JP2004163208A - 試料採取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】正確な分析、評価をするために実情(実際の環境条件)に添った試料の揮発成分を適切に採取することができ、かつこれを小型の構造により実現することができると共に適用の範囲も拡大する試料採取装置を得る。
【解決手段】試料採取装置10は、外装部12及び採取部14を備えている。外装部12には、温度等の環境条件が所定に制御された気体が送給される。採取部14は、内管28、外管30、及び隔壁管32によって多重の管構造とされており、流路34には温度が所定に制御された気体が送給される。揮発成分採取の際には、前記所定の環境条件下において試料Sから揮発成分が発生し、発生した揮発成分が採取部14(採取路36)を介して外部に取り出される。簡易かつ高精度に環境条件を設定することができ、実際の環境条件に添った試料Sの揮発成分を安定的に採取し取り出すことができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体(材料試料)の表面から発生する揮発成分を採取するための試料採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
材料の性能把握、あるいは材料からの揮発成分による人体への影響などを科学的に調べるためには、その材料からの揮発成分を化学分析する必要がある。例えば、空気調和機(以下、「エアコン」という。)が広く普及しているが、このエアコンから車内に供給される温度調整後の空気が悪臭を放つときがある。これは、エアコンの作動中において、当該エアコンの熱交換用に設けられているエバポレータの表面に付着した煙草の臭気や焼肉の臭気等のにおい原因物質が揮発されることに起因している。従って、このようなエアコンから供給される空気のにおいに対処するためには、エバポレータの表面から発生された揮発成分を採取し、化学的に分析、評価する必要がある。
【0003】
従来、このようなエアコン用エバポレータから発生される揮発成分をはじめとして、車両用部品、住宅用建築材料、電気製品等の様々な部材、部品等の物体から発生される揮発成分を採取し分析、評価する方法としては、▲1▼小型の容器内で試料を加熱し、気化した成分を採取し分析する所謂ヘッドスペース法や、▲2▼大型の容器を設け、この容器内に部材(試料)を入れて揮発成分を採取して分析する所謂チャンバー法、あるいは、▲3▼樹脂製の試料袋内に試料を入れて揮発成分を採取する所謂ガスバッグ法等が知られている。
【0004】
しかしながら、これら従来の試料採取手段では、何れのものも、試料が揮発するための条件(温度、湿度、部材体積等)が実際の(現実的な)使用環境と異なるため、実情に添った正確な分析、評価ができない原因であった。すなわち、▲1▼ヘッドスペース法においては、例えば試料の揮発成分が多い場合に、容器内での揮発成分の飽和(揮発平行状態)が生じ、結果として揮発成分の絶対量を把握することができない問題があった。また、▲2▼チャンバー法では、大型容器の空間内で揮発成分の吸着や汚染、あるいは供給空気による影響が多大であり、正確な分析ができ難い欠点があった。さらに、▲3▼ガスバッグ法では、樹脂製の試料袋からの揮発成分の影響や目的成分の吸着などの影響を受け易く、同様に正確な分析ができ難い欠点があった。特に、試料を加熱した場合には前記悪影響が顕著である。
【0005】
また何より、試験対象物からの揮発の挙動は、温度、湿度等の環境条件に応じて大きく異なることが知られているが、従来の揮発成分の採取方法(その分析、評価方法)では、温度、湿度等の環境条件を設定することができないため、換言すれば、試料が揮発するための条件(温度、湿度、部材体積等)が実際の(現実的な)使用環境と異なるため、実情に添った正確な分析、評価ができないという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、正確な分析、評価をするために実情(実際の環境条件)に添った試料の揮発成分を適切に採取することができ、かつこれを小型の構造により実現することができると共に適用の範囲も拡大する試料採取装置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の試料採取装置は、試料を外部から隔離して収容すると共に、温度、湿度、及び流量の少なくとも1つの環境条件が所定に制御された気体が送給される外装部と、内管及び外管によって多重の管構造とされ、先端開口が採取口とされると共に内部温度が所定に制御され、かつ、前記採取口が前記試料を被覆する状態で前記外装部に着脱自在に挿入され、前記試料から発生した揮発成分を外部に取り出すための採取部を備えている。
【0008】
請求項1記載の試料採取装置では、外装部によって試験対象とする試料の少なくとも一部が外部から隔離して収容されると共に、試料が隔離収容された外装部内には、温度、湿度、及び流量の少なくとも1つの環境条件が所定に制御された気体が送給される。さらに、この外装部には、採取部の採取口が試料を被覆する状態で挿入される。これにより、前記所定の環境条件下において試料から発生された揮発成分が、採取部を介して外部に取り出される。
