JP2004157770A - 演算処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】D/A変換回路を内蔵したワンチップマイクロコンピュータにおいて、入力アナログ信号をD/A変換してデジタル信号を得る際に、D/A変換回路を一時的に動作させてデジタル信号を得るようにする。
【解決手段】入力アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ12と、このデジタル信号を受けると共にA/D変換回路12の動作を制御するCPU11と、上記入力アナログ信号と比較用アナログ信号とを比較し、この比較結果に応じて割込要求を発生しCPU11に与える割込要求発生回路20とを具備し、CPU11は、割込要求発生回路20から割込要求が与えられた際に、A/D変換回路12を動作させて入力アナログ信号をデジタル信号に変換させる。
【選択図】 図1
【解決手段】入力アナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ12と、このデジタル信号を受けると共にA/D変換回路12の動作を制御するCPU11と、上記入力アナログ信号と比較用アナログ信号とを比較し、この比較結果に応じて割込要求を発生しCPU11に与える割込要求発生回路20とを具備し、CPU11は、割込要求発生回路20から割込要求が与えられた際に、A/D変換回路12を動作させて入力アナログ信号をデジタル信号に変換させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、A/D変換回路を内蔵した演算処理装置に係り、特にA/D変換回路で変換されるアナログ信号の信号レベルに応じて処理内容を変えるようにした演算処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、A/Dコンバータ(A/D変換回路)を内蔵した従来のワンチップマイクロコンピュータ(演算処理装置)の概略的な構成を示すブロック図である。CPU(中央演算処理回路)61は、A/Dコンバータ62に対して制御データを供給し、その動作を制御する。A/Dコンバータ62は、CPU61から送られる制御データに応じ、複数チャネル(CH0〜CHn)の中から1つのアナログ信号を選択し、選択したアナログ信号をデジタル信号に変換する。この変換結果はCPU61に送られる。また、A/Dコンバータ62は、割込コントローラ63に対して割込要求を出す。割込コントローラ63は、A/Dコンバータ62から複数の割込りがあった場合にこれら割込りの優先順位を決定し、CPU61に対して割込要求を掛ける。
【0003】
このような構成のワンチップマイクロコンピュータにおいて、複数チャネルのアナログ信号の信号レベル(電圧レベル)を監視し、その値に応じて処理内容を変える場合、A/Dコンバータ62を用いてこれら複数チャネルのアナログ信号をデジタル信号に変換し、この変換された値をある特定の値と比較し、その比較結果に基づいて処理内容を変えるようにCPU61がプログラムされる。
【0004】
この場合、アナログ信号の信号レベルを監視するために、A/Dコンバータ62を常時、繰り返して動作させるか、あるいはソフトタイマー等を用いてA/Dコンバータ62を間欠的に動作させることで、アナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0005】
しかし、A/Dコンバータ62を常時、繰り返して動作させる場合には、A/Dコンバータ62に常時、電流が流れ、消費電流が増大するという不都合がある。
【0006】
他方、A/Dコンバータ62を間欠的に動作させる場合は、ソフトウエアによって制御するために、CPU61の負担が増大するという不都合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来では、アナログ信号の信号レベルを監視し、その値に応じて処理内容を変える場合に、A/Dコンバータを常時、繰り返して動作させるか、あるいはソフトタイマー等を用いて間欠的に動作させるようにしているので、低消費電力化とCPUの負担軽減の両方を共に満足させることができないという問題がある。
この発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、低消費電力化と演算処理回路の負担軽減化とを共に満足させることができる演算処理装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の演算処理装置は、入力アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、上記A/D変換回路から出力されるデジタル信号を受けると共に上記A/D変換回路の動作を制御する演算処理回路と、上記入力アナログ信号と比較用アナログ信号とを比較し、この比較結果に応じて割込要求を発生し上記演算処理回路に与える割込要求発生回路とを具備し、上記演算処理回路は、上記割込要求発生回路から割込要求が与えられた際に、上記A/D変換回路を動作させて上記入力アナログ信号をデジタル信号に変換させ、この変換結果を受けることを特徴とする。
【0009】
この発明の演算処理装置は、入力アナログ信号を、第1の電圧刻みを有する複数の比較用アナログ信号と比較することで上記入力アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、上記A/D変換回路から出力されるデジタル信号を所定のデジタル信号と比較すると共に上記A/D変換回路の動作を制御する演算処理回路と、上記入力アナログ信号を、上記第1の電圧刻みよりも大きな第2の電圧刻みを有する複数の比較用アナログ信号と比較し、この比較結果に応じて割込要求を発生し上記演算処理回路に与える割込要求発生回路とを具備し、上記演算処理回路は、上記割込要求発生回路から割込要求が与えられた際に、上記A/D変換回路を動作させて上記入力アナログ信号をデジタル信号に変換させ、この変換結果を受けることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明を実施の形態により詳細に説明する。
【0011】
図1は、この発明の第1の実施の形態に係るワンチップマイクロコンピュータ(演算処理装置)の概略的な構成を示すブロック図である。
【0012】
CPU(中央演算処理回路)11は、A/Dコンバータ(A/D変換回路)12に対して制御データを供給してその動作を制御する。A/Dコンバータ12は、CPU11から送られる制御データに応じ、複数チャネル(CH0〜CHn)の中から1つのアナログ信号を選択し、選択したアナログ信号をデジタル信号に変換する。この変換結果はCPU11に送られる。
