JP2004159816A - 消毒装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、消毒を容易且つ短時間に行なえ、安全で清掃が容易な消毒装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の消毒装置は、消毒室1aが設けられた本体ケーシング1と、消毒室1aに設けられ、蒸気噴射口71〜75から刃物類2に蒸気を噴射することができる蒸気噴射部6と、刃物類2を消毒室1a内に挿通し把持部を支持できるナイフセット口3a,ヤスリセット口3bが形成された被消毒物セット部3と、蒸気噴射部6にスチームを供給する配管に設けられた電磁弁11と、スタートボタン13aを押下したときに、電磁弁11を開放し、所定の時間が経過したとき閉止する制御部13とを備え、刃物類2をワンタッチ装着後、所定の時間だけ80℃〜100℃のスチームを刃物類2に噴射して消毒し洗浄することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の消毒装置は、消毒室1aが設けられた本体ケーシング1と、消毒室1aに設けられ、蒸気噴射口71〜75から刃物類2に蒸気を噴射することができる蒸気噴射部6と、刃物類2を消毒室1a内に挿通し把持部を支持できるナイフセット口3a,ヤスリセット口3bが形成された被消毒物セット部3と、蒸気噴射部6にスチームを供給する配管に設けられた電磁弁11と、スタートボタン13aを押下したときに、電磁弁11を開放し、所定の時間が経過したとき閉止する制御部13とを備え、刃物類2をワンタッチ装着後、所定の時間だけ80℃〜100℃のスチームを刃物類2に噴射して消毒し洗浄することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被消毒物を短時間で容易に消毒できる消毒装置、とくに食肉解体に用いられる刃物類を解体後に個体ごとに消毒できる消毒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から食肉解体を行なう屠場においては、解体用ナイフやこれを研ぐヤスリ等の刃物類は、一度使用すると血液等の体液や脂質等が付着することになり、衛生上定期的に、例えば半日もしくは1日に一度といった間隔で消毒されることが多い。そして、このとき行なわれる消毒は従来概ね次のような方法で行なわれてきた。すなわち、第1の消毒方法は、屠場の所定位置に大きな消毒用容器を置き、この中の水を加熱して熱湯とし、時刻がくると、これに解体後の食肉解体用ナイフやヤスリを漬けるものであり、第2の消毒方法は、解体ラインの途中に消毒用容器を置き、中の水を加熱して熱湯とし、同じく時刻がくると、これに比較的長い時間漬けて消毒するものであった。この消毒用容器を図4(a)に示す。図4(a)は従来の熱湯に浸漬して消毒を行なう消毒装置、図4(b)は従来のスプレー式加熱殺菌滅菌装置である。
【0003】
図4(a)において、100は消毒用容器、101は消毒用容器100内で熱湯とされる水、102は食肉解体用ナイフやこれを研ぐヤスリ等の刃物類、103は屠場で使用するスチームを分岐して供給するスチームパイプ、103aはスチームパイプ103が水101の中で屈曲させられた熱交換部である。
【0004】
この従来の消毒容器100は上述の第1,2の消毒方法で使用されるが、使用者がナイフやヤスリを熱湯に投げ込んだりすると火傷するおそれすらあるし、熱交換部103aで熱交換するため効率が悪く、大量の熱が無駄にされていた。また汚濁物質は、消毒用容器100内に沈殿したり熱交換部103aに付着するため、清掃は煩わしく面倒なものであった。
【0005】
ところで、従来以上説明した屠場ではないが、蒸気を噴射して直接医療用の外科用器具を消毒する消毒装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
図4(b)において、104は試料切除鉗子、関節顕視鏡、内視鏡等の外科用器具、105はハウジング、106は収納区画、107は長手条溝を備えた2個の半殻部材とこの半殻部材を連結する枢支部材によって構成された保持機構、108は2個のノズル、109は水タンク、110は殺菌液体タンク、111は加熱装置、112はバルブ機構、113は殺菌液体を送る送液管、114はポンプである。
【0007】
この従来の消毒装置は、外科用器具104を洗浄及び/または殺菌するための装置であって、外科用器具104を収納区画106に収容し、水蒸気及び/または高温の空気を噴射するための少なくとも1個ないし好ましくは2個のノズル108を設けて噴射する。また、外科用器具104を保持するための保持機構107は、それぞれ長手条溝を備えた2個の半殻部材で外科用器具104が内挿できるものである。
【0008】
この従来の消毒装置は、消毒し辛い患者の身体内に挿入される外科用器具104を消毒することができる。しかし、外科用器具104を保持機構107で保持して収納区画106に収容するための装着作業は、面倒で複雑なものであった。そして、これらの作業は医療行為の合間合間に短時間で消毒するような簡単なものではない。
【0009】
【特許文献1】
特表平11−502446号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、牛や鶏、豚、羊等の動物に発生する病気、とくに人間にも感染する病気が社会的な問題となっている。こうした病気をもつ動物を解体等処理したときには、解体に使用した解体用ナイフやヤスリ等を1頭もしくは1羽ごとに消毒し、洗い流して、万一解体した個体が感染していたとしても他の個体への影響を断つことが強く望まれる。
【0010】
しかし、今のところ利用せざるを得ない消毒用容器100を用いる消毒装置においては、刃物類に付着した汚れは熱水への溶解、拡散によっておちるだけである。従って熱水によって解体用ナイフやヤスリ等を1頭、1羽ごとに消毒及び洗浄を行おうとすると、消毒と洗浄のために例えば15分以上の長い時間が必要になる。しかし、消毒と洗浄のために何分もかかるのでは、本来の作業が中断し、作業効率がきわめて悪化する。こうしたことから少なくとも1分程度内に消毒できなければ、事実上個体ごとに刃物類を消毒及び洗浄する方式を屠場で採用することは困難である。さらに、消毒用容器100は熱湯で火傷する可能性がある上、スチームで加熱するため熱交換の効率が悪く、しかも底に沈殿したり付着した汚濁物質の清掃は非常に煩わしいものであった。
