JP2004162027A

JP2004162027A - 潤滑油の添加剤としての環状チオ尿素

Info

Publication number: JP2004162027A
Application number: JP2003287826A
Authority: JP
Inventors: Mukkamara Rabindranath; ラビンドラナス・ムッカマラ
Original assignee: Rohm and Haas Co
Current assignee: Rohm and Haas Co
Priority date: 2002-08-07
Filing date: 2003-08-06
Publication date: 2004-06-10
Also published as: EP1394241A1; US20040029743A1

Abstract

【課題】潤滑油添加剤としての非金属非リン含有油溶性摩耗防止剤兼腐食防止剤、酸化防止剤の提供。
【解決手段】（ａ）０．１％〜２０％の少なくとも一つの式Ｉ：

（式中、ＷはＯまたはＳであり；Ｒ^１およびＲ^２は独立して水素、アルキル、アルケニル、アリールまたはアルアルキルであり；Ｒ^３およびＲ^４は独立して水素、アルキル、アルケニル、アリールまたはアルアルキルであるか、またはＲ^３およびＲ^４基はそれらが結合している環炭素原子と一緒になって５〜７員複素環を形成する）の環状チオ尿素化合物；および（ｂ）潤滑油を含む組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は潤滑油の添加剤として有用な環状チオ尿素に関する。

ジアルキルジチオリン酸亜鉛（ＺＤＤＰ）は潤滑添加剤として広く用いられている。これらの化合物の主な欠点は、添加剤が消費されると亜鉛により灰分が生じることであり、リンは自動車において触媒コンバーターの効率に悪影響を及ぼすことが知られており、これによって排出物の問題を引き起こすことである。潤滑添加剤として有用な環状チオ尿素化合物は、米国特許第５９３５９１３号において開示されている。しかしながら、この文献に開示されている化合物は本発明の範囲内に含まれない。

米国特許第５９３５９１３号明細書

本発明により取り扱われる問題は、潤滑油のための非金属非リン含有油溶性添加剤を見いだすことである。

本発明は：
（ａ）０．１％〜２０％の少なくとも一つの式Ｉ：

（式中、ＷはＯまたはＳであり；Ｒ^１およびＲ^２は独立して水素、アルキル、アルケニル、アリールまたはアルアルキルであり；Ｒ^３およびＲ^４は独立して水素、アルキル、アルケニル、アリールもしくはアルアルキルであるか、またはＲ^３およびＲ^４基はそれらが結合している環炭素原子と一緒になって５〜７員複素環を形成する）
の環状チオ尿素化合物；および
（ｂ）潤滑油を含む組成物に関する。

本発明はさらに、０．１％〜２０％の式Ｉの化合物を添加することにより、潤滑油の耐摩耗特性を向上させる方法に関する。

全てのパーセンテージは特に明記しない限り記載された全組成に基づく重量パーセントである。「アルキル」基は、直鎖、分岐鎖または環状配置において１〜２２個の炭素原子を有し、０〜２個の酸素、窒素または硫黄原子を有する飽和ヒドロカルビル（ｈｙｄｒｏｃａｒｂｙｌ）基である。アルキル基上での、１またはそれ以上のハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイルまたはアミド基の置換が許容され；同様に、アルコキシ、アルカノイルおよびアミド基は１またはそれ以上のハロ置換基により置換されていてもよい。好ましい一態様において、アルキル基は、１〜１２個の炭素原子および０〜１個の酸素、窒素または硫黄原子を含み；もう一つの好ましい態様において、アルキル基は、１２〜２２個の炭素原子を含み、さらに好ましくはヘテロ原子を含まない。「アルケニル」基は、少なくとも一つの単結合が二重結合で置換されている「アルキル」基である。「アリール」基は、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を有する複素環式芳香族化合物を包含する芳香族化合物から誘導される置換基である。アリール基は、合計で５〜２０個の環原子を有し、独立しているかまたは縮合した１またはそれ以上の環を有する。アリール基上での、１またはそれ以上のハロ、アルキル、アルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイルまたはアミド基の置換が許容され、１またはそれ以上のハロ基によるアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイルまたはアミド基上の置換が可能である。「アルアルキル」基は「アリール」基により置換された「アルキル」基である。「潤滑油」は、たとえば内燃機関におけるクランクケースオイル、オートマチックトランスミッション液、タービン潤滑剤、ギア潤滑剤、コンプレッサー潤滑剤、金属加工用潤滑剤、作動油などの潤滑剤として使用するために適当な粘度を有する天然または合成油、あるいはその混合物である。

