JP2004160301A - 淡水化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定して高い気化効率が得られる太陽熱利用の淡水化装置を提供する。
【解決手段】上部を凸レンズ4で形成し、気化させる海水を貯留する容器2と、容器2内に設けた回転ドラム3と、海水が気化した水蒸気と容器2に供給する前の海水を熱交換する熱交換器5と、海水の給水タンク6と、海水を加熱する太陽熱温水器7と、水蒸気を液化した淡水を貯留する淡水タンク9と、容器2内部を減圧する吸引ポンプ10と、取水ポンプ8と、容器2下方の凹面鏡11と、水位コントローラ12と、回転ドラム3の駆動モータ16と吸引ポンプ10の制御装置18を備えた淡水化装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】上部を凸レンズ4で形成し、気化させる海水を貯留する容器2と、容器2内に設けた回転ドラム3と、海水が気化した水蒸気と容器2に供給する前の海水を熱交換する熱交換器5と、海水の給水タンク6と、海水を加熱する太陽熱温水器7と、水蒸気を液化した淡水を貯留する淡水タンク9と、容器2内部を減圧する吸引ポンプ10と、取水ポンプ8と、容器2下方の凹面鏡11と、水位コントローラ12と、回転ドラム3の駆動モータ16と吸引ポンプ10の制御装置18を備えた淡水化装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽熱を利用して海水を淡水化する淡水化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、太陽熱を利用して液体を加熱し蒸留する方法としては、蒸留しようとする液体を熱媒体を介して加熱する間接式の方法が知られている。例えば、特許文献1には、水などの熱媒体を太陽熱集熱器の集熱板の下部から流入させて上部から排出し、海水を収容し減圧した缶胴内に配設した熱交換器との間で循環させ、太陽熱で熱媒体を集熱板にて加熱することで蒸気となし、この蒸気を熱交換器で缶胴内の海水と熱交換をして海水を加熱し、海水の蒸気を凝縮器にて冷却して淡水として集めるという技術が開示されている。
【0003】
また,特許文献2には、蒸留しようとする液体を直接加熱する直接式の方法が記載されており、パイプが複数配設され広い集熱面を有する太陽熱集熱器に、蒸留しようとする液体を収容した容器から連続的に供給し、加熱によって蒸気となし、空冷式コンデンサにて冷却して液化するという技術が開示されている。
【0004】
その他の加熱手段として、特許文献3においては、凹面鏡を用いた集光レンズを太陽光追尾システムに連動させ、集光レンズにより反射集光して、往復路を形成する金属製の細いパイプに熱媒体を通し、集光光線を照射することでパイプ中の熱媒体を加熱する方法が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−279944号公報(段落番号0006、0033〜0035、図1)
【特許文献2】
特開昭60−48101号公報公報(第2頁、図1)
【特許文献3】
特開平11−125470号公報(段落番号0010〜0020、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1〜3に記載の太陽熱を利用した液体の加熱において、太陽熱により液体の温度を効率良く上昇させるためには、太陽光を受ける集熱板やパイプの総表面積、および内部を流れる液体の流速が問題となってくる。
【0007】
加熱しようとする液体を集熱板やパイプ内部を流しながら温度を上昇させる構造では、太陽光が弱い場合は一定の温度まで上昇させるに要する時間が多くかかり、太陽熱を多く受けるには、流れる速度を遅くする必要がある。また太陽光が強い場合は受ける熱量が多く、過度の加熱となりやすいので、流れる速度を早くする必要がある。しかし、加熱しようとする液体が大量である場合には、太陽光の強弱の変化でポンプによる流速の加速または減速を行っても、この加減速が液体全体に反映するまでには時間を要するという問題がある。
【0008】
また、パイプに太陽光を当て液体を加熱する構造では、パイプの長さを一定とした場合、太陽熱を受ける面積を大きくするには、直径を大きくする必要があるが、パイプ内部の液体は、高い温度となると上部を流れ、下部を流れる液体の温度を上昇させるのは難しくなる。また直径を小さくし、総長を長くすることで表面積を大きくしようとした場合、液体がパイプ内部を通過する時間が長くなり、前述したように太陽光が強い場合に,温度上昇に要する時間が短いため、過度の加熱となる。そのため、パイプを任意の長さごとに分割し、分割したパイプへそれぞれ流水ポンプを備える必要があるなど、装置の規模が大きくなるという問題がある。また、総長を長くすることなく太陽光に面する表面積を大きくするためにパイプ形状を楕円形にしたりフィンを付けたりすることが考えられるが、パイプ自体が特殊なものとなりコスト高となる。
