暗号化/復号化する第3のデータ暗号化/復号化手段とを有してもよい。
本発明はさらに、無線ネットワークを提供する。ここで、無線ネットワークは、第1、第2のアクセスポイントにハンドオフ無線暗号鍵を提供する手段を有する。また、無線ネットワークは、第1のアクセスポイントから無線端末にハンドオフ無線暗号鍵を送信する手段を有する。また、無線ネットワークは、第2のアクセスポイントにおいて無線端末を認証する手段、およびハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されたデータパケットを第2のアクセスポイントと無線端末との間で送受信する手段を有する。さらに、無線ネットワークは、ハンドオフ無線暗号鍵を無線端末に送信する前に、セッション無線暗号鍵でハンドオフ無線暗号鍵を暗号化する手段を有する。
本発明によれば、無線ネットワークシステムにおいて、セキュリティを確保し、かつ中断のないハンドオフを実現することができる。
図1は、分散型コンピュータシステム2のシステムレベルのブロック図である。分散型コンピュータシステム2は、1以上の端末が、1以上の他の端末と通信するコンピュータ環境であればどのようなものでもよく、図1は単に分散型コンピュータシステム2を例示したものに過ぎない。本実施形態において、分散型コンピュータシステム2は、無線端末12、ネットワーク8、端末6を有する。無線端末12は、ネットワーク8を介して端末6と通信可能である。ネットワーク8は、インターネット、WAN、あるいはLAN等の広域ネットワークである。ここで、ネットワーク8は、無線通信ネットワーク、LAN、WAN、衛星ネットワーク、ブルートゥース(登録商標)ネットワーク、等のネットワークであるサブネットワーク10を有する。サブネットワーク10については後述する。
端末6および無線端末12は、例えば、デスクトップコンピュータ、サーバ、ラップトップコンピュータ、個人情報端末(Personal Digital Assistance、以下PDAという)、ポケットPC、無線電話等の装置である。端末6および無線端末12は、クライアント、サーバ、あるいはピア・ツー・ピア通信のノードとして構成される。ピア・ツー・ピア通信の例としては、VoIP、ビデオ会議、テキストメッセージング、ファイル共有、映像ストリーミング、音声ストリーミング、等の直接通信がある。ここで、端末6および無線端末12は、無線通信可能であってもよい。また、端末6および無線端末12は、ネットワーク8に直接接続されても、あるいはアクセスポイントを介して接続されてもよい。ここで、端末6および無線端末12は、動作に必要なプログラム及びデータを有を記憶したメモリを有する。
図2は、ネットワーク8のサブネットワーク10のブロック図である。サブネットワーク10は、認証・許可・アカウント・ホームサーバ(以下、AAAHサーバという)36と、認証・許可・アカウント・フォーリンサーバ(以下、AAAFサーバという)32、34と、アクセスルータ24、26、28と、アクセスポイント14、16、18、22とを有する。図2において、各要素は直接接続されているように描かれているが、間接的に接続され、地理的に離れた位置にある構成としてもよい。図2では、通信経路をより分かりやすく示すために、各要素が直接接続されているように描かれている。
AAAHサーバ36は、複数の端末を認証する。この複数の端末は、AAAHサーバ36に対応付けられる。また、AAAHサーバ36は、動作に必要なプログラムおよびデータを記憶したメモリを有する。AAAHサーバ36は、対応する端末の認識、認証、および課金に関する情報を保有する認証サーバを有してもよい。対応する端末の証明あるいは確認はAAAHサーバ36により行われる。また、対応する端末がネットワーク等のリソースにアクセスすることを許可されているかについて、AAAHサーバ36が判断する。
AAAHサーバ36は、後述する端末の認証プロシージャを実行する。端末の認証プロシージャは、デジタル証明書、ユーザ名とパスワードのペア、あるいは対応する端末の認証を容易にする他の誰何・応答式のプロトコルを使用する。端末の認証プロシージャの一部として、AAAHサーバ36は端末認証パケットを対応する端末との間で送受信し、また、端末許可パケットを許可局との間で送受信する。端末認証パケットは、認証局のデジタル証明書、暗号鍵、ユーザ名、パスワード、呼びかけテキスト(Challenge Text)、呼びかけメッセージ(Challenge Message)等、端末の認識、証明を容易にするものを含む。端末許可パケットは、対応する端末がネットワーク等のリソースへのアクセスをあるレベルにおいて許可されたことを示す。例えば、アクセスのレベルとしては、フルアクセス、アクセス禁止、制限付きアクセスがある。
