JP2004157042A - 光学測定用圧力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学測定用圧力装置の圧力制御の精度を向上させる。
【解決手段】制御部33により直流電源31を制御してピエゾ素子27a,27bが伸張するように直流電圧を印加する。ピエゾ素子27a,27bの伸張により加圧用ピストン21はピストン19側へ付勢され、ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間内が加圧され、ピストン19は試料室3側へ付勢され、高圧流路15を介して試料室3内が加圧される。圧力センサー23によりピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力を監視し、その空間の圧力、ひいては試料室3内が所定の圧力になったとき、制御部33は直流電源31を制御してピエゾ素子27a,27bの伸張を停止させる。圧力センサー23により圧力の監視を続け、制御部33は圧力センサー23の検出信号に基づいて試料室3内の圧力を維持するように直流電源31を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】制御部33により直流電源31を制御してピエゾ素子27a,27bが伸張するように直流電圧を印加する。ピエゾ素子27a,27bの伸張により加圧用ピストン21はピストン19側へ付勢され、ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間内が加圧され、ピストン19は試料室3側へ付勢され、高圧流路15を介して試料室3内が加圧される。圧力センサー23によりピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力を監視し、その空間の圧力、ひいては試料室3内が所定の圧力になったとき、制御部33は直流電源31を制御してピエゾ素子27a,27bの伸張を停止させる。圧力センサー23により圧力の監視を続け、制御部33は圧力センサー23の検出信号に基づいて試料室3内の圧力を維持するように直流電源31を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧下における物質の特性を光学測定するための光学測定用圧力装置に関し、特に、観測窓を備え試料が封入される試料室及びその試料室に連通され、内部にピストンを備えたシリンダーを備えた高圧セルと、高圧セルのシリンダーを介して試料室内を所定の圧力にするための圧力印加機構とを備えた光学測定用圧力装置に関するものである。
このような光学測定用圧力装置は、例えば紫外線/可視、近赤外線、赤外線、ラマン散乱などを用いた分光光度計、円二色性分光計、蛍光光度計に適用され、物理化学、生物物理学、タンパク質科学などの分野で使用される。
【0002】
【従来の技術】
高圧下における物質の特性を光学測定するための光学測定用圧力装置としてピストン・シリンダー型の高圧セルを備えたものがある(特許文献1参照。)。
図4は従来の光学測定用圧力装置を示す概略構成図である。
高圧セル本体1に試料が封入される試料室3が設けられている。試料室3の側壁の対向する位置に高圧セル本体1を貫通して観測窓5,5が形成されている。観測窓5,5には試料室3を挟み込むように耐圧窓材9,9が設けられている。高圧セル本体1にはピストン19が配置されたシリンダー17も形成されている。試料室3とシリンダー17は高圧流路15により連通されている。
【0003】
シリンダー17の上方には高圧プラグ73が接続されており、シリンダー17は、高圧プラグ73並びに高圧セル本体1外に設けられた逆流防止弁75及び調圧器77を介してポンプ79に接続されている。
【0004】
測定の際には、試料室3に試料を封入した後、調圧器77の制御により、ポンプ79から液体又は気体からなる加圧媒体を調圧器77、逆流防止弁75及び高圧プラグ73を介してシリンダー17に送って、ピストン19を介して試料室3内を加圧する。試料室3内を調圧器77により所定の圧力に制御した後、試料室3内の圧力低下を防ぐために逆流防止弁75を閉じる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−209158号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光学測定用圧力装置では、試料室3内を所定の圧力に調圧する際、ポンプ79から加圧媒体を送り込むが、加圧媒体の流れが一方向なので試料室3内の圧力調整がしにくいという問題があった。
さらに、試料室3内を所定の圧力に調圧した後、逆流防止弁75を閉じるので、逆流防止弁75を閉じた後に生じる試料室3内の圧力変動に対応できないという問題があった。
そこで本発明は、光学測定用圧力装置の圧力制御の精度を向上させることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる光学測定用圧力装置の第1の態様は、観測窓を備え試料が封入される試料室及びその試料室に連通され、ピストンを備えたシリンダーを備えた高圧セルと、この高圧セルのシリンダーを介して試料室内を所定の圧力にするための圧力印加機構とを備えた光学測定用圧力装置であって、圧力印加機構は、試料室内の圧力を測定する圧力センサーと、シリンダーに接続され、シリンダーを介して加圧及び減圧する加減圧機構と、圧力センサーの検出信号に基づいて、試料室内の圧力を一定に保つように加減圧機構を制御する制御部とを備えたものである。
【0008】
第1の態様では、制御部により、圧力センサーの検出信号に基づいて試料室内の圧力を監視しながら加減圧機構を駆動させ、試料室内を所定の圧力に加圧する。試料室内を所定の圧力に加圧した後も圧力センサーの検出信号に基づいて試料室内の圧力を監視し、試料室内に圧力変動が生じた場合、試料室内を加圧又は減圧するように加減圧機構を駆動させて試料室内を所定の圧力に維持する。
【0009】
