JP2004166189A - マルチメディアデータ管理装置、ネットワークシステム、及び、マルチメディアデータ管理方法 - Google Patents

マルチメディアデータ管理装置、ネットワークシステム、及び、マルチメディアデータ管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄積手段の必要記憶容量を大幅に削減して設備投資を低減でき、以て、低コストで多くのユーザに録画予約サービスを提供できる放送番組録画予約装置を実現する。
【解決手段】放送番組録画予約装置1はユーザ端末16a〜19aから指定された放送番組を録画し、当該ユーザ端末からの要求に応答してその録画データを要求元のユーザ端末に送出する。放送番組録画予約装置1は前記放送番組の録画データを蓄積保存する蓄積保存手段を備え、蓄積保存手段は蓄積保存されている録画データのうち複数のユーザから指定された録画データについてはそれらのユーザで共有する共有ファイルとして圧縮し、蓄積保存する。したがって、共有ファイルの共有数が多いほど蓄積保存手段の記憶容量を大幅に削減することができ、設備投資を低減し低コストで多くのユーザに録画予約サービスを提供できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネット等に接続されたユーザ端末へ配信するためのマルチメディアデータを蓄積保存・管理するマルチメディアデータ管理装置、ネットワークシステム、及び、マルチメディアデータ管理方法に関し、詳細には、インターネットを介してユーザから、たとえば、TV放送の録画予約を受け付け、その予約日時に該当する放送番組を録画・蓄積保存し、以降の任意の時間に前記ユーザ端末から再生要求があったときに、蓄積保存された録画内容を当該ユーザ端末宛にストリーム配信するマルチメディアデータ管理装置、ネットワークシステム、及び、マルチメディアデータ管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインターネットを介した放送番組録画サービスとしては、たとえば、「放送されている番組を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段が蓄積すべき番組を決定し、蓄積手段への蓄積を制御する録画予約手段と、前記蓄積手段に蓄積されている番組を複数のユーザに送出する番組送出手段と、前記番組送出手段が送出すべき番組を各ユーザから受け付ける番組録画予約装置であって、前記録画予約手段は、インターネットを介して前記複数のユーザからの録画予約を受け付ける」ことを要旨とするものがある(特許文献1参照。)。これによると、ユーザは外出先から携帯電話などで番組を予約しておき、時間のあるときに家庭で録画予約した番組を視聴することができる。
【0003】
ところで、TV放送等の動画データを録画した場合、そのデータサイズは相当大きく、たとえば、標準画質(“標準画質”とはハイビジョン放送でない放送番組画質のことをいう。)の放送番組を1時間程録画しても、動画ファイルに変換した場合には数ギガバイトのファイルサイズになってしまうので、蓄積手段(ファイルサーバ)の記憶容量を圧迫するという不都合がある。今日、ハードディスク等の記憶デバイスのビットコスト(1ビットあたりの価格)が格段に安くなったとはいえ、多くのユーザの録画要求に応えるためには、ユーザ数と各ユーザ毎の録画要求数(トータル録画時間)との積に相当する膨大な記憶容量が必要であるため、設備投資が嵩み、したがって、ビジネス上の限界がある。
【0004】
そこで、上記の放送番組録画サービスにあっては、この不都合を解決するために、「ビデオデータの蓄積期限を予め決めておき、蓄積期限が切れたビデオデータを自動的に削除する」ようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−199318号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、「ビデオデータの蓄積期限を予め決めておき、蓄積期限が切れたビデオデータを自動的に削除する」ことにしたとしても、蓄積手段(ファイルサーバ)の記憶容量見積もりに際しては、ユーザ数と各ユーザ毎の録画要求数(トータル録画時間)との積を考慮せざるを得ず、少なくとも、その“積”に相当する記憶容量を下回ることができないから、上記不都合の抜本的解決とはならないという問題点を抱えている。たとえば、ユーザ数をn、ユーザ一人あたりのトータル録画予測時間をmとした場合、必要な記憶容量は最低でもn×mに相当する値になるが、蓄積期限を超過したデータを削除したとしても、蓄積期限内のデータについては依然として上記の見積もり(n×m)が適用されるからである。