JP2004162415A - 貼付器 - Google Patents
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Abstract
【課題】長尺のラベルシートを貼り付けるためには、治具を必要とするが、従来の治具である貼付器ではラベルシートから剥離させた剥離シートを巻き込むなどの不具合があった。
【解決手段】ラベルシートRを自動で貼り付ける作業を行うと同時に、剥離させた剥離シートPを自動的に貼付方向上流側へと排出させるようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】ラベルシートRを自動で貼り付ける作業を行うと同時に、剥離させた剥離シートPを自動的に貼付方向上流側へと排出させるようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は貼付器に属し、特に長尺のラベルシートを貼り付けるために用いる手持ち式の貼付器に属する。
【0002】
【従来の技術】
各種案内や名称表示、注意指示等の表示情報が印刷されたシートが存在する。このようなシートは、片面全面に粘着面を有したラベルシートと粘着面全面に貼付された剥離シートから成るシートであることが多い。そして使用者は用途に応じて、ラベルシートを部材表面や床面、壁面、窓ガラスなどの、表示を行いたい被貼付面に貼り付けて用いる。
【0003】
表示に用いられるラベルシートは注意を喚起するために、目立つ大きさである必要がある。そのためにラベルシートは数十cmから数mの長さの長尺であることが多い。直接表示情報が印刷された表面等に被覆保護を目的としたラベルシートを貼り付ける場合もあり、そのようなラベルシートも同様の理由で長尺であることが多い。
【0004】
長尺のラベルシートを手作業で気泡の混入やしわの発生等の無いように貼り付けるのは困難であるために貼付器が必要とされていた。貼付器は貼付を行いたい場所に応じて手軽に使用可能なものが望ましい。そのような貼付器として、使用場所を選ばない手持ち式の貼付補助具が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−143076号公報 (第4−6頁、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示されるような貼付補助具はシートから剥離シートを引き剥がす剥離手段を有しないため、使用者は貼付け作業を行う際に貼付補助具を移動させながら剥離シートを引き剥がす必要があり、不便である。また、引き剥がされた剥離シートはそのままでは貼付け方向下流側の被貼付面上に垂れるため、剥離シートが貼付補助具と被貼付面との間に巻き込まれる等の不具合をおこす可能性がある。
【0007】
仮に特許文献1に示されるような貼付補助具が剥離シートを巻き取る巻取手段を備えていたとしても、シート全域に貼付けられた剥離シートを巻取手段に取り付け可能な長さまで剥離すると、その長さに相当する分のラベルシートは収容部から貼付手段までの距離をはるかに超える長さとなるため、貼付補助具による通常の貼付けを行うことができない。また、貼付作業の度に剥離シートの巻取手段への取り付けと巻取手段からの取り外しを行うのは使用者に負担を強いる。
【0008】
そこで本発明は、巻取手段無しに作業に支障をきたす事無く剥離シートを処理する貼付器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために本発明は、片面全面に粘着面を有したラベルシートと前記ラベルシートの粘着面全面に貼付された剥離シートから成る長尺のシートを収容可能な収容部と、前記収容部から前記シートを引出し可能に開口された引出口と、前記収容部の下方に位置して前記シートの幅方向長さ以上の長さに延在し、前記シートから前記剥離シートを剥離された状態の前記ラベルシートを押圧して被貼付面に貼付けを行う貼付け手段とを備え、使用者が被貼付面上を貼付手段の延在方向と垂直の方向に押圧しつつ移動させて前記ラベルシートの貼付を行う手持ち式の貼付器であって、前記引出口の剥離シート側の縁部であって前記剥離シートの送り方向を前記引出口から前記貼付手段に向かう方向とは別方向に変更する剥離部材と、前記貼付器の移動に伴って回転するローラと、前記ローラに対向して位置し前記ローラとの間に前記剥離シートを挟持可能であり前記ローラの回転に連動して回転可能な挟持ローラと、から成り前記シートから前記剥離シートを引き剥がす剥離手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
なお、前記挟持ローラは前記ローラに所定の加圧力で圧接して前記剥離シートを挟持する挟持位置と、前記ローラから離間する離間位置に移動可能であることが望ましい。
【0011】
また、前記剥離手段は前記収容部の下方かつ前記貼付手段の貼付方向下流側に前記貼付け手段と略平行に位置し、前記剥離手段によって剥離された前記剥離シートを上方もしくは貼付方向上流側方向に誘導する誘導手段を備えていても良い。
【0012】
その際、前記誘導手段は前記ローラ及び前記挟持ローラの近傍で前記剥離シートの誘導に適した誘導位置と、前記誘導位置から離間した離間位置に移動可能であることが望ましく、さらに、前記挟持ローラの移動及び圧接は前記誘導手段の移動に連動していることが望ましい。
【0013】
また、前記収容部の上方に前記収容部と離間して、使用者が把持するための把持手段を備えていても良く、さらに前記収容部と前記把持手段との間に、前記剥離シートを貼付方向上流側方向に誘導する誘導路を備えても良い。
なお、前記剥離部材は、前記シートの幅方向中央部と前記シートの幅方向両端部では位置が異なることが望ましい。
【0014】
また、前記ローラは被貼付面上にあり、また、前記ローラは表面が弱粘着性であり、被貼付面のクリーニング効果を有することが望ましいが、前記貼付手段の貼付方向下流に、被貼付面に接して被貼付面のクリーニング効果を有するクリーニング部材を備えていても良い。
【0015】
剥離シートが貼付器の移動に伴って回転するローラと、ローラを押圧して連動する挟持ローラとに挟持されることにより、貼付器の移動に連動して剥離シートが自動的に引き出されるため、貼付作業時に使用者が剥離シートを引き剥がす必要が無い。
【0016】
剥離シートが引き出される方向が貼付作業の邪魔になりかねかい方向であった場合、誘導手段を備えて剥離シートを上方もしくは貼付方向上流側方向に誘導すれば、剥離シートによって貼付作業に支障をきたすことはない。
【0017】