【0009】
また、従来の太陽熱を利用した淡水化装置では、海水を予備加熱する方法を採っていないため、海水を気化させる効率が低いという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、安定して高い気化効率が得られる太陽熱利用の淡水化装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の淡水化装置は、太陽熱を利用して海水を淡水化する装置であって、上部を透光部材で形成した海水貯留用の容器と、前記容器の内部に設けた回転ドラムと、前記容器の内部を減圧する吸引ポンプと、前記容器内で発生する水蒸気を容器に供給する前の海水と熱交換する熱交換器と、前記容器内の海水温度の測定結果に基づき前記回転ドラムの回転速度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする。
【0012】
上部を透光部材で形成した海水貯留用の容器内で回転ドラムが回動することで、透光部材を介して太陽光が回転ドラム表面に幅広く照射されるので、回転ドラム表面に付着した海水が順次加熱され、海水が効率良く気化される。
また、吸引ポンプにより容器内の気圧を減圧することで、海水の沸点が下がり気化しやすい状態とすることができる。
【0013】
また、容器内で発生する水蒸気と容器に供給する前の海水とを熱交換する熱交換器を備えたことで、水蒸気を液化させて淡水とするとともに、容器に供給する海水を予備加熱することができ、容器内での海水の気化をより効率的にすることができる。
【0014】
また、容器内の海水温度の測定結果に基づき回転ドラムの回転速度を制御する制御装置を備え、この制御装置により、容器内の海水温度が低いときは、回転ドラムの回転速度を低速にして、回転ドラム表面に付着した海水が太陽熱を受ける時間を長くなるようにし、海水温度が高いときは、回転ドラムの回転速度を高速にして、回転ドラム表面に付着した海水が太陽熱を受ける時間を短くするように制御することにより、効率良い海水の気化が可能となる。
【0015】
この回転ドラムは、表面を多孔質部材または網目状部材で形成することが望ましい。表面を多孔質または網目状とすることにより、回転ドラムに付着する海水の量を多くして、淡水化する量を多くすることができる。多孔質部材としては例えば黒色セラミックタイルを用いることができ、網目状部材としては例えばステンレス鋼線を編んだ網を重畳した網状体を用いることができる。
【0016】
また、容器の上部を形成する透光部材を1個または複数個の凸レンズで構成することが望ましい。透光部材を凸レンズで構成することにより、太陽光を拡散させることなく回転ドラムの表面へ照射することが可能となる。また、複数個の凸レンズで構成することで、1枚あたりの凸レンズを小型化でき低コストで製作することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態に係る淡水化装置の部分断面図、図2は淡水化装置の容器および凹面鏡を側面から見た断面図である。
【0018】
図1および図2において、本実施形態の淡水化装置1は、上部が凸レンズ4で形成され、気化させる海水を貯留する容器2と、容器2内に設けた回転ドラム3と、海水を気化した水蒸気と容器2に供給する前の海水を熱交換する熱交換器5と、海水の給水タンク6と、熱交換後の海水をさらに加熱する太陽熱温水器7と、水蒸気を液化した淡水を貯留する淡水タンク9と、容器2内部を減圧する吸引ポンプ10と、取水ポンプ8と、容器2下方の凹面鏡11と、水位コントローラ12と、回転ドラム3の駆動モータ16と吸引ポンプ10の制御装置18を備えている。
【0019】
容器2は、太陽光を集光するための凸レンズ4で上部を形成し、内部に一定量貯留された海水に一部分が浸かるよう配設した回転ドラム3を備えている。また容器2は、気密性を持ち、吸引ポンプ10にて約200mmHg程度に減圧することによって、海水が約50℃から気化し始める。
【0020】
熱交換器5は、容器2にて気化した水蒸気と取水ポンプ8にて取水した海水と熱交換を行う。熱交換をすることで、水蒸気の大部分は冷却され液化して淡水となり、海水は加熱され給水タンク6および太陽熱温水器7を経由して容器2へ供給される。
【0021】
給水タンク6は、熱交換器5にて予備加熱された海水を一時的に蓄えるタンクである。
【0022】
太陽熱温水器7は、太陽熱を利用した加熱装置であり、内部を通過する海水を太陽熱で加熱する機能を有しており、従来公知の太陽熱温水器を利用することができる。
【0023】