【0013】
また、A/Dコンバータ12は、割込コントローラ13に対して割込要求を出す。割込コントローラ13は、A/Dコンバータ12からの割込要求に基づきCPU11に対して割込要求を掛ける。
【0014】
さらに、この実施形態のワンチップマイクロコンピュータには、上記複数チャネルのアナログ信号の値を検出し、この検出結果に基づいて割込コントローラ13に対して割込要求を出す割込要求発生回路20が設けられている。この割込要求発生回路20の動作はCPU11によって制御される。
上記割込要求発生回路20は、複数チャネルの中から1つのアナログ信号を選択して出力するアナログ信号選択回路21と、このアナログ信号選択回路21から出力されるアナログ信号と後述するD/Aコンバータから出力される比較用アナログ信号との大小比較を行うコンパレータ(第2の比較回路)22と、このコンパレータ22における比較結果が入力され、この比較結果に基づいて割込コントローラ13に対して割込要求を出すと共にD/Aコンバータから出力される比較用アナログ信号に対応したデジタル信号の更新を行うD/A制御・割込要求制御回路(第2の制御回路)23と、このD/A制御・割込要求制御回路23で更新されるデジタル信号が入力され、このデジタル信号をD/A変換して先の比較用アナログ信号を出力するD/Aコンバータ(D/A変換回路)24とから構成されている。
【0015】
なお、上記CPU11、A/Dコンバータ12、割込コントローラ13及び割込要求発生回路20は全て1個の半導体チップ上に集積化されている。
【0016】
このような構成のワンチップマイクロコンピュータを電池で駆動される電子機器に使用し、電池電圧が所定値よりも低下した際にこれを外部に知らせるような処理を行う場合の動作について以下に説明する。なお、電池電圧もしくはその分割電圧がアナログ信号として例えばチャネルCH0に入力され、電池電圧の標準値が4.5Vであり、この値が1.6V以下に低下した際にこれを認識可能とさせるような処理を行うものとする。
【0017】
チャネルCH0のアナログ信号は、割込要求発生回路20内のアナログ信号選択回路21で選択され、コンパレータ22に入力される。
【0018】
一方、D/A制御・割込要求制御回路23からはデジタル信号の初期値が出力され、D/Aコンバータ24に出力電圧設定用の信号として入力される。そして、D/Aコンバータ24によりこのデジタル信号の初期値がD/A変換され、比較用アナログ信号が生成される。この比較用アナログ信号はコンパレータ22に入力され、アナログ信号選択回路21で選択されたアナログ信号と比較される。この比較結果はD/A制御・割込要求制御回路23に入力される。
【0019】
ここで、比較用アナログ信号の電圧値と比べ、アナログ信号選択回路21で選択されたアナログ信号の電圧値が大きい場合、すなわち電池電圧が十分に高い場合には、D/A制御・割込要求制御回路23では割込要求は生成されず、CPU11には割込要求が掛からないので、A/Dコンバータ12は起動されない。また、D/A制御・割込要求制御回路23から出力されるデジタル信号も更新されない。
【0020】
一方、電池電圧が低下し、D/A制御・割込要求制御回路23から出力されるデジタル信号の初期値に対応した比較用アナログ信号の電圧値に比べ、アナログ信号選択回路21で選択されたアナログ信号の電圧値が小さい場合には、D/Aコンバータ24で生成された以前の比較用アナログ信号に比べて電圧値が小さくなるように、D/A制御・割込要求制御回路23から出力されるデジタル信号が更新される。そして、この更新されたデジタル信号がD/Aコンバータ24に入力されることで、D/Aコンバータ24からは新たな比較用アナログ信号が生成される。この比較用アナログ信号はコンパレータ22に入力され、アナログ信号と比較される。
【0021】
ここで、コンパレータ22でアナログ信号と比較される比較用アナログ信号は、最大値である例えば3.15Vから例えば0.45Vの電圧刻みで低下するように順次生成される。そして、コンパレータ22で比較された結果、電池電圧の値がその検出値である1.6Vよりも0.2V高い1.8Vに達したことが検出されると、D/A制御・割込要求制御回路23で割込要求が生成される。ここで生成された割込要求が割込コントローラ13を介してCPU11に入力されると、CPU11に割込要求が掛かり、CPU11で電池電圧の検出動作が開始される。
【0022】
すなわち、上記の割込要求が掛かると、CPU11からA/Dコンバータ12に対して制御データが送られ、A/Dコンバータ12が起動される。起動後、A/Dコンバータ12ではチャネルCH0のアナログ信号が選択され、この選択されたアナログ信号がデジタル信号に変換される。この変換結果はCPU11に取り込まれる。ここで、CPU11からA/Dコンバータ12に対して送られる制御データには、A/D変換の開始タイミング、変換時間、チャネルの切り換えを設定するデータ等が含まれており、この制御データに応じて、A/Dコンバータ12ではアナログ信号のA/D変換が繰り返し行われ、その都度、変換結果がCPU11に送られる。
【0023】
A/Dコンバータ12は逐次比較方式または一括比較方式のいずれでもよく、特に逐次比較方式の場合、アナログ信号をA/D変換する際に、アナログ信号は、先のD/Aコンバータ24で生成される比較用アナログ信号の電圧刻みである0.45Vよりも細かい(小さい)例えば3.6mVの電圧刻みのアナログ電圧と順次比較されることでA/D変換される。このことは、A/Dコンバータ12でA/D変換されるデジタル信号のビット数は、割込要求発生回路20内のD/A制御・割込要求制御回路23から出力されるデジタル信号のビット数よりも多いことを意味し、A/Dコンバータ12では電池電圧が高精度でデジタル信号に変換される。
【0024】
そして、A/Dコンバータ12で変換されたデジタル信号が電池電圧の低下検出値である1.6Vに対応したもの、もしくは1.6Vよりも小さいものである場合、この後、CPU11ではこのデジタル信号が送られることで、電池電圧が低下したことを外部に知らせるための処理動作が開始される。この処理動作により、例えば図示しない表示装置により、電池電圧が低下したことが表示される。CPU11における処理動作はROMに格納されたプログラムに基づいて制御される。このプログラムROMは、上記CPU11、A/Dコンバータ12、割込コントローラ13及び割込要求発生回路20と共に1個の半導体チップ上に集積化されていてもよく、あるいは別チップとしてもよい。
【0025】
