JP2004157816A - 文書のデータ構造、記憶媒体及び情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】文書での表現実体となるデジタル情報ファイル103,104と、表現実体の表示状態を特定する表示情報ファイル102と、ネットワーク上に接続されたコンピュータにより読み取られコンピュータに表現実体の表示機能や各種の機能を実現させる動作プログラムを有する動作プログラムファイル105とによって文書のデータ構造を構築する。動作プログラムファイル105は、コンピュータで開かれている文書と他のコンピュータで開かれている文書との間でネットワークを介して音声情報及び動画情報の一方又は両方を送受信する音声動画通信機能をコンピュータに実現させている。これにより、マルチメディア文書を容易に扱うことができ、会議等で円滑なコミュニケーションを図ることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ(情報処理装置)において閲覧及び管理可能な文書のデータ構造、この文書のデータ構造を格納する記憶媒体及び情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、コンピュータの発達やインターネットの普及等を背景として、デジタル情報で表現したデジタル文書(電子文書)が広く普及している。そして、コンピュータ、とりわけパーソナルコンピュータの急速な普及とその処理能力の向上とにより、デジタル文書は、従来の文字表現(テキスト)のみならず、静止画像、動画像、音声等を扱うことができるようになってきている。そこで、パーソナルコンピュータでは、従来の活字文書で培われてきた文書形態とラジオやテレビジョン等により培われてきた映像とが融合した複数のメディアをミックスした文書形態を作成し閲覧することができるようになっている。そして、このような形態の文書は、今日のインターネットに代表されるようなグローバルネットワークを通して配布、配信されるようになってきている。このようなデジタル文書は、一般的に、マルチメディア文書と呼ばれている。
【0003】
また、近年、光ファイバー等を用いた高速ネットワークのインフラが社会的に整備され、高精細静止画像や動画像等を扱う高容量のデジタル文書の相互通信ができる通信環境が広く提供されるようになってきている。これにより、遠隔会議等を行う場合には、人物撮影用カメラやマイク等を通信手段で繋ぎ、これらをコミュニケーション手段として活用し、円滑な遠隔コミュニケーションが実現されている。
【0004】
このような会議(例えばテレビ会議等)では、会議内容や電子文書等がネットワークを介して部外者に漏れることが懸念され、セキュリティの強化は重要な課題である。ここで、セキュリティの強化のために、多地点間テレビ会議の制御方式に関する接続認証の方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、予め会議開催時刻と参加する端末とを登録し、実際の会議開催時には、会議に参加する全ての端末と繋がる制御装置が登録情報に基づいて登録済みの端末だけの接続を許可する方法である。
【0005】
なお、ネットワーク上での音声や動画等の各種データの通信手順や伝送方式としては、ITU(国際電気通信連合)の勧告であるH.323の規格によって標準化が進められている。例えば、マイクロソフト社のNetMeeting等はH.323の規格に基づいて構成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−209352公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、マルチメディア文書には、複数のメディアが含まれているが故に、その閲覧、再生にも複数のアプリケーションプログラムが必要となる。つまり、マルチメディア文書を閲覧、再生するためには、
1.閲覧のためのアプリケーションプログラム
2.作成者と閲覧者との間での同一の作成環境及び閲覧環境
3.単一の文書を表現するための複数のファイル
4.保管済みの過去の文書を閲覧するためのアプリケーションプログラムの保管等が必要である。さらに、カメラで撮影した静止画像又は動画像の画像データやマイクから入力された音声データ等を送受信するための通信機能を発揮するアプリケーションプログラムも必要となる。したがって、一般のユーザにとってマルチメディア文書を扱うのは困難である。
【0008】
一方、特許文献1の接続認証の方法では、多地点間通信の接続を許可又は拒否するために接続端末と接続時間とを予め登録しておかなければならず、利便性に欠けている。また、H.323の規格では、電話をかける場合に電話番号が必要なように予め接続先情報を持っていなければならず、利便性に欠けており、セキュリティのために接続拒否の仕組みはあるが、その判定の基準は特に定められていない。
【0009】
本発明の目的は、マルチメディア文書を容易に扱うことができ、円滑なコミュニケーションを図ることができる文書のデータ構造、記憶媒体及び情報処理装置を提供することである。
【0010】
本発明の目的は、ネットワーク上での通信のセキュリティを利便性良く向上させることができる文書のデータ構造、記憶媒体及び情報処理装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の文書のデータ構造の発明は、文書での表現実体となるデジタル情報ファイルと、前記表現実体の表示状態を特定する表示情報ファイルと、ネットワークに接続されたコンピュータにより読み取られ前記コンピュータに前記表現実体の表示機能や各種の機能を実現させる動作プログラムを有する動作プログラムファイルと、を具備し、前記動作プログラムは、前記コンピュータで開かれている文書とこの文書と同一のデータ構造を有して前記ネットワークに接続された他のコンピュータで開かれている文書との間で前記ネットワークを介して音声情報及び動画情報の一方又は両方を送受信する音声動画通信機能を前記コンピュータに実現させる。
【0012】
したがって、動作プログラムファイルがコンピュータによって解釈、実行されれば、表示情報ファイルによって特定される表示状態に従いデジタル情報ファイルがコンピュータのディスプレイ上に表示される。このようなデジタル情報ファイル、表示情報ファイル及び動作プログラムファイルは組になっているので、コンピュータによって動作プログラムファイルが解釈、実行されれば、デジタル情報ファイルの閲覧が可能となり、動作プログラムファイルだけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さがない。つまり、あるデジタル情報ファイルを閲覧するには、それに適合する動作プログラムファイルをコンピュータにインストールする必要があるが、本発明では、そのような動作プログラムファイルがデジタル情報ファイルと共に組にされているため、デジタル情報ファイルの閲覧に際して動作プログラムファイルがコンピュータによって解釈、実行されれば十分であり、閲覧しようとするデジタル情報ファイルとは別個に動作プログラムファイルだけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さからユーザを解放することから、ユーザはマルチメディア文書を容易に扱うことが可能である。しかも、文書に音声動画通信機能を設けることによって、文書間で音声情報又は動画情報のやり取りが可能になり、その結果として、例えば会議等で円滑なコミュニケーションを図ることが可能になる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の文書のデータ構造において、前記動作プログラムは、前記コンピュータで開かれている文書とこの文書と同一のデータ構造を有して前記他のコンピュータで開かれている文書との間で前記ネットワークを介して文書状態に関する情報を送受信する文書状態通信機能を前記コンピュータに実現させる。
【0014】
したがって、文書に文書状態通信機能を設けることによって、文書間で文書状態に関する情報、例えばユーザ操作情報や文書状態情報等のやり取りが可能になり、その結果として、例えば会議等で円滑なコミュニケーションを図ることが可能になる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の文書のデータ構造において、前記デジタル情報ファイルと前記表示情報ファイルと前記動作プログラムファイルとを単一の文書としてカプセル化するカプセル化手段を具備する。
【0016】
したがって、デジタル情報ファイル、表示情報ファイル及び動作プログラムファイルは、カプセル化手段によって単一の文書としてカプセル化されているため、その取り扱いや管理が極めて容易となる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の文書のデータ構造において、前記動作プログラムは、前記コンピュータで開かれている文書を特定する文書識別コードを前記他のコンピュータに送信する文書識別コード送信機能を前記コンピュータに実現させる。
【0018】
したがって、自文書の文書識別コードを他のコンピュータに送信することで、その文書識別コードに基づいて他のコンピュータは通信相手を特定することが可能になり、さらに、その文書識別コードに基づく様々な処理を行うことが可能になる。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の文書のデータ構造において、前記動作プログラムは、前記他のコンピュータから送信された前記文書識別コードを所定の記憶領域に記憶する文書識別コード記憶機能と、前記文書識別コードに基づいて前記音声動画通信機能による通信相手を指定する通信相手指定機能と、を前記コンピュータに実現させる。
【0020】
したがって、文書識別コードに基づいて通信相手を指定することで、ネットワークで接続された複数のコンピュータがネットワーク的に離れた条件でも、簡単に通信相手を指定して接続することが可能となる。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の文書のデータ構造において、前記文書識別コードは、ハードウェア構成情報を示すコードを有する。
【0022】
したがって、文書識別コードにハードウェア構成情報を表すコードを含ませることで、文書識別コードを読み取ってハードウェア構成情報を利用した様々な処理を行うことが可能になる。
【0023】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の文書のデータ構造において、前記通信相手指定機能は、前記文書識別コードから得られる前記他のコンピュータのハードウェア情報に基づいて前記音声動画通信機能による通信相手を指定する。
【0024】
したがって、他文書の文書識別コードから得られる他のコンピュータのハードウェア構成情報に基づいて音声動画通信機能による通信相手を指定することで、他のコンピュータが様々なハードウェア構成を有する環境でも、音声動画通信接続可能なハードウェア構成を有する他のコンピュータを選択してそのコンピュータとの音声動画通信を実行することが可能になる。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の文書のデータ構造において、前記通信相手指定機能は、前記文書識別コードから得られる前記他のコンピュータのハードウェア情報に基づいて前記コンピュータのディスプレイに通信相手を指定するための通信相手指定ボタンを表示し、前記通信相手指定ボタンが前記コンピュータの操作部に対する操作者の操作によって選択された場合、その通信相手指定ボタンに対応する通信相手を前記音声動画通信機能による通信相手として指定する。
【0026】
したがって、操作者は通信相手指定ボタンを押すことによって音声動画通信機能による通信相手を指定することが可能となり、また、他のコンピュータが様々なハードウェア構成を有する環境でも、音声動画通信接続可能なハードウェア構成を有する他のコンピュータを選択してそのコンピュータとの音声動画通信を実行することが可能になる。
【0027】
請求項9記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の文書のデータ構造において、前記動作プログラムは、ゲートキーパを利用して前記音声動画通信機能による通信相手を指定する通信相手指定機能を前記コンピュータに実現させる。
【0028】
したがって、ゲートキーパを利用して音声動画通信機能による通信相手を指定することで、通信相手の情報、例えばネットワークアドレス等を知らなくても接続することが可能となり、さらに、ネットワークで接続された複数のコンピュータがネットワーク的に離れた条件でも、簡単に通信相手を指定して接続することが可能となる。
【0029】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか一記載の文書のデータ構造において、前記動作プログラムは、前記文書状態通信機能による文書状態通信の接続認証を行う通信接続認証機能を前記コンピュータに実現させる。
【0030】
したがって、文書に通信接続認証機能を設けることで、接続が許可されていない文書には、例えば会議等における文書状態に関する情報が送信されないため、ネットワーク上での通信のセキュリティを利便性良く向上させることが可能になる。
【0031】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の文書のデータ構造において、前記通信接続認証機能は、前記音声動画通信機能による音声情報及び動画情報の一方又は両方が受信された場合、前記コンピュータのディスプレイに文書状態通信の接続を許可するための通信接続許可ボタンを表示し、前記通信接続許可ボタンが前記コンピュータの操作部に対する操作者の操作によって選択された場合、前記文書状態通信機能による文書状態通信の接続を許可する。
【0032】
したがって、操作者は音声出力装置及びディスプレイの一方又は両方に出力された音声及び動画の一方又は両方から通信相手を確認してから、操作部で通信接続許可ボタンを押すことで、文書状態通信の接続が許可されるため、ネットワーク上での通信のセキュリティを利便性良く向上させることが可能になる。
【0033】
請求項12記載の発明は、請求項10又は11記載の文書のデータ構造において、前記通信接続認証機能は、前記他のコンピュータから送信されたネットワークアドレスを前記コンピュータの所定の記憶領域に予め登録された登録ネットワークアドレスと比較し、前記ネットワークアドレスが前記登録ネットワークアドレスと一致した場合、前記文書状態通信機能による文書状態通信の接続を許可する。