【0011】
また、従来の外科用器具104を消毒する消毒装置は、外科用器具104を保持機構107で保持して収納区画106に収容するため、面倒で複雑な操作が必要になるものであった。従って、作業の合間合間に消毒できるようなものではなかった。
【0012】
上述したように、屠場で解体する個体ごとに刃物類の消毒を行なうという消毒方式は、まさに社会のニーズに応えるものである。そして、この考えは食肉に限られない。例えば医療用器具についても、鋏等の体外で使用する器具などはその場その場で患者一人一人に対して手軽に消毒を行なうのが望ましいし、理髪店等でも、お客一人一人に使用した剃刀や鋏等をその場で直ちに消毒することが望まれる。
【0013】
そこで本発明は、消毒を容易且つ短時間に行なえ、安全で清掃が容易な消毒装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の消毒装置は、蒸気噴射口から被消毒物の刃物部に蒸気を噴射することができる蒸気噴射部と、本体ケーシングに設けられ、被消毒物の刃物部を消毒室内に挿通し把持部を支持できる開口が形成された被消毒物セット部と、蒸気噴射部にスチームを供給する配管に設けられた開閉弁と、スタートボタンを押下したときに、開閉弁を開放し、所定の時間が経過したとき閉止する制御部とを備え、被消毒物をワンタッチ装着後、所定の時間だけ80℃〜100℃のスチームを被消毒物の刃物部に噴射して消毒し洗浄することを特徴とする。
【0015】
これにより、消毒を容易且つ短時間に行なえ、安全で清掃が容易な消毒装置とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するために第1の発明は、消毒室が内部に設けられた本体ケーシングと、消毒室に設けられ、蒸気噴射口から被消毒物の刃物部にスチームを噴射することができる蒸気噴射部と、本体ケーシングに設けられ、被消毒物の刃物部を消毒室内に挿通し把持部を支持できる開口が形成された被消毒物セット部と、蒸気噴射部にスチームを供給する配管に設けられた開閉弁と、スタートボタンを押下したときに、開閉弁を開放し、所定の時間が経過したとき閉止する制御部とを備え、被消毒物をワンタッチ装着後、所定の時間だけ80℃〜100℃のスチームを被消毒物の刃物部に噴射して消毒し洗浄することを特徴とする消毒装置であり、被消毒物の刃物部を開口内に挿入し把持部で開口を塞ぎつつ支持するので、消毒室の中へ刃物部をワンタッチで簡単にセットして消毒、洗浄できる。加熱温度80℃〜100℃のスチームを所定時間噴射するから一般細菌であれば殺菌するのに十分であり、噴射したスチームの動圧と熱で刃面に付着した汚濁成分をおとし、凝縮した水で洗い流すため、ドレンを排水しさえすればよく清掃が容易である。また、スチームの噴射時間は短く、噴射中の消毒室内の圧力は大気圧であって、しかも開口のほとんどが把持部によって塞がれているため、スチームが直接作業者に当ることはなく、安全である。スタートボタンを押せば、自動的にスチームを噴射するため、消毒と洗浄がきわめて容易である。
【0017】
第2の発明は、被消毒物が食肉解体用の刃物類であることを特徴とする請求項1記載の消毒装置であり、食肉解体用の刃物類を短時間且つ簡単に消毒、洗浄することが可能であり、解体する動物の1頭または1羽ごとに刃物類を消毒、洗浄することが可能になる。
【0018】
第3の発明は、所定時間が1分以内の時間であることを特徴とする請求項1または2記載の消毒装置であり、加熱温度80℃〜100℃のスチームで1分以内殺菌するため、一般細菌であれば殺菌するのに十分であり、被消毒物を短時間且つ簡単に消毒、洗浄することが可能である。
【0019】
第4の発明は、配管にスチームトラップが設けられ、供給されるスチームからドレンを分離することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の消毒装置であり、スチームトラップによってドレンと蒸気とを分離するため、蒸気噴射口から噴射したスチームの温度が高く、消毒室内の温度を急上昇させることができ、短時間殺菌が可能になる。
【0020】
第5の発明は、制御部には1秒〜60秒をカウントできるタイマが設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の消毒装置であり、タイマでスチームの噴射時間を設定できるため、スタートボタンを押せば、制御部が自動的にスチームを噴射するため、消毒と洗浄がきわめて容易である。加熱温度80℃〜100℃のスチームを1秒〜60秒間噴射するため、一般細菌であれば殺菌するのに十分であり、被消毒物を短時間且つ簡単に消毒、洗浄することが可能である。
【0021】
第6の発明は、蒸気噴射部に供給するスチームが0.2MPa以下の圧力であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の消毒装置であり、スチームが0.2MPa以下の圧力であるため、噴射するスチームが動圧と熱で汚れを十分におとすことができ、消毒室内の圧力は噴射中大気圧であるとともに開口がほぼ塞がれているため、スチームが直接作業者に当ることはなく、安全である。
【0022】
第7の発明は、蒸気噴射口には回動自在のノズル部が設けられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の消毒装置であり、被消毒物が様々に変更されても、その長さや、蒸気を集中したい個所の有無等の事情に応じて自在に噴射方向を調整することができる。
【0023】
第8の発明は、本体ケーシングには、消毒室内で凝集したドレンを排出するドレン抜きが設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の消毒装置であり、噴射したスチームの動圧で刃面に付着した汚濁成分をおとし、凝縮した水で洗い流すため、ドレンを排水しさえすればよく清掃が容易である。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における消毒装置について説明する。実施の形態1の消毒装置は、食肉解体用ナイフ等を解体後直ちに消毒及び洗浄できるものである。図1(a)は本発明の実施の形態1における消毒装置の構成図、図1(b)は(a)の消毒装置の本体上面図、図2は本発明の実施の形態1における消毒装置の蒸気噴射部の斜視図、図3は図2の蒸気噴射部の噴射口一部破断図である。