淡水タンク9には、吸引ポンプ10の吸入口が上部に接続されている。熱交換器5にて水蒸気の大部分が冷却され、液化した淡水と一部の蒸気は淡水タンク9内に流入して、重力により淡水は下部にたまり、空気と水蒸気は上部の吸入口から吸引ポンプ10へ吸引される。
【0024】
吸引ポンプ10は、容器2内部を減圧するとともに、海水から気化した蒸気を容器2から熱交換器5へ吸引し、液化した淡水と一部の蒸気を淡水タンク9へ流す機能を有する。
【0025】
取水ポンプ8は、常時作動し、容器2内で気化する海水の量より多く海水を汲み上げる。
【0026】
水位コントローラ12は、容器2内の海水水位を制御しており、回転ドラム3の所定の一部分が海水に浸かる一定水位を超える海水を、排水管13へ排出する機能を有する。
【0027】
制御装置18は、容器2内の海水の温度測定結果に基づいて、回転ドラム3の駆動モータ16の回転速度を制御する。海水温度があらかじめ定めた温度より高くなると回転速度を早くし、温度が低くなると回転速度を遅くする。また、海水の初期温度があらかじめ定めた温度以上になると吸引ポンプ10を始動させ、温度が上昇するとともに吸引力を低下させ、下降するとともに吸引力を高め、あらかじめ定めた温度以下になると停止させる。
【0028】
回転ドラム3は、容器2内部で安定して回動するように、中心に容器2を貫通するシャフト15を連結部18にて連結している。シャフト15は容器2を貫通して駆動モータ16に結合する。
また、回転ドラム3の表面は、保水性が高く熱に強い材質である、黒色セラミックタイルで覆われており、表面に多くの海水が付着する構造である。
【0029】
凸レンズ4は、焦点を回転ドラム3の表面上とするよう形成し配置すると、容器2上部から入る太陽光を集束した熱エネルギーで回転ドラム3が焼損するおそれがあり、加熱する範囲も局所的となり効率が低下するので、容器2上部から入る太陽光を回転ドラム3上へ幅広く投影するよう、凸レンズ4は回転ドラム3の表面までの距離が焦点距離より短くなるよう形成し配置している。
【0030】
凹面鏡11も凸レンズ4と同様に、焦点を容器2の底面とすると容器2が焼損するおそれがあるため、凹面鏡11が反射する太陽光を幅広く容器2底面へ照射するよう、容器2の底面までの距離が焦点距離より短くなるよう形成し配置している。
【0031】
以上のように構成された淡水化装置の運転方法について説明する。
【0032】
まず、取水ポンプ8により海水が取り込まれ、熱交換器5を経由し給水タンク6にて一時蓄えられる。この段階では容器2での海水の気化は始まっていないので、熱交換器5では海水は通過するだけである。給水タンク6に一時蓄えられた海水は太陽熱温水器7で太陽熱により予備加熱された後に、容器2へ供給される。
【0033】
容器2内の海水は、凸レンズ4を介しての太陽熱および凹面鏡11からの太陽熱の反射により加熱される。海水の温度があらかじめ定めた温度まで上昇すると、制御装置18は吸引ポンプ10を始動させて容器2内部を減圧させるとともに、回転ドラム3の駆動モータ16を始動させる。回転ドラム3が回動することで、回転ドラム3の表面が順次海水へ浸り、回転ドラム3表面に海水が付着する。
【0034】
容器2内は減圧されているため海水の沸点が下がり気化しやすい状態となっているので、回転ドラム3表面に付着した海水は、凸レンズ4を介しての太陽熱および凹面鏡11からの太陽熱の反射により加熱されて、容易に気化し水蒸気となる。気化した水蒸気は、吸引ポンプ10の吸引により熱交換器5へ流れ込み、取水ポンプ8によって汲み上げられた海水と熱交換を行うことで冷却され、大部分が淡水となって淡水タンク9の下部へ蓄えられる。淡水とならなかった一部の水蒸気および吸引された容器2内の空気は淡水タンク9上部より吸引ポンプ10により吸引され排気される。熱交換器5にて加熱された海水は給水タンク6へ一時蓄えられ、太陽熱温水器7で再度加熱された後に、容器2へ供給される。
【0035】
取水ポンプ8は、容器2内で気化して減少する海水の量より多く取水しており、容器2内の所定水位を超える程度になるが、水位コントローラ12により容器2内の海水水位を制御することで、所定水位以上の海水は排水管13へ排出され、容器2内の海水が入れ替わることによって、容器2内の海水の塩分濃度が高くなるのが抑制される。
【0036】