【0034】
したがって、登録ネットワークアドレスを信頼できるアドレスとして所定の記憶領域に予め登録しておくことで、その登録ネットワークアドレスを有する特定のコンピュータからの接続が許可されるため、不必要な処理や操作を省くことが可能となり、その結果として、ネットワーク上での通信のセキュリティを利便性良く向上させることが可能となる。
【0035】
請求項13記載の発明は、請求項10、11又は12記載の文書のデータ構造において、前記通信接続認証機能は、前記他のコンピュータから送信されたネットワークアドレスを前記コンピュータの自端末ネットワークアドレスと比較し、前記ネットワークアドレスが前記自端末ネットワークアドレスと一致した場合、前記文書状態通信機能による文書状態通信の接続を許可する。
【0036】
したがって、他のコンピュータから送信されたネットワークアドレスがコンピュータの自端末ネットワークアドレスに一致した場合に文書状態通信の接続を許可することで、自端末ネットワークアドレスを有する特定のコンピュータからの接続が許可されるため、不必要な処理や操作を省くことが可能となり、その結果として、ネットワーク上での通信のセキュリティを利便性良く向上させることが可能となる。
【0037】
請求項14記載の記憶媒体の発明は、文書での表現実体となるデジタル情報ファイルと、前記表現実体の表示状態を特定する表示情報ファイルと、ネットワークに接続されたコンピュータにより読み取られ前記コンピュータに前記表現実体の表示機能や各種の機能を実現させる動作プログラムを有する動作プログラムファイルと、を具備し、前記動作プログラムは、前記コンピュータで開かれている文書とこの文書と同一のデータ構造を有して前記他のコンピュータで開かれている文書との間で前記ネットワークを介して音声情報及び動画情報の一方又は両方を送受信する音声動画通信機能と、を前記コンピュータに実現させる文書のデータ構造を格納する。
【0038】
したがって、動作プログラムファイルがコンピュータによって解釈、実行されれば、表示情報ファイルによって特定される表示状態に従いデジタル情報ファイルがコンピュータのディスプレイ上に表示される。このようなデジタル情報ファイル、表示情報ファイル及び動作プログラムファイルは、組になっているので、コンピュータによって動作プログラムファイルが解釈、実行されれば、デジタル情報ファイルの閲覧が可能となり、動作プログラムファイルだけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さがない。つまり、あるデジタル情報ファイルを閲覧するには、それに適合する動作プログラムファイルをコンピュータにインストールする必要があるが、本発明では、そのような動作プログラムファイルがデジタル情報ファイルと共に組にされているため、デジタル情報ファイルの閲覧に際して動作プログラムファイルがコンピュータによって解釈、実行されれば十分であり、閲覧しようとするデジタル情報ファイルとは別個に動作プログラムファイルだけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さからユーザを解放することから、ユーザはマルチメディア文書を容易に扱うことができる。しかも、文書に音声動画通信機能を設けることによって、文書間で音声情報又は動画情報のやり取りが可能になり、その結果として、例えば会議等で円滑なコミュニケーションを図ることが可能になる。
【0039】
請求項15記載の情報処理装置の発明は、コンピュータとこのコンピュータによって閲覧可能な文書のデータ構造とを含み、前記文書のデータ構造は、文書での表現実体となるデジタル情報ファイルと、前記表現実体の表示状態を特定する表示情報ファイルと、ネットワークに接続されたコンピュータにより読み取られ前記コンピュータに前記表現実体の表示機能や各種の機能を実現させる動作プログラムを有する動作プログラムファイルと、を具備し、前記動作プログラムは、前記コンピュータで開かれている文書とこの文書と同一のデータ構造を有して前記他のコンピュータで開かれている文書との間で前記ネットワークを介して音声情報及び動画情報の一方又は両方を送受信する音声動画通信機能と、を前記コンピュータに実現させる。
【0040】
したがって、動作プログラムファイルがコンピュータによって解釈、実行されれば、表示情報ファイルによって特定される表示状態に従いデジタル情報ファイルがコンピュータのディスプレイ上に表示される。このようなデジタル情報ファイル、表示情報ファイル及び動作プログラムファイルは、組になっているので、コンピュータによって動作プログラムファイルが解釈、実行されれば、デジタル情報ファイルの閲覧が可能となり、動作プログラムファイルだけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さがない。つまり、あるデジタル情報ファイルを閲覧するには、それに適合する動作プログラムファイルをコンピュータにインストールする必要があるが、本発明では、そのような動作プログラムファイルがデジタル情報ファイルと共に組にされているため、デジタル情報ファイルの閲覧に際して動作プログラムファイルがコンピュータによって解釈、実行されれば十分であり、閲覧しようとするデジタル情報ファイルとは別個に動作プログラムファイルだけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さからユーザを解放することから、ユーザはマルチメディア文書を容易に扱うことができる。しかも、文書に音声動画通信機能を設けることによって、文書間で音声情報又は動画情報のやり取りが可能になり、その結果として、例えば会議等で円滑なコミュニケーションを図ることが可能になる。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図28に基づいて説明する。
【0042】
[文書(カプセル化文書)のデータ構造]
図1はカプセル化された文書であるカプセル化文書のデータ構造を示す模式図である。
【0043】
図1に示すように、カプセル化文書101は、文書全体の構造や配置等の表示状態を表す表示情報ファイルとしての文書配置情報102と、文書内のテキスト内容を表すデジタル情報ファイルとしてのテキスト情報103と、その他の静止画像や動画画像を表すデジタル情報ファイルとしてのメディア情報104と、文書内容を表示したりユーザ操作を検出したりする複数の動作プログラムファイルとしてのプログラム105とから構築されている。これらの情報は、それぞれ一般的な情報処理装置であるコンピュータのオペレーションシステムが管理できる個別のファイル単位の構造となっている。
【0044】
このようなカプセル化文書101は、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等のような磁気的な記憶媒体、MOのような光磁気的な記憶媒体、CD、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等のような光学的な記憶媒体、半導体メモリ等、各種の記憶媒体に格納することができ、記憶媒体の種類によっては容易に持ち運び可能となる。また、カプセル化文書101は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の各種の通信回線を介して伝送可能である。
【0045】
図2は書庫ファイルのデータ構造の一例を示す模式図、図3は書庫ファイルの別のデータ構造の一例を示す模式図である。
【0046】
カプセル化文書101を構成する各ファイル102、103、104、105は、図2及び図3に例示するように、書庫ファイル201という一つのファイルに格納されている。これにより、文書配置情報102(表示情報ファイル)と、テキスト情報103(デジタル情報ファイル)と、メディア情報104(デジタル情報ファイル)と、プログラム105(動作プログラムファイル)とを単一の文書としてカプセル化するカプセル化手段が構成されている。このような書庫ファイル201のファイル形式としては、一般的に、ZIP形式やLHA形式等があり、これらの技術を利用しても良い。
【0047】
ここで、書庫ファイル201は、複数のファイル102、103、104、105を一つのファイル(書庫ファイル201)として格納するファイル構造を有している。このような書庫ファイル201は、格納機能及び解凍機能を有するアーカイバプログラムを用いることにより、ユーザの求めに応じて複数のファイル102、103、104、105を一つのファイル(書庫ファイル201)として扱うことができる。
【0048】
図2に例示する書庫ファイル201では、複数のファイル102、103、104、105を格納した書庫ファイル201に、各ファイル102、103、104、105が書庫ファイル201中のどの位置にあるかを示すインデックス情報が付加されている。これにより、ファイル102、103、104、105の位置検索が可能となる。また、別の実施の形態として、図3に例示する書庫ファイル201のように、ファイル102、103、104、105毎にヘッダ情報を付加し、その位置を指示することでファイル102、103、104、105の位置検索を可能とする手法を採用しても良い。
【0049】
このように、カプセル化文書101のファイル構造は、カプセル化文書101を構成する図1に示すような複数のファイル102、103、104、105をインデックス(図2参照)又はヘッダ(図3参照)で管理する書庫ファイル形式である。こうして、カプセル化文書101は、複数のファイル102、103、104、105を一つの書庫ファイル201としてカプセル化しているため、ユーザは、見かけ上複数のファイル102、103、104、105を一つの文書として管理し保管することができる。
【0050】
図4はカプセル化文書101に格納されているプログラムのデータ構造を示す模式図、図5はプログラムに含まれている拡張プログラムに関する情報を規定する表示情報ファイルのデータ構造を示す模式図である。
【0051】
カプセル化文書101に格納されている複数の動作プログラムファイルであるプログラム105は、図4に示すように、基本プログラム111と拡張プログラム112とから構成されている。
【0052】
基本プログラム111は、カプセル化文書101の起動時に呼び出すことができるプログラムであり、全てのカプセル化文書101に共通して一つだけ存在するプログラムである。この基本プログラム111は、図示しない起動プログラムを含んでおり、コンピュータでのカプセル化文書101のアクセスに応じて、コンピュータに解釈、実行され、起動される。
【0053】
拡張プログラム112は、カプセル化文書101に含まれている内容に応じて付加されるプログラムであり、例えば、図5に示すように、表示メディアの種類に応じて用意される。一例として、カプセル化文書101に含まれているデジタル情報ファイルがテキスト情報103のみである場合には、基本プログラム111に加えて、拡張プログラム112のうちのText Panelプログラム112aがカプセル化文書101に格納されている。また、静止画像や動画画像等を表すデジタル情報ファイルとしてのメディア情報104がカプセル化文書101に含まれている場合には、基本プログラム111に加えて、拡張プログラム112のうちのImage Panelプログラム112b、Movie Panelプログラム112c、3D Panelプログラム112dがカプセル化文書101に格納されている。これらの拡張プログラム112は、図示しない起動プログラムを含んでおり、コンピュータでのカプセル化文書101のアクセス、あるいは必要に応じて、コンピュータに解釈、実行され、起動される。
【0054】
ここで、図5は、拡張プログラム参照ファイル113の一例を示しており、この拡張プログラム参照ファイル113は、拡張プログラム112とこれに対応する動作114及びタグ115を規定している。このような拡張プログラム参照ファイル113は、プログラム105としてカプセル化文書101に格納されている。
【0055】
次に、文書配置情報102について説明する。文書配置情報102は、カプセル化文書101の各メディアの配置、表示サイズや各メディアのファイル等を記述するファイルである。本実施の形態では、これらの情報の記述を汎用的なXML形式により記述している。
【0056】
図6はXMLによって記述されたカプセル化文書101の一例を示す模式図である。図6に示すように、XMLは、各要素をタグというもので記述するファイル形式であり、タグという要素の集まりによって文書を記述する。この場合、タグの中にタグを記述するという入れ子構造をとることも可能であり、各タグにはタグの属性をあらわすアトリビュートと呼ばれるもので属性を付加することもできる。
【0057】
図7は、図6に示すようにXMLで記述されたカプセル化文書101の表示例を示す模式図である。図7に表示例を示すようなカプセル化文書101は、図6に例示するXMLの記述に基づいて表示される。まず、文書全体を表す<Document>というタグが記述され、この中に文書の構造が記述されている。そして、最初に表題を記述するために、<TEXT>というタグを使用する場合の表示内容は、アトリビュートが省略されている場合にタグ内の内容を表示する。次のTEXTタグの例は、テキスト情報を“本文.TXT”というファイルから読み込む例である。次のIMAGEタグは、“画像.JPG”という静止画像をX、Y座標を起点にWIDTH、HIGHTで指示されている大きさで表示するという配置情報である。
【0058】
このように、文書配置情報102は、XML形式によりファイルの指示や配置の指示を行う。なお、文書配置情報102は、XML形式を例に挙げて説明したが、その他のHTML形式等の記述言語を使用しても良いし、独自の記述形式を使用しても良い。また、残りの静止画像、動画画像、3D画像、音声情報等を表すメディア情報104は、汎用のファイルフォーマットでも良いし、特殊な仕様の場合には独自のフォーマットを使用しても良い。
【0059】
これまでに述べてきたように、カプセル化文書101のファイル構造は、文書全体の構造を表す文書配置情報102と、これに対応して表示されるテキスト情報ファイルや画像ファイル等の複数のメディアファイル(テキスト情報103及びメディア情報104)と、複数のプログラム105群から構成されている。
【0060】
[カプセル化文書101の閲覧等]
