JP2004163862A - Electrophotographic apparatus - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定電流以上の印加による転写が行なわれ、少なくとも特定のチタニルフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層と電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体を用いた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行なう光プリンタは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。このデジタル記録技術はプリンタのみならず通常の複写機にも応用され、所謂デジタル複写機が開発されている。また、従来からあるアナログ複写にこのデジタル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため今後その需要性が益々高まっていくと予想される。さらに、パーソナルコンピュータの普及、及び性能の向上にともない、画像及びドキュメントのカラー出力を行なうためのデジタルカラープリンタの進歩も急激に進んでいる。
【0003】
近年、上記プリンタや複写機は装置の小型化、高速化が要望されている。それに伴って、感光体についても小型でかつ高速回転する必要が生じるが、そのため、感光体に露光した後、トナー像が現像されるまでの時間が短くなること、また感光体の回転数の増加によって、繰り返し使用に伴い電気特性の劣化を加速すること等の課題が生じている。
これを達成する手段として、電荷発生物質に、高感度な材料である、CuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を用いることが知られている。
【0004】
しかしながら、この結晶型は、結晶としての安定性が低く、分散等の機械的ストレス、熱的なストレスに対して結晶転移し易いという問題を抱えており、結晶転移後の結晶型はこの結晶型に比べて非常に低感度であり、結晶の一部が結晶転移した場合には充分な光キャリア発生機能を発現することができない。また、感光体の繰り返し使用において、特にネガ・ポジ現像に基づく、転写手段による感光体への逆帯電の印加が帯電性の低下を加速し、特に地汚れ画像と呼ばれる異常画像が起こりやすいという問題点も有している。
【0005】
また、画像を出力する頻度が大幅に増加していることから、装置の高画質化も重要な課題となっているが、これを達成するためには、(i)帯電手段、露光手段によって形成される感光体上の静電潜像を高密度な画像で形成すること、(ii)それに続く現像手段にて静電潜像に忠実にトナー像を形成すること、(iii)最後に感光体上のトナー像を正確に転写紙に転写することの3つの課題が挙げられる。
これらの課題解決のための手段としてはそれぞれ、(i)露光手段に小径ビームを用いた高密度書き込みにより静電潜像を形成する方法、(ii)現像手段においてトナー粒径を小粒径化することによって静電潜像に忠実なトナー像を感光体上に形成する方法、(iii)転写手段において空隙電界強度を高くすることで転写効率を上げ感光体上のトナー像を忠実に転写紙に転写する方法が挙げられる。
しかしながら、転写手段による空隙電界強度の増加は、上記CuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶を用いた感光体を繰り返し用いた際、特に電気特性の劣化を促進してしまうことから、上記と同様に地汚れと呼ばれる異常画像の原因となっている。このため、前記チタニルフタロシアニン結晶の高感度という長所を生かしきれない。
【0006】
一方、電荷輸送機能を担う電荷輸送層は先述のような電荷輸送物質と結着樹脂を主体としており、これらの材料を溶媒に溶解または分散した塗工液を塗布することで形成するのが一般的である。この溶媒としては溶解性や塗工性に優れた特性を示すことから、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒が主に利用されている。
【0007】
近年、環境問題への意識が高まり、人体や環境への負荷が小さい非ハロゲン系溶媒を用いた感光体の開発が望まれている。しかしながら、この非ハロゲン系溶媒を用いた電荷輸送層用塗工液を使用して感光体を作製した場合、低電界における光減衰特性の低下や、残留電位の上昇という問題がある。特に、現在LDやLEDの比較的安定な発振出力が得られる波長範囲(600〜780nm)に対して類い希なる高感度を示す特定結晶型(CuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有する結晶型)のチタニルフタロシアニンにおいては、この現象は顕著であり、この電荷発生物質本来の特性を活かすことができなく、大きな課題となっている。
【0008】
また、非ハロゲン系溶媒を用いる方法としても、種々の検討がなされており、例えばハロゲンを含まない有機溶媒としてジオキソラン化合物を溶媒として用いる方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。更に、テトラヒドロフラン等の環状エーテル溶媒に特定の酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加する方法(例えば、特許文献2,3参照)が提案されている。しかしながら、これらの方法を用いても、上記欠点に対する効果が充分でなかったり、あるいは添加剤の影響により感度特性が逆に悪化してしまう等の問題があった。
したがって、特有の高感度を有するチタニルフタロシアニンを電荷発生物質に用い、電荷輸送層用塗工液に非ハロゲン系溶媒を用いた場合においても、良好な光減衰特性を示す電子写真感光体、それを用いた電子写真装置及び電子写真用プロセスカートリッジの完成が望まれていた。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−326023号公報(第3頁第3欄第4行目〜第25行目)
【特許文献2】
特開2001−356506号公報(第3頁第4欄第13行目〜第23行目)
【特許文献3】
特開平4−191745号公報(第2頁右上欄第3行目〜第9行目)
【特許文献4】
特開平7−302002号公報
【特許文献5】
特開平10−186886号公報
【特許文献6】
特開2000−75572号公報
【特許文献7】
特開2001−305888号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、高速で繰り返し使用した際に、異常画像の発生がなく、安定で解像度の高い画像を出力する電子写真装置を提供することにある。
具体的には、転写手段における転写電流を制御し、逆帯電による感光体の電気的劣化に強い感光体を用いることで前記を解消し、安定で解像度の高い画像を出力する電子写真装置を提供することにある。また、電荷輸送層用塗工液に非ハロゲン系溶媒を用いた場合においても、チタニルフタロシアニン固有の高感度を維持した電子写真装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決しようとする手段】
本発明者らは、高速デジタル電子写真装置において、高速で繰り返し使用した際に、異常画像の発生がなく、安定で解像度の高い画像を出力するため数々の検討を行なったところ、転写手段から感光体に印加される印加電流が65μA以上であり、かつ電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体であり、該電荷発生層中にCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶を含むことによって、上記問題点を解決できることを見出した。
このような転写電流65μA以上は、電子写真における一般的な転写電流よりも大きいものであり(図11:電子写真学会編「続 電子写真技術の基礎と応用」第51頁の図1.37から)、特に高速での使用、好ましくは200mm/sec以上の線速を有する高速デジタル電子写真装置において、より効果を得られるものである。本発明の効果の詳細な理由は不明であるが、我々の検討結果では、ここまでに知られている27.2゜に最大回折ピークを他のチタニルフタロシアニン結晶に比べ、本発明に用いられるチタニルフタロシアニン結晶の化学的な安定性が高いことに由来しているものと推定される。
【0012】
ところで、転写電流の制御自体に関しては、定電流制御が知られており、例えば、特許文献4〜7等に記載されている。特に、定電流制御を行なうにあたっては、転写部材に電荷を供給する電源(高圧電源などの電力供給手段)からの出力電流と、転写ベルト等を支持する支持体に流れる電流を計測し、その差分を感光体にかかる転写電流とし、モニタされた差分変化により該差分を制御するフィードバック制御が知られているがしかし、これら公報では、上述の文献に記載された事実と同様に、感光体に流れる電流が大きすぎると発生する不具合を減少させることが目的で電流制御を行なっているものであり、その上限値はたかだか50μA程度の小さなものである。これは、先に記載した課題と同様に、転写における逆バイアスの印加により感光体への静電劣化が起こってしまうためである。このように、プロセスを制御する有効な手段が開発されていながら、その特長を生かす有効な感光体が開発されてないため、高画質化のために高い転写電流を流すことができずに、感光体への転写残トナーの存在、感光体上の静電潜像に忠実なトナー像を正確に転写することができないといった問題点が残存しているのが現状であるが、本発明ではこれを解決している。
【0013】
即ち、上記課題は、本発明の(1)「少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体を具備してなる電子写真装置において、転写手段から感光体に印加される転写電流が65μA以上であり、かつ電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を順に積層してなる電子写真感光体であり、該電荷発生層中にCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶を含むことを特徴とする電子写真装置」、(2)「転写電流を定電流制御にて制御を行なうことを特徴とする前記(1)項に記載の電子写真装置」、(3)「転写中に電源から感光体に流れず転写部材に流れるバイパス電流を電源に帰還させるフィードバック機構に設けられた電流計測手段を有し、これにより、電源からの出力電流と該電流計測手段により計測された電流との差分としての感光体に流れる転写電流を制御することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の電子写真装置」、(4)「前記チタニルフタロシアニン結晶において、更に26.3゜にピークを有さないことを特徴とする前記第(1)乃至(3)項の何れかに記載の電子写真装置」、(5)「前記チタニルフタロシアニン結晶は、一次粒子の平均サイズが0.3μm未満であることを特徴とする前記(1)項乃至第(4)項の何れかに記載の電子写真装置」、(6)「前記チタニルフタロシアニン結晶粒子の体積平均粒径が0.3μm以下で、その標準偏差が0.2μm以下になるまで分散を行ない、その後有効孔径が3μm以下のフィルターにて濾過を行なった分散液を使用し、電荷発生層を塗工した感光体を用いる前記(5)項に記載の電子写真装置」、(7)「前記チタニルフタロシアニンが、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有し、その回折ピークの半値巾が1゜以上である一次粒子の平均サイズが0.1μm以下の不定形チタニルフタロシアニンもしくは低結晶性チタニルフタロシアニンを水の存在下で有機溶媒により結晶変換を行ない、結晶変換後の一次粒子の平均サイズが0.3μm以上に成長する前に、有機溶媒より結晶変換後のチタニルフタロシアニンを分別、濾過したものであることを特徴とする前記(5)項に記載の電子写真装置」、(8)「前記電荷輸送層に少なくともトリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートを含有することを特徴とする前記(1)項乃至(7)項の何れかに記載の電子写真装置」、(9)「前記電荷輸送層上に保護層を有することを特徴とする前記(1)項乃至(8)項の何れかに記載の電子写真装置」、(10)「前記保護層に比抵抗1010Ω・cm以上の無機顔料または金属酸化物を含有することを特徴とする前記(9)項に記載の電子写真装置」、(11)「前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のアルミナ、酸化チタン、シリカのいずれかであることを特徴とする前記(10)項に記載の電子写真感光体」、(12)「前記金属酸化物が、比抵抗1010Ω・cm以上のα−アルミナであることを特徴とする前記(10)項に記載の電子写真感光体」、(13)「前記保護層に高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記(9)項乃至(12)項の何れかに記載の電子写真感光体」、(14)「前記感光体の電荷輸送層が、非ハロゲン系溶媒を用いて形成されたものであることを特徴とする前記(1)項乃至(13)項の何れかに記載の電子写真装置」、(15)「前記非ハロゲン系溶媒として、少なくとも環状エーテル、あるいは芳香族系炭化水素より選ばれる1種を用いることを特徴とする前記(14)項に記載の電子写真装置」、(16)「前記電子写真感光体の導電性支持体表面が陽極酸化皮膜処理されたものであることを特徴とする前記(1)項乃至(15)項の何れかに記載の電子写真装置」、(17)「少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及び電子写真感光体からなる画像形成要素を複数配列したことを特徴とする前記(1)項乃至(16)項の何れかに記載の電子写真装置」、(18)「前記電子写真装置の帯電手段に、接触帯電方式を用いることを特徴とする前記(1)項乃至(17)項の何れかに記載の電子写真装置」、(19)「前記電子写真装置の帯電手段に、非接触の近接配置方式を用いることを特徴とする前記(1)項乃至(17)項の何れかに記載の電子写真装置」、(20)「前記帯電手段に用いられる帯電部材と感光体間の空隙が200μm以下であることを特徴とする前記(19)項に記載の電子写真装置」、(21)「前記電子写真装置の帯電手段に、交流重畳電圧印加を行なうことを特徴とする前記(18)項乃至(20)項の何れかに記載の電子写真装置」、(22)「感光体と少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段から選ばれる1つの手段とが一体となった装置本体と着脱自在なカートリッジを搭載していることを特徴とする前記(1)項乃至(21)項の何れかに記載の電子写真装置」により達成される。
【0014】
初めに図面を用いて本発明の電子写真装置を詳しく説明する。
図1は、本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図であり、下記に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図1において、感光体(1)は導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を含む感光層が設けられてなり、電荷発生層にはCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶を含有してなる。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
帯電ローラ(3)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)等の公知の手段を用いることが可能である。
また、転写ベルト(10)は転写チャージャー、転写ローラを用いることも可能であるが、オゾン発生量の少ない転写ベルトや転写ローラ等の接触型を用いることが望ましい。なお、転写時の電圧/電流印加方式としては、定電圧方式、定電流方式のいずれの方式も用いることが可能であるが、転写電荷量を一定に保つことができ、安定性に優れた定電流方式がより望ましい。
【0015】
また、帯電方式のうち、少なくとも感光体への主帯電に用いられる帯電部材(図1には帯電ローラ(3)として表記されている)には、特に接触帯電方式、あるいは非接触の近接配置方式が望ましい。接触帯電方式あるいは非接触の近接配置方式の帯電部材においては帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能である等のメリットを有する。
ここでいう接触方式の帯電部材とは、感光体表面に帯電部材の表面が接触するタイプのものであり、帯電ローラ、帯電ブレード、帯電ブラシの形状がある。中でも帯電ローラや帯電ブラシが良好に使用される。
【0016】
また、近接配置した帯電部材とは、感光体表面と帯電部材表面の間に200μm以下の空隙(ギャップ)を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。このギャップは、大きすぎた場合には帯電が不安定になりやすく、また小さすぎた場合には、感光体に残留したトナーが存在する場合に、帯電部材表面が汚染されてしまう可能性がある。したがって、ギャップは10〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲が適当である。空隙の距離から、コロトロン、スコロトロンに代表される公知のチャージ・ワイヤータイプの帯電器、接触方式の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材とは区別されるものである。
【0017】
このような近接配置された帯電部材は、その表面が感光体表面と非接触状態で設置されるため、帯電部材表面へのトナー汚染が少ない、帯電部材表面の摩耗が少ない、帯電部材表面の物理的/化学的劣化が少ないといった利点を有し、帯電部材そのものの高耐久化も実現できるものである。接触帯電部材を使用して上記のような不具合が発生し、帯電部材の耐久性が低くなった場合、電子写真装置内での繰り返し使用において、帯電能力が低下したり、帯電が不均一になったりする。この帯電不良を回避するために、繰り返し使用においては帯電能力の低下にあわせて帯電部材への印加電圧を上昇させるなどの処置を施す。その場合には、感光体にかかる帯電によるハザードが大きくなり、結果として感光体の耐久性を低下させたり、異常画像の発生を生み出す。更に帯電部材への印加電圧上昇に伴って、帯電部材そのものの耐久性も低下させてしまう。しかしながら、非接触帯電部材を使用することにより、帯電部材の高耐久化に伴って、帯電部材の帯電能が安定することにより、帯電部材、感光体、ひいてはシステム全体の耐久性・安定性を向上させることになる。
【0018】
本発明において使用される近接配置された帯電部材は、感光体表面との空隙を適切に制御できる機構のものであればいかなる形状のものでも良い。例えば、感光体の回転軸と帯電部材の回転軸を機械的に固定して、適正ギャップを有するような配置にすればよい。中でも、帯電ローラの形状の帯電部材を用い、帯電部材の非画像形成部両端にギャップ形成部材を配置して、この部分のみを感光体表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる、あるいは感光体非画像形成部両端ギャップ形成部材を配置して、この部分のみを帯電部材表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させるような方法が、簡便な方法でギャップを安定して維持できる方法である。特に特開2002−148904号公報、特開2002−148905号公報に記載された方法は良好に使用できる。帯電部材側にギャップ形成部材を配置した近接帯電機構の一例を図2に示す。前記方式を用いることで、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能、さらには、トナー等による汚れが生じない、接触による機械的摩耗が発生しない等の利点を有していることから良好に使用される。
【0019】
更に印加方式としては、交流重畳を用いることでより帯電ムラが生じにくい等の利点を有し、良好に使用できる。特に、後述のタンデム型のフルカラー画像形成装置においては、モノクロ画像形成装置の場合に発生する帯電ムラによるハーフトーン画像の濃度ムラの問題に加え、カラーバランス(色再現性)の低下という大きな問題につながる。直流成分に交流成分を重畳することにより、前記問題点は大きく改善されるものであるが、交流成分の条件(周波数、ピーク間電圧)が大きすぎる場合には、感光体へのハザードが大きくなり、感光体の劣化を早めてしまう場合がある。このため、交流成分の重畳は必要最低限にとどめるべきである。
【0020】
交流成分の周波数に関しては感光体線速等により変化するものであるが、3kHz以下、好ましくは2kHz以下が妥当である。ピーク間電圧に関しては、帯電部材への印加電圧と感光体への帯電電位の関係をプロットすると、電圧を印可しているにもかかわらず感光体が帯電しない領域があり、ある点から帯電が立ち上がる電位が認められる。この立ち上り電位の2倍程度がピーク間電圧としては最適な電位(通常、1200〜1500V程度)になる。しかしながら、感光体の帯電能が低かったり、線速が非常に大きい場合には、前記の如く立ち上り電位の2倍のピーク間電圧では不足する場合がある。逆に帯電性が良好な場合には、2倍以下でも充分に電位安定性を示すことがある。したがって、ピーク間電圧は立ち上り電位の3倍以下、好ましくは2倍以下が好ましい。ピーク間電圧を絶対値として書き直せば、3kV以下、好ましくは2kV以下、より好ましくは1.5kV以下で使用されることが望ましい。
【0021】
また、画像露光部(5)には、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度を確保できる光源が使用される。これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600〜800nmの長波長光を有するため、本発明で用いられる電荷発生材料である特定結晶型のフタロシアニン顔料が高感度を示すことから良好に使用される。
【0022】
現像ユニット(6)は、使用するトナーの帯電極性により、正規現像にも反転現像にも対応可能である。感光体の帯電極性と逆極性のトナーを使用した場合には正規現像が使用され、同極性のトナーを用いた場合には反転現像によって、静電潜像が現像される。先の画像露光部に使用する光源によっても異なるが、近年使用するデジタル光源の場合には、一般的に画像面積率が低いことに対応して、書込部分にトナー現像を行なう反転現像方式が光源の寿命等を考慮すると有利である。また、トナーのみで現像を行なう1成分方式と、トナーおよびキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
【0023】
また、感光体上の形成されたトナー像は、転写紙に転写されることで転写紙上の画像となるものであるが、この際、2つの方法がある。1つは図1に示すような感光体表面に現像されたトナー像を転写紙に直接転写する方法と、もう1つはいったん感光体から中間転写体にトナー像が転写され、これを転写紙に転写する方法である。いずれの場合にも本発明において用いることができる。
図1には転写部材として、転写ベルト(10)が記載されているが、このほかに転写チャージャー、転写ローラを用いることも可能である。中でも、オゾン発生量の少ない転写ベルトや転写ローラ等の接触型を用いることが望ましい。このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
【0024】
なお、転写時の電圧/電流印加方式としては、定電圧方式、定電流方式のいずれの方式も用いることが可能であるが、転写電荷量を一定に保つことができ、安定性に優れた定電流方式がより望ましい。特に、転写部材に電荷を供給する電源供給用部材(高圧電源)から出力された電流のうち、転写部材に関連する部分に流れ、感光体に流れ込まない電流を差し引くことにより、感光体への電流値を制御する方法が好ましい。具体的には、転写ベルトを保持するローラなどに流れる電流を求めるため、ローラなど関連部材をアースに直接落とすのではなく、関連部材に流れた電流を高圧電源に戻すような構成とし、高圧電源の出力との差を求め、この差が一定値となるようなフィードバック機能を有する高圧電源を用い、定電流制御することが望ましい。このような形態を取り得る回路構成図の一例を図12に示す。
【0025】
図12に示される例の転写手段は、転写搬送ベルト(101)と、転写搬送ベルト(101)が張架された駆動ローラ(102)及び従動ローラ(103)と、転写搬送ベルト(101)の裏面に当接されるバイアスローラ(104)と、図示してないクリーニング装置とを有し、駆動ローラ(102)がギヤを介してメインモータに連結されていてメインモータの回転時に転写搬送ベルト(101)を回転させるとともに、転写搬送ベルト(101)がベルト接離機構により感光体ドラム(100)へ当接される。また、転写搬送ベルト(101)はベルト接離機構によりメインモータのオフで感光体ドラム(100)から離される。
【0026】
また、バイアスローラ(104)は、レジストローラからこの例の転写手段へ転写紙が送出されるときに高圧電源(105)からバイアスローラ(104)へトナーの帯電極性とは反対極性の転写バイアスが印加され、転写紙は転写搬送ベルト(101)と感光体ドラム(100)とのニップ部(転写ニップ部)で高圧電源(105)からバイアスローラ(104)及び転写搬送ベルト(101)を介してトナーの帯電極性とは反対極性の電荷が供給されて感光体ドラム(100)上のトナー像が転写される。
【0027】
転写搬送ベルト(101)は、高圧電源(105)からバイアスローラ(104)を介して転写バイアスが印加されることにより転写紙を静電的に吸着して回転に伴って搬送し、転写紙をトナー像転写後に感光体ドラム(100)から静電的に分離させる。感光体ドラム(100)から分離されなかった転写紙は図示されてない分離爪により感光体ドラム(100)から分離されて転写搬送ベルト(101)により搬送される。
この例における転写搬送ベルト(101)の抵抗範囲は1×106〜1×1012Ω/□であり、転写搬送ベルト(101)の抵抗変動,環境変動及び転写紙の厚みによらずに常に一定の良好なトナー像転写を行なうことができる。バイアスローラ(104)は、転写搬送ベルト(101)に対して転写ニップ部より転写搬送ベルト(101)回転方向下流側にて当接され、メインモータの回転時に転写搬送ベルト(101)に連れ廻りする。
【0028】
この例におけるフィードバック電極は、金属板などではなく駆動ローラ(102)及び従動ローラ(103)が兼ねていて駆動ローラ(102)及び従動ローラ(103)が導電性を有する金属ローラからなり、転写搬送ベルト(101)への摺動抵抗を限りなく低減でき、かつ、駆動ローラ(102)及び従動ローラ(103)が確実にフィードバック電極としての機能を果たすことが可能となる。しかも、駆動ローラ(102)及び従動ローラ(103)がフィードバック電極を兼ねることにより、装置の簡素化を計ることができ、且つ、コストの低減にもつながる。駆動ローラ(102)及び従動ローラ(103)は高圧電源(105)の低圧側(アース側)端子に接続される。高圧電源(105)の低圧側端子は電流検出抵抗(106)を介して接地され、また、感光体ドラム(100)が機械本体を介して接地される。電流検出抵抗(106)はトナー像の転写に寄与する転写電流を検出するための電流検出手段として用いられている。
【0029】
図12(b)はこの転写部の等価回路を示す。図において、R11は転写搬送ベルト(101)におけるバイアスローラ(104)と転写ニップ部との間の抵抗値、R12は転写搬送ベルト(101)における転写ニップ部と従動ローラ(103)との間の抵抗値、R2は転写搬送ベルト(101)におけるバイアスローラ(104)と駆動ローラ(102)との間の抵抗値、RDは感光体ドラム(100)の抵抗値、RPは転写紙の抵抗値、RWは電流検出抵抗(106)の抵抗値を示し、転写搬送ベルト(101)におけるバイアスローラ(104)と従動ローラ(103)との間の抵抗値R1はR1=R11+R12となる。
【0030】
また、i1は高圧電源(105)からバイアスローラ(104)、転写搬送ベルト(101)、駆動ローラ(102)を介して流れる電流、i2は高圧電源(105)からバイアスローラ(104)、転写搬送ベルト(101)、従動ローラ(103)を介して流れる電流、i3は高圧電源(105)からバイアスローラ(104)、転写搬送ベルト(101)、転写紙、感光体ドラム(100)を介して流れる電流である。
【0031】
この例の構成において、高圧電源(105)はレジストローラから送出された転写紙が転写搬送ベルト(101)で搬送されるタイミングにてオンされて転写バイアスをバイアスローラ(104)に印加する。このとき、高圧電源(105)からバイアスローラ(104)へ出力される転写バイアス電流は、転写搬送ベルト(101)、転写紙、感光体ドラム(100)を介して流れ、その一部が転写搬送ベルト(101)、駆動ローラ(102)、従動ローラ(103)を介して流れる。
【0032】
バイアスローラ(104)から転写搬送ベルト(101)を介して感光体ドラム(100)側へ流れた電流i3はトナー像の転写に寄与する転写電流であって機械本体を通してアースへ流れるが、この電流i3は電流検出抵抗(106)を通って高圧電源(105)へ戻る。また、バイアスローラ(104)から転写搬送ベルト(101)を介して駆動ローラ(102)、従動ローラ(103)を介して流れるフィードバック電流i1、i2は、電流検出抵抗(106)を通らずに高圧電源(105)へ戻り、電流検出抵抗(106)の両端の電位差及び電流検出抵抗(106)の抵抗値RWから電流検出抵抗(106)を流れる転写電流が分かる。
【0033】
本実施例では、高圧電源(105)はバイアスローラ(104)へ転写バイアス電流を出力する転写バイアス電源と、この転写バイアス電源から電流検出抵抗(106)に流れる転写電流(バイアスローラ(104)から流れ出る電流と、フィードバック電極(102)、(103)に流れ込むフィードバック電流との差分)が一定の設定転写電流となるように制御する定電流制御部とからなる。この定電流制御部は、転写バイアス電源の出力電流をPWMパルスにより制御し、電流検出抵抗(106)の電圧に応じてそのPWMパルスのデューティ比(もしくは転写バイアス電源の出力電流のゲイン)を所定の周波数で更新することによって転写バイアス電流を一定の値に制御する。このため、転写ニップ部では、感光体ドラム(100)上のトナー層表面電位と転写紙上の表面電位とで作られる転写電界を一定にすることができ、転写搬送ベルト(101)の抵抗変動,環境変動及び転写紙の厚みによらずに常に良好なトナー像転写を行なうことができて良好な複写画像が得られる。
【0034】
また、本例では、高圧電源(105)の定電流制御部は、転写バイアス電源の出力電流をPWMパルスにより制御してそのPWMパルスのデューティ比(もしくは転写バイアス電源の出力電流のゲイン)を電流検出抵抗(106)の電圧に応じて所定の周波数で更新するが、この更新周波数(周期)を人間の視覚特性上の許容レベル下限以上である空間周波数0.5サイクル/mm以下、もしくは1.5サイクル/mm以上、あるいは書き込みユニットにおけるレーザ光による画像書き込みの1ドットライン以下(1ドットラインの画像書き込みを行なう時間以下)毎としている。このため、転写電流の更新周期にて複写画像上に現れるバンディングの発生を防ぐことが可能となる。
【0035】
さらに、図示されるように実際にトナー像の転写に寄与する電流は転写電流i3であり、i1,i2はトナー像の転写には寄与しないフィードバック電流である。本例では、転写電流i3を高圧電源(105)の定電流制御部により一定に制御しているので、高圧電源(105)からバイアスローラ(104)へ印加する転写バイアス電圧は転写電流i3が流れる系の抵抗(R11,RD,RP,RW)及び転写電流i3によって決まる。このため、仮にR11がR2に比べて大きい場合は、トナー像転写に寄与しないi1が大きくなり、転写バイアス電源の容量を大きくしなければならず、とても効率の良い系とは言えない。そこで、本例では、バイアスローラ(104)から従動ローラ(103)までの距離をL1、バイアスローラ(104)から駆動ローラ(102)までの距離をL2とすると、R1とR2との関係がR1<R2となるようにL1<L2に設計している。このため、転写バイアス電源の容量を小さく抑えることができる。
【0036】
転写電流は、感光体に静電的に付着しているトナーを引きはがし、被転写体(転写紙もしくは中間転写体など)へ移行させるために与える必要電荷量に基づく電流である。転写残などの転写不良を回避するためには、転写電流を大きくすれば良いことになるが、ネガ・ポジ現像を用いた場合には、感光体の帯電極性と逆極性の帯電を与えることになり、感光体の静電疲労が著しいものとなる。このため、ここまでの電子写真装置では、感光体の逆帯電印加による静電疲労特性の劣化が律速で、転写電流を大きくすることが困難であった。本発明者らは、特定結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を用いた感光体を使用することにより、この問題を解決できることを見い出した。
転写電流は大きいほど、感光体−トナー間の静電付着力を上回る電荷量を与えられるため有利であるが、ある閾値を越えると転写部材−感光体間で放電現象を生じてしまい、微細に現像されたトナー像を散らせる結果になる。このため、上限値としてはこの放電現象を起こさない範囲ということになる。この閾値は転写部材−感光体間の空隙(距離)、両者を構成する材料などによって変わるものであるが、概ね200μA以下程度で使用することにより、放電現象を回避できる。したがって、転写電流の上限値は200μA程度である。
【0037】
除電ランプ(2)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
【0038】
かかる光源等は、図1に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
先の帯電方式においてAC成分を重畳して使用する場合や、感光体の残留電位が小さい場合等は、この除電機構を省略することもできる。また、光学的な除電ではなく静電的な除電機構(例えば、逆バイアスを印可したあるいはアース接地した除電ブラシなど)を用いることもできる。
【0039】
また、現像ユニット(6)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(7)に転写されるが、感光体(1)上に残存するトナーが生じた場合、ファーブラシ(14)およびブレード(15)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0040】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図3に示すものが挙げられる。感光体(1)は導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を含む感光層が設けられてなり、電荷発生層にはCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶を含有してなる。また、このプロセスカートリッジを画像形成装置で用いる際は転写手段から感光体に印加される転写電流が65μA以上にて使用される。
【0041】
ここで、転写電流について定義する。転写電流は帯電部材から感光体に流れる電流として定義できる。また、転写材(紙など)にトナー像を直接転写する場合には、転写材が転写部材幅いっぱいまである状態での感光体に流れる電流として定義できる。中間転写体などを使用して1次転写し、更に転写材に2次転写する方式の場合には、中間転写体から感光体に流れる電流として定義される。
この測定法に関しては、幾つかの方法があるが、例として2つの方法を記載する。
1つは、実際に感光体に流れる電流を測定するものであり、感光体からアースに向かって流れる電流を測定するものである。しかしながら、電子写真装置の動作時においては、帯電からの電流なども含まれてしまうため、感光体からのアースへの電流を直接計測する場合には、転写部材だけの動作を行ない、計測する必要がある。
もう1つは、間接的に測定する方法である。転写部に使用された高圧電源から出力される電流を計測し、感光体以外の転写部材関連(例えば、転写ベルトの駆動ローラなど)へ流れる電流を計測し、両者の差を求めて感光体への転写電流を間接的に求めるものである。この計測方法においては、高圧電源がフィードバック機能を有したものを使用し、前記ローラなどがアースに接地されているのではなく、高圧電源に戻し、出力電流と戻り電流の差を検知するできるようなものを用いると簡便的である。
【0042】
図4は、本発明のタンデム方式のフルカラー電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図4において、符号(1C),(1M),(1Y),(1K)はドラム状の感光体であり、感光体(1)は導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層を含む感光層が設けられてなり、電荷発生層にはCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶を含有してなる。この感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)は図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材(2C),(2M),(2Y),(2K)、現像部材(4C),(4M),(4Y),(4K)、クリーニング部材(5C),(5M),(5Y),(5K)が配置されている。帯電部材(2C),(2M),(2Y),(2K)は、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。この帯電部材(2C),(2M),(2Y),(2K)と現像部材(4C),(4M),(4Y),(4K)の間の感光体裏面側より、図示しない露光部材からのレーザー光(3C),(3M),(3Y),(3K)が照射され、感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)に静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)を中心とした4つの画像形成要素(6C),(6M),(6Y),(6K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(10)に沿って並置されている。転写搬送ベルト(10)は各画像形成ユニット(6C),(6M),(6Y),(6K)の現像部材(4C),(4M),(4Y),(4K)とクリーニング部材(5C),(5M),(5Y),(5K)の間で感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)に当接しており、転写搬送ベルト(10)の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ(11C),(11M),(11Y),(11K)が配置されている。各画像形成要素(6C),(6M),(6Y),(6K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