太陽光が弱くなると、凸レンズ4を介しての太陽熱および凹面鏡11からの太陽熱の反射が少なくなるので、回転ドラム3の表面温度が下がり、容器2内の海水温度も低下し、海水の気化効率が低下する。制御装置18は、容器2内の海水の温度があらかじめ定めた温度より低くなると、回転ドラム3の駆動モータ16の回転速度を制御し、回転ドラム3の回転を遅くすることで、凸レンズ4を介しての太陽熱が長い時間回転ドラム3へ作用するよう制御する。また吸引ポンプ10の吸引力を高め、容器2内をより減圧させ、海水の沸点下げることで、海水の気化を促進させる。逆に太陽光が強くなると、回転ドラム3の表面温度が上がり、容器2内の海水温度が上昇するので、制御装置18は、回転ドラム3の回転を早くし、凸レンズ4を介しての太陽熱が短い時間回転ドラム3へ作用するよう制御し、海水が気化する量を多くする。また、制御装置18は、吸引ポンプ10の吸引力を低下させることで容器2内の気圧を上げる作用があるが、気密性を持つ容器2内では、蒸気が熱交換器5にて冷却され凝縮し淡水となることで気圧が下がるため、容器2内の気圧にはあまり影響をあたえない。つまり回転ドラム3の回転速度をおよび吸引ポンプ10の吸引力を制御することで太陽光の強弱の変化に対し安定した淡水化を行うことが可能となる。
【0037】
図3は、凸レンズ4の他の実施形態を示している。
この実施形態では、蒲鉾型に形成された複数個の凸レンズ19を配置している。凸レンズ19は、容器2上部から入る太陽光を回転ドラム3上へ幅広く投影するよう、それぞれが照射する範囲が重複せず、凸レンズ19から回転ドラム3の表面までの距離が焦点距離より短くなるよう形成し配置している。複数個の凸レンズ19を配置することで、一個あたりの凸レンズを小型化でき、低コストで製作することができる。
【0038】
図4は、凹面鏡11の他の実施形態を示している。
この実施形態では、複数個の凹面鏡20を配置している。凹面鏡20は太陽熱を幅広く容器2底面へ反射するよう、反射範囲が重複せず、凹面鏡20から容器2の底面までの距離が焦点距離より短くなるよう形成し配置している。複数個の凹面鏡20を配置することで、一個あたりの凹面鏡を小型化でき、低コストで製作することができる。
【0039】
また、凹面鏡11,20の効果をより高める手段として、容器2の表面を黒色系とすることで熱吸収が良くなり、より効率良く容器2の底面を加熱することができる。
【0040】
また、常に太陽の方向へ向くよう制御する太陽追従装置を設け、凸レンズ4,19および凹面鏡11,20の向きを制御すると、容器2内の温度をより効率よく上昇させることができる。
【0041】
また、取水ポンプ8、水位コントローラ12、回転ドラム3の駆動モータ16、制御装置18および前述した太陽追従装置等の動力源として、太陽、風力、地熱、バイオマス等を利用したエネルギーを使用することで、より環境に配慮した装置とすることができる。
【0042】
なお、本発明は海水を淡水化する装置であるが、河川や湖の水、または下水処理水を原水として、飲料水や電気分解による水素を作るための純水を得るためにも、本発明の装置を応用することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、以下の効果を奏することができる。
(1)海水貯留用の容器内部に回転ドラムを備え、容器上部の透光部材からの太陽光を回転ドラム表面に付着した海水に照射する構成により、回転ドラムが回動することで加熱する範囲を順次変えながら加熱することが可能となり、太陽光の照射される表面積を大きくとれ、効率的に海水を気化することができる。また、吸引ポンプにより、容器内部を減圧することで、海水の沸点が下がり気化しやすい状態となる。また、熱交換器により、容器へ供給する海水を予備加熱することで、効率的に容器内部での気化が可能となる。
また、容器内部の海水温度の測定結果に基づき回転ドラムの回転速度を制御する制御装置を備えたことにより、容器内部の海水温度の変化に応じて回転ドラムの回転制御を行うことができ、効率的に気化させることが可能となる。
【0044】
(2)回転ドラムの表面を多孔質部材または網目状部材とすることにより、より多くの海水を回転ドラム表面に付着させることができ、淡水化する量を多くすることが可能となる。
【0045】
(3)容器上部の透光部材を1個または複数個の凸レンズで形成することにより、太陽光を拡散することなく太陽光を回転ドラムの表面へ効率良く照射することができるので、効率の良い加熱を行うことが可能となる。また、複数個とすることで、1枚あたりの凸レンズを小型化でき低コストで製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る淡水化装置の部分断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る淡水化装置の容器および凹面鏡を側面から見た断面図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係る淡水化装置の凸レンズの説明図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係る淡水化装置の凹面鏡の説明図である。
【符号の説明】
1 淡水化装置
2 容器
3 回転ドラム