ここで、カプセル化文書101の基本的な動作である文書起動から文書閲覧までの動作について説明する。図8は一般的なコンピュータであるパーソナルコンピュータ301のハードウェア構成図である。
【0061】
図8に示すように、パーソナルコンピュータ301は、情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)302と、BIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)303と、情報を処理中に一時的に格納するRAM(Random Access Memory)304等の一次記憶装置と、処理結果等を保存するHDD(Hard Disk Drive)305等の二次記憶装置と、情報を外部に保管又は配布し若しくは情報(カプセル化文書101)を外部から入手するための記憶媒体であるリムーバブルメディア306に対して情報を読み書きするドライブ307と、外部の他のコンピュータ等と通信により情報を伝達するためのネットワーク308に接続するためのネットワークインタフェース309と、処理経過や処理結果等をユーザに表示するディスプレイ310と、操作者であるユーザがパーソナルコンピュータ301に命令や情報等を入力するためのキーボード311やマウス312等の操作部とから構成され、これらの間のデータ通信をバスコントローラ313が調停して動作している。
【0062】
なお、リムーバブルメディア306としては、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等のような磁気的な記憶媒体、MOのような光磁気的な記憶媒体、CD、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等のような光学的な記憶媒体、半導体メモリ等、各種の記憶媒体が適用できる。なお、本実施の形態では、このような各種の記憶媒体に記憶されたカプセル化文書101がパーソナルコンピュータ301のHDD305にインストールされる。
【0063】
一般的に、パーソナルコンピュータ301では、ユーザが電源を投入するとCPU302がROM303内のBIOSに含まれるローダーというプログラムを起動させ、HDD305からオペレーションシステムというコンピュータのハードウェアとソフトウェアとを管理するプログラムをRAM304に読み込み、このオペレーションシステムを起動させる。このようなオペレーションシステムは、ユーザの操作に応じてプログラムの起動、情報の読み込み、情報の保存等を行う。オペレーションシステムのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標)やUNIX(登録商標)等が知られている。これらのオペレーションシステム上で走るプログラムをアプリケーションと呼んでいる。
【0064】
図9はパーソナルコンピュータ301によるカプセル化文書101の文書閲覧処理の流れを示すフローチャートである。本実施の形態では、このようなパーソナルコンピュータ301とカプセル化文書101とによって情報処理装置を構成している。
【0065】
カプセル化文書101は、テキスト情報103及びメディア情報104というその実体データに対応するアイコンをパーソナルコンピュータ301上のディスプレイ310に表示するためのアイコン(図示せず)に関するアイコンファイルを含んでいる。そこで、このアイコンファイルに従ったアイコンがパーソナルコンピュータ301上に表示されることから、ユーザがマウス312等でカプセル化文書101の実体データに対応するアイコンを選択起動(ダブルクリック)すると、カプセル化文書101内に書庫ファイル201として書庫形式で格納されている基本プログラム111が起動される(ステップS201)。基本プログラム111は、その起動後、文書を表示させるための表示ウィンドウを作成する(S202)。そして、基本プログラム111は、XML等で記述された書庫ファイル201内の文書配置情報102を読み込む(S203)。
【0066】
基本プログラム111は、文書配置情報102の読み込み後、タグ構造を解析して(S204)、図5に例示するようなタグ名に対応する拡張プログラム112を別スレッドで起動し、文書配置情報102に記述してあるアトリビュートを各拡張プログラム112に渡す(S205)。基本プログラム111は、このような処理をカプセル化文書101に格納された文書配置情報102における全てのタグについて処理終了まで行い(S206)、これによって、文書配置情報102に記述された複数の拡張プログラム112が別スレッドで起動する(S205)。
【0067】
各拡張プログラム112は、基本プログラム111より受け取ったアトリビュートを解析し(S207)、アトリビュートの内容に応じて必要なテキスト情報103及びメディア情報104をカプセル化文書101内の書庫ファイル201から読み込む(S208)。そして、各拡張プログラム112は、基本プログラム111が作成するウィンドウ内におけるアトリビュートに応じた大きさの領域にテキスト情報103及びメディア情報104を表示する(S209)。このような処理を行うことで、カプセル化文書101は、複数のテキスト情報103及びメディア情報104を基本プログラム111が確保したウィンドウに表示することができる。
【0068】
また、拡張プログラム112は、そのような表示後、各種のイベント発生を認識した場合(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。このように、カプセル化文書101は、従来の文書とは根本的に異なる構造で文書を表示することができる。
【0069】
[カプセル化文書101に含まれているプログラム105の記述手法]
次に、カプセル化文書101に含まれているプログラム105の記述について説明する。プログラム105を記述する場合、複数の手法が実施可能である。
【0070】
第一の手法は、現在最もポピュラーな言語であるCプログラム言語でプログラム105を作成し、C言語コンパイラーによりCPU302が直接実行できる形式のネイティブコードを使用する例である。この場合、基本プログラム111を実行形式(WindowsではEXE形式)で作成し、各拡張プログラム112をライブラリ形式(WindowsではDLL形式)で作成し、書庫構造で格納された文書配置情報102、デジタル情報ファイル(テキスト情報103及びメディア情報104)及びこれらのプログラム105をインデックスまたはヘッダによって検索し、検索されたプログラム105を基本プログラム111に指定すれば良い。しかしながら、この手法は、CPU302のコードがCPU302の種類に限定されてしまうため、余り良い方法とはいえない。
【0071】
第二の手法は、JAVA(登録商標)言語等のインタープリタ言語を使用する方法である。これは、実行コードを使わず抽象的な中間コードでプログラムを構成し、実行時にこの中間コードをCPU302に理解可能なネイティブコードに変換し、これをCPU302が実行するというものである。この手法を用いることで、CPU302の種類にとらわれないマルチプラットフォームでのカプセル化文書101の利用が可能となる。
【0072】
このように、本実施の形態のカプセル化文書101では、まず基本プログラム111を起動させ、起動プログラムは文書配置情報102から諸情報を読み込み、それに適合する拡張プログラム112を動作させる、というものである。
【0073】
また、拡張プログラム112は、前述したように、XML等で記述された文書配置情報102のタグの種類に対応したプログラムを用意しておき、その拡張プログラム112を起動しても良いし、タグの属性情報が読み込まれる各種のデジタル情報ファイル(テキスト情報103、メディア情報104)の種類に応じて拡張プログラム112を起動しても良い。ここで、図10はメディアの種類と拡張プログラムとの対応関係を規定するファイルのファイル構造を例示する模式図である。図10に示すように、動画情報を表示再生する場合の動画の代表的なフォーマットは複数あるため、その複数の動画を全て表示するための一つの拡張プログラム112を作成すると大きなプログラムになってしまう。そこで、図10に示すように、ファイルフォーマットに合わせて複数の拡張プログラム112を用意し、カプセル化文書101内における特定の種類のファイルフォーマットに合う拡張プログラム112をカプセル化すれば良い。
【0074】
[拡張プログラム112]
次に、拡張プログラム112について説明する。
【0075】
図11はカプセル化文書101に含ませる拡張プログラム112の構造を示す模式図である。図11に示すように、本実施の形態のカプセル化文書101は、文書配置情報102を基本プログラム111が読み取り、文書配置情報102が参照しているデジタル情報ファイル(テキスト情報103、メディア情報104)に対応する拡張プログラム112を起動し、起動した拡張プログラム112はデジタル情報ファイル(テキスト情報103、メディア情報104)を表示再生する、というものである。そして、各拡張プログラム112は、それぞれユーザ操作を検出し、ユーザ操作があったときは、対応する動作を行う。この場合、デジタル情報ファイル(テキスト情報103、メディア情報104)を参照しない拡張プログラム112の場合には、ただ単にユーザ操作を受け取ってそのユーザ操作に応じた動作を行う。
【0076】
ユーザ操作には、マウス312によるクリックやキーボード311による入力等が考えられる。マウス312によるクリックの場合には、マウス312のクリック位置がそれぞれの拡張プログラム112の表示占有範囲内かどうかを判断し、自分の表示範囲でクリックされた場合に対応する動作を行うようにすれば良い。キーボード311による入力の場合には、キーボード311によって移動可能な図示しないカーソル位置がそれぞれの拡張プログラム112の表示占有範囲内かどうかを判断し、自分の表示範囲で選択指示された場合に対応する動作を行うようにすれば良い。ここで、図12は3つのデジタル情報(PRG1、PRG2、PRG3)を表示している文書表示例を示す模式図である。例えば、図12に示すように、3つのデジタル情報(PRG1、PRG2、PRG3)を表示している文書の場合、一例として、ユーザがマウス312で図中の×印の部分をクリックした場合、PRG2の拡張プログラム112がマウス312のクリックを検出し、対応する動作を実行する。
【0077】
このように、本実施の形態におけるカプセル化文書101の文書形式は、各メディアの種類や表示情報ファイルのタグの種類に関連した拡張プログラム112群からなり、最小である構成としては、基本プログラム111と文書配置情報102からなっている。そして、カプセル化文書101は、ユーザがカプセル化文書101内に格納したい情報に応じてデジタル情報ファイル(テキスト情報103、メディア情報104)を準備し、その情報を再生、表示できるような拡張プログラム112を追加することで成立している。そして、本実施の形態におけるカプセル化文書101は、そのような各種ファイルを、単一のファイルとしてアーカイブ形式を利用して格納している。
【0078】
次いで、拡張プログラム112の具体的な例について説明する。
【0079】
まず、カプセル化文書101に、複数個のデジタル情報ファイル(テキスト情報103、メディア情報104)が含まれていることを前提とする拡張プログラム112の機能を説明する。
【0080】
拡張プログラム112は、ディスプレイ310にファイル特定用パネル(図示せず)を表示する。このファイル特定用パネルというのは、カプセル化文書101に含まれている複数個のデジタル情報ファイル(テキスト情報103、メディア情報104)を選択指示可能に列挙するパネルである。そこで、例えばマウス312によるクリック等の手法で任意のデジタル情報ファイル(テキスト情報103、メディア情報104)が選択指示されると、拡張プログラム112は、図9のフローチャートに示すように、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。
【0081】
ここでのイベントに応じた処理として、拡張プログラム112は、選択指示されたデジタル情報ファイル(テキスト情報103、メディア情報104)をディスプレイ310に表示する。
【0082】
次に、カプセル化文書101に、デジタル情報ファイル(テキスト情報103、メディア情報104)が含まれていることを前提とする拡張プログラム112の機能について図13を参照して説明する。図13はページめくりボタン120が出現しているディスプレイ表示例を示す模式図である。ここでは、一例として、文書がパーソナルコンピュータ301のディスプレイ310の表示サイズに対して長く、複数のページに跨るような文書を想定する。
【0083】
図13に示すように、拡張プログラム112は、ディスプレイ310に表示される文書中に、例えば「次ページ」と記載された機能パネルとしてのページめくりボタン120を表示する。そして、ページめくりボタン120がマウス312によって例えばクリックされると、拡張プログラム112は、図9のフローチャートに示すように、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。
【0084】
ここでのイベントに応じた処理として、拡張プログラム112は、ユーザがマウス312等でページめくりボタン120をクリックすると、表示ページの次ページを表示する。別の例として、例えば、ページ数、作成日、総語数等のような文書情報を表示する機能を表示させる拡張プログラム112も実行可能である。また、ディスプレイ310に表示された文書に対してユーザがマウス312等によって書き込みを行う機能を実現する拡張プログラム112も実行可能である。
【0085】
次に、カプセル化文書101に、メディア情報104として、静止画の画像ファイルが含まれていることを前提とする拡張プログラム112の機能について図14を参照して説明する。図14は拡張プログラムによる表示画像の拡大縮小機能を例示する模式図である。
【0086】
図14に示すように、拡張プログラム112は、ディスプレイ310に表示される文書中に静止画像121を表示する。そして、ディスプレイ310の文書中に含まれる静止画像121の表示領域がマウス312によるクリック等によって選択指示されると、拡張プログラム112は、図9のフローチャートに示すように、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。
【0087】