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、蓄積手段の必要記憶容量を大幅に削減して設備投資を低減でき、以て、低コストで多くのユーザに録画予約サービスを提供できるマルチメディアデータ管理装置、ネットワークシステム、及び、マルチメディアデータ管理方法を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマルチメディアデータ管理装置は、ネットワークを介したユーザからの指定(録画予約)に基づいてマルチメディアデータ(録画データ)を取得し、当該ユーザが操作するユーザ端末からの要求に応答して、そのユーザ端末にて再生可能な形式に変換して、取得されたマルチメディアデータを送出するものであり、前記取得されたマルチメディアデータを蓄積保存する蓄積保存手段と、当該蓄積保存手段によって、蓄積保存されているマルチメディアデータのうち内容が重複するマルチメディアデータについては共有ファイルとして管理する管理手段とを備えることを特徴とするというものである。
ここで、マルチメディアとは、一般に、複数(マルチ)の情報伝達手段(メディア)の文字・画像・音声などのデジタルデータを複合的にコンピュータで一元的に扱うために、これをシステム化したものと解されており、「マルチメディアデータ」は、そのシステムで取り扱われる情報、すなわち、文字・画像・音声などの統合的デジタルデータ又はそれらの一部を含むデジタルデータのことをいう。上記の従来技術における「TV放送等の録画データ」も、それがデジタル化されたデータ(たとえば、MPEG形式のデータなど)である場合、当然、マルチメディアデータの一種となる。
この発明では、複数のユーザから指定された同一の録画データがそれらのユーザで共有される共有ファイルとして蓄積保存される。
したがって、共有ファイルの共有数が多いほど、蓄積保存手段の記憶容量を大幅に削減することができ、設備投資を低減し、低コストで多くのユーザに録画データを提供できるマルチメディアデータ管理装置を実現することができる。
また、本発明の好ましい態様として、前記ユーザ端末からマルチメディアデータの送出要求を検出する検出手段と、この検出によってユーザ端末からのマルチメディアデータの送出要求(ダウンロード要求)を検出すると、そのユーザ端末の解像度及び/又は復号化方式に適合した形式のストリームデータに変換してそのユーザ端末宛に送出するストリームデータ送出手段とを更に備えることを特徴とするというものである。
この態様では、ユーザ端末の仕様に適合した形式のビデオストリームデータを送出することができ、様々な端末に柔軟に対応できる録画予約サービスを実現することができる。
また、本発明に係るネットワークシステムは、ネットワーク介して接続されるネットワークサーバと、ユーザからの要求に応じて該ネットワークサーバより送出されるマルチメディアデータを受信して再生出力する複数のユーザ端末とからなり、前記ネットワークサーバは、前記複数のユーザ端末を操作する各々のユーザからの指定(録画予約)に基づいてマルチメディアデータ(録画データ)を取得する取得手段と、当該取得手段によって取得されたマルチメディアデータを蓄積保存する蓄積保存手段と、当該蓄積保存手段に保存されているマルチメディアデータのうち内容が重複するマルチメディアデータについては共有ファイルとして管理する管理手段とを備えることを特徴とするというものである。
この発明では、複数のユーザから指定された同一の録画データがそれらのユーザで共有される共有ファイルとして蓄積保存される。
したがって、共有ファイルの共有数が多いほど、蓄積保存手段の記憶容量を大幅に削減することができ、設備投資を低減し、低コストで多くのユーザに録画データを提供できるネットワークシステムを実現することができる。
また、本発明に係るマルチメディアデータ管理方法は、ネットワーク介して接続されるネットワークサーバと、ユーザからの要求に応じて該ネットワークサーバより送出されるマルチメディアデータを受信して再生出力する複数のユーザ端末とで構成されるネットワークシステムに適用され、前記複数のユーザ端末を操作する各々のユーザからの指定(録画予約)に基づいてマルチメディアデータ(録画データ)を取得する取得ステップと、取得ステップにて取得されたマルチメディアデータを蓄積保存させる蓄積保存ステップと、蓄積保存ステップにて保存されているマルチメディアデータのうち内容が重複するマルチメディアデータについては共有ファイルとして管理する管理ステップとからなることを特徴とするというものである。
この発明では、複数のユーザから指定された同一の録画データがそれらのユーザで共有される共有ファイルとして蓄積保存される。
したがって、共有ファイルの共有数が多いほど、蓄積保存手段の記憶容量を大幅に削減することができ、設備投資を低減し、低コストで多くのユーザに録画データを提供できるマルチメディアデータ管理方法を実現することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0010】
<第1の実施の形態>
