JP2004161874A - Fuel container composed of denatured ethylene-vinyl alcohol copolymer - Google Patents

Fuel container composed of denatured ethylene-vinyl alcohol copolymer Download PDF

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JP2004161874A JP2002329070A JP2002329070A JP2004161874A JP 2004161874 A JP2004161874 A JP 2004161874A JP 2002329070 A JP2002329070 A JP 2002329070A JP 2002329070 A JP2002329070 A JP 2002329070A JP 2004161874 A JP2004161874 A JP 2004161874A
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a fuel container which has excellent fuel barrier properties and excellent impact resistance and improved moldability. <P>SOLUTION: The fuel container comprises a modified ethylene-vinyl alcohol copolymer which comprises 0.3-40 mol % of a structural formula (I) and has 5-50 mol % ethylene content. Preferably the fuel container composed of a laminate having a layer made of the modified ethylene-vinyl alcohol copolymer (C) and a polyolefin layer is produced by blow molding or thermoforming. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる燃料容器に関する。また、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体と、それ以外の熱可塑性樹脂との樹脂組成物からなる燃料容器に関する。さらに、変性エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層と、それ以外の熱可塑性樹脂からなる層を有する多層構造体からなる燃料容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック製燃料タンクとしては、ポリエチレン製単層型のものが使用されているが、比較的高いガソリン透過性を有するという欠点がある。これに対し、タンクを多層構造にし、バリア層にナイロンを用い、その両側に接着性樹脂層を介して高密度ポリエチレン層を設けた3種5層構造のものも提案されている。
【0003】
一方、近年の環境汚染に対する規制強化の実施や、大気汚染防止及びガソリンの消費節約の観点から、ガソリンのオクタン価改良や排気ガス中の未燃焼炭化水素量の削減のために、メタノール、エタノール、MTBE等の酸素元素含有化合物をブレンドしたガソリン(以下含酸素ガソリンと略記する)が米国を中心に使用されている。
【0004】
しかしながら、上記のようなポリエチレンとナイロンの多層構造にする方法や、ポリエチレンにナイロンを混合して同時に溶融押し出し、ポリエチレン層中にナイロンを不連続の薄層状に分散する方法等においては、含酸素ガソリンに対するバリア性に問題がある。かかる状況において、ガソリンバリア性に優れる容器としてポリエチレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下EVOHと略称することがある。)の多層タンクが提案され、上述の各種燃料容器と比較してより良好なガソリンバリア性を得ることができるようになった。しかしながら、その多層タンクは耐衝撃性に問題を残している。
【0005】
EVOH樹脂を中間層とする燃料容器の耐衝撃性を改善するために、EVOH樹脂に各種の樹脂をブレンドする手法が提案されている。例えば、特開平10−24505号公報(特許文献1)には、EVOHにコアシェル構造を有する樹脂微粒子を配合した樹脂組成物層を有する多層構造体からなる燃料容器が記載されている。特開平10−128884号公報には、EVOHにエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を配合した樹脂組成物層を有する多層構造体からなる燃料容器が記載されている。また、特開2000−255537号公報には、EVOHにポリアミド樹脂、オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体又はその金属塩、及び疎水性熱可塑性樹脂を配合した樹脂組成物層を有する多層構造体からなる燃料容器が記載されている。これらの手法によれば、いずれもガソリンバリア性の低下を抑えながら、耐衝撃性が改善される旨記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−24505号公報(特許請求の範囲、第2頁)
【特許文献2】
特開平10−128884号公報(特許請求の範囲、第2頁)
【特許文献3】
特開2000−255537号公報(特許請求の範囲、第2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法によってもなお、燃料容器の耐衝撃性の改善が不十分な場合があった。さらに、近年では燃料容器、特に自動車用の燃料容器などにおいては、その形状が複雑になってきており、複雑な形状に対応できるような成形性の良好なバリア性樹脂あるいは樹脂組成物が望まれているところである。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、燃料のバリア性に優れ、耐衝撃性にも優れ、しかも成形性の良好な変性EVOHからなる燃料容器を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、下記構造単位(I)を0.3〜40モル%含有するエチレン含有量5〜55モル%の変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)からなる燃料容器を提供することによって達成される。
【0010】
【化4】

Figure 2004161874
【0011】
(式中、R、R、R及びRは、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。R、R、R及びRは同じ基でも良いし、異なっていても良い。また、RとRとは結合していても良い。またR、R、R及びRは水酸基、カルボキシル基又はハロゲン原子を有していても良い。)
【0012】
また、上記課題は、下記構造単位(I)を0.3〜40モル%含有するエチレン含有量5〜55モル%の変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)と、(C)以外の熱可塑性樹脂(T1)との樹脂組成物からなる燃料容器を提供することによっても達成される。
【0013】
【化5】
Figure 2004161874
【0014】
(式中、R、R、R及びRは、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。R、R、R及びRは同じ基でも良いし、異なっていても良い。また、RとRとは結合していても良い。またR、R、R及びRは水酸基、カルボキシル基又はハロゲン原子を有していても良い。)
【0015】
このとき、熱可塑性樹脂(T1)が前記構造単位(I)を含有しないエチレン含有量5〜55モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体(F)であることが好適である。
【0016】
また、上記課題は、下記構造単位(I)を0.3〜40モル%含有するエチレン含有量5〜55モル%の変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)からなる層と(C)以外の熱可塑性樹脂(T2)からなる層を有する多層構造体からなる燃料容器を提供することによっても達成される。
【0017】
【化6】
Figure 2004161874
【0018】
(式中、R、R、R及びRは、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。R、R、R及びRは同じ基でも良いし、異なっていても良い。また、RとRとは結合していても良い。またR、R、R及びRは水酸基、カルボキシル基又はハロゲン原子を有していても良い。)
【0019】
このとき、熱可塑性樹脂(T2)がポリオレフィンであることが好適であり、さらに、中間層が前記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)であり、その両面に接着性樹脂層を介してポリオレフィンからなる内外層が積層された多層構造体からなることがより好適である。本発明の燃料容器は好適にはブロー成形してなるものであるか、熱成形してなるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する変性EVOH(C)は、下記構造単位(I)を0.3〜40モル%含有するエチレン含有量5〜55モル%の変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)である。
【0021】
【化7】
Figure 2004161874
【0022】
(式中、R、R、R及びRは、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基(アルキル基又はアルケニル基など)、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基など)、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基(フェニル基など)を表す。R、R、R及びRは同じ基でもよいし、異なっていても良い。また、RとRとは結合していてもよい(ただし、R及びRがともに水素原子の場合は除かれる)。また上記のR、R、R及びRは他の基、例えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子などを有していてもよい。)
【0023】
より好適な実施態様では、前記R及びRがともに水素原子である。さらに好適な実施態様では、前記R及びRがともに水素原子であり、前記R及びRのうち、一方が炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であって、かつ他方が水素原子である。好適には、前記脂肪族炭化水素基がアルキル基又はアルケニル基である。燃料バリア性、特にガソリンバリア性を重視する観点からは、前記R及びRのうち、一方がメチル基又はエチル基であり、他方が水素原子であることがより好ましい。
【0024】
また、燃料バリア性の観点からは、前記R及びRのうち、一方が(CHOHで表される置換基(ただし、i=1〜8の整数)であり、他方が水素原子であることも好ましい。燃料バリア性、特にガソリンバリア性を重視する場合は、前記の(CHOHで表される置換基において、i=1〜4の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
【0025】
変性EVOH(C)に含まれる上述の構造単位(I)の量は0.3〜40モル%の範囲内であることが必要である。構造単位(I)の量の下限は、0.5モル%以上であることが好ましく、1モル%以上であることがより好ましく、2モル%以上であることがさらに好ましい。一方、構造単位(I)の量の上限は、35モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、25モル%以下であることがさらに好ましい。含まれる構造単位(I)の量が上記の範囲内にあることで、燃料バリア性、耐衝撃性、成形性及び延伸性を兼ね備えた変性EVOH(C)を得ることができる。
【0026】
変性EVOH(C)のエチレン含有量は5〜55モル%であることが好ましい。変性EVOH(C)のエチレン含有量が5モル%未満の場合は、耐衝撃性、成形性及び延伸性が悪化するおそれがある。より好適には10モル%以上であり、さらに好適には20モル%以上であり、特に好適には25モル%以上であり、さらに好適には31モル%以上である。一方、変性EVOH(C)のエチレン含有量が55モル%を超えると燃料バリア性、特にガソリンバリア性が悪化するおそれがある。より好適には50モル%以下であり、さらに好適には45モル%以下である。
【0027】
変性EVOH(C)を構成する、上記構造単位(I)及びエチレン単位以外の構成成分は、主としてビニルアルコール単位である。このビニルアルコール単位は、通常、原料のEVOH(A)に含まれるビニルアルコール単位のうち、一価エポキシ化合物(B)と反応しなかったビニルアルコール単位である。また、EVOH(A)に含まれることがある未ケン化の酢酸ビニル単位は、通常そのまま変性EVOH(C)に含有される。変性EVOH(C)は、これらの構成成分を含有するランダム共重合体であることが、NMRの測定や融点の測定結果からわかった。さらに、本発明の目的を阻害しない範囲内で、その他の構成成分を含むこともできる。
【0028】
変性EVOH(C)の好適なメルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷重下)は0.1〜30g/10分であり、より好適には0.3〜25g/10分、更に好適には0.5〜20g/10分である。但し、融点が190℃付近あるいは190℃を超えるものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿した値で表す。
【0029】
上記の変性EVOH(C)を製造する方法は特に限定されない。本発明者らが推奨する方法は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)とを反応させることにより、変性EVOH(C)を得る方法である。
【0030】
また、本発明が解決しようとする課題は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)とを反応させて得られた変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)からなる燃料容器を提供することによっても達成される。
【0031】
本発明で変性EVOH(C)の原料として用いられるEVOH(A)としては、エチレン−ビニルエステル共重合体をケン化して得られるものが好ましい。EVOHの製造時に用いるビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとして挙げられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。また、本発明の目的が阻害されない範囲であれば、他の共単量体、例えば、プロピレン、ブチレン、イソブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸又はそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン系化合物;不飽和スルホン酸又はその塩;アルキルチオール類;N−ビニルピロリドンなどのビニルピロリドン等を共重合することもできる。
【0032】
EVOH(A)として、共重合成分としてビニルシラン化合物を共重合したEVOHを用いる場合、共重合量として0.0002〜0.2モル%を含有することが好ましい。かかる範囲でビニルシラン化合物を共重合成分として有することにより、共押出成形を行う際の、基材樹脂と変性EVOH(C)との溶融粘性の整合性が改善され、均質な共押出多層フィルム成形物の製造が可能となる場合がある。特に、溶融粘度の高い基材樹脂を用いる場合、均質な共押出多層フィルム成形物を得ることが容易となる。ここで、ビニルシラン系化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等が挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。
【0033】
本発明に用いられるEVOH(A)のエチレン含有量は5〜55モル%であることが好ましい。EVOH(A)のエチレン含有量が5モル%未満の場合は、得られる変性EVOH(C)の耐衝撃性、成形性及び延伸性が悪化するおそれがある。より好適には10モル%以上であり、さらに好適には20モル%以上であり、特に好適には25モル%以上であり、さらに好適には31モル%以上である。一方、EVOH(A)のエチレン含有量が55モル%を超えると、得られる変性EVOH(C)の燃料バリア性、特にガソリンバリア性が悪化するおそれがある。より好適には50モル%以下であり、さらに好適には45モル%以下である。なおここで、EVOH(A)がエチレン含有量の異なる2種類以上のEVOHの配合物からなる場合には、配合重量比から算出される平均値をエチレン含有量とする。
【0034】
さらに、本発明に用いられるEVOH(A)のビニルエステル成分のケン化度は好ましくは90%以上である。ビニルエステル成分のケン化度は、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは98%以上であり、最適には99%以上である。ケン化度が90%未満では、燃料バリア性、特にガソリンバリア性が低下するおそれがあるだけでなく、熱安定性が不十分となり、成形物にゲル・ブツが発生しやすくなるおそれがある。なおここで、EVOH(A)がケン化度の異なる2種類以上のEVOHの配合物からなる場合には、配合重量比から算出される平均値をケン化度とする。
【0035】
なお、EVOH(A)のエチレン含有量及びケン化度は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることができる。
【0036】
さらに、EVOH(A)として、本発明の目的を阻外しない範囲内で、ホウ素化合物をブレンドしたEVOHを用いることもできる。ここでホウ素化合物としては、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ素類等が挙げられる。具体的には、ホウ酸類としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げられ、ホウ酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ホウ砂などが挙げられる。これらの化合物のうちでもオルトホウ酸(以下、単にホウ酸と表示する場合がある)が好ましい。
【0037】
EVOH(A)として、ホウ素化合物をブレンドしたEVOH(A)を用いる場合、ホウ素化合物の含有量は好ましくはホウ素元素換算で20〜2000ppm、より好ましくは50〜1000ppmである。この範囲内でホウ素化合物をブレンドすることで加熱溶融時のトルク変動が抑制されたEVOH(A)を得ることができる。20ppm未満ではそのような効果が小さく、2000ppmを超えるとゲル化しやすく、成形性不良となる場合がある。
【0038】
また、EVOH(A)として、リン酸化合物を配合したEVOH(A)を用いてもよい。これにより樹脂の品質(着色等)を安定させることができる場合がある。本発明に用いられるリン酸化合物としては特に限定されず、リン酸、亜リン酸等の各種の酸やその塩等を用いることができる。リン酸塩としては第一リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩のいずれの形で含まれていても良いが、第一リン酸塩が好ましい。そのカチオン種も特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩であることが好ましい。これらの中でもリン酸二水素ナトリウム及びリン酸二水素カリウムが好ましい。リン酸化合物を配合したEVOH(A)を用いる場合の、リン酸化合物の含有量は、好適にはリン酸根換算で200ppm以下であり、より好適には5〜100ppmであり、最適には5〜50ppmである。
【0039】
ただし、後述のように周期律表第3〜12族に属する金属のイオンを含む触媒(D)の存在下にEVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)とを反応させる場合には、リン酸塩が触媒を失活させるのでできるだけ少ないことが好ましい。その場合のEVOH(A)のリン酸化合物の含有量は、好適にはリン酸根換算で200ppm以下であり、より好適には100ppm以下であり、最適には50ppm以下である。
【0040】
また、後述する通り、変性EVOH(C)は、好適にはEVOH(A)と分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)との反応を、押出機内で行わせることによって得られるが、その際に、EVOHは加熱条件下に晒される。この時に、EVOH(A)が過剰にアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を含有していると、得られる変性EVOH(C)に着色が生じるおそれがある。また、変性EVOH(C)の粘度低下等の問題が生じ、成形性が低下するおそれがある。また、後述のように触媒(D)を使用する場合には、触媒(D)を失活させるため、それらの添加量はできるだけ少ないことが好ましい。
【0041】
上記の問題を回避するためには、EVOH(A)が含有するアルカリ金属塩が金属元素換算値で50ppm以下であることが好ましい。より好ましい実施態様では、EVOH(A)が含有するアルカリ金属塩が金属元素換算値で30ppm以下であり、さらに好ましくは20ppm以下である。また、同様な観点から、EVOH(A)が含有するアルカリ土類金属塩が金属元素換算値で20ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、5ppm以下であることがさらに好ましく、EVOH(A)にアルカリ土類金属塩が実質的に含まれていないことが最も好ましい。
【0042】
また、本発明の目的を阻外しない範囲内であれば、EVOH(A)として、熱安定剤、酸化防止剤を配合したものを用いることもできる。
【0043】
本発明に用いられるEVOH(A)の固有粘度は0.06L/g以上であることが好ましい。EVOH(A)の固有粘度はより好ましくは0.07〜0.2L/gの範囲内であり、さらに好ましくは0.075〜0.15L/gであり、特に好ましくは0.080〜0.12L/gである。EVOH(A)の固有粘度が0.06L/g未満の場合、機械的強度、耐衝撃性、成形性及び延伸性が低下するおそれがある。また、EVOH(A)の固有粘度が0.2L/gを越える場合、変性EVOH(C)を含む成形物においてゲル・ブツが発生しやすくなるおそれがある。
【0044】
本発明に用いられるEVOH(A)の好適なメルトフローレート(MFR)(190℃、2160g荷重下)は0.1〜30g/10分であり、より好適には0.3〜25g/10分、更に好適には0.5〜20g/10分である。但し、融点が190℃付近あるいは190℃を超えるものは2160g荷重下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶対温度の逆数を横軸、MFRの対数を縦軸にプロットし、190℃に外挿した値で表す。MFRの異なる2種以上のEVOHを混合して用いることもできる。
【0045】
本発明に用いられる分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)は、一価のエポキシ化合物であることが必須である。すなわち、分子内にエポキシ基を一つだけ有するエポキシ化合物でなければならない。二価又はそれ以上の、多価のエポキシ化合物を用いた場合は、本発明の効果を奏することができない。ただし、一価エポキシ化合物の製造工程において、ごく微量に多価エポキシ化合物が含まれることがある。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、ごく微量の多価エポキシ化合物が含まれる一価のエポキシ化合物を、本発明における分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)として使用することも可能である。
【0046】
本発明に用いられる分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)は特に限定されない。具体的には、下記式(III)〜(IX)で示される化合物が、好適に用いられる。
【0047】
【化8】
Figure 2004161874
【0048】
【化9】
Figure 2004161874
【0049】
【化10】
Figure 2004161874
【0050】
【化11】
Figure 2004161874
【0051】
【化12】
Figure 2004161874
【0052】
【化13】
Figure 2004161874
【0053】
【化14】
Figure 2004161874
【0054】
(式中、R、R、R、R及びRは、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基(アルキル基又はアルケニル基など)、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基など)、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基(フェニル基など)を表す。また、i、j、k、l及びmは、1〜8の整数を表す。)
【0055】
上記式(III)で表される分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)としては、エポキシエタン(エチレンオキサイド)、エポキシプロパン、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、3−メチル−1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、2,3−エポキシペンタン、3−メチル−1,2−エポキシペンタン、4−メチル−1,2−エポキシペンタン、4−メチル−2,3−エポキシペンタン、3−エチル−1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、2,3−エポキシヘキサン、3,4−エポキシヘキサン、3−メチル−1,2−エポキシヘキサン、4−メチル−1,2−エポキシヘキサン、5−メチル−1,2−エポキシヘキサン、3−エチル−1,2−エポキシヘキサン、3−プロピル−1,2−エポキシヘキサン、4−エチル−1,2−エポキシヘキサン、5−メチル−1,2−エポキシヘキサン、4−メチル−2,3−エポキシヘキサン、4−エチル−2,3−エポキシヘキサン、2−メチル−3,4−エポキシヘキサン、2,5−ジメチル−3,4−エポキシヘキサン、3−メチル−1,2−エポキシへプタン、4−メチル−1,2−エポキシへプタン、5−メチル−1,2−エポキシへプタン、6−メチル−1,2−エポキシへプタン、3−エチル−1,2−エポキシへプタン、3−プロピル−1,2−エポキシへプタン、3−ブチル−1,2−エポキシへプタン、4−エチル−1,2−エポキシへプタン、4−プロピル−1,2−エポキシへプタン、5−エチル−1,2−エポキシへプタン、4−メチル−2,3−エポキシへプタン、4−エチル−2,3−エポキシへプタン、4−プロピル−2,3−エポキシへプタン、2−メチル−3,4−エポキシへプタン、5−メチル−3,4−エポキシへプタン、5−エチル−3,4−エポキシへプタン、2,5−ジメチル−3,4−エポキシへプタン、2−メチル−5−エチル−3,4−エポキシへプタン、1,2−エポキシヘプタン、2,3−エポキシヘプタン、3,4−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、2,3−エポキシオクタン、3,4−エポキシオクタン、4,5−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、2,3−エポキシノナン、3,4−エポキシノナン、4,5−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、2,3−エポキシデカン、3,4−エポキシデカン、4,5−エポキシデカン、5,6−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、2,3−エポキシウンデカン、3,4−エポキシウンデカン、4,5−エポキシウンデカン、5,6−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、2,3−エポキシドデカン、3,4−エポキシドデカン、4,5−エポキシドデカン、5,6−エポキシドデカン、6,7−エポキシドデカン、エポキシエチルベンゼン、1−フェニル−1,2−エポキシプロパン、3−フェニル−1,2−エポキシプロパン、1−フェニル−1,2−エポキシブタン、3−フェニル−1,2−エポキシブタン、4−フェニル−1,2−エポキシブタン、1−フェニル−1,2−エポキシペンタン、3−フェニル−1,2−エポキシペンタン、4−フェニル−1,2−エポキシペンタン、5−フェニル−1,2−エポキシペンタン、1−フェニル−1,2−エポキシヘキサン、3−フェニル−1,2−エポキシヘキサン、4−フェニル−1,2−エポキシヘキサン、5−フェニル−1,2−エポキシヘキサン、6−フェニル−1,2−エポキシヘキサン等が挙げられる。
【0056】
上記式(IV)で表される分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)としては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、n−プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、tert−ブチルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−3−ペンチルオキシプロパン、1,2−エポキシ−3−ヘキシルオキシプロパン、1,2−エポキシ−3−ヘプチルオキシプロパン、1,2−エポキシ−3−オクチルオキシプロパン、1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン、1,2−エポキシ−3−ベンジルオキシプロパン、1,2−エポキシ−4−メトキシブタン、1,2−エポキシ−4−エトキシブタン、1,2−エポキシ−4−プロポキシブタン、1,2−エポキシ−4−ブトキシブタン、1,2−エポキシ−4−ペンチルオキシブタン、1,2−エポキシ−4−ヘキシルオキシブタン、1,2−エポキシ−4−ヘプチルオキシブタン、1,2−エポキシ−4−フェノキシブタン、1,2−エポキシ−4−ベンジルオキシブタン、1,2−エポキシ−5−メトキシペンタン、1,2−エポキシ−5−エトキシペンタン、1,2−エポキシ−5−プロポキシペンタン、1,2−エポキシ−5−ブトキシペンタン、1,2−エポキシ−5−ペンチルオキシペンタン、1,2−エポキシ−5−ヘキシルオキシペンタン、1,2−エポキシ−5−フェノキシペンタン、1,2−エポキシ−6−メトキシヘキサン、1,2−エポキシ−6−エトキシヘキサン、1,2−エポキシ−6−プロポキシヘキサン、1,2−エポキシ−6−ブトキシヘキサン、1,2−エポキシ−6−ヘプチルオキシヘキサン、1,2−エポキシ−7−メトキシへプタン、1,2−エポキシ−7−エトキシへプタン、1,2−エポキシ−7−プロポキシへプタン、1,2−エポキシ−7−ブチルオキシへプタン、1,2−エポキシ−8−メトキシへプタン、1,2−エポキシ−8−エトキシへプタン、1,2−エポキシ−8−ブトキシへプタン、グリシドール、3,4−エポキシ−1−ブタノール、4,5−エポキシ−1−ペンタノール、5,6−エポキシ−1−ヘキサノール、6,7−エポキシ−1−へプタノール、7,8−エポキシ−1−オクタノール、8,9−エポキシ−1−ノナノール、9,10−エポキシ−1−デカノール、10,11−エポキシ−1−ウンデカノール等が挙げられる。