本発明の一態様において、好ましくは式（Ｉ）は独立して水素、アルキル、アルケニル、アリールまたはアルアルキルであるＲ^１、Ｒ^２、Ｒ^３およびＲ^４を有する。すなわち、化合物は二環式化合物ではない。好ましくは、Ｒ^１、Ｒ^２、Ｒ^３およびＲ^４は独立して、水素、アルキルまたはアルケニルであり、さらに好ましくは、Ｒ^１、Ｒ^２、Ｒ^３およびＲ^４の少なくとも一つはＣ_６−Ｃ_２２アルキルまたはアルケニルであり、さらに好ましくはＲ^１、Ｒ^２、Ｒ^３およびＲ^４の少なくとも一つはＣ_１０−Ｃ_２２アルキルであり、最も好ましくはＲ^１、Ｒ^２、Ｒ^３およびＲ^４の少なくとも一つはＣ_１６−Ｃ_２２アルキルである。

本発明のもう一つの態様において、式ＩにおけるＲ^３およびＲ^４基はそれらが結合している環炭素原子と一緒になって５ないし７員複素環を形成する。好ましい態様において、Ｒ^３およびＲ^４基は結合して次の式（ＩＩ）：

（式中、Ｒ^５およびＲ^６は独立して水素、アルキル、アルケニル、アリールまたはアルアルキルである）
の二環系を形成する。ＷがＯであり、Ｒ^１およびＲ^６が同一であり、Ｒ^２およびＲ^５が同一である本発明の好ましい態様において、化合物は式（ＩＩＩ）：

の対称的な二環式化合物である。

本発明の一態様において、式（Ｉ）の化合物は、次にようにして、２−アミノアルキルニトリルと二硫化炭素から調製される：

好ましくは、Ｒ^２はＣ_６−Ｃ_２２アルキルまたはアルケニルであり、さらに好ましくは、Ｃ_１０−Ｃ_２２アルキルであり、最も好ましくはＣ_１６−Ｃ_２２アルキルである。好ましくは、Ｒ^２は非置換Ｃ_１６−Ｃ_２２アルキルアミン、Ｒ^２ＮＨ_２から誘導され、好ましくは、油溶性アミンである。好ましい一態様において、アルキルアミンは第三アルキル第一アミン、すなわち、アルキル基が第三炭素によりアミノ基と結合した第一アミンである。商業的に入手可能な第三アルキル第一アミンの例は、ＲｏｈｍａｎｄＨａａｓＣｏｍｐａｎｙ，Ｐｈｉｌａｄｅｌｐｈｉａ，ＰＡから入手可能なＰｒｉｍｅｎｅ（商標）アミンである。

本発明の一態様において、式（ＩＩＩ）の化合物は次のようにして、置換チオ尿素とアセチレンジカルボン酸のジエステルから調製される：

Ｒ基はアルキル、アルケニル、またはアルアルキル基であり、好ましくはＣ_１−Ｃ_４アルキル基である。好ましくは、Ｒ^１およびＲ^２は水素、アルキルまたはアルケニルであり、さらに好ましくは、Ｒ^１およびＲ^２の少なくとも一つはＣ_６−Ｃ_２２アルキルまたはアルケニルであり、さらに好ましくは、Ｒ^１およびＲ^２の少なくとも一つはＣ_１０−Ｃ_２２アルキルであり、最も好ましくはＲ^１およびＲ^２の少なくとも一つはＣ_１６−Ｃ_２２アルキルである。