図1は、実施の形態の全体的なシステム概念図である。この図において、放送番組録画予約装置(マルチメディアデータ管理装置)1は、後述するブロードバンドネットワークに接続されるネットワークサーバとして機能し、放送番組受信部(受信手段)2、ビデオエンコーダ3、制御部4、番組情報蓄積部5、ユーザ情報蓄積部6、ファイル管理部(管理手段)7、共有ファイル蓄積部(蓄積保存手段)8、ユーザ毎ファイル蓄積部(蓄積保存手段)9及びインターフェース部10を備える。
【0011】
放送番組受信部2は、放送番組チャネル毎の複数のチューナ1〜nを備え、放送局等のアンテナ11から送出された地上波放送番組を地上波アンテナ12で受信したり、または、放送衛星13から送出された衛星放送番組をパラボラアンテナ14で受信したりして、それらの受信信号を各チューナ1〜nでベースバンド信号に変換し、ビデオエンコーダ3に出力する。
【0012】
ビデオエンコーダ3は、放送番組のベースバンド信号を所定の圧縮フォーマット(特に限定しないが、たとえば、MPEG2等のストリーム形式)に変換して制御部4に出力する。
【0013】
制御部4は、放送番組録画予約装置1の全体動作を統括制御するものである。その代表的機能の一つは、後述のユーザ端末からの要求に応じて、指定された日時に指定された放送番組を録画する機能(以下「録画制御機能」という。)であり、他の代表的機能の一つは、後述のユーザ端末からの要求に応じて、録画データをそのユーザ端末宛に送出する機能(以下「再生制御機能」という。)である。
【0014】
番組情報蓄積部5は、すべての放送番組のスケジュール表(番組表)を蓄積保存するものである。この番組表は後述のユーザ端末から必要に応じて参照可能することができ、ユーザは番組表を見て所望の番組の録画予約を行うことができるようになっている。
【0015】
ユーザ情報蓄積部6は、放送番組録画予約装置1によって提供される放送番組の録画予約サービスを受けることができるユーザ情報(そのユーザの氏名等の個人情報やそのユーザが所有する端末の仕様;解像度や再生時の復号化方式などの情報、並びに、そのユーザの録画予約情報など。)を蓄積保存する。
【0016】
ファイル管理部7は、共有ファイル蓄積部8やユーザ毎ファイル蓄積部9へのファイル書き込み及び読み出しを制御するものであり、特徴とする点は、ファイル書き込みに際して、ユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存されているすべてのファイル(便宜的に「既存ユーザ毎ファイル」という。)と新たに保存すべきファイル(便宜的に「新ファイル」)との内容比較を行い、一致している場合は、その新ファイルを共有ファイルとして圧縮し、共有ファイル蓄積部8に蓄積保存するとともに、その既存ユーザ毎ファイルをユーザ毎ファイル蓄積部9から削除し、一方、一致していない場合は、その新ファイルをユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存するというファイル管理動作を行うことにある。
【0017】
共有ファイル蓄積部8は、各ユーザによって指定された録画データのうち複数のユーザに共通する録画データを、それらのユーザの共有ファイルとして圧縮・蓄積保存し、ユーザ毎ファイル蓄積部9は、上記の“共有ファイル”以外の録画データを各ユーザ毎の記憶エリア9a〜9eに蓄積保存する。たとえば、便宜的にユーザA、Bを想定し、ユーザAの記憶エリアを9a、ユーザBの記憶エリアを9bと仮定する。今、ユーザAがある三つの放送番組a、b、cを録画予約したとすると、それらの放送番組a、b、cの録画データはユーザAの記憶エリア9aに蓄積保存されることになる。この段階では、放送番組a、b、cの録画データはユーザAの専用のデータであるが、たとえば、放送番組bをユーザBも録画予約していた場合は、その放送番組bの録画データは“共有ファイル”として圧縮され、共有ファイル蓄積部8に蓄積保存されると共に、ユーザAの記憶エリア9aから削除される。
【0018】
インターフェース部10は、ブロードバンドネットワーク(一般的にTCP/IPプロトコルをサポートしたインターネット網等のネットワーク)15を介してユーザ宅(以下「家庭」という。)16〜19などに設置された複数のユーザ端末16a〜19aに接続されている。インターフェース部10は、これらのユーザ端末16a〜19aから必要に応じて送信される番組表閲覧要求や録画予約要求及び録画データの配信要求などを制御部4に伝えると共に、これらの要求に応答して制御部4から送出される番組表データ、録画予約受付完了データ、又は、伸張された録画データなどを要求元のユーザ端末16a〜19aに送出する。
【0019】
家庭16〜19に設置されたユーザ端末16a〜19aは、ブロードバンドネットワーク15を介して放送番組録画予約装置1にアクセスし、番組表のダウンロード要求やその番組表に基づく放送番組の録画予約、及び、録画予約しておいた放送番組のダウンロード要求とその録画データの再生を行うことが可能な各種端末であり、たとえば、当該サービス用の専用端末、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末その他の端末などである。