【0024】
図1において、1は本体ケーシング、1aは本体ケーシング1の内部で消毒と洗浄を行うことができる消毒室、1bは本体ケーシング1を支持する支持台、1cは本体ケーシング1の周囲を覆った断熱材、2は食肉解体用ナイフやこれを研ぐヤスリ等の把持部付きの刃物類(本発明の被消毒物)である。
【0025】
本体ケーシング1は、腐食防止のためにSUS304等から構成するのが望ましく、殺菌のためにスチームを噴出させたとき、消毒室1a内が急速に温度上昇するように、小さな容積の空間にするのが好適である。これにより短時間の殺菌が可能になる。しかし、極端に小さい容積だと圧力も急激に上がるから、所定時間(1分程度)のスチームの噴射では消毒室1aから外部へスチームの噴出が起こらない程度の容積が望ましい。そこで、実施の形態1の食肉解体用ナイフ消毒装置は、箱型で高さ350mm×横寸法340mm×縦寸法160mm程度の大きさに形成されている。さらに、作業者が1頭または1羽の解体を終了したとき、そのまま姿勢を崩さずに刃物類2を装着でき、しかも解体作業時の妨げにならないようにするために、350mmの支持台1bが設けられている。
【0026】
3は被消毒物セット部、3aは被消毒物が解体用ナイフを消毒のため装着するナイフセット口、3bは同様にヤスリを消毒するために装着するヤスリセット口である。被消毒物セット部3は、消毒する刃物類2に合わせて開口形状、その数、シール等が変更される。ところで実施の形態1のナイフセット口3a、ヤスリセット口3bは解体用ナイフの刃とヤスリの刃面のそれぞれが挿入可能な形状をしている。いずれも刃と刃面の形状よりやや大きく、挿入時にゆとりを持って挿通できるようにするのが望ましい。しかし、これらのセット口は解体用ナイフとヤスリの把持部は挿通不可の形状をしており、解体用ナイフとヤスリはその把持部によって本体ケーシング1の上面に係止される。4はドレンを排水するためのドレン抜き管、5はドレン抜き管4に接続して外部に排水するためのドレンホースである。
【0027】
6は蒸気噴射部、71〜75は蒸気噴射部6に所定ピッチで設けられた蒸気噴射口である。蒸気噴射部6は一端を閉止し、他端が蒸気供給源に接続されるSUS304の配管であって、蒸気噴射口71〜75は解体用ナイフ等の刃に一様に蒸気が当るように複数個、実施の形態1においては5個が一定ピッチで一列に設けられている。
【0028】
そこで、蒸気噴射部6、とくに蒸気噴射口71〜75について、図2、図3に基づいて詳細に説明する。図2において、7aは蒸気噴射口71〜75の噴射方向を調整できるノズル部である。図2に示すように、蒸気噴射口71〜75の各ノズル部7aは自在に噴射方向を変えることができる。
【0029】
図3には、蒸気噴射部6の蒸気噴射口71〜75の一部を破砕した構成が記載されている。6aは蒸気噴射部6に開けられた蒸気噴射口71〜75の取付開口に形成された雌ネジ、7bはノズル部7aのボールジョイント部、7cはボールジョイント部7bと回動自在に嵌合し内面が球面状凹部の固定部、7dは雌ネジ6aと螺合する固定部7cに形成された雄ネジ、7eはシール、7fはボールジョイント部7bを前方に付勢するためのバネ材、7gはバネ材7fのストッパである。なお、雌ネジ6a,雄ネジ7dに代えて溶接等で固定するのもよい。
【0030】
このように蒸気噴射口71〜75はボールジョイント部7bと固定部7cによってそれぞれ噴射方向を設定できるため、解体用ナイフ等の刃物類2が様々に変更されても、その長さや蒸気を集中したい個所等の目的に応じて自在に噴射方向を調整することができる。そして、このとき仮に、高温(80℃〜100℃が望ましく、とくに90℃付近が殺菌とコスト面で実用性が高いため好適である)のスチームが局所的に集中して解体用ナイフの刃やヤスリの刃面に当ってしまったときでも、スチームが当らない温度の低いところに向けて熱伝達が起こり、短時間のうちに刃面は一様な高温となり、十分な殺菌が行なえるものである。なお、蒸気噴射部6の構成において、スチームに触れるノズル部7a、ボールジョイント部7b、バネ材7fのストッパ7g等はSUS316で構成するのが腐食防止となり望ましい。
【0031】
続いて図1(a)において、8は蒸気噴射部6から噴射するスチームを蒸気供給源(図示しない)から供給する蒸気配管、9は蒸気供給源の蒸気の圧力を噴射に適した0.2MPa以下に減圧する減圧弁である。なお、この減圧弁9は蒸気供給源側に設置するのでもよい。但し、蒸気配管8の長さや各ノズル部7aの数や口径によって流路抵抗が変わるため、供給するスチームをどの程度の設定圧にするかは具体的な構成に基づいて決定される。例えば、蒸気供給源に近いところに配設された消毒装置と、遠方に設置された消毒装置では設定圧が異なる場合が生じる。そして0.2MPa以下に減圧することで、ナイフセット口3a、ヤスリセット口3bと解体用ナイフとヤスリの把持部との形状が不一致で、装着したとき僅かに隙間が形成されるような場合であっても、噴射されたスチームがこの間隙から噴出するようなことはなく、付近の温度が急上昇するようなことはない。
【0032】
10はメッシュNOが60のストレーナ、11は電磁弁(本発明の開閉弁)、12はスチームトラップである。蒸気配管8から送られたスチームはストレーナ10でゴミ等を除去され、スチームトラップ12においてドレンを分離されて蒸気噴射部6に送られる。蒸気噴射口71〜75から噴射される蒸気にはゴミやドレンがないため、ノズル部7aが目詰まりしたり損傷されることが少なく、ノズル部7aの交換は概ね3000時間に1度程度にすることができ、消毒装置のメンテナンス費用を抑えることができる。また、スチームトラップ12によってドレンと蒸気とを分離するため、ノズル部7aから噴射したスチームの温度が高く、消毒室1a内の温度を急上昇させることができる。なお、ストレーナ10、電磁弁11、スチームトラップ12はいずれもSUS304で構成するのが好適である。
【0033】
次に13は、電磁弁11を開いてスチームの噴射を開始させ、その後所定の時間が経過するとこれを停止する制御装置、13aは制御装置13が行なう制御動作のシーケンスに起動をかけるスタートボタン、14は制御装置13に設けられ電磁弁11を開閉する時間を秒単位でカウントするタイマである。なお、消毒する刃物類2が別のものに変更されたときには、タイマ14にセットする時間を変更すれば最適の消毒洗浄時間とすることができる。