本発明にかかる光学測定用圧力装置の第2の態様は、観測窓を備え試料が封入される試料室及びその試料室に連通され、ピストンを備えたシリンダーを備えた高圧セルと、この高圧セルのシリンダーを介して試料室内を所定の圧力にするための圧力印加機構とを備えた光学測定用圧力装置であって、圧力印加機構は、気体が封入される加圧空気室と、シリンダーを備えた加圧媒体室と、加圧空気室と加圧媒体室との間に設けられた弾性部材と、シリンダー内に設けられ、加圧媒体により付勢される第1のピストンと、加圧媒体室外に設けられ、第1のピストンと連結部材を介して連結された第2のピストンとを備えた空気ばねにより構成され、空気ばねは、第2のピストンを高圧セルのシリンダー内に配置した状態で、高圧セル本体のシリンダー上部の所定位置に固定されているものである。
【0010】
第2の態様では、加圧媒体室に所定量の加圧媒体を封入した状態で加圧空気室に予め設定された圧力で気体を封入する。第2のピストンをシリンダー内に進入させ、空気ばねを高圧セル本体のシリンダー上部の所定位置に固定する。第2のピストンにより、高圧セル本体のシリンダー内のピストンと第2のピストンとの間の空間内を加圧し、高圧セル本体のピストンを所定の圧力で試料室側に付勢し、試料室内を所定の圧力に加圧する。試料室内に圧力変動が生じたとき、空気ばねの作用により試料室内の圧力を所定の値に維持する。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1の態様において、加減圧機構の一例は、圧電素子及び圧電素子に電圧を供給するための電源である。
第1の態様において、加減圧機構の一例は、シリンジポンプ及びシリンジポンプ駆動機構である。
【0012】
【実施例】
図1は本発明の第1の実施例を示す構成図である。
高圧セル本体1に試料が封入される試料室3が設けられている。試料室3の側壁の対向する位置に高圧セル本体1を貫通して観測窓5,5が形成されている。観測窓5,5には試料室3を挟み込むようにリテーナ7,7を介して耐圧窓材9,9が設けられている。リテーナ7及び耐圧窓材9はOリング11を介して高圧セル本体1に取り付けられたプラグ13により支持されている。耐圧窓材9の材料としては、例えば石英、サファイア、ダイヤモンド、BK−7(光学ガラス)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、セレン化亜鉛(ZnSe)などを用いることができる。
【0013】
高圧セル本体1には高圧流路15により連通されたシリンダー17も形成されている。シリンダー17内にはピストン19が配置されている。
シリンダー17内には、ピストン19の試料室3とは反対側に、ピストン19と間隔をもって加圧用ピストン21も配置されている。ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間には加圧媒体としての液体又は気体が封入される。ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間に位置するシリンダー17の内壁に、その空間内の圧力を測定する圧力センサー23が設けられている。
【0014】
加圧用ピストン21のピストン19とは反対側の面に連結棒25が接合されている。連結棒25に基端側は圧電素子としてのピエゾ素子27aに接合されている。ピエゾ素子27aはピエゾ素子27bに積層されて配置されている。ピエゾ素子27bのピエゾ素子27aとは反対側の端面は、高圧セル1本体に取り付けられた筐体29の内壁に固定されている。ピエゾ素子27a,27bは直流電源31に電気的に接続されており、直流電源31からの直流電圧の印加により図中矢印方向に伸縮する。
【0015】
直流電源31を制御するための制御部33が設けられている。制御部33は圧力センサー23と電気的に接続されており、圧力センサー23の検出信号に基づいて直流電源31を制御する。
この実施例において、加圧用ピストン21、連結棒25、ピエゾ素子27a,27b、筐体29及び直流電源31は加減圧機構を構成する。
【0016】
この実施例において、試料室3内に封入された試料を加圧するとき、制御部33からの制御に基づいて、直流電源31は、ピエゾ素子27a,27bが伸張するように直流電圧を印加する。ピエゾ素子27a,27bが伸張することにより、連結棒25を介して加圧用ピストン21がピストン19側へ付勢され、ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間内が加圧される。ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力によりピストン19が試料室3側へ付勢され、高圧流路15を介して試料室3内を加圧する。ピストン19は固定されていないので、ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力と、試料室3内の圧力は同じになる。
【0017】
試料室3内の加圧時、圧力センサー23によりピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力を監視しておく。ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力、ひいては試料室3内が所定の圧力になったとき、制御部33は直流電源31を制御してピエゾ素子27a,27bの伸張を停止させる。
【0018】
その後、圧力センサー23によりピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力の監視を続ける。制御部33は、圧力センサー23の検出信号に基づいて、ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力が低下したとき、ピエゾ素子27a,27bが伸張するように直流電源31を制御し、試料室3内の圧力が上昇したとき、ピエゾ素子27a,27bが収縮するように直流電源31を制御する。これにより、ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力、ひいては試料室3内の圧力を所定の値に維持することができる。
