JP2004163222A - 摩擦係数測定装置のベルトチャック - Google Patents
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Abstract
【課題】装置自体が複雑にならずに、エンドレスのベルトがそのまま使用できる摩擦係数測定装置のベルトチャックを提供すること。
【解決手段】ハウジング1に、エンドレスベルト8の長さ方向の一定域が遊挿されるベルト挿入溝2を形成し、前記ハウジング1に、ベルト挿入溝2に挿入されたエンドレスベルト8を厚み方向に挟み付けて移動不能にする締結手段を具備させてある。締結手段は、ベルト挿入溝2又はこれに連通する凹み部22に設けられた外部移動操作可能な押さえ板3を有するものであり、前記押さえ板3とこれに対向するベルト挿入溝2の構成壁とによりエンドレスベルト8が挟持されるようにしてある。
【選択図】 図2
【解決手段】ハウジング1に、エンドレスベルト8の長さ方向の一定域が遊挿されるベルト挿入溝2を形成し、前記ハウジング1に、ベルト挿入溝2に挿入されたエンドレスベルト8を厚み方向に挟み付けて移動不能にする締結手段を具備させてある。締結手段は、ベルト挿入溝2又はこれに連通する凹み部22に設けられた外部移動操作可能な押さえ板3を有するものであり、前記押さえ板3とこれに対向するベルト挿入溝2の構成壁とによりエンドレスベルト8が挟持されるようにしてある。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プーリとこれに掛けられたベルトとの摩擦係数を測定する装置において、エンドレスのベルトをそのまま使用することができる摩擦係数測定装置のベルトチャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プーリとこれに掛けられたベルトとの摩擦係数を測定する方法としては、オイラー法がよく用いられている。
【0003】
オイラー法により上記摩擦係数を測定する場合、図9に示すように、エンドレスベルトを切断して形成された試験片90をプーリPに掛け、試験片90の一端側を重錘Wが吊るされたベルトチャック91で、他端側をロードセルRCを介して固定部Fに取り付けられたベルトチャック92で、それぞれ締結するようにし、この状態でプーリPを矢印方向に回転せしめる。そして、オイラーの式に、プーリPを回転させたときロードセルRCに示される張力(張り側張力)、試験片90の一端に取り付けられた重錘Wとベルトチャック91による張力(ゆるみ側張力)、試験片90のプーリPへの巻き付け角度を、当てはめることにより、試験片90とプーリP間の見かけの摩擦係数を計算により求める。
【0004】
ここで、オイラー法によるベルトの摩擦係数測定装置において、ベルトをエンドレスのままで摩擦係数を測定できる方法〔ベルト走行法〕も多数公表されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。この場合、エンドレスのベルトから試験片を形成する必要がなくなり、使い勝手が良い。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−105188号公報の図1、図2
【特許文献2】
特開2000−105189号公報の図1、図2、図3
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このベルト走行法を採用する場合、装置自体が複雑になるという問題がある。
【0007】
そこで、この発明では、装置自体が複雑にならずに、エンドレスのベルトがそのまま使用できる摩擦係数測定装置のベルトチャックを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(請求項1記載の発明)
この発明の摩擦係数測定装置のベルトチャックは、ハウジングに、エンドレスベルトの長さ方向の一定域が遊挿されるベルト挿入溝を形成し、前記ハウジングに、ベルト挿入溝に挿入されたエンドレスベルトを厚み方向に挟み付けて移動不能にする締結手段を具備させてある。
(請求項2記載の発明)
この発明の摩擦係数測定装置のベルトチャックは、上記請求項1記載の発明に関し、締結手段は、ベルト挿入溝又はこれに連通する凹み部に設けられた外部移動操作可能な押さえ板を有するものであり、前記押さえ板とこれに対向するベルト挿入溝の構成壁とによりエンドレスベルトが挟持されるようにしてある。
(請求項3記載の発明)
この発明の摩擦係数測定装置のベルトチャックは、上記請求項2記載の発明に関し、押さえ板は、ベース板と、エンドレスベルトの形状に適合させた面を有する型板とにより構成されている。