ここでのイベントに応じた処理として、拡張プログラム112は、図14に示すような拡大縮小表示用の別フレームである機能パネル122を作成表示する。この機能パネル122は、静止画像121の拡大又は縮小画像123と共に拡大ボタン124及び縮小ボタン125を提供する。ここで、拡張プログラム112は、いずれかのボタン124、125が選択指示されると、これに対応して拡大率又は縮小率の変更処理を実行する。
【0088】
このようにして、静止画像を表示する拡張プログラム112に新たな機能を付加することで、ただ単に文書中に静止画像121を貼り付けるのに比べ、格段にユーザの視認性を向上させることができる。なお、拡張プログラム112による拡大縮小機能は、周知のあらゆる拡大縮小機能によっても実現可能である。
【0089】
次に、カプセル化文書101に、メディア情報104として、動画画像ファイルが含まれていることを前提とする拡張プログラム112の機能について図15を参照して説明する。図15は拡張プログラムによる動画画像である表示画像の静止画画像としての表示機能及びその再生機能を例示する模式図である。
【0090】
図15に示すように、拡張プログラム112は、ディスプレイ310に表示される文書中に動画画像の1フレームによって規定される静止画像141を表示する。そして、ディスプレイ310の文書中に含まれる静止画像141の表示領域がマウス312によるクリック等によって選択指示されると、拡張プログラム112は、図9のフローチャートに示すように、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。
【0091】
ここでのイベントに応じた処理として、拡張プログラム112は、静止画像141を拡大、縮小又はそのまま表示する画像142を含むポップアップフレーム143を表示し、このポップアップフレーム143に再生ボタン144、停止ボタン145及びポーズボタン146からなる操作ボタン147を出現させる。そして、マウス312によるクリック等の手法で操作ボタン147に含まれるいずれかのボタン144、145、146が選択指示された場合、拡張プログラム112は、図9のフローチャートに示すように、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。
【0092】
ここでのイベントに応じた処理として、拡張プログラム112は、選択指示されたのが再生ボタン144であれば静止画像として表示されている画像142を本来の動画画像として再生し、選択指示されたのが停止ボタン145であれば動画画像の再生を停止し、選択指示されたのがポーズボタン146であれば動画画像の再生をその時点で静止画画像として表示する。
【0093】
更に、カプセル化文書101に、メディア情報104として、音声情報ファイルが含まれていることを前提とする拡張プログラム112の機能について図16を参照して説明する。図16は拡張プログラムによる音声再生機能及び再生音声のテキスト情報化機能を例示する模式図である。
【0094】
図16に示すように、拡張プログラム112は、ディスプレイ310に表示される文書中に機能パネル及び再生パネルとしての音声再生ボタン151を表示する。そして、ディスプレイ310の文書中に含まれる音声再生ボタン151の表示領域がマウス312によるクリック等によって選択指示されると、拡張プログラム112は、図9のフローチャートに示すように、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。
【0095】
ここでのイベント処理として、拡張プログラム112は、後述する音声読み上げ情報表示領域152を含むポップアップフレーム153を表示し、このポップアップフレーム153に再生ボタン154、停止ボタン155及びポーズボタン156からなる操作ボタン157を出現させる。そして、マウス312によるクリック等の手法で操作ボタン157に含まれるいずれかのボタン154、155、156が選択指示された場合、拡張プログラム112は、図9のフローチャートに示すように、イベントの検出を判定し(S210のY)、対応するイベント動作を実行する(S211)。
【0096】
ここでのイベント動作として、拡張プログラム112は、選択指示されたのが再生ボタン154であればカプセル化文書101に含まれている音声情報ファイル内の音声を再生し、選択指示されたのが停止ボタン145であれば再生中の音声情報ファイル内の音声再生を停止し、選択指示されたのがポーズボタン146であれば再生中の音声情報ファイル内の音声再生をその時点で一時停止する。
【0097】
拡張プログラム112は、更に別の機能として、再生ボタン154が選択指示されて音声情報ファイル内の音声が再生される場合、再生される音声をテキスト情報化した可視情報を音声読み上げ情報表示領域152に表示する機能をパーソナルコンピュータ301に実行させる。このような動作は、文書を閲覧する場合に文書閲覧装置(通常はパーソナルコンピュータ301)の音声再生用のスピーカがOFFになっている場合や、難聴者が文書を閲覧する場合に有効である。また、このような読み上げ機能は、パーソナルコンピュータ301のスピーカ等の設定や障害者補助機能の設定等に基づいて、自動的にポップアップ動作させても良い。
【0098】
ここで、音声情報ファイルは、音声をサンプリングしたような音声データとしてのデータ構造を有するものであっても、テキストデータであっても良い。テキストデータである場合、音声情報ファイルを再生するに際して、例えば音声合成LSI等を用い、そのテキストデータを音声の特徴量で規定した音声データに変換するというような手法で再生可能である。また、音声情報ファイル内の音声の再生に際して実行される音声のテキスト情報化は、音声情報ファイルがテキストデータによって構成されている場合にはそのテキストデータをそのまま利用することができる。これに対して、音声情報ファイルが音声データによって構成されている場合には、音声データを解析してテキスト情報化する処理が必要となる。
【0099】
以上幾つかの具体例を挙げたように、表示又は再生させたい各種のデジタル情報の特性に応じて多くの種類の拡張プログラム112をカプセル化文書101に用意することが考えられる。そこで、これらの拡張プログラム112をマルチメディア文書の部品として用意しておくことで、柔軟に多種多様なメディアに対応する拡張プログラム112を実現することができる。そして、この場合、カプセル化文書101内には必要な拡張プログラム112のみを格納すれば良いので、カプセル化文書101の取り扱いは極めて軽快なものとなる。
【0100】
[拡張プログラム112を利用した通信機能]
次いで、拡張プログラム112を利用した通信機能について説明する。
【0101】
この通信機能というのは、ネットワーク308を介して接続されている2以上のパーソナルコンピュータ301において起動している(開かれている)カプセル化文書101の間で通信を実行させる機能である。
【0102】
ここでは、カプセル化文書101の通信について述べるが、通信機能を実現するには、必ずしもカプセル化文書101であることが不可欠というわけではない。もっとも、拡張プログラム112での機能追加という観点からは、カプセル化文書において実現することがより有用である。
【0103】
通信機能は、ネットワーク308を介して接続されている2以上のパーソナルコンピュータ301において起動している各カプセル化文書101の間で、ユーザ操作や文書状態等を共有するために文書状態に関する情報を送受信する文書状態通信機能と、音声動画通信(ビデオ通信)のために音声情報及び動画情報を送受信する音声動画通信機能とを有している。プログラム105には、拡張プログラム112として、文書状態通信機能を実現するプログラム、音声動画通信機能を実現するビデオ通信プログラム、通信可能文書管理機能を実現するリストサーバプログラム(以下、リストサーバとする)等が含まれている。
【0104】
ビデオ通信プログラムは、周知のH.323プロトコルによる音声動画通信機能を実現する。すなわち、H.225プロトコルによる呼設定やH.245プロトコルによる制御を実行し、端末301に接続されたカメラやマイク等の入力装置から入力された動画データや音声データをG.711やH.261等の方式で圧縮符号化し、RPTプロトコルによる音声動画データのストリーミング通信を行うことで、いわゆるテレビ電話機能を果たす。さらに、ビデオ通信プログラムは、カプセル化文書101が開かれて起動されると、H.323の呼設定のためのTCP1720番ポートを開いて待機し、呼設定メッセージを受けるとH.323プロトコルでビデオ通信を実行する。
【0105】
リストサーバは、各パーソナルコンピュータ301で起動しているカプセル化文書101において通信可能な文書の一覧であるリストを作成保存して通信可能文書管理機能を実現する。このリストには、接続先情報が保存されており、この接続先情報としては、接続先端末のIPアドレスや接続先端末のハードウェア情報等が含まれている。なお、リストは所定の記憶領域である表示情報ファイル(文書配置情報)102に記憶されているが、これに限るものではない。
【0106】
ここで、具体的な例として、本実施の形態のシステムについて図17を参照して説明する。図17は本実施の形態のシステム構成を示す概略構成図である。
【0107】
本実施の形態では、図17に示すように、部屋H1に1台の端末A(パーソナルコンピュータ301)が設けられ、部屋H2に2台の端末B,C(各々パーソナルコンピュータ301)が設けられている。これらの端末A,B,Cはイーサネット(登録商標)であるネットワーク308(1セグメント、例えばIPアドレス:192.168.1.x)を介して接続されている。また、端末A及び端末Bには、画像入力のための画像入力装置であるカメラ1、音声入力のための音声入力装置であるマイク2、音声出力のための音声出力装置であるスピーカ3等が各々接続されており、これらの間で送受信されるデータは各々の端末A,Bが備えるバスコントローラ313によって調停される。なお、各端末A,B,Cには、あらかじめ同じカプセル化文書101が格納されている。
【0108】
次に、拡張プログラム112を利用した通信に関る処理について説明する。
【0109】
図18はリスト表示処理の流れを示すフローチャートである。図19は本実施の形態のカプセル化文書101の表示を例示する模式図である。
【0110】
図18に示すように、各端末A,B,Cでは、各ユーザによってマウス312等でカプセル化文書101の実体データに対応するアイコン(図示せず)が選択起動(ダブルクリック)されると、カプセル化文書101が開かれる(ステップS101)。詳しくは、アイコン(図示せず)がダブルクリックされると、カプセル化文書101内に書庫ファイル201として書庫形式で格納されている基本プログラム111が起動される。基本プログラム111は、図9のフローチャートに従って、通信機能を有する拡張プログラム112を起動し、その拡張プログラム112は、ディスプレイ310に表示されるカプセル化文書101の表示中に通信ボタンB1及び切断ボタンB2を表示する(図19参照)。このようにして各端末A,B,Cでは、各カプセル化文書101が開かれ、このとき、ビデオ通信のために、H.323の呼設定のためのTCP1720番ポートも開かれる。その後、各ユーザがマウス312等で各端末A,B,Cのディスプレイ310に表示されたカプセル化文書101の表示中の通信ボタンB1を押すと、拡張プログラム112は複数のカプセル化文書101間における文書状態通信の確立処理を実行する(S102)。
【0111】
ここで、複数のカプセル化文書101間における文書状態通信の確立処理について図20を参照して説明する。図20は、複数のカプセル化文書101間における文書状態通信の確立処理の流れを示すフローチャートである。このような複数のカプセル化文書101間における文書状態通信の確立処理については、ネットワーク308上に置かれた各端末A,B,Cの一機能であるリストサーバに依存している。このリストサーバは、各端末A,B,Cにおいて通信可能なカプセル化文書101の管理を行い、ネットワーク308上のすべての通信可能なカプセル化文書101を把握する機能を有する。
【0112】
図20に示すように、端末A,B,Cのカプセル化文書101(端末A,B,Cで開かれているカプセル化文書101)では、ユーザによってカプセル化文書101の表示中の通信ボタンB1(図19参照)がマウス312等でクリックされると(ステップS301)、拡張プログラム112に含まれているリストサーバが起動しているかどうかを判定し(S302)、起動していなければ(S302のN)、リストサーバを起動する(S303)。そして、その際のPORTを、例えば5000として決定しておく。また、文書自身の受信PORTを任意に取得する(S304)。このポートは文書状態取得用のポートであり、同一端末で複数の通信可能なカプセル化文書101を起動する場合には、それぞれのカプセル化文書101毎に違う番号が割り振られる。リストサーバのポートは、文書識別コード401(図21参照)の受信用ポートであり、各端末A,B,Cに共通するポート番号である。カプセル化文書101は、その文書状態受信用PORT番号を含む自身の文書識別コード401を、ネットワーク308を介してリストサーバのPORT(ここでは、5000)でブロードキャストする(S305)。ここに、文書識別コード送信機能が実行される。
【0113】
ここで、文書識別コード401の一例について図21を参照して説明する。図21は文書識別コード401を例示する模式図である。文書識別コード401は、自文書を特定するための識別コードであり、その内容としては、図21に示すように、ID番号402、ネットワークアドレス番号(IPアドレス)403、ポート番号404、タイトル405、バージョン406、ユーザ名407、VIDEO408及びAUDIO409という情報を含んでいる。ここで、自身の文書識別コード401の送信を伴う通信相手であるカプセル化文書101の指定は、カプセル化文書101のIPアドレス番号403によって行っても良いし、カプセル化文書101のユーザ名407によって行っても良い。
【0114】