挟持ローラや誘導手段がそれぞれ、作動位置と離間位置とに移動可能であれば、貼付作業前に剥離シートを挟持させる作業を行いやすく、さらに、挟持ローラの移動及び圧接が誘導手段の移動に連動していれば、挟持作業の省力化が図られる。
【0018】
使用者は貼付作業の際に収容部を把持しても良いが、剥離シートが引き出される方向が収容部のある方向である場合、収容部の上方に離間した位置に把持手段を備えていれば、剥離シートが収容部と把持手段の間を通るようになり、剥離シートによって貼付作業に支障をきたすことはない。その際、収容部と把持手段との間に、剥離シートを貼付方向上流側方向に誘導する誘導路を備えていれば、さらに作業をスムーズに行うことができる。
【0019】
剥離部材が、前記シートの幅方向中央部と前記シートの幅方向両端部で位置が異なっていれば、シートの中央部と両端部で剥離ポイントを変えることができるため、一様に剥離させるよりも剥離に要する力を省力化できる。
【0020】
ローラが被貼付面上にある場合、ローラの表面が弱粘着性であって被貼付面のクリーニング効果を有していれば、貼付作業時に、貼付手段に先行して被貼付面上を走行するローラがクリーニングを行うことができる。また、貼付手段の下流に独立したクリーニング手段を別に設けていても同様の効果を得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を、図に基づいて詳細に説明する。なお、文中において、作業状態における被貼付面側の方向を下方、その反対側を上方として説明するが、本発明の貼付器1は水平面に置いた状態のみで使用するものではなく、平面であれば傾斜面や垂直面、あるいは天井等の上下が逆転した面でも使用可能である。また、貼付方向上流側から下流側に向かって貼り付けるものとする。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態による貼付器1の外観形状を示した斜視図である。貼付器1は略三角柱形状を成しており、主に三角形の中央部に位置する収容部2と、三角形の頂点に位置する持ち手11(把持手段)及び、三角形の底辺の各端点に位置する貼付ローラ3(貼付手段)と引出ローラ4、そして上記各要素の両端を取り付ける1対の側壁12,13によって構成される。
【0023】
図2は、本発明の第1の実施の形態による貼付器1の側面図である。収容部2はラベルシートRと剥離シートPから成るシートをロール状に巻いて収納するために略円筒状となっている。収容部2の片側はシート出し入れのために開放された開口部21となっている。また、貼付器1の下方にあたる円周の一部は収容部2からシートを引き出すための引出口22として延在方向全域にわたって切り欠かれている。引出口22の引出ローラ4側の辺は引き出されたシートから剥離シートPを当接させて折り曲げることにより剥離する剥離部材2Pであり、ラベルシートRを折り曲げずに引き出すために貼付ローラ3側の辺よりも若干低い位置にある。
【0024】
側壁12,13の下端は貼付ローラ3及び引出ローラ4の各最下部よりもわずかに高い位置に有り、これによって貼付器1は平面上を転がり走行可能となっている。
【0025】
収容部2には内接して、収容するシートの幅に応じて収容部2の延在方向に移動可能な幅規制部材23が設けられている。幅規制部材23は外周が収容部2の内周と同一で、内周が外周よりもわずかに小さいC字形状に、外周から突出した凸部23aを有する形状となっている。凸部23aは収容部2に設けられたスリット24から収容部2の外に突き出ており、収容部2の外から凸部23aを移動することによって幅規制部材23を移動可能となっている。C字状の開口部21の方向は収容部2の引出口22の方向と同一である。
【0026】
図3は、本発明の第1の実施の形態による貼付器1を下から見た図である。剥離部材2Pは両端部よりも中央部の方が開口がわずかに広い緩やかな山状の曲線となっている。また、引出口22の貼付ローラ3側の辺2Rは、シートの出し入れを行いやすいように、開放部側の方が反対側よりも開口が広い緩やかな曲線となっている。
【0027】
収容部2の、開口部21に対向する端部25は、貼付ローラ3の延在方向と垂直な平面であり、収容部2に収容されたシートの端部を突き当てる突き当て部材となっている。突き当て部材は、収容部2から貼付ローラ3近傍にわたって設置されている。
【0028】
図4は、本発明の第1の実施の形態による貼付器1の貼付ローラ3付近の拡大図である。貼付ローラ3の近傍には、ラベルシートRの先端を仮留めするための仮留め部材31が、貼付ローラ3と平行に、貼付ローラ3の長さとほぼ同一の長さに延在している。仮留め部材表面には、低接着性加工として全域にテフロンコーティングを行っている。
【0029】
仮留め部材31は軸32を中心に回転可能となっており、貼付ローラ3に近接する貼付位置Aと、貼付ローラ3から退避した退避位置Nとに移動可能である。また、仮留め部材31は非図示のバネによって貼付位置Aの方向に付勢されている。仮留め部材31は貼付ローラ3の軸受け12a,13aに突き当たることによって貼付け時の位置が決まる。
【0030】
なお、側壁12,13には貼付器1が横転した際に貼付ローラ3と仮留め部材31を接地させないための突出部14が設けられている。なお、仮留め部材表面には、テフロンコーティングを行うかわりに低接着性材料であるテフロンテープを全域にわたって貼り付けていてもよい。
【0031】
図5は、本発明の第1の実施の形態による貼付器1の引出ローラ4付近の、作動状態における拡大図である。引出ローラ4近傍斜め上方には、引出ローラ4と平行に延在する挟持ローラ5が設置されている。挟持ローラ5は側壁12,13に設けられたスリット15に沿って、引出ローラ4に当接する位置と、引出ローラ4から離間する位置との間を移動可能である。挟持ローラ5が引出ローラ4に当接している状態では、挟持ローラ5は引出ローラ4の回転に連動して回転し、引出ローラ4と挟持ローラ5との間に剥離シートPが挟持されていれば、引出ローラ4と挟持ローラ5は回転によって収容部2から剥離シートPを引き出す。
【0032】
引出ローラ4近傍には、引き出された剥離シートPを上方へ誘導する誘導部材41が、引出ローラ4の延在方向と平行に延在している。誘導部材41は引出ローラ4の回転軸4aを中心に回転することにより、剥離シートPの誘導を行う誘導位置と、誘導位置から離間する位置とに移動可能となっている。なお、側壁12,13には貼付器1が横転した際に引出ローラ4と誘導部材を接地させないための突出部16が設けられている。
【0033】