4 凸レンズ
5 熱交換器
6 給水タンク
7 太陽熱温水器
8 取水ポンプ
9 淡水タンク
10 吸引ポンプ
11 凹面鏡
12 水位コントローラ
13 排水管
15 シャフト
16 駆動モータ
17 連結部
18 制御装置
19 凸レンズ
20 凹面鏡
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽熱を利用して海水を淡水化する淡水化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、太陽熱を利用して液体を加熱し蒸留する方法としては、蒸留しようとする液体を熱媒体を介して加熱する間接式の方法が知られている。例えば、特許文献1には、水などの熱媒体を太陽熱集熱器の集熱板の下部から流入させて上部から排出し、海水を収容し減圧した缶胴内に配設した熱交換器との間で循環させ、太陽熱で熱媒体を集熱板にて加熱することで蒸気となし、この蒸気を熱交換器で缶胴内の海水と熱交換をして海水を加熱し、海水の蒸気を凝縮器にて冷却して淡水として集めるという技術が開示されている。
【0003】
また,特許文献2には、蒸留しようとする液体を直接加熱する直接式の方法が記載されており、パイプが複数配設され広い集熱面を有する太陽熱集熱器に、蒸留しようとする液体を収容した容器から連続的に供給し、加熱によって蒸気となし、空冷式コンデンサにて冷却して液化するという技術が開示されている。
【0004】
その他の加熱手段として、特許文献3においては、凹面鏡を用いた集光レンズを太陽光追尾システムに連動させ、集光レンズにより反射集光して、往復路を形成する金属製の細いパイプに熱媒体を通し、集光光線を照射することでパイプ中の熱媒体を加熱する方法が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−279944号公報(段落番号0006、0033〜0035、図1)
【特許文献2】
特開昭60−48101号公報公報(第2頁、図1)
【特許文献3】
特開平11−125470号公報(段落番号0010〜0020、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1〜3に記載の太陽熱を利用した液体の加熱において、太陽熱により液体の温度を効率良く上昇させるためには、太陽光を受ける集熱板やパイプの総表面積、および内部を流れる液体の流速が問題となってくる。
【0007】
加熱しようとする液体を集熱板やパイプ内部を流しながら温度を上昇させる構造では、太陽光が弱い場合は一定の温度まで上昇させるに要する時間が多くかかり、太陽熱を多く受けるには、流れる速度を遅くする必要がある。また太陽光が強い場合は受ける熱量が多く、過度の加熱となりやすいので、流れる速度を早くする必要がある。しかし、加熱しようとする液体が大量である場合には、太陽光の強弱の変化でポンプによる流速の加速または減速を行っても、この加減速が液体全体に反映するまでには時間を要するという問題がある。
【0008】
また、パイプに太陽光を当て液体を加熱する構造では、パイプの長さを一定とした場合、太陽熱を受ける面積を大きくするには、直径を大きくする必要があるが、パイプ内部の液体は、高い温度となると上部を流れ、下部を流れる液体の温度を上昇させるのは難しくなる。また直径を小さくし、総長を長くすることで表面積を大きくしようとした場合、液体がパイプ内部を通過する時間が長くなり、前述したように太陽光が強い場合に,温度上昇に要する時間が短いため、過度の加熱となる。そのため、パイプを任意の長さごとに分割し、分割したパイプへそれぞれ流水ポンプを備える必要があるなど、装置の規模が大きくなるという問題がある。また、総長を長くすることなく太陽光に面する表面積を大きくするためにパイプ形状を楕円形にしたりフィンを付けたりすることが考えられるが、パイプ自体が特殊なものとなりコスト高となる。
【0009】
また、従来の太陽熱を利用した淡水化装置では、海水を予備加熱する方法を採っていないため、海水を気化させる効率が低いという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、安定して高い気化効率が得られる太陽熱利用の淡水化装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の淡水化装置は、太陽熱を利用して海水を淡水化する装置であって、上部を透光部材で形成した海水貯留用の容器と、前記容器の内部に設けた回転ドラムと、前記容器の内部を減圧する吸引ポンプと、前記容器内で発生する水蒸気を容器に供給する前の海水と熱交換する熱交換器と、前記容器内の海水温度の測定結果に基づき前記回転ドラムの回転速度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする。