【0019】
また、試料室3内の圧力を意図的に変化させたい場合、制御部33により直流電源31を制御してピエゾ素子27a,27bに印加する電圧を急激に変化させることにより、数ミリ秒以内で試料室3内を所望の圧力に変化させることができる。
【0020】
この実施例では圧電素子としてのピエゾ素子を2つ積層して設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つのピエゾ素子のみを設けてもよいし、3層以上のピエゾ素子を積層して設けてもよい。なお、ピエゾ素子の積層数を増やすことにより、試料室内をより高圧にすることができるようになる。
【0021】
この実施例では圧力センサー23をピストン19と加圧用ピストン21との間に位置するシリンダー17の内壁に設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ピストン19と高圧流路15との間に位置するシリンダー17の内壁、高圧流路15の内壁、又は試料室3の内壁のいずれに設けてもよい。
【0022】
図2は第2の実施例を示す構成図である。図1と同じ部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
高圧セル本体1に、試料室3、観測窓5、リテーナ7、耐圧窓材9、Oリング11、プラグ13、高圧流路15、シリンダー17及びピストン19が設けられている。シリンダー17の高圧流路15とは反対側の端部に、Oリング35を介して高圧プラグ37が設けられている。高圧プラグ37は高圧セル本体1に取り付けられた円筒状のソケット39により固定されている。ソケット39内にはチューブガイド41が取り付けられている。
【0023】
高圧プラグ37にはソケット39及びチューブガイド41を介してキャピラリーチューブ43の一端が接続されている。キャピラリーチューブ43の他端はシリンジポンプ45に接続されている。シリンジ17のピストン19と高圧プラグ37との間の空間、キャピラリーチューブ43及びシリンジポンプ45には加圧媒体としての液体又は気体が封入されている。キャピラリーチューブ43のチューブガイド41付近に圧力センサー47が接続されている。
シリンジポンプ45のピストン49を駆動させるためのシリンジポンプ駆動機構51が設けられている。
【0024】
シリンジポンプ駆動機構51を制御するための制御部53が設けられている。制御部53は圧力センサー47と電気的に接続されており、圧力センサー47の検出信号に基づいてシリンジポンプ駆動機構51を制御する。
この実施例において、キャピラリーチューブ43、シリンジポンプ45及びシリンジポンプ駆動機構51は加減圧機構を構成する。
【0025】
この実施例において、試料室3内に封入された試料を加圧するとき、制御部53は試料室3内が所定の圧力になるようにシリンジポンプ駆動機構51を制御する。シリンジポンプ駆動機構51は制御部53からの制御に基づいてシリンジポンプ45のピストン49を駆動させてシリンジポンプ45を吐出動作させる。シリンジポンプ45の吐出動作により、キャピラリーチューブ43を介してピストン19と高圧プラグ37との間の空間内が加圧される。ピストン19と高圧プラグ37との間の空間の圧力によりピストン19が試料室3側へ付勢され、高圧流路15を介して試料室3内を加圧する。ピストン19は固定されていないので、試料室3内の圧力、ピストン19と高圧プラグ37との間の空間の圧力、キャピラリーチューブ43内の圧力は同じになる。
【0026】
試料室3内の加圧時、圧力センサー47によりキャピラリーチューブ43内の圧力を監視しておく。キャピラリーチューブ43内の圧力、ひいては試料室3内が所定の圧力になったとき、制御部53はシリンジポンプ駆動機構51を制御してシリンジポンプ45の吐出動作を停止させる。
【0027】
その後、圧力センサー47によりキャピラリーチューブ43内の圧力の監視を続ける。制御部53は、圧力センサー47の検出信号に基づいて、キャピラリーチューブ43内の圧力が低下したとき、シリンジポンプ45を吐出動作させるようにシリンジポンプ駆動機構51を制御し、試料室3内の圧力が上昇したとき、シリンジポンプ45を吸引動作させるようにシリンジポンプ駆動機構51を制御する。これにより、キャピラリーチューブ43内の圧力、ひいては試料室3内の圧力を所定の値に維持することができる。
【0028】
また、試料室3内の圧力を意図的に変化させたい場合、制御部53によりシリンジポンプ駆動機構51を制御してシリンジポンプ45のピストン49を急激に駆動させることにより、数ミリ秒以内で試料室3内を所望の圧力に変化させることができる。
【0029】
この実施例では圧力センサー47をキャピラリーチューブ43に接続しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、高圧プラグ37とピストン19との間に位置するシリンダー17の内壁、ピストン19と高圧流路15との間に位置するシリンダー17の内壁、高圧流路15の内壁、又は試料室3の内壁のいずれに設けてもよい。
【0030】
図3は第3の実施例を示す構成図である。図1と同じ部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
高圧セル本体1に、試料室3、観測窓5、リテーナ7、耐圧窓材9、Oリング11、プラグ13、高圧流路15、シリンダー17及びピストン19が設けられている。シリンダー17の高圧流路15とは反対側に、側面にねじ山が形成された空気ばね結合部55が形成されている。空気ばね結合部55に空気ばね57が螺合されて固定されている。空気ばね結合部55及び空気ばね57は、空気ばね57が空気ばね結合部55の所定位置に固定されるように設計されている。
【0031】