【0020】
このような構成を有する放送番組録画予約装置1は、任意のユーザ端末16a〜19aから番組表のダウンロード要求があると、番組情報蓄積部5に蓄積されている番組表を要求元のユーザ端末16a〜19aに送出する。ユーザは、その番組表を見て所望の放送番組の録画予約を行い、放送番組録画予約装置1は、その録画予約情報をユーザ情報蓄積部6に蓄積保存する。その後、予約時間になると、該当する放送番組のストリームデータをビデオエンコーダ3から取り込み、そのストリームデータをユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存するが、かかる蓄積保存のバックグラウンド処理として、または、蓄積保存を行っていない待機中の処理として、次の特徴的な処理(便宜的に「共有ファイル保存処理」という。)を実行する。
【0021】
図2は、共有ファイル保存処理の概念的なフローチャートを示す図である。このフローチャートにおいて、まず、ファイルポインタをイニシャライズする(ユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存されているファイルの最初のファイルを指し示すようにする。)する(ステップS11)。次に、ユーザ毎ファイル蓄積部9に新たに蓄積保存しようとするファイルと、ファイルポインタで指し示されたファイルの内容を比較し(ステップS13)、内容一致であるか否か、すなわち、同一の放送番組の録画データであるか否かを判定する(ステップS13)。そして、内容一致でなければそのままファイルポインタを+1し(ステップS16)、ユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存されているファイルの次順のファイルを指し示すようにした後、ユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存されている最後のファイルであるか否かを判定し(ステップS17)、最後のファイルで有れば、フローチャートを終了する一方、最後のファイルでなければ再びファイル内容の比較処理(ステップS12)以降を繰り返す。
【0022】
ここで、ステップS13でファイル内容一致が判定された場合、すなわち、ユーザ毎ファイル蓄積部9に新たに蓄積保存しようとするファイルが、既にユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存されているファイルと同一のものである場合は、同一の放送番組のデータをユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存しようとしていると判断し、その録画データを共有ファイルとして圧縮し、共有ファイル蓄積部8に蓄積保存する(ステップS14)と共に、その共有ファイルに対応するユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存済みのファイルを削除(ステップS15)した後、ユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存されている最後のファイルであるか否かを判定し(ステップS17)、最後のファイルで有れば、フローチャートを終了する一方、最後のファイルでなければ再びファイル内容の比較処理(ステップS12)以降を繰り返す。
【0023】
このフローチャートによれば、ユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存済みのファイルと同一内容のファイルを保存しようとするとき、そのファイルを共有ファイルとして圧縮し、共有ファイル蓄積部8に蓄積保存できると共に、その共有ファイルに対応するユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存済みのファイルを削除することができる。
【0024】
したがって、たとえば、図3にその一例を示すように、ユーザAがある三つの放送番組a、b、cを録画予約していた場合は、それらの放送番組a、b、cの録画データに対応する三つのファイルがユーザ毎ファイル蓄積部9のユーザAの記憶エリア9aに蓄積保存されるが、さらに、他のユーザBが同一の放送番組(便宜的に放送番組bとする。)を録画予約していた場合は、その放送番組bのファイルが共有ファイル20として圧縮され、共有ファイル蓄積部8に蓄積保存されると共に、ユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存済みのファイル(放送番組bのファイル)が削除されるので、結局、ユーザ毎ファイル蓄積部9のユーザAの記憶エリア9aには放送番組a、cの二つのファイル21、22しか蓄積保存されない。