このように、上記第1の実施形態のワンチップマイクロコンピュータでは、割込要求発生回路20によって電池電圧を大まかな電圧刻みで検出し、その値が低下を検出すべき値に近づいた時点で割込コントローラ13を介してCPU11に割込りを掛け、割込りが掛かった後にA/Dコンバータ12を起動させて電池電圧を高精度でA/D変換するようにしたものである。
【0026】
図2は、図1中のA/Dコンバータ12の具体的な構成を示すブロック図である。なお、このA/Dコンバータ12は逐次比較方式の場合を示しているが、先に説明したように一括比較方式のものであってもよい。また、割込コントローラ13に対して割込要求を出す回路部分は図示を省略している。
このA/Dコンバータ12は、電圧分割回路31、電圧選択回路32、コンパレータ(第1の比較回路)33及び電圧選択制御・デジタル信号(D)出力回路(第1の制御回路)34とを有している。
【0027】
このA/Dコンバータ12が例えば10ビットのデジタル信号を出力するものである場合、電圧分割回路31には、基準電圧Vrefのノードと接地電圧のノードとの間に直列接続された1001個の抵抗R1が設けられている。そして、この直列抵抗の一端と基準電圧Vrefのノードとの間にはPMOSトランジスタP1が、直列抵抗の他端と接地電圧のノードとの間にはNMOSトランジスタN1がそれぞれ挿入されている。上記両トランジスタP1、N1は、このA/Dコンバータ12の起動時にそれぞれ導通状態にされる。そして、上記両トランジスタP1、N1が導通状態のときに基準電圧Vrefが1001個の抵抗R1によって分割され、1000通りの分割電圧が生成される。ここで上記基準電圧Vrefの値が例えば3.6Vであるとすると、0Vから3.6Vの間で3.6mV(3.6V÷1000通り)刻みの分割電圧が生成される。
【0028】
電圧分割回路31で生成された分割電圧は電圧選択回路32によっていずれか1つが選択され、この選択された分割電圧がコンパレータ33によってアナログ信号と比較される。そして、この比較結果が電圧選択制御・デジタル信号出力回路34に入力される。電圧選択制御・デジタル信号出力回路34からは、コンパレータ33の比較結果に基づいて電圧選択回路32の選択動作を制御するための制御信号が出力されると共に、分割電圧とアナログ信号との一致が検出された後に最終的なデジタル信号が確定され、このデジタル信号が出力される。
【0029】
ここで、電圧分割回路31内の抵抗R1の直列抵抗値は、例えば数十KΩ程度に設定されている。このように、電圧分割回路31内で直列接続されている抵抗R1の直列抵抗値を数十KΩ程度と比較的低い値に設定されることで、各抵抗R1に流れる電流が十分に確保され、電圧選択回路32で以前とは異なる分割電圧が選択された際にコンパレータ33に入力される分割電圧の値が速やかに変化するようになり、これによって高速にA/D変換することが可能になる。
【0030】
図3は、図1中のD/Aコンバータ24の具体的な構成を示すブロック図である。このD/Aコンバータ24は電圧分割回路41と電圧選択回路42とを有している。
【0031】
このD/Aコンバータ24が例えば3ビットのデジタル信号をD/A変換するものである場合、電圧分割回路42には、基準電圧Vrefのノードと接地電圧のノードとの間に直列接続された9個の抵抗R2が設けられている。そして、これら9個の抵抗R2によって基準電圧Vrefが分割され、8通りの分割電圧が生成される。ここで上記基準電圧Vrefの値を先のA/Dコンバータ12の場合と同様に3.6Vであるとすると、0Vから3.6Vの間で0.45V(3.6V÷8通り)刻みの分割電圧が生成される。
【0032】
電圧分割回路41で生成された分割電圧は、電圧選択回路42でデジタル信号に応じていずれか1つが選択され、この選択された分割電圧が比較用アナログ信号として出力される。
【0033】
ここで、電圧分割回路41内の抵抗R2の直列抵抗値は、先の抵抗R1の直列抵抗値である数十KΩ程度よりも大きい例えば数百KΩ程度に設定されている。このように、抵抗R2の直列抵抗値を抵抗R1の直列抵抗値よりも高くしてもよい理由は次の通りである。つまり、割込要求発生回路20内のコンパレータ22で比較される比較用アナログ信号の電圧値は高々8通りであり、コンパレータ22における電圧比較回数はA/Dコンバータ12に比べて少ないので、A/Dコンバータ12ほどは高速性が要求されないためである。また、抵抗R2の直列抵抗値を高くすることで、電圧分割回路41、ひいては割込要求発生回路20の消費電流を削減できるからである。
【0034】
図4は、上記第1の実施の形態によるワンチップマイクロコンピュータが集積化された半導体チップの一部分を抽出して示す平面図である。半導体チップ50上には、CPU11、A/Dコンバータ12、割込コントローラ13及び割込要求発生回路20の他にタイマー等が集積される。また、制御用プログラムを格納するプログラムROMが集積される場合もある。半導体チップ50上の周囲には多数のパッド51が配列されている。A/Dコンバータ12にはアナログ信号が入力されるので、パッド51との間の配線をできるだけ短くするために、A/Dコンバータ12はパッド51の近傍に配置され、特に半導体チップ50の1つの角部に配置される場合が多い。また、割込要求発生回路20にもアナログ信号が入力されるので、パッド51との間の配線をできるだけ短くするため、割込要求発生回路20はA/Dコンバータ12の隣に配置される。
【0035】
このように、A/Dコンバータ12で高速なA/D変換を実現するためには、電圧分割回路31内で直列に接続されている抵抗R1の直列抵抗値を比較的低い値に設定する必要があり、A/Dコンバータ12における消費電流は大きくなる。
【0036】
しかし、第1の実施の形態によれば、従来のようにA/Dコンバータ12を常時、動作させるのではなく、割込要求発生回路20による割込みが掛かった後の必要な期間にのみ動作させるようにしており、かつ割込要求発生回路20において消費電流が大きなD/Aコンバータ24も大きな抵抗値を持つ抵抗によって構成されており、この割込要求発生回路20の消費電流を少なくすることができるので、従来のようにA/Dコンバータを常時、動作させる場合と比べて、大幅に消費電流を削減することができる。
【0037】
また、割込要求発生回路20によって外部のアナログ信号を検出し、その結果に基づいてCPU11に割込みを掛けるようにしているので、従来のようにソフトタイマー等を用いてA/Dコンバータを間欠的に動作させる場合よりもCPU11の負担を軽減することができる。
【0038】
この結果、上記第1の実施の形態のワンチップマイクロコンピュータでは、低消費電力化とCPUの負担軽減の両方を共に満足させることができる。
【0039】