空気ばね57は、所定の圧力で空気が封入された加圧空気室59と、例えば液体からなる加圧媒体が封入され、シリンダー61を備えた加圧媒体室63と、加圧空気室59と加圧媒体室63との間に設けられた弾性部材65を備えている。シリンダー61内には加圧媒体により付勢される第1のピストン67が設けられている。第1のピストン67は連結部材69を介して第2のピストン71と連結されており、第2のピストン71は加圧媒体室63外に設けられ、高圧セル本体1のシリンダー17内に配置されている。
【0032】
この実施例において、試料室3内に封入された試料を加圧するとき、試料室3に所定量の試料を封入し、高圧流路15と、シリンダー17の高圧流路15とピストン19との間の空間に加圧媒体としての所定量の液体を封入する。これにより、ピストン19はシリンダー17内の所定位置に位置され、シリンダー17内のピストン19上の空間には所定の体積の空気が存在する。
【0033】
加圧媒体室63に所定量の加圧媒体を封入した状態で加圧空気室59に予め設定された圧力で気体、例えば空気を封入する。第2のピストン71をシリンダー17内に進入させ、空気ばね57を空気ばね結合部55に螺合して所定位置に結合する。
【0034】
空気ばね57が空気ばね結合部55の所定位置に固定されたとき、第2のピストン71は、加圧空気室59に封入した空気の圧力に応じてシリンダー17内のピストン19と第2のピストン71との間の空間内を加圧する。空気ばね57を空気ばね結合部55に結合する前、シリンダー17内のピストン19上の空間には所定の体積の空気が存在していたので、ピストン19と第2のピストン71との間の空間内が加圧されることにより、ピストン19は所定の圧力で高圧流路15側に付勢される。ピストン19は固定されていないので、試料室3内の圧力、及びピストン19と第2のピストン71との間の空間の圧力は同じになる。
【0035】
この実施例では、試料室3内に圧力変動が生じたとき、空気ばね57の作用により試料室3内の圧力を所定の値に維持することができる。
また、この実施例では、加圧空気室59に封入する気体の圧力を変更することにより、試料室3に印加する圧力を変更することができる。
【0036】
第1から第3の実施例において、試料室3を所定の温度に温調するための温度調整機構を備えることが好ましい。例えば、高圧セル本体1の試料室3付近に加熱機構、冷却機構、又は加熱及び冷却機構を備え、試料室3付近に温度センサーを配置し、その温度センサーの検出信号に応じて加熱機構、冷却機構、又は加熱及び冷却機構を制御する温度制御部を備える。加熱機構としてはヒーターを用いることができ、冷却機構としては気化液体窒素供給機構を用いることができ、加熱及び冷却機構としてはペルチエ素子を用いることができる。温度センサーとしては熱電対や白金側温体を用いることができる。制御部としては、PID方式(比例積分微分制御)方式を用いることができる。
【0037】
第1から第3の実施例では、逆流防止弁、調圧器及びポンプなどからなる加圧媒体を供給する従来の圧力印加機構に比べて、圧力印加機構を安価に構成することができ、光学測定用圧力装置を低価格化することができる。
さらに、従来の圧力印加機構に比べて、圧力印加機構の設置面積を小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。
さらに、従来の圧力印加機構に比べて、圧力印加機構の構成が簡単なので、操作が容易になる。
【0038】
【発明の効果】
本発明にかかる光学測定用圧力装置の第1の態様では、圧力印加機構として、試料室内の圧力を測定する圧力センサーと、シリンダーに接続され、シリンダーを介して加圧及び減圧する加減圧機構と、圧力センサーの検出信号に基づいて、試料室内の圧力を一定に保つように加減圧機構を制御する制御部とを備え、制御部により、圧力センサーの検出信号に基づいて試料室内の圧力を監視しながら加減圧機構を駆動させ、試料室内を所定の圧力に加圧するようにしたので、圧力制御の精度を向上させることができる。さらに、試料室内を所定の圧力に加圧した後も圧力センサーの検出信号に基づいて試料室内の圧力を監視するようにすれば、試料室内に圧力変動が生じた場合でも、試料室内を加圧又は減圧するように加減圧機構を駆動させて試料室内を所定の圧力に維持することができる。
【0039】
本発明にかかる光学測定用圧力装置の第2の態様では、圧力印加機構として、気体が封入される加圧空気室と、シリンダーを備えた加圧媒体室と、加圧空気室と加圧媒体室との間に設けられた弾性部材と、シリンダー内に設けられ、加圧媒体により付勢される第1のピストンと、加圧媒体室外に設けられ、第1のピストンと連結部材を介して連結された第2のピストンとを備えた空気ばねを備え、空気ばねを、第2のピストンを高圧セルのシリンダー内に配置した状態で、高圧セル本体のシリンダー上部の所定位置に固定するようにしたので、空気ばねの第2のピストンにより、加圧空気室に封入した気体の圧力に応じて、高圧セル本体のシリンダー内のピストンと第2のピストンとの間の空間内、ひいては試料室内を所定の圧力に加圧でき、試料室内に圧力変動が生じたとき、空気ばねの作用により試料室内の圧力を所定の値に維持することができ、圧力制御の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を示す構成図である。
【図2】第2の実施例を示す構成図である。
【図3】第3の実施例を示す構成図である。
【図4】従来の光学測定用圧力装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 高圧セル本体
3 試料室
5 観測窓
7 リテーナ
9 耐圧窓材
11 Oリング
13 プラグ
15 高圧流路
17 シリンダー
19 ピストン
21 加圧用ピストン
23 圧力センサー
25 連結棒
27a,27b ピエゾ素子
29 筐体
31 直流電源
33 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧下における物質の特性を光学測定するための光学測定用圧力装置に関し、特に、観測窓を備え試料が封入される試料室及びその試料室に連通され、内部にピストンを備えたシリンダーを備えた高圧セルと、高圧セルのシリンダーを介して試料室内を所定の圧力にするための圧力印加機構とを備えた光学測定用圧力装置に関するものである。