【0025】
その結果、上記の例示において、単純にユーザ毎の録画予約データを蓄積保存する場合、ユーザAについては三つのファイル(放送番組a、b、c)を蓄積保存し、ユーザBについては一つのファイル(放送番組b)を蓄積保存しなければならず、合計で四つのファイルを蓄積保存しなければならないのに対して、本実施の形態では、ユーザ毎のファイルと共有ファイルだけを圧縮処理して蓄積保存すればよいので、共有ファイルの共有数が多いほど、大幅にユーザ毎ファイル蓄積部9の記憶容量を削減することができるという格別の効果を得ることができる。
【0026】
たとえば、放送番組bの予約ユーザ数を100人とした場合、従来は100個のファイル(放送番組bのファイル)を蓄積保存しなければならなかったが、本実施の形態ではたったの1個だけを蓄積保存すればよく、放送番組bの録画データサイズをxMbyteとした場合、単純計算で(100−1)xMbyteもの記憶容量削減を図ることができる。このことは、ハードディスク等の記憶デバイスの増設コストを抑えることができることを意味し、したがって、設備投資を削減して安価に放送番組の予約サービスを提供できるから、ビジネスとしてきわめて有益な技術とすることができる。
【0027】
本発明の実施の形態は上記の例に限定されない。その発明の思想の範囲で様々な変形態様や発展態様を含むことはもちろんであり、たとえば、次のようにしてもよい。
【0028】
図4は、制御部4の要部構成図である。この例における制御部4は、複数(便宜的に三つ)のビデオストリーム送出部(ストリームデータ送出手段)23〜25を含んでいる。これらのビデオストリーム送出部23〜25は、ユーザ端末16a〜19aの仕様、とりわけ、ディスプレイの解像度やビデオストリームの復号方式に適合したビデオストリームを送出できるものであり、たとえば、ユーザ端末16aの解像度がVGA(Video Graphics Array)であって、そのユーザ端末16aにストリームデータを送出する場合は、当該解像度(VGA)を有するビデオストリーム送出部(たとえば、ビデオストリーム送出部23)を使用してそのユーザ端末16aにビデオストリームを送出し、又は、ユーザ端末17aの解像度がSVGA(Super Video Graphics Array)であって、そのユーザ端末17aにストリームデータを送出する場合は、当該解像度(SVGA)を有するビデオストリーム送出部(たとえば、ビデオストリーム送出部24)を使用してそのユーザ端末17aにビデオストリームを送出し、もしくは、ユーザ端末18aの解像度がXGA(eXtended Graphics Array)であって、そのユーザ端末18aにストリームデータを送出する場合は、当該解像度(XGA)を有するビデオストリーム送出部(たとえば、ビデオストリーム送出部25)を使用してそのユーザ端末18aにビデオストリームを送出するというものである。
【0029】
図5は、本実施の形態における制御部4の動作を示すフローチャートである。制御部4は、任意のユーザ端末からのビデオストリームのダウンロード要求に応答して、ユーザ情報蓄積部6を参照し、そのユーザ端末の仕様情報(解像度や復号化方式などの情報)を取り出す(ステップS21)。次いで、その仕様情報に適合したビデオストリーム送出部(ビデオストリーム送出部23〜25のいずれか)を選択し、その選択ビデオストリーム送出部を使用して要求元のユーザ端末にストリームデータを送出する(ステップS22)。
【0030】
これによれば、ユーザ端末16a〜19aの仕様に適合した形式のビデオストリームデータを送出することができ、様々な端末に柔軟に対応できる放送番組録画予約サービスを実現することができる。
【0031】
なお、本実施の形態においては、ファイル単位で比較を行い、一致した場合にはファイルごと圧縮して蓄積保存するようにしたが、録画データの内容の一部に共有する部分があった場合、この部分を分割して圧縮、共有ファイル化し、共有していない部分のみをユーザ毎ファイル蓄積部9に圧縮、ファイル化して、ユーザが任意に設定したプロファイルデータとともに蓄積保存させてもよい。このようなファイル分割・圧縮方法は一般に知られるユニバーサル圧縮方法により実現可能である。
【0032】
<第2の実施の形態>
なお、上記の実施の形態では、ユーザ毎ファイル蓄積部9に蓄積保存済みのファイルと同一内容のファイルを保存しようとするとき、すなわち、図2のステップS13の判定結果が“YES”のときには、例外なく、そのファイルを共有ファイルとして圧縮し、共有ファイル蓄積部8に蓄積保存するようにしているが、ファイルの圧縮には相応の時間(以下、便宜的に「時間Td」という。)が必要であるため、圧縮処理(図2のステップS14)が完了するまでの間は、上記の時間Tdに相当する待ち時間が発生する。
【0033】