(請求項4記載の発明)
この発明の摩擦係数測定装置のベルトチャックは、上記請求項2又は3記載の発明に関し、押さえ板と対向する位置にエンドレスベルトの形状に適合させた面を有する型板を配設してあり、前記押さえ板と型板とによりエンドレスベルトが厚み方向に挟持されるようにしてある。
(請求項5記載の発明)
この発明の摩擦係数測定装置のベルトチャックは、上記請求項1乃至4のいずれかに記載の発明に関し、ハウジングに、取り付け具を具備させてある。
【0009】
この発明の摩擦係数測定装置のベルトチャックにおける作用・効果については、発明の実施の形態の欄で明らかにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態の摩擦係数測定装置のベルトチャックの図面に従って説明する。
〔実施形態1〕
図1はこの発明の実施形態1のベルトチャックBCを具備する摩擦係数測定装置(プーリ回転法)の概念図、図2は前記ベルトチャックBCの正面図、図3は図2のX−X断面図である。
【0011】
この摩擦係数測定装置は、図1に示すように、断面V形状のエンドレスベルト8(Vベルト)をプーリPに掛け、エンドレスベルト8の第1位置を重錘Wが吊るされたベルトチャックBCで、第2位置をロードセルRCを介して固定部Fに取り付けられたベルトチャックBCで、それぞれ締結するようにし、この状態でプーリPを矢印方向に回転せしめるようになっている。そして、従来の技術の欄で述べた通りオイラーの式に、張り側張力Tt、ゆるみ側張力Ts、エンドレスベルト8のプーリPへの巻き付け角度θを、当てはめることにより、エンドレスベルト8とプーリP間の見かけの摩擦係数を計算により求める。
【0012】
以下に、この発明の実施形態1のベルトチャックBCの構成等について詳述する。
(ベルトチャックBCの構成について)
このベルトチャックBCは、図2や図3に示すように、直方体状のハウジング1の一方の側面に、ベルト幅80よりも深く且つベルト厚81よりも幅広のベルト挿入溝2を形成し、前記ベルト挿入溝2の右側壁21側に押さえ板3を配置させ、ハウジング1にねじ込んだボルト4のねじ込み量の増加により前記押さえ板3を左側壁20側に移動させてエンドレスベルト8をベルト厚み方向に挟圧する態様で締結するようにしている。即ち、この実施形態では、押さえ板3を外部移動操作可能にする手段として、ハウジング1にねじ込んだボルト4を採用している。
【0013】
ここで、図2や図3に示すように、右側壁21には押さえ板3を収容する凹み部22を設けてあり、ボルト4のハウジング1へのねじ込み量を減少させることにより、押さえ板3を凹み部22内に完全に収容できるようにしてある。したがって、エンドレスべルト8のベルト挿入溝2への挿入作業は円滑に行える。また、押さえ板3は凹み部22内に常時収容された状態となっており、押さえ板3と左側壁20でエンドレスベルト8が挟持された図2の状態において、ベルト長手方向に力が作用した場合でも押さえ板3は、凹み部22の構成壁との係止により横滑するようなことはない。
【0014】
上記したベルト挿入溝2は、図2に示すように、ハウジング1の上下面に平行な長い域23と、ハウジング1の上面に至る域24とから構成されている。
【0015】
また、上記ハウジング1には、ワイヤーや金属線等を取り付けるための取り付け具7を設けてある。なお、この取り付け具7は円孔70を有するものとしてあり、この円孔70は域23で締結しているエンドレスベルト8部分(ハウジング1の上下面と平行)の延長線上に位置させてある。したがって、図1に示すように、セッティングした状態において、エンドレスベルト8はプーリPに安定した状態で掛けられることになる。
(ベルトチャックBCの機能について)
このベルトチャックBCでエンドレスベルト8を締結する場合、以下のようにする。
▲1▼.ベルト挿入溝2に、エンドレスベルト8をその側面から挿入していき、適正位置にセットする。
▲2▼.次に、工具を使って、ハウジング1にねじ込まれているボルト4のねじ込み量を増加させて押さえ板3を左側壁20側に移動させ、エンドレスベルト8を押さえ板3と左側壁20で挟圧締結させる。
▲3▼.ハウジング1からエンドレスベルト8を取り外す場合、ハウジング1にねじ込まれているボルト4のねじ込み量を減少させて押さえ板3を右側壁21側に移動させ、凹み部22に収容させる。この状態では押さえ板3と左側壁20によるエンドレスベルト8への挟圧力は完全に解除(非接触)されている。
▲4▼.ベルト挿入溝2からエンドレスベルト8を引き抜く。
▲5▼.上記した▲1▼〜▲4▼に示すように、このベルトチャックBCを使用するとエンドレスベルト8を、簡単に締結・解除できる。
