JP2004163219A - 光ファイバ河床洗掘・流速センサ及び河床洗掘・流速計測システム - Google Patents

光ファイバ河床洗掘・流速センサ及び河床洗掘・流速計測システム Download PDF

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敏夫 深堀
Kenichi Saito
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Abstract

【課題】遠隔地で河床洗掘状況と洗掘周囲の流速とを同時に計測することが可能な光ファイバ河床洗掘・流速センサ及び河床洗掘・流速計測システムを提供する。
【解決手段】河床若しくは高水敷に埋設され深さ方向に沿って所定間隔を隔てると共に川上を向くように複数の開口部12が形成された筒状筐体11と、この筒状筐体11内に開口部12を塞ぐようにそれぞれ設けられFBG24a〜24fを有する圧力検出部20a〜20hとを備えた光ファイバ河床洗掘・流速センサにより、遠隔地に接続された光式洗掘・流速測定装置40で各FBG24a〜24fでの反射波長を歪み量に変換することにより、土圧又は水圧を検出し、河床の洗掘深さと水流の流速とを測定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、河床や高水敷に埋設され、台風や大雨時の洪水等による洗掘の深さ及び水流の流速を検出するための光ファイバ河床洗掘・流速センサ及び河床洗掘・流速計測システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
台風や大雨時の洪水による破堤の形態は、緩流河川では越水、浸透が起因になる場合が多いが、急流河川では水衝部の根固めや護岸の洗掘により堤脚から破壊され、破堤に至る場合が多い。また、洪水により道路橋の橋脚が周辺の河床の洗掘により傾斜・沈下することもある。
【0003】
このため、台風や大雨による出水時における堤防や橋等の河川管理施設の維持管理については、CCTVカメラによる監視や、直接現地を巡視することによる目視確認を行っている。
【0004】
しかし、CCTVカメラやビデオカメラ等による遠隔監視では、悪天候時、特に降雨、霧等の場合に視界が不良になることが多く、監視が不可能になってしまう。
【0005】
また、洪水時の水流は濁流であり、洗掘による破堤は洪水流水面下で進行するため、CCTVカメラでの監視や巡視による目視確認では河床の洗掘状況について確認することができず、緊急対策や避難が遅れることが懸念される。
【0006】
さらに、洗掘されようとする部分の流速を知ることは緊急の対応策に重要な情報になるが、汎用の電気式流速計を出水部に入れて測定するのは危険が伴い困難である。
【0007】
このため、悪天候時や水流が濁流であっても洗掘の深さを測定できるものとして、河床に埋設される固体構造物に沿わせて揺動検知センサを設け、この揺動センサの姿勢変化を検知して洗掘を監視する洗掘監視装置(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
【0008】
また、水流の流速や流向を測定するものとしては、筒状の筐体の両側の開口部がダイヤフラムで塞がれ、このダイヤフラムにファイバブラッググレーティング(以下「FBG」と称する。)ゲージが設けられた流向センサ(例えば、特許文献2参照。)が提案されており、この流向センサは、FBGゲージに発生した歪みを検出することで流向を測定するものである。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−125524号公報
【特許文献2】