一方、ユーザ端末16a〜19aからのダウンロード要求に対しては、ユーザにストレスを感じさせないためにも、遅滞なく速やかに所要のデータを送出しなればならないところ、該当するデータが圧縮処理の対象であった場合は、少なくとも上記の時間Tdが経過するまでの間、該当データを送出することができない。
【0034】
したがって、ユーザは、ダウンロード要求を行った後、ただひたすら時間Tdの経過を待ち続けなければならず、とりわけ該当データのサイズが大きい場合は、圧縮処理時間(時間Td)もデータサイズに対応して増えるから、ユーザはより大きな待ち時間を甘受しなければならならない(大きなストレスを感じる)。
【0035】
そこで、本実施の形態は、上記の実施の形態に改良を加えることにより、かかる不都合を回避してダウンロード待ち時間の短縮化を図り、ストレスの緩和を達成することを意図するものである。
【0036】
前記の実施の形態において、ユーザにストレスを与えない理想的な状態は、放送番組録画予約装置1に対して、一人のユーザだけがダウンロード要求を行っている場合である。この場合、放送番組録画予約装置1は、当該ユーザのためにだけ(占有的に)サービスを提供するから、放送番組録画予約装置1の処理能力をフルに活かして、要求されたデータの圧縮と送出を効率よく行うことができる。したがって、ネットワーク15の混雑を無視すれば、ユーザは、要求したデータを遅滞なくダウンロードでき、ストレスを感じることはない。
【0037】
しかしながら、放送番組録画予約装置1は、ネットワーク15を介して複数のユーザからの所望データのダウンロード要求を受け付け、それらの要求データを同時処理又は並行処理によって圧縮し、送出するものであるため、一時的にダウンロード要求が集中した場合は、その集中の度合いに比例して各ユーザの待ち時間が増大するので、このような場合、結局、ストレスを回避できない。つまり、一人のユーザに対する放送番組録画予約装置1の処理時間をTaとするとき、その処理時間Taがストレスを感じない程度に短いものであったとしても、多数のダウンロード要求が集中した場合は、単純計算で、一人あたりの処理時間がTa×N倍(Nは集中ダウンロード要求数)に増えてしまうから、Nが大きいほど、ストレスを回避できなくなるという不都合がある。
【0038】
図6は、本実施の形態における放送番組録画予約装置1の構成図であり、前記の実施の形態との相違は、負荷検出部(負荷検出手段)26を備えた点にある。この負荷検出部26は、制御部4の処理負荷の大きさを検出する。たとえば、処理負荷は、制御部4がマイクロコンピュータによって動作するものであるとき、そのマイクロコンピュータの仕事量から検出できる。ちなみに、マイクロコンピュータの仕事量は、ビジー量ともいい、Windows(R)2000シリーズのオペレーティングシステムの場合、標準実装のパフォーマンスモニターによって検出することができる。
【0039】
図7は、負荷検出部26の検出情報を用いた本実施の形態のフローチャートである。このフローチャートは、前記実施の形態のフローチャート(図2参照)に先だって実行される。すなわち、このフローチャートにおいては、負荷検出部26から検出情報を取り込んで、制御部4の処理負荷の大小を判定する。この判定では、ユーザに全くストレスを感じさせないか、又は、許容し得る程度のストレスしか感じさせない程度の所定の処理負荷をしきい値とし、そのしきい値と、負荷検出部26で検出された実際の処理負荷とを比較して、しきい値を下回るときは「負荷小」、上回るときは「負荷大」と判定する。
【0040】
そして、「負荷小」のときは図2のフローチャートを実行して前記実施の形態と同一の処理(要求データの圧縮、送出等)を行う一方、「負荷大」のときは前記実施の形態のフローチャート(図2参照)をパスして実行しないようにし、この場合は、要求データを無圧縮で送出する。
【0041】
したがって、本実施の形態によれば、ダウンロード要求(N)が集中して、ストレスの増加が予測されるときには、要求データを無圧縮のまま送出するので、圧縮のための待ち時間(Td)を無くすことができ、ユーザ端末上のデータ再生の開始タイミングを早めて、ユーザのストレス緩和を図ることができる。なお、無圧縮のデータ送出は、一方で送出データサイズの増大を招き、ネットワーク15のトラフィックを増大させるが、すくなくとも、ユーザ端末上のデータ再生の開始タイミングが早くなるので、ユーザは、放送番組録画予約装置1が無応答のままただひたすら待ち続けるということがなく、この点(放送番組録画予約装置1の応答を体感できる点)において、ストレスを感じることがない。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係るマルチメディアデータ管理装置によれば、複数のユーザから指定された同一の録画データがそれらのユーザで共有される共有ファイルとして蓄積保存されるので、共有ファイルの共有数が多いほど、蓄積保存手段の記憶容量を大幅に削減することができ、設備投資を低減し、低コストで多くのユーザに録画予約サービスを提供できるマルチメディアデータ管理装置を実現することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記ユーザ端末からマルチメディアデータの送出要求を検出する検出手段と、この検出手段によってユーザ端末からのマルチメディアデータの送出要求(ダウンロード要求)を検出すると、そのユーザ端末の解像度及び/又は復号化方式に適合した形式のストリームデータに変換してそのユーザ端末宛に送出するストリームデータ送出手段とを更に備えるので、ユーザ端末の仕様に適合した形式のビデオストリームデータを送出することができ、様々な端末に柔軟に対応できる放送番組録画予約サービスを実現することができる。