【0057】
上記式(V)で表される分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)としては、エチレングリコールモノグリシジルエーテル、プロパンジオールモノグリシジルエーテル、ブタンジオールモノグリシジルエーテル、へプタンジオールモノグリシジルエーテル、ヘキサンジオールモノグリシジルエーテル、へプタンジオールモノグリシジルエーテル、オクタンジオールモノグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0058】
上記式(VI)で表される分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)としては、3−(2,3−エポキシ)プロポキシ−1−プロペン、4−(2,3−エポキシ)プロポキシ−1−ブテン、5−(2,3−エポキシ)プロポキシ−1−ペンテン、6−(2,3−エポキシ)プロポキシ−1−ヘキセン、7−(2,3−エポキシ)プロポキシ−1−ヘプテン、8−(2,3−エポキシ)プロポキシ−1−オクテン等が挙げられる。
【0059】
上記式(VII)で表される分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)としては、3,4−エポキシ−2−ブタノール、2,3−エポキシ−1−ブタノール、3,4−エポキシ−2−ペンタノール、2,3−エポキシ−1−ペンタノール、1,2−エポキシ−3−ペンタノール、2,3−エポキシ−4−メチル−1−ペンタノール、2,3−エポキシ−4,4−ジメチル−1−ペンタノール、2,3−エポキシ−1−ヘキサノール、3,4−エポキシ−2−ヘキサノール、4,5−エポキシ−3−ヘキサノール、1,2−エポキシ−3−ヘキサノール、2,3−エポキシ−4−メチル−1−ヘキサノール、2,3−エポキシ−4−エチル−1−ヘキサノール、2,3−エポキシ−4,4−ジメチル−1−ヘキサノール、2,3−エポキシ−4,4−ジエチル−1−ヘキサノール、2,3−エポキシ−4−メチル−4−エチル−1−ヘキサノール、3,4−エポキシ−5−メチル−2−ヘキサノール、3,4−エポキシ−5,5−ジメチル−2−ヘキサノール、3,4−エポキシ−2−ヘプタノール、2,3−エポキシ−1−ヘプタノール、4,5−エポキシ−3−ヘプタノール、2,3−エポキシ−4−ヘプタノール、1,2−エポキシ−3−ヘプタノール、2,3−エポキシ−1−オクタノール、3,4−エポキシ−2−オクタノール、4,5−エポキシ−3−オクタノール、5,6−エポキシ−4−オクタノール、2,3−エポキシ−4−オクタノール、1,2−エポキシ−3−オクタノール、2,3−エポキシ−1−ノナノール、3,4−エポキシ−2−ノナノール、4,5−エポキシ−3−ノナノール、5,6−エポキシ−4−ノナノール、3,4−エポキシ−5−ノナノール、2,3−エポキシ−4−ノナノール、1,2−エポキシ−3−ノナノール、2,3−エポキシ−1−デカノール、3,4−エポキシ−2−デカノール、4,5−エポキシ−3−デカノール、5,6−エポキシ−4−デカノール、6,7−エポキシ−5−デカノール、3,4−エポキシ−5−デカノール、2,3−エポキシ−4−デカノール、1,2−エポキシ−3−デカノール等が挙げられる。
【0060】
上記式(VIII)で表される分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)としては、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロヘプタン、1,2−エポキシシクロオクタン、1,2−エポキシシクロノナン、1,2−エポキシシクロデカン、1,2−エポキシシクロウンデカン、1,2−エポキシシクロドデカン等が挙げられる。
【0061】
上記式(IX)で表される分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)としては、3,4−エポキシシクロペンテン、3,4−エポキシシクロヘキセン、3,4−エポキシシクロヘプテン、3,4−エポキシシクロオクテン、3,4−エポキシシクロノネン、1,2−エポキシシクロデセン、1,2−エポキシシクロウンデセン、1,2−エポキシシクロドデセン等が挙げられる。
【0062】
本発明に用いられる分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)としては、炭素数が2〜8のエポキシ化合物が特に好ましい。化合物の取り扱いの容易さ、及びEVOH(A)との反応性の観点からは、一価エポキシ化合物(B)の炭素数は好適には2〜6であり、より好適には2〜4である。また、一価エポキシ化合物(B)が、上記式(III)又は(IV)で表される化合物であることが好ましい。EVOH(A)との反応性、及び得られる変性EVOH(C)の燃料バリア性の観点からは、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、エポキシプロパン、エポキシエタン及びグリシドールが特に好ましく、なかでもエポキシプロパン及びエポキシブタンが好ましい。
【0063】
上記EVOH(A)と上記一価エポキシ化合物(B)とを反応させることにより変性EVOH(C)が得られる。このときの、EVOH(A)及び一価エポキシ化合物(B)の好適な混合比は、(A)100重量部に対して(B)1〜50重量部であり、さらに好適には(A)100重量部に対して(B)2〜40重量部であり、特に好適には(A)100重量部に対して(B)5〜35重量部である。
【0064】
EVOH(A)と分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)とを反応させることにより、変性EVOH(C)を製造する方法は特に限定されないが、EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)とを溶液で反応させる製造法、及びEVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)とを押出機内で反応させる製造法などが好適な方法として挙げられる。
【0065】
溶液反応による製造法では、EVOH(A)の溶液に酸触媒あるいはアルカリ触媒存在下で一価エポキシ化合物(B)を反応させることによって変性EVOH(C)が得られる。また、EVOH(A)及び一価エポキシ化合物(B)を反応溶媒に溶解させ、加熱処理を行うことによっても変性EVOH(C)を製造することができる。反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のEVOH(A)の良溶媒である極性非プロトン性溶媒が好ましい。
【0066】
反応触媒としては、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸及び3フッ化ホウ素等の酸触媒や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキサイド等のアルカリ触媒が挙げられる。これらの内、酸触媒を用いることが好ましい。触媒量としては、EVOH(A)100重量部に対し、0.0001〜10重量部程度が適当である。反応温度としては室温から150℃の範囲が適当である。
【0067】
EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)とを押出機内で反応させる製造法では、使用する押出機としては特に制限はないが、一軸押出機、二軸押出機又は二軸以上の多軸押出機を使用し、180℃〜300℃程度の温度でEVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)とを反応させることが好ましい。後述のように、押出機内で反応させる際に触媒(D)を存在させる場合には、低めの溶融温度とすることが好ましいが、触媒(D)を使用しない場合の好適な温度は200℃〜300℃程度である。
【0068】
二軸押出機又は二軸以上の多軸押出機を用いた場合、スクリュー構成の変更により、反応部の圧力を高めることが容易であり、EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)との反応を効率的に行えるようになる。一軸押出機では2台以上の押出機を連結し、その間の樹脂流路にバルブを配置することにより、反応部の圧力を高めることが可能である。また同様に二軸押出機又は二軸以上の多軸押出機を2台以上連結して製造してもよい。
【0069】
押出機内で反応させる製造法と、溶液反応による製造法を比較した場合、溶液反応の場合は、EVOH(A)を溶解させる溶媒が必要であり、反応終了後に該溶媒を反応系から回収・除去する必要があり、工程が煩雑なものとなる。また、EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)との反応性を高めるためには、反応系を加熱及び/又は加圧条件下に維持することが好ましいが、溶液反応の場合と比較して、押出機内での反応ではかかる反応系の加熱及び/又は加圧条件の維持が容易であり、その観点からも押出機内での反応のメリットは大きい。
【0070】
さらに、溶液反応によってEVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)との反応を行った場合、反応の制御が必ずしも容易ではなく、過剰に反応が進行してしまうおそれがある。すなわち、EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)との反応の結果、上述の構造単位(I)を有する変性EVOH(C)が得られるが、前記構造単位(I)に含まれる水酸基に、さらに一価エポキシ化合物(B)が反応することにより、本発明で特定する構造単位とは異なるものが得られるおそれがあった。具体的には、一価エポキシ化合物(B)がエチレンオキサイドである場合、上述した過剰な反応の進行により、下記に示す構造単位(II)を含有するEVOHが生じることになる。
【0071】
【化15】
Figure 2004161874
【0072】
(式中、nは1以上の自然数を表す。)
【0073】
本発明者らが検討を行った結果、本発明で特定する構造単位(I)とは異なる、上記に示した構造単位(II)を含有する割合が多くなることにより、得られる変性EVOH(C)のバリア性が低下することが明らかになった。さらに、押出機内でEVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)との反応を行った場合は、このような副反応の発生を効果的に抑制可能であることを見出した。かかる観点からも、押出機内でEVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)との反応を行うことにより、変性EVOH(C)を製造する方法が好ましい。
【0074】
また、本発明で用いられる分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)は、必ずしも沸点の高いものばかりではないため、溶液反応による製造法では、反応系を加熱した場合、系外に一価エポキシ化合物(B)が揮散するおそれがある。しかしながら、押出機内でEVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)とを反応させることにより、一価エポキシ化合物(B)の系外への揮散を抑制することが可能である。特に、押出機内に一価エポキシ化合物(B)を添加する際に、加圧下で圧入することにより、EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)との反応性を高め、かつ一価エポキシ化合物(B)の系外への揮散を顕著に抑制することが可能である。
【0075】
押出機内での反応の際の、EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)の混合方法は特に限定されず、押出機にフィードする前のEVOH(A)に一価エポキシ化合物(B)をスプレー等を行う方法や、押出機にEVOH(A)をフィードし、押出機内で一価エポキシ化合物(B)と接触させる方法などが好適なものとして例示される。この中でも、一価エポキシ化合物(B)の系外への揮散を抑制できる観点から、押出機にEVOH(A)をフィードした後、押出機内で一価エポキシ化合物(B)と接触させる方法が好ましい。また、押出機内への一価エポキシ化合物(B)の添加位置も任意であるが、EVOH(A)とエポキシ化合物(B)との反応性の観点からは、溶融したEVOH(A)に対して一価エポキシ化合物(B)を添加することが好ましい。
【0076】
本発明者が推奨する、EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)との、押出機内での反応による製造法は、(1)EVOH(A)の溶融工程、(2)一価エポキシ化合物(B)の添加工程及び(3)ベント等による、未反応の一価エポキシ化合物(B)の除去工程、からなる。反応を円滑に行う観点からは、系内から水分及び酸素を除去することが好適である。このため、押出機内へ一価エポキシ化合物(B)を添加するより前に、ベント等を用いて水分及び酸素を除去してもよい。
【0077】
また、前述の通り、一価エポキシ化合物(B)の添加工程においては、一価エポキシ化合物(B)を加圧下で圧入することが好ましい。この際に、この圧力が不十分な場合、反応率が下がり、吐出量が変動する等の問題が発生する。必要な圧力は一価エポキシ化合物(B)の沸点や押出温度によって大きく異なるが、通常0.5〜30MPaの範囲が好ましく、1〜20MPaの範囲がより好ましい。
【0078】
本発明の製造方法では、EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)とを、周期律表第3〜12族に属する金属のイオンを含む触媒(D)の存在下に押出機中で溶融混練することが好適である。周期律表第3〜12族に属する金属のイオンを含む触媒(D)を存在させることによって、より低い温度で溶融混練しても効率良くEVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)とを反応させることができる。すなわち、比較的低温での溶融混練によっても、変性量の大きい変性EVOH(C)を容易に得ることができる。EVOHは高温での溶融安定性が必ずしも良好な樹脂ではないことから、このように低温で溶融混練できることは、樹脂の劣化を防止できる点から好ましい。触媒(D)を使用せずにEVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)とを反応させた場合には、得られる変性EVOH(C)のMFRが原料のEVOH(A)のMFRよりも低下する傾向があるが、触媒(D)を使用した場合には、MFRはほとんど変化しない。
【0079】
本発明で使用される触媒(D)は、周期律表第3〜12族に属する金属のイオンを含むものである。触媒(D)に使用される金属イオンとして最も重要なことは適度のルイス酸性を有することであり、この点から周期律表第3〜12族に属する金属のイオンが使用される。これらの中でも、周期律表第3族又は第12族に属する金属のイオンが適度なルイス酸性を有していて好適であり、亜鉛、イットリウム及びガドリニウムのイオンがより好適なものとして挙げられる。なかでも、亜鉛のイオンを含む触媒(D)が、触媒活性が極めて高く、かつ得られる変性EVOH(C)の熱安定性が優れていて、最適である。
【0080】
周期律表第3〜12族に属する金属のイオンの添加量はEVOH(A)の重量に対する金属イオンのモル数で0.1〜20μmol/gであることが好適である。多すぎる場合には、溶融混練中にEVOHがゲル化するおそれがあり、より好適には10μmol/g以下である。一方、少なすぎる場合には、触媒(D)の添加効果が十分に奏されないおそれがあり、より好適には0.5μmol/g以上である。なお、周期律表第3〜12族に属する金属のイオンの好適な添加量は、使用する金属の種類や後述のアニオンの種類によっても変動するので、それらの点も考慮した上で、適宜調整されるべきものである。
【0081】
周期律表第3〜12族に属する金属のイオンを含む触媒(D)のアニオン種は特に限定されるものではないが、その共役酸が硫酸と同等以上の強酸である1価のアニオンを含むことが好ましい。共役酸が強酸であるアニオンは、通常求核性が低いので一価エポキシ化合物(B)と反応しにくく、求核反応によってアニオン種が消費されて、触媒活性が失われることを防止できるからである。また、そのようなアニオンを対イオンに有することで、触媒(D)のルイス酸性が向上して触媒活性が向上するからである。
【0082】
共役酸が硫酸と同等以上の強酸である1価のアニオンとしては、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン;塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン;過塩素酸イオン;テトラフルオロボレートイオン(BF )、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF )、ヘキサフルオロアルシネートイオン(AsF )、ヘキサフルオロアンチモネートイオン等の4個以上のフッ素原子を持つアニオン;テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン等のテトラフェニルボレート誘導体イオン;テトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート、ビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト(III)イオン、ビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄(III)イオン等のカルボラン誘導体イオンなどが例示される。
【0083】
上記例示したアニオン種のうち、ヘキサフルオロホスフェートやテトラフルオロボレート等のアニオン種を含む触媒(D)を使用した場合には、アニオン種そのものは熱的に安定で求核性も非常に低いものの、当該アニオン種がEVOH中の水酸基と反応してフッ化水素が発生し、樹脂の熱安定性に悪影響を与えるおそれがある。また、コバルトのカルボラン誘導体イオン等はEVOHと反応することがなく、アニオン種自体も熱的に安定ではあるが、非常に高価である。
【0084】
EVOHと反応することがなく、アニオン種自体も熱的に安定であり、かつ価格も適切なものであることから、触媒(D)のアニオン種としてはスルホン酸イオンが好ましい。好適なスルホン酸イオンとしては、メタンスルホン酸イオン及びトリフルオロメタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオンが例示され、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが最適である。
【0085】
触媒(D)のカチオン種として亜鉛イオンを、アニオン種としてトリフルオロメタンスルホン酸イオンをそれぞれ使用した場合の、EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)との反応の推定メカニズムを下記式(X)に示す。
【0086】
【化16】
Figure 2004161874
【0087】
すなわち、EVOHの水酸基と金属アルコキシドの形で結合した亜鉛イオンに一価エポキシ化合物(B)のエポキシ基の酸素原子が配位し、6員環遷移状態を経て、エポキシ基が開環すると推定している。ここで、遷移状態における亜鉛イオンの対イオンであるトリフルオロメタンスルホン酸イオンの共役酸が強酸であることによって、亜鉛イオンのルイス酸性が大きくなり、触媒活性が向上する。一方、対イオンとして存在するトリフルオロメタンスルホン酸イオン自体は、EVOHの水酸基あるいは一価エポキシ化合物(B)のエポキシ基と反応することがなく、それ自体熱的に安定であるから、副反応を生じることなく円滑に開環反応が進行する。
【0088】
上述のように、本発明で使用される触媒(D)はその共役酸が硫酸と同等以上の強酸である1価のアニオンを含むものであることが好適であるが、触媒(D)中の全てのアニオン種が同一のアニオン種である必要はない。むしろ、その共役酸が弱酸であるアニオンを同時に含有するものであることが好ましい。前記式(X)で示されたような反応メカニズムであれば、EVOHが触媒(D)と反応して金属アルコキシドを形成する際にアニオンの一つが共役酸として系内に遊離する。これが強酸であった場合には、一価エポキシ化合物(B)と反応するおそれがあるとともに、EVOHの溶融安定性にも悪影響を及ぼすおそれがある。
【0089】
共役酸が弱酸であるアニオンの例としては、アルキルアニオン、アリールアニオン、アルコキシド、アリールオキシアニオン、カルボキシレート並びにアセチルアセトナート及びその誘導体が例示される。なかでもアルコキシド、カルボキシレート並びにアセチルアセトナート及びその誘導体が好適に使用される。
【0090】
触媒(D)中の金属イオンのモル数に対する、共役酸が硫酸と同等以上の強酸であるアニオンのモル数は、0.2〜1.5倍であることが好ましい。上記モル比が0.2倍未満である場合には触媒活性が不十分となるおそれがあり、より好適には0.3倍以上であり、さらに好適には0.4倍以上である。一方、上記モル比が1.5倍を超えるとEVOHがゲル化するおそれがあり、より好適には1.2倍以下である。前記モル比は最適には1倍である。なお、原料のEVOH(A)が酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩を含む場合には、それと中和されて消費される分だけ、共役酸が硫酸と同等以上の強酸であるアニオンのモル数を増やしておくことができる。
【0091】
触媒(D)の調製方法は特に限定されるものではないが、好適な方法として、周期律表第3〜12族に属する金属の化合物を溶媒に溶解又は分散させ、得られた溶液又は懸濁液に、共役酸が硫酸と同等以上の強酸(スルホン酸等)を添加する方法が挙げられる。原料として用いる周期律表第3〜12族に属する金属の化合物としては、アルキル金属、アリール金属、金属アルコキシド、金属アリールオキシド、金属カルボキシレート、金属アセチルアセトナート等が挙げられる。ここで、周期律表第3〜12族に属する金属の化合物の溶液又は懸濁液に、強酸を加える際には、少量ずつ添加することが好ましい。こうして得られた触媒(D)を含有する溶液は押出機に直接導入することができる。
【0092】
周期律表第3〜12族に属する金属の化合物を溶解又は分散させる溶媒としては有機溶媒、特にエーテル系溶媒が好ましい。押出機内の温度でも反応しにくく、金属化合物の溶解性も良好だからである。エーテル系溶媒の例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が例示される。使用される溶媒としては、金属化合物の溶解性に優れ、沸点が比較的低くて押出機のベントでほぼ完全に除去可能なものが好ましい。その点においてジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン及びテトラヒドロフランが特に好ましい。
【0093】
また、上述の触媒(D)の調整方法において、添加する強酸の代わりに強酸のエステル(スルホン酸エステル等)を用いても良い。強酸のエステルは、通常強酸そのものより反応性が低いために、常温では金属化合物と反応しないことがあるが、200℃前後に保った高温の押出機内に投入することにより、押出機内において活性を有する触媒(D)を生成することができる。
【0094】
触媒(D)の調製方法としては、以下に説明する別法も採用可能である。まず、水溶性の周期律表第3〜12族に属する金属の化合物と、共役酸が硫酸と同等以上の強酸(スルホン酸等)とを、水溶液中で混合して触媒水溶液を調製する。なおこのとき、当該水溶液が適量のアルコールを含んでいても構わない。得られた触媒水溶液をEVOH(A)と接触させた後、乾燥することによって触媒(D)が配合されたEVOH(A)を得ることができる。具体的には、EVOH(A)ペレット、特に多孔質の含水ペレットを前記触媒水溶液に浸漬する方法が好適なものとして挙げられる。この場合には、このようにして得られた乾燥ペレットを押出機に導入することができる。
【0095】
触媒(D)を使用する場合には、押出機内の温度は180〜250℃とすることが好ましい。この場合、EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)を反応させる際に触媒(D)が存在するために、比較的低温で溶融混練しても、効率良くEVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)の反応を進行させることができる。温度が250℃を超える場合にはEVOHが劣化するおそれがあり、より好適には240℃以下である。一方、温度が180℃未満の場合にはEVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)の反応が十分に進行しないおそれがあり、より好適には190℃以上である。
【0096】
EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)を反応させる際に触媒(D)を存在させる方法は特に限定されない。好適な方法として、触媒(D)の溶液を調製し、その溶液を押出機内に添加する方法が挙げられる。触媒(D)の溶液の調製方法は前述したとおりである。この方法によれば、後述の別法に比べて生産性が高く、触媒(D)を安定的に供給できるために製品の品質を安定化することもできる。触媒(D)の溶液を押出機に導入する位置は特に限定されないが、EVOH(A)が完全に溶融している場所で添加することが、均一に配合できて好ましい。特に、一価エポキシ化合物(B)を添加する場所と同じ場所又はその近傍で添加することが好ましい。触媒(D)と一価エポキシ化合物(B)をほぼ同時に配合することにより、ルイス酸である触媒(D)の影響によるEVOH(A)の劣化を最小限に抑制することができるとともに、十分な反応時間を確保できるからである。したがって、触媒(D)の溶液と一価エポキシ化合物(B)とを混合した液を予め作成しておいて、それを一箇所から押出機中に添加することが最適である。
【0097】
溶融混練時に触媒(D)を存在させる別の方法として、EVOH(A)の含水ペレットを触媒(D)の溶液に浸漬した後、乾燥させる方法が挙げられる。この方法については、触媒(D)の調製方法の別法として前述したとおりである。この場合には、得られた乾燥ペレットがホッパーから押出機内に導入されることになる。但し、高価な触媒が廃液として処理されることになりコストアップに繋がりやすい点が問題である。また更に別の方法としては、乾燥後のペレットに、液体状態の触媒を含浸させるか、固体状態の触媒を混合するかした後、必要に応じて乾燥させる方法が挙げられる。この方法においては、工程数が増えることからコストアップに繋がりやすい点が問題であるとともに、触媒を均一に配合することも必ずしも容易ではない。また、上記いずれの別法においても、一価エポキシ化合物(B)が存在せず、ルイス酸である触媒(D)のみが存在する状態で溶融混練される際に、EVOH(A)が劣化するおそれがある。
【0098】
上述のように、EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)とを、触媒(D)の存在下に押出機中で溶融混練することが好適であるが、その後で触媒失活剤(E)を添加して更に溶融混練することがより好ましい。触媒(D)を失活させなかった場合には、得られる変性EVOH(C)の熱安定性が悪くなるおそれがあり、用途によっては使用に問題をきたす可能性がある。
【0099】
使用される触媒失活剤(E)は、触媒(D)のルイス酸としての働きを低下させるものであればよく、その種類は特に限定されない。好適にはアルカリ金属塩が使用される。その共役酸が硫酸と同等以上の強酸である1価のアニオンを含む触媒(D)を失活させるには、当該アニオンの共役酸よりも弱い酸のアニオンのアルカリ金属塩を使用することが必要である。こうすることによって、触媒(D)を構成する周期律表第3〜12族に属する金属のイオンの対イオンが弱い酸のアニオンに交換され、結果として触媒(D)のルイス酸性が低下するからである。触媒失活剤(E)に使用されるアルカリ金属塩のカチオン種は特に限定されず、ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩が好適なものとして例示される。またアニオン種も特に限定されず、カルボン酸塩、リン酸塩及びホスホン酸塩が好適なものとして例示される。
【0100】
触媒失活剤(E)として、例えば酢酸ナトリウムやリン酸一水素二カリウムのような塩を使用しても熱安定性はかなり改善されるが、用途によっては未だ不十分である場合がある。この原因は、周期律表第3〜12族に属する金属のイオンにルイス酸としての働きがある程度残存しているため、変性EVOH(C)の分解及びゲル化に対して触媒として働くためであると考えられる。この点をさらに改善する方法として、周期律表第3〜12族に属する金属のイオンに強く配位するキレート化剤を添加することが好ましい。このようなキレート化剤は当該金属のイオンに強く配位できる結果、そのルイス酸性をほぼ完全に失わせることができ、熱安定性に優れた変性EVOH(C)を与えることができる。また、当該キレート化剤がアルカリ金属塩であることによって、前述のように触媒(D)に含まれるアニオンの共役酸である強酸を中和することもできる。
【0101】
触媒失活剤(E)として使用されるキレート化剤として、好適なものとしては、オキシカルボン酸塩、アミノカルボン酸塩、アミノホスホン酸塩などが挙げられる。具体的には、オキシカルボン酸塩としては、クエン酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、リンゴ酸二ナトリウム等が例示される。アミノカルボン酸塩としては、ニトリロ三酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸三カリウム、ジエチレントリアミン五酢酸三ナトリウム、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン二酢酸一ナトリウム、N−(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸一ナトリウム等が例示される。アミノホスホン酸塩としては、ニトリロトリスメチレンホスホン酸六ナトリウム、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)八ナトリウム等が例示される。なかでもポリアミノポリカルボン酸が好適であり、性能やコストの面からエチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩が最適である。エチレンジアミン四酢酸三ナトリウムを使用した場合の推定反応メカニズムを下記式(XI)に示す。
【0102】
【化17】
Figure 2004161874
【0103】
触媒失活剤(E)の添加量は特に限定されず、触媒(D)に含まれる金属イオンの種類や、キレート剤の配位座の数等により適宜調整されるが、触媒(D)に含まれる金属イオンのモル数に対する触媒失活剤(E)のモル数の比(E/D)が0.2〜10となるようにすることが好適である。比(E/D)が0.2未満の場合には、触媒(D)が十分に失活されないおそれがあり、より好適には0.5以上、さらに好適には1以上である。一方、比(E/D)が10を超える場合には、得られる変性EVOH(C)が着色するおそれがあるとともに、製造コストが上昇するおそれがあり、より好適には5以下であり、さらに好適には3以下である。
【0104】
触媒失活剤(E)を押出機へ導入する方法は特に限定されないが、均一に分散させるためには、溶融状態の変性EVOH(C)に対して、触媒失活剤(E)の溶液として導入することが好ましい。触媒失活剤(E)の溶解性や、周辺環境への影響などを考慮すれば、水溶液として添加することが好ましい。
【0105】
触媒失活剤(E)の押出機への添加位置は、EVOH(A)と一価エポキシ化合物(B)とを、触媒(D)の存在下に溶融混練した後であればよい。しかしながら、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と一価エポキシ化合物(B)とを、触媒(D)の存在下に溶融混練し、未反応の一価エポキシ化合物(B)を除去した後に触媒失活剤(E)を添加することが好ましい。前述のように、触媒失活剤(E)を水溶液として添加する場合には、未反応の一価エポキシ化合物(B)を除去する前に触媒失活剤(E)を添加したのでは、ベント等で除去して回収使用する一価エポキシ化合物(B)の中に水が混入することになり、分離操作に手間がかかるからである。なお、触媒失活剤(E)の水溶液を添加した後で、ベント等によって水分を除去することも好ましい。