挟持ローラ5の軸5aと誘導部材41に設けられたフック41aとの間には、引張りコイルバネ51が架けられている。引張りコイルバネ51の自然長は、引出コロと誘導部材が共に作動位置にある状態における、挟持ローラ5の軸と誘導部材41のフック41aとの間の距離よりも短いが、挟持ローラ5が作動位置にあり、誘導部材41が離間位置にある状態における、挟持ローラ5の軸と誘導部材41のフック41aとの間の距離よりは長い長さである。そのため、作動状態において挟持ローラ5は引張りコイルバネ51によって引出ローラ4を加圧し、離間状態においては引張りコイルバネ51によって離間位置へ押しやられる。図6に、本発明の第1の実施の形態による貼付器1の引出ローラ4付近の、離間状態における拡大図を示す。
【0034】
次に、本発明の第1の実施の形態による貼付器1の作動について説明する。
【0035】
シートは、剥離シートPが外側になるように巻かれ、自然状態では貼付ローラ3側に引き出される方向で収容部2に収容される。シートは奥側の端が突き当て部材に突き当たるまで挿入され、さらに開口部21側の端を幅規制部材23に当接されることにより、幅方向の位置決めが行われる。
【0036】
貼付作業の準備段階として作業者は、まず収容されたシートの先端を数cm程度引出口22から引出し、引き出した分のシートから剥離シートPを剥がす。
【0037】
次に仮留め部材31を退避位置に移動し、剥離シートPを剥がしたラベルシートRを、突き当て部材に沿わせながら仮留め部材31の下を潜って先端が貼付けローラを少し超えるまで運んだ後、仮留め部材31を貼付位置に移動すると、ラベルシートRの先端は貼付ローラと仮留め部材に挟まれることにより幅方向全域にわたって仮留め部材31に貼り付けられる。
【0038】
この際、シートの幅方向両端は突き当て部材と幅規制部材23によって貼付ローラ3の延在方向と垂直に規制されているため、ラベルシートR先端がラベルシートR長手方向に垂直であれば、ラベルシートR先端は仮留め部材31に平行に貼り付けられる。
【0039】
仮にラベルシートRの先端がラベルシートR長手方向に垂直でなかった場合、仮留め部材31にラベルシートR先端を幅方向全域にわたって貼り付けた後、仮留め部材31からはみ出した分のラベルシートRを切り取ることによって、長手方向に垂直な先端を得ることができる。
【0040】
次に、作業者は誘導部材41を離間位置に移動する。誘導部材41の移動に連動して挟持ローラ5も引出ローラ4から離間する。
【0041】
シートから剥がされた剥離シートPを、剥離部材2Pに当接させながら引張り、引出ローラ4と挟持ローラ5との間に通す。そして誘導部材41を作動位置へ移動させると、挟持ローラ5が連動して剥離シートPを挟持し、挟持された剥離シートPの先端は誘導部材41によって方向を上方に曲げられる。以上で貼付準備作業が終了となる。
【0042】
次に作業者は持ち手11を持ち、貼付器1を被貼付面へ運ぶ。被貼付面にラベルシートR貼付のためのガイドラインが引かれている場合には、ガイドラインの先端と仮留め部材31とを合わせ、ガイドラインの端部と突き当て部材の端部とを合わせて、貼付器1を被貼付面上に置く。この時点で、ラベルシートRの、貼付ローラ3の下になっている部分が非貼付面に貼付けられる。
【0043】
作業者がそのまま貼付器1を、被貼付面に押し付けながら引出ローラ4の方向に転がすと、貼付作業が行われる。
【0044】
ラベルシートRは貼付ローラ3の回転に伴い、引出口22から引き出されながら押圧されて被貼付面に貼付けられる。その際、貼付ローラ3の延在方向と垂直な突き当て部材と幅規制部材23によって幅方向位置を規定されているため、幅方向ずれや斜行の心配が無い。
【0045】
仮留め部材31に貼付けられていた先端部は、仮留め部材31に低接着性加工としてテフロンコーティングが施されているため、貼付作業に伴って仮留め部材31から外れて被貼付面に貼り付く。
【0046】
引出ローラ4は貼付ローラ3に先行して被貼付面上を転がる。引出ローラ4の回転は、引出ローラ4と挟持ローラ5に挟持された剥離シートPを収容部2から引き出す。その際、剥離部材2Pに当接している部分のシートは、剥離シートPのみが剥離部材2Pによって方向を変えられることになるため、剥離シートPを剥離させられる。以上より、引出ローラ4と挟持ローラ5及び剥離部材2Pは、剥離手段として作用する。
【0047】
なお、引出ローラ4は前記の様に貼付ローラ3に先行して被貼付面上を転がるため、引出ローラ4に、剥離シートPが貼り付かない程度の弱粘着性を持たせることにより、クリーニングローラ機能を持たせても良い。
【0048】
剥離部材2Pは、シートの幅方向中央部の方がシートの幅方向両端部よりも開口が広い緩やかな曲線形状となっている。この形状によって、両端と中央部では剥離ポイントが異なるため、シートはまず両端から徐々に剥離シートPを剥離することになる。このため、幅方向において一様に剥離を行うよりも少ない力で剥離を行うことができる。
【0049】
なお、本実施例では剥離部材2Pは緩やかな曲線形状となっているが、中央部と両端部で位置が異なっていれば、複数の直線から成る折れ線形状等の別の形状であっても良い。また、中央部が先に剥離され、徐々に両端に向かって剥がされるような、本実施例とは逆の形状であっても良い。
【0050】
引出ローラ4と挟持ローラ5によって引出された剥離シートPは、誘導部材41に突き当たって方向を変えられ、上方に誘導される。
【0051】
上方に誘導された剥離シートPには、剥離部材2Pと誘導部材によって折り曲げられた際の癖が残っているため、搬送方向上流側に倒れる。
【0052】
誘導部材の搬送方向上流には収容部2が在り、その上方には離間して持ち手11が在るため、搬送方向上流側に倒れた剥離シートPは誘導部材41と収容部2の間でカールするか、収容部2と持ち手11との間を通ってさらに上流側へ誘導される。これにより、剥離シートPが被貼付面上に垂れて貼付作業に支障をきたすことが無くなり、また、剥離シートPが貼付器1を持つ作業者の手の上に垂れて作業の邪魔となることも無い。
【0053】
なお、収容部2と持ち手11との間に剥離シートPを上流側に誘導する誘導路を設ければ、作業に支障をきたす危険を確実に避けることができる。
【0054】
収容されたシートから剥離シートPを引き剥がされたラベルシートRが最後まで貼付けられると、貼付作業終了となる。剥離シートPの後端がまだ挟持されている場合には、作業者は誘導部材41と挟持ローラ5を離間させて剥離シートPを外し、剥離シートPを処分する。
【0055】
次に、本発明の第2の実施の形態による貼付器1について説明する。なお、本発明の第1の実施の形態による貼付器1と同一構成の部分に関しては説明を省略する。
【0056】