本実施携帯において、端末の認証プロシージャは、IETF(Internet Engineering Task Force)のRFCs(Request for Comments)2865および2866で指定されるRADIUS(Remote Authentication Dial−In User Service)プロトコルに準拠する。端末の認証プロシージャはまた、IEEE802.1x基準で指定される認証方法に準拠してもよい。
対応付けられた端末を許可した後、AAAHサーバ36は、対応付けられた端末により使用されるリソースを記録(課金)してもよい。例えば、AAAHサーバ36は、対応付けられた端末による、ネットワークのアクセスに関する打診(プローブ)を記録する。対応する端末によるリソースの使用に関する情報は、AAAHサーバ36に送信される。
AAAHサーバ36は、ハンドオフするための暗号鍵を生成する。ハンドオフするための暗号鍵は、無線暗号鍵(Wired Euivalent Privacy Key、WEPキーあるいはWEP鍵ともいう)である。以下、このハンドオフするための暗号鍵を、「ハンドオフ無線暗号鍵」という。ここで、「ハンドオフ無線暗号鍵」という用語は、1以上の無線端末との暗号化通信のための1以上のアクセスポイントで同時に使用される暗号鍵を指す。
AAAHサーバ36は、アクセスポイントにハンドオフ無線暗号鍵を提供する。端末が第1のアクセスポイントから第2のアクセスポイントへハンドオフする間、端末と第2のアクセスポイントの間の通信はハンドオフ無線暗号鍵で暗号化される。なお、AAAHサーバ36は、セキュアな通信に適度な頻度で新たなハンドオフ無線暗号鍵を更新し提供してもよい。
AAAFサーバ32、34は、複数の端末を認証する。しかしながら、AAAFサーバ32、34は、AAAHサーバ36に対応する端末の組と異なる組の端末を対応付けてもよい。ここで、AAAHサーバ36に対応する端末にとって、AAAHサーバ36は、「ホームサーバ」であり、AAAFサーバ32、34は「フォーリンサーバ」である。
また、AAAFサーバ32に対応する端末にとって、AAAFサーバ32は「ホームサーバ」であり、AAAHサーバ36は「フォーリンサーバ」である。本実施形態においては、混乱を避けるため、サーバの名称は無線端末12との関係によって命名されたものである。フォーリンサーバは本発明の汎用性を示すための例であり、これに限定するものではない。
AAAFサーバ32、34は、AAAHサーバ36に対応付けられた端末を間接的に認証してもよい。AAAFサーバ32、34はそれぞれ、動作に必要なプログラムおよびデータを記憶したメモリを有する。ここで、AAAFサーバ32、34は、AAAHサーバ36に対応付けられた端末の認識をするための本質的な情報を有している必要はない。AAAFサーバ32、34は、端末認証パケットおよび端末許可パケットをAAAHサーバ36との間で送受信することにより、AAAHサーバ36に対応付けられた端末を間接的に認証および許可する。AAAFサーバ32、34は、AAAHサーバ36に対応付けられた端末により利用されたリソースに対し課金し、課金情報をAAAHサーバ36に提供してもよい。
AAAFサーバ32、34はそれぞれ、対応するアクセスポイントにアクセスするためのハンドオフ無線暗号鍵を生成してもよい。あるいは、AAAFサーバ32、34は、AAAHサーバ36から共通のハンドオフ無線暗号鍵を受信してもよい。
アクセスルータ24、26、28は、パケットを送受信する機能を有する。アクセスルータ24、26、28はそれぞれ、受信したパケットをどのネットワークノードに送信するかを判断することができる。ネットワークノードは、端末、ゲートウェイ、ブリッジ、あるいは他のルータである。アクセスルータ24、26、28はそれぞれ、他のサブネットワーク(図示略)に接続されることができ、これによりサブネットワーク10と他のサブネットワークとの間のパケットの経路が提供されてもよい。