このような光学測定用圧力装置は、例えば紫外線/可視、近赤外線、赤外線、ラマン散乱などを用いた分光光度計、円二色性分光計、蛍光光度計に適用され、物理化学、生物物理学、タンパク質科学などの分野で使用される。
【0002】
【従来の技術】
高圧下における物質の特性を光学測定するための光学測定用圧力装置としてピストン・シリンダー型の高圧セルを備えたものがある(特許文献1参照。)。
図4は従来の光学測定用圧力装置を示す概略構成図である。
高圧セル本体1に試料が封入される試料室3が設けられている。試料室3の側壁の対向する位置に高圧セル本体1を貫通して観測窓5,5が形成されている。観測窓5,5には試料室3を挟み込むように耐圧窓材9,9が設けられている。高圧セル本体1にはピストン19が配置されたシリンダー17も形成されている。試料室3とシリンダー17は高圧流路15により連通されている。
【0003】
シリンダー17の上方には高圧プラグ73が接続されており、シリンダー17は、高圧プラグ73並びに高圧セル本体1外に設けられた逆流防止弁75及び調圧器77を介してポンプ79に接続されている。
【0004】
測定の際には、試料室3に試料を封入した後、調圧器77の制御により、ポンプ79から液体又は気体からなる加圧媒体を調圧器77、逆流防止弁75及び高圧プラグ73を介してシリンダー17に送って、ピストン19を介して試料室3内を加圧する。試料室3内を調圧器77により所定の圧力に制御した後、試料室3内の圧力低下を防ぐために逆流防止弁75を閉じる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−209158号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光学測定用圧力装置では、試料室3内を所定の圧力に調圧する際、ポンプ79から加圧媒体を送り込むが、加圧媒体の流れが一方向なので試料室3内の圧力調整がしにくいという問題があった。
さらに、試料室3内を所定の圧力に調圧した後、逆流防止弁75を閉じるので、逆流防止弁75を閉じた後に生じる試料室3内の圧力変動に対応できないという問題があった。
そこで本発明は、光学測定用圧力装置の圧力制御の精度を向上させることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる光学測定用圧力装置の第1の態様は、観測窓を備え試料が封入される試料室及びその試料室に連通され、ピストンを備えたシリンダーを備えた高圧セルと、この高圧セルのシリンダーを介して試料室内を所定の圧力にするための圧力印加機構とを備えた光学測定用圧力装置であって、圧力印加機構は、試料室内の圧力を測定する圧力センサーと、シリンダーに接続され、シリンダーを介して加圧及び減圧する加減圧機構と、圧力センサーの検出信号に基づいて、試料室内の圧力を一定に保つように加減圧機構を制御する制御部とを備えたものである。
【0008】
第1の態様では、制御部により、圧力センサーの検出信号に基づいて試料室内の圧力を監視しながら加減圧機構を駆動させ、試料室内を所定の圧力に加圧する。試料室内を所定の圧力に加圧した後も圧力センサーの検出信号に基づいて試料室内の圧力を監視し、試料室内に圧力変動が生じた場合、試料室内を加圧又は減圧するように加減圧機構を駆動させて試料室内を所定の圧力に維持する。
【0009】
本発明にかかる光学測定用圧力装置の第2の態様は、観測窓を備え試料が封入される試料室及びその試料室に連通され、ピストンを備えたシリンダーを備えた高圧セルと、この高圧セルのシリンダーを介して試料室内を所定の圧力にするための圧力印加機構とを備えた光学測定用圧力装置であって、圧力印加機構は、気体が封入される加圧空気室と、シリンダーを備えた加圧媒体室と、加圧空気室と加圧媒体室との間に設けられた弾性部材と、シリンダー内に設けられ、加圧媒体により付勢される第1のピストンと、加圧媒体室外に設けられ、第1のピストンと連結部材を介して連結された第2のピストンとを備えた空気ばねにより構成され、空気ばねは、第2のピストンを高圧セルのシリンダー内に配置した状態で、高圧セル本体のシリンダー上部の所定位置に固定されているものである。
【0010】
第2の態様では、加圧媒体室に所定量の加圧媒体を封入した状態で加圧空気室に予め設定された圧力で気体を封入する。第2のピストンをシリンダー内に進入させ、空気ばねを高圧セル本体のシリンダー上部の所定位置に固定する。第2のピストンにより、高圧セル本体のシリンダー内のピストンと第2のピストンとの間の空間内を加圧し、高圧セル本体のピストンを所定の圧力で試料室側に付勢し、試料室内を所定の圧力に加圧する。試料室内に圧力変動が生じたとき、空気ばねの作用により試料室内の圧力を所定の値に維持する。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1の態様において、加減圧機構の一例は、圧電素子及び圧電素子に電圧を供給するための電源である。
第1の態様において、加減圧機構の一例は、シリンジポンプ及びシリンジポンプ駆動機構である。
【0012】
【実施例】
図1は本発明の第1の実施例を示す構成図である。
高圧セル本体1に試料が封入される試料室3が設けられている。試料室3の側壁の対向する位置に高圧セル本体1を貫通して観測窓5,5が形成されている。観測窓5,5には試料室3を挟み込むようにリテーナ7,7を介して耐圧窓材9,9が設けられている。リテーナ7及び耐圧窓材9はOリング11を介して高圧セル本体1に取り付けられたプラグ13により支持されている。耐圧窓材9の材料としては、例えば石英、サファイア、ダイヤモンド、BK−7(光学ガラス)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、セレン化亜鉛(ZnSe)などを用いることができる。
【0013】
高圧セル本体1には高圧流路15により連通されたシリンダー17も形成されている。シリンダー17内にはピストン19が配置されている。