【0012】
上部を透光部材で形成した海水貯留用の容器内で回転ドラムが回動することで、透光部材を介して太陽光が回転ドラム表面に幅広く照射されるので、回転ドラム表面に付着した海水が順次加熱され、海水が効率良く気化される。
また、吸引ポンプにより容器内の気圧を減圧することで、海水の沸点が下がり気化しやすい状態とすることができる。
【0013】
また、容器内で発生する水蒸気と容器に供給する前の海水とを熱交換する熱交換器を備えたことで、水蒸気を液化させて淡水とするとともに、容器に供給する海水を予備加熱することができ、容器内での海水の気化をより効率的にすることができる。
【0014】
また、容器内の海水温度の測定結果に基づき回転ドラムの回転速度を制御する制御装置を備え、この制御装置により、容器内の海水温度が低いときは、回転ドラムの回転速度を低速にして、回転ドラム表面に付着した海水が太陽熱を受ける時間を長くなるようにし、海水温度が高いときは、回転ドラムの回転速度を高速にして、回転ドラム表面に付着した海水が太陽熱を受ける時間を短くするように制御することにより、効率良い海水の気化が可能となる。
【0015】
この回転ドラムは、表面を多孔質部材または網目状部材で形成することが望ましい。表面を多孔質または網目状とすることにより、回転ドラムに付着する海水の量を多くして、淡水化する量を多くすることができる。多孔質部材としては例えば黒色セラミックタイルを用いることができ、網目状部材としては例えばステンレス鋼線を編んだ網を重畳した網状体を用いることができる。
【0016】
また、容器の上部を形成する透光部材を1個または複数個の凸レンズで構成することが望ましい。透光部材を凸レンズで構成することにより、太陽光を拡散させることなく回転ドラムの表面へ照射することが可能となる。また、複数個の凸レンズで構成することで、1枚あたりの凸レンズを小型化でき低コストで製作することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態に係る淡水化装置の部分断面図、図2は淡水化装置の容器および凹面鏡を側面から見た断面図である。
【0018】
図1および図2において、本実施形態の淡水化装置1は、上部が凸レンズ4で形成され、気化させる海水を貯留する容器2と、容器2内に設けた回転ドラム3と、海水を気化した水蒸気と容器2に供給する前の海水を熱交換する熱交換器5と、海水の給水タンク6と、熱交換後の海水をさらに加熱する太陽熱温水器7と、水蒸気を液化した淡水を貯留する淡水タンク9と、容器2内部を減圧する吸引ポンプ10と、取水ポンプ8と、容器2下方の凹面鏡11と、水位コントローラ12と、回転ドラム3の駆動モータ16と吸引ポンプ10の制御装置18を備えている。
【0019】
容器2は、太陽光を集光するための凸レンズ4で上部を形成し、内部に一定量貯留された海水に一部分が浸かるよう配設した回転ドラム3を備えている。また容器2は、気密性を持ち、吸引ポンプ10にて約200mmHg程度に減圧することによって、海水が約50℃から気化し始める。
【0020】
熱交換器5は、容器2にて気化した水蒸気と取水ポンプ8にて取水した海水と熱交換を行う。熱交換をすることで、水蒸気の大部分は冷却され液化して淡水となり、海水は加熱され給水タンク6および太陽熱温水器7を経由して容器2へ供給される。
【0021】
給水タンク6は、熱交換器5にて予備加熱された海水を一時的に蓄えるタンクである。
【0022】
太陽熱温水器7は、太陽熱を利用した加熱装置であり、内部を通過する海水を太陽熱で加熱する機能を有しており、従来公知の太陽熱温水器を利用することができる。
【0023】
淡水タンク9には、吸引ポンプ10の吸入口が上部に接続されている。熱交換器5にて水蒸気の大部分が冷却され、液化した淡水と一部の蒸気は淡水タンク9内に流入して、重力により淡水は下部にたまり、空気と水蒸気は上部の吸入口から吸引ポンプ10へ吸引される。
【0024】
吸引ポンプ10は、容器2内部を減圧するとともに、海水から気化した蒸気を容器2から熱交換器5へ吸引し、液化した淡水と一部の蒸気を淡水タンク9へ流す機能を有する。
【0025】
取水ポンプ8は、常時作動し、容器2内で気化する海水の量より多く海水を汲み上げる。
【0026】
水位コントローラ12は、容器2内の海水水位を制御しており、回転ドラム3の所定の一部分が海水に浸かる一定水位を超える海水を、排水管13へ排出する機能を有する。
【0027】
制御装置18は、容器2内の海水の温度測定結果に基づいて、回転ドラム3の駆動モータ16の回転速度を制御する。海水温度があらかじめ定めた温度より高くなると回転速度を早くし、温度が低くなると回転速度を遅くする。また、海水の初期温度があらかじめ定めた温度以上になると吸引ポンプ10を始動させ、温度が上昇するとともに吸引力を低下させ、下降するとともに吸引力を高め、あらかじめ定めた温度以下になると停止させる。