特開2002−156384号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は、洗掘の深さと水流の流速や流向とを同時に測定するには、上述した洗掘監視装置と流向センサとをそれぞれ別々に設置し、計測しなければならず、それぞれに製造コストや、設置コスト、測定コストなどがかかった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、遠隔地で河床洗掘状況と洗掘周囲の流速とを同時に計測可能な、光ファイバ河床洗掘・流速センサ及び河床洗掘・流速計測システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、河床若しくは高水敷に埋設され深さ方向に沿って所定間隔を隔てると共に川上を向くように複数の開口部が形成された筒状筐体と、この筒状筐体内に開口部を塞ぐようにそれぞれ設けられその開口部を通して土圧又は水圧を検出する圧力検出部とを備えたものである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成に加え、圧力検出部は、開口部を塞ぐと共に土圧又は水圧の大きさに応じて変形するダイヤフラムと、このダイヤフラムの筒状筐体の内部側の面を覆うと共に液体若しくは気体を収容するダイヤフラムケースと、このダイヤフラムケースに連通しダイヤフラムの変形に応じて自由端が所定方向に移動するブルドン管と、一端がブルドン管の自由端に固定され他端がブルドン管の固定端側に固定されたFBGを有し各FBG同士を直列に接続する光ファイバとからなるものである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、筒状筐体は頂部の周方向に沿って開口部が等間隔で複数形成されているものである。
【0015】
請求項4の発明は、請求項2に記載の構成に加え、河床若しくは高水敷に埋設されたときの筒状筐体内の圧力とダイヤフラムが受ける土圧又は水圧とが等しくなるように筒状筐体内に気体を供給する圧力平衡装置を有するものである。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1に記載の構成に加え、圧力検出部は、開口部を塞ぐと共に土圧又は水圧の大きさに応じて変形するダイヤフラムと、このダイヤフラムの筒状筐体の内部側の面の中央に一端部が固定されていると共に他端部が筒状筐体に固定されダイヤフラムの変形に応じて変形する弾性体と、この弾性体に固定されたFBGを有し各FBG同士を直列に接続する光ファイバとからなるものである。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1に記載の光ファイバ河床洗掘・流速センサと、各光ファイバ河床洗掘・流速センサからの情報に基づいて洗掘深さ及び水流の流速を測定する洗掘・流速測定装置とを備えたものである。
【0018】
請求項7の発明は、請求項2から5のいずれかに記載の光ファイバ洗掘・流速センサと、一端部がこの光ファイバ洗掘・流速センサに接続された光ファイバケーブルと、この光ファイバケーブルの他端部に接続され、光ファイバ洗掘・流速センサに計測用光を出力する光源、光ファイバ洗掘・流速センサのファイバブラッググレーティングで反射した光を入力し波長を測定する波長測定器及び出力光と入力光との波長変化からファイバブラッググレーティングの歪みを検出し、この歪みを圧力値に換算し、この圧力値を所定の土圧・水圧・大気圧の値と比較して洗掘深さ及び水流の流速を検出するパソコンを有するものである。
【0019】
上記請求項1の構成によれば、台風や大雨時の洪水等により河床若しくは高水敷が洗掘されると、上段の圧力検出部で検出される圧力の大きさが、土圧から水圧又は大気圧へと変化するため、各圧力検出部の位置から洗掘深さが検出されると共に、水圧の大きさを測定することにより水流の流速が測定される。
【0020】
上記請求項2の構成によれば、土圧又は水圧の大きさに応じてダイヤフラムが変形し、この変形による圧力がダイヤフラムケース内の液体若しくは気体を介してブルドン管内に伝達され、ブルドン管の自由端が移動することでFBGが引っ張られて歪みが生じる。これにより、FBGに計測用光を入射し、反射光の波長変化を検出することにより土圧又は水圧が測定される。
【0021】
上記請求項3の構成によれば、筒状筐体の周方向の圧力分布から流向が検出される。