また、本発明に係るネットワークシステムによれば、複数のユーザから指定された同一の録画データがそれらのユーザで共有される共有ファイルとして蓄積保存されるので、共有ファイルの共有数が多いほど、蓄積保存手段の記憶容量を大幅に削減することができ、設備投資を低減し、低コストで多くのユーザに録画予約サービスを提供できるネットワークシステムを実現することができる。
さらに、本発明に係るマルチメディアデータ管理方法によれば、複数のユーザから指定された同一の録画データがそれらのユーザで共有される共有ファイルとして蓄積保存されるので、共有ファイルの共有数が多いほど、蓄積保存手段の記憶容量を大幅に削減することができ、設備投資を低減し、低コストで多くのユーザに録画予約サービスを提供できるマルチメディアデータ管理方法を実現することができる。
または、マルチメディアデータ管理装置の処理負荷が所定のしきい値を超えていないときに、前記圧縮の処理を実行するようにすれば、複数のユーザからのダウンロード要求が集中して処理負荷が増大したときに、圧縮の処理をパスすることができ、少なくとも圧縮処理に必要な時間を無くすことができ、ユーザのストレスを緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の放送番組録画予約装置を含む全体的なシステム概念図である。
【図2】共有ファイル保存処理の概念的なフローチャートを示す図である。
【図3】共有ファイル保存処理の一例を示す図である。
【図4】制御部4の要部構成図である。
【図5】第1の実施の形態における制御部4の動作を示すフローチャート図である。
【図6】第2の実施の形態における放送番組録画予約装置1の構成図である。
【図7】第2の実施の形態のフローチャートである。
【符号の説明】
1 放送番組録画予約装置(マルチメディアデータ管理装置)
2 放送番組受信部(受信手段)
4 制御部(検出手段)
5 ファイル管理部(管理手段)
8 共有ファイル蓄積部(蓄積保存手段)
9 ユーザ毎ファイル蓄積部(蓄積保存手段)
15 ブロードバンドネットワーク(ネットワーク)
17a ユーザ端末
18a ユーザ端末
19a ユーザ端末
20 共有ファイル
23 ビデオストリーム送出部(ストリームデータ送出手段)
24 ビデオストリーム送出部(ストリームデータ送出手段)
25 ビデオストリーム送出部(ストリームデータ送出手段)
26 負荷検出部(負荷検出手段)

Claims (10)

  1. ネットワークを介したユーザからの指定に基づいてマルチメディアデータを取得し、当該ユーザが操作するユーザ端末からの要求に応答して、そのユーザ端末にて再生可能な形式に変換して、取得されたマルチメディアデータを送出するマルチメディアデータ管理装置において、
    前記取得されたマルチメディアデータを蓄積保存する蓄積保存手段と、
    当該蓄積保存手段によって、蓄積保存されているマルチメディアデータのうち内容が重複するマルチメディアデータについては共有ファイルとして管理する管理手段と
    を備えることを特徴とするマルチメディアデータ管理装置。
  2. 前記ユーザ端末からマルチメディアデータの送出要求を検出する検出手段と、
    この検出手段によってマルチメディアデータの送出要求を検出すると、前記ユーザ端末の解像度及び/又は復号化方式に適合した形式のストリームデータに変換してそのユーザ端末宛に送出するストリームデータ送出手段と
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載のマルチメディアデータ管理装置。
  3. 放送番組を受信する受信手段を更に備え、
    前記ユーザからの指定として放送番組の録画予約を受け付け、前記マルチメディアデータとは、前記受信手段によって受信され、録画された放送番組の内容であることを特徴とする請求項1記載のマルチメディアデータ管理装置。
  4. ネットワーク介して接続されるネットワークサーバと、ユーザからの要求に応じて該ネットワークサーバより送出されるマルチメディアデータを受信して再生出力する複数のユーザ端末とからなるネットワークシステムにおいて、
    前記ネットワークサーバは、