【0028】
回転ドラム3は、容器2内部で安定して回動するように、中心に容器2を貫通するシャフト15を連結部18にて連結している。シャフト15は容器2を貫通して駆動モータ16に結合する。
また、回転ドラム3の表面は、保水性が高く熱に強い材質である、黒色セラミックタイルで覆われており、表面に多くの海水が付着する構造である。
【0029】
凸レンズ4は、焦点を回転ドラム3の表面上とするよう形成し配置すると、容器2上部から入る太陽光を集束した熱エネルギーで回転ドラム3が焼損するおそれがあり、加熱する範囲も局所的となり効率が低下するので、容器2上部から入る太陽光を回転ドラム3上へ幅広く投影するよう、凸レンズ4は回転ドラム3の表面までの距離が焦点距離より短くなるよう形成し配置している。
【0030】
凹面鏡11も凸レンズ4と同様に、焦点を容器2の底面とすると容器2が焼損するおそれがあるため、凹面鏡11が反射する太陽光を幅広く容器2底面へ照射するよう、容器2の底面までの距離が焦点距離より短くなるよう形成し配置している。
【0031】
以上のように構成された淡水化装置の運転方法について説明する。
【0032】
まず、取水ポンプ8により海水が取り込まれ、熱交換器5を経由し給水タンク6にて一時蓄えられる。この段階では容器2での海水の気化は始まっていないので、熱交換器5では海水は通過するだけである。給水タンク6に一時蓄えられた海水は太陽熱温水器7で太陽熱により予備加熱された後に、容器2へ供給される。
【0033】
容器2内の海水は、凸レンズ4を介しての太陽熱および凹面鏡11からの太陽熱の反射により加熱される。海水の温度があらかじめ定めた温度まで上昇すると、制御装置18は吸引ポンプ10を始動させて容器2内部を減圧させるとともに、回転ドラム3の駆動モータ16を始動させる。回転ドラム3が回動することで、回転ドラム3の表面が順次海水へ浸り、回転ドラム3表面に海水が付着する。
【0034】
容器2内は減圧されているため海水の沸点が下がり気化しやすい状態となっているので、回転ドラム3表面に付着した海水は、凸レンズ4を介しての太陽熱および凹面鏡11からの太陽熱の反射により加熱されて、容易に気化し水蒸気となる。気化した水蒸気は、吸引ポンプ10の吸引により熱交換器5へ流れ込み、取水ポンプ8によって汲み上げられた海水と熱交換を行うことで冷却され、大部分が淡水となって淡水タンク9の下部へ蓄えられる。淡水とならなかった一部の水蒸気および吸引された容器2内の空気は淡水タンク9上部より吸引ポンプ10により吸引され排気される。熱交換器5にて加熱された海水は給水タンク6へ一時蓄えられ、太陽熱温水器7で再度加熱された後に、容器2へ供給される。
【0035】
取水ポンプ8は、容器2内で気化して減少する海水の量より多く取水しており、容器2内の所定水位を超える程度になるが、水位コントローラ12により容器2内の海水水位を制御することで、所定水位以上の海水は排水管13へ排出され、容器2内の海水が入れ替わることによって、容器2内の海水の塩分濃度が高くなるのが抑制される。
【0036】
太陽光が弱くなると、凸レンズ4を介しての太陽熱および凹面鏡11からの太陽熱の反射が少なくなるので、回転ドラム3の表面温度が下がり、容器2内の海水温度も低下し、海水の気化効率が低下する。制御装置18は、容器2内の海水の温度があらかじめ定めた温度より低くなると、回転ドラム3の駆動モータ16の回転速度を制御し、回転ドラム3の回転を遅くすることで、凸レンズ4を介しての太陽熱が長い時間回転ドラム3へ作用するよう制御する。また吸引ポンプ10の吸引力を高め、容器2内をより減圧させ、海水の沸点下げることで、海水の気化を促進させる。逆に太陽光が強くなると、回転ドラム3の表面温度が上がり、容器2内の海水温度が上昇するので、制御装置18は、回転ドラム3の回転を早くし、凸レンズ4を介しての太陽熱が短い時間回転ドラム3へ作用するよう制御し、海水が気化する量を多くする。また、制御装置18は、吸引ポンプ10の吸引力を低下させることで容器2内の気圧を上げる作用があるが、気密性を持つ容器2内では、蒸気が熱交換器5にて冷却され凝縮し淡水となることで気圧が下がるため、容器2内の気圧にはあまり影響をあたえない。つまり回転ドラム3の回転速度をおよび吸引ポンプ10の吸引力を制御することで太陽光の強弱の変化に対し安定した淡水化を行うことが可能となる。
【0037】
図3は、凸レンズ4の他の実施形態を示している。
この実施形態では、蒲鉾型に形成された複数個の凸レンズ19を配置している。凸レンズ19は、容器2上部から入る太陽光を回転ドラム3上へ幅広く投影するよう、それぞれが照射する範囲が重複せず、凸レンズ19から回転ドラム3の表面までの距離が焦点距離より短くなるよう形成し配置している。複数個の凸レンズ19を配置することで、一個あたりの凸レンズを小型化でき、低コストで製作することができる。