【0022】
上記請求項4の構成によれば、河床若しくは高水敷に埋設したときに筒状筐体内の圧力とダイヤフラムが受ける土圧とのバランスが変化してダイヤフラムが変形するが、これらの圧力が等しくなるように筒状筐体内に気体が供給されて平衡にされ、ダイヤフラムが平坦になる。
【0023】
上記請求項5の構成によれば、土圧又は水圧の大きさに応じてダイヤフラムが変形し、この変形に応じて弾性体が変形し(縮みもしくは撓み)、この弾性体の変形に応じてFBGに歪みが生じる。これにより、FBGに計測用光を入射し、反射光の波長変化を検出することにより土圧又は水圧が測定される。
【0024】
上記請求項6及び7の構成によれば、各圧力検出部で検出された圧力値及びそれらの圧力分布から洗掘深さ及び水流の流速が測定される。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0026】
図1は本発明の一実施の形態を示す河床洗掘・流速計測システムの説明図である。また、図2は図1の光ファイバ洗掘・流速センサ内部の拡大図であり、図3は図2のIII−III線矢視断面図である。
【0027】
図1に示すように、本発明にかかる河床洗掘・流速計測システムは、河床若しくは高水敷に埋設される光ファイバ洗掘・流速センサ10と、一端部がこの光ファイバ洗掘・流速センサ10に接続された光ファイバケーブル30と、この光ファイバケーブル30の他端部に接続され、光ファイバ洗掘・流速センサ10により検出された圧力値から洗掘深さ及び水流の流速を遠隔にて測定する光式洗掘・流速測定装置40とを備えている。
【0028】
図示されていないが、光式洗掘・流速測定装置40は、光ファイバ洗掘・流速センサ10に計測用光を出力する光源と、光ファイバ洗掘・流速センサ10から入力される光の波長を測定する波長測定器と、出力光と入力光との波長変化から洗掘深さhを検出すると共に水流の流速を測定するパソコンとで構成されている。
【0029】
さらに、このパソコンには、後述する光ファイバ洗掘・流速センサに設けられたFBGの歪みと波長変化と圧力値との関係を示すデータや、水圧を検出した際に水圧の最大値と最小値との差P3’から流速Vを測定するための、数1式で示される演算式などのデータが保存されている。
【0030】
【数1】V=√(2P3’)
光ファイバ洗掘・流速センサ10は、長手方向に沿って所定間隔を隔てて複数、例えば5個、頂部の周方向に沿って等間隔で複数、例えば4個の開口部が形成されていると共に、土中に打ち込みやすいように底部が円錐状に形成されたほぼ円筒状の筐体と、この筐体内に開口部を塞ぐようにそれぞれ設けられ、その開口部を通して土圧P2、水圧P3、大気圧P1を検出する圧力検出部20a〜20hとを備えている。
【0031】
図2、図3に示すように、圧力検出部20a〜20fは、筐体11が水密構造になるように開口部12を塞ぐと共に土圧又は水圧の大きさに応じて変形する円板状のダイヤフラム21a〜21fと、このダイヤフラム21a〜21fの内側(筐体11の内部側)の面を覆う中空のダイヤフラムケース22a〜22fからなる接続体と、この接続体に連通しダイヤフラム21a〜21fの変形に応じて一方の端部(自由端)が所定方向に移動するC型ブルドン管23a〜23fと、一端がこのブルドン管23a〜23fの自由端に固定され他端がブルドン管23a〜23fの固定端側(図では接続体上)に固定されたFBG24a〜24fを有し、各FBG24a〜24f同士を直列に接続すると共に上述した光ファイバケーブル30と接続された光ファイバ31a〜31fとで構成されており、ダイヤフラムケース22a〜22f及びブルドン管23a〜23fの内部には、検出圧力を即座にブルドン管23a〜23fの自由端に伝えるべく、オイルが充填されている。
【0032】
また、この光ファイバ洗掘・流速センサには、圧力検出部20a〜20fの動作時の筐体内圧力と大気圧とをバランスさせるため空気を送り込むためのポンプ等からなる大気圧平衡装置50が、光ファイバケーブル30内に設けられた空気流通路を介して接続されている(図1参照)。