【0034】
そこで以下、上述した実施の形態1の消毒装置を動作させて消毒を行うときのシーケンスについて説明する。まずスタートボタン13aをONする。制御装置13はこれを受け、タイマ14のカウントを開始させ、同時に電磁弁11に通電する。この通電によって電磁弁11は開放される。このときタイマ14がカウントする時間はこの場合15秒である。この15秒で消毒が可能となる理由は、スチームトラップ10でドレンと蒸気とを分離できるからであり、これによってノズル部7aから噴射したスチームの温度が高く、消毒室1a内の温度を一挙に90℃程度にまで急上昇させることができるからである。
【0035】
90℃のスチームを15秒間噴射することにより一般細菌をほぼ加熱殺菌でき、刃物類の表面ではスチームの動圧で付着した汚れをおとし、凝縮した高温の水によってこれを洗い流し、洗浄することが可能になる。15秒という短時間に殺菌と洗浄を行えるため、従来できなかった個体ごとに刃物類を消毒及び洗浄することが可能になる。また、タイマ14にセットする時間を15秒より大きい時間にすれば、さらに消毒と洗浄を徹底することができる。タイマ14がカウントアップしたときには、制御装置13は電磁弁11への通電を停止し、これにより電磁弁11を閉止する。スチームの供給が終わったところで、食肉解体用ナイフやヤスリ等の刃物類の把持部を持ってナイフセット口3a、ヤスリセット口3bから引き出し、消毒が終了する。この一回の消毒、洗浄の間に作業者は特別な操作をすることなく、自動的に処理が完了する。
【0036】
このように本発明の実施の形態1の消毒装置は、90℃のスチームを例えば15秒間噴射して加熱殺菌することができ、刃物類の表面の汚れをスチームの動圧でおとし、凝縮した高温の水で洗い流すことができる。この15秒という短時間に殺菌と洗浄を行えるため、解体作業において従来できなかった個体ごとの刃物類の消毒及び洗浄を行うことができる。さらに、従来の消毒用容器では上面が開放されているため熱湯で火傷する可能性があったが、周囲を断熱材で覆った本体ケーシング1に高温のスチームを噴射するのでその可能性は解消する。また、スチームで刃物類の表面を直接加熱するため、きわめて短時間のうちに熱交換し且つ伝熱により一様に加熱できる。凝縮した高温の水で洗い流すためドレンを排水すればよく、底に沈殿したり付着した汚濁物質の清掃は必要なく、清掃の回数も非常に少なくすることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の消毒装置によれば、被消毒物の刃物部を消毒室内に挿通し把持部を支持できる開口が形成された被消毒物セット部備え、所定時間だけ80℃〜100℃のスチームを被消毒物の刃物部に噴射して消毒し洗浄するため、被消毒物の刃物部を開口内に挿入し把持部で開口を塞ぎつつ支持するので、消毒室の中へ刃物部をワンタッチで簡単にセットして消毒、洗浄できる。加熱温度80℃〜100℃のスチームを所定時間噴射するから一般細菌であれば殺菌するのに十分であり、噴射したスチームの動圧と熱で刃面に付着した汚濁成分をおとし、凝縮した水で洗い流すため、ドレンを排水しさえすればよく清掃が容易である。また、スチームの噴射時間は短く、噴射中の消毒室内の圧力は大気圧であって、しかも開口のほとんどが把持部によって塞がれているため、スチームが直接作業者に当ることはなく、安全である。スタートボタンを押せば、自動的にスチームを噴射するため、消毒と洗浄がきわめて容易である。
【0038】
被消毒物が食肉解体用の刃物類であるため、食肉解体用の刃物類を短時間且つ簡単に消毒、洗浄することが可能であり、解体する動物の1頭または1羽ごとに刃物類を消毒、洗浄することが可能になる。加熱温度80℃〜100℃のスチームで1分以内殺菌するため、一般細菌であれば殺菌するのに十分であり、被消毒物を短時間且つ簡単に消毒、洗浄することが可能である。
【0039】
スチームトラップによってドレンと蒸気とを分離するため、蒸気噴射口から噴射したスチームの温度が高く、消毒室内の温度を急上昇させることができ、短時間殺菌が可能になる。
【0040】
タイマでスチームの噴射時間を設定できるため、スタートボタンを押せば、制御部が自動的にスチームを噴射するため、消毒と洗浄がきわめて容易である。加熱温度80℃〜100℃のスチームを1秒〜60秒間噴射するため、一般細菌であれば殺菌するのに十分であり、被消毒物を短時間且つ簡単に消毒、洗浄することが可能である。
【0041】
スチームが0.2MPa以下の圧力であるため、噴射するスチームが動圧と熱で汚れを十分におとすことができ、消毒室内の圧力は噴射中大気圧であるとともに開口がほぼ塞がれているため、スチームが直接作業者に当ることはなく、安全である。
【0042】
蒸気噴射口には回動自在のノズル部が設けられたため、被消毒物が様々に変更されても、その長さや、蒸気を集中したい個所の有無等の事情に応じて自在に噴射方向を調整することができる。
【0043】
消毒室内で凝集したドレンを排出するドレン抜きが設けられたため、噴射したスチームの動圧で刃面に付着した汚濁成分をおとし、凝縮した水で洗い流すため、ドレンを排水しさえすればよく清掃が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における消毒装置の構成図
(b)(a)の消毒装置の本体上面図
【図2】図2は本発明の実施の形態1における消毒装置の蒸気噴射部の斜視図
【図3】図3は図2の蒸気噴射部の噴射口一部破断図
【図4】(a)従来の熱湯に浸漬して消毒を行なう消毒装置
(b)従来のスプレー式加熱殺菌滅菌装置
【符号の説明】
1 本体ケーシング
1a 消毒室
1b 支持台
1c 断熱材
2 刃物類
3 被消毒物セット部
3a ナイフセット口
3b ヤスリセット口
4 ドレン抜き管
5 ドレンホース
6 蒸気噴射部
6a 雌ネジ
71〜75 蒸気噴射口
7a ノズル部
7b ボールジョイント部
7c 固定部
7d 雄ネジ
7e シール
7f バネ材
7g ストッパ
8 蒸気配管
9 減圧弁
10 ストレーナ
11 電磁弁
12 スチームトラップ
13 制御装置
13a スタートボタン
14 タイマ
【発明の属する技術分野】