【0009】
すなわち、請求項1記載の試料採取装置では、試験対象とする試料の少なくとも一部を外装部によって外部から隔離し、この隔離された領域において発生された揮発成分を採取部によって外部に取り出し、分析、評価を行うようにするものであるが、外部から隔離された外装部に所定に制御された気体を送給することで当該外装部内の環境条件を制御するようにしており、簡易かつ高精度に環境条件を設定することができ、結果として、実際の環境条件に添った試料の揮発成分を適切に採取することができる。
【0010】
さらに、内管及び外管によって多重の管構造とされると共に内部温度が所定に制御された採取部によって、試料の揮発成分を外部に取り出す構成であるため、当該揮発成分を安定的に採取し取り出すことができる。この場合、内管及び外管を更に多重管にすることにより、管内の多重空間のそれぞれの温度を制御することが可能になり(例えば、加熱部位と冷却部位の混在が可能になる)、より一層安定して揮発成分を採取することができる。
【0011】
またさらに、試料から発生した揮発成分を外部に取り出すための採取部は、外装部に着脱自在に挿入されているため、様々な試料形状(厚さ、大きさ等)、及び採取方法(表面揮発成分採取、全揮発成分採取)にそれぞれ適切に対応することができる。
【0012】
またしかも、外装部と採取部とによって構成された簡単な構造であるため、小型化が可能であり、装置の移動や搬送も容易である。
【0013】
このように、請求項1記載の試料採取装置では、試験対象とする試料の少なくとも一部を外装部によって外部から隔離し、この外装部内の環境条件が所定の制御されている状態で当該試料から発生された揮発成分を採取部によって外部に取り出しているので、揮発成分の吸着や汚染による影響が極めて小さく、すなわち環境条件による影響を受けることなく採取することができ、揮発成分に対するきめ細かな分析、評価を高精度で行うことができる。
【0014】
なお、内管及び外管によって多重の管構造とされる採取部としては、ガラス管、または、金属にガラスをライニングした管、あるいは、同様の不活性素材から成る管等を適用することができる。また、内管と外管とをそれぞれ異なる(別々の)材質によって構成することもできる。また、外装部に送給される気体としては、O、N等の大気中成分を適用することができる。さらに、上記試料としては、カー・エアコン用熱交換器、住宅用建築材料や、車両用部品、電気製品、及び車両用部品、電気製品の構成材料等、揮発成分が発生し得る、あらゆる物体を適用することができる。
【0015】
一方、請求項2に係る発明の試料採取装置は、請求項1記載の試料採取装置において、前記採取部は、管構造内部に、温度が所定に制御された気体又は液体が送給される、ことを特徴としている。
【0016】
請求項2記載の試料採取装置では、内管及び外管によって多重の管構造とされた採取部には、温度が所定に制御された気体又は液体が送給され、この採取部によって、試料の揮発成分を外部に取り出す構成であるため、当該揮発成分を安定的に採取し取り出すことができる。この場合、内管及び外管を更に多重管にすることにより、管内の多重空間のそれぞれの温度を制御することが可能になり、より一層安定して揮発成分を採取することができる。
【0017】
このように、請求項2記載の試料採取装置では、揮発成分を安定して採取し、しかも所定箇所まで安定して取り出し搬送することができ、揮発成分に対するきめ細かな分析、評価を高精度で行うことができる。
【0018】
なお、採取部(送給される気体)の温度範囲としては、−50℃から200℃程度の範囲が好ましい。
【0019】
また一方、請求項3に係る発明の試料採取装置は、請求項1または請求項2記載の試料採取装置において、前記外装部に収容された前記試料の温度及び湿度の少なくとも1つを制御する試料制御手段を備えたことを特徴としている。
【0020】
請求項3記載の試料採取装置では、試料制御手段によって試料の温度及び湿度の少なくとも1つが制御されている状態で揮発成分が取り出される。
【0021】
すなわち、請求項3記載の試料採取装置では、試験対象とする試料の温度及び湿度の少なくとも1つを制御することにより、例えばエアコン用エバポレータのように試験対象とする試料が実際の作動時において温度や湿度が変化するものである場合に、当該温度や湿度の変化をシミュレーションすることができるようになり、これによって、実際の作動状態と略同様の条件下における揮発成分の挙動を分析、評価することが可能となる。
【0022】
このように、請求項3記載の試料採取装置では、環境条件が制御されかつ試料の温度や湿度が制御されている状態で揮発成分を取り出すことができるため、実際の環境条件に添った(略同様の条件下における)試料の揮発成分の挙動を分析、評価することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施の形態に係る試料採取装置10の全体構成が断面図にて示されている。また、図2には、試料採取装置10の各構成部品の詳細がそれぞれ断面図にて示されている。