なお、VIDEO408のフィールドでは、カプセル化文書101を開いている端末A,B,Cがカメラ1を備えている場合にのみ真の値を持ち、同様に、AUDIO409のフィールドでは、カプセル化文書101を開いている端末A,B,Cがマイク2及びスピーカ3を備えている場合にのみ真の値を持つ。このようなハードウェア情報はリストサーバプログラムがオペレーティングシステムにハードウェア構成を問合せることで取得される。例えば、Microsoft社製のWindowsシステムでは、カメラ1やマイク2等のビデオ入力装置が接続されていれば、VideoCaptureクラスのDirectShowフィルタがシステムに登録される。したがって、登録されているDirectShowフィルタの一覧をシステムから取得し、VideoCaptureクラスの存在を確認することで、ハードウェア構成情報を取得することが可能である。ここでは、端末Aと端末Bとにカメラ1、マイク2及びスピーカ3が接続されているので、これらの端末A,Bから発信される文書識別コード401においては、VIDEO408及びAUDIO409のフィールドが真の値を持っている。
【0115】
ステップS305におけるブロードキャストは、IPアドレスであるブロードキャストアドレスに文書識別コード401を送信し、サブネット内のすべての端末B,Cに通知する。これは、すべての端末A,B,Cに自分の文書識別コード401を通知するのが目的であり、ブロードキャストアドレスを利用する必要は必ずしもない。この際、IPアドレスを一つ一つ指定して送信しても良い。また、サブネット内だけでなく、ネットワーク308上の一つの端末A,B,Cを選んで通信を行う場合には、ホスト名もしくはIPアドレス等のネットワークアドレス403を指定し、文書識別コード401を送信しても良い。
【0116】
以上の一連の処理により、カプセル化文書101は、固有のポート番号で文書状態の通信を受けられる接続状態になる(S306)。これにより、複数のカプセル化文書101間における文書状態通信が確立される。また、ブロードキャストによる通知を受け取ったリストサーバは、その文書識別コード401を自身のリストに加える。ここに、文書識別コード記憶機能が実行される。
【0117】
ここで、リストサーバが行う処理について図22を参照して説明する。図22はリストサーバでの処理の流れを示すフローチャートである。図22に示すように、リストサーバは、様々な要求(識別コードデータ)を待ち受ける(ステップS351)。様々な要求の具体例としては、参加要求、退席要求、リスト追加要求などである。これらの要求は、データのヘッダに付された状態IDとして特定される。そこで、リストサーバは、要求を受信すると(S352)、その状態IDに基づいて要求の種類を判断し、処理を行う(S353)。そして、例えば参加要求を受け付けた場合、リストサーバは、ローカルにその参加要求をしてきたカプセル化文書101と同じタイトルで同じバージョンのカプセル化文書101があれば、そのローカルのカプセル化文書101に参加要求を通知する(S354)。ローカルのカプセル化文書101を起動している端末A,B,Cは、そのような参加要求を受信し、通信可能なカプセル化文書101として、その文書識別コード401を起動中であるローカルのカプセル化文書101のリストに加える。退席要求があった場合にはその逆で、リストから該当する文書識別コード401を削除していく。
【0118】
ここで、リストサーバは、カプセル化文書101が起動している各端末A,B,C上で既にリストサーバが起動している場合には起動しない。これは、一つの端末A,B,Cにおいて複数の通信可能なカプセル化文書101を起動した場合、それぞれのカプセル化文書101がネットワーク308上の通信可能なカプセル化文書101を把握するのでは、それぞれ重複した情報を持つことに他ならずに負荷が重くなるからである。このため、一つの端末A,B,Cにおいては、一つのリストサーバだけを起動させるという処理が実行される。これにより、複数のカプセル化文書101を起動した際の通信文書管理の負担を一つのカプセル化文書101にだけ集約することができる。
【0119】
以上のような処理により、各端末A,B,Cで起動しているカプセル化文書101において通信可能な文書(接続先情報)の一覧であるリストが作成される。ここに、文書識別コード記憶機能が実行される。その後、拡張プログラム112は、図18のフローチャートに示すように、リストの接続先情報等を示す各種のボタンをディスプレイ310に表示する(S103)。ここに、通信相手指定機能の一部が実行される。ここで、図23は、カプセル化文書101の文書パネル中に表示される各種ボタンの一例を示す模式図である。図23では、端末Aの文書パネルが例示されているが、他の端末B,Cでも基本的に同様な文書パネルが表示される。図23に示すように、端末Aの文書パネルには、接続相手のユーザ名及びIPアドレスが同期ボタンB3として表示される。この同期ボタンB3中、一番上の「すべてに送信」と表示される全指定ボタンB3aは、通信可能なカプセル化文書101のすべてに送信することを指定するボタンであり、その下の個別指定ボタンB3bは、それぞれに対応するカプセル化文書101に送信することを指定するボタンである。さらに、端末Aの文書パネルには、文書識別コード401から得られるハードウェア構成情報から接続先端末B,Cがカメラ1、マイク2及びスピーカ3を備えている場合には、個別指定ボタンB3bに続けて通信相手指定ボタンである通話ボタンB4が表示される。ここでは、端末Bがカメラ1、マイク2及びスピーカ3を備えているので、端末Bに対応する個別指定ボタンB3bに続けて通話ボタンB4が表示されている。これにより、様々なハードウェア構成を有するネットワーク環境においても、ユーザはビデオ通信可能なハードウェア構成を有する端末Bを選択指定してビデオ通信による通話を実現することができる。
【0120】
なお、図23では、個別指定ボタンB3bの表示を、ユーザ名/IPアドレス/ポート番号という形態で示したが、例えば、表示はユーザ名だけにしてネットワークアドレス403はボタン上にマウスポインタが位置したときに表示するとか、ホスト名を表示するとか、ユーザの画像や動画像に置き換えてしまう等、各種の表示が可能である。また、カプセル化文書101が受け取った情報が、どこから送られてきたかを判別させるようにするために、送信者を表示するボタンをハイライトすること等もできる。
【0121】
次に、通話ボタンB4がクリックされたことにより実行されるビデオ通信の確立処理について図24及び図25を参照して説明する。図24はビデオ通信の確立処理の流れを示すフローチャート、図25は本実施の形態のビデオ通信用のフレームの一例を示す模式図である。
【0122】
図24に示すように、端末Aのカプセル化文書101では、ユーザによって端末Bに対応する通話ボタンB4がマウス312等でクリックされると(S151)、端末Aのカプセル化文書101内の拡張プログラム112は、図9のフローチャートに示すように、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。この場合のイベントに応じた処理はビデオ通信の確立処理である。つまり、カプセル化文書101内の拡張プログラム112(ビデオ通信プログラム)が、通話ボタンB4に対応する端末BのIPアドレスをリスト(文書識別コード401)から読み込んで通信相手を指定する(S152)。ここに、通信相手指定機能の一部が実行される。その後、端末Bのカプセル化文書101へ呼設定メッセージを送信する(S153)。端末Bのカプセル化文書101では、端末Aのカプセル化文書101から送信された呼設定メッセージを受信し(S154)、端末Aのカプセル化文書101に対して、例えばH.245制御チャネル用アドレス等を含む応答メッセージを送信する(S155)。端末Aのカプセル化文書101では、端末Bのカプセル化文書101から送信された応答メッセージを受信する(S156)。これにより、端末A及び端末Bの各カプセル化文書101間におけるビデオ通信が確立される。その後、端末A及び端末Bにおける各カプセル化文書101内の拡張プログラム112は、端末A及び端末Bのディスプレイ310にビデオ通信フレームF1を表示し(図25参照)、端末Aのカプセル化文書101と端末Bのカプセル化文書101との間でH.323方式での音声動画通信(テレビ電話)を実現する。なお、ビデオ通信フレームF1には、通信相手の顔が表示されている。
【0123】
このようにして、文書識別コード401から得られる端末B,Cのハードウェア情報に基づいて端末Aのディスプレイ310に通信相手を指定するための通話ボタンB4を表示し、この通話ボタンB4が端末Aのマウス312に対するユーザの操作によって選択された場合、その通話ボタンB4に対応する通信相手を音声動画通信の通信相手として指定するので、操作者は通話ボタンB4を押すことによって音声動画通信の通信相手を指定することができ、また、他の端末B,Cが様々なハードウェア構成を有する環境でも、音声動画通信接続可能なハードウェア構成を有する端末Bを選択してその端末Bとの音声動画通信を実行することができる。
【0124】
なお、本実施の形態では、音声及び動画によるテレビ電話を利用したが、これに限るものではなく、例えば臨場感は減少するが音声だけの通話でも同様の効果が得られる。また、使用可能なハードウェアに応じて音声情報又は動画情報を使い分けても良い。さらに、本実施の形態では、ユーザが通話ボタンB4を押すことで通話を開始するようにしているが、これに限るものではなく、例えばビデオ通信可能なハードウェア構成の条件が揃えば自動的に通話を開始するようにしても良い。これにより、ユーザは通話ボタンB4を押すためにマウス312等を操作する必要がなくなり、利便性が向上する。
【0125】
次に、同期ボタンB3がクリックされたことにより実行される同期処理について図26及び図27を参照して説明する。図26は同期処理の流れを示すフローチャート、図27は文書Aと文書Bという二つのカプセル化文書101が同期する際の画面変化を示す模式図である。
【0126】
ユーザがマウス312等で全指定ボタンB3a又は個別指定ボタンB3b(図23参照)をクリックすると、カプセル化文書101の状態、つまり文書状態が送信され、各カプセル化文書101が同期する。文書状態のやり取りには、文書識別コード401にあるIPアドレスと文書それぞれが持つ文書状態受信用のポート番号との組で直接やりとりを行う。この際、文書状態のやり取りには、リストサーバは関与しない。
【0127】
すなわち、図26に示すように、端末Aのカプセル化文書101では、ユーザによって全指定ボタンB3a又は個別指定ボタンB3bである同期ボタンB3がマウス312等でクリックされると(S161)、カプセル化文書101内の拡張プログラム112は、図9のフローチャートに示すように、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。この場合のイベントに応じた処理は情報収集要求である。つまり、送信側の端末Aでは、拡張プログラム112の処理によって、起動中であるカプセル化文書101の文書状態を取得する(S162)。ここでいう文書状態とは、文書のaページが表示されていて、画像が表示装置の(x,y)座標の位置にポップアップされている、というような情報の集まりを意味する。そして、拡張プログラム112は、取得した文書状態に関する情報である文書状態情報を別のカプセル化文書101を起動している端末B,Cに対して、標準的なプロトコルを用いネットワーク308を介して送信する(S163)。受信側の端末B,Cでは、ネットワーク308を介して文書状態情報を受信し(S164)、受信した文書状態情報に基づいて、起動中のディスプレイ表示しているカプセル化文書101のディスプレイ表示に反映させる(S165)。
【0128】
ここで、図26に示すように、例えば、端末Aで起動しているカプセル化文書101はその文書の第13ページ(P13)を表示し、端末Bで起動しているカプセル化文書101はその文書の第22ページ(P22)を表示している場合には、このような状態で、端末Aのカプセル化文書101から端末Bのカプセル化文書101に対して文書状態情報が送られると、端末Bのカプセル化文書101でそれを受け取り、その状態が反映され、端末Bのカプセル化文書101の表示が端末Aのカプセル化文書101と同じ第13ページ(P13)の表示となる。
【0129】
このような同期処理は、リアルタイムで行われても良い。つまり、上述した処理の一例では、同期ボタンB3が押されたとき(もしくは離したとき)に、そのアクションをイベントとして検出し、拡張プログラム112が含んでいる各拡張プログラム1、2、3、…に文書状態情報の収集要求を出したのに対して、何らかのアクション、例えば、ページめくり、画像拡大、画像への書き込み等のユーザ操作を行う際に起きるイベントであるマウスクリック後のリリース時点等を検出し、この検出に基づいて拡張プログラム112が含んでいる各拡張プログラム1、2、3、…に文書状態情報の収集要求を出し、拡張プログラム112が含んでいる通信プログラムがこれを受け取って送信することにより、各イベント発生時に常に同期を取らせることも可能である。これは、会議等で発表者が発表する場合等に有効であり、この場合には、各端末A,B,Cで同一カプセル化文書101を開いていることを前提として、文書状態に関する情報であるユーザ操作情報、例えばページめくりボタン120(図13参照)をクリックした等の情報だけを送信するようにしても良い。さらに、同期処理を実行するに際して、同期が取られるカプセル化文書101上でその同期を取るかどうかを選択可能とするようにしても良い。
【0130】
このようにして、複数の端末A,B,Cにおいてカプセル化文書101の同期を取っていくことにより、カプセル化文書101間での文書状態に関する情報のやり取りを行うことが可能になる。例えば、複数の端末A,B,Cにおいて起動しているカプセル化文書101のあるページを会議の参加者に見せたい場合には、発言者はそのページを開いて同期ボタンB3をクリックすることにより、複数の端末A,B,Cにおいて起動している同一内容を含む別のカプセル化文書101においてそのページが開くようにし、これを閲覧させる、というような方法での情報の共有やコラボレーションが可能になる。
【0131】
図28は複数のカプセル化文書101間における通信を切断する処理(退席する際の処理)の流れを示すフローチャートである。図28に示すように、ある端末A,B,Cのカプセル化文書101では、各ユーザによってカプセル化文書101の表示中の切断ボタンB2(図19参照)がマウス312等でクリックされると(ステップS311)、図9のフローチャートに示すように、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。この場合のイベントに応じた処理は削除要求処理である。つまり、リストからの削除要求をブロードキャストし(S312)、これを各端末A,B,Cのリストサーバが受信すると(S313)、各リストサーバはその切断ボタンB2がクリックされたカプセル化文書101を通信可能なカプセル化文書101のリストから削除する(S314)。これにより、各端末A,B,Cのリストサーバが同タイトル同バージョンのローカル文書に削除要求を出し(S315)、ローカル文書の通信相手リストから削除する(S316)、という処理が実行される。