アクセスポイント14、16、18、22の各々は、ネットワークへのアクセスを提供する。ここで、アクセスポイント14、16、18、22の各々は、動作に必要なプログラムおよびデータを記憶している。アクセスポイント14、16、18、22の各々は、ネットワークの端点であってもよい。アクセスポイント14、16、18、22の各々は、認証局として機能してもよいし、あるいは、端末がネットワークにアクセスするために、端末に認証サーバから認証を受けるよう要求してもよい。さらに、端末が認証サーバにより認証を受ける前に、アクセスポイント14、16、18、22は、端末が端末認証パケットを認証サーバとの間で送受信することを許可するだけでもよい。端末が認証サーバにより認証された後、アクセスポイント14、26、18、22は、端末がネットワークを介してデータパケットを送受信することを許可する。
アクセスポイント14、16、18、22はそれぞれ、対応する無線通達範囲38を有する無線アクセスポイントである。アクセスポイント14、16、18、22の無線通達範囲38は、近隣のアクセスポイントの無線通達範囲と重なる部分があってもよい。アクセスポイント14、16、18、22の無線通達範囲38に在圏する無線端末12は、各アクセスポイントに対応付けられ、各アクセスポイントと通信することができる。
無線端末とアクセスポイントとの間で暗号化通信を行うために、セッション暗号鍵が、アクセスポイント14、16、18,22から、それぞれのアクセスポイントに在圏する無線端末に提供される。セッション暗号鍵は無線暗号鍵であり、以下、この暗号鍵を「セッション無線暗号鍵」という。ここで、「セッション無線暗号鍵」という用語は、アクセスポイントと無線端末との間の暗号化通信に使用される暗号鍵を指す用語である。本実施形態において、アクセスポイント14、16、18、22は、IEEE802.11基準に準拠してセッション無線暗号鍵を生成し提供する。ハンドオフ無線暗号鍵を生成するプロシージャは、セッション無線暗号鍵を生成するプロシージャと同一である。
アクセスポイント14、16、18、22はそれぞれ、端末が他のアクセスポイント(ハンドオフ先のアクセスポイント)にハンドオフするように動作可能である。無線端末がハンドオフする間、ハンドオフしているアクセスポイント14、16、18、22は、ハンドオフ無線暗号鍵を無線端末に提供する。本実施形態では、セキュリティ上の理由から、アクセスポイント14、16、18、22は、その時点でアクティブに通信している無線端末にのみハンドオフ無線暗号鍵を送信する。ここで、「アクティブに」通信している状態とは、動画ストリーミングアプリケーション、VoIPアプリケーション、ファイルのダウンロード、あるいはパケット送受信するその他のアプリケーション等のリアルタイムアプリケーションを含む。端末がハンドオフ時に単にアクセスポイント14、16、18、22に対応付けられているだけである場合は、ハンドオフ無線暗号鍵は端末に提供されなくてもよい。
端末がアクセスポイント14、16、18、22のうち1つにハンドオフする間、そのアクセスポイントと端末は、ハンドオフ認証メッセージを交換する。表1に、ハンドオフ認証メッセージの交換の例を示す。
Figure 2004166270
各ハンドオフ認証メッセージは、メッセージを処理するための認証アルゴリズムを示す認証アルゴリズム番号を含む。例えば、「2」は、ハンドオフ無線暗号鍵アルゴリズムを示し、「1」は共有暗号鍵(セッション暗号鍵)アルゴリズムを示し、「0」はオープンシステム(認証無し)アルゴリズムを示す。ハンドオフ無線暗号鍵アルゴリズムに対して、ハンドオフ無線暗号鍵は、呼びかけテキストを暗号化/復号化するために使用される。
図3は、ハンドオフ無線暗号鍵を用いた共有暗号鍵ハンドオフ認証プロシージャを示す図である。アクセスポイント14、16はいずれもAAAFサーバ32に対応付けられている。したがって、アクセスポイント14、16は、AAAFサーバ32からハンドオフ無線暗号鍵を受信する(ステップ302)。ハンドオフ無線暗号鍵の送信は、AAAFサーバ32とアクセスポイント14、16とにより共有される暗号鍵により暗号化される。ステップ304において、無線端末12は、アクセスポイント14に対応付けられ、アクセスポイント14を介して通信している。無線端末12とアクセスポイント14との間の通信は、セッション無線暗号鍵により暗号化される。