シリンダー17内には、ピストン19の試料室3とは反対側に、ピストン19と間隔をもって加圧用ピストン21も配置されている。ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間には加圧媒体としての液体又は気体が封入される。ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間に位置するシリンダー17の内壁に、その空間内の圧力を測定する圧力センサー23が設けられている。
【0014】
加圧用ピストン21のピストン19とは反対側の面に連結棒25が接合されている。連結棒25に基端側は圧電素子としてのピエゾ素子27aに接合されている。ピエゾ素子27aはピエゾ素子27bに積層されて配置されている。ピエゾ素子27bのピエゾ素子27aとは反対側の端面は、高圧セル1本体に取り付けられた筐体29の内壁に固定されている。ピエゾ素子27a,27bは直流電源31に電気的に接続されており、直流電源31からの直流電圧の印加により図中矢印方向に伸縮する。
【0015】
直流電源31を制御するための制御部33が設けられている。制御部33は圧力センサー23と電気的に接続されており、圧力センサー23の検出信号に基づいて直流電源31を制御する。
この実施例において、加圧用ピストン21、連結棒25、ピエゾ素子27a,27b、筐体29及び直流電源31は加減圧機構を構成する。
【0016】
この実施例において、試料室3内に封入された試料を加圧するとき、制御部33からの制御に基づいて、直流電源31は、ピエゾ素子27a,27bが伸張するように直流電圧を印加する。ピエゾ素子27a,27bが伸張することにより、連結棒25を介して加圧用ピストン21がピストン19側へ付勢され、ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間内が加圧される。ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力によりピストン19が試料室3側へ付勢され、高圧流路15を介して試料室3内を加圧する。ピストン19は固定されていないので、ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力と、試料室3内の圧力は同じになる。
【0017】
試料室3内の加圧時、圧力センサー23によりピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力を監視しておく。ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力、ひいては試料室3内が所定の圧力になったとき、制御部33は直流電源31を制御してピエゾ素子27a,27bの伸張を停止させる。
【0018】
その後、圧力センサー23によりピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力の監視を続ける。制御部33は、圧力センサー23の検出信号に基づいて、ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力が低下したとき、ピエゾ素子27a,27bが伸張するように直流電源31を制御し、試料室3内の圧力が上昇したとき、ピエゾ素子27a,27bが収縮するように直流電源31を制御する。これにより、ピストン19と加圧用ピストン21との間の空間の圧力、ひいては試料室3内の圧力を所定の値に維持することができる。
【0019】
また、試料室3内の圧力を意図的に変化させたい場合、制御部33により直流電源31を制御してピエゾ素子27a,27bに印加する電圧を急激に変化させることにより、数ミリ秒以内で試料室3内を所望の圧力に変化させることができる。
【0020】
この実施例では圧電素子としてのピエゾ素子を2つ積層して設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つのピエゾ素子のみを設けてもよいし、3層以上のピエゾ素子を積層して設けてもよい。なお、ピエゾ素子の積層数を増やすことにより、試料室内をより高圧にすることができるようになる。
【0021】
この実施例では圧力センサー23をピストン19と加圧用ピストン21との間に位置するシリンダー17の内壁に設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ピストン19と高圧流路15との間に位置するシリンダー17の内壁、高圧流路15の内壁、又は試料室3の内壁のいずれに設けてもよい。
【0022】
図2は第2の実施例を示す構成図である。図1と同じ部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
高圧セル本体1に、試料室3、観測窓5、リテーナ7、耐圧窓材9、Oリング11、プラグ13、高圧流路15、シリンダー17及びピストン19が設けられている。シリンダー17の高圧流路15とは反対側の端部に、Oリング35を介して高圧プラグ37が設けられている。高圧プラグ37は高圧セル本体1に取り付けられた円筒状のソケット39により固定されている。ソケット39内にはチューブガイド41が取り付けられている。
【0023】
高圧プラグ37にはソケット39及びチューブガイド41を介してキャピラリーチューブ43の一端が接続されている。キャピラリーチューブ43の他端はシリンジポンプ45に接続されている。シリンジ17のピストン19と高圧プラグ37との間の空間、キャピラリーチューブ43及びシリンジポンプ45には加圧媒体としての液体又は気体が封入されている。キャピラリーチューブ43のチューブガイド41付近に圧力センサー47が接続されている。
シリンジポンプ45のピストン49を駆動させるためのシリンジポンプ駆動機構51が設けられている。
【0024】
シリンジポンプ駆動機構51を制御するための制御部53が設けられている。制御部53は圧力センサー47と電気的に接続されており、圧力センサー47の検出信号に基づいてシリンジポンプ駆動機構51を制御する。