【0024】
試料採取装置10は、外装部12及び採取部14を備えている。外装部12は、上下両端が開口する円筒形に形成されており、上端開口部分には、螺子蓋16が設けられている。この螺子蓋16は、後述する採取部14に対応しており、低揮発性のOリングを有している。さらに必要ならば、Oリングには、微少なスリット等の隙間が設けられており、外装部12と採取部14の固定の他に除分な気体を外へ逃がす役割と同時にOリング自体からの揮発成分を前記隙間から外へ排出して測定への影響を防ぐ役割をする。また、外装部12には、環境制御部18が接続されており、温度、湿度、及び流量の少なくとも1つの環境条件が所定に制御された気体が送給される構成となっている。なお、この送給される気体は、揮発成分置換用及びシール用とされており、O、N等の大気中成分を適用することができる。
【0025】
なお、外装部12の下端開口縁の一部には、微少なスリット等の隙間が設けられており、図1に示す如く外装部12が試料S(部材)に載置された状態において、送給された気体が当該隙間から僅かに漏れ出すように構成されている。これにより、外装部12と試料Sとの間をシールして外気が不要に流入しないように構成している。
【0026】
また、以上の構成の外装部12は、基底部20にセットできる。基底部20には、外装部12の下端開口縁に対応して凹溝22が形成されており、この凹溝22内に外装部12の下端開口縁が嵌り込むようになっている。なお、この場合にも、低揮発性のOリングを介在させている。このOリングにも、前述のOリングのように微少なスリット等の隙間が設けられており、外装部12と基底部20の固定の他に除分な気体を外へ逃がす役割と同時にOリング自体からの揮発成分を前記隙間から外へ排出して測定への影響を防ぐ役割をする。また、基底部20には、試料制御手段としてのヒーターブロック24が設けられている。このヒーターブロック24は、例えばペルチェ素子やセラミック素子等によって構成されており、ヒーター制御部26に接続されている。これにより、試料Sを加熱または冷却しその温度または湿度を制御することができる構成である。
【0027】
なお、図1に示す如く、この基底部20を用いることなく、外装部12を直接に試料Sに載置させて適用することも可能である。
【0028】
一方、採取部14は、図3(A)及び図3(B)にも示す如く、内管28、外管30、及び隔壁管32によって多重の管構造とされており、内管28と隔壁管32との間及び隔壁管32と外管30との間が連続する流路34となり、また、内管28の内側が採取路36となっている。さらに、採取部14(採取路36)の先端開口部分は次第にテーパー状に拡径して形成されており、採取口としての試料被覆口38となっている。この採取部14の試料被覆口38の先端開口縁は、試料Sに当接する「ガス供給シール面」とされており、その一部には微少な切り込みが設けられている。これにより、図1に示す如く採取部14が試料S(部材)に載置された状態において、当該試料被覆口38の先端開口縁が試料Sに当接して採取部14(採取路36)内をシールすると共に、外装部12に送給された気体が前記切り込みから僅かに採取路36内に流入するように構成されている。これにより、試料Sから発生した揮発成分をこの採取部14(採取路36)を介して外部に取り出すことができる構成である。
【0029】
また、この採取部14の流路34には熱媒送給部40が接続されており、温度が所定に制御された気体が送給される構成となっている。採取部14の試料被覆口38の先端部分には、上下2組の温度センサ42が設けられており、流路34内を流動する(特に、試料被覆口38付近を流動する)気体の温度と、測定する試料S表面の温度を検出することができる。この温度センサ42は温度制御装置44に接続されており、温度センサ42の検出信号に基づいて、流路34内の気体の温度を所定に制御し、試料S表面の温度が制御される構成である。
【0030】
さらに、この採取部14は、外装部12の上端開口部分から内部へ着脱自在に挿入されて所定位置で螺子蓋16によって固定保持され、試料被覆口38が試料Sを被覆する状態でセットされるようになっている。
【0031】
次に、本実施の形態の作用を、上記構成の試料採取装置10の適用例(使用態様)と併せて説明する。
[適用例1]
上記構成の試料採取装置10では、図1に示す如く、試料S上に載置される。これにより、外装部12によって試験対象とする試料Sの少なくとも一部が外部から隔離して収容される。さらに、外装部12には、採取部14の試料被覆口38が試料Sを被覆する状態で挿入して固定される。
【0032】
ここで、試料Sが隔離収容された外装部12内には、温度、湿度、及び流量の少なくとも1つの環境条件が所定に制御された気体が送給され、さらに、赤外線ランプ46等の熱源によって試料Sが加熱される。これにより、前記所定の環境条件下において試料Sから揮発成分が発生し、発生した揮発成分が採取部14(採取路36)を介して外部に取り出される。