図7は、本発明の第2の実施の形態による貼付器1の断面図である。収容部2の下方には貼付手段として、板状の貼付部材6が設置されている。
【0057】
収容部2の下方かつ貼付部材6の貼付方向下流側には、貼付部材6に平行に走行ローラ61が設置されている。走行ローラ61の端部には、走行ローラ61の外径よりも小さい径の第1ギア62が固定されており、走行ローラ61と共に回転する。
【0058】
走行ローラ61の上方には、収容部2の上端とほぼ同一の高さに、走行ローラ61と同じ径の引出ローラ63が設置されている。引出ローラ63の端部には、第1ギア62と同じ第2ギア64が固定されており、引出ローラ4と共に回転する。
【0059】
第1ギア62と第2ギア64は伝達ギアライン65によって駆動を伝えられるようになっており、これによって走行ローラ61と引出ローラ63は同一回転速度かつ同一回転方向で回転する。
【0060】
引出ローラ63の上方には、引出ローラ63に対向して挟持ローラ66が設置されている。挟持ローラ66の近傍には誘導部材は存在しない。引出ローラ63の軸と挟持ローラ66の軸との間には非図示の引張りコイルバネが架けられており、このバネによって挟持ローラ66は所定の加圧力で引出ローラ63に圧接している。また、引出ローラ63近傍から収容部2上部にかけて、収容部2と持ち手11の間に一対の板状の誘導路67が設置されている。
【0061】
作業者は剥離シートPを、引出ローラ4に沿って半回転分巻きつけて引出ローラ63と挟持ローラ66に挟持させる。挟持された剥離シートPの先端は搬送方向上流側を向いており、さらに誘導路を通って収容部2の上流へと送られる。
【0062】
次に、本発明の第3の実施の形態による貼付器1について説明する。なお、本発明の第1の実施の形態による貼付器1と同一構成の部分に関しては説明を省略する。
【0063】
図8は、本発明の第3の実施の形態による貼付器1の断面図である。収容部2の下方かつ貼付方向下流側に貼付ローラ3が設置されている。また、収容部2の下方かつ貼付方向上流側には、貼付器1の転倒防止及び貼付作業時の走行安定性向上のために第2ローラ7aが貼付ローラ3と平行に設置されている。
【0064】
引出口22は収容部2に対し貼付方向下流側方向に開口している。
【0065】
貼付ローラ3と同一の径を有する引出ローラ7は収容部2の上方に離間して設置されている。貼付ローラ3の回転軸と引出ローラ7の回転軸との間には伝達ベルト71が架けられており、これによって貼付ローラ3と引出ローラ7は同一回転速度かつ同一回転方向で回転する。
【0066】
引出ローラ7の上方には、引出ローラ7に対向して挟持ローラ72が設置されている。挟持ローラ72の近傍には誘導部材は存在しない。挟持ローラ72の軸は非図示の板バネによって下方に押圧されており、これによって挟持ローラ72は所定の加圧力で引出ローラ7に圧接している。
【0067】
挟持ローラ72には、引出ローラ7に圧接する部分付近以外の全域にわたって、剛性を有するカバー73が挟持ローラ72と所定の距離を有して掛けられている。作業者はカバーを持ち手として用いて貼付作業を行う。
【0068】
貼付ローラ3の搬送方向下流側には、貼付ローラ3の延在方向全域にわたってブラシ74が設置されている。ブラシ74によって、被貼付面は貼付作業に先行してクリーニングされる。
【0069】
【発明の効果】
上記により、本発明に係る貼付器は、貼付作業によって生じる回転力を剥離シートを引出す力として用いることができるので、作業者は貼付作業時に剥離シートを引き剥がす必要が無い。
【0070】
さらに、引出された剥離シートが上方もしくは搬送方向上流側に誘導されるので、剥離シートが被貼付面上に垂れることが無い。
【0071】
さらに、収容部の上方に離間して把持部を設けている場合、剥離シートが把持部と収容部の間を通って貼付方向上流側に送られるので、剥離シートが作業者の手にかかって邪魔になることが無い。
【0072】
さらに、剥離部材がシートの幅方向中央部とシートの幅方向両端部で位置が異なっているので、一様に剥離シートを引き剥がすよりも剥離に要する力を省力化できる。
【0073】
以上より、作業者は剥離シートによって作業に支障をきたす事無く貼付作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による貼付器の外観形状を示した斜視図
【図2】本発明の第1の実施の形態による貼付器の側面図
【図3】本発明の第1の実施の形態による貼付器を下から見た図
【図4】本発明の第1の実施の形態による貼付器の貼付ローラ付近の拡大図
【図5】本発明の第1の実施の形態による貼付器の引出ローラ付近の、作動状態における拡大図
【図6】本発明の第1の実施の形態による貼付器の引出ローラ付近の、離間状態における拡大図
【図7】本発明の第2の実施の形態による貼付器の断面図
【図8】本発明の第3の実施の形態による貼付器の断面図
【符号の説明】
1 貼付器
2 収容部
3 貼付ローラ
4 引出ローラ
5 挟持ローラ
R ラベルシート
P 剥離シート
【発明の属する技術分野】
本発明は貼付器に属し、特に長尺のラベルシートを貼り付けるために用いる手持ち式の貼付器に属する。
【0002】
【従来の技術】
各種案内や名称表示、注意指示等の表示情報が印刷されたシートが存在する。このようなシートは、片面全面に粘着面を有したラベルシートと粘着面全面に貼付された剥離シートから成るシートであることが多い。そして使用者は用途に応じて、ラベルシートを部材表面や床面、壁面、窓ガラスなどの、表示を行いたい被貼付面に貼り付けて用いる。
【0003】
表示に用いられるラベルシートは注意を喚起するために、目立つ大きさである必要がある。そのためにラベルシートは数十cmから数mの長さの長尺であることが多い。直接表示情報が印刷された表面等に被覆保護を目的としたラベルシートを貼り付ける場合もあり、そのようなラベルシートも同様の理由で長尺であることが多い。
【0004】
長尺のラベルシートを手作業で気泡の混入やしわの発生等の無いように貼り付けるのは困難であるために貼付器が必要とされていた。貼付器は貼付を行いたい場所に応じて手軽に使用可能なものが望ましい。そのような貼付器として、使用場所を選ばない手持ち式の貼付補助具が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−143076号公報 (第4−6頁、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示されるような貼付補助具はシートから剥離シートを引き剥がす剥離手段を有しないため、使用者は貼付け作業を行う際に貼付補助具を移動させながら剥離シートを引き剥がす必要があり、不便である。また、引き剥がされた剥離シートはそのままでは貼付け方向下流側の被貼付面上に垂れるため、剥離シートが貼付補助具と被貼付面との間に巻き込まれる等の不具合をおこす可能性がある。