この実施例において、キャピラリーチューブ43、シリンジポンプ45及びシリンジポンプ駆動機構51は加減圧機構を構成する。
【0025】
この実施例において、試料室3内に封入された試料を加圧するとき、制御部53は試料室3内が所定の圧力になるようにシリンジポンプ駆動機構51を制御する。シリンジポンプ駆動機構51は制御部53からの制御に基づいてシリンジポンプ45のピストン49を駆動させてシリンジポンプ45を吐出動作させる。シリンジポンプ45の吐出動作により、キャピラリーチューブ43を介してピストン19と高圧プラグ37との間の空間内が加圧される。ピストン19と高圧プラグ37との間の空間の圧力によりピストン19が試料室3側へ付勢され、高圧流路15を介して試料室3内を加圧する。ピストン19は固定されていないので、試料室3内の圧力、ピストン19と高圧プラグ37との間の空間の圧力、キャピラリーチューブ43内の圧力は同じになる。
【0026】
試料室3内の加圧時、圧力センサー47によりキャピラリーチューブ43内の圧力を監視しておく。キャピラリーチューブ43内の圧力、ひいては試料室3内が所定の圧力になったとき、制御部53はシリンジポンプ駆動機構51を制御してシリンジポンプ45の吐出動作を停止させる。
【0027】
その後、圧力センサー47によりキャピラリーチューブ43内の圧力の監視を続ける。制御部53は、圧力センサー47の検出信号に基づいて、キャピラリーチューブ43内の圧力が低下したとき、シリンジポンプ45を吐出動作させるようにシリンジポンプ駆動機構51を制御し、試料室3内の圧力が上昇したとき、シリンジポンプ45を吸引動作させるようにシリンジポンプ駆動機構51を制御する。これにより、キャピラリーチューブ43内の圧力、ひいては試料室3内の圧力を所定の値に維持することができる。
【0028】
また、試料室3内の圧力を意図的に変化させたい場合、制御部53によりシリンジポンプ駆動機構51を制御してシリンジポンプ45のピストン49を急激に駆動させることにより、数ミリ秒以内で試料室3内を所望の圧力に変化させることができる。
【0029】
この実施例では圧力センサー47をキャピラリーチューブ43に接続しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、高圧プラグ37とピストン19との間に位置するシリンダー17の内壁、ピストン19と高圧流路15との間に位置するシリンダー17の内壁、高圧流路15の内壁、又は試料室3の内壁のいずれに設けてもよい。
【0030】
図3は第3の実施例を示す構成図である。図1と同じ部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
高圧セル本体1に、試料室3、観測窓5、リテーナ7、耐圧窓材9、Oリング11、プラグ13、高圧流路15、シリンダー17及びピストン19が設けられている。シリンダー17の高圧流路15とは反対側に、側面にねじ山が形成された空気ばね結合部55が形成されている。空気ばね結合部55に空気ばね57が螺合されて固定されている。空気ばね結合部55及び空気ばね57は、空気ばね57が空気ばね結合部55の所定位置に固定されるように設計されている。
【0031】
空気ばね57は、所定の圧力で空気が封入された加圧空気室59と、例えば液体からなる加圧媒体が封入され、シリンダー61を備えた加圧媒体室63と、加圧空気室59と加圧媒体室63との間に設けられた弾性部材65を備えている。シリンダー61内には加圧媒体により付勢される第1のピストン67が設けられている。第1のピストン67は連結部材69を介して第2のピストン71と連結されており、第2のピストン71は加圧媒体室63外に設けられ、高圧セル本体1のシリンダー17内に配置されている。
【0032】
この実施例において、試料室3内に封入された試料を加圧するとき、試料室3に所定量の試料を封入し、高圧流路15と、シリンダー17の高圧流路15とピストン19との間の空間に加圧媒体としての所定量の液体を封入する。これにより、ピストン19はシリンダー17内の所定位置に位置され、シリンダー17内のピストン19上の空間には所定の体積の空気が存在する。
【0033】
加圧媒体室63に所定量の加圧媒体を封入した状態で加圧空気室59に予め設定された圧力で気体、例えば空気を封入する。第2のピストン71をシリンダー17内に進入させ、空気ばね57を空気ばね結合部55に螺合して所定位置に結合する。
【0034】
空気ばね57が空気ばね結合部55の所定位置に固定されたとき、第2のピストン71は、加圧空気室59に封入した空気の圧力に応じてシリンダー17内のピストン19と第2のピストン71との間の空間内を加圧する。空気ばね57を空気ばね結合部55に結合する前、シリンダー17内のピストン19上の空間には所定の体積の空気が存在していたので、ピストン19と第2のピストン71との間の空間内が加圧されることにより、ピストン19は所定の圧力で高圧流路15側に付勢される。ピストン19は固定されていないので、試料室3内の圧力、及びピストン19と第2のピストン71との間の空間の圧力は同じになる。
【0035】
この実施例では、試料室3内に圧力変動が生じたとき、空気ばね57の作用により試料室3内の圧力を所定の値に維持することができる。
また、この実施例では、加圧空気室59に封入する気体の圧力を変更することにより、試料室3に印加する圧力を変更することができる。
【0036】
第1から第3の実施例において、試料室3を所定の温度に温調するための温度調整機構を備えることが好ましい。例えば、高圧セル本体1の試料室3付近に加熱機構、冷却機構、又は加熱及び冷却機構を備え、試料室3付近に温度センサーを配置し、その温度センサーの検出信号に応じて加熱機構、冷却機構、又は加熱及び冷却機構を制御する温度制御部を備える。加熱機構としてはヒーターを用いることができ、冷却機構としては気化液体窒素供給機構を用いることができ、加熱及び冷却機構としてはペルチエ素子を用いることができる。温度センサーとしては熱電対や白金側温体を用いることができる。制御部としては、PID方式(比例積分微分制御)方式を用いることができる。