【0033】
すなわち、この試料採取装置10では、試験対象とする試料Sの少なくとも一部を外装部12によって外部から隔離し、この隔離された領域において発生された揮発成分を採取部14(採取路36)によって外部に取り出し、分析、評価を行うようにするものであるが、外部から隔離された外装部12に所定に制御された気体を送給することで当該外装部12内の環境条件を制御するようにしており、簡易かつ高精度に環境条件を設定することができ、結果として、実際の環境条件に添った試料Sの揮発成分を適切に採取することができる。
【0034】
さらに、内管28、外管30、及び隔壁管32によって多重の管構造とされると共に温度が所定に制御された気体が流路34に送給される採取部14(採取路36)によって、試料Sの揮発成分を外部に取り出す構成であるため、当該揮発成分を安定的に採取し取り出すことができる。この場合、内管28及び外管30を更に多重管にすることにより、管内の多重空間(流路34)のそれぞれの温度を制御することが可能になり(例えば、加熱部位と冷却部位の混在が可能になる)、より一層安定して揮発成分を採取することができる。またしかも、採取部14を多重の管構造としたことにより、ガスシール等も容易に行うことができ、一層効果的である。
【0035】
またさらに、試料Sから発生した揮発成分を外部に取り出すための採取部14は、外装部12に着脱自在に挿入されているため、様々な試料形状(厚さ、大きさ等)、及び採取方法(表面揮発成分採取、全揮発成分採取)にそれぞれ適切に対応することができる。またしかも、採取部14は、着脱自在な構成であるため、仮に当該採取部14が不要に汚染されたような場合には、瞬時に交換が可能であり、常にクリーンな試料採取経路を確保することができる。
【0036】
またしかも、この試料採取装置10は外装部12と採取部14とによって構成された簡単な構造であるため、小型化が可能であり、装置の移動や搬送も容易である。
【0037】
このように、本実施の形態に係る試料採取装置10では、試験対象とする試料Sの少なくとも一部を外装部12によって外部から隔離し、この外装部12内の環境条件が所定の制御されている状態で当該試料Sから発生された揮発成分を採取部14によって外部に取り出しているので、揮発成分の吸着や汚染による影響が極めて小さく、すなわち環境条件による影響を受けることなく採取することができ、揮発成分に対するきめ細かな分析、評価を高精度で行うことができる。
【0038】
なお、内管28及び外管30によって多重の管構造とされる採取部14としては、ガラス管、または、金属にガラスをライニングした管、あるいは、同様の不活性素材から成る管等を適用することができる。また、内管28と外管30とをそれぞれ異なる(別々の)材質によって構成することもできる。また、外装部12に送給される気体としては、O、N等の大気中成分を適用することができる。さらに、採取部14の流路34(送給される気体)の温度範囲としては、−50℃から200℃程度の範囲が好ましい。
【0039】
また、前述の如く試料Sを加熱するための熱源としては赤外線ランプ46やヒーターを用いることができるが、外装部12や採取部14が全て石英ガラスまたはガラスで構成されている場合には、赤外線ランプ46が有効である。さらに、所定温度に制御された気体が供給循環される流路34からの熱を利用して、当該試料Sを加熱あるいは冷却することも可能である。また、前記赤外線ランプ46を変更することにより、例えば光に対して変質性を有する試料S(例えば、光硬化性樹脂)の変化を試験したり、光触媒の反応性試験などにも適用することができる。
【0040】
またさらに、上記試料Sとしては、エアコン用エバポレータ、住宅用建築材料や、車両用部品、電気製品、及び車両用部品、電気製品の構成材料等、揮発成分が発生し得る、あらゆる物体を適用することができる。
[適用例2]
前述した適用例1では、上記構成の試料採取装置10を試料S上に載置して表面揮発成分採取の採取方法に適用したが、これに限らず、対象とする試料Sが小片でありしかも採取方法が全揮発成分採取の場合であっても、適用可能である。この場合には、前述の如く基底部20を用いて試料採取する。
【0041】
すなわち、図4に示す如く、基底部20のヒーターブロック24上に試料Sを載置し、しかる状態で、外装部12を基底部20にセットすると共に、この外装部12に、採取部14の試料被覆口38が試料Sを被覆する状態で挿入して固定する。さらに、ヒーターブロック24によって温度あるいは湿度を制御しながら試料Sを加熱する。なおこの場合、試料Sの直近に温湿度センサ43を設けると、更に好適である。これにより、前記所定の環境条件下において試料Sから揮発成分が発生し、発生した揮発成分が採取部14(採取路36)を介して外部に取り出される。
【0042】