【0007】
仮に特許文献1に示されるような貼付補助具が剥離シートを巻き取る巻取手段を備えていたとしても、シート全域に貼付けられた剥離シートを巻取手段に取り付け可能な長さまで剥離すると、その長さに相当する分のラベルシートは収容部から貼付手段までの距離をはるかに超える長さとなるため、貼付補助具による通常の貼付けを行うことができない。また、貼付作業の度に剥離シートの巻取手段への取り付けと巻取手段からの取り外しを行うのは使用者に負担を強いる。
【0008】
そこで本発明は、巻取手段無しに作業に支障をきたす事無く剥離シートを処理する貼付器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために本発明は、片面全面に粘着面を有したラベルシートと前記ラベルシートの粘着面全面に貼付された剥離シートから成る長尺のシートを収容可能な収容部と、前記収容部から前記シートを引出し可能に開口された引出口と、前記収容部の下方に位置して前記シートの幅方向長さ以上の長さに延在し、前記シートから前記剥離シートを剥離された状態の前記ラベルシートを押圧して被貼付面に貼付けを行う貼付け手段とを備え、使用者が被貼付面上を貼付手段の延在方向と垂直の方向に押圧しつつ移動させて前記ラベルシートの貼付を行う手持ち式の貼付器であって、前記引出口の剥離シート側の縁部であって前記剥離シートの送り方向を前記引出口から前記貼付手段に向かう方向とは別方向に変更する剥離部材と、前記貼付器の移動に伴って回転するローラと、前記ローラに対向して位置し前記ローラとの間に前記剥離シートを挟持可能であり前記ローラの回転に連動して回転可能な挟持ローラと、から成り前記シートから前記剥離シートを引き剥がす剥離手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
なお、前記挟持ローラは前記ローラに所定の加圧力で圧接して前記剥離シートを挟持する挟持位置と、前記ローラから離間する離間位置に移動可能であることが望ましい。
【0011】
また、前記剥離手段は前記収容部の下方かつ前記貼付手段の貼付方向下流側に前記貼付け手段と略平行に位置し、前記剥離手段によって剥離された前記剥離シートを上方もしくは貼付方向上流側方向に誘導する誘導手段を備えていても良い。
【0012】
その際、前記誘導手段は前記ローラ及び前記挟持ローラの近傍で前記剥離シートの誘導に適した誘導位置と、前記誘導位置から離間した離間位置に移動可能であることが望ましく、さらに、前記挟持ローラの移動及び圧接は前記誘導手段の移動に連動していることが望ましい。
【0013】
また、前記収容部の上方に前記収容部と離間して、使用者が把持するための把持手段を備えていても良く、さらに前記収容部と前記把持手段との間に、前記剥離シートを貼付方向上流側方向に誘導する誘導路を備えても良い。
なお、前記剥離部材は、前記シートの幅方向中央部と前記シートの幅方向両端部では位置が異なることが望ましい。
【0014】
また、前記ローラは被貼付面上にあり、また、前記ローラは表面が弱粘着性であり、被貼付面のクリーニング効果を有することが望ましいが、前記貼付手段の貼付方向下流に、被貼付面に接して被貼付面のクリーニング効果を有するクリーニング部材を備えていても良い。
【0015】
剥離シートが貼付器の移動に伴って回転するローラと、ローラを押圧して連動する挟持ローラとに挟持されることにより、貼付器の移動に連動して剥離シートが自動的に引き出されるため、貼付作業時に使用者が剥離シートを引き剥がす必要が無い。
【0016】
剥離シートが引き出される方向が貼付作業の邪魔になりかねかい方向であった場合、誘導手段を備えて剥離シートを上方もしくは貼付方向上流側方向に誘導すれば、剥離シートによって貼付作業に支障をきたすことはない。
【0017】
挟持ローラや誘導手段がそれぞれ、作動位置と離間位置とに移動可能であれば、貼付作業前に剥離シートを挟持させる作業を行いやすく、さらに、挟持ローラの移動及び圧接が誘導手段の移動に連動していれば、挟持作業の省力化が図られる。
【0018】
使用者は貼付作業の際に収容部を把持しても良いが、剥離シートが引き出される方向が収容部のある方向である場合、収容部の上方に離間した位置に把持手段を備えていれば、剥離シートが収容部と把持手段の間を通るようになり、剥離シートによって貼付作業に支障をきたすことはない。その際、収容部と把持手段との間に、剥離シートを貼付方向上流側方向に誘導する誘導路を備えていれば、さらに作業をスムーズに行うことができる。
【0019】
剥離部材が、前記シートの幅方向中央部と前記シートの幅方向両端部で位置が異なっていれば、シートの中央部と両端部で剥離ポイントを変えることができるため、一様に剥離させるよりも剥離に要する力を省力化できる。
【0020】
ローラが被貼付面上にある場合、ローラの表面が弱粘着性であって被貼付面のクリーニング効果を有していれば、貼付作業時に、貼付手段に先行して被貼付面上を走行するローラがクリーニングを行うことができる。また、貼付手段の下流に独立したクリーニング手段を別に設けていても同様の効果を得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を、図に基づいて詳細に説明する。なお、文中において、作業状態における被貼付面側の方向を下方、その反対側を上方として説明するが、本発明の貼付器1は水平面に置いた状態のみで使用するものではなく、平面であれば傾斜面や垂直面、あるいは天井等の上下が逆転した面でも使用可能である。また、貼付方向上流側から下流側に向かって貼り付けるものとする。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態による貼付器1の外観形状を示した斜視図である。貼付器1は略三角柱形状を成しており、主に三角形の中央部に位置する収容部2と、三角形の頂点に位置する持ち手11(把持手段)及び、三角形の底辺の各端点に位置する貼付ローラ3(貼付手段)と引出ローラ4、そして上記各要素の両端を取り付ける1対の側壁12,13によって構成される。
【0023】
図2は、本発明の第1の実施の形態による貼付器1の側面図である。収容部2はラベルシートRと剥離シートPから成るシートをロール状に巻いて収納するために略円筒状となっている。収容部2の片側はシート出し入れのために開放された開口部21となっている。また、貼付器1の下方にあたる円周の一部は収容部2からシートを引き出すための引出口22として延在方向全域にわたって切り欠かれている。引出口22の引出ローラ4側の辺は引き出されたシートから剥離シートPを当接させて折り曲げることにより剥離する剥離部材2Pであり、ラベルシートRを折り曲げずに引き出すために貼付ローラ3側の辺よりも若干低い位置にある。