〔実施形態2〕
この実施形態2のベルトチャックBCは上記実施形態1と基本的には同じ考え方でエンドレスベルト8を挟持固定するものであるが、押さえ板3を外部移動操作可能にする手段のみが相違している。以下にこの手段について図4に基づいて説明する。
【0016】
この実施形態のベルトチャックBCでは、押さえ板3には頭なしボルト40の一端側にねじ込まれていると共に他端側がハウジング1外に貫通突出されてあり、この突出する頭なしボルト40部分にナット41がねじ込まれている。また、押さえ板3とハウジング1との間には複数のコイルバネ32が設けられており、コイルバネ32により凹み部22からベルト挿入溝2側に向かって付勢されている。したがって、ナット41をねじ込んでいくと、押さえ板3はコイルバネ32の付勢力に抗して凹み部22内に入っていき、逆にナット41のねじ込みを解いていくと、押さえ板3はコイルバネ32の付勢力により凹み部22からベルト溝2へ飛び出す方向に移動する。
【0017】
このベルトチャックBCにより、エンドレスベルト8を締結する場合は以下の作業を行う。
▲1▼.ナット41をねじ込んでいき、左側壁20と押さえ板3とのクリアランスを拡大する。
▲2▼.ベルト挿入溝2にエンドレスベルト8を挿入する。
▲3▼.ナット41のねじ込みを解いていくと、押さえ板3はエンドレスベルト8に向かって移動し、エンドレスベルト8は押さえ板3と左側壁20とにより挟まれる。
▲4▼.上記▲3▼の状態からナット41がハウジング1と接触しなくなるまで更にネジ込みを解いていくと、エンドレスベルト8は押さえ板3に作用するコイルバネ32の付勢力により挟持される。この形態によると、エンドレスベルト8に作用する張力により厚みが変化しても、コイルバネ32による押さえ板3の押し付けは追随するので、エンドレスベルト8の滑りを抑制できる。
▲5▼.エンドレスベルト8を取り外す場合は、ナット41をねじ込んで左側壁20と押さえ板3とのクリアランスを拡大すればよい。
〔実施形態3〕
この実施形態2のベルトチャックBCは上記実施形態1と押さえ板3を外部移動操作可能にする手段のみが相違している。以下にこの手段について図5に基づいて説明する。
【0018】
この実施形態のベルトチャックBCでは、凹み部22の下面を傾斜面22aとし、前記傾斜面22aに、ベルト張り方向に向かって厚みが薄くなり且つ左側壁20と対向する面が当該左側壁20と平行になっている押さえ板3を接触させている。したがって、押さえ板3がベルト張り方向へ移動すると、当該押さえ板3は左側壁20に向かって移動する。
【0019】
このベルトチャックBCにより、エンドレスベルト8を締結する場合は以下の作業を行う。
▲1▼.ベルト挿入溝2にエンドレスベルト8を挿入する。
▲2▼.エンドレスベルト8をベルト張り方向に引っ張る。すると、押さえ板3はエンドレスベルト8との摩擦力により傾斜面22aを登り、エンドレスベルト8は押さえ板3と左側壁20により挟持される。
▲3▼.エンドレスベルト8を取り外す場合は、エンドレスベルト8をベルト張り方向と反対側に引っ張ればよい。
〔他の実施形態〕
上記実施形態では、エンドレスベルト8はVベルトであったが、これに限定されるものではなく、この発明のベルトチャックBCでは図6に示すように、Vリブドベルト8aでも締結できる。Vリブドベルト8aを締結する場合、押さえ板3の面をVリブドベルト8aの山谷に適合させて山部30及び谷部31を形成すればよい。このようにベルトの形状に適合させて押さえ板3の面や型板5の面を形成すれば、ベルトが押さえ板3等からの力により部分的に大きく塑性変形することはなくなり、致命的な損傷を負うようなことがない。したがって、使用時間の増加に伴う摩擦係数の変化を、実際の使用に則して測定できることになる。
【0020】
上記実施形態にかえて、図6に示すように、押さえ板3を、型板33とこれとは別体のベース板34で構成させることができる。この場合、エンドレスベルト8の断面形状に適合させた型板33を選択して共通のベース板34に取り付けるようにすればよい。これにより加工コストを低くできる。
【0021】
また、この発明のベルトチャックBCにより断面円形状のエンドレスベルト8bを締結する場合、左側壁20側にエンドレスベルト8の断面形状に適合させた円弧面を有する型板5を配置し、押さえ板4にエンドレスベルト8の断面形状に適合させた円弧面を形成しておく。
【0022】
さらに、この発明のベルトチャックBCにより断面正方形のエンドレスベルト8cを締結する場合、左側壁20側にエンドレスベルト8の断面形状に適合させた角面を有する型板5を配置し、押さえ板3にエンドレスベルト8の断面形状に適合させた角面を形成しておく。