【0132】
このように本実施の形態におけるカプセル化文書101では、コンピュータによってプログラム105が解釈、実行されれば、テキスト情報103やメディア情報104の閲覧が可能となり、プログラム105だけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さを回避することができる。これにより、閲覧しようとするテキスト情報103やメディア情報104とは別個にプログラム105だけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さからユーザを解放するので、ユーザはマルチメディア文書を容易に扱うことができる。しかも、カプセル化文書101が音声動画通信機能や文書状態通信機能を備えることによって、カプセル化文書101の間で音声情報又は動画情報のやり取り、さらに、文書状態に関する情報、例えばユーザ操作情報や文書状態情報等のやり取りが可能になり、その結果として、会議等で円滑なコミュニケーションを図ることができる。
【0133】
本発明の第二の実施の形態を図29ないし図31に基づいて説明する。なお、第一の実施の形態で説明した部分と同一部分は同一符号で示し、その説明も省略する。
【0134】
本実施の形態のカプセル化文書101間では、第一の実施の形態のようにネットワーク308経由の通信が可能である。ネットワーク308で接続された遠隔地の相手と通信する場合には、機密保持のために接続相手を確認することが必要である。そこで、本実施の形態では、カプセル化文書101間における通信接続の認証のためにビデオ通信を利用する。このとき、対面式の会議で同じ場所にいる相手とは、面倒な操作をすることなく通信を開始したい。そのため、ビデオ通信による通信接続の認証を省くことも実現している。
【0135】
本実施の形態の基本的構成は第一の実施の形態と同じであり、その相違点はカプセル化文書101間におけるビデオ通信の接続認証を行う通信接続認証機能が実現されている点である。
【0136】
図29は本実施の形態のシステム構成を示す概略構成図である。本実施の形態では、図29に示すように、部屋H1に1台の端末A(パーソナルコンピュータ301)が設けられ、部屋H2に2台の端末B,C(各々パーソナルコンピュータ301)が設けられている。端末Aと端末B,Cとはルータ及びネットワーク308を介して接続されている。部屋H1でのネットワーク308では、ネットワークアドレス403、例えばIPアドレスである192.168.1.xを持っており、部屋H2でのネットワーク308は、ネットワークアドレス403、例えばIPアドレスである192.168.2.xを持っている。したがって、端末AのIPアドレスは、192.168.1.xとなり、端末B,CのIPアドレスは、端末Aと異なって192.168.2.xとなる。
【0137】
また、端末A及び端末Bには、画像入力のための画像入力装置であるカメラ1、音声入力のための音声入力装置であるマイク2、音声出力のための音声出力装置であるスピーカ3等が各々接続されており、これらの間で送受信されるデータは各々の端末A,Bが備えるバスコントローラ313によって調停される。なお、各端末A,B,Cには、予め同じカプセル化文書101が格納されている。また、ブロードキャストは端末Aから端末B,Cまで届かないが、端末Aのユーザが端末B又は端末CのIPアドレスをキーボード311等で入力することで、端末Aと端末B又は端末Cとの間のIP接続は可能となる。
【0138】
ここで、例えば、ある会社内の部屋H2で端末B,Cを使用して行われる会議に、社外の部屋H1からネットワーク308経由で端末Aを使用して参加する場合がある。このとき、社内の部屋H2での各端末B,Cは通信接続の認証を行うことなく接続しても構わないが、社外の部屋H1の端末Aから各端末B,Cに接続する場合には、会議の機密保持のため通信接続の認証を行う必要がある。なお、各端末B,Cには、接続認証に用いられる端末Aのアドレスは登録されていないものとする。
【0139】
次に、拡張プログラム112を利用した接続認証処理について説明する。
【0140】
図30は本実施の形態の接続認証処理の流れを示す説明図、図31は本実施の形態のビデオ通信フレームF2の一例を示す模式図である。
【0141】
まず、各端末A,B,Cでは、第一の実施の形態と同様にして、各カプセル化文書101が開かれる(図18のS101参照)。このとき、ビデオ通信のために、H.323の呼設定のためのTCP1720番ポートも開かれる。その後、端末B,Cでは、各ユーザによってマウス312等で各端末B,Cのディスプレイ310に表示されたカプセル化文書101の表示中の通信ボタンB1がクリックされ、拡張プログラム112によって複数のカプセル化文書101間における文書状態通信の確立処理が実行される(図18のS102)。これにより、本実施の形態では、端末Bと端末Cとで開かれている各カプセル化文書101間における文書状態通信が確立される。したがって、同じ部屋H2に設置された端末B,Cを使用する各ユーザは、無駄な認証操作を行う必要がなく、文書状態通信を開始することができる。
【0142】
図30に示すように、端末Aのカプセル化文書101では、ユーザによって例えば端末BのIPアドレスがキーボード311等で入力されると、端末Bのカプセル化文書101に対して文書識別コード401を含む接続要求を送信する(S401)。端末Bのカプセル化文書101では、他のカプセル化文書101から接続要求を受信すると(S402)、その接続要求の文書識別コード401に含まれるネットワークアドレス403である送信元アドレス(IPアドレス)を検査する。ここに、通信接続認証機能が実行される。すなわち、送信元アドレスが登録アドレスや自端末ネットワークアドレス等に一致するか否かを判断する(S403)。なお、登録アドレスとは、例えば端末Bにあらかじめキーボード311等により登録された他端末A,CのIPアドレスである。送信元アドレスが登録アドレスや自端末ネットワークアドレス等に一致しなかった場合には(S403のN)、端末Aのカプセル化文書101に呼設定メッセージを送信する(S404)。端末Aのカプセル化文書101では、端末Bのカプセル化文書101から送信された呼設定メッセージを受信し(S405)、端末Bのカプセル化文書101に対して、例えばH.245制御チャネル用アドレス等を含む応答メッセージを送信する(S406)。端末Bのカプセル化文書101では、端末Aのカプセル化文書101から送信された応答メッセージを受信する(S407)。これにより、端末A及び端末Bの各カプセル化文書101間におけるビデオ通信が確立される。その後、端末A及び端末Bにおけるカプセル化文書101内の拡張プログラム112(ビデオ通信プログラム)は、端末A及び端末Bのディスプレイ310にビデオ通信フレームF2を表示し(図31参照)、端末Aと端末Bとの各カプセル化文書101の間でH.323方式での音声動画通信(テレビ電話)を実現する。ここに、通信接続認証機能の一部が実行される。なお、ビデオ通信フレームF2には、通信相手の顔が表示される表示画面G、通信接続許可ボタンである接続ボタンB5及び切断ボタンB6が設けられている。ここで、端末Bにおけるカプセル化文書101内の拡張プログラム112(ビデオ通信プログラム)は、接続ボタンB5又は切断ボタンB6がユーザによりマウス312等でクリックされることに待機する(S408のN,S409のN)。
【0143】
その後、ユーザがビデオ通信フレームF2の表示画面Gによって通信相手を確認し、知っている相手であった場合に、マウス312等で接続ボタンB5をクリックすると(S408のY)、端末Bのカプセル化文書101内の拡張プログラム112は、図9のフローチャートに示すように、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。この場合のイベントに応じた処理は、通信の接続許可メッセージの送信である。したがって、端末Bのカプセル化文書101内の拡張プログラム112は、端末Aのカプセル化文書101に接続許可メッセージを送信する(S410)。ここに、通信接続認証機能の一部が実行される。なお、ステップS403において、送信元アドレスが登録アドレスや自端末ネットワークアドレスに一致した場合にも(S403のY)、端末Aのカプセル化文書101に接続許可メッセージを送信する(S410)。ここで、ユーザが常時使用している端末AのIPアドレスを端末Bに登録しておけば、端末Aのカプセル化文書101と端末Bのカプセル化文書101との間では、ビデオ通信による認証を行わなくても、各端末A,B,Cの各カプセル化文書101間における文書状態通信が確立される。
【0144】
一方、ユーザがビデオ通信フレームF2の表示画面Gによって通信相手を確認し、知らない相手であった場合等に、接続ボタンB5をクリックせず(S408のN)、マウス312等で切断ボタンB6をクリックすると(S409のY)、端末Bのカプセル化文書101内の拡張プログラム112は、図9のフローチャートにおいて、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。この場合のイベントに応じた処理は、通信の接続不許可メッセージの送信である。したがって、端末Bのカプセル化文書101内の拡張プログラム112は、端末Aのカプセル化文書101に接続不許可メッセージを送信する(S411)。
【0145】
端末Aのカプセル化文書101では、接続許可メッセージ又は接続不許可メッセージを受信し(S412)、接続不許可メッセージを受信した場合には、通信接続が許可されず(S413のN)、接続拒否等のメッセージを端末Aのディスプレイ310に表示して処理が終了する。また、接続許可メッセージを受信した場合には、通信接続が許可され(S413のY)、端末Bのカプセル化文書101に文書識別コード401を送信する(S414)。端末Bのカプセル化文書101では、端末Aのカプセル化文書101から送信された文書識別コード401を受信し(S415)、各端末A,B,Cで開かれている各カプセル化文書101間における文書状態通信が確立される。
【0146】
このように本実施の形態では、ユーザがビデオ通信フレームF2の表示画面Gによって通信相手を確認してから、マウス312等で接続ボタンB5をクリックすることで、文書状態通信の接続が確立、すなわち許可されるため、ネットワーク上での通信のセキュリティを利便性良く向上させることができる。また、送信元アドレスが登録アドレスや自端末ネットワークアドレスに一致した場合にも、文書状態通信の接続が許可されるため、不必要な処理や操作を省くことができる。
【0147】
なお、本実施の形態では、ビデオ通信によって通信相手を確認することで、通信の接続を許可しているが、これに限るものではなく、例えば、暗号通信用の鍵情報を送信することで、通信の接続を許可するようにしても良い。
【0148】
本発明の第三の実施の形態を図32ないし図34に基づいて説明する。なお、第一の実施の形態で説明した部分と同一部分は同一符号で示し、その説明も省略する。
【0149】
本実施の形態のカプセル化文書101間では、第一の実施の形態のようにネットワーク308経由の通信が可能である。ここで、通信相手となるカプセル化文書101を特定するために、第一の実施の形態では、ブロードキャストを用いており、第二の実施の形態では、ブロードキャストが届かないためにIPアドレスを用いている。本実施の形態では、第二の実施の形態と同様に遠隔地から会議に参加する場合、IPアドレスが不明な通信相手を特定するために遠隔会議制御方式の通信(ゲートキーパK)を用いている。
【0150】
本実施の形態の基本的構成は第一の実施の形態と同じであり、その相違点はゲートキーパKを利用してカプセル化文書101間における文書状態通信の確立が実現されている点である。
【0151】
図32は本実施の形態のシステム構成を示す概略構成図である。
【0152】
本実施の形態では、図32に示すように、部屋H1に1台の端末A(パーソナルコンピュータ301)が設けられ、部屋H2に2台の端末B,C(各々パーソナルコンピュータ301)が設けられている。端末Aと端末B,Cとはルータ(図示せず)及びネットワーク308を介して接続されている。ネットワーク308上には、H.323方式のゲートキーパKが存在し、3つの端末A,B,Cのいずれからも別名登録や呼設定等に利用できるものとする。部屋H1でのネットワーク308では、ネットワークアドレス403、例えばIPアドレスである192.168.1.xを持っており、部屋H2でのネットワーク308は、ネットワークアドレス403、例えばIPアドレスである192.168.2.xを持っている。したがって、端末AのIPアドレスは、192.168.1.xとなり、端末B,CのIPアドレスは、端末Aと異なって192.168.2.xとなる。また、端末A及び端末Bには、画像入力のための画像入力装置であるカメラ1、音声入力のための音声入力装置であるマイク2、音声出力のための音声出力装置であるスピーカ3等が各々接続されており、これらの間で送受信されるデータは各々の端末A,Bが備えるバスコントローラ313によって調停される。なお、各端末A,B,Cには、あらかじめ同じカプセル化文書101が格納されている。
【0153】
ここで、第一の実施の形態と同様に、リストサーバによる処理により、各端末A,B,Cで起動しているカプセル化文書101において通信可能な文書の一覧(接続先情報)であるリストが作成される。そして、拡張プログラム112はリストの接続先情報等を示す各種のボタンをディスプレイ310に表示する。ここで、図33は、カプセル化文書101の文書パネル中に表示される各種ボタンの一例を示す模式図である。図33では、端末Bの文書パネルが例示されているが、他の端末A,Cでも基本的に同様な文書パネルが表示される。図33に示すように、端末Bの文書パネルには、ゲートキーパ登録ボタンB7及びゲートキーパ通話ボタンB8が表示され、接続相手のユーザ名及びIPアドレスが同期ボタンB3として表示される。この同期ボタンB3中、一番上の「すべてに送信」と表示される全指定ボタンB3aは、通信可能なカプセル化文書101のすべてに送信することを指定するボタンであり、その下の個別指定ボタンB3bは、それぞれに対応するカプセル化文書101に送信することを指定するボタンである。さらに、端末Bの文書パネルには、文書識別コード401から得られるハードウェア構成情報から接続先端末A,Cがカメラ1及びマイク2を備えている場合には、個別指定ボタンB3bに続けて通話ボタンB4(図23参照)が表示される。なお、リストに接続先情報(文書識別コード401)が登録されていない場合には、同期ボタンB3は表示されないため、ここでは、リストの接続先情報に端末Aの情報がないので端末Aの個別指定ボタンB3bは表示されていない。一方、リストの接続先情報に端末Cの情報はあるので端末Cの個別指定ボタンB3bは表示されているが、端末Cがカメラ1及びマイク2を備えていないので通話ボタンB4は表示されていない。