すなわち、この適用例2においては、基底部20(ヒーターブロック24)を用いることにより、試験対象とする試料Sの温度及び湿度の少なくとも1つを制御することができ、例えばエアコン用エバポレータのように試験対象とする試料Sが実際の作動時において温度や湿度が変化するものである場合に、当該温度や湿度の変化をシミュレーションすることができるようになる。これによって、実際の作動状態と略同様の条件下における揮発成分の挙動を分析、評価することが可能となる。
【0043】
このように、適用例2に係る試料採取装置10では、環境条件が制御されかつ試料Sの温度や湿度が制御されている状態で揮発成分を取り出すことができるため、実際の環境条件に添った(略同様の条件下における)試料Sの揮発成分の挙動を分析、評価することができる。
[適用例3]
上記構成の試料採取装置10では、対象とする試料Sが小片でありしかも採取方法が表面揮発成分採取である場合であっても、適用可能である。
【0044】
すなわちこの場合には、図5に示す如く、前述の如く基底部20を用いると共に、遮蔽板48を用いて試料採取する。
【0045】
遮蔽板48は、試料Sの表面一部に対応した開口を有しており、当該遮蔽板48を試料S上に載置して試料Sの表面一部のみを露出する状態とする。さらに、ヒーターブロック24によって温度あるいは湿度を制御しながら試料Sを加熱する。これにより、前記所定の環境条件下において試料Sの表面(遮蔽板48による露出部分)から揮発成分が発生し、発生した揮発成分が採取部14(採取路36)を介して外部に取り出される。
【0046】
このように、適用例3においても、基底部20(ヒーターブロック24)を用いることにより、試験対象とする試料Sの温度及び湿度の少なくとも1つを制御することができ、実際の環境条件に添った(略同様の条件下における)試料Sの揮発成分の挙動を分析、評価することができる。
【0047】
なお、前述の適用例では、基底部20には試料制御手段としてヒーターブロック24が設けられた構成としたが、これに限るものではなく、冷却することにより臭気等が発生する試料も存在するため、これを試験すべく、ヒーターブロック24の代わりに、ペルチェ素子等を用いた冷却ブロックを設ける構成としてもよい。
【0048】
次に、本実施の形態の変形例を説明する。
【0049】
なお、前記実施の形態と基本的に同一の部品には前記実施の形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
[変形例1]
図6に示す試料採取装置50では、採取部52を備えている。この採取部52は、下端に設けられ次第にテーパー状に拡径する試料被覆口54の先端縁が延長されており(先端側へ向けて更に延出されており)、外装部12との間の実質的な隙間が少なくなるように構成されている。
【0050】
ここで、揮発成分の分析においては、外装部12から採取部52(採取路36)内に流入するガスの悪影響をなるだけ少なくするために、採取部52の試料被覆口54と外装部12との隙間(外装部12の開口面積と採取部52の試料被覆口54の開口面積の差)は、少ない方が好ましい。
【0051】
この点、本変形例1に係る試料採取装置50では、採取部52の先端縁が延長されて、外装部12の開口面積と採取部52の試料被覆口54との面積の差が少なくされているため、外装部12に対応する部分で発生した揮発成分が採取部52(採取路36)内に流入することを最小限度に抑えてその悪影響を少なくできる。したがって、揮発成分に対する正確な分析、評価を高精度で行うことが可能になる。
[変形例2]
図7に示す試料採取装置60では、外装部62を備えている。この外装部62は下先端部分の形状が、次第にテーパー状に縮径して所謂先細りの形状に形成されており、採取部14との間の実質的な隙間が少なくなるように構成されている。
【0052】
本変形例2に係る試料採取装置60においても、外装部62の開口面積と採取部14の試料被覆口38の開口面積との差が少なくされているため、外装部62に対応する部分で発生した揮発成分が採取部14(採取路36)内に流入することを最小限度に抑えてその悪影響を少なくできる。したがって、揮発成分に対する正確な分析、評価を高精度で行うことが可能になる。
[変形例3]
図8に示す試料採取装置70では、採取部14用のリング部材72を備えている。このリング部材72は、図9(A)及び図9(B)に示す如く、側壁部分が先細りの形状に形成されており、採取部14の試料被覆口38に嵌り合うように構成されている。これにより、リング部材72を装備することで、外装部12との間の実質的な隙間が少なくなるように構成されている。さらに、リング部材72のリング形状を試料Sの形状に合わせることにより、複雑な形状であっても対応することができる。
【0053】
本変形例3に係る試料採取装置70においても、外装部12の開口面積と採取部14の試料被覆口38の開口面積との差(外装部12との間の実質的な隙間)が少なくされているため、外装部12に対応する部分で発生した揮発成分が採取部14(採取路36)内に流入することを最小限度に抑えてその悪影響を少なくできる。したがって、揮発成分に対する正確な分析、評価を高精度で行うことが可能になる。
【0054】