【0023】
そして、この発明のベルトチャックBCでは当然のことながら、エンドレスの平ベルトも締結できる。
【0024】
【発明の効果】
この発明は上記のような構成であるから、次の効果を奏する。
【0025】
発明の実施の形態の欄に記載した内容から、装置自体が複雑にならずに、エンドレスのベルトがそのまま使用できる摩擦係数測定装置のベルトチャックを提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1のベルトチャックを具備する摩擦係数測定装置の概念図。
【図2】前記ベルトチャックの正面図。
【図3】図2のX−X断面図。
【図4】この発明の実施形態2のベルトチャックの正面図。
【図5】この発明の実施形態3のベルトチャックの正面図。
【図6】この発明の他の実施形態のベルトチャックの説明図。
【図7】この発明の他の実施形態のベルトチャックの説明図。
【図8】この発明の他の実施形態のベルトチャックの説明図。
【図9】先行技術のベルトチャックを具備する摩擦係数測定装置の概念図。
【符号の説明】
BC ベルトチャック
1 ハウジング
2 ベルト挿入溝
3 押さえ板
4 ボルト
5 型板
7 取り付け具
8 エンドレスベルト
20 左側壁
21 右側壁
33 型板
34 ベース板
40 頭無ボルト
41 ナット
【発明の属する技術分野】
この発明は、プーリとこれに掛けられたベルトとの摩擦係数を測定する装置において、エンドレスのベルトをそのまま使用することができる摩擦係数測定装置のベルトチャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プーリとこれに掛けられたベルトとの摩擦係数を測定する方法としては、オイラー法がよく用いられている。
【0003】
オイラー法により上記摩擦係数を測定する場合、図9に示すように、エンドレスベルトを切断して形成された試験片90をプーリPに掛け、試験片90の一端側を重錘Wが吊るされたベルトチャック91で、他端側をロードセルRCを介して固定部Fに取り付けられたベルトチャック92で、それぞれ締結するようにし、この状態でプーリPを矢印方向に回転せしめる。そして、オイラーの式に、プーリPを回転させたときロードセルRCに示される張力(張り側張力)、試験片90の一端に取り付けられた重錘Wとベルトチャック91による張力(ゆるみ側張力)、試験片90のプーリPへの巻き付け角度を、当てはめることにより、試験片90とプーリP間の見かけの摩擦係数を計算により求める。
【0004】
ここで、オイラー法によるベルトの摩擦係数測定装置において、ベルトをエンドレスのままで摩擦係数を測定できる方法〔ベルト走行法〕も多数公表されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。この場合、エンドレスのベルトから試験片を形成する必要がなくなり、使い勝手が良い。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−105188号公報の図1、図2
【特許文献2】
特開2000−105189号公報の図1、図2、図3
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このベルト走行法を採用する場合、装置自体が複雑になるという問題がある。
【0007】
そこで、この発明では、装置自体が複雑にならずに、エンドレスのベルトがそのまま使用できる摩擦係数測定装置のベルトチャックを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(請求項1記載の発明)
この発明の摩擦係数測定装置のベルトチャックは、ハウジングに、エンドレスベルトの長さ方向の一定域が遊挿されるベルト挿入溝を形成し、前記ハウジングに、ベルト挿入溝に挿入されたエンドレスベルトを厚み方向に挟み付けて移動不能にする締結手段を具備させてある。
(請求項2記載の発明)
この発明の摩擦係数測定装置のベルトチャックは、上記請求項1記載の発明に関し、締結手段は、ベルト挿入溝又はこれに連通する凹み部に設けられた外部移動操作可能な押さえ板を有するものであり、前記押さえ板とこれに対向するベルト挿入溝の構成壁とによりエンドレスベルトが挟持されるようにしてある。
(請求項3記載の発明)
この発明の摩擦係数測定装置のベルトチャックは、上記請求項2記載の発明に関し、押さえ板は、ベース板と、エンドレスベルトの形状に適合させた面を有する型板とにより構成されている。
(請求項4記載の発明)