図5は、この発明の第2の実施の形態によるA/Dコンバータ12の構成を示すブロック図である。上記第1の実施の形態では、電圧選択回路32によって1つの分割電圧を選択し、この選択された分割電圧を1つのコンパレータ33で比較し、この比較結果を電圧選択制御・デジタル信号出力回路34に入力する場合を説明した。
【0040】
これに対して、この第2の実施の形態によるA/Dコンバータ12では、電圧選択回路32´によって互いに異なる2つの分割電圧を並行して選択し、この選択された2つの分割電圧を2つのコンパレータ33A、33Bでそれぞれ異なるチャネルのアナログ信号と比較し、それぞれの比較結果を2つの電圧選択制御・デジタル信号出力回路34A、34Bに入力することで、同時に2つのチャネルのアナログ信号をデジタル信号に変換するようにしたものである。その他の点については第1の実施の形態と同様なので説明は省略する。
この第2の実施の形態では、A/Dコンバータ12で2つのアナログ信号を並行してデジタル信号に変換することができるので、同時に2つのアナログ信号の信号レベルに応じて処理内容を変えるような場合に、処理の高速化を図ることができる。
【0041】
また、このようにA/Dコンバータ12で2つのアナログ信号をデジタル信号に変換する場合、割込要求発生回路20内のアナログ信号選択回路21はこの2つのアナログ信号を交互に選択するように制御され、アナログ信号選択回路21から選択出力されるアナログ信号に対応した比較用アナログ信号がD/Aコンバータ24から出力されるようにD/A制御・割込要求制御回路23の動作が選択される。
【0042】
なお、この発明は上記した各実施の形態に限定されるものではなく種々の変形が可能であることはいうまでもない。例えばA/Dコンバータ12は10ビットのデジタル信号を出力するものである場合について説明したが、これは10ビット以上もしくは10ビット未満のデジタル信号を出力するように構成されていてもよい。また、A/Dコンバータ12内の電圧分割回路31は0Vから3.6Vの間で3.6mV刻みの分割電圧を生成する場合について説明したが、これ以外の電圧刻みで分割電圧を生成するように構成されていてもよい。
【0043】
さらに、割込要求発生回路20内のD/Aコンバータ24が3ビットのデジタル信号をD/A変換するものである場合につて説明したが、3ビット以外のビット数のデジタル信号をD/A変換するように構成されていてもよい。
【0044】
さらに上記各実施の形態では、外部のアナログ信号として電池電圧をA/D変換し、この変換されたデジタル信号に基づいて電池電圧の低下を外部に知らせるような処理を行う場合について説明したが、これは他に例えば自動車ではエンジン冷却水の温度センサ、油圧センサ等のアナログ信号をA/D変換し、この変換されたデジタル信号に基づいてそれぞれの状態を外部に知らせるような処理を行うものにも容易に実施できることはもちろんである。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、低消費電力化と演算処理回路の負担軽減化とを共に満足させることができる演算処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係るワンチップマイクロコンピュータの概略的な構成を示すブロック図。
【図2】図1中のA/Dコンバータの具体的な構成を示すブロック図。
【図3】図1中のD/Aコンバータの具体的な構成を示すブロック図。
【図4】第1の実施の形態によるワンチップマイクロコンピュータが集積化された半導体チップの一部分を示す平面図。
【図5】この発明の第2の実施の形態によるA/Dコンバータの構成を示すブロック図。
【図6】A/Dコンバータを内蔵した従来のワンチップマイクロコンピュータの概略的な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
11…CPU(中央演算処理回路)、
12…A/Dコンバータ、
13…割込コントローラ、
20…割込要求発生回路、
21…アナログ信号選択回路、
22…コンパレータ(第2の比較回路)、
23…D/A制御・割込要求制御回路(第2の制御回路)、
24…D/Aコンバータ(D/A変換回路)、
31…電圧分割回路、
32,32´…電圧選択回路、
33,33A,33B…コンパレータ(第1の比較回路)、
34,34A,34B…電圧選択制御・デジタル信号出力回路(第1の制御回路)、
R1,R2…抵抗、
P1…PMOSトランジスタ、
N1…NMOSトランジスタ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、A/D変換回路を内蔵した演算処理装置に係り、特にA/D変換回路で変換されるアナログ信号の信号レベルに応じて処理内容を変えるようにした演算処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、A/Dコンバータ(A/D変換回路)を内蔵した従来のワンチップマイクロコンピュータ(演算処理装置)の概略的な構成を示すブロック図である。CPU(中央演算処理回路)61は、A/Dコンバータ62に対して制御データを供給し、その動作を制御する。A/Dコンバータ62は、CPU61から送られる制御データに応じ、複数チャネル(CH0〜CHn)の中から1つのアナログ信号を選択し、選択したアナログ信号をデジタル信号に変換する。この変換結果はCPU61に送られる。また、A/Dコンバータ62は、割込コントローラ63に対して割込要求を出す。割込コントローラ63は、A/Dコンバータ62から複数の割込りがあった場合にこれら割込りの優先順位を決定し、CPU61に対して割込要求を掛ける。
【0003】
このような構成のワンチップマイクロコンピュータにおいて、複数チャネルのアナログ信号の信号レベル(電圧レベル)を監視し、その値に応じて処理内容を変える場合、A/Dコンバータ62を用いてこれら複数チャネルのアナログ信号をデジタル信号に変換し、この変換された値をある特定の値と比較し、その比較結果に基づいて処理内容を変えるようにCPU61がプログラムされる。
【0004】
この場合、アナログ信号の信号レベルを監視するために、A/Dコンバータ62を常時、繰り返して動作させるか、あるいはソフトタイマー等を用いてA/Dコンバータ62を間欠的に動作させることで、アナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0005】
しかし、A/Dコンバータ62を常時、繰り返して動作させる場合には、A/Dコンバータ62に常時、電流が流れ、消費電流が増大するという不都合がある。
【0006】