なお、前述した実施の形態及び各変形例においては、採取部14が内管28、外管30、及び隔壁管32によって多重の管構造とされた構成として説明したが、採取部14の構造はこれに限るものではなく、多重の管構造であって内部温度が所定に制御される構成であれば、他の構成であっても差し支えない。
【0055】
例えば、図10(A)及び図10(B)に示す採取部80の如く、内管28と、この内管28の周囲に螺旋状に設けられた外管としてのスパイラル管82と、によって成る構成してもよい。
【0056】
また例えば、図11(A)及び図11(B)示す採取部86の如く、内管28と外管30との間を隔壁88によって周方向に添って複数(例えば、4つ)に分割した構成としてもよい。
【0057】
また例えば、図12示す採取部92の如く、内管28と外管30との間にヒーター94を設け、このヒーター94によって採取部92を所定温度に制御する構成としてもよい。
【0058】
さらに、外部から温度制御が可能であれば、図13(A)及び図13(B)に示す採取部98の如く、単に内管28と外管30とによって成る構成としても、適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係る試料採取装置は、正確な分析、評価をするために実情(実際の環境条件)に添った試料の揮発成分を適切に採取することができ、かつこれを小型の構造により実現することができると共に適用の範囲も拡大するという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る試料採取装置の全体構成及び適用例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る試料採取装置の各構成部品の詳細を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る試料採取装置の採取部の構成を示し、(A)は縦断面図であり、(B)は横断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る試料採取装置の全体構成及び適用例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る試料採取装置の全体構成及び適用例を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る試料採取装置の変形例を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る試料採取装置の変形例を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態の変形例に係る試料採取装置の全体構成を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態の変形例に係る試料採取装置に適用されるリング部材を示し、(A)は縦断面図であり、(B)は横断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る試料採取装置の採取部の他の例を示し、(A)は縦断面図であり、(B)は横断面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る試料採取装置の採取部の他の例を示し、(A)は縦断面図であり、(B)は横断面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る試料採取装置の採取部の他の例を示す縦断面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る試料採取装置の採取部の他の例を示し、(A)は縦断面図であり、(B)は横断面図である。
【符号の説明】
10 試料採取装置
12 外装部
14 採取部
20 基底部
24 ヒーターブロック(試料制御手段)
28 内管
30 外管
32 隔壁管
34 流路
36 採取路
38 試料被覆口(採取口)
S 試料

Claims (3)

  1. 試料を外部から隔離して収容すると共に、温度、湿度、及び流量の少なくとも1つの環境条件が所定に制御された気体が送給される外装部と、
    内管及び外管によって多重の管構造とされ、先端開口が採取口とされると共に内部温度が所定に制御され、かつ、前記採取口が前記試料を被覆する状態で前記外装部に着脱自在に挿入され、前記試料から発生した揮発成分を外部に取り出すための採取部、
    を備えた試料採取装置。
  2. 前記採取部は、管構造内部に、温度が所定に制御された気体又は液体が送給される、
    ことを特徴とする請求項1記載の試料採取装置。
  3. 前記外装部に収容された前記試料の温度及び湿度の少なくとも1つを制御する試料制御手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の試料採取装置。
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