【0043】
図4に示す構成のカラー電子写真装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各画像形成要素(6C),(6M),(6Y),(6K)において、感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)が矢印方向(感光体と連れ周り方向)に回転する帯電部材(2C),(2M),(2Y),(2K)により帯電され、次に感光体の内側に配置された露光部(図示しない)でレーザー光(3C),(3M),(3Y),(3K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。次に現像部材(4C),(4M),(4Y),(4K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像部材(4C),(4M),(4Y),(4K)は、それぞれC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)のトナーで現像を行なう現像部材で、4つの感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)上で作られた各色のトナー像は転写紙上で重ねられる。転写紙(7)は給紙コロ(8)によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ(9)で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト(10)に送られる。転写搬送ベルト(10)上に保持された転写紙(7)は搬送されて、各感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)との当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行なわれる。感光体上のトナー像は、転写ブラシ(11C),(11M),(11Y),(11K)に印加された転写バイアスと感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)との電位差から形成される電界により、転写紙(7)上に転写される。そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙(7)は定着装置(12)に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体(1C),(1M),(1Y),(1K)上に残った残留トナーは、クリーニング装置(5C),(5M),(5Y),(5K)で回収される。なお、図5の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものではなく、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素((6C),(6M),(6Y))が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。更に、図4において帯電部材は感光体と当接しているが、図2に示したような帯電機構にすることにより、両者の間に適当なギャップ(10−200μm程度)を設けてやることにより、両者の摩耗量が低減できると共に、帯電部材へのトナーフィルミングが少なくて済み良好に使用できる。
【0044】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、各々の電子写真要素はプロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等を含んだ1つの装置(部品)である。
【0045】
以下、本発明に用いられる電子写真感光体について詳しく説明する。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を形成してなる電子写真感光体であって、該電荷発生層中にCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶を含有するものである。
この結晶型は、特開2001−19871号公報に記載されているものであるが、このチタニルフタロシアニン結晶を用いることで、高感度を失うことなく繰り返し使用によっても帯電性の低下を生じない安定な電子写真感光体を得ることができる。
特開2001−19871号公報には、本発明で使用される電荷発生物質およびこれを用いた感光体、電子写真装置などが開示されている。しかしながら、600dpi以上あるいは1200dpi以上の解像度で使用される様な状況下においては、転写電流の適正化(通常よりも大きくする)を行なわないと、上述のような転写不良に基づく解像度低下を引き起こしていた。このような現象は、同公報に記載された画像形成装置よりも高速な画像形成装置での使用の場合に、顕著に発現する。このように、過去のプロセス(装置)では、必ずしも同公報に記載された材料の実力を充分に引き出していないだけでなく、プロセス条件を適正化してやらないと逆に副作用を生み出すものであった。
【0046】
また、チタニルフタロシアニン結晶の合成方法として、特開平6−293769号公報に記載されているように、ハロゲン化チタンを原料に用いない方法が良好に用いられるものである。この方法の最大のメリットは、合成されたチタニルフタロシアニン結晶がハロゲン化フリーであることである。チタニルフタロシアニン結晶は不純物としてのハロゲン化チタニルフタロシアニン結晶を含むと、これを用いた感光体の静電特性において光感度の低下や、帯電性の低下といった悪影響を及ぼす場合が多い(Japan Hardcopy‘89論文集p.103 1989年)。本発明においても、特開2001−19871号公報に記載されているようなハロゲン化フリーチタニルフタロシアニン結晶をメインに対象にしているものであり、これらの材料が有効に使用される。
【0047】
ここでまず、本発明で用いられる特定の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶の合成方法について述べる。
初めにチタニルフタロシアニン結晶の合成粗品の合成法について述べる。
フタロシアニン類の合成方法は古くから知られており、Moser等による「Phthalocyanine Compounds」(1963年)、「The Phthalocyanines」(1983年)、特開平6−293769号公報等に記載されている。
【0048】
例えば、第1の方法として、無水フタル酸類、金属あるいはハロゲン化金属及び尿素の混合物を高沸点溶媒の存在下あるいは不存在下において加熱する方法である。この場合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒が併用される。第2の方法としては、フタロニトリル類とハロゲン化金属を高沸点溶媒の存在下あるいは不存在下において加熱する方法である。この方法は、第1の方法で製造できないフタロシアニン類、例えば、アルミニウムフタロシアニン類、インジウムフタロシアニン類、オキソバナジウムフタロシアニン類、オキソチタニウムフタロシアニン類、ジルコニウムフタロシアニン類等に用いられる。第3の方法は、無水フタル酸あるいはフタロニトリル類とアンモニアを先ず反応させて、例えば1,3−ジイミノイソインドリン類等の中間体を製造し、次いでハロゲン化金属と高沸点溶媒中で反応させる方法である。第4の方法は、尿素等存在下で、フタロニトリル類と金属アルコキシドを反応させる方法である。特に、第4の方法はベンゼン環への塩素化(ハロゲン化)が起こらず、電子写真用材料の合成法としては、極めて有用な方法である。
【0049】
次に、不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)の合成法について述べる。この方法は、フタロシアニン類を硫酸に溶解した後、水で希釈し、再析出させる方法であり、アシッド・ペースト法あるいはアシッド・スラリー法と呼ばれるものが使用できる。
具体的な方法としては、上記の合成粗品を10〜50倍量の濃硫酸に溶解し、必要に応じて不溶物を濾過等により除去し、これを硫酸の10〜50倍量の充分に冷却した水もしくは氷水にゆっくりと投入し、チタニルフタロシアニンを再析出させる。析出したチタニルフタロシアニンを濾過した後、イオン交換水で洗浄・濾過を行ない、濾液が中性になるまで充分にこの操作を繰り返す。最終的に、綺麗なイオン交換水で洗浄した後、濾過を行ない、固形分濃度で5〜15wt%程度の水ペーストを得る。このように作製したものが本発明に用いる不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)である。この際、この不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有するものであることが好ましい。特に、その回折ピークの半値巾が1゜以上であることがより好ましい。更に、一次粒子の平均粒子サイズが0.1μm以下であることが好ましい。
【0050】
次に、結晶変換方法について述べる。
結晶変換は、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶に変換する工程である。
具体的な方法としては、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を乾燥せずに、水の存在下の元で有機溶媒と共に混合・撹拌することにより、前記結晶型を得るものである。
【0051】
この際、使用される有機溶媒は、所望の結晶型を得られるものであれば、いかなる有機溶媒も使用できるが、特にテトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、オルトジクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの中から選ばれる1種を選択すると、良好な結果が得られる。これら有機溶媒は単独で用いることが好ましいが、これらの有機溶媒を2種以上混合する、あるいは他の溶媒と混合して用いることも可能である。
以上の結晶変換方法は特開2001−19871号公報に準じた結晶変換方法である。本発明の電子写真装置に用いる感光体に含有される電荷発生物質においては、チタニルフタロシアニン結晶の粒子サイズをより細かくすることにより、その効果がより一層顕著なものとなる。
【0052】
チタニルフタロシアニン結晶の粒子サイズをより細かくするために、本発明者らが観察したところによれば、前述の不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)は、一次粒径が0.1μm以下(そのほとんどが0.01〜0.05μm程度)であるが(図17参照)、結晶変換の際に際しては、結晶成長と共に結晶が変換されることが分かった。通常、この種の結晶変換においては、原料の残存をおそれて充分な結晶変換時間を確保し、結晶変換が十二分に行なわれた後に、濾過を行ない、所望の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を得るものである。このため、原料として充分に小さな一次粒子を有する原料を用いているにもかかわらず、結晶変換後の結晶としては一次粒子の大きな結晶(概ね0.3〜0.5μm)を得ているものである(図18参照)。
【0053】
このように作製されたチタニルフタロシアニン結晶を分散するにあたっては、分散後の粒子サイズを小さなもの(0.2μm以下程度)にするため、強いシェアを与えることで分散を行ない、更には必要に応じて一次粒子を粉砕する強いエネルギーを与えて分散を行なっている。この結果、前述の如き、粒子の一部が所望の結晶型でない結晶型へと転移してしまうものである。
【0054】
一方、本発明においては、結晶変換に際して結晶成長がほとんど起こらない範囲(図17に観察される不定形チタニルフタロシアニン粒子のサイズが、結晶変換後において遜色ない小ささ、概ね0.2μm以下に保たれる範囲)で、結晶変換が完了した時点を見極めることで、可能な限り一次粒子サイズの小さなチタニルフタロシアニン結晶を得ようというものである。結晶変換後の粒子サイズは、結晶変換時間に比例して大きくなる。このため前述のように、結晶変換の効率を高くし、短時間で完了させることが重要である。このためには、いくつかの重要なポイントが挙げられる。
【0055】
1つは、結晶変換溶媒を前述のように適正なものを選択し、結晶変換効率を高めること。もう1つは、結晶変換を短時間に完了させるために、溶媒とチタニルフタロシアニン水ペースト(前述の如き作製した原料)を充分に接触させるために強い撹拌を用いるものである。具体的には、撹拌力の非常に強いプロペラを用いた撹拌、ホモジナイザー(ホモミキサー)のような強烈な撹拌(分散)手段を用いるなどの手法により、短時間での結晶変換を実現させるものである。これらの条件により、原料が残存することなく、結晶変換が充分に行なわれ、かつ結晶成長が起こらない状態のチタニルフタロシアニン結晶を得ることができる。
【0056】
また、上述のように結晶粒子サイズと結晶変換時間は比例関係にあるため、所定の反応(結晶変換)が完了したら、反応を直ちに停止させる方法も有効な手段である。上述のように結晶変換を行なった後、直ちに結晶変換の起こりにくい溶媒を大量に添加することが前記手段として挙げられる。結晶変換の起こりにくい溶媒としては、アルコール系、エステル系などの溶媒が挙げられる。これらの溶媒を結晶変換溶媒に対して、10倍程度加えることにより、結晶変換を停止することができる。
【0057】
このようにして作製される一次粒子サイズは、細かいほど感光体の課題に対しては良好な結果を示すものであるが、顔料作製にかかる次工程(顔料の濾過工程)、分散液での分散安定性を考慮すると、あまり小さすぎても副作用がでる場合がある。即ち、一次粒子が非常に細かい場合には、これを濾過する工程において濾過時間が非常に長くなってしまうという問題が発生する。また、一次粒子が細かすぎる場合には、分散液中での顔料粒子の表面積が大きくなるため、粒子の再凝集の可能性が高くなる。したがって、適切な顔料粒子の粒子サイズは、およそ0.05μm〜0.2μm程度の範囲である。
【0058】
図19には、短時間で結晶変換を行った場合のチタニルフタロシアニン結晶のTEM像を示す。図18の場合とは異なり、粒子サイズが小さく、ほぼ均一であり、図18に観察されるような粗大粒子は全く認められない。
【0059】
このように作製されたチタニルフタロシアニン結晶を分散するにあたっては、分散後の粒子サイズを小さなもの(0.3μm未満、好ましくは0.25μm以下、より好ましくは0.2μm以下)にするため、強いシェアを与えることで分散を行ない、更には必要に応じて一次粒子を粉砕する強いエネルギーを与えて分散を行なっている。この結果、前述の如き、粒子の一部が所望の結晶型でない結晶型へと転移し易い結果を生んでいる。
ここでいう粒子サイズとは、体積平均粒径であり、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものである。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median系)として算出されたものである。しかしながら、この方法では微量の粗大粒子を検出できない場合があるため、より詳細に求めるには、チタニルフタロシアニン結晶粉末、あるいは分散液を直接、電子顕微鏡にて観察し、その大きさを求めることが重要である。
【0060】
分散液の更なる観察により、微小欠陥に関して検討した結果、上記現象は次のように理解された。通常、平均粒子サイズを測定するような方法においては、極端に大きな粒子が数%以上も存在するような場合には、その存在が検出できるものであるが、全体の1%以下程度のような微量になってくると、その測定は検出限界以下になってしまうものである。その結果として、平均粒子サイズの測定だけでは粗大粒子の存在が検出されずに、上述のような微小欠陥に関する解釈を困難にしていた。
【0061】
図14及び図15に、分散条件を固定して分散時間だけを変更した2種類の分散液の状態を観察した写真を示す。同一条件における分散時間の短い分散液の写真を図14に示すが、分散時間の長い図15と比較して、粗大粒子が残っている様子が観測される。図14中の黒い粒が粗大粒子である。
この2種類の分散液の平均粒径並びに粒度分布を公知の方法に従って、市販の粒度分布測定装置(堀場製作所製:超遠心式自動粒度分布測定装置、CAPA700)により測定した。その結果を図16に示す。図16における「A」が図14に示す分散液に対応し、「B」が図15に示す分散液に対応する。両者を比較すると、粒度分布に関してはほとんど差が認められない。また、両者の平均粒径値は、「A」が0.29μm、「B」が0.28μmと求められ、測定誤差を加味した上では、両者に全くの差異が認められない。
したがって、公知の平均粒径(粒子サイズ)の規定だけでは、微量な粗大粒子の残存を検出できずに、昨今の高解像度のネガ・ポジ現像には対応できていないことが理解される。この微量な粗大粒子の存在は、塗工液を顕微鏡レベルで観察することにより、初めて認識できたものである。
【0062】
このような事実に対して、結晶変換時に作製される一次粒子をできる限り小さいものを作製することは有効な手段である。このために、結晶変換溶媒を前述のように適正なものを選択し、結晶変換効率を高めつつ、結晶変換を短時間に完了させるために、溶媒とチタニルフタロシアニン水ペースト(前述の如き作製した原料)を充分に接触させるために強い撹拌を用いるような手法は有効である。具体的には、撹拌力の非常に強いプロペラを用いた撹拌、ホモジナイザー(ホモミキサー)のような強烈な撹拌(分散)手段を用いるなどの手法により、短時間での結晶変換を実現させるものである。これらの条件により、原料が残存することなく、結晶変換が充分に行なわれ、かつ結晶成長が起こらない状態のチタニルフタロシアニン結晶を得ることができる。
【0063】
また、上述のように結晶粒子サイズと結晶変換時間は比例関係にあるため、所定の反応(結晶変換)が完了したら、反応を直ちに停止させる方法も有効な手段である。上述のように結晶変換を行なった後、直ちに結晶変換の起こりにくい溶媒を大量に添加することが前記手段として挙げられる。結晶変換の起こりにくい溶媒としては、アルコール系、エステル系などの溶媒が挙げられる。これらの溶媒を結晶変換溶媒に対して、10倍程度加えることにより、結晶変換を停止することができる。
このような結晶変換方法を採用することにより、一次粒子サイズの小さな(0.3μm未満、好ましくは0.25μm以下、より好ましくは0.2μm以下)チタニルフタロシアニン結晶を得ることができる。特開2001−19871号公報に記載された技術に加えて、必要に応じて上述のような技術(微細なチタニルフタロシアニン結晶を得るための結晶変換方法)を併用することは、本発明の効果を高めるために有効な手段である。
【0064】
続いて、結晶変換されたチタニルフタロシアニン結晶は直ちに濾過されることにより、結晶変換溶媒と分別される。この濾過に際しては、適当なサイズのフィルターを用いることにより行なわれる。この際、減圧濾過を用いることが最も適当である。
その後、分別されたチタニルフタロシアニン結晶は、必要に応じて加熱乾燥される。加熱乾燥に使用する乾燥機は、公知のものがいずれも使用可能であるが、大気下で行なう場合には送風型の乾燥機が好ましい。更に、乾燥速度を早め、本発明の効果をより顕著に発現させるために減圧下の乾燥も非常に有効な手段である。特に、高温で分解する、あるいは結晶型が変化するような材料に対しては有効な手段である。特に10mmHgよりも真空度が高い状態で乾燥することが有効である。
【0065】
このように得られた特定の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶は、電子写真感光体用電荷発生物質として極めて有用である。しかしながら、先述のように結晶型が不安定であり、分散液を作製する際に結晶型が転移し易いという欠点を有しているものであった。しかしながら、本発明のように一次粒子を限りなく小さなものに合成することにより、分散液作製時に過剰なシェアを与えることなく、平均粒径の小さな分散液を作製することができ、結晶型も極めて安定に(合成した結晶型を変えることなく)作製することができるものである。
【0066】
分散液の作製に関しては一般的な方法が用いられ、前記チタニルフタロシアニン結晶を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波などを用いて分散することで得られるものである。この際、バインダー樹脂は感光体の静電特性などにより、また溶媒は顔料へのぬれ性、顔料の分散性などにより選択すればよい。
【0067】
既に述べたように、CuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶は、熱エネルギー・機械的シェア等のストレスにより他の結晶型に容易に結晶転移をすることが知られている。本発明で用いるチタニルフタロシアニン結晶もこの傾向は変わらない。すなわち、微細な粒子を含む分散液を作製するためには、分散方法の工夫も必要であるが、結晶型の安定性と微粒子化はトレード・オフの関係になりがちである。分散条件を最適化することによりこれを回避する方法はあるが、いずれも製造条件を極めて狭くしてしまうものであり、より簡便な方法が望まれている。この問題を解決するために、以下のような方法も有効な手段である。
【0068】
すなわち、結晶転移が起こらない範囲でできる限り粒子を微細にした分散液を作製後、適当なフィルターで濾過してしまう方法である。この方法では、残存する目視では観察できない(あるいは粒径測定では検出できない)微量な粗大粒子をも取り除くことができ、また粒度分布を揃えるという点からも非常に有効な手段である。具体的には、上述のように作製した分散液を有効孔径が3μm以下のフィルターにて濾過する操作を行ない、分散液を完成させるというものである。この方法によっても、粒子サイズの小さな(0.3μm未満、好ましくは0.25μm以下、より好ましくは0.2μm以下)チタニルフタロシアニン結晶のみを含む分散液を作製することができ、これを用いた感光体を搭載使用することにより、本願の効果をより一層顕著にするものである。
【0069】
続いて、本発明に用いられる電子写真感光体について、図面を用いて詳しく説明する。
図5は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層された構成をとっている。
また、図6は、本発明に用いられる電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、中間層(33)、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層された構成をとっている。
【0070】
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(31)として用いることができる。
【0071】
また、これらの中でも陽極酸化皮膜処理を簡便に行なうことのできるアルミニウムからなる円筒状支持体が最も良好に使用できる。ここでいうアルミニウムとは、純アルミ系あるいはアルミニウム合金のいずれをも含むものである。具体的には、JIS1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金が最も適している。陽極酸化皮膜は各種金属、各種合金を電解質溶液中において陽極酸化処理したものであるが、中でもアルミニウムもしくはアルミニウム合金を電解質溶液中で陽極酸化処理を行なったアルマイトと呼ばれる被膜が本発明に用いる感光体には最も適している。特に、反転現像(ネガ・ポジ現像)に用いた際に発生する点欠陥(黒ポチ、地汚れ)を防止する点で優れている。
【0072】
陽極酸化処理は、クロム酸、硫酸、蓚酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸などの酸性浴中において行なわれる。このうち、硫酸浴による処理が最も適している。一例を挙げると、硫酸濃度:10〜20%、浴温:5〜25℃、電流密度:1〜4A/dm2、電解電圧:5〜30V、処理時間:5〜60分程度の範囲で処理が行なわれるが、これに限定するものではない。このように作製される陽極酸化皮膜は、多孔質であり、また絶縁性が高いため、表面が非常に不安定な状況である。このため、作製後の経時変化が存在し、陽極酸化皮膜の物性値が変化しやすい。これを回避するため、陽極酸化皮膜を更に封孔処理することが望ましい。封孔処理には、フッ化ニッケルや酢酸ニッケルを含有する水溶液に陽極酸化皮膜を浸漬する方法、陽極酸化皮膜を沸騰水に浸漬する方法、加圧水蒸気により処理する方法などがある。このうち、酢酸ニッケルを含有する水溶液に浸漬する方法が最も好ましい。封孔処理に引き続き、陽極酸化皮膜の洗浄処理が行なわれる。これは、封孔処理により付着した金属塩等の過剰なものを除去することが主な目的である。これが支持体(陽極酸化皮膜)表面に過剰に残存すると、この上に形成する塗膜の品質に悪影響を与えるだけでなく、一般的に低抵抗成分が残ってしまうため、逆に地汚れの発生原因にもなってしまう。洗浄は純水1回の洗浄でも構わないが、通常は他段階の洗浄を行なう。この際、最終の洗浄液が可能な限りきれい(脱イオンされた)ものであることが好ましい。また、他段階の洗浄工程のうち1工程に接触部材による物理的なこすり洗浄を施すことが望ましい。以上のようにして形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、5〜15μm程度が望ましい。これより薄すぎる場合には陽極酸化皮膜としてのバリア性の効果が充分でなく、これより厚すぎる場合には電極としての時定数が大きくなりすぎて、残留電位の発生や感光体のレスポンスが低下する場合がある。
【0073】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体(31)として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0074】
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
【0075】
次に、感光層について説明する。感光層は前述のように、電荷発生層(35)と電荷輸送層(37)で構成される積層型が感度、耐久性において優れた特性を示し、良好に使用される。
【0076】
電荷発生層(35)は、電荷発生物質として、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有する結晶型)に変換する工程である。特に、前記結晶型のうち、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶が良好に用いられ、更に26.3゜にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶は特に良好に用いられる。また、この結晶の一次粒子の平均粒子サイズが0.3μm未満(好ましくは0.25μm以下、より好ましくは0.2μm以下)であることは、本発明の効果を一層顕著にするものであり、有効な手段である。
電荷発生層(35)は、前記顔料を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
【0077】
必要に応じて電荷発生層(35)に用いられる結着樹脂としては、必要に応じて電荷発生層(35)に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0078】
ここで用いられる溶剤としては、例えばイソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられる。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0079】
電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0080】
結着樹脂としてはポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。
【0081】
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。中でも、環境への負荷低減等の意図から、非ハロゲン系溶媒の使用は望ましいものである。具体的には、テトラヒドロフランやジオキソラン、ジオキサン等の環状エーテルやトルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、及びそれらの誘導体が良好に用いられる。
【0082】
また、電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、式(I)〜(X)式で表わされる高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
【0083】
【化1】
式中、R1,R2,R3はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基またはハロゲン原子、R4は水素原子または置換もしくは無置換のアルキル基、R5,R6は置換もしくは無置換のアリール基、o,p,qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k,jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0084】
【化2】
式中、R101,R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−,−S−,−SO−,−SO2−,−CO−,−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
【0085】
【化3】
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基またはアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102,R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0086】
【化4】
式中、R7,R8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1,Ar2,Ar3は同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、式(I)の場合と同じである。
【0087】
【化5】
式中、R9,R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar4,Ar5,Ar6は同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、式(I)の場合と同じである。
【0088】
【化6】
式中、R11,R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar7,Ar8,Ar9は同一あるいは異なるアリレン基、pは1〜5の整数を表わす。X,k,jおよびnは、式(I)の場合と同じである。
【0089】
【化7】
式中、R13,R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10,Ar11,Ar12は同一あるいは異なるアリレン基、X1,X2は置換もしくは無置換のエチレン基、または置換もしくは無置換のビニレン基を表わす。X,k,jおよびnは、式(I)の場合と同じである。
【0090】
【化8】
式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13,Ar14,Ar15,Ar16は同一あるいは異なるアリレン基、Y1,Y2,Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし同一であっても異なってもよい。X,k,jおよびnは、式(I)の場合と同じである。
【0091】
【化9】
式中、R19,R20は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19は同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、式(I)の場合と同じである。
【0092】
【化10】
式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20,Ar21,Ar22,Ar23は同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、式(I)の場合と同じである。
【0093】
【化11】
式中、R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,Ar28は同一あるいはまたは異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、式(I)の場合と同じである。
【0094】
【化12】
式中、R26,R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29,Ar30,Ar31は同一あるいは異なるアリレン基を表わす。X,k,jおよびnは、式(I)の場合と同じである。
【0095】
また、電荷輸送層に使用される高分子電荷輸送物質として、上述の高分子電荷輸送物質の他に、電荷輸送層の成膜時には電子供与性基を有するモノマーあるいはオリゴマーの状態で、成膜後に硬化反応あるいは架橋反応をさせることで、最終的に2次元あるいは3次元の架橋構造を有する重合体も含むものである。
【0096】
これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層、あるいは架橋構造を有する重合体は耐摩耗性に優れたものである。通常、電子写真プロセスにおいては、帯電電位(未露光部電位)は一定であるため、繰り返し使用により感光体の表面層が摩耗すると、その分だけ感光体にかかる電界強度が高くなってしまう。この電界強度の上昇に伴い、地汚れの発生頻度が高くなるため、感光体の耐摩耗性が高いことは、地汚れに対して有利である。これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層は、自身が高分子化合物であるため成膜性に優れ、低分子分散型高分子からなる電荷輸送層に比べ、電荷輸送部位を高密度に構成することが可能で電荷輸送能に優れたものである。このため、高分子電荷輸送物質を用いた電荷輸送層を有する感光体には高速応答性が期待できる。
【0097】
その他の電子供与性基を有する重合体としては、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報、特開2000−206723号公報、特開2001−34001号公報等に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることも可能である。
【0098】
本発明において電荷輸送層(37)中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0099】
本発明の電子写真感光体には、導電性支持体(31)と感光層との間に中間層を設けることができる。中間層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶媒で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、中間層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0100】
これらの中間層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の中間層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の中間層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。中間層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0101】
本発明の電子写真感光体には、感光層保護の目的で、保護層が感光層の上に設けられることもある。近年、日常的にコンピュータの使用が行なわれるようになり、プリンタによる高速出力とともに、装置の小型も望まれている。したがって、保護層を設け、耐久性を向上させることによって、本発明の高感度で異常欠陥のない感光体を有用に用いることができる。
【0102】
本発明の感光体においては、感光層保護の目的で、保護層(39)が感光層の上に設けられることもある。保護層(39)に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネートもしくはポリアリレートが最も良好に使用できる。
【0103】
保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、シリカ等の無機フィラー、また有機フィラーを分散したもの等を添加することができる。
また、感光体の保護層に用いられるフィラー材料のうち有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。
【0104】
保護層中のフィラー濃度は使用するフィラー種により、また感光体を使用する電子写真プロセス条件によっても異なるが、保護層の最表層側において全固形分に対するフィラーの比で5重量%以上、好ましくは10重量%以上、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度が良好である。
また、使用するフィラーの体積平均粒径は、0.1μm〜2μmの範囲が良好に使用され、好ましくは0.3μm〜1μmの範囲である。この場合、平均粒径が小さすぎると耐摩耗性が充分に発揮されず、大きすぎると塗膜の表面性が悪くなったり、塗膜そのものが形成できなかったりするからである。
【0105】
なお、本発明におけるフィラーの平均粒径とは、特別な記載のない限り体積平均粒径であり、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものである。この際、累積分布の50%に相当する粒子径(Median系)として算出されたものである。また、同時に測定される各々の粒子の標準偏差が1μm以下であることが重要である。これ以上の標準偏差の値である場合には、粒度分布が広すぎて、本発明の効果が顕著に得られなくなってしまう場合がある。
また、本発明で使用するフィラーのpHも解像度やフィラーの分散性に大きく影響する。その理由の一つとしては、フィラー、特に金属酸化物は製造時に塩酸等が残存することが考えられる。その残存量が多い場合には、画像ボケの発生は避けられず、またそれは残存量によってはフィラーの分散性にも影響を及ぼす場合がある。
【0106】
もう一つの理由としては、フィラー、特に金属酸化物の表面における帯電性の違いによるものである。通常、液体中に分散している粒子はプラスあるいはマイナスに帯電しており、それを電気的に中性に保とうとして反対の電荷を持つイオンが集まり、そこで電気二重層が形成されることによって粒子の分散状態は安定化している。粒子から遠ざかるに従いその電位(ゼータ電位)は徐々に低くなり、粒子から充分に離れて電気的に中性である領域の電位はゼロとなる。したがって、ゼータ電位の絶対値の増加によって粒子の反発力が高くなることによって安定性は高くなり、ゼロに近づくに従い凝集しやすく不安定になる。一方、系のpH値によってゼータ電位は大きく変動し、あるpH値において電位はゼロとなり等電点を持つことになる。したがって、系の等電点からできるだけ遠ざけて、ゼータ電位の絶対値を高めることによって分散系の安定化が図られることになる。