この発明の摩擦係数測定装置のベルトチャックは、上記請求項2又は3記載の発明に関し、押さえ板と対向する位置にエンドレスベルトの形状に適合させた面を有する型板を配設してあり、前記押さえ板と型板とによりエンドレスベルトが厚み方向に挟持されるようにしてある。
(請求項5記載の発明)
この発明の摩擦係数測定装置のベルトチャックは、上記請求項1乃至4のいずれかに記載の発明に関し、ハウジングに、取り付け具を具備させてある。
【0009】
この発明の摩擦係数測定装置のベルトチャックにおける作用・効果については、発明の実施の形態の欄で明らかにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態の摩擦係数測定装置のベルトチャックの図面に従って説明する。
〔実施形態1〕
図1はこの発明の実施形態1のベルトチャックBCを具備する摩擦係数測定装置(プーリ回転法)の概念図、図2は前記ベルトチャックBCの正面図、図3は図2のX−X断面図である。
【0011】
この摩擦係数測定装置は、図1に示すように、断面V形状のエンドレスベルト8(Vベルト)をプーリPに掛け、エンドレスベルト8の第1位置を重錘Wが吊るされたベルトチャックBCで、第2位置をロードセルRCを介して固定部Fに取り付けられたベルトチャックBCで、それぞれ締結するようにし、この状態でプーリPを矢印方向に回転せしめるようになっている。そして、従来の技術の欄で述べた通りオイラーの式に、張り側張力Tt、ゆるみ側張力Ts、エンドレスベルト8のプーリPへの巻き付け角度θを、当てはめることにより、エンドレスベルト8とプーリP間の見かけの摩擦係数を計算により求める。
【0012】
以下に、この発明の実施形態1のベルトチャックBCの構成等について詳述する。
(ベルトチャックBCの構成について)
このベルトチャックBCは、図2や図3に示すように、直方体状のハウジング1の一方の側面に、ベルト幅80よりも深く且つベルト厚81よりも幅広のベルト挿入溝2を形成し、前記ベルト挿入溝2の右側壁21側に押さえ板3を配置させ、ハウジング1にねじ込んだボルト4のねじ込み量の増加により前記押さえ板3を左側壁20側に移動させてエンドレスベルト8をベルト厚み方向に挟圧する態様で締結するようにしている。即ち、この実施形態では、押さえ板3を外部移動操作可能にする手段として、ハウジング1にねじ込んだボルト4を採用している。
【0013】
ここで、図2や図3に示すように、右側壁21には押さえ板3を収容する凹み部22を設けてあり、ボルト4のハウジング1へのねじ込み量を減少させることにより、押さえ板3を凹み部22内に完全に収容できるようにしてある。したがって、エンドレスべルト8のベルト挿入溝2への挿入作業は円滑に行える。また、押さえ板3は凹み部22内に常時収容された状態となっており、押さえ板3と左側壁20でエンドレスベルト8が挟持された図2の状態において、ベルト長手方向に力が作用した場合でも押さえ板3は、凹み部22の構成壁との係止により横滑するようなことはない。
【0014】
上記したベルト挿入溝2は、図2に示すように、ハウジング1の上下面に平行な長い域23と、ハウジング1の上面に至る域24とから構成されている。
【0015】
また、上記ハウジング1には、ワイヤーや金属線等を取り付けるための取り付け具7を設けてある。なお、この取り付け具7は円孔70を有するものとしてあり、この円孔70は域23で締結しているエンドレスベルト8部分(ハウジング1の上下面と平行)の延長線上に位置させてある。したがって、図1に示すように、セッティングした状態において、エンドレスベルト8はプーリPに安定した状態で掛けられることになる。
(ベルトチャックBCの機能について)
このベルトチャックBCでエンドレスベルト8を締結する場合、以下のようにする。
▲1▼.ベルト挿入溝2に、エンドレスベルト8をその側面から挿入していき、適正位置にセットする。
▲2▼.次に、工具を使って、ハウジング1にねじ込まれているボルト4のねじ込み量を増加させて押さえ板3を左側壁20側に移動させ、エンドレスベルト8を押さえ板3と左側壁20で挟圧締結させる。
▲3▼.ハウジング1からエンドレスベルト8を取り外す場合、ハウジング1にねじ込まれているボルト4のねじ込み量を減少させて押さえ板3を右側壁21側に移動させ、凹み部22に収容させる。この状態では押さえ板3と左側壁20によるエンドレスベルト8への挟圧力は完全に解除(非接触)されている。
▲4▼.ベルト挿入溝2からエンドレスベルト8を引き抜く。
▲5▼.上記した▲1▼〜▲4▼に示すように、このベルトチャックBCを使用するとエンドレスベルト8を、簡単に締結・解除できる。
〔実施形態2〕