本発明は、被消毒物を短時間で容易に消毒できる消毒装置、とくに食肉解体に用いられる刃物類を解体後に個体ごとに消毒できる消毒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から食肉解体を行なう屠場においては、解体用ナイフやこれを研ぐヤスリ等の刃物類は、一度使用すると血液等の体液や脂質等が付着することになり、衛生上定期的に、例えば半日もしくは1日に一度といった間隔で消毒されることが多い。そして、このとき行なわれる消毒は従来概ね次のような方法で行なわれてきた。すなわち、第1の消毒方法は、屠場の所定位置に大きな消毒用容器を置き、この中の水を加熱して熱湯とし、時刻がくると、これに解体後の食肉解体用ナイフやヤスリを漬けるものであり、第2の消毒方法は、解体ラインの途中に消毒用容器を置き、中の水を加熱して熱湯とし、同じく時刻がくると、これに比較的長い時間漬けて消毒するものであった。この消毒用容器を図4(a)に示す。図4(a)は従来の熱湯に浸漬して消毒を行なう消毒装置、図4(b)は従来のスプレー式加熱殺菌滅菌装置である。
【0003】
図4(a)において、100は消毒用容器、101は消毒用容器100内で熱湯とされる水、102は食肉解体用ナイフやこれを研ぐヤスリ等の刃物類、103は屠場で使用するスチームを分岐して供給するスチームパイプ、103aはスチームパイプ103が水101の中で屈曲させられた熱交換部である。
【0004】
この従来の消毒容器100は上述の第1,2の消毒方法で使用されるが、使用者がナイフやヤスリを熱湯に投げ込んだりすると火傷するおそれすらあるし、熱交換部103aで熱交換するため効率が悪く、大量の熱が無駄にされていた。また汚濁物質は、消毒用容器100内に沈殿したり熱交換部103aに付着するため、清掃は煩わしく面倒なものであった。
【0005】
ところで、従来以上説明した屠場ではないが、蒸気を噴射して直接医療用の外科用器具を消毒する消毒装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
図4(b)において、104は試料切除鉗子、関節顕視鏡、内視鏡等の外科用器具、105はハウジング、106は収納区画、107は長手条溝を備えた2個の半殻部材とこの半殻部材を連結する枢支部材によって構成された保持機構、108は2個のノズル、109は水タンク、110は殺菌液体タンク、111は加熱装置、112はバルブ機構、113は殺菌液体を送る送液管、114はポンプである。
【0007】
この従来の消毒装置は、外科用器具104を洗浄及び/または殺菌するための装置であって、外科用器具104を収納区画106に収容し、水蒸気及び/または高温の空気を噴射するための少なくとも1個ないし好ましくは2個のノズル108を設けて噴射する。また、外科用器具104を保持するための保持機構107は、それぞれ長手条溝を備えた2個の半殻部材で外科用器具104が内挿できるものである。
【0008】
この従来の消毒装置は、消毒し辛い患者の身体内に挿入される外科用器具104を消毒することができる。しかし、外科用器具104を保持機構107で保持して収納区画106に収容するための装着作業は、面倒で複雑なものであった。そして、これらの作業は医療行為の合間合間に短時間で消毒するような簡単なものではない。
【0009】
【特許文献1】
特表平11−502446号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、牛や鶏、豚、羊等の動物に発生する病気、とくに人間にも感染する病気が社会的な問題となっている。こうした病気をもつ動物を解体等処理したときには、解体に使用した解体用ナイフやヤスリ等を1頭もしくは1羽ごとに消毒し、洗い流して、万一解体した個体が感染していたとしても他の個体への影響を断つことが強く望まれる。
【0010】
しかし、今のところ利用せざるを得ない消毒用容器100を用いる消毒装置においては、刃物類に付着した汚れは熱水への溶解、拡散によっておちるだけである。従って熱水によって解体用ナイフやヤスリ等を1頭、1羽ごとに消毒及び洗浄を行おうとすると、消毒と洗浄のために例えば15分以上の長い時間が必要になる。しかし、消毒と洗浄のために何分もかかるのでは、本来の作業が中断し、作業効率がきわめて悪化する。こうしたことから少なくとも1分程度内に消毒できなければ、事実上個体ごとに刃物類を消毒及び洗浄する方式を屠場で採用することは困難である。さらに、消毒用容器100は熱湯で火傷する可能性がある上、スチームで加熱するため熱交換の効率が悪く、しかも底に沈殿したり付着した汚濁物質の清掃は非常に煩わしいものであった。
【0011】
また、従来の外科用器具104を消毒する消毒装置は、外科用器具104を保持機構107で保持して収納区画106に収容するため、面倒で複雑な操作が必要になるものであった。従って、作業の合間合間に消毒できるようなものではなかった。
【0012】
上述したように、屠場で解体する個体ごとに刃物類の消毒を行なうという消毒方式は、まさに社会のニーズに応えるものである。そして、この考えは食肉に限られない。例えば医療用器具についても、鋏等の体外で使用する器具などはその場その場で患者一人一人に対して手軽に消毒を行なうのが望ましいし、理髪店等でも、お客一人一人に使用した剃刀や鋏等をその場で直ちに消毒することが望まれる。
【0013】
そこで本発明は、消毒を容易且つ短時間に行なえ、安全で清掃が容易な消毒装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の消毒装置は、蒸気噴射口から被消毒物の刃物部に蒸気を噴射することができる蒸気噴射部と、本体ケーシングに設けられ、被消毒物の刃物部を消毒室内に挿通し把持部を支持できる開口が形成された被消毒物セット部と、蒸気噴射部にスチームを供給する配管に設けられた開閉弁と、スタートボタンを押下したときに、開閉弁を開放し、所定の時間が経過したとき閉止する制御部とを備え、被消毒物をワンタッチ装着後、所定の時間だけ80℃〜100℃のスチームを被消毒物の刃物部に噴射して消毒し洗浄することを特徴とする。
【0015】