【0107】
本発明の構成においては、フィラーとしては前述の等電点におけるpHが、少なくとも5以上を示すものが画像ボケ抑制の点から好ましく、より塩基性を示すフィラーであるほどその効果が高くなる傾向があることが確認された。等電点におけるpHが高い塩基性を示すフィラーは、系が酸性であったほうがゼータ電位はより高くなることにより、分散性及びその安定性は向上することになる。
ここで、本発明におけるフィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけるpH値を記載した。この際、ゼータ電位の測定は、大塚電子(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
【0108】
更に、画像ボケが発生しにくいフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラー(比抵抗が1010Ω・cm以上)が好ましく、フィラーのpHが5以上を示すものやフィラーの誘電率が5以上を示すものが特に有効に使用できる。また、pHが5以上のフィラーあるいは誘電率が5以上のフィラーを単独で使用することはもちろん、pHが5以下のフィラーとpHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合したり、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種類以上混合したりして用いることも可能である。また、これらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
【0109】
本発明において使用するフィラーの比抵抗は以下のように定義される。フィラーのような粉体は、充填率によりその比抵抗値が異なるので、一定の条件下で測定する必要がある。本発明においては、特開平5−94049号公報(図1)、特開平5−113688号公報(図1)に示された測定装置と同様の構成の装置を用いて、フィラーの比抵抗値を測定し、この値を用いた。測定装置において、電極面積は4.0cm2である。測定前に片側の電極に4kgの荷重を1分間かけ、電極間距離が4mmになるように試料量を調節する。測定の際は、上部電極の重量(1kg)の荷重状態で測定を行ない、印加電圧は100Vにて測定する。106Ω・cm以上の領域は、HIGH RESISTANCE METER(横河ヒューレットパッカード)、それ以下の領域についてはデジタルマルチメーター(フルーク)により測定した。これにより得られた比抵抗値を本発明でいうところの比抵抗値と定義するものである。
【0110】
フィラーの誘電率は以下のように測定した。上述のような比抵抗の測定と同様なセルを用い、荷重をかけた後に、静電容量を測定し、これより誘電率を求めた。静電容量の測定は、誘電体損測定器(安藤電気)を使用した。
【0111】
更に、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al2O3、TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。これらフィラ−材料は単独もしくは2種類以上混合して用いられる。フィラーの表面処理量に関しては、上述のようにフィラー量に対する使用する表面処理剤の重量比で定義される。
【0112】
これらフィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用するフィラーは1次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ないほうが好ましい。
【0113】
また、保護層(39)には残留電位低減、応答性改良のため、電荷輸送物質を含有しても良い。電荷輸送物質は、電荷輸送層の説明のところに記載した材料を用いることができる。電荷輸送物質として、低分子電荷輸送物質を用いる場合には、保護層中における濃度傾斜を設けても構わない。耐摩耗性向上のため、表面側を低濃度にすることは有効な手段である。ここでいう濃度とは、保護層を構成する全材料の総重量に対する低分子電荷輸送物質の重量の比を表わし、濃度傾斜とは上記重量比において表面側において濃度が低くなるような傾斜を設けることを示す。また、高分子電荷輸送物質を用いることは、感光体の耐久性を高める点で非常に有利である。
【0114】
保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用いることができる。
【0115】
上述したように、感光層(電荷輸送層)に高分子電荷輸送物質を使用したり、あるいは感光体の表面に保護層を設けることは、各々の感光体の耐久性(耐摩耗性)を高めるだけでなく、後述のようなタンデム型フルカラー画像形成装置中で使用される場合には、モノクロ画像形成装置にはない新たな効果をも生み出すものである。
【0116】
フルカラーの画像の場合、様々な形態の画像が入力されるが、逆に定型的な画像も入力される場合がある。例えば、日本語の文書等における検印の存在などである。検印のようなものは通常、画像領域の端のほうに位置され、また使用される色も限定される。ランダムな画像が常に書き込まれているような状態においては、画像形成要素中の感光体には、平均的に画像書き込み、現像、転写が行なわれることになるが、上述のように特定の部分に数多くの画像形成が繰り返されたり、特定の画像形成要素ばかり使用された場合には、その耐久性のバランスを欠くことにつながる。このような状態で表面の耐久性(物理的・化学的・機械的)の小さな感光体が使用された場合には、この差が顕著になり、画像上の問題になりやすい。一方、感光体を高耐久化した場合には、このような局所的な変化量が小さく、結果的に画像上の欠陥として現われにくくなるため、高耐久化を実現すると共に、出力画像の安定性をも増すことになり、非常に有効である。
【0117】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明が実施例により制約を受けるものではない。なお、部はすべて重量部である。
まず、本発明に用いた電荷発生材料の合成例について述べる。
(合成例1)
1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)2gをテトラヒドロフラン20gに投入し、4時間攪拌を行なった。これにメタノール100gを追加して、1時間攪拌を行なった後、濾過を行ない、乾燥して、本発明のチタニルフタロシアニン粉末を得た。
得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角7.3±0.2°にピークを有し、かつ7.4〜9.4°の範囲にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末を得られた。その結果を図7に示す。
また、合成例1で得られた水ペーストの一部を80℃の減圧下(5mmHg)で、2日間乾燥して、低結晶性チタニルフタロシアニン粉末を得た。水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを図13に示す。
【0118】
(X線回折スペクトル測定条件)
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
【0119】
(合成例2)
特開平1−299874号(特許第2512081号)公報、実施例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをポリエチレングリコール50gに加え、100gのガラスビーズと共に、サンドミルを行なった。結晶転移後、希硫酸、水酸化アンモニウム水溶液で順次洗浄し、乾燥して顔料を得た。
【0120】
(合成例3)
特開平3−269064号(特許第2584682号)公報、製造例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、先の合成例1で作製したウェットケーキを乾燥し、乾燥物1gをイオン交換水10gとモノクロルベンゼン1gの混合溶媒中で1時間撹拌(50℃)した後、メタノールとイオン交換水で洗浄し、乾燥して顔料を得た。
【0121】
(合成例4)
特開平2−8256号(特公平7−91486号)公報の製造例に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、フタロジニトリル9.8gと1−クロロナフタレン75mlを撹拌混合し、窒素気流下で四塩化チタン2.2mlを滴下する。滴下終了後、徐々に200℃まで昇温し、反応温度を200℃〜220℃の間に保ちながら3時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷し130℃になったところ熱時ろ過し、次いで1−クロロナフタレンで粉体が青色になるまで洗浄、次にメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後、乾燥し顔料を得た。
【0122】
(合成例5)
特開昭64−17066号(特公平7−97221号)公報、合成例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、α型TiOPc5部を食塩10gおよびアセトフェノン5gと共にサンドグラインダーにて100℃にて10時間結晶変換処理を行なった。これをイオン交換水及びメタノールで洗浄し、希硫酸水溶液で精製し、イオン交換水で酸分がなくなるまで洗浄した後、乾燥して顔料を得た。
【0123】
(合成例6)
特開平11−5919号(特許第3003664号)公報、実施例1に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、O−フタロジニトリル20.4部、四塩化チタン部7.6部をキノリン50部中で200℃にて2時間加熱反応後、水蒸気蒸留で溶媒を除き、2%塩化水溶液、続いて2%水酸化ナトリウム水溶液で精製し、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミドで洗浄後、乾燥し、チタニルフタロシアニンを得た。このチタニルフタロシアニン2部を5℃の98%硫酸40部の中に少しずつ溶解し、その混合物を約1時間、5℃以下の温度を保ちながら攪拌する。続いて硫酸溶液を高速攪拌した400部の氷水中に、ゆっくりと注入し、析出した結晶を濾過する。結晶を酸が残量しなくなるまで蒸留水で洗浄し、ウエットケーキを得る。そのケーキをTHF100部中で約5時間攪拌を行ない、ろ過、THFによる洗浄を行ない乾燥後、顔料を得た。
【0124】
(合成例7)
特開平3−255456号(特許第3005052号)公報、合成例2に記載の方法に準じて、顔料を作製した。すなわち、左記の合成例1で作製したウェットケーキ10部を塩化ナトリウム15部とジエチレングリコール7部に混合し、80℃の加熱下で自動乳鉢により60時間ミリング処理を行なった。次に、この処理品に含まれる塩化ナトリウムとジエチレングリコールを完全に除去するために充分な水洗を行なった。これを減圧乾燥した後にシクロヘキサノン200部と直径1mmのガラスビーズを加えて、30分間サンドミルにより処理を行ない、顔料を得た。
【0125】
(合成例8)
合成例1の方法に従って、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを合成し、次のように結晶変換を行ない、合成例1よりも一次粒子の小さなフタロシアニン結晶を得た。
合成例1で得られた結晶変換前の水ペースト60部にテトラヒドロフラン1500部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行なった。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶58部を得た。
【0126】
合成例1で作製された結晶変換前チタニルフタロシアニン(水ペースト)の一部をイオン交換水でおよそ1重量%になるように希釈し、表面を導電性処理した銅製のネットですくい取り、チタニルフタロシアニンの粒子サイズを透過型電子顕微鏡(TEM、日立:H−9000NAR)にて、75000倍の倍率で観察を行なった。平均粒子サイズとして、以下のように求めた。
【0127】
上述のように観察されたTEM像をTEM写真として撮影し、映し出されたチタニルフタロシアニン粒子(針状に近い形)を30個任意に選び出し、それぞれの長径の大きさを測定する。測定した30個体の長径の算術平均を求めて、平均粒子サイズとした。
以上の方法により求められた合成例1における水ペースト中の平均粒子サイズは、0.06μmであった。
【0128】
また、合成例1及び8における濾過直前の結晶変換後チタニルフタロシアニン結晶を、テトラヒドロフランでおよそ1重量%になるように希釈し、上の方法と同様に観察を行なった。上記のようにして求めた平均粒子サイズを表1に示す。なお、合成例1及び8で作製されたチタニルフタロシアニン結晶は、必ずしも全ての結晶の形が同一ではなかった(三角形に近い形、四角形に近い形など)。このため、結晶の最も大きな対角線の長さを長径として、計算を行なった。
【0129】
【表1】
【0130】
以上の合成例2〜7で作製した顔料は、先程と同様の方法でX線回折スペクトルを測定し、それぞれの公報に記載のスペクトルと同様であることを確認した。また、合成例8で作成した顔料のX線回折スペクトルは、合成例1で作製した顔料のスペクトルと一致した。表2にそれぞれのX線回折スペクトルと合成例1で得られた顔料のX線回折スペクトルのピーク位置の特徴を示す。
【0131】
【表2】
【0132】
(感光体作製例1)
直径60mmのアルミニウムシリンダー(JIS1050)に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5μmの下引き層、電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した(感光体1とする)。なお、電荷発生層の膜厚は、780nmにおける電荷発生層の透過率が20%になるように調整した。電荷発生層の透過率は、下記組成の電荷発生層塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたアルミシリンダーに感光体作製と同じ条件で塗工を行ない、比較対照を電荷発生層を塗工していないポリエチレンテレフタレートフィルムとし、市販の分光光度計(島津:UV−3100)にて、780nmの透過率を評価した。
◎下引き層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 70部
アルキッド樹脂 15部
(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 10部
(スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製)
2−ブタノン 100部
◎電荷発生層塗工液
下記組成の分散液を下に示す条件のビーズミリングにより作製した。
合成例1で作製したチタニルフタロシアニン顔料 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノンおよび顔料を全て投入し、ローター回転数1500r.p.m.にて30分間分散を行ない、分散液を作製した。
この分散液中の顔料粒子の粒度分布を、堀場製作所:CAPA−700にて測定した。その結果、平均粒径0.29μm、標準偏差0.18μmであった。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【0133】
【化13】
塩化メチレン 80部
【0134】
(感光体作製例2〜8)
感光体作製例1で使用した電荷発生層塗工液に用いたチタニルフタロシアニン顔料(合成例1で作製)をそれぞれ、合成例2〜8で作製したチタニルフタロシアニン顔料に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。なお、電荷発生層の膜厚は、感光体作製例1と同様に、すべての塗工液を用いた場合に780nmの透過率が20%になるように調整した。
【0135】
(感光体作製例9)
感光体作製例1で使用した電荷発生層塗工液を、塗工前にアドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−3−CS(有効孔径3μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった。
【0136】
(感光体作製例10)
感光体作製例1で使用した電荷発生層塗工液を、塗工前にアドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−1−CS(有効孔径1μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった。
【0137】
(感光体作製例11)
感光体作製例1で使用した電荷発生層塗工液を、塗工前にアドバンテック社製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−5−CS(有効孔径5μm)を用いて、濾過を行なった。濾過に際しては、ポンプを使用し、加圧状態で濾過を行なった。
【0138】
(実施例1〜5および比較例1〜17)
以上のように作製した感光体作製例1〜11の電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として接触方式の帯電ローラ、転写部材として転写ベルトを用い、下記の帯電、転写条件にて、書き込み率6%のチャートを用い、連続20万枚印刷後の画像を評価し、文字抜け、地汚れの有無を確認した(試験環境は、22℃−55%RHである)。この際、図12に示すような回路にて、転写電流の制御を行なった。なお、評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表3に示す。
【0139】
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(Peak to peak)、周波数:1.5kHz
転写条件:
75μA、60μAの2条件
【0140】
【表3】
【0141】
(感光体作製例12)
感光体作製例1における電荷輸送層塗工液を以下の組成のものに変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
下記組成の高分子電荷輸送物質 10部
(重量平均分子量:約135000)
【0142】
【化14】
下記構造の添加剤 0.5部
【0143】
【化15】
塩化メチレン 100部
【0144】
(感光体作製例13)
感光体作製例1における電荷輸送層の膜厚を20μmとし、電荷輸送層上に下記組成の保護層塗工液を塗布乾燥し、5μmの保護層を設けた以外は感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
◎保護層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【0145】
【化16】
アルミナ微粒子 4部
(比抵抗:2.5×1012Ω・cm、平均一次粒径:0.4μm)
シクロヘキサノン 500部
テトラヒドロフラン 150部
【0146】
(感光体作製例14)
感光体作製例13における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例13と同様に感光体を作製した。
酸化チタン微粒子 4部
(比抵抗:1.5×1010Ω・cm、平均一次粒径:0.5μm)
【0147】
(感光体作製例15)
感光体作製例13における保護層塗工液中のアルミナ微粒子を以下のものに変更した以外は、感光体作製例13と同様に感光体を作製した。
酸化錫−酸化アンチモン粉末 4部
(比抵抗:106Ω・cm、平均1次粒径0.4μm)
【0148】
(感光体作製例16)
感光体作製例1におけるアルミニウムシリンダー(JIS1050)を以下の陽極酸化皮膜処理を行ない、次いで下引き層を設けずに、感光体作製例1と同様に電荷発生層、電荷輸送層を設け、感光体を作製した。
◎陽極酸化皮膜処理
支持体表面の鏡面研磨仕上げを行ない、脱脂洗浄、水洗浄を行なった後、液温20℃、硫酸15vol%の電解浴に浸し、電解電圧15Vにて30分間陽極酸化皮膜処理を行なった。更に、水洗浄を行なった後、7%の酢酸ニッケル水溶液(50℃)にて封孔処理を行なった。その後純水による洗浄を経て、7μmの陽極酸化皮膜が形成された支持体を得た。
【0149】
(実施例6〜14および比較例18〜23)
以上のように作製した感光体作製例1〜16の電子写真感光体を図1に示す電子写真装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)として、帯電部材として帯電部材として図2に示すような帯電ローラの両端部に厚さ50μmの絶縁テープを巻き付けた近接配置用の帯電部材(感光体と帯電部材表面間の空隙が50μm)を用い、下記の帯電、転写条件にて、書き込み率6%のチャートを用い、連続20万枚印刷後の地汚れの有無、及びハーフトーン画像を確認した(試験環境は、22℃−55%RHである)。この際、図12に示すような回路にて、転写電流の制御を行なった。なお、地汚れの評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。また、20万枚印刷後の感光層の摩耗量(保護層を有する場合は保護層の摩耗量)を測定した。以上の結果を表4に示す。
【0150】
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(Peak to peak)、周波数:1.5kHz
転写条件:
90μA
【0151】
【表4】
【0152】
(実施例16)
実施例6において20万枚の通紙試験の後、30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
【0153】
(実施例17)
実施例6における帯電部材を近接配置用帯電部材からスコロトロン・チャージャーに変更し、感光体非画像部の表面電位を実施例6と同じ(−900V)にあわせるようにセッティングした。これ以外の条件を変更せずに、実施例6と同様に20万枚の通紙試験を行なった。通紙試験の後、実施例15と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
【0154】
(実施例18)
実施例6における帯電部材を近接配置用帯電部材から接触用帯電部材(空隙なし)に変更し、帯電条件を実施例6と同じ条件にセッティングした。これ以外の条件を変更せずに、実施例6と同様に20万枚の通紙試験を行なった。通紙試験の後、実施例16と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
【0155】
(実施例19)
実施例18における帯電条件を以下のように変更した以外は、実施例18と同様に評価を行なった。
帯電条件:
DCバイアス:−1600V(初期状態の感光体非画像部の表面電位が−900V)
ACバイアス:なし
【0156】
(実施例20)
実施例6における帯電条件を以下のように変更した以外は、実施例6と同様に評価を行なった。20万枚の通紙試験の後、実施例16と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
帯電条件:
DCバイアス:−1600V(初期状態の感光体非画像部の表面電位が−900V)
ACバイアス:なし
【0157】
(実施例21)
実施例6で使用した帯電部材(近接帯電ローラ)のギャップを100μmに変更した以外は、実施例6と同様に評価を行なった。20万枚の通紙試験の後、実施例16と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
【0158】
(実施例22)
実施例6で使用した帯電部材(近接帯電ローラ)のギャップを150μmに変更した以外は、実施例6と同様に評価を行なった。20万枚の通紙試験の後、実施例16と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
【0159】
(実施例23)
実施例16で使用した帯電部材(近接帯電ローラ)のギャップを250μmに変更した以外は、実施例16と同様に評価を行なった。20万枚の通紙試験の後、実施例16と同様に30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
【0160】
(実施例24)
実施例7において20万枚の通紙試験の後、30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
【0161】
(実施例25)
実施例8において20万枚の通紙試験の後、30℃−90%RH環境下でハーフトーン画像を出力し、画像評価を行なった。
以上の実施例16〜25における評価結果を表5に示す。
【0162】
【表5】
【0163】
(感光体作製例17)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【0164】
【化17】
テトラヒドロフラン 80部
【0165】
(感光体作製例18)
感光体作製例6の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変更した以外は、感光体作製例6と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【0166】
【化18】
テトラヒドロフラン 80部
【0167】
(感光体作製例19)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【0168】
【化19】
ジオキソラン 80部
【0169】
(感光体作製例20)
感光体作製例1の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変更した以外は、感光体作製例1と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【0170】
【化20】
テトラヒドロフラン 40部
トルエン 40部
【0171】
(感光体作製例21)
感光体作製例8の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変更した以外は、感光体作製例8と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【0172】
【化21】
テトラヒドロフラン 80部
【0173】
(感光体作製例22)
感光体作製例9の電荷輸送層塗工液を以下の組成に変更した以外は、感光体作製例9と同様に感光体を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート(TS2050:帝人化成社製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【0174】
【化22】
テトラヒドロフラン 80部
【0175】
(実施例26〜30および比較例24)
以上のように作製した感光体作製例17〜22の感光体を実施例1の場合と同様に、図1に示す電子写真装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)として、帯電部材として接触方式の帯電ローラを用い、下記の帯電、転写条件にて、ハーフトーンライン画像を出力した。この際、図12に示すような回路にて、転写電流の制御を行なった。以上の結果を実施例1および比較例5と併せて表6に示す。
【0176】
帯電条件:
DCバイアス:−900V
ACバイアス:2.0kV(Peak to peak)、周波数:1.5kHz
転写条件:
110μA
【0177】
【表6】
【0178】
(感光体作製例23)
感光体作製例1のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例1と同じ組成の感光体を作製した。
【0179】
(感光体作製例24)
感光体作製例4のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例4と同じ組成の感光体を作製した。
【0180】
(感光体作製例25)
感光体作製例5のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例5と同じ組成の感光体を作製した。
【0181】
(感光体作製例26)
感光体作製例8のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例8と同じ組成の感光体を作製した。
【0182】
(感光体作製例27)
感光体作製例9のアルミシリンダーを直径30mmのものに変え、感光体作製例9と同じ組成の感光体を作製した。
【0183】
(実施例31〜33および比較例25〜31)
以上のように作製した感光体作製例23〜27の感光体を、帯電部材と共に1つの電子写真装置用プロセスカートリッジに装着し、更に図4に示すフルカラー電子写真装置に搭載した。4つの画像形成要素は以下に示すプロセス条件にてフルカラー画像20万枚通紙試験の後に文字抜け、地汚れの有無の確認、及びハーフトーン画像評価を実施した(試験環境は、22℃−55%RHである)。この際、図12に示すような回路にて、転写電流の制御を行なった。なお、文字抜け、地汚れ評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。以上の結果を表7に示す。
【0184】
帯電条件:DCバイアス −800V、
ACバイアス 1.5kV(peak to peak)、
周波数 2.0kHz
帯電部材:実施例2に使用したものと同じ
書き込み:780nmのLD(ポリゴン・ミラー使用)
転写条件:75μA、60μAの2条件
【0185】
【表7】
【0186】
最後に、本発明で使用するチタニルフタロシアニン結晶の特徴であるブラッグ角θの最低角ピークである7.3°について、公知材料の最低角7.5°と同一であるか否かについて検証する。
【0187】
(合成例9)
合成例1における結晶変換溶媒を塩化メチレンから2−ブタノンに変更した以外は、合成例1と同様に処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。
合成例1の場合と同様に、合成例9で作製したチタニルフタロシアニン結晶のXDスペクトルを測定した。これを図8に示す。図8より、合成例9で作製されたチタニルフタロシアニン結晶のXDスペクトルにおける最低角は、合成例1で作製されたチタニルフタロシアニンの最低角(7.3°)とは異なり、7.5°に存在することが判る。
【0188】
(測定例1)
合成例1で得られた顔料(最低角7.3°)に特開昭61−239248号公報に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3重量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例1のX線回折スペクトルを図9に示す。
【0189】
(測定例2)
合成例9で得られた顔料(最低角7.5°)に特開昭61−239248号公報に記載の顔料(最大回折ピークを7.5°に有する)と同様に作製したものを3重量%添加し、乳鉢で混合して、先程と同様にX線回折スペクトルを測定した。測定例2のX線回折スペクトルを図10に示す。
【0190】
図9のスペクトルにおいては、低角側に7.3°と7.5°の2つの独立したピークが存在し、少なくとも7.3°と7.5°のピークは異なるものであることが判る。一方、図10のスペクトルにおいては、低角側のピークは7.5°のみに存在し、図9のスペクトルとは明らかに異なっている。
以上のことから、本願発明のチタニルフタロシアニン結晶における最低角ピークである7.3°は、公知のチタニルフタロシアニン結晶における7.5°のピークとは異なるものであることが判る。
【0191】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な発明から明らかなように、本発明によれば、高速で繰り返し使用した際に、異常画像の発生がなく、安定で解像度の高い画像を出力する電子写真装置が提供される。
具体的には、転写手段における逆帯電による感光体の電気的劣化を解消し、安定で解像度の高い画像を出力する電子写真装置が提供される。また、電荷輸送層用塗工液に非ハロゲン系溶媒を用いた場合においても、チタニルフタロシアニン固有の高感度を維持した電子写真装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図である。
【図2】本発明において、帯電部材側にギャップ形成部材を配置した近接帯電機構の一例を示した図である。
【図3】本発明の電子写真装置用プロセスカートリッジを説明するための図である。
【図4】本発明のタンデム方式のフルカラー電子写真装置を説明するための概略図である。
【図5】本発明に用いられる電子写真感光体の層構成を表わした図である。
【図6】本発明に用いられる別の電子写真感光体の層構成を表わした図である。
【図7】合成例1で合成されたチタニルフタロシアニンのXDスペクトルを表わした図である。
【図8】合成例9で合成されたチタニルフタロシアニンのXDスペクトルを表わした図である。
【図9】測定例1で用いたチタニルフタロシアニンのXDスペクトルを表わした図である。
【図10】測定例2で用いたチタニルフタロシアニンのXDスペクトルを表わした図である。
【図11】転写電流と転写効率の関係を表わした図である。
【図12】定電流制御可能な転写回路例を表わした図である。
【図13】水ペーストの乾燥粉末のXDスペクトルを表わした図である。
【図14】分散時間が短い場合の分散液の状態を示す図である。
【図15】分散時間が長い場合の分散液の状態を示す図である。
【図16】図14、15の分散液について、平均粒径及び粒度分布を示す図である。
【図17】不定形チタニルフタロシアニンのTEM像である。図中のスケール・バーは、0.2μmである。
【図18】結晶変換後のチタニルフタロシアニンのTEM像である。図中のスケール・バーは、0.2μmである。
【図19】短時間で結晶変換を行なったチタニルフタロシアニン結晶のTEM像である。図中のスケール・バーは、0.2μmである。
【符号の説明】
1 感光体
1C 感光体
1M 感光体
1Y 感光体
1K 感光体
2 除電ランプ
2C 帯電部材
2M 帯電部材
2Y 帯電部材
2K 帯電部材
3 帯電ローラ
3C レーザー光
3M レーザー光
3Y レーザー光
3K レーザー光
4C 現像部材
4M 現像部材
4Y 現像部材
4K 現像部材
5 画像露光部
5C クリーニング部材
5M クリーニング部材
5Y クリーニング部材
5K クリーニング部材
6 現像ユニット
6C 画像形成要素
6M 画像形成要素
6Y 画像形成要素
6K 画像形成要素
7 転写紙
8 給紙コロ
9 レジストローラ
10 転写搬送ベルト
11 転写バイアスローラ
11C 転写ブラシ
11M 転写ブラシ
11Y 転写ブラシ
11K 転写ブラシ
12 定着装置
13 クリーニング前チャージャー
14 ファーブラシ
15 クリーニングブラシ
16 現像ローラ
17 転写ローラ
18 分離爪
21 ギャップ形成部材
22 金属シャフト
23 画像形成領域
24 非画像形成領域
31 導電性支持体
33 中間層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
100 感光体
101 転写ベルト
102 駆動ローラ
103 従動ローラ
104 バイアスローラ
105 高圧電源(パワーパック)
106 電流検出抵抗[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an electrophotographic apparatus using an electrophotographic photosensitive member in which transfer is performed by applying a specific current or more and a charge generation layer and a charge transport layer containing at least a specific titanyl phthalocyanine crystal are sequentially laminated.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, the development of information processing system machines using an electrophotographic system has been remarkable. In particular, an optical printer that converts information into a digital signal and records information by light has remarkably improved in print quality and reliability. This digital recording technology is applied not only to printers but also to ordinary copying machines, and so-called digital copying machines have been developed. In addition, a copier equipped with the digital recording technology in a conventional analog copy is expected to have a further increasing demand in the future because various information processing functions are added. Further, with the spread of personal computers and improvement in performance, the progress of digital color printers for outputting images and documents in color has been rapidly progressing.
[0003]
In recent years, there has been a demand for smaller printers and higher speed printers and copiers. As a result, the photoreceptor also needs to be small and rotate at high speed, which shortens the time from exposure to the photoreceptor until the toner image is developed, and increases the number of rotations of the photoreceptor. As a result, problems such as accelerating the deterioration of electrical characteristics due to repeated use have arisen.