迅速なハンドオフを容易にするため、無線端末12は、ハンドオフ無線暗号鍵を要求する(ステップ306)。アクセスポイント14は、ハンドオフ無線暗号鍵を無線端末に送信する(ステップ308)。アクセスポイント14は、セッション無線暗号鍵で暗号化することによりセキュリティを高めてハンドオフ無線暗号鍵を送信する。
無線端末12は、アクセスポイント14からアクセスポイント16(ハンドオフ先のアクセスポイント)へハンドオフすることを決定する(ステップ310:ハンドオフ決定過程)。ハンドオフを開始するために、無線端末12は、打診要求/回答パケットをハンドオフ先のアクセスポイント16と交換する(ステップ312)。打診が成功した場合、無線端末12は、ハンドオフ認証メッセージをハンドオフ先のアクセスポイント16と交換する(ステップ314)。ステップ314におけるハンドオフ認証メッセージの交換は、表1で説明した通りに実行される。
ハンドオフ認証が成功した場合、無線端末12は、対応付け要求/回答パケットをハンドオフ先のアクセスポイント16と交換する(ステップ316)。成功した場合、無線端末12は、ハンドオフ先のアクセスポイント16と対応付けられる(ステップ316)。無線端末12とハンドオフ先のアクセスポイント16が対応付けられた後、無線端末12とハンドオフ先のアクセスポイント16との間のデータ通信は、ハンドオフ無線暗号鍵で暗号化される(ステップ318)。無線端末12およびハンドオフ先のアクセスポイント16は、ハンドオフ先のアクセスポイント16が新しいセッション無線暗号鍵を提供する(ステップ326)まで、ハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されたデータを通信し続ける。
例えば、無線端末12は、ハンドオフ先のアクセスポイント16と対応付けられた後、インターネットを介して通信するために新しいIPアドレスを要求してもよい(ステップ318)。このとき、ハンドオフ無線暗号鍵は、モバイルIPアドレスの取得に対応するパケットを暗号化するために使用される。例えば、無線端末12は、新しいモバイルIPアドレスを要求し受信するためにDHCP(Dynamic Host Control Protocol)サーバ(図示略)と通信してもよい(ステップ318)。無線端末12はまた、新しいモバイルIPアドレスを示すバインディング更新メッセージを送信してもよい(ステップ318)。このように、ハンドオフ無線暗号鍵は、モバイルIPアドレスの取得に対応するパケットに対し十分なセキュリティを提供する。
無線端末12が、ハンドオフ時にリアルタイムアプリケーションを実行中である場合は、次のように動作する。すなわち、ステップ318において、リアルタイムアプリケーションにより送受信されるデータパケットは、ハンドオフ先のアクセスポイント16を介した通信のためにハンドオフ無線暗号鍵により暗号化される。したがって、無線端末12のリアルタイムアプリケーションは、ハンドオフの間、ユーザが中断を知覚することなく通信を継続することができる。
ステップ320において、無線端末12は、端末認証パケットをハンドオフ先のアクセスポイント16に送信する。端末認証パケットは、ハンドオフ無線暗号鍵により暗号化されてもよいが、端末認証パケットを暗号化することは必須ではない。
ステップ322において、ハンドオフ先のアクセスポイント16は、端末認証パケットをAAAHサーバ36に送信する。AAAHサーバ36が無線端末12の身元(ID)あるいは証明書を確認した後、AAAHサーバ36は、ハンドオフ先のアクセスポイント16に端末許可パケットを送信する(ステップ324)ハンドオフ先のアクセスポイント16は、無線端末12に新しいセッション無線暗号鍵を提供する(ステップ326)。
ステップ328において、無線端末12およびハンドオフ先のアクセスポイント16は、ハンドオフ無線暗号鍵の使用から新しいセッション無線暗号鍵の使用へと切り替える。新しいセッション無線暗号鍵は、次のハンドオフが起こるまで、あるいは、別の理由で通信が終了するまで、無線端末12とハンドオフ先のアクセスポイント16との間の通信を暗号化するために使用される。