本発明の一態様において、式（Ｉ）の化合物は、次のようにして置換チオ尿素とα，β−不飽和カルボン酸のエステルから調製される：

好ましくは、Ｒ^３およびＲ^４は水素またはＣ_１−Ｃ_４アルキルである。好ましくは、Ｒ^１およびＲ^２は水素、アルキルまたはアルケニルであり、さらに好ましくは、Ｒ^１およびＲ^２の少なくとも一つはＣ_６−Ｃ_２２アルキルまたはアルケニルであり、さらに好ましくは、Ｒ^１およびＲ^２の少なくとも一つはＣ_１０−Ｃ_２２アルキルであり、最も好ましくはＲ^１およびＲ^２の少なくとも一つはＣ_１６−Ｃ_２２アルキルである。

好ましくは、式（Ｉ）の化合物は潤滑油中少なくとも０．２％、さらに好ましくは少なくとも０．３％、最も好ましくは少なくとも０．４％の合計量において存在する。好ましくは、式（Ｉ）の化合物は潤滑油において１０％以下、さらに好ましくは５％以下、最も好ましくは２％以下の合計量において存在する。好ましくは、化合物は前記量で可溶性である。

任意に、潤滑油において典型的に用いられる他の添加剤が組成物中に存在してもよい。このような添加剤は、これらに限定されないが、他の耐摩耗添加剤、腐食防止添加剤、分散剤、洗浄剤、酸化防止剤、消泡剤、フリクションモディファイアー（ｆｒｉｃｔｉｏｎｍｏｄｉｆｉｅｒｓ）、シールスウェル（ｓｅａｌｓｗｅｌｌ）剤、乳化破壊剤、粘度指数向上剤および流動点降下剤を包含する。式（Ｉ）の化合物との組み合わせにおいて用いることができる他の耐摩耗添加剤はジアルキルジチオリン酸亜鉛であるＺＤＤＰとして知られる商品を包含する。潤滑油の耐摩耗性を向上させることに加えて、式（Ｉ）の化合物は典型的には腐食防止特性および酸化防止剤としての機能も向上させる。

Claims

（ａ）０．１％〜２０％の少なくとも一つの式Ｉ：

（式中、ＷはＯまたはＳであり；Ｒ^１およびＲ^２は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アリールまたはアルアルキルであり；Ｒ^３およびＲ^４は独立して水素、アルキル、アルケニル、アリールもしくはアルアルキルであるか、またはＲ^３およびＲ^４基はそれらが結合している環炭素原子と一緒になって５〜７員複素環を形成する）
の環状チオ尿素化合物；および
（ｂ）潤滑油を含む組成物。
ＷがＯであり、Ｒ^１、Ｒ^２、Ｒ^３およびＲ^４は独立して水素、アルキル、アルケニル、アリールまたはアルアルキルである請求項１記載の組成物。
Ｒ^１、Ｒ^２、Ｒ^３およびＲ^４は独立して水素またはアルキルである請求項２記載の組成物。
Ｒ^１、Ｒ^２、Ｒ^３およびＲ^４の少なくとも一つはＣ_６−Ｃ_２２アルキルである請求項３記載の組成物。
ＷがＳであり、Ｒ^１、Ｒ^２、Ｒ^３およびＲ^４は独立して水素、アルキル、アルケニル、アリールまたはアルアルキルである請求項１記載の組成物。
Ｒ^３およびＲ^４基が、それらが結合している環炭素原子と一緒になって５〜７員複素環を形成する請求項１記載の組成物。
環状チオ尿素が式：

（式中、Ｒ^５およびＲ^６は独立して水素、アルキル、アルケニル、アリールまたはアルアルキルである）
を有する請求項６記載の組成物。
ＷがＯであり、Ｒ^１およびＲ^６が同一であり、Ｒ^２およびＲ^５が同一である請求項７記載の組成物。
Ｒ^１およびＲ^２が独立して水素またはアルキルである請求項８記載の組成物。
少なくとも１つのＲ^１およびＲ^２がＣ_６−Ｃ_２２アルキルである請求項９記載の組成物。