As a means for achieving this, the charge generation material has a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle 2θ of at least 27.2 ° with respect to CuKα ray (wavelength 1.542 °) which is a highly sensitive material. It is known to use a titanyl phthalocyanine crystal having a diffraction peak.
[0004]
However, this crystal type has low stability as a crystal, and has a problem that it easily undergoes crystal transition due to mechanical stress such as dispersion and thermal stress. The sensitivity is extremely low as compared with the above, and when a part of the crystal undergoes crystal transition, a sufficient photocarrier generation function cannot be exhibited. In addition, when the photoreceptor is repeatedly used, the application of reverse charging to the photoreceptor by the transfer unit based on the negative / positive development accelerates the deterioration of the charging property, and particularly, an abnormal image called a background image is easily generated. It also has points.
[0005]
In addition, since the frequency of outputting images has been greatly increased, it is also important to improve the image quality of the apparatus. To achieve this, (i) forming by means of charging means and exposure means Forming a high-density image of the electrostatic latent image on the photosensitive member to be formed, (ii) forming a toner image faithfully on the electrostatic latent image by the subsequent developing means, and (iii) finally forming the photosensitive member. There are three problems of accurately transferring the upper toner image to transfer paper.
Means for solving these problems are (i) a method of forming an electrostatic latent image by high-density writing using a small-diameter beam as an exposure means, and (ii) a reduction of toner particle diameter in a developing means. And (iii) increasing the gap electric field strength in the transfer means to increase the transfer efficiency and faithfully transfer the toner image on the photoreceptor to the transfer paper. Transfer method.
However, the increase in the gap electric field intensity due to the transfer means is caused by a titanyl phthalocyanine having a maximum diffraction peak at least 27.2 ° as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle 2θ with respect to the CuKα ray (wavelength 1.542 °). When a photoreceptor using a crystal is repeatedly used, the deterioration of electric characteristics is particularly promoted, which causes an abnormal image called background stain similarly to the above. Therefore, the advantage of high sensitivity of the titanyl phthalocyanine crystal cannot be fully utilized.
[0006]
On the other hand, the charge transport layer that performs the charge transport function is mainly composed of the charge transport material and the binder resin as described above, and is generally formed by applying a coating solution in which these materials are dissolved or dispersed in a solvent. It is a target. As the solvent, halogen-based solvents such as dichloromethane and chloroform are mainly used because they exhibit excellent properties in solubility and coatability.
[0007]
In recent years, awareness of environmental problems has increased, and development of a photoreceptor using a non-halogen solvent having a small impact on the human body and the environment has been desired. However, when a photoreceptor is manufactured using the coating solution for a charge transport layer using a non-halogen solvent, there is a problem that the light attenuation characteristic in a low electric field is reduced and the residual potential is increased. In particular, the Bragg angle 2θ with respect to a specific crystal type (CuKα ray (wavelength 1.542 °)) exhibiting a rare high sensitivity in a wavelength range (600 to 780 nm) where a relatively stable oscillation output of an LD or LED can be obtained at present. This phenomenon is remarkable in titanyl phthalocyanine having a maximum diffraction peak at least at 27.2 ° as a diffraction peak (± 0.2 °), and this phenomenon is remarkable. It is not possible and it is a big issue.
[0008]
Various studies have also been made on a method using a non-halogen solvent, and for example, a method using a dioxolane compound as a solvent as a halogen-free organic solvent (for example, see Patent Document 1) has been proposed. Further, a method has been proposed in which a specific antioxidant or an ultraviolet absorber is added to a cyclic ether solvent such as tetrahydrofuran (see, for example,
Therefore, even when a non-halogen solvent is used for the charge transport layer coating liquid, an electrophotographic photoreceptor that exhibits good light attenuation characteristics using titanyl phthalocyanine having a specific high sensitivity as a charge generating substance, It has been desired to complete the used electrophotographic apparatus and the process cartridge for electrophotography.
[0009]
[Patent Document 1]
JP-A-10-326023 (
[Patent Document 2]
JP 2001-356506 A (
[Patent Document 3]
JP-A-4-191745 (
[Patent Document 4]
JP-A-7-302002
[Patent Document 5]
JP-A-10-186886
[Patent Document 6]
JP-A-2000-75572
[Patent Document 7]
JP 2001-305888 A
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, it is an object of the present invention to provide an electrophotographic apparatus which does not generate an abnormal image when repeatedly used at a high speed and outputs a stable and high-resolution image.
Specifically, the present invention provides an electrophotographic apparatus that controls a transfer current in a transfer unit, eliminates the above-described problem by using a photoconductor that is resistant to electrical deterioration of the photoconductor due to reverse charging, and outputs a stable and high-resolution image. Is to do. Another object of the present invention is to provide an electrophotographic apparatus which maintains the high sensitivity inherent in titanyl phthalocyanine even when a non-halogen solvent is used in the coating solution for the charge transport layer.
[0011]
[Means to solve the problem]
The present inventors have conducted a number of studies on a high-speed digital electrophotographic apparatus to output a stable and high-resolution image without generating an abnormal image when repeatedly used at a high speed. An electrophotographic photosensitive member in which an applied current applied to the body is 65 μA or more, and wherein the electrophotographic photosensitive member is formed by sequentially laminating at least a charge generation layer and a charge transport layer on a conductive support; Among them, as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle of 2θ with respect to CuKα ray (wavelength 1.542 °), it has a maximum diffraction peak at least at 27.2 °, and further 9.4 °, 9.6 °, It has a main peak at 24.0 ° and a peak at 7.3 ° as the lowest diffraction peak, and has a peak between 7.3 ° and 9.4 °. Is titanyl phthalo having no peak It has been found that the above problem can be solved by including a cyanine crystal.
Such a transfer current of 65 μA or more is larger than a general transfer current in electrophotography (see FIG. 1.37 on page 51 of FIG. 11: “Basic and Application of Electrophotographic Technology”, edited by the Society of Electrophotography, Japan). ), Particularly in high-speed digital electrophotographic apparatuses having a linear velocity of 200 mm / sec or more, particularly when used at high speed. Although the detailed reason for the effect of the present invention is unknown, our investigation results show that the maximum diffraction peak at 27.2 °, which has been known so far, is higher than that of other titanyl phthalocyanine crystals, and that the titanyl used in the present invention is higher. It is presumed to be derived from the high chemical stability of the phthalocyanine crystal.
[0012]
As for the control of the transfer current itself, constant current control is known, and is described in, for example, Patent Documents 4 to 7. In particular, in performing the constant current control, an output current from a power supply (power supply means such as a high-voltage power supply) for supplying a charge to the transfer member and a current flowing to a support for supporting the transfer belt and the like are measured, and a difference between the output current and the current is measured. Is a transfer current applied to the photoreceptor, and feedback control for controlling the difference by a monitored change in the difference is known. However, in these publications, like the fact described in the above-mentioned literature, the feedback control is applied to the photoreceptor. Current control is performed for the purpose of reducing inconvenience that occurs when the current is too large, and its upper limit is as small as at most about 50 μA. This is because, similarly to the problem described above, the application of a reverse bias during transfer causes electrostatic deterioration of the photoconductor. In this way, while effective means for controlling the process have been developed, no effective photoreceptor has been developed to take advantage of its features. At present, there remain problems such as the presence of transfer residual toner on the body and the inability to accurately transfer a toner image faithful to the electrostatic latent image on the photoreceptor. Solved.
[0013]
That is, the above object is achieved by (1) an electrophotographic apparatus including at least a charging unit, an exposing unit, a developing unit, a transferring unit, and an electrophotographic photosensitive member, which is applied to the photosensitive member from the transferring unit. A transfer current of 65 μA or more, and an electrophotographic photosensitive member in which at least a charge generation layer and a charge transport layer are sequentially laminated on a conductive support, wherein a CuKα ray ( As a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle 2θ with respect to a wavelength of 1.542 °), it has a maximum diffraction peak at least at 27.2 °, and further has a peak at 9.4 °, 9.6 °, and 24.0 °. It has a main peak, a peak at 7.3 ° as the lowest diffraction peak, and a peak between the 7.3 ° peak and the 9.4 ° peak. Contains no titanyl phthalocyanine crystals (2) "Electrophotographic apparatus according to the above (1), wherein transfer current is controlled by constant current control", (3) "Electrophotographic apparatus from power supply during transfer" A current measuring means provided in a feedback mechanism for feeding back a bypass current flowing to the transfer member without flowing to the photoreceptor to a power supply, whereby a difference between an output current from the power supply and a current measured by the current measuring means is provided. (1) The electrophotographic apparatus according to the above (1) or (2), wherein the transfer current flowing to the photoreceptor is controlled, and (4) "the titanyl phthalocyanine crystal further comprises 26.3." The electrophotographic apparatus according to any one of the above items (1) to (3), which has no peak at ゜, and (5) “the titanyl phthalocyanine crystal has an average primary particle size of 0. 0.3 μm The electrophotographic apparatus according to any one of the above items (1) to (4) ", (6) wherein the volume average particle size of the titanyl phthalocyanine crystal particles is 0.3 μm or less; Dispersion is performed until the standard deviation becomes 0.2 μm or less, and thereafter, a dispersion obtained by filtering with a filter having an effective pore size of 3 μm or less is used, and a photoreceptor coated with a charge generation layer is used (5). And (7) that the titanyl phthalocyanine has a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle 2θ of at least 7.0 to CuKα characteristic X-ray (wavelength 1.542 °). Amorphous titanyl phthalocyanine or low-crystalline titanyl phthalocyanine having a maximum diffraction peak at 7.5 ° and a primary particle whose half width of the diffraction peak is 1 ° or more and an average size of 0.1 μm or less. Is subjected to crystal transformation with an organic solvent in the presence of water, and before the average size of the primary particles after the crystal transformation grows to 0.3 μm or more, the titanyl phthalocyanine after the crystal transformation is separated from the organic solvent and filtered. (8) wherein the charge transport layer contains a polycarbonate containing at least a triarylamine structure in a main chain and / or a side chain. (9) The electrophotographic apparatus according to any one of the above items (1) to (7), and (9) the electrophotographic device having a protective layer on the charge transport layer. (8) The electrophotographic apparatus according to any one of (8) and (10), wherein the protective layer has a resistivity of 10 10 (9) The electrophotographic apparatus according to the above (9), wherein the metal oxide contains an inorganic pigment or a metal oxide of Ω · cm or more. 10 (10) The electrophotographic photosensitive member according to the above (10), wherein the metal oxide has a specific resistance of 10 or more. 10 (13) The electrophotographic photoreceptor according to the above (10), wherein the protective layer contains a polymer charge transport material. (14) The electrophotographic photoreceptor according to any one of the above items (9) to (12), (14) that the charge transport layer of the photoreceptor is formed using a non-halogen solvent. (15) The electrophotographic apparatus according to any one of (1) to (13), wherein the non-halogen solvent is at least one selected from cyclic ethers and aromatic hydrocarbons. (14) The electrophotographic apparatus according to the above (14), wherein (16) the electrophotographic photoreceptor has a conductive support surface which is anodized. According to any one of the above modes (1) to (15) (17) "(1) to (16), wherein a plurality of image forming elements comprising at least a charging unit, an exposing unit, a developing unit, a transferring unit, and an electrophotographic photosensitive member are arranged. (18) The electrophotographic apparatus according to any one of the above (1) to (17), wherein the charging means of the electrophotographic apparatus uses a contact charging method. (19) The electronic device according to any one of (1) to (17), wherein a non-contact proximity arrangement method is used for a charging unit of the electrophotographic device. (20) “Electrophotographic apparatus according to (19), wherein the gap between the charging member used for the charging unit and the photoconductor is 200 μm or less”, (21) “ AC charging voltage is applied to the charging means of the electrophotographic device. (20) The electrophotographic apparatus according to any one of the above (18) to (20), wherein the photosensitive member and at least a charging unit, an exposing unit, a developing unit, and a cleaning unit are selected. An electrophotographic apparatus according to any one of the above items (1) to (21), further comprising a device main body integrated with one means to be mounted and a detachable cartridge. You.
[0014]
First, the electrophotographic apparatus of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a schematic diagram for explaining an electrophotographic process and an electrophotographic apparatus of the present invention, and the following modified examples also belong to the category of the present invention.
In FIG. 1, a photoreceptor (1) is provided with at least a photosensitive layer including a charge generation layer and a charge transport layer on a conductive support, and the charge generation layer has a Bragg angle with respect to CuKα radiation (wavelength 1.542 °). As a 2θ diffraction peak (± 0.2 °), it has a maximum diffraction peak at least at 27.2 °, and further has major peaks at 9.4 °, 9.6 °, 24.0 °, and It contains a titanyl phthalocyanine crystal having a peak at 7.3 ° as a diffraction peak on the lowest angle side and having no peak between the peak at 7.3 ° and the peak at 9.4 °. Become. The photoconductor (1) has a drum shape, but may have a sheet shape or an endless belt shape.
Known means such as a corotron, a scorotron, and a solid state charger (solid state charger) can be used for the charging roller (3).
Although a transfer charger and a transfer roller can be used as the transfer belt (10), it is preferable to use a contact type such as a transfer belt or a transfer roller that generates a small amount of ozone. As the voltage / current application method at the time of transfer, any of a constant voltage method and a constant current method can be used. However, the transfer charge amount can be kept constant, and a constant voltage excellent in stability can be obtained. The current method is more desirable.
[0015]
Also, among the charging methods, at least a charging member (noted as a charging roller (3) in FIG. 1) used for main charging of the photoreceptor has a contact charging method or a non-contact proximity arrangement method. Is desirable. The charging member of the contact charging type or the non-contact proximity arrangement type has advantages such as high charging efficiency, small ozone generation amount, and downsizing of the device.
Here, the contact-type charging member is of a type in which the surface of the charging member comes into contact with the surface of the photoreceptor, and includes a charging roller, a charging blade, and a charging brush. Among them, a charging roller and a charging brush are preferably used.