以上で説明した共有暗号鍵のハンドオフ認証プロシージャは、もちろん無線端末12がアクセスポイント16からアクセスポイント18へハンドオフする際にも使用できる。もう1つのアクションを付加することにより、そのプロシージャをさらに、無線端末12がアクセスポイント18からアクセスポイント22へハンドオフする際にも使用することができる。この付加されたアクションにおいて、AAAHサーバ36は、ハンドオフ無線暗号鍵を生成し、AAAFサーバ23、34に、あるいはアクセスポイント14、16、18、22に直接提供する。このアクションは、アクセスポイント18とアクセスポイント22に共通のハンドオフ無線暗号鍵を提供する。
なお、ハンドオフ無線暗号鍵を生成し送信する方法は、上述の方法に限られない。例えば、AAAFサーバ32が、ハンドオフ無線暗号鍵を生成し、AAAHサーバ36に送信してもよい。そして、AAAHサーバ36が、ハンドオフ無線暗号鍵をAAAFサーバ34に送信してもよい。
図3に示される共有暗号鍵によるハンドオフ認証プロシージャは、既にある機器を使用するために、ファームウェアの修正を必要とする。このようなファームウェアの修正を必要としないシステムのための、オープンシステムによるハンドオフ認証プロシージャが、図4に示されている。オープンシステムによるハンドオフ認証プロシージャは、IEEE802.11基準に準拠しており、さらにIEEE802.1x基準に準拠してもよい。
オープンシステムによるハンドオフ認証プロシージャの多くのステップは、共有暗号鍵によるハンドオフ認証プロシージャにおけるステップと本質的に同一の方法で動作する。オープンシステムによるハンドオフ認証プロシージャのステップ402、404、406、408、410、412は、共有暗号鍵によるハンドオフ認証プロシージャにおけるステップ302、304、306、308、310、312と同一の方法でそれぞれ動作する。しかしながら、ステップ414において、ハンドオフ認証メッセージの交換は、ステップ312で使用される「ハンドオフ無線暗号鍵」による認証アルゴリズムではなく、「オープンシステム」による認証アルゴリズムを使用する点が異なる。
オープンシステムによる認証アルゴリズムを用いた場合、ハンドオフ先のアクセスポイント16は、ハンドオフのために無線端末12を呼びかけ無しで認証する(すなわち無認証)。この無認証の後、ステップ416において、無線端末12は、ハンドオフ先のアクセスポイント16に対応付けられる。無線端末12とハンドオフ先のアクセスポイント16との間で通信されるデータパケットは、ハンドオフ無線暗号鍵により暗号化される(ステップ418)。
ステップ420において、無線端末12は、端末認証パケットをハンドオフ先のアクセスポイント16に送信する。前述のステップ320と同様に、無線端末認証パケットは、ハンドオフ無線暗号鍵により暗号化されてもよいが、端末認証パケットの暗号化は必須ではない。ステップ422、424、426、428において、オープンシステムによるハンドオフ認証プロシージャは、共有鍵によるハンドオフ認証プロシージャのステップ322、324、326、328と本質的に同一の方法でそれぞれ動作する。
オープンシステムによるハンドオフ認証プロシージャは、ステップ414において無線端末に呼びかけをしない。したがって、ハンドオフ先のアクセスポイントは、無線端末12が暗号化されていない端末認証パケットをAAAHサーバ36に通信することを許可するセキュリティプロシージャを含む。さらに、そのセキュリティプロシージャは、データパケットがハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されている場合のみ無線端末12にデータパケットをネットワーク8に通信することを許可する。このセキュリティプロシージャの例を図5および図6に示す。
図5は、ハンドオフ先のアクセスポイント16に対するセキュリティプロシージャを示す。セキュリティプロシージャは、ハンドオフ先のアクセスポイント16のデータリンク層で動作する。セキュリティプロシージャは、証明されたMACアドレスからのパケットと、端末認証パケットと、ハンドオフ無線暗号鍵により暗号化されたパケットとを1つ上のネットワーク層に転送する間、認証されていないパケットを削除する。パケットは、1つ上のネットワーク層に送られ、さらに宛先ノードへ転送される。