【0106】
本発明の製造方法において、触媒失活剤(E)を使用する場合の好適な製造プロセスとしては、
(1)EVOH(A)の溶融工程;
(2)一価エポキシ化合物(B)と触媒(D)の混合物の添加工程;
(3)未反応の一価エポキシ化合物(B)の除去工程;
(4)触媒失活剤(E)水溶液の添加工程;
(5)水分の減圧除去工程;
の各工程からなるものが例示される。
【0107】
変性EVOH(C)は、周期律表第3〜12族に属する金属のイオンを0.1〜20μmol/g含有することが好ましい。かかる金属のイオンは、前述の製造方法において触媒(D)を使用した際の触媒残渣として含有され得るものであり、その好適な金属のイオンの種類については、前述の触媒(D)の説明のところで述べたとおりである。より好適には0.5μmol/g以上である。また、より好適には10μmol/g以下である。
【0108】
また、変性EVOH(C)は、スルホン酸イオンを含有することが好適である。かかるスルホン酸イオンは、前述の製造方法において触媒(D)を使用した際の触媒残渣として含有され得るものであり、その好適なスルホン酸イオンの種類については、前述の触媒(D)の説明のところで述べたとおりである。スルホン酸イオンの含有量は0.1〜20μmol/gであることが好適である。より好適には0.5μmol/g以上である。また、より好適には10μmol/g以下である。
【0109】
さらに、変性EVOH(C)中のアルカリ金属イオンの含有量がスルホン酸イオンの含有量の1〜50倍(モル比)であることが好適である。アルカリ金属イオンは、前述の製造方法において触媒失活剤(E)を使用した際の残渣として含有され得るとともに、原料のEVOH(A)に由来して含有され得るものである。当該アルカリ金属イオンの含有量がスルホン酸イオンの含有量の1倍未満である場合には、製造工程において、触媒(D)の失活が十分に行われておらず、変性EVOH(C)の熱安定性に問題を生じる場合があり、より好適には2倍以上である。一方、アルカリ金属イオンの含有量がスルホン酸イオンの含有量の50倍を超える場合には、変性EVOH(C)が着色するおそれがあり、好適には30倍以下である。
【0110】
変性EVOH(C)には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、カルボン酸及びリン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を、EVOH(A)とエポキシ化合物(B)との反応によって変性EVOH(C)が得られた後に添加することもできる。一般に、接着性の改善や着色の抑制など、EVOHの各種物性を改善するために、EVOHには必要に応じてアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、カルボン酸及びリン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種が添加されることが多い。しかしながら、上記に示した各種化合物の添加は、前述の通り、押出機によるEVOH(A)とエポキシ化合物(B)との反応の際に、着色や粘度低下等の原因となるおそれがある。このため、EVOH(A)とエポキシ化合物(B)との反応後に、残存するエポキシ化合物(B)をベントで除去した後、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、カルボン酸及びリン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を、得られた変性EVOH(C)に添加することが好ましい。この添加方法を採用することにより、着色や粘度低下等の問題を生じることなく、変性EVOH(C)が得られる。
【0111】
こうして得られた変性EVOH(C)の融点は160℃以下であることが好ましい。これによって、ポリオレフィン(G)など融点の低い樹脂との融点の差を小さくすることができ、樹脂組成物を溶融成形する際の成形温度を低くすることができる。より好適には150℃以下であり、さらに好適には140℃以下である。
【0112】
本発明の燃料容器は、上記変性EVOH(C)と、(C)以外の熱可塑性樹脂(T1)との樹脂組成物からなるものであっても良い。すなわち、本発明の課題は、前記構造単位(I)を0.3〜40モル%含有するエチレン含有量5〜55モル%の変性EVOH(C)と、(C)以外の熱可塑性樹脂(T1)との樹脂組成物からなる燃料容器を提供することによっても達成される。
【0113】
このとき、変性EVOH(C)と、(C)以外の熱可塑性樹脂(T1)とからなる樹脂組成物は、好適には、変性EVOH(C)1〜99重量%と熱可塑性樹脂(T1)1〜99重量%とからなるものである。
【0114】
ここで、変性EVOH(C)と配合される熱可塑性樹脂(T1)は特に限定されず、前記構造単位(I)を含有しないEVOH、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリケトンなどが挙げられる。また、各種の共重合体を使用することもできる。
【0115】
なかでも、熱可塑性樹脂(T1)として、前記構造単位(I)を含有しないエチレン含有量5〜55モル%のEVOH(F)を使用することが好ましい。EVOH(F)が有する燃料バリア性を大きく低下させることなく、透明性、耐衝撃性、成形性及び延伸性を改善することが可能だからである。EVOH(F)としては、変性EVOH(C)の原料として使用される前述のEVOH(A)と同じものが使用できるが、配合する変性EVOH(C)の組成や、多層構造体の用途によって適宜選択される。
【0116】
例えば、熱安定性、耐衝撃性、成形性及び延伸性の観点からはEVOH(F)のエチレン含有量は20モル%以上であることが好ましく、25モル%以上であることがより好ましく、27モル%以上であることがさらに好ましい。燃料バリア性の観点からは、50モル%以下であることが好ましく、45モル%以下であることがより好ましく、38モル%以下であることがさらに好ましい。また、EVOH(F)のケン化度は99%以上であることが好ましく、99.5%以上であることがより好ましい。
【0117】
変性EVOH(C)とEVOH(F)のそれぞれのエチレン含有量の組み合わせは、目的に対応して調整される。
【0118】
変性EVOH(C)とEVOH(F)とからなる樹脂組成物は、通常変性EVOH(C)1〜99重量%とEVOH(F)1〜99重量%とからなるものである。このとき、当該樹脂組成物が変性EVOH(C)1〜50重量%とEVOH(F)50〜99重量%とからなることが好ましい。すなわち、未変性のEVOH(F)が主たる成分であって、変性EVOH(C)が従たる成分であることが好ましい。こうすることによって、EVOH(F)が本来有する燃料バリア性を大きく損なうことなく、樹脂組成物に耐衝撃性、成形性及び延伸性を付与することができる。また、変性EVOH(C)は未変性のEVOH(F)に比べて製造コストが高いことから、経済的にも有利である。より好適な変性EVOH(C)の含有量は2重量%以上であり、さらに好適には5重量%以上である。このとき、より好適なEVOH(F)の含有量は98重量%以下であり、さらに好適には95重量%以下である。一方、より好適な変性EVOH(C)の含有量は40重量%以下であり、さらに好適には30重量%以下である。このとき、より好適なEVOH(F)の含有量は60重量%以上であり、さらに好適には70重量%以上である。
【0119】
また、熱可塑性樹脂(T1)として、ポリオレフィン(G)を使用することも好ましい。ポリオレフィン(G)は力学特性や加工性に優れ、コストも低いことからその有用性が大きいものであるが、燃料バリア性は低い。これに、変性EVOH(C)を配合することによって、耐衝撃性、成形性、延伸性などを大きく損なうことなく、燃料バリア性を向上させることができる。この場合には、単層構成で燃料容器を構成することも好適である。
【0120】
ここで使用されるポリオレフィン(G)は特に限定されるものではない。これらのポリオレフィン(G)はそれぞれ単独で用いることもできるし、また2種以上を混合して用いることもできる。なかでも、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく用いられ、ポリエチレン及びポリプロピレンが特に好ましく用いられる。
【0121】
変性EVOH(C)とポリオレフィン(G)とからなる樹脂組成物は、変性EVOH(C)1〜99重量%とポリオレフィン(G)1〜99重量%とからなるものである。このとき、当該樹脂組成物が変性EVOH(C)10〜60重量%とポリオレフィン(G)40〜90重量%とからなることが好ましい。すなわち、ポリオレフィン(G)が半量程度以上含まれた樹脂組成物であることが好ましい。こうすることによって、ポリオレフィン(G)が本来有する力学性能や加工性を大きく損なうことなく、樹脂組成物に燃料バリア性を付与することができるからである。また、変性EVOH(C)はポリオレフィン(G)に比べて格段に製造コストが高いことから、経済的にも有利な配合比率である。より好適な変性EVOH(C)の含有量は20重量%以上であり、このときポリオレフィン(G)の含有量は80重量%以下である。一方、より好適な変性EVOH(C)の含有量は50重量%以下であり、このときより好適なポリオレフィン(G)の含有量は50重量%以上である。
【0122】
また、熱可塑性樹脂(T1)として、相溶化剤(H)を使用することも好ましい。この場合には、変性EVOH(C)及び相溶化剤(H)以外の熱可塑性樹脂をも同時に含有して、その熱可塑性樹脂と変性EVOH(C)との相容性を相溶化剤(H)が改善することになる。相溶化剤(H)によってEVOH(C)との相容性が改善される熱可塑性樹脂は特に限定されないが、ポリオレフィン(G)、ポリスチレンなどが好適である。特に好適なのは、相容性が改善される熱可塑性樹脂がポリオレフィン(G)である場合である。すなわち、熱可塑性樹脂(T1)がポリオレフィン(G)及び相溶化剤(H)からなる樹脂組成物が好適である。
【0123】
好適に使用される相溶化剤(H)は、カルボキシル基(酸無水物基を含む)、ホウ素含有置換基、エポキシ基、アミノ基などを有する、ポリオレフィン、ポリスチレン、ジエン重合体あるいはこれらの共重合体である。なかでもカルボキシル基やホウ素含有置換基を有するものが好適であり、無水マレイン酸で変性したもの、(メタ)アクリル酸を共重合したもの、ボロン酸(エステル)基を導入したものなどが例示される。また、これらの置換基が導入されるベースポリマーとしてはポリオレフィンが好適であり、ポリエチレンやポリプロピレンが特に好ましい。また、スチレンとジエンとのブロック共重合体やその水添物も好適なベースポリマーとして挙げられる。具体的にはカルボン酸変性ポリオレフィンやボロン酸変性ポリオレフィンなどが例示される。
【0124】
配合される相溶化剤(H)の量は、好適には1〜20重量%である。より好適には2重量%以上であり、10重量%以下である。
【0125】
また、熱可塑性樹脂(T1)として使用する好適な樹脂を、複数種類併用した場合には、その相乗効果が得られる場合がある。例えば、変性EVOH(C)とEVOH(F)とポリオレフィン(G)とからなる樹脂組成物は、前述の変性EVOH(C)とポリオレフィン(G)とからなる樹脂組成物に類似した性能を有するが、製造コストがより低くなる点で有利である。また、それら3種類の樹脂に加えてさらに相溶化剤(H)を配合することも好ましい。
【0126】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて各種の添加剤を配合することもできる。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー、あるいは他の高分子化合物を挙げることができ、これらを本発明の作用効果が阻害されない範囲でブレンドすることができる。添加剤の具体的な例としては次のようなものが挙げられる。
【0127】
酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)等。
紫外線吸収剤:エチレン−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等。
可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィン、リン酸エステル等。
帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、カーボワックス等。
滑剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレート等。
着色剤:カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等。
充填剤:グラスファイバー、アスベスト、バラストナイト、ケイ酸カルシウム等。
【0128】
また、本発明の樹脂組成物には、溶融安定性等を改善するために、本発明の作用効果が阻害されない程度に、ハイドロタルサイト化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カルボン酸の金属塩(たとえば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)の一種又は二種以上を樹脂組成物に対し本発明の作用効果が阻害されない程度(0.001〜1重量%)添加することもできる。
【0129】
本発明の樹脂組成物を得るために、変性EVOH(C)と熱可塑性樹脂(T1)とをブレンドする方法は、特に限定されるものではない。樹脂ペレットをドライブレンドしてそのまま溶融成形に供することもできるし、より好適にはバンバリーミキサー、単軸又は二軸押出機などで溶融混練し、ペレット化してから溶融成形に供することもできる。ブレンド操作時に樹脂の劣化が進行するのを防止するためには、ホッパー口を窒素シールし、低温で押出すことが望ましい。また、混練度の高い押出機を使用し、分散状態を細かく均一なものとすることが、燃料バリア性、耐衝撃性及び透明性を良好にすると共に、ゲル、ブツの発生や混入を防止できる点で好ましい。
【0130】
樹脂組成物中の各樹脂成分が良好に分散されるために、本発明における混練操作は重要である。高度な分散を有する組成物を得るための混練機としては、連続式インテンシブミキサー、ニーディングタイプ二軸押出機(同方向、あるいは異方向)などの連続型混練機が最適であるが、バンバリーミキサー、インテンシブミキサー、加圧ニーダーなどのバッチ型混練機を用いることもできる。また別の連続混練装置としては石臼のような摩砕機構を有する回転円板を使用したもの、たとえば(株)KCK製のKCK混練押出機を用いることもできる。混練機として通常に使用されるもののなかには、一軸押出機に混練部(ダルメージ、CTM等)を設けたもの、あるいはブラベンダーミキサーなどの簡易型の混練機もあげることができる。
【0131】
この中で、本発明の目的に最も好ましいものとしては連続式インテンシブミキサーを挙げることができる。市販されている機種としてはFarrel社製FCM、(株)日本製鋼所製CIMあるいは(株)神戸製鋼所製KCM、LCMあるいはACM等がある。実際にはこれらの混練機の下に一軸押出機を有する、混練と押出ペレット化を同時に実施する装置を採用するのが好ましい。また、ニーディングディスクあるいは混練用ローターを有する二軸混練押出機、例えば(株)日本製鋼所製のTEX、Werner&Pfleiderer社のZSK、東芝機械(株)製のTEM、池貝鉄工(株)製のPCM等も本発明の混練の目的に用いられる。
【0132】
これらの連続型混練機を用いるにあたっては、ローター、ディスクの形状が重要な役割を果たす。特にミキシングチャンバとローターチップあるいはディスクチップとの隙間(チップクリアランス)は重要で狭すぎても広すぎても良好な分散性を有する樹脂組成物は得られない。チップクリアランスとしては1〜5mmが最適である。
【0133】
また、混練機のローターの回転数は100〜1200rpm、望ましくは150〜1000rpm、さらに望ましくは200〜800rpmの範囲が採用される。混練機チャンバー内径(D)は30mm以上、望ましくは50〜400mmの範囲のものが挙げられる。混練機のチャンバー長さ(L)との比L/Dは4〜30が好適である。また混練機はひとつでもよいし、また2以上を連結して用いることもできる。混練時間は長い方が良い結果を得られるが、樹脂の劣化防止あるいは経済性の点から10〜600秒、好適には15〜200秒の範囲であり、最適には15〜150秒である。
【0134】
上記変性EVOH(C)あるいはそれを含有する樹脂組成物を成形して、本発明の燃料容器が得られる。本発明の燃料容器は、変性EVOH(C)あるいはそれを含有する樹脂組成物からなる単層容器であってもよいし、さらに、その他の材料の層を積層した多層容器であってもよい。高度な燃料バリア性と、力学的強度を両立するためには、多層容器とすることが好適である。すなわち、前記構造単位(I)を0.3〜40モル%含有するエチレン含有量5〜55モル%の変性EVOH(C)からなる層と(C)以外の熱可塑性樹脂(T2)からなる層を有する多層構造体からなる燃料容器を提供することによって、本発明の課題は効果的に解決される。
【0135】
ここで、変性EVOH(C)あるいはそれを含有する樹脂組成物と積層される熱可塑性樹脂(T2)は特に限定されず、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリケトンなどが挙げられる。また、各種の共重合体を使用することもできる。
【0136】
なかでも熱可塑性樹脂(T2)がポリオレフィンであることが好適である。樹脂組成物を単層で用いる場合に比べて高湿度下でのガソリンバリア性や、強度等の改善がはかれることになる。
【0137】
なかでも、高密度ポリエチレンが特に好適に使用される。本発明における高密度ポリエチレンとは、たとえばチグラー触媒を用い、低圧法又は中圧法により得られるもので、密度0.93g/cm以上、好適には0.94g/cm以上のものである。密度は、通常0.965g/cm以下である。本発明において高密度ポリエチレンの好適なメルトインデックス(MI)は、(190℃、2160g荷重下で測定した値)は、0.001〜0.6g/10分、好適には0.005〜0.1g/10分である。
【0138】
このような高密度ポリエチレン層を、変性EVOH(C)あるいはそれを含有する樹脂組成物層の片面又は両面に積層することにより、燃料バリア性の優れた、しかも耐衝撃性にも優れた燃料容器を得ることができる。高密度ポリエチレン層は、最内層、又は最内層−最外層にあることが好適な態様であるが、他の樹脂層が最内層、又は最内層−最外層に積層されることは、本発明の目的が阻害されないかぎり自由である。また、高密度ポリエチレン層に他の樹脂などを配合することは、本発明の目的が阻害されない限り自由である。したがって、高密度ポリエチレンを主成分とするのであれば、後述する回収物層も本発明でいう高密度ポリエチレン層とみなされる。
【0139】
変性EVOH(C)あるいはそれを含有する樹脂組成物と、熱可塑性樹脂(T2)とを積層するに際しては、両層の間に接着性樹脂層を配置することが好ましい。熱可塑性樹脂(T2)がポリオレフィンである場合には、変性EVOH(C)との接着性がほとんどないので、接着性樹脂層を配置することが特に好適である。
【0140】
接着性樹脂層に使用される樹脂は特に限定されるものではないが、ポリウレタン系、ポリエステル系一液型あるいは二液型硬化性接着剤、不飽和カルボン酸又はその無水物(無水マレイン酸など)をオレフィン系重合体又は共重合体[ポリエチレン{低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(SLDPE)}、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(メチルエステル、又はエチルエステル)共重合体]にグラフトしたものが、好適に用いられる。このような接着性樹脂層を設けることにより、層間接着性の優れた、しかも本発明の目的とするバリア性及び耐衝撃性の優れた燃料タンクを得ることができる。
【0141】
さらに、接着性樹脂がカルボン酸変性ポリエチレン系樹脂であることが、高密度ポリエチレン樹脂あるいはポリアミド樹脂との接着性、あるいはスクラップ回収時の相溶性の観点からより好ましい。かかるカルボン酸変性ポリエチレン系樹脂の例としては、ポリエチレン{低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(SLDPE)}、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(メチルエステル、又はエチルエステル)共重合体等をカルボン酸変性したものが挙げられる。
【0142】
本発明においては、スクラップ回収物層を必要に応じ設けることができる。ここでスクラップ回収物としては、成形品を製造する場合に発生する成形ロス部分や、一般消費者に使用された後のスクラップ回収品の粉砕物等がある。また、スクラップを熱可塑性樹脂(T2)層に混合することもできる。
【0143】
変性EVOH(C)あるいはそれを含有する樹脂組成物層をEVOH、高密度ポリエチレンに代表される熱可塑性樹脂(T2)層をPE、接着性樹脂層をAD、及びスクラップ回収物層をREGと表すとき、次のような層構成が代表例としてあげられる。
【0144】
3層:EVOH/AD/PE;
4層:EVOH/AD/REG/PE、EVOH/AD/PE/REG;
5層:PE/AD/EVOH/AD/PE、REG/AD/EVOH/AD/PE、PE/AD/EVOH/AD/REG;
6層:PE/REG/AD/EVOH/AD/PE、REG/PE/AD/EVOH/AD/PE、PE/REG/AD/EVOH/AD/REG、REG/PE/AD/EVOH/AD/REG;
7層:PE/REG/AD/EVOH/AD/REG/PE、PE/REG/AD/EVOH/AD/PE/REG、REG/PE/AD/EVOH/AD/PE/REG、REG/PE/AD/EVOH/AD/REG/PE;
ただし、層構成は、上記に限定されるものではない。これらのうち、好適な層構成としては、EVOH/AD/PE、PE/AD/EVOH/AD/PE、PE/REG/AD/EVOH/AD/PE等が示される。
【0145】
これらの各層の厚みはとくに限定されるものではないが、燃料容器として用いる場合の好適な厚みは、熱可塑性樹脂(T2)層300〜10000μm、より好適には500〜8000μm、さらに好適には1000〜6000μm、接着性樹脂層5〜1000μm、より好適には10〜500μm、さらに好適には20〜300μm、変性EVOH(C)あるいはそれを含有する樹脂組成物層5〜1000μm、より好適には20〜800μm、さらに好適には50〜600μmである。また全体厚みは好適には300〜10000μm、より好適には500〜8500μm、さらに好適には1000〜7000μmである。なお、これらの厚みは燃料容器の胴部における平均厚みをいう。全体厚みが大きすぎると重量が大きくなりすぎ、自動車等の燃費に悪影響を及ぼし、燃料容器のコストも上昇する。一方全体厚みが小さすぎると剛性が保てず、容易に破壊されてしまう問題がある。したがって、容量や用途に対応した厚みを設定することが重要である。
【0146】
なお、本発明において多層構造体を形成する各層に各種の添加剤を配合することもできる。このような添加剤としては、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー等が挙げられ、具体的には、組成物層に添加することができるものとして前述したようなものが挙げられる。
【0147】
本発明の燃料容器を成形する方法は、特に限定されるものではない。例えば、一般のポリオレフィンの分野において実施されている成形方法、例えば、押出成形、ブロー成形、射出成形、熱成形等を挙げることができる。なかでも、ブロー成形法及び熱成形法が好適であり、特に共押出ブロー成形法あるいは共押出シート熱成形法が好適である。
【0148】
これまで、共押出ブロー成形法あるいは共押出シート熱成形法によって燃料容器を成形する場合においては、通常中間層として用いられるEVOH層に対して容器成形中に延展効果が働き、EVOH層の容器内における厚みが均一とならないことがあった。特に容器の角部などにおいてEVOH層にネッキング現象が起こった場合には、その部位におけるEVOH層の厚みが容器全体のEVOH層厚みの平均値に対して著しく薄くなり、容器全体のバリア性を損なうことがあった。この現象に関しては、特に共押出シート熱成形法の場合に、角部のEVOH厚みの低下に伴うバリア低下が顕著となることが多かった。本発明で使用する変性EVOH(C)あるいはそれを含有する樹脂組成物は、成形性及び延伸性に優れるので、このような問題を低減することができる。したがって、共押出ブロー成形法あるいは共押出シート熱成形法によって燃料容器を成形する場合に、本発明の構成とする実益が大きいものである。
【0149】
ブロー成形法によって多層容器を製造する場合には、共射出ブロー成形と共押出ブロー成形のいずれの方法も採用可能であるが、複雑な容器形状に対応することが容易な共押出ブロー成形が好適である。共押出ブロー成形においては、溶融押出によりパリソンを形成し、このパリソンを一対のブロー成形用金型で挟持し、パリソンの喰切を行うと共に対向する喰切部を融着させる。ついで喰切が行われたパリソンを前記金型内で膨張させることにより容器の形に成形する。ただし、自動車用燃料タンクなど、容器の大きさが大きくなる場合は金型によりパリソンを挟持し、圧着を行うが、金型で喰切は行わず、容器表面からからはみ出た部分を任意の高さでカッターなどで切断することが多い。
【0150】
また、本発明の燃料容器をブロー成形する際の金型温度は、5〜30℃であることが好適であり、10〜30℃であることがより好ましく、10〜20℃であることがさらに好ましい。金型温度が5℃未満の場合は、金型表面が結露しやすくなり、成形後の製品の外観が不良となるおそれがある。また、金型温度が30℃を超える場合は、樹脂の冷却時間が長くなるために生産性が低下する虞があり、樹脂が充分に冷却できない場合は、成形品にひずみが発生するおそれがある。
【0151】
また、熱成形法によって製造する場合には、シートを熱成形し、二つの成形品の端部同士をヒートシールすることによって接合して燃料容器を製造する。このとき、多層シートを使用すれば、多層容器を製造することができる。
【0152】
前記熱成形多層シートを作製する方法は特に限定されず、一般のポリオレフィン等の分野において実施されている成形方法により多層シートを作製し、得られた多層シートを熱成形することにより、熱成形多層シートが得られる。前記多層シートを製造するための方法としては、例えばTダイ成形、共押出成形、ドライラミネート成形等を採用することができ、特に共押出成形が好適である。
【0153】
本発明でいう熱成形とは、シート等を加熱して軟化させた後に、金型形状に成形することをいう。成形方法としては、真空あるいは圧空を用い、必要により更にプラグを併せて用いて金型形状に成形する方法(ストレート法、ドレープ法、エアスリップ法、スナップバック法、プラグアシスト法など)やプレス成形する方法などが好適なものとして挙げられる。成形温度、真空度、圧空の圧力又は成形速度等の各種成形条件は、プラグ形状や金型形状又は原料シートの性質等により適当に設定される。
【0154】
前記多層シートを熱成形する際の成形温度は特に限定されるものではなく、成形するのに十分なだけ樹脂が軟化する温度であればよいが、前記多層シートの構成によってその好適な温度範囲は異なる。例えば、前記多層シートを熱成形する際には、加熱によるシートの溶解が生じたり、ヒーター板の金属面の凹凸がフィルムに転写したりするほど高温にはせず、一方賦形が十分でないほど低温にしないことが望ましい。具体的な成形温度としては、130〜200℃であることが好ましく、135〜195℃であることがより好ましく、140〜190℃であることがさらに好ましい。
【0155】
なお、上記熱成形の作業性を向上させる観点からは、ヒートシール部分が多少大きめになるような条件で熱成形を行い、熱成形を行った後に、不要な部分をカッターなどで切断することが好ましい。このようにして得られた熱成形多層シートからなる上底面及び下底面を、前記熱成形多層シートの端部同士をヒートシールして接合することによって、本発明の燃料容器が得られる。
【0156】
本発明における燃料容器とは、自動車、オートバイ、船舶、航空機、発電機及び工業用、農業用機器に搭載された燃料容器、もしくは、これら燃料容器に燃料を補給するための携帯用容器、さらには、これらを稼動するために用いる燃料を保管するための容器を意味する。また燃料としてはレギュラーガソリン、メタノール又はMTBE等をブレンドしたガソリンが代表例としてあげられるが、その他の重油、軽油、灯油なども例示される。このうち、本発明の燃料容器は、メタノール及び/又はMTBE等をブレンドしたガソリン用として特に効果がみられる。
【0157】
【実施例】
以下、実施例にて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。EVOH(A)、変性EVOH(C)、EVOH(F)、及び樹脂組成物に関する分析は以下の方法に従って行った。
【0158】
(1)EVOH(A)及びEVOH(F)のエチレン含有量及びケン化度
重水素化ジメチルスルホキシドを溶媒としたH−NMR(核磁気共鳴)測定(日本電子社製「JNM−GX−500型」を使用)により得られたスペクトルから算出した。
【0159】
(2)EVOH(A)の固有粘度
試料とする乾燥EVOH(A)からなる乾燥ペレット0.20gを精秤し、これを含水フェノール(水/フェノール=15/85:重量比)40mlに60℃にて3〜4時間加熱溶解させ、温度30℃にて、オストワルド型粘度計にて測定し(t0=90秒)、下式により固有粘度[η]を求めた。
[η]=(2×(ηsp−lnηrel))1/2/C (L/g)
ηsp= t/ t0−1 (specific viscosity)
ηrel= t/ t0 (relative viscosity)
C ;EVOH濃度(g/L)
t0:ブランク(含水フェノール)が粘度計を通過する時間
t:サンプルを溶解させた含水フェノール溶液が粘度計を通過する時間
【0160】
(3)EVOH(A)及びEVOH(F)中の酢酸の含有量の定量
試料とするEVOHの乾燥ペレット20gをイオン交換水100mlに投入し、95℃で6時間加熱抽出した。抽出液をフェノールフタレインを指示薬として、1/50規定のNaOHで中和滴定し、酢酸の含有量を定量した。
【0161】
(4)EVOH(A)、変性EVOH(C)及びEVOH(F)中のNaイオン、Kイオン、Mgイオン及びCaイオンの定量
試料とするEVOH又は変性EVOH(C)の乾燥ペレット10gを0.01規定の塩酸水溶液50mlに投入し、95℃で6時間撹拌した。撹拌後の水溶液をイオンクロマトグラフィーを用いて定量分析し、Na、K、Mg、Caイオンの量を定量した。カラムは、(株)横河電機製のICS−C25を使用し、溶離液は5.0mMの酒石酸と1.0mMの2,6−ピリジンジカルボン酸を含む水溶液とした。なお、定量に際してはそれぞれ塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、塩化マグネシウム水溶液及び塩化カルシウム水溶液で作成した検量線を用いた。
【0162】
(5)EVOH(A)、変性EVOH(C)及びEVOH(F)中のリン酸イオン及びトリフルオロメタンスルホン酸イオンの定量
試料とするEVOH又は変性EVOH(C)の乾燥ペレット10gを0.01規定の塩酸水溶液50mlに投入し、95℃で6時間撹拌した。撹拌後の水溶液をイオンクロマトグラフィーを用いて定量分析し、リン酸イオン及びトリフルオロメタンスルホン酸イオンの量を定量した。カラムは、(株)横河電機製のICS−A23を使用し、溶離液は2.5mMの炭酸ナトリウムと1.0mMの炭酸水素ナトリウムを含む水溶液とした。なお、定量に際してはリン酸二水素ナトリウム水溶液及びトリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム水溶液で作成した検量線を用いた。
【0163】
(6)変性EVOH(C)中の亜鉛イオン及びイットリウムイオンの定量