【0038】
図4は、凹面鏡11の他の実施形態を示している。
この実施形態では、複数個の凹面鏡20を配置している。凹面鏡20は太陽熱を幅広く容器2底面へ反射するよう、反射範囲が重複せず、凹面鏡20から容器2の底面までの距離が焦点距離より短くなるよう形成し配置している。複数個の凹面鏡20を配置することで、一個あたりの凹面鏡を小型化でき、低コストで製作することができる。
【0039】
また、凹面鏡11,20の効果をより高める手段として、容器2の表面を黒色系とすることで熱吸収が良くなり、より効率良く容器2の底面を加熱することができる。
【0040】
また、常に太陽の方向へ向くよう制御する太陽追従装置を設け、凸レンズ4,19および凹面鏡11,20の向きを制御すると、容器2内の温度をより効率よく上昇させることができる。
【0041】
また、取水ポンプ8、水位コントローラ12、回転ドラム3の駆動モータ16、制御装置18および前述した太陽追従装置等の動力源として、太陽、風力、地熱、バイオマス等を利用したエネルギーを使用することで、より環境に配慮した装置とすることができる。
【0042】
なお、本発明は海水を淡水化する装置であるが、河川や湖の水、または下水処理水を原水として、飲料水や電気分解による水素を作るための純水を得るためにも、本発明の装置を応用することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、以下の効果を奏することができる。
(1)海水貯留用の容器内部に回転ドラムを備え、容器上部の透光部材からの太陽光を回転ドラム表面に付着した海水に照射する構成により、回転ドラムが回動することで加熱する範囲を順次変えながら加熱することが可能となり、太陽光の照射される表面積を大きくとれ、効率的に海水を気化することができる。また、吸引ポンプにより、容器内部を減圧することで、海水の沸点が下がり気化しやすい状態となる。また、熱交換器により、容器へ供給する海水を予備加熱することで、効率的に容器内部での気化が可能となる。
また、容器内部の海水温度の測定結果に基づき回転ドラムの回転速度を制御する制御装置を備えたことにより、容器内部の海水温度の変化に応じて回転ドラムの回転制御を行うことができ、効率的に気化させることが可能となる。
【0044】
(2)回転ドラムの表面を多孔質部材または網目状部材とすることにより、より多くの海水を回転ドラム表面に付着させることができ、淡水化する量を多くすることが可能となる。
【0045】
(3)容器上部の透光部材を1個または複数個の凸レンズで形成することにより、太陽光を拡散することなく太陽光を回転ドラムの表面へ効率良く照射することができるので、効率の良い加熱を行うことが可能となる。また、複数個とすることで、1枚あたりの凸レンズを小型化でき低コストで製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る淡水化装置の部分断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る淡水化装置の容器および凹面鏡を側面から見た断面図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係る淡水化装置の凸レンズの説明図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係る淡水化装置の凹面鏡の説明図である。
【符号の説明】
1 淡水化装置
2 容器
3 回転ドラム
4 凸レンズ
5 熱交換器
6 給水タンク
7 太陽熱温水器
8 取水ポンプ
9 淡水タンク
10 吸引ポンプ
11 凹面鏡
12 水位コントローラ
13 排水管
15 シャフト
16 駆動モータ
17 連結部
18 制御装置
19 凸レンズ
20 凹面鏡
Claims (3)
- 太陽熱を利用して海水を淡水化する装置であって、上部を透光部材で形成した海水貯留用の容器と、前記容器の内部に設けた回転ドラムと、前記容器の内部を減圧する吸引ポンプと、前記容器内で発生する水蒸気を容器に供給する前の海水と熱交換する熱交換器と、前記容器内の海水温度の測定結果に基づき前記回転ドラムの回転速度を制御する制御装置を備えたことを特徴とする淡水化装置。
- 前記回転ドラムの表面を多孔質部材または網目状部材で形成した請求項1に記載の淡水化装置。
- 前記容器の上部を形成する透光部材を1個または複数個の凸レンズで構成した請求項1または2に記載の淡水化装置。
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