[0016]
In addition, the charging member disposed close to the charging member is a type in which the charging member is disposed in a non-contact state so as to have a gap (gap) of 200 μm or less between the surface of the photoconductor and the surface of the charging member. If this gap is too large, charging tends to be unstable, and if it is too small, the surface of the charging member may be contaminated if toner remaining on the photoreceptor exists. . Therefore, the gap is suitably in the range of 10 to 200 μm, preferably 10 to 100 μm. From the distance of the air gap, it is distinguished from a known charging wire type charger such as a corotron and a scorotron, and a contact charging member such as a contact type charging roller, a charging brush, and a charging blade.
[0017]
Since the surface of such a charging member is placed in a state of non-contact with the surface of the photoreceptor, there is little toner contamination on the surface of the charging member, little wear on the surface of the charging member, and physical properties of the surface of the charging member. In this case, the charging member has an advantage that it has little static / chemical deterioration, and a high durability of the charging member itself can be realized. When the above-mentioned problems occur due to the use of the contact charging member and the durability of the charging member is reduced, the charging ability is reduced or the charging becomes non-uniform in repeated use in the electrophotographic apparatus. Or In order to avoid this charging failure, measures such as increasing the voltage applied to the charging member in accordance with the reduction of the charging ability are taken in repeated use. In that case, the hazard due to the charging of the photoconductor increases, and as a result, the durability of the photoconductor is reduced, and an abnormal image is generated. Further, as the voltage applied to the charging member increases, the durability of the charging member itself also decreases. However, by using a non-contact charging member, the charging capability of the charging member is stabilized due to the high durability of the charging member, thereby improving the durability and stability of the charging member, the photoreceptor, and eventually the entire system. Will be.
[0018]
The nearby charging member used in the present invention may have any shape as long as it has a mechanism capable of appropriately controlling the gap with the photoconductor surface. For example, the rotation axis of the photoreceptor and the rotation axis of the charging member may be mechanically fixed so as to have an appropriate gap. Among them, using a charging member in the shape of a charging roller, disposing gap forming members at both ends of the non-image forming portion of the charging member, bringing only this portion into contact with the surface of the photoconductor, and disposing the image forming region in a non-contact manner, Alternatively, a method in which a gap forming member at both ends of the photoreceptor non-image forming portion is arranged, and only this portion is brought into contact with the surface of the charging member, and the image forming region is arranged in a non-contact manner, stably stabilizes the gap by a simple method. It is a method that can be maintained. In particular, the methods described in JP-A-2002-148904 and JP-A-2002-148905 can be used favorably. FIG. 2 shows an example of a proximity charging mechanism in which a gap forming member is arranged on the charging member side. By using the above method, the charging efficiency is high, the amount of generated ozone is small, the size of the device can be reduced, and further, there is an advantage that contamination by toner or the like does not occur and mechanical abrasion due to contact does not occur. Used well because
[0019]
Further, as the application method, the use of AC superposition has advantages such as less occurrence of uneven charging, and can be used favorably. In particular, in a tandem-type full-color image forming apparatus to be described later, in addition to the problem of density unevenness of a halftone image due to uneven charging caused in the case of a monochrome image forming apparatus, there is a major problem of deterioration in color balance (color reproducibility). Connect. By superimposing the AC component on the DC component, the above problem is greatly improved. However, if the conditions of the AC component (frequency and peak-to-peak voltage) are too large, the hazard to the photoconductor becomes large. In some cases, the deterioration of the photoconductor is accelerated. For this reason, the superposition of the AC component should be kept to the minimum necessary.
[0020]
The frequency of the AC component varies depending on the linear speed of the photoreceptor or the like, but 3 kHz or less, preferably 2 kHz or less is appropriate. Regarding the peak-to-peak voltage, when plotting the relationship between the voltage applied to the charging member and the charging potential to the photoconductor, there is a region where the photoconductor is not charged even though the voltage is applied, and charging rises from a certain point. A potential is observed. Approximately twice the rising potential is an optimal potential (usually about 1200 to 1500 V) as a peak-to-peak voltage. However, when the charging ability of the photoreceptor is low or the linear velocity is very high, the peak-to-peak voltage twice as high as the rising potential as described above may be insufficient. Conversely, when the chargeability is good, even if the chargeability is twice or less, the potential stability may be sufficiently exhibited. Therefore, the peak-to-peak voltage is preferably three times or less, and more preferably twice or less, the rising potential. If the peak-to-peak voltage is rewritten as an absolute value, it is desirable that the voltage be used at 3 kV or less, preferably 2 kV or less, more preferably 1.5 kV or less.
[0021]
The image exposure section (5) uses a light source such as a light emitting diode (LED), a semiconductor laser (LD), and electroluminescence (EL) that can ensure high luminance. Among these light sources, light-emitting diodes and semiconductor lasers have high irradiation energy and have long wavelength light of 600 to 800 nm, so that the specific crystal type phthalocyanine pigment which is a charge generation material used in the present invention has high sensitivity. It is used well because it shows.
[0022]
The developing unit (6) can support both normal development and reversal development depending on the charging polarity of the toner used. When a toner having a polarity opposite to the charging polarity of the photoconductor is used, normal development is used. When a toner having the same polarity is used, an electrostatic latent image is developed by reversal development. Although it depends on the light source used in the above image exposure section, in the case of a digital light source used in recent years, the reversal development method of performing toner development on a writing portion generally corresponds to a low image area ratio. It is advantageous to consider the life of the light source and the like. There are two methods, a one-component method in which development is performed using only toner and a two-component method using a two-component developer composed of a toner and a carrier. In either case, the method can be used favorably.
[0023]
Further, the toner image formed on the photoconductor is transferred to a transfer sheet to form an image on the transfer sheet. At this time, there are two methods. One is a method of directly transferring a toner image developed on the surface of a photoreceptor as shown in FIG. 1 to a transfer paper, and the other is a method in which a toner image is temporarily transferred from a photoreceptor to an intermediate transfer body and is then transferred to a transfer paper. This is a method of transferring to Either case can be used in the present invention.
FIG. 1 shows a transfer belt (10) as a transfer member, but a transfer charger and a transfer roller can also be used. In particular, it is desirable to use a contact type such as a transfer belt or a transfer roller that generates a small amount of ozone. As such a transfer member, a known member can be used as long as the structure of the present invention can be satisfied.
[0024]
As the voltage / current application method at the time of transfer, any of a constant voltage method and a constant current method can be used. However, the transfer charge amount can be kept constant, and a constant voltage excellent in stability can be obtained. The current method is more desirable. In particular, by subtracting a current that flows from a power supply member (high-voltage power supply) that supplies electric charges to the transfer member to a portion related to the transfer member and does not flow into the photoconductor, the current to the photoconductor is reduced. A method of controlling the value is preferred. Specifically, in order to determine the current flowing through the rollers holding the transfer belt, the related members such as the rollers are not directly dropped to the ground, but the current flowing through the related members is returned to the high voltage power supply. It is desirable to obtain a difference from the output of the above and to perform constant current control using a high-voltage power supply having a feedback function such that the difference becomes a constant value. FIG. 12 shows an example of a circuit configuration diagram which can take such a form.
[0025]
The transfer unit of the example shown in FIG. 12 includes a transfer conveyance belt (101), a driving roller (102) and a driven roller (103) around which the transfer conveyance belt (101) is stretched, and a transfer conveyance belt (101). It has a bias roller (104) in contact with the back surface, and a cleaning device (not shown). The drive roller (102) is connected to the main motor via a gear, and the transfer conveyance belt ( 101), the transfer conveyance belt (101) is brought into contact with the photosensitive drum (100) by the belt contact / separation mechanism. Further, the transfer conveyance belt (101) is separated from the photosensitive drum (100) by turning off the main motor by a belt contact / separation mechanism.
[0026]
Further, when the transfer paper is sent from the registration roller to the transfer unit of this example, the bias roller (104) applies a transfer bias having a polarity opposite to the charge polarity of the toner to the bias roller (104) from the high voltage power supply (105). The transfer paper is applied to the nip (transfer nip) between the transfer conveyor belt (101) and the photosensitive drum (100) from the high voltage power supply (105) via the bias roller (104) and the transfer conveyor belt (101). An electric charge having a polarity opposite to the charged polarity of the toner is supplied, and the toner image on the photosensitive drum (100) is transferred.
[0027]
When a transfer bias is applied from a high-voltage power supply (105) via a bias roller (104), the transfer conveyance belt (101) electrostatically attracts the transfer paper and conveys the transfer paper as it rotates. After the transfer of the toner image, the toner image is electrostatically separated from the photosensitive drum (100). The transfer paper that has not been separated from the photoconductor drum (100) is separated from the photoconductor drum (100) by a separation claw (not shown) and is conveyed by the transfer conveyance belt (101).
The resistance range of the transfer conveyance belt (101) in this example is 1 × 10 6 ~ 1 × 10 12 .OMEGA ./. Quadrature., And a constant good toner image transfer can always be performed irrespective of the resistance fluctuation of the transfer conveyance belt (101), the environmental fluctuation and the thickness of the transfer paper. The bias roller (104) is in contact with the transfer conveyance belt (101) downstream of the transfer nip in the rotation direction of the transfer conveyance belt (101), and rotates with the transfer conveyance belt (101) when the main motor rotates. I do.
[0028]
The feedback electrode in this example is not a metal plate or the like, but the driving roller (102) and the driven roller (103) also serve as the driving roller (102) and the driven roller (103). The sliding resistance to the belt (101) can be reduced as much as possible, and the driving roller (102) and the driven roller (103) can reliably function as a feedback electrode. In addition, since the drive roller (102) and the driven roller (103) also serve as feedback electrodes, the apparatus can be simplified and the cost can be reduced. The driving roller (102) and the driven roller (103) are connected to a low voltage side (earth side) terminal of the high voltage power supply (105). The low-voltage side terminal of the high-voltage power supply (105) is grounded via the current detection resistor (106), and the photosensitive drum (100) is grounded via the machine body. The current detection resistor (106) is used as current detection means for detecting a transfer current that contributes to the transfer of the toner image.
[0029]
FIG. 12B shows an equivalent circuit of the transfer unit. In the figure, R 11 Is a resistance value between the bias roller (104) and the transfer nip portion of the transfer conveyance belt (101); 12 Is a resistance value between the transfer nip portion and the driven roller (103) in the transfer conveyance belt (101); 2 Is a resistance value between the bias roller (104) and the driving roller (102) in the transfer conveyance belt (101); D Is the resistance value of the photosensitive drum (100), R P Is the resistance value of the transfer paper, R W Denotes a resistance value of the current detection resistor (106), and a resistance value R between the bias roller (104) and the driven roller (103) in the transfer conveyance belt (101). 1 Is R 1 = R 11 + R 12 It becomes.
[0030]
Also, i 1 Is the current flowing from the high voltage power supply (105) through the bias roller (104), the transfer / transport belt (101), and the drive roller (102) 2 Is a current flowing from the high voltage power supply (105) through the bias roller (104), the transfer / transport belt (101), and the driven roller (103); 3 Is a current flowing from the high-voltage power supply (105) via the bias roller (104), the transfer / transport belt (101), the transfer paper, and the photosensitive drum (100).
[0031]
In the configuration of this example, the high-voltage power supply (105) is turned on at the timing when the transfer paper sent from the registration roller is conveyed by the transfer conveyance belt (101), and applies a transfer bias to the bias roller (104). At this time, the transfer bias current output from the high-voltage power supply (105) to the bias roller (104) flows through the transfer conveyance belt (101), the transfer paper, and the photosensitive drum (100), and a part thereof is transferred and transferred. It flows via a belt (101), a driving roller (102), and a driven roller (103).
[0032]
Current i flowing from the bias roller (104) to the photosensitive drum (100) via the transfer / conveyance belt (101) 3 Is a transfer current that contributes to the transfer of the toner image and flows to ground through the machine main body. 3 Returns to the high voltage power supply (105) through the current detection resistor (106). Further, a feedback current i flowing from the bias roller (104) through the transfer roller (101) through the driving roller (102) and the driven roller (103). 1 , I 2 Returns to the high-voltage power supply (105) without passing through the current detection resistor (106), the potential difference between both ends of the current detection resistor (106) and the resistance value R of the current detection resistor (106). W The transfer current flowing through the current detection resistor (106) can be found from FIG.
[0033]
In this embodiment, the high-voltage power supply (105) includes a transfer bias power supply that outputs a transfer bias current to the bias roller (104), and a transfer current (from the bias roller (104)) that flows from the transfer bias power supply to the current detection resistor (106). The constant current control unit controls the current (flowing current) and the feedback current flowing into the feedback electrodes (102) and (103) (a difference between the feedback currents flowing into the feedback electrodes (102) and (103)) to be a fixed set transfer current. The constant current control unit controls the output current of the transfer bias power supply with a PWM pulse, and determines the duty ratio of the PWM pulse (or the gain of the output current of the transfer bias power supply) in accordance with the voltage of the current detection resistor (106). The transfer bias current is controlled to a constant value by updating at a frequency of. For this reason, in the transfer nip portion, the transfer electric field generated by the toner layer surface potential on the photosensitive drum (100) and the surface potential on the transfer paper can be kept constant, and the resistance of the transfer conveyance belt (101) can be changed. A good toner image can be always transferred irrespective of environmental fluctuations and the thickness of the transfer paper, and a good copied image can be obtained.
[0034]
Further, in this example, the constant current control unit of the high voltage power supply (105) controls the output current of the transfer bias power supply by using a PWM pulse to change the duty ratio of the PWM pulse (or the gain of the output current of the transfer bias power supply). The frequency is updated at a predetermined frequency in accordance with the voltage of the detection resistor (106). The updated frequency (period) is 0.5 cycles / mm or less, which is equal to or higher than the lower limit of the permissible level in human visual characteristics, or 1. 5 cycles / mm or more, or every one dot line or less (less than the time for writing one dot line image) of image writing by laser light in the writing unit. For this reason, it is possible to prevent the occurrence of banding that appears on the copy image in the transfer current update cycle.
[0035]
Further, as shown, the current actually contributing to the transfer of the toner image is a transfer current i. 3 And i 1 , I 2 Is a feedback current that does not contribute to the transfer of the toner image. In this example, the transfer current i 3 Is controlled by the constant current control unit of the high voltage power supply (105), the transfer bias voltage applied from the high voltage power supply (105) to the bias roller (104) is equal to the transfer current i. 3 Of the system through which 11 , R D , R P , R W ) And transfer current i 3 Depends on Therefore, if R 11 Is R 2 Is larger than i, i does not contribute to the transfer of the toner image. 1 And the capacity of the transfer bias power supply must be increased, which is not a very efficient system. Therefore, in this example, the distance from the bias roller (104) to the driven roller (103) is L 1 , The distance from the bias roller (104) to the drive roller (102) is L 2 Then R 1 And R 2 Is R 1 <R 2 L so that 1 <L 2 It is designed to. Therefore, the capacity of the transfer bias power supply can be reduced.
[0036]
The transfer current is a current based on the amount of charge required to peel off the toner electrostatically attached to the photosensitive member and transfer the toner to a transfer target (transfer paper or an intermediate transfer member). In order to avoid transfer defects such as residual transfer, it is sufficient to increase the transfer current.However, when negative / positive development is used, it is necessary to apply a charge of the opposite polarity to the charge polarity of the photoconductor. As a result, the electrostatic fatigue of the photoconductor becomes remarkable. Therefore, in the electrophotographic apparatus up to this point, the deterioration of the electrostatic fatigue characteristic due to the application of the reverse charging of the photoconductor is rate-limiting, and it is difficult to increase the transfer current. The present inventors have found that this problem can be solved by using a photoreceptor using a titanyl phthalocyanine crystal having a specific crystal form.
The larger the transfer current is, the more advantageous it is to apply a charge amount exceeding the electrostatic adhesion force between the photoconductor and the toner. However, when the transfer current exceeds a certain threshold, a discharge phenomenon occurs between the transfer member and the photoconductor, and the transfer current becomes fine. The result is a scattering of the developed toner image. For this reason, the upper limit is a range in which this discharge phenomenon does not occur. This threshold value varies depending on the gap (distance) between the transfer member and the photoconductor, the material constituting the both, and the like. However, by using about 200 μA or less, the discharge phenomenon can be avoided. Therefore, the upper limit of the transfer current is about 200 μA.
[0037]
For the light source such as the static elimination lamp (2), use all luminescent materials such as a fluorescent lamp, a tungsten lamp, a halogen lamp, a mercury lamp, a sodium lamp, a light emitting diode (LED), a semiconductor laser (LD), and electroluminescence (EL). Can be. To irradiate only light in a desired wavelength range, various filters such as a sharp cut filter, a band pass filter, a near infrared cut filter, a dichroic filter, an interference filter, and a color temperature conversion filter can be used.
[0038]
Such a light source or the like irradiates the photoreceptor with light by providing a transfer step, a charge removal step, a cleaning step, or a pre-exposure step using light irradiation in addition to the step shown in FIG.
In the case where the AC component is superimposed and used in the previous charging system, or when the residual potential of the photoconductor is small, the charge removing mechanism can be omitted. In addition, instead of an optical charge elimination, an electrostatic charge elimination mechanism (for example, a charge elimination brush to which a reverse bias is applied or grounded) can be used.
[0039]
Further, the toner developed on the photoconductor (1) by the developing unit (6) is transferred to the transfer paper (7). However, when toner remaining on the photoconductor (1) is generated, the fur brush ( 14) and the blade (15) remove it from the photoreceptor. Cleaning may be performed only with a cleaning brush, and a known brush such as a fur brush or a mag fur brush is used as the cleaning brush.
[0040]
The image forming means as described above may be fixedly incorporated in a copying apparatus, a facsimile, or a printer, or may be incorporated in the apparatus in the form of a process cartridge. The process cartridge is one device (part) that includes a photoconductor and further includes a charging unit, an exposure unit, a developing unit, a transfer unit, a cleaning unit, a charge removing unit, and the like. Although there are many shapes and the like of the process cartridge, a general example is shown in FIG. The photoreceptor (1) has a photosensitive layer including at least a charge generation layer and a charge transport layer provided on a conductive support. The charge generation layer has a diffraction peak at a Bragg angle of 2θ with respect to CuKα radiation (wavelength: 1.542 °). (± 0.2 °), has a maximum diffraction peak at least at 27.2 °, further has major peaks at 9.4 °, 9.6 °, and 24.0 °, and has the lowest angle side. Contains a titanyl phthalocyanine crystal having a peak at 7.3 ° as a diffraction peak and having no peak between the peak at 7.3 ° and the peak at 9.4 °. When this process cartridge is used in an image forming apparatus, the transfer current applied to the photoconductor from the transfer unit is 65 μA or more.
[0041]
Here, the transfer current is defined. The transfer current can be defined as a current flowing from the charging member to the photoconductor. Further, when a toner image is directly transferred to a transfer material (such as paper), it can be defined as a current flowing through the photoconductor in a state where the transfer material is at the full width of the transfer member. In the case of a system in which primary transfer is performed using an intermediate transfer member or the like, and further secondary transfer is performed on a transfer material, the current is defined as a current flowing from the intermediate transfer member to the photosensitive member.
There are several methods for this measurement, but two methods are described as examples.
One is to measure the current actually flowing to the photoconductor, and to measure the current flowing from the photoconductor to the ground. However, during the operation of the electrophotographic apparatus, the current from charging is also included, so when directly measuring the current from the photoconductor to the ground, it is necessary to perform only the operation of the transfer member and perform the measurement. There is.
Another is an indirect measurement method. The current output from the high-voltage power supply used in the transfer unit is measured, the current flowing to a transfer member other than the photoconductor (for example, a drive roller of a transfer belt) is measured, and the difference between the two is obtained and the photoconductor is transferred to the photoconductor. Is obtained indirectly. In this measurement method, a high-voltage power supply having a feedback function is used, and the rollers and the like are not grounded to the ground, but are returned to the high-voltage power supply so that the difference between the output current and the return current can be detected. It is convenient to use a simple one.
[0042]
FIG. 4 is a schematic diagram for explaining a tandem-type full-color electrophotographic apparatus of the present invention, and the following modified examples also belong to the category of the present invention.
In FIG. 4, reference numerals (1C), (1M), (1Y), and (1K) denote drum-shaped photoconductors, and photoconductor (1) has at least a charge generation layer and a charge transport layer on a conductive support. And the charge generation layer has a maximum diffraction peak at least at 27.2 ° as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle of 2θ with respect to CuKα radiation (wavelength 1.542 °). 9.4 °, 9.6 °, and 24.0 °, and a peak at 7.3 ° as a diffraction peak on the lowest angle side, and 7.3 °. And a peak of 9.4 ° contain a titanyl phthalocyanine crystal having no peak. The photoconductors (1C), (1M), (1Y), and (1K) rotate in the direction of the arrow in the drawing, and around them, the charging members (2C), (2M), (2Y), (2K) ), Developing members (4C), (4M), (4Y), (4K), and cleaning members (5C), (5M), (5Y), (5K). The charging members (2C), (2M), (2Y), and (2K) are charging members constituting a charging device for uniformly charging the surface of the photoconductor. From an exposure member (not shown) from the photoconductor back side between the charging members (2C), (2M), (2Y), (2K) and the developing members (4C), (4M), (4Y), (4K). Are irradiated with laser beams (3C), (3M), (3Y), and (3K) to form electrostatic latent images on the photoconductors (1C), (1M), (1Y), and (1K). Has become. Then, four image forming elements (6C), (6M), (6Y), and (6K) centered on such photoconductors (1C), (1M), (1Y), and (1K) are transferred to a transfer material. They are juxtaposed along a transfer conveyance belt (10) as a conveyance means. The transfer conveying belt (10) includes the developing members (4C), (4M), (4Y), (4K) and the cleaning member (5C) of each image forming unit (6C), (6M), (6Y), (6K). , (5M), (5Y), and (5K) are in contact with the photoconductors (1C), (1M), (1Y), and (1K), and hit the photoconductor side of the transfer / transport belt (10). Transfer brushes (11C), (11M), (11Y), and (11K) for applying a transfer bias are arranged on the surface (back surface). Each of the image forming elements (6C), (6M), (6Y), and (6K) has a different color of the toner inside the developing device, and all the other components have the same configuration.
[0043]
In the color electrophotographic apparatus having the configuration shown in FIG. 4, the image forming operation is performed as follows. First, in each of the image forming elements (6C), (6M), (6Y), and (6K), the photoconductors (1C), (1M), (1Y), and (1K) move in the direction of the arrow (the direction along which the photoconductor is rotated). ), Which is charged by the charging members (2C), (2M), (2Y), and (2K), and then exposed to laser beams (3C), (3M) at an exposure section (not shown) arranged inside the photoconductor. ), (3Y), and (3K), an electrostatic latent image corresponding to each color image to be created is formed. Next, the latent images are developed by the developing members (4C), (4M), (4Y), and (4K) to form toner images. Developing members (4C), (4M), (4Y), and (4K) are developing members for developing with C (cyan), M (magenta), Y (yellow), and K (black) toners, respectively. The toner images of the respective colors formed on the photoconductors (1C), (1M), (1Y), and (1K) are superimposed on transfer paper. The transfer paper (7) is sent out of the tray by a paper feed roller (8), temporarily stopped by a pair of registration rollers (9), and is transferred to a transfer conveyance belt (10) at the same time as the image formation on the photoconductor. Sent. The transfer paper (7) held on the transfer / conveyance belt (10) is conveyed, and each color is transferred at a contact position (transfer portion) with each of the photoconductors (1C), (1M), (1Y), and (1K). The transfer of the toner image is performed. The toner image on the photoreceptor is formed by the transfer bias applied to the transfer brushes (11C), (11M), (11Y), (11K) and the photoreceptors (1C), (1M), (1Y), (1K). Is transferred onto the transfer paper (7) by the electric field formed from the potential difference of Then, the recording paper (7) on which the four color toner images are superposed through the four transfer units is conveyed to a fixing device (12), where the toner is fixed, and is discharged to a discharge unit (not shown). Further, residual toner remaining on each of the photoconductors (1C), (1M), (1Y), and (1K) without being transferred by the transfer unit is removed by cleaning devices (5C), (5M), (5Y), and (5Y). 5K). In the example of FIG. 5, the image forming elements are arranged in the order of C (cyan), M (magenta), Y (yellow), and K (black) from the upstream side to the downstream side in the transfer paper transport direction. However, the order is not limited to this order, and the color order is arbitrarily set. When a black-only document is created, providing a mechanism for stopping the image forming elements other than black ((6C), (6M), (6Y)) can be particularly effectively used in the present invention. . Further, in FIG. 4, the charging member is in contact with the photoreceptor, but by using a charging mechanism as shown in FIG. 2, an appropriate gap (about 10-200 μm) is provided between the two. In addition, the amount of abrasion of both can be reduced, and toner filming on the charging member is small, so that it can be used favorably.
[0044]
The image forming means as described above may be fixedly incorporated in a copying machine, a facsimile, or a printer, but each electrophotographic element may be incorporated in the apparatus in the form of a process cartridge. The process cartridge is one device (part) that includes a photoconductor and further includes a charging unit, an exposure unit, a developing unit, a transfer unit, a cleaning unit, a charge removing unit, and the like.
[0045]
Hereinafter, the electrophotographic photosensitive member used in the present invention will be described in detail.
The electrophotographic photoreceptor of the present invention is an electrophotographic photoreceptor having at least a charge generation layer and a charge transport layer formed on a conductive support, wherein the charge generation layer contains CuKα radiation (wavelength 1.542 °). Has a maximum diffraction peak at least at 27.2 ° and a major peak at 9.4 °, 9.6 ° and 24.0 ° as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle of 2θ. And a titanyl phthalocyanine crystal having a peak at 7.3 ° as a diffraction peak on the lowest angle side and having no peak between the peak at 7.3 ° and the peak at 9.4 °. It contains.