他方、A/Dコンバータ62を間欠的に動作させる場合は、ソフトウエアによって制御するために、CPU61の負担が増大するという不都合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来では、アナログ信号の信号レベルを監視し、その値に応じて処理内容を変える場合に、A/Dコンバータを常時、繰り返して動作させるか、あるいはソフトタイマー等を用いて間欠的に動作させるようにしているので、低消費電力化とCPUの負担軽減の両方を共に満足させることができないという問題がある。
この発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、低消費電力化と演算処理回路の負担軽減化とを共に満足させることができる演算処理装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の演算処理装置は、入力アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、上記A/D変換回路から出力されるデジタル信号を受けると共に上記A/D変換回路の動作を制御する演算処理回路と、上記入力アナログ信号と比較用アナログ信号とを比較し、この比較結果に応じて割込要求を発生し上記演算処理回路に与える割込要求発生回路とを具備し、上記演算処理回路は、上記割込要求発生回路から割込要求が与えられた際に、上記A/D変換回路を動作させて上記入力アナログ信号をデジタル信号に変換させ、この変換結果を受けることを特徴とする。
【0009】
この発明の演算処理装置は、入力アナログ信号を、第1の電圧刻みを有する複数の比較用アナログ信号と比較することで上記入力アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、上記A/D変換回路から出力されるデジタル信号を所定のデジタル信号と比較すると共に上記A/D変換回路の動作を制御する演算処理回路と、上記入力アナログ信号を、上記第1の電圧刻みよりも大きな第2の電圧刻みを有する複数の比較用アナログ信号と比較し、この比較結果に応じて割込要求を発生し上記演算処理回路に与える割込要求発生回路とを具備し、上記演算処理回路は、上記割込要求発生回路から割込要求が与えられた際に、上記A/D変換回路を動作させて上記入力アナログ信号をデジタル信号に変換させ、この変換結果を受けることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明を実施の形態により詳細に説明する。
【0011】
図1は、この発明の第1の実施の形態に係るワンチップマイクロコンピュータ(演算処理装置)の概略的な構成を示すブロック図である。
【0012】
CPU(中央演算処理回路)11は、A/Dコンバータ(A/D変換回路)12に対して制御データを供給してその動作を制御する。A/Dコンバータ12は、CPU11から送られる制御データに応じ、複数チャネル(CH0〜CHn)の中から1つのアナログ信号を選択し、選択したアナログ信号をデジタル信号に変換する。この変換結果はCPU11に送られる。
【0013】
また、A/Dコンバータ12は、割込コントローラ13に対して割込要求を出す。割込コントローラ13は、A/Dコンバータ12からの割込要求に基づきCPU11に対して割込要求を掛ける。
【0014】
さらに、この実施形態のワンチップマイクロコンピュータには、上記複数チャネルのアナログ信号の値を検出し、この検出結果に基づいて割込コントローラ13に対して割込要求を出す割込要求発生回路20が設けられている。この割込要求発生回路20の動作はCPU11によって制御される。
上記割込要求発生回路20は、複数チャネルの中から1つのアナログ信号を選択して出力するアナログ信号選択回路21と、このアナログ信号選択回路21から出力されるアナログ信号と後述するD/Aコンバータから出力される比較用アナログ信号との大小比較を行うコンパレータ(第2の比較回路)22と、このコンパレータ22における比較結果が入力され、この比較結果に基づいて割込コントローラ13に対して割込要求を出すと共にD/Aコンバータから出力される比較用アナログ信号に対応したデジタル信号の更新を行うD/A制御・割込要求制御回路(第2の制御回路)23と、このD/A制御・割込要求制御回路23で更新されるデジタル信号が入力され、このデジタル信号をD/A変換して先の比較用アナログ信号を出力するD/Aコンバータ(D/A変換回路)24とから構成されている。
【0015】
なお、上記CPU11、A/Dコンバータ12、割込コントローラ13及び割込要求発生回路20は全て1個の半導体チップ上に集積化されている。
【0016】
このような構成のワンチップマイクロコンピュータを電池で駆動される電子機器に使用し、電池電圧が所定値よりも低下した際にこれを外部に知らせるような処理を行う場合の動作について以下に説明する。なお、電池電圧もしくはその分割電圧がアナログ信号として例えばチャネルCH0に入力され、電池電圧の標準値が4.5Vであり、この値が1.6V以下に低下した際にこれを認識可能とさせるような処理を行うものとする。
【0017】
チャネルCH0のアナログ信号は、割込要求発生回路20内のアナログ信号選択回路21で選択され、コンパレータ22に入力される。
【0018】
一方、D/A制御・割込要求制御回路23からはデジタル信号の初期値が出力され、D/Aコンバータ24に出力電圧設定用の信号として入力される。そして、D/Aコンバータ24によりこのデジタル信号の初期値がD/A変換され、比較用アナログ信号が生成される。この比較用アナログ信号はコンパレータ22に入力され、アナログ信号選択回路21で選択されたアナログ信号と比較される。この比較結果はD/A制御・割込要求制御回路23に入力される。
【0019】
ここで、比較用アナログ信号の電圧値と比べ、アナログ信号選択回路21で選択されたアナログ信号の電圧値が大きい場合、すなわち電池電圧が十分に高い場合には、D/A制御・割込要求制御回路23では割込要求は生成されず、CPU11には割込要求が掛からないので、A/Dコンバータ12は起動されない。また、D/A制御・割込要求制御回路23から出力されるデジタル信号も更新されない。
【0020】
一方、電池電圧が低下し、D/A制御・割込要求制御回路23から出力されるデジタル信号の初期値に対応した比較用アナログ信号の電圧値に比べ、アナログ信号選択回路21で選択されたアナログ信号の電圧値が小さい場合には、D/Aコンバータ24で生成された以前の比較用アナログ信号に比べて電圧値が小さくなるように、D/A制御・割込要求制御回路23から出力されるデジタル信号が更新される。そして、この更新されたデジタル信号がD/Aコンバータ24に入力されることで、D/Aコンバータ24からは新たな比較用アナログ信号が生成される。この比較用アナログ信号はコンパレータ22に入力され、アナログ信号と比較される。