【0154】
ここで、ゲートキーパ登録ボタンB7がユーザによりマウス312等でクリックされると、ネットワーク308上に存在するゲートキーパKには、カプセル化文書101内の特定のキーワードが別名とされて自端末のIPアドレスと対応付けられて登録される。ゲートキーパ通話ボタンB8がマウス312でクリックされると、ネットワーク308上に存在するゲートキーパKを利用することで他の端末に呼設定メッセージが送信される。
【0155】
次に、拡張プログラム112を利用した文書状態通信の確立処理について説明する。
【0156】
図34は本実施の形態の文書状態通信の確立処理の流れを示す説明図である。
【0157】
まず、各端末A,B,Cでは、第一の実施の形態と同様にして、各カプセル化文書101が開かれる(図18のS101参照)。このとき、ビデオ通信のために、H.323の呼設定のためのTCP1720番ポートも開かれる。その後、端末B,Cでは、各ユーザによってマウス312等で各端末B,Cのディスプレイ310に表示されたカプセル化文書101の表示中の通信ボタンB1がクリックされ、拡張プログラム112によって複数のカプセル化文書101間における文書状態通信の確立処理が実行される(図18のS102)。これにより、本実施の形態では、端末Bと端末Cとで開かれている各カプセル化文書101間における文書状態通信が確立される。
【0158】
図34に示すように、端末Bのカプセル化文書101では、ユーザによってカプセル化文書101の表示中のゲートキーパ登録ボタンB7がマウス312等でクリックされると(S501)、端末Bのカプセル化文書101内の拡張プログラム112は、図9のフローチャートにおいて、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。この場合のイベントに応じた処理は、登録要求の送信である。つまり、カプセル化文書101内の拡張プログラム112(ビデオ通信プログラム)がゲートキーパKに端末BのIPアドレス及びカプセル化文書101のIDを含む登録要求を送信する(S502)。ゲートキーパKでは、端末Bのカプセル化文書101から送信された登録要求を受信し(S503)、端末BのIPアドレス及びカプセル化文書101のIDを登録する(S504)。
【0159】
端末Aのカプセル化文書101では、ユーザによりカプセル化文書101の表示中のゲートキーパ通話ボタンB8がマウス312等でクリックされると(S505)、端末Aのカプセル化文書101内の拡張プログラム112は、図9のフローチャートにおいて、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。この場合のイベントに応じた処理は、接続要求の送信である。つまり、カプセル化文書101内の拡張プログラム112(ビデオ通信プログラム)が、ゲートキーパKに接続要求を送信する(S506)。ゲートキーパKでは、端末Aから送信された接続要求を受信し(S507)、端末Aのカプセル化文書に端末BのIPアドレスを送信する(S508)。端末Aのカプセル化文書101では、ゲートキーパKから送信された端末BのIPアドレスを受信し(S508)、この端末BのIPアドレスに基づいて通信相手を指定し、端末Bのカプセル化文書101に呼設定メッセージを送信する(S510)。ここに、ゲートキーパKを利用した通信相手指定機能が実行される。端末Bのカプセル化文書101では、端末Aのカプセル化文書101から送信された呼設定メッセージを受信し(S511)、端末Aのカプセル化文書101に対して、例えばH.245制御チャネル用アドレス等を含む応答メッセージを送信する(S512)。端末Aのカプセル化文書101では、端末Bのカプセル化文書101から送信された応答メッセージを受信する(S513)。これにより、端末A及び端末Bの各カプセル化文書101間におけるビデオ通信が確立される。その後、端末A及び端末Bにおけるカプセル化文書101内の拡張プログラム112は、端末A及び端末Bのディスプレイにビデオ通信フレームF2を表示し(図31参照)、端末Aのカプセル化文書101と端末Bのカプセル化文書101との間でH.323方式での音声動画通信(テレビ電話)を実現する。ここで、ビデオ通信フレームF2には、通信相手の顔が表示される表示画面G、接続ボタンB5及び切断ボタンB6も表示されている。
【0160】
その後、ユーザがビデオ通信フレームF2の表示画面Gによって通信相手を確認し、知っている相手であった場合等に、マウス312等で接続ボタンB5をクリックすると(S514)、端末Bのカプセル化文書101内の拡張プログラム112は、図9のフローチャートにおいて、イベント検出ありと判定し(S210のY)、認識したイベントに応じた処理を実行する(S211)。この場合のイベントに応じた処理は、文書識別コード401の送信である。つまり、カプセル化文書101内の拡張プログラム112(ビデオ通信プログラム)が、端末Bのカプセル化文書101に文書識別コード401を送信する(S515)。端末Bのカプセル化文書101では、端末Aのカプセル化文書101から送信された文書識別コード401を受信する(S516)。これにより、各端末A,B,Cで開かれている各カプセル化文書101間における文書状態通信が確立される。以後、第一の実施の形態の同様な通信が開始される。なお、端末Aのカプセル化文書101では、ユーザによって切断ボタンB6がマウス312等でクリックされた場合、ビデオ通信を終了する処理を実行する。
【0161】
このように本実施の形態では、ネットワーク308上に存在するゲートキーパKを利用して音声動画通信の通信相手を指定することで、接続先の端末BのIPアドレスを知らなくても接続することが可能となり、その結果として、遠隔地から会議に参加することができ、さらに、ネットワークで接続された複数の端末A,B,Cがネットワーク的に離れた条件でも、簡単に通信相手を指定して接続することができる。
【0162】
なお、本実施の形態では、IPアドレスを取得するためにH.323方式のゲートキーパKを利用しているが、これに限るものではなく、例えば周知のLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)サーバやダイナミックDNS(Domain Name Service)サーバ等を利用しても良い。
【0163】
また、各実施の形態では、各種のボタンB1〜B8を端末A,B,Cのディスプレイ310に表示しているが、これに限るものではなく、例えばディスプレイ310に各種のボタンB1〜B8の代わりにキーボード311のキーを示すボタンを表示し、これに応じて操作者がキーボード311のキーを押下すると、各種のボタンB1〜B8がクリックされた場合と同じ処理を実行するようにしても良い。
【0164】
【発明の効果】
請求項1記載の文書のデータ構造の発明によれば、文書での表現実体となるデジタル情報ファイルと、前記表現実体の表示状態を特定する表示情報ファイルと、ネットワークに接続されたコンピュータにより読み取られ前記コンピュータに前記表現実体の表示機能や各種の機能を実現させる動作プログラムを有する動作プログラムファイルと、を具備し、前記動作プログラムは、前記コンピュータで開かれている文書とこの文書と同一のデータ構造を有して前記ネットワークに接続された他のコンピュータで開かれている文書との間で前記ネットワークを介して音声情報及び動画情報の一方又は両方を送受信する音声動画通信機能を前記コンピュータに実現させることから、コンピュータによって動作プログラムファイルが解釈、実行されれば、デジタル情報ファイルの閲覧が可能となり、動作プログラムファイルだけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さを回避することができる。これにより、閲覧しようとするデジタル情報ファイルとは別個に動作プログラムファイルだけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さからユーザを解放するので、ユーザはマルチメディア文書を容易に扱うことができる。しかも、文書が音声動画通信機能を備えることによって、文書間で音声情報又は動画情報のやり取りが可能になり、その結果として、例えば会議等で円滑なコミュニケーションを図ることができる。
【0165】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の文書のデータ構造において、前記動作プログラムは、前記コンピュータで開かれている文書とこの文書と同一のデータ構造を有して前記他のコンピュータで開かれている文書との間で前記ネットワークを介して文書状態に関する情報を送受信する文書状態通信機能を前記コンピュータに実現させることから、文書間で文書状態に関する情報、例えばユーザ操作情報や文書状態情報等のやり取りが可能になり、その結果として、例えば会議等で円滑なコミュニケーションを図ることができる。
【0166】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の文書のデータ構造において、前記デジタル情報ファイルと前記表示情報ファイルと前記動作プログラムファイルとを単一の文書としてカプセル化するカプセル化手段を具備することから、デジタル情報ファイル、表示情報ファイル及び動作プログラムファイルは、カプセル化手段によって単一の文書としてカプセル化されているので、その取り扱いや管理を極めて容易にすることができる。
【0167】
請求項4記載の発明によれば、請求項1、2又は3記載の文書のデータ構造において、前記動作プログラムは、前記コンピュータで開かれている文書を特定する文書識別コードを前記他のコンピュータに送信する文書識別コード送信機能を前記コンピュータに実現させることから、その文書識別コードに基づいて他のコンピュータは通信相手を特定することができ、さらに、その文書識別コードに基づく様々な処理を行うことができる。
【0168】
請求項5記載の発明によれば、請求項1、2、3又は4記載の文書のデータ構造において、前記動作プログラムは、前記他のコンピュータから送信された前記文書識別コードを所定の記憶領域に記憶する文書識別コード記憶機能と、前記文書識別コードに基づいて前記音声動画通信機能による通信相手を指定する通信相手指定機能と、を前記コンピュータに実現させることから、ネットワークで接続された複数のコンピュータがネットワーク的に離れた条件でも、簡単に通信相手を指定して接続することができる。
【0169】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の文書のデータ構造において、前記文書識別コードは、ハードウェア構成情報を示すコードを有するので、文書識別コードを読み取ってハードウェア構成情報を利用した様々な処理を行うことができる。
【0170】
請求項7記載の発明によれば、請求項6記載の文書のデータ構造において、前記通信相手指定機能は、前記文書識別コードから得られる前記他のコンピュータのハードウェア情報に基づいて前記音声動画通信機能による通信相手を指定することから、他のコンピュータが様々なハードウェア構成を有する環境でも、音声動画通信接続可能なハードウェア構成を有する他のコンピュータを選択してそのコンピュータとの音声動画通信を実行することができる。
【0171】
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の文書のデータ構造において、前記通信相手指定機能は、前記文書識別コードから得られる前記他のコンピュータのハードウェア情報に基づいて前記コンピュータのディスプレイに通信相手を指定するための通信相手指定ボタンを表示し、前記通信相手指定ボタンが前記コンピュータの操作部に対する操作者の操作によって選択された場合、その通信相手指定ボタンに対応する通信相手を前記音声動画通信機能による通信相手として指定することから、操作者は通信相手指定ボタンを押すことによって音声動画通信機能による通信相手を指定することができ、また、他のコンピュータが様々なハードウェア構成を有する環境でも、音声動画通信接続可能なハードウェア構成を有する他のコンピュータを選択してそのコンピュータとの音声動画通信を実行することができる。
【0172】
請求項9記載の発明によれば、請求項1、2、3又は4記載の文書のデータ構造において、前記動作プログラムは、ゲートキーパを利用して前記音声動画通信機能による通信相手を指定する通信相手指定機能を前記コンピュータに実現させることから、通信相手の情報、例えばネットワークアドレス等を知らなくても接続することができ、さらに、ネットワークで接続された複数のコンピュータがネットワーク的に離れた条件でも、簡単に通信相手を指定して接続することができる。
【0173】
請求項10記載の発明によれば、請求項1ないし9のいずれか一記載の文書のデータ構造において、前記動作プログラムは、前記文書状態通信機能による文書状態通信の接続認証を行う通信接続認証機能を前記コンピュータに実現させることから、接続が許可されていない文書には、例えば会議等における文書状態に関する情報が送信されないため、ネットワーク上での通信のセキュリティを利便性良く向上させることができる。
【0174】
請求項11記載の発明によれば、請求項10記載の文書のデータ構造において、前記通信接続認証機能は、前記音声動画通信機能による音声情報及び動画情報の一方又は両方が受信された場合、前記コンピュータのディスプレイに文書状態通信の接続を許可するための通信接続許可ボタンを表示し、前記通信接続許可ボタンが前記コンピュータの操作部に対する操作者の操作によって選択された場合、前記文書状態通信機能による文書状態通信の接続を許可することから、操作者は音声出力装置及びディスプレイの一方又は両方に出力された音声及び動画の一方又は両方から通信相手を確認してから、操作部で通信接続許可ボタンを押すことで、文書状態通信の接続が許可されるため、ネットワーク上での通信のセキュリティを利便性良く向上させることができる。