【0024】
側壁12,13の下端は貼付ローラ3及び引出ローラ4の各最下部よりもわずかに高い位置に有り、これによって貼付器1は平面上を転がり走行可能となっている。
【0025】
収容部2には内接して、収容するシートの幅に応じて収容部2の延在方向に移動可能な幅規制部材23が設けられている。幅規制部材23は外周が収容部2の内周と同一で、内周が外周よりもわずかに小さいC字形状に、外周から突出した凸部23aを有する形状となっている。凸部23aは収容部2に設けられたスリット24から収容部2の外に突き出ており、収容部2の外から凸部23aを移動することによって幅規制部材23を移動可能となっている。C字状の開口部21の方向は収容部2の引出口22の方向と同一である。
【0026】
図3は、本発明の第1の実施の形態による貼付器1を下から見た図である。剥離部材2Pは両端部よりも中央部の方が開口がわずかに広い緩やかな山状の曲線となっている。また、引出口22の貼付ローラ3側の辺2Rは、シートの出し入れを行いやすいように、開放部側の方が反対側よりも開口が広い緩やかな曲線となっている。
【0027】
収容部2の、開口部21に対向する端部25は、貼付ローラ3の延在方向と垂直な平面であり、収容部2に収容されたシートの端部を突き当てる突き当て部材となっている。突き当て部材は、収容部2から貼付ローラ3近傍にわたって設置されている。
【0028】
図4は、本発明の第1の実施の形態による貼付器1の貼付ローラ3付近の拡大図である。貼付ローラ3の近傍には、ラベルシートRの先端を仮留めするための仮留め部材31が、貼付ローラ3と平行に、貼付ローラ3の長さとほぼ同一の長さに延在している。仮留め部材表面には、低接着性加工として全域にテフロンコーティングを行っている。
【0029】
仮留め部材31は軸32を中心に回転可能となっており、貼付ローラ3に近接する貼付位置Aと、貼付ローラ3から退避した退避位置Nとに移動可能である。また、仮留め部材31は非図示のバネによって貼付位置Aの方向に付勢されている。仮留め部材31は貼付ローラ3の軸受け12a,13aに突き当たることによって貼付け時の位置が決まる。
【0030】
なお、側壁12,13には貼付器1が横転した際に貼付ローラ3と仮留め部材31を接地させないための突出部14が設けられている。なお、仮留め部材表面には、テフロンコーティングを行うかわりに低接着性材料であるテフロンテープを全域にわたって貼り付けていてもよい。
【0031】
図5は、本発明の第1の実施の形態による貼付器1の引出ローラ4付近の、作動状態における拡大図である。引出ローラ4近傍斜め上方には、引出ローラ4と平行に延在する挟持ローラ5が設置されている。挟持ローラ5は側壁12,13に設けられたスリット15に沿って、引出ローラ4に当接する位置と、引出ローラ4から離間する位置との間を移動可能である。挟持ローラ5が引出ローラ4に当接している状態では、挟持ローラ5は引出ローラ4の回転に連動して回転し、引出ローラ4と挟持ローラ5との間に剥離シートPが挟持されていれば、引出ローラ4と挟持ローラ5は回転によって収容部2から剥離シートPを引き出す。
【0032】
引出ローラ4近傍には、引き出された剥離シートPを上方へ誘導する誘導部材41が、引出ローラ4の延在方向と平行に延在している。誘導部材41は引出ローラ4の回転軸4aを中心に回転することにより、剥離シートPの誘導を行う誘導位置と、誘導位置から離間する位置とに移動可能となっている。なお、側壁12,13には貼付器1が横転した際に引出ローラ4と誘導部材を接地させないための突出部16が設けられている。
【0033】
挟持ローラ5の軸5aと誘導部材41に設けられたフック41aとの間には、引張りコイルバネ51が架けられている。引張りコイルバネ51の自然長は、引出コロと誘導部材が共に作動位置にある状態における、挟持ローラ5の軸と誘導部材41のフック41aとの間の距離よりも短いが、挟持ローラ5が作動位置にあり、誘導部材41が離間位置にある状態における、挟持ローラ5の軸と誘導部材41のフック41aとの間の距離よりは長い長さである。そのため、作動状態において挟持ローラ5は引張りコイルバネ51によって引出ローラ4を加圧し、離間状態においては引張りコイルバネ51によって離間位置へ押しやられる。図6に、本発明の第1の実施の形態による貼付器1の引出ローラ4付近の、離間状態における拡大図を示す。
【0034】
次に、本発明の第1の実施の形態による貼付器1の作動について説明する。
【0035】
シートは、剥離シートPが外側になるように巻かれ、自然状態では貼付ローラ3側に引き出される方向で収容部2に収容される。シートは奥側の端が突き当て部材に突き当たるまで挿入され、さらに開口部21側の端を幅規制部材23に当接されることにより、幅方向の位置決めが行われる。
【0036】
貼付作業の準備段階として作業者は、まず収容されたシートの先端を数cm程度引出口22から引出し、引き出した分のシートから剥離シートPを剥がす。
【0037】
次に仮留め部材31を退避位置に移動し、剥離シートPを剥がしたラベルシートRを、突き当て部材に沿わせながら仮留め部材31の下を潜って先端が貼付けローラを少し超えるまで運んだ後、仮留め部材31を貼付位置に移動すると、ラベルシートRの先端は貼付ローラと仮留め部材に挟まれることにより幅方向全域にわたって仮留め部材31に貼り付けられる。
【0038】
この際、シートの幅方向両端は突き当て部材と幅規制部材23によって貼付ローラ3の延在方向と垂直に規制されているため、ラベルシートR先端がラベルシートR長手方向に垂直であれば、ラベルシートR先端は仮留め部材31に平行に貼り付けられる。
【0039】
仮にラベルシートRの先端がラベルシートR長手方向に垂直でなかった場合、仮留め部材31にラベルシートR先端を幅方向全域にわたって貼り付けた後、仮留め部材31からはみ出した分のラベルシートRを切り取ることによって、長手方向に垂直な先端を得ることができる。
【0040】
次に、作業者は誘導部材41を離間位置に移動する。誘導部材41の移動に連動して挟持ローラ5も引出ローラ4から離間する。
【0041】
シートから剥がされた剥離シートPを、剥離部材2Pに当接させながら引張り、引出ローラ4と挟持ローラ5との間に通す。そして誘導部材41を作動位置へ移動させると、挟持ローラ5が連動して剥離シートPを挟持し、挟持された剥離シートPの先端は誘導部材41によって方向を上方に曲げられる。以上で貼付準備作業が終了となる。