【0033】
次に、図2の光ファイバ洗掘・流速センサの作用を説明する。
【0034】
まず、光ファイバ洗掘・流速センサを、河床若しくは高水敷の洗掘深さ及び水流の流速の測定場所に、適宜な深さで鉛直に設置する。
【0035】
そして、台風や大雨等により洪水が発生した際には、濁流により光ファイバ洗掘・流速センサの周辺が洗掘され、例えば地表高さがH1からH2へ移動した時、最上段の圧力検出部20aのダイヤフラムに加わる圧力Pは敷設当初の土圧P2から浸水時には水圧P3、水面高さが最上段の圧力検出部20aより下方に位置する時には大気圧P1に変化する(図1参照)。
【0036】
これにより、図2に示したように、圧力の大きさに応じてダイヤフラム21a〜21fがそれぞれ変形し、各ダイヤフラム21a〜21fと接続されたブルドン管23a〜23fがその変形量に応じて撓み、ブルドン管23a〜23fの先端部(自由端)に取り付けられたFBG24a〜24fが伸長し、各FBG24a〜24fごとに変形量に応じた歪みが生じる。
【0037】
この状態で、FBG24a〜24fに計測用光(波長λ1〜λn)を入射させ、FBG24a〜24fによる反射光の波長変化を検出することにより、予めパソコンに保存されたデータ、すなわちFBG歪み量と反射波長との関係から各圧力(大気圧P1、土圧P2、水圧P3)が測定され、さらに変化の著しい圧力検出部20a〜20fを検出して、洗掘深さhが検出される。
【0038】
特に、光ファイバ洗掘・流速センサの頂部が浸水した際には、図3に示したように、ダイヤフラム21aの圧力が最も大きく、このダイヤフラム21aと比べて他のダイヤフラム21b、21c、21dの変形が小さくなり、水流の方向が矢印w方向と判定され、さらに、圧力の最大値と最小値との差から流速が測定される。
【0039】
次に、図1の河床洗掘・流速計測システムを用いて洗掘・流速の測定方法を図6を用いて説明する。
【0040】
図6は図1の河床洗掘・流速計測システムを用いた洗掘・流速の測定方法の流れ図である。
【0041】
図6に示すように、まず、光ファイバ洗掘・流速センサを河床又は高水敷の洗掘・流速の測定位置に布設する(ステップS1)。
【0042】
このとき、全ての圧力検出部に土圧P2(場所により若干異なる)が加わり、圧力検出部のダイヤフラムが変形する(ステップS2)。
【0043】
そして、このダイヤフラムと繋がっているブルドン管等の圧力/変位変換部が内部オイルを介して変形する(ステップS3)。
【0044】
さらに、土圧P2の大きさに応じてブルドン管の先端部(自由端)に取り付けたFBGが伸長し、歪みが発生する(ステップS4)。
【0045】
遠隔に設けられた光式洗掘・流速測定装置より光ファイバに波長λ1〜λnの計測用光を入射させ、各FBGによる反射光を測定する(ステップS5)。
【0046】
そして、FBG部位ごとの波長変化を、その大きさに比例する歪み量に換算する(ステップS6)。
【0047】
この波長変化から歪み量に換算する際には、図4に示すようなパソコン内のデータを用いる。
【0048】
図4は圧力検出部へ出力した検査用光の波長変化を示す図であり、横軸は波長、縦軸は光強度を示している。
【0049】
図4に示すように、検出用光は、それぞれの圧力検出部でのダイヤフラムの変形量に応じて、光強度は変わらず、波長λ1がFBG24aで反射して波長λ1’に、波長λ2がFBG24bで反射して波長λ2’に、波長λ3がFBG24cで反射して波長λ3’に、波長λ4がFBG24dで反射してλ4’に、…λnがλn’に変化するので、この変化量を各FBG24a〜24dの歪み量に換算できる。
【0050】
さらに、縦(深さ)方向の圧力検出部については、FBGの歪み量を比較し、洗掘深さを検出する。また横(周)方向の圧力検出部については、FBGの歪み量を比較し、流向を検出すると共に流速を測定する(ステップS7)。
【0051】
洗掘深さの検出及び流向の検出、流速の測定を行う際には、図5に示すようなパソコン内のデータを用いる。