ハンドオフ先のアクセスポイント16は、証明されたが対応するセッション無線暗号鍵を持たない無線端末のMACアドレスを登録する。ハンドオフ先のアクセスポイント16は、無線端末12からパケットを受信する。ステップ502において、ハンドオフ先のアクセスポイント16は、パケットの発信元のMACアドレスから、無線端末12が証明された端末であるかどうか判断する。証明されている場合、ハンドオフ先のアクセスポイント16は、無線端末12に対するセッション無線暗号鍵を所有する。セッション無線暗号鍵は、ステップ504で受信したパケットの復号化に使用される。復号化されたパケットは、1つ上のネットワーク層に送られる(ステップ516)。
一方、無線端末12が証明された端末でない場合、ステップ506およびステップ510において、パケットはさらに解析される。ステップ506において、ハンドオフ先のアクセスポイント16は、パケットがAAAHサーバ36宛ての暗号化されていない端末認証パケットであるか判断する。そうである場合は、パケットは、1つ上のネットワーク層に送られる(ステップ516)。そうでない場合は、パケットは削除される(ステップ508)。
ステップ510において、ハンドオフ先のアクセスポイント16は、パケットがハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されているか判断する。そうである場合は、パケットは復号化される(ステップ514)。復号化されたパケットは、1つ上のネットワーク層に送られる(ステップ516)。パケットがハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されていない場合、パケットは削除される(ステップ512)。
セキュリティプロシージャの動作により、ハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されたパケットは、ネットワーク層に送られる。同様に、暗号化されていない端末認証パケットも、ネットワーク層に送られる。暗号化されていないものも暗号化されているか不確かなものも含めて、それ以外のパケットはすべて削除される。
図6は、ハンドオフ先のアクセスポイント16に対する別のセキュリティプロシージャを示す。図6に示されるセキュリティプロシージャと図5に示されるセキュリティプロシージャには大きな違いがある。図6のセキュリティプロシージャでは、受信されたパケットはパラレルではなくシリアルに処理される。ステップ602およびステップ604は、ステップ502およびステップ504と本質的に同一に動作する。MACアドレスが証明されない場合、ハンドオフ先のアクセスポイント16は、ステップ602からステップ606に進む。
ステップ606において、ハンドオフ先のアクセスポイント16は、パケットがAAAHサーバ36宛ての暗号化されていない端末認証パケットであるかどうか判断する。そうである場合は、パケットはネットワーク層に送られる(ステップ614)。そうでない場合は、ハンドオフ先のアクセスポイント16は、そのパケットがハンドオフ無線暗号鍵により暗号化されているか判断する(ステップ608)。
パケットがハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されている場合、パケットは復号化される(ステップ612)。復号化されたパケットは、ネットワーク層に送られる(ステップ614)。パケットがハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されていない場合、パケットは削除される(ステップ610)。図5のセキュリティプロシージャを用いた場合と同様に、ハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されたパケットおよび暗号化されていない端末認証パケットはネットワーク層に送られるが、他のパケットは削除される。
図4に示されるオープンシステムによるハンドオフ認証プロシージャは、図5あるいは図6に示されるセキュリティプロシージャのいずれかを実行してもよい。どちらの場合でも、オープンシステムによるハンドオフ認証プロシージャは、ハンドオフ無線暗号鍵による認証アルゴリズムをサポートしていない無線端末12で動作可能である。