【0042】
次に作業者は持ち手11を持ち、貼付器1を被貼付面へ運ぶ。被貼付面にラベルシートR貼付のためのガイドラインが引かれている場合には、ガイドラインの先端と仮留め部材31とを合わせ、ガイドラインの端部と突き当て部材の端部とを合わせて、貼付器1を被貼付面上に置く。この時点で、ラベルシートRの、貼付ローラ3の下になっている部分が非貼付面に貼付けられる。
【0043】
作業者がそのまま貼付器1を、被貼付面に押し付けながら引出ローラ4の方向に転がすと、貼付作業が行われる。
【0044】
ラベルシートRは貼付ローラ3の回転に伴い、引出口22から引き出されながら押圧されて被貼付面に貼付けられる。その際、貼付ローラ3の延在方向と垂直な突き当て部材と幅規制部材23によって幅方向位置を規定されているため、幅方向ずれや斜行の心配が無い。
【0045】
仮留め部材31に貼付けられていた先端部は、仮留め部材31に低接着性加工としてテフロンコーティングが施されているため、貼付作業に伴って仮留め部材31から外れて被貼付面に貼り付く。
【0046】
引出ローラ4は貼付ローラ3に先行して被貼付面上を転がる。引出ローラ4の回転は、引出ローラ4と挟持ローラ5に挟持された剥離シートPを収容部2から引き出す。その際、剥離部材2Pに当接している部分のシートは、剥離シートPのみが剥離部材2Pによって方向を変えられることになるため、剥離シートPを剥離させられる。以上より、引出ローラ4と挟持ローラ5及び剥離部材2Pは、剥離手段として作用する。
【0047】
なお、引出ローラ4は前記の様に貼付ローラ3に先行して被貼付面上を転がるため、引出ローラ4に、剥離シートPが貼り付かない程度の弱粘着性を持たせることにより、クリーニングローラ機能を持たせても良い。
【0048】
剥離部材2Pは、シートの幅方向中央部の方がシートの幅方向両端部よりも開口が広い緩やかな曲線形状となっている。この形状によって、両端と中央部では剥離ポイントが異なるため、シートはまず両端から徐々に剥離シートPを剥離することになる。このため、幅方向において一様に剥離を行うよりも少ない力で剥離を行うことができる。
【0049】
なお、本実施例では剥離部材2Pは緩やかな曲線形状となっているが、中央部と両端部で位置が異なっていれば、複数の直線から成る折れ線形状等の別の形状であっても良い。また、中央部が先に剥離され、徐々に両端に向かって剥がされるような、本実施例とは逆の形状であっても良い。
【0050】
引出ローラ4と挟持ローラ5によって引出された剥離シートPは、誘導部材41に突き当たって方向を変えられ、上方に誘導される。
【0051】
上方に誘導された剥離シートPには、剥離部材2Pと誘導部材によって折り曲げられた際の癖が残っているため、搬送方向上流側に倒れる。
【0052】
誘導部材の搬送方向上流には収容部2が在り、その上方には離間して持ち手11が在るため、搬送方向上流側に倒れた剥離シートPは誘導部材41と収容部2の間でカールするか、収容部2と持ち手11との間を通ってさらに上流側へ誘導される。これにより、剥離シートPが被貼付面上に垂れて貼付作業に支障をきたすことが無くなり、また、剥離シートPが貼付器1を持つ作業者の手の上に垂れて作業の邪魔となることも無い。
【0053】
なお、収容部2と持ち手11との間に剥離シートPを上流側に誘導する誘導路を設ければ、作業に支障をきたす危険を確実に避けることができる。
【0054】
収容されたシートから剥離シートPを引き剥がされたラベルシートRが最後まで貼付けられると、貼付作業終了となる。剥離シートPの後端がまだ挟持されている場合には、作業者は誘導部材41と挟持ローラ5を離間させて剥離シートPを外し、剥離シートPを処分する。
【0055】
次に、本発明の第2の実施の形態による貼付器1について説明する。なお、本発明の第1の実施の形態による貼付器1と同一構成の部分に関しては説明を省略する。
【0056】
図7は、本発明の第2の実施の形態による貼付器1の断面図である。収容部2の下方には貼付手段として、板状の貼付部材6が設置されている。
【0057】
収容部2の下方かつ貼付部材6の貼付方向下流側には、貼付部材6に平行に走行ローラ61が設置されている。走行ローラ61の端部には、走行ローラ61の外径よりも小さい径の第1ギア62が固定されており、走行ローラ61と共に回転する。
【0058】
走行ローラ61の上方には、収容部2の上端とほぼ同一の高さに、走行ローラ61と同じ径の引出ローラ63が設置されている。引出ローラ63の端部には、第1ギア62と同じ第2ギア64が固定されており、引出ローラ4と共に回転する。
【0059】
第1ギア62と第2ギア64は伝達ギアライン65によって駆動を伝えられるようになっており、これによって走行ローラ61と引出ローラ63は同一回転速度かつ同一回転方向で回転する。
【0060】
引出ローラ63の上方には、引出ローラ63に対向して挟持ローラ66が設置されている。挟持ローラ66の近傍には誘導部材は存在しない。引出ローラ63の軸と挟持ローラ66の軸との間には非図示の引張りコイルバネが架けられており、このバネによって挟持ローラ66は所定の加圧力で引出ローラ63に圧接している。また、引出ローラ63近傍から収容部2上部にかけて、収容部2と持ち手11の間に一対の板状の誘導路67が設置されている。
【0061】
作業者は剥離シートPを、引出ローラ4に沿って半回転分巻きつけて引出ローラ63と挟持ローラ66に挟持させる。挟持された剥離シートPの先端は搬送方向上流側を向いており、さらに誘導路を通って収容部2の上流へと送られる。
【0062】
次に、本発明の第3の実施の形態による貼付器1について説明する。なお、本発明の第1の実施の形態による貼付器1と同一構成の部分に関しては説明を省略する。
【0063】
図8は、本発明の第3の実施の形態による貼付器1の断面図である。収容部2の下方かつ貼付方向下流側に貼付ローラ3が設置されている。また、収容部2の下方かつ貼付方向上流側には、貼付器1の転倒防止及び貼付作業時の走行安定性向上のために第2ローラ7aが貼付ローラ3と平行に設置されている。
【0064】
引出口22は収容部2に対し貼付方向下流側方向に開口している。
【0065】
貼付ローラ3と同一の径を有する引出ローラ7は収容部2の上方に離間して設置されている。貼付ローラ3の回転軸と引出ローラ7の回転軸との間には伝達ベルト71が架けられており、これによって貼付ローラ3と引出ローラ7は同一回転速度かつ同一回転方向で回転する。
【0066】