【0037】
第1から第3の実施例では、逆流防止弁、調圧器及びポンプなどからなる加圧媒体を供給する従来の圧力印加機構に比べて、圧力印加機構を安価に構成することができ、光学測定用圧力装置を低価格化することができる。
さらに、従来の圧力印加機構に比べて、圧力印加機構の設置面積を小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。
さらに、従来の圧力印加機構に比べて、圧力印加機構の構成が簡単なので、操作が容易になる。
【0038】
【発明の効果】
本発明にかかる光学測定用圧力装置の第1の態様では、圧力印加機構として、試料室内の圧力を測定する圧力センサーと、シリンダーに接続され、シリンダーを介して加圧及び減圧する加減圧機構と、圧力センサーの検出信号に基づいて、試料室内の圧力を一定に保つように加減圧機構を制御する制御部とを備え、制御部により、圧力センサーの検出信号に基づいて試料室内の圧力を監視しながら加減圧機構を駆動させ、試料室内を所定の圧力に加圧するようにしたので、圧力制御の精度を向上させることができる。さらに、試料室内を所定の圧力に加圧した後も圧力センサーの検出信号に基づいて試料室内の圧力を監視するようにすれば、試料室内に圧力変動が生じた場合でも、試料室内を加圧又は減圧するように加減圧機構を駆動させて試料室内を所定の圧力に維持することができる。
【0039】
本発明にかかる光学測定用圧力装置の第2の態様では、圧力印加機構として、気体が封入される加圧空気室と、シリンダーを備えた加圧媒体室と、加圧空気室と加圧媒体室との間に設けられた弾性部材と、シリンダー内に設けられ、加圧媒体により付勢される第1のピストンと、加圧媒体室外に設けられ、第1のピストンと連結部材を介して連結された第2のピストンとを備えた空気ばねを備え、空気ばねを、第2のピストンを高圧セルのシリンダー内に配置した状態で、高圧セル本体のシリンダー上部の所定位置に固定するようにしたので、空気ばねの第2のピストンにより、加圧空気室に封入した気体の圧力に応じて、高圧セル本体のシリンダー内のピストンと第2のピストンとの間の空間内、ひいては試料室内を所定の圧力に加圧でき、試料室内に圧力変動が生じたとき、空気ばねの作用により試料室内の圧力を所定の値に維持することができ、圧力制御の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を示す構成図である。
【図2】第2の実施例を示す構成図である。
【図3】第3の実施例を示す構成図である。
【図4】従来の光学測定用圧力装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 高圧セル本体
3 試料室
5 観測窓
7 リテーナ
9 耐圧窓材
11 Oリング
13 プラグ
15 高圧流路
17 シリンダー
19 ピストン
21 加圧用ピストン
23 圧力センサー
25 連結棒
27a,27b ピエゾ素子
29 筐体
31 直流電源
33 制御部
Claims (4)
- 観測窓を備え試料が封入される試料室及びその試料室に連通され、ピストンを備えたシリンダーを備えた高圧セルと、この高圧セルのシリンダーを介して試料室内を所定の圧力にするための圧力印加機構とを備えた光学測定用圧力装置において、
前記圧力印加機構は、前記試料室内の圧力を測定する圧力センサーと、
前記シリンダーに接続され、前記シリンダーを介して加圧及び減圧する加減圧機構と、
前記圧力センサーの検出信号に基づいて、前記試料室内の圧力を一定に保つように前記加減圧機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする光学測定用圧力装置。 - 前記加減圧機構として圧電素子及び圧電素子に電圧を供給するための電源を備えている請求項1に記載の光学測定用圧力装置。
- 前記加減圧機構としてシリンジポンプ及びシリンジポンプ駆動機構を備えている請求項1に記載の光学測定用圧力装置。
- 観測窓を備え試料が封入される試料室及びその試料室に連通され、ピストンを備えたシリンダーを備えた高圧セルと、この高圧セルのシリンダーを介して試料室内を所定の圧力にするための圧力印加機構とを備えた光学測定用圧力装置において、
前記圧力印加機構は、気体が封入される加圧空気室と、シリンダーを備えた加圧媒体室と、前記加圧空気室と前記加圧媒体室との間に設けられた弾性部材と、前記シリンダー内に設けられ、加圧媒体により付勢される第1のピストンと、前記加圧媒体室外に設けられ、前記第1のピストンと連結部材を介して連結された第2のピストンとを備えた空気ばねにより構成され、
前記空気ばねは、前記第2のピストンを前記高圧セルの前記シリンダー内に配置した状態で、高圧セル本体の前記シリンダー上部の所定位置に固定されていることを特徴とする光学測定用圧力装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006209675A (ja) * | 2005-01-31 | 2006-08-10 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 圧力調整装置 |
CN103454221A (zh) * | 2013-09-12 | 2013-12-18 | 北京吉天仪器有限公司 | 基于液芯波导管的负压进液装置 |
JP2014526047A (ja) * | 2011-08-05 | 2014-10-02 | ワイアット テクノロジー コーポレイション | 光学測定セル用気泡抑制システム |
WO2019204955A1 (zh) * | 2018-04-23 | 2019-10-31 | 深圳达闼科技控股有限公司 | 一种光学检测设备及检测方法 |
-
2002
- 2002-11-07 JP JP2002324026A patent/JP2004157042A/ja active Pending
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