試料とする変性EVOH(C)乾燥ペレット10gを0.01規定の塩酸水溶液50mlに投入し、95℃で6時間撹拌した。撹拌後の水溶液をICP発光分析により分析した。装置はパーキンエルマー社のOptima4300DVを用いた。測定波長は亜鉛イオンの測定においては206.20nmを、イットリウムイオンの測定においては360.07nmをそれぞれ用いた。なお、定量に際しては市販の亜鉛標準液及びイットリウム標準液をそれぞれ使用して作成した検量線を用いた。
【0164】
(7)EVOH(A)、変性EVOH(C)及びEVOH(F)の融点
EVOH及び変性EVOH(C)の融点は、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量計(DSC)RDC220/SSC5200H型を用い、JIS K7121に基づいて測定した。但し、温度の校正にはインジウムと鉛を用いた。
【0165】
(8)EVOH(A)、変性EVOH(C)、EVOH(F)、及び樹脂組成物のメルトフローレート(MFR):
メルトインデクサーL244(宝工業株式会社製)を用いて測定した。具体的には、測定する樹脂{EVOH(A)、変性EVOH(C)、EVOH(F)、あるいは樹脂組成物}のチップを、内径9.55mm、長さ162mmのシリンダーに充填し、190℃で溶融した後(実施例10は210℃で溶融)、溶融した樹脂に対して、重さ2160g、直径9.48mmのプランジャーによって均等に荷重をかけ、シリンダーの中央に設けた径2.1mmのオリフィスより押出された樹脂の流出速度(g/10分)を測定し、これをメルトフローレート(MFR)とした。
【0166】
合成例1
エチレン含有量27モル%、ケン化度99.6%、固有粘度0.11L/gのエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる含水ペレット(含水率:130%(ドライベース))100重量部を、酢酸0.1g/L、リン酸二水素カリウム0.044g/Lを含有する水溶液370重量部に、25℃で6時間浸漬・攪拌した。得られたペレットを105℃で20時間乾燥し、乾燥EVOHペレットを得た。前記乾燥EVOHペレットのカリウム含有量は9ppm(金属元素換算)、酢酸含有量は56ppm、リン酸化合物含有量は23ppm(リン酸根換算値)であり、アルカリ土類金属塩含有量は0ppmであった。また、前記乾燥ぺレットのMFRは3.5g/10分(210℃、2160g荷重下)であった。このようにして得られたEVOHを、EVOH(A)として用いた。また、分子量500以下の一価エポキシ化合物(B)としては、1,2−エポキシブタンを使用した。
【0167】
東芝機械社製TEM−35BS押出機(37mmφ、L/D=52.5)を使用し、図1に示すようにスクリュー構成及びベント及び圧入口を設置した。バレルC1を水冷し、バレルC2〜C3を200℃、バレルC4〜C15を240℃に設定し、スクリュー回転数400rpmで運転した。C1の樹脂フィード口から上記EVOH(A)を11kg/hrの割合でフィードし、溶融した後、ベント1から水及び酸素を除去し、C9の圧入口から1,2−エポキシブタンを2.5kg/hrの割合でフィードした(フィード時の圧力:6MPa)。その後、ベント2から未反応の1,2−エポキシブタンを除去し、変性EVOH(C)を得た。得られた変性EVOH(C)のMFRは、2.0g/10分(190℃、2160g荷重下)で、融点は149℃であった。
【0168】
こうして得られた、1,2−エポキシブタンで変性された変性EVOH(C)の化学構造については、以下の手順に従って変性EVOH(C)をトリフルオロアセチル化した後にNMR測定を行うことによって求めた。このとき、下記のモデル化合物を合成し、それらモデル化合物のNMR測定チャートと対比することによって、変性EVOH(C)中のNMR測定チャート中のピークを帰属した。
【0169】
(1)変性EVOH(C)のトリフルオロアセチル化及びNMR測定
上記作製した変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)を粒子径0.2mm以下に粉砕後、この粉末1gを100mlナスフラスコに入れ、塩化メチレン20g及び無水トリフルオロ酢酸10gを添加し、室温で攪拌した。攪拌開始から1時間後、ポリマーは完全に溶解した。ポリマーが完全に溶解してからさらに1時間攪拌した後、ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去した。得られたトリフルオロアセチル化された変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)を2g/Lの濃度で重クロロホルムと無水トリフルオロ酢酸の混合溶媒(重クロロホルム/無水トリフルオロ酢酸=2/1(重量比))に溶解し、テトラメチルシランを内部標準として500MHzH−NMRを測定した。
【0170】
(2)1−イソプロポキシ−2−ブタノール及び1−(1−イソプロポキシ−2−ブトキシ)−2−ブタノールの合成
攪拌機及び冷却器を備えた1Lセパラブルフラスコにイソプロパノール180g及びエポキシブタン216g仕込み、窒素置換後、ナトリウム1.6gを添加し、16時間還流を行った。これにリン酸5gを添加後、減圧蒸留により、1−イソプロポキシ−2−ブタノール(沸点:100℃/120mmHg)及び1−(1−イソプロポキシ−2−ブトキシ)−2−ブタノール(沸点:105℃/50mmHg)を分留して得た。こうして得られた1−イソプロポキシ−2−ブタノールは、EVOHの水酸基に1,2−エポキシブタンが1分子反応した時のモデル化合物であり、1−(1−イソプロポキシ−2−ブトキシ)−2−ブタノールは、EVOHの水酸基に1,2−エポキシブタンが2分子以上反応した時のモデル化合物である。
【0171】
(3)1−イソプロポキシ−2−トリフルオロアセトキシ−ブタンの合成及びNMR測定
上記作製した1−イソプロポキシ−2−ブタノール530mg及び塩化メチレン5gを20mlナスフラスコに仕込んだ後、無水トリフルオロ酢酸1.7gを添加した。室温で1時間攪拌後、ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去した。得られた1−イソプロポキシ−2−トリフルオロアセトキシ−ブタンについて重クロロホルムと無水トリフルオロ酢酸の混合溶媒(重クロロホルム/無水トリフルオロ酢酸=2/1(重量比))を溶媒とし、500MHzH−NMRを測定した。
【0172】
(4)1−(1−イソプロポキシ−2−ブトキシ)−2−トリフルオロアセトキシ−ブタンの合成及びNMR測定
上記作製した1−(1−イソプロポキシ−2−ブトキシ)−2−ブタノール820mg及び塩化メチレン5gを20mLナスフラスコに仕込んだ後、無水トリフルオロ酢酸1.7gを添加した。室温で1時間攪拌後、ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去した。得られた、1−イソプロポキシ−2−トリフルオロアセトキシ−ブタンについて重クロロホルムと無水トリフルオロ酢酸の混合溶媒(重クロロホルム/無水トリフルオロ酢酸=2/1(重量比))を溶媒とし、500MHzH−NMRを測定した。
【0173】
(5)NMR測定チャートの解析
1−イソプロポキシ−2−トリフルオロアセトキシ−ブタンのH−NMRでは、δ0.8〜1.1ppmにメチルプロトンに由来するシグナルが1つ存在していた。そして、1−(1−イソプロポキシ−2−ブトキシ)−2−トリフルオロアセトキシ−ブタンのH−NMRでは、δ0.8〜1.1ppmにメチルプロトンに由来するシグナルが2つ存在していた。一方、本合成例1で作製された変性EVOH(C)は、δ0.8〜1.1ppmにメチルプロトンに由来するシグナルが1つ存在しており、本合成例1で得られた変性EVOH(C)は、下記構造単位(XII)を有していることが明らかであった。
【0174】
【化18】
Figure 2004161874
【0175】
1,2−エポキシブタンで変性された変性EVOH(C)中の化学構造について、以下の各構造単位の含有量を求めた。
w:エチレン含有量(モル%)
x:未変性のビニルアルコール単位の含有量(モル%)
y:上記式(XII)で表される構造単位(モル%)
z:下記式(XIII)で表される構造単位(モル%)
【0176】
【化19】
Figure 2004161874
【0177】
上記w〜zの間で、下記式(1)〜(4)で示される関係が成り立つ。
4w+2x+4y+4z=A (1)
3y+2z=B (2)
2z=C (3)
x+y=D (4)
ただし、上記式(1)〜(4)中、A〜Dは、それぞれ変性EVOH(C)のH−NMR測定における下記範囲のシグナルの積分値である。
A:δ1.1〜2.4ppmのシグナルの積分値
B:δ3.1〜3.8ppmのシグナルの積分値
C:δ4.1〜4.5ppmのシグナルの積分値
D:δ4.8〜5.5ppmのシグナルの積分値
【0178】
上記式(1)〜(4)から、変性EVOH(C)のエチレン含有量が以下のように求められる。
変性EVOH(C)のエチレン含有量(モル%)
={w/(w+x+y+z)}×100
={(3A−2B−4C−6D)/(3A−2B+2C+6D)}×100
同様に、変性EVOH(C)の構造単位(I)の含有量が以下のように求められる。
変性EVOH(C)の構造単位(I)の含有量(モル%)
={(y+z)/(w+x+y+z)}×100
={(4B+2C)/(3A−2B+2C+6D)}×100
合成例1で作製した変性EVOH(C)のエチレン含有量は27モル%であり、構造単位(I)の含有量は4.5モル%であった。
【0179】
実施例1
高密度ポリエチレン(HDPE)として三井石油化学製「HZ8200B」(190℃、2160g荷重におけるMFR=0.01g/10分)、接着性樹脂として三井化学製「アドマーGT4」(190℃、2160g荷重下におけるMFR=0.2g/10分)を、バリア材として合成例1で作製した変性EVOH(C)を用いた。鈴木製工所製ブロー成形機TB−ST−6Pにて各樹脂の押出温度及びダイス温度を210℃に設定し、HDPE/接着性樹脂/バリア材/接着性樹脂/HDPEの層構成を有する3種5層パリソンを押し出し、15℃の金型内でブローし、20秒冷却して、多層ブロー成形物からなる500mLボトルを得た。前記ボトルの全層厚みは2175μmであり、その層構成は、(内側)HDPE/接着性樹脂/バリア材/接着性樹脂/HDPE(外側)=1000/50/75/50/1000μmであった。ボトルは特に問題なく成形できた。また、ボトルの外観は良好であった。
【0180】
この多層ボトル容器にモデルガソリン{トルエン(45重量%):イソオクタン(45重量%):メタノール(10重量%)の比の混合物}300mlを入れ、アルミホイルを用いて漏れがないように完全に栓をしたうえで40℃、65%RHの雰囲気下に放置して、14日後のボトル重量減少量(n=6の平均値)を求めた。重量減少量は0.50gであった。
【0181】
次に、前記と同一の多層容器に、エチレングリコールを内容積に対して60%充填し、40℃の冷凍室に3日間放置した後コンクリート上に落下させ、ボトルの破壊(容器内部のエチレングリコールが漏れる)する落下高さを求めた。破壊高さは、n=30の試験結果を用いて、JIS試験法(K7211の「8.計算」の部分)に示される計算方法を用いて、50%破壊高さを求めた。破壊高さは8.0mであった。評価結果を表1にまとめて示す。
【0182】
実施例2
エチレン含有量32モル%、ケン化度99.9%、メルトフローレート(190℃、2160g荷重)1.6g/10分、融点183℃のEVOH(F)90重量部、及び合成例1で得られた変性EVOH(C)10重量部をドライブレンドし、30mmφ二軸押出機((株)日本製鋼所TEX−30SS−30CRW−2V)を用い、押出温度200℃でスクリュー回転数300rpm、押出樹脂量25kg/時間の条件で押出し、ペレット化した後、80℃、16時間熱風乾燥を行い樹脂組成物を得た。EVOH(F)のリン酸化合物含有量(リン酸根換算値)、酢酸含有量及びNaイオン含有量(金属元素換算)を測定したところ、それぞれ52ppm,290ppm,205ppmであった。樹脂組成物のメルトフローレート(190℃、2160g荷重)は1.7g/10分であった。
【0183】
合成例1で得られた変性EVOH(C)の代わりに、上記樹脂組成物を用いた以外、実施例1と同様の方法で多層ボトル容器を得た。この多層容器にモデルガソリン{トルエン(45重量%):イソオクタン(45重量%):メタノール(10重量%)の比の混合物}300mlを入れて、実施例1と同一の方法でボトル重量減少量(n=6の平均値)を求めた。重量減少量は0.42gであった。また、前記と同一の多層ボトルを用いて、実施例1と同一の方法で−40℃のボトル破壊高さを求めた。破壊高さは6.8mであった。評価結果を表1にまとめて示す。
【0184】
比較例1
合成例1で得られた変性EVOH(C)の代わりに、エチレン含有量32モル%、ケン化度99.9%、メルトフローレート(190℃−2160g荷重)1.6g/10分、融点183℃の未変性のEVOH(F)を用いた以外、実施例1と同様の方法で多層ボトル容器を得た。この多層ボトル容器にモデルガソリン{トルエン(45重量%):イソオクタン(45重量%):メタノール(10重量%)の比の混合物}300mlを入れて、実施例1と同一の方法でボトル重量減少量(n=6の平均値)を求めた。重量減少量は0.40gであった。また、前記と同一の多層ボトルを用いて、実施例1と同一の方法で−40℃のボトル破壊高さを求めた。破壊高さは4.2mであった。評価結果を表1にまとめて示す。
【0185】
【表1】
Figure 2004161874
【0186】
実施例1及び2に示されるように、本発明の変性EVOH(C)あるいはそれを含有する樹脂組成物を使用した場合、ガソリンバリア性を大きく損なうことなく、燃料容器の耐衝撃性を大幅に改良することが可能となる。これに対し、未変性のEVOH(F)のみを使用した比較例1では、ボトル重量減少率、すなわちガソリンバリア性においては実施例1及び2よりも優れるものの、容器の耐衝撃性が大きく劣る。また、本発明の変性EVOH(C)を単独で使用した実施例1の容器は、変性EVOH(C)と未変性のEVOH(F)の混合物をバリア層に用いた実施例2の容器に比べて、耐衝撃性の改善効果に優れることがわかる。一方、変性EVOH(C)と未変性のEVOH(F)の混合物をバリア層に用いた実施例2の容器は、変性EVOH(C)を単独で使用した実施例1の容器に比べてガソリンバリア性に優れる。
【0187】
実施例3
バリア材として合成例1で作製した変性EVOHを用い、3種5層共押出装置を用いて、多層シート(i)(HDPE/接着性樹脂/バリア材/接着性樹脂/HDPE)を作製した。フィルムの層構成は、内外層のHDPE樹脂(三井化学製「HZ8200B」)が450μm、接着性樹脂(三井化学製「アドマーGT4」)が各50μm、中間層のバリア材が75μmであった。
【0188】
得られた多層シートを熱成形機(浅野製作所製:真空圧空深絞り成形機FX−0431−3型)にて、シート温度を160℃にして、圧縮空気(気圧5kgf/cm)により丸カップ形状(金型形状:上部75mmφ、下部60mmφ、深さ75mm、絞り比S=1.0)に熱成形することにより、熱成形容器を得た。成形条件を以下に示す。
ヒーター温度:400℃
プラグ :45φ×65mm
プラグ温度 :150℃
金型温度 :70℃
【0189】
得られた熱成形容器は内容積約150mlのカップ型容器(ii)であり、このカップ型容器(ii)の底部付近を切断し、カップの底の角部における変性EVOH(C)からなる中間層の厚みを光学顕微鏡による断面観察により測定した(n=5の平均値)。カップ角部における中間層の厚みは35μmであった。
【0190】
この多層容器にモデルガソリン{トルエン(45重量%):イソオクタン(45重量%):メタノール(10重量%)の比の混合物}140mlを入れて、前記と同一の共押出シート(i)を円形に切断したものをカップ上部にのせたのち、内容物が漏れないように完全にふたをした状態で熱板溶着法により成形し、内部にモデルガソリンを封入したカップ型容器を得た。これを40℃、65%RHの雰囲気下に放置して、14日後のカップ重量減少量(n=6の平均値)を求めた。重量減少量は0.32gであった。評価結果を表2にまとめて示す。
【0191】
実施例4
合成例1で得られた変性EVOH(C)の代わりに、実施例2で記載した樹脂組成物を用いた以外、実施例3と同様の方法で共押出シート(i’)ならびにカップ型容器(ii’)を得た。前記実施例3に記載したものと同一の方法でカップ角部における中間層の厚みを測定したところ、カップ型容器(ii’)における角部中間層厚みは34μmであった。
【0192】
共押出シート(i’)ならびにカップ型容器(ii’)を使用し、実施例3に記載したものと同一の方法で内部にモデルガソリン{トルエン(45重量%):イソオクタン(45重量%):メタノール(10重量%)の比の混合物}140mlを封入したカップ型容器を得た。これを40℃、65%RHの雰囲気下に放置して、14日後のカップ重量減少量(n=6の平均値)を求めた。重量減少量は0.30gであった。評価結果を表2にまとめて示す。
【0193】
比較例2
合成例1で得られた変性EVOH(C)の代わりにエチレン含有量32モル%、ケン化度99.9%、メルトフローレート(190℃−2160g荷重)1.6g/10分、融点183℃の未変性EVOH(F)を用いた以外、実施例3と同様の方法で共押出シート(i’’)ならびにカップ型容器(ii’’)を得た。また、前記実施例3に記載したものと同一の方法でカップ角部における中間層の厚みを測定したところ、カップ型容器(ii’’)における角部中間層厚みは12μmであった。
【0194】
共押出シート(i’’)ならびにカップ型容器(ii’’)を使用し、実施例3に記載したものと同一の方法で内部にモデルガソリン{トルエン(45重量%):イソオクタン(45重量%):メタノール(10重量%)の比の混合物}140mlを封入したカップ型容器を得た。これを40℃、65%RHの雰囲気下に放置して、14日後のカップ重量減少量(n=6の平均値)を求めた。重量減少量は0.40gであった。評価結果を表2にまとめて示す。
【0195】
【表2】
Figure 2004161874
【0196】
実施例3及び4に示されるように、本発明の変性EVOH(C)あるいはそれを含有する樹脂組成物を使用した場合、未変性のEVOH(F)のみを使用した比較例2よりも、容器角部のバリア層厚みを厚くでき、容器全体からのガソリン透過量を小さく抑えることが可能となる。すなわち、実施例3及び4では、延伸性が良好である結果、多層容器内でのバリア層厚みが均一であるために、容器全体からのガソリン透過量が比較例2よりも少なくなっているものである。また、変性EVOH(C)と未変性のEVOH(F)の混合物をバリア層に用いた実施例4の容器は、変性EVOH(C)を単独で使用した実施例3の容器に比べてガソリンバリア性に優れる。
【0197】
【発明の効果】
本発明の燃料容器は、燃料のバリア性に優れ、耐衝撃性にも優れ、しかも成形性が良好である。これにより、ガソリン、特にアルコール含有ガソリンやMTBE含有ガソリン等の含酸素ガソリンに対する透過防止性能及び耐衝撃性に優れた燃料容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1において変性EVOH(C)を製造するために使用した押出機の構成の模式図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a fuel container comprising a modified ethylene-vinyl alcohol copolymer. The invention also relates to a fuel container comprising a resin composition of a modified ethylene-vinyl alcohol copolymer and another thermoplastic resin. Further, the present invention relates to a fuel container having a multilayer structure having a layer made of a modified ethylene-vinyl alcohol copolymer and a layer made of another thermoplastic resin.
[0002]
[Prior art]
As a plastic fuel tank, a polyethylene single-layer type fuel tank is used, but it has a disadvantage that it has relatively high gasoline permeability. On the other hand, there has been proposed a three-type five-layer structure in which a tank has a multilayer structure, a barrier layer is made of nylon, and high-density polyethylene layers are provided on both sides of the tank with an adhesive resin layer interposed therebetween.
[0003]
On the other hand, methanol, ethanol, MTBE, and the like have been developed in order to improve the octane number of gasoline and reduce the amount of unburned hydrocarbons in exhaust gas from the viewpoint of strengthening regulations on environmental pollution in recent years, preventing air pollution and saving gasoline consumption. (Hereinafter abbreviated as oxygen-containing gasoline) blended with an oxygen-containing compound such as the above is mainly used in the United States.
[0004]
However, in the above-mentioned method of forming a multilayer structure of polyethylene and nylon, or in a method of mixing and extruding nylon with polyethylene and simultaneously dispersing the nylon in a discontinuous thin layer in the polyethylene layer, oxygen-containing gasoline is used. There is a problem with the barrier properties against Under such circumstances, a multilayer tank of polyethylene and ethylene-vinyl alcohol copolymer (hereinafter sometimes abbreviated as EVOH) has been proposed as a container having excellent gasoline barrier properties, and is more excellent than the above-mentioned various fuel containers. Gasoline barrier properties can be obtained. However, the multilayer tank leaves a problem in impact resistance.
[0005]
In order to improve the impact resistance of a fuel container having an EVOH resin as an intermediate layer, a method of blending various resins with the EVOH resin has been proposed. For example, JP-A-10-24505 (Patent Document 1) describes a fuel container having a multilayer structure having a resin composition layer in which resin particles having a core-shell structure are mixed with EVOH. Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 10-128884 discloses a fuel container having a multilayer structure having a resin composition layer in which an ethylene- (meth) acrylic acid copolymer is blended with EVOH. JP-A-2000-255737 discloses a multilayer structure having a resin composition layer in which a polyamide resin, an olefin-unsaturated carboxylic acid copolymer or a metal salt thereof, and a hydrophobic thermoplastic resin are mixed with EVOH. A fuel container is described. According to these techniques, it is described that the impact resistance is improved while suppressing a decrease in gasoline barrier properties.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-10-24505 (Claims, page 2)
[Patent Document 2]
Japanese Patent Application Laid-Open No. H10-128884 (Claims, page 2)
[Patent Document 3]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-255537 (Claims, page 2)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, even with the above method, the impact resistance of the fuel container may not be sufficiently improved. Further, in recent years, the shape of a fuel container, particularly a fuel container for an automobile, has become complicated, and a barrier resin or a resin composition having good moldability capable of coping with a complicated shape is desired. I'm doing it.
[0008]
The present invention has been made to solve the above problems, and has as its object to provide a fuel container made of a modified EVOH having excellent fuel barrier properties, excellent impact resistance, and good moldability. Is what you do.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The above object is achieved by providing a fuel container comprising a modified ethylene-vinyl alcohol copolymer (C) having the following structural unit (I) of 0.3 to 40 mol% and an ethylene content of 5 to 55 mol%. Is done.
[0010]
Embedded image
Figure 2004161874
[0011]
(Where R1, R2, R3And R4Represents a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, an alicyclic hydrocarbon group having 3 to 10 carbon atoms, or an aromatic hydrocarbon group having 6 to 10 carbon atoms. R1, R2, R3And R4May be the same or different. Also, R3And R4And may be combined. Also R1, R2, R3And R4May have a hydroxyl group, a carboxyl group or a halogen atom. )
[0012]
Further, the above-mentioned problem is solved by modifying the modified ethylene-vinyl alcohol copolymer (C) having the following structural unit (I) of 0.3 to 40 mol% and having an ethylene content of 5 to 55 mol%, and a heat other than (C). This is also achieved by providing a fuel container comprising a resin composition with a plastic resin (T1).
[0013]
Embedded image
Figure 2004161874
[0014]
(Where R1, R2, R3And R4Represents a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, an alicyclic hydrocarbon group having 3 to 10 carbon atoms, or an aromatic hydrocarbon group having 6 to 10 carbon atoms. R1, R2, R3And R4May be the same or different. Also, R3And R4And may be combined. Also R1, R2, R3And R4May have a hydroxyl group, a carboxyl group or a halogen atom. )
[0015]
At this time, it is preferable that the thermoplastic resin (T1) is an ethylene-vinyl alcohol copolymer (F) containing the structural unit (I) and having an ethylene content of 5 to 55 mol%.