これにより、消毒を容易且つ短時間に行なえ、安全で清掃が容易な消毒装置とすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するために第1の発明は、消毒室が内部に設けられた本体ケーシングと、消毒室に設けられ、蒸気噴射口から被消毒物の刃物部にスチームを噴射することができる蒸気噴射部と、本体ケーシングに設けられ、被消毒物の刃物部を消毒室内に挿通し把持部を支持できる開口が形成された被消毒物セット部と、蒸気噴射部にスチームを供給する配管に設けられた開閉弁と、スタートボタンを押下したときに、開閉弁を開放し、所定の時間が経過したとき閉止する制御部とを備え、被消毒物をワンタッチ装着後、所定の時間だけ80℃〜100℃のスチームを被消毒物の刃物部に噴射して消毒し洗浄することを特徴とする消毒装置であり、被消毒物の刃物部を開口内に挿入し把持部で開口を塞ぎつつ支持するので、消毒室の中へ刃物部をワンタッチで簡単にセットして消毒、洗浄できる。加熱温度80℃〜100℃のスチームを所定時間噴射するから一般細菌であれば殺菌するのに十分であり、噴射したスチームの動圧と熱で刃面に付着した汚濁成分をおとし、凝縮した水で洗い流すため、ドレンを排水しさえすればよく清掃が容易である。また、スチームの噴射時間は短く、噴射中の消毒室内の圧力は大気圧であって、しかも開口のほとんどが把持部によって塞がれているため、スチームが直接作業者に当ることはなく、安全である。スタートボタンを押せば、自動的にスチームを噴射するため、消毒と洗浄がきわめて容易である。
【0017】
第2の発明は、被消毒物が食肉解体用の刃物類であることを特徴とする請求項1記載の消毒装置であり、食肉解体用の刃物類を短時間且つ簡単に消毒、洗浄することが可能であり、解体する動物の1頭または1羽ごとに刃物類を消毒、洗浄することが可能になる。
【0018】
第3の発明は、所定時間が1分以内の時間であることを特徴とする請求項1または2記載の消毒装置であり、加熱温度80℃〜100℃のスチームで1分以内殺菌するため、一般細菌であれば殺菌するのに十分であり、被消毒物を短時間且つ簡単に消毒、洗浄することが可能である。
【0019】
第4の発明は、配管にスチームトラップが設けられ、供給されるスチームからドレンを分離することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の消毒装置であり、スチームトラップによってドレンと蒸気とを分離するため、蒸気噴射口から噴射したスチームの温度が高く、消毒室内の温度を急上昇させることができ、短時間殺菌が可能になる。
【0020】
第5の発明は、制御部には1秒〜60秒をカウントできるタイマが設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の消毒装置であり、タイマでスチームの噴射時間を設定できるため、スタートボタンを押せば、制御部が自動的にスチームを噴射するため、消毒と洗浄がきわめて容易である。加熱温度80℃〜100℃のスチームを1秒〜60秒間噴射するため、一般細菌であれば殺菌するのに十分であり、被消毒物を短時間且つ簡単に消毒、洗浄することが可能である。
【0021】
第6の発明は、蒸気噴射部に供給するスチームが0.2MPa以下の圧力であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の消毒装置であり、スチームが0.2MPa以下の圧力であるため、噴射するスチームが動圧と熱で汚れを十分におとすことができ、消毒室内の圧力は噴射中大気圧であるとともに開口がほぼ塞がれているため、スチームが直接作業者に当ることはなく、安全である。
【0022】
第7の発明は、蒸気噴射口には回動自在のノズル部が設けられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の消毒装置であり、被消毒物が様々に変更されても、その長さや、蒸気を集中したい個所の有無等の事情に応じて自在に噴射方向を調整することができる。
【0023】
第8の発明は、本体ケーシングには、消毒室内で凝集したドレンを排出するドレン抜きが設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の消毒装置であり、噴射したスチームの動圧で刃面に付着した汚濁成分をおとし、凝縮した水で洗い流すため、ドレンを排水しさえすればよく清掃が容易である。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における消毒装置について説明する。実施の形態1の消毒装置は、食肉解体用ナイフ等を解体後直ちに消毒及び洗浄できるものである。図1(a)は本発明の実施の形態1における消毒装置の構成図、図1(b)は(a)の消毒装置の本体上面図、図2は本発明の実施の形態1における消毒装置の蒸気噴射部の斜視図、図3は図2の蒸気噴射部の噴射口一部破断図である。
【0024】
図1において、1は本体ケーシング、1aは本体ケーシング1の内部で消毒と洗浄を行うことができる消毒室、1bは本体ケーシング1を支持する支持台、1cは本体ケーシング1の周囲を覆った断熱材、2は食肉解体用ナイフやこれを研ぐヤスリ等の把持部付きの刃物類(本発明の被消毒物)である。
【0025】
本体ケーシング1は、腐食防止のためにSUS304等から構成するのが望ましく、殺菌のためにスチームを噴出させたとき、消毒室1a内が急速に温度上昇するように、小さな容積の空間にするのが好適である。これにより短時間の殺菌が可能になる。しかし、極端に小さい容積だと圧力も急激に上がるから、所定時間(1分程度)のスチームの噴射では消毒室1aから外部へスチームの噴出が起こらない程度の容積が望ましい。そこで、実施の形態1の食肉解体用ナイフ消毒装置は、箱型で高さ350mm×横寸法340mm×縦寸法160mm程度の大きさに形成されている。さらに、作業者が1頭または1羽の解体を終了したとき、そのまま姿勢を崩さずに刃物類2を装着でき、しかも解体作業時の妨げにならないようにするために、350mmの支持台1bが設けられている。
【0026】
3は被消毒物セット部、3aは被消毒物が解体用ナイフを消毒のため装着するナイフセット口、3bは同様にヤスリを消毒するために装着するヤスリセット口である。被消毒物セット部3は、消毒する刃物類2に合わせて開口形状、その数、シール等が変更される。ところで実施の形態1のナイフセット口3a、ヤスリセット口3bは解体用ナイフの刃とヤスリの刃面のそれぞれが挿入可能な形状をしている。いずれも刃と刃面の形状よりやや大きく、挿入時にゆとりを持って挿通できるようにするのが望ましい。しかし、これらのセット口は解体用ナイフとヤスリの把持部は挿通不可の形状をしており、解体用ナイフとヤスリはその把持部によって本体ケーシング1の上面に係止される。4はドレンを排水するためのドレン抜き管、5はドレン抜き管4に接続して外部に排水するためのドレンホースである。