【0052】
図5は光ファイバ洗掘・流速センサの圧力分布を示す図であり、横軸はFBG部位、縦軸は検出部圧力の大きさを示している。
【0053】
図5に示すように、光ファイバ洗掘・流速センサに設けられた各FBGの圧力変化としては、主に3つのケースが考えられる。
【0054】
ケース1としては、全てのFBGにより検出された圧力値が土圧P2の範囲内(但し、深くなるほどP2は大きい。)となる(C1)。
【0055】
ケース2としては、上側のFBGにより検出された圧力値が水圧P3の範囲内となり、かつ下側のFBGにより検出された圧力値が土圧P2となる(C2)。この場合、水圧P3を検出した圧力検出部と、土圧P2を検出した圧力検出部との間の高さ、例えば1段目まで洗掘され、洗掘部が浸水したと判定される。また、浸水したと判定された時には、周方向の圧力検出部の最大値と最小値とから流向が判定されると共にそれらの圧力差から流速Vが測定される。
【0056】
ケース3としては、上側のFBGにより検出された圧力値が全て大気圧P1となり、かつ下側のFBGにより検出された圧力値が土圧P2となる(C3)。この場合、大気圧P1を検出した圧力検出部と、土圧P2を検出した圧力検出部との間の高さ、例えば1段目まで洗掘され、洗掘部が浸水していないと判定される。
【0057】
以上のようなFBGの動作原理と大気圧P1、土圧P2、水圧P3の判定方法とにより、ケース1の場合は「洗掘なし」、ケース2の場合は「1段目まで洗掘及び浸水発生。流速V」、ケース3の場合は、「1段目まで洗掘。浸水なし(水が引いた状態)」と表示する(ステップS8)。
【0058】
以上説明したように、図1に示した河床洗掘・流速計測システムによれば、以下に示すような優れた効果を発揮する。
【0059】
(1)一つのセンサ、光ケーブル及び測定装置で洗掘及び流速の両方を計測することができる。
【0060】
(2)洗掘部近傍に電源が不要であり、遠隔リアルタイム計測が可能である。
(3)光信号を処理して洗掘及び流速を測定するので、電気信号のような電磁誘導による誤動作を防止できる。
【0061】
(4)筐体を一旦設置すれば遠隔から長期間計測でき、安全でかつコストダウンが図れる。
【0062】
次に、本発明の他の実施の形態を図7を用いて詳述する。
【0063】
図7は、本発明の他の実施の形態を示す光ファイバ洗掘・流速センサに設けられた圧力検出部の拡大図である。
【0064】
図7に示すように、この光ファイバ洗掘・流速センサは、圧力検出部の圧力/変位変換部として、図1に示したブルドン管に代えて、ダイヤフラム21の変形に応じて変形する弾性体を用いたものである。
【0065】
この圧力検出部は、筒状筐体11の開口部12を塞ぐと共に、土圧又は水圧の大きさに応じて変形するダイヤフラム21と、このダイヤフラム21の筒状筐体11の内部側の面の中央に一端部が固定されダイヤフラム21の変形に応じて縮むコイルバネ41及びこのコイルバネ41の他端部に一端部が接続されると共に他端部が筒状筐体11の固定部43に固定された曲がり梁42からなる弾性体と、この曲がり梁42に沿って固定されたFBG24を有し、各FBG24同士及びFBG24と上述した測定装置とを接続するための光ファイバとで構成されている。
【0066】
このように構成することで、図1に示した光ファイバ洗掘・流速センサと同様の作用効果が得られると共に、コイルバネ41により、河床若しくは高水敷に埋設したときの土圧又は水圧と筒状筐体11内の圧力との違いを吸収できるので、上述したダイヤフラムと共に設けられた圧力平衡装置を排除することができる。
【0067】
尚、本実施の形態にあっては、筒状筐体11の頂部の周方向に等間隔で4個の圧力検出部20a〜20dを設けたが、1個から3個、或いは5個以上設けても良い。但し、圧力検出部を1個設ける場合には、河床に敷設する際に筒状筐体11の開口部12を川上に向ける必要がある。