[0016]
In addition, the above-mentioned problem is caused by a layer made of a modified ethylene-vinyl alcohol copolymer (C) having an ethylene content of 5 to 55 mol% containing the following structural unit (I) of 0.3 to 40 mol% and a layer other than (C). This is also achieved by providing a fuel container having a multilayer structure having a layer made of the thermoplastic resin (T2).
[0017]
Embedded image
Figure 2004161874
[0018]
(Where R1, R2, R3And R4Represents a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, an alicyclic hydrocarbon group having 3 to 10 carbon atoms, or an aromatic hydrocarbon group having 6 to 10 carbon atoms. R1, R2, R3And R4May be the same or different. Also, R3And R4And may be combined. Also R1, R2, R3And R4May have a hydroxyl group, a carboxyl group or a halogen atom. )
[0019]
At this time, it is preferable that the thermoplastic resin (T2) is a polyolefin, and the intermediate layer is the modified ethylene-vinyl alcohol copolymer (C). It is more preferable that the inner and outer layers are formed of a multilayered structure. The fuel container of the present invention is preferably blow molded or thermoformed.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The modified EVOH (C) used in the present invention is a modified ethylene-vinyl alcohol copolymer (C) containing the following structural unit (I) of 0.3 to 40 mol% and having an ethylene content of 5 to 55 mol%. .
[0021]
Embedded image
Figure 2004161874
[0022]
(Where R1, R2, R3And R4Is a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms (such as an alkyl group or an alkenyl group), an alicyclic hydrocarbon group having 3 to 10 carbon atoms (such as a cycloalkyl group or a cycloalkenyl group), Represents 6 to 10 aromatic hydrocarbon groups (such as a phenyl group). R1, R2, R3And R4May be the same or different. Also, R3And R4May be bonded (provided that R is3And R4Are excluded when both are hydrogen atoms). The above R1, R2, R3And R4May have another group, for example, a hydroxyl group, a carboxyl group, a halogen atom, or the like. )
[0023]
In a more preferred embodiment, the R1And R2Are both hydrogen atoms. In a further preferred embodiment, R1And R2Are both hydrogen atoms;3And R4One is an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, and the other is a hydrogen atom. Preferably, the aliphatic hydrocarbon group is an alkyl group or an alkenyl group. From the viewpoint of emphasizing fuel barrier properties, particularly gasoline barrier properties, the above R3And R4More preferably, one is a methyl group or an ethyl group, and the other is a hydrogen atom.
[0024]
Further, from the viewpoint of fuel barrier properties, the above R3And R4One of them is (CH2)iIt is also preferred that it is a substituent represented by OH (where i = 1 to 8 is an integer) and the other is a hydrogen atom. When importance is placed on the fuel barrier property, particularly the gasoline barrier property, the above-mentioned (CH2)iIn the substituent represented by OH, i is preferably an integer of 1 to 4, more preferably 1 or 2, and still more preferably 1.
[0025]
It is necessary that the amount of the structural unit (I) contained in the modified EVOH (C) is in the range of 0.3 to 40 mol%. The lower limit of the amount of the structural unit (I) is preferably 0.5 mol% or more, more preferably 1 mol% or more, and even more preferably 2 mol% or more. On the other hand, the upper limit of the amount of the structural unit (I) is preferably 35 mol% or less, more preferably 30 mol% or less, and even more preferably 25 mol% or less. When the amount of the structural unit (I) contained is within the above range, a modified EVOH (C) having both fuel barrier properties, impact resistance, moldability, and stretchability can be obtained.
[0026]
The ethylene content of the modified EVOH (C) is preferably from 5 to 55 mol%. When the ethylene content of the modified EVOH (C) is less than 5 mol%, impact resistance, moldability and stretchability may be deteriorated. It is more preferably at least 10 mol%, further preferably at least 20 mol%, particularly preferably at least 25 mol%, even more preferably at least 31 mol%. On the other hand, when the ethylene content of the modified EVOH (C) exceeds 55 mol%, the fuel barrier properties, particularly the gasoline barrier properties, may be deteriorated. More preferably, it is 50 mol% or less, and still more preferably, it is 45 mol% or less.
[0027]
The constituent components of the modified EVOH (C) other than the structural unit (I) and the ethylene unit are mainly vinyl alcohol units. This vinyl alcohol unit is usually a vinyl alcohol unit that has not reacted with the monovalent epoxy compound (B) among the vinyl alcohol units contained in the raw material EVOH (A). Unsaponified vinyl acetate units which may be contained in the EVOH (A) are usually contained as they are in the modified EVOH (C). It was found from the results of NMR measurement and melting point that the modified EVOH (C) was a random copolymer containing these components. Further, other components may be contained within a range not to impair the object of the present invention.
[0028]
The preferred melt flow rate (MFR) of the modified EVOH (C) (at 190 ° C. under a load of 2160 g) is 0.1 to 30 g / 10 min, more preferably 0.3 to 25 g / 10 min, and even more preferably. Is 0.5 to 20 g / 10 min. However, those having a melting point of around 190 ° C. or exceeding 190 ° C. are measured under a load of 2160 g at a plurality of temperatures equal to or higher than the melting point. Expressed as a value extrapolated to 190 ° C.
[0029]
The method for producing the above modified EVOH (C) is not particularly limited. The method recommended by the present inventors is to obtain a modified EVOH (C) by reacting an ethylene-vinyl alcohol copolymer (A) with a monovalent epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less.
[0030]
Another object of the present invention is to provide a modified ethylene-vinyl alcohol copolymer obtained by reacting an ethylene-vinyl alcohol copolymer (A) with a monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less. This is also achieved by providing a fuel container comprising (C).
[0031]
The EVOH (A) used as a raw material of the modified EVOH (C) in the present invention is preferably obtained by saponifying an ethylene-vinyl ester copolymer. A typical example of the vinyl ester used in the production of EVOH is vinyl acetate, but other fatty acid vinyl esters (such as vinyl propionate and vinyl pivalate) can also be used. Further, as long as the object of the present invention is not impaired, other comonomers, for example, α-olefins such as propylene, butylene, isobutene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene and 1-octene; Unsaturated carboxylic acids or esters thereof such as (meth) acrylic acid, methyl (meth) acrylate and ethyl (meth) acrylate; vinylsilane compounds such as vinyltrimethoxysilane; unsaturated sulfonic acids or salts thereof; alkylthiols A vinylpyrrolidone such as N-vinylpyrrolidone can be copolymerized.
[0032]
When EVOH obtained by copolymerizing a vinylsilane compound as a copolymer component is used as the EVOH (A), the EVOH (A) preferably contains 0.0002 to 0.2 mol% as a copolymerization amount. By having the vinylsilane compound as a copolymer component in such a range, the consistency of the melt viscosity between the base resin and the modified EVOH (C) during coextrusion molding is improved, and a homogeneous coextruded multilayer film molded product is obtained. In some cases. In particular, when a base resin having a high melt viscosity is used, it is easy to obtain a homogeneous coextruded multilayer film molded product. Here, examples of the vinylsilane-based compound include vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, vinyltri (β-methoxy-ethoxy) silane, and γ-methacryloxypropylmethoxysilane. Among them, vinyltrimethoxysilane and vinyltriethoxysilane are preferably used.
[0033]
The EVOH (A) used in the present invention preferably has an ethylene content of 5 to 55 mol%. If the ethylene content of the EVOH (A) is less than 5 mol%, the impact resistance, moldability and stretchability of the resulting modified EVOH (C) may deteriorate. It is more preferably at least 10 mol%, further preferably at least 20 mol%, particularly preferably at least 25 mol%, even more preferably at least 31 mol%. On the other hand, if the ethylene content of the EVOH (A) exceeds 55 mol%, the resulting modified EVOH (C) may have poor fuel barrier properties, particularly gasoline barrier properties. More preferably, it is 50 mol% or less, and still more preferably, it is 45 mol% or less. Here, when the EVOH (A) is composed of a blend of two or more EVOHs having different ethylene contents, the average value calculated from the blending weight ratio is defined as the ethylene content.
[0034]
Further, the saponification degree of the vinyl ester component of EVOH (A) used in the present invention is preferably 90% or more. The saponification degree of the vinyl ester component is more preferably at least 95%, further preferably at least 98%, and most preferably at least 99%. If the saponification degree is less than 90%, not only may the fuel barrier properties, particularly the gasoline barrier properties, be reduced, but also the thermal stability may be insufficient, and gels and bumps may be easily generated in the molded product. Here, when the EVOH (A) is composed of a blend of two or more types of EVOH having different degrees of saponification, the average value calculated from the blending weight ratio is defined as the degree of saponification.
[0035]
The ethylene content and the degree of saponification of EVOH (A) can be determined by nuclear magnetic resonance (NMR).
[0036]
Further, as the EVOH (A), an EVOH blended with a boron compound may be used as long as the object of the present invention is not impaired. Here, examples of the boron compound include boric acids, borate esters, borates, and borohydrides. Specifically, examples of boric acids include orthoboric acid, metaboric acid, tetraboric acid, and the like.Examples of borate esters include triethyl borate, trimethyl borate, and the like. Examples include alkali metal salts, alkaline earth metal salts of acids, borax, and the like. Of these compounds, orthoboric acid (hereinafter sometimes simply referred to as boric acid) is preferred.
[0037]
When EVOH (A) blended with a boron compound is used as the EVOH (A), the content of the boron compound is preferably 20 to 2000 ppm, more preferably 50 to 1000 ppm in terms of boron element. By blending a boron compound within this range, EVOH (A) with suppressed torque fluctuation during heating and melting can be obtained. If it is less than 20 ppm, such an effect is small, and if it exceeds 2,000 ppm, gelation is likely to occur, resulting in poor moldability.
[0038]
Further, as the EVOH (A), an EVOH (A) containing a phosphoric acid compound may be used. This may stabilize the quality (eg, coloring) of the resin. The phosphoric acid compound used in the present invention is not particularly limited, and various acids such as phosphoric acid and phosphorous acid and salts thereof can be used. The phosphate may be contained in any form of primary phosphate, secondary phosphate and tertiary phosphate, but primary phosphate is preferred. The cationic species is not particularly limited, but is preferably an alkali metal salt. Among these, sodium dihydrogen phosphate and potassium dihydrogen phosphate are preferred. When EVOH (A) containing a phosphoric acid compound is used, the content of the phosphoric acid compound is preferably 200 ppm or less in terms of phosphate radical, more preferably 5 to 100 ppm, and most preferably 5 to 100 ppm. It is 50 ppm.
[0039]
However, when the EVOH (A) and the monovalent epoxy compound (B) are reacted in the presence of the catalyst (D) containing ions of metals belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table as described later, It is preferred that the acid salts deactivate the catalyst and be as low as possible. In this case, the content of the phosphoric acid compound in EVOH (A) is preferably 200 ppm or less, more preferably 100 ppm or less, and most preferably 50 ppm or less in terms of phosphate radical.
[0040]
As will be described later, the modified EVOH (C) is preferably obtained by reacting the EVOH (A) with the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less in an extruder. In addition, EVOH is exposed to heating conditions. At this time, if the EVOH (A) contains an excessive amount of an alkali metal salt and / or an alkaline earth metal salt, the resulting modified EVOH (C) may be colored. Further, problems such as a decrease in the viscosity of the modified EVOH (C) may occur, and the moldability may be reduced. Further, when the catalyst (D) is used as described later, it is preferable that the addition amount of the catalyst (D) is as small as possible in order to deactivate the catalyst (D).
[0041]
In order to avoid the above problem, the alkali metal salt contained in the EVOH (A) is preferably 50 ppm or less in terms of a metal element. In a more preferred embodiment, the alkali metal salt contained in the EVOH (A) is at most 30 ppm, more preferably at most 20 ppm, in terms of a metal element. In addition, from the same viewpoint, the alkaline earth metal salt contained in the EVOH (A) is preferably 20 ppm or less, more preferably 10 ppm or less, still more preferably 5 ppm or less in terms of a metal element. , EVOH (A) is most preferably substantially free of alkaline earth metal salts.
[0042]
In addition, as long as the object of the present invention is not impaired, a compound containing a heat stabilizer and an antioxidant can be used as the EVOH (A).
[0043]
The intrinsic viscosity of the EVOH (A) used in the present invention is preferably 0.06 L / g or more. The intrinsic viscosity of EVOH (A) is more preferably in the range of 0.07 to 0.2 L / g, still more preferably 0.075 to 0.15 L / g, and particularly preferably 0.080 to 0.1 L / g. It is 12 L / g. When the intrinsic viscosity of EVOH (A) is less than 0.06 L / g, mechanical strength, impact resistance, moldability and stretchability may be reduced. If the intrinsic viscosity of the EVOH (A) exceeds 0.2 L / g, gels may be easily generated in a molded article containing the modified EVOH (C).
[0044]
The preferred melt flow rate (MFR) of EVOH (A) used in the present invention (at 190 ° C. under a load of 2160 g) is 0.1 to 30 g / 10 min, more preferably 0.3 to 25 g / 10 min. And more preferably 0.5 to 20 g / 10 min. However, those having a melting point of around 190 ° C. or exceeding 190 ° C. are measured under a load of 2160 g at a plurality of temperatures equal to or higher than the melting point. Expressed as a value extrapolated to 190 ° C. It is also possible to use a mixture of two or more EVOHs having different MFRs.
[0045]
It is essential that the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less used in the present invention is a monovalent epoxy compound. That is, it must be an epoxy compound having only one epoxy group in the molecule. If a divalent or higher polyvalent epoxy compound is used, the effects of the present invention cannot be achieved. However, in the production process of the monovalent epoxy compound, a very small amount of the polyvalent epoxy compound may be contained. As long as the effects of the present invention are not impaired, a monovalent epoxy compound containing a very small amount of a polyvalent epoxy compound can be used as the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less in the present invention. is there.
[0046]
The monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less used in the present invention is not particularly limited. Specifically, compounds represented by the following formulas (III) to (IX) are suitably used.
[0047]
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[0048]
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[0049]
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[0050]
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[0051]
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Figure 2004161874
[0052]
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Figure 2004161874
[0053]
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Figure 2004161874
[0054]
(Where R5, R6, R7, R8And R9Is a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms (such as an alkyl group or an alkenyl group), an alicyclic hydrocarbon group having 3 to 10 carbon atoms (such as a cycloalkyl group or a cycloalkenyl group), Represents 6 to 10 aromatic hydrocarbon groups (such as a phenyl group). I, j, k, l, and m represent an integer of 1 to 8. )
[0055]
Examples of the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less represented by the formula (III) include epoxyethane (ethylene oxide), epoxypropane, 1,2-epoxybutane, 2,3-epoxybutane, and 3-methyl. -1,2-epoxybutane, 1,2-epoxypentane, 2,3-epoxypentane, 3-methyl-1,2-epoxypentane, 4-methyl-1,2-epoxypentane, 4-methyl-2, 3-epoxypentane, 3-ethyl-1,2-epoxypentane, 1,2-epoxyhexane, 2,3-epoxyhexane, 3,4-epoxyhexane, 3-methyl-1,2-epoxyhexane, 4- Methyl-1,2-epoxyhexane, 5-methyl-1,2-epoxyhexane, 3-ethyl-1,2-epoxyhexane, 3-propyl- , 2-epoxyhexane, 4-ethyl-1,2-epoxyhexane, 5-methyl-1,2-epoxyhexane, 4-methyl-2,3-epoxyhexane, 4-ethyl-2,3-epoxyhexane, 2-methyl-3,4-epoxyhexane, 2,5-dimethyl-3,4-epoxyhexane, 3-methyl-1,2-epoxyheptane, 4-methyl-1,2-epoxyheptane, 5- Methyl-1,2-epoxyheptane, 6-methyl-1,2-epoxyheptane, 3-ethyl-1,2-epoxyheptane, 3-propyl-1,2-epoxyheptane, 3-butyl- 1,2-epoxyheptane, 4-ethyl-1,2-epoxyheptane, 4-propyl-1,2-epoxyheptane, 5-ethyl-1,2-epoxyheptane, 4-methyl-2, 3-d To xyheptane, 4-ethyl-2,3-epoxyheptane, 4-propyl-2,3-epoxyheptane, 2-methyl-3,4-epoxyheptane, 5-methyl-3,4-epoxy Butane, 5-ethyl-3,4-epoxyheptane, 2,5-dimethyl-3,4-epoxyheptane, 2-methyl-5-ethyl-3,4-epoxyheptane, 1,2-epoxyheptane 2,3-epoxyheptane, 3,4-epoxyheptane, 1,2-epoxyoctane, 2,3-epoxyoctane, 3,4-epoxyoctane, 4,5-epoxyoctane, 1,2-epoxynonane, 2,3-epoxynonane, 3,4-epoxynonane, 4,5-epoxynonane, 1,2-epoxydecane, 2,3-epoxydecane, 3,4-epoxydecane, 4,5-epoxy Decane, 5,6-epoxydecane, 1,2-epoxyundecane, 2,3-epoxyundecane, 3,4-epoxyundecane, 4,5-epoxyundecane, 5,6-epoxyundecane, 1,2-epoxydodecan 2,3-epoxydodecane, 3,4-epoxydodecane, 4,5-epoxidedodecane, 5,6-epoxidedodecane, 6,7-epoxidedodecane, epoxyethylbenzene, 1-phenyl-1,2-epoxypropane, 3-phenyl-1,2-epoxypropane, 1-phenyl-1,2-epoxybutane, 3-phenyl-1,2-epoxybutane, 4-phenyl-1,2-epoxybutane, 1-phenyl-1, 2-epoxypentane, 3-phenyl-1,2-epoxypentane, 4-phenyl-1,2-epoxypentane, -Phenyl-1,2-epoxypentane, 1-phenyl-1,2-epoxyhexane, 3-phenyl-1,2-epoxyhexane, 4-phenyl-1,2-epoxyhexane, 5-phenyl-1,2 -Epoxyhexane, 6-phenyl-1,2-epoxyhexane and the like.
[0056]
Examples of the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less represented by the above formula (IV) include methyl glycidyl ether, ethyl glycidyl ether, n-propyl glycidyl ether, isopropyl glycidyl ether, n-butyl glycidyl ether, and isobutyl glycidyl ether. Tert-butyl glycidyl ether, 1,2-epoxy-3-pentyloxypropane, 1,2-epoxy-3-hexyloxypropane, 1,2-epoxy-3-heptyloxypropane, 1,2-epoxy-3 -Octyloxypropane, 1,2-epoxy-3-phenoxypropane, 1,2-epoxy-3-benzyloxypropane, 1,2-epoxy-4-methoxybutane, 1,2-epoxy-4-ethoxybutane, 1,2-epoxy-4-propoxy Butane, 1,2-epoxy-4-butoxybutane, 1,2-epoxy-4-pentyloxybutane, 1,2-epoxy-4-hexyloxybutane, 1,2-epoxy-4-heptyloxybutane, 1, , 2-Epoxy-4-phenoxybutane, 1,2-epoxy-4-benzyloxybutane, 1,2-epoxy-5-methoxypentane, 1,2-epoxy-5-ethoxypentane, 1,2-epoxy- 5-propoxypentane, 1,2-epoxy-5-butoxypentane, 1,2-epoxy-5-pentyloxypentane, 1,2-epoxy-5-hexyloxypentane, 1,2-epoxy-5-phenoxypentane 1,2-epoxy-6-methoxyhexane, 1,2-epoxy-6-ethoxyhexane, 1,2-epoxy-6-pro Xyhexane, 1,2-epoxy-6-butoxyhexane, 1,2-epoxy-6-heptyloxyhexane, 1,2-epoxy-7-methoxyheptane, 1,2-epoxy-7-ethoxyheptane, 1,2-epoxy-7-propoxyheptane, 1,2-epoxy-7-butyloxyheptane, 1,2-epoxy-8-methoxyheptane, 1,2-epoxy-8-ethoxyheptane, 1,2 -Epoxy-8-butoxyheptane, glycidol, 3,4-epoxy-1-butanol, 4,5-epoxy-1-pentanol, 5,6-epoxy-1-hexanol, 6,7-epoxy-1- Heptanol, 7,8-epoxy-1-octanol, 8,9-epoxy-1-nonanol, 9,10-epoxy-1-decanol, 10,11-epoxy C-1-undecanol and the like.
[0057]
Examples of the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less represented by the above formula (V) include ethylene glycol monoglycidyl ether, propanediol monoglycidyl ether, butanediol monoglycidyl ether, heptanediol monoglycidyl ether, and hexanediol. Monoglycidyl ether, heptanediol monoglycidyl ether, octanediol monoglycidyl ether and the like can be mentioned.
[0058]
Examples of the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less represented by the above formula (VI) include 3- (2,3-epoxy) propoxy-1-propene and 4- (2,3-epoxy) propoxy-1 -Butene, 5- (2,3-epoxy) propoxy-1-pentene, 6- (2,3-epoxy) propoxy-1-hexene, 7- (2,3-epoxy) propoxy-1-heptene, 8- (2,3-epoxy) propoxy-1-octene and the like.
[0059]
Examples of the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less represented by the above formula (VII) include 3,4-epoxy-2-butanol, 2,3-epoxy-1-butanol, and 3,4-epoxy-2. -Pentanol, 2,3-epoxy-1-pentanol, 1,2-epoxy-3-pentanol, 2,3-epoxy-4-methyl-1-pentanol, 2,3-epoxy-4,4 -Dimethyl-1-pentanol, 2,3-epoxy-1-hexanol, 3,4-epoxy-2-hexanol, 4,5-epoxy-3-hexanol, 1,2-epoxy-3-hexanol, 2, 3-epoxy-4-methyl-1-hexanol, 2,3-epoxy-4-ethyl-1-hexanol, 2,3-epoxy-4,4-dimethyl-1-hexanol, 2,3-epoxy 4,4-diethyl-1-hexanol, 2,3-epoxy-4-methyl-4-ethyl-1-hexanol, 3,4-epoxy-5-methyl-2-hexanol, 3,4-epoxy-5, 5-dimethyl-2-hexanol, 3,4-epoxy-2-heptanol, 2,3-epoxy-1-heptanol, 4,5-epoxy-3-heptanol, 2,3-epoxy-4-heptanol, 1, 2-epoxy-3-heptanol, 2,3-epoxy-1-octanol, 3,4-epoxy-2-octanol, 4,5-epoxy-3-octanol, 5,6-epoxy-4-octanol, 2, 3-epoxy-4-octanol, 1,2-epoxy-3-octanol, 2,3-epoxy-1-nonanol, 3,4-epoxy-2-nonanol, 5-epoxy-3-nonanol, 5,6-epoxy-4-nonanol, 3,4-epoxy-5-nonanol, 2,3-epoxy-4-nonanol, 1,2-epoxy-3-nonanol, 2, 3-epoxy-1-decanol, 3,4-epoxy-2-decanol, 4,5-epoxy-3-decanol, 5,6-epoxy-4-decanol, 6,7-epoxy-5-decanol, 3, 4-epoxy-5-decanol, 2,3-epoxy-4-decanol, 1,2-epoxy-3-decanol and the like can be mentioned.
[0060]
Examples of the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less represented by the above formula (VIII) include 1,2-epoxycyclopentane, 1,2-epoxycyclohexane, 1,2-epoxycycloheptane, and 1,2-epoxycycloheptane. Epoxycyclooctane, 1,2-epoxycyclononane, 1,2-epoxycyclodecane, 1,2-epoxycycloundecane, 1,2-epoxycyclododecane and the like can be mentioned.
[0061]
Examples of the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less represented by the formula (IX) include 3,4-epoxycyclopentene, 3,4-epoxycyclohexene, 3,4-epoxycycloheptene, and 3,4-epoxycycloheptene. Epoxycyclooctene, 3,4-epoxycyclononene, 1,2-epoxycyclodecene, 1,2-epoxycycloundecene, 1,2-epoxycyclododecene and the like can be mentioned.
[0062]
As the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less used in the present invention, an epoxy compound having 2 to 8 carbon atoms is particularly preferable. From the viewpoints of easy handling of the compound and reactivity with the EVOH (A), the carbon number of the monofunctional epoxy compound (B) is preferably 2 to 6, and more preferably 2 to 4. . Further, the monofunctional epoxy compound (B) is preferably a compound represented by the above formula (III) or (IV). From the viewpoint of reactivity with EVOH (A) and fuel barrier properties of the modified EVOH (C) obtained, 1,2-epoxybutane, 2,3-epoxybutane, epoxypropane, epoxyethane and glycidol are particularly preferred. Among them, epoxypropane and epoxybutane are preferred.
[0063]
The modified EVOH (C) is obtained by reacting the EVOH (A) with the monofunctional epoxy compound (B). At this time, a preferable mixing ratio of the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) is 1 to 50 parts by weight of (B) to 100 parts by weight of (A), and more preferably (A) (B) 2 to 40 parts by weight per 100 parts by weight, particularly preferably (B) 5 to 35 parts by weight per 100 parts by weight of (A).
[0064]
The method for producing the modified EVOH (C) by reacting the EVOH (A) with the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less is not particularly limited, but the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) are not particularly limited. And a production method in which the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) are reacted in an extruder.
[0065]
In the production method by a solution reaction, a modified EVOH (C) is obtained by reacting a monovalent epoxy compound (B) with a solution of EVOH (A) in the presence of an acid catalyst or an alkali catalyst. Alternatively, the modified EVOH (C) can also be produced by dissolving the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) in a reaction solvent and performing a heat treatment. As a reaction solvent, a polar aprotic solvent which is a good solvent for EVOH (A) such as dimethyl sulfoxide, dimethylformamide, dimethylacetamide and N-methylpyrrolidone is preferable.
[0066]
Examples of the reaction catalyst include acid catalysts such as p-toluenesulfonic acid, methanesulfonic acid, trifluoromethanesulfonic acid, sulfuric acid, and boron trifluoride, and alkali catalysts such as sodium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide, and sodium methoxide. Is mentioned. Of these, it is preferable to use an acid catalyst. A suitable amount of the catalyst is about 0.0001 to 10 parts by weight based on 100 parts by weight of the EVOH (A). The reaction temperature is suitably from room temperature to 150 ° C.