This crystal form is described in JP-A-2001-19871, but by using this titanyl phthalocyanine crystal, a stable charge that does not cause a decrease in chargeability even when repeatedly used without losing high sensitivity. An electrophotographic photosensitive member can be obtained.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-19871 discloses a charge generating substance used in the present invention, a photoreceptor using the same, and an electrophotographic apparatus. However, in a situation where the resolution is used at a resolution of 600 dpi or more or 1200 dpi or more, unless the transfer current is optimized (increased than usual), the above-described resolution degradation due to the transfer failure is caused. Was. Such a phenomenon is remarkably exhibited when used in an image forming apparatus that is faster than the image forming apparatus described in the publication. As described above, in the past processes (apparatuses), not only the ability of the materials described in the publication is not fully exploited, but also adverse effects are produced unless the process conditions are optimized.
[0046]
As a method for synthesizing a titanyl phthalocyanine crystal, a method not using a titanium halide as a raw material is preferably used, as described in JP-A-6-29369. The greatest advantage of this method is that the synthesized titanyl phthalocyanine crystal is halogen-free. When a titanyl phthalocyanine crystal contains a halogenated titanyl phthalocyanine crystal as an impurity, the electrostatic characteristics of a photoreceptor using the same often have adverse effects such as a decrease in photosensitivity and a decrease in chargeability. Shu p.103 1989). The present invention is also directed mainly to halogenated free titanyl phthalocyanine crystals as described in JP-A-2001-19871, and these materials are effectively used.
[0047]
First, a method for synthesizing a titanyl phthalocyanine crystal having a specific crystal type used in the present invention will be described.
First, a method for synthesizing a crude product of titanyl phthalocyanine crystal will be described.
Methods for synthesizing phthalocyanines have been known for a long time, and are described in Moser et al., "Phthalocyanine Compounds" (1963), "The Phthalocyanines" (1983), and JP-A-6-29369.
[0048]
For example, as a first method, there is a method in which a mixture of phthalic anhydride, a metal or a metal halide and urea is heated in the presence or absence of a high boiling point solvent. In this case, a catalyst such as ammonium molybdate is used as needed. A second method is a method in which phthalonitriles and a metal halide are heated in the presence or absence of a high boiling point solvent. This method is used for phthalocyanines that cannot be produced by the first method, for example, aluminum phthalocyanines, indium phthalocyanines, oxovanadium phthalocyanines, oxotitanium phthalocyanines, zirconium phthalocyanines, and the like. A third method is to first react ammonia with phthalic anhydride or phthalonitriles to produce an intermediate such as 1,3-diiminoisoindoline, and then react with a metal halide in a high boiling solvent. It is a way to make it. The fourth method is a method in which a phthalonitrile is reacted with a metal alkoxide in the presence of urea or the like. In particular, the fourth method does not cause chlorination (halogenation) to a benzene ring, and is a very useful method for synthesizing an electrophotographic material.
[0049]
Next, a method for synthesizing amorphous titanyl phthalocyanine (low crystalline titanyl phthalocyanine) will be described. In this method, a phthalocyanine is dissolved in sulfuric acid, then diluted with water and reprecipitated, and a method called an acid paste method or an acid slurry method can be used.
As a specific method, the above synthesized crude product is dissolved in 10 to 50 times the volume of concentrated sulfuric acid, and if necessary, insolubles are removed by filtration or the like, and this is sufficiently cooled to 10 to 50 times the volume of sulfuric acid. Slowly put into water or ice water to reprecipitate titanyl phthalocyanine. After filtration of the precipitated titanyl phthalocyanine, washing and filtration are performed with ion-exchanged water, and this operation is sufficiently repeated until the filtrate becomes neutral. Finally, after washing with clean ion-exchanged water, filtration is performed to obtain a water paste having a solid concentration of about 5 to 15% by weight. The product thus prepared is amorphous titanyl phthalocyanine (low crystalline titanyl phthalocyanine) used in the present invention. At this time, this amorphous titanyl phthalocyanine (low-crystalline titanyl phthalocyanine) has a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle 2θ of at least 7.0 to 7 with respect to the characteristic X-ray of CuKα (wavelength 1.542 °). It preferably has a maximum diffraction peak at 0.5 °. In particular, the half width of the diffraction peak is more preferably 1 ° or more. Further, the average particle size of the primary particles is preferably 0.1 μm or less.
[0050]
Next, a crystal conversion method will be described.
The crystal transformation is performed by converting the amorphous titanyl phthalocyanine (low-crystalline titanyl phthalocyanine) into a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle 2θ of at least 27.2 ° with respect to the characteristic X-ray of CuKα (wavelength 1.542 °). Has a maximum diffraction peak at 9.4 °, 9.6 °, and 24.0 °, and has a peak at 7.3 ° as a diffraction peak on the lowest angle side, In addition, this is a step of converting into a titanyl phthalocyanine crystal having no peak between the peak at 7.3 ° and the peak at 9.4 ° and having no peak at 26.3 °.
As a specific method, the amorphous form of titanyl phthalocyanine (low-crystalline titanyl phthalocyanine) is not dried, but is mixed and stirred with an organic solvent in the presence of water to obtain the crystal form. .
[0051]
At this time, as the organic solvent used, any organic solvent can be used as long as a desired crystal form can be obtained, and in particular, tetrahydrofuran, toluene, methylene chloride, carbon disulfide, orthodichlorobenzene, 1,1,1 Good results are obtained when one selected from 2-trichloroethane is selected. These organic solvents are preferably used alone, but it is also possible to use a mixture of two or more of these organic solvents or a mixture with another solvent.
The above crystal conversion method is a crystal conversion method according to JP-A-2001-19871. The effect of the charge generating substance contained in the photoreceptor used in the electrophotographic apparatus of the present invention becomes more remarkable by reducing the particle size of the titanyl phthalocyanine crystal.
[0052]
In order to make the particle size of the titanyl phthalocyanine crystal finer, the present inventors have observed that the above-mentioned amorphous titanyl phthalocyanine (low-crystalline titanyl phthalocyanine) has a primary particle size of 0.1 μm or less (the Most are about 0.01 to 0.05 μm) (see FIG. 17), but it was found that the crystal was converted along with the crystal growth during the crystal conversion. Usually, in this type of crystal conversion, a sufficient crystal conversion time is secured due to fear of remaining raw materials, and after the crystal conversion is performed sufficiently, filtration is performed, and titanyl phthalocyanine crystal having a desired crystal form is obtained. Is what you get. For this reason, despite the fact that a raw material having sufficiently small primary particles is used as the raw material, a crystal having a large primary particle (generally 0.3 to 0.5 μm) is obtained as a crystal after the crystal conversion. (See FIG. 18).
[0053]
In dispersing the titanyl phthalocyanine crystal thus produced, in order to make the particle size after dispersion small (approximately 0.2 μm or less), dispersion is performed by giving a strong shear, and further, if necessary. Dispersion is performed by giving strong energy to crush primary particles. As a result, as described above, some of the particles are transformed into a crystal form other than the desired crystal form.
[0054]
On the other hand, in the present invention, the range in which crystal growth hardly occurs during the crystal conversion (the size of the amorphous titanyl phthalocyanine particles observed in FIG. In this case, a titanyl phthalocyanine crystal having a primary particle size as small as possible is obtained by determining the point in time when the crystal conversion is completed. The particle size after the crystal conversion increases in proportion to the crystal conversion time. Therefore, as described above, it is important to increase the efficiency of crystal conversion and complete the conversion in a short time. There are several important points for this.
[0055]
One is to select an appropriate crystal conversion solvent as described above to increase the crystal conversion efficiency. The other is to use strong stirring to sufficiently contact the solvent and the aqueous paste of titanyl phthalocyanine (the raw material prepared as described above) in order to complete the crystal transformation in a short time. More specifically, a method of using a propeller having a very strong stirring power, or using an intense stirring (dispersion) means such as a homogenizer (homomixer) to realize crystal conversion in a short time. is there. Under these conditions, it is possible to obtain a titanyl phthalocyanine crystal in which the crystal conversion is sufficiently performed and no crystal growth occurs without leaving any raw material.
[0056]
Further, as described above, since the crystal grain size and the crystal conversion time are in a proportional relationship, a method of immediately stopping the reaction when a predetermined reaction (crystal conversion) is completed is also an effective means. As described above, a large amount of a solvent that is unlikely to undergo crystal conversion immediately after the crystal conversion as described above is added. Examples of the solvent that does not easily undergo crystal transformation include alcohol-based and ester-based solvents. Crystal conversion can be stopped by adding these solvents about 10 times to the crystal conversion solvent.
[0057]
The smaller the primary particle size produced in this way is, the better the result for the problem of the photoreceptor is. However, the next step (pigment filtration step) related to pigment production, the dispersion in the dispersion liquid, Considering stability, side effects may occur even if they are too small. That is, when the primary particles are very fine, there is a problem that the filtration time is very long in the step of filtering the primary particles. On the other hand, if the primary particles are too fine, the surface area of the pigment particles in the dispersion becomes large, and the possibility of reaggregation of the particles increases. Therefore, a suitable pigment particle size is in the range of about 0.05 μm to about 0.2 μm.
[0058]
FIG. 19 shows a TEM image of the titanyl phthalocyanine crystal when the crystal conversion is performed in a short time. Unlike the case of FIG. 18, the particle size is small and almost uniform, and no coarse particles as observed in FIG. 18 are observed at all.
[0059]
In dispersing the titanyl phthalocyanine crystal thus produced, a strong share is required in order to reduce the particle size after dispersion (less than 0.3 μm, preferably 0.25 μm or less, more preferably 0.2 μm or less). To disperse, and if necessary, a strong energy for pulverizing the primary particles is applied to perform dispersion. As a result, as described above, a result that a part of the particles easily transitions to a crystal form other than a desired crystal form is produced.
The particle size as referred to herein is a volume average particle size, which is determined by an ultracentrifugal automatic particle size distribution analyzer: CAPA-700 (manufactured by Horiba, Ltd.). In this case, the particle diameter was calculated as a particle diameter (Median type) corresponding to 50% of the cumulative distribution. However, since this method may not be able to detect minute amounts of coarse particles, it is important to determine the size by observing the titanyl phthalocyanine crystal powder or dispersion directly with an electron microscope to determine the size in more detail. It is.
[0060]
The above phenomenon was understood as follows as a result of examining the minute defects by further observation of the dispersion. Usually, in a method such as measuring the average particle size, when extremely large particles are present at several percent or more, the presence can be detected. When the amount becomes very small, the measurement falls below the detection limit. As a result, the measurement of the average particle size alone does not detect the presence of coarse particles, making it difficult to interpret the above minute defects.
[0061]
FIGS. 14 and 15 show photographs of the state of two kinds of dispersion liquids in which only the dispersion time was changed while the dispersion conditions were fixed. FIG. 14 shows a photograph of the dispersion liquid having a short dispersion time under the same conditions. Compared with FIG. 15 having a long dispersion time, it is observed that coarse particles remain. The black particles in FIG. 14 are coarse particles.
The average particle size and the particle size distribution of these two dispersions were measured by a commercially available particle size distribution analyzer (Horiba Seisakusho: ultracentrifugal automatic particle size analyzer, CAPA700) according to known methods. FIG. 16 shows the result. "A" in FIG. 16 corresponds to the dispersion shown in FIG. 14, and "B" corresponds to the dispersion shown in FIG. When comparing the two, there is hardly any difference in the particle size distribution. In addition, the average particle size of the two was determined to be 0.29 μm for “A” and 0.28 μm for “B”, and no difference was observed between the two after taking measurement errors into account.
Therefore, it can be understood that only the definition of the known average particle size (particle size) cannot detect residual small amounts of coarse particles and cannot cope with recent high-resolution negative-positive development. The presence of the minute amount of coarse particles was first recognized by observing the coating solution at a microscope level.
[0062]
In view of such a fact, it is effective means to produce the primary particles produced at the time of crystal conversion as small as possible. To this end, an appropriate solvent for the crystal conversion is selected as described above, and the solvent and titanyl phthalocyanine aqueous paste (the raw material prepared as described above) are used to enhance the crystal conversion efficiency and complete the crystal conversion in a short time. The method of using strong agitation in order to bring the) into sufficient contact is effective. More specifically, a method of using a propeller having a very strong stirring power, or using an intense stirring (dispersion) means such as a homogenizer (homomixer) to realize crystal conversion in a short time. is there. Under these conditions, it is possible to obtain a titanyl phthalocyanine crystal in which the crystal conversion is sufficiently performed and no crystal growth occurs without leaving any raw material.
[0063]
Further, as described above, since the crystal grain size and the crystal conversion time are in a proportional relationship, a method of immediately stopping the reaction when a predetermined reaction (crystal conversion) is completed is also an effective means. As described above, a large amount of a solvent that is unlikely to undergo crystal conversion immediately after the crystal conversion as described above is added. Examples of the solvent that does not easily undergo crystal transformation include alcohol-based and ester-based solvents. Crystal conversion can be stopped by adding these solvents about 10 times to the crystal conversion solvent.
By employing such a crystal conversion method, a titanyl phthalocyanine crystal having a small primary particle size (less than 0.3 μm, preferably 0.25 μm or less, more preferably 0.2 μm or less) can be obtained. In addition to the technique described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-19871, the use of the technique described above (a crystal conversion method for obtaining a fine titanyl phthalocyanine crystal), if necessary, can reduce the effects of the present invention. It is an effective means to increase.
[0064]
Subsequently, the crystal-converted titanyl phthalocyanine crystal is immediately filtered to be separated from the crystal conversion solvent. This filtration is performed by using a filter having an appropriate size. At this time, it is most appropriate to use vacuum filtration.
Thereafter, the separated titanyl phthalocyanine crystals are heated and dried as necessary. Any known dryer can be used for the heating and drying. However, when the drying is performed in the atmosphere, a blow dryer is preferable. Further, drying under reduced pressure is also a very effective means for increasing the drying speed and more remarkably exhibiting the effects of the present invention. In particular, it is an effective means for a material that decomposes at a high temperature or changes its crystal form. In particular, it is effective to dry in a state where the degree of vacuum is higher than 10 mmHg.
[0065]
The thus obtained titanyl phthalocyanine crystal having a specific crystal form is extremely useful as a charge generating substance for an electrophotographic photosensitive member. However, as described above, the crystal form is unstable and has a disadvantage that the crystal form is easily transferred when a dispersion is prepared. However, by synthesizing the primary particles into an extremely small one as in the present invention, a dispersion having a small average particle diameter can be produced without giving an excessive share at the time of producing the dispersion, and the crystal form is extremely small. It can be manufactured stably (without changing the synthesized crystal form).
[0066]
A general method is used for preparing the dispersion, and the titanyl phthalocyanine crystal is dispersed in a suitable solvent together with a binder resin as necessary using a ball mill, an attritor, a sand mill, a bead mill, ultrasonic waves, or the like. It is obtained. At this time, the binder resin may be selected according to the electrostatic characteristics of the photoreceptor, and the solvent may be selected according to the wettability to the pigment, the dispersibility of the pigment, and the like.
[0067]
As described above, a titanyl phthalocyanine crystal having a maximum diffraction peak at least at 27.2 ° as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle of 2θ with respect to CuKα radiation (wavelength: 1.542 °) is obtained by thermal energy / mechanical It is known that a crystal transition easily occurs to another crystal type due to a stress such as a target shear. This tendency does not change in the titanyl phthalocyanine crystal used in the present invention. That is, in order to produce a dispersion liquid containing fine particles, it is necessary to devise a dispersion method. However, there is a tendency that the stability of the crystal form and the formation of fine particles are in a trade-off relationship. There is a method of avoiding this by optimizing the dispersion conditions, but in any case, the production conditions are extremely narrowed, and a simpler method is desired. To solve this problem, the following method is also an effective means.
[0068]
That is, this is a method in which a dispersion liquid in which particles are made as fine as possible within a range in which crystal transition does not occur is produced, and then filtered through an appropriate filter. This method is a very effective means from the viewpoint of removing even small amounts of coarse particles that cannot be observed visually (or cannot be detected by particle size measurement), and that the particle size distribution is uniform. Specifically, the dispersion prepared as described above is filtered through a filter having an effective pore size of 3 μm or less to complete the dispersion. According to this method, a dispersion containing only titanyl phthalocyanine crystal having a small particle size (less than 0.3 μm, preferably 0.25 μm or less, more preferably 0.2 μm or less) can be prepared. By using the body, the effect of the present invention is further enhanced.
[0069]
Next, the electrophotographic photosensitive member used in the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing a configuration example of an electrophotographic photoreceptor used in the present invention, in which a charge generation layer (35) containing a charge generation material as a main component and a charge It has a configuration in which a charge transport layer (37) mainly composed of a transport material is laminated.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing another example of the configuration of the electrophotographic photoreceptor used in the present invention. On the conductive support (31), an intermediate layer (33) and a charge generation material are mainly used. And a charge transport layer (37) containing a charge transport material as a main component.
[0070]
As the conductive support (31), a volume resistance of 10 10 What shows conductivity of Ωcm or less, for example, aluminum, nickel, chromium, nichrome, copper, gold, silver, metals such as platinum, tin oxide, metal oxides such as indium oxide, by evaporation or sputtering, by film Or cylindrical plastic or paper-coated, or aluminum, aluminum alloy, nickel, stainless steel, etc. plates and extruded, drawn out, etc., then tubed, then cut, super-finished, polished, etc. Surface-treated tubes and the like can be used. Further, an endless nickel belt and an endless stainless belt disclosed in JP-A-52-36016 can also be used as the conductive support (31).
[0071]
Among them, a cylindrical support made of aluminum, which can be easily subjected to the anodic oxide film treatment, can be most preferably used. The aluminum referred to here includes both pure aluminum and aluminum alloy. Specifically, JIS 1000 series, 3000 series, and 6000 series aluminum or aluminum alloy is most suitable. The anodized film is obtained by anodizing various metals and various alloys in an electrolyte solution. Among them, a film called alumite obtained by anodizing aluminum or an aluminum alloy in an electrolyte solution is a photoreceptor used in the present invention. Is most suitable for In particular, it is excellent in preventing point defects (black spots, background stain) generated when used in reversal development (negative / positive development).
[0072]
The anodic oxidation treatment is performed in an acidic bath such as chromic acid, sulfuric acid, oxalic acid, phosphoric acid, boric acid, and sulfamic acid. Of these, treatment with a sulfuric acid bath is most suitable. For example, sulfuric acid concentration: 10 to 20%, bath temperature: 5 to 25 ° C, current density: 1 to 4 A / dm 2 The treatment is performed within the range of about 5 to 30 minutes and the treatment time is about 5 to 60 minutes, but the present invention is not limited to this. Since the anodic oxide film thus produced is porous and has high insulation properties, the surface is very unstable. For this reason, there is a temporal change after the production, and the physical property value of the anodic oxide film is likely to change. In order to avoid this, it is desirable to further seal the anodic oxide film. Examples of the sealing treatment include a method of immersing the anodic oxide film in an aqueous solution containing nickel fluoride and nickel acetate, a method of immersing the anodic oxide film in boiling water, and a method of performing treatment with pressurized steam. Among them, the method of immersing in an aqueous solution containing nickel acetate is most preferable. Subsequent to the sealing treatment, a cleaning treatment of the anodic oxide film is performed. The main purpose of this is to remove excess metal salts and the like attached by the sealing treatment. If this remains on the surface of the support (anodic oxide film) excessively, it not only adversely affects the quality of the coating film formed thereon, but also generally causes low resistance components to remain. It will also be the cause. The washing may be a single washing with pure water, but usually washing at another stage is performed. At this time, it is preferable that the final cleaning liquid is as clean (deionized) as possible. In addition, it is desirable to perform physical rubbing cleaning with a contact member in one of the other cleaning steps. The thickness of the anodic oxide film formed as described above is desirably about 5 to 15 μm. If it is too thin, the barrier effect of the anodic oxide film is not sufficient, and if it is too thick, the time constant of the electrode becomes too large, resulting in the generation of residual potential and reduced photoconductor response. May be.
[0073]
In addition, a support obtained by dispersing a conductive powder in an appropriate binder resin on the above support and applying the same can also be used as the conductive support (31) of the present invention. Examples of the conductive powder include carbon black, acetylene black, metal powder such as aluminum, nickel, iron, nichrome, copper, zinc, and silver, and metal oxide powder such as conductive tin oxide and ITO. Can be The binder resin used simultaneously includes polystyrene, styrene-acrylonitrile copolymer, styrene-butadiene copolymer, styrene-maleic anhydride copolymer, polyester, polyvinyl chloride, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer. , Polyvinyl acetate, polyvinylidene chloride, polyarylate resin, phenoxy resin, polycarbonate, cellulose acetate resin, ethyl cellulose resin, polyvinyl butyral, polyvinyl formal, polyvinyl toluene, poly-N-vinyl carbazole, acrylic resin, silicone resin, epoxy resin, Thermoplastic, thermosetting resin or photocurable resin such as melamine resin, urethane resin, phenol resin, alkyd resin and the like. Such a conductive layer can be provided by dispersing the conductive powder and the binder resin in an appropriate solvent, for example, tetrahydrofuran, dichloromethane, methyl ethyl ketone, toluene, or the like, and applying the dispersion.
[0074]
Further, a heat-shrinkable tube containing the above-mentioned conductive powder in a material such as polyvinyl chloride, polypropylene, polyester, polystyrene, polyvinylidene chloride, polyethylene, chloride rubber, and polytetrafluoroethylene-based fluororesin on a suitable cylindrical substrate. A conductive layer provided with a conductive layer can also be favorably used as the conductive support (31) of the present invention.
[0075]
Next, the photosensitive layer will be described. As described above, the photosensitive layer is preferably used as a laminated type composed of the charge generating layer (35) and the charge transporting layer (37), which exhibits excellent characteristics in sensitivity and durability.
[0076]
The charge generation layer (35) has a maximum diffraction peak at least 27.2 ° as a diffraction peak (± 0.2 °) at a Bragg angle 2θ with respect to characteristic X-rays of CuKα (wavelength 1.542 °) as a charge generation material. Is a step of converting into a crystalline form). In particular, among the crystal forms, they further have major peaks at 9.4 °, 9.6 °, and 24.0 °, and have a peak at 7.3 ° as the diffraction peak on the lowest angle side, In addition, a titanyl phthalocyanine crystal having no peak between the peak at 7.3 ° and the peak at 9.4 ° is preferably used, and a titanyl phthalocyanine crystal having no peak at 26.3 ° is particularly preferable. Used well. Further, the fact that the average particle size of the primary particles of the crystal is less than 0.3 μm (preferably 0.25 μm or less, more preferably 0.2 μm or less) further enhances the effects of the present invention, It is an effective means.
The charge generation layer (35) is obtained by dispersing the pigment in a suitable solvent together with a binder resin as necessary using a ball mill, an attritor, a sand mill, ultrasonic waves, or the like, and coating the dispersion on a conductive support. It is formed by drying.
[0077]
As necessary, the binder resin used for the charge generation layer (35) may be, for example, polyamide, polyurethane, epoxy resin, polyketone, polycarbonate, silicon, or the like. Resin, acrylic resin, polyvinyl butyral, polyvinyl formal, polyvinyl ketone, polystyrene, polysulfone, poly-N-vinyl carbazole, polyacrylamide, polyvinyl benzal, polyester, phenoxy resin, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, polyvinyl acetate, Examples include polyphenylene oxide, polyamide, polyvinyl pyridine, cellulose resin, casein, polyvinyl alcohol, polyvinyl pyrrolidone, and the like. The amount of the binder resin is suitably 0 to 500 parts by weight, preferably 10 to 300 parts by weight, per 100 parts by weight of the charge generating substance.
[0078]
Examples of the solvent used here include isopropanol, acetone, methyl ethyl ketone, cyclohexanone, tetrahydrofuran, dioxane, ethyl cellosolve, ethyl acetate, methyl acetate, dichloromethane, dichloroethane, monochlorobenzene, cyclohexane, toluene, xylene, ligroin and the like. As a method of applying the coating solution, a method such as a dip coating method, a spray coat, a beat coat, a nozzle coat, a spinner coat, and a ring coat can be used. The thickness of the
[0079]
The charge transporting layer (37) can be formed by dissolving or dispersing the charge transporting substance and the binder resin in a suitable solvent, applying this on the charge generating layer, and drying. If necessary, a plasticizer, a leveling agent, an antioxidant and the like can be added.
The charge transport materials include a hole transport material and an electron transport material.
Examples of the electron transporting substance include chloranil, bromoanil, tetracyanoethylene, tetracyanoquinodimethane, 2,4,7-trinitro-9-fluorenone, 2,4,5,7-tetranitro-9-fluorenone, 2,4 , 5,7-Tetranitroxanthone, 2,4,8-trinitrothioxanthone, 2,6,8-trinitro-4H-indeno [1,2-b] thiophen-4-one, 1,3,7-trione Electron accepting substances such as nitrodibenzothiophene-5,5-dioxide, benzoquinone derivatives and the like.