【0175】
請求項12記載の発明によれば、請求項10又は11記載の文書のデータ構造において、前記通信接続認証機能は、前記他のコンピュータから送信されたネットワークアドレスを前記コンピュータの所定の記憶領域に予め登録された登録ネットワークアドレスと比較し、前記ネットワークアドレスが前記登録ネットワークアドレスと一致した場合、前記文書状態通信機能による文書状態通信の接続を許可することから、登録ネットワークアドレスを信頼できるアドレスとして所定の記憶領域に予め登録しておくことで、その登録ネットワークアドレスを有する特定のコンピュータからの接続が許可されるため、不必要な処理や操作を省くことが可能となり、その結果として、ネットワーク上での通信のセキュリティを利便性良く向上させることができる。
【0176】
請求項13記載の発明によれば、請求項10、11又は12記載の文書のデータ構造において、前記通信接続認証機能は、前記他のコンピュータから送信されたネットワークアドレスを前記コンピュータの自端末ネットワークアドレスと比較し、前記ネットワークアドレスが前記自端末ネットワークアドレスと一致した場合、前記文書状態通信機能による文書状態通信の接続を許可することから、自端末ネットワークアドレスを有する特定のコンピュータからの接続が許可されるため、不必要な処理や操作を省くことが可能となり、その結果として、ネットワーク上での通信のセキュリティを利便性良く向上させることができる。
【0177】
請求項14記載の記憶媒体の発明によれば、文書での表現実体となるデジタル情報ファイルと、前記表現実体の表示状態を特定する表示情報ファイルと、ネットワークに接続されたコンピュータにより読み取られ前記コンピュータに前記表現実体の表示機能や各種の機能を実現させる動作プログラムを有する動作プログラムファイルと、を具備し、前記動作プログラムは、前記コンピュータで開かれている文書とこの文書と同一のデータ構造を有して前記他のコンピュータで開かれている文書との間で前記ネットワークを介して音声情報及び動画情報の一方又は両方を送受信する音声動画通信機能と、を前記コンピュータに実現させる文書のデータ構造を格納することから、コンピュータによって動作プログラムファイルが解釈、実行されれば、デジタル情報ファイルの閲覧が可能となり、動作プログラムファイルだけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さを回避することができる。これにより、閲覧しようとするデジタル情報ファイルとは別個に動作プログラムファイルだけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さからユーザを解放するので、ユーザはマルチメディア文書を容易に扱うことができる。しかも、文書が音声動画通信機能を備えることによって、文書間で音声情報又は動画情報のやり取りが可能になり、その結果として、例えば会議等で円滑なコミュニケーションを図ることができる。
【0178】
請求項15記載の情報処理装置の発明は、コンピュータとこのコンピュータによって閲覧可能な文書のデータ構造とを含み、前記文書のデータ構造は、文書での表現実体となるデジタル情報ファイルと、前記表現実体の表示状態を特定する表示情報ファイルと、ネットワークに接続されたコンピュータにより読み取られ前記コンピュータに前記表現実体の表示機能や各種の機能を実現させる動作プログラムを有する動作プログラムファイルと、を具備し、前記動作プログラムは、前記コンピュータで開かれている文書とこの文書と同一のデータ構造を有して前記他のコンピュータで開かれている文書との間で前記ネットワークを介して音声情報及び動画情報の一方又は両方を送受信する音声動画通信機能と、を前記コンピュータに実現させることから、コンピュータによって動作プログラムファイルが解釈、実行されれば、デジタル情報ファイルの閲覧が可能となり、動作プログラムファイルだけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さを回避することができる。これにより、閲覧しようとするデジタル情報ファイルとは別個に動作プログラムファイルだけを単独でコンピュータに事前インストールしなければならない煩雑さからユーザを解放するので、ユーザはマルチメディア文書を容易に扱うことができる。しかも、文書が音声動画通信機能を備えることによって、文書間で音声情報又は動画情報のやり取りが可能になり、その結果として、例えば会議等で円滑なコミュニケーションを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カプセル化文書のデータ構造を示す模式図である。
【図2】書庫ファイルのデータ構造の一例を示す模式図である。
【図3】書庫ファイルの別のデータ構造の一例を示す模式図である。
【図4】カプセル化文書に格納されているプログラムのデータ構造を示す模式図である。
【図5】プログラムに含まれている拡張プログラムに関する情報を規定する表示情報ファイルのデータ構造を示す模式図である。
【図6】XMLによって記述されたカプセル化文書の一例を示す模式図である。
【図7】図6に示すようにXMLで記述されたカプセル化文書の表示例を示す模式図である。
【図8】パーソナルコンピュータ(コンピュータ)のハードウェア構成図である。
【図9】パーソナルコンピュータ(コンピュータ)によるカプセル化文書の文書閲覧処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】メディアの種類と拡張プログラムとの対応関係を規定するファイルのファイル構造を例示する模式図である。
【図11】カプセル化文書に含ませる拡張プログラムの構造を示す模式図である。
【図12】3つのデジタル情報(PRG1、PRG2、PRG3)を表示している文書表示例を示す模式図である。
【図13】ページめくりボタンが出現しているディスプレイ表示例を示す模式図である。
【図14】拡張プログラムによる表示画像の拡大縮小機能を例示する模式図である。
【図15】拡張プログラムによる動画画像である表示画像の静止画画像としての表示機能及びその再生機能を例示する模式図である。
【図16】拡張プログラムによる音声再生機能及び再生音声のテキスト情報化機能を例示する模式図である。
【図17】本実施の第一の形態のシステム構成を示す概略構成図である。
【図18】リスト表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】カプセル化文書の表示を例示する模式図である。
【図20】複数のカプセル化文書間における文書状態通信の確立処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】文書識別コードを例示する模式図である。
【図22】リストサーバでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】カプセル化文書の文書パネル中に表示される各種ボタンの一例を示す模式図である。
【図24】ビデオ通信の確立処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】本発明の第一の実施の形態のビデオ通信フレームの一例を示す模式図である。
【図26】同期処理の流れを示すフローチャートである。
【図27】文書Aと文書Bという二つのカプセル化文書が同期する際の画面変化を示す模式図である。
【図28】複数のカプセル化文書間における通信を切断する処理(退席する際の処理)の流れを示すフローチャートである。
【図29】本発明の第二の実施の形態のシステム構成を示す概略構成図である。
【図30】本発明の第二の実施の形態の接続認証処理の流れを示す説明図である。
【図31】本発明の第二の実施の形態のビデオ通信用のフレームの一例を示す模式図である。
【図32】本発明の第三の実施の形態のシステム構成を示す概略構成図である。
【図33】本発明の第三の実施の形態のカプセル化文書の文書パネル中に表示される各種ボタンの一例を示す模式図である。
【図34】本発明の第三の実施の形態の文書状態通信の確立処理の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
102 表示情報ファイル(文書配置情報)
103 デジタル情報ファイル(テキスト情報)
104 デジタル情報ファイル(メディア情報)
105 動作プログラムファイル(プログラム)
301 コンピュータ(パーソナルコンピュータ)
308 ネットワーク
310 ディスプレイ
311 操作部(キーボード)
312 操作部(マウス)
401 文書識別コード
403 ネットワークアドレス
B4 通信相手指定ボタン
B5 通信接続許可ボタン
K ゲートキーパ
Claims (15)
- 文書での表現実体となるデジタル情報ファイルと、
前記表現実体の表示状態を特定する表示情報ファイルと、
ネットワークに接続されたコンピュータにより読み取られ前記コンピュータに前記表現実体の表示機能や各種の機能を実現させる動作プログラムを有する動作プログラムファイルと、を具備し、
前記動作プログラムは、
前記コンピュータで開かれている文書とこの文書と同一のデータ構造を有して前記ネットワークに接続された他のコンピュータで開かれている文書との間で前記ネットワークを介して音声情報及び動画情報の一方又は両方を送受信する音声動画通信機能を前記コンピュータに実現させる文書のデータ構造。 - 前記動作プログラムは、
前記コンピュータで開かれている文書とこの文書と同一のデータ構造を有して前記他のコンピュータで開かれている文書との間で前記ネットワークを介して文書状態に関する情報を送受信する文書状態通信機能を前記コンピュータに実現させる請求項1記載の文書のデータ構造。 - 前記デジタル情報ファイルと前記表示情報ファイルと前記動作プログラムファイルとを単一の文書としてカプセル化するカプセル化手段を具備する請求項1又は2記載の文書のデータ構造。
- 前記動作プログラムは、
前記コンピュータで開かれている文書を特定する文書識別コードを前記他のコンピュータに送信する文書識別コード送信機能を前記コンピュータに実現させる請求項1、2又は3記載の文書のデータ構造。 - 前記動作プログラムは、
前記他のコンピュータから送信された前記文書識別コードを所定の記憶領域に記憶する文書識別コード記憶機能と、
前記文書識別コードに基づいて前記音声動画通信機能による通信相手を指定する通信相手指定機能と、
を前記コンピュータに実現させる請求項1、2、3又は4記載の文書のデータ構造。 - 前記文書識別コードは、ハードウェア構成情報を示すコードを有する請求項5記載の文書のデータ構造。
- 前記通信相手指定機能は、前記文書識別コードから得られる前記他のコンピュータのハードウェア情報に基づいて前記音声動画通信機能による通信相手を指定する請求項6記載の文書のデータ構造。
- 前記通信相手指定機能は、前記文書識別コードから得られる前記他のコンピュータのハードウェア情報に基づいて前記コンピュータのディスプレイに通信相手を指定するための通信相手指定ボタンを表示し、前記通信相手指定ボタンが前記コンピュータの操作部に対する操作者の操作によって選択された場合、その通信相手指定ボタンに対応する通信相手を前記音声動画通信機能による通信相手として指定する請求項7記載の文書のデータ構造。
- 前記動作プログラムは、ゲートキーパを利用して前記音声動画通信機能による通信相手を指定する通信相手指定機能を前記コンピュータに実現させる請求項1、2、3又は4記載の文書のデータ構造。
- 前記動作プログラムは、前記文書状態通信機能による文書状態通信の接続認証を行う通信接続認証機能を前記コンピュータに実現させる請求項1ないし9のいずれか一記載の文書のデータ構造。
- 前記通信接続認証機能は、前記音声動画通信機能による音声情報及び動画情報の一方又は両方が受信された場合、前記コンピュータのディスプレイに文書状態通信の接続を許可するための通信接続許可ボタンを表示し、前記通信接続許可ボタンが前記コンピュータの操作部に対する操作者の操作によって選択された場合、前記文書状態通信機能による文書状態通信の接続を許可する請求項10記載の文書のデータ構造。
- 前記通信接続認証機能は、前記他のコンピュータから送信されたネットワークアドレスを前記コンピュータの所定の記憶領域に予め登録された登録ネットワークアドレスと比較し、前記ネットワークアドレスが前記登録ネットワークアドレスと一致した場合、前記文書状態通信機能による文書状態通信の接続を許可する請求項10又は11記載の文書のデータ構造。
- 前記通信接続認証機能は、前記他のコンピュータから送信されたネットワークアドレスを前記コンピュータの自端末ネットワークアドレスと比較し、前記ネットワークアドレスが前記自端末ネットワークアドレスと一致した場合、前記文書状態通信機能による文書状態通信の接続を許可する請求項10、11又は12記載の文書のデータ構造。
- 文書での表現実体となるデジタル情報ファイルと、
前記表現実体の表示状態を特定する表示情報ファイルと、
ネットワークに接続されたコンピュータにより読み取られ前記コンピュータに前記表現実体の表示機能や各種の機能を実現させる動作プログラムを有する動作プログラムファイルと、を具備し、
前記動作プログラムは、
前記コンピュータで開かれている文書とこの文書と同一のデータ構造を有して前記他のコンピュータで開かれている文書との間で前記ネットワークを介して音声情報及び動画情報の一方又は両方を送受信する音声動画通信機能と、
を前記コンピュータに実現させる文書のデータ構造を格納する記憶媒体。 - コンピュータとこのコンピュータによって閲覧可能な文書のデータ構造とを含み、
前記文書のデータ構造は、
文書での表現実体となるデジタル情報ファイルと、
前記表現実体の表示状態を特定する表示情報ファイルと、
ネットワークに接続されたコンピュータにより読み取られ前記コンピュータに前記表現実体の表示機能や各種の機能を実現させる動作プログラムを有する動作プログラムファイルと、を具備し、
前記動作プログラムは、
前記コンピュータで開かれている文書とこの文書と同一のデータ構造を有して前記他のコンピュータで開かれている文書との間で前記ネットワークを介して音声情報及び動画情報の一方又は両方を送受信する音声動画通信機能と、
を前記コンピュータに実現させる情報処理装置。
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