    前記複数のユーザ端末を操作する各々のユーザからの指定に基づいてマルチメディアデータを取得する取得手段と、
    当該取得手段によって取得されたマルチメディアデータを蓄積保存する蓄積保存手段と、
    当該蓄積保存手段に保存されているマルチメディアデータのうち内容が重複するマルチメディアデータについては共有ファイルとして管理する管理手段と
    を備えることを特徴とするネットワークシステム。
  5. ネットワーク介して接続されるネットワークサーバと、ユーザからの要求に応じて該ネットワークサーバより送出されるマルチメディアデータを受信して再生出力する複数のユーザ端末とで構成されるネットワークシステムのマルチメディアデータ管理方法であって、
    前記複数のユーザ端末を操作する各々のユーザからの指定に基づいてマルチメディアデータを取得する取得ステップと、
    取得ステップにて取得されたマルチメディアデータを蓄積保存させる蓄積保存ステップと、
    蓄積保存ステップにて保存されているマルチメディアデータのうち内容が重複するマルチメディアデータについては共有ファイルとして管理する管理ステップと
    からなることを特徴とするマルチメディアデータ管理方法。
  6. ネットワークを介したユーザからの指定に基づいてマルチメディアデータを取得し、当該ユーザが操作するユーザ端末からの要求に応答して、そのユーザ端末にて再生可能な形式に変換して、取得されたマルチメディアデータを送出するマルチメディアデータ管理装置において、
    前記取得されたマルチメディアデータを蓄積保存する蓄積保存手段と、
    当該蓄積保存手段によって、蓄積保存されているマルチメディアデータのうち内容が重複するマルチメディアデータについては圧縮された共有ファイルとして管理する管理手段と、
    マルチメディアデータ管理装置の処理負荷を検出する負荷検出手段とを備え、
    前記管理手段は、前記負荷検出手段によって検出された処理負荷が所定のしきい値を超えていないときに、前記圧縮の処理を実行することを特徴とするマルチメディアデータ管理装置。
  7. 前記ユーザ端末からマルチメディアデータの送出要求を検出する検出手段と、
    この検出手段によってマルチメディアデータの送出要求を検出すると、前記ユーザ端末の解像度及び/又は復号化方式に適合した形式のストリームデータに変換してそのユーザ端末宛に送出するストリームデータ送出手段と
    を更に備えることを特徴とする請求項6記載のマルチメディアデータ管理装置。
  8. 放送番組を受信する受信手段を更に備え、
    前記ユーザからの指定として放送番組の録画予約を受け付け、前記マルチメディアデータとは、前記受信手段によって受信され、録画された放送番組の内容であることを特徴とする請求項6記載のマルチメディアデータ管理装置。
  9. ネットワーク介して接続されるネットワークサーバと、ユーザからの要求に応じて該ネットワークサーバより送出されるマルチメディアデータを受信して再生出力する複数のユーザ端末とからなるネットワークシステムにおいて、
    前記ネットワークサーバは、
    前記複数のユーザ端末を操作する各々のユーザからの指定に基づいてマルチメディアデータを取得する取得手段と、
    当該取得手段によって取得されたマルチメディアデータを蓄積保存する蓄積保存手段と、
    当該蓄積保存手段に保存されているマルチメディアデータのうち内容が重複するマルチメディアデータについては共有ファイルとして管理する管理手段と、
    マルチメディアデータ管理装置の処理負荷を検出する負荷検出手段とを備え、
    前記管理手段は、前記負荷検出手段によって検出された処理負荷が所定のしきい値を超えていないときに、前記圧縮の処理を実行することを特徴とするネットワークシステム。
  10. ネットワーク介して接続されるネットワークサーバと、ユーザからの要求に応じて該ネットワークサーバより送出されるマルチメディアデータを受信して再生出力する複数のユーザ端末とで構成されるネットワークシステムのマルチメディアデータ管理方法であって、
    前記複数のユーザ端末を操作する各々のユーザからの指定に基づいてマルチメディアデータを取得する取得ステップと、
    取得ステップにて取得されたマルチメディアデータを蓄積保存させる蓄積保存ステップと、
    蓄積保存ステップにて保存されているマルチメディアデータのうち内容が重複するマルチメディアデータについては共有ファイルとして管理する管理ステップと、
    前記の各ステップの全て又はその一部のステップをコンピュータで実行する際の処理負荷を検出する負荷検出ステップとを含み、
    前記管理ステップは、前記負荷検出ステップで検出された処理負荷が所定のしきい値を超えていないときに、前記圧縮の処理を実行することを特徴とするマルチメディアデータ管理方法。
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