[0067]
In the production method in which the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) are reacted in an extruder, the extruder to be used is not particularly limited, but is a single-screw extruder, a twin-screw extruder, or a multi-screw having two or more screws. It is preferable to use an extruder to cause the EVOH (A) to react with the monofunctional epoxy compound (B) at a temperature of about 180C to 300C. As will be described later, when the catalyst (D) is present in the reaction in the extruder, it is preferable to set a lower melting temperature. However, when the catalyst (D) is not used, the preferable temperature is 200 ° C. It is about 300 ° C.
[0068]
When a twin-screw extruder or a multi-screw extruder having two or more screws is used, it is easy to increase the pressure in the reaction section by changing the screw structure, and the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) The reaction can be performed efficiently. In a single-screw extruder, two or more extruders are connected, and a valve is arranged in a resin flow path therebetween, whereby the pressure in the reaction section can be increased. Similarly, two or more twin-screw extruders or two or more multi-screw extruders may be connected and manufactured.
[0069]
When a production method in which reaction is carried out in an extruder is compared with a production method by solution reaction, in the case of solution reaction, a solvent for dissolving EVOH (A) is necessary, and after the reaction is completed, the solvent is recovered and removed from the reaction system. And the process becomes complicated. In order to enhance the reactivity between the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B), it is preferable to maintain the reaction system under heating and / or pressurization conditions. Therefore, in the reaction in the extruder, it is easy to maintain the heating and / or pressurizing conditions of the reaction system, and from this viewpoint, the merit of the reaction in the extruder is great.
[0070]
Furthermore, when the reaction between the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) is carried out by a solution reaction, the control of the reaction is not always easy, and the reaction may proceed excessively. That is, as a result of the reaction between the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B), a modified EVOH (C) having the above-mentioned structural unit (I) is obtained, and the hydroxyl group contained in the structural unit (I) Further, when the monofunctional epoxy compound (B) reacts, there is a possibility that a structural unit different from the structural unit specified in the present invention may be obtained. Specifically, when the monovalent epoxy compound (B) is ethylene oxide, the above-mentioned excessive reaction leads to the generation of EVOH containing the following structural unit (II).
[0071]
Embedded image
Figure 2004161874
[0072]
(In the formula, n represents a natural number of 1 or more.)
[0073]
As a result of the study by the present inventors, the modified EVOH (C) obtained by increasing the content of the structural unit (II) shown above, which is different from the structural unit (I) specified in the present invention, is increased. ) Was found to decrease the barrier properties. Furthermore, it has been found that when the reaction between the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) is carried out in the extruder, the occurrence of such side reactions can be effectively suppressed. From such a viewpoint, a method of producing the modified EVOH (C) by performing a reaction between the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) in the extruder is preferable.
[0074]
Further, the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less used in the present invention is not necessarily a compound having a high boiling point. Therefore, in the production method by the solution reaction, when the reaction system is heated, the monofunctional epoxy compound is out of the system. Compound (B) may volatilize. However, volatilization of the monofunctional epoxy compound (B) out of the system can be suppressed by reacting the EVOH (A) with the monofunctional epoxy compound (B) in the extruder. In particular, when the monofunctional epoxy compound (B) is added into the extruder, the pressure between the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) is increased by press-fitting under pressure, and the monofunctional epoxy compound is added. The volatilization of (B) out of the system can be significantly suppressed.
[0075]
The method of mixing the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) during the reaction in the extruder is not particularly limited, and the monofunctional epoxy compound (B) is added to the EVOH (A) before being fed to the extruder. Examples of suitable methods include a method of spraying and the like, and a method of feeding EVOH (A) to an extruder and bringing it into contact with the monofunctional epoxy compound (B) in the extruder. Among these, from the viewpoint of suppressing the volatilization of the monofunctional epoxy compound (B) out of the system, a method in which the EVOH (A) is fed to the extruder and then brought into contact with the monofunctional epoxy compound (B) in the extruder is preferable. . Further, the addition position of the monofunctional epoxy compound (B) in the extruder is also arbitrary, but from the viewpoint of the reactivity between the EVOH (A) and the epoxy compound (B), the position relative to the molten EVOH (A) is considered. It is preferable to add the monofunctional epoxy compound (B).
[0076]
The production method recommended by the present inventors by the reaction between EVOH (A) and monofunctional epoxy compound (B) in an extruder includes (1) a step of melting EVOH (A), (2) a monofunctional epoxy compound. And (3) a step of removing the unreacted monovalent epoxy compound (B) by venting or the like. From the viewpoint of performing the reaction smoothly, it is preferable to remove water and oxygen from the system. For this reason, before adding the monofunctional epoxy compound (B) into the extruder, moisture and oxygen may be removed using a vent or the like.
[0077]
Further, as described above, in the step of adding the monofunctional epoxy compound (B), it is preferable to press-fit the monofunctional epoxy compound (B) under pressure. At this time, if the pressure is insufficient, a problem such as a decrease in the reaction rate and a change in the discharge amount occurs. The required pressure varies greatly depending on the boiling point and extrusion temperature of the monofunctional epoxy compound (B), but is usually preferably in the range of 0.5 to 30 MPa, more preferably in the range of 1 to 20 MPa.
[0078]
In the production method of the present invention, the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) are melted in an extruder in the presence of a catalyst (D) containing a metal ion belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table. It is preferred to knead. By the presence of the catalyst (D) containing ions of metals belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table, the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) can be efficiently mixed and kneaded at a lower temperature. Can be reacted. That is, a modified EVOH (C) having a large amount of modification can be easily obtained even by melt-kneading at a relatively low temperature. Since EVOH is not necessarily a resin having good melt stability at high temperatures, it is preferable to be able to melt-knead at such low temperatures from the viewpoint of preventing deterioration of the resin. When the EVOH (A) is reacted with the monofunctional epoxy compound (B) without using the catalyst (D), the MFR of the modified EVOH (C) obtained is larger than that of the raw material EVOH (A). Although it tends to decrease, the MFR hardly changes when the catalyst (D) is used.
[0079]
The catalyst (D) used in the present invention contains ions of a metal belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table. The most important thing as the metal ion used for the catalyst (D) is that it has a moderate Lewis acidity. From this point, a metal ion belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table is used. Among them, ions of metals belonging to Group 3 or Group 12 of the periodic table are suitable because they have appropriate Lewis acidity, and ions of zinc, yttrium and gadolinium are more preferable. Among them, the catalyst (D) containing zinc ions is most suitable because it has a very high catalytic activity and the resulting modified EVOH (C) has excellent thermal stability.
[0080]
The amount of metal ions belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table is preferably 0.1 to 20 μmol / g in terms of the number of moles of metal ions based on the weight of EVOH (A). If the amount is too large, the EVOH may gel during melt kneading, and more preferably 10 μmol / g or less. On the other hand, when the amount is too small, the effect of adding the catalyst (D) may not be sufficiently exerted, and the amount is more preferably 0.5 μmol / g or more. The suitable addition amount of ions of metals belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table varies depending on the type of metal used and the type of anion described below, and is appropriately adjusted in consideration of those points. Something to be done.
[0081]
The anion species of the catalyst (D) containing an ion of a metal belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table is not particularly limited, but includes a monovalent anion whose conjugate acid is a strong acid equal to or more than sulfuric acid. Is preferred. Anions in which the conjugate acid is a strong acid usually have low nucleophilicity and thus are unlikely to react with the monovalent epoxy compound (B), and can prevent the anion species from being consumed by the nucleophilic reaction and losing the catalytic activity. is there. Also, by having such an anion as a counter ion, the Lewis acidity of the catalyst (D) is improved, and the catalyst activity is improved.
[0082]
Examples of the monovalent anion in which the conjugate acid is a strong acid equal to or more than sulfuric acid include sulfonic acid ions such as methanesulfonic acid ion, ethanesulfonic acid ion, trifluoromethanesulfonic acid ion, benzenesulfonic acid ion, and toluenesulfonic acid ion; Ions, bromine ions, iodine ions and the like; perchlorate ions; tetrafluoroborate ions (BF4 ), Hexafluorophosphate ion (PF6 ), Hexafluoroarsinate ion (AsF6 ), Anion having four or more fluorine atoms such as hexafluoroantimonate ion; tetraphenylborate derivative ion such as tetrakis (pentafluorophenyl) borate ion; tetrakis (3,5-bis (trifluoromethyl) phenyl) borate And carborane derivative ions such as bis (undecahydride-7,8-dicarboundecaborate) cobalt (III) ion and bis (undecahydride-7,8-dicarboundecaborate) iron (III) ion. Is done.
[0083]
When the catalyst (D) containing an anionic species such as hexafluorophosphate or tetrafluoroborate among the above-mentioned anionic species is used, the anionic species itself is thermally stable and very low in nucleophilicity. The anionic species may react with the hydroxyl group in EVOH to generate hydrogen fluoride, which may adversely affect the thermal stability of the resin. The carborane derivative ion of cobalt does not react with EVOH, and the anion species itself is thermally stable but very expensive.
[0084]
A sulfonate ion is preferred as the anion species of the catalyst (D) because it does not react with EVOH, the anion species itself is thermally stable, and the price is appropriate. Suitable sulfonic acid ions include methanesulfonic acid ion, trifluoromethanesulfonic acid ion, benzenesulfonic acid ion and toluenesulfonic acid ion, and trifluoromethanesulfonic acid ion is most preferable.
[0085]
When zinc ion is used as the cationic species of the catalyst (D) and trifluoromethanesulfonate ion is used as the anionic species, the mechanism of the reaction between the EVOH (A) and the monovalent epoxy compound (B) is estimated by the following formula (X). ).
[0086]
Embedded image
Figure 2004161874
[0087]
That is, it is presumed that the oxygen atom of the epoxy group of the monovalent epoxy compound (B) is coordinated to the zinc ion bonded to the hydroxyl group of EVOH in the form of a metal alkoxide, and the epoxy group is opened via a 6-membered transition state. ing. Here, when the conjugate acid of trifluoromethanesulfonic acid ion, which is the counter ion of zinc ion in the transition state, is a strong acid, the Lewis acidity of zinc ion increases, and the catalytic activity improves. On the other hand, the trifluoromethanesulfonate ion itself present as a counter ion does not react with the hydroxyl group of EVOH or the epoxy group of the monovalent epoxy compound (B), and is itself thermally stable, so that a side reaction occurs. The ring-opening reaction proceeds smoothly without any reaction.
[0088]
As described above, the catalyst (D) used in the present invention preferably has a conjugate acid containing a monovalent anion which is a strong acid equal to or more than sulfuric acid. The anionic species need not be the same anionic species. Rather, it is preferable that the conjugate acid simultaneously contains an anion that is a weak acid. With the reaction mechanism represented by the formula (X), one of the anions is released into the system as a conjugate acid when EVOH reacts with the catalyst (D) to form a metal alkoxide. If this is a strong acid, it may react with the monofunctional epoxy compound (B), and may adversely affect the melt stability of EVOH.
[0089]
Examples of anions in which the conjugate acid is a weak acid include alkyl anions, aryl anions, alkoxides, aryloxy anions, carboxylate, acetylacetonate and derivatives thereof. Among them, alkoxide, carboxylate, acetylacetonate and derivatives thereof are preferably used.
[0090]
The mole number of the anion whose conjugate acid is at least as strong as that of sulfuric acid is preferably 0.2 to 1.5 times the mole number of the metal ion in the catalyst (D). If the above molar ratio is less than 0.2 times, the catalytic activity may be insufficient, more preferably 0.3 times or more, and even more preferably 0.4 times or more. On the other hand, if the above molar ratio exceeds 1.5 times, EVOH may gel, and more preferably is 1.2 times or less. The molar ratio is optimally one. In the case where the raw material EVOH (A) contains an alkali metal salt such as sodium acetate, the mole number of the anion whose conjugate acid is a strong acid equal to or more than sulfuric acid is increased by the amount of neutralization and consumption. Can be kept.
[0091]
Although the method for preparing the catalyst (D) is not particularly limited, a preferred method is to dissolve or disperse a compound of a metal belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table in a solvent and obtain the resulting solution or suspension. A method in which a strong acid (such as sulfonic acid) whose conjugate acid is equal to or more than sulfuric acid is added to the liquid. Examples of compounds of metals belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table used as raw materials include alkyl metals, aryl metals, metal alkoxides, metal aryl oxides, metal carboxylate, and metal acetylacetonate. Here, when adding a strong acid to a solution or suspension of a compound of a metal belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table, it is preferable to add the strong acid little by little. The solution containing catalyst (D) thus obtained can be introduced directly into the extruder.
[0092]
As a solvent for dissolving or dispersing a compound of a metal belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table, an organic solvent, particularly an ether solvent, is preferable. This is because it is difficult to react even at the temperature in the extruder and the solubility of the metal compound is good. Examples of the ether solvent include dimethyl ether, diethyl ether, tetrahydrofuran, dioxane, 1,2-dimethoxyethane, diethoxyethane, diethylene glycol dimethyl ether, and triethylene glycol dimethyl ether. As the solvent to be used, those which have excellent solubility of the metal compound, have a relatively low boiling point and can be almost completely removed by the vent of the extruder are preferable. In that respect, diethylene glycol dimethyl ether, 1,2-dimethoxyethane and tetrahydrofuran are particularly preferred.
[0093]
In the method for preparing the catalyst (D), an ester of a strong acid (such as a sulfonate) may be used instead of the strong acid to be added. The ester of a strong acid usually has lower reactivity than the strong acid itself, so it may not react with the metal compound at room temperature. However, when it is put into a high-temperature extruder kept at around 200 ° C., it has activity in the extruder. Catalyst (D) can be produced.
[0094]
As a method for preparing the catalyst (D), another method described below can be adopted. First, a water-soluble metal compound belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table and a strong acid (such as sulfonic acid) whose conjugate acid is equal to or more than sulfuric acid are mixed in an aqueous solution to prepare an aqueous catalyst solution. At this time, the aqueous solution may contain an appropriate amount of alcohol. The obtained catalyst aqueous solution is brought into contact with EVOH (A) and then dried to obtain EVOH (A) containing the catalyst (D). Specifically, a method in which EVOH (A) pellets, particularly porous hydrated pellets, are immersed in the catalyst aqueous solution can be mentioned as a preferable method. In this case, the dried pellets thus obtained can be introduced into an extruder.
[0095]
When the catalyst (D) is used, the temperature in the extruder is preferably set to 180 to 250 ° C. In this case, since the catalyst (D) is present when the EVOH (A) is reacted with the monofunctional epoxy compound (B), the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound can be efficiently mixed and kneaded at a relatively low temperature. The reaction of compound (B) can proceed. If the temperature exceeds 250 ° C., the EVOH may be deteriorated, more preferably 240 ° C. or less. On the other hand, when the temperature is lower than 180 ° C., the reaction between the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) may not proceed sufficiently, and the temperature is more preferably 190 ° C. or higher.
[0096]
The method of causing the catalyst (D) to be present when the EVOH (A) is reacted with the monofunctional epoxy compound (B) is not particularly limited. As a suitable method, there is a method of preparing a solution of the catalyst (D) and adding the solution into an extruder. The method for preparing the solution of the catalyst (D) is as described above. According to this method, the productivity is higher than the alternative method described below, and the catalyst (D) can be supplied stably, so that the quality of the product can be stabilized. The position at which the solution of the catalyst (D) is introduced into the extruder is not particularly limited, but it is preferable to add the EVOH (A) at a place where the EVOH (A) is completely melted, since uniform mixing is possible. In particular, it is preferable to add the monofunctional epoxy compound (B) at the same place as the place where the monofunctional epoxy compound (B) is added or in the vicinity thereof. By blending the catalyst (D) and the monofunctional epoxy compound (B) almost simultaneously, it is possible to minimize the deterioration of the EVOH (A) due to the influence of the catalyst (D) which is a Lewis acid, This is because a reaction time can be secured. Therefore, it is optimal to prepare in advance a liquid in which a solution of the catalyst (D) and the monovalent epoxy compound (B) are mixed, and to add it to the extruder from one place.
[0097]
As another method for causing the catalyst (D) to be present at the time of melt-kneading, there is a method in which a water-containing pellet of EVOH (A) is immersed in a solution of the catalyst (D) and then dried. This method is as described above as another method of preparing the catalyst (D). In this case, the obtained dried pellets are introduced from the hopper into the extruder. However, there is a problem in that an expensive catalyst is treated as a waste liquid, which easily leads to an increase in cost. Still another method is to impregnate the dried pellets with a liquid-state catalyst or mix a solid-state catalyst, and then, if necessary, dry the pellets. In this method, there is a problem that the number of steps is increased, which easily leads to an increase in cost, and it is not always easy to mix the catalyst uniformly. In addition, in any of the above alternative methods, EVOH (A) deteriorates when melt-kneaded in a state where the monofunctional epoxy compound (B) is not present and only the catalyst (D) which is a Lewis acid is present. There is a risk.
[0098]
As described above, it is preferable to melt-knead the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) in an extruder in the presence of the catalyst (D). ) Is further preferably added and melt-kneaded. If the catalyst (D) is not deactivated, the resulting modified EVOH (C) may have poor thermal stability, which may cause a problem in use depending on the application.
[0099]
The catalyst deactivator (E) to be used is not particularly limited as long as it reduces the function of the catalyst (D) as a Lewis acid. Preferably, an alkali metal salt is used. In order to deactivate the catalyst (D) containing a monovalent anion whose conjugate acid is at least as strong as sulfuric acid, it is necessary to use an alkali metal salt of an anion of an acid weaker than the conjugate acid of the anion. It is. By doing so, a counter ion of a metal ion belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table constituting the catalyst (D) is exchanged for a weak acid anion, and as a result, the Lewis acidity of the catalyst (D) decreases. It is. The cationic species of the alkali metal salt used in the catalyst deactivator (E) is not particularly limited, and examples thereof include a sodium salt, a potassium salt and a lithium salt. The anionic species is not particularly limited, and carboxylate, phosphate and phosphonate are exemplified as suitable ones.
[0100]
When a salt such as sodium acetate or dipotassium hydrogen phosphate is used as the catalyst deactivator (E), the thermal stability is considerably improved, but it may still be insufficient for some applications. The reason for this is that the metal ions belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table have some function as Lewis acids, and thus act as a catalyst for the decomposition and gelation of the modified EVOH (C). it is conceivable that. As a method for further improving this point, it is preferable to add a chelating agent that strongly coordinates to ions of metals belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table. As a result of such a chelating agent being able to strongly coordinate to the metal ion, it is possible to almost completely lose its Lewis acidity and to give a modified EVOH (C) having excellent thermal stability. When the chelating agent is an alkali metal salt, as described above, it is also possible to neutralize a strong acid which is a conjugate acid of an anion contained in the catalyst (D).
[0101]
Suitable chelating agents used as the catalyst deactivator (E) include oxycarboxylates, aminocarboxylates, aminophosphonates and the like. Specifically, examples of the oxycarboxylate include disodium citrate, disodium tartrate, disodium malate and the like. Aminocarboxylates include trisodium nitrilotriacetate, disodium ethylenediaminetetraacetate, trisodium ethylenediaminetetraacetate, tripotassium ethylenediaminetetraacetate, trisodium diethylenetriaminepentaacetate, trisodium 1,2-cyclohexanediaminetetraacetate, Monosodium acetate, monosodium N- (hydroxyethyl) iminodiacetic acid and the like are exemplified. Examples of the aminophosphonate include hexasodium nitrilotrismethylenephosphonate and octasodium ethylenediaminetetra (methylenephosphonic acid). Among them, polyaminopolycarboxylic acid is preferable, and alkali metal salt of ethylenediaminetetraacetic acid is most preferable in terms of performance and cost. The estimated reaction mechanism when using trisodium ethylenediaminetetraacetate is shown in the following formula (XI).
[0102]
Embedded image
Figure 2004161874
[0103]
The amount of the catalyst deactivator (E) is not particularly limited, and is appropriately adjusted depending on the type of metal ions contained in the catalyst (D), the number of coordination sites of the chelating agent, and the like. It is preferable that the ratio (E / D) of the number of moles of the catalyst deactivator (E) to the number of moles of the contained metal ion be 0.2 to 10. When the ratio (E / D) is less than 0.2, the catalyst (D) may not be sufficiently deactivated, and is more preferably 0.5 or more, further preferably 1 or more. On the other hand, when the ratio (E / D) is more than 10, the obtained modified EVOH (C) may be colored and the production cost may be increased, more preferably 5 or less. Preferably it is 3 or less.
[0104]
The method of introducing the catalyst deactivator (E) into the extruder is not particularly limited. However, in order to uniformly disperse the catalyst deactivation agent (E) in the molten state of the modified EVOH (C), Preferably, it is introduced. In consideration of the solubility of the catalyst deactivator (E) and the effect on the surrounding environment, it is preferable to add the catalyst as an aqueous solution.
[0105]
The catalyst deactivator (E) may be added to the extruder after melt kneading the EVOH (A) and the monofunctional epoxy compound (B) in the presence of the catalyst (D). However, the ethylene-vinyl alcohol copolymer (A) and the monofunctional epoxy compound (B) are melt-kneaded in the presence of the catalyst (D), and the unreacted monofunctional epoxy compound (B) is removed. It is preferable to add a quenching agent (E). As described above, when the catalyst deactivator (E) is added as an aqueous solution, if the catalyst deactivator (E) is added before removing the unreacted monofunctional epoxy compound (B), the vent This is because water is mixed into the monofunctional epoxy compound (B) which is removed and recovered for use in the separation operation. In addition, after adding the aqueous solution of the catalyst deactivator (E), it is also preferable to remove moisture by venting or the like.
[0106]
In the production method of the present invention, preferred production processes when the catalyst deactivator (E) is used include:
(1) EVOH (A) melting step;
(2) a step of adding a mixture of the monofunctional epoxy compound (B) and the catalyst (D);
(3) Step of removing unreacted monofunctional epoxy compound (B);
(4) a step of adding an aqueous solution of a catalyst deactivator (E);
(5) a step of removing water under reduced pressure;
Of the respective steps are exemplified.
[0107]
The modified EVOH (C) preferably contains 0.1 to 20 μmol / g of a metal ion belonging to Groups 3 to 12 of the periodic table. Such a metal ion can be contained as a catalyst residue when the catalyst (D) is used in the above-described production method. For the type of a suitable metal ion, see the description of the above-mentioned catalyst (D). As mentioned above. More preferably, it is 0.5 μmol / g or more. Further, it is more preferably 10 μmol / g or less.
[0108]
The modified EVOH (C) preferably contains a sulfonic acid ion. Such a sulfonate ion can be contained as a catalyst residue when the catalyst (D) is used in the above-mentioned production method. For the suitable type of the sulfonate ion, see the description of the above-mentioned catalyst (D). As mentioned above. It is preferable that the content of the sulfonic acid ion is 0.1 to 20 μmol / g. More preferably, it is 0.5 μmol / g or more. Further, it is more preferably 10 μmol / g or less.
[0109]
Further, the content of the alkali metal ion in the modified EVOH (C) is preferably 1 to 50 times (molar ratio) the content of the sulfonate ion. The alkali metal ion can be contained as a residue when the catalyst deactivator (E) is used in the above-described production method, and can be contained from the raw material EVOH (A). If the content of the alkali metal ion is less than one time the content of the sulfonic acid ion, the catalyst (D) is not sufficiently deactivated in the production process, and the modified EVOH (C) In some cases, a problem may occur in thermal stability, and more preferably twice or more. On the other hand, when the content of the alkali metal ion exceeds 50 times the content of the sulfonic acid ion, the modified EVOH (C) may be colored, and is preferably 30 times or less.
[0110]
As the modified EVOH (C), at least one selected from the group consisting of an alkali metal salt, an alkaline earth metal salt, a carboxylic acid and a phosphoric acid compound is modified by the reaction of the EVOH (A) and the epoxy compound (B). It can be added after (C) is obtained. In general, EVOH is selected from the group consisting of alkali metal salts, alkaline earth metal salts, carboxylic acids and phosphoric acid compounds as needed to improve various physical properties of EVOH, such as improving adhesion and suppressing coloring. At least one of them is often added. However, as described above, the addition of the various compounds described above may cause coloring and a decrease in viscosity when the EVOH (A) and the epoxy compound (B) are reacted by the extruder. For this reason, after the reaction of the EVOH (A) with the epoxy compound (B), the remaining epoxy compound (B) is removed by venting, and then the mixture is composed of an alkali metal salt, an alkaline earth metal salt, a carboxylic acid, and a phosphoric acid compound. It is preferable to add at least one selected from the group to the obtained modified EVOH (C). By adopting this addition method, modified EVOH (C) can be obtained without causing problems such as coloring and viscosity reduction.
[0111]
The melting point of the modified EVOH (C) thus obtained is preferably 160 ° C. or lower. This makes it possible to reduce the difference in melting point from a resin having a low melting point, such as polyolefin (G), and to lower the molding temperature when melt-molding the resin composition. The temperature is more preferably 150 ° C or lower, and still more preferably 140 ° C or lower.
[0112]
The fuel container of the present invention may be made of a resin composition of the modified EVOH (C) and a thermoplastic resin (T1) other than (C). That is, an object of the present invention is to provide a modified EVOH (C) having an ethylene content of 5 to 55 mol% containing the structural unit (I) of 0.3 to 40 mol%, and a thermoplastic resin (T1) other than (C). This is also achieved by providing a fuel container comprising the resin composition described in (1).
[0113]
At this time, the resin composition composed of the modified EVOH (C) and the thermoplastic resin (T1) other than the (C) preferably contains 1 to 99% by weight of the modified EVOH (C) and the thermoplastic resin (T1). 1 to 99% by weight.