Examples of the hole transport material include poly-N-vinylcarbazole and derivatives thereof, poly-γ-carbazolylethylglutamate and derivatives thereof, pyrene-formaldehyde condensate and derivatives thereof, polyvinylpyrene, polyvinylphenanthrene, polysilane, and oxazole derivatives. Oxadiazole derivative, imidazole derivative, monoarylamine derivative, diarylamine derivative, triarylamine derivative, stilbene derivative, α-phenylstilbene derivative, benzidine derivative, diarylmethane derivative, triarylmethane derivative, 9-styrylanthracene derivative, pyrazoline Derivatives, divinylbenzene derivatives, hydrazone derivatives, indene derivatives, butadiene derivatives, pyrene derivatives, etc., bisstilbene derivatives, enamine derivatives, etc. And other known materials. These charge transport materials are used alone or in combination of two or more.
[0080]
Examples of the binder resin include polystyrene, styrene-acrylonitrile copolymer, styrene-butadiene copolymer, styrene-maleic anhydride copolymer, polyester, polyvinyl chloride, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, polyvinyl acetate, and poly (vinyl acetate). Vinylidene chloride, polyalate, phenoxy resin, polycarbonate, cellulose acetate resin, ethyl cellulose resin, polyvinyl butyral, polyvinyl formal, polyvinyl toluene, poly-N-vinyl carbazole, acrylic resin, silicone resin, epoxy resin, melamine resin, urethane resin, phenol resin And a thermoplastic or thermosetting resin such as an alkyd resin.
The amount of the charge transporting material is suitably 20 to 300 parts by weight, preferably 40 to 150 parts by weight, based on 100 parts by weight of the binder resin. Further, the thickness of the charge transport layer is preferably about 5 to 100 μm.
[0081]
As the solvent used here, tetrahydrofuran, dioxane, toluene, dichloromethane, monochlorobenzene, dichloroethane, cyclohexanone, methyl ethyl ketone, acetone and the like are used. Among them, the use of a non-halogen solvent is desirable from the viewpoint of reducing the burden on the environment. Specifically, cyclic ethers such as tetrahydrofuran, dioxolan, and dioxane, aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene, and derivatives thereof are preferably used.
[0082]
For the charge transport layer, a polymer charge transport material having both a function as a charge transport material and a function as a binder resin is preferably used. The charge transport layer composed of these polymeric charge transport materials has excellent abrasion resistance. As the polymer charge transporting substance, known materials can be used, and particularly, a polycarbonate containing a triarylamine structure in a main chain and / or a side chain is preferably used. Among them, the polymer charge transporting substances represented by the formulas (I) to (X) are preferably used, and these are exemplified below and specific examples are shown.
[0083]
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Where R 1 , R 2 , R 3 Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group or a halogen atom; 4 Is a hydrogen atom or a substituted or unsubstituted alkyl group, R 5 , R 6 Is a substituted or unsubstituted aryl group, o, p, and q are each independently an integer of 0 to 4, k and j each represent a composition, and 0.1 ≦ k ≦ 1, 0 ≦ j ≦ 0.9, and n Represents the number of repeating units and is an integer of 5 to 5000. X represents an aliphatic divalent group, a cycloaliphatic divalent group, or a divalent group represented by the following general formula.
[0084]
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Where R 101 , R 102 Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group, aryl group or halogen atom. l and m are integers from 0 to 4, Y is a single bond, a linear, branched or cyclic alkylene group having 1 to 12 carbon atoms, -O-, -S-, -SO-, -SO 2 —, —CO—, —CO—O—Z—O—CO— (wherein Z represents an aliphatic divalent group) or
[0085]
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(Where a is an integer of 1 to 20, b is an integer of 1 to 2000, R 103 , R 104 Represents a substituted or unsubstituted alkyl group or aryl group. ). Where R 101 And R 102 , R 103 And R 104 May be the same or different.
[0086]
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Where R 7 , R 8 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 1 , Ar 2 , Ar 3 Represents the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of the formula (I).
[0087]
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Where R 9 , R 10 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 4 , Ar 5 , Ar 6 Represents the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of the formula (I).
[0088]
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Where R 11 , R 12 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 7 , Ar 8 , Ar 9 Represents the same or different arylene groups, and p represents an integer of 1 to 5. X, k, j and n are the same as in the case of the formula (I).
[0089]
Embedded image
Where R Thirteen , R 14 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 10 , Ar 11 , Ar 12 Are the same or different arylene groups, X 1 , X 2 Represents a substituted or unsubstituted ethylene group or a substituted or unsubstituted vinylene group. X, k, j and n are the same as in the case of the formula (I).
[0090]
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Where R Fifteen , R 16 , R 17 , R 18 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar Thirteen , Ar 14 , Ar Fifteen , Ar 16 Is the same or different arylene group, Y 1 , Y 2 , Y 3 Represents a single bond, a substituted or unsubstituted alkylene group, a substituted or unsubstituted cycloalkylene group, a substituted or unsubstituted alkylene ether group, an oxygen atom, a sulfur atom, and a vinylene group, which may be the same or different. X, k, j and n are the same as in the case of the formula (I).
[0091]
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Where R 19 , R 20 Represents a hydrogen atom, a substituted or unsubstituted aryl group; 19 And R 20 May form a ring. Ar 17 , Ar 18 , Ar 19 Represents the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of the formula (I).
[0092]
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Where R 21 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 20 , Ar 21 , Ar 22 , Ar 23 Represents the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of the formula (I).
[0093]
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Where R 22 , R 23 , R 24 , R 25 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 24 , Ar 25 , Ar 26 , Ar 27 , Ar 28 Represents the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of the formula (I).
[0094]
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Where R 26 , R 27 Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar 29 , Ar 30 , Ar 31 Represents the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as in the case of the formula (I).
[0095]
In addition, as the polymer charge transporting material used in the charge transporting layer, in addition to the above-described polymer charge transporting material, a monomer or oligomer having an electron donating group may be formed at the time of film formation of the charge transporting layer. A polymer having a two-dimensional or three-dimensional crosslinked structure is finally included by a curing reaction or a crosslinking reaction.
[0096]
A charge transport layer composed of a polymer having an electron donating group or a polymer having a crosslinked structure has excellent abrasion resistance. Normally, in an electrophotographic process, the charging potential (potential of an unexposed portion) is constant. Therefore, when the surface layer of the photoconductor is worn by repeated use, the electric field intensity applied to the photoconductor increases accordingly. As the electric field intensity increases, the frequency of occurrence of background contamination increases. Therefore, the high wear resistance of the photoconductor is advantageous against background contamination. The charge transport layer composed of a polymer having an electron donating group is excellent in film-forming properties because it is a polymer compound itself, and has a charge transport site as compared with the charge transport layer composed of a low molecular weight dispersed polymer. It can be formed at high density and has excellent charge transporting ability. Therefore, a high-speed response can be expected for a photoreceptor having a charge transport layer using a polymer charge transport material.
[0097]
Other polymers having an electron donating group include copolymers of known monomers, block polymers, graft polymers, star polymers, and, for example, JP-A-3-109406, JP-A-2000- It is also possible to use a crosslinked polymer having an electron donating group as disclosed in JP-A-206723, JP-A-2001-34001 and the like.
[0098]
In the present invention, a plasticizer or a leveling agent may be added to the charge transport layer (37). As the plasticizer, those used as plasticizers for general resins such as dibutyl phthalate and dioctyl phthalate can be used as they are, and the amount of the plasticizer is suitably about 0 to 30% by weight based on the binder resin. As the leveling agent, silicone oils such as dimethyl silicone oil and methylphenyl silicone oil, and polymers or oligomers having a perfluoroalkyl group in a side chain are used. 1% by weight is suitable.
[0099]
In the electrophotographic photoreceptor of the present invention, an intermediate layer can be provided between the conductive support (31) and the photosensitive layer. The intermediate layer generally contains a resin as a main component. However, considering that these resins are coated on the photosensitive layer with a solvent, it is preferable that the resin be a resin having high solvent resistance to general organic solvents. . Examples of such a resin include water-soluble resins such as polyvinyl alcohol, casein, and sodium polyacrylate, copolymer-soluble nylons, alcohol-soluble resins such as methoxymethylated nylon, polyurethane, melamine resins, phenol resins, alkyd-melamine resins, and epoxy resins. Curable resins that form a three-dimensional network structure, such as resins, are exemplified. Further, a fine powder pigment of a metal oxide exemplified by titanium oxide, silica, alumina, zirconium oxide, tin oxide, indium oxide or the like may be added to the intermediate layer in order to prevent moire and reduce residual potential.
[0100]
These intermediate layers can be formed using an appropriate solvent and a coating method as in the above-described photosensitive layer. Further, a silane coupling agent, a titanium coupling agent, a chromium coupling agent, or the like can be used as the intermediate layer of the present invention. In addition, the intermediate layer of the present invention includes Al 2 O 3 Provided by anodic oxidation, organic substances such as polyparaxylylene (parylene) or SiO 2 , SnO 2 , TiO 2 , ITO, CeO 2 Also, inorganic materials such as those provided by a vacuum thin film forming method can be used favorably. In addition, known materials can be used. The thickness of the intermediate layer is suitably from 0 to 5 μm.
[0101]
In the electrophotographic photoreceptor of the present invention, a protective layer may be provided on the photosensitive layer for the purpose of protecting the photosensitive layer. 2. Description of the Related Art In recent years, computers have been used on a daily basis, and high-speed output by a printer and a small-sized apparatus have been desired. Therefore, by providing a protective layer and improving the durability, the photoconductor of the present invention having high sensitivity and free from abnormal defects can be used effectively.
[0102]
In the photoreceptor of the present invention, a protective layer (39) may be provided on the photosensitive layer for the purpose of protecting the photosensitive layer. Materials used for the protective layer (39) include ABS resin, ACS resin, olefin-vinyl monomer copolymer, chlorinated polyether, allyl resin, phenol resin, polyacetal, polyamide, polyamideimide, polyacrylate, and polyallyl sulfone. , Polybutylene, polybutylene terephthalate, polycarbonate, polyarylate, polyether sulfone, polyethylene, polyethylene terephthalate, polyimide, acrylic resin, polymethylbenten, polypropylene, polyphenylene oxide, polysulfone, polystyrene, AS resin, butadiene-styrene copolymer, polyurethane And resins such as polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, and epoxy resin. Among them, polycarbonate or polyarylate can be most preferably used.
[0103]
In addition to the protective layer, a fluorine resin such as polytetrafluoroethylene, a silicone resin, and an inorganic filler such as titanium oxide, tin oxide, potassium titanate, silica, etc. A filler or the like dispersed therein can be added.
Further, among the filler materials used for the protective layer of the photoreceptor, examples of the organic filler material include fluororesin powder such as polytetrafluoroethylene, silicone resin powder, a-carbon powder, and the like. Are metal powders such as copper, tin, aluminum and indium, metals such as silica, tin oxide, zinc oxide, titanium oxide, indium oxide, antimony oxide, bismuth oxide, antimony-doped tin oxide, and tin-doped indium oxide Inorganic materials such as oxides and potassium titanate are exemplified. Particularly, from the viewpoint of the hardness of the filler, it is advantageous to use an inorganic material among them. In particular, silica, titanium oxide, and alumina can be effectively used.
[0104]
The filler concentration in the protective layer varies depending on the type of filler used and the electrophotographic process conditions using the photoreceptor, but is 5% by weight or more, preferably 5% by weight or more, based on the total solids on the outermost layer side of the protective layer. 10% by weight or more and 50% by weight or less, preferably about 30% by weight or less are good.
The volume average particle diameter of the filler to be used is preferably 0.1 μm to 2 μm, and more preferably 0.3 μm to 1 μm. In this case, if the average particle size is too small, the abrasion resistance is not sufficiently exhibited, and if the average particle size is too large, the surface properties of the coating film deteriorate, or the coating film itself cannot be formed.
[0105]
The average particle size of the filler in the present invention is a volume average particle size unless otherwise specified, and is determined by an ultracentrifugal automatic particle size distribution analyzer: CAPA-700 (manufactured by Horiba, Ltd.). In this case, the particle diameter was calculated as a particle diameter (Median type) corresponding to 50% of the cumulative distribution. It is important that the standard deviation of each particle measured at the same time is 1 μm or less. If the value of the standard deviation is larger than this, the effect of the present invention may not be obtained remarkably because the particle size distribution is too wide.
Further, the pH of the filler used in the present invention greatly affects the resolution and the dispersibility of the filler. As one of the reasons, it is considered that hydrochloric acid or the like remains during the production of fillers, especially metal oxides. When the residual amount is large, the occurrence of image blur is inevitable, and depending on the residual amount, it may affect the dispersibility of the filler.
[0106]
Another reason is that the chargeability on the surface of the filler, especially the metal oxide, is different. Normally, particles dispersed in a liquid are positively or negatively charged, and ions having the opposite charge gather in an attempt to keep it electrically neutral, where an electric double layer is formed. The dispersion state of the particles is stabilized. As the distance from the particle increases, its potential (zeta potential) gradually decreases, and the potential of a region sufficiently far from the particle and electrically neutral becomes zero. Therefore, the stability increases as the repulsive force of the particles increases due to an increase in the absolute value of the zeta potential, and the particles tend to aggregate and become unstable as the value approaches zero. On the other hand, the zeta potential varies greatly depending on the pH value of the system, and at a certain pH value, the potential becomes zero and has an isoelectric point. Therefore, the dispersion system is stabilized by increasing the absolute value of the zeta potential as far as possible from the isoelectric point of the system.
[0107]
In the constitution of the present invention, as the filler, those having a pH at the above-mentioned isoelectric point of at least 5 are preferable from the viewpoint of suppressing image blur, and the more the filler is more basic, the higher the effect tends to be. It was confirmed that there was. The filler having a high pH at the isoelectric point and exhibiting a basic property has a higher zeta potential when the system is acidic, so that the dispersibility and the stability thereof are improved.
Here, the pH of the filler in the present invention is a pH value at the isoelectric point from the zeta potential. At this time, the zeta potential was measured with a laser zeta potentiometer manufactured by Otsuka Electronics Co., Ltd.
[0108]
Further, as a filler which is less likely to cause image blur, a filler having a high electrical insulation property (a specific resistance of 10 10 Ω · cm or more), and those having a filler pH of 5 or more and those having a filler dielectric constant of 5 or more can be used particularly effectively. In addition, a filler having a pH of 5 or more or a filler having a dielectric constant of 5 or more may be used alone, or a mixture of two or more fillers having a pH of 5 or less and a filler having a pH of 5 or more may be used. It is also possible to use a mixture of two or more fillers having a dielectric constant of 5 or less and a filler having a dielectric constant of 5 or more. In addition, among these fillers, α-alumina, which has high insulation properties, high thermal stability, and high wear resistance, has a hexagonal close-packed structure, is used to reduce image blur and improve wear resistance. Especially useful.
[0109]
The specific resistance of the filler used in the present invention is defined as follows. Since the specific resistance of a powder such as a filler differs depending on the filling rate, it is necessary to measure the powder under a certain condition. In the present invention, the specific resistance of the filler is measured using an apparatus having the same configuration as the measuring apparatus disclosed in JP-A-5-94049 (FIG. 1) and JP-A-5-113688 (FIG. 1). It measured and used this value. In the measurement device, the electrode area is 4.0 cm2. Before the measurement, a load of 4 kg is applied to one electrode on one side for 1 minute, and the amount of the sample is adjusted so that the distance between the electrodes becomes 4 mm. At the time of the measurement, the measurement is performed under a load state of the weight (1 kg) of the upper electrode, and the applied voltage is measured at 100V. The area of 106 Ω · cm or more was measured with a HIGH RESISTANCE METER (Yokogawa Hewlett-Packard), and the area below 106 Ω · cm was measured with a digital multimeter (Fluke). The specific resistance value thus obtained is defined as the specific resistance value in the present invention.
[0110]
The dielectric constant of the filler was measured as follows. After applying a load using the same cell as that for measuring the specific resistance as described above, the capacitance was measured, and the dielectric constant was determined from this. The capacitance was measured using a dielectric loss meter (Ando Electric).
[0111]
Furthermore, these fillers can be surface-treated with at least one surface treatment agent, and it is preferable to do so from the viewpoint of filler dispersibility. A decrease in the dispersibility of the filler not only increases the residual potential but also causes a decrease in the transparency of the coating film, the occurrence of coating film defects, and a decrease in abrasion resistance, which hinders high durability or high image quality. It can evolve into a big problem. As the surface treatment agent, all the surface treatment agents conventionally used can be used, but a surface treatment agent capable of maintaining the insulating property of the filler is preferable. For example, titanate-based coupling agents, aluminum-based coupling agents, zirco-aluminate-based coupling agents, higher fatty acids, etc., or a mixing treatment of these with a silane coupling agent, Al 2 O 3 , TiO 2 , ZrO 2 , Silicone, aluminum stearate or the like, or a mixture thereof is more preferable from the viewpoint of filler dispersibility and image blur. Although the treatment with the silane coupling agent has a strong effect of image blur, the effect of mixing the surface treatment agent and the silane coupling agent may be suppressed in some cases. Although the surface treatment amount varies depending on the average primary particle size of the filler used, 3 to 30 wt% is suitable, and 5 to 20 wt% is more preferable. If the amount of the surface treatment is smaller than this, the effect of dispersing the filler cannot be obtained, and if the amount is too large, the residual potential is significantly increased. These filler materials are used alone or in combination of two or more. The surface treatment amount of the filler is defined by the weight ratio of the surface treatment agent used to the filler amount as described above.
[0112]
These filler materials can be dispersed by using an appropriate disperser. Further, from the viewpoint of the transmittance of the protective layer, it is preferable that the filler used is dispersed to the level of the primary particles and the amount of the aggregate is small.
[0113]
Further, the protective layer (39) may contain a charge transporting substance for reducing residual potential and improving responsiveness. As the charge transporting substance, the materials described in the description of the charge transporting layer can be used. When a low molecular charge transport material is used as the charge transport material, a concentration gradient in the protective layer may be provided. It is an effective means to reduce the concentration on the surface side in order to improve abrasion resistance. Here, the concentration refers to the ratio of the weight of the low-molecular charge transporting substance to the total weight of all the materials constituting the protective layer, and the concentration gradient is such that the concentration decreases on the surface side at the above weight ratio. It indicates that. The use of a charge transport polymer is very advantageous in that the durability of the photoreceptor is improved.
[0114]
An ordinary coating method is adopted as a method for forming the protective layer. The thickness of the protective layer is suitably about 0.1 to 10 μm. In addition to the above, known materials such as aC and a-SiC formed by a vacuum thin film forming method can be used as the protective layer.
[0115]
As described above, the use of a polymeric charge transport material in the photosensitive layer (charge transport layer) or the provision of a protective layer on the surface of the photoconductor increases the durability (wear resistance) of each photoconductor. In addition, when used in a tandem-type full-color image forming apparatus as described below, it produces a new effect not found in a monochrome image forming apparatus.
[0116]
In the case of a full-color image, various types of images are input. On the contrary, a standard image may be input. For example, the presence of a seal in a Japanese document or the like. Something like a seal is usually located near the edge of the image area and also uses a limited number of colors. In a state where a random image is always written, image writing, development and transfer are performed on the photoreceptor in the image forming element on average. When a large number of image formations are repeated or when only a specific image formation element is used, the durability of the image formation element is not balanced. When a photoreceptor having a small surface durability (physical, chemical, mechanical) is used in such a state, the difference becomes remarkable, which tends to cause an image problem. On the other hand, when the photoreceptor is made highly durable, such a local change amount is small, and as a result, it becomes difficult to appear as a defect on an image. It is also very effective.
[0117]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples, but the present invention is not limited by the examples. All parts are parts by weight.
First, a synthesis example of the charge generation material used in the present invention will be described.
(Synthesis example 1)
29.2 g of 1,3-diiminoisoindoline and 200 ml of sulfolane are mixed, and 20.4 g of titanium tetrabutoxide is added dropwise under a nitrogen stream. After completion of the dropwise addition, the temperature was gradually raised to 180 ° C, and the reaction was carried out with stirring for 5 hours while maintaining the reaction temperature between 170 ° C and 180 ° C. After the reaction, the precipitate was filtered after standing to cool, washed with chloroform until the powder turned blue, then washed with methanol several times, further washed with hot water of 80 ° C. several times, and dried. Crude titanyl phthalocyanine was obtained. The crude titanyl phthalocyanine is dissolved in 20 times the volume of concentrated sulfuric acid, dropped into 100 volumes of the ice water with stirring, the precipitated crystals are filtered, and the water washing is repeated until the washing solution becomes neutral. (Water paste) was obtained. 2 g of the obtained wet cake (water paste) was added to 20 g of tetrahydrofuran and stirred for 4 hours. 100 g of methanol was added thereto, and the mixture was stirred for 1 hour, filtered, and dried to obtain a titanyl phthalocyanine powder of the present invention.
The obtained titanyl phthalocyanine powder was subjected to X-ray diffraction spectrum measurement under the following conditions. As a result, the maximum peak and the minimum angle at a Bragg angle 2θ of 27.2 ± 0.2 ° with respect to Cu-Kα ray (wavelength 1.542 °) were 7 A titanyl phthalocyanine powder having a peak at 0.3 ± 0.2 ° and having no peak in the range of 7.4 to 9.4 ° was obtained. FIG. 7 shows the result.
A part of the water paste obtained in Synthesis Example 1 was dried at 80 ° C. under reduced pressure (5 mmHg) for 2 days to obtain low crystalline titanyl phthalocyanine powder. FIG. 13 shows the X-ray diffraction spectrum of the dried powder of the water paste.
[0118]
(X-ray diffraction spectrum measurement conditions)
X-ray tube: Cu
Voltage: 50kV
Current: 30mA
Scanning speed: 2 ° / min
Scanning range: 3 ° to 40 °
Time constant: 2 seconds
[0119]
(Synthesis example 2)
A pigment was prepared according to the method described in JP-A-1-299874 (Japanese Patent No. 2512081) and Example 1. That is, the wet cake prepared in Synthesis Example 1 was dried, 1 g of the dried product was added to 50 g of polyethylene glycol, and a sand mill was performed together with 100 g of glass beads. After the crystal transition, the resultant was washed with dilute sulfuric acid and an aqueous solution of ammonium hydroxide in that order and dried to obtain a pigment.
[0120]
(Synthesis example 3)
A pigment was prepared according to the method described in Production Example 1 of JP-A-3-269064 (Japanese Patent No. 2584682). That is, the wet cake prepared in Synthesis Example 1 was dried, and 1 g of the dried product was stirred (50 ° C.) for 1 hour in a mixed solvent of 10 g of ion-exchanged water and 1 g of monochlorobenzene, and then washed with methanol and ion-exchanged water. And dried to obtain a pigment.
[0121]
(Synthesis example 4)
A pigment was prepared according to the method described in the production example of JP-A-2-8256 (JP-B-7-91486). That is, 9.8 g of phthalodinitrile and 75 ml of 1-chloronaphthalene are stirred and mixed, and 2.2 ml of titanium tetrachloride is added dropwise under a nitrogen stream. After the completion of the dropwise addition, the temperature was gradually raised to 200 ° C, and the reaction was carried out with stirring for 3 hours while maintaining the reaction temperature between 200 ° C and 220 ° C. After the completion of the reaction, the mixture was allowed to cool to 130 ° C., filtered while hot, then washed with 1-chloronaphthalene until the powder turned blue, washed several times with methanol, and further washed with hot water at 80 ° C. After washing twice, it was dried to obtain a pigment.
[0122]
(Synthesis example 5)
A pigment was prepared according to the method described in JP-A No. 64-17066 (JP-B-7-97221) and Synthesis Example 1. That is, 5 parts of α-type TiOPc was subjected to a crystal conversion treatment at 100 ° C. for 10 hours with a sand grinder together with 10 g of sodium chloride and 5 g of acetophenone. This was washed with ion-exchanged water and methanol, purified with a dilute aqueous sulfuric acid solution, washed with ion-exchanged water until the acid content disappeared, and then dried to obtain a pigment.
[0123]
(Synthesis example 6)
A pigment was prepared according to the method described in JP-A-11-5919 (Japanese Patent No. 3003664) and Example 1. That is, after 20.4 parts of O-phthalodinitrile and 7.6 parts of titanium tetrachloride were heated and reacted in 50 parts of quinoline at 200 ° C. for 2 hours, the solvent was removed by steam distillation, followed by a 2% aqueous chloride solution, The product was purified with a 2% aqueous sodium hydroxide solution, washed with methanol and N, N-dimethylformamide, and dried to obtain titanyl phthalocyanine. 2 parts of this titanyl phthalocyanine is dissolved little by little in 40 parts of 98% sulfuric acid at 5 ° C., and the mixture is stirred for about 1 hour while maintaining the temperature at 5 ° C. or less. Subsequently, the sulfuric acid solution is slowly poured into 400 parts of ice water with high-speed stirring, and the precipitated crystals are filtered. The crystals are washed with distilled water until no acid remains, to obtain a wet cake. The cake was stirred in 100 parts of THF for about 5 hours, filtered, washed with THF and dried to obtain a pigment.
[0124]
(Synthesis example 7)
A pigment was prepared according to the method described in JP-A-3-255456 (Japanese Patent No. 3005052) and Synthesis Example 2. That is, 10 parts of the wet cake prepared in Synthesis Example 1 described above was mixed with 15 parts of sodium chloride and 7 parts of diethylene glycol, and milling was performed for 60 hours in an automatic mortar under heating at 80 ° C. Next, the treated product was sufficiently washed with water to completely remove sodium chloride and diethylene glycol. After drying under reduced pressure, 200 parts of cyclohexanone and glass beads having a diameter of 1 mm were added, and the mixture was treated by a sand mill for 30 minutes to obtain a pigment.