【0068】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、遠隔地で河床洗掘状況と洗掘周囲の流速とを同時に計測することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す河床洗掘・流速計測システムの説明図である。
【図2】図1の光ファイバ洗掘・流速センサ内部の拡大図である。
【図3】図2のIII−III線矢視断面図である。
【図4】図1の光ファイバ洗掘・流速センサの圧力検出部へ出力した検査用光の波長変化を示す図である。
【図5】図1の光ファイバ洗掘・流速センサの圧力分布を示す図である。
【図6】図1の河床洗掘・流速計測システムを用いた洗掘・流速の測定方法の流れ図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を示す光ファイバ洗掘・流速センサに設けられた圧力検出部の拡大図である。
【符号の説明】
11 筒状筐体
12 開口部
20a〜20h 圧力検出部
21a〜21f ダイヤフラム
22a〜22f 接続体(ダイヤフラムケース)
23a〜23f ブルドン管
24a〜24f FBG
31a〜31h 光ファイバ
40 洗掘・流速測定装置

Claims (7)

  1. 河床若しくは高水敷に埋設され深さ方向に沿って所定間隔を隔てると共に川上を向くように複数の開口部が形成された筒状筐体と、該筒状筐体内に上記開口部を塞ぐようにそれぞれ設けられその開口部を通して土圧又は水圧を検出する圧力検出部とを備えたことを特徴とする光ファイバ河床洗掘・流速センサ。
  2. 上記圧力検出部は、上記開口部を塞ぐと共に土圧又は水圧の大きさに応じて変形するダイヤフラムと、該ダイヤフラムの上記筒状筐体の内部側の面を覆うと共に液体若しくは気体を収容するダイヤフラムケースと、該ダイヤフラムケースに連通し上記ダイヤフラムの変形に応じて自由端が所定方向に移動するブルドン管と、一端が該ブルドン管の自由端に固定され他端が上記ブルドン管の固定端側に固定されたファイバブラッググレーティングを有し各ファイバブラッググレーティング同士を直列に接続する光ファイバとからなる請求項1に記載の光ファイバ洗掘・流速センサ。
  3. 上記筒状筐体は頂部の周方向に沿って上記開口部が等間隔で複数形成されている請求項1又は2に記載の光ファイバ洗掘・流速センサ。
  4. 上記河床若しくは高水敷に埋設されたときの上記筒状筐体内の圧力と上記ダイヤフラムが受ける土圧又は水圧とが等しくなるように上記筒状筐体内に気体を供給する圧力平衡装置を有する請求項2に記載の光ファイバ河床洗掘・流速センサ。
  5. 上記圧力検出部は、上記開口部を塞ぐと共に土圧又は水圧の大きさに応じて変形するダイヤフラムと、該ダイヤフラムの上記筒状筐体の内部側の面の中央に一端部が固定されていると共に他端部が上記筒状筐体に固定され上記ダイヤフラムの変形に応じて変形する弾性体と、該弾性体に固定されたファイバブラッググレーティングを有し各ファイバブラッググレーティング同士を直列に接続する光ファイバとからなる請求項1に記載の光ファイバ洗掘・流速センサ。
  6. 請求項1に記載の光ファイバ河床洗掘・流速センサと、各光ファイバ河床洗掘・流速センサからの情報に基づいて洗掘深さ及び水流の流速を測定する洗掘・流速測定装置とを備えたことを特徴とする河床洗掘・流速計測システム。
  7. 請求項2から5のいずれかに記載の光ファイバ洗掘・流速センサと、一端部が該光ファイバ洗掘・流速センサに接続された光ファイバケーブルと、該光ファイバケーブルの他端部に接続され、上記光ファイバ洗掘・流速センサに計測用光を出力する光源、上記光ファイバ洗掘・流速センサの上記ファイバブラッググレーティングで反射した光を入力し波長を測定する波長測定器及び出力光と入力光との波長変化から上記ファイバブラッググレーティングの歪みを検出し、該歪みを圧力値に換算し、該圧力値を所定の土圧・水圧・大気圧の値と比較して洗掘深さ及び水流の流速を検出するパソコンを有する洗掘・流速測定装置とを備えたことを特徴とする河床洗掘・流速計測システム。
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