この実施形態2のベルトチャックBCは上記実施形態1と基本的には同じ考え方でエンドレスベルト8を挟持固定するものであるが、押さえ板3を外部移動操作可能にする手段のみが相違している。以下にこの手段について図4に基づいて説明する。
【0016】
この実施形態のベルトチャックBCでは、押さえ板3には頭なしボルト40の一端側にねじ込まれていると共に他端側がハウジング1外に貫通突出されてあり、この突出する頭なしボルト40部分にナット41がねじ込まれている。また、押さえ板3とハウジング1との間には複数のコイルバネ32が設けられており、コイルバネ32により凹み部22からベルト挿入溝2側に向かって付勢されている。したがって、ナット41をねじ込んでいくと、押さえ板3はコイルバネ32の付勢力に抗して凹み部22内に入っていき、逆にナット41のねじ込みを解いていくと、押さえ板3はコイルバネ32の付勢力により凹み部22からベルト溝2へ飛び出す方向に移動する。
【0017】
このベルトチャックBCにより、エンドレスベルト8を締結する場合は以下の作業を行う。
▲1▼.ナット41をねじ込んでいき、左側壁20と押さえ板3とのクリアランスを拡大する。
▲2▼.ベルト挿入溝2にエンドレスベルト8を挿入する。
▲3▼.ナット41のねじ込みを解いていくと、押さえ板3はエンドレスベルト8に向かって移動し、エンドレスベルト8は押さえ板3と左側壁20とにより挟まれる。
▲4▼.上記▲3▼の状態からナット41がハウジング1と接触しなくなるまで更にネジ込みを解いていくと、エンドレスベルト8は押さえ板3に作用するコイルバネ32の付勢力により挟持される。この形態によると、エンドレスベルト8に作用する張力により厚みが変化しても、コイルバネ32による押さえ板3の押し付けは追随するので、エンドレスベルト8の滑りを抑制できる。
▲5▼.エンドレスベルト8を取り外す場合は、ナット41をねじ込んで左側壁20と押さえ板3とのクリアランスを拡大すればよい。
〔実施形態3〕
この実施形態2のベルトチャックBCは上記実施形態1と押さえ板3を外部移動操作可能にする手段のみが相違している。以下にこの手段について図5に基づいて説明する。
【0018】
この実施形態のベルトチャックBCでは、凹み部22の下面を傾斜面22aとし、前記傾斜面22aに、ベルト張り方向に向かって厚みが薄くなり且つ左側壁20と対向する面が当該左側壁20と平行になっている押さえ板3を接触させている。したがって、押さえ板3がベルト張り方向へ移動すると、当該押さえ板3は左側壁20に向かって移動する。
【0019】
このベルトチャックBCにより、エンドレスベルト8を締結する場合は以下の作業を行う。
▲1▼.ベルト挿入溝2にエンドレスベルト8を挿入する。
▲2▼.エンドレスベルト8をベルト張り方向に引っ張る。すると、押さえ板3はエンドレスベルト8との摩擦力により傾斜面22aを登り、エンドレスベルト8は押さえ板3と左側壁20により挟持される。
▲3▼.エンドレスベルト8を取り外す場合は、エンドレスベルト8をベルト張り方向と反対側に引っ張ればよい。
〔他の実施形態〕
上記実施形態では、エンドレスベルト8はVベルトであったが、これに限定されるものではなく、この発明のベルトチャックBCでは図6に示すように、Vリブドベルト8aでも締結できる。Vリブドベルト8aを締結する場合、押さえ板3の面をVリブドベルト8aの山谷に適合させて山部30及び谷部31を形成すればよい。このようにベルトの形状に適合させて押さえ板3の面や型板5の面を形成すれば、ベルトが押さえ板3等からの力により部分的に大きく塑性変形することはなくなり、致命的な損傷を負うようなことがない。したがって、使用時間の増加に伴う摩擦係数の変化を、実際の使用に則して測定できることになる。
【0020】
上記実施形態にかえて、図6に示すように、押さえ板3を、型板33とこれとは別体のベース板34で構成させることができる。この場合、エンドレスベルト8の断面形状に適合させた型板33を選択して共通のベース板34に取り付けるようにすればよい。これにより加工コストを低くできる。
【0021】
また、この発明のベルトチャックBCにより断面円形状のエンドレスベルト8bを締結する場合、左側壁20側にエンドレスベルト8の断面形状に適合させた円弧面を有する型板5を配置し、押さえ板4にエンドレスベルト8の断面形状に適合させた円弧面を形成しておく。
【0022】
さらに、この発明のベルトチャックBCにより断面正方形のエンドレスベルト8cを締結する場合、左側壁20側にエンドレスベルト8の断面形状に適合させた角面を有する型板5を配置し、押さえ板3にエンドレスベルト8の断面形状に適合させた角面を形成しておく。
【0023】
そして、この発明のベルトチャックBCでは当然のことながら、エンドレスの平ベルトも締結できる。