[0125]
(Synthesis example 8)
According to the method of Synthesis Example 1, a water paste of a titanyl phthalocyanine pigment was synthesized, and the crystal conversion was performed as described below to obtain a phthalocyanine crystal having smaller primary particles than in Synthesis Example 1.
1500 parts of tetrahydrofuran was added to 60 parts of the water paste obtained before the crystal transformation obtained in Synthesis Example 1, and the mixture was vigorously stirred (2000 rpm) at room temperature with a homomixer (Kennis, MARKIIf model), and the dark blue color of the paste was pale. When the color changed to blue (20 minutes after the start of stirring), the stirring was stopped and filtration under reduced pressure was immediately performed. The crystals obtained on the filtration device were washed with tetrahydrofuran to obtain a pigment wet cake. This was dried under reduced pressure (5 mmHg) at 70 ° C. for 2 days to obtain 58 parts of titanyl phthalocyanine crystals.
[0126]
A part of titanyl phthalocyanine before crystal conversion (water paste) prepared in Synthesis Example 1 was diluted with ion-exchanged water to about 1% by weight, and the surface was scooped with a copper net having a conductive treatment. Was observed at a magnification of 75,000 times with a transmission electron microscope (TEM, Hitachi: H-9000NAR). The average particle size was determined as follows.
[0127]
The TEM image observed as described above is taken as a TEM photograph, and 30 projected titanyl phthalocyanine particles (near needle-like shape) are arbitrarily selected, and the size of the major axis is measured. The arithmetic average of the longer diameters of the 30 individuals measured was determined to be the average particle size.
The average particle size in the water paste in Synthesis Example 1 determined by the above method was 0.06 μm.
[0128]
In addition, titanyl phthalocyanine crystals after the crystal conversion immediately before filtration in Synthesis Examples 1 and 8 were diluted with tetrahydrofuran to about 1% by weight, and observation was performed in the same manner as in the above method. Table 1 shows the average particle size determined as described above. Note that the titanyl phthalocyanine crystals produced in Synthesis Examples 1 and 8 did not necessarily have the same crystal shape (a shape close to a triangle, a shape close to a square, and the like). For this reason, the calculation was performed with the length of the largest diagonal line of the crystal as the major axis.
[0129]
[Table 1]
[0130]
The X-ray diffraction spectra of the pigments prepared in Synthesis Examples 2 to 7 were measured in the same manner as described above, and it was confirmed that the spectra were the same as those described in the respective publications. Further, the X-ray diffraction spectrum of the pigment prepared in Synthesis Example 8 coincided with the spectrum of the pigment prepared in Synthesis Example 1. Table 2 shows the characteristics of each X-ray diffraction spectrum and the peak position of the X-ray diffraction spectrum of the pigment obtained in Synthesis Example 1.
[0131]
[Table 2]
[0132]
(Photoconductor production example 1)
An undercoat layer coating solution, a charge generation layer coating solution, and a charge transport layer coating solution having the following compositions are sequentially applied to an aluminum cylinder (JIS 1050) having a diameter of 60 mm and dried, and a 3.5 μm undercoat layer is formed. A charge generating layer and a 25 μm charge transporting layer were formed to produce a laminated photoreceptor (referred to as photoreceptor 1). The thickness of the charge generation layer was adjusted so that the transmittance of the charge generation layer at 780 nm was 20%. The transmittance of the charge generation layer was determined by applying a charge generation layer coating solution having the following composition to an aluminum cylinder around which a polyethylene terephthalate film was wound under the same conditions as in the preparation of the photoreceptor. The polyethylene terephthalate film was not used, and the transmittance at 780 nm was evaluated using a commercially available spectrophotometer (Shimadzu: UV-3100).
◎ Undercoat layer coating liquid
Titanium oxide (CR-EL: Ishihara Sangyo Co., Ltd.) 70 parts
(Beccolite M6401-50-S (
(Super Beckamine L-121-60 (
2-
◎ Coating solution for charge generation layer
A dispersion having the following composition was prepared by bead milling under the following conditions.
15 parts of titanyl phthalocyanine pigment prepared in Synthesis Example 1
Polyvinyl butyral (Sekisui Chemical: BX-1) 10 parts
280 parts of 2-butanone
Using a commercially available bead mill disperser, a PSZ ball having a diameter of 0.5 mm was used, and all 2-butanone and pigment in which polyvinyl butyral was dissolved were charged. p. m. For 30 minutes to prepare a dispersion.
The particle size distribution of the pigment particles in this dispersion was measured by HORIBA, Ltd .: CAPA-700. As a result, the average particle size was 0.29 μm, and the standard deviation was 0.18 μm.
◎ Coating solution for charge transport layer
Polycarbonate (TS2050: manufactured by Teijin Chemicals) 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
[0133]
Embedded image
80 parts of methylene chloride
[0134]
(Photoreceptor Preparation Examples 2 to 8)
Photoconductor preparation, except that the titanyl phthalocyanine pigment used in the charge generation layer coating liquid used in photoconductor preparation example 1 (prepared in Synthesis Example 1) was changed to the titanyl phthalocyanine pigment prepared in Synthesis Examples 2 to 8, respectively A photoconductor was produced in the same manner as in Example 1. The thickness of the charge generation layer was adjusted so that the transmittance at 780 nm was 20% when all the coating liquids were used, as in Photoconductor Preparation Example 1.
[0135]
(Photoconductor Production Example 9)
The coating liquid for the charge generation layer used in Photoreceptor Preparation Example 1 was filtered before coating using a cotton wind cartridge filter (TCW-3-CS, effective pore diameter: 3 μm) manufactured by Advantech Co., Ltd. At the time of filtration, a filtration was performed under pressure using a pump.
[0136]
(Photoconductor Production Example 10)
The coating liquid for the charge generation layer used in Photoreceptor Preparation Example 1 was filtered using a cotton wind cartridge filter (TCW-1-CS, effective pore diameter: 1 μm) manufactured by Advantech before coating. At the time of filtration, a filtration was performed under pressure using a pump.
[0137]
(Photoconductor Production Example 11)
The coating liquid for the charge generation layer used in Photoreceptor Preparation Example 1 was filtered using a cotton wind cartridge filter, TCW-5-CS (
[0138]
(Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 17)
The electrophotographic photoreceptors of Photoreceptor Production Examples 1 to 11 prepared as described above were mounted on the electrophotographic apparatus shown in FIG. Using a contact type charging roller and a transfer belt as a transfer member, the image after continuous printing of 200,000 sheets was evaluated using a chart with a writing rate of 6% under the following charging and transfer conditions. The presence or absence was confirmed (the test environment was 22 ° C.-55% RH). At this time, the transfer current was controlled by a circuit as shown in FIG. In addition, evaluation was performed in four steps, and ◎ indicates very good, ◎ indicates good, △ indicates slightly inferior, and × indicates very poor. Table 3 shows the above results.
[0139]
Charging conditions:
DC bias: -900V
AC bias: 2.0 kV (Peak to peak), frequency: 1.5 kHz
Transfer conditions:
Two conditions of 75μA and 60μA
[0140]
[Table 3]
[0141]
(Photoconductor Production Example 12)
A photoconductor was prepared in the same manner as in Photoconductor Preparation Example 1, except that the coating liquid for the charge transport layer in Photoconductor Preparation Example 1 was changed to one having the following composition.
◎ Coating solution for charge transport layer
Polymer charge transport material of the following
(Weight average molecular weight: about 135000)
[0142]
Embedded image
0.5 parts of additives with the following structure
[0143]
Embedded image
100 parts of methylene chloride
[0144]
(Photoconductor Production Example 13)
Same as Photoreceptor Preparation Example 1 except that the thickness of the charge transport layer in Photoreceptor Preparation Example 1 was set to 20 μm, a protective layer coating solution having the following composition was applied and dried on the charge transport layer, and a protective layer of 5 μm was provided. A photosensitive member was prepared.
◎ Coating solution for protective layer
Polycarbonate (TS2050: manufactured by Teijin Chemicals) 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
[0145]
Embedded image
Alumina fine particles 4 parts
(Specific resistance: 2.5 × 10 12 Ω · cm, average primary particle size: 0.4 μm)
Cyclohexanone 500 parts
150 parts of tetrahydrofuran
[0146]
(Photoconductor Production Example 14)
A photoconductor was prepared in the same manner as in Photoconductor Preparation Example 13, except that the alumina fine particles in the protective layer coating liquid in Photoconductor Preparation Example 13 were changed to the following.
4 parts of titanium oxide fine particles
(Specific resistance: 1.5 × 10 10 Ω · cm, average primary particle size: 0.5 μm)
[0147]
(Photoconductor Production Example 15)
A photoconductor was prepared in the same manner as in Photoconductor Preparation Example 13, except that the alumina fine particles in the protective layer coating liquid in Photoconductor Preparation Example 13 were changed to the following.
Tin oxide-antimony oxide powder 4 parts
(Specific resistance: 10 6 Ω · cm, average primary particle size 0.4 μm)
[0148]
(Photoconductor Production Example 16)
The aluminum cylinder (JIS 1050) in Photoreceptor Production Example 1 was subjected to the following anodic oxide film treatment, and then a charge generation layer and a charge transport layer were provided in the same manner as in Photoreceptor Production Example 1 without providing an undercoat layer. Was prepared.
◎ Anodized film treatment
The surface of the support was mirror-polished, degreased and washed with water, immersed in an electrolytic bath of a liquid temperature of 20 ° C. and 15 vol% of sulfuric acid, and subjected to an anodic oxide film treatment at an electrolytic voltage of 15 V for 30 minutes. Further, after water washing, sealing treatment was performed with a 7% nickel acetate aqueous solution (50 ° C.). Thereafter, the substrate was washed with pure water to obtain a support having a 7 μm anodic oxide film formed thereon.
[0149]
(Examples 6 to 14 and Comparative Examples 18 to 23)
The electrophotographic photoreceptors of the photoreceptor preparation examples 1 to 16 prepared as described above are mounted on the electrophotographic apparatus shown in FIG. 1, and an image exposure light source is a 780 nm semiconductor laser (image writing by a polygon mirror), and a charging member is used. As a charging member, as shown in FIG. 2, a charging member for proximity placement (a gap between the photoreceptor and the surface of the charging member is 50 μm) in which a 50 μm-thick insulating tape is wrapped around both ends of the charging roller is used. Using a chart with a writing rate of 6% under transfer conditions, the presence or absence of background stain after continuous printing of 200,000 sheets and a halftone image were confirmed (the test environment was 22 ° C.-55% RH). At this time, the transfer current was controlled by a circuit as shown in FIG. In addition, the evaluation of the background dirt was carried out in four stages. Very good ones were indicated by ◎, good ones were indicated by ○, slightly poor ones by Δ, and very poor ones by X. Further, the abrasion loss of the photosensitive layer after the printing of 200,000 sheets (or the abrasion loss of the protection layer in the case of having a protection layer) was measured. Table 4 shows the above results.
[0150]
Charging conditions:
DC bias: -900V
AC bias: 2.0 kV (Peak to peak), frequency: 1.5 kHz
Transfer conditions:
90 μA
[0151]
[Table 4]
[0152]
(Example 16)
In Example 6, after a paper-passing test of 200,000 sheets, a halftone image was output under a 30 ° C.-90% RH environment, and the image was evaluated.
[0153]
(Example 17)
The charging member in Example 6 was changed from the charging member for proximity arrangement to a scorotron charger, and the surface potential of the non-image portion of the photosensitive member was set to be the same as in Example 6 (-900 V). A paper passing test of 200,000 sheets was performed in the same manner as in Example 6 without changing other conditions. After the paper passing test, a halftone image was output under a 30 ° C.-90% RH environment in the same manner as in Example 15 to evaluate the image.
[0154]
(Example 18)
The charging member in Example 6 was changed from the charging member for proximity arrangement to the charging member for contact (no gap), and the charging conditions were set to the same conditions as in Example 6. A paper passing test of 200,000 sheets was performed in the same manner as in Example 6 without changing other conditions. After the paper passing test, a halftone image was output in a 30 ° C.-90% RH environment in the same manner as in Example 16 to evaluate the image.
[0155]
(Example 19)
Evaluation was performed in the same manner as in Example 18 except that the charging conditions in Example 18 were changed as follows.
Charging conditions:
DC bias: -1600 V (surface potential of non-image area of photoreceptor in initial state is -900 V)
AC bias: None
[0156]
(Example 20)
Evaluation was performed in the same manner as in Example 6, except that the charging conditions in Example 6 were changed as follows. After a paper passing test of 200,000 sheets, a halftone image was output under an environment of 30 ° C. and 90% RH in the same manner as in Example 16 to evaluate the image.
Charging conditions:
DC bias: -1600 V (surface potential of non-image area of photoreceptor in initial state is -900 V)
AC bias: None
[0157]
(Example 21)
Evaluation was performed in the same manner as in Example 6, except that the gap of the charging member (proximity charging roller) used in Example 6 was changed to 100 μm. After a paper passing test of 200,000 sheets, a halftone image was output under an environment of 30 ° C. and 90% RH in the same manner as in Example 16 to evaluate the image.
[0158]
(Example 22)
Evaluation was performed in the same manner as in Example 6, except that the gap of the charging member (proximity charging roller) used in Example 6 was changed to 150 μm. After a paper passing test of 200,000 sheets, a halftone image was output under an environment of 30 ° C. and 90% RH in the same manner as in Example 16 to evaluate the image.
[0159]
(Example 23)
Evaluation was performed in the same manner as in Example 16 except that the gap of the charging member (proximity charging roller) used in Example 16 was changed to 250 μm. After a paper passing test of 200,000 sheets, a halftone image was output under an environment of 30 ° C. and 90% RH in the same manner as in Example 16 to evaluate the image.
[0160]
(Example 24)
In Example 7, after a 200,000-sheet passing test, a halftone image was output in an environment of 30 ° C. and 90% RH, and the image was evaluated.
[0161]
(Example 25)
After a paper passing test of 200,000 sheets in Example 8, a halftone image was output under a 30 ° C.-90% RH environment, and the image was evaluated.
Table 5 shows the evaluation results in Examples 16 to 25 described above.
[0162]
[Table 5]
[0163]
(Photoconductor Production Example 17)
A photoconductor was prepared in the same manner as in Photoconductor Preparation Example 1, except that the coating composition for the charge transport layer in Photoconductor Preparation Example 1 was changed to the following composition.
◎ Coating solution for charge transport layer
Polycarbonate (TS2050: manufactured by Teijin Chemicals) 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
[0164]
Embedded image
80 parts of tetrahydrofuran
[0165]
(Photoconductor production example 18)
A photoconductor was prepared in the same manner as in Photoconductor Preparation Example 6, except that the coating composition for the charge transport layer in Photoconductor Preparation Example 6 was changed to the following composition.
◎ Coating solution for charge transport layer
Polycarbonate (TS2050: manufactured by Teijin Chemicals) 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
[0166]
Embedded image
80 parts of tetrahydrofuran
[0167]
(Photoconductor Production Example 19)
A photoconductor was prepared in the same manner as in Photoconductor Preparation Example 1, except that the coating composition for the charge transport layer in Photoconductor Preparation Example 1 was changed to the following composition.
◎ Coating solution for charge transport layer
Polycarbonate (TS2050: manufactured by Teijin Chemicals) 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
[0168]
Embedded image
[0169]
(Photoconductor Production Example 20)
A photoconductor was prepared in the same manner as in Photoconductor Preparation Example 1, except that the coating composition for the charge transport layer in Photoconductor Preparation Example 1 was changed to the following composition.
◎ Coating solution for charge transport layer
Polycarbonate (TS2050: manufactured by Teijin Chemicals) 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
[0170]
Embedded image
40 parts of tetrahydrofuran
40 parts of toluene
[0171]
(Photoconductor Production Example 21)
A photoconductor was prepared in the same manner as in Photoconductor Preparation Example 8, except that the coating composition for the charge transport layer in Photoconductor Preparation Example 8 was changed to the following composition.
◎ Coating solution for charge transport layer
Polycarbonate (TS2050: manufactured by Teijin Chemicals) 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
[0172]
Embedded image
80 parts of tetrahydrofuran
[0173]
(Photoconductor Production Example 22)
A photoreceptor was prepared in the same manner as in Photoreceptor Preparation Example 9, except that the coating composition for the charge transport layer in Photoreceptor Preparation Example 9 was changed to the following composition.
◎ Coating solution for charge transport layer
Polycarbonate (TS2050: manufactured by Teijin Chemicals) 10 parts
7 parts of charge transport material of the following structural formula
[0174]
Embedded image
80 parts of tetrahydrofuran
[0175]
(Examples 26 to 30 and Comparative Example 24)
The photoreceptors of Photoreceptor Production Examples 17 to 22 produced as described above were mounted on the electrophotographic apparatus shown in FIG. 1 in the same manner as in Example 1, and the image exposure light source was a 780 nm semiconductor laser (using a polygon mirror). As an image writing), a halftone line image was output under the following charging and transfer conditions using a contact type charging roller as a charging member. At this time, the transfer current was controlled by a circuit as shown in FIG. Table 6 shows the results together with Example 1 and Comparative Example 5.
[0176]
Charging conditions:
DC bias: -900V
AC bias: 2.0 kV (peak to peak), frequency: 1.5 kHz
Transfer conditions:
110 μA
[0177]
[Table 6]
[0178]
(Photoconductor Production Example 23)
A photoconductor having the same composition as that of the photoconductor preparation example 1 was manufactured by changing the aluminum cylinder of the photoconductor preparation example 1 to one having a diameter of 30 mm.
[0179]
(Photoconductor Production Example 24)
A photoconductor having the same composition as that of Photoconductor Production Example 4 was manufactured by changing the aluminum cylinder of Photoconductor Production Example 4 to a cylinder having a diameter of 30 mm.
[0180]
(Photoconductor Production Example 25)
A photoconductor having the same composition as that of Photoconductor Production Example 5 was produced by changing the aluminum cylinder of Photoconductor Production Example 5 to a cylinder having a diameter of 30 mm.
[0181]
(Example 26 of photoconductor production)
A photoconductor having the same composition as that of Photoconductor Production Example 8 was produced by changing the aluminum cylinder of Photoconductor Production Example 8 to a cylinder having a diameter of 30 mm.
[0182]
(Photoconductor Production Example 27)
A photoconductor having the same composition as that of Photoconductor Production Example 9 was manufactured by changing the aluminum cylinder of Photoconductor Production Example 9 to a cylinder having a diameter of 30 mm.
[0183]
(Examples 31 to 33 and Comparative Examples 25 to 31)
The photoreceptors of the photoreceptor production examples 23 to 27 produced as described above were mounted on one electrophotographic apparatus process cartridge together with the charging member, and further mounted on a full-color electrophotographic apparatus shown in FIG. The four image forming elements were subjected to a pass-through test of 200,000 sheets of a full-color image under the process conditions described below, to confirm the presence of missing characters, the presence or absence of background contamination, and the evaluation of a halftone image (test environment: 22 ° C.-55 % RH). At this time, the transfer current was controlled by a circuit as shown in FIG. In addition, character omission and background stain evaluation were carried out in four stages. Very good ones were represented by ◎, good ones were represented by ○, slightly poor ones by Δ, and very poor ones by X. Table 7 shows the above results.
[0184]
Charging condition: DC bias -800V,
AC bias 1.5 kV (peak to peak),
Frequency 2.0kHz
Charging member: the same as that used in Example 2
Writing: 780nm LD (using polygon mirror)
Transfer conditions: 2 conditions of 75 μA and 60 μA
[0185]
[Table 7]
[0186]
Finally, it is verified whether the lowest angle peak of 7.3 ° of the Bragg angle θ, which is a feature of the titanyl phthalocyanine crystal used in the present invention, is the same as the lowest angle of known materials of 7.5 °.
[0187]
(Synthesis example 9)
The same treatment as in Synthesis Example 1 was carried out except that the crystal conversion solvent in Synthesis Example 1 was changed from methylene chloride to 2-butanone, to obtain a titanyl phthalocyanine crystal.
The XD spectrum of the titanyl phthalocyanine crystal prepared in Synthesis Example 9 was measured in the same manner as in Synthesis Example 1. This is shown in FIG. 8, the lowest angle in the XD spectrum of the titanyl phthalocyanine crystal produced in Synthesis Example 9 is at 7.5 °, which is different from the lowest angle (7.3 °) of the titanyl phthalocyanine produced in Synthesis Example 1. You can see.
[0188]
(Measurement example 1)
The pigment (lowest angle 7.3 °) obtained in Synthesis Example 1 was prepared in the same manner as the pigment described in JP-A-61-239248 (having the maximum diffraction peak at 7.5 °), and 3% by weight. % And mixed in a mortar, and the X-ray diffraction spectrum was measured in the same manner as above. The X-ray diffraction spectrum of Measurement Example 1 is shown in FIG.
[0189]
(Measurement example 2)
The pigment obtained in Synthesis Example 9 (minimum angle 7.5 °) was prepared in the same manner as the pigment described in JP-A-61-239248 (having the maximum diffraction peak at 7.5 °), and 3% by weight. % And mixed in a mortar, and the X-ray diffraction spectrum was measured in the same manner as above. The X-ray diffraction spectrum of Measurement Example 2 is shown in FIG.
[0190]
In the spectrum of FIG. 9, two independent peaks of 7.3 ° and 7.5 ° exist on the low-angle side, and it can be seen that at least the peaks of 7.3 ° and 7.5 ° are different. . On the other hand, in the spectrum of FIG. 10, the low-angle side peak exists only at 7.5 °, which is clearly different from the spectrum of FIG.
From the above, it can be seen that the lowest angle peak of 7.3 ° in the titanyl phthalocyanine crystal of the present invention is different from the peak of 7.5 ° in the known titanyl phthalocyanine crystal.
[0191]
【The invention's effect】
As described above, as is clear from the detailed and specific inventions, according to the present invention, there is provided an electrophotographic apparatus which does not generate an abnormal image and outputs a stable and high-resolution image when repeatedly used at a high speed. You.
Specifically, there is provided an electrophotographic apparatus which eliminates electrical deterioration of a photoconductor due to reverse charging in a transfer unit and outputs a stable and high-resolution image. Further, even when a non-halogen solvent is used in the coating solution for the charge transport layer, an electrophotographic apparatus which maintains the high sensitivity inherent in titanyl phthalocyanine is provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram for explaining an electrophotographic process and an electrophotographic apparatus of the present invention.
FIG. 2 is a view showing an example of a proximity charging mechanism in which a gap forming member is arranged on a charging member side in the present invention.
FIG. 3 is a view for explaining a process cartridge for an electrophotographic apparatus of the present invention.
FIG. 4 is a schematic view illustrating a tandem type full-color electrophotographic apparatus according to the present invention.
FIG. 5 is a diagram illustrating a layer configuration of an electrophotographic photosensitive member used in the present invention.
FIG. 6 is a diagram illustrating a layer configuration of another electrophotographic photosensitive member used in the present invention.
FIG. 7 is a view showing an XD spectrum of titanyl phthalocyanine synthesized in Synthesis Example 1.
FIG. 8 is a diagram showing an XD spectrum of titanyl phthalocyanine synthesized in Synthesis Example 9.
FIG. 9 is a diagram showing an XD spectrum of titanyl phthalocyanine used in Measurement Example 1.
FIG. 10 is a diagram showing an XD spectrum of titanyl phthalocyanine used in Measurement Example 2.
FIG. 11 is a diagram illustrating a relationship between transfer current and transfer efficiency.
FIG. 12 is a diagram illustrating an example of a transfer circuit capable of constant current control.
FIG. 13 is a diagram showing an XD spectrum of a dry powder of a water paste.
FIG. 14 is a diagram showing a state of a dispersion when a dispersion time is short.
FIG. 15 is a diagram showing a state of a dispersion when a dispersion time is long.
FIG. 16 is a diagram showing the average particle size and the particle size distribution of the dispersions of FIGS.
FIG. 17 is a TEM image of amorphous titanyl phthalocyanine. The scale bar in the figure is 0.2 μm.
FIG. 18 is a TEM image of titanyl phthalocyanine after crystal conversion. The scale bar in the figure is 0.2 μm.
FIG. 19 is a TEM image of a titanyl phthalocyanine crystal obtained by performing a crystal conversion in a short time. The scale bar in the figure is 0.2 μm.
[Explanation of symbols]
1 Photoconductor
1C photoreceptor
1M photoreceptor
1Y photoreceptor
1K photoreceptor
2 Static elimination lamp
2C charging member
2M charging member
2Y charging member
2K charging member
3 charging roller
3C laser light
3M laser light
3Y laser light
3K laser light
4C developing member
4M developing member
4Y developing member
4K developing member
5 Image exposure section
5C cleaning member
5M cleaning member
5Y cleaning member
5K cleaning member
6 Developing unit
6C imaging element
6M imaging element
6Y imaging element
6K image forming element
7 Transfer paper
8 Paper feed rollers
9 Registration roller
10 Transfer conveyor belt
11 Transfer bias roller
11C transfer brush
11M transfer brush
11Y transfer brush
11K transfer brush
12 Fixing device
13 Charger before cleaning
14 fur brush
15 Cleaning brush
16 Developing roller
17 Transfer roller
18 Separating claws
21 Gap forming member
22 Metal shaft
23 Image formation area
24 Non-image forming area
31 conductive support
33 middle class
35 charge generation layer
37 charge transport layer
100 photoconductor
101 transfer belt
102 drive roller
103 driven roller
104 bias roller
105 High voltage power supply (power pack)
106 Current detection resistor
Claims (22)
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