【0027】
6は蒸気噴射部、71〜75は蒸気噴射部6に所定ピッチで設けられた蒸気噴射口である。蒸気噴射部6は一端を閉止し、他端が蒸気供給源に接続されるSUS304の配管であって、蒸気噴射口71〜75は解体用ナイフ等の刃に一様に蒸気が当るように複数個、実施の形態1においては5個が一定ピッチで一列に設けられている。
【0028】
そこで、蒸気噴射部6、とくに蒸気噴射口71〜75について、図2、図3に基づいて詳細に説明する。図2において、7aは蒸気噴射口71〜75の噴射方向を調整できるノズル部である。図2に示すように、蒸気噴射口71〜75の各ノズル部7aは自在に噴射方向を変えることができる。
【0029】
図3には、蒸気噴射部6の蒸気噴射口71〜75の一部を破砕した構成が記載されている。6aは蒸気噴射部6に開けられた蒸気噴射口71〜75の取付開口に形成された雌ネジ、7bはノズル部7aのボールジョイント部、7cはボールジョイント部7bと回動自在に嵌合し内面が球面状凹部の固定部、7dは雌ネジ6aと螺合する固定部7cに形成された雄ネジ、7eはシール、7fはボールジョイント部7bを前方に付勢するためのバネ材、7gはバネ材7fのストッパである。なお、雌ネジ6a,雄ネジ7dに代えて溶接等で固定するのもよい。
【0030】
このように蒸気噴射口71〜75はボールジョイント部7bと固定部7cによってそれぞれ噴射方向を設定できるため、解体用ナイフ等の刃物類2が様々に変更されても、その長さや蒸気を集中したい個所等の目的に応じて自在に噴射方向を調整することができる。そして、このとき仮に、高温(80℃〜100℃が望ましく、とくに90℃付近が殺菌とコスト面で実用性が高いため好適である)のスチームが局所的に集中して解体用ナイフの刃やヤスリの刃面に当ってしまったときでも、スチームが当らない温度の低いところに向けて熱伝達が起こり、短時間のうちに刃面は一様な高温となり、十分な殺菌が行なえるものである。なお、蒸気噴射部6の構成において、スチームに触れるノズル部7a、ボールジョイント部7b、バネ材7fのストッパ7g等はSUS316で構成するのが腐食防止となり望ましい。
【0031】
続いて図1(a)において、8は蒸気噴射部6から噴射するスチームを蒸気供給源(図示しない)から供給する蒸気配管、9は蒸気供給源の蒸気の圧力を噴射に適した0.2MPa以下に減圧する減圧弁である。なお、この減圧弁9は蒸気供給源側に設置するのでもよい。但し、蒸気配管8の長さや各ノズル部7aの数や口径によって流路抵抗が変わるため、供給するスチームをどの程度の設定圧にするかは具体的な構成に基づいて決定される。例えば、蒸気供給源に近いところに配設された消毒装置と、遠方に設置された消毒装置では設定圧が異なる場合が生じる。そして0.2MPa以下に減圧することで、ナイフセット口3a、ヤスリセット口3bと解体用ナイフとヤスリの把持部との形状が不一致で、装着したとき僅かに隙間が形成されるような場合であっても、噴射されたスチームがこの間隙から噴出するようなことはなく、付近の温度が急上昇するようなことはない。
【0032】
10はメッシュNOが60のストレーナ、11は電磁弁(本発明の開閉弁)、12はスチームトラップである。蒸気配管8から送られたスチームはストレーナ10でゴミ等を除去され、スチームトラップ12においてドレンを分離されて蒸気噴射部6に送られる。蒸気噴射口71〜75から噴射される蒸気にはゴミやドレンがないため、ノズル部7aが目詰まりしたり損傷されることが少なく、ノズル部7aの交換は概ね3000時間に1度程度にすることができ、消毒装置のメンテナンス費用を抑えることができる。また、スチームトラップ12によってドレンと蒸気とを分離するため、ノズル部7aから噴射したスチームの温度が高く、消毒室1a内の温度を急上昇させることができる。なお、ストレーナ10、電磁弁11、スチームトラップ12はいずれもSUS304で構成するのが好適である。
【0033】
次に13は、電磁弁11を開いてスチームの噴射を開始させ、その後所定の時間が経過するとこれを停止する制御装置、13aは制御装置13が行なう制御動作のシーケンスに起動をかけるスタートボタン、14は制御装置13に設けられ電磁弁11を開閉する時間を秒単位でカウントするタイマである。なお、消毒する刃物類2が別のものに変更されたときには、タイマ14にセットする時間を変更すれば最適の消毒洗浄時間とすることができる。
【0034】
そこで以下、上述した実施の形態1の消毒装置を動作させて消毒を行うときのシーケンスについて説明する。まずスタートボタン13aをONする。制御装置13はこれを受け、タイマ14のカウントを開始させ、同時に電磁弁11に通電する。この通電によって電磁弁11は開放される。このときタイマ14がカウントする時間はこの場合15秒である。この15秒で消毒が可能となる理由は、スチームトラップ10でドレンと蒸気とを分離できるからであり、これによってノズル部7aから噴射したスチームの温度が高く、消毒室1a内の温度を一挙に90℃程度にまで急上昇させることができるからである。
【0035】
90℃のスチームを15秒間噴射することにより一般細菌をほぼ加熱殺菌でき、刃物類の表面ではスチームの動圧で付着した汚れをおとし、凝縮した高温の水によってこれを洗い流し、洗浄することが可能になる。15秒という短時間に殺菌と洗浄を行えるため、従来できなかった個体ごとに刃物類を消毒及び洗浄することが可能になる。また、タイマ14にセットする時間を15秒より大きい時間にすれば、さらに消毒と洗浄を徹底することができる。タイマ14がカウントアップしたときには、制御装置13は電磁弁11への通電を停止し、これにより電磁弁11を閉止する。スチームの供給が終わったところで、食肉解体用ナイフやヤスリ等の刃物類の把持部を持ってナイフセット口3a、ヤスリセット口3bから引き出し、消毒が終了する。この一回の消毒、洗浄の間に作業者は特別な操作をすることなく、自動的に処理が完了する。
【0036】