[0114]
Here, the thermoplastic resin (T1) to be blended with the modified EVOH (C) is not particularly limited, and the EVOH, polyolefin, polyamide, polyester, polystyrene, polyvinyl chloride, poly (meta) not containing the structural unit (I) is used. ) Acrylates, polyvinylidene chloride, polyacetal, polycarbonate, polyvinyl acetate, polyurethane, polyacrylonitrile, polyketone, and the like. Also, various copolymers can be used.
[0115]
In particular, it is preferable to use, as the thermoplastic resin (T1), EVOH (F) having an ethylene content of 5 to 55 mol%, which does not contain the structural unit (I). This is because transparency, impact resistance, moldability, and stretchability can be improved without significantly lowering the fuel barrier property of EVOH (F). The same EVOH (F) as the above-mentioned EVOH (A) used as a raw material of the modified EVOH (C) can be used, but it may be appropriately determined according to the composition of the modified EVOH (C) to be blended or the use of the multilayer structure. Selected.
[0116]
For example, from the viewpoints of thermal stability, impact resistance, moldability and stretchability, the ethylene content of EVOH (F) is preferably at least 20 mol%, more preferably at least 25 mol%, and 27 More preferably, it is at least mol%. From the viewpoint of fuel barrier properties, it is preferably at most 50 mol%, more preferably at most 45 mol%, even more preferably at most 38 mol%. Further, the saponification degree of EVOH (F) is preferably at least 99%, more preferably at least 99.5%.
[0117]
The combination of the respective ethylene contents of the modified EVOH (C) and EVOH (F) is adjusted according to the purpose.
[0118]
The resin composition comprising the modified EVOH (C) and EVOH (F) usually comprises 1 to 99% by weight of the modified EVOH (C) and 1 to 99% by weight of the EVOH (F). At this time, it is preferable that the resin composition comprises 1 to 50% by weight of the modified EVOH (C) and 50 to 99% by weight of the EVOH (F). That is, it is preferable that unmodified EVOH (F) is a main component and modified EVOH (C) is a subordinate component. By doing so, impact resistance, moldability and stretchability can be imparted to the resin composition without significantly impairing the fuel barrier properties inherent in EVOH (F). Further, the modified EVOH (C) is economically advantageous because the production cost is higher than that of the unmodified EVOH (F). More preferably, the content of the modified EVOH (C) is at least 2% by weight, more preferably at least 5% by weight. At this time, the more preferable content of EVOH (F) is 98% by weight or less, and further preferably 95% by weight or less. On the other hand, the more preferable content of the modified EVOH (C) is 40% by weight or less, and further preferably 30% by weight or less. At this time, the more preferable content of EVOH (F) is 60% by weight or more, and further preferably 70% by weight or more.
[0119]
It is also preferable to use a polyolefin (G) as the thermoplastic resin (T1). Polyolefin (G) is excellent in mechanical properties and processability and low in cost, so its usefulness is great, but its fuel barrier property is low. By adding the modified EVOH (C) to this, the fuel barrier properties can be improved without significantly impairing impact resistance, moldability, stretchability, and the like. In this case, it is also preferable to configure the fuel container with a single-layer structure.
[0120]
The polyolefin (G) used here is not particularly limited. These polyolefins (G) can be used alone or in combination of two or more. Among them, polypropylene, polyethylene, ethylene-propylene copolymer and ethylene-vinyl acetate copolymer are preferably used, and polyethylene and polypropylene are particularly preferably used.
[0121]
The resin composition comprising the modified EVOH (C) and the polyolefin (G) comprises 1 to 99% by weight of the modified EVOH (C) and 1 to 99% by weight of the polyolefin (G). At this time, the resin composition preferably comprises 10 to 60% by weight of the modified EVOH (C) and 40 to 90% by weight of the polyolefin (G). That is, it is preferable that the resin composition contains about half or more of the polyolefin (G). By doing so, it is possible to impart a fuel barrier property to the resin composition without significantly impairing the mechanical performance and workability inherently possessed by the polyolefin (G). Further, the modified EVOH (C) has a significantly higher production cost than the polyolefin (G), so that it is an economically advantageous compounding ratio. More preferably, the content of the modified EVOH (C) is 20% by weight or more, and at this time, the content of the polyolefin (G) is 80% by weight or less. On the other hand, the more preferable content of the modified EVOH (C) is 50% by weight or less, and the more preferable content of the polyolefin (G) at this time is 50% by weight or more.
[0122]
It is also preferable to use a compatibilizer (H) as the thermoplastic resin (T1). In this case, a thermoplastic resin other than the modified EVOH (C) and the compatibilizer (H) is also contained at the same time, and the compatibility between the thermoplastic resin and the modified EVOH (C) is adjusted by the compatibilizer (H). ) Will improve. The thermoplastic resin whose compatibility with EVOH (C) is improved by the compatibilizer (H) is not particularly limited, but polyolefin (G), polystyrene and the like are preferable. Particularly preferred is when the thermoplastic resin whose compatibility is to be improved is a polyolefin (G). That is, a resin composition in which the thermoplastic resin (T1) includes the polyolefin (G) and the compatibilizer (H) is preferable.
[0123]
The compatibilizer (H) preferably used is a polyolefin, polystyrene, diene polymer having a carboxyl group (including an acid anhydride group), a boron-containing substituent, an epoxy group, an amino group, or a copolymer thereof. It is united. Among them, those having a carboxyl group or a boron-containing substituent are preferable, and examples thereof include those modified with maleic anhydride, those copolymerized with (meth) acrylic acid, and those having a boronic acid (ester) group introduced. You. Further, as the base polymer into which these substituents are introduced, polyolefin is preferable, and polyethylene and polypropylene are particularly preferable. Further, a block copolymer of styrene and a diene and a hydrogenated product thereof are also mentioned as suitable base polymers. Specific examples include carboxylic acid-modified polyolefins and boronic acid-modified polyolefins.
[0124]
The amount of the compatibilizer (H) to be blended is preferably 1 to 20% by weight. More preferably, the content is 2% by weight or more and 10% by weight or less.
[0125]
When a plurality of suitable resins used as the thermoplastic resin (T1) are used in combination, a synergistic effect may be obtained. For example, a resin composition composed of modified EVOH (C), EVOH (F) and polyolefin (G) has performance similar to that of the resin composition composed of modified EVOH (C) and polyolefin (G). This is advantageous in that the manufacturing cost is lower. It is also preferable to add a compatibilizer (H) in addition to the three resins.
[0126]
Various additives may be added to the resin composition of the present invention as needed. Examples of such additives include antioxidants, plasticizers, heat stabilizers, ultraviolet absorbers, antistatic agents, lubricants, colorants, fillers, or other high molecular compounds, and Blends can be blended as long as the effects of the present invention are not impaired. Specific examples of the additive include the following.
[0127]
Antioxidants: 2,5-di-t-butylhydroquinone, 2,6-di-t-butyl-p-cresol, 4,4′-thiobis- (6-t-butylphenol), 2,2′-methylene -Bis- (4-methyl-6-t-butylphenol), octadecyl-3- (3 ', 5'-di-t-butyl-4'-hydroxyphenyl) propionate, 4,4'-thiobis- (6- t-butylphenol) and the like.
UV absorbers: ethylene-2-cyano-3,3'-diphenylacrylate, 2- (2'-hydroxy-5'-methylphenyl) benzotriazole, 2- (2'-hydroxy-5'-methylphenyl) benzo Triazole, 2- (2'-hydroxy-5'-methylphenyl) benzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3'-t-butyl-5'-methylphenyl) 5-chlorobenzotriazole, 2-hydroxy- 4-methoxybenzophenone, 2,2'-dihydroxy-4-methoxybenzophenone and the like.
Plasticizer: dimethyl phthalate, diethyl phthalate, dioctyl phthalate, wax, liquid paraffin, phosphate ester and the like.
Antistatic agents: pentaerythritol monostearate, sorbitan monopalmitate, sulfated polyolefins, polyethylene oxide, carbowax and the like.
Lubricants: ethylene bis stearamide, butyl stearate and the like.
Coloring agents: carbon black, phthalocyanine, quinacridone, indoline, azo pigments, red iron, etc.
Filler: glass fiber, asbestos, ballastonite, calcium silicate, etc.
[0128]
Further, the resin composition of the present invention includes a hydrotalcite compound, a hindered phenol-based heat stabilizer, a hindered amine-based heat stabilizer, and a higher fat to the extent that the effects of the present invention are not impaired in order to improve the melt stability and the like. One or more metal salts of aromatic carboxylic acids (eg, calcium stearate, magnesium stearate, etc.) are added to the resin composition to an extent that the effects of the present invention are not impaired (0.001 to 1% by weight). You can also.
[0129]
The method for blending the modified EVOH (C) and the thermoplastic resin (T1) to obtain the resin composition of the present invention is not particularly limited. The resin pellets can be dry-blended and directly used for melt molding, or more preferably, melt-kneaded using a Banbury mixer, a single-screw or twin-screw extruder, pelletized, and then subjected to melt-molding. In order to prevent the deterioration of the resin from proceeding during the blending operation, it is desirable to extrude at a low temperature by sealing the hopper port with nitrogen. In addition, by using an extruder having a high kneading degree and making the dispersion state fine and uniform, fuel barrier properties, impact resistance and transparency can be improved, and generation and mixing of gels and butts can be prevented. It is preferred in that respect.
[0130]
The kneading operation in the present invention is important in that each resin component in the resin composition is well dispersed. As a kneader for obtaining a composition having a high degree of dispersion, a continuous kneader such as a continuous intensive mixer or a kneading type twin-screw extruder (in the same direction or in a different direction) is most suitable. And a batch-type kneader such as an intensive mixer or a pressure kneader. As another continuous kneading device, a device using a rotating disk having a grinding mechanism such as a stone mill, for example, a KCK kneading extruder manufactured by KCK can be used. Among those usually used as a kneader, a single-screw extruder provided with a kneading section (Dalmage, CTM, etc.) or a simple kneader such as a Brabender mixer can be mentioned.
[0131]
Among them, the most preferred one for the purpose of the present invention is a continuous intensive mixer. Examples of commercially available models include FCM manufactured by Farrel, CIM manufactured by Japan Steel Works, Ltd., KCM, LCM, ACM manufactured by Kobe Steel Works, Ltd., and the like. In practice, it is preferable to employ a device that has a single screw extruder below these kneaders and that simultaneously performs kneading and extrusion pelletization. Further, a twin-screw kneading extruder having a kneading disk or a kneading rotor, for example, TEX manufactured by Nippon Steel Works, ZSK manufactured by Werner & Pfleiderer, TEM manufactured by Toshiba Machine Co., Ltd., PCM manufactured by Ikekai Iron Works Co., Ltd. Are also used for the purpose of kneading in the present invention.
[0132]
In using these continuous kneaders, the shapes of the rotor and the disc play an important role. Particularly, the gap (chip clearance) between the mixing chamber and the rotor chip or the disk chip is important. If the gap is too narrow or too wide, a resin composition having good dispersibility cannot be obtained. The optimum chip clearance is 1 to 5 mm.
[0133]
The rotation speed of the rotor of the kneading machine is in the range of 100 to 1200 rpm, preferably 150 to 1000 rpm, and more preferably 200 to 800 rpm. The inner diameter (D) of the kneader chamber is 30 mm or more, preferably 50 to 400 mm. The ratio L / D to the chamber length (L) of the kneader is preferably 4 to 30. In addition, one kneader may be used, or two or more kneaders may be used in combination. The longer the kneading time, the better the result. However, the kneading time is in the range of 10 to 600 seconds, preferably 15 to 200 seconds, and most preferably 15 to 150 seconds, from the viewpoint of prevention of deterioration of the resin or economy.
[0134]
The modified EVOH (C) or a resin composition containing the same is molded to obtain the fuel container of the present invention. The fuel container of the present invention may be a single-layer container made of modified EVOH (C) or a resin composition containing the same, or may be a multi-layer container in which layers of other materials are laminated. In order to achieve both high fuel barrier properties and mechanical strength, it is preferable to use a multilayer container. That is, a layer composed of a modified EVOH (C) having an ethylene content of 5 to 55 mol% containing the structural unit (I) of 0.3 to 40 mol% and a layer composed of a thermoplastic resin (T2) other than the (C). The object of the present invention is effectively solved by providing a fuel container comprising a multilayer structure having the following.
[0135]
Here, the thermoplastic resin (T2) laminated with the modified EVOH (C) or the resin composition containing the same is not particularly limited, and may be polyolefin, polyamide, polyester, polystyrene, polyvinyl chloride, poly (meth) acrylic acid. Examples include esters, polyvinylidene chloride, polyacetal, polycarbonate, polyvinyl acetate, polyurethane, polyacrylonitrile, polyketone, and the like. Also, various copolymers can be used.
[0136]
Among them, it is preferable that the thermoplastic resin (T2) is a polyolefin. The gasoline barrier property under high humidity and the strength and the like are improved as compared with the case where the resin composition is used as a single layer.
[0137]
Among them, high-density polyethylene is particularly preferably used. The high-density polyethylene in the present invention is obtained by a low-pressure method or a medium-pressure method using a Ziegler catalyst, for example, and has a density of 0.93 g / cm3.3Above, preferably 0.94 g / cm3That's all. Density is usually 0.965 g / cm3It is as follows. In the present invention, the preferable melt index (MI) of the high-density polyethylene (value measured at 190 ° C. under a load of 2160 g) is 0.001 to 0.6 g / 10 min, preferably 0.005 to 0.5 g / min. 1 g / 10 minutes.
[0138]
By stacking such a high-density polyethylene layer on one or both sides of a modified EVOH (C) or a resin composition layer containing the same, a fuel container having excellent fuel barrier properties and excellent impact resistance is provided. Can be obtained. The high-density polyethylene layer is preferably in the innermost layer, or the innermost layer-outermost layer, but the other resin layer is laminated on the innermost layer, or the innermost layer-outermost layer, according to the present invention. Free as long as the purpose is not hindered. Further, it is free to mix another resin or the like in the high-density polyethylene layer as long as the object of the present invention is not hindered. Therefore, if high-density polyethylene is the main component, the recovered layer described later is also considered as the high-density polyethylene layer in the present invention.
[0139]
When laminating the modified EVOH (C) or the resin composition containing the modified EVOH (C) and the thermoplastic resin (T2), it is preferable to arrange an adhesive resin layer between both layers. When the thermoplastic resin (T2) is a polyolefin, it is particularly suitable to dispose an adhesive resin layer since it has little adhesion to the modified EVOH (C).
[0140]
The resin used for the adhesive resin layer is not particularly limited, but a polyurethane-based or polyester-based one-pack or two-pack curable adhesive, an unsaturated carboxylic acid or an anhydride thereof (such as maleic anhydride). With an olefin polymer or copolymer [polyethylene {low density polyethylene (LDPE), linear low density polyethylene (LLDPE), very low density polyethylene (SLDPE)}, ethylene-vinyl acetate copolymer, ethylene- (meta ) Acrylic acid ester (methyl ester or ethyl ester) copolymer] is preferably used. By providing such an adhesive resin layer, it is possible to obtain a fuel tank having excellent interlayer adhesiveness and also excellent barrier properties and impact resistance, which are the objects of the present invention.
[0141]
Further, it is more preferable that the adhesive resin is a carboxylic acid-modified polyethylene resin from the viewpoint of adhesiveness with a high-density polyethylene resin or a polyamide resin or compatibility at the time of scrap recovery. Examples of such carboxylic acid-modified polyethylene resins include polyethylene {low density polyethylene (LDPE), linear low density polyethylene (LLDPE), very low density polyethylene (SLDPE)}, ethylene-vinyl acetate copolymer, ethylene- Carboxylic acid-modified (meth) acrylic ester (methyl ester or ethyl ester) copolymers and the like can be mentioned.
[0142]
In the present invention, a scrap collection layer can be provided as needed. Here, examples of the scrap collected product include a molding loss portion generated when a molded product is manufactured, a crushed scrap collected product used by general consumers, and the like. Further, the scrap can be mixed with the thermoplastic resin (T2) layer.
[0143]
The modified EVOH (C) or the resin composition layer containing it is represented by EVOH, the thermoplastic resin (T2) layer represented by high-density polyethylene is represented by PE, the adhesive resin layer is represented by AD, and the scrap collected layer is represented by REG. At this time, the following layer configuration is a typical example.
[0144]
3 layers: EVOH / AD / PE;
4 layers: EVOH / AD / REG / PE, EVOH / AD / PE / REG;
5 layers: PE / AD / EVOH / AD / PE, REG / AD / EVOH / AD / PE, PE / AD / EVOH / AD / REG;
6 layers: PE / REG / AD / EVOH / AD / PE, REG / PE / AD / EVOH / AD / PE, PE / REG / AD / EVOH / AD / REG, REG / PE / AD / EVOH / AD / REG ;
7 layers: PE / REG / AD / EVOH / AD / REG / PE, PE / REG / AD / EVOH / AD / PE / REG, REG / PE / AD / EVOH / AD / PE / REG, REG / PE / AD / EVOH / AD / REG / PE;
However, the layer configuration is not limited to the above. Among them, preferred layer configurations include EVOH / AD / PE, PE / AD / EVOH / AD / PE, PE / REG / AD / EVOH / AD / PE, and the like.
[0145]
The thickness of each of these layers is not particularly limited, but the preferred thickness when used as a fuel container is 300 to 10000 μm of the thermoplastic resin (T2) layer, more preferably 500 to 8000 μm, and still more preferably 1000 μm. 6000 μm, adhesive resin layer 5 to 1000 μm, more preferably 10 to 500 μm, still more preferably 20 to 300 μm, modified EVOH (C) or a resin composition layer containing it, more preferably 20 to 300 μm. 800800 μm, more preferably 50-600 μm. Further, the total thickness is preferably 300 to 10000 μm, more preferably 500 to 8500 μm, and still more preferably 1000 to 7000 μm. In addition, these thicknesses mean the average thickness in the body of the fuel container. If the overall thickness is too large, the weight becomes too large, which adversely affects the fuel efficiency of automobiles and the like, and increases the cost of the fuel container. On the other hand, if the overall thickness is too small, the rigidity cannot be maintained, and there is a problem that it is easily broken. Therefore, it is important to set the thickness according to the capacity and the application.
[0146]
In the present invention, various additives can be blended in each layer forming the multilayer structure. Examples of such additives include an antioxidant, a plasticizer, a heat stabilizer, an ultraviolet absorber, an antistatic agent, a lubricant, a colorant, and a filler. Specifically, the additive may be added to the composition layer. The above-mentioned ones can be mentioned.
[0147]
The method for molding the fuel container of the present invention is not particularly limited. For example, molding methods used in the field of general polyolefins, for example, extrusion molding, blow molding, injection molding, thermoforming and the like can be mentioned. Among them, the blow molding method and the thermoforming method are preferable, and the coextrusion blow molding method or the coextrusion sheet thermoforming method is particularly preferable.
[0148]
Heretofore, when a fuel container is formed by a co-extrusion blow molding method or a co-extrusion sheet thermoforming method, a spreading effect acts on the EVOH layer, which is usually used as an intermediate layer, during the formation of the container. In some cases, the thickness was not uniform. In particular, when a necking phenomenon occurs in the EVOH layer at the corners of the container, the thickness of the EVOH layer at that portion becomes significantly thinner than the average value of the EVOH layer thickness of the entire container, and impairs the barrier properties of the entire container. There was something. Regarding this phenomenon, particularly in the case of the co-extruded sheet thermoforming method, the barrier reduction accompanying the reduction in the EVOH thickness at the corners often became remarkable. Since the modified EVOH (C) used in the present invention or the resin composition containing the same is excellent in moldability and stretchability, such a problem can be reduced. Therefore, when the fuel container is formed by the co-extrusion blow molding method or the co-extrusion sheet thermoforming method, the present invention has a great benefit.
[0149]
In the case of manufacturing a multilayer container by a blow molding method, both methods of co-injection blow molding and co-extrusion blow molding can be adopted, but co-extrusion blow molding, which can easily handle complicated container shapes, is preferable. It is. In co-extrusion blow molding, a parison is formed by melt extrusion, this parison is sandwiched between a pair of blow molding dies, the parison is cut, and the opposing cut portions are fused. Next, the parison, which has been cut, is expanded into the mold to form a container. However, if the size of the container is large, such as a fuel tank for automobiles, the parison is clamped by a mold and crimped, but the die is not cut off. Often cut with a cutter.
[0150]
The mold temperature at the time of blow molding the fuel container of the present invention is preferably 5 to 30 ° C, more preferably 10 to 30 ° C, and further preferably 10 to 20 ° C. preferable. If the mold temperature is lower than 5 ° C., the mold surface is likely to be dewed, and the appearance of the product after molding may be poor. Further, when the mold temperature exceeds 30 ° C., the cooling time of the resin is prolonged, so that the productivity may be reduced. When the resin cannot be cooled sufficiently, the molded article may be distorted. .
[0151]
In the case of manufacturing by a thermoforming method, a sheet is thermoformed, and the ends of the two molded products are joined by heat sealing to form a fuel container. At this time, if a multilayer sheet is used, a multilayer container can be manufactured.
[0152]
The method for producing the thermoformed multilayer sheet is not particularly limited, and a multilayer sheet is produced by a molding method practiced in the field of general polyolefins and the like, and the obtained multilayer sheet is thermoformed to obtain a thermoformed multilayer sheet. A sheet is obtained. As a method for producing the multilayer sheet, for example, T-die molding, coextrusion molding, dry lamination molding and the like can be adopted, and coextrusion molding is particularly preferable.
[0153]
The term “thermoforming” as used in the present invention means that a sheet or the like is heated and softened and then formed into a mold. As a molding method, a method of forming into a mold shape using a vacuum or a pressurized air and further using a plug as necessary (straight method, drape method, air slip method, snapback method, plug assist method, etc.) and press molding And the like. Various molding conditions such as the molding temperature, the degree of vacuum, the pressure of the compressed air, and the molding speed are appropriately set according to the plug shape, the mold shape, the properties of the raw material sheet, and the like.
[0154]
The molding temperature at the time of thermoforming the multilayer sheet is not particularly limited, as long as the temperature is such that the resin is softened enough to be molded, but the preferred temperature range depends on the configuration of the multilayer sheet. different. For example, when thermoforming the multilayer sheet, the sheet is not melted by heating, or the temperature is not set high enough to transfer irregularities on the metal surface of the heater plate to the film, while the shaping is not sufficient. It is desirable not to lower the temperature. The specific molding temperature is preferably from 130 to 200 ° C, more preferably from 135 to 195 ° C, and even more preferably from 140 to 190 ° C.
[0155]
From the viewpoint of improving the workability of the thermoforming, it is possible to perform the thermoforming under such a condition that the heat-sealed portion is slightly larger, and after performing the thermoforming, it is possible to cut unnecessary portions with a cutter or the like. preferable. The fuel container of the present invention can be obtained by joining the upper and lower surfaces of the thermoformed multilayer sheet obtained in this manner by heat sealing the ends of the thermoformed multilayer sheet.
[0156]
The fuel container in the present invention is a fuel container mounted on an automobile, a motorcycle, a ship, an aircraft, a generator, an industrial machine, an agricultural machine, or a portable container for refueling these fuel containers, Means a container for storing the fuel used to operate them. Typical examples of the fuel include gasoline blended with regular gasoline, methanol or MTBE, but other heavy oil, light oil, kerosene and the like are also exemplified. Among them, the fuel container of the present invention is particularly effective for gasoline blended with methanol and / or MTBE.
[0157]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention is not limited by these Examples. The analysis on the EVOH (A), the modified EVOH (C), the EVOH (F), and the resin composition was performed according to the following method.
[0158]
(1) Ethylene content and degree of saponification of EVOH (A) and EVOH (F)
Deuterated dimethyl sulfoxide as solvent1It was calculated from the spectrum obtained by 1 H-NMR (nuclear magnetic resonance) measurement (using "JNM-GX-500" manufactured by JEOL Ltd.).
[0159]
(2) Intrinsic viscosity of EVOH (A)
0.20 g of a dry pellet made of dry EVOH (A) as a sample was precisely weighed, and this was heated and dissolved in 40 ml of water-containing phenol (water / phenol = 15/85: weight ratio) at 60 ° C. for 3 to 4 hours. The temperature was measured at 30 ° C. with an Ostwald viscometer (t0 = 90 seconds), and the intrinsic viscosity [η] was determined by the following equation.
[Η] = (2 × (ηsp-lnηrel))1/2/ C (L / g)
ηsp = t / t0-1 (specific visibility)
ηrel = t / t0 (relative visibility)
C: EVOH concentration (g / L)
t0: Time when blank (hydrous phenol) passes through viscometer
t: Time when the aqueous phenol solution in which the sample is dissolved passes through the viscometer
[0160]
(3) Determination of acetic acid content in EVOH (A) and EVOH (F)
20 g of a dried EVOH pellet as a sample was put into 100 ml of ion-exchanged water, and heated and extracted at 95 ° C. for 6 hours. The extract was subjected to neutralization titration with 1/50 N NaOH using phenolphthalein as an indicator to quantify the acetic acid content.
[0161]
(4) Determination of Na ion, K ion, Mg ion and Ca ion in EVOH (A), denatured EVOH (C) and EVOH (F)
10 g of a dry pellet of EVOH or modified EVOH (C) as a sample was put into 50 ml of a 0.01 N hydrochloric acid aqueous solution, and stirred at 95 ° C. for 6 hours. The aqueous solution after stirring was quantitatively analyzed using ion chromatography, and the amounts of Na, K, Mg, and Ca ions were quantified. The column used was ICS-C25 manufactured by Yokogawa Electric Corporation, and the eluent was an aqueous solution containing 5.0 mM tartaric acid and 1.0 mM 2,6-pyridinedicarboxylic acid. In the determination, a calibration curve prepared using an aqueous solution of sodium chloride, an aqueous solution of potassium chloride, an aqueous solution of magnesium chloride, and an aqueous solution of calcium chloride was used.