【0021】
ここで、コンパレータ22でアナログ信号と比較される比較用アナログ信号は、最大値である例えば3.15Vから例えば0.45Vの電圧刻みで低下するように順次生成される。そして、コンパレータ22で比較された結果、電池電圧の値がその検出値である1.6Vよりも0.2V高い1.8Vに達したことが検出されると、D/A制御・割込要求制御回路23で割込要求が生成される。ここで生成された割込要求が割込コントローラ13を介してCPU11に入力されると、CPU11に割込要求が掛かり、CPU11で電池電圧の検出動作が開始される。
【0022】
すなわち、上記の割込要求が掛かると、CPU11からA/Dコンバータ12に対して制御データが送られ、A/Dコンバータ12が起動される。起動後、A/Dコンバータ12ではチャネルCH0のアナログ信号が選択され、この選択されたアナログ信号がデジタル信号に変換される。この変換結果はCPU11に取り込まれる。ここで、CPU11からA/Dコンバータ12に対して送られる制御データには、A/D変換の開始タイミング、変換時間、チャネルの切り換えを設定するデータ等が含まれており、この制御データに応じて、A/Dコンバータ12ではアナログ信号のA/D変換が繰り返し行われ、その都度、変換結果がCPU11に送られる。
【0023】
A/Dコンバータ12は逐次比較方式または一括比較方式のいずれでもよく、特に逐次比較方式の場合、アナログ信号をA/D変換する際に、アナログ信号は、先のD/Aコンバータ24で生成される比較用アナログ信号の電圧刻みである0.45Vよりも細かい(小さい)例えば3.6mVの電圧刻みのアナログ電圧と順次比較されることでA/D変換される。このことは、A/Dコンバータ12でA/D変換されるデジタル信号のビット数は、割込要求発生回路20内のD/A制御・割込要求制御回路23から出力されるデジタル信号のビット数よりも多いことを意味し、A/Dコンバータ12では電池電圧が高精度でデジタル信号に変換される。
【0024】
そして、A/Dコンバータ12で変換されたデジタル信号が電池電圧の低下検出値である1.6Vに対応したもの、もしくは1.6Vよりも小さいものである場合、この後、CPU11ではこのデジタル信号が送られることで、電池電圧が低下したことを外部に知らせるための処理動作が開始される。この処理動作により、例えば図示しない表示装置により、電池電圧が低下したことが表示される。CPU11における処理動作はROMに格納されたプログラムに基づいて制御される。このプログラムROMは、上記CPU11、A/Dコンバータ12、割込コントローラ13及び割込要求発生回路20と共に1個の半導体チップ上に集積化されていてもよく、あるいは別チップとしてもよい。
【0025】
このように、上記第1の実施形態のワンチップマイクロコンピュータでは、割込要求発生回路20によって電池電圧を大まかな電圧刻みで検出し、その値が低下を検出すべき値に近づいた時点で割込コントローラ13を介してCPU11に割込りを掛け、割込りが掛かった後にA/Dコンバータ12を起動させて電池電圧を高精度でA/D変換するようにしたものである。
【0026】
図2は、図1中のA/Dコンバータ12の具体的な構成を示すブロック図である。なお、このA/Dコンバータ12は逐次比較方式の場合を示しているが、先に説明したように一括比較方式のものであってもよい。また、割込コントローラ13に対して割込要求を出す回路部分は図示を省略している。
このA/Dコンバータ12は、電圧分割回路31、電圧選択回路32、コンパレータ(第1の比較回路)33及び電圧選択制御・デジタル信号(D)出力回路(第1の制御回路)34とを有している。
【0027】
このA/Dコンバータ12が例えば10ビットのデジタル信号を出力するものである場合、電圧分割回路31には、基準電圧Vrefのノードと接地電圧のノードとの間に直列接続された1001個の抵抗R1が設けられている。そして、この直列抵抗の一端と基準電圧Vrefのノードとの間にはPMOSトランジスタP1が、直列抵抗の他端と接地電圧のノードとの間にはNMOSトランジスタN1がそれぞれ挿入されている。上記両トランジスタP1、N1は、このA/Dコンバータ12の起動時にそれぞれ導通状態にされる。そして、上記両トランジスタP1、N1が導通状態のときに基準電圧Vrefが1001個の抵抗R1によって分割され、1000通りの分割電圧が生成される。ここで上記基準電圧Vrefの値が例えば3.6Vであるとすると、0Vから3.6Vの間で3.6mV(3.6V÷1000通り)刻みの分割電圧が生成される。
【0028】
電圧分割回路31で生成された分割電圧は電圧選択回路32によっていずれか1つが選択され、この選択された分割電圧がコンパレータ33によってアナログ信号と比較される。そして、この比較結果が電圧選択制御・デジタル信号出力回路34に入力される。電圧選択制御・デジタル信号出力回路34からは、コンパレータ33の比較結果に基づいて電圧選択回路32の選択動作を制御するための制御信号が出力されると共に、分割電圧とアナログ信号との一致が検出された後に最終的なデジタル信号が確定され、このデジタル信号が出力される。
【0029】
ここで、電圧分割回路31内の抵抗R1の直列抵抗値は、例えば数十KΩ程度に設定されている。このように、電圧分割回路31内で直列接続されている抵抗R1の直列抵抗値を数十KΩ程度と比較的低い値に設定されることで、各抵抗R1に流れる電流が十分に確保され、電圧選択回路32で以前とは異なる分割電圧が選択された際にコンパレータ33に入力される分割電圧の値が速やかに変化するようになり、これによって高速にA/D変換することが可能になる。
【0030】
図3は、図1中のD/Aコンバータ24の具体的な構成を示すブロック図である。このD/Aコンバータ24は電圧分割回路41と電圧選択回路42とを有している。
【0031】
このD/Aコンバータ24が例えば3ビットのデジタル信号をD/A変換するものである場合、電圧分割回路42には、基準電圧Vrefのノードと接地電圧のノードとの間に直列接続された9個の抵抗R2が設けられている。そして、これら9個の抵抗R2によって基準電圧Vrefが分割され、8通りの分割電圧が生成される。ここで上記基準電圧Vrefの値を先のA/Dコンバータ12の場合と同様に3.6Vであるとすると、0Vから3.6Vの間で0.45V(3.6V÷8通り)刻みの分割電圧が生成される。
【0032】
電圧分割回路41で生成された分割電圧は、電圧選択回路42でデジタル信号に応じていずれか1つが選択され、この選択された分割電圧が比較用アナログ信号として出力される。