例えば、無線端末12がステップ408においてハンドオフ無線暗号鍵を受け付けなくても、それはハンドオフ先のアクセスポイント16に再度打診し(ステップ412)、ハンドオフ先のアクセスポイント16に認証され(ステップ414)、そしてハンドオフ先のアクセスポイント16に対応付けられる(ステップ416)ことができる。このとき、ステップ418において、無線端末12は、データパケットを暗号化するためのハンドオフ無線暗号鍵を所有していないのでデータパケットを通信しない。無線端末12がハンドオフ先のアクセスポイント16に送信する暗号化されていないデータパケットはすべて、図5あるいは図6に示されるセキュリティプロシージャの動作により削除される。
しかしながら、無線端末12からの暗号化されていない端末認証パケットは、まだAAAHサーバ36と通信可能である。したがって、AAAHサーバ36はまだ無線端末12を認証し許可することができる。したがって、ハンドオフ先のアクセスポイント16は、無線端末12に新しいセッション無線暗号鍵を提供可能である。それにより、ステップ426において暗号化データに対する許可をする。
本発明の様々な実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲内でより多くの実施形態、変形例が可能であることは当業者にとって明らかである。したがって、本発明の範囲は請求の範囲とその均等物によって決まる。
分散型コンピュータシステムのシステムレベルのブロック図である。 無線セグメントを含むサブネットワークのブロック図である。 共有暗号鍵を用いたハンドオフのためのパケット通信のプロシージャを示す図である。 オープンシステムによるハンドオフのためのパケット通信のプロシージャを示す図である。 パラレル処理のセキュリティプロシージャを示すフローチャートである。 シリアル処理のセキュリティプロシージャを示すフローチャートである。
符号の説明
6……端末、8……ネットワーク、10……サブネットワーク、12……無線端末、14、16、18、22……アクセスポイント、24、26、28……ルータ、32、34……AAAFサーバ、36……AAAHサーバ

Claims (4)

  1. 無線通信ネットワークにおけるハンドオフの方法であって、
    ハンドオフ無線暗号鍵を第1のアクセスポイントおよび第2のアクセスポイントに提供する過程と、
    前記ハンドオフ無線暗号鍵を、前記第1のアクセスポイントから前記第1のアクセスポイントに対応付けられた無線端末に送信する過程と、
    前記第2のアクセスポイントにおいて前記無線端末を認証する過程と、
    前記第2のアクセスポイントと前記無線端末との間で、前記ハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されたデータパケットを通信する過程と
    を有する方法。
  2. ハンドオフ無線暗号鍵を受信する受信手段と、前記ハンドオフ無線暗号鍵でデータを暗号化する暗号化手段と、前記暗号化手段により暗号化されたデータを送信する送信手段とを有する無線端末と、
    ハンドオフ無線暗号鍵を前記無線端末に送信する送信手段を有する第1のアクセスポイントと、
    前記無線端末から前記暗号化されたデータを受信する受信手段と、前記暗号化されたデータを前記ハンドオフ無線暗号鍵で復号化する復号化手段とを有する第2のアクセスポイントと
    を有する無線ネットワーク。
  3. パケットを受信する受信手段と、
    前記パケットがハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されていないパケットである場合に当該パケットを削除する削除手段と、
    前記パケットがハンドオフ無線暗号鍵で暗号化されたパケットである場合に当該パケットを復号化する復号化手段と、
    前記パケットが端末認証パケットである場合に当該パケットを送信する送信手段と
    を有する無線アクセスポイント。
  4. 第1のセッション無線暗号鍵で暗号化されたハンドオフ無線暗号鍵を受信し復号化するハンドオフ無線暗号鍵復号化手段と、
    前記ハンドオフ無線暗号鍵でデータを暗号化するデータ暗号化手段と、
    前記データ暗号化手段により暗号化されたデータを送信する送信手段と、
    前記ハンドオフ無線暗号鍵で暗号化された第2のセッション無線暗号鍵を受信し復号化するセッション暗号鍵復号化手段と
    を有する無線端末。
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