このように本発明の実施の形態1の消毒装置は、90℃のスチームを例えば15秒間噴射して加熱殺菌することができ、刃物類の表面の汚れをスチームの動圧でおとし、凝縮した高温の水で洗い流すことができる。この15秒という短時間に殺菌と洗浄を行えるため、解体作業において従来できなかった個体ごとの刃物類の消毒及び洗浄を行うことができる。さらに、従来の消毒用容器では上面が開放されているため熱湯で火傷する可能性があったが、周囲を断熱材で覆った本体ケーシング1に高温のスチームを噴射するのでその可能性は解消する。また、スチームで刃物類の表面を直接加熱するため、きわめて短時間のうちに熱交換し且つ伝熱により一様に加熱できる。凝縮した高温の水で洗い流すためドレンを排水すればよく、底に沈殿したり付着した汚濁物質の清掃は必要なく、清掃の回数も非常に少なくすることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の消毒装置によれば、被消毒物の刃物部を消毒室内に挿通し把持部を支持できる開口が形成された被消毒物セット部備え、所定時間だけ80℃〜100℃のスチームを被消毒物の刃物部に噴射して消毒し洗浄するため、被消毒物の刃物部を開口内に挿入し把持部で開口を塞ぎつつ支持するので、消毒室の中へ刃物部をワンタッチで簡単にセットして消毒、洗浄できる。加熱温度80℃〜100℃のスチームを所定時間噴射するから一般細菌であれば殺菌するのに十分であり、噴射したスチームの動圧と熱で刃面に付着した汚濁成分をおとし、凝縮した水で洗い流すため、ドレンを排水しさえすればよく清掃が容易である。また、スチームの噴射時間は短く、噴射中の消毒室内の圧力は大気圧であって、しかも開口のほとんどが把持部によって塞がれているため、スチームが直接作業者に当ることはなく、安全である。スタートボタンを押せば、自動的にスチームを噴射するため、消毒と洗浄がきわめて容易である。
【0038】
被消毒物が食肉解体用の刃物類であるため、食肉解体用の刃物類を短時間且つ簡単に消毒、洗浄することが可能であり、解体する動物の1頭または1羽ごとに刃物類を消毒、洗浄することが可能になる。加熱温度80℃〜100℃のスチームで1分以内殺菌するため、一般細菌であれば殺菌するのに十分であり、被消毒物を短時間且つ簡単に消毒、洗浄することが可能である。
【0039】
スチームトラップによってドレンと蒸気とを分離するため、蒸気噴射口から噴射したスチームの温度が高く、消毒室内の温度を急上昇させることができ、短時間殺菌が可能になる。
【0040】
タイマでスチームの噴射時間を設定できるため、スタートボタンを押せば、制御部が自動的にスチームを噴射するため、消毒と洗浄がきわめて容易である。加熱温度80℃〜100℃のスチームを1秒〜60秒間噴射するため、一般細菌であれば殺菌するのに十分であり、被消毒物を短時間且つ簡単に消毒、洗浄することが可能である。
【0041】
スチームが0.2MPa以下の圧力であるため、噴射するスチームが動圧と熱で汚れを十分におとすことができ、消毒室内の圧力は噴射中大気圧であるとともに開口がほぼ塞がれているため、スチームが直接作業者に当ることはなく、安全である。
【0042】
蒸気噴射口には回動自在のノズル部が設けられたため、被消毒物が様々に変更されても、その長さや、蒸気を集中したい個所の有無等の事情に応じて自在に噴射方向を調整することができる。
【0043】
消毒室内で凝集したドレンを排出するドレン抜きが設けられたため、噴射したスチームの動圧で刃面に付着した汚濁成分をおとし、凝縮した水で洗い流すため、ドレンを排水しさえすればよく清掃が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における消毒装置の構成図
(b)(a)の消毒装置の本体上面図
【図2】図2は本発明の実施の形態1における消毒装置の蒸気噴射部の斜視図
【図3】図3は図2の蒸気噴射部の噴射口一部破断図
【図4】(a)従来の熱湯に浸漬して消毒を行なう消毒装置
(b)従来のスプレー式加熱殺菌滅菌装置
【符号の説明】
1 本体ケーシング
1a 消毒室
1b 支持台
1c 断熱材
2 刃物類
3 被消毒物セット部
3a ナイフセット口
3b ヤスリセット口
4 ドレン抜き管
5 ドレンホース
6 蒸気噴射部
6a 雌ネジ
71〜75 蒸気噴射口
7a ノズル部
7b ボールジョイント部
7c 固定部
7d 雄ネジ
7e シール
7f バネ材
7g ストッパ
8 蒸気配管
9 減圧弁
10 ストレーナ
11 電磁弁
12 スチームトラップ
13 制御装置
13a スタートボタン
14 タイマ
Claims (8)
- 消毒室が内部に設けられた本体ケーシングと、
前記消毒室に設けられ、蒸気噴射口から被消毒物の刃物部にスチームを噴射することができる蒸気噴射部と、
前記本体ケーシングに設けられ、前記被消毒物の刃物部を前記消毒室内に挿通し把持部を支持できる開口が形成された被消毒物セット部と、
前記蒸気噴射部にスチームを供給する配管に設けられた開閉弁と、
スタートボタンを押下したときに、前記開閉弁を開放し、所定の時間が経過したとき閉止する制御部とを備え、
前記被消毒物をワンタッチ装着後、所定の時間だけ80℃〜100℃のスチームを前記被消毒物の刃物部に噴射して消毒し洗浄することを特徴とする消毒装置。 - 前記被消毒物が食肉解体用の刃物類であることを特徴とする請求項1記載の消毒装置。
- 前記所定時間が1分以内の時間であることを特徴とする請求項1または2記載の消毒装置。
- 前記配管にスチームトラップが設けられ、供給されるスチームからドレンを分離することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の消毒装置。
- 前記制御部には1秒〜60秒をカウントできるタイマが設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の消毒装置。
- 前記蒸気噴射部に供給するスチームが0.2MPa以下の圧力であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の消毒装置。
- 前記蒸気噴射口には回動自在のノズル部が設けられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の消毒装置。
- 前記本体ケーシングには、前記消毒室内で凝集したドレンを排出するドレン抜きが設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の消毒装置。
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