引出ローラ7の上方には、引出ローラ7に対向して挟持ローラ72が設置されている。挟持ローラ72の近傍には誘導部材は存在しない。挟持ローラ72の軸は非図示の板バネによって下方に押圧されており、これによって挟持ローラ72は所定の加圧力で引出ローラ7に圧接している。
【0067】
挟持ローラ72には、引出ローラ7に圧接する部分付近以外の全域にわたって、剛性を有するカバー73が挟持ローラ72と所定の距離を有して掛けられている。作業者はカバーを持ち手として用いて貼付作業を行う。
【0068】
貼付ローラ3の搬送方向下流側には、貼付ローラ3の延在方向全域にわたってブラシ74が設置されている。ブラシ74によって、被貼付面は貼付作業に先行してクリーニングされる。
【0069】
【発明の効果】
上記により、本発明に係る貼付器は、貼付作業によって生じる回転力を剥離シートを引出す力として用いることができるので、作業者は貼付作業時に剥離シートを引き剥がす必要が無い。
【0070】
さらに、引出された剥離シートが上方もしくは搬送方向上流側に誘導されるので、剥離シートが被貼付面上に垂れることが無い。
【0071】
さらに、収容部の上方に離間して把持部を設けている場合、剥離シートが把持部と収容部の間を通って貼付方向上流側に送られるので、剥離シートが作業者の手にかかって邪魔になることが無い。
【0072】
さらに、剥離部材がシートの幅方向中央部とシートの幅方向両端部で位置が異なっているので、一様に剥離シートを引き剥がすよりも剥離に要する力を省力化できる。
【0073】
以上より、作業者は剥離シートによって作業に支障をきたす事無く貼付作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による貼付器の外観形状を示した斜視図
【図2】本発明の第1の実施の形態による貼付器の側面図
【図3】本発明の第1の実施の形態による貼付器を下から見た図
【図4】本発明の第1の実施の形態による貼付器の貼付ローラ付近の拡大図
【図5】本発明の第1の実施の形態による貼付器の引出ローラ付近の、作動状態における拡大図
【図6】本発明の第1の実施の形態による貼付器の引出ローラ付近の、離間状態における拡大図
【図7】本発明の第2の実施の形態による貼付器の断面図
【図8】本発明の第3の実施の形態による貼付器の断面図
【符号の説明】
1 貼付器
2 収容部
3 貼付ローラ
4 引出ローラ
5 挟持ローラ
R ラベルシート
P 剥離シート
Claims (10)
- 片面全面に粘着面を有したラベルシートと前記ラベルシートの粘着面全面に貼付された剥離シートから成る長尺のシートを収容可能な収容部と、前記収容部から前記シートを引出し可能に開口された引出口と、前記収容部の下方に位置して前記シートの幅方向長さ以上の長さに延在し、前記シートから前記剥離シートを剥離された状態の前記ラベルシートを押圧して被貼付面に貼付けを行う貼付け手段とを備え、使用者が被貼付面上を貼付手段の延在方向と垂直の方向に押圧しつつ移動させて前記ラベルシートの貼付を行う手持ち式の貼付器であって、前記引出口の剥離シート側の縁部であって前記剥離シートの送り方向を前記引出口から前記貼付手段に向かう方向とは別方向に変更する剥離部材と、前記貼付器の移動に伴って回転するローラと、前記ローラに対向して位置し前記ローラとの間に前記剥離シートを挟持可能であり前記ローラの回転に連動して回転可能な挟持ローラと、から成り前記シートから前記剥離シートを引き剥がす剥離手段を備えたことを特徴とする貼付器。
- 前記挟持ローラは前記ローラに所定の加圧力で圧接して前記剥離シートを挟持する挟持位置と、前記ローラから離間する離間位置に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の貼付器。
- 前記剥離手段は前記収容部の下方かつ前記貼付手段の貼付方向下流側に前記貼付け手段と略平行に位置し、前記剥離手段によって剥離された前記剥離シートを上方もしくは貼付方向上流側方向に誘導する誘導手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至2に記載の貼付器。
- 前記誘導手段は前記ローラ及び前記挟持ローラの近傍で前記剥離シートの誘導に適した誘導位置と、前記誘導位置から離間した離間位置に移動可能であることを特徴とする請求項3に記載の貼付器。
- 前記挟持ローラの移動及び圧接は前記誘導手段の移動に連動していることを特徴とする請求項4に記載の貼付器。
- 前記収容部の上方に前記収容部と離間して、使用者が把持するための把持手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の貼付器。
- 前記収容部と前記把持手段との間に、前記剥離シートを貼付方向上流側方向に誘導する誘導路を備えたことを特徴とする請求項6に記載の貼付器。
- 前記剥離部材は、前記シートの幅方向中央部と前記シートの幅方向両端部では位置が異なることを特徴とする請求項1乃至7に記載の貼付器。
- 前記ローラは被貼付面上にあり、また、前記ローラは表面が弱粘着性であり、被貼付面のクリーニング効果を有することを特徴とする請求項1乃至8に記載の貼付器。
- 前記貼付手段の貼付方向下流に、被貼付面に接して被貼付面のクリーニング効果を有するクリーニング部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至8に記載の貼付器。
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2002
- 2002-11-14 JP JP2002330509A patent/JP2004162415A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN116609264A (zh) * | 2023-07-21 | 2023-08-18 | 广东卓柏信息科技有限公司 | 一种标签剥离测试设备及其测试方法 |
CN116609264B (zh) * | 2023-07-21 | 2023-09-15 | 广东卓柏信息科技有限公司 | 一种标签剥离测试设备及其测试方法 |
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Legal Events
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A711 | Notification of change in applicant |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060207 |