【0024】
【発明の効果】
この発明は上記のような構成であるから、次の効果を奏する。
【0025】
発明の実施の形態の欄に記載した内容から、装置自体が複雑にならずに、エンドレスのベルトがそのまま使用できる摩擦係数測定装置のベルトチャックを提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1のベルトチャックを具備する摩擦係数測定装置の概念図。
【図2】前記ベルトチャックの正面図。
【図3】図2のX−X断面図。
【図4】この発明の実施形態2のベルトチャックの正面図。
【図5】この発明の実施形態3のベルトチャックの正面図。
【図6】この発明の他の実施形態のベルトチャックの説明図。
【図7】この発明の他の実施形態のベルトチャックの説明図。
【図8】この発明の他の実施形態のベルトチャックの説明図。
【図9】先行技術のベルトチャックを具備する摩擦係数測定装置の概念図。
【符号の説明】
BC ベルトチャック
1 ハウジング
2 ベルト挿入溝
3 押さえ板
4 ボルト
5 型板
7 取り付け具
8 エンドレスベルト
20 左側壁
21 右側壁
33 型板
34 ベース板
40 頭無ボルト
41 ナット
Claims (5)
- ハウジングに、エンドレスベルトの長さ方向の一定域が遊挿されるベルト挿入溝を形成し、前記ハウジングに、ベルト挿入溝に挿入されたエンドレスベルトを厚み方向に挟み付けて移動不能にする締結手段を具備させたことを特徴とする摩擦係数測定装置のベルトチャック。
- 締結手段は、ベルト挿入溝又はこれに連通する凹み部に設けられた外部移動操作可能な押さえ板を有するものであり、前記押さえ板とこれに対向するベルト挿入溝の構成壁とによりエンドレスベルトが挟持されるようにしてあることを特徴とする請求項1記載の摩擦係数測定装置のベルトチャック。
- 押さえ板は、ベース板と、エンドレスベルトの形状に適合させた面を有する型板とにより構成されていることを特徴とする請求項2記載の摩擦係数測定装置のベルトチャック。
- 押さえ板と対向する位置にエンドレスベルトの形状に適合させた面を有する型板を配設してあり、前記押さえ板と型板とによりエンドレスベルトが厚み方向に挟持されるようにしてあることを特徴とする請求項2又は3記載の摩擦係数測定装置のベルトチャック。
- ハウジングに、取り付け具を具備させてあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の摩擦係数測定装置のベルトチャック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002328589A JP2004163222A (ja) | 2002-11-12 | 2002-11-12 | 摩擦係数測定装置のベルトチャック |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002328589A JP2004163222A (ja) | 2002-11-12 | 2002-11-12 | 摩擦係数測定装置のベルトチャック |
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---|---|
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ID=32806856
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004163222A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2101323A2 (en) | 2004-06-01 | 2009-09-16 | Panasonic Corporation | Optical disk device |
CN112378843A (zh) * | 2020-10-15 | 2021-02-19 | 东风汽车集团有限公司 | 一种摩擦系数的测量装置及测量方法 |
-
2002
- 2002-11-12 JP JP2002328589A patent/JP2004163222A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2101323A2 (en) | 2004-06-01 | 2009-09-16 | Panasonic Corporation | Optical disk device |
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