【0033】
ここで、電圧分割回路41内の抵抗R2の直列抵抗値は、先の抵抗R1の直列抵抗値である数十KΩ程度よりも大きい例えば数百KΩ程度に設定されている。このように、抵抗R2の直列抵抗値を抵抗R1の直列抵抗値よりも高くしてもよい理由は次の通りである。つまり、割込要求発生回路20内のコンパレータ22で比較される比較用アナログ信号の電圧値は高々8通りであり、コンパレータ22における電圧比較回数はA/Dコンバータ12に比べて少ないので、A/Dコンバータ12ほどは高速性が要求されないためである。また、抵抗R2の直列抵抗値を高くすることで、電圧分割回路41、ひいては割込要求発生回路20の消費電流を削減できるからである。
【0034】
図4は、上記第1の実施の形態によるワンチップマイクロコンピュータが集積化された半導体チップの一部分を抽出して示す平面図である。半導体チップ50上には、CPU11、A/Dコンバータ12、割込コントローラ13及び割込要求発生回路20の他にタイマー等が集積される。また、制御用プログラムを格納するプログラムROMが集積される場合もある。半導体チップ50上の周囲には多数のパッド51が配列されている。A/Dコンバータ12にはアナログ信号が入力されるので、パッド51との間の配線をできるだけ短くするために、A/Dコンバータ12はパッド51の近傍に配置され、特に半導体チップ50の1つの角部に配置される場合が多い。また、割込要求発生回路20にもアナログ信号が入力されるので、パッド51との間の配線をできるだけ短くするため、割込要求発生回路20はA/Dコンバータ12の隣に配置される。
【0035】
このように、A/Dコンバータ12で高速なA/D変換を実現するためには、電圧分割回路31内で直列に接続されている抵抗R1の直列抵抗値を比較的低い値に設定する必要があり、A/Dコンバータ12における消費電流は大きくなる。
【0036】
しかし、第1の実施の形態によれば、従来のようにA/Dコンバータ12を常時、動作させるのではなく、割込要求発生回路20による割込みが掛かった後の必要な期間にのみ動作させるようにしており、かつ割込要求発生回路20において消費電流が大きなD/Aコンバータ24も大きな抵抗値を持つ抵抗によって構成されており、この割込要求発生回路20の消費電流を少なくすることができるので、従来のようにA/Dコンバータを常時、動作させる場合と比べて、大幅に消費電流を削減することができる。
【0037】
また、割込要求発生回路20によって外部のアナログ信号を検出し、その結果に基づいてCPU11に割込みを掛けるようにしているので、従来のようにソフトタイマー等を用いてA/Dコンバータを間欠的に動作させる場合よりもCPU11の負担を軽減することができる。
【0038】
この結果、上記第1の実施の形態のワンチップマイクロコンピュータでは、低消費電力化とCPUの負担軽減の両方を共に満足させることができる。
【0039】
図5は、この発明の第2の実施の形態によるA/Dコンバータ12の構成を示すブロック図である。上記第1の実施の形態では、電圧選択回路32によって1つの分割電圧を選択し、この選択された分割電圧を1つのコンパレータ33で比較し、この比較結果を電圧選択制御・デジタル信号出力回路34に入力する場合を説明した。
【0040】
これに対して、この第2の実施の形態によるA/Dコンバータ12では、電圧選択回路32´によって互いに異なる2つの分割電圧を並行して選択し、この選択された2つの分割電圧を2つのコンパレータ33A、33Bでそれぞれ異なるチャネルのアナログ信号と比較し、それぞれの比較結果を2つの電圧選択制御・デジタル信号出力回路34A、34Bに入力することで、同時に2つのチャネルのアナログ信号をデジタル信号に変換するようにしたものである。その他の点については第1の実施の形態と同様なので説明は省略する。
この第2の実施の形態では、A/Dコンバータ12で2つのアナログ信号を並行してデジタル信号に変換することができるので、同時に2つのアナログ信号の信号レベルに応じて処理内容を変えるような場合に、処理の高速化を図ることができる。
【0041】
また、このようにA/Dコンバータ12で2つのアナログ信号をデジタル信号に変換する場合、割込要求発生回路20内のアナログ信号選択回路21はこの2つのアナログ信号を交互に選択するように制御され、アナログ信号選択回路21から選択出力されるアナログ信号に対応した比較用アナログ信号がD/Aコンバータ24から出力されるようにD/A制御・割込要求制御回路23の動作が選択される。
【0042】
なお、この発明は上記した各実施の形態に限定されるものではなく種々の変形が可能であることはいうまでもない。例えばA/Dコンバータ12は10ビットのデジタル信号を出力するものである場合について説明したが、これは10ビット以上もしくは10ビット未満のデジタル信号を出力するように構成されていてもよい。また、A/Dコンバータ12内の電圧分割回路31は0Vから3.6Vの間で3.6mV刻みの分割電圧を生成する場合について説明したが、これ以外の電圧刻みで分割電圧を生成するように構成されていてもよい。
【0043】
さらに、割込要求発生回路20内のD/Aコンバータ24が3ビットのデジタル信号をD/A変換するものである場合につて説明したが、3ビット以外のビット数のデジタル信号をD/A変換するように構成されていてもよい。
【0044】
さらに上記各実施の形態では、外部のアナログ信号として電池電圧をA/D変換し、この変換されたデジタル信号に基づいて電池電圧の低下を外部に知らせるような処理を行う場合について説明したが、これは他に例えば自動車ではエンジン冷却水の温度センサ、油圧センサ等のアナログ信号をA/D変換し、この変換されたデジタル信号に基づいてそれぞれの状態を外部に知らせるような処理を行うものにも容易に実施できることはもちろんである。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、低消費電力化と演算処理回路の負担軽減化とを共に満足させることができる演算処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係るワンチップマイクロコンピュータの概略的な構成を示すブロック図。
【図2】図1中のA/Dコンバータの具体的な構成を示すブロック図。
【図3】図1中のD/Aコンバータの具体的な構成を示すブロック図。
【図4】第1の実施の形態によるワンチップマイクロコンピュータが集積化された半導体チップの一部分を示す平面図。
【図5】この発明の第2の実施の形態によるA/Dコンバータの構成を示すブロック図。