[0162]
(5) Determination of phosphate ion and trifluoromethanesulfonic acid ion in EVOH (A), modified EVOH (C) and EVOH (F)
10 g of a dry pellet of EVOH or modified EVOH (C) as a sample was put into 50 ml of a 0.01 N hydrochloric acid aqueous solution, and stirred at 95 ° C. for 6 hours. The aqueous solution after stirring was quantitatively analyzed using ion chromatography, and the amounts of phosphate ion and trifluoromethanesulfonic acid ion were quantified. The column used was ICS-A23 manufactured by Yokogawa Electric Corporation, and the eluent was an aqueous solution containing 2.5 mM sodium carbonate and 1.0 mM sodium hydrogen carbonate. In the determination, a calibration curve prepared with an aqueous solution of sodium dihydrogen phosphate and an aqueous solution of sodium trifluoromethanesulfonate was used.
[0163]
(6) Determination of zinc ion and yttrium ion in modified EVOH (C)
10 g of dry pellets of denatured EVOH (C) as a sample were put into 50 ml of a 0.01 N hydrochloric acid aqueous solution, and stirred at 95 ° C. for 6 hours. The aqueous solution after stirring was analyzed by ICP emission analysis. The device used was Optima 4300 DV from PerkinElmer. The measurement wavelength used was 206.20 nm in the measurement of zinc ions, and 360.07 nm was used in the measurement of yttrium ions. In the determination, a calibration curve prepared using a commercially available zinc standard solution and a yttrium standard solution, respectively, was used.
[0164]
(7) Melting points of EVOH (A), modified EVOH (C) and EVOH (F)
The melting points of the EVOH and the modified EVOH (C) were measured using a differential scanning calorimeter (DSC) RDC220 / SSC5200H manufactured by Seiko Denshi Kogyo KK in accordance with JIS K7121. However, indium and lead were used for temperature calibration.
[0165]
(8) EVOH (A), modified EVOH (C), EVOH (F), and melt flow rate (MFR) of the resin composition:
The measurement was performed using a melt indexer L244 (manufactured by Takara Kogyo Co., Ltd.). Specifically, a chip of the resin {EVOH (A), modified EVOH (C), EVOH (F), or resin composition} to be measured is filled in a cylinder having an inner diameter of 9.55 mm and a length of 162 mm, and the temperature is 190 ° C. (Example 210 is melted at 210 ° C.), and a uniform load is applied to the melted resin with a plunger having a weight of 2160 g and a diameter of 9.48 mm to provide a diameter of 2.1 mm provided at the center of the cylinder. Outflow rate (g / 10 min) of the resin extruded from the orifice was measured, and this was defined as a melt flow rate (MFR).
[0166]
Synthesis Example 1
100 parts by weight of water-containing pellets (water content: 130% (dry base)) composed of an ethylene-vinyl alcohol copolymer having an ethylene content of 27 mol%, a saponification degree of 99.6%, and an intrinsic viscosity of 0.11 L / g, It was immersed and stirred in 370 parts by weight of an aqueous solution containing 0.1 g / L of acetic acid and 0.044 g / L of potassium dihydrogen phosphate at 25 ° C. for 6 hours. The obtained pellet was dried at 105 ° C. for 20 hours to obtain a dry EVOH pellet. The potassium content of the dried EVOH pellets was 9 ppm (in terms of metal element), the acetic acid content was 56 ppm, the phosphate compound content was 23 ppm (in terms of phosphate group), and the alkaline earth metal salt content was 0 ppm. . The MFR of the dried pellet was 3.5 g / 10 min (210 ° C., under a load of 2160 g). The EVOH thus obtained was used as EVOH (A). In addition, 1,2-epoxybutane was used as the monofunctional epoxy compound (B) having a molecular weight of 500 or less.
[0167]
A TEM-35BS extruder manufactured by Toshiba Machine Co., Ltd. (37 mmφ, L / D = 52.5) was used, and a screw configuration, a vent, and a pressure inlet were installed as shown in FIG. The barrel C1 was cooled with water, the barrels C2 to C3 were set to 200 ° C., and the barrels C4 to C15 were set to 240 ° C., and the operation was performed at a screw rotation speed of 400 rpm. The EVOH (A) was fed at a rate of 11 kg / hr from the resin feed port of C1, melted, and then water and oxygen were removed from the vent 1 and 2.5 kg of 1,2-epoxybutane was injected from the pressure inlet of C9. / Hr (pressure during feed: 6 MPa). Thereafter, unreacted 1,2-epoxybutane was removed from vent 2 to obtain a modified EVOH (C). The MFR of the obtained modified EVOH (C) was 2.0 g / 10 min (at 190 ° C. under a load of 2160 g), and the melting point was 149 ° C.
[0168]
The chemical structure of the modified EVOH (C) thus modified with 1,2-epoxybutane was determined by performing trifluoroacetylation on the modified EVOH (C) according to the following procedure, and then performing NMR measurement. . At this time, the following model compounds were synthesized, and the peaks in the NMR measurement chart in the modified EVOH (C) were assigned by comparing with the NMR measurement charts of the model compounds.
[0169]
(1) Trifluoroacetylation of modified EVOH (C) and NMR measurement
After the modified ethylene-vinyl alcohol copolymer (C) prepared above is pulverized to a particle diameter of 0.2 mm or less, 1 g of this powder is placed in a 100 ml eggplant flask, 20 g of methylene chloride and 10 g of trifluoroacetic anhydride are added, and the mixture is added at room temperature. Stirred. One hour after the start of stirring, the polymer was completely dissolved. After stirring for an additional hour after the polymer was completely dissolved, the solvent was removed with a rotary evaporator. The obtained trifluoroacetylated modified ethylene-vinyl alcohol copolymer (C) was mixed at a concentration of 2 g / L with a mixed solvent of deuterated chloroform and trifluoroacetic anhydride (deuterated chloroform / trifluoroacetic anhydride = 2/1 ( Weight ratio)) and 500 MHz using tetramethylsilane as an internal standard.11 H-NMR was measured.
[0170]
(2) Synthesis of 1-isopropoxy-2-butanol and 1- (1-isopropoxy-2-butoxy) -2-butanol
A 1 L separable flask equipped with a stirrer and a condenser was charged with 180 g of isopropanol and 216 g of epoxybutane, and after purging with nitrogen, 1.6 g of sodium was added, followed by refluxing for 16 hours. After adding 5 g of phosphoric acid thereto, 1-isopropoxy-2-butanol (boiling point: 100 ° C./120 mmHg) and 1- (1-isopropoxy-2-butoxy) -2-butanol (boiling point: 105 C./50 mmHg). 1-isopropoxy-2-butanol thus obtained is a model compound obtained by reacting one molecule of 1,2-epoxybutane with a hydroxyl group of EVOH, and 1- (1-isopropoxy-2-butoxy) -2 -Butanol is a model compound obtained when two or more 1,2-epoxybutane molecules react with the hydroxyl group of EVOH.
[0171]
(3) Synthesis and NMR measurement of 1-isopropoxy-2-trifluoroacetoxy-butane
After 530 mg of the above-prepared 1-isopropoxy-2-butanol and 5 g of methylene chloride were charged into a 20-ml eggplant flask, 1.7 g of trifluoroacetic anhydride was added. After stirring at room temperature for 1 hour, the solvent was removed by a rotary evaporator. About the obtained 1-isopropoxy-2-trifluoroacetoxy-butane, using a mixed solvent of deuterated chloroform and trifluoroacetic anhydride (deuterated chloroform / trifluoroacetic anhydride = 2/1 (weight ratio)) as a solvent, 500 MHz11 H-NMR was measured.
[0172]
(4) Synthesis of 1- (1-isopropoxy-2-butoxy) -2-trifluoroacetoxy-butane and NMR measurement
After 820 mg of 1- (1-isopropoxy-2-butoxy) -2-butanol prepared above and 5 g of methylene chloride were charged into a 20 mL eggplant-shaped flask, 1.7 g of trifluoroacetic anhydride was added. After stirring at room temperature for 1 hour, the solvent was removed by a rotary evaporator. About the obtained 1-isopropoxy-2-trifluoroacetoxy-butane, using a mixed solvent of deuterated chloroform and trifluoroacetic anhydride (deuterated chloroform / trifluoroacetic anhydride = 2/1 (weight ratio)) as a solvent, 500 MHz11 H-NMR was measured.
[0173]
(5) Analysis of NMR measurement chart
Of 1-isopropoxy-2-trifluoroacetoxy-butane1In H-NMR, one signal derived from a methyl proton was present at δ 0.8 to 1.1 ppm. And 1- (1-isopropoxy-2-butoxy) -2-trifluoroacetoxy-butane1In H-NMR, two signals derived from methyl protons were present at δ 0.8 to 1.1 ppm. On the other hand, the modified EVOH (C) produced in Synthesis Example 1 has one signal derived from a methyl proton at δ 0.8 to 1.1 ppm, and thus the modified EVOH (C) obtained in Synthesis Example 1 C) was found to have the following structural unit (XII).
[0174]
Embedded image
Figure 2004161874
[0175]
For the chemical structure in the modified EVOH (C) modified with 1,2-epoxybutane, the content of each of the following structural units was determined.
w: ethylene content (mol%)
x: content of unmodified vinyl alcohol units (mol%)
y: structural unit represented by the above formula (XII) (mol%)
z: structural unit (mol%) represented by the following formula (XIII)
[0176]
Embedded image
Figure 2004161874
[0177]
The relations represented by the following equations (1) to (4) hold between the above w to z.
4w + 2x + 4y + 4z = A (1)
3y + 2z = B (2)
2z = C (3)
x + y = D (4)
However, in the above formulas (1) to (4), A to D represent the modified EVOH (C), respectively.1It is an integrated value of a signal in the following range in H-NMR measurement.
A: Integral value of signal at δ 1.1 to 2.4 ppm
B: Integral value of signal at δ 3.1 to 3.8 ppm
C: Integral value of signal at δ 4.1 to 4.5 ppm
D: Integral value of signal at δ 4.8 to 5.5 ppm
[0178]
From the above formulas (1) to (4), the ethylene content of the modified EVOH (C) is determined as follows.
Ethylene content of modified EVOH (C) (mol%)
= {W / (w + x + y + z)} × 100
= {(3A-2B-4C-6D) / (3A-2B + 2C + 6D)} × 100
Similarly, the content of the structural unit (I) of the modified EVOH (C) is determined as follows.
Content (mol%) of the structural unit (I) of the modified EVOH (C)
= {(Y + z) / (w + x + y + z)} × 100
= {(4B + 2C) / (3A-2B + 2C + 6D)} × 100
The ethylene content of the modified EVOH (C) produced in Synthesis Example 1 was 27 mol%, and the content of the structural unit (I) was 4.5 mol%.
[0179]
Example 1
"HZ8200B" manufactured by Mitsui Petrochemical Co., Ltd. (MFR = 0.01 g / 10 min at 190 ° C., 2160 g load) as high-density polyethylene (HDPE), and "Admer GT4" manufactured by Mitsui Chemicals Co., Ltd. (MFR = 0.2 g / 10 min), and the modified EVOH (C) produced in Synthesis Example 1 was used as a barrier material. The extrusion temperature and the die temperature of each resin are set to 210 ° C. with a blow molding machine TB-ST-6P manufactured by Suzuki Kogakusho to have a layer configuration of HDPE / adhesive resin / barrier material / adhesive resin / HDPE. The seed 5-layer parison was extruded, blown in a mold at 15 ° C., and cooled for 20 seconds to obtain a 500 mL bottle made of a multilayer blow molded product. The total layer thickness of the bottle was 2175 μm, and the layer configuration was (inside) HDPE / adhesive resin / barrier material / adhesive resin / HDPE (outside) = 1000/50/75/50/1000 μm. The bottle was molded without any problem. The appearance of the bottle was good.
[0180]
Into this multi-layer bottle container, put 300 ml of model gasoline {a mixture of toluene (45% by weight): isooctane (45% by weight): methanol (10% by weight)} and completely stopper using aluminum foil without leakage. Then, the bottle was allowed to stand in an atmosphere of 40 ° C. and 65% RH, and the amount of weight loss after 14 days (average value of n = 6) was determined. The weight loss was 0.50 g.
[0181]
Next, the same multilayer container as described above was filled with ethylene glycol at 60% of its internal volume, left in a freezer at 40 ° C. for 3 days, dropped on concrete, and destroyed the bottle (the ethylene glycol inside the container). Was leaked). For the breaking height, a 50% breaking height was determined by using the calculation method shown in the JIS test method (part of “8. Calculation” of K7211) using the test result of n = 30. The breaking height was 8.0 m. The evaluation results are summarized in Table 1.
[0182]
Example 2
Ethylene content 32 mol%, degree of saponification 99.9%, melt flow rate (190 ° C, 2160 g load) 1.6 g / 10 min, 90 parts by weight of EVOH (F) having a melting point of 183 ° C, and obtained in Synthesis Example 1. 10 parts by weight of the modified EVOH (C) thus obtained were dry-blended, and a 30 mmφ twin screw extruder (Tex-30SS-30CRW-2V, manufactured by Nippon Steel Works Co., Ltd.) was used. The resin composition was extruded under the condition of an amount of 25 kg / hour, pelletized, and then dried with hot air at 80 ° C. for 16 hours to obtain a resin composition. The content of the phosphate compound (in terms of phosphate group), the content of acetic acid, and the content of Na ion (in terms of metal element) of EVOH (F) were measured, and were 52 ppm, 290 ppm, and 205 ppm, respectively. The melt flow rate (at 190 ° C., 2160 g load) of the resin composition was 1.7 g / 10 minutes.
[0183]
A multilayer bottle container was obtained in the same manner as in Example 1, except that the above resin composition was used instead of the modified EVOH (C) obtained in Synthesis Example 1. In this multi-layer container, 300 ml of model gasoline {a mixture of toluene (45% by weight): isooctane (45% by weight): methanol (10% by weight)} was added, and the bottle weight loss amount was determined in the same manner as in Example 1. n = 6). The weight loss was 0.42 g. Using the same multilayer bottle as above, the bottle breaking height at −40 ° C. was determined in the same manner as in Example 1. The breaking height was 6.8 m. The evaluation results are summarized in Table 1.
[0184]
Comparative Example 1
Instead of the modified EVOH (C) obtained in Synthesis Example 1, an ethylene content of 32 mol%, a saponification degree of 99.9%, a melt flow rate (190 ° C.-2160 g load) of 1.6 g / 10 min, and a melting point of 183 were used. A multilayer bottle container was obtained in the same manner as in Example 1, except that unmodified EVOH (F) at a temperature of ° C was used. Into this multi-layer bottle container, 300 ml of model gasoline {a mixture of toluene (45% by weight): isooctane (45% by weight): methanol (10% by weight)} was placed, and the bottle weight loss was determined in the same manner as in Example 1. (Average value of n = 6) was obtained. The weight loss was 0.40 g. Using the same multilayer bottle as above, the bottle breaking height at −40 ° C. was determined in the same manner as in Example 1. The breaking height was 4.2 m. The evaluation results are summarized in Table 1.
[0185]
[Table 1]
Figure 2004161874
[0186]
As shown in Examples 1 and 2, when the modified EVOH (C) of the present invention or a resin composition containing the same is used, the impact resistance of the fuel container is significantly reduced without greatly impairing the gasoline barrier property. It can be improved. On the other hand, in Comparative Example 1 using only unmodified EVOH (F), although the bottle weight reduction rate, that is, the gasoline barrier property is superior to Examples 1 and 2, the impact resistance of the container is significantly inferior. Further, the container of Example 1 using the modified EVOH (C) of the present invention alone was compared with the container of Example 2 using a mixture of modified EVOH (C) and unmodified EVOH (F) for the barrier layer. This shows that the effect of improving the impact resistance is excellent. On the other hand, the container of Example 2 using the mixture of the modified EVOH (C) and the unmodified EVOH (F) for the barrier layer has a gasoline barrier compared to the container of Example 1 using the modified EVOH (C) alone. Excellent in nature.
[0187]
Example 3
Using the modified EVOH produced in Synthesis Example 1 as a barrier material, a multilayer sheet (i) (HDPE / adhesive resin / barrier material / adhesive resin / HDPE) was produced using a three-type, five-layer coextrusion apparatus. The layer configuration of the film was 450 μm for the HDPE resin (“HZ8200B” manufactured by Mitsui Chemicals) of the inner and outer layers, 50 μm for the adhesive resin (“Admer GT4” manufactured by Mitsui Chemicals), and 75 μm for the barrier material of the intermediate layer.
[0188]
The obtained multilayer sheet was heated at 160 ° C. using a thermoforming machine (manufactured by Asano Seisakusho, vacuum pressure deep drawing machine FX-0431-3) and compressed air (atmospheric pressure 5 kgf / cm).2) To obtain a thermoformed container by thermoforming into a round cup shape (mold shape: upper part 75 mmφ, lower part 60 mmφ, depth 75 mm, drawing ratio S = 1.0). The molding conditions are shown below.
Heater temperature: 400 ° C
Plug: 45φ × 65mm
Plug temperature: 150 ° C
Mold temperature: 70 ° C
[0189]
The obtained thermoformed container is a cup-shaped container (ii) having an inner volume of about 150 ml. The vicinity of the bottom of the cup-shaped container (ii) is cut off, and the intermediate portion composed of the modified EVOH (C) at the bottom corner of the cup is cut off. The thickness of the layer was measured by cross-sectional observation with an optical microscope (average value of n = 5). The thickness of the intermediate layer at the corner of the cup was 35 μm.
[0190]
140 ml of a mixture of model gasoline {toluene (45% by weight): isooctane (45% by weight): methanol (10% by weight)} is placed in this multilayer container, and the same co-extruded sheet (i) as above is circularized. The cut product was placed on the upper portion of the cup, and then molded by a hot plate welding method with the lid completely covered so that the contents did not leak, to obtain a cup-shaped container in which model gasoline was sealed. This was left in an atmosphere of 40 ° C. and 65% RH, and the weight loss of the cup after 14 days (average value of n = 6) was determined. The weight loss was 0.32 g. Table 2 summarizes the evaluation results.
[0191]
Example 4
A co-extruded sheet (i ') and a cup-shaped container (in the same manner as in Example 3) except that the modified EVOH (C) obtained in Synthesis Example 1 was replaced with the resin composition described in Example 2. ii '). When the thickness of the intermediate layer at the corner of the cup was measured by the same method as that described in Example 3, the thickness of the intermediate layer in the cup-shaped container (ii ') was 34 [mu] m.
[0192]
Using a co-extruded sheet (i ') and a cup-shaped container (ii'), in the same manner as described in Example 3, model gasoline @ toluene (45% by weight): isooctane (45% by weight): A cup-shaped container enclosing 140 ml of a mixture of methanol (10% by weight) was obtained. This was left in an atmosphere of 40 ° C. and 65% RH, and the weight loss of the cup after 14 days (average value of n = 6) was determined. The weight loss was 0.30 g. Table 2 summarizes the evaluation results.
[0193]
Comparative Example 2
Instead of the modified EVOH (C) obtained in Synthesis Example 1, an ethylene content of 32 mol%, a saponification degree of 99.9%, a melt flow rate (190 ° C.-2160 g load) of 1.6 g / 10 minutes, and a melting point of 183 ° C. Coextruded sheet (i ″) and cup-shaped container (ii ″) were obtained in the same manner as in Example 3, except that the unmodified EVOH (F) was used. When the thickness of the intermediate layer at the corner of the cup was measured by the same method as that described in Example 3, the thickness of the intermediate layer in the cup type container (ii ″) was 12 μm.
[0194]
Using a co-extruded sheet (i ″) and a cup-shaped container (ii ″), in the same manner as described in Example 3, the model gasoline @ toluene (45% by weight): isooctane (45% by weight) ): A cup-shaped container enclosing 140 ml of a mixture of methanol (10% by weight) was obtained. This was left in an atmosphere of 40 ° C. and 65% RH, and the weight loss of the cup after 14 days (average value of n = 6) was determined. The weight loss was 0.40 g. Table 2 summarizes the evaluation results.
[0195]
[Table 2]
Figure 2004161874
[0196]
As shown in Examples 3 and 4, when the modified EVOH (C) of the present invention or a resin composition containing the same was used, the container was more susceptible than Comparative Example 2 using only unmodified EVOH (F). The thickness of the barrier layer at the corners can be increased, and the amount of gasoline permeated from the entire container can be reduced. That is, in Examples 3 and 4, as a result of the good stretchability, the gasoline permeation amount from the entire container is smaller than that of Comparative Example 2 because the barrier layer thickness in the multilayer container is uniform. It is. Further, the container of Example 4 using a mixture of modified EVOH (C) and unmodified EVOH (F) for the barrier layer has a gasoline barrier compared to the container of Example 3 using modified EVOH (C) alone. Excellent in nature.
[0197]
【The invention's effect】
The fuel container of the present invention has excellent fuel barrier properties, excellent impact resistance, and good moldability. Thereby, it is possible to provide a fuel container excellent in permeation prevention performance and impact resistance to gasoline, particularly oxygen-containing gasoline such as alcohol-containing gasoline and MTBE-containing gasoline.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram of the configuration of an extruder used for producing modified EVOH (C) in Synthesis Example 1.

Claims (8)

下記構造単位(I)を0.3〜40モル%含有するエチレン含有量5〜55モル%の変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)からなる燃料容器。
Figure 2004161874
(式中、R、R、R及びRは、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。R、R、R及びRは同じ基でも良いし、異なっていても良い。また、RとRとは結合していても良い。またR、R、R及びRは水酸基、カルボキシル基又はハロゲン原子を有していても良い。)
A fuel container comprising a modified ethylene-vinyl alcohol copolymer (C) having an ethylene content of 5 to 55 mol% containing the following structural unit (I) of 0.3 to 40 mol%.
Figure 2004161874
(Wherein, R 1 , R 2 , R 3 and R 4 represent a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, an alicyclic hydrocarbon group having 3 to 10 carbon atoms or 6 to 10 carbon atoms) R 1 , R 2 , R 3 and R 4 may be the same or different, and R 3 and R 4 may be bonded. R 1 , R 2 , R 3 and R 4 may have a hydroxyl group, a carboxyl group or a halogen atom.)
下記構造単位(I)を0.3〜40モル%含有するエチレン含有量5〜55モル%の変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)と、(C)以外の熱可塑性樹脂(T1)との樹脂組成物からなる燃料容器。
Figure 2004161874
(式中、R、R、R及びRは、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。R、R、R及びRは同じ基でも良いし、異なっていても良い。また、RとRとは結合していても良い。またR、R、R及びRは水酸基、カルボキシル基又はハロゲン原子を有していても良い。)
A modified ethylene-vinyl alcohol copolymer (C) having an ethylene content of 5 to 55 mol% containing the following structural unit (I) of 0.3 to 40 mol%, and a thermoplastic resin (T1) other than (C). A fuel container comprising the resin composition of claim 1.
Figure 2004161874
(Wherein, R 1 , R 2 , R 3 and R 4 represent a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, an alicyclic hydrocarbon group having 3 to 10 carbon atoms or 6 to 10 carbon atoms) R 1 , R 2 , R 3 and R 4 may be the same or different, and R 3 and R 4 may be bonded. R 1 , R 2 , R 3 and R 4 may have a hydroxyl group, a carboxyl group or a halogen atom.)
熱可塑性樹脂(T1)が前記構造単位(I)を含有しないエチレン含有量5〜55モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体(F)である請求項2記載の燃料容器。The fuel container according to claim 2, wherein the thermoplastic resin (T1) is an ethylene-vinyl alcohol copolymer (F) containing the structural unit (I) and having an ethylene content of 5 to 55 mol%. 下記構造単位(I)を0.3〜40モル%含有するエチレン含有量5〜55モル%の変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)からなる層と(C)以外の熱可塑性樹脂(T2)からなる層を有する多層構造体からなる燃料容器。
Figure 2004161874
(式中、R、R、R及びRは、水素原子、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。R、R、R及びRは同じ基でも良いし、異なっていても良い。また、RとRとは結合していても良い。またR、R、R及びRは水酸基、カルボキシル基又はハロゲン原子を有していても良い。)
A layer comprising a modified ethylene-vinyl alcohol copolymer (C) having an ethylene content of 5 to 55 mol% containing the following structural unit (I) of 0.3 to 40 mol% and a thermoplastic resin (T2) other than (C) A) a fuel container comprising a multilayer structure having a layer comprising
Figure 2004161874
(Wherein, R 1 , R 2 , R 3 and R 4 represent a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, an alicyclic hydrocarbon group having 3 to 10 carbon atoms or 6 to 10 carbon atoms) R 1 , R 2 , R 3 and R 4 may be the same or different, and R 3 and R 4 may be bonded. R 1 , R 2 , R 3 and R 4 may have a hydroxyl group, a carboxyl group or a halogen atom.)
熱可塑性樹脂(T2)がポリオレフィンである請求項4記載の燃料容器。The fuel container according to claim 4, wherein the thermoplastic resin (T2) is a polyolefin. 中間層が前記変性エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)であり、その両面に接着性樹脂層を介してポリオレフィンからなる内外層が積層された多層構造体からなる請求項5記載の燃料容器。6. The fuel container according to claim 5, wherein an intermediate layer is the modified ethylene-vinyl alcohol copolymer (C), and a multilayer structure in which inner and outer layers made of polyolefin are laminated on both surfaces of the intermediate layer via an adhesive resin layer. ブロー成形してなる請求項1〜6のいずれか記載の燃料容器。The fuel container according to any one of claims 1 to 6, which is blow molded. 熱成形してなる請求項1〜6のいずれか記載の燃料容器。The fuel container according to any one of claims 1 to 6, obtained by thermoforming.
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