【図6】A/Dコンバータを内蔵した従来のワンチップマイクロコンピュータの概略的な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
11…CPU(中央演算処理回路)、
12…A/Dコンバータ、
13…割込コントローラ、
20…割込要求発生回路、
21…アナログ信号選択回路、
22…コンパレータ(第2の比較回路)、
23…D/A制御・割込要求制御回路(第2の制御回路)、
24…D/Aコンバータ(D/A変換回路)、
31…電圧分割回路、
32,32´…電圧選択回路、
33,33A,33B…コンパレータ(第1の比較回路)、
34,34A,34B…電圧選択制御・デジタル信号出力回路(第1の制御回路)、
R1,R2…抵抗、
P1…PMOSトランジスタ、
N1…NMOSトランジスタ。
Claims (14)
- 入力アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、
上記A/D変換回路から出力されるデジタル信号を受けると共に上記A/D変換回路の動作を制御する演算処理回路と、
上記入力アナログ信号と比較用アナログ信号とを比較し、この比較結果に応じて割込要求を発生し上記演算処理回路に与える割込要求発生回路とを具備し、
上記演算処理回路は、上記割込要求発生回路から割込要求が与えられた際に、上記A/D変換回路を動作させて上記入力アナログ信号をデジタル信号に変換させ、この変換結果を受けることを特徴とする演算処理装置。 - 前記A/D変換回路は、
第1のノードと第2のノードとの間に直列に接続された複数の第1の抵抗を含み、第1、第2のノードの間の電圧を複数に分割する第1の電圧分割回路と、
上記第1の電圧分割回路で分割された複数の分割電圧を選択する電圧選択回路と、
上記電圧選択回路で選択された分割電圧と前記入力アナログ信号とを比較する第1の比較回路と、
上記第1の比較回路の比較結果を受け、この比較結果に応じて前記アナログ信号に対応したデジタル信号を発生すると共に上記電圧選択回路の動作を制御する第1の制御回路とを有することを特徴とする請求項1記載の演算処理装置。 - 前記割込要求発生回路は、
供給されるデジタル信号をアナログ信号に変換して前記比較用アナログ信号を出力するD/A変換回路と、
前記入力アナログ信号と上記D/A変換回路で変換された比較用アナログ信号とを比較する第2の比較回路と、
上記第2の比較回路の比較結果を受け、この比較結果に応じて前記割込要求を発生すると共に、この比較結果に応じて上記D/A変換回路に供給される上記デジタル信号を更新する第2の制御回路とを有することを特徴とする請求項2記載の演算処理装置。 - 前記D/A変換回路は、
第1のノードと第2のノードとの間に直列に接続された複数の第2の抵抗を含み、第1、第2のノードの間の電圧を複数に分割する第2の電圧分割回路を含んでいることを特徴とする請求項3記載の演算処理装置。 - 前記複数の第2の抵抗の直列抵抗の値が、前記複数の第1の抵抗の直列抵抗の値に比べて大きいことを特徴とする請求項4記載の演算処理装置。
- 前記複数の第2の抵抗の個数が、前記複数の第1の抵抗の個数に比べて少ないことを特徴とする請求項4記載の演算処理装置。
- 前記A/D変換回路、演算処理回路及び入力検知・割込要求発生回路が1個の半導体チップ上に集積化されており、前記A/D変換回路は上記半導体チップの1つの角部に配置され、かつ前記入力検知・割込要求発生回路が上記A/D変換回路の隣に配置されていることを特徴とする請求項1記載の演算処理装置。
- 入力アナログ信号を、第1の電圧刻みを有する複数の比較用アナログ信号と比較することで上記入力アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、
上記A/D変換回路から出力されるデジタル信号を所定のデジタル信号と比較すると共に上記A/D変換回路の動作を制御する演算処理回路と、
上記入力アナログ信号を、上記第1の電圧刻みよりも大きな第2の電圧刻みを有する複数の比較用アナログ信号と比較し、この比較結果に応じて割込要求を発生し上記演算処理回路に与える割込要求発生回路とを具備し、
上記演算処理回路は、上記割込要求発生回路から割込要求が与えられた際に、上記A/D変換回路を動作させて上記入力アナログ信号をデジタル信号に変換させ、この変換結果を受けることを特徴とする演算処理装置。 - 前記A/D変換回路は、
第1のノードと第2のノードとの間に直列に接続された複数の第1の抵抗を含み、第1、第2のノードの間の電圧を複数に分割して第1の電圧刻みを有する前記複数の比較用アナログ信号を発生する第1の電圧分割回路と、
上記第1の電圧分割回路で発生された複数の比較用アナログ信号を選択する電圧選択回路と、
上記電圧選択回路で選択された比較用アナログ信号と前記入力アナログ信号とを比較する第1の比較回路と、
上記第1の比較回路の比較結果を受け、この比較結果に応じて前記入力アナログ信号に対応したデジタル信号を発生すると共に上記電圧選択回路の動作を制御する第1の制御回路とを有することを特徴とする請求項8記載の演算処理装置。 - 前記割込要求発生回路は、
供給されるデジタル信号をアナログ信号に変換して第2の電圧刻みを有する前記複数の比較用アナログ信号の1つを出力するD/A変換回路と、
前記入力アナログ信号と上記D/A変換回路から出力される比較用アナログ信号とを比較する第2の比較回路と、
上記第2の比較回路の比較結果を受け、この比較結果に応じて前記割込要求を発生すると共に、この比較結果に応じて上記D/A変換回路に供給される上記デジタル信号を更新する第2の制御回路とを有することを特徴とする請求項9記載の演算処理装置。 - 前記D/A変換回路は、
第1のノードと第2のノードとの間に直列に接続された複数の第2の抵抗を含み、第1、第2のノードの間の電圧を複数に分割して第2の電圧刻みを有する前記複数の比較用アナログ信号を発生する第2の電圧分割回路を含んでいることを特徴とする請求項10記載の演算処理装置。 - 前記複数の第2の抵抗の直列抵抗の値が、前記複数の第1の抵抗の直列抵抗の値に比べて大きいことを特徴とする請求項11記載の演算処理装置。
- 前記複数の第2の抵抗の個数が、前記複数の第1の抵抗の個数に比べて少ないことを特徴とする請求項11記載の演算処理装置。
- 前記A/D変換回路、演算処理回路及び割込要求発生回路が1個の半導体チップ上に集積化されており、前記A/D変換回路は上記半導体チップの1つの角部に配置され、かつ前記割込要求発生回路が上記A/D変換回路の隣に配置されていることを特徴とする請求項8記載の演算処理装置。
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